説明

画像蓄積サーバを使用した遠隔教育システムおよび画像蓄積サーバ

【課題】映像データを再生配信可能とする遠隔教育システム。
【解決手段】異なる方式の映像データを出力する映像データ出力手段23,25と、映像データをIP化映像データとする複数の映像送信手段26,27と、制御手段22と、IP化映像データを蓄積する画像サーバ28と、IP化映像データを通信網1へ出力する通信手段21とを有する映像配信局2と、IP化映像データを受信する通信手段31と、異なる方式のIP化映像データを受信し再生する映像受信手段32,33と、映像データの方式を一方の方式に変換する変換手段34と、映像受信手段からの映像データが入力され制御端末22からの画像切替制御データに基づいて入力されたいずれかの映像データを選択する映像スイッチ35と、画像/音声出力手段36とを有する複数の映像受信拠点3とを、IP網1を介して接続し、異なる方式のIP化映像データをそれぞれIP化映像データ記録開始時からの相対時間とともに画像蓄積サーバ28に蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像蓄積サーバを使用した遠隔教育システムおよび画像蓄積サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のネットワークを利用した遠隔教育システムは、複数のカメラと資料情報装置と映像・音声送出装置などを備えた映像配信局と、映像・音声受信装置などを備えた複数の映像受信拠点が、ネットワークによって接続されて構成されている。また、講義内容の画像記録にはビデオが使用されており、再講義でも録画したビデオによる遠隔教育が行われるものであった。
【0003】
また、画像蓄積処理としては、MPEG2符号化技術を用いた映像蓄積、再生システムにおける伝送装置において、TSパケットにカウンタ値を付加することにより、再生の際に、蓄積したタイミングと同じタイミングで受信装置に送信するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−204021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、講師映像としてカメラ、ビデオ等のNTSC映像とPC画面等のXGA映像(高精細画像)を使用した場合に、講義内容の画像蓄積はビデオが使用されるので、再講義で録画したビデオを使用すると、NTSC系の映像で配信されるためPC画面等の細かな文字が読み取れないという問題があった。
【0005】
また、画像蓄積処理において、画像圧縮符号化方式が異なった画像データを蓄積する場合に、圧縮符号化方式を意識した蓄積方法が必要であった。
【0006】
本発明では、広域イーサネット(登録商標)などの通信ネットワークを通信手段とし、映像配信局と複数の映像受信拠点からなり、画像データとしてカメラ、ビデオ等のNTSC映像と、PC画面等のXGA映像を使用し、講師の制御端末によって映像選択スイッチを制御し瞬時に出力映像を切替え講義する、ネットワークに接続される画像蓄積サーバを用いた遠隔教育システムであって、再び同講義を実施する場合に画像蓄積サーバにて蓄積したデータ(カメラ、ビデオ等のNTSC映像と、PC画面等のXGA映像と、画像切替制御データ)を複数の映像受信拠点に配信することによる再講義を提供することを特徴とする画像蓄積サーバを用いた遠隔教育システムを提供することである。
【0007】
また、本発明では、画像圧縮符号化方式が異なった画像データを蓄積する場合に、圧縮符号化方式を意識しない蓄積処理を特徴とする画像蓄積サーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に従った画像蓄積サーバでは、ネットワークに接続された複数の画像送信装置から送出される画像データ(カメラ、ビデオ等のNTSC映像と、PC画面等のXGA映像)を蓄積する手段と、ネットワークに接続された遠隔教育システムの制御端末から送出される画像切替制御データを蓄積する手段と、前記蓄積した画像データと画像切替制御データを受信したタイミングで受信装置に配信する手段と、前記蓄積した画像データと画像切替制御データを受信したタイミングで画像再生する手