画像表示制御回路及びその方法
【課題】多階調における各階調度間において輝度差を感じさせず、かつ輝度値を表現する階調度の階調数を削減し、従来に比較して少ない階調数により、従来と同等の表示精度を有する画像表示制御回路及びその方法を提供する。
【解決手段】本発明の画像表示制御回路は、入力される画素単位のアナログ映像信号に基づいて、画像表示装置における画像表示を制御する回路であり、アナログ映像信号を、デジタル映像信号に変換するA/D変換部と、デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求める、階調度毎に異なったステップ幅の区切り値を記憶したルックアップテーブルと、入力される電圧レベルと、区切り値とを比較し、電圧レベルが含まれる区切り値の範囲に対応する階調度を出力する階調度選択部と、階調度選択部の出力する階調度に基づき、画像表示装置に対する駆動信号を生成する駆動信号生成部とを有する。
【解決手段】本発明の画像表示制御回路は、入力される画素単位のアナログ映像信号に基づいて、画像表示装置における画像表示を制御する回路であり、アナログ映像信号を、デジタル映像信号に変換するA/D変換部と、デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求める、階調度毎に異なったステップ幅の区切り値を記憶したルックアップテーブルと、入力される電圧レベルと、区切り値とを比較し、電圧レベルが含まれる区切り値の範囲に対応する階調度を出力する階調度選択部と、階調度選択部の出力する階調度に基づき、画像表示装置に対する駆動信号を生成する駆動信号生成部とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に多階調の画像を表示させる画像表示制御回路及その方法に係り、特に高階調表示に好適な画像表示制御回路及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置は、テレビやコンピュータの表示装置の一部として主に用いられるが、これらの表示装置として用いる場合には多階調表示技術が必要である。液晶表示装置における画像表示処理での階調制御において、液晶表示装置の液晶パネルの各素子部分の透過率を、制御電圧によって調整し、透過または反射する光の輝度を調整し、各対応するドットの階調制御を行っている。(例えば、特許文献1参照)。
上述した従来の液晶表示装置は、透過率が制御電圧に対して線形に変化するよう、透過率特性が調整されている。
【特許文献1】特開2003−330422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した特許文献1に示す液晶表示装置にあっては、輝度の一定幅の変化に対応し、階調度(輝度階調)の変化も一定幅、すなわち図7に示すように、階調度の変化が等差的な値となるように設定されている。
この様な階調度の変化を等差的に行う方法においては、黒側、すなわち階調度が低い範囲における輝度比が、白側、すなわち階調度が高い範囲における輝度比に対し、相対的に粗くなる。すなわち、最も階調度の低い黒側から、n番目の階調度における輝度と、隣接する(n+1)番目の階調度との比差が、{(n+1)−n}/n=1/nとなり、n=10以下においては、階調度を一つずつあげた画像を連続して並べる階調度表示において、階調度の低い範囲において、各階調度に対応して輝度がリニアに変化しているように見えず、階調度の差が明確に視認できる程度に輝度の変化が弁別できる状態となる。
【0004】
一方、最も階調度の低い黒側の範囲において、図8に示す用に、光覚閾(感度の逆数)が大きくなり、すなわち輝度の変化を検出する感度が低下し、充分に暗い範囲であれば、隣接する階調度の差を視認し難くすることができる。
上述した解析は、一見矛盾しているように考えられるが、例えばプロジェクタの場合、スクリーン自体の輝度や外部環境(外光の光量のレベル)等によって、光覚閾の範囲が変化する。
このため、スクリーンに表示された黒レベルの絶対値が、それを見ている人間の感じる輝度の閾値に対して、どの程度の輝度レベルとなっているかにより、上記変化が生じることとなる。
【0005】
しかしながら、従来のような階調度変化を等差的に行う制御方法は、明るい部分において、人間が輝度変化を弁別可能とする輝度差に対し、必要以上に細かく輝度が階調により分割されているため、冗長的であり、かつ過剰な階調度を設定してしまうこととなる。
この結果、階調度を表現するデータのビット数が増加し、画像表示制御における乗算やγ補正及び逆γ補正を含めた演算にビット数に応じた時間が必要となり、処理時間を増加させることとなる。
また、ビット数が増加するに伴い、処理に用いる回路規模が増加し、加えて各回路間でのデータの送受信を行う信号線の本数が増加し、画像表示制御回路の製造コストが増大してしまうこととなる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、多階調における各階調度間において輝度差を感じさせず、かつ輝度値を表現する階調度の階調数を削減し、従来に比較して少ない階調数により、従来と同等の表示精度を有する画像表示制御回路及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像表示制御回路は、入力される画素単位のアナログ映像信号に基づいて、画像表示装置における画像表示を制御する画像表示制御回路であり、前記アナログ映像信号を、デジタル映像信号に変換するA/D変換部と、デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求める、階調度毎に異なったステップ幅の区切り値を記憶したルックアップテーブルと、入力される前記電圧レベルと、前記区切り値とを比較し、電圧レベルが含まれる区切り値の範囲に対応する階調度を出力する階調度選択部と、該階調度選択部の出力する階調度に基づき、前記画像表示装置に対する駆動信号を生成する駆動信号生成部とを有することを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御装置は、人間の視覚における光覚閾に対応した階調変化率(例えば、経験的な数値として10%以下)にて設定された階調度に、入力されるアナログ映像信号の階調情報(輝度を示す電圧レレベル)へ変換するため、従来のように冗長な等差的な輝度値を用いた場合に比較して、少ない階調数にて従来と同様なダイナミックレンジを表現することが可能となり、階調度を表現するデータのビット数を削減できるので、回路規模を小さくして製造コストを低下させるとともに、画像表示制御における各処理の演算速度を向上させることができる。
【0008】
本発明の画像表示制御回路は、前記A/D変換部が電圧レベルを浮動小数点形式で出力し、前記区切り値の電圧が浮動小数点表示にて、前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、広いデータ幅を少ないビット数にて実現できるため、ステップ幅の区切り値の電圧値の精度を上げて、データ幅が少ないために起こる変換時の丸め込みによる精度低下を抑制し、電圧レベルを対応する階調度に、高精度に変換させることが可能となる。
【0009】
本発明の画像表示制御回路は、デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求めるステップ幅が、基本ステップ幅に対し、予め設定されている階調変化率を階調度毎に累乗され、等比的な電圧幅にて前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、任意の階調変化率を用いることにより、入力される映像信号の階調情報を、対応する階調度に変換するため、従来と比較して少ない階調数により、従来と同様なダイナミックレンジを実現することができる。
【0010】
本発明の画像表示制御回路は、デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求めるステップ幅が、人間の視覚における光覚閾の弁別以下の輝度比となる、前記画素を制御する電圧幅にて前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、各階調度のステップ幅を人間の視覚における光覚閾の弁別以下にの輝度比となるように設定されているため、入力される映像信号の階調情報を、人間の視覚に対応した輝度差を有する階調度に変換するため、冗長な階調数を必要とせず、従来と比較して少ない階調数により、従来と同様なダイナミックレンジを実現することができる。更には、ダイナミックレンジを大きくした場合でも、少ない階調数で対応できる。
【0011】
本発明の画像表示制御回路は、ルックアップテーブルにおける最低の階調度のステップに対し、次の階調度のステップに対応する輝度差が、人間の視覚における光覚閾の弁別以下に設定されていることを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、最初の階調変化の輝度差が人間の視覚における光覚閾の弁別以下に設定されていることにより、この区切り値の電圧値に対して、人間の視覚における光覚閾の弁別以下の輝度比となる階調変化率を累乗することにより、順次、人間の光覚閾の弁別以下の輝度差を得る階調度の区切り値を容易に演算することが可能となる。
【0012】
本発明の画像表示制御回路は、前記階調度選択部が、前記電圧レベルと、各階調度に対応した区切り値との大小比較を行い、いずれの階調度のステップに含まれているかの検出を行い、電圧レベルに対応する階調度を検出することを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、簡易な回路により、入力される映像信号の階調情報を、対応する階調度に変換することができる。
