画像読取装置、画像読取方法、およびプログラム
【課題】原稿読取位置のゴミ検知において、原稿読取時の生産性の向上を図る。
【解決手段】原稿読取前に読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理とを実行するゴミ検知部201と、第1のゴミ検知処理と第2のゴミ検知処理のゴミ検知結果とを比較するゴミ判定部202と、ゴミ判定部202により第1のゴミ検知処理と第2のゴミ検知処理とのゴミ検知結果が一致する場合は、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行わないとする制御を行うCPU109と、を備える。
【解決手段】原稿読取前に読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理とを実行するゴミ検知部201と、第1のゴミ検知処理と第2のゴミ検知処理のゴミ検知結果とを比較するゴミ判定部202と、ゴミ判定部202により第1のゴミ検知処理と第2のゴミ検知処理とのゴミ検知結果が一致する場合は、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行わないとする制御を行うCPU109と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動原稿搬送装置を用いて原稿束を一枚ずつ順次、画像読取位置に搬送させて原稿の画像情報を読み取る画像読取装置がある。このような画像読取装置では、原稿読取位置に存在するゴミを検知し、画像データに画像処理を適用することで、ゴミに起因する異常画像(原稿搬送方向のスジ)を低減する技術が知られている。しかし、上記画像処理では画像データの欠落が発生するという問題がある。このため、原稿読取位置に存在するゴミの種類を判別し、ゴミの種類に応じて動作を切り替える技術が知られている。
【0003】
また、原稿読取位置のゴミ検知の精度を向上させる目的で、読み取り装置に原稿が送信される前の背景板の読み取り値と原稿の先端部の読み取り値を毎回比較して、背景板の汚れであるか読み取り位置の原稿読み取り用のガラス(コンタクトガラス)の汚れであるかを判別する構成が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記に示されるような従来の技術にあっては、原稿読取前の背景板の読み取り動作と原稿の先端部の読み取り動作を毎回行うために、原稿読取時の生産性が低下するという問題があった。また、特許文献1の技術においても、ゴミ検知を行うのに、読み取り装置に原稿が送信される前の背景板の読み取り値と原稿の先端部の読み取り値を利用するものの、同様に原稿読取時の生産性が低下する問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、原稿読取位置のゴミ検知において、原稿読取時の生産性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、原稿搬送装置により読取対象の原稿を読取位置まで順次搬送し、前記原稿の画像面に光照射して当該原稿の画像情報を読み取る画像読取装置であって、原稿読取前に前記読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理とを実行するゴミ検知手段と、前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理のゴミ検知結果とを比較するゴミ比較手段と、前記ゴミ比較手段により前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理とのゴミ検知結果が一致する場合は、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行わないとする制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、原稿読取前の第1のゴミ検知処理によるゴミ検知の結果と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理の結果を比較し、その結果が一致する場合、つぎの原稿では原稿読取前に読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理によるゴミ検知を省略するので、ゴミの検知精度を劣化させずに読み取りの生産性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】図2は、図1におけるADFの構成を示す説明図である。
【図3】図3は、図1の複写機の全体構成および画像データの流れを示すブロック図である。
【図4】図4は、原稿読取位置に付着したゴミの種類を示す説明図である。
【図5】図5は、原稿読取位置に付着したゴミの読取画像データへの影響について示す説明図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理および補正処理の機能構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、第1の実施の形態にかかるゴミ判定部のゴミ判定方法を示す説明図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態にかかるゴミ判定部においてゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]とが一致する場合を示す説明図である。
【図9】図9は、第1の実施の形態にかかる原稿読取時のゴミ判定動作を示すフローチャートである。
【図10】図10は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理を実行するタイミングについて示す説明図である。
【図11】図11は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]の結果が一致する場合におけるゴミ検知処理を実行するタイミングについて示す説明図である。
【図12】図12は、第2の実施の形態にかかるゴミ検知処理および補正処理の機能構成を示すブロック図である。
【図13】図13は、第2の実施の形態にかかるゴミ判定部のゴミ判定について説明する図である。
【図14】図14は、第2の実施の形態にかかる原稿読取時のゴミ判定動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像読取装置、画像読取方法、およびプログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
この実施の形態では、スリットガラスと背景板との間の原稿読取位置に原稿を搬送する。原稿読取時のゴミ検知処理に際して、原稿読取前に背景板に付着するゴミを検知する第1のゴミ検知処理の結果と、原稿読取時の先端部での第2のゴミ検知処理の結果とを比較する。そして、その結果が一致する場合、つぎの原稿では読取前の背景板での第1のゴミ検知処理を省略し、前回の背景板でのゴミ検知結果で代用するものである。以下、具体例をあげて説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す説明図である。なお、本実施の形態では、画像形成装置として、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能などを有する複合機能の複写機1に適用した例をあげて説明する。まず、複写機1の構成について説明する。図1に示すように、複写機1は、自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder,以下、単にADFという)2と、給紙部3と、画像読取部4と、画像形成部5と、を主に備えている。なお、本例は複合機型の複写機1について説明するが、ADF2を備えた画像読取装置単体の装置(スキャナ装置)であってもよい。
【0012】
ADF2は、原稿トレイ11と、各種ローラ等からなる搬送部13とを備えている。ADF2は、搬送部13により原稿トレイ11に載置された原稿をスリットガラス7上に搬送し、スリットガラス7を介して画像読取部4により読み取りが終了した原稿を、スリットガラス7上を通過させた後、排紙トレイ12に排紙するようになっている。また、ADF2は、画像読取部4に対して図示しない開閉機構を介して開閉自在に取り付けられている。
【0013】
給紙部3は、用紙サイズの異なる記録紙を収納可能とする給紙カセット21、22と、給紙カセット21、22に収納された記録紙を画像形成部5の画像形成位置まで搬送するレジストローラなどの各種ローラ、搬送部を有する給紙手段23とを備えている。
【0014】
画像読取部4は、光源およびミラー部材を搭載した第1キャリッジ25と、ミラー部材を搭載した第2キャリッジ26と、結像レンズ27と、撮像部28とを備えている。画像読取部4は、第1キャリッジ25に搭載された光源によりスリットガラス7上を通過中の原稿に光を照射し、第1キャリッジ25および第2キャリッジ26に搭載された各ミラー部材により原稿からの反射光を折り返させ、その反射光を結像レンズ27により結像してCCDラインセンサなどの光電変換デバイスを有する撮像部28で読み取らせるようになっている。
【0015】
画像形成部5には、電子写真プロセスにしたがった各ユニットが配置されている。画像形成部5は、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の画像をそれぞれ形成するために、露光装置31と、感光体ドラム32と、現像装置33、転写ベルト34と、定着装置35と、を色毎に備えている。画像形成部5は、撮像部28に読み取られた画像処理後の読取画像に基づいて、露光装置31により帯電後の感光体ドラム32を露光して感光体ドラム32に静電潜像を形成し、現像装置33により感光体ドラム32に異なる色のトナーを供給して現像するようになっている。そして、画像形成部5は、転写ベルト34により感光体ドラム32に現像された像を給紙部3から供給された記録紙に転写する。この後、定着装置35により記録紙に転写されたトナー画像のトナーを溶融して、記録紙にカラー画像を定着するようになっている。
【0016】
図2は、図1におけるADF2の構成を示す説明図である。この図2に示すように、原稿トレイ11は、可動原稿テーブル41と、一対のサイドガイド板42とを有している。可動原稿テーブル41は、原稿トレイ11の給紙方向の略前半部を構成しており、基端部を支点として上下方向に回動するようになっている。このように原稿トレイ11は、可動原稿テーブル41を回動することにより、原稿トレイ11に載置された原稿の給送方向前端部を適切な高さに合わせることができるようになっている。
【0017】
可動原稿テーブル41の先端部の上方には、テーブル上昇センサ87が設けられている。テーブル上昇センサ87は、原稿載置面に載置された原稿の給送方向における前端部が適切な高さである給紙適正位置に保持されているかを検知するようになっている。なお、実施の形態にかかる給紙適正位置とは、原稿束の最上位の原稿と後述するピックアップローラ61とが接触し、所定の給紙圧が得られる位置をいう。
【0018】
可動原稿テーブル41の先端部の下方には、ホームポジションセンサ88が設けられている。ホームポジションセンサ88は、可動原稿テーブル41がホームポジションにあることを検知するようになっている。
【0019】
原稿トレイ11の給紙方向の略後半部には、原稿の向きが縦と横のいずれになっているかを検知する原稿長さ検知センサ89、90が、給送方向に離隔して設けられている。なお、原稿長さ検知センサ89、90としては、光学的手段により未接触で検知する光反射型センサ、または接触式のアクチュエータタイプのセンサを用いてもよい。
【0020】
一対のサイドガイド板42は、原稿トレイ11に載置された原稿の給紙方向に対する左右方向を位置決めするように立設されている。また、一対のサイドガイド板42の片側は、給紙方向に対する左右方向にスライド自在であり、異なるサイズの原稿が載置可能に構成されている。一対のサイドガイド板42の対向面には、後述する可動部材としての一対の回動リブ45が設けられている。
【0021】
一対のサイドガイド板42の固定側には、原稿の載置により回動するセットフィラー46が設けられている。また、セットフィラー46の先端部の移動軌跡上の最下部には、原稿トレイ11に原稿が載置されたことを検知する原稿セットセンサ82が設けられている。つまり、原稿セットセンサ82は、原稿トレイ11に原稿が載置されると、セットフィラー46が回動して、セットフィラー46の先端部が原稿セットセンサ82から外れて、原稿の載置を検知するようになっている。
【0022】
ADF2の搬送部13は、分離給送部51と、プルアウト部52と、ターン部53と、第1読取搬送部54と、第2読取搬送部55と、排紙部56と、を備えている。分離給送部51は、給紙口近傍に配置されたピックアップローラ61と、搬送経路を挟んで対向するように配置された給紙ベルト62およびリバースローラ63とを有している。ピックアップローラ61は、給紙ベルト62に取り付けられた支持アーム部材64により支持されており、図示しないカム機構を介して原稿束に接触する接触位置と原稿束から離れた離隔位置との間を上下動するようになっている。
