説明

画像監視システム及び通信制御方法

【課題】警報が重複した場合にも円滑に画像の確認を行うことが可能な画像監視システム及び通信制御方法を提供することを目的としている。
【解決手段】警備領域内の異常を検知した際に警報を発信し、監視カメラで撮像された画像データを通信網を介して送信する複数の警備装置と、前記通信網と接続されており、前記警報と、前記画像データとを受信する複数の受信装置と、前記通信網と前記複数の受信装置との通信を制御する画像監視サーバと、を含む画像監視システムであって、前記画像監視サーバは、前記複数の受信装置のうち何れが前記警報を受信したとき、前記複数の回線において通信可能な回線を特定する回線特定手段と、前記回線特定手段により特定された回線の番号と、前記画像データの取得要求とを前記警報を発信した警備装置へ送信する要求送信手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警備領域内の異常を検知した際に警報を発信し、監視カメラで撮像された画像データを通信網を介して送信する複数の警備装置と、前記通信網と接続されており、前記警報と前記画像データとを受信する複数の受信装置と、前記通信網と前記複数の受信装置との通信を制御する画像監視サーバと、を含む画像監視システム及びこの画像監視システムにおける通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遠隔地の警備対象を監視するシステムとして、監視カメラが接続された警備装置を複数用意し、複数の回線により各警備装置を同時に警備センタに接続する画像監視システムがある(特許文献1)。
【0003】
この画像監視システムでは、警備装置は、警備領域に異常が発生したことを検出すると自発的に警備センタへ異常発生の警報を送信し、異常発生時の画像を送信する。警備センタでは、管制員が受信した異常画像に基づいて警備領域の状況を把握し、必要な措置をとる。また、受信した異常画像のみでは警備領域の状況を正確に把握できないと判断した場合には、管制員は、異常を通報してきた警備装置に対して、警備領域の現在の状況が撮影された画像(リアルタイム画像)の送信を要求する。
【0004】
このような画像監視システムでは、警備センタと複数の警備装置とをつなぐ複数の回線には同一の電話番号を付けて管理している。このような管理を「代表組み設定」と呼び、複数の回線番号でグループを形成し、予め決めたグループの代表番号に着呼があった場合にグループから空き回線を選んで着信する設定を示す。代表組み設定を行うことで、警備装置に固有の電話番号を登録する必要がなく、作業負荷を軽減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−339167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した代表組み設定がなされた画像監視システムでは、警備装置側ではグループ内の回線の状況を把握できないため、例えば警報の重複等によりグループ内に空き回線がない場合には、警備装置は回線が繋がるまで発呼を繰り返す。したがって、グループ内に空き回線がない場合に、緊急性の高い警報の受信が遅れる虞がある。
【0007】
また回線が空いた場合には、警備装置側は空いた回線と自発的に順次接続するため、警備センタ側では送信される情報の緊急性の高さを判断することができない。このため、緊急性の高い異常が生じている警備対象の画像の確認が遅れてしまう場合がある。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みてこれを解決すべくなされたものであり、警報が重複した場合にも優先度の高い画像の確認を円滑に行うことが可能な画像監視システム及び通信制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の如き構成を採用した。
【0010】
本発明は、警備領域内の異常を検知した際に警報を発信し、監視カメラで撮像された画像データを通信網を介して送信する複数の警備装置と、前記通信網と接続されており、前記警報と前記画像データとを受信する複数の受信装置と、前記通信網と前記複数の受信装置との通信を制御する画像監視サーバと、を含む画像監視システムであって、前記画像監視サーバは、前記複数の受信装置のうち何れが前記警報を受信したとき、前記複数の回線において通信可能な回線を特定する回線特定手段と、前記回線特定手段により特定された回線の番号と、前記画像データの取得要求とを前記警報を発信した警備装置へ送信する要求送信手段と、を有する。
【0011】
