説明

画像表示プログラム、画像表示方法、画像表示装置及び記録媒体

【課題】 画像処理を充分な精度で効率的に実行することができ、画像処理に関するユーザインターフェース機能の充実を図ることのできる画像表示技術を提供する。
【解決手段】 処理対象である原画像を指定する画像指定ステップと、原画像を処理手段で処理して処理済み画像を生成する画像処理ステップと、原画像を複数の部分領域に分割する分割境界を設定する境界設定ステップと、部分領域を選択する領域選択ステップと、領域選択ステップで選択した画像の部分領域を、処理済み画像の対応する部分領域で置き換えて全体画像を生成する画像合成ステップと、表示手段で全体画像の全部又は境界を含む一部分を表示する画像表示ステップと、を備えた画像表示方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理のための画像表示技術に関し、特に画像処理を効率的に行うための画像表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像に対して明るさや色などを調整する画像処理を施す場合、処理対象画像全体又は主要部分をディスプレーに表示し、利用者がその画像を観察しながら、調整用のスライダーやダイヤルをマウス等で操作しながら、所望の画像となるように明るさや色のパラメータなどを調整する方法が一般的である。
【0003】
しかしながら、この方法では、現在のパラメータに対応する画像のみを観察するようになっており、比較する対象が無いので目的とする画像に調整出来たかどうかを判断することは非常に難しい。このため、経験を積まなければ短時間で満足できる画像に調整することはできなかった。
【0004】
また、原画像を縮小した画像を用意し、処理を施す前の画像とパラメータを様々に調整した処理後の画像とを同一画面上に並べて表示する機能が、特に初心者向きの画像処理ソフトウェアに搭載されている。この場合、一目で表示された複数の画像を比較できるので、調整具合を把握するには適しているが、画像が小さいために詳細な調整には向いていない。
【0005】
一方、原画像内の一部の領域内の画像を、他の領域内の画像を残したまま、強調して表示する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法を応用すれば、原画像と処理済画像とを1つの画面内で比較することができる。
【特許文献1】特開2002−152496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、特許文献1には、原画像の一部の領域内の画像を、その領域以外の部分の画像を残したまま強調処理表示する方法が提案されている。この方法によれば画面の一部分の領域を調整してそれ以外の部分と比較検討することができるので、詳細な調整にも利用可能であるが、調整した結果を画像全体に施すことはできないので、画像全体を調整する処理には適さない。初心者にも容易に画像調整ができるように、画像全体の調整について処理結果を処理前と比較したり、画像の一部分に着目してその部分の画像を比較したりするようなことが迅速にかつ柔軟にできる方法が求められている。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、画像処理を充分な精度で効率的に実行することができ、画像処理に関するユーザインターフェース機能の充実を図ることのできる画像表示プログラム、画像表示方法、画像表示装置及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための、本発明に係る請求項1に記載の画像表示プログラムは、画像を処理する処理手段と、画像をディスプレーに表示する表示手段と、を有する画像処理装置で実行されるプログラムにおいて、処理対象である原画像を指定する画像指定ステップと、前記原画像を前記処理手段で処理して処理済み画像を生成する画像処理ステップと、前記原画像を複数の部分領域に分割する分割境界を設定する境界設定ステップと、
前記部分領域を選択する領域選択ステップと、前記領域選択ステップで選択した画像の部分領域を、前記処理済み画像の対応する部分領域で置き換えて全体画像を生成する画像合成ステップと、前記表示手段で前記全体画像の全部又は前記境界を含む一部分を表示する画像表示ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0009】
また本発明に係る請求項2に記載の画像表示プログラムは、上記記載の発明である画像表示プログラムにおいて、前記境界の位置は、前記画像処理装置の利用者の操作に応じて移動自在になされる。
【0010】
