画像記録装置
【課題】 搬送ベルトを交換する際の交換作業を簡単にする。
【解決手段】 カラー記録装置1本体は、サイドカバー55が開閉自在に取り付けられている。印刷機構P1、P2、P3、P4の下方には搬送ベルトユニット30が設けられている。搬送ベルトユニット30は、サイドカバー55を開いた状態で、装置本体に対し着脱自在となっている。搬送ベルトユニット30は、搬送ベルト31、搬送ベルト31が巻き掛けられた駆動ローラ32、従動ローラ33、34、35及び転写ローラ4(4Y、4M、4C、4K)を有している。搬送ベルトユニット30が本体に装着されると、搬送ベルト31は各感光体と転写ローラ4との間に掛け渡される。
【解決手段】 カラー記録装置1本体は、サイドカバー55が開閉自在に取り付けられている。印刷機構P1、P2、P3、P4の下方には搬送ベルトユニット30が設けられている。搬送ベルトユニット30は、サイドカバー55を開いた状態で、装置本体に対し着脱自在となっている。搬送ベルトユニット30は、搬送ベルト31、搬送ベルト31が巻き掛けられた駆動ローラ32、従動ローラ33、34、35及び転写ローラ4(4Y、4M、4C、4K)を有している。搬送ベルトユニット30が本体に装着されると、搬送ベルト31は各感光体と転写ローラ4との間に掛け渡される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ベルトに記録媒体を吸着させ、画像形成手段と転写手段との間に記録媒体を搬送する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像記録装置としては記録ヘッドを有する画像形成手段、転写手段、及び両手段の間に配設された搬送ベルトを有している。特に、搬送ベルトに記録媒体を静電吸着させ、搬送ベルトの移動により記録媒体を搬送し、画像データに基づいて画像形成手段に形成された画像を転写手段により記録媒体に転写している。搬送ベルトは、位置がずれないように記録媒体を静電吸着でき且つ転写効率を高くするために、予め実験等により求められた適切な表面抵抗値が選択されていた。
【特許文献1】特開昭64−40848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
記録媒体を搬送ベルトに静電吸着して搬送しながら、転写手段に対して高電圧を供給し画像形成手段に形成されたトナー画像を記録媒体に転写すると、転写手段に供給する高電圧の影響を受けて搬送ベルトの表面抵抗値に径時変化が発生し、搬送ベルトの表面抵抗値が低下してしまい、この結果転写不良が発生していた。即ち、搬送ベルトには寿命が有り、寿命となった搬送ベルトはオペレータにより新しい搬送ベルトに交換されていた。
【0004】
従来の搬送ベルトの交換方法は、先ず画像形成手段を装置本体から取り外した後、搬送ベルトをネジ等を取り外したりして着脱しなければならず、従って、交換作業はオペレータにとって煩雑であるという問題があった。また、交換作業において、オペレータが画像形成手段や搬送ベルト等に傷等を付けてしまう虞があった。従って、保守員が交換作業を実施するという方法を採用していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明が講じた解決手段は、画像形成手段と転写手段との間に配設された搬送ベルトの移動により記録媒体を搬送する画像記録装置において、搬送ベルト及び転写手段を備えるとともに装置本体と係合する第1の係合部を有し、搬送ベルトの記録媒体載置面と対向する方向と直交する方向に着脱自在なユニットであって、ユニットと係合する第2係合部が装置本体に設けられ、ユニットが装置本体内で着脱方向に移動するとき第1の係合部と第2の係合部が係合されてユニットの案内ガイドとなり、ユニットが装置本体から取り外されるとき第1の係合部と第2の係合部の係合が解除されるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、搬送ベルト及び転写手段とを有するユニットを装置本体に対して着脱自在に配設し、ユニットの着脱の際にはユニットに設けられた第1の係合部、装置本体に設けられた第2の係合部がユニットの案内ガイドとなり、装着の際にはユニットの位置決めが容易に行え、ユニットの取り外しの際には第1の係合部、第2の係合部の係合が解除されるので交換作業を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態では、画像記録装置として電子写真記録方式のカラー記録装置を例に挙げて説明する。なお、各図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【0008】
第1の実施の形態
図1は本発明に係る第1の実施の形態におけるカラー記録装置を示す概略斜視図、図2は第1の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図、図3は第1の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【0009】
カラー記録装置1には図2に示す4組の印刷機構P1、P2、P3、P4が記録媒体Sの給入側から排出側へ(矢印A方向に沿って)順に並べられている。第1印刷機構P1はイエローに対する電子写真式LED(発光ダイオード)プリント機構で、第2印刷機構P2はマゼンタに対する電子写真式LEDプリント機構、第3印刷機構P3はシアンに対する電子写真式LEDプリント機構、第4印刷機構P4はブラックに対する電子写真式LEDプリント機構である。各印刷機構P1、P2、P3、P4はトナー色が異なるのみで、各構成要素は同一である。
【0010】
第1印刷機構P1は、イエローの画像形成カートリッジ2Y、画像データに従って後述する感光体を露光するLEDヘッド3Y、及び画像形成カートリッジ2Yで形成されたトナー画像をシート状の記録媒体Sに転写する転写ローラ4Yで構成される。
【0011】
第2印刷機構P2は、マゼンタの画像形成カートリッジ2M、画像データに従って後述する感光体を露光するLEDヘッド3M、及び画像形成カートリッジ2Mで形成されたトナー画像を記録媒体に転写する転写ローラ4Mで構成される。
【0012】
第3印刷機構P3は、シアンの画像形成カートリッジ2C、画像データに従って後述する感光体を露光するLEDヘッド3C、及び画像形成カートリッジ2Cで形成されたトナー画像を記録媒体に転写する転写ローラ4Cで構成される。
【0013】
第4印刷機構P4は、ブラックの画像形成カートリッジ2K、画像データに従って後述する感光体を露光するLEDヘッド3K、及び画像形成カートリッジ2Kで形成されたトナー画像を記録媒体に転写する転写ローラ4Kで構成される。
【0014】
各画像形成カートリッジ2(2Y、2M、2C、2K)はトナー色が異なるのみで、同一の構成要素から成っており、従って、画像形成カートリッジ2Yを代表して、その構成を説明する。
【0015】
画像形成カートリッジ2Yは軸5を中心に矢印a方向に回転する感光体6、感光体6の表面を一様に帯電させる帯電ローラ7、及び現像部8から構成される。現像部8は、半導電ゴム材で構成される現像ローラ9、現像ローラ9に一定の圧力で接触する現像ブレード10、現像ブレード10にトナーを適量搬送するスポンジローラ11、トナータンク12、及び攪拌部材13から構成される。
【0016】
先ず、現像部8の機能を説明する。トナータンク12から供給される非磁性1成分トナーは、攪拌部材13によって攪拌される。現像ローラ9とスポンジローラ11との間にはバイアスが印加され、帯電したトナーはスポンジローラ11を経て、現像ブレード10に移行し易くなっている。トナータンク12から供給されたトナーはスポンジローラ11を経て現像ブレード10に達し、現像ローラ9の回転により現像ローラ9の円周上に薄層化され、感光体6との接触面に達する。トナーは薄層形成時に現像ローラ9と現像ブレード10に強く擦られて摩擦帯電される。本実施の形態では負極性に摩擦帯電されるものとする。
【0017】
なお、トナーが無くなった時には、トナータンク12を交換することにより画像形成カートリッジ2Yにトナーを新たに供給することができる。
【0018】
LEDヘッド3Yは、LEDアレイとLEDアレイを駆動するドライブICとを搭載した基板(図示せず)、及びLEDアレイの光を集光する図示せぬセルフォックレンズアレイ等を有しており、図示せぬ外部装置から入力される画像データ信号に対応してLEDアレイを発光させ、感光体6の表面を露光し、感光体6表面に静電潜像を形成する。この静電潜像に、現像ローラ9の円周上のトナーが静電気力によって付着して画像が形成される。
【0019】
各画像形成カートリッジ2の前述した構成部品(6〜13)はカートリッジ枠体14に支持されている。
【0020】
なお、LEDヘッド3(3Y、3M、3C、3K)は保持部材16によって支持されており、保持部材16に設けられたバネ17により、LEDヘッド3は図の下方(感光体6方向)に押圧される。また、保持部材16にはバネ18が設けられており、バネ18によりカートリッジ枠体14の左右(矢印W、U方向)2カ所のバネ受け部14dを押圧している。両バネ17、18の押圧力と、後述する装着ガイド溝20b、20c(図1参照)とにより、画像形成カートリッジ2Yはカラー記録装置1に確実に保持されることができると共に、位置決めされる。
【0021】
カラー記録装置1本体は、上面98(以下、アッパカバー98と記す)が図2に示す回動中心98bを回転中心として矢印D、E方向に開閉自在となっている。
【0022】
アッパカバー98を開いた状態で、各画像形成カートリッジ2はカラー記録装置1本体から着脱可能になっている。カートリッジ枠体14には把手部14aが形成され、オペレータが把手部14aを手で持って着脱する。
【0023】
さらに、図1の画像形成カートリッジ2Mに示すように、各画像形成カートリッジ2のカートリッジ枠体14の矢印W、U方向の両端サイドには、位置決めガイド14b、14c(矢印U方向側の右サイドは図示せず)が形成されている。また、図示せぬ本体フレームに固着されたガイドフレーム20には位置決めガイド14b、14cと対向する位置に装着ガイド溝20b、20c(矢印W方向の左サイドは図示せず)が形成されている。
【0024】
そして各画像形成カートリッジ2の装着時には、夫々の位置決めガイド14b、14cが装着ガイド溝20b、20cに案内されて位置決めされ、取り外し時には位置決めガイド14b、14cが装着ガイド溝20b、20cに案内されて取り外される。
【0025】
各画像形成カートリッジ2のカートリッジ枠体14の排出側(矢印A方向側)下方にはバネ19が設けられている。バネ19は圧縮バネであり、ガイドフレーム20に取り付けられたバネ支持部20dに保持されている。なお、バネ19の上方(アッパカバー98側)への押圧力は、上述のバネ17、18の下方への押圧力に比して弱くしてある。
【0026】
感光体6と転写ローラ4との間には後に詳述する搬送ベルト31が移動可能に配設されている。
【0027】
画像形成カートリッジ2Yの現像器8にはイエロー(Y)のトナーが収容され、画像形成カートリッジ2Mの現像器8にはマゼンタ(M)のトナーが収容され、画像形成カートリッジ2Cの現像器8にはシアン(C)のトナーが収容され、画像形成カートリッジ2Kの現像器8にはブラック(K)のトナーが夫々収容されている。
【0028】
また、第1印刷機構P1のLEDヘッド3Yにはカラー画像信号のうちイエロー画像信号が入力され、第2印刷機構P2のLEDヘッド3Mにはカラー画像信号のうちマゼンタ画像信号が入力され、第3印刷機構P3のLEDヘッド3Cにはカラー画像信号のうちシアン画像信号が入力され、第4印刷機構P4のLEDヘッド3Kにはカラー画像信号のうちブラック画像信号が夫々入力される。
【0029】
また、カラー記録装置1本体は、図1に示す矢印W方向側の側面55(以下、サイドカバー55と記す)が矢印F、G方向に開閉自在に取り付けられている。サイドカバー55にはロック部55aが設けられており、サイドカバー55を矢印G方向に閉じたときに、ロック部55aは装置本体に設けた図示せぬ係合部と係合しサイドカバー55はロックされる。
【0030】
印刷機構P1、P2、P3、P4の下方には搬送ベルトユニット30が設けられている。搬送ベルトユニット30は、サイドカバー55を開いた状態で、装置本体に対し矢印U、W方向に着脱自在となっている。
【0031】
搬送ベルトユニット30は、図1、図2に示すように、搬送ベルト31、駆動ローラ32、従動ローラ33、34、35、クリーニングブレード36、前述の転写ローラ4(4Y、4M、4C、4K)、吸着ローラ38、除電ブラシ39及びこれら部品を支持する枠体40を有している。
【0032】
搬送ベルト31は高抵抗の半導電性プラスチックフィルムから成り、継目なしのエンドレス状に形成されている。搬送ベルト31は、駆動ローラ32、従動ローラ33〜35及び転写ローラ4に巻き掛けられている。搬送ベルト31の表面抵抗値は、後述する記録媒体Sを搬送ベルト31に静電吸着でき、且つこの記録媒体Sが搬送ベルト31から離れたときに搬送ベルト31に残存する静電気が自然に除電できる範囲にあるものとする。
【0033】
従動ローラ34は、図示せぬバネにより矢印d方向に付勢されており、これにより常に搬送ベルト31が張設される。搬送ベルトユニット30が本体に装着されると、搬送ベルト31は図2及び図3に示すように各印刷機構P1、P2、P3、P4の感光体6と転写ローラ4との間に掛け渡される。なお、本実施の形態では感光体6と転写ローラ4は搬送ベルト31に夫々接触させている。
【0034】
また、搬送ベルト31を介して従動ローラ33にはクリーニングブレード36が押し付けられている。クリーニングブレード36は可撓性のゴムやプラスチック材等で形成される。クリーニングブレード36の先端部は搬送ベルト31に圧接しており、搬送ベルト31の表面上に付着している残留トナーを除去して、枠体で囲まれて構成された廃トナータンク部37に落とすようになっている。
【0035】
即ち、搬送ベルト31が矢印A方向に移動しているときは、搬送ベルト31はクリーニングブレード36により常時クリーニングされていることになる。
【0036】
印刷機構P1の上流側(矢印A方向とは逆方向側)に設けた吸着ローラ38は、搬送ベルト31を介して従動ローラ35に圧接している。吸着ローラ38は、高抵抗な半導電性ゴム材等で構成されており、後に詳述する給紙機構60から送られてくる記録媒体Sを帯電して搬送ベルト31の表面に静電吸着させるものである。
【0037】
ここで図1に基づいて枠体40の細部を説明する。
【0038】
枠体40の記録媒体Sの排出側にはガイド部40aが形成されており、ガイド部40aに近接して除電ブラシ39が設けられている。除電ブラシ39は、帯電されることにより搬送ベルト31に吸着されて送られてきた記録媒体Sを除電して、その吸着状態を解除し、搬送ベルト31から分離し易くする。ガイド部40aは、搬送ベルト31に吸着されて除電ブラシ39まで送られた記録媒体Sを後述する定着器に案内する。
【0039】
また枠体40の底面には、矢印W、U方向と平行なガイド溝40b、40cが形成されている。そして、搬送ベルトユニット30と対向する装置本体側の底面に固着されているフレーム50には、ガイド溝40b、40cと係合するガイド50b、50cが形成されており、これらガイド溝40b、40cは、搬送ベルトユニット30を装置本体に対し着脱する際、ガイド50b、50cに案内される。
【0040】
さらに、枠体40の駆動ローラ32及び従動ローラ35側の両側面には、ロックレバー42、43が夫々設けてある。両ロックレバー42、43により、搬送ベルトユニット30は装置本体に装着されるとロックされる。両ロックレバー42、43はシャフト44の両端に夫々固着されており、シャフト44は枠体44に回転自在に取り付けられている。これにより両ロックレバー42、43は一緒に回転できるようになっている。
【0041】
ロックレバー42には引っ張りコイルバネ45の一端が引掛けられている。引っ張りコイルバネ45の他端は枠体40の一部46に引掛けられており、ロックレバー42を枠体40の底面方向へ付勢している。従って、ロックレバー42、43は矢印Q方向へ回動するが、枠体40に形成したストッパ47がロックレバー42の傾斜部42aに当接し回動を規制されている。
【0042】
ロックレバー42のストッパ47側には鍵状部42bが形成されている。この鍵状部42bと同様の鍵状部(図示せず)が、ロックレバー43にも形成されている。両鍵状部42bは、搬送ベルトユニット30を装置本体に装着したとき装置本体に形成した固定軸52、53と係合して装置本体側に確実に保持される。
