説明

画像読取装置および方法

【課題】原稿の読取画像に悪影響を与えないタイミングで、清掃動作をする。
【解決手段】画像読取装置100は、原稿103の搬送路における読取位置211に設けられた読取ガラス215と、読取ガラス215の表面を通過しつつある原稿103に、読取ガラス215の裏面を介して光を照射し、指定の読取サイズに従って光学的に読取る露光ユニット206とを備えて、清掃部202によって読取ガラス215の表面を摺擦する清掃動作を制御する。この制御では、読取位置211を通過する原稿103の実サイズを検出する。そして、清掃動作を開始させる時間を、読取サイズ≦実サイズである場合には原稿103が読取位置211を通過完了する時間に決定し、読取サイズ>実サイズである場合には読取サイズに従って原稿103を読取完了する時間に決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置および方法に関し、特に、複写機またはスキャナなどの画像入力装置として用いられるシートスルー方式の画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、原稿の画像を光学的に読取る画像読取装置としては、プラテンガラス上に載置した原稿の画像を読取るプラテンセット方式と、原稿を1枚ずつ搬送し、搬送中において原稿の画像を読取るシートスルー方式が、それぞれ単独であるいは併用されていた。シートスルー方式は、小型化、低コスト、低騒音、画像読取りの高速化、ひいてはプリントの高い生産性に利点を有し、モノクロ複写機やカラー複写機においては画像読取装置の主流となっている。
【0003】
シートスルー方式の場合、画像読取位置は定位置、即ち、透明部材(長尺状の読取ガラス)上に固定され、搬送される原稿の画像面に読取り光学系の焦点を読取ガラスを介して合わせる構成のため、読取ガラス上に付着したごみや残留したごみなどの異物の影響を受けやすく、異物により遮光された部分は読取画像において筋状の画像ノイズとなる。原稿が紙であると、炭酸カルシウムなどの紙に含まれる填料や繊維などの微小異物が読取ガラスに付着する不具合が避けられない。
【0004】
かかる問題点を解決するため、従来、読取った画像を処理する過程で、画像上のごみを検出してユーザに警告を発する、画像処理として筋状のノイズを消去する、などの対策が講じられていた。
【0005】
従来、このようなごみの問題に対する他の回避案として、例えば特許文献1(特開平6−164863号公報)に示されるように、自動搬送によって供給される原稿画像の読取部においてフェルト状のクリーナを回動させることにより清掃を行う構成が提案されている。
【0006】
また、特許文献2(特開2000−270152号公報)の装置は、白色ローラの外周面に弾性部材を設け、白色ローラを回転させることによって、読取位置にあるコンタクトガラス表面に付着したごみを除去する。
【0007】
また、特許文献3(特開2007−306330号公報)の装置は、読取ガラスが移動することによって読取位置に付着した異物を移動させ、異物を読取位置から除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−164863号公報
【特許文献2】特開2000−270152号公報
【特許文献3】特開2007−306330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、清掃部材を起動するタイミングとして、特許文献3は、読取った原稿が読取位置通過を契機に読取ガラスの移動を実施しているだけで、読取るべき原稿のサイズなどには留意はしていない。これは、読取ガラス自体は透明な部材であるため、読取中に移動しても読取画像への影響はないためであり、読取ガラスは原稿の読取が完了していなくても移動していた。
【0010】
一方、特許文献2のように、清掃部材を読取ガラス面上で回転させる方式は、読取ガラスが移動する方法に比べて清掃時間が短くて済み、画像の読取生産性(単位時間当たりに読取られる原稿の枚数)に有利である。読取生産性を上げるには読取位置に搬送する原稿の間隔を極力小さくする必要がある。しかし、原稿間隔を小さくすると清掃部材による清掃が可能となるガラス露出時間が短くなる。清掃を効率的に行うには、清掃部材の起動を早めることが考えられるが、あまり早く起動すると読取ガラス面において原稿と清掃部材が競合し、読取画像に悪影響を与えるおそれがある。これを回避するために、原稿の搬送間隔を大きくしてガラス露出時間を長くすると読取生産性は低下する。
【0011】
したがって、原稿の読取生産性を低下させることなく読取画像に悪影響を与えないタイミングで、清掃部材を起動するには、読取るべき原稿のサイズを考慮することが重要となる。しかしながら、上述の特許文献はいずれも原稿のサイズを考慮して清掃部材を起動する構成は何ら提案していない。
【0012】
それゆえに、この発明の目的は、原稿の読取画像に悪影響を与えないタイミングで、清掃部材を起動する画像読取装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明のある局面に従う画像読取装置は、原稿の搬送路における所定の読取位置に設けられた板状の透明部材と、透明部材の一方面上の読取位置を通過しつつある原稿に、透明部材の他方面側から透明部材を介して光を照射することにより、原稿を所定の読取サイズに従って光学的に読取る読取部と、予め準備された清掃部材によって透明部材の一方面を摺擦する清掃動作を制御する制御部と、を備える。
