説明

画像表示装置、画像表示方法、及び画像表示プログラム

【課題】直感的な操作で簡便に外部端末との通信を実現する画像表示装置を提供する。
【解決手段】操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力手段としての入力制御部28と、外部端末20に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末20から所定の信号を受信することでその外部端末20の有無を判定する通信対象判定手段42と、前記タッチパネル24により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定手段40と、前記通信対象判定手段42により前記外部端末20が有ると判定された場合において、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向に向かって所定の画像情報を送信する情報送信制御手段44とを、備えたものであることから、操作方向の要素を含む直感的な操作によりその方向における外部端末20に対して所定の画像情報を送信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の記憶装置に記憶された画像情報を読み出してディスプレイに表示させる画像表示装置、画像表示方法、及び画像表示プログラムに関し、特に、直感的な操作で簡便に外部端末との通信を実現するための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の記憶装置に記憶された画像情報を読み出してディスプレイに表示させる画像表示装置が広く一般に用いられている。例えば、デジタルカメラにより撮影された画像情報やパーソナルコンピュータにより加工された画像情報等を取り込んで記憶装置に記憶し、所定の操作に応じてその記憶装置に記憶された画像情報を読み出してディスプレイに表示させる所謂デジタルフォトフレーム等がそれである。そのような画像表示装置において、情報のコピーや移動等を簡便に実行するための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された情報処理装置がそれである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−309333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述した従来の技術は、タッチパネルディスプレイに対する備え付けのペンの接触、及びそのペンに備えられたスイッチのオン・オフに応じてその端末内(内蔵メモリ内)における情報のコピー乃至ペースト等を行うものであり、複数の機器相互間における情報の送受信には適用し得ないものであった。また、斯かる従来の技術においては、利用者が直感的な操作で情報の送受信を行うことはできなかった。このため、直感的な操作で簡便に外部端末との通信を実現する技術の開発が求められていた。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、直感的な操作で簡便に外部端末との通信を実現する画像表示装置、画像表示方法、及び画像表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、所定の記憶装置に記憶された画像情報を読み出してディスプレイに表示させる画像表示装置であって、操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力手段と、外部端末に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末から所定の信号を受信することでその外部端末との通信状態を判定する通信対象判定手段と、前記操作入力手段により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定手段と、前記通信対象判定手段により前記外部端末と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定手段により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信手段とを、備えたことを特徴とするものである。
【0007】
また、前記目的を達成するために、本第2発明の要旨とするところは、所定の記憶装置に記憶された画像情報を読み出してディスプレイに表示させる画像表示装置における画像表示方法であって、操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力過程と、外部端末に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末から所定の信号を受信することでその外部端末との通信状態を判定する通信対象判定過程と、前記操作入力過程により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定過程と、前記通信対象判定過程により前記外部端末と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定過程により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信過程とを、含むことを特徴とするものである。
【0008】
また、前記目的を達成するために、本第3発明の要旨とするところは、所定の記憶装置に記憶された画像情報を読み出してディスプレイに表示させる画像表示装置に備えられた制御装置を、操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力手段、外部端末に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末から所定の信号を受信することでその外部端末との通信状態を判定する通信対象判定手段、前記操作入力手段により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定手段、及び、前記通信対象判定手段により前記外部端末と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定手段により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信手段として機能させることを特徴とする画像表示プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
このように、前記第1発明によれば、操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力手段と、外部端末に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末から所定の信号を受信することでその外部端末との通信状態を判定する通信対象判定手段と、前記操作入力手段により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定手段と、前記通信対象判定手段により前記外部端末と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定手段により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信手段とを、備えたものであることから、操作方向の要素を含む直感的な操作によりその方向における外部端末に対して所定の画像情報を送信することができる。すなわち、直感的な操作で簡便に外部端末との通信を実現する画像表示装置を提供することができる。
【0010】