【0043】
両鍵状部42bと固定軸52、53との係合を外すときは、ロックレバー42を矢印P方向に回動させると、ロックレバー42の回動がシャフト44を介してロックレバー43に伝達され、ロックレバー43も矢印P方向に回動する。これによりロックレバー42、43の鍵状部42bと固定軸52、53との係合が外れる。従って、搬送ベルトユニット30を矢印W方向に引き出し、装置本体から取り外すことができる。
【0044】
さらに、枠体40の矢印W方向側の面(枠体40の前面)には把手48が固着されており、搬送ベルトユニット30の着脱の際、オペレータが把手48を持って矢印U方向(装着方向)又は矢印W方向(引出方向)に搬送ベルトユニット30を移動する。
【0045】
搬送ベルトユニット30側に設けた駆動ローラ32の一方の軸端には、図1に示すように、ギア41が固着されている。搬送ベルトユニット30が装置本体に装着されたときは、このギア41が装置本体側に設けられた図示せぬモータギアと噛み合う。モータギアは図示せぬモータに接続され、従って、モータの駆動により駆動ローラ32は矢印c方向に回転する。
【0046】
図2及び図3において、カラー記録装置1の搬送ベルトユニット30の下方には給紙機構60が設けられている。給紙機構60は記録媒体Sを収容する用紙収容カセット60a、用紙収容カセットから1枚ずつ記録媒体Sを繰り出すホッピング機構60b、及び繰り出された記録媒体Sのスキューを修正する一対のレジストローラ70、71を有している。
【0047】
用紙収容カセットは60a、記録媒体収容箱61、押し上げ板62、及び押圧手段63を備えている。ホッピング機構60bは弁別手段64、給紙ローラ66、及び弁別手段64を給紙ローラ66に押し付けるバネ65を備えている。ホッピング機構60bとレジストローラ70、71との間には記録媒体Sを案内するガイド68、69が設けられている。ホッピング機構60bにより繰り出される記録媒体Sは、ガイド68、69に案内されてレジストローラ70、71との間に達するようになっている。
【0048】
ガイド69のレジストローラ71側には孔69aが形成されており、この孔69aの近傍にフォトセンサ72が設けられている。フォトセンサ72はガイド68、69を案内される記録媒体Sの先端及び後端を検出する。
【0049】
搬送ベルトユニット30の記録媒体S搬送方向下流には定着器80が設けられている。定着器80は、ガイド部40aに案内されて送られてくる記録媒体S上に転写されたトナー画像を熱と圧力により定着させる。定着器80は、図2及び図3に示すように、記録媒体S上のトナーを加熱する加熱ローラ81、及び加熱ローラ81と共に記録媒体Sを加圧する加圧ローラ82を有する。
【0050】
加圧ローラ82は図示せぬバネにより加熱ローラ81と圧接している。加熱ローラ81と加圧ローラ82は、図示せぬ駆動手段により回転可能に支持されている。加熱ローラ81は、アルミニウム等から成る中空円筒状の芯金の外周面に、シリコンゴム系などの耐熱弾性層と、その上層にフッ素樹脂等をコーティングして成る剥離型層とが設けられて構成される。加熱ローラ81の中空円筒状の内部には、ハロゲンランプ等から成る加熱ヒータ83が配設されている。
【0051】
加圧ローラ82はアルミニウム、ステンレス等から成る芯金の外周面に、耐熱性のプラスチックの非弾性層と、その上層にフッ素樹脂系のPFA、ETFE等をコーティングして成る離型層を設けて構成される。
【0052】
加熱ローラ81に耐熱弾性層を設け、加圧ローラ82の耐熱非弾性層を堅く構成することにより、加圧ローラ82と加熱ローラ81との間に圧接部(ニップ部)を形成している。加熱ローラ81の外表面には、加熱ローラ81の表面温度を検出するサーミスタ84が接触して設けられている。サーミスタ84の検出温度により、周知の温度制御手段(図示せず)が加熱ヒータ83の通電を制御して、加熱ローラ81の表面の温度を所定温度に保っている。
【0053】
加熱ローラ81の外表面に接触して、装置本体に固定された支持部材85に回転自在に支持されたフェルトローラ86が配設されている。フェルトローラ86にはジメチルシリコンオイル等のオフセット防止液が含浸されており、トナーのオフセットを起こしにくくしている。さらに、支持部材85にはクリーニングローラ87が回転自在に支持されている。クリーニングローラ87は加熱ローラ81の外表面に残存したトナーや紙粉等を除去する機能を持っている。
【0054】
加熱ローラ81の記録媒体Sの排出側には、記録媒体Sを加熱ローラ81から分離する分離爪88が設けられている。分離爪88は、加熱ローラ81の軸方向に複数配設され、先端部分が加熱ローラ81の外表面と接触している。
【0055】
支持部材85は、上部ケース89に保持されており、上部ケース89に対して着脱自在に構成されている。上部ケース89は加熱ローラ81、サーミスタ84、及び支持部材85を支持している。上部ケース89の下方には下部ケース89が設けられており、下部ケース89は加圧ローラ82を支持すると共に、記録媒体Sを案内するガイドの役割も果たしている。
【0056】
定着器80の記録媒体Sの搬送方向下流には、一対の搬送ローラ91、搬送ローラ91に搬送される記録媒体Sを案内するガイド92、93、94、95、及び記録媒体Sをアッパカバー98へ排出する排出ローラ96、97が配設されている。アッパカバー98には排出スタッカ部98aが形成されている。即ち、排出スタッカ部98aには印刷済みの記録媒体Sが排出される。
【0057】
なお、LEDヘッド3の保持部材16、ガイド94、95、及び排出ローラ96、97は、図3に示すようにアッパカバー98の内側面(印刷機構P1、P2、P3、P4と対向する側の面)側に支持されている。
【0058】
ガイド92の搬送ローラ91側には孔92aが形成されており、この孔92aの近傍にフォトセンサ79が設けられている。フォトセンサ79は、ガイド92、93を案内される記録媒体Sの先端及び後端を検出する。
【0059】
搬送ベルトユニット30の真下には、吸着ローラ38と、各印刷機構P1、P2、P3、P4の帯電ローラ7、現像ローラ9、スポンジローラ11、及び転写ローラ4とに高圧電力を供給する高圧電源装置57が配設されている。また、定着器80の下には上記構成のカラー記録装置1の全体動作を制御する回路制御部58、及び回路制御部58に電圧を供給する低圧電源59が配設されている。
【0060】
次に第1の実施の形態のカラー記録装置1の搬送ベルトユニット着脱動作を説明する。
【0061】
先ず搬送ベルトユニット30の取り外し動作から説明する。
【0062】
オペレータがアッパカバー98を矢印D方向に開くと、保持部材16がアッパカバー98に支持されているので、バネ17、18による各画像形成カートリッジ2への押圧力が解除される。これにより、各画像形成カートリッジ2はバネ19により上方に押圧されて、各画像形成カートリッジ2の位置決めガイド14b、14cが装着ガイド溝20b20cに沿って上方に移動する。これにより、図3に示すように、各画像形成カートリッジ2の感光体6は搬送ベルト31から離間する。
【0063】
次にオペレータは、サイドカバー55を本体装置に対して矢印F方向に開く。そしてロックレバー42(又はロックレバー43)を矢印P方向に回動させる。従って、ロックレバー42、43と本体装置側の固定軸52、53との係合は解除される。この状態で、オペレータは把手48を持って搬送ベルトユニット30を矢印W方向に引き出す。このとき、上述したように各感光体6は搬送ベルト31から離間しているので、搬送ベルト31の移動に対し干渉するものがない。従って、搬送ベルトユニット30は、そのガイド溝40b、40cが本体装置側のガイド50b、50cに案内されて、本体装置から取り外される。
【0064】
なお、アッパカバー98及びサイドカバー55を開く順番はどちらが先であってもよく、搬送ベルトユニット30を矢印W方向に移動させる際に、アッパカバー98が開いていればよい。
【0065】
次に、搬送ベルトユニット30の装着動作を説明する。
【0066】
オペレータは搬送ベルトユニット30のガイド溝40b、40cを本体装置側のガイド50b、50cに嵌合させ、把手48を持って搬送ベルトユニット30を矢印U方向に移動させる。搬送ベルトユニット30の移動により、ロックレバー42、43の傾斜部42aはそれぞれ固定軸52、53に押し付けられて矢印P方向に回動する。
【0067】
さらに搬送ベルトユニット30を矢印U方向に移動させると、ロックレバー42、43の鍵状部42bが固定軸52、53と対向する位置で、ロックレバー42、43が引っ張りコイルバネ45の付勢力により矢印Q方向に回動し、鍵状部42bが固定軸52、53と係合する。同時に図1に示すギア41が、上述した本体側のモータギアと噛み合い、搬送ベルトユニット30は本体側に装着される。
【0068】
この後、サイドカバー55を矢印G方向に回動して閉じ、アッパカバー98を閉じると、各画像形成カートリッジ2の感光体6はアッパカバー98に設けたバネ17、18の押圧力により搬送ベルト31に接触する。この状態で、カラー記録装置1は印刷動作開始可能状態となる。
【0069】
第1の実施の形態では、カラー記録装置1に開閉自在なサイドカバー55を取り付け、搬送ベルトユニット30を装置本体に対し矢印U、W方向に着脱自在とすることにより、搬送ベルトユニット30の着脱は画像形成カートリッジやその他の部材を取り除かなくても行うことができる、即ち、搬送ベルトユニット30の着脱において搬送ベルトユニット30のみを着脱すればよいので、交換作業は従来よりも容易になる。
【0070】
さらに、搬送ベルトユニット30を装置本体に対し容易に着脱することができるので、カラー記録装置1内で記録媒体Sが紙詰まりした場合のジャム処理も容易に行える。この結果、搬送ベルトユニット30の交換やジャム処理等の、いわゆるメンテナンス作業を従来よりも容易に行うことができる。
【0071】
また、第1の実施の形態では、アッパカバー98を開くと感光体6は本体装置側に設けたバネ19により搬送ベルト31から離間されるので、搬送ベルトユニット30が感光体6に干渉されることなく、搬送ベルトユニット30を着脱することができる。
【0072】
また、第1の実施の形態では、搬送ベルトユニット30を装着する際、搬送ベルトユニット30のガイド溝40b、40cが本体装置側のガイド50b、50cに案内されて本体装置に装着されるので、装着の際の搬送ベルトユニット30の位置決めが容易に行える。
【0073】
第2の実施の形態
第2の実施の形態の搬送ベルトユニットには、電源からの高圧電力が供給される接続部材が設けられている。以下、図2、図4、図5を用いて第2の実施の形態を説明する。図4は第2の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図、図5は第2の実施の形態のカラー記録装置の接続部材と接点との接続状態説明図であり、各画像形成カートリッジの感光体、帯電ローラ、現像ローラ及びスポンジローラと接続部材との位置関係を模式的に示した図である。
【0074】
図4において、カラー記録装置100の高圧電源57には導電性の高圧供給接点24が設けてある。高圧供給接点24は10個の高圧供給接点24ch、24db、24sp、24gr、24fg、24tk、24tc、24tm、24ty、24etから成る。また、搬送ベルトユニット300の枠体40の内側には導電性の中継接続部材22及び導電性の接続部材23が固着支持されている。さらに、カラー記録装置100の図示せぬ本体フレームには導電性の接続部材21が支持されている。
【0075】
高圧電源57の高圧電力は、高圧供給接点24から中継接続部材22及び接続部材23及び接続部材21を介して、各画像形成カートリッジ2や搬送ベルトユニット300等に供給される。以下に詳述する。
【0076】
接続部材21はカラー記録装置100の矢印W方向側のサイドに設けられ、一方の端(符号J側)の接点部は、サイドカバー55を開いたときにカラー記録装置100から露出して見える。また、接続部材21の他方の端(図5に示す符号I側)の接点部は、各画像形成カートリッジ2が装置本体に装着されたとき、各画像形成カートリッジ2の図示せぬ接点と接触する。
【0077】
接続部材21は4つの接続部材(21ch、21db、21sp、21gr)を有し、装置本体に固着されている。図5に示すように、CH電圧接続部材21chは各帯電ローラ7に高圧電力を供給し、DB電圧接続部材21dbは各現像ローラ9に高圧電力を供給し、SP接続部材21spは各画像形成ユニット2のスポンジローラ11に高圧電力を供給し、接地接続部材21grは各感光体6をアースに接地する。
【0078】
即ち、CH電圧接続部材21chの他方端には4カ所の接点部が形成され、各接点部は各帯電ローラ7の接点7pと接触する。DB電圧接続部材21dbの他方端には4カ所の接点部が形成され、各接点部は各現像ローラ9の接点9pと接触する。SP電圧接続部材21spの他方端には4カ所の接点部が形成され、各接点部は各スポンジローラ11の接点11pと接触する。接地接続部材21grの他方端には4カ所の接点部が形成され、各接点部は感光ドラム軸5の接点5pと接触する。
【0079】
搬送ベルトユニット300の把手48側に固着支持された中継接続部材22は4つの接続部材(22ch、22db、22sp、22gr)を有している。中継接続部材22の一方端(符号L側の接点部)は搬送ベルトユニット300から上方に突き出ており、中継接続部材44の他方端(符号N側の接点部)は把手48の下方に突き出ている。搬送ベルトユニット300を装置本体に装着した状態で、中継接続部材22の一方端は接続部材21の一方端と接触する。
【0080】
即ち、中継接続部材22chの一方端はCH電圧接続部材21chの一方端の接点部と接触し、中継接続部材22dbの一方端はDB電圧接続部材21dbの一方端の接点部と接触し、中継接続部材22spの一方端はSP電圧接続部材21spの一方端(符号J側)の接点部と接触し、中継接続部材22grの一方端は接地接続部材21grの一方端の接点部と接触する。
【0081】
そして、中継接続部材22chの他方端は高圧供給接点24chと接触し、中継接続部材22dbの他方端は高圧供給接点24dbと接触し、中継接続部材22spの他方端は高圧供給接点24spと接触し、中継接続部材22grの他方端は高圧供給接点24grと接触する。
【0082】
また、搬送ベルトユニット300の把手48側に固着支持された接続部材23は、5つの接続部材(23et、23ty、23tm、23tc、23tk、23fg)を有している。接続部材23の一方端(符号N側の接点部)は図4に示すように、搬送ベルトユニット300の下方に突き出ており、他方端(符号T側の接点部)は転写ローラ4の軸端部の接点(図示せず)と接触している。
【0083】
ET電圧接続部材23etは吸着ローラ38に吸着用高圧電力を供給する。TY電圧接続部材23tyは転写ローラ4Yに帯電用高圧電力を供給し、TM電圧接続部材23tmは転写ローラ4Mに帯電用高圧電力を供給し、TC電圧接続部材23tcは転写ローラ4Cに帯電用高圧電力を供給し、TK電圧接続部材23tkは転写ローラ4Kに帯電用高圧電力を供給する。
【0084】
また、FG接地接続部材23fgは搬送ベルトユニット300の各金属製部品をカラー記録装置1の図示せぬフレームアースに接地する。搬送ベルト31が巻き掛けられた従動ローラ35はFG接地接続部材23fgを介してアースに接地されており、吸着ローラ38との電位差により、記録媒体Sを搬送ベルト31に静電気的に吸着できるようになっている。
【0085】
搬送ベルトユニット300を装置本体に装着すると、ET電圧接続部材23etの一方端は高圧電源57に設けた高圧供給接点24etと接触し、TY電圧接続部材23tyの一方端は高圧供給接点24chと接触し、TM電圧接続部材23tmの一方端は高圧供給接点24tmと接触し、TC電圧接続部材23tcの一方端は高圧供給接点24tcと接触し、TK電圧接続部材23tkの一方端は高圧供給接点24tkと接触し、接地接続部材23fgの一方端は高圧供給接点24fgと接触する。
【0086】
また、ET電圧接続部材23etの他方端は吸着ローラ38の軸端部の接点と接触し、TY電圧接続部材23tyの他方端は転写ローラ4Yの軸端部の接点と接触し、TM電圧接続部材23tmの他方端は転写ローラ4Mの軸端部の接点と接触し、TC電圧接続部材23tcの他方端は転写ローラ4Cの軸端部の接点と接触し、TK電圧接続部材23tkの他方端は転写ローラ4Kの軸端部の接点と接触している。
