説明

画像読取装置及びその画像読取方法

【課題】画素の色ずれ問題を解決することができるカラー画像読取方法を提供する。
【解決手段】画像読取装置10は、被検出物99の画像を取得するために用いられ、少なくとも3種類の色の光を生成し、各色の光を被検出物99上に照射して反射光を生成する複数色の光源と、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13と、被検出物99と、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13と、の間に配置され、反射光の少なくとも一部を少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13に直接結像するために用いられる少なくとも1つのレンズアレイとを備える。レンズアレイの各レンズはロッドレンズである。複数色の光源17と電気的に接続され、複数色の光源17が3種類の色の光を生成する順序及び状態を制御するために用いられる制御回路19をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理技術に関し、特に、カラー画像取得方法、モノクロ画像取得方法及びそれらの方法を実施するために用いられる画像取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4及び図5を参照する。図4は、特許文献1に開示されている従来の画像読取装置を示す断面図である。図5は、図4の画像読取装置がカラー画像を取得するステップを示す模式図である。図4及び図5に示すように、従来の画像読取装置70は、複数色の光源71、柱状のレンズアレイ73及び1列のモノクロのセンサアレイ75を含む。また、従来の画像読取装置70においては、まず、光源71、レンズアレイ73及びセンサアレイ75が同一方向に同期移動する過程中、所定順序に基づき、光源71から異なる色の光(赤色光71R、緑色光71G及び青色光71B)が被検出物(原稿)99に照射される。次に、被検出物99から反射された反射光は、レンズアレイ73によってセンサアレイ75に結像される。次に、センサアレイ75が画像信号を生成する。
【0003】
上述の従来の画像読取装置70においては、1列のセンサアレイ75のみによって各色の画像が検出される。そのため、光源71、レンズアレイ73及びセンサアレイ75が1つの画素の移動範囲内を同期移動するとき、光源71は、赤色光71R、緑色光71G及び青色光71Bを連続して切り換える必要がある。従って、センサアレイ75が1つの画素上に位置する被検出物99の画像を検出するとき、赤色光71R、緑色光71G及び青色光71Bは、それぞれ3分の1ずつしか占めないため、1つの画素の3分の2に色ずれが発生してしまう。
【0004】
図6及び図7を参照する。図6は、特許文献1に開示されているもう1つの従来の画像読取装置を示す断面図である。図7は、図6の画像読取装置がカラー画像を取得するステップを示す模式図である。図6及び図7に示すように、従来の画像読取装置80においては、まず、光源81から被検出物(原稿)99上に白色光が照射される。次に、被検出物99から反射された反射光は、レンズアレイ73によって3列のモノクロのセンサアレイ85R,85G,85B上に結像される。3列のセンサアレイ85R,85G,85B上には、赤緑青のカラーフィルタ86R,86G,86Bがそれぞれ設けられる。これにより、センサアレイ85R,85G,85Bは、赤色画像、緑色画像及び青色画像をそれぞれ検出する。もう1つの従来の画像読取装置80においては、3列のセンサアレイ85R,85G,85Bが使用されるため、1動作サイクルで、3列の画素上に位置する被検出物99の画像を検出することができる。
【0005】
図7に示すように、光源81、レンズアレイ83及びセンサアレイ85R,85G,85Bが1つの画素幅を移動するごとに、センサアレイ85R,85G,85Bは、3つの画素上に位置する被検出物99の画像を同時に検出するが、検出する画像の色はそれぞれ異なる。光源81、レンズアレイ83及びセンサアレイ85R,85G,85Bが白色光が照射された被検出物99の第3列の画素位置に移動したとき、被検出物99から取得される画像がカラー画像となる。
【0006】
このもう1つの従来の画像読取装置80により、上述の従来の画像読取装置70の画素に色ずれが発生する問題を解決することができる。しかし、使用される白色光が各カラーフィルタ86R,86G,86Bを通過するとき、センサアレイ85R,85G,85Bによって検出される光エネルギーの大部分が吸収されてしまうため、光源のエネルギーが浪費されてしまう。また、仮に、スキャニング速度を高めたい場合、光源の輝度を高める必要があるため、光源のパワー消耗問題及び発熱問題が発生する。また、カラーフィルタ86R,86G,86Bを配置することにより、コストが増大する。
【0007】
また、特許文献1において開示される技術においても、カラーフィルタが使用されるため、上述のもう1つの従来の画像読取装置80と同様の問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,449,666号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第1の目的は、従来技術における画素の色ずれ問題を解決することができるカラー画像読取方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、従来技術における画素の色ずれ問題を解決することができる上、カラーフィルタを使用しないことにより、コストを低減させることができ、光源のエネルギーの利用率を高め、画像取得速度を高めることができる画像読取装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、画像検出速度が速い上、光源の発光パワーを節約することができるモノクロ画像読取方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の画像読取装置は、被検出物の画像を取得するために用いられ、少なくとも3種類の色の光を生成し、前記各色の光を前記被検出物上に照射して反射光を生成する複数色の光源と、少なくとも3列のモノクロセンサアレイと、前記被検出物と、前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイと、の間に配置され、前記反射光の少なくとも一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイに直接結像するために用いられる少なくとも1つのレンズアレイと、を備えることを特徴とする。
