説明

画像表示装置

【課題】監視カメラ等からの複数の画像が監視用装置において多画面表示される場合、上述したように、監視カメラ等からの原画像に対してリサイズ処理が施されて表示されるため、表示データそのものを保存する場合には画質の劣化の問題が発生していた。
【解決手段】複数の画像の少なくとも一つにリサイズ処理を行った後、複数の画像を一つの画面に同時に表示出力する画像表示装置において、表示出力される複数の画像のそれぞれについて、リサイズ処理前の原画像のサイズを取得し、これら複数の原画像が、表示出力の際と同様の配置となるように、かつ、複数の原画像のサイズのうちの最大サイズを各原画像のそれぞれについての画像領域のサイズとして、これら複数の原画像が少なくとも一つの合成画像となるように合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の監視カメラの映像をネットワーク経由で取得し、監視用モニタに一括表示するネットワーク監視システムに関し、特に、ネットワーク監視システムに用いられる画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視用コンピュータにおいて複数の監視カメラや画像伝送装置からの撮影映像を受信してディスプレイに一括表示させることで、不審者等の監視を行うネットワーク監視システムが存在する。
【0003】
図8は、従来のネットワーク監視システムの構成を示す図である。図8に示すネットワーク監視システムでは、WEBサーバ機能を有する画像伝送装置901、IP(Internet Protocol)カメラ902、画像サーバ装置903等の複数の装置にて撮影等されて符号化圧縮された画像データが、ネットワーク回線90を介して、PC(パーソナルコンピュータ)904やネットワーク画像受信装置905へ伝送される。そして、これらの画像データは、復号化された後、PC904のディスプレイやネットワーク画像受信装置905に接続されているモニタ906に画像表示される。なお、これらの符号化圧縮画像データの伝送は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)プロトコルやRTP(Real-time Transport Protocol)プロトコル等を利用して行われる。
【0004】
また、この画像伝送装置901等からの複数の画像データがPC904のディスプレイやモニタ906に画像表示される場合に、表示画面を2×2(横×縦、以下同様)、3×3、4×4などに分割した領域に配置されて表示される技術(以下、「多画面表示」ともいう)が存在する(特許文献1など)。例えば、PC904が画像伝送装置901等から16枚の画像を受信する場合、これらの画像(1)〜(16)はPC904のディスプレイ画面上に4×4に並ぶように合成されて表示用画像907が生成される。
【0005】
この多画面表示は、具体的には、以下のようにして実行される。すなわち、例えばPC904のディスプレイの表示画像サイズがVGA(Video Graphics Array:640ピクセル×480ピクセル)であるとすると、このディプレイに16枚の画像を4×4に並べて表示するには、1画像あたりの表示サイズは、160ピクセル×120ピクセルとなる。
【0006】
ここで、図8における画像伝送装置901、IPカメラ902、画像サーバ装置903からの画像データの画像サイズが、それぞれ、VGA(640ピクセル×480ピクセル)、QVGA(Quarter VGA:320ピクセル×240ピクセル)、UXGA(Ultra eXtended Graphics Array:1600ピクセル×1200ピクセル)であるとする。この場合、図9に示すように、VGAサイズの画像911は、復号化処理されてRGB(Red-Green-Blue color model)データに変換された後、1/16にリサイズされて160ピクセル×120ピクセルの画像サイズとなる。同様に、QVGAサイズの画像912は1/4にリサイズされ、UXGAサイズの画像913は1/100にリサイズされる。そして、これらのリサイズされたRGBデータは、PC904のディスプレイにおいて4×4に並ぶように合成されて多画面表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−308767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、画像伝送装置901等からの複数の画像が多画面表示される場合、上述したように、画像伝送装置901等から送信される原画像に対してリサイズ処理が施されて表示されるため、表示データそのものを保存する場合には画質の劣化の問題が発生していた。
【0009】