【0014】
上述の制御部は、透明部材の一方面上を通過する原稿の実サイズを検出する実サイズ検出部と、清掃動作を開始させる時間を、読取サイズ≦実サイズである場合には原稿が読取位置を通過完了する時間に決定し、読取サイズ>実サイズである場合には読取部が読取サイズに従って原稿を読取完了する時間に決定する。
【0015】
好ましくは、制御部は、原稿が搬送路における読取位置よりも上流側の第1位置を通過完了した時に、搬送速度および第1位置と読取位置との間の距離に基づき読取位置を通過完了する時間を検出する。
【0016】
好ましくは、制御部は、通過完了する時間に、読取サイズと実サイズの差分と搬送速度とに基づき算出した時間を加算することにより、読取完了する時間を検出する。
【0017】
好ましくは、原稿を所定位置を通過させるように搬送路に従って原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送部を、さらに備え、原稿搬送部は、次位に搬送される原稿が読取位置に到達する時間を、加算した時間に相当する分だけ遅延させるように当該原稿を搬送する。
【0018】
好ましくは、制御部は、外部から入力されるモードに従って、所定の読取サイズを検出する読取サイズ検出部を、さらに含む。
【0019】
好ましくは、モードが、搬送される原稿毎にサイズが相違する混載モードを指示するとき、読取サイズ検出部は、実サイズに基づき読取サイズを検出する。
【0020】
好ましくは、搬送路に給紙されるように予め載置された原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出部を、さらに備え、モードが、搬送される原稿のサイズが一致している非混載モードを指示するとき、読取サイズ検出部は、原稿サイズ検出部が検出したサイズに基づき読取サイズを検出する。
【0021】
好ましくは、モードが、ユーザ指定モードを指示するとき、読取サイズ検出部は、外部から入力するサイズに基づき、読取サイズを検出する。
【0022】
好ましくは、読取サイズは、読取った原稿が印刷されるべき用紙の規定サイズを指す。
この発明の他の局面に従うと、画像読取方法は、原稿を読取るための所定の読取位置に設けられた板状の透明部材の一方面上を通過しつつある原稿に、他方面側から透明部材を介して光を照射することにより、原稿を所定の読取サイズに従って光学的に読取るステップと、
前記透明部材の前記一方面を摺擦して清掃する清掃部材による清掃動作を制御するステップと、を備える。制御するステップでは、読取位置を通過する原稿の実サイズを検出するステップと、清掃動作を開始させる時間を、読取サイズ≦実サイズである場合には原稿が読取位置を通過完了する時間に決定し、読取サイズ>実サイズである場合には読取サイズに従って原稿を読取完了する時間に決定するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、所定の読取サイズに従って原稿の読取動作を継続して行うが、当該原稿の実サイズの如何にかかわらず、原稿を読取中に清掃動作が開始されて、清掃部材の影が原稿とともに読取られるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施の形態に係る画像読取装置の概略構成図である。
【図2】本実施の形態の読取部とADF部のモータの駆動系を含む概略ハードウェア構成図である。
【図3】本実施の形態に係る画像処理部のブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る清掃部による読取ガラスの清掃動作を示す説明図である。
【図5】(A)〜(C)は、本実施の形態に係る清掃部のブラシを示す図である。
【図6】本実施の形態に係る清掃部を駆動するための構成を説明する斜視図である。
【図7】本実施の形態に係る画像読取装置の制御部を示すブロック図である。
【図8】本実施の形態に係る原稿のサイズと、その検出方法を説明する図である。
【図9】(A)〜(C)は、本実施の形態に係る実原稿サイズと読取原稿サイズの検出と比較を示す図である。
【図10】(A)と(B)は、本実施の形態に係る原稿サイズの比較に基づく清掃動作の開始を説明する図である。
【図11】本実施の形態に係る清掃部の起動タイミングの検出手順を指すフローチャートである。
【図12】(A)〜(C)は、本実施の形態に係る原稿の読取時間と清掃時間との関係を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係る画像読取装置について図面を参照して説明する。なお、同一符号は同一または相当する部材を示す。
【0026】
[装置の概要]
図1を参照して画像読取装置100は、原稿を自動的に搬送するADF(Auto Document Feeder)部101および原稿を読取る読取部102を備える。
【0027】
ADF部101においては、原稿トレイ200に積載された原稿103は、給紙部201で1枚ずつ搬送経路に送出される。送出された原稿103は、搬送経路(1)から(2)を通り読取位置211へ搬送される。
【0028】