【0011】
前記レンズアレイの各レンズはロッドレンズであることが好ましい。
【0012】
前記複数色の光源と電気的に接続され、前記複数色の光源が前記3種類の色の光を生成する順序及び状態を制御するために用いられる制御回路をさらに備えることが好ましい。
【0013】
前記制御回路は、前記複数色の光源を制御し、前記3種類の色の光の各色の光を所定の時間ごとに順番に循環生成させるために用いられることが好ましい。
【0014】
前記制御回路は、前記複数色の光源を制御し、前記3種類の色の光を同時に生成させるために用いられることが好ましい。
【0015】
前記3種類の色の光は、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光であることが好ましい。
【0016】
前記3種類の色の光は、それぞれ、シアン色光、マゼンタ色光及び黄色光であることが好ましい。
【0017】
前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイと電気的に接続され、前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイが画像を検出することによって生成される信号を読み取るために用いられる読取回路をさらに備えることが好ましい。
【0018】
前記複数色の光源、前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ及び前記少なくとも1つのレンズアレイを同一方向に同期移動させる駆動装置をさらに備えることが好ましい。
【0019】
前記複数色の光源と電気的に接続され、前記複数色の光源、前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ及び前記少なくとも1つのレンズアレイが所定距離移動するごとに、所定順序に基づき、前記複数色の光源が生成する光を切り換えるために用いられる制御回路をさらに備えることが好ましい。
【0020】
前記所定移動距離は、1つの画素の幅であることが好ましい。
【0021】
上記目的を達成するためになされた請求項12に記載のカラー画像読取方法は、A.被検出物を所定位置に置くステップと、B.少なくとも3種類の色の光を発生させる光源により、第1の色の光を被検出物上に照射し、被検出物から反射される第1の色の光の少なくとも一部を少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に直接結像させる上、画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、C.前記光源及び前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイを所定方向に同期移動させるステップと、D.前記光源及び前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイが所定距離移動したとき、前記光源が照射する第1の色の光を第2の色の光に切り換え、前記被検出物から反射される前記第2の色の光の少なくとも一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に直接結像させる上、画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、E.前記光源及び前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイが再び所定距離移動したとき、前記光源が照射する第2の色の光を第3の色の光に切り換え、被検出物から反射される前記第3の色の光の少なくとも一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に直接結像させる上、画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、F.前記光源及び前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイが再び所定距離移動したとき、前記光源が照射する第3の色の光を第1の色の光に切り換え、被検出物から反射される前記第1の色の光の少なくとも一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に直接結像させる上、画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、G.前記被検出物の画像信号が完全に読み取られるまで、前記ステップD〜前記ステップFを繰り返すステップと、を含む。
【0022】
前記第1の色の光、前記第2の色の光及び前記第3の色の光は、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光であることが好ましい。
【0023】
前記第1の色の光、前記第2の色の光及び前記第3の色の光は、それぞれ、シアン色光、マゼンタ色光及び黄色光であることが好ましい。
【0024】
少なくとも1つのロッドレンズアレイにより、前記被検出物から反射される前記第1の色の光、前記第2の色の光及び前記第3の色の光の少なくとも一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に結像させることが好ましい。
【0025】
前記所定距離は、1つの画素の幅であることが好ましい。
【0026】
上記目的を達成するためになされた請求項17に記載のモノクロ画像読取方法は、A.被検出物を所定位置に置くステップと、B.少なくとも3種類の色の光を生成する光源により、3種類の色の光を同時に生成し、混合された白色光を被検出物上に照射し、前記被検出物から反射される光の一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に直接結像させる上、画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、C.前記光源及び前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイを所定方向に同期移動させるステップと、D.光源及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイが所定距離移動するごとに、前記被検出物の画像信号が完全に読み取られるまで、前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイが画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、を含むことを特徴とする。