また本発明に係る請求項3に記載の画像表示プログラムは、上記記載の発明である画像表示プログラムにおいて、前記境界は直線で構成される。
【0011】
また本発明に係る請求項4に記載の画像表示プログラムは、上記記載の発明である画像表示プログラムにおいて、前記全体画像のうち、第1の部分領域と第2の部分領域について、それぞれの領域に対応した処理済み画偉を、前記第1又は第2の部分領域のいずれかに処理が施されていない場合を含めて、入れ替える入替ステップを更に備えている。
【0012】
また本発明に係る請求項5に記載の画像表示プログラムは、上記記載の発明である画像表示プログラムにおいて、前記画像処理ステップで処理するための少なくとも1つの画像処理パラメータを前記画像処理装置の利用者の操作に応じて獲得する獲得ステップを更に備えた。
【0013】
また本発明に係る請求項6に記載の画像表示プログラムは、上記記載の発明である画像表示プログラムにおいて、前記画像表示ステップで部分領域としてディスプレーに表示されている前記処理済画像と、この処理済画像を得るために前記画像処理ステップで当該原画像に施された処理内容と、原画像を特定する情報とを記憶する一時記憶ステップと、前記一時記憶ステップで記憶した前記処理内容を選択する選択ステップと、前記ディスプレーに表示されている前記全体画像の原画像に対して、前記選択ステップで選択した処理内容と同一の処理を施す第2の画像処理ステップと、前記領域選択ステップで選択した画像の部分領域を、前記第2の画像処理ステップで処理した処理済み画像の対応する部分領域で置き換えて全体画像を生成する第2の画像合成ステップとを更に有し、前記画像表示ステップは前記第2の画像合成ステップで生成した全体画像を前記ディスプレーに表示する。
【0014】
また本発明に係る請求項7に記載の画像表示プログラムは、上記記載の発明である画像表示プログラムにおいて、前記選択ステップで選択した処理内容と共に記憶された原画像を特定する情報で特定される原画像が、前記ディスプレーに表示されている原画像と同一である場合には、前記第2の合成ステップで当該原画像と結合する処理済み画像は、前記一時記憶ステップで記憶された処理済み画像である。
【0015】
また本発明に係る請求項8に記載の画像表示プログラムは、上記記載の発明である画像表示プログラムにおいて、前記画像処理ステップ又は前記第2の画像処理ステップで処理された前記処理済み画像を記憶する記憶ステップをさらに有する。
【0016】
また本発明に係る請求項9に記載の記録媒体は、画像を処理する処理手段と、画像をディスプレーに表示する表示手段と、を有する画像処理装置で実行されるプログラムを記録した記録媒体において、処理対象である原画像を指定する画像指定ステップと、前記原画像を前記処理手段で処理して処理済み画像を生成する画像処理ステップと、前記原画像を複数の部分領域に分割する分割境界を設定する境界設定ステップと、前記部分領域を選択する領域選択ステップと、前記領域選択ステップで選択した画像の部分領域を、前記処理済み画像の対応する部分領域で置き換えて全体画像を生成する画像合成ステップと、前記表示手段で前記全体画像の全部又は前記境界を含む一部分を表示する画像表示ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0017】
また本発明に係る請求項10に記載の画像表示方法は、画像を処理する処理手段と、画像をディスプレーに表示する表示手段と、を有する画像処理装置の画像表示方法において、処理対象である原画像を指定する画像指定ステップと、前記原画像を前記処理手段で処理して処理済み画像を生成する画像処理ステップと、前記原画像を複数の部分領域に分割する分割境界を設定する境界設定ステップと、前記部分領域を選択する領域選択ステップと、前記領域選択ステップで選択した画像の部分領域を、前記処理済み画像の対応する部分領域で置き換えて全体画像を生成する画像合成ステップと、前記表示手段で前記全体画像の全部又は前記境界を含む一部分を表示する画像表示ステップと、を備えたことを特徴とする画像表示方法。
【0018】
また本発明に係る請求項11に記載の画像表示装置は、処理対象である原画像を指定する画像指定手段と、前記原画像を画像処理手段で処理して処理済み画像を生成する画像処理手段と、前記原画像を複数の部分領域に分割する分割境界を設定する境界設定手段と、前記部分領域を選択する領域選択手段と、前記領域選択手段が選択した画像の部分領域を、前記処理済み画像の対応する部分領域で置き換えて全体画像を生成する画像合成手段と、前記全体画像の全部又は前記境界を含む一部分の画像を表示する画像表示手段とを備えた。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像処理を充分な精度で効率的に実行することができ、画像処理に関するユーザインターフェース機能の充実を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[第1の実施の形態]