読取部102は、読取位置211を通過する原稿103を露光ユニット206で露光する。露光によって原稿103から反射された光は、板状の透明部材の一例である読取ガラス215、ミラー群207およびレンズ208を通して、CCD(Charged Coupled Device)209によって受光される。CCD209は、光電変換により、受光信号をRGBデータに変換して画像処理部210に出力する。画像処理部210は、RGBデータに基づき画像データを生成する。生成された画像データは、出力用紙などに印刷などされる。
【0029】
読取位置211を通過した原稿103は、読取後ローラ212により搬送されて、切換部203および204に位置する。切換部203と204は、原稿103を検出すると原稿103の搬送経路を切換えるように作用する。これにより、原稿103は、搬送経路(7)の方向へと搬送され、読取が終了して搬送経路から外部に送出された原稿103を収容するが排出トレイ214へ排出される。原稿103の他方面(裏面)を読取る場合は、一方面(表面)が読取位置211で読取られて、搬送されて切換部203と204に位置すると、原稿103の搬送経路は切換えられる。反転部205によって原稿103の表裏が反転されると、原稿103は搬送経路(3)から(4)を通り搬送されて読取位置211へ送出される。または、切換部203によって搬送経路(5)から(6)を通り原稿103を反転して排出される。
【0030】
ADF部101の原稿トレイ200は、原稿トレイ200から搬送経路に給紙される時の原稿103の傾きを防止するためのガイド部材(図示せず)を含む。さらに、そのガイド部材に連結された位置検出センサ(図示せず)と原稿トレイ200の搬送方向に延びる直線上に所定間隔を有して設けられた複数の原稿検出部材との組合わせにより、原稿トレイ200上の原稿103のサイズを検出するサイズ検出部104を含む。
【0031】
画像読取装置100では、読取位置211における読取ガラス215上に紙粉や粘着物などの異物があると、原稿103から読取った画像データには、原稿103を搬送する方向に従って異物に起因した色筋ノイズが現れる。そこで紙粉や粘着物などの異物を除去するために読取位置211において読取ガラス215を挟んで露光ユニット206と対向するようにADF部101は清掃部202を含む。清掃部202は、原稿103の搬送する間隔に同期して読取ガラス215の原稿103が通過する面を掃きとる。清掃部202の構成と機能についての詳細は後述する。
【0032】
図2を参照して、ADF部101と読取部102の制御ブロックを説明する。ADF部101を制御するCPU(Central Processing Unit)300は、読取部102を制御するCPU313と通信可能なように接続されている。この通信を通じて、原稿103のサイズ情報、画像読取装置100の動作モード、原稿103を読取るためのタイミングに関する情報など各種の制御情報をやりとりする。
【0033】
CPU300には、ADF部101内の原稿搬送のためのローラなどの各部を駆動するためのパルスモータ231、232、233およびそれを制御するモータ駆動IC(Integrated Circuit)301、302、303が接続されている。CPU300は倍率やモードに応じて励磁信号φ0〜φ3を生成し、これらのパルスモータに出力する。これにより、パルスモータは、励磁信号φ0〜φ3に基づいて回転するので、倍率やモードに応じて、原稿103の搬送速度などが可変制御される。この結果、原稿103の搬送間隔や読取部102の読取動作と搬送動作の同期合わせなどが制御される。このため、この例では、駆動系を原稿トレイ200から原稿103を搬送経路に給紙するための給紙部、読取部、原稿103の排出部などを分割して駆動する。原稿103の搬送タイミングに応じて、モータの回転速度、回転方向を切換える。
【0034】
さらに、ここでは、CPU300には、清掃部202に連結されるパルスモータ234およびこれを制御するモータ駆動IC304が接続される。清掃部202に関する位置は、パルスモータ234によって制御される。また、清掃部202に関する位置の基準を検出するためにホームポジションセンサ236が接続される。
【0035】
一方、読取部102はCPU313によって制御される。CPU313にはモータ235およびこれを制御するモータ駆動IC305が接続される。読取部102において、露光ユニット206およびミラー群207は、一体的にスライド移動可能なユニットを構成する。当該ユニットはモータ235に接続されて、モータ235の回転に連動して図1の矢印Yが指す方向にスライド移動する。このスライド移動によってユニットは矢印Y方向に延びる軸に沿って移動する。シートスルー(ADF)方式による原稿画像の読取りは、露光ユニット206を図1に示す読取位置211に静止させた状態で行われる。
【0036】
CPU313は、CCD209に相当する画像入力部318から出力されるRGBデータを入力する画像処理部210を接続し、画像処理部210から出力される画像データを入力し、図示のない画像データ出力部に送出する。
【0037】