ここで、前記第1発明において、好適には、前記通信対象判定手段は、前記ディスプレイを基準位置としてそれぞれ異なる複数の方向に向けて前記所定の信号を送信すること又はそれら複数の方向のうち何れかの方向から前記所定の信号を受信することでで、前記外部端末がそれら複数の方向のうち何れの方向に存在するかを判定できるものであり、前記情報送信手段は、前記操作方向判定手段により判定された前記入力操作の操作方向と前記通信対象判定手段により判定された前記外部端末が存在する方向とが一致する場合において、その方向に向かって前記所定の画像情報を送信するものである。このようにすれば、所定の操作方向に係る直感的な入力操作に応じて、その方向に存在する外部端末に対して簡便且つ実用的な態様で所定の画像情報を送信することができる。
【0011】
また、好適には、前記画像表示装置は更に、他の前記画像表示装置に備えられた前記情報送信手段により送信された画像情報を受信する情報受信手段を備えたものである。このようにすれば、複数の前記画像表示装置相互間において、直感的な操作で簡便に情報の送受信を実現することができる。
【0012】
また、好適には、前記通信対象判定手段により前記外部端末が無いと判定された場合には、前記情報送信手段は、前記画像情報の送信を行わないものである。このようにすれば、通信対象である前記外部端末の存在が確認できない場合に、無駄な情報の送信が行われるのを抑制することができる。
【0013】
また、好適には、前記情報送信手段は、前記送信に係る画像情報を、前記操作方向判定手段により判定されたその画像情報の送信方向に関して複数に分割すると共に、その分割された複数の部分画像情報をその送信方向の先頭側から順番に送信するものであり、前記情報受信手段により受信される前記複数の部分画像情報を、受信順に逐次前記ディスプレイに並べて表示させる表示制御手段を備えたものである。このようにすれば、複数の前記画像表示装置相互間における画像情報の送受信に関して、直感的な操作に対応する視覚的な効果を実現することができる。
【0014】
また、好適には、前記情報送信手段は、前記操作方向判定手段により判定された前記入力操作の操作方向に応じて前記画像情報の送信先である外部端末の割付を行い、その割付に従って対象となる外部端末へその画像情報の送信を行うものである。このようにすれば、前記操作方向の要素を含む操作の時点でその操作方向に通信対象となる外部端末が存在しない場合であっても、その操作方向に割付られた所定の外部端末に対して後に前記画像情報の送信を行う等の制御が可能とされる。
【0015】
また、前記第2発明によれば、操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力過程と、外部端末に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末から所定の信号を受信することでその外部端末との通信状態を判定する通信対象判定過程と、前記操作入力過程により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定過程と、前記通信対象判定過程により前記外部端末と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定過程により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信過程とを、含むことから、操作方向の要素を含む直感的な操作によりその方向における外部端末に対して所定の画像情報を送信することができる。すなわち、直感的な操作で簡便に外部端末との通信を実現する画像表示方法を提供することができる。
【0016】
また、前記第3発明によれば、前記画像表示装置に備えられた制御装置を、操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力手段、外部端末に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末から所定の信号を受信することでその外部端末との通信状態を判定する通信対象判定手段、前記操作入力手段により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定手段、及び、前記通信対象判定手段により前記外部端末と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定手段により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信手段として機能させるものであることから、操作方向の要素を含む直感的な操作によりその方向における外部端末に対して所定の画像情報を送信することができる。すなわち、直感的な操作で簡便に外部端末との通信を実現する画像表示プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例である画像表示装置の外観を大まかに示す図である。
【図2】本発明の一実施例である画像表示装置の構成を説明するブロック線図である。
【図3】図2の画像表示装置における制御部に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図4】図2の画像表示装置による他の画像表示装置の有無の判定乃至その方向判定について説明する図である。
【図5】図2の画像表示装置から他の画像表示装置に対しての画像情報の送信に際して、その画像表示装置のタッチパネルディスプレイに画像送信確認画面が表示されている状態を示す図である。
【図6】図5に示す画像表示装置のタッチパネルディスプレイにおいてコピーボタンに対する接触操作が行われた場合に、送信に係る画像情報が複数の部分画像情報に分割される様子を示す図である。
【図7】図6に示すように分割された複数の部分画像それぞれに対応する部分画像情報が送信元の画像表示装置から送信先の画像表示装置へ順次送信される様子を示す図である。
【図8】図6に示すように分割された複数の部分画像それぞれに対応する部分画像情報が送信元の画像表示装置から送信先の画像表示装置へ順次送信される様子を示す図であり、図7に続く段階を示している。
【図9】図6に示すように分割された複数の部分画像それぞれに対応する部分画像情報が送信元の画像表示装置から送信先の画像表示装置へ順次送信される様子を示す図であり、図8に続く段階を示している。
【図10】図5乃至図9に示す一連の制御の結果として、送信元の画像表示装置から送信先の画像表示装置への画像情報の送信が完了した様子を示す図である。
【図11】図2の画像表示装置の制御部による画像転送制御の要部を説明するフローチャートである。
【図12】図11に示す画像転送制御の一部である画像送信/表示制御の要部を説明するフローチャートである。
【図13】図12に示す画像送信/表示制御に対応して受信側の画像表示装置において実行される受信側制御の要部を説明するフローチャートである。
【図14】図2の画像表示装置の制御部による画像転送制御の他の一例の要部を説明するフローチャートである。
【図15】図11又は図14に示す画像転送制御の一部である画像送信/表示制御の他の一例の要部を説明するフローチャートである。
【図16】図15に示す画像送信/表示制御に対応して受信側の画像表示装置において実行される受信側制御の要部を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、本発明の一実施例である画像表示装置10の外観を大まかに示す図である。また、図2は、斯かる画像表示装置10の構成を説明するブロック線図である。これらの図に示すように、本実施例の画像表示装置10は、所定の画像(映像)を表示させると共に、利用者の接触操作に応じて入力を行うためのタッチパネルディスプレイ12を備えている。また、図2に示すように、上記画像表示装置10による画像表示制御をはじめとする各種制御を実行する制御部14と、複数の画像情報(画像ファイル)を記憶するフラッシュメモリ等の記憶部16と、外部端末20との間で情報の通信を行うための通信部18とを、備えて構成されている。
【0020】
