説明

画像表示装置

【課題】 必要以上の広い視野角を持つことによるエネルギーの無駄をなくし、以て省エネに貢献することができる狭視野角の画像表示装置を提供する。
【解決手段】焦点距離fの凸レンズ手段12と、凸レンズ手段12の入射面14側に設けた入射面からほぼaの距離にアイリス面がある投射光学系10と、上記入射面14に画像を結像できる透過型画像表示手段(液晶パネル)8を備え、凸レンズ手段12の出射面16から(1/a) +(1/b) = 1/fの等式を満たす距離bに空間結像アイリス面18が生じるようにしてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察者の画像視認位置という限られた狭い領域にのみ画像を送ることが可能であって、その領域外に画像を送ることによる無駄な電力消費を回避して省エネを図ることができる画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種表示装置は、一般に、一つの表示画像を、表示画面に対して互いに異なる角度に位置する多くの観察者に対して視認できるようにしている。即ち、比較的広視野角で解像度を高く、コントラクトも良好にすることが、基本的設計思想であり、その広視野角実現のため拡散手段(例えば拡散フィルム)を用いたものが多かった。
【0003】
特開2007−183498号(特許文献1)にはそのような拡散フィルムや投射システムが紹介されており、図13はそのような拡散フィルムの一例を示すものである。同図(a)〜(c)は同じ角度で一つのレンズ(入射側レンズ)に入射した光はそれぞれその角度に対応した位置に集光し、そして、その各位置に集光した光は上記レンズの焦点位置に配置された別のレンズ(出射側レンズ)にてある角度範囲で拡散される原理を示している。(d)はその上記二つのレンズを一体化した拡散フィルムの断面図である。
【0004】
このような拡散フィルムを駆使することによって、入射側のレンズの働きにより入射角度に応じた位置に集光した画像を構成する光を、出射側のレンズにてある範囲で拡散させることができるので、その拡散角度範囲に位置する観察者全員に画像を視認させることができる。
従って、このような拡散フィルムを用いた表示装置は、その拡散角度を適宜に設定することにより広い角度範囲に渡って視認ができるようにし、以て、広視野角を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−183498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、表示装置には、広視野角であることが要求されるものだけがあるだけではない。つまり、狭視野角であっても差し支えないものもある。
例えば、旅客機等の各客席毎に設けられるテレビジョン用ディスプレイ、或いは個人向け小型テレビジョン、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末等のディスプレイがそれである。
【0007】
これ等のディスプレイは、基本的に、それを観るのは一人であり、その人のみに観えれば良いものである。極論すれば、その一人の人間の両眼が存在する狭い領域に対して画像光を送ることができれば良いと言える。
しかしながら、そのような狭視野角でも良いディスプレイであっても、最小限必要な視野角よりも相当に広い視野角を有するのが普通であり、従来、視野角を広くする技術開発は盛んに行われてきたが、不必要に視野角を広めることがないように視野角を狭めるという技術開発は行われてこなかった。
【0008】
というのは、必要以上に視野角を広めることは無駄な電力消費をもたらし、省エネの精神に反するという認識が表示装置の開発技術者に存在しなかったからである。
元来、表示装置がそれに要求される視野角よりも広い視野角を有するとすると、その広い分、無駄に画像を出力していることになる。例えば、一人の人間の両眼に画像を出力できれば良いのに、数人の人間が同時に視認できる領域に画像を出力する特性を有しているとすると、その数人マイナス1人が視認できる領域への画像出力はまったくの無駄になるのである。これは、当然に、画像表示をするために作り出す光の無駄等を生み出し、エネルギーの無駄をもたらす。
【0009】
このような無駄の存在には多くの技術者が気づいていないが、本願の発明者は、東日本大震災による福島原発事故による計画停電の実施、大企業への節電の法制化、小企業、一般家庭への節電の要請等から、表示装置の視野角が必要以上に広いことによる無駄な電力消費に気づき、そのような無駄を無くす必要性を認識するに至った。
そして、本願発明者は、その無駄をなくすべく思考し、実験を重ね、本發明を為すに至った。
即ち、本發明は、狭視野角の画像表示装置を提供することにより、必要以上の広い視野角を持つことによるエネルギーの無駄をなくし、以て省エネに貢献することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の画像表示装置は、焦点距離fの凸レンズ手段と、この凸レンズ手段の入射側に入射面からほぼaの距離にアイリス面がある投射光学系と、上記入射面に画像を結像できる画像表示手段を備え、上記凸レンズ手段の出射面から(1/a) +(1/b) = 1/fの等式を満たす距離bに空間結像アイリス面が生じるようにされたことを特徴とする。