【0023】
給紙ベルト62は、給送方向に回転し、リバースローラ63は、給送方向と逆方向に回転するようになっている。また、リバースローラ63は、原稿が重送(多数枚送り)された場合に、給紙ベルト62に対して逆方向に回転して2枚以降を戻す動作を行うが、リバースローラ63が給紙ベルト62に接している場合、または原稿を1枚のみ搬送している場合には、図示しないトルクリミッタの働きにより、給紙ベルト62に連れ回りするようになっている。そして、分離給送部51は、ピックアップローラ61が原稿トレイ11に載置された原稿束の最上位の原稿に転接することにより給紙口内に原稿を送り出し、原稿が重送された場合に給紙ベルト62とリバースローラ63とにより分離して送り出すようになっている。
【0024】
プルアウト部52は、搬送経路を挟むように配置された一対のローラからなるプルアウトローラ65を有している。プルアウト部52は、プルアウトローラ65とピックアップローラ61の駆動タイミングにより、送り出された原稿を一次的に突当てて整合し、整合後の原稿を引き出し搬送するようになっている。また、プルアウトローラ65には、紙厚を測定するための紙厚測定センサ91が設けられている。
【0025】
ターン部53は、搬送経路の上から下に向けてカーブしたカーブ部を挟むように配置された一対のローラからなる中間ローラ66および読取入口ローラ67を有している。ターン部53は、中間ローラ66により引き出し搬送された原稿を、カーブ部を搬送することによりターンさせて、読取入口ローラ67により原稿の表面を下方に向けてスリットガラス7近傍まで搬送するようになっている。
【0026】
第1読取搬送部54は、スリットガラス7に搬送経路を挟んで対向する位置に配置された背景板68と、読取終了後の搬送経路を挟むように配置された一対のローラからなる第1読取出口ローラ69とを有している。第1読取搬送部54は、スリットガラス7の近傍まで搬送された原稿の表面をスリットガラス7に接触させながら搬送し、読取終了後の原稿を第1読取出口ローラ69によりさらに搬送するようになっている。
【0027】
第2読取搬送部55は、原稿の裏面を読み取る第2読取部101に搬送経路を挟んで対向する位置に配置された第2読取ローラ70と、原稿の裏面の読取終了後の搬送経路を挟むように配置された一対の第2読取出口ローラ71とを有している。第2読取搬送部55は、表面が読み取られた原稿を第2読取ローラ70により第2読取部101の読取面の前を通過させ、第2読取出口ローラ71により排紙口に向けて搬送するようになっている。なお、両面読取を行わない場合には、原稿裏面の画像読取動作が不要であるため、原稿は第2読取部101を素通りするようになっている。
【0028】
排紙部56は、排紙口の近傍に一対の排紙ローラ72が設けられ、第2読取出口ローラ71により搬送された原稿を排紙トレイ12に排紙するようになっている。
【0029】
また、ADF2には、搬送経路に沿って、突き当てセンサ84、読取入口センサ86、レジストセンサ81、排紙センサ83が設けられており、これらセンサによる検知信号は原稿の搬送距離や搬送速度等の搬送制御に用いられるようなっている。さらに、プルアウトローラ65と中間ローラ66との間には、原稿幅センサ85が設けられている。原稿幅センサ85は、原稿の幅方向に複数並べた受光素子から構成されており、搬送経路を挟んで対向位置に設けられた照射光からの受光結果に基づき原稿幅を検知する。
【0030】
図3は、図1の複写機1の全体構成および画像データの流れを示すブロック図である。画像データの流れの例について、図3を用いて説明する。画像読取部4で読み取った画像データは画像データ受取り部102に入る。ここで、読み取った画像データに対してシェーディング補正を施し、光源の光量分布による画像データの領域によるレベル差および、画像読取部4で用いた光電変換デバイスで読み取る際に発生する各画素間のレベル差を補正する。
【0031】
メモリ制御部103では送られてきた画像データをメモリ104にフレーム単位にデータを蓄積し、蓄積した画像データをCPU109の指示によりフレーム毎に取り出し、次段の画像処理編集部105に送出する。画像処理編集部105では各種、画像データに対して画像処理を施す。なお、この実施の形態で実施するゴミ検知処理およびゴミ補正処理は、画像処理編集部105にて実施する。ゴミ検知処理に関する動作の詳細は図6にて説明する。
【0032】
画像処理編集部105で処理した画像データは画像メモリコントロール114に送られる。画像メモリコントロール114は読取り処理と書き込み処理間の処理速度の調整やページ単位の各種処理を行なう。そのためここでは図示していないが、大量の画像データを記憶するための画像メモリとストレージを持ち、各種処理に対応する。画像メモリコントロール114で画像データの処理を行なった後、画像データをコピー出力するための処理を行なう。
【0033】
画像データを再度、画像処理編集部105に送り、受け取った画像データを書き込み画像処理部106に送り、書き込み画像処理部106にて、コピー出力するための画像処理を実施する。書き込み画像処理部106で画像処理されたた画像データは、VDC107に送られる。画像データは、転写するための画像データに処理されたた上で、露光装置31にあるVDB108に送られる。VDB108ではレーザダイオードを画像データに応じて変調発光して、感光体ドラム32に露光処理を行なうものである。
【0034】
一方、第二読取部101で読み取った画像データも同様の流れとなる。画像データ受取り部102で、シェーディング補正等の処理を行ないメモリ制御部103に画像データを送る。画像読取部4で読み取った画像データと第二読取部101で読み取った画像データはメモリ104まではそれぞれ並行に処理し、メモリ104にて画像データを蓄積した後はフレーム単位にメモリ104から画像データを取り出して処理を行なう構成となる。CPU109は画像処理編集部105を制御し、そのためのプログラムはROM110に格納されている。また、CPU109が動作するためのワーキングメモリはRAM111が受け持つ。ADF2を制御するADF制御部115は、CPU109と情報通信を行い、原稿搬送タイミングを調整する。
【0035】
つぎに、読取位置に付着したゴミについて説明する。ADF2による原稿読み取りでは、画像読取部4による読取位置を固定したまま、スリットガラス7と背景板68との間を通過する原稿を読み取る。この画像読取部4の読取位置にゴミが付着した場合について以下図4を参照して説明する。
【0036】
図4(a)は、読取位置にゴミが付着していない場合である。この場合、画像読取部4はゴミの影響がないので、原稿をそのまま読み取る。
【0037】
図4(b)は、読取位置のスリットガラス7上にゴミが付着している場合である。この場合、画像読取部4と原稿の間にゴミが存在するため、原稿の読取画像データにゴミの影響が発生する。画像読取部4は常にこのゴミを読み取ることになるため、原稿の読取画像データ上に副走査方向の異常画像、いわゆる画像形成後において画像に縦スジが発生する。
【0038】
図4(c)は、読取位置の背景板68上にゴミが付着している場合である。この場合、画像読取部4から見て原稿より奥側(裏面側)にゴミが存在する。このため、原稿読取中のこのゴミは原稿によって照射される光が遮蔽されるので、原稿の読取画像データ上に異常画像は発生しない。なお、原稿読取時以外は、画像読取部4はこのゴミを読み取る。
【0039】
図4(d)は、読取位置にゴミが付着してなく、かつ原稿に情報(たとえば縦線)が記載されている場合である。この場合、画像読取部4はゴミの影響がないので、原稿をそのまま読み取る。
【0040】
ところで原稿読取位置に付着したゴミは、固着して容易に移動しないゴミ(以降、固着ゴミと呼ぶ)と、固着しておらず容易に移動するゴミ(以降、浮遊ゴミと呼ぶ)に分けられる。固着ゴミの場合は常にゴミの影響を受けるが、浮遊ゴミはゴミが付着している間のみゴミの影響を受ける。このため後述するゴミ判定部202では、固着ゴミと浮遊ゴミのどちらであるかも考慮して判定する。
【0041】
図4にて説明したように、原稿読取位置に付着したゴミにより、読取画像データに副走査方向の異常画像が発生する。以下ではゴミの読取画像データへの影響を説明する。
【0042】
図5は、原稿読取位置に付着したゴミの読取画像データへの影響について示す説明図である。図5の読取画像データにおいて、左右方向は主走査方向、上下方向は副走査方向(=時間軸)を示す。またゴミ(b)、ゴミ(c)、原稿情報(d)は図4にて説明したゴミに対応しており、それぞれスリットガラス7上のゴミ、背景板68上のゴミ、原稿に記載されている情報である。
【0043】
ゴミ(b)の場合、原稿の有無にかかわらず画像読取部4は常にこのゴミを読み取る。原稿読取後の画像データにゴミ画像が含まれる場合、原稿の領域内、原稿の領域外とも画像形成後に異常画像が発生する。
【0044】
ゴミ(c)の場合、原稿読取中には画像読取部4はこのゴミを読み取らず、原稿読取中以外には画像読取部4はこのゴミを読み取る。
【0045】
原稿情報(d)の場合、原稿読取中には画像読取部4はこの情報を読み取り、原稿読取中以外には画像読取部4はこの情報を読み取らない。
【0046】
すなわち、原稿の読取画像データに異常画像として現れるのは、ゴミ(b)すなわちスリットガラス7上のゴミのみであり、ゴミ(c)すなわち背景板68上のゴミは異常画像としては現れない。また、原稿情報(d)は原稿自体の情報である。従って、スリットガラス7上のゴミ(b)のみをゴミと判断する必要がある。
【0047】
図6は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理および補正処理の機能構成を示すブロック図である。ゴミ検知部201、ゴミ判定部202、ラインメモリ203、ゴミ補正部204は、画像処理編集部105に搭載される。
【0048】
ゴミ検知部201は、メモリ制御部103から入力した画像データに対して、ゴミ画素の位置の検知処理を行う。なお、ゴミ検知に使用する画像データはつぎの2つである。1つは原稿読取前に取得する、背景板68の読取画像データである。この画像データに対するゴミ検知動作をゴミ検知処理[1]と呼ぶ。もう1つは原稿読取中に取得する、原稿先端部の読取画像データである。この画像データに対するゴミ検知動作をゴミ検知処理[2]と呼ぶ。ゴミ検知処理[1]の結果と、ゴミ検知処理[2]の結果は、それぞれゴミ判定部202経由でラインメモリ203に保存される。
【0049】
ゴミ判定部202は、ラインメモリ203に保存されたゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果から、検知すべきゴミかどうかを判定する。具体的には、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果を比較し、両方にてゴミが検知された画素について、前述のゴミ(b)すなわちスリットガラス7上のゴミと判定する。このゴミ判定結果はラインメモリ203に保存される。
【0050】
また、ゴミ判定部202は、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果から、それらの検知結果が一致するかどうかを判定する。その両者の一致有無の判定結果はCPU109に転送される。
【0051】
ゴミ補正部204は、ゴミ判定部202の比較結果に応じて、すなわち、ラインメモリ203に保存されたゴミ判定結果に応じて、メモリ制御部103から入力した読取画像データに対して補正処理を行う。具体的には、ゴミがあると判定された画素については、周囲の画素の画像データから算出される補間データで置き換える。ゴミ補正部204にて補正処理された画像データは、画像処理編集部105の後段の画像処理に出力され、その他の各種画像処理が実施される。
【0052】
CPU109は、ゴミ判定部202によるゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果との判定結果に応じて、ADF制御部115により制御されるADF2の原稿搬送、画像読取部4による原稿読み取り、およびゴミ検知部201によるゴミ検知動作を切り替える。具体的にはCPU109は、ゴミ判定部202によるゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が両者一致する場合は、つぎの原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施しないよう、ADF制御部115、画像読取部4およびゴミ検知部201を制御する。
【0053】
図7は、第1の実施の形態にかかるゴミ判定部202のゴミ判定方法を示す説明図である。この図7に示すように、ゴミ判定部202は画像読取部4が読み取る主走査方向の全画素について、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果を比較する。なお、図7に示す1つの四角形は、画像読取部4が読み取る主走査方向の各画素に対応しており、ハッチングで示している画素はゴミ検知部201にてゴミと検知された画素である。
【0054】
ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素については、スリットガラス7上に固着したゴミ(固着ゴミ(b))と判断する。この固着ゴミ(b)は原稿の読取画像データに異常画像として現れるので、ゴミであると判定する。
【0055】
ゴミ検知処理[1]にてゴミであると検知され、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知されなかった画素については、背景板68上に付着したゴミ(ゴミ(c))、またはスリットガラス7上に付着した浮遊ゴミ(浮遊ゴミ(b))と判断する。浮遊ゴミ(b)の場合は、ゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]の間にゴミが移動したことになる。ゴミ(c)は原稿の読取画像データには異常画像として現れない。また、浮遊ゴミ(b)の場合は、原稿の読取画像データに異常画像として現れる可能性があるが、原稿読み取り途中にさらに移動する可能性があり、ゴミ補正部204による補正が困難である。このため、いずれにしてもゴミとは判定しない。
【0056】
ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知されず、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知された画素については、原稿情報(d)(たとえば縦線)、またはスリットガラス7上に付着した浮遊ゴミ(浮遊ゴミ(b))と判断する。浮遊ゴミ(b)の場合は、ゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]の間にゴミが移動したことになる。原稿情報(d)は原稿自体の必要な情報である。また、浮遊ゴミ(b)の場合は、原稿の読取画像データに異常画像として現れる可能性があるが、原稿読取途中にさらに移動する可能性があり、ゴミ補正部204による補正が困難である。このため、いずれにしてもゴミとは判定しない。したがって、ゴミ判定部202がゴミと判定するのは、ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素のみである。
【0057】
図8は、第1の実施の形態にかかるゴミ判定部202においてゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]とが一致する場合を示す説明図である。図8のように、ゴミ判定部202にてゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が一致する場合は、スリットガラス7上の固着ゴミ(固着ゴミ(b))のみが付着していることになる。固着ゴミの場合は、原稿読み取り途中に移動する可能性が低く、つぎの原稿を読み取る際にも同じように検知される可能性が高い。このため、ゴミ判定部202にてゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が一致する場合、すなわち、固着ゴミ(b)のみが付着していると判定される場合は、つぎの原稿読取前のゴミ検知処理[1]を省略する。なお、固着ゴミ(b)も付着していない場合、すなわち、ゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]の両方でゴミが全く検出されない場合も結果が一致するが、この場合もつぎの原稿読み取りの前のゴミ検知処理[1]動作を省略する。
【0058】
図9は、第1の実施の形態にかかる原稿読取時のゴミ判定動作を示すフローチャートである。ゴミ判定部202は、ゴミ判定結果をリセットし、ゴミ判定結果にゴミ画素が存在しない状態とする(ステップS101)。これによりステップS109にてゴミ判定結果を更新するまでは、ゴミ補正処理を開始しても読取画像データに対する補正は実施されない。続いて、原稿読取前に、画像読取部4は背景板68を読み取る。その読取画像データから、ゴミ検知部201は、ゴミ検知処理(ゴミ検知処理[1])を行う(ステップS102)。ゴミ検知部201は、ゴミ検知処理[1]の結果を、ゴミ判定部202経由でラインメモリ203に保存し、以前のゴミ検知処理[1]の結果が存在する場合は、今回のゴミ検知処理[1]の結果にて更新する(ステップS103)。
【0059】
続いて、画像読取部4は、原稿読取を開始する(ステップS104)。さらにゴミ補正部204は、ゴミ補正処理を開始する(ステップS105)。すなわち、ゴミ補正部204は、ラインメモリ203に保存されているゴミ判定結果にてゴミと判定された画素に対し、読取画像データの補間処理を開始する。
【0060】
続いて、ゴミ検知部201は、画像読取部4による原稿先端部の読取画像データから、ゴミ検知処理(ゴミ検知処理[2])を実施する(ステップS106)。続いて、ゴミ検知部201によるゴミ検知処理[2]の結果を、ゴミ判定部202経由でラインメモリ203に保存し、以前のゴミ検知処理[2]の結果が存在する場合は、今回のゴミ検知処理[2]の結果にて更新する(ステップS107)。さらに、ゴミ判定部202は、ラインメモリ203に保存されたゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果を読み出し、それらを比較する(ステップS108)。そして、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果の両方にてゴミが検知された画素について、検知すべきゴミ(すなわち、スリットガラス7上のゴミ)が存在すると判定し、ゴミ判定部202によるゴミ判定結果を、ラインメモリ203に保存する。また、以前のゴミ判定結果が存在する場合は、今回のゴミ判定結果にて更新する(ステップS109)。また、ゴミ判定部202は、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が一致するかどうかを判定する。この判定結果はステップS113にて使用される。
【0061】
これ以降、ゴミ補正部204による補正処理の対象画素が切り替わる。画像読取部4は、原稿読取を終了し(ステップS110)、ゴミ補正処理を終了する(ステップS111)。すなわち、ゴミ補正部204は、ゴミ判定結果による読取画像データの補正処理を終了する。
【0062】
続いて、つぎの原稿があるかどうかを判断する(ステップS112)。ここで、つぎの原稿があると判断した場合(ステップS112、Yes)、ステップS113に進む。一方、つぎの原稿がないと判断した場合(ステップS112、No)、原稿読取を終了する。ステップS113では、ゴミ判定部202は、ステップS108にて判定した判定結果が、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が一致しているかを判断する(ステップS113)。ここでゴミ判定部202は、両者の検知処理の結果が一致すると判断した場合(ステップS113、Yes)、ステップS104に移行する。一方、両者の検知処理の結果が一致しない(ステップS113、No)場合、ステップS102に移行する。すなわち、ゴミ判定部202においてゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が一致する場合はつぎの原稿読取前のゴミ検知処理[1]を実施せず、一致しない場合はつぎの原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施する。また、原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施しない場合、ステップS108におけるゴミ判定は、当該原稿読取時のゴミ検知処理[2]と、それ以前の原稿読取前に実施したゴミ検知処理[1]との比較により実施する。
【0063】
図10は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理を実行するタイミングについて示す説明図である。この図10では図5と同じく、画像読取部4による読取画像データを示しており、左右方向は主走査方向、上下方向は副走査方向(=時間軸)を示す。また、ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]を実施するタイミングを示している。また、図10は、図7のゴミが付着している場合に相当する。
【0064】
前述したように、ゴミ検知処理[1]は原稿読取前に実施し、ゴミ検知処理[2]は原稿読取中の原稿先端部にて実施する。また、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果から、検知すべきゴミかどうかを判定する。図10に示す例では、各原稿のゴミ判定にて、スリットガラス7上の固着ゴミ(固着ゴミ(b))のみならず、その他のゴミや原稿情報が検出されている。このため、ゴミ検知処理[1]は省略せず、各原稿読取前に実施する。
【0065】
図11は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]の結果が一致する場合におけるゴミ検知処理を実行するタイミングについて示す説明図である。この図11は、図8に示すようなゴミが付着している場合に相当する。
【0066】
図11に示す例では図10と異なり、原稿1枚目のゴミ判定にて、ゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]が一致する、すなわち、スリットガラス7上の固着ゴミ(固着ゴミ(b))のみが検出されている。このため、原稿2枚目の読取前にゴミ検知処理[1]は実施しない。CPU109は、ゴミ検知処理[1]を実施しないように、ADF制御部115、画像読取部4およびゴミ検知部201を制御する。
【0067】
原稿2枚目のゴミ判定は、原稿1枚目の読取前に取得したゴミ検知処理[1]と、原稿2枚目の先端部で取得したゴミ検知処理[2]の比較により実施する。このゴミ判定でも固着ゴミ(b)のみが検出されるので、原稿3枚目の読取前もゴミ検知処理[1]は実施しない。
【0068】
原稿3枚目のゴミ判定は、原稿1枚目の読取前に取得したゴミ検知処理[1]と、原稿3枚目の先端部で取得したゴミ検知処理[2]の比較により実施する。このゴミ判定でも固着ゴミ(b)のみが検出されるので、原稿4枚目の読取前もゴミ検知処理[1]は実施しない。以降同様の処理を繰り返すので、固着ゴミ(b)のみが検出される間は、ゴミ検知処理[1]を実施しない。
【0069】
したがって、上述した実施の形態によれば、ゴミ検知処理[1]を実施しない場合は、原稿間でゴミ検知処理[1]に使用する読取画像データを取得する必要がなくなる。よって、ある原稿とつぎの原稿の原稿搬送の間隔を短くすることで、ある原稿の読取完了後からつぎの原稿の読取開始までの時間を短くすることができる。このため原稿全体の読取時間が短くなる、すなわち、原稿読み取り時の生産性が向上する。
【0070】
(第2の実施の形態)
図12は、第2の実施の形態にかかるゴミ検知処理および補正処理の機能構成を示すブロック図である。この図12の基本的な構成は、第1の実施の形態の図6の機能ブロックと同じであり、ゴミ判定部222の機能に差異がある。すなわち、ゴミ判定部222は後述するように、ゴミの種類を判定し、このゴミの種類にしたがった処理を行う。なお、他の同一機能部分については図6と同じ符号を付し、重複説明は省略する。
【0071】
ゴミ判定部222は、ラインメモリ203に保存されたゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果から、ゴミの種類を判定する。具体的には、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果を比較し、両方にてゴミが検知された画素についてスリットガラス7上に固着したゴミ(固着ゴミ(b))と判定する。ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知され、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知されなかった画素については、背景板68上に付着したゴミ(ゴミ(c))、またはスリットガラス7上に付着した浮遊ゴミ(浮遊ゴミ(b))と判定する。ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知されず、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知された画素については、原稿情報(d)(たとえば縦線)、またはスリットガラス7上に付着した浮遊ゴミ(浮遊ゴミ(b))と判断する。このゴミ判定1の結果はラインメモリ203に保存される。
【0072】
さらにゴミ判定部222は、当該原稿におけるゴミ判定1の結果と、前回のゴミ判定1の結果を比較し、両方で背景板68上に付着したゴミ(ゴミ(c))、またはスリットガラス7上に付着した浮遊ゴミ(浮遊ゴミ(b))と判断された画素については、背景板68上に付着した固着ゴミ(固着ゴミ(c))と判定する。このゴミ判定2の結果はラインメモリ203に保存される。
【0073】
また、ゴミ判定部222は、当該原稿におけるゴミ判定1の結果とゴミ判定2の結果から、固着ゴミ(b)および固着ゴミ(c)のみが検知されているかどうかを判定する。その固着ゴミの判定結果はCPU109に転送される。