図2に示すように、上記タッチパネルディスプレイ12は、そのタッチパネルディスプレイ12に所定の映像を表示させるディスプレイとしての表示装置22と、利用者の指や図示しない備え付けのペン等による上記タッチパネルディスプレイ12への接触により入力を行うタッチパネル24とを、備えて構成されている。また、上記画像表示装置12には、上記表示装置22による画像(映像)の表示制御を行う表示制御部26と、上記タッチパネル24により入力される入力情報を処理する入力制御部28とが備えられており、それら表示制御部26及び入力制御部28により上記表示装置22及びタッチパネル24を介して上記タッチパネルディスプレイ12による画像表示制御乃至情報入力制御が実行される。ここで、上記タッチパネル24においては、例えば利用者の指やペン等をそのタッチパネル24に押圧した状態で所定の方向に向けてなぞる(スライドさせる)等の入力操作が可能とされており、そのタッチパネル24乃至入力制御部28を介して操作方向の要素を含む入力操作が受け付けられるようになっている。すなわち、本実施例においては、上記入力制御部28が前記タッチパネル24による操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力手段として機能する。
【0021】
また、図2に示すように、前記制御部14は、中央演算処理装置であるCPU30と、読出専用メモリであるROM32と、随時書込読出メモリであるRAM34とを、備えて構成されている。すなわち、前記制御部14は、上記RAM34の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM32に記憶された情報に基づいて上記CPU30により種々の情報処理を実行する所謂マイクロコンピュータであり、上記表示制御部26を介して前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に所定の画像を表示させる画像表示制御、そのタッチパネルディスプレイ12(タッチパネル24)への接触操作に応じて上記入力制御部28を介して入力される入力信号を処理する入力処理制御、及び前記通信部18を介して前記外部端末20との間で情報の通信を行う情報通信制御等、本実施例の画像表示装置10に関する各種制御を実行する。
【0022】
前記記憶部16には、前記表示制御部26を介して前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に所定の画像を表示させるための画像情報として、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)、PNG(Portable network graphics)、GIF(Graphics interchange format)等のファイル形式の画像データ(画像ファイル)が、それぞれの識別情報をインデックスとして記憶されている。なお、前記表示装置22は、静止画像のみならず動画を表示させるものであってもよく、前記記憶部16に記憶される画像情報は、静止画に対応するものであると動画に対応するものであるとを問わない。
【0023】
前記通信部18は、例えば赤外線送信部及び赤外線受信部から成り、前記外部端末20に対して赤外線により情報を送信すると共に、その外部端末20から送信される赤外線信号を受信する赤外線ポートである。すなわち、本実施例の画像表示装置10は、赤外線信号により前記外部端末20との間で情報の通信を行うものであるため、その外部端末20との間で相互の認証を行う必要がない。また、好適には、図1に示すように、前記タッチパネルディスプレイ12を基準位置としてそれぞれ異なる複数の方向に対応して複数(図1では3つ)の通信部18a、18b、18cが備えられたものであり、それぞれ対応する方向に向けての上記赤外線による情報の送信及びその方向からの赤外線信号の受信が可能とされている。なお、図1に示す例では、前記タッチパネルディスプレイ12の平面方向であって第1の方向(紙面向かって左方向)に対応して通信部18aが、その第1の方向に垂直を成す第2の方向(紙面向かって上方向)に対応して通信部18bが、その第2の方向に垂直を成すと共に上記第1の方向の反対方向である第3の方向(紙面向かって右方向)に対応して通信部18cがそれぞれ設けられている。
【0024】
上述のような前記通信部18を備えていることにより、本実施例の画像表示装置10は、図4等を用いて後述するように、前記通信部18を介して他の画像表示装置10′(図2乃至図3に示す構成を備えた本実施例の画像表示装置10である別の機体)との間で相互に情報の送受信を行い得るものである。換言すれば、前記外部端末20は自機とは異なる他の画像表示装置10′であってもよい。また、本実施例において、前記通信部18は、前記記憶部16に記憶された所定の画像情報を他の画像表示装置10′へ送信する情報送信手段として機能すると共に、他の画像表示装置10′に備えられた前記通信部18により送信された画像情報を受信する情報受信手段として機能する。
【0025】
図3は、前記制御部14に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図3に示す操作方向判定手段40は、操作入力手段としての前記入力制御部28により受け付けられた前記タッチパネル24による入力操作の操作方向を判定する。前述のように、前記タッチパネル24においては、例えば利用者の指やペン等をそのタッチパネル24に押圧した状態で所定の方向に向けてなぞる(スライドさせる)等の操作(ジェスチャ)により操作方向の要素を含む入力操作を受け付け得るようになっており、上記操作方向判定手段40は、そのようにして前記タッチパネル24により入力されると共に前記入力制御部28を介して受け付けられた入力操作の操作方向を判定する。例えば、図1に示すようにそれぞれ異なる3方向に対応して前記通信部18a、18b、18cを備えた本実施例の画像表示装置10においては、前記入力制御部28により受け付けられた前記タッチパネル24による入力操作の操作方向がその3方向すなわち前記通信部18a、18b、18cの何れに向かう方向(何れの赤外線ポートに係る送信方向)であるかを判定する。
【0026】
通信対象判定手段42は、前記外部端末20に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末20から所定の信号を受信することでその外部端末20との通信状態を判定する。例えば、前記通信部18から前記外部端末20に対して所定の信号を送信し、その送信信号に応じてその外部端末20から返信される返信信号を前記通信部18により受信することでその外部端末20の存在すなわちその有無を判定する。また、前述のように、本実施例の画像表示装置10は、前記通信部18を介して他の画像表示装置10′との間で相互に情報の送受信を行い得るものであり、上記通信対象判定手段42は、前記他の画像表示装置10′に対して所定の信号を送信すること又はその画像表示装置10′から所定の信号を受信することでその画像表示装置10′の有無を判定する。このような他の画像表示装置10′の有無の判定を好適に実現するため、本実施例の画像表示装置10は、好適には、他の画像表示装置10′の上記通信対象判定手段42により送信された信号を前記通信部18により受信した場合、自機の存在を示す返信信号をその画像表示装置10′に対して返信する。また、好適には、自機の存在を示す信号を前記通信部18から所定の時間間隔で送信し続けるものであり、上記通信対象判定手段42は、そのようにして送信される信号を前記通信部18により受信することでその画像表示装置10の存在を判定する。
【0027】