請求項2の画像表示装置は、請求項1の画像表示装置において、前記画像表示手段の入射側には、光源と、この光源から出射された光を受けるホモジェナイザーを少なくとも備え、上記画像表示手段の出力側に前記投射光学系が位置せしめられたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の画像表示装置は、請求項2の画像表示装置において、前記ホモジェナイザーとして、ロッドライクインテグレータ及び入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたもののいずれか一方又は双方が用いられたことを特徴とする。
請求項4の画像表示装置は、請求項2の画像表示装置において、前記ホモジェナイザーとして、フライアイレンズ及び入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたもののいずれか一方又は双方が用いられたことを特徴とする。
【0012】
請求項5の画像表示装置は、請求項2の画像表示装置において、前記ホモジェナイザーとして、前記光源と透過型の画像表示手段との間に、互いに焦点距離が等しいレンズが一対その焦点距離と等しい距離離間して配置されたものと、入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたものとが、設けられたことを特徴とする。
【0013】
請求項6の画像表示装置は、請求項1の画像表示装置において、前記画像表示手段として、前記投射光学系の入射側にディジタルミラーデバイスが設置され、このディジタルミラーデバイスの入射側に光源とこの光源から出射された光の位置的及び角度的のいずれか一方又は双方の均一性を高めるホモジェナイザーを備えたことを特徴とする。
請求項7の画像表示装置は、請求項1、2、3、4、5又6の画像表示装置において、前記凸レンズ手段としてフレネルレンズ(非軸も含む)が用いられたことを特徴とする。
【0014】
請求項8の画像表示装置は、請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の画像表示装置において、凸レンズ手段の出射面に、拡散手段が設置されたことを特徴とする。
請求項9の画像表示装置は、請求項1、2、3、4、5、6又は7の画像表示装置において、前記凸レンズ手段の出射面に反射手段が設けられ、入射面側にアイリス面を結像させるようにされたことを特徴とする。
請求項10の画像表示装置は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の画像表示装置において、前記画像表示手段として、プロジェクタが用いられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の画像表示装置によれば、焦点距離fの凸レンズ手段の入射側に、その入射面から距離a離間した位置にアイリス面を有する投射光学系を有し、そして、凸レンズ手段の入射面に上記投射光学系を介して画像を表示できる画像表示手段を有するので、上記凸レンズ手段の出射面から等式(1/a)+(1/b)=1/fを満たす距離b離間した位置にアイリス面ができる。
従って、このアイリス面から上記凸レンズ手段の出射面を見れば、b/a倍に拡大された画像を視認することができる。
そして、画像表手段として拡散特性を有しない或いは少ないもの例えばバックライトを有しない低拡散性の液晶パネル或いはディジタルミラーデバイスを用いることにより、視野角を狭くすることができ、延いては、省エネを実現することができる。
【0016】
請求項2の画像表示装置によれば、画像表示手段の入射側に光源から出射された光の角度的及び位置的(空間的)均一性の一方又は双方を高めるホモジェナイザーを有するので、画像表示手段に入射される光源からの光の角度的及び位置的(空間的)均一性の一方又は双方を高めることができる。
従って、画像表示手段により表示される画像の画質、その品位を高めることができる。
【0017】
請求項3の画像表示装置によれば、前記ホモジェナイザーとして、ロッドライクインテグレータ及び入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたものの双方又は一方を設置したので、光強度の位置的(空間的)及び角度的均一性の双方又は何れか一方を高めることができ、画像表示手段に入射する光のムラを小さくすることができる。
即ち、ホモジェナイザーとしてロッドライクインテグレータを用いたものによれば、光強度の位置的(空間的)均一性を高めることができる。
【0018】
また、ホモジェナイザーとして、入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたものを用いれば、光強度の位置的(空間的)均一性を高めることができる。
【0019】
従って、請求項3の画像表示装置によれば、光強度の位置的(空間的)及び角度的均一性の少なくとも一方或いは両方を高めることができる。
依って、画像表示手段に入射する光のムラをより少なくすることができ、延いては極めて画像の品位をよくすることができる。
【0020】
請求項4の画像表示装置によれば、ホモジェナイザーとして、フライアイレンズ及び入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたものの一方又は双方を用いたので、画像表示手段に入射する光のムラを極めて小さくすることができる。