【0013】
本発明の画像表示制御回路は、前記階調度選択部が直前の画素の階調度に対応する区切り値を記憶しており、該区切り値から、入力された電圧レベルの大小判別を開始することを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、隣接する画素の輝度が類似性を有しており、同一の階調度または隣接する階調度に対応する場合が多いため、映像信号の階調情報を、対応する階調度へ変換する処理速度を向上させることができる。
【0014】
本発明の画像表示制御回路は、前記階調度選択部が直前のフレームの全画素の階調度に対応する区切り値を記憶しており、検出対象の画素の画素位置に対応して記憶された該区切り値から、入力される各画素の電圧レベルの大小判別を開始することを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、直前のフレームの対応する位置の画素の輝度が類似性を有しており、同一の階調度または隣接する階調度に対応する場合が多いため、映像信号の階調情報を、対応する階調度へ変換する処理速度を向上させることができる。
【0015】
本発明の画像表示制御方法は、入力される画素単位のアナログ映像信号に基づいて、画像表示装置における画像表示を制御する画像表示制御回路の制御方法であり、A/D変換部が前記アナログ映像信号を、デジタル映像信号に変換するA/D変換過程と、デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求める、階調度毎に異なったステップ幅の区切り値をルックアップテーブルへ記憶させる記憶過程と、階調選択部が入力される前記電圧レベルと、前記区切り値とを比較し、電圧レベルが含まれる区切り値の範囲に対応する階調度を出力する階調度選択過程と、駆動信号生成部が該階調度選択部の出力する階調度に基づき、前記画像表示装置に対する駆動信号を生成する駆動信号生成過程とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明の画像表示装置は、上記記載の画像表示制御回路のいずれかを有するため、従来より装置を小型化し、従来と同様のダイナミックレンジを得ることができる。。
本発明の画像表示装置は、2変調光学系を有するため、HDRDの画像データに対応する高いダイナミックレンジの画像表示を実現することができる。
本発明のプロジェクタは、上記各画像表示制御回路を用いることにより、従来より装置を小型化し、従来と同様のダイナミックレンジを得ることができる。
本発明のプロジェクタは、2変調光学系を有するため、HDRDの画像データに対応する高いダイナミックレンジの画像表示を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
近年、階調度の階調数を増加することにより、表示する画像の輝度のダイナミックレンジを広げることにより、漆黒から輝く閃光まで、実際に近い感覚が得られるよう、より忠実に映像を表現するというニーズが、CG(コンピュータグラフィック)技術の向上等に対応して出てきている。
例えば、液晶パネルや他のフラットパネル・ディスプレイも、輝度のダイナミックレンジを拡大し、高コントラストの映像を表現するため、HDRD(ハイ・ダイナミック・レンジ・ディスプレイ)等が開発されている。
【0018】
本発明の基本的な技術思想についてはじめに説明する。画素単位に階調度を制御して、映像信号に対応した画像表示を行う画像表示装置に対応する画像表示制御回路として、一般的には輝度比が「1」となる階調度に、入力されるアナログ映像信号の電圧レベルを変換している。このため、各階調度のステップの電圧幅の比も輝度比と同様に「1」となっている。本発明においては、人間の視覚における光覚閾の光覚閾の弁別以下の輝度比となるように、下位の階調から上位の階調に対し、各階調度におけるステップの電圧範囲を設定する区切り値に、階調変化率(=輝度比、例えば、1<輝度比<1.3)が順次、累乗されて、電圧幅が順次広くなるステップに階調度が設定されている。これにより、従来のダイナミックレンジを、より少ない階調度にて表現することとなる。
【0019】
階調度を表現するためのビット数を12ビットとして説明すると、輝度値の幅、すなわちダイナミックレンジの分割数は、212=4096となり、上記HDRDに必要なコントラスト比を250000:1と想定した場合、図7示すように、輝度値を等間隔に分割した場合、このコントラスト比を実現することは不可能である。上記250000:1のコントラスト比を得るため、ダイナミックレンジの分割数を250000とする必要があり、250000を数値として表現するためのビット数bは、
b=ln250000/ln2=17.93
と求められ、250000を表現するビット数として18ビットが必要となる。
【0020】
上述したように、人間の視覚における光覚閾の弁別感度は、隣接した階調度における輝度差、すなわち階調変化率が1.1以下、すなわち10%以下の変化を識別することが出来ないことが、実験により確認されている。すなわち、明視範囲において、人間の視覚の感度は、輝度の差分比(輝度比)が一定となるWeber-Fechner則が成り立つことが知られている。
【0021】
上述した250000:1のコントラスト比を表現するために、充分な階調数を実現するため、18ビットのデータ幅を用いたとしても、隣接する階調度における階調比が2,1.5,1.333…,1.25,1.2,…,(N+1)/N,…,1(ほぼ1に収束)となり、階調度Nが10以下の場合には、その階調変化率が1.1を超え、従来例に示したように、階調度の低い黒レベルに近い範囲の階調度の違いが、視覚における光覚閾が大きくなり、弁別する感度の閾値を超え、画像表示装置の表示面を見ている人間に判別できるようになる。
【0022】
そこで、本発明においては、上述したように、ステップの電圧範囲を設定する区切り値に、階調変化率(=輝度比、例えば、1<輝度比<1.3)が順次累乗された、図1に示す電圧範囲にて各階調度が設定されている。図1は縦軸が輝度値(最大輝度にて規格化された数値で示す輝度値)、縦軸が信号レベル(入力される映像信号の電圧レベル)を示し、各輝度値に対応する階調度のステップの電圧幅を示す図である。ここで、I0は人間の視覚において、光覚閾の数値として弁別できる閾値以下に設定することが望ましい。
また、図1において、階調変化率、すなわち、輝度比と、電圧幅の比とは、隣接する階調度間において以下の関係、すなわち指数(等比)変化する輝度となるように、映像信号の電圧レベルと、階調度とを対応付ける。
I1/I0=I2/I1=…=IN+1/IN=v1/v0=v2/v1=…=vN+1/vN
ここで、階調変化率は、人間の視覚が弁別できる閾値1.1を超えない数値とすることにより、疑似輪郭や色むらを、表示面を見ている人間に感じさせないようにできる。
【0023】
例えば、仮に上記階調変化率を1.1(1割増)にした場合、250000:1のコントラスト比を得るために必要な階調数は、以下に示すように求められる。
1.1x=250000
であるため、両辺の対数を取り、xを求めると、
x=ln250000/ln1.1=130.4
となり、これをビット数bに換算すると、
b=ln130.4/ln2=7.03
となり、8ビットで充分なことが判る。
【0024】
ここで、b=8ビットとした場合に、ダイナミックレンジの分割数は255となり、階調変化率aを逆算してみると、
a255=250000であり、
a=255√(250000)=1.0499
となり、階調変化率を5%とし、人間が感じる変化分の10%以下とできることが判る。
【0025】
<第1の実施形態>
以下、上述した技術思想に基づく本発明の一実施形態による画像表示制御回路を図面を参照して説明する。図2は同実施形態による、1変調光学系のプロジェクタに対する画像表示制御回路の構成例を示すブロック図である。
この図において、A/D変換部1R,1G及び1B3各々は、入力されるアナログ映像信号の各色成分の電圧レベルVR(R:レッド),VG(G:グリーン),VB(B:ブルー)を、デジタル信号へ変換し、それぞれ電圧データDR,DG,DBとして出力する。
【0026】
階調度選択部2Rは、入力された電圧データDRに基づき、階調ルックアップテーブル3Rから、対応する階調度KRを検出して出力する。
ここで、階調ルックアップテーブル3Rには、最小の階調度から最大までの階調度の各ステップを区切り値である電圧値が記憶されている。この電圧値は、ステップ幅の電圧差がすでに述べた階調変化率により、順次累乗され、図1の信号レベルのように、隣接した階調度の電圧幅が、この階調変化率の割合で変化するよう設定されている。階調変化率aに対し、最低の階調度のステップ幅が、v0であると、階調度のステップの電圧幅の変化は、v0→a・v0→a2・v0→…→aN−1・v0と変化することとなる。
【0027】
ここで、階調度選択部2Rは、入力された電圧データDRと階調ルックアップテーブル3Rの上記区切り値各々と大小比較を行い、電圧データDRより大きい区切り値と、電圧データDRより小さい区切り値とがステップ範囲である階調度を検出し、電圧データDRに対応する階調度として出力する。すなわち、階調ルックアップテーブル3Rには、階調度の区切りを示す電圧値が記憶されている第1領域が設けられるとともに、隣接した大きい区切り値と小さな区切り値との組合せと、階調度との対応が記憶されている第2領域が設けられている。階調度選択部2Rは、入力された電圧データに対し、2つの区切り値により含まれる範囲を第1領域において検出し、この2つの区切り値の組合せに対応した階調度を第2領域から抽出する(検索して読み出す)。