【0087】
なお、上述した導電性の各接続部材21、22、23、24は、導電性と弾性を有するリン青銅等の金属素材により形成される。
【0088】
また本体フレームには後述する、サイドカバー55の開閉と連動するスイッチ、及びアッパカバー98の開閉と連動するスイッチが設けてある。
【0089】
次に、第2の実施の形態の制御系を図6を加えて説明する。図6は第2の実施の形態の制御回路を示すブロック図である。なお、図において符号Y、M、C、Kはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成カートリッジの各印刷機構P1、P2、P3、P4に対応している。
【0090】
制御回路101はマイクロプロセッサ等から成り、カラー記録装置100全体の動作を制御する。制御回路101には、SPバイアス電源102、DBバイアス電源103、帯電用電源104、転写用電源105Y、105M、105C、105K、吸着帯電用電源106が夫々接続されており、各電源は制御回路101の指示によりオン/オフ制御される。
【0091】
SPバイアス電源102から出力される高圧電力は高圧供給接点24sp、中継接続部材22sp及び電圧接続部材21sp(図4、図5参照)を介して各画像形成カートリッジ2のスポンジローラ11に供給される。DBバイアス電源103から出力される高圧電力は、高圧供給接点24db、中継接続部材22db及び電圧接続部材21dbを介して各画像形成カートリッジ2の現像ローラ9に供給される。
【0092】
帯電用電源104から出力される高圧電力は、高圧供給接点24ch、中継接続部材22ch及び電圧接続部材21chを介して各画像形成カートリッジ2の帯電ローラ7に供給される。
【0093】
転写用電源105Y、105M、105C、105Kから出力される高圧電力は、夫々高圧供給接点24ty、24tm、24tc、24tk及びTY電圧接続部材23ty、TM電圧接続部材23tm、TC電圧接続部材23tc、TK電圧接続部材23tkを介して各転写ローラ4に供給される。
【0094】
また、吸着帯電用電源106から出力される高圧電力は、高圧供給接点24et及びET電圧接続部材23etを介して吸着ローラ38に供給される。
【0095】
制御回路101は各画像形成カートリッジ2Y、2M、2C、2Kに夫々対応する印刷制御回路108(108Y、108M、108C、108K)、インタフェース部110、及びインタフェース部を介して図示せぬ外部装置より送られてくる画像データを格納するメモリ109(109Y、109M、109C、109K)が接続されている。印刷制御回路108はメモリ109からの画像データを受けてこれらのデータを制御回路101からの指示により、LEDヘッド3へ送信して、LEDの露光時間を制御し、感光体6の表面に静電潜像を形成する制御を行う。
【0096】
インタフェース部110は、外部装置、例えばホストコンピュータから送信されてきた画像データを色別に分解して、各メモリへ格納する。
【0097】
また、制御回路101には定着器ドライバ111、モータ駆動回路112及びセンサレシーバドライバ116が接続されている。
【0098】
定着器ドライバ111は、定着器80に設けたサーミスタ84によるヒートローラ81の外周面の検出温度を受けて、ヒートローラ81内の加熱ヒータ83に対し通電制御を行い、ヒートローラ81の温度を一定に保つ。
【0099】
モータ駆動回路112には、給紙ローラ66を回転させるモータ113と、モータ114とを回転駆動する。モータ114は、感光体6、帯電ローラ7、現像ローラ9、スポンジローラ11、転写ローラ4、駆動ローラ32、レジストローラ70、71、吸着ローラ38、排出ローラ96、97、一対の搬送ローラ91、定着器80のヒートローラ81及び加圧ローラ82を駆動する。モータ113、114により回転される各ローラは、図示せぬギア或いはベルトにより連結されモータ113、114の回転力が伝達されるようになっている。
【0100】
センサレシーバドライバ116はフォトセンサ72、79を駆動し、そのフォトセンサ72、73の出力波形を受信して制御回路101へ送る。
【0101】
低圧電源59は上述の各回路及び高圧電源57に直流(DC)電圧を供給する。高圧電源57は低圧電源59からDC電圧を受けて、公知のように例えばトランス等で高電圧に変換する。低圧電源59と高圧電源57との間には、スイッチ117、118が設けられている。また100ACの商用電力を供給/遮断するACスイッチ119が低圧電源59側に設けられている。
【0102】
スイッチ117は前述したサイドカバー55の開閉に連動してオン/オフするスイッチであり、このスイッチ117は、サイドカバー55を矢印F方向に開くとオフ状態となり、閉じるとオン状態となる。またスイッチ118は前述したアッパカバー98の開閉に連動してオン/オフするスイッチであり、このスイッチ118はアッパカバー98が開くとオフ状態となり、閉じるとオン状態となる。即ち、アッパカバー98又はサイドカバー55のいずれかが本体に対し開けられたとき、高圧電源57への電力供給が遮断されて、オペレータに対する安全を確保している。
【0103】
その他の構造は第1の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
【0104】
次に、第2の実施の形態の搬送ベルトユニット300の装着動作を同じく図2、図4、図5、図6を用いて説明する。
【0105】
先ず、搬送ベルトユニット300の取り外し動作を説明する。オペレータがアッパカバー98を開くとスイッチ118がオフ状態となり、これにより高圧電源57からの電力が切断される。また、第1の実施の形態で説明したように、バネ19により各画像形成カートリッジ2の感光体6は搬送ベルト31から離間する。次に、オペレータはサイドカバー55を開く。
【0106】
なお、第1の実施の形態と同様、アッパカバー98とサイドカバー55を開く順番はどちらが先でも良く、搬送ベルトユニット300を矢印W方向に移動させる際に、アッパカバー98が開いていれば良い。またこのときACスイッチ119がオンの状態であっても、アッパカバー98又はサイドカバー55を開けた時点で、上述したように、高圧電源57からの電力は切断されるので、オペレータへの安全性は確保される。
【0107】
この後の、搬送ベルトユニット300を矢印U方向に移動させて取り外す動作は第1の実施の形態で説明した動作と同様であるので説明は省略する。
【0108】
次に搬送ベルトユニット300の装着動作を説明する。なお、搬送ベルトユニット300のガイド溝40b、40cを本体装置側のガイド50b、50cに嵌合させて搬送ベルトユニット300を矢印U方向へ移動してから、ロックレバー42、43が固定軸52、53と係合するまでの動作は第1の実施の形態で説明した動作と同じであるので説明は省略する。
【0109】
搬送ベルトユニット300のギア41が本体装置側のモータギアと噛み合い、搬送ベルトユニット300が本体側に装着されると、高圧供給接点24と接続部材23及び中継接続部材22とが接続されると共に、中継接続部材22と接続部材21とが接続される。
【0110】
この後、サイドカバー55及びアッパカバー98を閉じると第1の実施の形態で説明した動作と同様、感光体6は搬送ベルト31に接触する。同時にまたスイッチ117、118がオン状態となる。この状態で、カラー記録装置100は印刷動作開始可能状態となる。
【0111】
次に、カラー記録装置100の印刷動作を説明する。
【0112】
先ず、カラー記録装置100のACスイッチ119がオン状態となると、低圧電源59が立ち上がり、所定電圧を各回路や高圧電源57に供給する。図6に示す各回路が所定の初期設定を実行した後、制御回路101は定着器ドライバ111を駆動して定着器80内のヒートローラ81を所定温度になるまでウォーミングアップする。制御回路101は、ヒートローラ81が常に一定温度に保たれるように制御している。
【0113】
以上によりカラー記録装置100の初期設定が終了し、制御回路101はインタフェース110を介して外部装置から画像データが送られてくるのを待つ。
【0114】
制御回路101は外部装置、即ちホストコンピュータから送られてきた画像データをインタフェース110を介して受信すると、インタフェース110及び各メモリ109に指示を出す。この指示により、インタフェース110は受信した画像データ信号を色別に分解し、色別の画像データを色別の各メモリに記憶させる。
【0115】
即ち、イエローの画像データはメモリ109Yへ、マゼンタの画像データはメモリ109Mへ、シアンの画像データはメモリ109Cへ、ブラックの画像データはメモリ109Kへ夫々格納する。各メモリ109Y、109M、109C、109Kには、記憶媒体S上に印刷される1ページ分の各色の画像データが夫々記憶されることになる。
【0116】
制御回路101はモータ駆動回路112を介してモータ113を駆動し、給紙ローラ66を回転させる。給紙ローラ66の回転により用紙収納箱61の記録媒体Sが1枚、図2に示すガイド68、69へ送られ、制御回路101はセンサレシーバドライバ116を介して、記録媒体Sの先端をフォトインタラプタ72により検知する。制御回路101はモータ駆動回路112を制御して、フォトインタラプタ72による検知位置から記録媒体Sをさらに所定量搬送する。
【0117】
この所定量は、記録媒体Sがフォトインタラプタ72による検知位置からレジストローラ70、71間までの距離よりも長く搬送されるように設定されている。レジストローラ70、71は回転しておらず、従って、記録媒体Sはその先端をレジストローラ70、71間に押し当てられて湾曲し、この湾曲により記録媒体Sのスキューが修正される。
【0118】
次に、制御回路101は、モータ駆動回路112を介してモータ114を駆動し、印刷機構P1、P2、P3、P4の感光体6、帯電ローラ7、現像ローラ9、スポンジローラ11、転写ローラ4、駆動ローラ32、レジストローラ70、71、吸着ローラ38、排出ローラ96、97、一対の搬送ローラ91、定着器80のヒートローラ81及び加圧ローラ38を夫々回転させる。
【0119】
同時に、制御回路101は吸着帯電用電源106をオン状態にして、吸着ローラ38に電圧を供給する。レジストローラ70、71は夫々矢印c、a方向に回転しており、記録媒体Sはレジストローラ70、71によって媒体ガイド73に案内され搬送される。記録媒体Sの先端が吸着ローラ38と搬送ベルト31との間に達すると、記録媒体Sの先端は、吸着ローラ38と従動ローラ35との間の静電気力により搬送ベルト31に吸着される。
【0120】
なお、記録媒体Sの後端が給紙ローラ66により弁別手段64を通過した後は、制御回路101はモータ駆動回路112を介して、モータ113の駆動を停止させる。
【0121】
記録媒体Sの先端が吸着ローラ38を通過した時点で、制御回路101は帯電用電源104、DBバイアス電源103及びSPバイアス電源102をオン状態とし、印刷機構P1、P2、P3、P4の帯電ローラ7、現像ローラ9及びスポンジローラ11に電圧を供給する。以上により、印刷機構P1、P2、P3、P4の感光体6表面は夫々帯電ローラ7を介して均一に帯電され、印刷機構P1、P2、P3、P4のスポンジローラ11及び現像ローラ9は所定の高電圧に帯電される。
【0122】
次に、制御回路101はイエローの画像データをメモリ109Yから第1印刷機構P1の印刷制御回路108Yへ送信する。印刷制御回路108Yは、制御回路101からの指令によりメモリ109Yから送られてきた画像データを、第1印刷機構P1のLEDヘッド3Yへ送信できる形に変えて、LEDヘッド3Yへ送信する。
【0123】
LEDヘッド3Yは、送られてくる画像データに対応するLEDを点灯させ、帯電した感光体6Yの表面に画像データに応じた1ライン分の静電潜像を形成する。このようにして、1ライン毎にメモリ109Yから送られてくるイエローの画像データは次々に感光体6Yの表面に静電潜像化され、副走査方向(矢印A方向と平行方向)の長さ分のイエロー画像データが潜像化されて露光が終了する。
【0124】
静電潜像が形成された感光体6Yの表面には、帯電した現像ローラ9に付着したイエロートナーが電位差により引き寄せられて付着する。感光体6Yの回転により、静電潜像は次々にイエロートナーにより現像される。
【0125】
記録媒体Sの先端が感光体6Yと転写ローラ4Yとの間に到達した時点で、制御回路101は転写用電源105Yをオン状態にする。これにより、感光体6Y表面のトナー画像は、転写ローラ4Yにより電気的に引き寄せられ記録媒体Sに転写される。
【0126】
以上により、画像形成カートリッジ2Yによる記録媒体Sへのイエロートナー画像の転写が終了する。そして、記録媒体Sの後端が感光体6と転写ローラ4Yとの間に到達した時点で制御回路101は画像形成カートリッジ2Yの転写用電源105Yをオフ状態にする。
【0127】
搬送ベルト31は引き続き移動しており、記録媒体Sは画像形成カートリッジ2Yから画像形成カートリッジ2Mへ移り、画像形成カートリッジ2Mによるマゼンタの画像データの露光、現像及び転写が行われる。
【0128】
上述したイエロー画像データのLEDヘッド3Yへの送信動作と同様、制御回路101は、マゼンタの画像データを記憶しているメモリ109Mから、画像データを画像形成カートリッジ2Mの印刷制御回路108Mへ送信する。画像形成カートリッジ2Mの印刷制御回路108Mは、制御回路101からの指令により、メモリ109Mから送られてきた画像データを画像形成カートリッジ2MのLEDヘッド3Mへ送信できる形に変えて、LEDヘッド3Mへ送信する。
【0129】
上述したイエロー画像データの露光動作と同様に、LEDヘッド3Mは送られてきたマゼンタの画像データに対応するLEDを点灯させ、帯電した感光体6の表面に画像データに応じた1ライン分の静電潜像を形成する。このようにして、1ライン毎にメモリ109Mから送られてくるマゼンタの画像データは次々に感光体6の表面に静電潜像化され、副走査方向の長さ分のマゼンタの画像データが潜像化されて露光が終了する。
【0130】
以下、マゼンタトナー画像の転写動作は、上述したイエロートナー画像転写動作と同様であり、説明を省略する。記録媒体Sは画像形成カートリッジ2Mから画像形成カートリッジ2Cへ移り、次に画像形成カートリッジ2Cによるシアンのトナー画像の転写が行われる。なお、シアンの画像データの送信、露光、現像及び転写の動作は上述の画像形成カートリッジ2Yでの動作と同様であり、説明は省略する。
【0131】
シアントナー画像の転写動作が終了すると、記録媒体Sは画像形成カートリッジ2Cから画像形成カートリッジ2Kへ移り、次に画像形成カートリッジ2Kによるブラックの画像データの送信、露光、現像及び転写の動作が上述の画像形成カートリッジ2Yでの動作と同様に行われる。ブラックトナー画像の転写動作が終了すると、制御回路101は転写用電源105Kをオフ状態にする。
【0132】
以上のように、各色のトナー画像が記録媒体S上に重ねて転写される。その後、記録媒体Sは搬送ベルト31の移動により除電ブラシ39へ送られ、除電ブラシ39により除電される。従って、記録媒体Sは搬送ベルト31への吸着を解除され、駆動ローラ32を通過すると搬送ベルト31から離れ、用紙ガイド部40aに案内されて、定着器80へ案内される。
【0133】
定着器80では、ヒートローラ81は既に定着可能な温度に達しており、ヒートローラ81と、これに圧接する加圧ローラ82との間に記録媒体Sが搬送されると、記録媒体Sのカラートナー画像は熱と圧力により記録媒体Sに定着される。
【0134】
定着が終了すると、記録媒体Sは排出ローラ91によって、ガイド92、93へ送られ、ガイド92、93及びガイド94、95に案内されて排出ローラ96、97に達する。そして、排出ローラ96、97によって、排出スタッカ部98aに排出される。制御回路101は、記録媒体Sの排出をフォトインタラプタ79が記録媒体Sの後端を検出することにより知ることができる。
【0135】
排出動作が終了すると、制御回路101はSPバイアス電源102、DBバイアス電源103及び帯電用電源104をオフ状態とし、またモータ駆動回路112を介してモータ114を停止する。なお、制御回路101は各画像形成カートリッジ2でトナー転写が終了した時点で、帯電用電源104をオフする。
【0136】
以上のようにして、給紙機構60から繰り出された記録媒体Sにカラー画像を記録する。
【0137】
