説明

画像読み取り装置及び画像形成装置

【課題】 原稿面の清掃効率を向上することができる画像読み取り装置を提供する。
【解決手段】 原稿移動型の画像読み取り装置において、原稿面から付着物を取り除き清掃するための弾性を有する清掃手段(クリーニングブレード12、清掃ブラシローラ14)を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿移動型の画像読み取り装置及びその画像読み取り装置を搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送ローラで搬送される原稿がシートスルーコンタクトガラス上を通過する過程で、下方の光学系により原稿画像を読み取る原稿移動型の画像読み取り装置が広く知られている。
図3は従来の画像読み取り装置に装備される原稿面清掃機構の構成図であり、原稿Oを読み取り、装置の本体部に挿入・搬送するための搬送ローラ101、従動ローラ102、103、104、原稿を読み取る位置に設けられたシートスルーコンタクトガラス5、読み取った画像をCCD106に結像する第1ミラー107、第2ミラー108、第3ミラー109、レンズブロック110、圧板用コンタクトガラス111を備える。
このような画像読み取り装置において、原稿面に粉塵を含む付着物が付着していると読み取った画像の画質が低下することになる。そこで原稿面を清掃する技術が、例えば、特許文献1及び2などにおいて既に提案されている。
【特許文献1】特開平11−5645号公報
【特許文献2】特開2001−7983公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の原稿面清掃機構は、清掃手段が原稿面に確実に摺接する構造となっておらず、清掃効率に問題があった。
本発明は、原稿面の清掃効率を向上することができる画像読み取り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、原稿移動型の画像読み取り装置において、原稿面から付着物を取り除き清掃するための弾性を有する清掃手段を備えた画像読み取り装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像読み取り装置において、清掃手段として、搬送ローラとの間で原稿を挟持するクリーニングブレードを設けた画像読み取り装置を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像読み取り装置において、搬送ローラは軸方向に複数設けられ、隣接する搬送ローラ間にクリーニングブレードに圧接する対向ローラを設けた画像読み取り装置を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像読み取り装置において、原稿面の付着物とクリーニングブレードの付着物を清掃するために、清掃手段として、原稿通紙方向と同方向に回転する清掃ブラシローラを設けた画像読み取り装置を主要な特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像読み取り装置において、清掃ブラシローラは導電性材料にて構成されている画像読み取り装置を主要な特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像読み取り装置において、清掃した付着物を受けるための回収容器をリーニングブレードの下部に配置する画像読み取り装置を主要な特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の画像読み取り装置において、回収容器は弾性部材にて構成され、装置本体に対して着脱自在である画像読み取り装置を主要な特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項6記載の画像読み取り装置において回収容器に、付着物の飛散を防止する飛散防止部材を交換に設けた画像読み取り装置を主要な特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1記載の画像読み取り部材を搭載した画像形成装置を最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、弾性を有する清掃手段(クリーニングブレード)により、原稿面(読み取り側)に確実に接触することができ、原稿面に付着した粉塵等を効率よく清掃することができる。
また、清掃ブラシローラにより、原稿面の付着物とクリーニングブレードの付着物を清掃することができる。さらに、回収容器をクリーニングブレードの下部に配置することで清掃した付着物を受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画像読み取り装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。本装置は、原稿Oを読み取り、装置の本体部に挿入・搬送するための搬送ローラ1、従動ローラ2、3、4、原稿を読み取る位置に設けられたシートスルーコンタクトガラス5、読み取った画像をCCD6に結像する第1ミラー7、第2ミラー8、第3ミラー9、レンズブロック10、圧板用コンタクトガラス11、書き込みユニット20、現像ユニット21、感光体ユニット22、転写ユニット23、定着/排紙ユニット24、給紙トレイ25、給紙ユニット26を備える。符号12乃至16のユニットに付いては図2で後述する。
原稿Oは、シートスルーコンタクトガラス5を通過する際に第1ミラー7についているランプ照明の反射光を第2ミラー8、第3ミラー9を経由してレンズブロック10を通してCCD6で受光する。CCD6で受光した画像は本体内の画像処理部にて処理され、書き込みユニット21からのレーザ光が感光体ユニット22に照射される。感光体では、現像ユニット21からのトナー付着により、給紙部より搬送された転写紙へ転写ユニット23によりトナーが転写され、最終的に定着/排紙ユニット24を通して印刷された画像が出力される。