本発明の実施の形態に係る画像表示方法では、情報処理装置の表示部に表示される画像処理画面に基づいて、ユーザが画像の処理及び編集を実行する。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施の形態の画像表示方法による画像処理画面の構成を示す図である。
【0022】
画像処理画面1は、ツールバーエリア2、画像表示領域3、一時記憶操作領域4、一時記憶表示領域5及びパラメータ領域6で構成されている。ツールバーエリア2には、画像処理に関する操作を行うための各種のボタンが設けられている。画像表示領域3は、画像処理前の画像である原画像と画像処理後の画像とを合成して表示する。一時記憶操作領域4は、処理された画像を一時記憶し、また読み出すための各種の操作ボタンを備えている。一時記憶表示領域5は、一時記憶された画像処理後の画像のサムネイル画像を表示する。パラメータ領域6には、画像処理の種類とそのパラメータを指定するための操作モジュールが表示される。
【0023】
そして、ツールバーエリア2には、開くボタン11、保存ボタン12、編集ボタン13及び終了ボタン15が設けられている。開くボタン11は、画像処理の対象となる原画像を選択する。保存ボタン12は、確定した画像処理パラメータを用いて画像処理した原画像を保存する。編集ボタン13は、画像処理画面1上で画像の処理作業、編集作業を可能とする。終了ボタン15は、画像処理画面1を閉じる。
【0024】
画像表示領域3には、境界線17を挟んで原画像表示領域18と処理済み画像表示領域19が設けられている。ここで、処理済画像表示領域19には、画像処理を施された原画像の一部が表示される。そして、原画像表示領域18と処理済み画像表示領域19とで元の全体画像を構成している。
【0025】
一時記憶操作領域4には、一時記憶領域表示ボタン21、一時記憶ボタン22、記憶読込ボタン23、入替ボタン24、ズームボタン26及び分割モードボタン27が設けられている。一時記憶領域表示ボタン21は、一時記憶表示領域5の表示・非表示を切替える。一時記憶ボタン22は、処理済画像を一時記憶メモリに記憶する。記憶読込ボタン23は、一時記憶メモリに記憶されている処理済画像を読み出して、処理済画像表示領域19に表示する。ズームボタン26は、ズームアウトボタン26aとズームインボタン26bとで構成され、画像表示領域3に表示された画像の拡大・縮小を操作する。分割モードボタン27は、画像表示領域3に表示される画像の分割数、即ち領域数を変更する。
【0026】
一時記憶表示領域5には、一時記憶メモリ(後述)に保存されている処理済画像のサムネイル画像が表示される。
【0027】
パラメータ領域6には、画像処理選択リスト28、パラメータ指定コントローラ29が設けられている。画像処理選択リスト28には、複数の画像処理項目が設けられ、ユーザは所望の画像処理を選択することができる。パラメータ指定コントローラ29は、ユーザが選択した画像処理項目に対応する画像処理パラメータを入力操作するためのモジュールである。
【0028】
次に、画像の表示方法の概要を図1を参照しつつ説明する。
【0029】
ユーザが画像処理画面1を表示すると、ツールバーエリア2には操作ボタン11〜15が表示される。ユーザが、開くボタン11を押すと、階層化された複数のフォルダが表示される。そこで、ユーザがフォルダを検索して処理対象とする画像を指定すると、その画像が画像表示領域3に表示される。
【0030】
次にユーザが、編集ボタン13を操作すると、画像処理を実行可能なモードに移行する。そしてそれと共に、画像表示領域3に境界線17が表示される。この境界線17の形状は、分割モードボタン27を選択することによって、例えば縦2分割、横2分割、4分割等に変更することができる。また、ユーザが入替ボタン24を押す毎に、処理済画像表示領域19の位置を変更することができる。例えば、2分割画面の場合は、入替ボタン24を押す毎に、処理済画像表示領域19の位置が交互に入れ替わる。また、4分割画面の場合は、入替ボタン24を押す毎に、処理済画像表示領域19の位置は時計回りに変更される。図1では、画像表示領域3は、縦2分割され、左の領域が原画像表示領域18、右の領域が処理済画像表示領域19として指定されている。ここで、処理済画像表示領域19として選択された領域は、例えば、表示画面上で赤枠で囲むなどによりユーザが容易に識別することができるようになっている。