即ち、ホモジェナイザーとしてフライアイレンズを用いたものによれば、光強度の位置的(空間的)均一性を高めることができる。また、ホモジェナイザーとして入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたものを用いれば、上記拡散フィルムを一又は複数枚重ねたものによって光強度の角度的均一性を強めることができる。
従って、画像表示手段に入射する光にムラをより少なくすることができ、極めて良好な画像形成ができる。
【0021】
請求項5の画像表示装置によれば、ホモジェナイザーとして、同じ焦点距離を有し、その焦点距離と同じ距離離間して位置されたレンズ対からなる、光強度の位置的(空間的)均一性を有するリレーレンズを用いたので、光強度の均一性を高めることができる。
【0022】
請求項6の画像表示装置によれば、画像表示手段として、投射光学系のアイリス面からほぼ前記焦点距離だけ離れた位置に画像表示手段を成すディジタルミラーデバイスを設置したので、ディジタルミラーデバイスを画像表示手段として画像表示装置に用いることができる。
そして、画像表示手段としてのディジタルミラーデバイスに照明光として光源からの光を入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたものに通し、光強度の角度的均一性を高めた光を用いるので、ディジタルミラーデバイスにより表示される画像の品位を高めることができる。
【0023】
請求項7の画像表示装置によれば、前記凸レンズ手段をフレネルレンズ(非軸も含む)としたので、凸レンズ手段として凸レンズを用いた場合に比較して、凸レンズ手段を薄くすることができ、画像表示装置の厚みも薄くすることができる。
請求項8の画像表示装置によれば、凸レンズ手段の出射面に拡散手段を設置したので、空間結像アイリス面に結像する光をその拡散手段により拡散させることができ、延いては、空間結像アイリス面を拡げることができる。
従って、アイリス面の拡がりをその拡散手段により調節することができる。
即ち、画像表示手段として、例えばバックライトのない拡散性の無い或いは少ない液晶パネル或いはディジタルミラーデバイスを用いると、空間結像アイリス面の広さが不充分の場合があり得るが、そのような場合には、拡散手段(例えば拡散フィルム)により光を拡散させて空間結像アイリス面を適宜広くすることができ、空間結像アイリス面が狭くなりすぎないようにすることができる。
【0024】
請求項9の画像表示装置によれば、凸レンズ手段の出射面に反射手段を設け、入射面側にアイリス面を結像させるようにしたので、反射型(フロント型)の画像表示装置を提供することができる。
請求項10の画像表示装置によれば、画像表示手段としてプロジェクタを用いたので、プロジェクタからの画像光を画像表示する画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明画像表示装置の第1の実施例を示す断面図である。
【図2】本発明画像表示装置の第2の実施例を示す断面図である。
【図3】(A)〜(C)は本発明画像表示装置の第1の実施例に潜む改良可能な微細な問題点を示すもので、(A)は装置全体を示す断面図、(B)はロッドライクインテグレータの入射面における光強度分布を示し、(C)はロッドライクインテグレータの出力面における光強度分布を示す。図において、θは入力面における光軸中心からのずれ(角度)を示し、xは出力面における光軸中心からのずれ(距離)を示し、θ方向、x方向と直交する軸は光強度を示す。
【図4】本発明画像表示装置の第2の実施例に潜む改良可能な微細な問題点を示す断面図である。
【図5】(a)は入射角無依存トップハット的均一拡散特性を有する拡散フィルムの拡散特性を示す図、(b)は通常の拡散フィルムの拡散特性を示す図、(c)は光源(LED)からの光を受けるロッドライクインテグレータとその出力面に設けた入射角無依存トップハット的均一拡散特性を有する拡散フィルムからなるホモジェナイザーの拡散光を示す図、(d)は光源(LED)からの光を受けるロッドライクインテグレータとその出力面に設けた通常の拡散フィルムからなるホモジェナイザーの拡散光を示す図である。
【図6】本発明画像表示装置の第3の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明画像表示装置の第4の実施例を示す断面図である。
【図8】本発明画像表示装置の第5の実施例を示す断面図である。
【図9】本発明画像表示装置の第6の実施例を示す断面図である。
【図10】本発明画像表示装置の第7の実施例を示す断面図である。
【図11】本発明画像表示装置の第8の実施例を示す断面図である。
【図12】本発明画像表示装置の第8の実施例を、外形については斜視図にて、筐体内部については断面図にて示す図である。
【図13】従来において広視野角実現のため拡散手段(例えば拡散フィルム)を用いた技術である特許文献1により紹介された拡散フィルムの一例を示すものである。同図(a)〜(c)は同じ角度で一つのレンズ(入射側レンズ)に入射した光はそれぞれその角度に対応した位置に集光し、そして、その各位置に集光した光は上記レンズの焦点位置に配置された別のレンズ(出射側レンズ)にてある角度範囲で拡散される原理を示している。(d)はその上記二つのレンズを一体化した拡散フィルムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明画像表示装置は、基本的に、画像表示手段と、この画像表示手段により表示された画像を投射する投射光学系と、凸レンズ手段を備え、この凸レンズ手段の出射側に空間結像アイリス面が生じるようにしたものであるが、画像表示手段としては、光拡散性のない或いは少ないことが必須であり、バックライトの無い液晶パネル、或いはディジタルミラーデバイスが好適である。