【0027】
前記所定距離は、前記モノクロセンサアレイの列数と同数の画素の幅の総和であることが好ましい。
【0028】
前記3種類の色の光は、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光であることが好ましい。
【0029】
前記3種類の色の光は、それぞれ、シアン色光、マゼンタ色光及び黄色光であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態による画像読取装置を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるカラー画像読取方法を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態によるモノクロ画像読取方法を示す模式図である。
【図4】従来の画像読取装置を示す断面図である。
【図5】図4の画像読取装置がカラー画像を取得するステップを示す模式図である。
【図6】もう1つの従来の画像読取装置を示す断面図である。
【図7】図6の画像読取装置がカラー画像を取得するステップを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0032】
図1及び図2を参照する。本発明の一実施形態によるカラー画像読取方法及びその方法を実施するために用いられる画像読取装置10を以下に説明する。本発明の一実施形態によるカラー画像読取方法は、被検出物の平面画像又は立体物の平面画像を取得するために用いることができる。この目的に基づき、上記方法を実施するために用いられる画像読取装置10は、イメージスキャナ、複写機、ファクシミリなどの事務機器上に応用することができる。
【0033】
本発明の一実施形態によるカラー画像読取方法は、以下A〜Eのステップを含む。
【0034】
A.被検出物99を所定位置に置く。
【0035】
ステップAを実施するために、本発明の一実施形態による画像読取装置10は、透明板12を有する。被検出物99は、透明板12上に置かれる上、被検出物99の画像が取得される面が透明板12の一方の面上に当接される。透明板12は、透明ガラス板、透明プラスチック板又は他の材料からなる。
【0036】
B.少なくとも3種類の色の光を発生させることができる光源17により、第1の色の光を被検出物99上に照射する。また、被検出物99から反射される第1の色の光の少なくとも一部を少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13上に結像させる。次に、画像を検出することによって生成される信号を読み取る。
【0037】
ステップBを実施するために、画像読取装置10は、複数色の光源17を含む。複数色の光源17は、透明板12の他方の面側に配置される。本発明の一実施形態中、複数色の光源17は、3種類の色の光を放出することができるLEDから構成される。複数色の光源17から生成される光は、扁平状の光束である上、それぞれ、赤色(Red)光、緑色(Green)光及び青色(Blue)光を生成することができる。或いは、複数色の光源17から生成される光は、シアン色(Cyan)光、マゼンタ色(Magenta)光及び黄色(Yellow)光の組み合わせでもよい。或いは、3種類の色の光は、他の色の光の組合せでもよい。本発明の一実施形態中、3種類の色の光は、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光である上、第1の色の光は、赤色光である。
【0038】
画像読取装置10は、制御回路19を含む。制御回路19は、回路基板21上に配置される上、複数色の光源17と電気的に接続される。制御回路19は、複数色の光源17の各色の光の生成順序、各色の光の切換速度及びパワーを制御するために用いられる。回路基板21は、透明板12の複数色の光源17が配置される側に配置される。
【0039】
第1の色の光は、適宜な入射角で透明板12に入射され、透明板12を通過した後、透明板12の一方の面上に当接された被検出物99上に照射される。これにより、反射光が生成される。
【0040】
画像読取装置10は、少なくとも3列に並列されるモノクロセンサアレイ13を含む。モノクロセンサアレイ13は、回路基板21上に配置される上、透明板12の複数色の光源17が配置される側に配置される。本発明の一実施形態中、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13は、3列であるが、さらに好適な効果を得るために、3列以上でもよい。
【0041】
画像読取装置10は、少なくとも1列のロッドレンズ(Rod Lens)アレイ15を含む。ロッドレンズアレイ15は、透明板12の複数色の光源17が配置される側の透明板12と、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13と、の間に配置される。ロッドレンズアレイ15は、被検出物99から反射される第1の色の光の少なくとも一部を少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13上に結像されるために用いられる。本発明の一実施形態中、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15は、1列であるが、さらに好適な効果を得るために、1列以上でもよい。
【0042】
複数色の光源17と、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13と、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15と、の間は、所定の位置関係にある。本発明の一実施形態中、複数色の光源17、回路基板21、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13及び少なくとも1列のロッドレンズアレイ15は、ベース11上に固定配置される。
【0043】