上記通信対象判定手段42は、好適には、前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)を基準位置としてそれぞれ異なる複数の方向に向けて前記所定の信号を送信すること又はそれら複数の方向のうち何れかの方向から前記所定の信号を受信することで、前記外部端末20がそれら複数の方向のうち何れの方向に存在するかを判定する。図4は、本実施例の画像表示装置10による他の画像表示装置10′の有無の判定乃至その方向判定について説明する図である。前述のように、本実施例の画像表示装置10、10′には、前記タッチパネルディスプレイ12を基準位置としてそれぞれ異なる3つの方向に対応して3つの通信部18a、18b、18cが備えられたものであり、それぞれ対応する方向に向けての前記赤外線による情報の送信及びその方向からの赤外線信号の受信が可能とされている。斯かる構成により、前記画像表示装置10に対して前記他の画像表示装置10′が前記3つの方向何れに配置されている場合であっても、対応する通信部18a、18b、18cの何れかにより赤外線信号の送受信が可能とされる。すなわち、上記通信対象判定手段42は、好適には、前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)を基準位置としてそれぞれ異なる複数の方向に対応して備えられた前記通信部18a、18b、18cにより前記他の画像表示装置10′(外部端末20)に向けて前記所定の信号を送信すること又はそれら複数の方向のうち何れかの方向から前記所定の信号を受信することで、その画像表示装置10′が前記通信部18a、18b、18cのうち何れに対応する方向に存在するかを判定し(何れの通信部18により情報の送信乃至受信が行われたかを判定し)、その判定結果に基づいてその画像表示装置10′がそれら複数の方向のうち何れの方向に存在するかを判定する。
【0028】
図3に戻って、情報送信制御手段44は、前記通信対象判定手段42により前記外部端末20と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で情報送信手段としての前記通信部18を介して所定の画像情報を送信する情報送信制御を行う。すなわち、前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)を基準位置としてそれぞれ異なる複数の方向に対応して備えられた前記通信部18a、18b、18cのうち前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向に対応する通信部18により前記外部端末20に対して対象となる画像情報の送信を行う。換言すれば、前記通信対象判定手段42により前記外部端末20が無いと判定された場合には、斯かる画像情報の送信制御を行わない(非実行とする)。ここで、上記条件としては、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向に対象となる外部端末が有るか否か等が考えられる。すなわち、上記情報送信制御手段44は、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向に対象となる外部端末が有ると判定された場合には上記送信を行う一方、その方向に対象となる外部端末が無いと判定された場合には上記送信を行わない(非送信とする)。
【0029】
上記情報送信制御手段44は、好適には、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向と前記通信対象判定手段42により判定された前記外部端末20が存在する方向とが一致する場合において、その方向に向かって前記所定の画像情報を送信する。この送信制御は、例えば前記操作方向判定手段40(タッチパネル24)による入力操作の判定をトリガとして実行される。すなわち、前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に所定の画像が表示されている状態において、前記タッチパネル24により所定の方向に向けてなぞる等の操作方向の要素を含む入力操作が行われてその入力操作が前記操作方向判定手段40により判定された場合、その操作方向に対応して備えられた前記通信部18a、18b、18cの何れかを介して前記通信対象判定手段42により前記外部端末20(他の画像表示装置10′)に向けて前記所定の信号が送信され(或いは定期的に送信される所定の信号が受信され)、その方向に対象となる外部端末20が存在するか否かが判定される。そして、その方向すなわち前記操作方向判定手段40により判定された操作方向に対象となる外部端末20が通信状態であると判定された場合に、上記情報送信制御手段44は送信に係る画像情報例えば前記操作方向判定手段40による判定時に前記タッチパネルディスプレイ20(表示装置22)に表示されていた画像に対応する画像情報を前記記憶部16から読み出して、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向(通信対象判定手段42により判定された前記外部端末20が存在する方向)に対応する通信部18を介して対象となる外部端末20へその画像情報を送信する。
【0030】
また、前記情報送信制御手段44は、好適には、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向に応じて前記画像情報の送信先である外部端末20の割付を行い、その割付に従って対象となる外部端末20へその画像情報の送信を行うものである。すなわち、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向と、送信先である外部端末20或いはその外部端末20の記憶装置内における所定の記憶領域(フォルダ)等とを割り付け(対応付け)、その割付の時点で或いは事後的にその割付に従って対象となる外部端末20へその画像情報を送信する。この割付は、送信先となる外部端末20との間の実際の通信結果に応じて行われるものであってもよいし、予め定められたアドレス帳等から仮想的に割付が行われるものであってもよい。斯かる態様によれば、例えばグループでイベントに参加した際に撮影した画像情報を、メンバーそれぞれに振り分ける場合等において、その時点で各メンバーに対応する外部端末20が無かった場合であっても、アドレス帳等に基づいて仮想的に操作方向とメンバーを対応付けることで上記画像情報を振り分け、事後的にその画像情報を各メンバーに対応する外部端末20へ送信する等の制御が可能となる。
【0031】
また、前記情報送信制御手段44は、好適には、前記送信に係る画像情報を、前記操作方向判定手段40により判定されたその画像情報の送信方向に関して複数に分割すると共に、その分割された複数の部分画像情報をその送信方向の先頭側から順番に送信する。また、このようにして前記情報送信制御手段44により送信された複数の部分画像情報は、例えば外部端末20としての前記他の画像表示装置10′において順次受信される。そのようにして受信される複数の部分画像情報に関して、前記表示制御手段46は、情報受信手段としての前記通信部18により順次受信される前記複数の部分画像情報を、受信順に逐次前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に並べて表示させる画像表示制御を行う。以下、斯かる表示制御手段46による画像表示制御を含む本実施例の画像表示装置10による他の画像表示装置10′を対象とする画像情報送信制御の具体例を、図5乃至図10を用いて詳述する。
【0032】