【0074】
ゴミ補正部204は、ラインメモリ203に保存されたゴミ判定1の結果に応じて、メモリ制御部103から入力した画像データに対して補正処理を行う。
【0075】
CPU109は、ゴミ判定部222によるゴミ判定1の結果とゴミ判定2の結果に応じて、ADF制御部115により制御されるADF2の原稿の搬送、画像読取部4による原稿の読み取り、およびゴミ検知部201によるゴミ検知動作を切り替える。具体的には、CPU109は、固着ゴミのみが存在する場合は、つぎの原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施しないよう、ADF制御部115、画像読取部4およびゴミ検知部201を制御する。
【0076】
図13は、第2の実施の形態にかかるゴミ判定部222のゴミ判定について説明する図である。ゴミ判定1については、前述した図7に示す第1の実施の形態のゴミ判定とほぼ同じであるが、判定結果を、以下に述べる「11」、「10」、「01」、「ゴミ無し」の4つに分ける。
【0077】
ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素(ハッチングで示す部分)は、「11」:固着ゴミ(b)と判定する。また、ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知され、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知されなかった画素は、「10」:ゴミ(c)または浮遊ゴミ(b)と判定する。また、ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知されず、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知された画素、「01」:原稿情報(d)または浮遊ゴミ(b)と判定する。ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素は、「ゴミ無し」と判定する。
【0078】
ゴミ判定2は、当該原稿のゴミ判定1の結果および前回のゴミ判定1の結果を比較する。双方にて「10」:ゴミ(c)または浮遊ゴミ(b)と判定された画素は、背景板68上にゴミが固着していると判定する(固着ゴミ(c))。それ以外の画素は、固着ゴミ(c)ではないと判定する。
【0079】
固着ゴミの場合は、原稿読取途中に移動する可能性が低く、つぎの原稿を読み取る際にも同じように検知される可能性が高い。従って、ゴミ判定1の結果およびゴミ判定2の結果から、固着ゴミ(b)および固着ゴミ(c)のみが付着していると判定される場合は、つぎの原稿読取前のゴミ検知処理[1]を省略する。
【0080】
図14は、第2の実施の形態にかかる原稿読取時のゴミ判定動作を示すフローチャートである。まず、ゴミ判定部222は、ゴミ判定1およびゴミ判定2の結果をリセットし、ゴミ判定結果にゴミ画素が存在しない状態とする(ステップS201)。これによりステップS209にてゴミ判定結果を更新するまでは、ゴミ補正処理を開始しても読取画像データに対する補正は実施されない。つぎのステップS202〜S207は、前述した図9のステップS102〜S107と同様であるのでここでの重複説明は省略する。
【0081】
ステップS207を実行した後、ゴミ判定部222は、ラインメモリ203に保存されたゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果を読み出し、それらを比較する。そして、ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素は、「11」:固着ゴミ(b)と判定する。ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知され、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知されなかった画素は、「10」:ゴミ(c)または浮遊ゴミ(b)と判定する。ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知されず、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知された画素、「01」:原稿情報(d)または浮遊ゴミ(b)と判定する。ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素は、「ゴミ無し」と判定する(ステップS208)。
【0082】
続いて、ゴミ判定部222によるゴミ判定1の結果を、ラインメモリ203に保存する(ステップS209)。なお既にゴミ判定1の結果が存在する場合は、まずそのゴミ判定1の結果を前回のゴミ判定1の結果としてラインメモリ203に保存し、そのステップS209によるゴミ判定1の結果を今回のゴミ判定1の結果として保存する。これ以降、ゴミ補正部204による補正処理の対象画素が切り替わる。
【0083】
続いて、ゴミ判定部222は、ラインメモリ203に保存された該当原稿のゴミ判定1の結果と、前回のゴミ判定1の結果を読み出し、それらを比較する。そして、両方で「10」:ゴミ(c)または浮遊ゴミ(b)と判定された画素を、固着ゴミ(c)と判定し、それ以外の画素を固着ゴミ(c)ではないと判定する。さらにゴミ判定部222は、当該原稿のゴミ判定1の結果およびゴミ判定2の結果から、固着ゴミ(b)および固着ゴミ(c)のみが付着しているかどうかを判定する(ステップS210)。この固着ゴミ判定の結果はステップS214にて使用される。
【0084】
つぎのステップS211〜S213は、前述した図9のステップS110〜S113と同様であるのでここでの重複説明は省略する。つぎに、ステップS210にて判定した、固着ゴミの判定結果から、固着ゴミのみが存在するか否かを判断する(ステップS214)。ここで固着ゴミのみが存在する場合(ステップS214、Yes)、ステップS204に移行する。一方、固着ゴミ以外、すなわち浮遊ゴミまたは原稿情報が存在する場合(ステップS214、No)、ステップS202に移行する。すなわち、CPU109は、固着ゴミのみが存在する場合はつぎの原稿読取前のゴミ検知処理[1]を実施せず、浮遊ゴミまたは原稿情報が存在する場合はつぎの原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施する。
【0085】
なお、ゴミが全くない(固着ゴミも存在しない)場合は、固着ゴミが存在する場合と同様の動作を行う。また、原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施しない場合、ステップS208におけるゴミ判定1は、当該原稿読取時のゴミ検知処理[2]と、それ以前の原稿読取前に実施したゴミ検知処理[1]との比較により実施する。
【0086】
これによりスリットガラス7上に付着した固着ゴミに加え、背景板68上に固着するゴミについても、各原稿読取前に実施するゴミ検知処理[1]を省略することができるため、読み取り時の生産性が向上する。
【0087】
ところで、本実施の形態で実行されるプログラムは、ROM111に予め組み込まれて提供するものとしているが、これに限定されるものではない。本実施の形態で実行されるプログラムを、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0088】
また、本実施の形態で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0089】
本実施の形態で実行されるプログラムは、上述した各部(ゴミ検知部201、ゴミ判定部202,222、ゴミ補正部204)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU109(プロセッサ)が上記記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部がメモリ等の主記憶装置上にロードされ、ゴミ検知部201、ゴミ判定部202,222、ゴミ補正部204の各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0090】
1 複写機
2 ADF
4 画像読取部
7 スリットガラス
68 背景板
105 画像処理編集部
109 CPU
110 ROM
111 RAM
115 ADF制御部
201 ゴミ検知部
202、222 ゴミ判定部
203 ラインメモリ
204 ゴミ補正部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】特開2009−33291号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動原稿搬送装置を用いて原稿束を一枚ずつ順次、画像読取位置に搬送させて原稿の画像情報を読み取る画像読取装置がある。このような画像読取装置では、原稿読取位置に存在するゴミを検知し、画像データに画像処理を適用することで、ゴミに起因する異常画像(原稿搬送方向のスジ)を低減する技術が知られている。しかし、上記画像処理では画像データの欠落が発生するという問題がある。このため、原稿読取位置に存在するゴミの種類を判別し、ゴミの種類に応じて動作を切り替える技術が知られている。
【0003】
また、原稿読取位置のゴミ検知の精度を向上させる目的で、読み取り装置に原稿が送信される前の背景板の読み取り値と原稿の先端部の読み取り値を毎回比較して、背景板の汚れであるか読み取り位置の原稿読み取り用のガラス(コンタクトガラス)の汚れであるかを判別する構成が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記に示されるような従来の技術にあっては、原稿読取前の背景板の読み取り動作と原稿の先端部の読み取り動作を毎回行うために、原稿読取時の生産性が低下するという問題があった。また、特許文献1の技術においても、ゴミ検知を行うのに、読み取り装置に原稿が送信される前の背景板の読み取り値と原稿の先端部の読み取り値を利用するものの、同様に原稿読取時の生産性が低下する問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、原稿読取位置のゴミ検知において、原稿読取時の生産性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、原稿搬送装置により読取対象の原稿を読取位置まで順次搬送し、前記原稿の画像面に光照射して当該原稿の画像情報を読み取る画像読取装置であって、原稿読取前に前記読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理とを実行するゴミ検知手段と、前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理のゴミ検知結果とを比較するゴミ比較手段と、前記ゴミ比較手段により前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理とのゴミ検知結果が一致する場合は、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行わないとする制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、原稿読取前の第1のゴミ検知処理によるゴミ検知の結果と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理の結果を比較し、その結果が一致する場合、つぎの原稿では原稿読取前に読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理によるゴミ検知を省略するので、ゴミの検知精度を劣化させずに読み取りの生産性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】図2は、図1におけるADFの構成を示す説明図である。
【図3】図3は、図1の複写機の全体構成および画像データの流れを示すブロック図である。
【図4】図4は、原稿読取位置に付着したゴミの種類を示す説明図である。
【図5】図5は、原稿読取位置に付着したゴミの読取画像データへの影響について示す説明図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理および補正処理の機能構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、第1の実施の形態にかかるゴミ判定部のゴミ判定方法を示す説明図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態にかかるゴミ判定部においてゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]とが一致する場合を示す説明図である。
【図9】図9は、第1の実施の形態にかかる原稿読取時のゴミ判定動作を示すフローチャートである。
【図10】図10は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理を実行するタイミングについて示す説明図である。