第2の実施の形態では、高圧供給接点24及び接続部材23を設けて、搬送ベルトユニット300を装置本体に装着した状態で高圧供給接点24と接続部材23の接点部とが接続され、高圧電源57から転写ローラ4や吸着ローラ38に高圧電力を供給できるようにしているので、搬送ベルトユニット300をサイドカバー55の位置から着脱自在にする構成にも拘らず、高圧電力供給用の引き回し線が従来よりも簡便にできる。
【0138】
また、高圧電源57を搬送ベルトユニット300に近接して(本実施の形態では搬送ベルトユニット300の真下に)設けており、従って、搬送ベルトユニット300の着脱動作に連動して高圧供給接点24と接続部材23とが接離(接続/離隔)できるように、高圧供給接点24と接続部材23とを設ける際、これら部材の形状を簡単にすることができる。
【0139】
さらに、中継接続部材22及び接続部材21を設けて、搬送ベルトユニット300を装置本体に装着した状態で高圧供給接点24と中継接続部材22の接点部と接続部材21の接点部とが接続されて、高圧電源57からスポンジローラ11、現像ローラ9及び帯電ローラ7に高圧電力を供給できるようにしているので、搬送ベルトユニット300をサイドカバー55から着脱自在にする構成にも拘らず、高圧電力供給用の引き回し線が従来よりも簡便にできる。
【0140】
また、第2の実施の形態では、低圧電源59と高圧電源57との間に、サイドカバー55の開閉に連動してオン/オフするスイッチ117、及びアッパカバー98の開閉に連動してオン/オフするスイッチ118を設けているので、サイドドカバー55及びアッパカバー98のいずれかが本体に対し開けられても、高圧電源57への電力供給が遮断されオペレータに対する安全が確保される。
【0141】
第3の実施の形態
第3の実施の形態のカラー記録装置は装置本体前面が開閉自在となっている。以下、図7、図8、図9に基づいて説明する。図7は第3の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図、図8及び図9は第3の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【0142】
カラー記録装置200のホッピングローラ66側の装置本体前面には、フロントカバー74が取り付けられている。フロントカバー74の矢印W、U方向側の左右にはロック部74aが設けられており、フロントカバー74を矢印I方向に閉じたとき、本体装置側に設けた図7に示す左右の係合部75と係合し、ロックされる。フロントカバー74には、レジストローラ71、吸着ローラ38及びシートガイド69が一体的に支持されている。
【0143】
フロントカバー74は、フロントカバー74に設けた左右の固定軸74bを回動中心として、矢印H、I方向に開閉自在に取り付けられている。フロントカバー74に形成した引き出し部74cにオペレータが手を掛けて矢印H方向に開くことにより、ロック部74aが本体装置の係合部75から外れる。
【0144】
ロック部74aが本体装置の係合部75から外れると、レジストローラ71、吸着ローラ38及びシートガイド69が、図7及び図9に示すように、一緒に本体装置側から外れる。レジストローラ71及び吸着ローラ38の両端の軸はガイド軸76、77に回動自在に支持されている。
【0145】
詳しくは、フロントカバー74の左右のサイド部74d、74eの内側には夫々2個ずつ溝部が形成され(74d側は図示せず)、各溝部にはバネ56、78が設けられている。バネ56、78は圧縮バネであり、レジストローラ71の軸及び吸着ローラ38の軸を押圧している。従って、フロントカバー74が図8に示す閉じた状態にある時、吸着ローラ38は従動ローラ35と圧接し、レジストローラ70はレジストローラ71と圧接する。
【0146】
従動ローラ35は、第2の実施の形態と同様、FG接地接続部23fgを介してアースに接地されており、またフロントカバー74が閉じた状態にあるとき、吸着ローラ38の軸端部38aはET電圧接続部材23etの符号T側の接点部と接触し、この電位差により、記録媒体Sを搬送ベルト31に静電気的に吸着できるようになっている。
【0147】
その他の構造は第2の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
【0148】
次に第3の実施の形態のカラー記録装置に設けたアッパカバーの開閉動作を説明する。なお、搬送ベルトユニットの装着動作及びカラー記録装置の印刷動作については上述の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
【0149】
印刷動作中に記録媒体Sが装置本体内でジャムを起こすと、オペレータはフロントカバー74の引き出し部74cに手を掛けて矢印H方向に開く。これによりロック部74aが変形し装置本体の係合部75から外れ、レジストローラ71、吸着ローラ38及びシートガイド69がフロントカバー74と一緒に装置本体側から外れる。なお、ロック部74aは元の形状に戻る。そして、フロントカバー74は、図7及び図9に示す状態となる。
【0150】
この状態で、紙詰まりした記録媒体S(ジャム紙)があればジャム紙を取り除き、フロントカバーを矢印I方向に回動して閉じる。なお、このときジャム紙が見つからない場合は、搬送ベルトユニット300を第1の実施の形態で述べた操作により装置本体から取り外し、ジャム紙を取り除くことができる。
【0151】
第3の実施の形態では、装置本体前面側にレジストローラ71やシートガイド69だけでなく、吸着ローラ38も一体的に取り外すことができるので、例えば吸着ローラ38の位置で記録媒体Sの後端がジャムした場合には、フロントカバー74を開けた後、搬送ベルトユニット300を装置本体から取り外すことにより、記録媒体Sの後端が高圧電源57側に落ち、従って、ジャム紙の除去を簡単に行うことができる。
【0152】
なお、第3の実施の形態のフロントカバー74の開閉構造を第1の実施の形態のカラー記録装置1に適用すれば、第1の実施の形態において、ジャム紙の除去はより簡単となる。
【0153】
第2、第3の実施の形態では、各色に対する帯電ローラ7、現像ローラ9及びスポンジローラ11への供給電源を共通にして説明を分かりやすくしているが、転写ローラ4への供給電源のように、帯電ローラ、現像ローラ及びスポンジローラが各色毎に高圧電力を持ち、これらの高圧電力がこれら3つのローラに対し印刷タイミングに合わせて電力を供給してもよい。
【0154】
第1〜第3の実施の形態では、感光体6への潜像を書き込む手段としてLEDヘッド3で説明したが、LEDヘッド3に限定されるものではなく、レーザや液晶シャッター等であってもよい。
【0155】
第4の実施の形態
ところで、各印刷機構P1、P2、P3、P4において印刷を行うと、記録媒体Sに転写されずに感光体6表面に残留するトナー(以下、廃トナーと記す)が若干発生する。このような廃トナーは種々の方法、例えばクリーニングブレードやクリーニングローラ等により感光体6から取り除かれ、回収ボトル等に回収されている。第4の実施の形態の搬送ベルトユニットには、感光体6から回収された廃トナーを回収ボトルへ送る機構を備えている。以下、図10、図11及び図12を用いて説明する。図10は第4の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図、図11は第4の実施の形態の搬送ベルトユニットに設けたダクトを示す断面図、図12は第4の実施の形態の搬送ベルトユニットに設けたダクトへの駆動伝達経路説明図である。なお、図11では搬送ベルトは省略してある。
【0156】
カラー記録装置300の各画像形成カートリッジ2(2Y、2M、2C、2K)には夫々、感光体6の表面の廃トナーを取り除くクリーニング機構(図示せず)が備えられている。そして取り除かれた廃トナー400は、例えばスパイラル301により各画像形成カートリッジ2に夫々設けた廃トナー排出路302へ送られることにより、画像形成カートリッジ2の外に排出される。廃トナー排出路302には孔302aが形成されている。
【0157】
搬送ベルトユニット303の枠体40の内側には、上述の各廃トナー排出路302と対応する位置に略L字形のダクト304が配設されている。ダクト304の上部開口304aは廃トナー排出路302の孔302aと対向している。また、ダクト304の下部には廃トナー排出口304bが設けられ、廃トナー排出口304bには回収ボトル305が着脱自在に接続されている。即ち、感光体6から取り除かれた廃トナー400は廃トナー排出路302及びダクト304を通過して、回収ボトル305に回収される。
【0158】
ここで、図11及び図12に基づいてダクト304の構造を説明する。ダクト304内の回収ボトル305側には、スパイラル304cが設けられている。スパイラル304cは固定キャップ315内に設けられている。このスパイラル304cは転写ローラ4の回転力をギア310、311、312、313、314を介して伝達され、駆動される。各ギア310〜314は枠体40又は枠体40に設けたブラケット等(図示せず)に取り付けられている。スパイラル304はギア314が回転することにより廃トナーを矢印Z方向に搬送する。
【0159】
また、ダクト304内で且つ固定キャップ315の外側には可動キャップ306が設けられている。可動キャップ306は矢印X、Z方向に移動自在に取り付けられ、回収ボトル305側に孔306a(図11参照)が形成されている。可動キャップ306が矢印Z方向に移動すると、可動キャップ306により廃トナー排出口304bは塞がれ、キャップf306が矢印X方向に移動すると廃トナー排出口304bは開放される。可動キャップ306には図11に示すスプリング306bが設けられ、可動キャップ306を常に矢印Z方向へ付勢している。スプリング306bは固定キャップ315により廃トナーから隔絶される。
【0160】
ダクト304には溝307が形成されている。サイドカバー55を閉じた時、サイドカバー55に形成したリブ308が溝307に入り込み、可動キャップ306を矢印X方向に押して移動させるようになっている。
【0161】
なお、転写ローラ4の駆動ギア(後述する)はギア310とは逆側に設けられている。
【0162】
次に、第4の実施の形態のカラー記録装置300での廃トナー回収動作を同じく図10〜図12を用いて説明する。
【0163】
カラー記録装置300での転写動作終了後、各画像形成カートリッジ2においてクリーニング機構が動作し、感光体6の廃トナー400を除去する。スパイラル301は駆動しており、従って、クリーニング機構により除去された廃トナー400はスパイラル301により矢印Z方向へ送られる。そして、孔302a及び上部開口304aからダクト304に送られる。この間、転写ローラ4は回転しており、従って、スパイラル304cも駆動している。
【0164】
ダクト304に送られた廃トナー400はスパイラル304cにより矢印Z方向に送られ、孔306a及び廃トナー排出口304bから回収ボトル305に落下し、回収される。
【0165】
ところで、回収ボトル305の取出し等によりサイドカバー55を開くと、サイドカバー55と共にリブ308が移動し、ダクト304の溝307から出る。ダクト304の可動キャップ306はスプリング306bにより矢印Z方向へ移動し、これにより廃トナー排出口304bが閉じられる。従って、この状態において、回収ボトル305を取り出してもダクト304内の廃トナー400が廃トナー排出口304bから飛散することはない。
【0166】
さらに、搬送ベルトユニット303を引き出しても、廃トナー排出路302とダクト304は一体になっていないので、スムーズに引き出すことができる。また搬送ベルトユニット303の装着においても、廃トナー排出路302とダクト304とを接続する作業等は必要ない。
【0167】
第4の実施の形態では、ダクト304を略L字形としているが、ダクト304の形状は搬送ベルトユニット303内の空いている隙間の形状に応じて変化するものであり、L字形に限られない。また、回収ボトル305の位置も本実施の形態に示される位置に限られないものである。
【0168】
第4の実施の形態では、サイドカバー55を閉じるとリブ308が溝307に入り込み孔、304bを開放する。従って、サイドカバー55を閉じることにより廃トナー400の回収を直に開始することができる。
【0169】
第4の実施の形態では、廃トナーを回収する構成を第1の実施の形態のカラー記録装置に設けた例を説明したが、第1の実施の形態に限らず第2、第3の実施の形態のカラー記録装置にも適用可能である。また、カラーに限らず、モノクロームの記録装置においても適用可能である。
【0170】
ところで、転写ローラ4に駆動力を伝達する構成としては、図13に示すように、感光体6の回転軸側に設けられた駆動ギア320の駆動力をドラムギア321を介して、転写ローラ4の回転軸側に設けた転写ギア322に伝達するように構成している。この様な構成にすることにより、上述のギア列310〜314を転写ギア322とは逆側に配置することができ、コンパクトな駆動系を構成している。なお、図13は第4の実施の形態の転写ローラへの駆動力伝達状態を説明する図である。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図である。
【図2】第1の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【図3】第1の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【図4】第2の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図である。
【図5】第2の実施の形態のカラー記録装置の接続状態説明図である。
【図6】第2の実施の形態の制御回路を示すブロック図である。
【図7】第3の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図である。
【図8】第3の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【図9】第3の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【図10】第4の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図である。
【図11】第4の実施の形態の搬送ベルトユニットのダクトを示す断面図である。
【図12】第4の実施の形態の搬送ベルトユニットのダクトへの駆動伝達経路説明図である。
【図13】第4の実施の形態の転写ローラへの駆動力伝達状態説明図である。
【符号の説明】
【0172】
1、100、200、300カラー記録装置
21、23接続部材
22中継接続部材
30、300、303搬送ベルトユニット
55サイドカバー
74フロントカバー
98アッパカバー
101制御回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ベルトに記録媒体を吸着させ、画像形成手段と転写手段との間に記録媒体を搬送する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像記録装置としては記録ヘッドを有する画像形成手段、転写手段、及び両手段の間に配設された搬送ベルトを有している。特に、搬送ベルトに記録媒体を静電吸着させ、搬送ベルトの移動により記録媒体を搬送し、画像データに基づいて画像形成手段に形成された画像を転写手段により記録媒体に転写している。搬送ベルトは、位置がずれないように記録媒体を静電吸着でき且つ転写効率を高くするために、予め実験等により求められた適切な表面抵抗値が選択されていた。
【特許文献1】特開昭64−40848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
記録媒体を搬送ベルトに静電吸着して搬送しながら、転写手段に対して高電圧を供給し画像形成手段に形成されたトナー画像を記録媒体に転写すると、転写手段に供給する高電圧の影響を受けて搬送ベルトの表面抵抗値に径時変化が発生し、搬送ベルトの表面抵抗値が低下してしまい、この結果転写不良が発生していた。即ち、搬送ベルトには寿命が有り、寿命となった搬送ベルトはオペレータにより新しい搬送ベルトに交換されていた。
【0004】
