説明

画像表示装置

【課題】タッチパネルを用いて任意の形状の複数の画像表示フレームを設定できるようにする。
【解決手段】予め設定された形状の画像表示フレームに、選択された画像データを表示する表示部を有する画像表示装置であって、タッチパネルを有する表示部11と、タッチパネルコントローラ11−4と、画像表示フレームに関する設定情報を記憶する画像表示フレーム登録手段(内蔵メモリ13)と、を備え、前記タッチパネルコントローラ11−4は、画面上をタッチしてなぞられた任意の形状を示す位置座標を算出し、制御部は、前記タッチパネルコントローラが算出した位置座標を、画像表示フレーム識別情報とともに前記画像表示フレーム登録手段に記憶可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付電話装置やデジタルフォトフレーム装置などの画像表示機能を有する画像表示装置に関するものであり、特に、表示部に備えられたタッチパネルを用いて、画面上に任意の形状の複数の画像表示フレームを設定できるようにした画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯情報通信端末、携帯電話装置、デジタルフォトフレーム装置、カメラ付電話装置、IP電話装置などのように画像を表示することのできる電子装置が種々提供されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1(特開2009−141678号公報)には外部から取り込んだ画像データを保存し、ユーザが所望する画像データを液晶表示パネルなどで構成された表示部に表示するようにしたデジタルフォトフレーム装置が開示されている。このデジタルフォトフレーム装置は、電子的に書換え可能な画像表示部と、画像ファイルを格納するためのメモリと、画像表示部およびメモリに接続され、メモリに格納されている画像ファイルを読み出して、画像表示部で表示する再生部と、再生部に接続され、画像ファイルのデータに対して少なくとも部分的にモノクロ変換を行う画像変換部とから構成され、再生部は、メモリから読み出した画像ファイルの撮影日を参照して、その作成日から現在までの経過時間が所定の値を超える場合に、その画像ファイルのデータを画像変換部によって少なくとも部分的にモノクロ変換を施してから、画像表示部に表示するようにされている。
【0004】
このようなデジタルフォトフレーム装置は、一般的には、表示画面全体が1つの表示領域(表示枠:フレーム)となっており、ユーザが画像の表示領域を複数設定したり、表示フレームの形状を変更したりすることはできず、種々のユーザ要求に柔軟に対応できないという不具合を有している。
【0005】
このような不具合を解消するものとして、例えば、下記の特許文献2(特開2009−45139号公報)に、予め所定の形状の窓を形成した表示フレームを複数用意しておき、それらを1つあるいは複数を選択できるようにしたデジタルフォトフレーム装置が開示されている。このデジタルフォトフレーム装置は、基材の少なくとも一部に任意形状の窓部が形成され、当該窓部の形成位置に関する位置情報を含む識別情報が格納されたフォトフレームと、画像が表示される画像表示画面を有し、フォトフレームにより前記画像表示画面が遮蔽される画像表示装置と、フォトフレームから識別情報を読み取り、当該識別情報を画像表示装置に伝送する識別情報読取装置と、を備え、フォトフレームにおける前記窓部の形成位置に合わせて、画像が前記表示装置の前記画像表示画面に表示されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−141678号公報
【特許文献2】特開2009−45139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2に開示されたデジタルフォトフレーム装置は、予め1つまたは複数の所定形状の窓部が形成された複数のフレーム(フォトフレーム)を差し替えて、1つまたは複数の窓部に画像を表示するように構成されたものである。前記複数の各フレームには、それぞれフレームの識別情報と、当該フレームに形成された窓部の形成位置に関する位置情報が記憶される。位置情報は、例えば、窓部の境界を示すx座標群、y座標群で表される。従って、特許文献1のデジタルフォトフレーム装置では、ユーザが所望する表示画面上の任意の位置に任意の形状の表示領域(フレーム)を自由に設定することができないという問題点がある。
【0008】