【0031】
ユーザが画像処理選択リスト28を操作すると、図2に示すように、プルダウンメニューに画像処理項目が表示される。ユーザが所望の画像処理項目を選択すると、その選択に対応して少なくとも1つのパラメータ指定コントローラ29がパラメータ領域6に追加表示される。そこで、ユーザがこのパラメータ指定コントローラ29を操作すると、処理済画像表示領域19に表示されている画像に対してその処理パラメータに基づいて画像処理が施される。従って、画像表示領域3には、画像の一部が画像処理された画像と原画像と合成して表示される。なお、境界線17の位置は、スライド操作により移動可能である。従って、原画像と処理画像とを1画面内において柔軟に比較することができる。
【0032】
ここで、ズームボタン26a、26bを操作すると、画像表示領域3中の境界線17の位置はそのままとして、画像全体を拡大・縮小することができる。従って、画像処理結果を微細にチェックすることも、また広領域を対象として大きく把握することも容易に行うことができる。
【0033】
ユーザが、一時記憶ボタン22を押すと、現在選択されている処理済画像領域19に表示されている画像と、その処理パラメータと、原画像を特定する情報とが一時記憶メモリに記憶される。図3は、一時記憶メモリに記憶される情報を示す図である。そして、それと共に一時記憶表示領域5に、処理済画像のサムネイル画像が表示される。なお、一時記憶メモリに記憶される処理済画像は、原画像全体にその処理パラメータで画像処理した画像である。
【0034】
次に、ユーザが一時記憶表示領域5に表示されているサムネイル画像の内の1つを選択して記憶読込ボタン23を操作すると、選択されたサムネイル画像に適用されている処理パラメータで処理された画像が、処理済画像表示領域19に表示される。従って、一時記憶メモリに記憶されている状態に容易に復元することができる。
【0035】
ユーザが、保存ボタン12を操作すると、現在選択されている処理済画像領域19に表示されている画像の処理パラメータが抽出され、その画像処理パラメータを用いて原画像に対して画像処理が施された処理済画像が所定の画像フォルダに保存される。終了ボタン15を操作すると、画像処理画面1が閉じる。
【0036】
続いて、上述の画像表示方法を実現するための情報処理装置の構成と、その主な処理手順について説明する。
【0037】
図4は、情報処理装置30の構成を示す図である。情報処理装置30は、表示部31、操作入力部32、通信インターフェース33、バッファメモリ34、画像メモリ35、プログラムメモリ36、処理部37及び一時記憶メモリ38を備えている。
【0038】
表示部31は、画像処理画面1を表示するCRTまたはTFT液晶ディスプレイである。操作入力部32は、ユーザからの操作指示入力を受取るためのキーボード、マウス等の入力デバイスである。通信インターフェース33は、外部装置との間で画像データなどの情報の授受を行う。
【0039】
1つの処理済画像表示領域19に対応して1つのバッファメモリ34が関連付けられている。従って、画像表示領域3の分割数がnの場合は、バッファメモリ34の数は全画像領域数nから原画像表示領域18を除いた(n−1)ケである。画像メモリ35は、原画像を保存する。プログラムメモリ36は、情報処理装置30の各機能を制御するプログラムを保存する。処理部37は、情報処理装置30の動作を統括的に制御する。一時記憶メモリ38は、画像処理後の画像を一時的に記憶する。
【0040】
次に、画像表示処理の概略の手順を図5〜図13を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する処理は、画像表示処理機能の内主な機能に関する処理である。従って、以下の説明に記載されていない機能であっても、図1乃至図4の説明に記載された機能は画像表示処理機能に含まれる。
【0041】
ユーザが画像処理を開始すると、図5のステップS01において、処理部37は、画像処理画面1を表示部31に表示する。次に、ユーザが操作入力部32を操作して画像処理画面1の各種操作ボタンを操作すると、その操作ボタンに対応した処理を実行する。
【0042】
ユーザがツールバーエリア2の開くボタン11または保存ボタン12を操作すると、ステップS02に示すファイル操作処理(図6)を実行する。
【0043】
図6のステップT01において、開くボタン11の操作を検知したときは、ステップT02に示すファイルを開く処理(図7)を開始する。
【0044】
図7のステップP01〜P03において、ユーザが指定した画像を読み出して、原画像として画像メモリ35に記憶するとともに、画像表示領域4を表示する。そしてステップP04において、画像表示領域更新処理(図8)を実行して、画像表示領域4の表示内容を更新する。
