説明

画像読取装置および画像データ並び替え方法

【課題】画像読取装置を、様々な構成のラインイメージセンサーやAFE等の部品に汎
用的に対応可能とする技術を提供する。
【解決手段】画像読取装置は、RGB各色1以上のチャンネル(ch)の3ラインイメー
ジセンサーから出力されるRGB各色の各チャンネルの画像データを、1ラインのRGB
画像データとなるようにチャンネル番号(ch_no)順に並び替える並び替え手段を有する
。並び替え手段は、所定の公式により、各種設定値と、各チャンネルのRGB画像データ
が入力される順番に対応する各種カウンター値とに基づいて、各チャンネルのRGB画像
データのセンサーch_noを算出し、センサーch_no順に並び替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサーにより読み取られた画像データを処理する画像読取装置、
および画像データの並び替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
主走査方向に複数の部分(チャンネル)に分割され、各チャンネルで読み取られた画像
データを並行して出力するラインイメージセンサーが知られている。また、このラインイ
メージセンサーが搭載された画像読取装置(例えば、スキャナー、コピー機、複合機等)
が知られている。例えば、特許文献1には、上記のような画像読取装置が記載されている

【0003】
また、上記のようなラインイメージセンサーを、R(レッド)、G(グリーン)、B(
ブルー)各色ごとに備える、すなわち、3ラインイメージセンサーを備える画像読取装置
が知られている。
【0004】
上記のラインイメージセンサーの各チャンネルからパラレルで出力された画像データは
、A/D変換器(例えば、AFE(Analog Front End))により、アナログデータからデ
ジタルデータへと変換され、画像読取装置内部に搭載された、画像処理ASIC(Applic
ation Specific Integrated Circuit)等の画像処理ユニット(SoC(System on a Chi
p)とも呼ばれる)へと出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−124074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、画像読取装置の低価格化、小型化(薄型化)がますます要求されてい
る。そこで、CIS方式の画像読取装置が増えつつある。また、近年、画像読取装置の処
理の高速化がますます要求されている。そこで、特に、CIS方式の画像読取装置におい
ては、ラインイメージセンサーの複数チャンネル化が進みつつある。
【0007】
また、今後、複数チャンネル化とともに、様々な構成(例えば、チャンネル数)のライ
ンイメージセンサーや、様々な構成(例えば、入力チャンネル数、出力チャンネル数、出
力データ順序等)のAFE等の各種部品が、画像読取装置に搭載されることが想定される

【0008】
しかしながら、一般的に、画像読取装置のSoCは、画像読取装置に搭載されるライン
イメージセンサーやAFE等の各種部品の構成に応じて予め設計される。そのため、様々
な構成の部品に汎用的に対応できず、部品の構成に応じてその都度設計変更が必要となる

【0009】
SoCは、最終的には正しい画像データを生成する必要があるため、入力された各チャ
ンネルの画像データを、ラインイメージセンサーにおける主走査方向のチャンネルの順序
で並べる必要がある。すなわち、SoCは、どのタイミングで入力された画像データが、
どのチャンネルのデータであるかを特定する仕組みを有する。しかし、ラインイメージセ
ンサーやAFE等の各種部品の構成が変更されると、この仕組みの設計変更が必要となっ
てしまう。
【0010】
そこで、本発明は、画像読取装置を、様々な構成のラインイメージセンサーやAFE等
の部品に汎用的に対応可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための本発明の一態様は、画像読取装置であって、RGB各色1
以上のチャンネル(ch)の3ラインイメージセンサーと、前記3ラインイメージセンサー
から出力されるRGB各色の各チャンネルの画像データをA/D変換して出力するA/D
変換ユニット(AFE)と、前記A/D変換ユニットから所定の順序で出力されるRGB各
色の各チャンネルの画像データについて、同一チャンネルごとのRGB画像データにまと
めて出力するRGB統合手段と、パラレル入力される各チャンネルのRGB画像データを
シリアルに並び替えるパラレル/シリアル変換手段と、シリアル入力される各チャンネル
のRGB画像データを1ラインの画像データとなるようにチャンネル番号(ch_no)順に
並び替える並び替え手段と、を有する画像処理ユニット(SoC)と、を備え、前記並び替
え手段は、下記に示す公式により、各種設定値と、各チャンネルのRGB画像データが入
力される順番に対応する各種カウンター値とに基づいて、各チャンネルのRGB画像デー
タのセンサーch_noを算出し、センサーch_no順に並び替え、RGB各色の画像データが1
つのチャンネルで前記A/D変換ユニットから出力される場合、AFE総入力ch数を3で割
って設定し、RGB各色の画像データが異なるチャンネルで前記A/D変換ユニットから
出力される場合、AFE総入力ch数及びAFE総出力ch数をそれぞれ3で割って設定する、こと
を特徴とする。
<公式>
センサーch_no = (AFE総入力ch数/SoC入力ch数) * (SoC入力chカウンター)
+ (ch内データ飛び幅) * (SoC入力データカウンター)
+ (データ飛び幅カウンター)
<カウンターの定義>
・SoC入力chカウンター(ch_cnt):初期値0、(パラレル/シリアル変換手段の入力ch数
−1)分カウント
・SoC入力データカウンター(datain_cnt):初期値0、(((AFE総入力ch数/AFE総出力ch数
)/ ch内データ飛び幅)−1)分カウント
・データ飛び幅カウンター(jump_cnt):初期値0、(ch内データ飛び幅−1)分カウント
・カウンターの優先順位:SoC入力chカウンター(ch_cnt) > SoC入力データカウンター(
datain_cnt) > データ飛び幅カウンター(jump_cnt)
<設定値>
・SoC入力ch数:パラレル/シリアル変換手段の入力チャンネル数
・AFE総入力ch数:AFEの入力チャンネル数の合計
・AFE総出力ch数:AFEの出力チャンネル数の合計
・ch内データ飛び幅:AFEにおける、次に出力すべきチャンネル番号とその前に出力
したチャンネル番号との間隔(1以上)
・各種カウンターの最大値
【0012】
ここで、上記の画像読取装置であって、前記並び替え手段は、算出したセンサーch_no
が(RGB各色のセンサーch数−1)よりも大きい場合、当該チャンネルのRGB画像デ
ータに対する処理をスキップする、ことを特徴としていてもよい。
【0013】
また、上記のいずれかの画像読取装置であって、RAM、ROM、およびCPUを備え