また、上記特許文献2に開示されたデジタルフォトフレーム装置において、複数の各フレームには、それぞれのフレームに表示させたい画像データの所在情報を記憶することができるが、この技術では、単に、各フレームに表示させる画像を設定するだけであり、フレームに表示させる画像データを切り換えるには、ユーザ操作がその都度、表示させる画像を選択したり、順次表示画像送りをする操作が必要であり、ユーザが希望するタイミングで切り換えることができないという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、表示部に備えられたタッチパネルを用いて、任意の形状の複数の画像の表示領域(画像表示フレーム)を設定できるようにした画像表示装置を提供することを第1の目的とし、設定した複数の画像表示フレームに対応して、当該画像表示フレームに表示する画像情報を切り換えるためのタイムテーブルを設定できる画像表示装置を提供することを第2の目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、予め設定された形状の画像表示フレームに、選択された画像データを表示する表示部を有する画像表示装置であって、タッチパネルを有する表示部と、タッチパネルコントローラと、画像表示フレームに関する設定情報を記憶する画像表示フレーム登録手段と、を備え、前記タッチパネルコントローラは、画面上をタッチしてなぞられた任意の形状を示す位置座標を算出し、制御部は、前記タッチパネルコントローラが算出した位置座標を、画像表示フレーム識別情報とともに前記画像表示フレーム登録手段に記憶することを特徴とする。
【0011】
本願の請求稿2にかかる発明は、請求項1にかかる画像表示装置において、登録された複数の画像表示フレームを前記表示部に表示し、前記タッチパネルコントローラは、表示された画像表示フレーム内の1点をタッチし、タッチした指を移動させて移動する操作、または、表示された画像表示フレーム内の2点をタッチし、タッチした指の間隔を広げまたは狭めて2点間の距離を変更する操作を検出し、前記操作量に基づいて前記登録された画像表示フレームの変更された位置座標を算出し、制御部は、前記タッチパネルコントローラが算出した位置座標に基づいて、前記画像表示フレーム登録手段に記憶された画像表示フレームに関する情報を変更することを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1又は請求項2にかかる画像表示装置において、前記画像表示フレーム登録手段は、登録された画像表示フレーム毎に、当該画像表示フレームに表示する画像の表示期間を示す表示期間情報を記憶可能であり、前記表示期間情報に基づいて、前記選択された画像データを当該画像表示フレームに表示することを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1ないし請求項3の何れかにかかる画像表示装置において、前記画像表示装置は、さらに、前記画像表示フレームに表示する画像の画像データを管理する管理リストを有し、前記画像表示フレーム登録手段に登録された複数の画像表示フレーム毎に、当該画像表示フレームに表示すべき画像の画像データを対応付け可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる画像表示装置は、上記の構成を有するものであるから、以下のような作用、効果を奏する。すなわち、請求項1、2にかかる発明においては、ユーザはタッチパネルを操作して、画面上に任意の形状の複数の画像表示フレームを設定できるようになり、また、設定した画像表示フレームを任意に移動させ、あるいは、拡大、縮小して変更することができるようになる。
【0015】
また、請求項3、4にかかる発明においては、設定した画像表示フレームに表示させる画像を任意に対応づけて設定でき、またその表示期間もユーザが所望する期間に予め設定しておくことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係る画像表示装置としてのデジタルフォトフレーム装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る画像表示装置としてのデジタルフォトフレーム装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例に係る画像表示フレームの設定、登録の概念を示す模式図であり、図3(a)は、表示画面を分割する概念、図3(b)は、任意の形状の画像表示フレームを設定する概念を示す模式図である。