また、階調ルックアップテーブル3G及び3Bは上記階調ルックアップテーブル3Rと同様な構成の区切り値及び階調度のデータが記憶され、階調度選択部2G及び2Bも階調度選択部2Rと同様な動作を行い、それぞれ電圧データDG,DBに対応した階調度として、階調度KG,KBを出力する。
上述した階調度選択部(2R,2G及び2B)は、直前に求めた画素の階調度に対応する区切り値を内部に記憶し、次に入力される画素の電圧レベルに対して、記憶されている区切り値から大小判別を行い、階調度を求めるように構成しても良い。
また、階調度選択部(2R,2G及び2B)は、直前のフレームの全画素の階調度に対応する区切り値を色毎に記憶し、次のフレームにおいて、階調度の検出対象の画素の階調度を求める際、検出対象の画素の画素位置に対応して記憶された、直前のフレームの画素の階調度に対応する区切り値から、入力される各画素の電圧レベルの大小判別を行い、各画素の階調度の検出(色毎に)を開始するように構成しても良い。
【0028】
色LUT(ルックアップテーブル)4Rは、入力される階調度と、制御対象の液晶ライトバルブ6Rの制御電圧−透過率特性に対応した制御データ(駆動電圧のデジタル値)とを対応して記憶しており、階調度選択部2Rから入力される階調度KRに対応する制御データSRを出力する。また、色LUT4G及び4Bは、上記色LUT4Rと同様な構成であり、それぞれ階調選択部2G,2Bから入力される階調度KG,KBに対応した制御データSG,SBを出力する。
【0029】
D/A変換部5Rは、色LUT4Rから出力される制御データSRを、アナログの駆動電圧に変換して、駆動対象の液晶ライトバルブ6Rへ出力する。また、D/A変換器5G,5Bも、上記D/A変換部5Rと同様な構成であり、それぞれ入力される制御データSG,SBを、対応する駆動電圧に変換して、制御対象の液晶ライトバルブ6G,6Bへ出力する。
画像表示装置における液晶ライトバルブ6R,6G及び6B各々は、入力される画素毎の駆動電圧に対応して、画素単位に透過率を変化させ、所定の輝度の光を透過させる。
【0030】
また、上述したA/D変換部1R,1G及び1B各々が、入力される入力される映像信号の各色成分の電圧レベルVR,VG,VBを、それぞれ浮動小数点形式のデジタルデータである電圧データDR,DG,DBへ変換するようにしてもよい。この構成において、階調ルックアップテーブル3R,3G,3Bは、区切り値の電圧値を、上記浮動小数点形式の各電圧データと同様の指数部及び仮数部のビット構成にて記憶するようにする。この構成により、階調変化率に対応したステップ幅を正確に記述することができるため、データの丸め誤差が生じず、高精度に階調度を求めることができる。
【0031】
本実施形態においては液晶ライトバルブを制御対象としたが、本発明のアルゴリズムはミラーアレイデバイスにも適用できる。すなわち、光を反射する時間幅で階調を表現するため、この時間幅を階調変化率により累乗して、指数的な輝度差を実現することができ、ミラーアレイデバイスの輝度差も同様に人間の弁別する輝度差以下にする構成を形成することができる。
【0032】
また、図3は本実施形態のプロジェクタの要部を示す概略構成図である。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
本実施形態の制御対象の画像表示装置であるプロジェクタ800は、図3に示すように、光源810、色分離光学系(ダイクロイックミラー813,814、反射ミラー815,816,817、入射レンズ818、リレーレンズ819、出射レンズ820)、液晶ライトバルブ6R,6G,6B、色合成光学系(クロスダイクロイックプリズム825)、投写光学系826から構成されている。光源810は、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等のランプ811と、ランプの光を反射するリフレクタ812とから構成されている。
【0033】
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する機能を有している。ダイクロイックミラー814は、青色光を透過させるとともに、緑色光を反射する機能を有している。よって、ダイクロイックミラー813を透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用液晶ライトバルブ6Rに入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用液晶ライトバルブ6Gに入射される。
【0034】
さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して青色光が青色光用液晶ライトバルブ6Bに入射される。
【0035】
各液晶ライトバルブ(6R,6G,6B)によって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
【0036】
また、上述した本実施形態は、RGBの映像信号の画像表示を行うカラープロジェクタにて本発明の構成を説明したが、白黒の画像表示を行う単色のプロジェクタにおいても、いずれか1つの色成分に対する回路構成を用いることにより、容易に対応できることは言うまでもない。
【0037】
<第2の実施形態>
第1の実施形態の画像表示制御回路の構成は同様であり、かつ動作も同様であるが、輝度値の範囲を分割する階調度の設定方法が異なる。
スクリーンに表示される輝度は、環境下の外部光の影響や、プロジェクタの表示する画素の明るさそのものや、スクリーンの画素分布による輝度ヒストグラムの内容、及びスクリーンサイズの影響を受ける。
例えば、スクリーンを鑑賞している視認環境が明るい場合、スクリーンがその外部光を反射し、実質的な輝度を上昇させ、低い階調レベルの輝度(漆黒)を表示しても、外光により黒レベルが浮き上がり、充分な黒にならず、コントラストが低下する。これに加えて、スクリーンサイズが大きくなると、プロジェクタの分解能によるが、画素の分布がまばらとなるために面積当たりの光量が減少する。このために表示される最大輝度が低下することとなり、輝く閃光などを表現できなくなる。
【0038】
一方、上述した環境と逆に、視認環境が充分暗い(10ルクス以下)場合で、かつスクリーンサイズが最大輝度を表現できる大きさのスクリーンであれば、画像を投影すると、黒側の階調度範囲における輝度が、人間の視覚において光覚閾が弁別レベルに達しない、光覚閾の感度が低い階調度の領域が存在する。このような低い階調度の領域において、対応する輝度を中途半端に分割して階調度を与えても、その輝度差を識別できないとすれば、図4に示すように、平坦部分の最低階調度として漆黒領域を設け、残りの信号レベル(輝度値を示す電圧レベル)の領域を、第1の実施形態と同様の方法にて階調度を与える構成としてもよい。
これにより、階調度を与える色成分の電圧レベル(信号レベル)を階調度に分割する階調数を削減することができる。
【0039】
また、階調数をそのままとすると、ビット数を変えずに、階調度のステップ幅を狭くすることができ、隣接する階調度との輝度差を小さくでき、より滑らかな輝度変化を得ることができる。
上述したように、階調数や最小輝度(最も低い階調度)の値を、コントラスト比に合わせる必要がなく、上述したように、画像表示を行う環境やスクリーンサイズ(画面サイズ)に併せて、輝度差が弁別レベル以下の設定となることを前提に、その都度任意にコントラスト比などを設定するようにしても良い。
【0040】
例えば、すでに述べたように、最小輝度値を人間の視覚が弁別できる最小感度に合わせたり、本実施形態で述べたように、上記漆黒領域と、階調度を付与して輝度差を付ける(輝度比較)領域とを、視認環境やスクリーンサイズの組合せにより切り替える輝度比較閾値を設け、この組合せによって、漆黒領域を除く信号レベルの範囲において、階調度毎の輝度差の冗長性を考慮して階調変化率を設定する。
【0041】
<第3の実施形態>
以下、上述した技術思想に基づく本発明の一実施形態による画像表示制御回路を図面を参照して説明する。図5は同実施形態による、2変調光学系(HDR対応)のカラープロジェクタに対する画像表示制御回路の構成例を示すブロック図である。
図5において、第1の実施形態の構成と同様な構成については、同一の符号を付けて省略する。第3の実施形態は、第1の実施形態と異なる構成として、2変調光学系であるため、第1の実施形態における色変調用の液晶ライトバルブ(6R,6G,6B)の変調処理を制御する構成のみでなく、輝度変調用の液晶ライトバルブ11の変調処理を制御する構成として、最大値選択部7,輝度LUT8,D/A変換部9及び変換マトリクス10が設けられている。
【0042】
最大値選択部7は、階調度選択部2R,2G,2B各々から出力される階調度KR,KG及びKBから最も大きな階調度を選択し、その階調度Kを出力する。
輝度LUT8は、階調度Kと、各階調度Kに対応した輝度制御値S(輝度変調を行う制御値)とが記憶されたルックアップテーブルであり、最大値選択部7から入力される階調度Kに対応した輝度制御値S(デジタル値)を出力する。
D/A変換部9は、輝度LUT8から入力された輝度制御値Sを、対応するアナログ値である駆動電圧に変換して、対応する液晶ライトバルブ11に対して出力する。
【0043】