、前記並び替え手段は、各チャンネルのRGB画像データのセンサーch_noの算出および
並び替えを行う回路を有し、前記各種設定値は、前記ROMに予め格納されており、前記
CPUによって前記並び替え手段に設定され、前記並び替え手段は、センサーch_no順に
並び替えた各チャンネルのRGB画像データを、前記RAMに書き込む、ことを特徴とし
ていてもよい。
【0014】
また、上記のいずれかの画像読取装置であって、RAM、ROM、およびCPUを備え
、前記並び替え手段は、前記ROMに格納された所定のプログラムが前記CPUに実行さ
れることより、各チャンネルのRGB画像データのセンサーch_noの算出を行い、センサ
ーch_no順に並び替えた各チャンネルのRGB画像データを、前記RAMに書き込む回路
を有する、ことを特徴としていてもよい。
【0015】
また、上記のいずれかの画像読取装置であって、前記各種設定値を変更することで、
・センサーch数3(RGB各1ch)、1個のAFE(3ch入力、1ch出力、データ飛び幅1)
・センサーch数3(RGB各1ch)、3個のAFE(1ch入力、1ch出力、データ飛び幅1)
・センサーch数6(RGB各2ch)、3個のAFE(2ch入力、1ch出力、データ飛び幅1)
・センサーch数18(RGB各6ch)、3個のAFE(6ch入力、3ch出力、データ飛び幅1)
・センサーch数12(RGB各4ch)、3個のAFE(4ch入力、1ch出力、データ飛び幅2)
・センサーch数24(RGB各8ch)、6個のAFE(4ch入力、1ch出力、データ飛び幅2)
の少なくとも1つの構成に対応する、ことを特徴としていてもよい。
【0016】
上記の課題を解決するための本発明の他の態様は、画像読取装置における画像データ並
び替え方法であって、前記画像読取装置は、RGB各色1以上のチャンネル(ch)の3ラ
インイメージセンサーと、前記3ラインイメージセンサーから出力されるRGB各色の各
チャンネルの画像データをA/D変換して出力するA/D変換ユニット(AFE)と、前記
A/D変換ユニットから所定の順序で出力されるRGB各色の各チャンネルの画像データ
について、同一チャンネルごとのRGB画像データにまとめて出力するRGB統合処理と
、パラレル入力される各チャンネルのRGB画像データをシリアルに並び替えるパラレル
/シリアル変換処理と、シリアル入力される各チャンネルのRGB画像データを1ライン
の画像データとなるようにチャンネル番号(ch_no)順に並び替える並び替え処理と、を
行う画像処理ユニット(SoC)と、を備え、前記並び替え処理は、下記に示す公式により
、各種設定値と、各チャンネルのRGB画像データが入力される順番に対応する各種カウ
ンター値とに基づいて、各チャンネルのRGB画像データのセンサーch_noを算出し、セ
ンサーch_no順に並び替え、RGB各色の画像データが1つのチャンネルで前記A/D変
換ユニットから出力される場合、AFE総入力ch数を3で割って設定し、RGB各色の画像
データが異なるチャンネルで前記A/D変換ユニットから出力される場合、AFE総入力ch
数及びAFE総出力ch数をそれぞれ3で割って設定する、ことを特徴とする。
<公式>
センサーch_no = (AFE総入力ch数/SoC入力ch数) * (SoC入力chカウンター)
+ (ch内データ飛び幅) * (SoC入力データカウンター)
+ (データ飛び幅カウンター)
<カウンターの定義>
・SoC入力chカウンター(ch_cnt):初期値0、(パラレル/シリアル変換処理の入力ch数
−1)分カウント
・SoC入力データカウンター(datain_cnt):初期値0、(((AFE総入力ch数/AFE総出力ch数
)/ ch内データ飛び幅)−1)分カウント
・データ飛び幅カウンター(jump_cnt):初期値0、(ch内データ飛び幅−1)分カウント
・カウンターの優先順位:SoC入力chカウンター(ch_cnt) > SoC入力データカウンター(
datain_cnt) > データ飛び幅カウンター(jump_cnt)
<設定値>
・SoC入力ch数:パラレル/シリアル変換処理の入力チャンネル数
・AFE総入力ch数:AFEの入力チャンネル数の合計
・AFE総出力ch数:AFEの出力チャンネル数の合計
・ch内データ飛び幅:AFEにおける、次に出力すべきチャンネル番号とその前に出力
したチャンネル番号との間隔(1以上)
・各種カウンターの最大値
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の、ハードウェアの概略構成の一例を示すブロック図。
【図2】センサーチャンネル番号を算出するための公式を示す図。
【図3】各種条件に対応する簡略化した公式を示す図。
【図4】画像読取装置の構成に応じた各種条件の設定を説明する図。
【図5】各種条件の例に対応するデータ順序を示す図。
【図6】AFEおよびSoCの第1構成例を示す図。
【図7】第1構成例における各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図。
【図8】AFEおよびSoCの第2構成例を示す図。
【図9】第2構成例における各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図。
【図10】AFEおよびSoCの第3構成例を示す図。
【図11】第3構成例における各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図。
【図12】AFEおよびSoCの第4構成例を示す図。
【図13】第4構成例における各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図。
【図14】AFEおよびSoCの第5構成例を示す図。
【図15】第5構成例における各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図。
【図16】AFEおよびSoCの第6構成例を示す図。
【図17】第6構成例における各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図。
【図18】画像データの並び替え処理を示すフロー図。
【図19】画像データの順番をチャンネル番号に変換するテーブルの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置1の、ハードウェアの概略構成の一例
を示すブロック図である。本図は、各チャンネルの画像データの並び替えに関する構成を
中心に示している。
【0020】
画像読取装置1は、カラー読み取りを行う、いわゆるスキャナー、コピー機、複合機等
の装置である。画像読取装置1は、例えば、CIS方式である。画像読取装置1は、3ラ
インイメージセンサー10、AFE20、SoC30を有する。
【0021】
3ラインイメージセンサー10は、RGB各色に対応するラインイメージセンサーを備
える。3ラインイメージセンサー10は、RGB各色について1ライン単位で画像データ
(アナログデータ)を生成し、AFE20に出力する。