ステップB中、被検出物99上から反射される第1の色の光の少なくとも一部は、フィルタ(filter)を通過することなく、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13上に直接結像される。即ち、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15と、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13と、の間には、フィルタが存在しないため、光源のエネルギーが浪費されるのを防止することができる。
【0044】
画像読取装置10は、読取回路20を含む。読取回路20は、回路基板21上に配置され、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13が画像を検出することによって生成される信号を読み取るために用いられる。
【0045】
C.複数色の光源17、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13を所定方向に同期移動させる。
【0046】
ステップC中、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15、複数色の光源17及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13の移動速度は等速である。この目的を実現させるために、画像読取装置10は、複数色の光源17、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13を等速で所定方向に移動させるために用いられる駆動装置22を含む。駆動装置22により、複数色の光源17、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13は、同期移動する。駆動装置22は、モータ、歯車及び伝動軸などの複数の伝動部材などから構成される。駆動装置22は、従来の装置であるため、ここでは詳しく述べない。
【0047】
D.複数色の光源17、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13が所定距離移動したとき、複数色の光源17が照射する第1の色の光を第2の色の光に切り換える。また、被検出物99から反射される第2の色の光の少なくとも一部を少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13上に直接結像させる。次に、画像を検出することによって生成される信号を読み取る。
【0048】
本発明の一実施形態中、複数色の光源17が照射する光を切り換えるタイミングは、制御回路19によって制御される。制御手段は、従来技術であるため、ここでは詳しく述べない。
【0049】
ステップD中、所定距離は、1つの画素(pixel)の幅である。解析度を600dpiとした場合、1つの画素の幅は0.0423mmである。また、状況に応じ、所定距離は、1つ以上の画素の幅の総和でもよい。
【0050】
本発明の一実施形態中、第2の色の光は緑色光である。
【0051】
E.複数色の光源17、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13が再び所定距離移動したとき、複数色の光源17が照射する第2の色の光を第3の色の光に切り換える。また、被検出物99から反射される第3の色の光の少なくとも一部を少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13上に直接結像させる。次に、画像を検出することによって生成される信号を読み取る。
【0052】
本発明の一実施形態中、第3の色の光は青色光である。
【0053】
F.複数色の光源17、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13が再び所定距離移動したとき、複数色の光源17が照射する第3の色の光を第1の色の光に切り換える。また、被検出物99から反射される第1の色の光の少なくとも一部を少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13上に直接結像させる。次に、画像を検出することによって生成される信号を読み取る。
【0054】
G.被検出物99の画像信号が完全に読み取られるまで、ステップD〜ステップFを繰り返す。
【0055】
図2を参照する。図2に示すように、ステップB〜ステップGの各ステップ中、少なくとも1つのロッドレンズアレイ15による結像により、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13は、3列の画素上に位置する被検出物99の画像を同時に検出する。
【0056】
ステップB中、少なくとも3列のモノクロのイメージセンサ13は、赤色光が照射される下、第1列の画素、第2列の画素及び第3列の画素上に位置する被検出物99の画像を同時に検出する。
【0057】
ステップD中、複数色の光源17、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13が1つの画素幅の距離を移動したとき、複数色の光源17が照射する光は、緑色光に切り換えられる。これにより、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13は、緑色光が照射される下、第2列の画素、第3列の画素及び第4列の画素上に位置する被検出物99の画像を同時に検出する。このとき、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13は、第2列の画素及び第3列の画素上に位置する被検出物99の赤色画像及び緑色画像をすでに読み取っている。
【0058】
ステップE中、複数色の光源17、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13が再び1つの画素幅の距離を移動したとき、複数色の光源17が照射する光は、青色光に切り換えられる。これにより、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13は、青色光が照射される下、第3列の画素、第4列の画素及び第5列の画素上に位置する被検出物99の画像を同時に検出する。このとき、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13は、第3列の画素上に位置する被検出物99の赤色画像、緑色画像及び青色画像をすでに読み取っているため、第3列の画素上に位置する被検出物99のカラー画像が形成される。