従来の搬送ベルトの交換方法は、先ず画像形成手段を装置本体から取り外した後、搬送ベルトをネジ等を取り外したりして着脱しなければならず、従って、交換作業はオペレータにとって煩雑であるという問題があった。また、交換作業において、オペレータが画像形成手段や搬送ベルト等に傷等を付けてしまう虞があった。従って、保守員が交換作業を実施するという方法を採用していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明が講じた解決手段は、画像形成手段と転写手段との間に配設された搬送ベルトの移動により記録媒体を搬送する画像記録装置において、搬送ベルト及び転写手段を備えるとともに装置本体と係合する第1の係合部を有し、搬送ベルトの記録媒体載置面と対向する方向と直交する方向に着脱自在なユニットであって、ユニットと係合する第2係合部が装置本体に設けられ、ユニットが装置本体内で着脱方向に移動するとき第1の係合部と第2の係合部が係合されてユニットの案内ガイドとなり、ユニットが装置本体から取り外されるとき第1の係合部と第2の係合部の係合が解除されるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、搬送ベルト及び転写手段とを有するユニットを装置本体に対して着脱自在に配設し、ユニットの着脱の際にはユニットに設けられた第1の係合部、装置本体に設けられた第2の係合部がユニットの案内ガイドとなり、装着の際にはユニットの位置決めが容易に行え、ユニットの取り外しの際には第1の係合部、第2の係合部の係合が解除されるので交換作業を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態では、画像記録装置として電子写真記録方式のカラー記録装置を例に挙げて説明する。なお、各図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【0008】
第1の実施の形態
図1は本発明に係る第1の実施の形態におけるカラー記録装置を示す概略斜視図、図2は第1の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図、図3は第1の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【0009】
カラー記録装置1には図2に示す4組の印刷機構P1、P2、P3、P4が記録媒体Sの給入側から排出側へ(矢印A方向に沿って)順に並べられている。第1印刷機構P1はイエローに対する電子写真式LED(発光ダイオード)プリント機構で、第2印刷機構P2はマゼンタに対する電子写真式LEDプリント機構、第3印刷機構P3はシアンに対する電子写真式LEDプリント機構、第4印刷機構P4はブラックに対する電子写真式LEDプリント機構である。各印刷機構P1、P2、P3、P4はトナー色が異なるのみで、各構成要素は同一である。
【0010】
第1印刷機構P1は、イエローの画像形成カートリッジ2Y、画像データに従って後述する感光体を露光するLEDヘッド3Y、及び画像形成カートリッジ2Yで形成されたトナー画像をシート状の記録媒体Sに転写する転写ローラ4Yで構成される。
【0011】
第2印刷機構P2は、マゼンタの画像形成カートリッジ2M、画像データに従って後述する感光体を露光するLEDヘッド3M、及び画像形成カートリッジ2Mで形成されたトナー画像を記録媒体に転写する転写ローラ4Mで構成される。
【0012】
第3印刷機構P3は、シアンの画像形成カートリッジ2C、画像データに従って後述する感光体を露光するLEDヘッド3C、及び画像形成カートリッジ2Cで形成されたトナー画像を記録媒体に転写する転写ローラ4Cで構成される。
【0013】
第4印刷機構P4は、ブラックの画像形成カートリッジ2K、画像データに従って後述する感光体を露光するLEDヘッド3K、及び画像形成カートリッジ2Kで形成されたトナー画像を記録媒体に転写する転写ローラ4Kで構成される。
【0014】
各画像形成カートリッジ2(2Y、2M、2C、2K)はトナー色が異なるのみで、同一の構成要素から成っており、従って、画像形成カートリッジ2Yを代表して、その構成を説明する。
【0015】
画像形成カートリッジ2Yは軸5を中心に矢印a方向に回転する感光体6、感光体6の表面を一様に帯電させる帯電ローラ7、及び現像部8から構成される。現像部8は、半導電ゴム材で構成される現像ローラ9、現像ローラ9に一定の圧力で接触する現像ブレード10、現像ブレード10にトナーを適量搬送するスポンジローラ11、トナータンク12、及び攪拌部材13から構成される。
【0016】
先ず、現像部8の機能を説明する。トナータンク12から供給される非磁性1成分トナーは、攪拌部材13によって攪拌される。現像ローラ9とスポンジローラ11との間にはバイアスが印加され、帯電したトナーはスポンジローラ11を経て、現像ブレード10に移行し易くなっている。トナータンク12から供給されたトナーはスポンジローラ11を経て現像ブレード10に達し、現像ローラ9の回転により現像ローラ9の円周上に薄層化され、感光体6との接触面に達する。トナーは薄層形成時に現像ローラ9と現像ブレード10に強く擦られて摩擦帯電される。本実施の形態では負極性に摩擦帯電されるものとする。
【0017】
なお、トナーが無くなった時には、トナータンク12を交換することにより画像形成カートリッジ2Yにトナーを新たに供給することができる。
【0018】
LEDヘッド3Yは、LEDアレイとLEDアレイを駆動するドライブICとを搭載した基板(図示せず)、及びLEDアレイの光を集光する図示せぬセルフォックレンズアレイ等を有しており、図示せぬ外部装置から入力される画像データ信号に対応してLEDアレイを発光させ、感光体6の表面を露光し、感光体6表面に静電潜像を形成する。この静電潜像に、現像ローラ9の円周上のトナーが静電気力によって付着して画像が形成される。
【0019】
各画像形成カートリッジ2の前述した構成部品(6〜13)はカートリッジ枠体14に支持されている。
【0020】
なお、LEDヘッド3(3Y、3M、3C、3K)は保持部材16によって支持されており、保持部材16に設けられたバネ17により、LEDヘッド3は図の下方(感光体6方向)に押圧される。また、保持部材16にはバネ18が設けられており、バネ18によりカートリッジ枠体14の左右(矢印W、U方向)2カ所のバネ受け部14dを押圧している。両バネ17、18の押圧力と、後述する装着ガイド溝20b、20c(図1参照)とにより、画像形成カートリッジ2Yはカラー記録装置1に確実に保持されることができると共に、位置決めされる。
【0021】
カラー記録装置1本体は、上面98(以下、アッパカバー98と記す)が図2に示す回動中心98bを回転中心として矢印D、E方向に開閉自在となっている。
【0022】
アッパカバー98を開いた状態で、各画像形成カートリッジ2はカラー記録装置1本体から着脱可能になっている。カートリッジ枠体14には把手部14aが形成され、オペレータが把手部14aを手で持って着脱する。
【0023】
さらに、図1の画像形成カートリッジ2Mに示すように、各画像形成カートリッジ2のカートリッジ枠体14の矢印W、U方向の両端サイドには、位置決めガイド14b、14c(矢印U方向側の右サイドは図示せず)が形成されている。また、図示せぬ本体フレームに固着されたガイドフレーム20には位置決めガイド14b、14cと対向する位置に装着ガイド溝20b、20c(矢印W方向の左サイドは図示せず)が形成されている。
【0024】
そして各画像形成カートリッジ2の装着時には、夫々の位置決めガイド14b、14cが装着ガイド溝20b、20cに案内されて位置決めされ、取り外し時には位置決めガイド14b、14cが装着ガイド溝20b、20cに案内されて取り外される。
【0025】
各画像形成カートリッジ2のカートリッジ枠体14の排出側(矢印A方向側)下方にはバネ19が設けられている。バネ19は圧縮バネであり、ガイドフレーム20に取り付けられたバネ支持部20dに保持されている。なお、バネ19の上方(アッパカバー98側)への押圧力は、上述のバネ17、18の下方への押圧力に比して弱くしてある。
【0026】
感光体6と転写ローラ4との間には後に詳述する搬送ベルト31が移動可能に配設されている。
【0027】
画像形成カートリッジ2Yの現像器8にはイエロー(Y)のトナーが収容され、画像形成カートリッジ2Mの現像器8にはマゼンタ(M)のトナーが収容され、画像形成カートリッジ2Cの現像器8にはシアン(C)のトナーが収容され、画像形成カートリッジ2Kの現像器8にはブラック(K)のトナーが夫々収容されている。
【0028】
また、第1印刷機構P1のLEDヘッド3Yにはカラー画像信号のうちイエロー画像信号が入力され、第2印刷機構P2のLEDヘッド3Mにはカラー画像信号のうちマゼンタ画像信号が入力され、第3印刷機構P3のLEDヘッド3Cにはカラー画像信号のうちシアン画像信号が入力され、第4印刷機構P4のLEDヘッド3Kにはカラー画像信号のうちブラック画像信号が夫々入力される。
【0029】
また、カラー記録装置1本体は、図1に示す矢印W方向側の側面55(以下、サイドカバー55と記す)が矢印F、G方向に開閉自在に取り付けられている。サイドカバー55にはロック部55aが設けられており、サイドカバー55を矢印G方向に閉じたときに、ロック部55aは装置本体に設けた図示せぬ係合部と係合しサイドカバー55はロックされる。
【0030】
印刷機構P1、P2、P3、P4の下方には搬送ベルトユニット30が設けられている。搬送ベルトユニット30は、サイドカバー55を開いた状態で、装置本体に対し矢印U、W方向に着脱自在となっている。
【0031】
搬送ベルトユニット30は、図1、図2に示すように、搬送ベルト31、駆動ローラ32、従動ローラ33、34、35、クリーニングブレード36、前述の転写ローラ4(4Y、4M、4C、4K)、吸着ローラ38、除電ブラシ39及びこれら部品を支持する枠体40を有している。
【0032】
搬送ベルト31は高抵抗の半導電性プラスチックフィルムから成り、継目なしのエンドレス状に形成されている。搬送ベルト31は、駆動ローラ32、従動ローラ33〜35及び転写ローラ4に巻き掛けられている。搬送ベルト31の表面抵抗値は、後述する記録媒体Sを搬送ベルト31に静電吸着でき、且つこの記録媒体Sが搬送ベルト31から離れたときに搬送ベルト31に残存する静電気が自然に除電できる範囲にあるものとする。
【0033】
従動ローラ34は、図示せぬバネにより矢印d方向に付勢されており、これにより常に搬送ベルト31が張設される。搬送ベルトユニット30が本体に装着されると、搬送ベルト31は図2及び図3に示すように各印刷機構P1、P2、P3、P4の感光体6と転写ローラ4との間に掛け渡される。なお、本実施の形態では感光体6と転写ローラ4は搬送ベルト31に夫々接触させている。
【0034】
また、搬送ベルト31を介して従動ローラ33にはクリーニングブレード36が押し付けられている。クリーニングブレード36は可撓性のゴムやプラスチック材等で形成される。クリーニングブレード36の先端部は搬送ベルト31に圧接しており、搬送ベルト31の表面上に付着している残留トナーを除去して、枠体で囲まれて構成された廃トナータンク部37に落とすようになっている。
【0035】
即ち、搬送ベルト31が矢印A方向に移動しているときは、搬送ベルト31はクリーニングブレード36により常時クリーニングされていることになる。
【0036】
印刷機構P1の上流側(矢印A方向とは逆方向側)に設けた吸着ローラ38は、搬送ベルト31を介して従動ローラ35に圧接している。吸着ローラ38は、高抵抗な半導電性ゴム材等で構成されており、後に詳述する給紙機構60から送られてくる記録媒体Sを帯電して搬送ベルト31の表面に静電吸着させるものである。
【0037】
ここで図1に基づいて枠体40の細部を説明する。
【0038】
枠体40の記録媒体Sの排出側にはガイド部40aが形成されており、ガイド部40aに近接して除電ブラシ39が設けられている。除電ブラシ39は、帯電されることにより搬送ベルト31に吸着されて送られてきた記録媒体Sを除電して、その吸着状態を解除し、搬送ベルト31から分離し易くする。ガイド部40aは、搬送ベルト31に吸着されて除電ブラシ39まで送られた記録媒体Sを後述する定着器に案内する。
【0039】
また枠体40の底面には、矢印W、U方向と平行なガイド溝40b、40cが形成されている。そして、搬送ベルトユニット30と対向する装置本体側の底面に固着されているフレーム50には、ガイド溝40b、40cと係合するガイド50b、50cが形成されており、これらガイド溝40b、40cは、搬送ベルトユニット30を装置本体に対し着脱する際、ガイド50b、50cに案内される。
【0040】
さらに、枠体40の駆動ローラ32及び従動ローラ35側の両側面には、ロックレバー42、43が夫々設けてある。両ロックレバー42、43により、搬送ベルトユニット30は装置本体に装着されるとロックされる。両ロックレバー42、43はシャフト44の両端に夫々固着されており、シャフト44は枠体44に回転自在に取り付けられている。これにより両ロックレバー42、43は一緒に回転できるようになっている。
【0041】
ロックレバー42には引っ張りコイルバネ45の一端が引掛けられている。引っ張りコイルバネ45の他端は枠体40の一部46に引掛けられており、ロックレバー42を枠体40の底面方向へ付勢している。従って、ロックレバー42、43は矢印Q方向へ回動するが、枠体40に形成したストッパ47がロックレバー42の傾斜部42aに当接し回動を規制されている。
【0042】
ロックレバー42のストッパ47側には鍵状部42bが形成されている。この鍵状部42bと同様の鍵状部(図示せず)が、ロックレバー43にも形成されている。両鍵状部42bは、搬送ベルトユニット30を装置本体に装着したとき装置本体に形成した固定軸52、53と係合して装置本体側に確実に保持される。
【0043】
両鍵状部42bと固定軸52、53との係合を外すときは、ロックレバー42を矢印P方向に回動させると、ロックレバー42の回動がシャフト44を介してロックレバー43に伝達され、ロックレバー43も矢印P方向に回動する。これによりロックレバー42、43の鍵状部42bと固定軸52、53との係合が外れる。従って、搬送ベルトユニット30を矢印W方向に引き出し、装置本体から取り外すことができる。
【0044】
さらに、枠体40の矢印W方向側の面(枠体40の前面)には把手48が固着されており、搬送ベルトユニット30の着脱の際、オペレータが把手48を持って矢印U方向(装着方向)又は矢印W方向(引出方向)に搬送ベルトユニット30を移動する。
【0045】
搬送ベルトユニット30側に設けた駆動ローラ32の一方の軸端には、図1に示すように、ギア41が固着されている。搬送ベルトユニット30が装置本体に装着されたときは、このギア41が装置本体側に設けられた図示せぬモータギアと噛み合う。モータギアは図示せぬモータに接続され、従って、モータの駆動により駆動ローラ32は矢印c方向に回転する。
【0046】
図2及び図3において、カラー記録装置1の搬送ベルトユニット30の下方には給紙機構60が設けられている。給紙機構60は記録媒体Sを収容する用紙収容カセット60a、用紙収容カセットから1枚ずつ記録媒体Sを繰り出すホッピング機構60b、及び繰り出された記録媒体Sのスキューを修正する一対のレジストローラ70、71を有している。
【0047】
用紙収容カセットは60a、記録媒体収容箱61、押し上げ板62、及び押圧手段63を備えている。ホッピング機構60bは弁別手段64、給紙ローラ66、及び弁別手段64を給紙ローラ66に押し付けるバネ65を備えている。ホッピング機構60bとレジストローラ70、71との間には記録媒体Sを案内するガイド68、69が設けられている。ホッピング機構60bにより繰り出される記録媒体Sは、ガイド68、69に案内されてレジストローラ70、71との間に達するようになっている。
【0048】
ガイド69のレジストローラ71側には孔69aが形成されており、この孔69aの近傍にフォトセンサ72が設けられている。フォトセンサ72はガイド68、69を案内される記録媒体Sの先端及び後端を検出する。
【0049】
搬送ベルトユニット30の記録媒体S搬送方向下流には定着器80が設けられている。定着器80は、ガイド部40aに案内されて送られてくる記録媒体S上に転写されたトナー画像を熱と圧力により定着させる。定着器80は、図2及び図3に示すように、記録媒体S上のトナーを加熱する加熱ローラ81、及び加熱ローラ81と共に記録媒体Sを加圧する加圧ローラ82を有する。
【0050】
加圧ローラ82は図示せぬバネにより加熱ローラ81と圧接している。加熱ローラ81と加圧ローラ82は、図示せぬ駆動手段により回転可能に支持されている。加熱ローラ81は、アルミニウム等から成る中空円筒状の芯金の外周面に、シリコンゴム系などの耐熱弾性層と、その上層にフッ素樹脂等をコーティングして成る剥離型層とが設けられて構成される。加熱ローラ81の中空円筒状の内部には、ハロゲンランプ等から成る加熱ヒータ83が配設されている。