【図11】図11は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]の結果が一致する場合におけるゴミ検知処理を実行するタイミングについて示す説明図である。
【図12】図12は、第2の実施の形態にかかるゴミ検知処理および補正処理の機能構成を示すブロック図である。
【図13】図13は、第2の実施の形態にかかるゴミ判定部のゴミ判定について説明する図である。
【図14】図14は、第2の実施の形態にかかる原稿読取時のゴミ判定動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像読取装置、画像読取方法、およびプログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
この実施の形態では、スリットガラスと背景板との間の原稿読取位置に原稿を搬送する。原稿読取時のゴミ検知処理に際して、原稿読取前に背景板に付着するゴミを検知する第1のゴミ検知処理の結果と、原稿読取時の先端部での第2のゴミ検知処理の結果とを比較する。そして、その結果が一致する場合、つぎの原稿では読取前の背景板での第1のゴミ検知処理を省略し、前回の背景板でのゴミ検知結果で代用するものである。以下、具体例をあげて説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す説明図である。なお、本実施の形態では、画像形成装置として、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能などを有する複合機能の複写機1に適用した例をあげて説明する。まず、複写機1の構成について説明する。図1に示すように、複写機1は、自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder,以下、単にADFという)2と、給紙部3と、画像読取部4と、画像形成部5と、を主に備えている。なお、本例は複合機型の複写機1について説明するが、ADF2を備えた画像読取装置単体の装置(スキャナ装置)であってもよい。
【0012】
ADF2は、原稿トレイ11と、各種ローラ等からなる搬送部13とを備えている。ADF2は、搬送部13により原稿トレイ11に載置された原稿をスリットガラス7上に搬送し、スリットガラス7を介して画像読取部4により読み取りが終了した原稿を、スリットガラス7上を通過させた後、排紙トレイ12に排紙するようになっている。また、ADF2は、画像読取部4に対して図示しない開閉機構を介して開閉自在に取り付けられている。
【0013】
給紙部3は、用紙サイズの異なる記録紙を収納可能とする給紙カセット21、22と、給紙カセット21、22に収納された記録紙を画像形成部5の画像形成位置まで搬送するレジストローラなどの各種ローラ、搬送部を有する給紙手段23とを備えている。
【0014】
画像読取部4は、光源およびミラー部材を搭載した第1キャリッジ25と、ミラー部材を搭載した第2キャリッジ26と、結像レンズ27と、撮像部28とを備えている。画像読取部4は、第1キャリッジ25に搭載された光源によりスリットガラス7上を通過中の原稿に光を照射し、第1キャリッジ25および第2キャリッジ26に搭載された各ミラー部材により原稿からの反射光を折り返させ、その反射光を結像レンズ27により結像してCCDラインセンサなどの光電変換デバイスを有する撮像部28で読み取らせるようになっている。
【0015】
画像形成部5には、電子写真プロセスにしたがった各ユニットが配置されている。画像形成部5は、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の画像をそれぞれ形成するために、露光装置31と、感光体ドラム32と、現像装置33、転写ベルト34と、定着装置35と、を色毎に備えている。画像形成部5は、撮像部28に読み取られた画像処理後の読取画像に基づいて、露光装置31により帯電後の感光体ドラム32を露光して感光体ドラム32に静電潜像を形成し、現像装置33により感光体ドラム32に異なる色のトナーを供給して現像するようになっている。そして、画像形成部5は、転写ベルト34により感光体ドラム32に現像された像を給紙部3から供給された記録紙に転写する。この後、定着装置35により記録紙に転写されたトナー画像のトナーを溶融して、記録紙にカラー画像を定着するようになっている。
【0016】
図2は、図1におけるADF2の構成を示す説明図である。この図2に示すように、原稿トレイ11は、可動原稿テーブル41と、一対のサイドガイド板42とを有している。可動原稿テーブル41は、原稿トレイ11の給紙方向の略前半部を構成しており、基端部を支点として上下方向に回動するようになっている。このように原稿トレイ11は、可動原稿テーブル41を回動することにより、原稿トレイ11に載置された原稿の給送方向前端部を適切な高さに合わせることができるようになっている。
【0017】
可動原稿テーブル41の先端部の上方には、テーブル上昇センサ87が設けられている。テーブル上昇センサ87は、原稿載置面に載置された原稿の給送方向における前端部が適切な高さである給紙適正位置に保持されているかを検知するようになっている。なお、実施の形態にかかる給紙適正位置とは、原稿束の最上位の原稿と後述するピックアップローラ61とが接触し、所定の給紙圧が得られる位置をいう。
【0018】
可動原稿テーブル41の先端部の下方には、ホームポジションセンサ88が設けられている。ホームポジションセンサ88は、可動原稿テーブル41がホームポジションにあることを検知するようになっている。
【0019】
原稿トレイ11の給紙方向の略後半部には、原稿の向きが縦と横のいずれになっているかを検知する原稿長さ検知センサ89、90が、給送方向に離隔して設けられている。なお、原稿長さ検知センサ89、90としては、光学的手段により未接触で検知する光反射型センサ、または接触式のアクチュエータタイプのセンサを用いてもよい。
【0020】
一対のサイドガイド板42は、原稿トレイ11に載置された原稿の給紙方向に対する左右方向を位置決めするように立設されている。また、一対のサイドガイド板42の片側は、給紙方向に対する左右方向にスライド自在であり、異なるサイズの原稿が載置可能に構成されている。一対のサイドガイド板42の対向面には、後述する可動部材としての一対の回動リブ45が設けられている。
【0021】
一対のサイドガイド板42の固定側には、原稿の載置により回動するセットフィラー46が設けられている。また、セットフィラー46の先端部の移動軌跡上の最下部には、原稿トレイ11に原稿が載置されたことを検知する原稿セットセンサ82が設けられている。つまり、原稿セットセンサ82は、原稿トレイ11に原稿が載置されると、セットフィラー46が回動して、セットフィラー46の先端部が原稿セットセンサ82から外れて、原稿の載置を検知するようになっている。
【0022】
ADF2の搬送部13は、分離給送部51と、プルアウト部52と、ターン部53と、第1読取搬送部54と、第2読取搬送部55と、排紙部56と、を備えている。分離給送部51は、給紙口近傍に配置されたピックアップローラ61と、搬送経路を挟んで対向するように配置された給紙ベルト62およびリバースローラ63とを有している。ピックアップローラ61は、給紙ベルト62に取り付けられた支持アーム部材64により支持されており、図示しないカム機構を介して原稿束に接触する接触位置と原稿束から離れた離隔位置との間を上下動するようになっている。
【0023】
給紙ベルト62は、給送方向に回転し、リバースローラ63は、給送方向と逆方向に回転するようになっている。また、リバースローラ63は、原稿が重送(多数枚送り)された場合に、給紙ベルト62に対して逆方向に回転して2枚以降を戻す動作を行うが、リバースローラ63が給紙ベルト62に接している場合、または原稿を1枚のみ搬送している場合には、図示しないトルクリミッタの働きにより、給紙ベルト62に連れ回りするようになっている。そして、分離給送部51は、ピックアップローラ61が原稿トレイ11に載置された原稿束の最上位の原稿に転接することにより給紙口内に原稿を送り出し、原稿が重送された場合に給紙ベルト62とリバースローラ63とにより分離して送り出すようになっている。
【0024】
プルアウト部52は、搬送経路を挟むように配置された一対のローラからなるプルアウトローラ65を有している。プルアウト部52は、プルアウトローラ65とピックアップローラ61の駆動タイミングにより、送り出された原稿を一次的に突当てて整合し、整合後の原稿を引き出し搬送するようになっている。また、プルアウトローラ65には、紙厚を測定するための紙厚測定センサ91が設けられている。
【0025】
ターン部53は、搬送経路の上から下に向けてカーブしたカーブ部を挟むように配置された一対のローラからなる中間ローラ66および読取入口ローラ67を有している。ターン部53は、中間ローラ66により引き出し搬送された原稿を、カーブ部を搬送することによりターンさせて、読取入口ローラ67により原稿の表面を下方に向けてスリットガラス7近傍まで搬送するようになっている。
【0026】
第1読取搬送部54は、スリットガラス7に搬送経路を挟んで対向する位置に配置された背景板68と、読取終了後の搬送経路を挟むように配置された一対のローラからなる第1読取出口ローラ69とを有している。第1読取搬送部54は、スリットガラス7の近傍まで搬送された原稿の表面をスリットガラス7に接触させながら搬送し、読取終了後の原稿を第1読取出口ローラ69によりさらに搬送するようになっている。
【0027】
第2読取搬送部55は、原稿の裏面を読み取る第2読取部101に搬送経路を挟んで対向する位置に配置された第2読取ローラ70と、原稿の裏面の読取終了後の搬送経路を挟むように配置された一対の第2読取出口ローラ71とを有している。第2読取搬送部55は、表面が読み取られた原稿を第2読取ローラ70により第2読取部101の読取面の前を通過させ、第2読取出口ローラ71により排紙口に向けて搬送するようになっている。なお、両面読取を行わない場合には、原稿裏面の画像読取動作が不要であるため、原稿は第2読取部101を素通りするようになっている。
【0028】
排紙部56は、排紙口の近傍に一対の排紙ローラ72が設けられ、第2読取出口ローラ71により搬送された原稿を排紙トレイ12に排紙するようになっている。
【0029】
また、ADF2には、搬送経路に沿って、突き当てセンサ84、読取入口センサ86、レジストセンサ81、排紙センサ83が設けられており、これらセンサによる検知信号は原稿の搬送距離や搬送速度等の搬送制御に用いられるようなっている。さらに、プルアウトローラ65と中間ローラ66との間には、原稿幅センサ85が設けられている。原稿幅センサ85は、原稿の幅方向に複数並べた受光素子から構成されており、搬送経路を挟んで対向位置に設けられた照射光からの受光結果に基づき原稿幅を検知する。
【0030】
図3は、図1の複写機1の全体構成および画像データの流れを示すブロック図である。画像データの流れの例について、図3を用いて説明する。画像読取部4で読み取った画像データは画像データ受取り部102に入る。ここで、読み取った画像データに対してシェーディング補正を施し、光源の光量分布による画像データの領域によるレベル差および、画像読取部4で用いた光電変換デバイスで読み取る際に発生する各画素間のレベル差を補正する。
【0031】
メモリ制御部103では送られてきた画像データをメモリ104にフレーム単位にデータを蓄積し、蓄積した画像データをCPU109の指示によりフレーム毎に取り出し、次段の画像処理編集部105に送出する。画像処理編集部105では各種、画像データに対して画像処理を施す。なお、この実施の形態で実施するゴミ検知処理およびゴミ補正処理は、画像処理編集部105にて実施する。ゴミ検知処理に関する動作の詳細は図6にて説明する。
【0032】
画像処理編集部105で処理した画像データは画像メモリコントロール114に送られる。画像メモリコントロール114は読取り処理と書き込み処理間の処理速度の調整やページ単位の各種処理を行なう。そのためここでは図示していないが、大量の画像データを記憶するための画像メモリとストレージを持ち、各種処理に対応する。画像メモリコントロール114で画像データの処理を行なった後、画像データをコピー出力するための処理を行なう。
【0033】
画像データを再度、画像処理編集部105に送り、受け取った画像データを書き込み画像処理部106に送り、書き込み画像処理部106にて、コピー出力するための画像処理を実施する。書き込み画像処理部106で画像処理されたた画像データは、VDC107に送られる。画像データは、転写するための画像データに処理されたた上で、露光装置31にあるVDB108に送られる。VDB108ではレーザダイオードを画像データに応じて変調発光して、感光体ドラム32に露光処理を行なうものである。
【0034】
一方、第二読取部101で読み取った画像データも同様の流れとなる。画像データ受取り部102で、シェーディング補正等の処理を行ないメモリ制御部103に画像データを送る。画像読取部4で読み取った画像データと第二読取部101で読み取った画像データはメモリ104まではそれぞれ並行に処理し、メモリ104にて画像データを蓄積した後はフレーム単位にメモリ104から画像データを取り出して処理を行なう構成となる。CPU109は画像処理編集部105を制御し、そのためのプログラムはROM110に格納されている。また、CPU109が動作するためのワーキングメモリはRAM111が受け持つ。ADF2を制御するADF制御部115は、CPU109と情報通信を行い、原稿搬送タイミングを調整する。