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、広域イーサネットなどの通信ネットワークを通信手段とし、映像配信局と複数の映像受信拠点からなり、画像データとしてカメラ、ビデオ等のNTSC映像と、PC画面等のXGA映像を使用し、講師の制御端末によって映像選択スイッチを制御し瞬時に出力映像を切替え講義する、ネットワークに接続される画像蓄積サーバを用いた遠隔教育システムであって、再び同講義を実施する場合に画像蓄積サーバにて蓄積したデータ(カメラ、ビデオ等のNTSC映像と、PC画面等のXGA映像と、画像切替制御データ)を複数の映像受信拠点に配信することによりPC画像を高精細映像にて配信が可能となりPC画像を使用した再講義を画像蓄積サーバにて効果的に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、映像配信局と、1または複数の映像受信拠点とを、通信網を介して接続した遠隔教育システムにおいて、前記映像配信局が、異なる方式の画像データを出力する複数の画像データ出力手段と、それぞれの方式の画像データを圧縮しIPパケット化してIP化画像データを生成する複数の画像送信手段と、システム全体を制御する制御手段と、前記複数の画像送信手段からのIP化画像データを蓄積する画像サーバと、前記複数の画像送信手段からのIP化画像データを前記通信網へ出力する通信手段とを有しており、前記映像受信拠点が、前記画像配信手段からのIP化画像データを受信する通信手段と、異なる方式のIP化画像データを受信し再生する画像受信手段と、一方の方式の画像データを他方の方式の画像データに変換する変換手段と、前記複数の画像受信手段からの画像データが入力され前記制御端末からの画像切替制御データに基づいて入力されたいずれかの画像データを選択する画像スイッチと、画像/音声出力手段とを有しており、前記映像配信局から複数の映像受信拠点局へ異なる方式の画像データを配信し、前記制御端末からの画像切替制御データによって前記画像スイッチを切替え制御していずれかの画像データを前記画像/音声出力手段に出力するとともに、前記異なる方式のIP化画像データをそれぞれIP化画像データ記録開始時からの相対時間とともに前記画像蓄積サーバに蓄積する。
【0011】
本発明は、前記遠隔教育システムにおいて、前記画像蓄積サーバに、IP化画像データとともに、IP化画像切替制御データを蓄積する。また、本発明は、前記遠隔教育システムにおいて、上記前記異なる方式の画像データを、NTSC画像データとXGA画像データとした。さらに、本発明は上記遠隔教育システムにおいて、前記通信網を、広域イーサネット(登録商標)などのIP通信網とした。
【0012】
本発明は、広域イーサネットなどの通信ネットワークを通信手段とし、画像配信局と複数の画像受信拠点からなり、画像データとしてNTSC画像データとXGA画像データを使用し、画像配信局に設けた制御端末から画像受信拠点に設けた映像選択スイッチを制御し瞬時に出力映像を切替え表示し、ネットワークに接続される画像蓄積サーバを備えた遠隔教育システムにおいて、再び同じ講義を実施する場合に画像蓄積サーバにて蓄積した異なる方式の画像データおよび画像切替制御データを通信手段を介して複数の画像受信拠点に配信することにより、再講義を提供するようにした。
【0013】
本発明は、映像配信局と、1または複数の映像受信拠点とを、通信網を介して接続した遠隔教育システムを構成する映像配信局に設ける画像蓄積サーバであって、ネットワークに接続された複数の画像送信装置から送出される異なる方式の画像データを蓄積する手段と、ネットワークに接続された遠隔教育システムの制御端末から送出される画像切替制御データを蓄積する手段と、前記蓄積した画像データと画像切替制御データを受信したタイミングで前記画像受信拠点に配信する手段と、前記蓄積した画像データと画像切替制御データを受信したタイミングで画像再生する手段を備えた。
【0014】
また、本発明は、前記画像蓄積サーバにおいて、前記蓄積キー情報として、送信先ポート番号と送信元IPアドレスを用いるようにした。さらに、本発明は、前記画像蓄積サーバにおいて、前記蓄積手段として、画像データ受信した場合は蓄積開始からの相対時間を画像データに付加して蓄積し、画像切替制御データを受信した場合は次の受信画像データに画像切替制御データを付加して蓄積するようにした。さらに、本発明は前記画像蓄積サーバにおいて、前記配信手段として、蓄積画像データに付加された相対時間に従って画像データを送信し、また画像切替制御データが付加されている場合は画像切替制御データを送信し、映像選択スイッチを制御し瞬時に出力映像を切替えるようにした。