【0027】
画像表示手段に画像形成のための照明光として入射する光は、光強度の均一性を高めることが好ましく、光強度の均一性を高めるものがホモジェナイザーである。
光強度の均一性には、位置的(空間的)均一性と、角度的均一性があり、位置的(空間的)均一性を高めるホモジェナイザーとしてロッドライクインテグレータ、同じ焦点距離を有し、その焦点距離離間して配置した一対のフライアイレンズ、リレーレンズがある。
【0028】
また、角度的均一性を高めるホモジェナイザーとして、入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたものがある。
従って、位置的(空間的)均一性を高めるには、ロッドライクインテグレータ、フライアイレンズ、リレーレンズ等によるホモジェナイザーが好適であるが、角度的均一性を高めるためには入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたものが好適であるが、最も好ましいのは、位置的(空間的)均一性を高めるホモジェナイザーと角度的均一性を高めるホモジェナイザーの両方を設けることである。
【0029】
光源としては、普通の白色光源を用いるようにしても良いが、RGB各原色の光を一定の順序で照射することを一定の周期で繰り返す三原色光源を用いるようにしても良い。このように三原色光源を用いた場合には、白黒タイプの画像表示手段を用いてもカラー画像の表示をする画像表示装置を提供することができる。
また、凸レンズ手段として普通の凸レンズではなく、フレネル状(非軸のものでも良い。)の凸レンズを用いても良い。
【0030】
また、凸レンズ手段の出射面に拡散フィルムを設置したので、空間結像アイリス面に結像する光をその拡散フィルムにより拡散させることができ、延いては、空間結像アイリス面を拡げるようにし、アイリス面を小さくなりすぎないようにすることもできる。
そして、凸レンズ手段の出射面に反射手段を設け、入射面側にアイリス面を結像させるようにし、反射型(フロント型)の画像表示装置を提供するようにしても良い。
更に、画像表示手段としてプロジェクタを用い、プロジェクタからの画像光を画像表示するようにしても良い。
このように、本発明は種々の態様で実施することができ、種々の変形例があり得る。
【実施例】
【0031】
(第1の実施例)
図1は本発明画像表示装置の第1の実施例1aを示す断面図である。
図において、2は光源(例えば発光ダイオードLED)、4はその光源2からの光の強度の位置的(空間的)均一性を高めるホモジェナイザーとしての役割を果たすロッドライクインテグレータである。6a、6bはこのロッドライクインテグレータ4の出射側に設けられたリレーレンズ、8はこのリレーレンズ6a、6bの出射側に設けられた透過型画像表示手段であり、本例では、バックライトがなく、拡散特性が無い又は少ない液晶パネルからなる。
【0032】
10は透過型画像表示手段8の出力側に設けられた投射光学系、12は凸レンズ手段を成すフレネルレンズ(非軸であっても良い。)であり、その焦点距離はfである。14はこの凸レンズ手段12の入射面、16は凸レンズ手段12の出射面であり、凸レンズ手段12は上記投射光学系10のアイリス面から出射側に距離a離間したところに位置しており、そして、凸レンズ手段12から出射側に等式(1/a)+(1/b)=1/fを満たす距離b離間した位置に空間結像アイリス面18が形成される。
【0033】
光源(例えば発光ダイオードLED)2から出射された光は、その強度分布の位置的(空間的)均一性がロッドライクインテグレータ4により高められ、リレーレンズ6a、6bにより例えば液晶パネルからなる透過型画像表示手段8に入射される。
透過型画像表示手段8に入射された光は光変調されて画像が形成されて投射光学系10により凸レンズ手段12に入射され、入射面14に結像される。
そして、上記空間結像アイリス面18から凸レンズ手段12の出射面を視ると、画像を視認することができる。
従って、このような実施例1aによれば、画像表示手段8としてバックライトがなく、拡散特性が無い又は少ない液晶パネルを用いているので、狭い限られた空間結像アイリス面18に画像が結像されるようにすることができ、視野角を小さくすることができ、延いては、省エネを実現することができる。
【0034】
(第2の実施例)
図2は本発明画像表示装置の第2の実施例1bを示す断面図である。
本実施例1bは、光源2からの光の位置的(空間的)強度分布の均一性を高めるホモジェナイザーとしてフライアイレンズ(焦点距離:fa)を1組20a、20b互いにその焦点距離fa離間するように対向させたもの(フライアイレンズホモジェナイザー)を用いている点で、第1の実施例1aとは異なるが、それ以外の点では共通し、共通する点については既に説明済みなので説明を省略する。尚、fbはリレーレンズ6a、6bの焦点距離であり、当然にリレーレンズ6aと6bとはその焦点距離fb離間している、
【0035】
このような実施例1bによれば、実施例1aの場合と同様に、アイリス面18に人が自分の眼(両眼)を位置させれば、透過型画像表示手段8を通過した光による結像画像を視認することができ、視野角を狭くすることができ、延いては、省エネを実現することができる。