また、変換マトリクス10は、RGBの各色成分毎に、輝度変調用の液晶ライトバルブ11の輝度制御値Sに対応して、入力される階調度(KR,KG,KB)を変換し、変換階調度(KR',KG',KB')として出力する。すなわち、2変調光学系であるため、1光学変調系における輝度成分を、各色成分の輝度値と、各色成分が合成された後の表示画素としての輝度値とに振り分け、表示画像のコントラスト比を向上させている。
そして、色LUT4R,4G,4B各々は、変換マトリクス10から入力される変換階調度KR',KG',KB'それぞれに対応して、制御値SR,SG,SB(色変調制御値)を出力する。
D/A変換部5R,5G,5B各々は、色LUT4R,4G,4Bから入力される制御値SR,SG,SBにそれぞれ対応して、液晶ライトバルブ6R,6G,6Bに対して、駆動電圧を出力する。
【0044】
図6は、投射型表示装置、すなわちプロジェクタの構成例を示すものであり、この投射型表示装置は、光源510と、光源510から入射した光の輝度分布を均一化する均一照明手段520と、均一照明手段520から入射される入射光のうちの3原色(R,G,B)の輝度をそれぞれ変調する色変調部530と、色変調部530から入射した光をリレーするリレーレンズ540と、リレーレンズ540から入射した光の全波長領域の輝度を変調する液晶輝度パネル550と、液晶輝度パネル550からから入射した光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ560とで構成されている。
【0045】
光源510は、高圧水銀ランプ等のランプ511と、ランプ511からの出射光を反射するリフレクタ512とで構成されている。光源510から出射した光束は第1フライアイレンズ521、第2フライアイレンズ522等が順次設置された均一照明手段520で均一化される。
均一照明手段520を出射した偏光が揃った光は色変調部530に入射し、3原色(R,G,B)に分離され、それぞれの色成分を、D/A変換部5R,5G及び5Bから入力される制御信号により変調する液晶ライトバル(液晶色パネル)6R、6G、6Bによって変調を受けて出射される。
【0046】
変調された3原色光(R,G,B)はクロスダイクロイックプリズム534によって合成されリレーレンズ540に出射する。ここで、液晶色パネル6RはR成分用、液晶色パネル6GはG成分用、液晶色パネル6BはB成分用の光変調素子をそれぞれ形成し、ダイクロイックミラー535はR成分の光を透過させ、ダイクロイックミラー536はB成分の光を透過させる。また、液晶色パネル6Rに対しては反射ミラー537が設けられ、液晶色パネル6Bに対しては、リレーレンズ538と2個の反射ミラー539aおよび539bが設けられている。
【0047】
リレーレンズ540を出射された変調光はもう一方の液晶ライトバルブ(液晶輝度パネル)11に入射し、第二の変調を受けて出射される。リレーレンズ540は、第一の変調を受けた画像光を、第二の変調に伝達し、色・輝度変調の対応画素を重ねるリレーレンズであり、両側テレセントリック特性を有している。液晶輝度パネル550では、入射した光の全波長領域の輝度を輝度制御値Sにより変調し、その変調光は投写光学系560へ出射され、投写光学系560によって図示しないスクリーンに投影される。
この様に投影画像は光学的に直列に配置されたそれぞれの光変調素子(液晶輝度パネル11および液晶色パネル6R,6G,6B)が画素単位で変調を行うことで形成される。
【0048】
なお、図2及び図5における画像表示制御回路の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより画像表示制御の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0049】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
なお、上述の実施形態では、画像表示制御回路を投写光学系によって画像を投写するプロジェクタに用いた例を示したが、投写光学系を有さないような、直視型の画像表示装置にも用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、上述した液晶パネルを用いたプロジェクタのみでなく、液晶テレビ,リアプロジェクションテレビ等の光の透過及び反射を調整して、輝度に対応した階調度の制御が不可欠な画像表示装置等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の基本的な原理を説明するための、輝度値と階調度(輝度値に対応した電圧レベル範囲)との対応を示すグラフである。
【図2】本発明の第1の実施形態による画像表示制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の画像表示制御装置により色変調の制御対象となる液晶ライトバルブで構成された1変調光学系のプロジェクタである。
【図4】本発明の第2の実施形態における階調度設定の原理を説明するための、輝度値と階調度(輝度値に対応した電圧レベル範囲)との対応を示すグラフである。
【図5】本発明の第3の実施形態による画像表示制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の画像表示制御装置により色変調の制御対象となる液晶ライトバルブで構成された2変調光学系のプロジェクタである。
【図7】輝度値(縦軸)と各輝度値に対応した階調度のステップの電圧幅(横軸)との従来の対応関係を示すグラフである。
【図8】輝度値(横軸)とその輝度値に対する人間の視覚感度(光覚域)との対応を示すグラフである。
【符号の説明】
【0052】
1R,1G,1B…A/D変換部 2R,2G,2B…階調度選択部 3R,3G,3B…階調LUT(ルックアップテーブル) 4R,4G,4B…色LUT 5R,5G,5B…D/A変換部 6R,6G,6B,11…液晶ライトバルブ(LV) 7…最大値選択部 8…輝度LUT 10…変換マトリクス
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に多階調の画像を表示させる画像表示制御回路及その方法に係り、特に高階調表示に好適な画像表示制御回路及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置は、テレビやコンピュータの表示装置の一部として主に用いられるが、これらの表示装置として用いる場合には多階調表示技術が必要である。液晶表示装置における画像表示処理での階調制御において、液晶表示装置の液晶パネルの各素子部分の透過率を、制御電圧によって調整し、透過または反射する光の輝度を調整し、各対応するドットの階調制御を行っている。(例えば、特許文献1参照)。
上述した従来の液晶表示装置は、透過率が制御電圧に対して線形に変化するよう、透過率特性が調整されている。
【特許文献1】特開2003−330422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した特許文献1に示す液晶表示装置にあっては、輝度の一定幅の変化に対応し、階調度(輝度階調)の変化も一定幅、すなわち図7に示すように、階調度の変化が等差的な値となるように設定されている。
この様な階調度の変化を等差的に行う方法においては、黒側、すなわち階調度が低い範囲における輝度比が、白側、すなわち階調度が高い範囲における輝度比に対し、相対的に粗くなる。すなわち、最も階調度の低い黒側から、n番目の階調度における輝度と、隣接する(n+1)番目の階調度との比差が、{(n+1)−n}/n=1/nとなり、n=10以下においては、階調度を一つずつあげた画像を連続して並べる階調度表示において、階調度の低い範囲において、各階調度に対応して輝度がリニアに変化しているように見えず、階調度の差が明確に視認できる程度に輝度の変化が弁別できる状態となる。
【0004】
一方、最も階調度の低い黒側の範囲において、図8に示す用に、光覚閾(感度の逆数)が大きくなり、すなわち輝度の変化を検出する感度が低下し、充分に暗い範囲であれば、隣接する階調度の差を視認し難くすることができる。
上述した解析は、一見矛盾しているように考えられるが、例えばプロジェクタの場合、スクリーン自体の輝度や外部環境(外光の光量のレベル)等によって、光覚閾の範囲が変化する。
このため、スクリーンに表示された黒レベルの絶対値が、それを見ている人間の感じる輝度の閾値に対して、どの程度の輝度レベルとなっているかにより、上記変化が生じることとなる。
【0005】
しかしながら、従来のような階調度変化を等差的に行う制御方法は、明るい部分において、人間が輝度変化を弁別可能とする輝度差に対し、必要以上に細かく輝度が階調により分割されているため、冗長的であり、かつ過剰な階調度を設定してしまうこととなる。
この結果、階調度を表現するデータのビット数が増加し、画像表示制御における乗算やγ補正及び逆γ補正を含めた演算にビット数に応じた時間が必要となり、処理時間を増加させることとなる。