また本発明の画像監視システムにおいて、前記通信網はISDN網であり、前記複数の回線はISDN回線であって、前記回線特定手段は、前記ISDN回線においてBチャネルによる通信が可能な回線を特定し、前記要求送信手段は、前記特定された回線の番号と前記画像データの取得要求とを、前記警報を受信した前記受信装置と前記通信網とを接続する前記ISDN回線のDチャネルにより前記警報を発信した前記警備装置へ送信する。
【0012】
また本発明の画像監視システムにおいて、前記画像監視サーバは、前記通信網と前記複数の受信装置との通信状況を含む制御用データが格納された記憶手段と、前記通信網と前記複数の受信装置との通信状況を前記通信状況の変化に応じて前記制御用データへ格納する通信管理手段と、を有し、前記回線特定手段は、前記記憶手段に格納された前記制御用データを参照して前記通信可能な回線を特定する。
【0013】
また本発明の画像監視システムにおいて、前記回線特定手段により通信可能な回線の特定されない場合、前記要求送信手段は、前記画像監視サーバの入力手段により回線の番号が入力されたとき、前記入力された回線の番号と前記画像データの取得要求とを前記警報を発信した警備装置へ送信する。
【0014】
本発明は、警備領域内の異常を検知した際に警報を発信し、監視カメラで撮像された画像データを通信網を介して送信する複数の警備装置と、前記通信網と接続されており、前記警報と、前記画像データとを受信する複数の受信装置と、前記通信網と前記複数の受信装置との通信を制御する画像監視サーバと、を含む画像監視システムによる通信制御方法であって、前記画像監視サーバによる、前記複数の受信装置のうち何れが前記警報を受信したとき、前記複数の回線において通信可能な回線を特定する回線特定手順と、前記回線特定手順において特定された回線の番号と、前記画像データの取得要求とを前記警報を発信した警備装置へ送信する要求送信手順と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、警報が重複した場合にも優先度の高い画像の確認を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の画像監視システムのシステム構成を説明する図である。
【図2】本実施形態の画像監視サーバのハードウェア構成を説明するための図である。
【図3】本実施形態の画像監視サーバの機能構成を説明する図である。
【図4】画像監視サーバに格納された制御用データの例を示す図である。
【図5】本実施形態の画像監視システムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を参照して本実施形態の画像監視システム100について説明する。図1は、本実施形態の画像監視システムのシステム構成を説明する図である。
【0018】
本実施形態の画像監視システム100は、警備センタ200と、複数の警備装置300A〜300Nとにより構成される。本実施形態では、警備センタ200と警備装置300A〜300Nとは、ISDN(Integrated Services Digital Network)通信網を介して接続される。
【0019】
本実施形態の画像監視システム100では、警備センタ200が警備装置300A〜300Nの何れかから警報を受信すると、警備センタ200側で受信装置210A〜210NとISDN通信網とを接続する回線A〜N中の空き回線を特定し、特定した空き回線を用いて警備装置から画像データを受信する。
【0020】
本実施形態の警備センタ200は、画像監視サーバ400と、警備装置300A〜300Nと対応して接続される複数の受信装置210A〜210Nと、受信装置210A〜210Nで受信した画像データをモニタするためのモニタ装置220A〜220Nとが接続されている。
【0021】
本実施形態の画像監視サーバ400は、ISDN通信網と受信装置210A〜210Nとの接続の制御、回線A〜Nの使用状況の管理等を行う。画像監視サーバ400の詳細は後述する。
【0022】
本実施形態の受信装置210A〜210Nは、警備装置300A〜300Nから送信される情報を受信する。警備装置300A〜300Nから送信される情報とは、例えば画像データと音声データとを含む。尚受信装置210A〜210Nの数は、警備装置300A〜300Nの数とは同数でなくても良い。警備装置の数の方が受信装置の数よりも多くても良い。
【0023】
本実施形態のモニタ装置220A〜220Nは、画像監視サーバ400に制御されて受信装置210A〜210Nが受信した画像データを表示させる。尚モニタ装置220A〜220Nの台数は、受信装置210A〜210Nの数とは同数でなくても良い。受信装置の数の方がモニタ装置の数よりも多くても良い。