また、多画面表示されている際にある瞬間の画像を保存しようとした場合、各画像を1枚ずつ保存することは可能であったものの、多画面表示されている複数の画像を一度に保存することはできなかった。つまり、複数の画像を保存したい場合には、各画像に切り替えて保存する必要があり、保存する画像の枚数も画像伝送装置901等の台数に比例して増えるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は上記課題を解決し、一つの画面に同時に表示されている複数の画像を保存する際に、高画質に、かつ、複数の画像を一度の操作で保存することが可能な画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の画像の少なくとも一つにリサイズ処理を行った後、前記複数の画像を一つの画面に同時に表示出力する画像表示装置であって、前記表示出力される前記複数の画像のそれぞれについて、前記リサイズ処理前の画像である原画像(例えば、図4の401〜416)のサイズを示すサイズ情報を取得するサイズ情報取得手段と、前記サイズ情報取得手段により、前記サイズ情報が取得された複数の原画像が、前記表示出力の際と同様の配置となるように、かつ、前記複数の原画像のサイズのうちの最大サイズを前記複数の原画像のそれぞれについての画像領域(例えば、図4の画像領域420)のサイズとして、前記複数の原画像が少なくとも一つの合成画像(例えば、図4の合成画像400)となるように合成する合成手段と、を有することを特徴とする画像表示装置を提案する。
【0012】
この構成によれば、多画面表示などによって複数の画像がリサイズ処理されて表示されている場合に、リサイズ処理前の原画像をそのままのサイズで、かつ、少なくとも一つの合成画像として一括して保存等することができる。すなわち、画質を劣化させずに、鮮明な画像を保存等しておくことが可能である。また、複数のカメラ映像を一つの画面で監視しているような場合でも、一括して合成画像とするため、不審者を発見した場合などにおいて、目的の映像を保存するための操作も簡易になるとともに、その瞬間を素早く保存することができる。また、複数のカメラ映像などが一枚の合成画像に合成されるので、複数画像の管理が簡単である。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、一つの画面に同時に表示されている複数の画像について高画質で保存すること等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係るネットワーク監視システムの構成例を示す図である。
【図2】画像表示装置105の構成例を示すブロック図である。
【図3】画像表示装置105の詳細な構成例を示す図である。
【図4】合成部204において生成される合成画像の具体例を示す図である。
【図5】画像表示装置105における処理の流れを示すフロー図である。
【図6】ステップS107の処理の詳細を示すフロー図である。
【図7】ステップS107の処理の詳細を示すフロー図である。
【図8】従来のネットワーク監視システムの構成例を示す図である。
【図9】画像のリサイズ方法の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示す。
【0016】
(ネットワーク監視システムの構成)
図1は、本実施形態に係るネットワーク監視システムの構成例を示す図である。図1に示すネットワーク監視システムは、IPカメラ10i(i=1〜4、以下同じ)と、画像表示装置105と、PC106とを含んで構成される。また、これらの装置は相互にLAN(Local Area Network)等のネットワーク10を介して接続されている。
【0017】
ここで、IPカメラ10iは、一般的なネットワーク監視システムを構成する監視用カメラである。また、PC106は、ユーザが操作する端末であって、一般的なクライアント型のコンピュータである。IPカメラ10iから画像表示装置105に撮影映像が送信されると、画像表示装置105において、撮影画像がリサイズ処理されて4×4の多画面表示用の画像データが生成され、PC105に送信される。ユーザはPC105にて多画面表示される撮影映像を見ながら、不審者を発見した場合等にスナップショットボタンを押下すると、その操作信号が画像表示装置105に送信される。画像表示装置105では、この操作信号を受信したことをトリガーとして、ボタン操作時にPC106において多画面表示されていた撮影映像が、それぞれリサイズ前のサイズで1枚の合成画像に合成されて、PC106に送信される。PC106では、この合成画像を構成する画像データを自装置内のハードディスク等の記憶装置に記憶して保存する。
【0018】
ここで、IPカメラ10iとPC106の機能については、公知の技術であるため、詳しい説明は省略する。以下では、本発明に係る画像表示装置105の構成について詳述する。
【0019】
(画像表示装置105の構成)
図2は、画像表示装置105の構成例を示すブロック図である。また、図3は、画像表示装置の詳細な構成例を示す図である。以下、図2および図3を用いて画像表示装置105の構成について説明する。
【0020】