【図4】設定した画像表示フレームの登録データの一例を示す図である。
【図5】デジタルフォトフレーム装置に保存する画像データの管理リストの一例を示す図である。
【図6】画像表示フレームの設定、登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】画像表示フレームの設定内容の更新(変更)の手順を示すフローチャートである。
【図8】画像表示フレームに対する表示期間、表示画像データの設定手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための画像表示装置を例示するものであって、本発明をこの画像表示装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の画像表示装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例にかかる画像表示装置の一例を示す斜視図、図2は、本発明の実施例にかかる画像表示装置の構成を示すブロック図である。図1、図2に示す画像表示装置はデジタルフォトフレーム装置10を実施例としたものである。
【0019】
本実施例に係るデジタルフォトフレーム装置10は、図1で示すように、矩形で扁平状の筐体の前面に設けられた表示部11と、筐体の背面中央に設けられたスタンド20とからなる。そして、筐体前面の下隅には、電源スイッチ21が設けられている。
【0020】
デジタルフォトフレーム装置10は、図2に示すように、表示部11、操作部12、内蔵メモリ13、外部メモリインターフェース14、フォトセンサー15、電源制御部16、データ通信モジュール17、音声出力部18、制御部19などを備えて構成されている。なお、表示部11は本発明の表示手段に相当し、制御部19は表示制御手段の機能を持つ。
【0021】
表示部11は、タッチパネル機能を有し、デジタルフォトフレーム装置10の前面側に設けられた液晶ディスプレイから構成されるLCDモジュール11−1と、その裏面に設けられたLED11−2およびLEDバックライトコントローラ11−3と、タッチパネルコントローラ11−4とから構成されている。タッチパネルコントローラ11−4は、後述するように、ユーザが画像の表示領域(画像表示フレーム)を作成するために画面をタッチして指定した任意の形状の画面上の位置座標(タッチされた形状を示す境界線の連続的な位置座標)を検出し、画像表示フレームに関する情報(設定情報)を内蔵メモリ13に記憶(登録)させるためのものである。
【0022】
制御部19はタッチパネルコントローラ11−4によって検出された前記形状の位置座標に基づいて、ユーザによって指定された画像表示フレームのID(フレーム番号、フレーム名称など、単純に登録順にフレーム番号を付与するだけでもよい)と共に画像表示フレームの形状および位置(表示画面上の位置)を記憶する。従って、制御部19は、タッチバネルを用いてユーザにより設定された画像表示フレームに関する位置座標等の情報を内蔵メモリ13に記憶させる手段として機能する。
【0023】
ユーザによって作成された画像表示フレームは、LCDモジュール11−1に表示でき、タッチパネルコントローラ11−4は、ユーザが、表示画面上に表示された画像表示フレームに対して画面をタッチして行った操作(例えば、画像表示フレームの移動、拡大縮小などの変更操作)を検出し、検出結果を制御部19に伝える。制御部19は、タッチパネルコントローラ11−4が検出した上記変更操作の検出結果に基づいて、該当する画像表示フレーム設定情報を変更する。
【0024】
操作部12は、デジタルフォトフレーム装置10の背面側に設けられた複数の操作ボタン12−1と、これらの操作ボタンにユーザが接触したことを検知するためのセンサ12−2と、から構成される。
【0025】
また、複数の操作ボタンは、表示部11にメニュー画面を表示させるためのメニューボタン、スライドショー再生を止めるための画面消去ボタン、通常のスライドショー再生に戻すための戻るボタン、設定項目を選んだり画像データを切り換えるために次の画像データを再生したりするための次へボタン、設定項目を選んだり1つ前の画像データを再生したりするための前へボタン、設定項目を選んだり画像データを回転させたりするための回転ボタン、設定項目を選んだり表示部11の明るさを調節したりするための明るさボタン、スライドショー再生を一時停止させたり選択した設定を確定させたりするための決定ボタンなどから構成されている。