図3を参照して画像処理部210は、CCD209に対応する画像入力部209から赤(R)、緑(G)および青(B)のそれぞれの画像データが入力される。A/D(Analog/Digital)変換部12は、画像入力部209から入力されるアナログ画像データをデジタルの画像データに変換する。SH補正部13は、A/D変換部12から入力される画像データをシェーディング補正し、シェーディング補正後の画像データを明度・色差分離部14に出力する。明度・色差分離部14は、画像データを明度成分と色差成分とに分離し、それぞれを画像調整部に出力する。画像調整部は、シャープネス調整部15、HVC調整部16および濃度補正部18を含む。シャープネス調整部15は、画像を鮮明化する処理を実行し、HVC調整部16は、画像の色相(H)、明度(V)および彩度(C)を調整する。濃度補正部18は、画像の濃度を補正する。画像調整部は、処理したRGBそれぞれの画像データを色空間変換部17に出力する。色空間変換部17は、画像データの色空間をRGB色空間からL*A*B*色空間に変換し、圧縮伸張部19に出力する。圧縮伸張部19は、画像データを圧縮する。圧縮伸張部19は、圧縮した画像データを、HDD(ハードディスク)等のメモリ30に記憶する。または外部の装置に出力する。シャープネス調整部15・HVC調整部16・濃度補正部18に対しては、画像濃度等の調整のための画像パラメータ設定32により、読取画像の最適化が図られる。
【0038】
(清掃部の構成と機能)
図4を参照して清掃部202とその周辺部の構成を説明する。読取ガラス215の原稿103が通過する面の直上を、原稿103の画像面がガラス面とは接触しないように原稿103をガイドするガイドシート41が、読取ガラス215の搬送方向Bの上流側に設置されている。ここでは、読取位置211を基準に、読取前ローラ213の回転によって通紙センサ217を通過させながら読取位置211に原稿103を供給(送出)する側を‘搬送方向Bの上流側’といい、読取られた原稿103が読取位置211から読取後ローラ212の回転によって送出される側を‘搬送方向Bの下流側’という。
【0039】
読取ガラス215のガラス表面上に搬送されてきた原稿103がガイドシート41上を滑ってガイドされることにより、該原稿103は画像面が読取ガラス215の表面に対して非接触の状態で搬送される。
【0040】
原稿103を読取ガラス215に非接触で搬送することにより、このような異物の転写、付着を未然に防止できる。勿論、本実施の形態では、粘着性異物が読取ガラス215に付着したとしても以下に説明する清掃部202によって排除できる。
【0041】
また、本実施の形態では、両面に画像が形成されている原稿103を表裏反転させて再度読取位置211を通過させて表裏の画像を連続的に読取ることも可能である。このような原稿103の両面読取り機構については周知であり、その説明は省略する。
【0042】
図4に示すように、清掃部202は、読取ガラス215の読取位置211に対向してブラシ状の清掃部材45が回転可能に配置されている。また、清掃部材45に対して原稿搬送方向Bの下流側にはたき部材46が配置されている。清掃部材45は、軸部材45aの平坦な面に弾性変形可能な清掃ブラシ45bを固定して備える。清掃ブラシ45bは、搬送方向Bに沿って延びる軸を想定すると、この軸と直交するようなライン状に延びている。
【0043】
軸部材45aは、モータ234(図2参照)の回転に連動して、所定のタイミングおよび速度に従って正転又は逆転する。軸部材45aの清掃ブラシ45bが固定された面とは対向する外周面には、シェーディング補正のために、白基準判別部材(白色フィルム)45cを貼着してもよい。
【0044】
清掃ブラシ45bは、例えば、導電性のポリイミド樹脂を植毛したものである。清掃部202が清掃動作を開始するとき、原稿搬送方向Bの上流側から下流側へと軸部材45aが正転し、当該回転に連動して清掃ブラシ45bは読取ガラス215を摺擦する。
【0045】
はたき部材46は、位置固定されており、清掃ブラシ45bが読取ガラス215上を摺擦した後に清掃ブラシ45bで捕獲した異物をはたき落す。
【0046】
清掃部材45は、図5(A)に示すように、清掃ブラシ45bが上方(読取ガラス215の原稿103が通過する面とは反対方向)を向いた状態をホームポジションとして待機する。ホームポジションに位置することはホームポジションセンサ236により検出される。清掃部材45は、清掃部202による清掃動作が開始されると、ホームポジションから原稿搬送方向Bの上流側から下流側へと矢印c方向に正転を開始する。その後、ブラシ45bの先端が読取ガラス215の表面を摺擦し(図5(B),(C)参照)、読取ガラス215上の異物を捕獲し、異物を読取位置211から排除する。その後、清掃ブラシ45bは、はたき部材46に接触し、清掃部材45は1回転して、結果、清掃部材45の位置はホームポジションに戻る。
【0047】
捕獲した異物ははたき部材46によって清掃ブラシ45bからはたき出され、読取ガラス215上を搬送される原稿103に巻き込まれて画像読取装置100の外部へ排出される。これにて、読取ガラス215の表面(特に、読取位置211)及びブラシ45bが常時清浄な状態に保たれ、清掃ブラシ45bにて読取ガラス215上から回収した異物が読取ガラス40に再付着することはなく、読取った画像に筋状のノイズが発生することを防止できる。
【0048】
清掃部材45による読取ガラス215の清掃、即ち、読取位置211における清掃部材45の正転は、清掃ブラシ45bが読取位置211を搬送される原稿103と干渉(競合)しないタイミングで行われる。本実施の形態では、以下に説明するように、基本的には、先行して搬送される原稿103が読取位置211を通過した後、次位に搬送される原稿103が読取位置211に供給される前までの間に清掃部材45を1回正転させる。
【0049】