図2に示すように、画像表示装置105は、画像受信部201と、表示出力部202と、サイズ情報取得部203と、合成部204と、データ出力部205と、入力受付部206と、を有する。また、画像表示装置105は、さらに判断部207を有していてもよい。
【0021】
なお、画像表示装置105は、具体的には、例えば図3に示すように、ARM(Advanced RISC Machines)アーキテクチャを採用したプロセッサであるARMコア301、デジタル信号処理を行うプロセッサであるDSP(Digital Signal Processor)302、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等から構成される揮発性もしくは不揮発性の記憶装置303、ネットワークインタフェース304、等の一般的なコンピュータの構成と同様の構成により実現される。以下に説明する各構成の機能は、例えばARMおよびDSPが不揮発性記憶装置に記憶されているプログラムを読み出して実行することによって実現される機能である。また、後述する画像データ、サイズ情報は、揮発性記憶装置または不揮発性記憶装置に記憶され、必要に応じて適宜、RAM上のワーク領域に読み出されてARM、DSPによって処理されるデータである。
【0022】
(画像受信部201)
画像受信部201は、外部の少なくとも一つの装置から、複数の画像を構成する画像データを受信する。本実施形態においては、画像受信部201は、IPカメラ10iから各カメラが撮影した撮影映像の画像データを、ネットワーク10を介して受信する。また、IPカメラ10iのそれぞれから受信する画像は、各IPカメラにつき、一つであってもよいし複数であってもよい。また、本実施形態においては複数のIPカメラ10iから画像を受信するが、画像を受信する装置は一つのみであって、この一つの装置から複数の画像を受信するようになっていてもよい。
【0023】
より具体的には、画像受信部201は、例えばLAN用のネットワークインタフェース304を介して、符号化されている画像データを取得し、取得した画像データをARMコア301、DSPコア302によって復号化した後、この復号化済み画像データを不揮発性記憶装置または揮発性記憶装置によって実現される復号化データ退避エリア305に記憶する。
【0024】
(表示出力部202)
表示出力部202は、画像受信部201で受信した複数の画像の少なくとも一つにリサイズ処理を行った後、複数の画像を一つの画面に同時に表示出力する。リサイズ処理は、受信した複数の画像のうち一部の画像のみに対して実行するようになっていてもよい。また、「一つの画面に同時に」とは、多画面表示のように、複数の画像を一つの画面に一括して表示出力することを意味する。また、「表示出力する」とは、外部の装置に出力してもよいし、画像表示装置105に備えられているディスプレイ等の表示装置に出力してもよい。本実施形態においては、ネットワーク10を介してPC106に送信する。
【0025】
また、一括して表示する方法としては、例えば、多画面表示のように表示画面を等分に分割した各領域に各画像を配置して表示するようになっていてもよいし、異なる大きさの領域に各画像を配置するようになっていてもよい。さらに、画像の並び順は、4×4などの多画面表示のように規則的に配列されるようになっていてもよいし、ランダムに配列されるようになっていてもよい。なお、本実施形態においては、複数の画像は4×4の多画面表示されるものとする。
【0026】
より具体的には、表示出力部202は、例えば記憶装置303の復号化データ退避エリア305に記憶されている復号化画像データに対して、図9に例示したようなリサイズ処理を施し、多画面表示(図3においては2×2の多画面表示の例を示す)となるよう画像表示用画像データの生成を行って表示出力する。
【0027】
(サイズ情報取得部203)
サイズ情報取得部203は、表示出力部202において表示出力される複数の画像のそれぞれについて、リサイズ処理前の画像である原画像のサイズを示すサイズ情報を取得する。サイズ情報は、例えば、サイズそのものを示す情報であってもよいし、他の画像との大きさの比率と、その比率の基準となる大きさの情報とを含む情報等であってもよい。すなわち、サイズ情報とは、直接的または間接的に原画像のサイズを示す情報であればよい。より具体的には、サイズ情報取得部203は、例えば画像受信部201において画像データに付随する形で受信されてRAM等の記憶装置303に記憶されている画像サイズの情報を読み出すことで、サイズ情報を取得できる。
【0028】
また、サイズ情報取得部203は、入力受付部206においてユーザからの入力を受け付けたことをトリガーとしてサイズ情報を取得するようになっていてもよい。「ユーザからの入力を受け付ける」とは、具体的には、例えば特定のキーをユーザが押下したことや、GUI(Graphical User Interface)によって画面表示された特定のボタンをユーザがマウスでクリックしたことを検知すること等が該当する。また、画像表示装置105に備えられているキーボードやマウス等の入力装置からのユーザ入力を検知するだけでなく、ネットワークを介して別の装置に備えられている入力装置からのユーザ入力を検知するようになっていてもよい。本実施形態においては、PC106においてユーザが特定のキー(例えば、スナップショットボタン)を押下すると、キー操作がなされたことを示す操作信号がネットワーク10を介して画像表示装置105に受信されて、その結果、サイズ情報取得部203がユーザ入力を検知する。