【0007】
図2は図1に示す画像読み取り装置の要部拡大図である。本画像読み取り装置は、搬送される原稿Oの読み取り面の清掃を確実に行うために、従来装置には存在しない構成要素として、清掃を行うための弾性材からなるクリーニングブレード12と、対向する位置に設けた対向ローラ13と、清掃後の粉塵を回収するための清掃ブラシローラ14と、粉塵を回収する回収容器15と、回収容器15内に設けられた飛散防止部材16とを備えている。
つまり、クリーニングブレード12は、原稿移動型の画像読み取り装置において、原稿の搬送経路に沿って配置されることにより通過する原稿面から付着物を取り除き清掃するための弾性を有する清掃手段である。
ここで、搬送ローラ1と対向ローラ13との関係について説明する。搬送ローラ1は、軸方向(原稿Oの幅方向、図の鉛直方向)に所定間隔で複数個に分割して設けられており、対向ローラ13は、隣接する搬送ローラ1の間に互い違いになるように設けられている。クリーニングブレード12は各ローラの軸方向に原稿Oの幅分だけ延びる単体である。そして、クリーニングブレード12は搬送ローラ1及び対向ローラ13との間で用紙を圧接するように配置される。対向ローラ13は搬送ローラ1により原稿Oを搬送する際に連れ回りする。
【0008】
なお本実施形態では、円盤状の搬送ローラ1と対向ローラ13を交互に軸方向に設けたが、原稿Oの幅と同等、或いはそれ以上の軸方向長を有した単体の搬送ローラ1を設ければ、対向ローラ13は不要となる。
クリーニングブレード12の上に位置する清掃ブラシローラ14は、複写機本体の駆動部からのタイミング・ベルトまたはギヤ等の駆動により、原稿Oの搬送の妨げにならないよう原稿搬送方向と同方向に回転することにより、原稿面を清掃すると同時に、クリーニングブレード12によって掻き取られた粉塵を、その下部に位置する回収容器15へ落とし回収する。
また、清掃ブラシローラ14は導電性材料にて構成されており、除電手段により帯電を防止することにより、清掃の際に粉塵が付着し原稿面に再付着するのを防止することができる。
回収容器15は、容器自体が弾性を持っており、本体板金部材に取り付け、取り外しが容易に行える構造となっている。回収容器15には、油分等、粘着性の材質を含んだ布状の飛散防止部材16を設けており、ここに落とした粉塵を吸着させ、上部装置内及び原稿Oへの再付着を防止する。飛散防止部材16は回収容器15に載せてあり、容易に取り外し交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る画像読み取り装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す画像読み取り装置の要部拡大図である。
【図3】従来例の画像読み取り装置の構成説明図である。
【符号の説明】
【0010】
1 搬送ローラ、5 シートスルーコンタクトガラス、12 クリーニングブレード(清掃手段)、13 対向ローラ、14 清掃ブラシローラ(清掃手段)、15 回収容器、16 飛散防止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿移動型の画像読み取り装置において、原稿の搬送経路に沿って配置されることにより通過する原稿面から付着物を取り除き清掃するための弾性を有する清掃手段を備えたことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像読み取り装置において、前記清掃手段として、原稿を搬送する搬送ローラとの間で原稿を挟持するクリーニングブレードを用いたことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像読み取り装置において、前記搬送ローラは軸方向に複数個間隔を隔てて配置され、隣接する搬送ローラ間にクリーニングブレードに圧接する対向ローラを設けたことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像読み取り装置において、原稿面の付着物とクリーニングブレードの付着物を清掃するために、清掃手段として、原稿通紙方向と同方向に回転する清掃ブラシローラを設けたことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像読み取り装置において、前記清掃ブラシローラは導電性材料にて構成されていることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像読み取り装置において、清掃した付着物を受けるための回収容器を前記クリーニングブレードの下部に配置することを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像読み取り装置において、前記回収容器は弾性部材にて構成され、装置本体に対して着脱自在であることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項8】
請求項6記載の画像読み取り装置において、前記回収容器に、付着物の飛散を防止する飛散防止部材を交換可能に設けたことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像読み取り装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−124545(P2007−124545A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−317171(P2005−317171)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】