清掃部材45を常時一方向に正転駆動して読取ガラス211上を清掃していると、長期にわたる使用により清掃ブラシ45bの先端が回転方向に湾曲する変形を生じ、清掃機能が劣化するおそれがある。この変形を矯正するために、清掃部材45を任意のタイミングで逆転させてもよい。この逆転により、清掃ブラシ45bがはたき部材46や読取りガラス215を逆方向に摺擦して、正転の場合とは逆方向の力を受け、変形は矯正される。結果、清掃ブラシ45bについて、長期にわたって良好な清掃機能が維持される。
【0050】
次に、清掃部材45の駆動について図6を参照して説明する。軸部材45aの一端部に固定したスプロケット31は清掃モータ234の出力用スプロケット32にタイミングベルト33を介して連結されている。清掃モータ234は正逆回転可能なステッピングモータである。
【0051】
また、スプロケット31には円弧状の突片35が取り付けられ、該突片35を検出するホームポジションセンサ236が配置されている。ホームポジションセンサ236が突片35の端部35aを検出したとき、清掃部材45が、即ち清掃ブラシ45bがホームポジション(図6参照)に位置していることが検出される。
【0052】
(画像読取装置の制御部)
画像読取装置100の制御部の構成について図7を参照して説明する。制御部59はCPUに相当し、このCPUは図2に示すCPU300,313に相当する。制御部59には、時間を計時するタイマ60、プログラム・データなどを格納したROM(Read Only Memory)61、RAM(Random Access Memory)62、メモリ63、キー・スイッチを有しユーザが操作することによる情報を入力する操作部64が接続される。
【0053】
制御部59に入力される情報は、操作部64を操作してユーザが選択した読取モードRM(詳細は後述する)、読取位置211について搬送方向の上流側に配置した通紙センサ217(図1参照)からの原稿103の先端及び後端の検出信号、清掃部材45のホームポジションセンサ236からの検出信号、サイズ検出部104の検出信号、およびタイマ60が計時する時間データなどである。
【0054】
また、制御部59は、各種ローラなどの原稿搬送系101や清掃モータ234などの対応するモータ駆動ICを介して制御する。
【0055】
制御部59は、清掃部202による読取ガラス215の清掃のタイミングを検出するタイミング検出部70、通紙センサ217の検出に基づき搬送中の原稿103のサイズ(以下、実原稿サイズSZ1という)を検出する実原稿サイズ検出部73、読取位置211において通過する原稿103を露光ユニット206およびCCD209などによって読取る際の読取るべきサイズ(以下、読取原稿サイズSZ2という)を検出する読取原稿サイズ検出部74、清掃モータ234を制御するための清掃モータ制御部76、読取部102による原稿103を読取開始するタイミングを検出する読取タイミング検出部79、および原稿搬送系101を制御するための搬送系制御部80を含む。これらの各部はその一部がプログラム・データにより実現される。これらのプログラム・データは、ROM61に予め記憶されており、CPUがROM61からプログラム・データを読出し、実行することにより、これら各部の機能が実現される。
【0056】
(原稿のサイズ)
図8を参照して、原稿103の形状は、長方形であって、長辺の長さが、実原稿サイズSZ1に相当する。本実施の形態では、長辺が延びる方向は、原稿103が読取ガラス215の表面を通過するときの搬送方向Bに一致する。原稿搬送時においては短辺のうち搬送方向Bの下流側の辺は先端1031となり、上流側の辺は後端1032となる。原稿103が、搬送されて読取ガラス215に供給されるとき、通紙センサ217によって、原稿103の長辺が通過する期間が検出される。検出された期間(時間)と原稿103の所定の搬送速度とによって、原稿103の長辺の長さが算出される。これによって、搬送される原稿103の1枚ずつについて実原稿サイズSZ1が検出される。
【0057】
読取原稿サイズSZ2は、JIS(日本工業規格)寸法に従う規定サイズ用紙(A5、B5、A4、B4、A3など)の長辺の長さを指す。原稿から読取られた画像は、図示しない出力部により、この規定サイズの用紙に印刷される。
【0058】
本実施の形態では、読取原稿サイズSZ2は読取原稿サイズ検出部74により検出される。読取原稿サイズ検出部74は、モード検出部が読取モードRMに基づき、サイズ検出部104により検出された原稿103のサイズ、検出した実原稿サイズSZ1の値を丸めたサイズ、およびユーザが操作部64を操作して指定したサイズのいずれかを、読取原稿サイズSZ2として検出する。検出された読取原稿サイズSZ2は、RAM62に格納される。
【0059】
実原稿サイズSZ1の値を丸めるとは、本実施の形態では、JIS寸法に従う規定のサイズのうち、実原稿サイズSZ1以上であって、且つ実原稿サイズSZ1の値に最も近い値を、読取原稿サイズSZ2として検出することを言う。
【0060】
したがって、本実施の形態では、原稿103が搬送されて読取部102により原稿103の画像が読取られるとき、原稿読取サイズSZ2は、実原稿サイズSZ1以下の場合と、実原稿サイズSZ1より大きい場合とがある。
【0061】
(原稿を読取り開始するタイミングの検出)
読取部102が、読取位置211において通過する原稿103の画像を読取り開始するタイミングは、読取タイミング検出部79により検出されて、読取部102に出力される。