【0029】
(合成部204)
合成部204は、前記サイズ情報取得手段により、サイズ情報が取得された複数の原画像が、表示出力の際と同様の配置となるように、かつ、複数の原画像のサイズのうちの最大サイズを複数の原画像のそれぞれについての画像領域のサイズとして、複数の原画像が、少なくとも一つの合成画像となるように合成して保存する。
【0030】
図4は、合成部204において生成される合成画像の具体例を示す図である。図4においては、原画像401〜416の16枚の原画像によって1枚の合成画像(以下、適宜、「スナップショット画像」と称する)400が構成されている。なお、原画像401〜416は、IPカメラ10iから送信された撮影映像の一部である。また、原画像401〜416のそれぞれについて確保される領域420を各原画像の「画像領域」という(本明細書を通じて同様)。
【0031】
ここで、「表示出力の際と同様の配置となるように」とは、例えば、表示出力部202での表示出力の際に4×4の多画面表示を行っている場合には、合成部204での合成も同一の配置で、図4に示すような4×4に複数の原画像が並ぶように配置して合成すること等を意味する。なお、例えば、複数の画像が整列されておらずランダムに配置されて表示出力部202で表示出力されている場合は、合成部204でも複数の原画像を同じような配置となるように合成する。
【0032】
ここで、表示出力の際の画像の並び順と、合成画像における原画像の並び順とが異なっていてもよい。さらに、両者における並び順が異なる場合には、合成画像において表示出力の際の画像の並び順を示すマーク、番号などを各原画像の近傍に付して表示するようにしてもよい。これにより、表示出力の際の画像と合成画像における原画像とを対比すること等が可能となる。
【0033】
また、「複数の原画像のサイズのうちの最大のサイズを複数の原画像のそれぞれについての画像領域のサイズとして」とは、複数の原画像のサイズのうちの最大のサイズに合わせて他の画像をそのままのサイズで、もしくは拡大してから合成処理することを意味する。なお、合成する際の原画像のサイズは、画質を所望の程度に保てる範囲でより小さいサイズに設定してもよい。なお、本実施形態においては、各原画像のサイズは最大サイズを採用するものとする。
【0034】
図4に示す例においては、一番大きい原画像が画像403、405、412、413、415であり、この一番大きいサイズを各原画像の画像領域420のサイズとしている。また、各原画像が画像領域420よりも小さい場合には、例えば図4に示すように、原画像を画像領域420の中心に配置し、原画像周辺の余剰領域(網掛け部分)430は例えば黒画像とする。図4のように配置すると、他の画像との区別も明確となってユーザが各原画像を視認しやすい。
【0035】
また、「少なくとも一つの合成画像となるように合成する」とは、複数の原画像を一つの合成画像となるように合成してもよいし、複数枚の合成画像となるように合成してもよいことを意味する。つまり、図4のように16枚の原画像401〜416を1枚の合成画像400となるように合成してもよいし、例えば原画像401〜408から構成される合成画像と、原画像409〜416から構成される合成画像とに分けて、2枚の合成画像となるように合成してもよい。
【0036】
より具体的には、合成部204は、復号化データ退避エリア305に記憶されている復号化画像データをコピーした後、このコピーした復号化画像データをARMコア301、DSPコア302において符号化して合成画像データを生成する。その後、生成した合成画像データを記憶装置303に記憶する。
【0037】
(データ出力部205)
データ出力部205は、合成部204で生成された合成画像の画像データを出力する。本実施形態においては、合成部204で生成された合成画像データは、ネットワークインタフェース304から外部に出力され、ネットワーク10を介して、ユーザが操作するPC106に送信される。
【0038】
(判断部207)
判断部207は、合成部204で合成される少なくとも一つの合成画像400のデータ量が画像表示装置105に備えられている記憶装置の記憶容量よりも大きくなるか否かを判断する。また、合成部204は、判断部207での判断結果が、合成画像400のデータ量が記憶容量よりも大きくなるとの判断結果である場合には、合成部204における合成処理の際、合成画像400における画像領域420のサイズをより小さいサイズとする。ここで、「記憶容量」とは、全記憶容量であってもよいし、空き容量であってもよい。また、「少なくとも一つの合成画像のデータ量」とは、合成画像が複数あった場合には、いずれかの合成画像のデータ量であってもよいし、一部もしくは全ての合成画像の合算データ量であってもよい。