【0015】
本発明の一実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
図1を用いて、本発明にかかる遠隔教育システムの構成を説明する。本発明にかかる遠隔教育システムは、講師側の映像配信局2と、受講側の1もしくは複数の映像受信局3とを広域イーサネットなどのIP網1で接続されて構成される。
【0017】
映像配信局2は、レイヤ2スイッチ21と、制御端末22と、講師や紙の資料を写すカメラ等(ビデオデッキ含む)23と、PC25と、コンバータ24と、NTSC映像/音声送信装置26と、XGA映像送信装置27と、画像蓄積サーバ28から構成される。
【0018】
レイヤ2スイッチ21は、制御端末22からの画像切替制御IP化データ(制御信号)、NTSC映像/音声送信装置26からのNTSC動画IP化データ、XGA映像送信装置27からの高精細画像IP化データ、画像蓄積サーバ28からの再生IP化動画データ、再生IP化構成再画像データ等をIP網1へそれぞれの経路に振り分けて送出する手段である。レイヤ2スイッチ21は、画像蓄積時には、NTSC映像/音声送信装置26からのIP化動画データおよびXGA映像送信装置27からのIP化高精細画像データならびに制御端末22からのIP化画像切替制御データ等をIP網1を介して、映像受信拠点3に配信するとともに、画像蓄積サーバ28にも送信し、画像再生時には、画像蓄積サーバ28からのIP化動画データ、IP化高精細画像データ、IP化制御信号などをIP網1を介して映像受信拠点3へ配信する。
【0019】
制御端末22は、システム制御用端末(PC)であり、遠隔教育システムを制御するアプリケーションがインストールされており、映像受信拠点3の映像スイッチ35の切替えを制御する制御信号をIP化して送信する手段であり、さらにこの映像スイッチ35の状態信号を受信して記憶する手段である。
【0020】
カメラ等23は、カメラ、ビデオ等の映像とマイクからなる音声、画像入力手段であり、映像配信局3の講師の映像や黒板などの画像さらには手元資料などの映像および音声を入力する手段であって、ビデオデッキ等の動画像再生装置も含まれる。
【0021】
コンバータ24は、PC25からのXGA動画像データ(RGB信号)をNTSC動画データ(NTSC信号)に変換する手段である。変換されたNTSC動画データはNTSC映像/音声送信装置26へ出力される。
【0022】
PC25は、講義資料等のXGA動画像データおよびXGA映像データを生成する手段である。XGA動画像データはコンバータ24へXGA映像データはXGA映像送信装置27へ出力される。
【0023】
NTSC映像/音声送信装置26は、カメラ等23およびコンバータ24からのNTSC信号によって入力された映像/音声データを圧縮しIPパケット化し送信する手段である。IP化NTSC動画/音声データはレイヤ2スイッチ21へ出力される。
【0024】
XGA映像送信装置27は、PC25からのXGA映像データをIPパケット化する手段である。IP化XGA映像データはレイヤ2スイッチ21へ出力される。
【0025】
画像蓄積サーバ28は、IP化NTSC動画データ、IP化XGA映像データ、IP化制御信号を記録開始からの相対時間とともに記憶する手段であり、再生時にはIP化NTSC動画データ、IP化XGA映像データ、IP化制御信号をレイヤ2スイッチ21へ出力する。蓄積されるIP化データはIPパケットとして蓄積され、独自ヘッダを付与され、NTSC動画データおよびXGA映像データ毎に、相対時間や制御信号を付与することができる。
【0026】
映像受信局3は、レイヤ2スイッチ31と、NTSC映像/音声受信装置32と、XGA映像受信装置33と、RGB信号とNTSC信号を変換するコンバータ24と、映像スイッチ35と、映像/音声出力装置36から構成される。
【0027】