【0062】
具体的には、読取タイミング検出部79は、通紙センサ217の検出信号に基づき、原稿103の先端1031が通紙センサ217の位置を通過したことを検知すると、通紙センサ217の位置と読取位置211との間の所定距離と、原稿103の所定搬送速度に基づき、原稿103の先端1031が読取位置211に到達する所要時間を検出する。検出した所要時間とタイマ60の指す現在時間とに基づき、原稿103を読取開始する時間(時刻)T1を検出して、RAM62に格納する。この所定距離と搬送速度とは、予めROM61に格納されている。
【0063】
制御部59は、タイマ60の時間とRAM62の時間T1とを比較する。比較結果に基づき、タイマ60が時間T1をカウントすると、読取部102に原稿103の読取開始を指示する。読取部102では、当該指示に基づき、露光ユニット206およびCCD209により読取位置211において原稿103の画像を光学的に読取り開始する。読取開始してから所定時間は読取を継続し、所定時間経過後に読取を終了する。その後、次の読取開始指示を入力すると、応じて、同様に次次位に搬送される原稿103について読取動作を行う。
【0064】
ここで、読取開始してから読取動作を継続する所定時間は、読取原稿サイズSZ2に基づき予め決定される。
【0065】
(清掃部202を起動するタイミングの検出)
図9(A)を参照して、原稿103の搬送が開始されて、暫定時間検出部71は、通紙センサ217の検出信号に基づき、原稿103の後端1032が通紙センサ217を通過し終えたことを検出すると、通紙センサ217の位置から読取位置211までの所定距離と、原稿103の所定搬送速度とに基づき、原稿103の後端1032が通紙センサ217の位置を通過完了してから読取位置211を通過するまでに要する時間(図中の破線矢印に相当)を算出する。そして、算出した所要時間とタイマ60の現在時間とに基づき後端1032が読取位置211を通過する時間T2を算出する。これは、暫定時間T2として、RAM62に格納される。
【0066】
図9(B)を参照して、実原稿サイズ検出部73は、原稿103の搬送が開始された後に、通紙センサ217の検出信号に基づき、原稿103が通紙センサ217を通過したことを検知すると、通紙センサ217の位置を原稿103が通過に要した時間と所定搬送速度から実原稿サイズSZ1を算出する。算出した実原稿サイズSZ1はRAM62に格納される。
【0067】
上述のように、実原稿サイズSZ1が検出されると、読取原稿サイズ検出部74は、モード検出部75が検出した読取モードRMに従って、読取原稿サイズSZ2を検出する。この読取原稿サイズSZ2の検出の詳細は後述する。
【0068】
次に、図9(C)を参照して、タイミング検出部70は、検出した実原稿サイズSZ1と読取原稿サイズSZ2とを比較する。比較結果に基づき、清掃部202を起動する時間(時刻)を検出する。検出された起動時間において、清掃モータ制御部76は、清掃モータ234に信号を出力するので、清掃モータ234は当該信号に応答して回転し、回転に連動してローラ45はホームポジションから正転を開始する。
【0069】
比較結果が、(読取原稿サイズSZ2≦実原稿サイズSZ1)を指示する場合には、図10(A)を参照して、RAM62から読出した暫定時間T2を、そのまま清掃部202を起動する時間として決定する。(読取原稿サイズSZ2>実原稿サイズSZ1)を指示する場合には、図10(B)を参照して、RAM62から読出した暫定時間を補正する。つまり、読取原稿サイズSZ2と実原稿サイズSZ1の差分と搬送速度とから加算すべき時間を算出し、算出した時間を暫定時間T2に加算することによって、清掃部202を起動するべき時間(時刻)を決定する。
【0070】
以上のように、搬送される原稿103を1枚ずつについて、読取部102によって読取位置211において原稿103の画像を読取開始する時間T1と、清掃部202を起動する時間を検出する。
【0071】
(処理フローチャート)
図11のフローに従って、原稿103の搬送時において清掃部202を起動するタイミングについて説明する。このフローは、予めプログラムとしてROM61に格納されており、制御部59のCPUにより読出されて実行されることにより、処理が実現される。当該処理は、通紙センサ217により原稿103が通過完了したこと、すなわち後端1032が検出される毎に実行される。ここでは、予め読取開始時間T1が検出されてRAM62に格納されていると想定する。
【0072】
まず、ステップS101において、暫定時間検出部71によって上述のように暫定時間T2が検出されて、RAM62に格納される。続いて、ステップS102において、実原稿サイズ検出部73により上述の手順に従って実原稿サイズSZ1が検出されて、RAM62に格納される。
【0073】
次に、ステップS103〜S106において、読取原稿サイズ検出部74は読取原稿サイズSZ2を検出して、RAM62に格納する。具体的には、モード検出部75は、操作部64を介して入力する読取モードRMに基づき、読取原稿サイズSZ2を指示するモード、すなわち‘非混載モード’、‘混載モード’および‘ユーザ指定モード’のいずれが指定さているかを検出する(S103)。
【0074】
‘非混載モード’とは、搬送される原稿103は同じサイズであることを指示するモードである。当該モードが指定されるとき、読取原稿サイズ検出部74は、サイズ検出部104の検出信号に基づき原稿103の読取原稿サイズSZ2を検出する(S104)。