【0045】
図8のステップQ01〜Q02において、選択されている分割モードを検出し、分割モードに応じて境界線17の数・位置・方向を算出して配置する。そして、ステップQ03〜Q04において、全ての画像表示領域で同一の表示倍率を算出し、あわせて境界線17を挟んで1枚の画像が分割されるように、各領域についてスクロール位置(合成位置)を算出する。
【0046】
そして、ステップQ05〜Q06において、画像メモリ35から原画像を読み込み原画像表示領域18に表示する。また、バッファメモリ34から処理済画像を読み込み、合成位置に応じた部分の画像を処理済画像表示領域19に表示する。なお、まだ画像処理が実行されていない初期状態では、バッファメモリ34には、処理済画像として原画像が格納されている。
【0047】
ファイルを開く処理を終了した後は、図5に戻り、ユーザの次の操作を待機する。
【0048】
図6のステップT05において、保存ボタン12の操作を検知したときは、ステップT06に示すファイルの保存処理(図9)を開始する。
【0049】
図9のステップP07において、処理済画像表示領域19が複数存在するかどうかを調べ、複数存在する場合(ステップP07 Yes)は、ステップP08において、ユーザが選択している処理済画像保存領域19を保存対象とする。そして、ステップP09において、その処理済画像表示領域19に対応するバッファメモリ34から処理済画像を読み出して保存するべきファイルに格納する。
【0050】
ファイルの保存処理を終了した後は、図5に戻り、ユーザの次の操作を待機する。
【0051】
図5において、ユーザがツールバーエリア2の編集ボタン13を操作すると、ステップS03に示す編集モード切換処理(図10)を実行する。
【0052】
図10のステップP11において、既に編集モードに切り替っているかどうかを調べ、まだ編集モードに切り替っていない場合(ステップP11 No)は、初期化処理を実行する。即ち、ステップP12〜P13において、分割数に応じたバッファメモリ34を生成し、生成したバッファメモリ34に原画像をコピーする。
【0053】
続いて、ステップP14〜P15において、境界線17、処理済画像表示領域19、パラメータ領域6を表示して、ステップP16に示す画像表示領域更新処理(図8)を実行して、画像表示領域4の表示内容を更新する。ここで、画像表示領域更新処理は既に説明しているためその詳細の説明は省略する。
【0054】
編集モード切替処理を終了した後は、図5に戻り、ユーザの次の操作を待機する。
【0055】
図5において、ユーザがパラメータ領域6の画像処理選択リスト28またはパラメータ指定コントローラ29を操作すると、ステップS04に示すパラメータ指定領域操作処理(図11)を実行する。
【0056】
図11のステップT11〜T12において、画像処理選択リスト28の選択を検出したときは、選択された画像処理項目に応じたパラメータ指定コントローラ29をパラメータ領域6に追加表示する。
【0057】
図11のステップT15〜T16において、パラメータ指定コントローラ29の操作を検出したときは、バッファメモリ34内の処理済画像に対して指定されたパラメータに応じた画像処理を加える。そして、ステップT17に示す画像表示領域更新処理(図8)を実行して、画像表示領域4の表示内容を更新する。ここで、画像表示領域更新処理は既に説明しているためその詳細の説明は省略する。
【0058】
パラメータ領域操作処理を終了した後は、図5に戻り、ユーザの次の操作を待機する。
【0059】
図5において、ユーザが画像表示に係る操作を行うと、ステップS05に示す画像表示領域操作処理(図12)を実行する。
【0060】
ユーザが画像表示領域3のスクロールバーを操作すると、図12のステップP21〜P22において、選択中の処理済画像表示領域19の表示をスクロール操作にあわせて変更する。そして、ステップP30において、この動作と連動して、同じ処理を他の全ての画像表示領域、即ち、原画像表示領域18及び他の処理済画像表示領域19に対して実行する。そして、ステップP32に示す画像表示領域更新処理(図8)を実行して、画像表示領域4の表示内容を更新する。ここで、画像表示領域更新処理は既に説明しているためその詳細の説明は省略する。
【0061】
ユーザがズームインボタン26bを操作すると、図12のステップP24〜P25において、選択中の処理済画像表示領域19の表示倍率を増加する。そして、ステップP30において、この動作と連動して、同じ処理を他の全ての画像表示領域、即ち、原画像表示領域18及び他の処理済画像表示領域19に対して実行する。そして、ステップP32に示す画像表示領域更新処理(図8)を実行して、画像表示領域4の表示内容を更新する。ここで、画像表示領域更新処理は既に説明しているためその詳細の説明は省略する。