図5は、前記画像表示装置10から他の画像表示装置10′に対しての画像情報の送信に際して、その画像表示装置10のタッチパネルディスプレイ12に画像送信確認画面が表示されている状態を示す図である。この図5に示すように、前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に所定の画像48(図5乃至図10においては蓮の花が咲く池の風景を撮影した画像)が表示されている状態において、前記画像表示装置10のタッチパネル24により紙面左から右へ向かう方向(通信部18aから18cへ向かう方向)に向けて利用者の指やペンによりなぞる等の操作方向の要素を含む入力操作が行われてその入力操作が前記操作方向判定手段40により判定された場合、その操作方向(入力操作の向かう方向)に対応する通信部18cから前記他の画像表示装置10′に向けて所定の信号が送信される。その信号を受信した画像表示装置10′における通信部18a′から前記画像表示装置10に向けて所定の信号が返信され、その信号が斯かる画像表示装置10の通信部18cにより受信されることで前記通信対象判定手段42によりその方向における前記他の画像表示装置10′の存在が判定され、その画像表示装置10′に対する所定の画像すなわち上記判定の時点において前記画像表示装置10のタッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に表示されていた画像48に対応する画像情報の送信操作が判定される。そのようにして送信操作が判定された場合、前記画像表示装置10のタッチパネルディスプレイ12には図5に示すような画像送信確認画面が表示される。すなわち、前記他の画像表示装置10′に対する画像48の複製(コピー)を選択するコピーボタン50、その画像表示装置10′に対する画像48の移動(自機にその画像48を残さない)を選択する移動ボタン52、及び送信操作の取りやめを選択する取消ボタン54が、前記タッチパネル24による選択入力可能に前記表示装置22に表示される。
【0033】
図6は、図5に示す前記画像表示装置10のタッチパネルディスプレイ12において上記コピーボタン50に対する接触操作が行われた場合に、送信に係る画像情報が複数の部分画像情報に分割される様子を示す図である。図5に示すような画像送信確認画面において上記コピーボタン50に対する接触操作が行われた場合、図6に示すように、送信に係る画像情報すなわち前記画像48に対応する画像情報(画像ファイル)が、前記操作方向判定手段40により判定された操作方向すなわちその画像情報の送信方向に関して複数に分割される。すなわち、前記画像表示装置10における通信部18aから18cへ向かう方向へ入力操作が行われた図5乃至図6に示す例では、送信に係る前記画像48に対応する画像情報がその方向に関して5等分に分割され、それぞれ5つの部分画像56a〜56eにそれぞれ対応する部分画像情報とされる。なお、この送信に係る画像情報を複数に分割して部分画像情報とする処理は、例えば前記CPU30等により不可視的に行われるものであるが、本実施例では説明の便宜のために前記画像48が複数の部分画像56a〜56eに分割される様子を破線で示している。
【0034】
図7乃至図9は、図6に示すように分割された複数の部分画像56a〜56eそれぞれに対応する部分画像情報が送信元(送信側)の画像表示装置10から送信先(受信側)の画像表示装置10′へ順次送信される様子を示す図である。図6に示すように送信方向に関して複数に分割された部分画像56a〜56eそれぞれに対応する部分画像情報は、図7乃至図9に示すようにその送信方向の先頭側から順番に(部分画像56e、56d、56c、56b、56aの順に)、送信元の画像表示装置10における通信部18cを介して送信先の画像表示装置10′の通信部18a′へ順次送信される。すなわち、送信先である前記画像表示装置10′の側では、前記画像表示装置10から送信される順番に上記複数の部分画像情報が(部分画像56e、56d、56c、56b、56aの順に)受信される。この画像情報(部分画像情報)の送信に際して、送信元である前記画像表示装置10の表示制御手段46では、図7乃至図9に示すように、あたかも複数に分割された部分画像56a〜56eが物理的に送信先である画像表示装置10′へ送信されてゆくように、送信が行われた部分画像情報に対応する部分画像56から消えてゆくように前記画像48全体を前記送信方向(通信部18aから18cへ向かう方向)にスライドさせて次第に前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)の表示領域から消すような表示制御が行われる。一方、送信先である前記画像表示装置10′の表示制御手段46では、図7乃至図9に示すように、あたかも複数に分割された部分画像56a〜56eが物理的に送信元である画像表示装置10から順次送信されてくる(受信される)ように、受信された部分画像情報に対応する部分画像56から順番に現れるように前記画像48の一部としての部分画像56を受信方向(通信部18a′から18c′へ向かう方向)にスライドさせて次第に前記タッチパネルディスプレイ12′(表示装置22)の表示領域に出現させるような表示制御が行われる。
【0035】
図10は、送信元の画像表示装置10から送信先の画像表示装置10′への画像情報の送信が完了した様子を示す図である。送信に係る全ての部分画像56a〜56eに対応する部分画像情報が送信先の画像表示装置10′により受信された段階で、その画像表示装置10′においてそれら部分画像情報の連結が行われる。斯かる画像連結処理により、前記画像表示装置10から画像表示装置10′への送信に係る画像48に対応する画像情報がその画像表示装置10′においても形成され、その画像表示装置10′のタッチパネルディスプレイ12′にその画像情報に対応する画像48が表示される。一方、送信元の画像表示装置10におけるタッチパネルディスプレイ12には、再び送信対象である画像48が表示されると共に(コピーであるために複製元に画像48は残る)画像の送信が完了した旨の表示が行われる。以上、図5乃至図10を用いて詳述したように、本実施例の画像表示装置10相互間における画像情報の送信に際しては、送信元である画像表示装置10から送信先である画像表示装置10′へ送信対象である画像48があたかも物理的に移動するような表示制御が行われ、その移動が視覚的に確認される。
【0036】
図11は、前記画像表示装置10の制御部14による画像転送制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0037】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に表示されるべき画像が存在するか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、S1の判断が肯定される場合には、S2において、該当する画像情報が前記記憶部16から読み出され、その画像情報に対応する画像が前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に表示される。次に、前記入力制御部28の動作乃至操作入力過程に対応するS3において、前記タッチパネルディスプレイ12(タッチパネル24)による入力操作(接触操作)が検出される。次に、前記操作方向判定手段40の動作乃至操作方向判定過程に対応するS4において、S3にて検出された前記タッチパネル24を介しての入力操作が所定の方向へのスライド操作(転送ジェスチャ)であるか否かが判断される。このS4の判断が否定される場合には、S10において、前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に次の表示順に係る画像が表示された後、本ルーチンが終了させられるが、S4の判断が肯定される場合には、前記通信対象判定手段42の動作乃至通信対象判定過程に対応するS5において、S4にて判定された転送ジェスチャの操作方向に転送先端末となり得る外部端末20(例えば他の画像表示装置10′)が存在するか否かが判断される。このS5の判断が否定される場合には、S10以下の処理が実行されるが、S5の判断が肯定される場合には、S6において、前記タッチパネルディスプレイ12に図5に示すような画像送信確認画面が表示され、転送処理を実施するか否かすなわち前記コピーボタン50或いは移動ボタン52が押される等の操作が行われたか否かが判断される。このS6の判断が否定される場合には、S10以下の処理が実行されるが、S6の判断が肯定される場合には、S7において、前記通信部18を介して送信先の外部端末20との間での接続処理が実行される。次に、S8において、対象となる外部端末20に対する情報の送信が可能であるか否かが判断される。このS8の判断が否定される場合には、S10以下の処理が実行されるが、S8の判断が肯定される場合には、前記情報送信制御手段44及び表示制御手段46の処理に対応するSAにおいて、図12に示す画像送信/表示制御が実行され、S9において、対象となる画像情報の転送が終了した後、前述したS2以下の処理が実行される。