【0036】
(第1の実施例の改良可能な微細な問題点)
図3は本発明画像表示装置の第1の実施例1aに潜む改良可能な微細な問題点を示す断面図であり、(A)は装置全体の構成を示し、(B)はロッドライクインテグレータ4の入射面における光強度分布を示し、(C)はロッドライクインテグレータ4の出力面における光強度分布を示す。図において、θは入力面における光軸中心からのずれ(角度)を示し、xは出力面における光軸中心からのずれ(距離)を示し、θ方向、x方向と直交する軸は光強度を示す。
【0037】
図1に示した第1の実施例1aは表示画像の品位に改良の余地があり、図3はその改良の余地のある点について説明している。
即ち、図1に示した第1の実施例1aにより比較的良好な画像再生が可能であるが、必ずしも完璧ではなく改良の余地がある。というのは、ホモジェナイザーとしてロッドライクインテグレータ4が用いられているが、それは光強度の空間的(位置的)均一性を高めるが、角度的均一性を高めることができないからである。従って、画像に高い品位が要求されない場合には問題がないが、より高い品位が要求される場合には、角度的にも均一性が得られるようにする必要が生じるのである。
【0038】
図3を参照して説明すると、図3(B)、(C)に示すように、光源2から光軸に沿って向かう光Aによる光強度分布と、光軸に対して或る方向に交差する向きの光Bによる光強度分布と、その方向と逆向きに交差する向きの光による光強度分布とが存在し、この光強度分布の合成されたものがロッドライクインテグレータ4から出力され、それ故、光の角度の違いによる光の不均一性が生じることを防げない。
その結果、空間結像アイリス面18には、光源2の光Aによる像Aと、或る方向に交差する向きの光Bによる像Bと、それと逆の方向に交差する向きの光Cによる像Cが生じ、光変調される光が強度分布の均一性を要求されるにも拘わらず光強度の均一性が損なわれ、延いては画像の品位をより高めることが妨げられる。
従って、より高い画像の品位を得るには、角度的均一性を得るようにすることが必要となる。その必要に応える技術的思想については後述する。
【0039】
(第2の実施例の改良可能な微細な問題点)
図4は本発明画像表示装置の第2の実施例1bに潜む改良可能な微細な問題点を示す断面図である。
第2の実施例1bにおいては、ホモジェナイザーとして、フライアイレンズを一対互いに距離fa離間したもの(フライアイレンズホモジェナイザー)20a、20bを用いており、このフライアイレンズを一対用いたもの20a、20bは、ロッドライクインテグレータと同様に、光強度の位置的(空間的)均一性を高めることができるが、角度均一性を高めることができないので、第1の実施例1aと同様に光源からの光による像が複数19、19、19できるという問題があり、光変調される光が強度分布の均一性を要求されるにも拘わらず光強度の均一性が損なわれ、延いては画像の品位をより高めることを妨げられる。
従って、より高い画像の品位を得るには、角度的均一性を得るようにすることが必要となる。その必要に応える技術的思想については後述する。
【0040】
(入射角無依存トップハット的均一拡散特性を有する拡散フィルム積層体)
図5(a)は入射角無依存トップハット的均一拡散特性を有する拡散フィルム積層体の拡散特性を示し、(b)はその拡散フィルム積層体をロッドライクインテグレータの出力面に設けた場合の拡散フィルム積層体の拡散特性を示し、(c)は通常の拡散フィルム積層体の拡散特性を示し、(d)はその通常の拡散フィルム積層体をロッドライクインテグレータの出力面に設けた場合の拡散フィルム積層体の拡散特性を示す。
その入射角無依存トップハット的均一拡散特性を有する拡散フィルム積層体は、例えば、本願出願人(国立大学法人東北大学)で開発されたDiffused Light Control−film(D.L.C.−film)を2枚拡散方向が互いに直交するように積層したものである。但し、図5(a)、(b)においては、D.L.C.−filmと標記した。
【0041】
その積層されたD.L.C.−filmは、図5(a)に示すように、入射角度無依存のトップハット的均一拡散特性を有するので、角度的に均一な特性を有するホモジェナイザーとしての役割を果たすことができ、拡散フィルム積層体の出力面からは空間的にも角度的にも均一な光が出射される。
依って、図5(b)に示すように、光源(LED)からの光の強度の空間的(位置的)均一性を得るホモジェナイザーである例えばロッドライクインテグレータの出力面にD.L.C.−filmを設けると、このD.L.C.−filmの出力面からは空間的にも角度的にも均一な拡散光を得ることができる。
【0042】
尚、通常の拡散フィルムは、図5(c)に示すように、入射角依存性を有する拡散特性を有するので、図5(d)に示すように、ロッドライクインテグレータの出力面に設けた場合には、角度的均一性に欠けた拡散光しか得られない。
以上のことから、図5(a)に示す入射角度無依存のトップハット的均一拡散特性を有する拡散フィルム積層体を、図5(b)に示すように、ロッドライクインテグレータの如き位置的(空間的)均一性を有するホモジェナイザーの出力面に設けると、位置的(空間的)にも角度的にも均一性の高い拡散光を得ることができる。
【0043】
従って、図5(a)に示すような入射角度無依存のトップハット的均一拡散特性を有する拡散フィルム積層体は、図3、図4に示した第1、第2の実施例の微細な問題点を解決するのに有効であることが明らかである。