また、ビット数が増加するに伴い、処理に用いる回路規模が増加し、加えて各回路間でのデータの送受信を行う信号線の本数が増加し、画像表示制御回路の製造コストが増大してしまうこととなる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、多階調における各階調度間において輝度差を感じさせず、かつ輝度値を表現する階調度の階調数を削減し、従来に比較して少ない階調数により、従来と同等の表示精度を有する画像表示制御回路及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像表示制御回路は、入力される画素単位のアナログ映像信号に基づいて、画像表示装置における画像表示を制御する画像表示制御回路であり、前記アナログ映像信号を、デジタル映像信号に変換するA/D変換部と、デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求める、階調度毎に異なったステップ幅の区切り値を記憶したルックアップテーブルと、入力される前記電圧レベルと、前記区切り値とを比較し、電圧レベルが含まれる区切り値の範囲に対応する階調度を出力する階調度選択部と、該階調度選択部の出力する階調度に基づき、前記画像表示装置に対する駆動信号を生成する駆動信号生成部とを有することを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御装置は、人間の視覚における光覚閾に対応した階調変化率(例えば、経験的な数値として10%以下)にて設定された階調度に、入力されるアナログ映像信号の階調情報(輝度を示す電圧レレベル)へ変換するため、従来のように冗長な等差的な輝度値を用いた場合に比較して、少ない階調数にて従来と同様なダイナミックレンジを表現することが可能となり、階調度を表現するデータのビット数を削減できるので、回路規模を小さくして製造コストを低下させるとともに、画像表示制御における各処理の演算速度を向上させることができる。
【0008】
本発明の画像表示制御回路は、前記A/D変換部が電圧レベルを浮動小数点形式で出力し、前記区切り値の電圧が浮動小数点表示にて、前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、広いデータ幅を少ないビット数にて実現できるため、ステップ幅の区切り値の電圧値の精度を上げて、データ幅が少ないために起こる変換時の丸め込みによる精度低下を抑制し、電圧レベルを対応する階調度に、高精度に変換させることが可能となる。
【0009】
本発明の画像表示制御回路は、デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求めるステップ幅が、基本ステップ幅に対し、予め設定されている階調変化率を階調度毎に累乗され、等比的な電圧幅にて前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、任意の階調変化率を用いることにより、入力される映像信号の階調情報を、対応する階調度に変換するため、従来と比較して少ない階調数により、従来と同様なダイナミックレンジを実現することができる。
【0010】
本発明の画像表示制御回路は、デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求めるステップ幅が、人間の視覚における光覚閾の弁別以下の輝度比となる、前記画素を制御する電圧幅にて前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、各階調度のステップ幅を人間の視覚における光覚閾の弁別以下にの輝度比となるように設定されているため、入力される映像信号の階調情報を、人間の視覚に対応した輝度差を有する階調度に変換するため、冗長な階調数を必要とせず、従来と比較して少ない階調数により、従来と同様なダイナミックレンジを実現することができる。更には、ダイナミックレンジを大きくした場合でも、少ない階調数で対応できる。
【0011】
本発明の画像表示制御回路は、ルックアップテーブルにおける最低の階調度のステップに対し、次の階調度のステップに対応する輝度差が、人間の視覚における光覚閾の弁別以下に設定されていることを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、最初の階調変化の輝度差が人間の視覚における光覚閾の弁別以下に設定されていることにより、この区切り値の電圧値に対して、人間の視覚における光覚閾の弁別以下の輝度比となる階調変化率を累乗することにより、順次、人間の光覚閾の弁別以下の輝度差を得る階調度の区切り値を容易に演算することが可能となる。
【0012】
本発明の画像表示制御回路は、前記階調度選択部が、前記電圧レベルと、各階調度に対応した区切り値との大小比較を行い、いずれの階調度のステップに含まれているかの検出を行い、電圧レベルに対応する階調度を検出することを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、簡易な回路により、入力される映像信号の階調情報を、対応する階調度に変換することができる。
【0013】
本発明の画像表示制御回路は、前記階調度選択部が直前の画素の階調度に対応する区切り値を記憶しており、該区切り値から、入力された電圧レベルの大小判別を開始することを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、隣接する画素の輝度が類似性を有しており、同一の階調度または隣接する階調度に対応する場合が多いため、映像信号の階調情報を、対応する階調度へ変換する処理速度を向上させることができる。
【0014】
本発明の画像表示制御回路は、前記階調度選択部が直前のフレームの全画素の階調度に対応する区切り値を記憶しており、検出対象の画素の画素位置に対応して記憶された該区切り値から、入力される各画素の電圧レベルの大小判別を開始することを特徴とする。
この構成により、本発明の画像表示制御回路は、直前のフレームの対応する位置の画素の輝度が類似性を有しており、同一の階調度または隣接する階調度に対応する場合が多いため、映像信号の階調情報を、対応する階調度へ変換する処理速度を向上させることができる。
【0015】
本発明の画像表示制御方法は、入力される画素単位のアナログ映像信号に基づいて、画像表示装置における画像表示を制御する画像表示制御回路の制御方法であり、A/D変換部が前記アナログ映像信号を、デジタル映像信号に変換するA/D変換過程と、デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求める、階調度毎に異なったステップ幅の区切り値をルックアップテーブルへ記憶させる記憶過程と、階調選択部が入力される前記電圧レベルと、前記区切り値とを比較し、電圧レベルが含まれる区切り値の範囲に対応する階調度を出力する階調度選択過程と、駆動信号生成部が該階調度選択部の出力する階調度に基づき、前記画像表示装置に対する駆動信号を生成する駆動信号生成過程とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明の画像表示装置は、上記記載の画像表示制御回路のいずれかを有するため、従来より装置を小型化し、従来と同様のダイナミックレンジを得ることができる。。
本発明の画像表示装置は、2変調光学系を有するため、HDRDの画像データに対応する高いダイナミックレンジの画像表示を実現することができる。
本発明のプロジェクタは、上記各画像表示制御回路を用いることにより、従来より装置を小型化し、従来と同様のダイナミックレンジを得ることができる。
本発明のプロジェクタは、2変調光学系を有するため、HDRDの画像データに対応する高いダイナミックレンジの画像表示を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
近年、階調度の階調数を増加することにより、表示する画像の輝度のダイナミックレンジを広げることにより、漆黒から輝く閃光まで、実際に近い感覚が得られるよう、より忠実に映像を表現するというニーズが、CG(コンピュータグラフィック)技術の向上等に対応して出てきている。
例えば、液晶パネルや他のフラットパネル・ディスプレイも、輝度のダイナミックレンジを拡大し、高コントラストの映像を表現するため、HDRD(ハイ・ダイナミック・レンジ・ディスプレイ)等が開発されている。
【0018】
本発明の基本的な技術思想についてはじめに説明する。画素単位に階調度を制御して、映像信号に対応した画像表示を行う画像表示装置に対応する画像表示制御回路として、一般的には輝度比が「1」となる階調度に、入力されるアナログ映像信号の電圧レベルを変換している。このため、各階調度のステップの電圧幅の比も輝度比と同様に「1」となっている。本発明においては、人間の視覚における光覚閾の光覚閾の弁別以下の輝度比となるように、下位の階調から上位の階調に対し、各階調度におけるステップの電圧範囲を設定する区切り値に、階調変化率(=輝度比、例えば、1<輝度比<1.3)が順次、累乗されて、電圧幅が順次広くなるステップに階調度が設定されている。これにより、従来のダイナミックレンジを、より少ない階調度にて表現することとなる。
【0019】
階調度を表現するためのビット数を12ビットとして説明すると、輝度値の幅、すなわちダイナミックレンジの分割数は、212=4096となり、上記HDRDに必要なコントラスト比を250000:1と想定した場合、図7示すように、輝度値を等間隔に分割した場合、このコントラスト比を実現することは不可能である。上記250000:1のコントラスト比を得るため、ダイナミックレンジの分割数を250000とする必要があり、250000を数値として表現するためのビット数bは、
b=ln250000/ln2=17.93
と求められ、250000を表現するビット数として18ビットが必要となる。
【0020】
上述したように、人間の視覚における光覚閾の弁別感度は、隣接した階調度における輝度差、すなわち階調変化率が1.1以下、すなわち10%以下の変化を識別することが出来ないことが、実験により確認されている。すなわち、明視範囲において、人間の視覚の感度は、輝度の差分比(輝度比)が一定となるWeber-Fechner則が成り立つことが知られている。
【0021】