【0024】
本実施形態の警備装置300A〜300Nは、それぞれが同様の構成を有するため、以下の実施形態では一例として警備装置300Aについて説明する。
【0025】
本実施形態の警備装置300Aは、送信装置310A、電源装置320Aを有する。送信装置310Aには、カメラ330A、マイク331A、スピーカ332A、警備操作器333A、センサ入力部334A、制御出力部335A、等が接続されている。これら警備装置に接続されているものは一例であり、警備対象先の業態や監視目的および警備仕様等により適宜変更される。カメラ330Aは、撮像した画像を画像データとして送信装置310Aへ渡す。マイク331Aは、音声データを取得して送信装置310Aへ渡す。スピーカ332Aは、警備センタ200からの音声等を出力する。
【0026】
警備操作器333Aは、警備装置300Aの操作を行うための遠隔操作器である。警備装置300Aの操作とは、例えば、警備状態のオン/オフの切替、カメラ320Aによる監視の開始、終了、警備装置300Aの電源のオン/オフ等である。センサ入力部334Aは、警備領域内に設けられたセンサからの信号が入力される。制御出力部335Aは、例えば警報音等の出力を制御する。本実施形態の警備装置300Aでは、カメラ330A、マイク331A、スピーカ332A、警備操作器333A、センサ入力部334A、制御出力部335Aはそれぞれ複数個ずつ設けられていても良い。
【0027】
本実施形態の警備装置300Aは、センサ入力部334Aによりセンサが異常を検出したことを示す信号が入力されると、警備センタ200へ通信網を介して警報を送信する。このとき警備装置300Aは、警備装置300Aと警備センタ200とを接続する回線のDチャネルにより警報を送信する。Dチャネルについての詳細は後述する。
【0028】
また警備装置300Aは、警備センタ200から画像取得要求を受けると、カメラ330Aにより撮像した画像データや、マイク331Aで集音した音声データ等を通信網を介して警備センタ200へ送信する。このとき警備装置300Aは、画像データや音声データを、警備センタ200から指定された番号へ発呼し、指定された番号と対応した受信装置へBチャネルにより画像データを送信する。Bチャネルについての詳細は後述する。
【0029】
以下に、本実施形態の画像監視システム100における画像監視サーバ400について説明する。
【0030】
図2は、本実施形態の画像監視サーバのハードウェア構成を説明するための図である。本実施形態の画像監視サーバ400は、CPU41、メモリユニット42、表示ユニット43、入力ユニット44、補助記憶装置45、ドライバ46、インターフェイス装置47がバスB2を介して接続されている。
【0031】
CPU41は、画像監視サーバ400の全体の処理を制御する。メモリユニット42は、画像監視サーバ400の起動時に補助記憶装置45から画像監視プログラムを読み出して格納する。そして、CPU41はメモリユニット42に格納された本発明の画像監視プログラムに従って、後述するような各種処理を実現する。
【0032】
入力ユニット44はキーボードやマウスなどで構成され、各種信号を入力するために用いられる。表示ユニット43はディスプレイ装置などで構成され、各種ウインドウやデータ等を表示するために用いられる。インターフェイス装置47は、モデム、LANカードなどで構成されており、画像監視サーバ400をネットワークに接続する為に用いられる。
【0033】
本発明の画像監視プログラムは、画像監視サーバ400を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。画像監視プログラムは例えば記録媒体48の配布やネットワークからのダウンロードなどによって提供される。画像監視プログラムを記録した記録媒体48は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0034】
また、画像監視プログラムを記録した記録媒体48がドライバ46にセットされると、画像監視プログラムは記録媒体48からドライバ46を介して補助記憶装置45にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた画像監視プログラムは、インターフェイス装置47を介して補助記憶装置45にインストールされる。補助記憶装置45は、インストールされた画像監視プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。
【0035】