【0026】
ここで、表示部11は、前述のようにタッチパネル機能を有するものであるから、上記の操作ボタンを、ソフトキーのように表示部12に表示し、ユーザがこれらの操作ボタンにタッチしたことを検知して、指定された処理を実行するように構成することもできる。同様に種々のメニュー画面を表示部11に表示してタッチ操作によるメニュー選択を可能とすることもできる。タッチパネルコントローラ11−4は、ソフトキー表示やメニュー画面表示に応じて、タッチ操作を検出するように構成される。ユーザのタッチ操作を検知するためのセンサには、例えば、静電容量式あるいは感圧式のタッチセンサなどを用いることができる。
【0027】
制御部19は、上記の各操作ボタンの操作を検出し、あるいは、タッチパネルコントローラ11−4の検出結果に基づいて画像の表示などの制御を行う。例えば、特定の画像表示フレームが指定され、表示すべき画像が指定にされると、メモリカードなどから読み出したデジタル画像データ(例えば、JPEGファイル)がLCDモジュール11−1に再生表示される。従って、制御部19は、表示制御手段としての機能を有する。
【0028】
内蔵メモリ13は、タッチバネルを用いてユーザにより設定された画像表示フレームに関する位置座標等の情報(画像表示フレームの設定情報)を記憶し、設定された画像表示フレームを登録、管理する画像表示フレーム登録手段として機能する。また、デジタルフォトフレーム装置10に保存された画像データの管理リストを記憶する。
【0029】
また、内蔵メモリ13は、後述する制御部19がプログラム実行中に一時的に保持する必要の生じたデータが保存されるワーク用メモリや、メモリカードなどから読み出された画像データや音楽データ(例えば、MP3形式の音楽ファイル)が保存されるユーザ領域などからなるフラッシュメモリなどを有している。なお、内蔵メモリ13を、ハードディスクユニットを有する構成とすることもできる。
【0030】
画像データや音楽データは、SDメモリカードなどの可搬型記憶媒体からコピーすることによって得てもよいし、WLANを介して所定のサーバからダウンロードすることによって得てもよい。内蔵メモリ13に保存した画像データや音楽データ(例えば、MP3形式の音楽ファイル)は、前述の管理リストに登録され、ユーザは当該管理リストを用いて出力するデータを選択することができる。例えば、管理リストから、表示部11に表示させる特定の画像データを選択すると、選択された画像データが読み出され、表示部11に表示される。
【0031】
外部メモリインターフェース14は、SDメモリカードやメモリースティックを差し込むためのスロット24を備え、差し込まれたメモリカードの読み書きを行うSDアダプタ4−1、差し込まれたメモリースティックの読み書きを行うMSアダプタ14−2や、USBメモリを差し込むためのポート25を備えたUSBコネクタ14−3などから構成されている。
【0032】
フォトセンサー15は、表示部11の輝度や明るさを自動調節するために周囲の明るさを検知するためのものであり、検知された制御信号は制御部19へ出力される。このフォトセンサー15は、デジタルフォトフレーム装置10の前面側に設けることがより望ましい。
【0033】
電源制御部16は、デジタルフォトフレーム装置10内の各部に対して電力の供給を行う。供給される電力は、電源アダプタを介して外部電源から得るようにしてもよく、あるいはデジタルフォトフレーム10内に設けた充電池(図示せず)などから得るようにしてもよい。
【0034】
データ通信モジュール17は、無線通信でデータの送受信を行うWLANモジュール17−1や、赤外線を利用して近距離データ通信を行うSIR(Serial IrDA)モジュール17−2などから構成されている。音声出力部18は、メモリカードなどから読み出された音楽データを再生して出力するために、D/Aコンバータ(DAC)、アンプ、スピーカーなどから構成されている。
【0035】
制御部19は、マイクロプロセッサを主たる構成要素とし、一般的なコンピュータ装置と同様に各種クロックパルスを生成して、フラッシュメモリに格納されている制御プログラムに基づき各部動作を制御する。また、ワーク用メモリには、プログラム実行中に一時的に保持する必要の生じたデータを保存する。
【0036】
また、制御部19は、操作部12からの操作入力に応じて、スロット(図示せず)に差し込まれたSDメモリカードやメモリースティックに画像データとして記録されているJPEG形式の画像ファイル(JPEGファイル)を内蔵メモリ13のユーザ領域へコピーして保存したり、SDメモリカードなどの画像データや内蔵メモリ13に保存されている画像データを表示部11にスライドショー再生させたりする。