【0035】
つぎに、読取位置に付着したゴミについて説明する。ADF2による原稿読み取りでは、画像読取部4による読取位置を固定したまま、スリットガラス7と背景板68との間を通過する原稿を読み取る。この画像読取部4の読取位置にゴミが付着した場合について以下図4を参照して説明する。
【0036】
図4(a)は、読取位置にゴミが付着していない場合である。この場合、画像読取部4はゴミの影響がないので、原稿をそのまま読み取る。
【0037】
図4(b)は、読取位置のスリットガラス7上にゴミが付着している場合である。この場合、画像読取部4と原稿の間にゴミが存在するため、原稿の読取画像データにゴミの影響が発生する。画像読取部4は常にこのゴミを読み取ることになるため、原稿の読取画像データ上に副走査方向の異常画像、いわゆる画像形成後において画像に縦スジが発生する。
【0038】
図4(c)は、読取位置の背景板68上にゴミが付着している場合である。この場合、画像読取部4から見て原稿より奥側(裏面側)にゴミが存在する。このため、原稿読取中のこのゴミは原稿によって照射される光が遮蔽されるので、原稿の読取画像データ上に異常画像は発生しない。なお、原稿読取時以外は、画像読取部4はこのゴミを読み取る。
【0039】
図4(d)は、読取位置にゴミが付着してなく、かつ原稿に情報(たとえば縦線)が記載されている場合である。この場合、画像読取部4はゴミの影響がないので、原稿をそのまま読み取る。
【0040】
ところで原稿読取位置に付着したゴミは、固着して容易に移動しないゴミ(以降、固着ゴミと呼ぶ)と、固着しておらず容易に移動するゴミ(以降、浮遊ゴミと呼ぶ)に分けられる。固着ゴミの場合は常にゴミの影響を受けるが、浮遊ゴミはゴミが付着している間のみゴミの影響を受ける。このため後述するゴミ判定部202では、固着ゴミと浮遊ゴミのどちらであるかも考慮して判定する。
【0041】
図4にて説明したように、原稿読取位置に付着したゴミにより、読取画像データに副走査方向の異常画像が発生する。以下ではゴミの読取画像データへの影響を説明する。
【0042】
図5は、原稿読取位置に付着したゴミの読取画像データへの影響について示す説明図である。図5の読取画像データにおいて、左右方向は主走査方向、上下方向は副走査方向(=時間軸)を示す。またゴミ(b)、ゴミ(c)、原稿情報(d)は図4にて説明したゴミに対応しており、それぞれスリットガラス7上のゴミ、背景板68上のゴミ、原稿に記載されている情報である。
【0043】
ゴミ(b)の場合、原稿の有無にかかわらず画像読取部4は常にこのゴミを読み取る。原稿読取後の画像データにゴミ画像が含まれる場合、原稿の領域内、原稿の領域外とも画像形成後に異常画像が発生する。
【0044】
ゴミ(c)の場合、原稿読取中には画像読取部4はこのゴミを読み取らず、原稿読取中以外には画像読取部4はこのゴミを読み取る。
【0045】
原稿情報(d)の場合、原稿読取中には画像読取部4はこの情報を読み取り、原稿読取中以外には画像読取部4はこの情報を読み取らない。
【0046】
すなわち、原稿の読取画像データに異常画像として現れるのは、ゴミ(b)すなわちスリットガラス7上のゴミのみであり、ゴミ(c)すなわち背景板68上のゴミは異常画像としては現れない。また、原稿情報(d)は原稿自体の情報である。従って、スリットガラス7上のゴミ(b)のみをゴミと判断する必要がある。
【0047】
図6は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理および補正処理の機能構成を示すブロック図である。ゴミ検知部201、ゴミ判定部202、ラインメモリ203、ゴミ補正部204は、画像処理編集部105に搭載される。
【0048】
ゴミ検知部201は、メモリ制御部103から入力した画像データに対して、ゴミ画素の位置の検知処理を行う。なお、ゴミ検知に使用する画像データはつぎの2つである。1つは原稿読取前に取得する、背景板68の読取画像データである。この画像データに対するゴミ検知動作をゴミ検知処理[1]と呼ぶ。もう1つは原稿読取中に取得する、原稿先端部の読取画像データである。この画像データに対するゴミ検知動作をゴミ検知処理[2]と呼ぶ。ゴミ検知処理[1]の結果と、ゴミ検知処理[2]の結果は、それぞれゴミ判定部202経由でラインメモリ203に保存される。
【0049】
ゴミ判定部202は、ラインメモリ203に保存されたゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果から、検知すべきゴミかどうかを判定する。具体的には、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果を比較し、両方にてゴミが検知された画素について、前述のゴミ(b)すなわちスリットガラス7上のゴミと判定する。このゴミ判定結果はラインメモリ203に保存される。
【0050】
また、ゴミ判定部202は、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果から、それらの検知結果が一致するかどうかを判定する。その両者の一致有無の判定結果はCPU109に転送される。
【0051】
ゴミ補正部204は、ゴミ判定部202の比較結果に応じて、すなわち、ラインメモリ203に保存されたゴミ判定結果に応じて、メモリ制御部103から入力した読取画像データに対して補正処理を行う。具体的には、ゴミがあると判定された画素については、周囲の画素の画像データから算出される補間データで置き換える。ゴミ補正部204にて補正処理された画像データは、画像処理編集部105の後段の画像処理に出力され、その他の各種画像処理が実施される。
【0052】
CPU109は、ゴミ判定部202によるゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果との判定結果に応じて、ADF制御部115により制御されるADF2の原稿搬送、画像読取部4による原稿読み取り、およびゴミ検知部201によるゴミ検知動作を切り替える。具体的にはCPU109は、ゴミ判定部202によるゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が両者一致する場合は、つぎの原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施しないよう、ADF制御部115、画像読取部4およびゴミ検知部201を制御する。
【0053】
図7は、第1の実施の形態にかかるゴミ判定部202のゴミ判定方法を示す説明図である。この図7に示すように、ゴミ判定部202は画像読取部4が読み取る主走査方向の全画素について、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果を比較する。なお、図7に示す1つの四角形は、画像読取部4が読み取る主走査方向の各画素に対応しており、ハッチングで示している画素はゴミ検知部201にてゴミと検知された画素である。
【0054】
ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素については、スリットガラス7上に固着したゴミ(固着ゴミ(b))と判断する。この固着ゴミ(b)は原稿の読取画像データに異常画像として現れるので、ゴミであると判定する。
【0055】
ゴミ検知処理[1]にてゴミであると検知され、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知されなかった画素については、背景板68上に付着したゴミ(ゴミ(c))、またはスリットガラス7上に付着した浮遊ゴミ(浮遊ゴミ(b))と判断する。浮遊ゴミ(b)の場合は、ゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]の間にゴミが移動したことになる。ゴミ(c)は原稿の読取画像データには異常画像として現れない。また、浮遊ゴミ(b)の場合は、原稿の読取画像データに異常画像として現れる可能性があるが、原稿読み取り途中にさらに移動する可能性があり、ゴミ補正部204による補正が困難である。このため、いずれにしてもゴミとは判定しない。
【0056】
ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知されず、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知された画素については、原稿情報(d)(たとえば縦線)、またはスリットガラス7上に付着した浮遊ゴミ(浮遊ゴミ(b))と判断する。浮遊ゴミ(b)の場合は、ゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]の間にゴミが移動したことになる。原稿情報(d)は原稿自体の必要な情報である。また、浮遊ゴミ(b)の場合は、原稿の読取画像データに異常画像として現れる可能性があるが、原稿読取途中にさらに移動する可能性があり、ゴミ補正部204による補正が困難である。このため、いずれにしてもゴミとは判定しない。したがって、ゴミ判定部202がゴミと判定するのは、ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素のみである。
【0057】
図8は、第1の実施の形態にかかるゴミ判定部202においてゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]とが一致する場合を示す説明図である。図8のように、ゴミ判定部202にてゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が一致する場合は、スリットガラス7上の固着ゴミ(固着ゴミ(b))のみが付着していることになる。固着ゴミの場合は、原稿読み取り途中に移動する可能性が低く、つぎの原稿を読み取る際にも同じように検知される可能性が高い。このため、ゴミ判定部202にてゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が一致する場合、すなわち、固着ゴミ(b)のみが付着していると判定される場合は、つぎの原稿読取前のゴミ検知処理[1]を省略する。なお、固着ゴミ(b)も付着していない場合、すなわち、ゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]の両方でゴミが全く検出されない場合も結果が一致するが、この場合もつぎの原稿読み取りの前のゴミ検知処理[1]動作を省略する。
【0058】
図9は、第1の実施の形態にかかる原稿読取時のゴミ判定動作を示すフローチャートである。ゴミ判定部202は、ゴミ判定結果をリセットし、ゴミ判定結果にゴミ画素が存在しない状態とする(ステップS101)。これによりステップS109にてゴミ判定結果を更新するまでは、ゴミ補正処理を開始しても読取画像データに対する補正は実施されない。続いて、原稿読取前に、画像読取部4は背景板68を読み取る。その読取画像データから、ゴミ検知部201は、ゴミ検知処理(ゴミ検知処理[1])を行う(ステップS102)。ゴミ検知部201は、ゴミ検知処理[1]の結果を、ゴミ判定部202経由でラインメモリ203に保存し、以前のゴミ検知処理[1]の結果が存在する場合は、今回のゴミ検知処理[1]の結果にて更新する(ステップS103)。
【0059】
続いて、画像読取部4は、原稿読取を開始する(ステップS104)。さらにゴミ補正部204は、ゴミ補正処理を開始する(ステップS105)。すなわち、ゴミ補正部204は、ラインメモリ203に保存されているゴミ判定結果にてゴミと判定された画素に対し、読取画像データの補間処理を開始する。
【0060】
続いて、ゴミ検知部201は、画像読取部4による原稿先端部の読取画像データから、ゴミ検知処理(ゴミ検知処理[2])を実施する(ステップS106)。続いて、ゴミ検知部201によるゴミ検知処理[2]の結果を、ゴミ判定部202経由でラインメモリ203に保存し、以前のゴミ検知処理[2]の結果が存在する場合は、今回のゴミ検知処理[2]の結果にて更新する(ステップS107)。さらに、ゴミ判定部202は、ラインメモリ203に保存されたゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果を読み出し、それらを比較する(ステップS108)。そして、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果の両方にてゴミが検知された画素について、検知すべきゴミ(すなわち、スリットガラス7上のゴミ)が存在すると判定し、ゴミ判定部202によるゴミ判定結果を、ラインメモリ203に保存する。また、以前のゴミ判定結果が存在する場合は、今回のゴミ判定結果にて更新する(ステップS109)。また、ゴミ判定部202は、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が一致するかどうかを判定する。この判定結果はステップS113にて使用される。