【0062】
ユーザがズームアウトボタン26aを操作すると、図12のステップP27〜P28において、選択中の処理済画像表示領域19の表示倍率を減少する。そして、ステップP30において、この動作と連動して、同じ処理を他の全ての画像表示領域、即ち、原画像表示領域18及び他の処理済画像表示領域19に対して実行する。そして、ステップP32に示す画像表示領域更新処理(図8)を実行して、画像表示領域4の表示内容を更新する。ここで、画像表示領域更新処理は既に説明しているためその詳細の説明は省略する。
【0063】
ユーザが分割モード切替ボタン27を操作すると、図12のステップP35〜P36において、選択された分割モード(縦2分割、横2分割、4分割)に変更する。そして、ステップP32に示す画像表示領域更新処理(図8)を実行して、画像表示領域4の表示内容を更新する。ここで、画像表示領域更新処理は既に説明しているためその詳細の説明は省略する。
【0064】
ユーザが境界線17の位置をスライドして移動すると、図12のステップP38〜P39において、境界線の位置を変更して各表示領域のサイズを調整する。そして、ステップP32に示す画像表示領域更新処理(図8)を実行して、画像表示領域4の表示内容を更新する。ここで、画像表示領域更新処理は既に説明しているためその詳細の説明は省略する。
【0065】
ユーザが入替ボタン24を操作すると、図12のステップP41〜P42において、画像処理の対象となる処理済画像表示領域19が入れ替わる。そして、ステップP32に示す画像表示領域更新処理(図8)を実行して、画像表示領域4の表示内容を更新する。ここで、画像表示領域更新処理は既に説明しているためその詳細の説明は省略する。
【0066】
画像表示領域操作処理を終了した後は、図5に戻り、ユーザの次の操作を待機する。
【0067】
図5において、ユーザが一時記憶に係る操作を行うと、ステップS06に示す一時記憶領域操作処理(図13)を実行する。
【0068】
ユーザが一時記憶領域表示ボタン21を操作すると、図13のステップP51〜P52において、一時記憶表示領域5が表示中かどうかを調べる。そして、表示中でなければ(P52 No)、ステップP53において、一時記憶表示領域5を表示し、更に一時記憶メモリ38に画像が保存されている場合は、その画像のサムネイル画像を表示する。表示中であれば(P52 Yes)、ステップP54において、一時記憶表示領域5を非表示とする。
【0069】
ユーザが一時記憶ボタン22を操作すると、図13のステップP61〜P63において、選択されている処理済画像表示領域19に表示されている画像を保存対象として、一時記憶メモリ38内に一時記憶するためのメモリ領域を確保する。そして、ステップP64〜P65において、処理済画像表示領域19に対応するバッファメモリ34の内容を一時記憶メモリ38にコピーし、それと共に一時記憶表示領域5にサムネイル画像を表示する。
【0070】
ユーザが一時記憶表示領域5に表示されているサムネイル画像の内1つを選択して、記憶読込ボタン23を操作すると、図13のステップP71〜P73において、選択されている処理済画像表示領域19を読み込み先とし、選択されているサムネイル画像を読み込み元とする。次に、ステップP74において、図3に示す原画像特定情報に基づいて、画像表示領域3に表示されている画像が、一時記憶表示領域5に表示されているサムネイル画像と同じ画像かどうかを調べる。
【0071】
画像が同じ場合(P74 Yes)は、一時記憶メモリ38の画像を処理済画像表示領域19に対応するバッファメモリ34にコピーする。即ち、一時記憶メモリ38に保存した時の処理済画像を処理済画像表示領域19に表示する。画像が異なる場合(P74 No)は、一時記憶メモリ38の処理パラメータで、処理済画像表示領域19に対応するバッファメモリ34内の画像に画像処理を施す。そして、ステップP77に示す画像表示領域更新処理(図8)を実行して、画像表示領域4の表示内容を更新する。ここで、画像表示領域更新処理は既に説明しているためその詳細の説明は省略する。
【0072】
一時記憶領域操作処理を終了した後は、図5に戻り、ユーザの次の操作を待機する。
【0073】
図5において、ユーザが終了ボタン15を操作すると、ステップS07において、その終了操作を検出して画像処理画面1を閉じる。
【0074】
[実施の形態の効果]
上述の実施の形態によれば、画像表示領域3には、画像の一部が画像処理された画像と原画像とが合成して表示され、境界線17の位置をスライド操作により移動することによって画像内の一部の領域を任意に変更できる。従って、原画像と処理画像とを1画面内において柔軟に比較することができる。