【0037】
さらに、制御部19は、操作部12からの操作入力に応じてスロットに差し込まれたSDメモリカードやメモリースティックに音楽データとして記録されているMP3形式の音楽ファイル(MP3ファイル)を内蔵メモリ13のユーザ領域へコピーして保存したり、SDメモリカードなどの画像データや音楽データ、内蔵メモリ13に保存されている画像データや音楽データを再生させて表示部11に表示したり、音声出力部18から出力させたりする。
【0038】
次に、先に述べた画像表示フレームの設定(登録)について説明する。図3は、本発明の実施例に係る画像表示フレームの設定、登録の概念を示す模式図であり、図3(a)は、表示画面を分割する概念、図3(b)は、任意の形状の画像表示フレームを設定する概念を示す模式図である。
【0039】
ユーザは、デジタルフォトフレーム装置10に複数の画像表示フレームを設定、登録する場合には、図示しないメニュー項目から、画像表示フレームの設定を選択し、表示部11の画面を指でタッチして任意の線や閉じた形状を連続して描くことで、画像の表示領域(画像表示フレーム)を設定する。例えば、表示部11の画面を分割して複数の画像表示フレームを設定する場合、図3(a)に示すように、指で画面をタッチして連続的な線21を引くことで、画面を画像表示フレームAと画像表示フレームBに分割される。線21が2つの画像表示フレームの境界であり、タッチパネルコントローラ11−4は、画面をタッチしてなぞられた線21の座標を所定の間隔で離散的に位置座標を算出して、画像表示フレームA、Bの形状、位置を特定し、内蔵メモリ13に記憶する。
【0040】
設定された画像表示フレームA、Bには、それぞれ他の画像表示フレームと識別するため、画像表示フレーム識別情報(例えば、ID番号)が付与され、タッチパネルコントローラ11−4が算出した位置座標が内蔵メモリ13に記憶される。画像表示フレームA、Bに付与するID番号は、ユーザが設定するようにしてもよく、画面の左側または上側から順に、あるいは、右側または下側から順に、制御部19がID番号を自動的に付与するようにしてもよい。
【0041】
また、任意の形状の、複数の画像表示フレームを設定する場合には、図3(b)に示すように、指で画面をタッチして連続的になぞり所望の形状22を描き、次いで、画面から指を一度離して、再度、画面をタッチして連続的になぞり所望の形状23を描き、画像表示フレームBとCを設定する。設定された画像表示フレームB、C以外の部分を画像表示フレームAとしてもよい。そのようにすれば、画像表示フレームAにユーザが所望する背景画像や壁紙の画像を表示することができるようになる。タッチパネルコントローラ11−4は、画面をタッチしてなぞられた形状22、23の座標を所定の間隔で離散的に位置座標を検出して、画像表示フレームB、Cの形状、位置を特定し、内蔵メモリ13に記憶する。登録された画像表示フレームA、B、Cに付与する画像表示フレーム識別情報(例えばID番号)は、ユーザが設定するようにしてもよく、指でタッチしてなぞられた形状の順に番号を自動的に付与するようにしてもよい。その際、設定された画像表示フレームB、C以外の部分を画像表示フレームAは、最も若い番号をID番号として付与するようにしておけばよい。
【0042】
1画面に表示できる画像表示フレームの数はある程度限られた数になるから、設定、登録した画像表示フレームの数が多い場合には、1画面に表示する画像表示フレームのセットをグループ化しておき、画像表示フレームのグループを特定して画像を表示することもできる。グループは、ユーザがフォトフレーム装置に保存する画像のジャンル(カテゴリ、例えば、家族、風景、趣味などと対応付ければ、ユーザが保存する画像をジャンル別に表示させることができるようになる。
【0043】
このようにして設定した複数の画像表示フレームは、画像表示フレームに画像を表示させた状態で、あるいは、変更、更新メニューを選択して画像表示フレームを画面に表示し、任意の修正、変更を加えることが可能である。例えば、図3(b)に示した画像表示フレームB、Cを表示し、特定の画像表示フレームの領域の中を1本指でタッチ(1点をタッチ)し、タッチした指を移動させた移動量、移動方向に基づいて、当該画像表示フレームを移動することができる。タッチパネルコントローラ11−4は、このようなタッチ操作を検出して移動方向および移動量に応じた座標算出を行ない、画像表示フレームの登録情報の座標を更新すればよい。また、特定の画像表示フレームの形状の領域内を2本の指でつまみ(2点をタッチし)、その指の間隔を広げ、または、狭める(2点間の距離を広げまたは狭める)操作を検出し、当該画像表示フレームを拡大、縮小することもできる。