【0061】
これ以降、ゴミ補正部204による補正処理の対象画素が切り替わる。画像読取部4は、原稿読取を終了し(ステップS110)、ゴミ補正処理を終了する(ステップS111)。すなわち、ゴミ補正部204は、ゴミ判定結果による読取画像データの補正処理を終了する。
【0062】
続いて、つぎの原稿があるかどうかを判断する(ステップS112)。ここで、つぎの原稿があると判断した場合(ステップS112、Yes)、ステップS113に進む。一方、つぎの原稿がないと判断した場合(ステップS112、No)、原稿読取を終了する。ステップS113では、ゴミ判定部202は、ステップS108にて判定した判定結果が、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が一致しているかを判断する(ステップS113)。ここでゴミ判定部202は、両者の検知処理の結果が一致すると判断した場合(ステップS113、Yes)、ステップS104に移行する。一方、両者の検知処理の結果が一致しない(ステップS113、No)場合、ステップS102に移行する。すなわち、ゴミ判定部202においてゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果が一致する場合はつぎの原稿読取前のゴミ検知処理[1]を実施せず、一致しない場合はつぎの原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施する。また、原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施しない場合、ステップS108におけるゴミ判定は、当該原稿読取時のゴミ検知処理[2]と、それ以前の原稿読取前に実施したゴミ検知処理[1]との比較により実施する。
【0063】
図10は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理を実行するタイミングについて示す説明図である。この図10では図5と同じく、画像読取部4による読取画像データを示しており、左右方向は主走査方向、上下方向は副走査方向(=時間軸)を示す。また、ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]を実施するタイミングを示している。また、図10は、図7のゴミが付着している場合に相当する。
【0064】
前述したように、ゴミ検知処理[1]は原稿読取前に実施し、ゴミ検知処理[2]は原稿読取中の原稿先端部にて実施する。また、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果から、検知すべきゴミかどうかを判定する。図10に示す例では、各原稿のゴミ判定にて、スリットガラス7上の固着ゴミ(固着ゴミ(b))のみならず、その他のゴミや原稿情報が検出されている。このため、ゴミ検知処理[1]は省略せず、各原稿読取前に実施する。
【0065】
図11は、第1の実施の形態にかかるゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]の結果が一致する場合におけるゴミ検知処理を実行するタイミングについて示す説明図である。この図11は、図8に示すようなゴミが付着している場合に相当する。
【0066】
図11に示す例では図10と異なり、原稿1枚目のゴミ判定にて、ゴミ検知処理[1]とゴミ検知処理[2]が一致する、すなわち、スリットガラス7上の固着ゴミ(固着ゴミ(b))のみが検出されている。このため、原稿2枚目の読取前にゴミ検知処理[1]は実施しない。CPU109は、ゴミ検知処理[1]を実施しないように、ADF制御部115、画像読取部4およびゴミ検知部201を制御する。
【0067】
原稿2枚目のゴミ判定は、原稿1枚目の読取前に取得したゴミ検知処理[1]と、原稿2枚目の先端部で取得したゴミ検知処理[2]の比較により実施する。このゴミ判定でも固着ゴミ(b)のみが検出されるので、原稿3枚目の読取前もゴミ検知処理[1]は実施しない。
【0068】
原稿3枚目のゴミ判定は、原稿1枚目の読取前に取得したゴミ検知処理[1]と、原稿3枚目の先端部で取得したゴミ検知処理[2]の比較により実施する。このゴミ判定でも固着ゴミ(b)のみが検出されるので、原稿4枚目の読取前もゴミ検知処理[1]は実施しない。以降同様の処理を繰り返すので、固着ゴミ(b)のみが検出される間は、ゴミ検知処理[1]を実施しない。
【0069】
したがって、上述した実施の形態によれば、ゴミ検知処理[1]を実施しない場合は、原稿間でゴミ検知処理[1]に使用する読取画像データを取得する必要がなくなる。よって、ある原稿とつぎの原稿の原稿搬送の間隔を短くすることで、ある原稿の読取完了後からつぎの原稿の読取開始までの時間を短くすることができる。このため原稿全体の読取時間が短くなる、すなわち、原稿読み取り時の生産性が向上する。
【0070】
(第2の実施の形態)
図12は、第2の実施の形態にかかるゴミ検知処理および補正処理の機能構成を示すブロック図である。この図12の基本的な構成は、第1の実施の形態の図6の機能ブロックと同じであり、ゴミ判定部222の機能に差異がある。すなわち、ゴミ判定部222は後述するように、ゴミの種類を判定し、このゴミの種類にしたがった処理を行う。なお、他の同一機能部分については図6と同じ符号を付し、重複説明は省略する。
【0071】
ゴミ判定部222は、ラインメモリ203に保存されたゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果から、ゴミの種類を判定する。具体的には、ゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果を比較し、両方にてゴミが検知された画素についてスリットガラス7上に固着したゴミ(固着ゴミ(b))と判定する。ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知され、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知されなかった画素については、背景板68上に付着したゴミ(ゴミ(c))、またはスリットガラス7上に付着した浮遊ゴミ(浮遊ゴミ(b))と判定する。ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知されず、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知された画素については、原稿情報(d)(たとえば縦線)、またはスリットガラス7上に付着した浮遊ゴミ(浮遊ゴミ(b))と判断する。このゴミ判定1の結果はラインメモリ203に保存される。
【0072】
さらにゴミ判定部222は、当該原稿におけるゴミ判定1の結果と、前回のゴミ判定1の結果を比較し、両方で背景板68上に付着したゴミ(ゴミ(c))、またはスリットガラス7上に付着した浮遊ゴミ(浮遊ゴミ(b))と判断された画素については、背景板68上に付着した固着ゴミ(固着ゴミ(c))と判定する。このゴミ判定2の結果はラインメモリ203に保存される。
【0073】
また、ゴミ判定部222は、当該原稿におけるゴミ判定1の結果とゴミ判定2の結果から、固着ゴミ(b)および固着ゴミ(c)のみが検知されているかどうかを判定する。その固着ゴミの判定結果はCPU109に転送される。
【0074】
ゴミ補正部204は、ラインメモリ203に保存されたゴミ判定1の結果に応じて、メモリ制御部103から入力した画像データに対して補正処理を行う。
【0075】
CPU109は、ゴミ判定部222によるゴミ判定1の結果とゴミ判定2の結果に応じて、ADF制御部115により制御されるADF2の原稿の搬送、画像読取部4による原稿の読み取り、およびゴミ検知部201によるゴミ検知動作を切り替える。具体的には、CPU109は、固着ゴミのみが存在する場合は、つぎの原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施しないよう、ADF制御部115、画像読取部4およびゴミ検知部201を制御する。
【0076】
図13は、第2の実施の形態にかかるゴミ判定部222のゴミ判定について説明する図である。ゴミ判定1については、前述した図7に示す第1の実施の形態のゴミ判定とほぼ同じであるが、判定結果を、以下に述べる「11」、「10」、「01」、「ゴミ無し」の4つに分ける。
【0077】
ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素(ハッチングで示す部分)は、「11」:固着ゴミ(b)と判定する。また、ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知され、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知されなかった画素は、「10」:ゴミ(c)または浮遊ゴミ(b)と判定する。また、ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知されず、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知された画素、「01」:原稿情報(d)または浮遊ゴミ(b)と判定する。ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素は、「ゴミ無し」と判定する。
【0078】
ゴミ判定2は、当該原稿のゴミ判定1の結果および前回のゴミ判定1の結果を比較する。双方にて「10」:ゴミ(c)または浮遊ゴミ(b)と判定された画素は、背景板68上にゴミが固着していると判定する(固着ゴミ(c))。それ以外の画素は、固着ゴミ(c)ではないと判定する。
【0079】
固着ゴミの場合は、原稿読取途中に移動する可能性が低く、つぎの原稿を読み取る際にも同じように検知される可能性が高い。従って、ゴミ判定1の結果およびゴミ判定2の結果から、固着ゴミ(b)および固着ゴミ(c)のみが付着していると判定される場合は、つぎの原稿読取前のゴミ検知処理[1]を省略する。
【0080】
図14は、第2の実施の形態にかかる原稿読取時のゴミ判定動作を示すフローチャートである。まず、ゴミ判定部222は、ゴミ判定1およびゴミ判定2の結果をリセットし、ゴミ判定結果にゴミ画素が存在しない状態とする(ステップS201)。これによりステップS209にてゴミ判定結果を更新するまでは、ゴミ補正処理を開始しても読取画像データに対する補正は実施されない。つぎのステップS202〜S207は、前述した図9のステップS102〜S107と同様であるのでここでの重複説明は省略する。
【0081】
ステップS207を実行した後、ゴミ判定部222は、ラインメモリ203に保存されたゴミ検知処理[1]の結果とゴミ検知処理[2]の結果を読み出し、それらを比較する。そして、ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素は、「11」:固着ゴミ(b)と判定する。ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知され、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知されなかった画素は、「10」:ゴミ(c)または浮遊ゴミ(b)と判定する。ゴミ検知処理[1]にてゴミと検知されず、ゴミ検知処理[2]ではゴミと検知された画素、「01」:原稿情報(d)または浮遊ゴミ(b)と判定する。ゴミ検知処理[1]およびゴミ検知処理[2]の両方でゴミが検知された画素は、「ゴミ無し」と判定する(ステップS208)。
【0082】
続いて、ゴミ判定部222によるゴミ判定1の結果を、ラインメモリ203に保存する(ステップS209)。なお既にゴミ判定1の結果が存在する場合は、まずそのゴミ判定1の結果を前回のゴミ判定1の結果としてラインメモリ203に保存し、そのステップS209によるゴミ判定1の結果を今回のゴミ判定1の結果として保存する。これ以降、ゴミ補正部204による補正処理の対象画素が切り替わる。
【0083】
続いて、ゴミ判定部222は、ラインメモリ203に保存された該当原稿のゴミ判定1の結果と、前回のゴミ判定1の結果を読み出し、それらを比較する。そして、両方で「10」:ゴミ(c)または浮遊ゴミ(b)と判定された画素を、固着ゴミ(c)と判定し、それ以外の画素を固着ゴミ(c)ではないと判定する。さらにゴミ判定部222は、当該原稿のゴミ判定1の結果およびゴミ判定2の結果から、固着ゴミ(b)および固着ゴミ(c)のみが付着しているかどうかを判定する(ステップS210)。この固着ゴミ判定の結果はステップS214にて使用される。
【0084】
つぎのステップS211〜S213は、前述した図9のステップS110〜S113と同様であるのでここでの重複説明は省略する。つぎに、ステップS210にて判定した、固着ゴミの判定結果から、固着ゴミのみが存在するか否かを判断する(ステップS214)。ここで固着ゴミのみが存在する場合(ステップS214、Yes)、ステップS204に移行する。一方、固着ゴミ以外、すなわち浮遊ゴミまたは原稿情報が存在する場合(ステップS214、No)、ステップS202に移行する。すなわち、CPU109は、固着ゴミのみが存在する場合はつぎの原稿読取前のゴミ検知処理[1]を実施せず、浮遊ゴミまたは原稿情報が存在する場合はつぎの原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施する。