図3は、本実施形態の画像監視サーバの機能構成を説明する図である。本実施形態の画像監視サーバ400は、データベース410、通信管理部420、空き回線特定部430、要求送信部440、画像取得部450、モニタ制御部460を有する。
【0036】
本実施形態のデータベース410には、通信制御を行うための制御用データ411が格納されている。図4は、画像監視サーバに格納された制御用データの例を示す図である。
【0037】
本実施形態の制御用データ411は、受信装置210A〜210Nを識別するための受信装置IDと、警備装置300A〜300Nを識別するための警備装置IDと、受信装置210A〜210Nに割り振られた電話番号と、各警備装置から警報が送信されたか否かを示す警報履歴と、ISDN通信網と受信装置210A〜210Nとを接続する回線A〜Nの状況を示す回線状況と、が対応付けられて格納されている。
【0038】
本実施形態では、受信装置ID、電話番号は、予め警備センタ200の管理者等によりデータベース410へ格納されている。警報履歴、回線状況は、通信管理部420が状況に応じてデータを格納する。
【0039】
尚図示していないが、データベース410には、警備装置300A〜300Nを識別する警備装置IDと、警備対象者名と、警備装置300A〜300Nの電話番号等が警備対象者データとして格納されている。
【0040】
図3に戻って、画像監視サーバ400の有する各部について説明する。通信管理部420は、警備装置300A〜300Nと警備センタ200との間の通信を制御する。具体的には、本実施形態の通信管理部420は、警備装置300A〜300Nから警報が通知されると、制御用データ411において該当する警備装置の警報履歴を「警報あり」とする。
【0041】
また本実施形態の通信管理部420は、ISDN通信網と受信装置210A〜210Nとを接続するそれぞれの回線状況を制御用データ411に記憶させる。例えば警備装置300Aと受信装置210Aとが通信中である場合、通信管理部420は、受信装置210AとISDN通信網とを接続する回線Aの状況を「通信中」として制御用データ411に記憶させる。また通信管理部420は、回線Aの状況が変化した場合には、その都度制御用データ411に回線Aの状況を記憶させる。
【0042】
空き回線特定部430は、ISDN通信網と受信装置210A〜210Nとを接続する回線A〜Nにおいて、空き回線が存在するか否かを判断し、空き回線がある場合には空き回線を特定する。
【0043】
要求送信部440は、警備装置300A〜300Nから警報を受けると、警報を発した警備装置へ画像データの取得要求を送信する。このとき本実施形態の要求送信部440は、空き回線と接続された受信装置の電話番号と画像データの取得要求と、を警報を発した警備装置へ送信する。このとき要求送信部440はDチャネルで要求を送信する。
【0044】
画像取得部450は、受信装置が警備装置から受信した画像データを取得する。このとき、画像データはBチャネルにより送信される。また画像データを受信する受信装置は、空き回線と接続された受信装置である。
【0045】
モニタ制御部460は、受信した画像データをモニタ装置220A〜220Nへ任意の形態で表示させる。本実施形態では、例えば受信した画像データを、一つのモニタ装置に表示させても良いし、複数のモニタ装置に表示させても良い。
【0046】
以下に、図5を参照して本実施形態の画像監視システム100の動作について説明する。図5は、本実施形態の画像監視システムの動作を説明するための図である。図5は、警備装置300Aが警報を送信した場合を示している。
【0047】
本実施形態の画像監視システム100において、警備装置300Aの警備領域内で異常が発生すると、警備装置300Aは警報を警備センタ200へ送信する(ステップS501)。警備センタ200では、受信装置210A〜Nの何れかがこの警報を受信する。本実施形態では、警備装置300Aからの警報は、Dチャネルにより送信される。
【0048】
警備センタ200において、受信装置210Aが警報を受けると、画像監視サーバ400は、通信管理部420により警報の受信を検知し、制御用データ411の警備装置300Aの警報履歴を「警報有り」とする。そして画像監視サーバ400において、空き回線特定部430は、制御用データ411を参照して回線A〜Nにおいて回線状況が「空き」となっている回線を特定する。図4の例では、ISDN通信網と受信装置210Bとを接続する回線Bが空いていることがわかる。そこで空き回線特定部430は、回線Bを特定する(ステップS502)。尚本実施形態では、Bチャネルが空いている回線の回線状況を「空き」としている。