レイヤ2スイッチ31は、IP網1から受信したIP化NTSC動画データおよびIP化XGA映像データならびにIP化制御信号を、それぞれ、NTSC映像/音声受信装置32XGA映像受信装置33へ出力する手段である。
【0028】
NTSC映像/音声受信装置32は、NTSC映像/音声送信装置26から送信されたIPパケットを受信し再生し、NTSC映像データおよび音声データをコンバータ34に、映像切替制御データ(制御信号)を映像スイッチ35に出力する。
【0029】
XGA映像受信装置33は、XGA映像送信装置27にて送信されたIP化XGA映像データを受信し再生し、RGB映像データを出力する。
【0030】
コンバータ24は、NTSC映像/音声受信装置32からのNTSC映像データをRGB信号に変換し、映像スイッチ35に出力する。
【0031】
映像スイッチ35は、ススイッチインタフェースSWIFを経由した映像切替制御データ(制御信号)によって入力されたNTSC映像データまたはXGA映像データを選択して映像/音声出力装置36へ出力するとともに、音声データを映像/音声出力装置36へ出力する。
【0032】
映像/音声出力装置36は、RGB入力のモニタ、またはプロジェクタ等の映像および音声出力手段である。
【0033】
カメラ23からのNTSC信号がNTSCケーブル6aを介して、および、PC25からRGBケーブル4a経由で受信したRGB信号(例えば、動画信号)をコンバータ24にて変換したNTSC信号をNTSCケーブル6cを介してNTSC映像/音声送信装置26に入力される。さらに、PC25からのRGB信号(XGA映像信号)がRGBケーブル4aを介してXGA映像送信装置27に入力される。
【0034】
NTSC映像/音声送信装置26のNTSC信号がLANケーブル5bを介して、XGA映像送信装置27のXGA信号がLANケーブル5cを介してレイヤ2スイッチ21に入力される。レイヤ2スイッチ21は、IP網1を介してレイヤ2スイッチ31に接続され、LANケーブル5dを介してNTSC映像/音声受信装置32、LANケーブル5eを介してXGA映像受信装置33に接続される。
【0035】
NTSC映像/音声受信装置32のNTSC信号はNTSCケーブル6bを介してコンバータ34に入力され、RGB信号に変換されて、RGBケーブル4cを経由して映像スイッチ35へ入力される。XGA映像受信装置33は、RGBケーブル4bを介して映像スイッチ35へ接続される。また、NTSC映像/音声受信装置32はスイッチインタフェース(SWIF)によって映像スイッチ35に接続される。制御端末22は、LANケーブル5aを介してレイヤ2スイッチ21に接続される。
【0036】
図2を用いて、本発明の遠隔教育システムの画像蓄積サーバ28の機能構成を説明する。遠隔教育システムの画像蓄積サーバ28は、映像配信局のNTSC映像/音声送信装置26から送出されるカメラ、ビデオ等のNTSC映像と、XGA映像送信装置27から送出されるPC画面等のXGA映像と、制御端末22から送出される画像切替データのデータ通信制御を行うデータ通信制御部281と、ユーザとのインタフェースを制御する画面制御部282と、画像データを保存する画像蓄積制御部283と、受信したタイミングで受信装置に配信する画像配信制御部284と、受信したタイミングで画像再生する画像再生制御部285と、画像を蓄積するハードディスクなどの蓄積媒体286から構成される。
【0037】
図3を用いて、本発明の遠隔教育システムにおける画像データおよび画像切替制御データの流れを説明する。まず、動画データ(カメラ、ビデオ等のNTSC映像)の流れについて説明する。カメラ23の映像がNTSCケーブル6aを介してNTSC映像/音声送信装置26に入力され、圧縮およびIPパケット化され、LANケーブル5b、レイヤ2スイッチ21、IP網1、レイヤ2スイッチ31、LANケーブル5dを経て、NTSC映像/音声受信装置32に届く。NTSC映像/音声受信装置32では、圧縮されたデータを再生し、NTSC映像としてNTSCケーブル6bへ出力する。再生されたNTSC信号はコンバータ34でRGB信号に変換され、RGBケーブル4cを経由して映像スイッチ35に入力される。RGB信号に変換されたカメラ23からの映像信号は、映像スイッチ35において出力選択され、RGBケーブル4dを介して映像/音声出力装置36に入力され、映像が表示される。