図6、図7はそのように入射角度無依存のトップハット的均一拡散特性を有する拡散フィルム積層体を用いて位置的(空間的)のみならず、角度的にも光強度の均一性を高めた第3、第4の実施例を示すものである。
【0044】
(第3の実施例)
図6は本発明画像表示装置の第3の実施例1cを示す断面図である。
本実施例1cは、第1の実施例1aの画像表示手段2のロッドライクインテグレータ4の出力面に、入射角無依存のトップハット的均一拡散特性を有する拡散フィルム(上記Diffused Light Control−film(D.L.C.−film)を2枚拡散方向が互いに直交するように積層したもの、拡散フィルム積層体22を設けたものである。
【0045】
このように、拡散フィルム積層体22を設けることにより、画像形成のための光変調に供される光源からの光の光強度は、ロッドライクインテグレータ4により位置的(空間的)均一性が高められるに留まらず、拡散フィルム積層体22によって角度的均一性も高められる。
尚、本実施例1cは第1の実施例1aとは、拡散フィルム積層体22を有する点で異なるが、それ以外の点では共通し、共通する部分は既に説明済みであるので説明を省略する。
【0046】
(第4の実施例)
図7は本発明画像表示装置の第4の実施例1dを示す断面図である。
本実施例1dは、第2の実施例1bの画像表示手段2のフライアイレンズホモジェナイザー20a、20bの出力側で、透過型画像表示手段8の入射側に、入射角無依存のトップハット的均一拡散特性を有する拡散フィルム積層体22を設けたものである。
【0047】
このように、拡散フィルム積層体22を設けることにより、画像形成のための光変調に供される光源からの光の光強度は、フライアイレンズホモジェナイザー20a、20bにより位置的(空間的)均一性が高められるに留まらず、拡散フィルム積層体22によって角度的均一性も高められる。拡散フィルム積層体22は、リレーレンズ6a、6bと透過型画像表示手段8との間に配置されているが、リレーレンズ6a、6bとフライアイレンズホモジェナイザー20a、20bとの間、或いは、光源2とフライアイレンズホモジェナイザー20a、20bとの間に設けるようにしても良い。
尚、本実施例1dは第2の実施例1bとは、拡散フィルム積層体22を有する点で異なるが、それ以外の点では共通し、共通する部分は既に説明済みであるので説明を省略する。
【0048】
(第5の実施例)
図8は本発明画像表示装置の第5の実施例1eを示す断面図である。
本実施例1eは、ホモジェナイザーとして、光強度の位置的(空間的)均一性を高めるロッドライクインテグレータ又はフライアイレンズホモジェナイザーを用いることなく、角度的均一性を高める上記拡散フィルム積層体22を用いたものである。
【0049】
具体的には、光源2の出射側に、その光源2からの光分布の角度的均一性を高めるホモジェナイザーとして機能する上記拡散フィルム積層体22を設け、この拡散フィルム積層体22の出射側に、リレーレンズ6a、6bを設け、リレーレンズ6bの出射側に透過型画像表示手段8を設け、この透過型画像表示手段8により形成された表示画像を投射光学系10により凸レンズ手段12の入射面14に結像されるようにしたものである。
凸レンズ手段12は投射光学系10のアイリス面から出射側に距離a離間したところに位置され、凸レンズ手段12の焦点距離をfとした場合、等式(1/a)+(1/b)=1/fを満たす距離bだけ凸レンズ手段12から出射側に離間した位置にアイリス面18が形成されることは、前述の各実施例1a〜1dと同じである。尚、24は網膜、26は眼球である。
【0050】
本実施例1eによれば、光源2から出射された光は、ホモジェナイザーとして機能する拡散フィルム積層体22により光分布の角度的均一性が高められ、リレーレンズ6a、6bを介して透過型画像表示手段8に入射され、この表示手段8により光変調される。
従って、光源2からの光が光強度の角度的均一性が高められた上で透過型画像表示手段8による光変調に供されるので、画像の品位を高めることができる。
【0051】
このように、ホモジェナイザーとして、角度的均一性の高い光強度分布を有する拡散フィルム積層体22のみを設けるという態様でも本発明を実施することができる。
尚、拡散フィルム積層体22は、光源2とリレーレンズ6aとの間ではなく、リレーレンズ6bと透過型画像表示手段8との間に設けるようにしても良く、ホモジェナイザーとしての効果は同じである。
勿論、実施例1a、1bの場合と同様に、アイリス面18に人が自分の眼(両眼)を位置させれば、透過型画像表示手段8を通過した光による結像画像を視認することができ、視野角を狭くすることができ、延いては、省エネを実現することができる。
【0052】
(第6の実施例)
図9は本発明画像表示装置の第6の実施例1fを示す断面図である。
本実施例1fは、光源としてR(赤)、G(緑)、B(青)の原色を発光する3つの発光ダイオードを内蔵したもの、即ち三原色光源(30)を用い、ホモジェナイザーとして前述の拡散フィルム積層体、即ち、入射角無依存のトップハット的均一拡散特性を有する拡散フィルム(上記Diffused Light Control−film(D.L.C.−film)を2枚拡散方向が互いに直交するように積層したもの、即ち拡散フィルム積層体22を用い、更に、画像表示手段としてディジタルミラーデバイス(34)を用いるようにしたものである。