【0039】
図4の例のように複数の画像のうち一番大きいサイズを基準に合成画像400を生成した場合、合成画像400は非常に大きい画像となることが予測される。例えば、一番大きい画像である画像403、405、412、413、415のサイズが、UXGAサイズ(1600ピクセル×1200ピクセル)である場合、合成画像400は6400ピクセル×4800ピクセルの大きさとなる。このような場合には合成画像のデータ量が大きくなるため、例えば、予めこの合成画像400のデータ量を算出しておき、算出したデータ量と画像表示装置105内部の記憶可能容量とを比較する。そして、合成画像400のデータ量が記憶可能容量よりも大きい場合には、合成画像400のサイズを小さくする。具体的には、各原画像401〜416をリサイズして小さくして、つまり、各原画像401〜416の画像領域420のサイズをより小さく設定して合成処理を行う。
【0040】
(画像表示装置105の動作)
次に、図5ないし図7を参照しながら、本実施形態に係る画像表示装置105の動作について説明する。図5は、画像表示装置105の処理の流れを示すフロー図である。図6および図7は、図5に示すステップS107の処理の詳細を示すフロー図である。
【0041】
まず、画像受信部201において、IPカメラ10iからの符号化された画像が取得され、復号化される(ステップS101)。表示出力部202において、復号化された画像にリサイズ処理が施された後、4×4の多画面表示用の画像データが生成されて、PC106に出力される(ステップS103)。そして、入力受付部206において、PC106のスナップショットボタンが押下されたことが検知された場合には(ステップS105)、スナップショット画像400が取得される(ステップS107)。
【0042】
ここで、図6および図7を用いて、ステップS107の処理について詳述する。まず、カウンタとなる変数iの値が‘1’に、最大サイズを保持する変数jの値が‘0’に設定される(ステップS201)。次に、サイズ情報取得部203において、多画面表示されているi番目の画像領域420に表示中の画像についてリサイズ前の原画像の画像サイズXが取得される(ステップS203)。
【0043】
そして、取得された画像サイズXがjの値より大きい場合には(ステップS205)、jの値が画像サイズXに設定される(ステップS207)。その後、iの値が‘1’増加された後(ステップS209)、iの値が‘16’より大きいかが判断される(ステップS211)。iの値が‘16’より小さい場合、すなわち、多画面表示されている複数の画像のすべてについて画像サイズが取得されていない場合には、ステップS203に戻り、上記の処理が繰り返される。iの値が’16’より大きい場合、すなわち、多画面表示されている複数の画像のすべてについて画像サイズが取得された場合には、jの値に応じた4×4のスナップショット画像400のためのメモリ領域が記憶装置303上に確保される。
【0044】
次に、変数kの値が‘1’に設定される(ステップS215)。そして、生成されるスナップショット画像400におけるk番目の画像領域420に配置すべき原画像の画像サイズYが取得される(ステップS217)。取得された画像サイズYがjの値より小さい場合には、k番目の画像領域420の中央になるように原画像が配置される(ステップS219、S221)。画像サイズYがjの値より大きい場合には、k番目の画像領域420に原画像が配置される(ステップS223)。ここで、「原画像が配置される」とは、具体的には、合成画像上における原画像の位置が決定されることであり、この決定に従って合成処理が行われ、合成画像データが生成される。
【0045】
その後、kの値が‘1’増加された後(ステップS225)、kの値が’16’より大きいかが判断される(ステップS227)。kの値が’16’より小さい場合、すなわち、すべての原画像について画像領域420における配置が決定されていない場合には、ステップS217に戻り、上記の処理が繰り返される。kの値が’16’より大きい場合、すなわち、すべての原画像について画像領域420における配置が決定された場合には、’16’枚の原画像を用いて符号化処理が実行され、スナップショット画像400が生成される(ステップS229)。
【0046】
なお、ステップS201〜S211の処理は、サイズ情報取得部203において実行される。また、ステップS213〜S229の処理は、合成部204において実行される。
【0047】
図5に戻り、上記説明したようにステップS107における処理の実行後、データ出力部205において、符号化して生成されたスナップショット画像400が出力される(ステップS109)。画像表示装置105における処理が終了しない場合には、ステップS101に戻り、処理が繰り返される(ステップS111)。
【0048】
(まとめ)
以上のように、本発明によれば、一つの画面に同時に表示されている複数の画像について高画質で保存すること等が可能である。