【0075】
‘混載モード’とは、搬送される原稿103それぞれのサイズは同じではなく、異なっていることを指示するモードである。このモードが指定されるとき、読取原稿サイズ検出部74はRAM62から読出した実原稿サイズSZ1を上述のように丸めることによって読取原稿サイズSZ2を検出する(S105)。
【0076】
‘ユーザ指定モード’とは、ユーザが読取原稿サイズSZ2を指定するモードである。このモードが指定されるとき、読取原稿サイズ検出部74は、操作部64を介してユーザが入力したサイズを、読取原稿サイズSZ2として検出する(S106)。
【0077】
次に、ステップS107において、時間決定部72は、RAM62から読出した実原稿サイズSZ1と読取原稿サイズSZ2とを比較する。比較結果が(読取原稿サイズSZ2>実原稿サイズSZ1)を指示すると判定すると、ステップS108とS109にてRAM62から読出した暫定時間T2を、読取原稿サイズSZ2と実原稿サイズSZ1の差分と搬送速度から算出した時間を加算することにより補正(変更)する。ステップS111では、補正後の時間T2をRAM62に格納することにより、補正後の時間(時刻)T2が清掃部202を起動する時間として確定する。
【0078】
一方、比較結果が(読取原稿サイズSZ2≦実原稿サイズSZ1)を指すと判定すると、時間決定部72は、ステップS110において、暫定時間T2を清掃部202を起動する時間(時刻)として決定し、ステップS111において、決定した時間T2をRAM62に格納することにより、暫定時間T2が清掃部202を起動する時間として確定する。
【0079】
清掃モータ制御部76は、タイマ60の時間と、RAM62から読出した時間T2とを比較し、比較結果に基づき、タイマ60が時間T2を指示すると検出すると、応じて起動信号を清掃モータ234に出力する。これにより、清掃モータ234が回転し、ホームポジションに位置していたローラ45が当該回転に連動して正転して、読取ガラス215の表面が摺擦される。
【0080】
このように、読取部102では読取開始時間T1から読取原稿サイズSZ2に従う時間において継続して読取動作を行うが、実原稿サイズSZ1の如何にかかわらず、読取部102が原稿103を読取中に清掃部202による清掃がされて、清掃ブラシ45bの影が画像として読取られるのを防止できる。
【0081】
つまり、読取るべき原稿103の実原稿サイズSZ1が読取原稿サイズSZ2より小さい場合には、実原稿サイズSZ1と読取原稿サイズSZ2との差分に従う時間だけ、読取ガラス215を清掃するタイミング(暫定時間T2)を遅らすことができるので、読取部102が原稿103を読取中に清掃部202により清掃がされて、清掃ブラシ45bの影が原稿103の画像として読取られるのを回避できる。また、実原稿サイズSZ1が読取原稿サイズSZ2以上であるときは、読取部102が原稿103の読取を完了したときに(暫定時間T2)において清掃部202により清掃がされることになり、清掃ブラシ45bの画像として読取られることはない。
【0082】
(タイミングチャート)
図12のタイミングチャートを参照して、本実施の形態の効果について説明する。タイミングチャートの横軸は経過時間を指す、縦軸は信号レベルを指す。
【0083】
まず、読取原稿サイズSZ2が実原稿サイズSZ1よりも大きい場合であっても、上述の暫定時間T2についての補正が行われないと想定する。その場合には、図12(A)に示すように、読取位置211を原稿103が通過完了したとき(時刻ST2)から時刻T3までの期間は読取部102による原稿103の読取動作が継続する。したがって、読取位置211を原稿103が通過完了した時刻ST3から清掃動作が開始されるので、清掃ブラシ45bの影が原稿103の画像とともに読込まれてしまう。
【0084】
これを回避するためには、図11のフローチャートに従って読取動作が完了する時間までの期間Ta(実原稿サイズSZ1と読取原稿サイズSZ2との差分に従う時間)だけ、清掃部202の動作開始を遅らせばよい(図12(B)参照)。
【0085】
一方、読取原稿サイズSZ2が実原稿サイズSZ1以上である場合には、図12(C)に示すように、原稿103が読取位置211を通過完了してから、言い換えると、読取部102が原稿103の読取を完了してから、清掃部202による清掃動作が開始されることになり、清掃ブラシ45bの影が読取られることはない。
【0086】
ここで、搬送系制御部80は、次位に搬送される原稿103が読取位置211に到達する時間を、補正(加算)した時間(期間Ta)に相当する分だけ遅延させるように当該原稿103を搬送する。具体的には、原稿搬送系101に期間Taに対応した速度だけ搬送速度を低下させるための信号を各モータに出力する。この対応速度のデータは、予めROM61に格納されている。読出した速度データに従ってモータの回転を制御する信号を生成して出力する。
【0087】
これにより、制御信号を受けたモータは回転数が減少し、連動して搬送系の読取前ローラ213の回転数が減少し、次位の原稿103が読取位置211に到達する時間は、補正されない場合に比較して遅延する(図12(A)と(B)の期間Tbを参照)。したがって、清掃部202の清掃動作の開始を遅らせたとしても、清掃動作によるブラシ45bの影が次位の原稿103の画像読取期間において読込まれてしまうのを回避できる。