【0038】
高精細画像データ(PC画面等のXGA映像)の流れについて説明する。映像配信局2のPC25の映像がRGBケーブル4aを経由してXGA映像送信装置27に入力され、IPパケット化され、LANケーブル5c、レイヤ2スイッチ21、IP網1、映像受信拠点3のレイヤ2スイッチ31、LANケーブル5eを経て、XGA映像受信装置33に届く。XGA映像受信装置33では、受信したIP化データを再生し、XGA映像としてRGBケーブル4bへ出力し、映像スイッチ35へ入力される。映像スイッチ35にて出力選択され、RGBケーブル4dにて映像/音声出力装置36に入力され、映像が表示される。
【0039】
映像スイッチ35の選択切替を制御する画像切替制御データ(制御信号)の流れについて説明する。制御端末22からのIP化された制御信号が、LANケーブル5a、レイヤ2スイッチ21、IP網1、映像受信拠点3のレイヤ2スイッチ31、LANケーブル5dを経て、NTSC映像/音声受信装置32に届く。NTSC受信装置32がIP化された画像切替制御データ(制御信号)を再生しスイッチインタフェースSWIFに出力し、制御信号が映像スイッチ35へ入力され、映像スイッチ35が制御される。また、映像スイッチからの状態通知信号が、スイッチインタフェースSWIFに出力され、NTSC受信装置32でIPパケット化され、LANケーブル5d、レイヤ2スイッチ31、IP網1、映像配信局2のレイヤ2スイッチ21、LANケーブル5aを経て、制御端末22に届き、映像スイッチの状態を制御端末22にて監視する。
【0040】
画像蓄積サーバ28は、画面制御部282にてNTSC映像/音声送信装置26とXGA映像送信装置27の送信先ポート番号と送信元IPアドレスを設定することにより、動画データと高精細画像データの受信が可能となり画像蓄積ができる。また、制御端末22に画像蓄積サーバ28の受信ポート番号とIPアドレスを設定することにより、画像切替制御データの受信が可能となる。
【0041】
次に、この画像蓄積サーバ28を利用した遠隔教育システムの利用方法について説明する。
【0042】
本発明にかかる遠隔教育システムの画像蓄積サーバの画像蓄積シーケンス図である図4を用いて、本発明における画像蓄積サーバの画像蓄積手順を説明する。画像蓄積サーバ28における画像蓄積は、NTSC映像/音声送信装置26とXGA映像送信装置27の送信先ポート番号と送信元IPアドレスを設定するユーザインタフェースによる画像蓄積処理開始により始まる(S1)。また、制御端末22に画像蓄積サーバ28の受信ポート番号とIPアドレスを設定し、制御端末22が画像切替制御データを映像受信拠点3のNTSC映像/音声受信装置32を介し映像スイッチ35に送信する場合に、画像蓄積サーバ28宛にも送信するようにしておく必要がある。
【0043】
遠隔教育システムの映像配信局2のNTSC映像/音声送信装置26から動画データがマルチキャストフレームで送信されると(S2)と、画像蓄積サーバ28が動画データの受信時に、蓄積開始からの相対時間を画像データに付加して保存を行うとともに、動画データはIP網1を介して映像受信拠点3へマルチキャストフレームで配信される。同様に、XGA映像送信装置27から高精細画像データがマルチキャストフレームで送信される(S3)と、画像蓄積サーバ28が高精細画像データを受信時に、蓄積開始からの相対時間を画像データに付加して保存を行うとともに、高精細画像データはIP網1を介して映像受信拠点3へマルチキャストフレームで配信される(S3)。
【0044】
講義の映像切替が発生した場合は、制御端末22が画像切替制御データをユニキャストフレームで映像受信拠点3のNTSC映像/音声受信装置32を介し映像スイッチ35に送信すると同時に画像蓄積サーバ28宛にもユニキャストフレームで送信する(S4)。画像蓄積サーバ28は画像切替制御データを受信時、次の受信動画データに画像切替制御データを付加して保存するために画像切替制御データを一時退避し、次の映像配信局のNTSC映像/音声送信装置26からヘッダに画像切替制御データ(制御信号)を載せた動画データがマルチキャストフレームで送信されると(S5)、この動画データ受信時に、ヘッダに搭載した画像切替制御データと蓄積開始からの相対時間を画像データに付加して保存を行う。以上により、画像圧縮符号化方式が異なった画像データを蓄積する場合に、圧縮符号化方式を意識しない画像蓄積ができるようになる。