【0049】
(請求項に関する付記)
本発明については、請求項の記載に関して、以下の態様が考えられる。
【0050】
(請求項2)
前記少なくとも一つの合成画像のデータ量が自装置に備えられている記憶装置の記憶容量よりも大きくなるか否かを判断する判断手段をさらに有し、
前記合成手段は、前記判断手段での判断結果が、前記合成画像のデータ量が前記記憶容量よりも大きくなるとの判断結果である場合には、前記画像領域のサイズを前記最大サイズより小さいサイズとすることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【0051】
この構成によれば、画像表示装置105が使用可能な記憶装置に記憶可能であるように、合成画像のサイズを調整することが可能である。
【0052】
(請求項3)
前記サイズ情報取得手段は、ユーザからの入力を受け付けたことをトリガーとして(例えば、図2の入力受付部206)前記サイズ情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【0053】
この構成によれば、ユーザの指示による任意のタイミングで合成画像を保存すること等が可能である。
【0054】
(請求項4)
外部の少なくとも一つの装置(例えば、図1のIPカメラ10i)から、前記複数の原画像を構成する原画像データを受信することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【0055】
(請求項5)
複数の画像の少なくとも一つにリサイズ処理を行った後、前記複数の画像を一括して表示出力する画像表示方法であって、
前記表示出力される前記複数の画像のそれぞれについて、前記リサイズ処理前の原画像のサイズを示すサイズ情報を取得するサイズ情報取得ステップ(例えば、図6のステップS201〜S211)と、
前記サイズ情報を取得した複数の原画像が、前記表示出力の際と同じ配置となるように、かつ、前記複数の原画像のサイズのうちの最大サイズを前記複数の原画像のそれぞれについての画像領域のサイズとして、前記複数の原画像を少なくとも一つの合成画像となるように合成する合成ステップ(例えば、図6のステップS213〜図7のステップS229)と、
前記合成画像を出力するデータ出力ステップ(例えば、図5のステップS109)と、
を有することを特徴とする画像表示方法。
【0056】
この構成によれば、多画面表示などによって複数の画像がリサイズ処理されて表示されている場合に、リサイズ処理前の原画像をそのままのサイズで、かつ、少なくとも一つの合成画像として一括して保存等することができる。すなわち、画質を劣化させずに、鮮明な画像を保存等しておくことが可能である。また、複数のカメラ映像を一つの画面で監視しているような場合でも、一括して合成画像とするため、不審者を発見した場合などにおいて、目的の映像を保存するための操作も簡易になるとともに、その瞬間を素早く保存することができる。また、複数のカメラ映像などが一枚の合成画像に合成されるので、複数画像の管理が簡単である。
【符号の説明】
【0057】
10 ネットワーク
101〜104 IPカメラ
105 画像表示装置
106 PC
201 画像受信部
202 表示出力部
203 サイズ情報取得部
204 合成部
205 データ出力部
206 入力受付部
207 判断部
301 ARMコア
302 DSPコア
303 記憶装置
304 ネットワークインタフェース
305 復号化データ退避エリア
400 合成画像(スナップショット画像)
401〜416 原画像
420 画像領域
90 ネットワーク回線
901 画像伝送装置
902 カメラ
903 画像サーバ装置
905 ネットワーク画像受信装置
906 モニタ
907 表示用画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像の少なくとも一つにリサイズ処理を行った後、前記複数の画像を一つの画面に同時に表示出力する画像表示装置であって、
前記表示出力される前記複数の画像のそれぞれについて、前記リサイズ処理前の画像である原画像のサイズを示すサイズ情報を取得するサイズ情報取得手段と、
前記サイズ情報取得手段により、前記サイズ情報が取得された複数の原画像が、前記表示出力の際と同様の配置となるように、かつ、前記複数の原画像のサイズのうちの最大サイズを前記複数の原画像のそれぞれについての画像領域のサイズとして、前記複数の原画像が少なくとも一つの合成画像となるように合成する合成手段と、
を有することを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−176405(P2011−176405A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37018(P2010−37018)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】