【0085】
なお、ゴミが全くない(固着ゴミも存在しない)場合は、固着ゴミが存在する場合と同様の動作を行う。また、原稿読取前にゴミ検知処理[1]を実施しない場合、ステップS208におけるゴミ判定1は、当該原稿読取時のゴミ検知処理[2]と、それ以前の原稿読取前に実施したゴミ検知処理[1]との比較により実施する。
【0086】
これによりスリットガラス7上に付着した固着ゴミに加え、背景板68上に固着するゴミについても、各原稿読取前に実施するゴミ検知処理[1]を省略することができるため、読み取り時の生産性が向上する。
【0087】
ところで、本実施の形態で実行されるプログラムは、ROM111に予め組み込まれて提供するものとしているが、これに限定されるものではない。本実施の形態で実行されるプログラムを、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0088】
また、本実施の形態で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0089】
本実施の形態で実行されるプログラムは、上述した各部(ゴミ検知部201、ゴミ判定部202,222、ゴミ補正部204)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU109(プロセッサ)が上記記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部がメモリ等の主記憶装置上にロードされ、ゴミ検知部201、ゴミ判定部202,222、ゴミ補正部204の各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0090】
1 複写機
2 ADF
4 画像読取部
7 スリットガラス
68 背景板
105 画像処理編集部
109 CPU
110 ROM
111 RAM
115 ADF制御部
201 ゴミ検知部
202、222 ゴミ判定部
203 ラインメモリ
204 ゴミ補正部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】特開2009−33291号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿搬送装置により読取対象の原稿を読取位置まで順次搬送し、前記原稿の画像面に光照射して当該原稿の画像情報を読み取る画像読取装置であって、
原稿読取前に前記読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理とを実行するゴミ検知手段と、
前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理のゴミ検知結果とを比較するゴミ比較手段と、
前記ゴミ比較手段により前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理とのゴミ検知結果が一致する場合は、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行わないとする制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記ゴミ比較手段は、つぎの原稿の読取前に前記第1のゴミ検知処理を行わない場合、当該原稿の読取中に取得した第2のゴミ検知処理の結果と、前回の第1のゴミ検知処理の結果とを比較することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ゴミ比較手段の比較結果が一致する場合は、当該原稿の読取完了からつぎの原稿の読取開始までの時間が短くなるよう前記原稿搬送装置の原稿搬送タイミングを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記ゴミ比較手段の比較結果に応じて、読取画像データに対して補正処理を行うゴミ補正手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1、2または3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記ゴミ補正手段は、前記ゴミ比較手段の比較結果が一致する画素に対してのみ、読取画像データに対して補正処理を実施することを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記ゴミ比較手段にて取得されるゴミ比較結果から、前記原稿の読取面側のゴミと、前記原稿への光照射時に遮光されるゴミの種別を判定するゴミ判定手段を、さらに備え、
前記制御手段は、前記ゴミ判定手段により当該原稿のゴミ比較結果と、当該原稿の前の原稿のゴミ比較結果を比較し、比較結果から判定されたゴミの種別に応じて、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行うかを判断することを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記ゴミ判定手段による判定結果が、固着ゴミのみの場合、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を実行しないことを特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
原稿搬送装置により読取対象の原稿を読取位置まで順次搬送し、前記原稿の画像面に光照射して当該原稿の画像情報を読み取る画像読取方法であって、
原稿読取前に前記読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理とを実行するゴミ検知工程と、
前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理のゴミ検知結果とを比較するゴミ比較工程と、
前記ゴミ比較工程により前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理とのゴミ検知結果が一致する場合は、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行わないとする制御を行う制御工程と、
を含むことを特徴とする画像読取方法。
【請求項9】
原稿搬送装置により読取対象の原稿を読取位置まで順次搬送し、前記原稿の画像面に光照射して当該原稿の画像情報を読み取るコンピュータで実行されるプログラムであって、
原稿読取前に前記読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理とを実行するゴミ検知ステップと、
前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理のゴミ検知結果とを比較するゴミ比較ステップと、
前記ゴミ比較ステップにより前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理とのゴミ検知結果が一致する場合は、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行わないとする制御を行う制御ステップと、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
原稿搬送装置により読取対象の原稿を読取位置まで順次搬送し、前記原稿の画像面に光照射して当該原稿の画像情報を読み取る画像読取装置であって、
原稿読取前に前記読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理とを実行するゴミ検知手段と、
前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理のゴミ検知結果とを比較するゴミ比較手段と、
前記ゴミ比較手段により前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理とのゴミ検知結果が一致する場合は、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行わないとする制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記ゴミ比較手段は、つぎの原稿の読取前に前記第1のゴミ検知処理を行わない場合、当該原稿の読取中に取得した第2のゴミ検知処理の結果と、前回の第1のゴミ検知処理の結果とを比較することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ゴミ比較手段の比較結果が一致する場合は、当該原稿の読取完了からつぎの原稿の読取開始までの時間が短くなるよう前記原稿搬送装置の原稿搬送タイミングを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記ゴミ比較手段の比較結果に応じて、読取画像データに対して補正処理を行うゴミ補正手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1、2または3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記ゴミ補正手段は、前記ゴミ比較手段の比較結果が一致する画素に対してのみ、読取画像データに対して補正処理を実施することを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記ゴミ比較手段にて取得されるゴミ比較結果から、前記原稿の読取面側のゴミと、前記原稿への光照射時に遮光されるゴミの種別を判定するゴミ判定手段を、さらに備え、
前記制御手段は、前記ゴミ判定手段により当該原稿のゴミ比較結果と、当該原稿の前の原稿のゴミ比較結果を比較し、比較結果から判定されたゴミの種別に応じて、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行うかを判断することを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記ゴミ判定手段による判定結果が、固着ゴミのみの場合、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を実行しないことを特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
原稿搬送装置により読取対象の原稿を読取位置まで順次搬送し、前記原稿の画像面に光照射して当該原稿の画像情報を読み取る画像読取方法であって、
原稿読取前に前記読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理とを実行するゴミ検知工程と、
前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理のゴミ検知結果とを比較するゴミ比較工程と、
前記ゴミ比較工程により前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理とのゴミ検知結果が一致する場合は、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行わないとする制御を行う制御工程と、
を含むことを特徴とする画像読取方法。
【請求項9】
原稿搬送装置により読取対象の原稿を読取位置まで順次搬送し、前記原稿の画像面に光照射して当該原稿の画像情報を読み取るコンピュータで実行されるプログラムであって、
原稿読取前に前記読取位置に原稿がないときの原稿背景部分のゴミ検知を行う第1のゴミ検知処理と、原稿読取中に原稿先端部のゴミ検知を行う第2のゴミ検知処理とを実行するゴミ検知ステップと、
前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理のゴミ検知結果とを比較するゴミ比較ステップと、
前記ゴミ比較ステップにより前記第1のゴミ検知処理と前記第2のゴミ検知処理とのゴミ検知結果が一致する場合は、つぎの原稿の読取前に第1のゴミ検知処理を行わないとする制御を行う制御ステップと、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−65931(P2013−65931A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201902(P2011−201902)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(000115751)リコーユニテクノ株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(000115751)リコーユニテクノ株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
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