【0038】
図12は、図11に示す画像転送制御のSAに係る画像送信/表示制御の要部を説明するフローチャートである。この制御では、先ず、SA1において、送信対象となる画像情報等の送信データが前記記憶部16から読み出される。次に、SA2において、SA1にて読み出された送信データが画像情報(画像ファイル)であるか否かが判断される。このSA2の判断が否定される場合には、SA3において、画像情報以外の送信データに係る送信画面が前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に表示された後、SA6以下の処理が実行されるが、SA2の判断が肯定される場合には、SA4において、送信に係る画像情報がその画像情報の送信方向に関して複数に分割されて部分画像情報とされる画像分割処理が実行される。次に、SA5において、SA4にて分割された複数の部分画像情報がその送信方向の先頭側から順番に送信されてゆく画像送信画面が前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に表示される。次に、SA6において、送信データとしての画像ファイル以外の情報が送信される、或いはSA4にて分割された複数の部分画像情報がその送信方向の先頭側から順番に送信されるデータ送信処理が実行される。次に、SA7において、前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に対象となる送信データの送信が完了した旨を示す送信完了画面が表示された後、図11に示すメインルーチンへ復帰させられる。以上の制御において、SA4及びSA6が前記情報送信制御手段44の動作乃至情報送信過程に対応する。
【0039】
図13は、図12に示す画像送信/表示制御に対応して受信側の画像表示装置10′において実行される受信側制御の要部を説明するフローチャートである。この制御では、先ず、SB1において、送信元の画像表示装置10から前記通信部18を介して受信された受信情報の処理が実行される。次に、SB2において、SB1にて受信された受信データは画像ファイルであるか否かが判断される。このSB2の判断が否定される場合には、SB3において、画像情報以外の受信データに係る受信画面が前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に表示された後、SB6以下の処理が実行されるが、SB2の判断が肯定される場合には、SB4において、前記通信部18を介して順次受信される複数の部分画像情報に対応する画像を前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に受信順に表示させる分割受信画像表示制御が実行される。次に、SB5において、複数の部分画像情報が全て受信された段階でそれら部分画像情報が連結される画像連結処理が実行される。次に、SB6において、前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に受信が完了した旨を示す受信完了画面が表示された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SA5及びSB4が前記表示制御手段46の動作に対応する。
【0040】
続いて、前記画像表示装置10の制御部14による画像転送制御乃至受信制御の他の態様を、図14乃至図16を用いて説明する。なお、以下の説明において、図11乃至図13を用いて前述した制御と共通のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0041】
図14は、前記画像表示装置10の制御部14による画像転送制御の他の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この制御は、送信先の外部端末20(他の画像表示装置10′)の有無を検出してから対象となる情報の送信処理(転送処理)を開始するものであり、前述したS3の処理に続いて、S5において、所定の方向に転送先端末となり得る外部端末20(例えば他の画像表示装置10′)が存在するか否かが判断される。このS5の判断が否定される場合には、前述したS10以下の処理が実行されるが、S5の判断が肯定される場合には、前述したS6以下の処理が実行される。このように、前記情報送信制御手段44は、必ずしも前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向と前記通信対象判定手段42により判定された前記外部端末20が存在する方向とが一致する場合に送信を行うものでなくともよく、その外部端末20が所定の方向に有ると判定された場合において、その方向が前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向と一致するか否かに拘わらずその操作方向に向かって所定の画像情報を送信するものであってもよい。
【0042】
図15は、図11又は図14に示す画像転送制御のSAに係る画像送信/表示制御の他の一例の要部を説明するフローチャートである。この制御は、送信に係る画像情報を分割せずに送信するものであり、前述したSA1の処理に続いて、SA3において、前記送信に係る画像情報の分割乃至その表示制御等の処理を行わない通常の送信データの送信画面に準ずる送信画面が前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に表示された後、前述したSA6以下の処理が実行される。また、図16は、図15に示す画像送信/表示制御に対応して受信側の画像表示装置10′において実行される受信側制御の要部を説明するフローチャートである。この制御では、前述したSB1の処理に続いて、SB3において、前記順次受信される部分画像情報の表示制御乃至その連結制御等の処理を行わない通常の受信データの受信画面に準ずる受信画面が前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)に表示された後、前述したSB6以下の処理が実行される。このように、前記情報送信制御手段44による画像情報の送信制御乃至その送信制御に対応する受信制御に際して、図5乃至図10を用いて前述したような表示制御は必ずしも行われなくともよく、送信元の画像表示装置10から送信先の画像表示装置10′へ対象となる画像情報の送信のみが行われるものであってもよい。
【0043】
このように、本実施例よれば、操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力手段としての入力制御部28(S3)と、外部端末20に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末20から所定の信号を受信することでその外部端末20との通信状態を判定する通信対象判定手段42(S5)と、前記タッチパネル24により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定手段40(S4)と、前記通信対象判定手段42により前記外部端末20と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信制御手段44(SA4及びSA6)とを、備えたものであることから、操作方向の要素を含む直感的な操作によりその方向における外部端末20に対して所定の画像情報を送信することができる。すなわち、直感的な操作で簡便に外部端末20との通信を実現する画像表示装置10を提供することができる。
【0044】