【0059】
ステップEによって取得される画像(即ち、第3列の画素上に位置する被検出物99の画像)から、カラー情報を有する上、画素の色ずれがないカラー画像となる。これにより、前述の従来技術における画素の色ずれ問題を解決することができる。
【0060】
本発明の一実施形態によるカラー画像読取方法においては、被検出物99上から反射される光の少なくとも一部がフィルタを通過することなく、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13上に直接結像される。即ち、本発明の一実施形態による画像読取装置10においては、少なくとも1列のロッドレンズアレイ15と、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13と、の間にフィルタが存在しない。これにより、光源のエネルギーの利用率を高めることができ、エネルギーがフィルタによって吸収されてしまう問題が発生しない。
【0061】
図3を参照する。図3に示すように、本発明は、上述のカラー画像読取方法と同一の主旨に基づき、モノクロ画像読取方法を提供する。本発明の一実施形態によるモノクロ画像読取方法は、上述の画像読取装置10によって実施することができるため、図1を合わせて参照する。本発明の一実施形態によるモノクロ画像読取方法は、以下A〜Dのステップを含む。
【0062】
A.被検出物99を所定位置に置く。
【0063】
B.少なくとも3種類の色の光を生成することができる光源17により、3種類の色の光を同時に生成し、混合された白色光を被検出物99上に照射する。また、被検出物99から反射される光の一部を少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13上に直接結像させる。次に、画像を検出することによって生成される信号を読み取る。
【0064】
本発明の一実施形態中、3種類の光源は、赤色(Red)光、緑色(Green)光及び青色(Blue)光である上、3種類の光を混合することにより、白色光が生成される。
【0065】
C.光源17及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13を所定方向に同期移動させる。
【0066】
D.光源17及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13が所定距離移動するごとに、被検出物99の画像信号が完全に読み取られるまで、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13が画像を検出することによって生成される信号を読み取る。
【0067】
ここで、所定距離は、モノクロセンサアレイ13の列数と同数の画素の幅の総和である。本発明の一実施形態中、モノクロセンサアレイ13の列数は、3列であるため、所定距離は、3つの画素幅の総和である。仮に、センサアレイの列数が30列の場合、所定距離は、30の画素の幅の総和である。
【0068】
ステップD中、少なくとも3列のモノクロセンサアレイ13の各モノクロセンサにより、3つの画素上に位置する被検出物99のグレイスケール画像が同時に検出される。これにより、画像の検出速度を高めることができる上、光源の発光パワーを節約することができる。
【0069】
上述の各色の光の生成順序(赤、緑、青)は、一例を挙げたものであり、本発明の実施範囲を限定するものではなく、他の順序でもよい。
【0070】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0071】
10 画像読取装置
11 ベース
12 透明板
13 モノクロセンサアレイ
15 ロッドレンズアレイ
17 複数色の光源
19 制御回路
20 読取回路
21 回路基板
22 駆動回路
99 被検出物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出物の画像を取得するために用いられ、
少なくとも3種類の色の光を生成し、前記各色の光を前記被検出物上に照射して反射光を生成する複数色の光源と、
少なくとも3列のモノクロセンサアレイと、
前記被検出物と、前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイと、の間に配置され、前記反射光の少なくとも一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイに直接結像するために用いられる少なくとも1つのレンズアレイと、を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記レンズアレイの各レンズはロッドレンズであることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記複数色の光源と電気的に接続され、前記複数色の光源が前記3種類の色の光を生成する順序及び状態を制御するために用いられる制御回路をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記複数色の光源を制御し、前記3種類の色の光の各色の光を所定の時間ごとに順番に循環生成させるために用いられることを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記複数色の光源を制御し、前記3種類の色の光を同時に生成させるために用いられることを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記3種類の色の光は、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記3種類の色の光は、それぞれ、シアン色光、マゼンタ色光及び黄色光であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイと電気的に接続され、前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイが画像を検出することによって生成される信号を読み取るために用いられる読取回路をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記複数色の光源、前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ及び前記少なくとも1つのレンズアレイを同一方向に同期移動させる駆動装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記複数色の光源と電気的に接続され、前記複数色の光源、前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ及び前記少なくとも1つのレンズアレイが所定距離移動するごとに、所定順序に基づき、前記複数色の光源が生成する光を切り換えるために用いられる制御回路をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の画像読取装置。