上述した250000:1のコントラスト比を表現するために、充分な階調数を実現するため、18ビットのデータ幅を用いたとしても、隣接する階調度における階調比が2,1.5,1.333…,1.25,1.2,…,(N+1)/N,…,1(ほぼ1に収束)となり、階調度Nが10以下の場合には、その階調変化率が1.1を超え、従来例に示したように、階調度の低い黒レベルに近い範囲の階調度の違いが、視覚における光覚閾が大きくなり、弁別する感度の閾値を超え、画像表示装置の表示面を見ている人間に判別できるようになる。
【0022】
そこで、本発明においては、上述したように、ステップの電圧範囲を設定する区切り値に、階調変化率(=輝度比、例えば、1<輝度比<1.3)が順次累乗された、図1に示す電圧範囲にて各階調度が設定されている。図1は縦軸が輝度値(最大輝度にて規格化された数値で示す輝度値)、縦軸が信号レベル(入力される映像信号の電圧レベル)を示し、各輝度値に対応する階調度のステップの電圧幅を示す図である。ここで、I0は人間の視覚において、光覚閾の数値として弁別できる閾値以下に設定することが望ましい。
また、図1において、階調変化率、すなわち、輝度比と、電圧幅の比とは、隣接する階調度間において以下の関係、すなわち指数(等比)変化する輝度となるように、映像信号の電圧レベルと、階調度とを対応付ける。
I1/I0=I2/I1=…=IN+1/IN=v1/v0=v2/v1=…=vN+1/vN
ここで、階調変化率は、人間の視覚が弁別できる閾値1.1を超えない数値とすることにより、疑似輪郭や色むらを、表示面を見ている人間に感じさせないようにできる。
【0023】
例えば、仮に上記階調変化率を1.1(1割増)にした場合、250000:1のコントラスト比を得るために必要な階調数は、以下に示すように求められる。
1.1x=250000
であるため、両辺の対数を取り、xを求めると、
x=ln250000/ln1.1=130.4
となり、これをビット数bに換算すると、
b=ln130.4/ln2=7.03
となり、8ビットで充分なことが判る。
【0024】
ここで、b=8ビットとした場合に、ダイナミックレンジの分割数は255となり、階調変化率aを逆算してみると、
a255=250000であり、
a=255√(250000)=1.0499
となり、階調変化率を5%とし、人間が感じる変化分の10%以下とできることが判る。
【0025】
<第1の実施形態>
以下、上述した技術思想に基づく本発明の一実施形態による画像表示制御回路を図面を参照して説明する。図2は同実施形態による、1変調光学系のプロジェクタに対する画像表示制御回路の構成例を示すブロック図である。
この図において、A/D変換部1R,1G及び1B3各々は、入力されるアナログ映像信号の各色成分の電圧レベルVR(R:レッド),VG(G:グリーン),VB(B:ブルー)を、デジタル信号へ変換し、それぞれ電圧データDR,DG,DBとして出力する。
【0026】
階調度選択部2Rは、入力された電圧データDRに基づき、階調ルックアップテーブル3Rから、対応する階調度KRを検出して出力する。
ここで、階調ルックアップテーブル3Rには、最小の階調度から最大までの階調度の各ステップを区切り値である電圧値が記憶されている。この電圧値は、ステップ幅の電圧差がすでに述べた階調変化率により、順次累乗され、図1の信号レベルのように、隣接した階調度の電圧幅が、この階調変化率の割合で変化するよう設定されている。階調変化率aに対し、最低の階調度のステップ幅が、v0であると、階調度のステップの電圧幅の変化は、v0→a・v0→a2・v0→…→aN−1・v0と変化することとなる。
【0027】
ここで、階調度選択部2Rは、入力された電圧データDRと階調ルックアップテーブル3Rの上記区切り値各々と大小比較を行い、電圧データDRより大きい区切り値と、電圧データDRより小さい区切り値とがステップ範囲である階調度を検出し、電圧データDRに対応する階調度として出力する。すなわち、階調ルックアップテーブル3Rには、階調度の区切りを示す電圧値が記憶されている第1領域が設けられるとともに、隣接した大きい区切り値と小さな区切り値との組合せと、階調度との対応が記憶されている第2領域が設けられている。階調度選択部2Rは、入力された電圧データに対し、2つの区切り値により含まれる範囲を第1領域において検出し、この2つの区切り値の組合せに対応した階調度を第2領域から抽出する(検索して読み出す)。
また、階調ルックアップテーブル3G及び3Bは上記階調ルックアップテーブル3Rと同様な構成の区切り値及び階調度のデータが記憶され、階調度選択部2G及び2Bも階調度選択部2Rと同様な動作を行い、それぞれ電圧データDG,DBに対応した階調度として、階調度KG,KBを出力する。
上述した階調度選択部(2R,2G及び2B)は、直前に求めた画素の階調度に対応する区切り値を内部に記憶し、次に入力される画素の電圧レベルに対して、記憶されている区切り値から大小判別を行い、階調度を求めるように構成しても良い。
また、階調度選択部(2R,2G及び2B)は、直前のフレームの全画素の階調度に対応する区切り値を色毎に記憶し、次のフレームにおいて、階調度の検出対象の画素の階調度を求める際、検出対象の画素の画素位置に対応して記憶された、直前のフレームの画素の階調度に対応する区切り値から、入力される各画素の電圧レベルの大小判別を行い、各画素の階調度の検出(色毎に)を開始するように構成しても良い。
【0028】
色LUT(ルックアップテーブル)4Rは、入力される階調度と、制御対象の液晶ライトバルブ6Rの制御電圧−透過率特性に対応した制御データ(駆動電圧のデジタル値)とを対応して記憶しており、階調度選択部2Rから入力される階調度KRに対応する制御データSRを出力する。また、色LUT4G及び4Bは、上記色LUT4Rと同様な構成であり、それぞれ階調選択部2G,2Bから入力される階調度KG,KBに対応した制御データSG,SBを出力する。
【0029】
D/A変換部5Rは、色LUT4Rから出力される制御データSRを、アナログの駆動電圧に変換して、駆動対象の液晶ライトバルブ6Rへ出力する。また、D/A変換器5G,5Bも、上記D/A変換部5Rと同様な構成であり、それぞれ入力される制御データSG,SBを、対応する駆動電圧に変換して、制御対象の液晶ライトバルブ6G,6Bへ出力する。
画像表示装置における液晶ライトバルブ6R,6G及び6B各々は、入力される画素毎の駆動電圧に対応して、画素単位に透過率を変化させ、所定の輝度の光を透過させる。
【0030】
また、上述したA/D変換部1R,1G及び1B各々が、入力される入力される映像信号の各色成分の電圧レベルVR,VG,VBを、それぞれ浮動小数点形式のデジタルデータである電圧データDR,DG,DBへ変換するようにしてもよい。この構成において、階調ルックアップテーブル3R,3G,3Bは、区切り値の電圧値を、上記浮動小数点形式の各電圧データと同様の指数部及び仮数部のビット構成にて記憶するようにする。この構成により、階調変化率に対応したステップ幅を正確に記述することができるため、データの丸め誤差が生じず、高精度に階調度を求めることができる。
【0031】
本実施形態においては液晶ライトバルブを制御対象としたが、本発明のアルゴリズムはミラーアレイデバイスにも適用できる。すなわち、光を反射する時間幅で階調を表現するため、この時間幅を階調変化率により累乗して、指数的な輝度差を実現することができ、ミラーアレイデバイスの輝度差も同様に人間の弁別する輝度差以下にする構成を形成することができる。
【0032】
また、図3は本実施形態のプロジェクタの要部を示す概略構成図である。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
本実施形態の制御対象の画像表示装置であるプロジェクタ800は、図3に示すように、光源810、色分離光学系(ダイクロイックミラー813,814、反射ミラー815,816,817、入射レンズ818、リレーレンズ819、出射レンズ820)、液晶ライトバルブ6R,6G,6B、色合成光学系(クロスダイクロイックプリズム825)、投写光学系826から構成されている。光源810は、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等のランプ811と、ランプの光を反射するリフレクタ812とから構成されている。
【0033】
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する機能を有している。ダイクロイックミラー814は、青色光を透過させるとともに、緑色光を反射する機能を有している。よって、ダイクロイックミラー813を透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用液晶ライトバルブ6Rに入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用液晶ライトバルブ6Gに入射される。
【0034】
さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して青色光が青色光用液晶ライトバルブ6Bに入射される。
【0035】
各液晶ライトバルブ(6R,6G,6B)によって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
【0036】
また、上述した本実施形態は、RGBの映像信号の画像表示を行うカラープロジェクタにて本発明の構成を説明したが、白黒の画像表示を行う単色のプロジェクタにおいても、いずれか1つの色成分に対する回路構成を用いることにより、容易に対応できることは言うまでもない。