【0022】
3ラインイメージセンサー10の仕様としては、様々なものが想定される。例えば、R
GB各色のラインイメージセンサーが、1つのチャンネルで構成されたものや、主走査方
向に並ぶ複数のチャンネルで構成されたものである。
【0023】
チャンネルが1つの場合、原稿に光を当てることによりRGB各色のラインイメージセ
ンサーで生成された1ライン分の画像データ(アナログデータ)は、1つのチャンネル単
位のデータで構成される。RGB各色1ラインの画像データは、パラレルに、AFE20
に出力される。
【0024】
チャンネルが複数の場合、原稿に光を当てることによりRGB各色のラインイメージセ
ンサーで生成された1ライン分の画像データ(アナログデータ)は、複数のチャンネル単
位のデータで構成される。RGB各色1ラインの各チャンネルの画像データは、パラレル
に、AFE20に出力される。
【0025】
AFE20は、3ラインイメージセンサー10から出力されたアナログの画像データを
受け付け、デジタルの画像データに変換して、後段の回路(SoC30)に出力する。A
FE20は、1つのAFE回路で構成されていてもよいし、複数のAFE回路が組み合わ
されて構成されていてもよい。
【0026】
1つのAFE回路の仕様としては、様々なものが想定される。例えば、シリアル入力さ
れたRGBのうちいずれか1色の1チャンネルの画像データを、そのまま1つのチャンネ
ルのデータとしてシリアル出力する構成のものがある。また、パラレル入力されたRGB
各1チャンネルの画像データを、所定の色の順序で1つのチャンネルにまとめてシリアル
出力するものがある。例えば、所定の色の順序としては、R、G、Bの順序がある。
【0027】
また、例えば、パラレル入力されたRGBのうちいずれか1色の複数チャンネルの画像
データを、所定のチャンネルの順序で1つのチャンネルにまとめてシリアル出力する構成
のものがある。所定のチャンネルの順序としては、チャンネル番号順(例えば、Rのチャ
ンネル数=4の場合、R0、R1、R2、R3の順)や、チャンネル番号を所定数ずつ飛
ばした順序(例えば、Rのチャンネル数=4かつ飛び幅2の場合、R0、R2、R1、R
3の順)がある。また、例えば、パラレル入力されたRGBのうちいずれか1色の複数チ
ャンネルの画像データを、所定のチャンネルの順序で、入力よりも少ない複数のチャンネ
ル数ごとにまとめてパラレル出力する構成のものがある。
【0028】
また、例えば、パラレル入力されたRGB各色複数チャンネルの画像データを、RGB
各色ごとに、所定のチャンネルの順序で1つのチャンネルにまとめてパラレル出力する構
成のものがある。
【0029】
SoC30は、AFE20から入力された画像データの並び替え、各種の画像処理を行
うユニットである。SoC30は、RGB統合回路40、パラレル/シリアル変換回路5
0、画像処理回路60、RAM70、CPU80、ROM90を有する。
【0030】
RGB統合回路40は、AFE20からパラレル又はシリアルに出力されたRGB各色
の各チャンネルの画像データを受け付け、RGB各色の対応するチャンネル(同一のチャ
ンネル番号)ごとに1つのデータにまとめて、後段の回路(パラレル/シリアル変換回路
50又は画像処理回路60)にパラレル又はシリアルに出力する。
【0031】
例えば、RGB統合回路40は、RGB各色2チャンネルの画像データがチャンネル順
にパラレル入力された場合((R0、G0、B0)、(R1、G1、B1))、0チャン
ネルのデータ(R0、G0、B0)を1つのデータD0として、1チャンネルのデータ(
R1、G1、B1)を1つのデータD1としてまとめてシリアルに出力する。また、例え
ば、RGB各色2チャンネルの画像データが全てパラレルに入力された場合(R0、R1
、G0、G1、B0、B1)、D0とD1とをパラレルに出力する。
【0032】
パラレル/シリアル変換回路50は、前段の回路(AFE20又はRGB統合回路40
)から複数のチャンネルでパラレル出力された画像データを受け付け、所定のチャンネル
の順序で1つのチャンネルにまとめて、後段の回路(画像処理回路60)にシリアル出力
する。例えば、パラレル入力が2チャンネルの場合、各チャンネルから入力される画像デ
ータを交互に取得して、シリアル出力する。
【0033】
画像処理回路60は、RGB統合回路40又はパラレル/シリアル変換回路50から、
シリアル出力されたRGB各色のラインの各チャンネルの画像データを受け付け、所定の
画像処理(例えば、シェーディング補正、ガンマ補正など)を行うとともに、各チャンネ
ルの画像データを、3ラインイメージセンサー10における主走査方向のチャンネルの順
序になる(ラインの先頭画素から最後の画素まで順に並ぶ)ように、RAM70に書き込
む。
【0034】
RAM70は、CPU80が実行するプログラムや、画像処理回路60によりデータ順
序が並び替えられた画像データ、等を一時的に記憶するために使用される大容量の記憶装
置である。RAM70は、例えば、SDRAM、DDR−SDRAMなどの揮発性メモリ
ーである。
【0035】
CPU80は、ROM90から所定のプログラムをRAM70に読み出して実行するこ
とにより、各種の処理を実現する。CPU80は、SoC40を統合的に制御したり、R
AM70に格納されている画像データに所定の画像処理を行ったりする。
【0036】
ROM90は、CPU80が実行するための各種プログラムやデータが記憶されている
記憶装置である。ROM90は、例えば、不揮発性のフラッシュROMなどである。
【0037】
以上が、本実施形態に係る画像読取装置1の画像データの並び替えに関連する構成であ
る。従って、上記の画像読取装置1の構成は、本願発明の特徴を説明するにあたっての主
要構成を説明したのであって、上記に限られない。また、上記の画像読取装置1の構成は
、一般的な画像読取装置が備える他の構成を排除するものではない。
【0038】
例えば、画像処理回路60は、RGB各色の各チャンネルの画像データの並び替えを行
う専用の回路であってもよい。この場合、画像処理回路60の他に、シェーディング補正
やガンマ補正等の各種画像処理を行うための回路が設けられていてもよい。
【0039】
さて、以上に説明したように、画像読取装置1は、様々な仕様の部品(3ラインイメー
ジセンサー10、AFE20、RGB統合回路40、パラレル/シリアル変換回路50)
の組み合わせにより構成されることが想定される。そのため、画像処理回路60にシリア
ル入力される、3ラインイメージセンサー10のRGB各色の各チャンネルの画像データ
の順序は、上記各種部品の組み合わせ方によって異なることとなる。
【0040】
そこで、本実施形態の画像処理回路60は、上記各種部品の組み合わせ方によって異な
るRGB各色の画像データの様々な順序に、汎用的に対応して、画像データの並び替えを
行うことができるように、以下に説明する公式に基づく回路構成を有する。この構成によ
り、画像処理回路60は、順次入力される、RGB各色1ラインの各チャンネルの画像デ
ータについて、そのチャンネル番号を特定することができる。