【請求項11】
前記所定移動距離は、1つの画素の幅であることを特徴とする請求項10に記載の画像読取装置。
【請求項12】
A.被検出物を所定位置に置くステップと、
B.少なくとも3種類の色の光を発生させる光源により、第1の色の光を被検出物上に照射し、被検出物から反射される第1の色の光の少なくとも一部を少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に直接結像させる上、画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、
C.前記光源及び前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイを所定方向に同期移動させるステップと、
D.前記光源及び前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイが所定距離移動したとき、前記光源が照射する第1の色の光を第2の色の光に切り換え、前記被検出物から反射される前記第2の色の光の少なくとも一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に直接結像させる上、画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、
E.前記光源及び前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイが再び所定距離移動したとき、前記光源が照射する第2の色の光を第3の色の光に切り換え、被検出物から反射される前記第3の色の光の少なくとも一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に直接結像させる上、画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、
F.前記光源及び前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイが再び所定距離移動したとき、前記光源が照射する第3の色の光を第1の色の光に切り換え、被検出物から反射される前記第1の色の光の少なくとも一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に直接結像させる上、画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、
G.前記被検出物の画像信号が完全に読み取られるまで、前記ステップD〜前記ステップFを繰り返すステップと、を含むことを特徴とするカラー画像読取方法。
【請求項13】
前記第1の色の光、前記第2の色の光及び前記第3の色の光は、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光であることを特徴とする請求項12に記載のカラー画像読取方法。
【請求項14】
前記第1の色の光、前記第2の色の光及び前記第3の色の光は、それぞれ、シアン色光、マゼンタ色光及び黄色光であることを特徴とする請求項12に記載のカラー画像読取方法。
【請求項15】
少なくとも1つのロッドレンズアレイにより、前記被検出物から反射される前記第1の色の光、前記第2の色の光及び前記第3の色の光の少なくとも一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に結像させることを特徴とする請求項12に記載のカラー画像読取方法。
【請求項16】
前記所定距離は、1つの画素の幅であることを特徴とする請求項12に記載のカラー画像読取方法。
【請求項17】
A.被検出物を所定位置に置くステップと、
B.少なくとも3種類の色の光を生成する光源により、3種類の色の光を同時に生成し、混合された白色光を被検出物上に照射し、前記被検出物から反射される光の一部を前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイ上に直接結像させる上、画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、
C.前記光源及び前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイを所定方向に同期移動させるステップと、
D.光源及び少なくとも3列のモノクロセンサアレイが所定距離移動するごとに、前記被検出物の画像信号が完全に読み取られるまで、前記少なくとも3列のモノクロセンサアレイが画像を検出することによって生成される信号を読み取るステップと、を含むことを特徴とするモノクロ画像読取方法。
【請求項18】
前記所定距離は、前記モノクロセンサアレイの列数と同数の画素の幅の総和であることを特徴とする請求項17に記載のモノクロ画像読取方法。
【請求項19】
前記3種類の色の光は、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光であることを特徴とする請求項17に記載のモノクロ画像読取方法。
【請求項20】
前記3種類の色の光は、それぞれ、シアン色光、マゼンタ色光及び黄色光であることを特徴とする請求項17に記載のモノクロ画像読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−114893(P2012−114893A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74913(P2011−74913)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(598001814)亞洲光學股▲ふん▼有限公司 (32)
【Fターム(参考)】