【0037】
<第2の実施形態>
第1の実施形態の画像表示制御回路の構成は同様であり、かつ動作も同様であるが、輝度値の範囲を分割する階調度の設定方法が異なる。
スクリーンに表示される輝度は、環境下の外部光の影響や、プロジェクタの表示する画素の明るさそのものや、スクリーンの画素分布による輝度ヒストグラムの内容、及びスクリーンサイズの影響を受ける。
例えば、スクリーンを鑑賞している視認環境が明るい場合、スクリーンがその外部光を反射し、実質的な輝度を上昇させ、低い階調レベルの輝度(漆黒)を表示しても、外光により黒レベルが浮き上がり、充分な黒にならず、コントラストが低下する。これに加えて、スクリーンサイズが大きくなると、プロジェクタの分解能によるが、画素の分布がまばらとなるために面積当たりの光量が減少する。このために表示される最大輝度が低下することとなり、輝く閃光などを表現できなくなる。
【0038】
一方、上述した環境と逆に、視認環境が充分暗い(10ルクス以下)場合で、かつスクリーンサイズが最大輝度を表現できる大きさのスクリーンであれば、画像を投影すると、黒側の階調度範囲における輝度が、人間の視覚において光覚閾が弁別レベルに達しない、光覚閾の感度が低い階調度の領域が存在する。このような低い階調度の領域において、対応する輝度を中途半端に分割して階調度を与えても、その輝度差を識別できないとすれば、図4に示すように、平坦部分の最低階調度として漆黒領域を設け、残りの信号レベル(輝度値を示す電圧レベル)の領域を、第1の実施形態と同様の方法にて階調度を与える構成としてもよい。
これにより、階調度を与える色成分の電圧レベル(信号レベル)を階調度に分割する階調数を削減することができる。
【0039】
また、階調数をそのままとすると、ビット数を変えずに、階調度のステップ幅を狭くすることができ、隣接する階調度との輝度差を小さくでき、より滑らかな輝度変化を得ることができる。
上述したように、階調数や最小輝度(最も低い階調度)の値を、コントラスト比に合わせる必要がなく、上述したように、画像表示を行う環境やスクリーンサイズ(画面サイズ)に併せて、輝度差が弁別レベル以下の設定となることを前提に、その都度任意にコントラスト比などを設定するようにしても良い。
【0040】
例えば、すでに述べたように、最小輝度値を人間の視覚が弁別できる最小感度に合わせたり、本実施形態で述べたように、上記漆黒領域と、階調度を付与して輝度差を付ける(輝度比較)領域とを、視認環境やスクリーンサイズの組合せにより切り替える輝度比較閾値を設け、この組合せによって、漆黒領域を除く信号レベルの範囲において、階調度毎の輝度差の冗長性を考慮して階調変化率を設定する。
【0041】
<第3の実施形態>
以下、上述した技術思想に基づく本発明の一実施形態による画像表示制御回路を図面を参照して説明する。図5は同実施形態による、2変調光学系(HDR対応)のカラープロジェクタに対する画像表示制御回路の構成例を示すブロック図である。
図5において、第1の実施形態の構成と同様な構成については、同一の符号を付けて省略する。第3の実施形態は、第1の実施形態と異なる構成として、2変調光学系であるため、第1の実施形態における色変調用の液晶ライトバルブ(6R,6G,6B)の変調処理を制御する構成のみでなく、輝度変調用の液晶ライトバルブ11の変調処理を制御する構成として、最大値選択部7,輝度LUT8,D/A変換部9及び変換マトリクス10が設けられている。
【0042】
最大値選択部7は、階調度選択部2R,2G,2B各々から出力される階調度KR,KG及びKBから最も大きな階調度を選択し、その階調度Kを出力する。
輝度LUT8は、階調度Kと、各階調度Kに対応した輝度制御値S(輝度変調を行う制御値)とが記憶されたルックアップテーブルであり、最大値選択部7から入力される階調度Kに対応した輝度制御値S(デジタル値)を出力する。
D/A変換部9は、輝度LUT8から入力された輝度制御値Sを、対応するアナログ値である駆動電圧に変換して、対応する液晶ライトバルブ11に対して出力する。
【0043】
また、変換マトリクス10は、RGBの各色成分毎に、輝度変調用の液晶ライトバルブ11の輝度制御値Sに対応して、入力される階調度(KR,KG,KB)を変換し、変換階調度(KR',KG',KB')として出力する。すなわち、2変調光学系であるため、1光学変調系における輝度成分を、各色成分の輝度値と、各色成分が合成された後の表示画素としての輝度値とに振り分け、表示画像のコントラスト比を向上させている。
そして、色LUT4R,4G,4B各々は、変換マトリクス10から入力される変換階調度KR',KG',KB'それぞれに対応して、制御値SR,SG,SB(色変調制御値)を出力する。
D/A変換部5R,5G,5B各々は、色LUT4R,4G,4Bから入力される制御値SR,SG,SBにそれぞれ対応して、液晶ライトバルブ6R,6G,6Bに対して、駆動電圧を出力する。
【0044】
図6は、投射型表示装置、すなわちプロジェクタの構成例を示すものであり、この投射型表示装置は、光源510と、光源510から入射した光の輝度分布を均一化する均一照明手段520と、均一照明手段520から入射される入射光のうちの3原色(R,G,B)の輝度をそれぞれ変調する色変調部530と、色変調部530から入射した光をリレーするリレーレンズ540と、リレーレンズ540から入射した光の全波長領域の輝度を変調する液晶輝度パネル550と、液晶輝度パネル550からから入射した光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ560とで構成されている。
【0045】
光源510は、高圧水銀ランプ等のランプ511と、ランプ511からの出射光を反射するリフレクタ512とで構成されている。光源510から出射した光束は第1フライアイレンズ521、第2フライアイレンズ522等が順次設置された均一照明手段520で均一化される。
均一照明手段520を出射した偏光が揃った光は色変調部530に入射し、3原色(R,G,B)に分離され、それぞれの色成分を、D/A変換部5R,5G及び5Bから入力される制御信号により変調する液晶ライトバル(液晶色パネル)6R、6G、6Bによって変調を受けて出射される。
【0046】
変調された3原色光(R,G,B)はクロスダイクロイックプリズム534によって合成されリレーレンズ540に出射する。ここで、液晶色パネル6RはR成分用、液晶色パネル6GはG成分用、液晶色パネル6BはB成分用の光変調素子をそれぞれ形成し、ダイクロイックミラー535はR成分の光を透過させ、ダイクロイックミラー536はB成分の光を透過させる。また、液晶色パネル6Rに対しては反射ミラー537が設けられ、液晶色パネル6Bに対しては、リレーレンズ538と2個の反射ミラー539aおよび539bが設けられている。
【0047】
リレーレンズ540を出射された変調光はもう一方の液晶ライトバルブ(液晶輝度パネル)11に入射し、第二の変調を受けて出射される。リレーレンズ540は、第一の変調を受けた画像光を、第二の変調に伝達し、色・輝度変調の対応画素を重ねるリレーレンズであり、両側テレセントリック特性を有している。液晶輝度パネル550では、入射した光の全波長領域の輝度を輝度制御値Sにより変調し、その変調光は投写光学系560へ出射され、投写光学系560によって図示しないスクリーンに投影される。
この様に投影画像は光学的に直列に配置されたそれぞれの光変調素子(液晶輝度パネル11および液晶色パネル6R,6G,6B)が画素単位で変調を行うことで形成される。
【0048】
なお、図2及び図5における画像表示制御回路の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより画像表示制御の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0049】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
なお、上述の実施形態では、画像表示制御回路を投写光学系によって画像を投写するプロジェクタに用いた例を示したが、投写光学系を有さないような、直視型の画像表示装置にも用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、上述した液晶パネルを用いたプロジェクタのみでなく、液晶テレビ,リアプロジェクションテレビ等の光の透過及び反射を調整して、輝度に対応した階調度の制御が不可欠な画像表示装置等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の基本的な原理を説明するための、輝度値と階調度(輝度値に対応した電圧レベル範囲)との対応を示すグラフである。
【図2】本発明の第1の実施形態による画像表示制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の画像表示制御装置により色変調の制御対象となる液晶ライトバルブで構成された1変調光学系のプロジェクタである。
【図4】本発明の第2の実施形態における階調度設定の原理を説明するための、輝度値と階調度(輝度値に対応した電圧レベル範囲)との対応を示すグラフである。
【図5】本発明の第3の実施形態による画像表示制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の画像表示制御装置により色変調の制御対象となる液晶ライトバルブで構成された2変調光学系のプロジェクタである。
【図7】輝度値(縦軸)と各輝度値に対応した階調度のステップの電圧幅(横軸)との従来の対応関係を示すグラフである。