【0049】
次に画像監視サーバ400において、要求送信部440は、制御用データ411を参照し、回線Bと接続された受信装置210Bの電話番号を警備装置300Aへ送信する。また要求送信部440は、警備装置300Aへ画像データの取得要求を送信する(ステップS503)。ステップS503において、画像データの取得要求と、受信装置210Bの電話番号とは、受信装置210BとISDN通信網とを接続するDチャネルにより送信される。
【0050】
警備装置300Aは、画像データの取得要求と受信装置210Bの電話番号を受信すると、カメラ330Aにより画像データを撮像する(ステップS504)。そして撮像した画像データを回線BのBチャネルを介して警備センタ200へ送信する(ステップS505)。警備装置300Aは、受信装置210Bと接続するための回線Bは空き状態であるため、受信装置210Bの電話番号を発呼すれば、受信装置210Bへ画像データを送信することができる。尚警備装置300Aから受信装置210Bへ送信されるデータには、音声データが含まれていても良い。また、上記のようにライブ画像を送信する方法のほか、異常発生時の画像データを蓄積しておき、画像データの取得要求があった際に初めて蓄積しておいた当該異常発生時の画像データ(静止画)を警備センタ200に送信する方法もある。
【0051】
警備センタ200において、受信装置210Bが画像データを受信すると、画像監視サーバ400のモニタ制御部460は、画像データをモニタ装置220A〜220Nへ表示させる(ステップS506)。
【0052】
ここで、DチャネルとBチャネルについて説明する。
【0053】
Dチャネルは、ISDN規格で、通信回線の接続仕様を構成する論理回線の種類の一つであり、通信制御を行なう信号や、付加機能を提供するためのデータ伝送路として使われる。これに対し、実際にデータ転送を行なう通信用の論理回線はBチャネルである。ISDN規格では、1本の物理回線を、複数のBチャネルとDチャネルの組み合わせで構成している。
【0054】
本実施形態では、画像監視サーバ400が複数の回線の通信状況を管理し、空き回線特定部430によりBチャネルが空いている回線を用いて警報を発した警備装置からの画像を取得する。
【0055】
したがって本実施形態によれば、代表組み設定を行う必要がなく、警備装置300Aは警備センタ200から通知される電話番号に対して発呼し、画像データを送信するだけで良い。よって本実施形態では、警備センタ200側で代表組み設定に係る管理の負担を軽減することができる。
【0056】
また本実施形態では、警報を発した警備装置300Aに対し、通信可能な回線の電話番号が通知されるため、警備装置300Aが使用中の回線に対して繰り返し発呼することを防止でき、速やかに警報を警備センタ200へ通知することができる。また本実施形態では、警備装置が発呼を繰り返すことにより生じる管制員の待ち時間を削減でき、監視業務の効率化を図ることができる。
【0057】
また本実施形態では、警備装置300A〜300Nは、警備センタ200からの指示に従って通知された電話番号に画像データ等を送信すれば良いため、警備装置300A〜300Nにおいて複雑な設定が不要であり、警備装置300A〜300N側の管理の負担を軽減することができる。
【0058】
また本実施形態では、警備装置を更に増設する場合にも、画像監視サーバ400の制御用データ411に新たに増設した警備装置に関する情報を追加するだけで良く、警備装置の増設に係る設定等を軽減することができる。
【0059】
さらに本実施形態では、監視業務に係る情報を全て画像監視サーバ400で管理している。このため、例えば災害等により警備センタ200の稼働が停止した場合等には、画像監視サーバ400に格納された制御用データ411を別の画像監視サーバへ移行し、受信装置に係る情報を書き換えるだけで、警備センタ200と同様の動作を実現できる。すなわち本実施形態では、警備センタ200の移設を容易に実行することができる。
【0060】
尚本実施形態において、例えば警備装置300Aから警報が発信された際に、警備センタ200側の回線A〜NのBチャネルが全て通信中であった場合、本実施形態の画像監視サーバ400は、モニタ装置220A〜220Nの何れかに、警報を受信したことを表示させても良い。この場合、モニタ装置220A〜220Nを監視している管制員が、この表示にしたがって、回線A〜Nの何れか一つによる通信を遮断し、空き回線を設ける。画像監視サーバ400では、空き回線特定部430が管制員によって通信が遮断された回線を空き回線として特定し、要求送信部440により画像取得要求と共に空き回線の電話番号を警備装置へ送信する。