【0051】
加圧ローラ82はアルミニウム、ステンレス等から成る芯金の外周面に、耐熱性のプラスチックの非弾性層と、その上層にフッ素樹脂系のPFA、ETFE等をコーティングして成る離型層を設けて構成される。
【0052】
加熱ローラ81に耐熱弾性層を設け、加圧ローラ82の耐熱非弾性層を堅く構成することにより、加圧ローラ82と加熱ローラ81との間に圧接部(ニップ部)を形成している。加熱ローラ81の外表面には、加熱ローラ81の表面温度を検出するサーミスタ84が接触して設けられている。サーミスタ84の検出温度により、周知の温度制御手段(図示せず)が加熱ヒータ83の通電を制御して、加熱ローラ81の表面の温度を所定温度に保っている。
【0053】
加熱ローラ81の外表面に接触して、装置本体に固定された支持部材85に回転自在に支持されたフェルトローラ86が配設されている。フェルトローラ86にはジメチルシリコンオイル等のオフセット防止液が含浸されており、トナーのオフセットを起こしにくくしている。さらに、支持部材85にはクリーニングローラ87が回転自在に支持されている。クリーニングローラ87は加熱ローラ81の外表面に残存したトナーや紙粉等を除去する機能を持っている。
【0054】
加熱ローラ81の記録媒体Sの排出側には、記録媒体Sを加熱ローラ81から分離する分離爪88が設けられている。分離爪88は、加熱ローラ81の軸方向に複数配設され、先端部分が加熱ローラ81の外表面と接触している。
【0055】
支持部材85は、上部ケース89に保持されており、上部ケース89に対して着脱自在に構成されている。上部ケース89は加熱ローラ81、サーミスタ84、及び支持部材85を支持している。上部ケース89の下方には下部ケース89が設けられており、下部ケース89は加圧ローラ82を支持すると共に、記録媒体Sを案内するガイドの役割も果たしている。
【0056】
定着器80の記録媒体Sの搬送方向下流には、一対の搬送ローラ91、搬送ローラ91に搬送される記録媒体Sを案内するガイド92、93、94、95、及び記録媒体Sをアッパカバー98へ排出する排出ローラ96、97が配設されている。アッパカバー98には排出スタッカ部98aが形成されている。即ち、排出スタッカ部98aには印刷済みの記録媒体Sが排出される。
【0057】
なお、LEDヘッド3の保持部材16、ガイド94、95、及び排出ローラ96、97は、図3に示すようにアッパカバー98の内側面(印刷機構P1、P2、P3、P4と対向する側の面)側に支持されている。
【0058】
ガイド92の搬送ローラ91側には孔92aが形成されており、この孔92aの近傍にフォトセンサ79が設けられている。フォトセンサ79は、ガイド92、93を案内される記録媒体Sの先端及び後端を検出する。
【0059】
搬送ベルトユニット30の真下には、吸着ローラ38と、各印刷機構P1、P2、P3、P4の帯電ローラ7、現像ローラ9、スポンジローラ11、及び転写ローラ4とに高圧電力を供給する高圧電源装置57が配設されている。また、定着器80の下には上記構成のカラー記録装置1の全体動作を制御する回路制御部58、及び回路制御部58に電圧を供給する低圧電源59が配設されている。
【0060】
次に第1の実施の形態のカラー記録装置1の搬送ベルトユニット着脱動作を説明する。
【0061】
先ず搬送ベルトユニット30の取り外し動作から説明する。
【0062】
オペレータがアッパカバー98を矢印D方向に開くと、保持部材16がアッパカバー98に支持されているので、バネ17、18による各画像形成カートリッジ2への押圧力が解除される。これにより、各画像形成カートリッジ2はバネ19により上方に押圧されて、各画像形成カートリッジ2の位置決めガイド14b、14cが装着ガイド溝20b20cに沿って上方に移動する。これにより、図3に示すように、各画像形成カートリッジ2の感光体6は搬送ベルト31から離間する。
【0063】
次にオペレータは、サイドカバー55を本体装置に対して矢印F方向に開く。そしてロックレバー42(又はロックレバー43)を矢印P方向に回動させる。従って、ロックレバー42、43と本体装置側の固定軸52、53との係合は解除される。この状態で、オペレータは把手48を持って搬送ベルトユニット30を矢印W方向に引き出す。このとき、上述したように各感光体6は搬送ベルト31から離間しているので、搬送ベルト31の移動に対し干渉するものがない。従って、搬送ベルトユニット30は、そのガイド溝40b、40cが本体装置側のガイド50b、50cに案内されて、本体装置から取り外される。
【0064】
なお、アッパカバー98及びサイドカバー55を開く順番はどちらが先であってもよく、搬送ベルトユニット30を矢印W方向に移動させる際に、アッパカバー98が開いていればよい。
【0065】
次に、搬送ベルトユニット30の装着動作を説明する。
【0066】
オペレータは搬送ベルトユニット30のガイド溝40b、40cを本体装置側のガイド50b、50cに嵌合させ、把手48を持って搬送ベルトユニット30を矢印U方向に移動させる。搬送ベルトユニット30の移動により、ロックレバー42、43の傾斜部42aはそれぞれ固定軸52、53に押し付けられて矢印P方向に回動する。
【0067】
さらに搬送ベルトユニット30を矢印U方向に移動させると、ロックレバー42、43の鍵状部42bが固定軸52、53と対向する位置で、ロックレバー42、43が引っ張りコイルバネ45の付勢力により矢印Q方向に回動し、鍵状部42bが固定軸52、53と係合する。同時に図1に示すギア41が、上述した本体側のモータギアと噛み合い、搬送ベルトユニット30は本体側に装着される。
【0068】
この後、サイドカバー55を矢印G方向に回動して閉じ、アッパカバー98を閉じると、各画像形成カートリッジ2の感光体6はアッパカバー98に設けたバネ17、18の押圧力により搬送ベルト31に接触する。この状態で、カラー記録装置1は印刷動作開始可能状態となる。
【0069】
第1の実施の形態では、カラー記録装置1に開閉自在なサイドカバー55を取り付け、搬送ベルトユニット30を装置本体に対し矢印U、W方向に着脱自在とすることにより、搬送ベルトユニット30の着脱は画像形成カートリッジやその他の部材を取り除かなくても行うことができる、即ち、搬送ベルトユニット30の着脱において搬送ベルトユニット30のみを着脱すればよいので、交換作業は従来よりも容易になる。
【0070】
さらに、搬送ベルトユニット30を装置本体に対し容易に着脱することができるので、カラー記録装置1内で記録媒体Sが紙詰まりした場合のジャム処理も容易に行える。この結果、搬送ベルトユニット30の交換やジャム処理等の、いわゆるメンテナンス作業を従来よりも容易に行うことができる。
【0071】
また、第1の実施の形態では、アッパカバー98を開くと感光体6は本体装置側に設けたバネ19により搬送ベルト31から離間されるので、搬送ベルトユニット30が感光体6に干渉されることなく、搬送ベルトユニット30を着脱することができる。
【0072】
また、第1の実施の形態では、搬送ベルトユニット30を装着する際、搬送ベルトユニット30のガイド溝40b、40cが本体装置側のガイド50b、50cに案内されて本体装置に装着されるので、装着の際の搬送ベルトユニット30の位置決めが容易に行える。
【0073】
第2の実施の形態
第2の実施の形態の搬送ベルトユニットには、電源からの高圧電力が供給される接続部材が設けられている。以下、図2、図4、図5を用いて第2の実施の形態を説明する。図4は第2の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図、図5は第2の実施の形態のカラー記録装置の接続部材と接点との接続状態説明図であり、各画像形成カートリッジの感光体、帯電ローラ、現像ローラ及びスポンジローラと接続部材との位置関係を模式的に示した図である。
【0074】
図4において、カラー記録装置100の高圧電源57には導電性の高圧供給接点24が設けてある。高圧供給接点24は10個の高圧供給接点24ch、24db、24sp、24gr、24fg、24tk、24tc、24tm、24ty、24etから成る。また、搬送ベルトユニット300の枠体40の内側には導電性の中継接続部材22及び導電性の接続部材23が固着支持されている。さらに、カラー記録装置100の図示せぬ本体フレームには導電性の接続部材21が支持されている。
【0075】
高圧電源57の高圧電力は、高圧供給接点24から中継接続部材22及び接続部材23及び接続部材21を介して、各画像形成カートリッジ2や搬送ベルトユニット300等に供給される。以下に詳述する。
【0076】
接続部材21はカラー記録装置100の矢印W方向側のサイドに設けられ、一方の端(符号J側)の接点部は、サイドカバー55を開いたときにカラー記録装置100から露出して見える。また、接続部材21の他方の端(図5に示す符号I側)の接点部は、各画像形成カートリッジ2が装置本体に装着されたとき、各画像形成カートリッジ2の図示せぬ接点と接触する。
【0077】
接続部材21は4つの接続部材(21ch、21db、21sp、21gr)を有し、装置本体に固着されている。図5に示すように、CH電圧接続部材21chは各帯電ローラ7に高圧電力を供給し、DB電圧接続部材21dbは各現像ローラ9に高圧電力を供給し、SP接続部材21spは各画像形成ユニット2のスポンジローラ11に高圧電力を供給し、接地接続部材21grは各感光体6をアースに接地する。
【0078】
即ち、CH電圧接続部材21chの他方端には4カ所の接点部が形成され、各接点部は各帯電ローラ7の接点7pと接触する。DB電圧接続部材21dbの他方端には4カ所の接点部が形成され、各接点部は各現像ローラ9の接点9pと接触する。SP電圧接続部材21spの他方端には4カ所の接点部が形成され、各接点部は各スポンジローラ11の接点11pと接触する。接地接続部材21grの他方端には4カ所の接点部が形成され、各接点部は感光ドラム軸5の接点5pと接触する。
【0079】
搬送ベルトユニット300の把手48側に固着支持された中継接続部材22は4つの接続部材(22ch、22db、22sp、22gr)を有している。中継接続部材22の一方端(符号L側の接点部)は搬送ベルトユニット300から上方に突き出ており、中継接続部材44の他方端(符号N側の接点部)は把手48の下方に突き出ている。搬送ベルトユニット300を装置本体に装着した状態で、中継接続部材22の一方端は接続部材21の一方端と接触する。
【0080】
即ち、中継接続部材22chの一方端はCH電圧接続部材21chの一方端の接点部と接触し、中継接続部材22dbの一方端はDB電圧接続部材21dbの一方端の接点部と接触し、中継接続部材22spの一方端はSP電圧接続部材21spの一方端(符号J側)の接点部と接触し、中継接続部材22grの一方端は接地接続部材21grの一方端の接点部と接触する。
【0081】
そして、中継接続部材22chの他方端は高圧供給接点24chと接触し、中継接続部材22dbの他方端は高圧供給接点24dbと接触し、中継接続部材22spの他方端は高圧供給接点24spと接触し、中継接続部材22grの他方端は高圧供給接点24grと接触する。
【0082】
また、搬送ベルトユニット300の把手48側に固着支持された接続部材23は、5つの接続部材(23et、23ty、23tm、23tc、23tk、23fg)を有している。接続部材23の一方端(符号N側の接点部)は図4に示すように、搬送ベルトユニット300の下方に突き出ており、他方端(符号T側の接点部)は転写ローラ4の軸端部の接点(図示せず)と接触している。
【0083】
ET電圧接続部材23etは吸着ローラ38に吸着用高圧電力を供給する。TY電圧接続部材23tyは転写ローラ4Yに帯電用高圧電力を供給し、TM電圧接続部材23tmは転写ローラ4Mに帯電用高圧電力を供給し、TC電圧接続部材23tcは転写ローラ4Cに帯電用高圧電力を供給し、TK電圧接続部材23tkは転写ローラ4Kに帯電用高圧電力を供給する。
【0084】
また、FG接地接続部材23fgは搬送ベルトユニット300の各金属製部品をカラー記録装置1の図示せぬフレームアースに接地する。搬送ベルト31が巻き掛けられた従動ローラ35はFG接地接続部材23fgを介してアースに接地されており、吸着ローラ38との電位差により、記録媒体Sを搬送ベルト31に静電気的に吸着できるようになっている。
【0085】
搬送ベルトユニット300を装置本体に装着すると、ET電圧接続部材23etの一方端は高圧電源57に設けた高圧供給接点24etと接触し、TY電圧接続部材23tyの一方端は高圧供給接点24chと接触し、TM電圧接続部材23tmの一方端は高圧供給接点24tmと接触し、TC電圧接続部材23tcの一方端は高圧供給接点24tcと接触し、TK電圧接続部材23tkの一方端は高圧供給接点24tkと接触し、接地接続部材23fgの一方端は高圧供給接点24fgと接触する。
【0086】
また、ET電圧接続部材23etの他方端は吸着ローラ38の軸端部の接点と接触し、TY電圧接続部材23tyの他方端は転写ローラ4Yの軸端部の接点と接触し、TM電圧接続部材23tmの他方端は転写ローラ4Mの軸端部の接点と接触し、TC電圧接続部材23tcの他方端は転写ローラ4Cの軸端部の接点と接触し、TK電圧接続部材23tkの他方端は転写ローラ4Kの軸端部の接点と接触している。
【0087】
なお、上述した導電性の各接続部材21、22、23、24は、導電性と弾性を有するリン青銅等の金属素材により形成される。
【0088】
また本体フレームには後述する、サイドカバー55の開閉と連動するスイッチ、及びアッパカバー98の開閉と連動するスイッチが設けてある。
【0089】
次に、第2の実施の形態の制御系を図6を加えて説明する。図6は第2の実施の形態の制御回路を示すブロック図である。なお、図において符号Y、M、C、Kはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成カートリッジの各印刷機構P1、P2、P3、P4に対応している。
【0090】
制御回路101はマイクロプロセッサ等から成り、カラー記録装置100全体の動作を制御する。制御回路101には、SPバイアス電源102、DBバイアス電源103、帯電用電源104、転写用電源105Y、105M、105C、105K、吸着帯電用電源106が夫々接続されており、各電源は制御回路101の指示によりオン/オフ制御される。
【0091】
SPバイアス電源102から出力される高圧電力は高圧供給接点24sp、中継接続部材22sp及び電圧接続部材21sp(図4、図5参照)を介して各画像形成カートリッジ2のスポンジローラ11に供給される。DBバイアス電源103から出力される高圧電力は、高圧供給接点24db、中継接続部材22db及び電圧接続部材21dbを介して各画像形成カートリッジ2の現像ローラ9に供給される。
【0092】
帯電用電源104から出力される高圧電力は、高圧供給接点24ch、中継接続部材22ch及び電圧接続部材21chを介して各画像形成カートリッジ2の帯電ローラ7に供給される。
【0093】
転写用電源105Y、105M、105C、105Kから出力される高圧電力は、夫々高圧供給接点24ty、24tm、24tc、24tk及びTY電圧接続部材23ty、TM電圧接続部材23tm、TC電圧接続部材23tc、TK電圧接続部材23tkを介して各転写ローラ4に供給される。
【0094】
また、吸着帯電用電源106から出力される高圧電力は、高圧供給接点24et及びET電圧接続部材23etを介して吸着ローラ38に供給される。
【0095】
制御回路101は各画像形成カートリッジ2Y、2M、2C、2Kに夫々対応する印刷制御回路108(108Y、108M、108C、108K)、インタフェース部110、及びインタフェース部を介して図示せぬ外部装置より送られてくる画像データを格納するメモリ109(109Y、109M、109C、109K)が接続されている。印刷制御回路108はメモリ109からの画像データを受けてこれらのデータを制御回路101からの指示により、LEDヘッド3へ送信して、LEDの露光時間を制御し、感光体6の表面に静電潜像を形成する制御を行う。
【0096】
インタフェース部110は、外部装置、例えばホストコンピュータから送信されてきた画像データを色別に分解して、各メモリへ格納する。
【0097】