また、前記通信対象判定手段42は、前記タッチパネルディスプレイ12を基準位置としてそれぞれ異なる複数の方向に向けて前記所定の信号を送信すること又はそれら複数の方向のうち何れかの方向から前記所定の信号を受信することでで、前記外部端末20がそれら複数の方向のうち何れの方向に存在するかを判定できるものであり、前記情報送信制御手段44は、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向と前記通信対象判定手段42により判定された前記外部端末20が存在する方向とが一致する場合において、その方向に向かって前記所定の画像情報を送信するものであるため、所定の操作方向に係る直感的な入力操作に応じて、その方向に存在する外部端末20に対して簡便且つ実用的な態様で所定の画像情報を送信することができる。
【0045】
また、前記画像表示装置10は更に、他の前記画像表示装置10′に備えられた前記情報送信手段としての通信部18′により送信された画像情報を受信する情報受信手段としての通信部18を備えたものであるため、複数の前記画像表示装置10相互間において、直感的な操作で簡便に情報の送受信を実現することができる。
【0046】
また、前記通信対象判定手段42により前記外部端末20が無いと判定された場合には、前記情報送信制御手段44は、前記画像情報の送信を行わないものであるため、通信対象である前記外部端末20の存在が確認できない場合に、無駄な情報の送信が行われるのを抑制することができる。
【0047】
また、前記情報送信制御手段44は、前記送信に係る画像情報を、前記操作方向判定手段40により判定されたその画像情報の送信方向に関して複数に分割すると共に、その分割された複数の部分画像情報をその送信方向の先頭側から順番に送信するものであり、前記通信部18により受信される前記複数の部分画像情報を、受信順に逐次前記タッチパネルディスプレイ12に並べて表示させる表示制御手段46(SA5及びSB4)を備えたものであるため、複数の前記画像表示装置10相互間における画像情報の送受信に関して、直感的な操作に対応する視覚的な効果を実現することができる。
【0048】
また、前記情報送信制御手段44は、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向に応じて前記画像情報の送信先である外部端末20の割付を行い、その割付に従って対象となる外部端末20へその画像情報の送信を行うものであるため、前記操作方向の要素を含む操作の時点でその操作方向に通信対象となる外部端末20が存在しない場合であっても、その操作方向に割付られた所定の外部端末20に対して後に前記画像情報の送信を行う等の制御が可能とされる。
【0049】
また、本実施例に対応する画像表示方法は、操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力過程(S3)と、外部端末20に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末20から所定の信号を受信することでその外部端末20との通信状態を判定する通信対象判定過程(S5)と、前記操作入力過程により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定過程(S4)と、前記通信対象判定過程により前記外部端末20と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定過程により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信過程(SA4及びSA6)とを、含むことから、操作方向の要素を含む直感的な操作によりその方向における外部端末20に対して所定の画像情報を送信することができる。すなわち、直感的な操作で簡便に外部端末20との通信を実現する画像表示方法を提供することができる。
【0050】
また、本実施例によれば、前記画像表示装置10に備えられた制御装置を、操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力手段としての入力制御部28、前記外部端末20に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末20から所定の信号を受信することでその外部端末20との通信状態をを判定する通信対象判定手段42、前記タッチパネル24により前記入力制御部28を介して受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定手段40、及び、前記通信対象判定手段42により前記外部端末20と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定手段40により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信制御手段44として機能させる、操作方向の要素を含む直感的な操作によりその方向における外部端末20に対して所定の画像情報を送信する画像表示プログラムを提供することができる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0052】
例えば、前述の実施例では、本実施例の画像表示装置10が、前記外部端末20として専ら他の画像表示装置10′に対して画像情報等の送信データを送信する態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の規格の赤外線信号にて画像情報を受信し得る機器であれば、本発明の画像表示装置の通信対象たり得る。すなわち、本発明の画像表示装置は、同型の画像表示装置以外の外部端末に対しても前述した画像情報の送信制御を実行し得るものである。
【0053】
また、前述の実施例において、前記操作方向判定手段40、通信対象判定手段42、情報送信制御手段44、及び表示制御手段46は、何れも前記制御部14に機能的に備えられたものであったが、その一部乃至全部が同等の機能を奏する個別の制御部として前記制御部14とは別体に備えられたものであってもよい。また、前記画像表示装置10においては、前記タッチパネルディスプレイ12の表示制御乃至入力情報処理を行う表示制御部26及び入力制御部28が前記制御部14とは別体の制御部として備えられたものであったが、これらはその一方乃至両方が前記制御部14に機能的に備えられたものであってもよい。
【0054】
また、前述の実施例において、前記情報送信制御手段44は、前記送信に係る画像情報を、前記操作方向判定手段40により判定されたその画像情報の送信方向に関して複数に分割すると共に、その分割された複数の部分画像情報をその送信方向の先頭側から順番に送信するものであり、前記表示制御手46は、前記通信部18により受信される前記複数の部分画像情報を、受信順に逐次前記タッチパネルディスプレイ12に並べて表示させるものであったが、例えば、送信に係る画像情報を分割することなく送信元の画像表示装置10から送信先の画像表示装置10′へ送信する態様においても、前述した図5乃至図10に示すような画像表示制御に準ずる制御を実行することが可能である。すなわち、送信元の画像表示装置10における表示制御手段46は、前記情報送信制御手段44による画像情報の送信に際して、その画像情報に対応する画像48を分割することなく図5乃至図10に示すように前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)の表示領域外へ消えてゆくようにその送信方向に横スクロール表示させる一方、送信先の画像表示装置10′における表示制御手段46は、送信(受信)に係る画像情報が受信された段階でその画像情報に対応する画像48を図5乃至図10に示すように前記タッチパネルディスプレイ12(表示装置22)の表示領域内へ次第に現るようにその送信方向に横スクロール表示させる。斯かる制御によれば、送信先の画像表示装置10′においては、送信に係る画像情報を受信し終わってからでないとその表示制御を開始できないものの、若干のタイムラグを許容することで画像情報を分割する処理を実行することなしに図5乃至図10に示すような表示制御が可能とされる。
【0055】