【0044】
図4は、以上のようにして設定され、内蔵メモリ13に記憶された画像表示フレームの設定情報(画像表示フレームのリスト)の一例を示す図であり、図3(b)に示す画像フレームA〜Cの3つが登録された例を示している。各表示画像フレームA〜Cにはそれぞれ画像表示フレーム識別情報が付与されている。図4では、画像表示フレームAから順にF01〜F03の画像表示フレーム識別情報が付与されている。画像表示フレームをタッチ操作により設定した際に、タッチパネルコントローラが検出したx・yの位置座標が位置座標群に記憶され、当該画像表示フレームに表示する画像の表示期間が設定できるようになっている。表示期間は図4に示すように表示開始年月日(時刻を含んでもよい)と、開始終了年月日(時刻を含んでもよい)を画像表示フレーム毎に設定するようになっている。なお、表示期間の設定は図4の例に限られず、月単位としてもよいし、季節単位(春夏秋冬)としてもよい。
【0045】
一方、内蔵メモリ13に保存されている画像データは、図5に示すような管理リストによって管理される。図5に示す管理リストでは、内蔵メモリ13に保存した表示画像データP1〜PZについて、データの保存場所(メモリアドレス)、各画像の属するカテゴリ、例えば、家族、友人、風景、趣味などのカテゴリ(カテゴリはユーザが任意に設定できるようにしてもよい)と、その画像をどの画像表示フレームA〜Cの何れに表示するかを設定することができるようにしている。表示する画像データと画像表示フレームとは画像データに画像表示フレーム識別情報(図4のF01〜F02)を設定して対応づけできるようにしている。画像表示フレームとそのフレームに表示する画像との管理情報は図4、図5に示す例に限られるものではなく、例えば、図4の画像表示フレームの設定情報に当該画像表示フレームに表示する画像データの画像表示フレーム識別情報を記憶して関連付けする方法であってもよい。
【0046】
次に、画像表示フレームの登録、画像表示フレームの表示データの設定の手順について、図6〜図8に示すフローチャートを参照して説明する。図6は、画像表示フレームの設定、登録処理の手順を示すフローチャート、図7は、画像表示フレームの設定内容の更新(変更)の手順を示すフローチャートで、図8は、画像表示フレームに対する表示期間、表示画像データの設定手順を示すフローチャートである。
【0047】
初めに、図6のフローチャートを参照しても画像表示フレームの設定(登録)手順について説明する。まず、タッチパネルコントローラ11−4は、表示部11の画面にタッチする操作があったか否かを検出する(ステップS101)。タッチ操作を検出すると(ステップS101のYES)、座標の移動があったかを判別し(ステップS102)、座標の移動がなければステップS101の処理に戻る。
【0048】
座標の移動が判別されたらタッチパネルコントローラ11−4は位置座礁を算出し、算出した位置座標を一時記憶して(ステップS103)、ステップS101の処理に戻る。これを繰返し、画面を連続的になぞられた一連の位置座標の算出行う。指が画面から離れてタッチが検出されなくなると(ステップS101のNO)、ステップS104の処理で領域(画像表示フレームの領域)が有効か否かを判別する。タッチ操作が正常(例えば、所定時間以上画面上から指が離れたことがなく)、図3に示すような線21や形状22、23が途切れることなく操作され、有効である場合には、図4に示すように、検出した領域(画像表示フレーム)に、画像表示フレーム識別情報を付与して内蔵メモリ13に画像表示フレームを記憶して(ステップS106)、処理を終了する。正常にタッチ操作が行われていないと判別された場合には、無効領域として登録を行わず(ステップS105)、処理を終了する。
【0049】
次に、図7に示すフローチャートを参照して、画像表示フレームの設定内容の更新(変更)の手順を説明する。
【0050】