【0041】
図2は、センサーチャンネル番号を算出するための公式を示す図である。なお、以下で
は適宜、チャンネル番号を「ch_no」と、チャンネルを「ch」と、記述する。
【0042】
<センサーch_no算出公式>
センサーch_no = (AFE総入力ch数/SoC入力ch数) * (SoC入力chカウンター)
+ (ch内データ飛び幅) * (SoC入力データカウンター)
+ (データ飛び幅カウンター)
【0043】
<カウンター>
・SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)chカウンター(ch_cnt):初期値0、(パラ
レル/シリアル変換回路入力ch数−1)分カウント
・SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)データカウンター(datain_cnt):初期値0
、(((AFE総入力ch数/AFE総出力ch数)/ ch内データ飛び幅)−1)分カウント
・データ飛び幅カウンター(jump_cnt):初期値0、(ch内データ飛び幅−1)分カウント
【0044】
・カウンターの優先順位:上記の各種カウンターをカウントする優先順位は以下の通りで
ある。
SoC入力chカウンター(ch_cnt) > SoC入力データカウンター(datain_cnt) > データ飛び
幅カウンター(jump_cnt)
・カウンターのカウント手順:上位のカウンターから順に最大値までカウントし、上位の
カウンターが最大値となった場合、下位のカウンターを1カウントアップし、上位のカウ
ンターを0に戻してカウントアップする。すなわち、上位のカウンターが最大値までカウ
ントされた場合、繰り上げて、下位のカウンターに1繰り入れる。例えば、各カウンター
の最大値が1である場合、各カウンターの値(ch_cnt, datain_cnt, jump_cnt)は、(0,0,0
)、(1,0,0)、(0,1,0)、(1,1,0)、(0,0,1)、(1,0,1)、(0,1,1)、(1,1,1)のように変化して
いく。
【0045】
<条件(設定値)>
・SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch数:パラレル/シリアル変換回路の入
力チャンネル数
・AFE総入力ch数:AFEの入力チャンネル数(AFEが複数のAFE回路で構成される
場合は、各AFE回路の入力チャンネル数の合計)、AFE総入力ch数 > センサーch数の場
合、使用されない入力チャンネルが存在すると判定可能。
・AFE総出力ch数:AFEの出力チャンネル数(AFEが複数のAFE回路で構成される
場合は、各AFE回路の出力チャンネル数の合計)
・センサーch数:RGB各色のセンサーのch数の合計
・RGB各色のセンサーch数:センサーch数 / 3
・ch内データ飛び幅:各AFE回路における、次に出力すべきチャンネル番号とその前に
出力したチャンネル番号との間隔、1以上の値が設定される。
・各センサーch内データ数:RGB各色の各センサーチャンネルから画像データとして取
得すべき有効データ数、不必要なデータを読み捨てるために使用される。
・各種カウンターの最大値
【0046】
上記の公式は、条件(設定値)に応じて簡略化することができる。図3は、各種条件に
対応する簡略化した公式を示す図である。
【0047】
<各種条件(設定値)に対応する簡略化したセンサーch_no算出公式>
(1)SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch数が1ch、飛び幅1の場合:
センサーch_no = (ch内データ飛び幅) * (SoC入力データカウンター)
(2)SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch数が複数ch、飛び幅1の場合:
センサーch_no = (AFE総入力ch数/SoC入力ch数) * (SoC入力chカウンター)
+ (ch内データ飛び幅) * (SoC入力データカウンター)
(3)SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch数が1ch、飛び幅2以上の場合:
センサーch_no = (ch内データ飛び幅) * (SoC入力データカウンター)
+ (データ飛び幅カウンター)
(4)SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch数が複数ch、飛び幅2以上の場合:
センサーch_no = (AFE総入力ch数/SoC入力ch数) * (SoC入力chカウンター)
+ (ch内データ飛び幅) * (SoC入力データカウンター)
+ (データ飛び幅カウンター)
【0048】
画像処理回路60は、上述した公式に基づく演算を行うための回路構成を有する。画像
処理回路60は、RGB各色のラインの各チャンネルの画像データの入力が開始されると
、上述した手順で各種カウンターをカウントアップし、各種カウンター値の組み合わせご
とにセンサーch_noを算出する。このようにして、順次シリアルに入力されるRGB各色
の画像データに対応するチャンネル番号を特定し、3ラインイメージセンサー10におけ
る主走査方向のチャンネルの順序になるように、RGB各色の画像データをRAM70に
書き込むことができる。
【0049】
上記の各種条件(設定値)は、画像処理回路60による演算の開始前に設定される。具
体的には、上記の各種条件(設定値)は、画像読取装置又はSoC40の製造時などに、
ROM90に記録しておく。そして、上記の各種条件(設定値)は、画像読取装置1の起
動時などに、CPU80が所定のプログラムを実行することによりROM90から読み出
され、画像処理回路60のレジスター等に設定されるようにする。
【0050】
本実施形態では、上述の公式に基づく画像処理回路60による演算が開始される際に、
SoC30の回路構成に応じて、AFE総入力ch数及びAFE総出力ch数の設定は変更される。
【0051】
具体的には、図4(A)に示すように、AFE20がRGB各色の画像データをまとめ
て1つのチャンネルで出力する場合、AFE総入力ch数 = AFE総入力ch数 / 3として設定さ
れる。AFE総出力ch数の設定は変更されない。一方、図4(B)に示すように、AFE2
0がRGB各色の画像データを異なるチャンネルに出力する場合、AFE総入力ch数 = AFE
総入力ch数 / 3、AFE総出力ch数 = AFE総出力ch数 / 3として設定される。
【0052】
図4(A)又は(B)の構成を判定するための情報は、例えば、画像読取装置又はSo
C40の製造時などにフラグ情報としてROM90に記録しておく。そして、CPU80
が所定のプログラムを実行することによりROM90から当該フラグ情報を読み出し、AF
E総入力ch数及びAFE総出力ch数を算出し、設定を変更する。
【0053】
上記のようにして、画像処理回路60は、上述した公式に基づく演算を行うことができ
る。
【0054】