【0053】
30は三原色光源であり、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の光を発光する3チップの発光ダイオードを内蔵し、一定の順序でその三つの色の光を発光する動作を一定の周期(例えば60分の1秒)で繰り返す動作をする。このように三原色光源30を用いるのは、画像表示手段として白黒用のものを用いてもカラーの画像表示装置を提供することができるからである。
上記三原色光源30の出射側に上記拡散フィルム積層体22が配置され、この拡散フィルム積層体22によりその光源30からの光の強度分布の角度的均一性が高められる。この拡散フィルム積層体22の出力側にリレーレンズ6a、6bが設けられている。
【0054】
34は反射型画像表示手段であるディジタルミラーデバイスであり、上記リレーレンズ6a、6b及び上記拡散フィルム積層体22を介して三原色光源30からの光を斜め方向に受ける向きに設置されている。尚、本ディジタルミラーデバイス34は白黒の素子であるので、光源として三原色のものを用いている。
ディジタルミラーデバイス34の正面には、投射光学系10が位置しており、この投射光学系10のアイリス面とディジタルミラーデバイス34との距離はcであり、この距離cは、リレーレンズ6a、6bの焦点距離fcと略等しい。勿論、リレーレンズ6aと6bとの距離はその焦点距離fc(=c)と略等しい。
36は投射光学系10のアイリス面の外側に位置する不要光吸収用遮光板である。
【0055】
投射光学系10の出射側のそのアイリス面から距離a離間した位置に焦点距離fの凸レンズ手段12が設けられ、この凸レンズ手段12の出射側に空間結像アイリス面18が形成され、その凸レンズ手段12と空間結像アイリス面18との距離bは、等式(1/a)+(1/b)=1/fを満たすこと、前記各実施例1a〜1eと異なるところはない。尚、24は網膜、26は眼球、28は(水晶体)である。
本実施例1fによれば、画像表示手段がディジタルミラーデバイス34からなり、光の反射率が高いので、透過型画像表示手段8よりも更なる省エネを実現することができる。
【0056】
そして、三原色光源30とリレーレンズ6aとの間に光強度角度的均一性を高める拡散フィルム積層体22を設けたので、画像の品位を高めることができる。
また、画像表示手段としてディジタルミラーデバイス34を用い、光源30がそのディジタルミラーデバイス34の背面側ではなく、ディジタルミラーデバイス34よりも正面寄りなので、装置1fの厚みを薄くすることができる。
【0057】
(第7の実施例)
図10は本発明画像表示装置の第7の実施例1gを示す断面図である。
本実施例1gは、凸レンズ手段12の出射面側に、拡散手段として拡散フィルム(スクリーン:38)を設けたものである。この拡散フィルム(38)は、前述の光強度の均一性を高めるための拡散フィルム積層体22とは異なり、空間結像アイリス面が狭くなり過ぎる場合においてその空間結像アイリス面を広めるべく、表示画像に拡散性を持たせるための拡散手段として設けたものである。
即ち、本発明は、基本的に、空間結像アイリス面を狭くするものであるが、しかし、狭くなりすぎる場合もあり、その場合、顔の僅かな動きで画像を視認できる空間結像アイリス面18から眼の位置がずれたりして不都合となる。そこで、狭くなりすぎる場合に若干広くするべく拡散フィルム38を拡散手段として設けるようにしたものである。
【0058】
8は画像表示手段である画像表示デバイス、10は画像表示デバイス8により表示された表示画像を凸レンズ手段12へ拡大投射する投射光学系、38は凸レンズ手段12の出射側に配置された拡散フィルムである。
尚、このように拡散フィルム38を設けることは、前述の各実施例1a〜1fにおいても必要に応じて実施することができる。
【0059】
このような実施例1gによれば、凸レンズ手段12により空間結像アイリス面18に結像する光をそのフレネルレンズ12の出斜面側に設けた拡散フィルム38により拡散させることができ、延いては、空間結像アイリス面を拡げることができ、空間的均一性が眼で見る位置の若干の違いによらず、空間的に均一に見える。
図10において、A、B、Cは拡散フィルム36の上部、中央部、下部における拡散特性を示し、右側部分は眼26による視認位置の違いに対する光強度分布図であり、θは位置、Iは光強度を示す。
【0060】
(第8の実施例)
図11及び図12は本発明画像表示装置の第8の実施例1hを示すもので、図11は断面図であり、図12は外形を斜視図にて筐体内部を断面図にて示す図である。
本実施例1hは、図9に示した第6の実施例1fに凹面反射鏡(40)及び凸面反射鏡鏡(42)を付加し、凸レンズ手段12に代えて非軸非球面フレネル反射鏡(12a)を用いることより、反射型の構成にしたものである。
本実施例1hは、図9に示した実施例1fとは、三原色光源30、拡散フィルム積層体22、リレーレンズ6a、6b、ディジタルミラーデバイス34、遮光板36、投射光学系10からなる部分の構成においては、同様であるので、その部分の説明を省略し、相違する点についてのみ説明する。
【0061】
40は投射光学系10の出斜側に設けられた非軸非球面凹面反射鏡であり、ディジタルミラーデバイス34により形成され投射光学系10により拡大された表示画像を凸面反射鏡42へ反射する。凸面反射鏡42は非軸非球面凹面反射鏡40からの表示画像を非軸非球面フレネル反射鏡12aの反射面14aへ反射する。18は非軸非球面フレネル反射鏡12aの出射側に生じる空間結像アイリス面、26は眼球である。