【0045】
本発明にかかる遠隔教育システムの画像蓄積サーバの蓄積画像配信シーケンス図である図5を用いて、画像蓄積サーバ28からの画像配信手順を説明する。画像蓄積サーバ28からの画像配信は、蓄積してある動画データファイルと高精細画像データファイルと、受信装置の受信ポート番号と送信先IPアドレスを指定するユーザインタフェースによる画像配信処理開始により始まる(S11)。また、映像受信拠点の映像スイッチ35は立ち上がり時NTSC映像選択状態(S10)であるものとする。
【0046】
画像蓄積サーバ28は、指定された、動画データと高精細画像データに付加されてある蓄積開始からの相対時間に基いてそれぞれの画像データを映像受信拠点3に向け送信を行う。この例では、配信当初は、NTSC映像の蓄積画像データを送信し(S12)、NTSC動画データが映像受信拠点3のNTSC映像/音声受信装置32(S13)、映像スイッチ35(S14)を経由して映像/音声出力装置36に表示される(S15)。高精細画像データに付加された蓄積開始からの相対時間がくると、画像蓄積サーバ28は、蓄積高精細画像データを映像受信拠点3に対してマルチキャストフレームにて配信する(S16)。高精細画像データは、映像受信拠点3のXGA映像受信装置33を経由して(S17)映像スイッチ35へ送信される(S18)。
【0047】
ここで、送信する動画データに画像切替制御データが付加されている場合(S19)、先ず、画像切替制御データをNTSC映像/音声受信装置32を介し(S20)、映像スイッチ35に送信し(S21)、映像切替を発生しXGA映像を瞬時に選択し(S22)、映像/音声出力装置36に高精細画像データによるXGA映像が表示される(S23)。次に、映像配信局2の画像蓄積サーバ28は、動画データをNTSC映像/音声受信装置32を介し(S24)映像切替スイッチ35に送信する(S25)。
【0048】
ステップS19〜S21において、画像切替データが画像蓄積サーバ28から送られてくる場合には、映像スイッチ35は、映像配信局2の画像蓄積サーバ28からの画像切替データに基づいて、NTSC画像データまたは高精細画像データのいずれかを選択して映像/音声出力装置36に表示する。
【0049】
以上により、画像データとしてカメラ、ビデオ等のNTSC映像と、PC画面等のXGA映像を使用し、ネットワークに接続される画像蓄積サーバを用いた遠隔教育システムであって、再び同講義を実施する場合に、画像蓄積サーバに蓄積したデータを複数の映像受信拠点3に配信することによりPC画像を高精細映像にて配信が可能となりPC画像を使用した再講義を画像蓄積サーバにて効果的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明にかかる遠隔教育システムの構成を説明するシステム構成図である。
【図2】本発明にかかる遠隔教育システムの画像蓄積サーバの機能構成を説明する図である。
【図3】本発明にかかる遠隔教育システムにおける画像データおよび画像切替制御データの流れを説明する図である。
【図4】本発明にかかる遠隔教育システムにおける画像蓄積サーバの画像蓄積シーケンス図である。
【図5】本発明にかかる遠隔教育システムにおける画像蓄積サーバの蓄積画像配信シーケンス図である。
【符号の説明】
【0051】
1:IP網
2:映像配信局
21:レイヤ2スイッチ
22:制御端末
23:カメラ等
25:PC
26:NTSC映像/音声送信装置
27:XGA映像送信装置
28:画像蓄積サーバ
281:データ通信制御部
282:画像制御部
283:画像蓄積制御部
284:画像配信制御部
285:画像再生制御部
286:画像蓄積部
3:映像受信拠点
31:レイヤ2スイッチ
32:NTSC映像/音声受信装置
33:XGA映像受信装置
34:コンバータ
35:映像スイッチ
36:映像出力装置
6:NTSCケーブル
4:RGBケーブル
5:LANケーブル
SWIF:スイッチインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像配信局と、1または複数の映像受信拠点とを、通信網を介して接続した遠隔教育システムにおいて、