なお、AFE総入力ch数及びAFE総出力ch数は、画像処理回路60による演算の開始の際に
変更されるようにしなくてもよい。例えば、予め変更後のAFE総入力ch数及びAFE総出力ch
数をROM90に記録しておき、その値が設定されるようにしてもよい。
【0055】
図5に、上記の公式に具体的な条件(設定値)を設定した場合の、画像処理回路60に
入力される各チャンネルの画像データ順序(データ配列)を示す。なお、本図は、想定さ
れる全ての条件を網羅しているわけではなく、有用な条件例を列挙したものである。
【0056】
本図の見方は以下の通りである。
・「#」
項目番号
・Sensorの構成「ch数」
RGB各色のラインのch数の合計
・AFEの構成「個数」:
AFE20を構成するAFEの個数
・AFEの構成「入ch」:
AFE20を構成する各AFEの入力ch数
・AFEの構成「出ch」:
AFE20を構成する各AFEの出力ch数
・SoCの構成「入ch」:
SoC30の入力ch数(本図では、パラレル/シリアル変換回路入力ch数ではない。)
・1chデータ配列「RGBx_y」:
「RGBのセンサーch番号_ch内のデータ番号」
【0057】
図6〜17に、画像読取装置1の構成例と、各構成例におけるカウンター値とチャンネ
ル番号の関係を示す。
【0058】
なお、図中の「data_ch」は、RGB統合回路40に入力されるチャンネルを示す。「c
data_ch」は、パラレル/シリアル変換回路50に入力されるチャンネルを示す。「c_cnt
」は、RGBがまとめて1チャンネルに入力される場合に、RGB各色ごとにカウントさ
れるカウンターである。「data_cnt」は、ch内のデータ番号毎にカウントされるカウンタ
ーである。「sel_data」は、選択されたデータを示す。
【0059】
「Rx_y」は、「Rのセンサーch番号_ch内のデータ番号」を示す。「Gx_y」は、「Gの
センサーch番号_ch内のデータ番号」を示す。「Bx_y」は、「Bのセンサーch番号_ch内の
データ番号」を示す。「Dx_y」は、「RGBのセンサーch番号_ch内のデータ番号」を示す。
なお、センサーch数が1つの場合、「R_y」のようにxを省略する場合がある。
【0060】
また、公式に各種設定値を当て嵌めた式中の「(0,….n)」は、各種カウンターがカウン
トされる範囲および値を示す。
【0061】
図6は、AFEおよびSoCの第1構成例を示す図である。図7は、第1構成例におけ
る各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図である。
【0062】
第1構成例は、3ラインイメージセンサー(RGB各1ch)と、1個のAFE(3ch入力1ch出
力・飛び幅1)とを用いた構成である。この構成では、RGB各色の画像データがdata_ch
0で1つにまとめられている。従って、AFE総入力ch数は、3で割られる。この構成の各種
設定値(SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch数1、AFE総入力ch数 = 3/3、AFE
総出力ch数1、データ飛び幅1)を公式に当て嵌めると、以下のような式になる(図2、図
3(1)参照)。
式:0+0+0
従って、画像処理回路60に入力される画像データのセンサーチャンネル番号の順序は
、1ラインごとに、0となる(図5の#1、図7のch_no参照)。
【0063】
図8は、AFEおよびSoCの第2構成例を示す図である。図9は、第2構成例におけ
る各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図である。
【0064】
第2構成例は、3ラインイメージセンサー(RGB各1ch)と、3個のAFE(1ch入力1ch出
力・飛び幅1)とを用いた構成である。この構成では、RGB各色の画像データが各data_
chに割り当てられている。従って、AFE総入力ch数及びAFE総出力ch数は、3で割られる。
この構成の各種設定値(SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch数1、AFE総入力c
h数 = 3/3、AFE総出力ch数 = 3/3、データ飛び幅1)を公式に当て嵌めると、以下のよう
な式になる(図2、図3(1)参照)。
式:0+0+0
従って、画像処理回路60に入力される画像データのセンサーチャンネル番号の順序は
、1ラインごとに、0となる(図5の#2、図9のch_no参照)。
【0065】
図10は、AFEおよびSoCの第3構成例を示す図である。図11は、第3構成例に
おける各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図である。
【0066】
第3構成例は、3ラインイメージセンサー(RGB各2ch)と、3個のAFE(2ch入力1ch出
力・飛び幅1)とを用いた構成である。この構成では、RGB各色の画像データが各data_
chに割り当てられている。従って、AFE総入力ch数及びAFE総出力ch数は、3で割られる。
この構成の各種設定値(SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch数1、AFE総入力c
h数 = 6/3、AFE総出力ch数 = 3/3、データ飛び幅1)を公式に当て嵌めると、以下のよう
な式になる(図2、図3(1)参照)。
式:0+1*(0,1)+0
従って、画像処理回路60に入力される画像データのセンサーチャンネル番号の順序は
、1ラインごとに、0,1となる(図5の#4、図11のch_no参照)。
【0067】
図12は、AFEおよびSoCの第4構成例を示す図である。図13は、第4構成例に
おける各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図である。
【0068】
第4構成例は、3ラインイメージセンサー(RGB各6ch)と、3個のAFE(6ch入力3ch出
力・飛び幅1)とを用いた構成である。この構成では、RGB各色の画像データが各data_
chに割り当てられている。従って、AFE総入力ch数及びAFE総出力ch数は、3で割られる。
この構成の各種設定値(SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch数3、AFE総入力c
h数 = 18/3、AFE総出力ch数 = 9/3、データ飛び幅1)を公式に当て嵌めると、以下のよう
な式になる(図2、図3(2)参照)。
式:6/3*(0,1,2)+1*(0,1)+0
従って、画像処理回路60に入力される画像データのセンサーチャンネル番号の順序は
、1ラインごとに、0,2,4,1,3,5となる(図5の#18、図13のch_no参照)。
【0069】
図14は、AFEおよびSoCの第5構成例を示す図である。図15は、第5構成例に
おける各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図である。
【0070】
第5構成例は、3ラインイメージセンサー(RGB各4ch)と、3個のAFE(4ch入力1ch出