また、制御回路101には定着器ドライバ111、モータ駆動回路112及びセンサレシーバドライバ116が接続されている。
【0098】
定着器ドライバ111は、定着器80に設けたサーミスタ84によるヒートローラ81の外周面の検出温度を受けて、ヒートローラ81内の加熱ヒータ83に対し通電制御を行い、ヒートローラ81の温度を一定に保つ。
【0099】
モータ駆動回路112には、給紙ローラ66を回転させるモータ113と、モータ114とを回転駆動する。モータ114は、感光体6、帯電ローラ7、現像ローラ9、スポンジローラ11、転写ローラ4、駆動ローラ32、レジストローラ70、71、吸着ローラ38、排出ローラ96、97、一対の搬送ローラ91、定着器80のヒートローラ81及び加圧ローラ82を駆動する。モータ113、114により回転される各ローラは、図示せぬギア或いはベルトにより連結されモータ113、114の回転力が伝達されるようになっている。
【0100】
センサレシーバドライバ116はフォトセンサ72、79を駆動し、そのフォトセンサ72、73の出力波形を受信して制御回路101へ送る。
【0101】
低圧電源59は上述の各回路及び高圧電源57に直流(DC)電圧を供給する。高圧電源57は低圧電源59からDC電圧を受けて、公知のように例えばトランス等で高電圧に変換する。低圧電源59と高圧電源57との間には、スイッチ117、118が設けられている。また100ACの商用電力を供給/遮断するACスイッチ119が低圧電源59側に設けられている。
【0102】
スイッチ117は前述したサイドカバー55の開閉に連動してオン/オフするスイッチであり、このスイッチ117は、サイドカバー55を矢印F方向に開くとオフ状態となり、閉じるとオン状態となる。またスイッチ118は前述したアッパカバー98の開閉に連動してオン/オフするスイッチであり、このスイッチ118はアッパカバー98が開くとオフ状態となり、閉じるとオン状態となる。即ち、アッパカバー98又はサイドカバー55のいずれかが本体に対し開けられたとき、高圧電源57への電力供給が遮断されて、オペレータに対する安全を確保している。
【0103】
その他の構造は第1の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
【0104】
次に、第2の実施の形態の搬送ベルトユニット300の装着動作を同じく図2、図4、図5、図6を用いて説明する。
【0105】
先ず、搬送ベルトユニット300の取り外し動作を説明する。オペレータがアッパカバー98を開くとスイッチ118がオフ状態となり、これにより高圧電源57からの電力が切断される。また、第1の実施の形態で説明したように、バネ19により各画像形成カートリッジ2の感光体6は搬送ベルト31から離間する。次に、オペレータはサイドカバー55を開く。
【0106】
なお、第1の実施の形態と同様、アッパカバー98とサイドカバー55を開く順番はどちらが先でも良く、搬送ベルトユニット300を矢印W方向に移動させる際に、アッパカバー98が開いていれば良い。またこのときACスイッチ119がオンの状態であっても、アッパカバー98又はサイドカバー55を開けた時点で、上述したように、高圧電源57からの電力は切断されるので、オペレータへの安全性は確保される。
【0107】
この後の、搬送ベルトユニット300を矢印U方向に移動させて取り外す動作は第1の実施の形態で説明した動作と同様であるので説明は省略する。
【0108】
次に搬送ベルトユニット300の装着動作を説明する。なお、搬送ベルトユニット300のガイド溝40b、40cを本体装置側のガイド50b、50cに嵌合させて搬送ベルトユニット300を矢印U方向へ移動してから、ロックレバー42、43が固定軸52、53と係合するまでの動作は第1の実施の形態で説明した動作と同じであるので説明は省略する。
【0109】
搬送ベルトユニット300のギア41が本体装置側のモータギアと噛み合い、搬送ベルトユニット300が本体側に装着されると、高圧供給接点24と接続部材23及び中継接続部材22とが接続されると共に、中継接続部材22と接続部材21とが接続される。
【0110】
この後、サイドカバー55及びアッパカバー98を閉じると第1の実施の形態で説明した動作と同様、感光体6は搬送ベルト31に接触する。同時にまたスイッチ117、118がオン状態となる。この状態で、カラー記録装置100は印刷動作開始可能状態となる。
【0111】
次に、カラー記録装置100の印刷動作を説明する。
【0112】
先ず、カラー記録装置100のACスイッチ119がオン状態となると、低圧電源59が立ち上がり、所定電圧を各回路や高圧電源57に供給する。図6に示す各回路が所定の初期設定を実行した後、制御回路101は定着器ドライバ111を駆動して定着器80内のヒートローラ81を所定温度になるまでウォーミングアップする。制御回路101は、ヒートローラ81が常に一定温度に保たれるように制御している。
【0113】
以上によりカラー記録装置100の初期設定が終了し、制御回路101はインタフェース110を介して外部装置から画像データが送られてくるのを待つ。
【0114】
制御回路101は外部装置、即ちホストコンピュータから送られてきた画像データをインタフェース110を介して受信すると、インタフェース110及び各メモリ109に指示を出す。この指示により、インタフェース110は受信した画像データ信号を色別に分解し、色別の画像データを色別の各メモリに記憶させる。
【0115】
即ち、イエローの画像データはメモリ109Yへ、マゼンタの画像データはメモリ109Mへ、シアンの画像データはメモリ109Cへ、ブラックの画像データはメモリ109Kへ夫々格納する。各メモリ109Y、109M、109C、109Kには、記憶媒体S上に印刷される1ページ分の各色の画像データが夫々記憶されることになる。
【0116】
制御回路101はモータ駆動回路112を介してモータ113を駆動し、給紙ローラ66を回転させる。給紙ローラ66の回転により用紙収納箱61の記録媒体Sが1枚、図2に示すガイド68、69へ送られ、制御回路101はセンサレシーバドライバ116を介して、記録媒体Sの先端をフォトインタラプタ72により検知する。制御回路101はモータ駆動回路112を制御して、フォトインタラプタ72による検知位置から記録媒体Sをさらに所定量搬送する。
【0117】
この所定量は、記録媒体Sがフォトインタラプタ72による検知位置からレジストローラ70、71間までの距離よりも長く搬送されるように設定されている。レジストローラ70、71は回転しておらず、従って、記録媒体Sはその先端をレジストローラ70、71間に押し当てられて湾曲し、この湾曲により記録媒体Sのスキューが修正される。
【0118】
次に、制御回路101は、モータ駆動回路112を介してモータ114を駆動し、印刷機構P1、P2、P3、P4の感光体6、帯電ローラ7、現像ローラ9、スポンジローラ11、転写ローラ4、駆動ローラ32、レジストローラ70、71、吸着ローラ38、排出ローラ96、97、一対の搬送ローラ91、定着器80のヒートローラ81及び加圧ローラ38を夫々回転させる。
【0119】
同時に、制御回路101は吸着帯電用電源106をオン状態にして、吸着ローラ38に電圧を供給する。レジストローラ70、71は夫々矢印c、a方向に回転しており、記録媒体Sはレジストローラ70、71によって媒体ガイド73に案内され搬送される。記録媒体Sの先端が吸着ローラ38と搬送ベルト31との間に達すると、記録媒体Sの先端は、吸着ローラ38と従動ローラ35との間の静電気力により搬送ベルト31に吸着される。
【0120】
なお、記録媒体Sの後端が給紙ローラ66により弁別手段64を通過した後は、制御回路101はモータ駆動回路112を介して、モータ113の駆動を停止させる。
【0121】
記録媒体Sの先端が吸着ローラ38を通過した時点で、制御回路101は帯電用電源104、DBバイアス電源103及びSPバイアス電源102をオン状態とし、印刷機構P1、P2、P3、P4の帯電ローラ7、現像ローラ9及びスポンジローラ11に電圧を供給する。以上により、印刷機構P1、P2、P3、P4の感光体6表面は夫々帯電ローラ7を介して均一に帯電され、印刷機構P1、P2、P3、P4のスポンジローラ11及び現像ローラ9は所定の高電圧に帯電される。
【0122】
次に、制御回路101はイエローの画像データをメモリ109Yから第1印刷機構P1の印刷制御回路108Yへ送信する。印刷制御回路108Yは、制御回路101からの指令によりメモリ109Yから送られてきた画像データを、第1印刷機構P1のLEDヘッド3Yへ送信できる形に変えて、LEDヘッド3Yへ送信する。
【0123】
LEDヘッド3Yは、送られてくる画像データに対応するLEDを点灯させ、帯電した感光体6Yの表面に画像データに応じた1ライン分の静電潜像を形成する。このようにして、1ライン毎にメモリ109Yから送られてくるイエローの画像データは次々に感光体6Yの表面に静電潜像化され、副走査方向(矢印A方向と平行方向)の長さ分のイエロー画像データが潜像化されて露光が終了する。
【0124】
静電潜像が形成された感光体6Yの表面には、帯電した現像ローラ9に付着したイエロートナーが電位差により引き寄せられて付着する。感光体6Yの回転により、静電潜像は次々にイエロートナーにより現像される。
【0125】
記録媒体Sの先端が感光体6Yと転写ローラ4Yとの間に到達した時点で、制御回路101は転写用電源105Yをオン状態にする。これにより、感光体6Y表面のトナー画像は、転写ローラ4Yにより電気的に引き寄せられ記録媒体Sに転写される。
【0126】
以上により、画像形成カートリッジ2Yによる記録媒体Sへのイエロートナー画像の転写が終了する。そして、記録媒体Sの後端が感光体6と転写ローラ4Yとの間に到達した時点で制御回路101は画像形成カートリッジ2Yの転写用電源105Yをオフ状態にする。
【0127】
搬送ベルト31は引き続き移動しており、記録媒体Sは画像形成カートリッジ2Yから画像形成カートリッジ2Mへ移り、画像形成カートリッジ2Mによるマゼンタの画像データの露光、現像及び転写が行われる。
【0128】
上述したイエロー画像データのLEDヘッド3Yへの送信動作と同様、制御回路101は、マゼンタの画像データを記憶しているメモリ109Mから、画像データを画像形成カートリッジ2Mの印刷制御回路108Mへ送信する。画像形成カートリッジ2Mの印刷制御回路108Mは、制御回路101からの指令により、メモリ109Mから送られてきた画像データを画像形成カートリッジ2MのLEDヘッド3Mへ送信できる形に変えて、LEDヘッド3Mへ送信する。
【0129】
上述したイエロー画像データの露光動作と同様に、LEDヘッド3Mは送られてきたマゼンタの画像データに対応するLEDを点灯させ、帯電した感光体6の表面に画像データに応じた1ライン分の静電潜像を形成する。このようにして、1ライン毎にメモリ109Mから送られてくるマゼンタの画像データは次々に感光体6の表面に静電潜像化され、副走査方向の長さ分のマゼンタの画像データが潜像化されて露光が終了する。
【0130】
以下、マゼンタトナー画像の転写動作は、上述したイエロートナー画像転写動作と同様であり、説明を省略する。記録媒体Sは画像形成カートリッジ2Mから画像形成カートリッジ2Cへ移り、次に画像形成カートリッジ2Cによるシアンのトナー画像の転写が行われる。なお、シアンの画像データの送信、露光、現像及び転写の動作は上述の画像形成カートリッジ2Yでの動作と同様であり、説明は省略する。
【0131】
シアントナー画像の転写動作が終了すると、記録媒体Sは画像形成カートリッジ2Cから画像形成カートリッジ2Kへ移り、次に画像形成カートリッジ2Kによるブラックの画像データの送信、露光、現像及び転写の動作が上述の画像形成カートリッジ2Yでの動作と同様に行われる。ブラックトナー画像の転写動作が終了すると、制御回路101は転写用電源105Kをオフ状態にする。
【0132】
以上のように、各色のトナー画像が記録媒体S上に重ねて転写される。その後、記録媒体Sは搬送ベルト31の移動により除電ブラシ39へ送られ、除電ブラシ39により除電される。従って、記録媒体Sは搬送ベルト31への吸着を解除され、駆動ローラ32を通過すると搬送ベルト31から離れ、用紙ガイド部40aに案内されて、定着器80へ案内される。
【0133】
定着器80では、ヒートローラ81は既に定着可能な温度に達しており、ヒートローラ81と、これに圧接する加圧ローラ82との間に記録媒体Sが搬送されると、記録媒体Sのカラートナー画像は熱と圧力により記録媒体Sに定着される。
【0134】
定着が終了すると、記録媒体Sは排出ローラ91によって、ガイド92、93へ送られ、ガイド92、93及びガイド94、95に案内されて排出ローラ96、97に達する。そして、排出ローラ96、97によって、排出スタッカ部98aに排出される。制御回路101は、記録媒体Sの排出をフォトインタラプタ79が記録媒体Sの後端を検出することにより知ることができる。
【0135】
排出動作が終了すると、制御回路101はSPバイアス電源102、DBバイアス電源103及び帯電用電源104をオフ状態とし、またモータ駆動回路112を介してモータ114を停止する。なお、制御回路101は各画像形成カートリッジ2でトナー転写が終了した時点で、帯電用電源104をオフする。
【0136】
以上のようにして、給紙機構60から繰り出された記録媒体Sにカラー画像を記録する。
【0137】
第2の実施の形態では、高圧供給接点24及び接続部材23を設けて、搬送ベルトユニット300を装置本体に装着した状態で高圧供給接点24と接続部材23の接点部とが接続され、高圧電源57から転写ローラ4や吸着ローラ38に高圧電力を供給できるようにしているので、搬送ベルトユニット300をサイドカバー55の位置から着脱自在にする構成にも拘らず、高圧電力供給用の引き回し線が従来よりも簡便にできる。
【0138】
また、高圧電源57を搬送ベルトユニット300に近接して(本実施の形態では搬送ベルトユニット300の真下に)設けており、従って、搬送ベルトユニット300の着脱動作に連動して高圧供給接点24と接続部材23とが接離(接続/離隔)できるように、高圧供給接点24と接続部材23とを設ける際、これら部材の形状を簡単にすることができる。
【0139】
さらに、中継接続部材22及び接続部材21を設けて、搬送ベルトユニット300を装置本体に装着した状態で高圧供給接点24と中継接続部材22の接点部と接続部材21の接点部とが接続されて、高圧電源57からスポンジローラ11、現像ローラ9及び帯電ローラ7に高圧電力を供給できるようにしているので、搬送ベルトユニット300をサイドカバー55から着脱自在にする構成にも拘らず、高圧電力供給用の引き回し線が従来よりも簡便にできる。
【0140】
また、第2の実施の形態では、低圧電源59と高圧電源57との間に、サイドカバー55の開閉に連動してオン/オフするスイッチ117、及びアッパカバー98の開閉に連動してオン/オフするスイッチ118を設けているので、サイドドカバー55及びアッパカバー98のいずれかが本体に対し開けられても、高圧電源57への電力供給が遮断されオペレータに対する安全が確保される。
【0141】
第3の実施の形態
第3の実施の形態のカラー記録装置は装置本体前面が開閉自在となっている。以下、図7、図8、図9に基づいて説明する。図7は第3の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図、図8及び図9は第3の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【0142】
カラー記録装置200のホッピングローラ66側の装置本体前面には、フロントカバー74が取り付けられている。フロントカバー74の矢印W、U方向側の左右にはロック部74aが設けられており、フロントカバー74を矢印I方向に閉じたとき、本体装置側に設けた図7に示す左右の係合部75と係合し、ロックされる。フロントカバー74には、レジストローラ71、吸着ローラ38及びシートガイド69が一体的に支持されている。
【0143】
フロントカバー74は、フロントカバー74に設けた左右の固定軸74bを回動中心として、矢印H、I方向に開閉自在に取り付けられている。フロントカバー74に形成した引き出し部74cにオペレータが手を掛けて矢印H方向に開くことにより、ロック部74aが本体装置の係合部75から外れる。
【0144】
ロック部74aが本体装置の係合部75から外れると、レジストローラ71、吸着ローラ38及びシートガイド69が、図7及び図9に示すように、一緒に本体装置側から外れる。レジストローラ71及び吸着ローラ38の両端の軸はガイド軸76、77に回動自在に支持されている。