画像表示フレームの変更、更新のメニュー項目が選択されると、表示画面に、既に登録された複数の画像表示フレーム、例えば、図3(b)に示した画像表示フレームB、Cが表示される(ステップS201)、ユーザが表示画面に表示された画像表示フレームB、Cのうち、移動したい特定の画像表示フレームの領域の中を指でタッチして選択する(ステップS202)。タッチパネルコントローラ11−4が、このタッチ操作を検出する(ステップS203)と、移動対象の画像表示フレームを特定し、タッチした指を移動する操作が継続中か(指を離すことなく画面上を移動する操作が継続しているか)を判別する(ステップS204)。継続中であれば、ステップS204の判別処理を繰返す。
【0051】
指の移動が停止すると(ステップS204のNO)、タッチパネルコントローラ11−4は、指の移動が継続されていた間の移動量、移動方向に基づいて、当該画像表示フレームの位置座標を算出し(ステップS205)、算出された位置座標で、内蔵メモリ13に記憶された画像表示フレームの設定情報の位置座標(図4参照)を書き換えて更新する(ステップS206)。
【0052】
一方、ユーザが表示画面に表示された画像表示フレームB、Cのうち、特定の画像表示フレームを拡大または縮小したい場合、当該特定の画像表示フレームの領域の中を2本の指でタッチして指の間隔広げ(拡大)または狭める(縮小)操作を行う。ステップS203で移動操作を検出しない場合(ステップS203のNO)、タッチパネルコントローラ11−4は、タッチされた2本の指による上記の拡縮操作があったか否かを検出する(ステップS207)。拡縮操作が検出されない場合は処理を終了する。
【0053】
拡縮操作が検出されると(ステップS207のYES)、タッチした2本の指の間隔を広げ、又は、狭める操作が継続中か(2本の指を離すことなく画面上を移動する操作が継続しているか)を判別する(ステップS208)。継続中であれば、ステップS208の判別処理を繰返す。
【0054】
指の移動が停止すると(ステップS208のNO)、タッチパネルコントローラ11−4は、指の拡縮操作が継続されていた間の移動量に基づいて、当該画像表示フレームの位置座標を算出し(ステップS209)、算出された位置座標で、内蔵モリ13に記憶された画像表示フレームの設定情報の位置座標(図4参照)を書き換えて更新して(ステップS210)、処理を終了する。
【0055】
次に、図8に示すフローチャートを参照して、画像表示フレームに表示期間を設定し、表示する画像データの設定手順を説明する。
【0056】
画像表示フレームの表示期間の設定、表示する画像データの設定のメニュー項目が選択されると、表示画面に、既に登録された複数の画像表示フレーム、例えば、図3(B)に示した画像表示フレームB、Cが表示され、ユーザが表示画面に表示された画像表示フレームB、Cのうち、表示期間を設定したい特定の画像表示フレームの領域の中を指でタッチして選択する(ステップS301)と、画面には選択された画像表示フレームの設定情報が表示される(ステップS302)。
【0057】
ユーザが表示期間登録を選択して(ステップS303のYES)、操作部12からユーザ入力により表示開始,終了の年月日(必要に応じて時刻)が設定されると(ステップS304)、設定が有効か否か(例えば、設定されたデータに論理矛盾がないか否か)判別し、設定が有効でなければ(ステップS305のNO)処理を終了する。設定が有効であれば(ステップS305のYES)、設定した表示期間を画像表示フレームの設定情報に記憶(登録)して(ステップS306)、ステップS307の処理に進む。ステップS203の処理で、ユーザの表示期間登録が選択されない場合(ステップS303のNO)は、ステップS307の処理に進む。
【0058】
ユーザが表示画像データの設定を選択すると(ステップS307のYES)、画像データの管理リスト(図5参照)が表示され(ステップS308)、ユーザが表示期間を設定した画像表示フレームに表示させたい画像データを選択すると(ステップS309)、選択された画像データが有効であるか、否かが判別される(ステップS310)。画像データが有効でなければ処理を終了し、有効であれば、選択した画像データと画像表示フレームとが対応付けられ(図5参照)、管理リストに登録される(ステップS311)。
【0059】
なお、以上説明した実施例は、画像表示装置としてデジタルフォトフレーム装置を例にとり説明したが、本発明はデジタルフォトフレーム装置に限られるものでなく、IP電話装置やコードレス電話装置の表示機能を用いてデジタルフォトフレームの機能を付加することもできる。電話装置がカメラを有するテレビ電話の機能を有していれば、電話装置のカメラで撮影した画像、あるいは、通話相手から取得した画像を保存し、デジタルフォトフレーム機能を用いて表示するように構成することも出来る。また、表示部へのタッチ操作として指での操作を説明したが、これ以外にタッチペンを使用しても同様な操作が出来る。