【0061】
また例えば回線A〜NのBチャネルが全て通信中であった場合に、複数の警報が重複した場合等にも、管制員の判断により任意の順序で画像取得要求を警備装置へ送信することができる。したがって、例えば管制員が緊急度の高い警報と判断した場合には、最初に遮断した回線の電話番号を該当する警備装置へ通知するようにすれば、緊急度の高い警報に係る画像データを優先的に取得することができる。
【0062】
また本実施形態では、警備センタ200から画像取得要求へ送信し、警備装置300A〜300N側から画像データを送信させることにより、通信費用を警備センタ側が負担する必要がない。したがって本実施形態では、警備センタ200側からそれぞれの警備装置300A〜300Nへ接続して画像データを取得する場合と違って通信費用がかからず、警備センタの運用に係るコストを削減することができる。
【0063】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0064】
100 画像監視システム
200 警備センタ
210A〜210N 受信装置
220A〜220N モニタ装置
300A〜300N 警備装置
400 画像監視サーバ
410 データベース
411 制御用データ
420 通信制御部
430 空き回線特定部
440 要求送信部
450 画像取得部
460 モニタ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備領域内の異常を検知した際に警報を発信し、監視カメラで撮像された画像データを通信網を介して送信する複数の警備装置と、
前記通信網と接続されており、前記警報と前記画像データとを受信する複数の受信装置と、
前記通信網と前記複数の受信装置との通信を制御する画像監視サーバと、を含む画像監視システムであって、
前記画像監視サーバは、
前記複数の受信装置のうち何れが前記警報を受信したとき、前記複数の回線において通信可能な回線を特定する回線特定手段と、
前記回線特定手段により特定された回線の番号と、前記画像データの取得要求とを前記警報を発信した警備装置へ送信する要求送信手段と、を有する画像監視システム。
【請求項2】
前記通信網はISDN網であり、前記複数の回線はISDN回線であって、
前記回線特定手段は、
前記ISDN回線においてBチャネルによる通信が可能な回線を特定し、
前記要求送信手段は、
前記特定された回線の番号と前記画像データの取得要求とを、前記警報を受信した前記受信装置と前記通信網とを接続する前記ISDN回線のDチャネルにより前記警報を発信した前記警備装置へ送信する請求項1記載の画像監視システム。
【請求項3】
前記画像監視サーバは、
前記通信網と前記複数の受信装置との通信状況を含む制御用データが格納された記憶手段と、
前記通信網と前記複数の受信装置との通信状況を前記通信状況の変化に応じて前記制御用データへ格納する通信管理手段と、を有し、
前記回線特定手段は、
前記記憶手段に格納された前記制御用データを参照して前記通信可能な回線を特定する請求項1又は2記載の画像監視システム。
【請求項4】
前記回線特定手段により通信可能な回線の特定されない場合、
前記要求送信手段は、
前記画像監視サーバの入力手段により回線の番号が入力されたとき、前記入力された回線の番号と前記画像データの取得要求とを前記警報を発信した警備装置へ送信する請求項1ないし3の何れか一項に記載の画像監視システム。
【請求項5】
警備領域内の異常を検知した際に警報を発信し、監視カメラで撮像された画像データを通信網を介して送信する複数の警備装置と、
前記通信網と接続されており、前記警報と、前記画像データとを受信する複数の受信装置と、
前記通信網と前記複数の受信装置との通信を制御する画像監視サーバと、を含む画像監視システムによる通信制御方法であって、
前記画像監視サーバによる、
前記複数の受信装置のうち何れが前記警報を受信したとき、前記複数の回線において通信可能な回線を特定する回線特定手順と、
前記回線特定手順において特定された回線の番号と、前記画像データの取得要求とを前記警報を発信した警備装置へ送信する要求送信手順と、を有する通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−215786(P2011−215786A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82179(P2010−82179)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】