【0145】
詳しくは、フロントカバー74の左右のサイド部74d、74eの内側には夫々2個ずつ溝部が形成され(74d側は図示せず)、各溝部にはバネ56、78が設けられている。バネ56、78は圧縮バネであり、レジストローラ71の軸及び吸着ローラ38の軸を押圧している。従って、フロントカバー74が図8に示す閉じた状態にある時、吸着ローラ38は従動ローラ35と圧接し、レジストローラ70はレジストローラ71と圧接する。
【0146】
従動ローラ35は、第2の実施の形態と同様、FG接地接続部23fgを介してアースに接地されており、またフロントカバー74が閉じた状態にあるとき、吸着ローラ38の軸端部38aはET電圧接続部材23etの符号T側の接点部と接触し、この電位差により、記録媒体Sを搬送ベルト31に静電気的に吸着できるようになっている。
【0147】
その他の構造は第2の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
【0148】
次に第3の実施の形態のカラー記録装置に設けたアッパカバーの開閉動作を説明する。なお、搬送ベルトユニットの装着動作及びカラー記録装置の印刷動作については上述の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
【0149】
印刷動作中に記録媒体Sが装置本体内でジャムを起こすと、オペレータはフロントカバー74の引き出し部74cに手を掛けて矢印H方向に開く。これによりロック部74aが変形し装置本体の係合部75から外れ、レジストローラ71、吸着ローラ38及びシートガイド69がフロントカバー74と一緒に装置本体側から外れる。なお、ロック部74aは元の形状に戻る。そして、フロントカバー74は、図7及び図9に示す状態となる。
【0150】
この状態で、紙詰まりした記録媒体S(ジャム紙)があればジャム紙を取り除き、フロントカバーを矢印I方向に回動して閉じる。なお、このときジャム紙が見つからない場合は、搬送ベルトユニット300を第1の実施の形態で述べた操作により装置本体から取り外し、ジャム紙を取り除くことができる。
【0151】
第3の実施の形態では、装置本体前面側にレジストローラ71やシートガイド69だけでなく、吸着ローラ38も一体的に取り外すことができるので、例えば吸着ローラ38の位置で記録媒体Sの後端がジャムした場合には、フロントカバー74を開けた後、搬送ベルトユニット300を装置本体から取り外すことにより、記録媒体Sの後端が高圧電源57側に落ち、従って、ジャム紙の除去を簡単に行うことができる。
【0152】
なお、第3の実施の形態のフロントカバー74の開閉構造を第1の実施の形態のカラー記録装置1に適用すれば、第1の実施の形態において、ジャム紙の除去はより簡単となる。
【0153】
第2、第3の実施の形態では、各色に対する帯電ローラ7、現像ローラ9及びスポンジローラ11への供給電源を共通にして説明を分かりやすくしているが、転写ローラ4への供給電源のように、帯電ローラ、現像ローラ及びスポンジローラが各色毎に高圧電力を持ち、これらの高圧電力がこれら3つのローラに対し印刷タイミングに合わせて電力を供給してもよい。
【0154】
第1〜第3の実施の形態では、感光体6への潜像を書き込む手段としてLEDヘッド3で説明したが、LEDヘッド3に限定されるものではなく、レーザや液晶シャッター等であってもよい。
【0155】
第4の実施の形態
ところで、各印刷機構P1、P2、P3、P4において印刷を行うと、記録媒体Sに転写されずに感光体6表面に残留するトナー(以下、廃トナーと記す)が若干発生する。このような廃トナーは種々の方法、例えばクリーニングブレードやクリーニングローラ等により感光体6から取り除かれ、回収ボトル等に回収されている。第4の実施の形態の搬送ベルトユニットには、感光体6から回収された廃トナーを回収ボトルへ送る機構を備えている。以下、図10、図11及び図12を用いて説明する。図10は第4の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図、図11は第4の実施の形態の搬送ベルトユニットに設けたダクトを示す断面図、図12は第4の実施の形態の搬送ベルトユニットに設けたダクトへの駆動伝達経路説明図である。なお、図11では搬送ベルトは省略してある。
【0156】
カラー記録装置300の各画像形成カートリッジ2(2Y、2M、2C、2K)には夫々、感光体6の表面の廃トナーを取り除くクリーニング機構(図示せず)が備えられている。そして取り除かれた廃トナー400は、例えばスパイラル301により各画像形成カートリッジ2に夫々設けた廃トナー排出路302へ送られることにより、画像形成カートリッジ2の外に排出される。廃トナー排出路302には孔302aが形成されている。
【0157】
搬送ベルトユニット303の枠体40の内側には、上述の各廃トナー排出路302と対応する位置に略L字形のダクト304が配設されている。ダクト304の上部開口304aは廃トナー排出路302の孔302aと対向している。また、ダクト304の下部には廃トナー排出口304bが設けられ、廃トナー排出口304bには回収ボトル305が着脱自在に接続されている。即ち、感光体6から取り除かれた廃トナー400は廃トナー排出路302及びダクト304を通過して、回収ボトル305に回収される。
【0158】
ここで、図11及び図12に基づいてダクト304の構造を説明する。ダクト304内の回収ボトル305側には、スパイラル304cが設けられている。スパイラル304cは固定キャップ315内に設けられている。このスパイラル304cは転写ローラ4の回転力をギア310、311、312、313、314を介して伝達され、駆動される。各ギア310〜314は枠体40又は枠体40に設けたブラケット等(図示せず)に取り付けられている。スパイラル304はギア314が回転することにより廃トナーを矢印Z方向に搬送する。
【0159】
また、ダクト304内で且つ固定キャップ315の外側には可動キャップ306が設けられている。可動キャップ306は矢印X、Z方向に移動自在に取り付けられ、回収ボトル305側に孔306a(図11参照)が形成されている。可動キャップ306が矢印Z方向に移動すると、可動キャップ306により廃トナー排出口304bは塞がれ、キャップf306が矢印X方向に移動すると廃トナー排出口304bは開放される。可動キャップ306には図11に示すスプリング306bが設けられ、可動キャップ306を常に矢印Z方向へ付勢している。スプリング306bは固定キャップ315により廃トナーから隔絶される。
【0160】
ダクト304には溝307が形成されている。サイドカバー55を閉じた時、サイドカバー55に形成したリブ308が溝307に入り込み、可動キャップ306を矢印X方向に押して移動させるようになっている。
【0161】
なお、転写ローラ4の駆動ギア(後述する)はギア310とは逆側に設けられている。
【0162】
次に、第4の実施の形態のカラー記録装置300での廃トナー回収動作を同じく図10〜図12を用いて説明する。
【0163】
カラー記録装置300での転写動作終了後、各画像形成カートリッジ2においてクリーニング機構が動作し、感光体6の廃トナー400を除去する。スパイラル301は駆動しており、従って、クリーニング機構により除去された廃トナー400はスパイラル301により矢印Z方向へ送られる。そして、孔302a及び上部開口304aからダクト304に送られる。この間、転写ローラ4は回転しており、従って、スパイラル304cも駆動している。
【0164】
ダクト304に送られた廃トナー400はスパイラル304cにより矢印Z方向に送られ、孔306a及び廃トナー排出口304bから回収ボトル305に落下し、回収される。
【0165】
ところで、回収ボトル305の取出し等によりサイドカバー55を開くと、サイドカバー55と共にリブ308が移動し、ダクト304の溝307から出る。ダクト304の可動キャップ306はスプリング306bにより矢印Z方向へ移動し、これにより廃トナー排出口304bが閉じられる。従って、この状態において、回収ボトル305を取り出してもダクト304内の廃トナー400が廃トナー排出口304bから飛散することはない。
【0166】
さらに、搬送ベルトユニット303を引き出しても、廃トナー排出路302とダクト304は一体になっていないので、スムーズに引き出すことができる。また搬送ベルトユニット303の装着においても、廃トナー排出路302とダクト304とを接続する作業等は必要ない。
【0167】
第4の実施の形態では、ダクト304を略L字形としているが、ダクト304の形状は搬送ベルトユニット303内の空いている隙間の形状に応じて変化するものであり、L字形に限られない。また、回収ボトル305の位置も本実施の形態に示される位置に限られないものである。
【0168】
第4の実施の形態では、サイドカバー55を閉じるとリブ308が溝307に入り込み孔、304bを開放する。従って、サイドカバー55を閉じることにより廃トナー400の回収を直に開始することができる。
【0169】
第4の実施の形態では、廃トナーを回収する構成を第1の実施の形態のカラー記録装置に設けた例を説明したが、第1の実施の形態に限らず第2、第3の実施の形態のカラー記録装置にも適用可能である。また、カラーに限らず、モノクロームの記録装置においても適用可能である。
【0170】
ところで、転写ローラ4に駆動力を伝達する構成としては、図13に示すように、感光体6の回転軸側に設けられた駆動ギア320の駆動力をドラムギア321を介して、転写ローラ4の回転軸側に設けた転写ギア322に伝達するように構成している。この様な構成にすることにより、上述のギア列310〜314を転写ギア322とは逆側に配置することができ、コンパクトな駆動系を構成している。なお、図13は第4の実施の形態の転写ローラへの駆動力伝達状態を説明する図である。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図である。
【図2】第1の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【図3】第1の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【図4】第2の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図である。
【図5】第2の実施の形態のカラー記録装置の接続状態説明図である。
【図6】第2の実施の形態の制御回路を示すブロック図である。
【図7】第3の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図である。
【図8】第3の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【図9】第3の実施の形態のカラー記録装置を示す構成説明図である。
【図10】第4の実施の形態のカラー記録装置を示す概略斜視図である。
【図11】第4の実施の形態の搬送ベルトユニットのダクトを示す断面図である。
【図12】第4の実施の形態の搬送ベルトユニットのダクトへの駆動伝達経路説明図である。
【図13】第4の実施の形態の転写ローラへの駆動力伝達状態説明図である。
【符号の説明】
【0172】
1、100、200、300カラー記録装置
21、23接続部材
22中継接続部材
30、300、303搬送ベルトユニット
55サイドカバー
74フロントカバー
98アッパカバー
101制御回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成手段と転写手段との間に配設された搬送ベルトの移動により記録媒体を搬送する画像記録装置において、
前記搬送ベルト及び前記転写手段を備えるとともに装置本体と係合する第1の係合部を有し、該搬送ベルトの記録媒体載置面と対向する方向と直交する方向に着脱自在なユニットであって、
前記ユニットと係合する第2係合部が該ユニットの着脱方向に伸ばされて装置本体に設けられ、該ユニットが装置本体内で着脱方向に移動するき第1の係合部と第2の係合部が係合されて該ユニットの案内ガイドとなり、該ユニットが装置本体から取り外されるとき第1の係合部と第2の係合部の係合が解除されることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記ユニットは前記搬送ベルトの幅方向で着脱することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記搬送ベルトの幅方向側と、前記搬送ベルトへ記録媒体を供給する側とに、開閉可能なカバーを設けたことを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記搬送ベルトの幅方向側に、開閉可能な第1のカバーを設け、
前記搬送ベルトと対向する側に、開閉可能な第2のカバーを設け、
前記搬送ベルトへ記録媒体を供給する側に、開閉可能な第3のカバーを設けたことを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記ユニットに電力を供給する電源を備え、
前記第1のカバー又は前記第3のカバーの何れか一方が開けられたときに、前記電源から前記ユニットへの電力の供給を遮断することを特徴とする請求項4記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記ユニットに把手部を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項1】
画像形成手段と転写手段との間に配設された搬送ベルトの移動により記録媒体を搬送する画像記録装置において、
前記搬送ベルト及び前記転写手段を備えるとともに装置本体と係合する第1の係合部を有し、該搬送ベルトの記録媒体載置面と対向する方向と直交する方向に着脱自在なユニットであって、
前記ユニットと係合する第2係合部が該ユニットの着脱方向に伸ばされて装置本体に設けられ、該ユニットが装置本体内で着脱方向に移動するき第1の係合部と第2の係合部が係合されて該ユニットの案内ガイドとなり、該ユニットが装置本体から取り外されるとき第1の係合部と第2の係合部の係合が解除されることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記ユニットは前記搬送ベルトの幅方向で着脱することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記搬送ベルトの幅方向側と、前記搬送ベルトへ記録媒体を供給する側とに、開閉可能なカバーを設けたことを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記搬送ベルトの幅方向側に、開閉可能な第1のカバーを設け、
前記搬送ベルトと対向する側に、開閉可能な第2のカバーを設け、
前記搬送ベルトへ記録媒体を供給する側に、開閉可能な第3のカバーを設けたことを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記ユニットに電力を供給する電源を備え、
前記第1のカバー又は前記第3のカバーの何れか一方が開けられたときに、前記電源から前記ユニットへの電力の供給を遮断することを特徴とする請求項4記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記ユニットに把手部を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−140544(P2007−140544A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352887(P2006−352887)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【分割の表示】特願平9−304736の分割
【原出願日】平成9年11月6日(1997.11.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【分割の表示】特願平9−304736の分割
【原出願日】平成9年11月6日(1997.11.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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