【0088】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
59 制御部、70 タイミング検出部、71 暫定時間検出部、72 時間決定部、73 実原稿サイズ検出部、74 読取原稿サイズ検出部、75 モード検出部、76 清掃モータ制御部、79 搬送系制御部、80 搬送系制御部、100 画像読取装置、101 ADF部、102 読取部、202 清掃部、209 画像入力部(CCD)、210 画像処理部、211 読取位置、217 通紙センサ、SZ1 実原稿サイズ、SZ2 読取原稿サイズ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の搬送路における所定の読取位置に設けられた板状の透明部材と、
前記透明部材の一方面上の前記読取位置を通過しつつある原稿に、前記透明部材の他方面側から前記透明部材を介して光を照射することにより、原稿を所定の読取サイズに従って光学的に読取る読取部と、
予め準備された清掃部材によって前記透明部材の前記一方面を摺擦する清掃動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記透明部材の一方面上を通過する原稿の実サイズを検出する実サイズ検出部と、
前記清掃動作を開始させる時間を、前記読取サイズ≦前記実サイズである場合には原稿が前記読取位置を通過完了する時間に決定し、前記読取サイズ>前記実サイズである場合には前記読取部が前記読取サイズに従って前記原稿を読取完了する時間に決定する、清掃時間決定部を、含む、画像読取装置。
【請求項2】
前記制御部は、
原稿が前記搬送路における前記読取位置よりも上流側の第1位置を通過完了した時に、搬送速度および前記第1位置と前記読取位置との間の距離に基づき前記読取位置を通過完了する時間を検出する、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記読取位置を通過完了する時間に、前記読取サイズと前記実サイズの差分と搬送速度とに基づき算出した時間を加算することにより、前記読取完了する時間を検出する、請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
原稿を前記読取位置を通過させるように前記搬送路に従って原稿を1枚ずつ搬送する原稿搬送部を、さらに備え、
前記原稿搬送部は、次位に搬送される原稿が前記読取位置に到達する時間を、前記加算した時間に相当する分だけ遅延させるように当該原稿を搬送する、請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御部は、
外部から入力されるモードに従って、前記読取サイズを検出する読取サイズ検出部を、さらに含む、請求項1から4のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記モードが、搬送される原稿毎にサイズが相違する混載モードを指示するとき、前記読取サイズ検出部は、前記実サイズに基づき前記読取サイズを検出する、請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記搬送路に給紙されるように予め載置された原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出部を、さらに備え、
前記モードが、搬送される原稿のサイズが一致している非混載モードを指示するとき、前記読取サイズ検出部は、前記原稿サイズ検出部が検出したサイズに基づき前記読取サイズを検出する、請求項5または6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記モードが、ユーザ指定モードを指示するとき、前記読取サイズ検出部は、前記外部から入力するサイズに基づき、前記読取サイズを検出する、請求項5から7のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記読取サイズは、読取った原稿が印刷されるべき用紙の規定サイズを指す、請求項1から8のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項10】
原稿を読取るための所定の読取位置に設けられた板状の透明部材の一方面上を通過しつつある原稿に、他方面側から前記透明部材を介して光を照射することにより、原稿を所定の読取サイズに従って光学的に読取るステップと、
前記透明部材の前記一方面を摺擦して清掃する清掃部材による清掃動作を制御するステップと、を備え、
前記制御するステップでは、
前記読取位置を通過する原稿の実サイズを検出するステップと、
前記清掃動作を開始させる時間を、前記読取サイズ≦前記実サイズである場合には原稿が前記読取位置を通過完了する時間に決定し、前記読取サイズ>前記実サイズである場合には前記読取サイズに従って前記原稿を読取完了する時間に決定するステップと、を含む、画像読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−10182(P2011−10182A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153586(P2009−153586)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】