力・飛び幅2)とを用いた構成である。この構成では、RGB各色の画像データが各data_
chに割り当てられている。従って、AFE総入力ch数及びAFE総出力ch数は、3で割られる。
この構成の各種設定値(SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch数1、AFE総入力c
h数 = 12/3、AFE総出力ch数 = 3/3、データ飛び幅2)を公式に当て嵌めると、以下のよう
な式になる(図2、図3(3)参照)。
式:0+2*(0,1)+(0,1)
従って、画像処理回路60に入力される画像データのセンサーチャンネル番号の順序は
、1ラインごとに、0,2,1,3となる(図5の#12、図15のch_no参照)。
【0071】
図16は、AFEおよびSoCの第6構成例を示す図である。図17は、第6構成例に
おける各種カウンター値とチャンネル番号の関係を説明する図である。
【0072】
第6構成例は、3ラインイメージセンサー(RGB各8ch)と、6個のAFE(4ch入力1ch出
力・飛び幅2)とを用いた構成である。この構成では、RGB各色の画像データが各data_
chに割り当てられている。従って、AFE総入力ch数及びAFE総出力ch数は、3で割られる。
この構成の各種設定値(SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch数2、AFE総入力c
h数 = 24/3、AFE総出力ch数 = 6/3、データ飛び幅2)を公式に当て嵌めると、以下のよう
な式になる(図2、図3(4)参照)。
式:8/2*(0,1)+2*(0,1)+(0,1)
従って、画像処理回路60に入力される画像データのセンサーチャンネル番号の順序は
、1ラインごとに、0,4,2,6,1,5,3,7となる(図5の#31、図17のch_no参照)。
【0073】
図18は、画像データの並び替え処理を示すフロー図である。本フローは、画像処理回
路60が、RGB各色1ラインを構成する各チャンネルの画像データを順次受け付け、3
ラインイメージセンサー10における主走査方向のチャンネル順序になるように、RAM
70に書き込む処理を示している。なお、本フローの開始の際には、上述した各種設定値
、カウンターの初期値が画像処理回路60に設定されている。
【0074】
S01では、CPU80は、1チャンネルが3色であるか否を判定する。具体的には、
AFE20がRGB各色のデータをまとめて1つのチャンネルで出力するか、RGB各色
のデータを別のチャンネルに出力するかを、予めROM90に格納された情報に基づいて
判定する。1チャンネルが3色である場合(S01:YES)、CPU80は処理をS0
2に進める。1チャンネルが3色でない場合(S02:NO)、CPU80は処理をS0
3に進める。
【0075】
S02では、CPU80は、入力チャンネル数を3で割って設定する。具体的にはCP
U80は、AFE総入力ch数をROM90から読み出し、当該値を3で割って、画像処理回
路60のレジスター等に設定する。そして、処理をS11に進める。
【0076】
S03では、CPU80は、入力チャンネル数及び出力チャンネル数を3で割って設定
する。具体的にはCPU80は、AFE総入力ch数及びAFE総出力ch数をROM90から読み
出し、これらの値をそれぞれ3で割って、画像処理回路60のレジスター等に設定する。
そして、処理をS11に進める。
【0077】
なお、S01〜S03は、このフローにおいて行わなくてもよい。例えば、画像読取装
置1の起動時に最初に設定して、その後はその設定された値が使用されるようにすればよ
い。また、S01〜03の処理は、画像処理回路60が実行するようにしてもよい。
【0078】
S11では、画像処理回路60は、SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch
数(設定値)が1chであるか否かを判定する。パラレル/シリアル変換回路入力ch数が1ch
である場合(S11:YES)、処理をS21に進める。パラレル/シリアル変換回路入
力ch数が1chでない場合(S11:NO)、処理をS12に進める。
【0079】
S12では、画像処理回路60は、SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch
カウンターが最大値(設定値:(パラレル/シリアル変換回路入力ch数−1))と等しいか
否かを判定する。SoC入力chカウンターが最大値と等しい場合(S12:YES)、処
理をS21に進める。SoC入力chカウンターが最大値と等しくない場合(S12:NO
)、処理をS13に進める。
【0080】
S13では、画像処理回路60は、対象の画像データが必要なデータであるか否かを判
定する。具体的には、公式により算出したセンサーch_no > (RGB各色のセンサーch数
−1)か否かを判定する。算出したセンサーch_noが(RGB各色のセンサーch数−1)
より大きい場合(S13:NO)、S14をスキップし、処理をS15に進める。算出し
たセンサーch_noが(RGB各色のセンサーch数−1)以下の場合(S13:YES)、
処理をS14に進める。
【0081】
S14では、画像処理回路60は、対象のRGB各色の画像データを、公式により算出
したセンサーch_noの画像データとして、RAM70の対応するアドレスに書き込む。こ
こで、RAM70に格納するデータは、算出したセンサーch_noのRGB各色のセンサーc
h内有効データ数(設定値)が示す範囲内のデータである。画像処理回路60は、データ
をRAM70に格納し、処理をS15に進める。
【0082】
S15では、画像処理回路60は、SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch
カウンターを1インクリメントする。そして、処理をS12に戻す。
【0083】
S21では、画像処理回路60は、AFE総入力ch数(設定値)およびAFE総出力ch数(設
定値)の比率が1:1であるか否かを判定する。比率が1:1である場合(S21:YES)、
処理をS31に進める。比率が1:1でない場合(S21:NO)、処理をS22に進める

【0084】
S22では、画像処理回路60は、SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)デー
タカウンターが最大値(設定値:(((AFE総入力ch数/AFE総出力ch数)/ ch内データ飛び幅)
−1))と等しいか否かを判定する。SoC入力データカウンターが最大値と等しい場合(S
22:YES)、処理をS31に進める。SoC入力データカウンターが最大値と等しくな
い場合(S22:NO)、処理をS23に進める。
【0085】
S23およびS24の処理は、それぞれS13およびS14と同様である。
【0086】
S25では、画像処理回路60は、SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch
カウンターを0クリアし、SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)データカウンター
を1インクリメントする。そして、処理をS11に戻す。
【0087】
S31では、画像処理回路60は、データ飛び幅(設定値)が1であるか否かを判定す
る。データ飛び幅が1である場合(S31:YES)、処理をS43に進める。データ飛
び幅が1でない場合(S31:NO)、処理をS32に進める。
【0088】
S32では、画像処理回路60は、データ飛び幅カウンターが最大値(設定値:(ch内
データ飛び幅−1))と等しいか否かを判定する。データ飛び幅カウンターが最大値と等し
い場合(S32:YES)、処理をS43に進める。データ飛び幅カウンターが最大値と
等しくない場合(S32:NO)、処理をS33に進める。
【0089】
S33およびS34の処理は、それぞれS13およびS14と同様である。
【0090】
S35では、画像処理回路60は、SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch
カウンター及びSoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)データカウンターを0クリア
し、データ飛び幅カウンターを1インクリメントする。そして、処理をS11に戻す。
【0091】
S43およびS44の処理は、それぞれS13およびS14と同様である。
【0092】
S45では、画像処理回路60は、SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)ch
カウンター、SoC入力(パラレル/シリアル変換回路入力)データカウンター、及びデー
タ飛び幅カウンターを0クリアする。そして、本フローを終了する。
【0093】
以上のようにして、画像処理回路60は、順次入力されたRGB画像データのチャンネ
ル番号を特定することができる。また、特定したチャンネル番号に従って、RGB画像デ
ータをチャンネル順に並び替えることができる。
【0094】
以上、本発明の一実施形態について説明した。本実施形態によれば、画像読取装置を、
様々な構成のラインイメージセンサーやAFE等の部品に汎用的に対応可能とする技術を
提供することができる。
【0095】
すなわち、AFEやセンサー等の構成によってSoCを大きく作り変える必要が無くな
る。また、既存にない仕様のAFE等の部品が新たに開発され、当該部品が画像読取装置
に採用されても、大きな設計変更を伴わずに対応可能となる。さらに、製品に要求される
性能やコスト等に応えられるように、大きな設計変更を伴わずに様々な部品の組み合わせ
を検討することができるため、最適なシステム構成を実現し易くなる。
【0096】
なお、上記の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定
するものではない。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかである。
【0097】
例えば、上記の実施形態では、画像処理回路60が、入力されたRGB画像データごと
にチャンネル番号を算出する回路構成を有するが、CPU80がチャンネル番号を算出す
るようにしてもよい。
【0098】
具体的には、ROM90に、チャンネル番号算出公式による演算を実行するための所定
のプログラム、各種条件(設定値)を格納しておく。また、RGB画像データが入力され
た順番を、センサーチャンネル番号に変換するための変換テーブルを用意しておく。変換
テーブルは、例えば、図19に示すようなSRAMにより実現することができる。本図に
示すように、SRAMは、RGB各色のセンサーch数を表すことのできるビット数の領域
をセンサーch数分有する容量である。例えば、RGB各色のセンサーch数=32chの場合、5
bit×32wordの領域を用意すればよい。SRAMは、画像処理回路60内に設けられても
良いし、画像処理回路60の外のSoC40上に設けられてもよい。
【0099】
CPU80は、画像読取装置1の起動時などに、ROM90から各種設定値および所定
のプログラムを読み出して実行する。そして、プログラムに従って、各種カウンターを上
述した手順でカウントアップすることにより、順次チャンネル番号を算出する。また、カ
ウンター値の組み合わせごとに順次算出したチャンネル番号を、SRAMに順次(0番目
の領域から順に)格納する。
【0100】
RGB各色のセンサーch数分のチャンネル番号がSRAMに格納された後、画像処理回
路60は、ライン毎に、実際に入力された各チャンネルのRGB画像データについて、入
力された順番に対応するチャンネル番号をSRAMを参照して特定する。また、各チャン
ネルのRGB画像データを、それぞれ特定したチャンネル番号に対応するRAM70のア
ドレスに格納する。
【0101】
上記のように構成すれば、上述の実施形態と同様の機能を実現するとともに、ハードウ
ェアのゲート数を大幅に削減することができる。
【0102】
また、例えば、上記の実施形態において、想定しうる最大のAFE構成に合わせて、S
oC30を設計しておいてもよい。このようにすれば、AFEやセンサー等の構成によっ
てSoCを作り変える必要が無くなる。また、既存にない仕様のAFE等の部品が新たに
開発され、当該部品が画像読取装置に採用されても、設計変更を伴わずに対応可能となる
。具体的には、RGB統合回路40、パラレル/シリアル変換回路50、信号配線などを
設計変更する必要がなくなる。すなわち、SoC30を共通部品として様々な画像読取装
置1に使用できる。
【符号の説明】
【0103】
1:画像読取装置、10:3ラインイメージセンサー、20:AFE、30:SoC、4
0:RGB統合回路、50:パラレル/シリアル変換回路、60:画像処理回路、70:
RAM、80:CPU、90:ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置であって、
RGB各色1以上のチャンネル(ch)の3ラインイメージセンサーと、
前記3ラインイメージセンサーから出力されるRGB各色の各チャンネルの画像データ
をA/D変換して出力するA/D変換ユニット(AFE)と、
前記A/D変換ユニットから所定の順序で出力されるRGB各色の各チャンネルの画像
データについて、同一チャンネルごとのRGB画像データにまとめて出力するRGB統合
手段と、パラレル入力される各チャンネルのRGB画像データをシリアルに並び替えるパ
ラレル/シリアル変換手段と、シリアル入力される各チャンネルのRGB画像データを1
ラインの画像データとなるようにチャンネル番号(ch_no)順に並び替える並び替え手段
と、を有する画像処理ユニット(SoC)と、を備え、
前記並び替え手段は、
下記に示す公式により、各種設定値と、各チャンネルのRGB画像データが入力される
順番に対応する各種カウンター値とに基づいて、各チャンネルのRGB画像データのセン
サーch_noを算出し、センサーch_no順に並び替え、
RGB各色の画像データが1つのチャンネルで前記A/D変換ユニットから出力される