【0060】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、タッチパネル機能を用いて任意の位置に複数の任意の形状の画像表示フレームを設定できるように構成すれば、画像表示フレームの配置位置、領域、表示形状等の制限を受けないユーザのオリジナルの画像表示が可能になる。また、各領域のデータ毎にタイムテーブルを持たせることで自動的にデータを変更して登録した複数の画像表示フレーム毎に、当該画像表示フレームに表示する画像の表示期間を設定(タイムテーブルを設定)できるので、所望のタイミングで、画像表示フレームに所望の画像を表示することができる。例えば、図3(b)の画像表示フレームに背景画像を表示させ、季節に応じた背景画像に切り換えることができる。また、画像表示フレームBにカレンダを表示させておき、カレンダにスケジュールを登録しておけば、カレンダの日時が到来すると、カレンダ表示をスケジュール表示に切り換えて表示することで、ユーザにスケジュール内容を報知できるようになる。
【符号の説明】
【0061】
10・・・・デジタルフォトフレーム
11・・・・表示部
11−1・・・・LCDモジュール
11−2・・・・LED
11−3・・・・LEDバックライトコントローラ
11−4・・・・タッチパネルコントローラ
12・・・・操作部
12−1・・・・操作ボタン
12−2・・・・センサ
13・・・・内蔵メモリ
14・・・・外部メモリインターフェース
14−1・・・・SDアダプタ
14−2・・・・MSアダプタ
14−3・・・・USBコネクタ
15・・・・フォトセンサー
16・・・・電源制御部
17・・・・データ通信モジュール
17−1・・・・WLANモジュール
17−2・・・・SIRモジュール
18・・・・音声出力部
19・・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された形状の画像表示フレームに、選択された画像データを表示する表示部を有する画像表示装置であって、
タッチパネルを有する表示部と、タッチパネルコントローラと、画像表示フレームに関する設定情報を記憶する画像表示フレーム登録手段と、を備え、前記タッチパネルコントローラは、画面上をタッチしてなぞられた任意の形状を示す位置座標を算出し、制御部は、前記タッチパネルコントローラが算出した位置座標を、画像表示フレーム識別情報とともに前記画像表示フレーム登録手段に記憶することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
登録された複数の画像表示フレームを前記表示部に表示し、前記タッチパネルコントローラは、表示された画像表示フレーム内の1点をタッチし、タッチした指を移動させて移動する操作、または、表示された画像表示フレーム内の2点をタッチし、タッチした指の間隔を広げまたは狭めて2点間の距離を変更する操作を検出し、前記操作量に基づいて前記登録された画像表示フレームの変更された位置座標を算出し、制御部は、前記タッチパネルコントローラが算出した位置座標に基づいて、前記画像表示フレーム登録手段に記憶された画像表示フレームに関する情報を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記画像表示フレーム登録手段は、登録された画像表示フレーム毎に、当該画像表示フレームに表示する画像の表示期間を示す表示期間情報を記憶可能であり、前記表示期間情報に基づいて、前記選択された画像データを当該画像表示フレームに表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記画像表示装置は、さらに、前記画像表示フレームに表示する画像の画像データを管理する管理リストを有し、前記画像表示フレーム登録手段に登録された複数の画像表示フレーム毎に、当該画像表示フレームに表示すべき画像の画像データを対応付け可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−159898(P2012−159898A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17525(P2011−17525)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】