前記映像配信局が、異なる方式の画像データを出力する複数の画像データ出力手段と、それぞれの方式の画像データを圧縮しIPパケット化してIP化画像データを生成する複数の画像送信手段と、システム全体を制御する制御手段と、前記複数の画像送信手段からのIP化画像データを蓄積する画像サーバと、前記複数の画像送信手段からのIP化画像データを前記通信網へ出力する通信手段とを有しており、
前記映像受信拠点が、前記画像配信手段からのIP化画像データを受信する通信手段と、異なる方式のIP化画像データを受信し再生する画像受信手段と、一方の方式の画像データを他方の方式の画像データに変換する変換手段と、前記複数の画像受信手段からの画像データが入力され前記制御端末からの画像切替制御データに基づいて入力されたいずれかの画像データを選択する画像スイッチと、画像/音声出力手段とを有しており、
前記映像配信局から複数の映像受信拠点局へ異なる方式の画像データを配信し、前記制御端末からの画像切替制御データによって前記画像スイッチを切替え制御していずれかの画像データを前記画像/音声出力手段に出力するとともに、前記異なる方式のIP化画像データをそれぞれIP化画像データ記録開始時からの相対時間とともに前記画像蓄積サーバに蓄積する
ことを特徴とする遠隔教育システム。
【請求項2】
前記画像蓄積サーバに、IP化画像データとともに、IP化画像切替制御データを蓄積することを特徴とする請求項1記載の遠隔教育システム。
【請求項3】
前記異なる方式の画像データが、NTSC画像データとXGA画像データであることを特徴とする請求項1記載の遠隔教育システム。
【請求項4】
前記通信網が、IP通信網であることを特徴とする請求項1記載の遠隔教育システム。
【請求項5】
映像配信局と、1または複数の映像受信拠点とを、通信網を介して接続した遠隔教育システムを構成する映像配信局に設ける画像蓄積サーバであって、
ネットワークに接続された複数の画像送信装置から送出される異なる方式の画像データを蓄積する手段と、ネットワークに接続された遠隔教育システムの制御端末から送出される画像切替制御データを蓄積する手段と、前記蓄積した画像データと画像切替制御データを受信したタイミングで前記画像受信拠点に配信する手段と、前記蓄積した画像データと画像切替制御データを受信したタイミングで画像再生する手段を備えた
ことを特徴とする画像蓄積サーバ。
【請求項6】
前記蓄積キー情報として、送信先ポート番号と送信元IPアドレスを用いることを特徴とする請求項5に記載の画像蓄積サーバ。
【請求項7】
前記蓄積手段として、画像データ受信した場合は蓄積開始からの相対時間を画像データに付加して蓄積し、画像切替制御データを受信した場合は次の受信画像データに画像切替制御データを付加して蓄積することを特徴とする請求項5に記載の画像蓄積サーバ。
【請求項8】
前記配信手段として、蓄積画像データに付加された相対時間に従って画像データを送信し、また画像切替制御データが付加されている場合は画像切替制御データを送信し、映像選択スイッチを制御し瞬時に出力映像を切替えることを特徴とする請求項5に記載の画像蓄積サーバ。
【請求項9】
広域イーサネット(登録商標)などの通信ネットワークを通信手段とし、画像配信局と複数の画像受信拠点からなり、画像データとしてNTSC画像データとXGA画像データを使用し、画像配信局に設けた制御端末から画像受信拠点に設けた映像選択スイッチを制御し瞬時に出力映像を切替え表示し、ネットワークに接続される画像蓄積サーバを備えた遠隔教育システムであって、
再び同じ講義を実施する場合に画像蓄積サーバにて蓄積した異なる方式の画像データおよび画像切替制御データを通信手段を介して複数の画像受信拠点に配信することにより、再講義を提供する
ことを特徴とする画像蓄積サーバを用いた遠隔教育システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−166047(P2007−166047A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−357216(P2005−357216)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【Fターム(参考)】