【0075】
また、原画像と画像処理パラメータ適用後の画像を並べて表示し、リアルタイムに編集結果を比較しながらパラメータの設定が可能である。このため画像処理のための操作性が向上する。
【0076】
また、ズームボタン26a、26bが設けられているため、画像全体を拡大・縮小することができる。従って、画像処理結果を微細にチェックすることも、また広領域を対象として大きく把握することも容易に行うことができる。
【0077】
ユーザが、一時記憶ボタン22を押すと、現在選択されている処理済画像領域19に表示されている画像と、その処理パラメータと、原画像を特定する情報とが一時記憶メモリに記憶される。また、ユーザが一時記憶表示領域5に表示されているサムネイル画像の内の1つを選択して記憶読込ボタン23を操作すると、選択されたサムネイル画像に適用されている処理パラメータで処理された画像が、処理済画像表示領域19に表示される。従って、一時記憶メモリに記憶されている状態に容易に復元することができる。
【0078】
このように本実施の形態によれば、画像処理を充分な精度で効率的に実行することができ、画像処理に関するユーザインターフェース機能の充実を図ることができる。
【0079】
なお、上述の実施の形態で説明した各機能は、ハードウエアを用いて構成しても良く、また、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現しても良い。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0080】
更に、各機能は図示しない記録媒体に格納したプログラムをコンピュータに読み込ませることで実現させることもできる。ここで本実施の形態における記録媒体は、プログラムを記録でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その記録形式は何れの形態であってもよい。
【0081】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1の実施の形態の画像表示方法による画像処理画面の構成を示す図。
【図2】画像処理項目を示す図。
【図3】一時記憶メモリに記憶される情報を示す図。
【図4】情報処理装置の構成を示す図。
【図5】画像表示処理の概略の手順を示す図。
【図6】ファイル操作処理の手順を示すフロー図。
【図7】ファイルを開く処理の手順を示すフロー図。
【図8】画像表示領域更新処理の手順を示すフロー図。
【図9】ファイルの保存処理の手順を示すフロー図。
【図10】編集モード切換処理手順を示すフロー図。
【図11】パラメータ指定領域操作処理を示すフロー図。
【図12】画像表示領域操作処理手順示すフロー図。
【図13】一時記憶領域操作処理手順を示すフロー図。
【符号の説明】
【0083】
1…画像処理画面、3…画像表示領域、4…一時記憶操作領域、5…一時記憶表示領域、6…パラメータ領域、17…境界線、18…原画像表示領域、19…処理済画像表示領域、22…一時記憶ボタン、23…記憶読込ボタン、24…入替ボタン、26…ズームボタン、27…分割モードボタン、28…画像処理選択リスト、29…パラメータ指定コントローラ、30…情報処理装置、31…表示部、32…操作入力部、34…バッファメモリ、37…処理部、38…一時記憶メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を処理する処理手段と、画像をディスプレーに表示する表示手段と、を有する画像処理装置で実行されるプログラムにおいて、
処理対象である原画像を指定する画像指定ステップと、
前記原画像を前記処理手段で処理して処理済み画像を生成する画像処理ステップと、
前記原画像を複数の部分領域に分割する分割境界を設定する境界設定ステップと、
前記部分領域を選択する領域選択ステップと、
前記領域選択ステップで選択した画像の部分領域を、前記処理済み画像の対応する部分領域で置き換えて全体画像を生成する画像合成ステップと、
前記表示手段で前記全体画像の全部又は前記境界を含む一部分を表示する画像表示ステップと、
をコンピュータに実行させるための画像表示プログラム。
【請求項2】
前記境界の位置は、前記画像処理装置の利用者の操作に応じて移動自在になされることを特徴とする請求項1に記載の画像表示プログラム。
【請求項3】
前記境界は直線で構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像表示プログラム。
【請求項4】