また、前述の実施例において、前記画像表示装置10は、前記外部端末20に対して所定の信号を送信すること又はその外部端末20から所定の信号を受信することでその外部端末の有無を判定するための情報通信を行うための構成、及び送信先の外部端末20に対して所定の画像情報を送信するための構成として共通の通信部18を備えたものであったが、外部端末の有無を判定するための情報通信を行うための構成と、外部端末に対して所定の画像情報を送信するための構成とが、それぞれ個別の通信部として備えられたものであってもよい。
【0056】
また、前述の実施例において、前記画像表示装置10は、前記外部端末20に対して前記通信部18を介して所定の赤外線信号を送信すること又はその外部端末20からその通信部18により所定の赤外線信号を受信することでその外部端末の有無を判定するものであったが、例えば前記画像表示装置10に隣接して配置された外部端末20に対して超音波を発してその超音波の反射を検出すること等によりその外部端末20の存在の有無を判定するものであってもよい。また、無線LAN通信やブルートゥース通信等により前記外部端末20との通信状態の判定、乃至その外部端末20に対する画像情報の送信を行うものであっても構わない。
【0057】
また、前述の実施例において、前記画像表示装置10は、前記タッチパネル24を所定の方向に向けてなぞる(スライドさせる)等のジェスチャが検出された場合、前記タッチパネルディスプレイ12に図5に示すような画像送信確認画面を表示させるものであったが、このような画像送信確認画面は必ずしも表示させられなくともよく、前記タッチパネル24により所定の操作方向の要素を含む入力操作が行われた場合には一律に前記送信制御を行うものであってもよい。
【0058】
また、前述の実施例では、特に言及していないが、前記画像表示装置10は前記外部端末20との間の赤外線による情報の送受信に加えて、例えば公衆電話回線等の通信回線を介してサーバ等の他の装置との間で情報の通信が可能とされたものであってもよく、種々の付加的な機能が備えられ得るものであることは言うまでもない。
【0059】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0060】
10、10′:画像表示装置
14:制御部(制御装置)
16:記憶部(記憶装置)
18、18′:通信部(情報送信手段、情報受信手段)
20:外部端末
22:表示装置(ディスプレイ)
28:入力制御部(操作入力手段)
40:操作方向判定手段
42:通信対象判定手段
44:情報送信制御手段
46:表示制御手段
48:画像
56a〜56e:部分画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の記憶装置に記憶された画像情報を読み出してディスプレイに表示させる画像表示装置であって、
操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力手段と、
外部端末に対して所定の信号を送信すること又は該外部端末から所定の信号を受信することで該外部端末との通信状態を判定する通信対象判定手段と、
前記操作入力手段により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定手段と、
前記通信対象判定手段により前記外部端末と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定手段により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信手段と
を、備えたものであることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記通信対象判定手段は、前記ディスプレイを基準位置としてそれぞれ異なる複数の方向に向けて前記所定の信号を送信すること又はそれら複数の方向のうち何れかの方向から前記所定の信号を受信することで、前記外部端末がそれら複数の方向のうち何れの方向に存在するかを判定できるものであり、
前記情報送信手段は、前記操作方向判定手段により判定された前記入力操作の操作方向と前記通信対象判定手段により判定された前記外部端末が存在する方向とが一致する場合において、該方向に向かって前記所定の画像情報を送信するものである
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記画像表示装置は更に、他の前記画像表示装置に備えられた前記情報送信手段により送信された画像情報を受信する情報受信手段を備えたものである請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記通信対象判定手段により前記外部端末が無いと判定された場合には、前記情報送信手段は、前記画像情報の送信を行わないものである請求項1から3の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記情報送信手段は、前記送信に係る画像情報を、前記操作方向判定手段により判定された該画像情報の送信方向に関して複数に分割すると共に、該分割された複数の部分画像情報を該送信方向の先頭側から順番に送信するものであり、
前記情報受信手段により受信される前記複数の部分画像情報を、受信順に逐次前記ディスプレイに並べて表示させる表示制御手段
を備えたものである請求項3又は4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記情報送信手段は、前記操作方向判定手段により判定された前記入力操作の操作方向に応じて前記画像情報の送信先である外部端末の割付を行い、該割付に従って対象となる外部端末へ該画像情報の送信を行うものである請求項1から5の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
所定の記憶装置に記憶された画像情報を読み出してディスプレイに表示させる画像表示装置における画像表示方法であって、
操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力過程と、
外部端末に対して所定の信号を送信すること又は該外部端末から所定の信号を受信することで該外部端末との通信状態を判定する通信対象判定過程と、
前記操作入力過程により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定過程と、
前記通信対象判定過程により前記外部端末と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定過程により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信過程と
を、含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項8】
所定の記憶装置に記憶された画像情報を読み出してディスプレイに表示させる画像表示装置に備えられた制御装置を、
操作方向の要素を含む入力操作を受け付ける操作入力手段、
外部端末に対して所定の信号を送信すること又は該外部端末から所定の信号を受信することで該外部端末との通信状態を判定する通信対象判定手段、
前記操作入力手段により受け付けられた入力操作の操作方向を判定する操作方向判定手段、
及び、前記通信対象判定手段により前記外部端末と通信状態であると判定された場合において、前記操作方向判定手段により判定された前記入力操作の操作方向に対応付けられた条件で所定の画像情報を送信する情報送信手段
として機能させることを特徴とする画像表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−65518(P2011−65518A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216859(P2009−216859)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】