場合、AFE総入力ch数を3で割って設定し、RGB各色の画像データが異なるチャンネル
で前記A/D変換ユニットから出力される場合、AFE総入力ch数及びAFE総出力ch数をそれ
ぞれ3で割って設定する、
ことを特徴とする画像読取装置。
<公式>
センサーch_no = (AFE総入力ch数/SoC入力ch数) * (SoC入力chカウンター)
+ (ch内データ飛び幅) * (SoC入力データカウンター)
+ (データ飛び幅カウンター)
<カウンターの定義>
・SoC入力chカウンター(ch_cnt):初期値0、(パラレル/シリアル変換手段の入力ch数
−1)分カウント
・SoC入力データカウンター(datain_cnt):初期値0、(((AFE総入力ch数/AFE総出力ch数
)/ ch内データ飛び幅)−1)分カウント
・データ飛び幅カウンター(jump_cnt):初期値0、(ch内データ飛び幅−1)分カウント
・カウンターの優先順位:SoC入力chカウンター(ch_cnt) > SoC入力データカウンター(
datain_cnt) > データ飛び幅カウンター(jump_cnt)
<設定値>
・SoC入力ch数:パラレル/シリアル変換手段の入力チャンネル数
・AFE総入力ch数:AFEの入力チャンネル数の合計
・AFE総出力ch数:AFEの出力チャンネル数の合計
・ch内データ飛び幅:AFEにおける、次に出力すべきチャンネル番号とその前に出力
したチャンネル番号との間隔(1以上)
・各種カウンターの最大値
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置であって、
前記並び替え手段は、算出したセンサーch_noが(RGB各色のセンサーch数−1)よ
りも大きい場合、当該チャンネルのRGB画像データに対する処理をスキップする、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像読取装置であって、
RAM、ROM、およびCPUを備え、
前記並び替え手段は、各チャンネルのRGB画像データのセンサーch_noの算出および
並び替えを行う回路を有し、
前記各種設定値は、前記ROMに予め格納されており、前記CPUによって前記並び替
え手段に設定され、
前記並び替え手段は、センサーch_no順に並び替えた各チャンネルのRGB画像データ
を、前記RAMに書き込む、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の画像読取装置であって、
RAM、ROM、およびCPUを備え、
前記並び替え手段は、
前記ROMに格納された所定のプログラムが前記CPUに実行されることより、各チャ
ンネルのRGB画像データのセンサーch_noの算出を行い、
センサーch_no順に並び替えた各チャンネルのRGB画像データを、前記RAMに書き
込む回路を有する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項1〜5いずれか一項に記載の画像読取装置であって、
前記各種設定値を変更することで、
・センサーch数3(RGB各1ch)、1個のAFE(3ch入力、1ch出力、データ飛び幅1)
・センサーch数3(RGB各1ch)、3個のAFE(1ch入力、1ch出力、データ飛び幅1)
・センサーch数6(RGB各2ch)、3個のAFE(2ch入力、1ch出力、データ飛び幅1)
・センサーch数18(RGB各6ch)、3個のAFE(6ch入力、3ch出力、データ飛び幅1)
・センサーch数12(RGB各4ch)、3個のAFE(4ch入力、1ch出力、データ飛び幅2)
・センサーch数24(RGB各8ch)、6個のAFE(4ch入力、1ch出力、データ飛び幅2)
の少なくとも1つの構成に対応する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
画像読取装置における画像データ並び替え方法であって、
前記画像読取装置は、
RGB各色1以上のチャンネル(ch)の3ラインイメージセンサーと、
前記3ラインイメージセンサーから出力されるRGB各色の各チャンネルの画像データ
をA/D変換して出力するA/D変換ユニット(AFE)と、
前記A/D変換ユニットから所定の順序で出力されるRGB各色の各チャンネルの画像
データについて、同一チャンネルごとのRGB画像データにまとめて出力するRGB統合
処理と、パラレル入力される各チャンネルのRGB画像データをシリアルに並び替えるパ
ラレル/シリアル変換処理と、シリアル入力される各チャンネルのRGB画像データを1
ラインの画像データとなるようにチャンネル番号(ch_no)順に並び替える並び替え処理
と、を行う画像処理ユニット(SoC)と、を備え、
前記並び替え処理は、
下記に示す公式により、各種設定値と、各チャンネルのRGB画像データが入力される
順番に対応する各種カウンター値とに基づいて、各チャンネルのRGB画像データのセン
サーch_noを算出し、センサーch_no順に並び替え、
RGB各色の画像データが1つのチャンネルで前記A/D変換ユニットから出力される
場合、AFE総入力ch数を3で割って設定し、RGB各色の画像データが異なるチャンネル
で前記A/D変換ユニットから出力される場合、AFE総入力ch数及びAFE総出力ch数をそれ
ぞれ3で割って設定する、
ことを特徴とする画像データ並び替え方法。
<公式>
センサーch_no = (AFE総入力ch数/SoC入力ch数) * (SoC入力chカウンター)
+ (ch内データ飛び幅) * (SoC入力データカウンター)
+ (データ飛び幅カウンター)
<カウンターの定義>
・SoC入力chカウンター(ch_cnt):初期値0、(パラレル/シリアル変換処理の入力ch数
−1)分カウント
・SoC入力データカウンター(datain_cnt):初期値0、(((AFE総入力ch数/AFE総出力ch数
)/ ch内データ飛び幅)−1)分カウント
・データ飛び幅カウンター(jump_cnt):初期値0、(ch内データ飛び幅−1)分カウント
・カウンターの優先順位:SoC入力chカウンター(ch_cnt) > SoC入力データカウンター(
datain_cnt) > データ飛び幅カウンター(jump_cnt)
<設定値>
・SoC入力ch数:パラレル/シリアル変換処理の入力チャンネル数
・AFE総入力ch数:AFEの入力チャンネル数の合計
・AFE総出力ch数:AFEの出力チャンネル数の合計
・ch内データ飛び幅:AFEにおける、次に出力すべきチャンネル番号とその前に出力
したチャンネル番号との間隔(1以上)
・各種カウンターの最大値

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2011−147056(P2011−147056A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7880(P2010−7880)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】