前記全体画像のうち、第1の部分領域と第2の部分領域について、それぞれの領域に対応した処理済み画偉を、前記第1又は第2の部分領域のいずれかに処理が施されていない場合を含めて、入れ替える入替ステップを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示プログラム。
【請求項5】
前記画像処理ステップで処理するための少なくとも1つの画像処理パラメータを前記画像処理装置の利用者の操作に応じて獲得する獲得ステップを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示プログラム。
【請求項6】
前記画像表示ステップで部分領域としてディスプレーに表示されている前記処理済画像と、この処理済画像を得るために前記画像処理ステップで当該原画像に施された処理内容と、原画像を特定する情報とを記憶する一時記憶ステップと、
前記一時記憶ステップで記憶した前記処理内容を選択する選択ステップと、
前記ディスプレーに表示されている前記全体画像の原画像に対して、前記選択ステップで選択した処理内容と同一の処理を施す第2の画像処理ステップと、
前記領域選択ステップで選択した画像の部分領域を、前記第2の画像処理ステップで処理した処理済み画像の対応する部分領域で置き換えて全体画像を生成する第2の画像合成ステップとを更に有し、
前記画像表示ステップは前記第2の画像合成ステップで生成した全体画像を前記ディスプレーに表示すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像表示プログラム。
【請求項7】
前記選択ステップで選択した処理内容と共に記憶された原画像を特定する情報で特定される原画像が、前記ディスプレーに表示されている原画像と同一である場合には、前記第2の合成ステップで当該原画像と結合する処理済み画像は、前記一時記憶ステップで記憶された処理済み画像であることを特徴とする請求項6に記載の画像表示プログラム。
【請求項8】
前記画像処理ステップ又は前記第2の画像処理ステップで処理された前記処理済み画像を記憶する記憶ステップをさらに有することを特徴とする請求1又は6に記載の画像表示プログラム。
【請求項9】
画像を処理する処理手段と、画像をディスプレーに表示する表示手段と、を有する画像処理装置で実行されるプログラムを記録した記録媒体において、
処理対象である原画像を指定する画像指定ステップと、
前記原画像を前記処理手段で処理して処理済み画像を生成する画像処理ステップと、
前記原画像を複数の部分領域に分割する分割境界を設定する境界設定ステップと、
前記部分領域を選択する領域選択ステップと、
前記領域選択ステップで選択した画像の部分領域を、前記処理済み画像の対応する部分領域で置き換えて全体画像を生成する画像合成ステップと、
前記表示手段で前記全体画像の全部又は前記境界を含む一部分を表示する画像表示ステップと、
をコンピュータに実行させるための画像表示プログラムを記録した記録媒体。
【請求項10】
画像を処理する処理手段と、画像をディスプレーに表示する表示手段と、を有する画像処理装置の画像表示方法において、
処理対象である原画像を指定する画像指定ステップと、
前記原画像を前記処理手段で処理して処理済み画像を生成する画像処理ステップと、
前記原画像を複数の部分領域に分割する分割境界を設定する境界設定ステップと、
前記部分領域を選択する領域選択ステップと、
前記領域選択ステップで選択した画像の部分領域を、前記処理済み画像の対応する部分領域で置き換えて全体画像を生成する画像合成ステップと、
前記表示手段で前記全体画像の全部又は前記境界を含む一部分を表示する画像表示ステップと、
を備えたことを特徴とする画像表示方法。
【請求項11】
処理対象である原画像を指定する画像指定手段と、
前記原画像を画像処理手段で処理して処理済み画像を生成する画像処理手段と、
前記原画像を複数の部分領域に分割する分割境界を設定する境界設定手段と、
前記部分領域を選択する領域選択手段と、
前記領域選択手段が選択した画像の部分領域を、前記処理済み画像の対応する部分領域で置き換えて全体画像を生成する画像合成手段と、
前記全体画像の全部又は前記境界を含む一部分の画像を表示する画像表示手段と
を備えたことを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−3603(P2006−3603A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179569(P2004−179569)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】