尚、46(図12参照)は、画像表示装置1hのスクリーンを成す非軸非球面フレネル反射鏡12aを除く部分(謂わば、プロジェクタを成す部分)を収納する筐体である。
【0062】
このように、本発明は反射型画像表示装置にも適用できる。
以上に述べたように、本発明は種々の形態で実施することができ、種々の実施例があり得るし、様々のバリエーションが考えられ得る。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、観察者の画像視認位置という限られた狭い領域にのみ画像を送ることが可能であって、その領域外に画像を送ることによる無駄な電力消費を回避して省エネを図る画像表示装置に広く産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0064】
1a〜1h・・・実施例、2・・・光源、
4・・・ロッドライクインテグレータ(ホモジェナイザー)、
6a、6b・・・リレーレンズ、8・・・透過型画像表示手段(液晶パネル)、
10・・・投射光学系、12・・・凸レンズ手段(焦点距離:f)、
12a・・・非軸非球面フレネル反射鏡、14・・・入射面、
16・・・出射面、18・・・空間アイリス面、
19・・・空間アイリス面にできる光源の像、
20a、20b・・・フライアイレンズ(ホモジェナイザー)、
22・・・拡散フィルム積層体、30・・・三原色光源、
34・・・ディジタルミラーデバイス(反射型画像表示手段)、
38・・・拡散フィルム(拡散性を適宜帯びさせる拡散フィルム)、
40・・・凹面反射鏡、42・・・凸面反射鏡。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焦点距離fの凸レンズ手段と、
上記凸レンズ手段の入射側に入射面からほぼaの距離にアイリス面がある投射光学系と、
上記入射面に画像を結像できる画像表示手段を備え、
上記凸レンズ手段の出射面から(1/a) +(1/b) = 1/fの等式を満たす距離bに空間結像アイリス面が生じるようにされた
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1の画像表示装置において、
前記画像表示手段の入射側には、光源と、この光源から出射された光を受けるホモジェナイザーを少なくとも備え、
上記画像表示手段の出力側に前記投射光学系が位置せしめられた
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項2の画像表示装置において、
前記ホモジェナイザーとして、ロッドライクインテグレータ及び入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたもののいずれか一方又は双方が用いられた
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項2の画像表示装置において、
前記ホモジェナイザーとして、フライアイレンズ及び入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたもののいずれか一方又は双方が用いられた
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項2の画像表示装置において、
前記ホモジェナイザーとして、前記光源と透過型の画像表示手段との間に、
互いに焦点距離が等しいレンズが一対その焦点距離と等しい距離離間して配置されたものと、
入射角無依存のトップハット的拡散特性を有する内部屈折率分布型の拡散フィルムを一又は複数枚重ねたものとが、
設けられたことを特徴とする画像表装置。
【請求項6】
請求項1の画像表示装置において、
前記画像表示手段として、前記投射光学系の入射側にディジタルミラーデバイスが設置され、
上記ディジタルミラーデバイスの入射側に光源とこの光源から出射された光の位置的及び角度的のいずれか一方又は双方の均一性を高めるホモジェナイザーを備えた ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又6の画像表示装置において、
前記凸レンズ手段としてフレネルレンズ(非軸も含む)が用いられた
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の画像表示装置において、
前記凸レンズ手段の出射面に、拡散手段が設置された
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6又は7の画像表示装置において、
前記凸レンズ手段の出射面に反射手段が設けられ、入射面側にアイリス面を結像させるようにされた
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の画像表示装置において、
前記画像表示手段として、プロジェクタが用いられた
ことを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−68651(P2013−68651A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205015(P2011−205015)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】