【図8】輝度値(横軸)とその輝度値に対する人間の視覚感度(光覚域)との対応を示すグラフである。
【符号の説明】
【0052】
1R,1G,1B…A/D変換部 2R,2G,2B…階調度選択部 3R,3G,3B…階調LUT(ルックアップテーブル) 4R,4G,4B…色LUT 5R,5G,5B…D/A変換部 6R,6G,6B,11…液晶ライトバルブ(LV) 7…最大値選択部 8…輝度LUT 10…変換マトリクス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される画素単位のアナログ映像信号に基づいて、画像表示装置における画像表示を制御する画像表示制御回路であり、
前記アナログ映像信号を、デジタル映像信号に変換するA/D変換部と、
デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求める、階調度毎に異なったステップ幅の区切り値を記憶したルックアップテーブルと、
入力される前記電圧レベルと、前記区切り値とを比較し、電圧レベルが含まれる区切り値の範囲に対応する階調度を出力する階調度選択部と、
該階調度選択部の出力する階調度に基づき、前記画像表示装置に対する駆動信号を生成する駆動信号生成部と
を有することを特徴とする画像表示制御回路。
【請求項2】
前記A/D変換部が電圧レベルを浮動小数点形式で出力し、前記区切り値の電圧が浮動小数点表示にて、前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする請求項1記載の画像表示制御回路。
【請求項3】
デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求めるステップ幅が、基本ステップ幅に対し、予め設定されている階調変化率を階調度毎に累乗され、等比的な電圧幅にて前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像表示制御回路。
【請求項4】
デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求めるステップ幅が、人間の視覚における光覚閾の弁別以下の輝度比となる、前記画素を制御する電圧幅にて前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像表示制御回路。
【請求項5】
ルックアップテーブルにおける最低の階調度のステップに対し、次の階調度のステップに対応する輝度差が、人間の視覚における光覚閾の弁別以下に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像表示制御回路。
【請求項6】
前記階調度選択部が、前記電圧レベルと、各階調度に対応した区切り値との大小比較を行い、いずれの階調度のステップに含まれているかの検出を行い、電圧レベルに対応する階調度を検出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像表示制御回路。
【請求項7】
前記階調度選択部が直前の画素の階調度に対応する区切り値を記憶しており、該区切り値から、入力された電圧レベルの大小判別を開始することを特徴とする請求項6に記載の画像表示制御回路。
【請求項8】
前記階調度選択部が直前のフレームの全画素の階調度に対応する区切り値を記憶しており、検出対象の画素の画素位置に対応して記憶された該区切り値から、入力される各画素の電圧レベルの大小判別を開始することを特徴とする請求項6に記載の画像表示制御回路。
【請求項9】
入力される画素単位のアナログ映像信号に基づいて、画像表示装置における画像表示を制御する画像表示制御回路の制御方法であり、
A/D変換部が前記アナログ映像信号を、デジタル映像信号に変換するA/D変換過程と、
デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求める、階調度毎に異なったステップ幅の区切り値をルックアップテーブルへ記憶させる記憶過程と、
階調選択部が入力される前記電圧レベルと、前記区切り値とを比較し、電圧レベルが含まれる区切り値の範囲に対応する階調度を出力する階調度選択過程と、
駆動信号生成部が該階調度選択部の出力する階調度に基づき、前記画像表示装置に対する駆動信号を生成する駆動信号生成過程と
を有することを特徴とする画像表示制御方法。
【請求項10】
前記請求項1から請求項8のいずれかに記載の画像表示制御回路を有する画像表示装置。
【請求項11】
前記画像表示装置は、2変調光学系を有することを特徴とする請求項10に記載の画像表示装置。
【請求項12】
前記請求項1から請求項8のいずれかに記載の画像表示制御回路を有するプロジェクタ。
【請求項13】
前記プロジェクタは、2変調光学系を有することを特徴とする請求項12に記載のプロジェクタ。
【請求項1】
入力される画素単位のアナログ映像信号に基づいて、画像表示装置における画像表示を制御する画像表示制御回路であり、
前記アナログ映像信号を、デジタル映像信号に変換するA/D変換部と、
デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求める、階調度毎に異なったステップ幅の区切り値を記憶したルックアップテーブルと、
入力される前記電圧レベルと、前記区切り値とを比較し、電圧レベルが含まれる区切り値の範囲に対応する階調度を出力する階調度選択部と、
該階調度選択部の出力する階調度に基づき、前記画像表示装置に対する駆動信号を生成する駆動信号生成部と
を有することを特徴とする画像表示制御回路。
【請求項2】
前記A/D変換部が電圧レベルを浮動小数点形式で出力し、前記区切り値の電圧が浮動小数点表示にて、前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする請求項1記載の画像表示制御回路。
【請求項3】
デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求めるステップ幅が、基本ステップ幅に対し、予め設定されている階調変化率を階調度毎に累乗され、等比的な電圧幅にて前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像表示制御回路。
【請求項4】
デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求めるステップ幅が、人間の視覚における光覚閾の弁別以下の輝度比となる、前記画素を制御する電圧幅にて前記ルックアップテーブルに設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像表示制御回路。
【請求項5】
ルックアップテーブルにおける最低の階調度のステップに対し、次の階調度のステップに対応する輝度差が、人間の視覚における光覚閾の弁別以下に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像表示制御回路。
【請求項6】
前記階調度選択部が、前記電圧レベルと、各階調度に対応した区切り値との大小比較を行い、いずれの階調度のステップに含まれているかの検出を行い、電圧レベルに対応する階調度を検出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像表示制御回路。
【請求項7】
前記階調度選択部が直前の画素の階調度に対応する区切り値を記憶しており、該区切り値から、入力された電圧レベルの大小判別を開始することを特徴とする請求項6に記載の画像表示制御回路。
【請求項8】
前記階調度選択部が直前のフレームの全画素の階調度に対応する区切り値を記憶しており、検出対象の画素の画素位置に対応して記憶された該区切り値から、入力される各画素の電圧レベルの大小判別を開始することを特徴とする請求項6に記載の画像表示制御回路。
【請求項9】
入力される画素単位のアナログ映像信号に基づいて、画像表示装置における画像表示を制御する画像表示制御回路の制御方法であり、
A/D変換部が前記アナログ映像信号を、デジタル映像信号に変換するA/D変換過程と、
デジタル映像信号の電圧レベルから階調度を求める、階調度毎に異なったステップ幅の区切り値をルックアップテーブルへ記憶させる記憶過程と、
階調選択部が入力される前記電圧レベルと、前記区切り値とを比較し、電圧レベルが含まれる区切り値の範囲に対応する階調度を出力する階調度選択過程と、
駆動信号生成部が該階調度選択部の出力する階調度に基づき、前記画像表示装置に対する駆動信号を生成する駆動信号生成過程と
を有することを特徴とする画像表示制御方法。
【請求項10】
前記請求項1から請求項8のいずれかに記載の画像表示制御回路を有する画像表示装置。
【請求項11】
前記画像表示装置は、2変調光学系を有することを特徴とする請求項10に記載の画像表示装置。
【請求項12】
前記請求項1から請求項8のいずれかに記載の画像表示制御回路を有するプロジェクタ。
【請求項13】
前記プロジェクタは、2変調光学系を有することを特徴とする請求項12に記載のプロジェクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2007−212737(P2007−212737A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−32154(P2006−32154)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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