説明

画像読取装置

【課題】原稿に描かれた画像に係る画像データを記録媒体に記録して持ち運ぶことを容易にする。
【解決手段】デジタル複合機10は、外付けのCFカード60を着脱可能なCFインターフェース130を備える。操作者は、操作部125及び表示部126を用いて転送対象の画像データが格納されているメモリボックスMBの指定操作を行う(ステップS201)。すると、デジタル複合機10は、ステップS201で指定されたメモリボックスMBに格納されている画像データを、CFインターフェース130に装着されたCFカード60へ転送する(ステップS202)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複合機(MFP;Multi Function Peripherals)やスキャナ等の画像読取装置では、原稿に描かれた画像を読み取り、当該画像に係る画像データを、内蔵のメモリ若しくはハードディスクドライブ又はネットワーク接続されたパーソナルコンピュータのハードディスクドライブに格納していた。
【0003】
なお、特許文献1は、本願発明と関連する先行技術文献であり、画像読取り手段によって得られた画像データを、装置本体に対して装着自在な記録媒体に書き込む技術に関する。
【0004】
【特許文献1】特開平4−291573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の画像読取装置では、内蔵のメモリ若しくはハードディスクドライブ又はネットワーク接続されたパーソナルコンピュータのハードディスクドライブに一旦格納した画像データを持ち運ぶことは困難であった。
【0006】
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、原稿に描かれた画像に係る画像データを記録媒体に記録して持ち運ぶことを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、原稿に描かれた画像を読み取り、当該画像に係る画像データを生成する読取手段と、前記読取手段が生成した画像データを記憶区画に分けて格納する内蔵の格納手段と、外付けの可搬性記録媒体を着脱可能なインターフェースと、前記格納手段の、転送元として指定された格納区画から、前記インターフェースに装着された可搬性記録媒体へ画像データを転送する転送手段とを備えることを特徴とする画像読取装置である。
【0008】
請求項2の発明は、前記格納手段への画像データの格納にあたって、画像データの格納先の記憶区画を指定可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記転送手段は、Exif規格に準拠した画像データをDCFフォーマットで前記インターフェースに装着された可搬性記録媒体に記録することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1ないし請求項3の発明によれば、所望の画像データのみを記録媒体に記録して容易に持ち運ぶことができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、所望の画像データのみを記録媒体に記録して持ち運ぶことがさらに容易になる。
【0012】
請求項3の発明によれば、画像データを容易に閲覧することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<1 デジタル複合機の構成>
図1は、本発明の望ましい実施形態に係る、画像読取装置の機能を有するデジタル複合機10の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、デジタル複合機10は、MPU(マイクロプロセッサ;MicroProcessor Unit)111、ROM112及びRAM113を備える。MPU111、ROM112及びRAM113によって実現されるマイクロコンピュータ110は、ROM112に格納されたプログラムを実行することにより、デジタル複合機10の各構成を統括制御し、デジタル複合機10の各種機能を実現している。
【0015】
デジタル複合機10のフラッシュメモリ121は、記憶内容を書き換え可能な不揮発性メモリであり、継続的に保持すべき各種の情報を記憶する。また、デジタル複合機10の画像メモリ122は、デジタル複合機10が処理対象とする画像を画像データとして一時的に記憶する。
【0016】
デジタル複合機10は、画像読取部123及び画像記録部124を備える。画像読取部123は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等により原稿に描かれた画像を読み取り、当該画像に係る画像データを生成する。画像読取部123は、ADF(Automatic Document Feeder)方式又はFBS(Flat Bed Scanner)方式により原稿に描かれた画像を読み取ることができる。画像記録部124は、電子写真方式により、画像データに係る画像を記録媒体上に形成する。
【0017】
デジタル複合機10には、ユーザインターフェースとして、操作の対象となる操作部125と、情報を視認可能に表示する表示部126とが設けられる。デジタル複合機10では、表示部126に液晶タッチパネルディスプレイが採用されており、表示部126が操作部125の一部を兼ね備えている。
【0018】
ネットワークインターフェース127は、例えば、イーサネット(登録商標)により、デジタル複合機10をLAN50に接続する。
【0019】
NCU(網制御装置;Network Control Unit)128及びMODEM(モデム;MOdulator DEModulator)129は、公衆交換電話網91を経由したファックス画像の送受信に用いられる。NCU128は、公衆交換電話網91への接続を制御する。NCU128は、通信先の電話番号に対応したダイヤル信号を送出する機能及び着信を検出する機能を備える。MODEM129は、ITU(国際電気通信連合)−T勧告T.30にしたがったファックス伝送制御手順に基づいて、V.17,V.27ter,V.29等にしたがった送信データの変調及び受信データの復調を行う。又は、MODEM129は、これらに加えて、V.34にしたがった送信データの変調及び受信データの復調を行う。
【0020】
さらに、デジタル複合機10は、外付けのコンパクトフラッシュ(登録商標)カード(以下、「CFカード」)60を着脱可能なコンパクトフラッシュ(登録商標)インターフェース(以下、「CFインターフェース」)130を備える。デジタル複合機10は、CFインターフェース130に装着されたCFカード60にアクセスすることができる。
【0021】
コピーモードでは、デジタル複合機10は、画像読取部123を用いて原稿に描かれた画像を読み取り、画像記録部124を用いて当該画像を記録紙等の記録媒体上に形成することにより、原稿から記録媒体へ画像をコピーする。
【0022】
ファックスモードでは、デジタル複合機10は、画像読取部123を用いて原稿に描かれた画像を読み取り、NCU128及びMODEM129を用いて当該画像に係る画像データを他のファックス装置へ送信する(ファックス送信)。また、デジタル複合機10は、他のファックス装置から送信されてきた画像データに係る画像を、画像記録部124を用いて記録媒体上に形成する(ファックス受信)。なお、デジタル複合機10は、公衆交換電話網91を用いたファックスの送受信において、G3方式やスーパーG3方式を用いている。
【0023】
スキャナモードでは、デジタル複合機10は、画像読取部123を用いて原稿上の画像を読み取り、当該画像に係る画像データを、メモリボックス(格納区画)MBに分けて、内蔵のフラッシュメモリ121へ格納する。フラッシュメモリ121への画像データの格納にあたっては、操作者は、操作部125及び表示部126を用いて、画像データを格納するメモリボックスMBを指定することができる。
【0024】
プリンタモードでは、デジタル複合機10は、クライアントコンピュータ20からLAN50を経由して送信されてきた画像データを受信し、画像記録部124を用いて当該画像データに係る画像を記録媒体上に形成する。
【0025】
<2 デジタル複合機の動作>
図2は、スキャナモードにおいて原稿に描かれた画像を読み取る場合の処理の流れを示すフローチャートであり、図3は、フラッシュメモリ121に格納された画像データをCFインターフェース130に装着されたCFカード60へ転送する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【0026】
図2に示すように、原稿に描かれた画像の読み取りにあたっては、まず、操作者は、読み取り対象の原稿を画像読取部123にセットし(ステップS101)、操作部125及び表示部126を用いて画像データの格納先のメモリボックスMBの指定操作を行う(ステップS102)。すると、デジタル複合機10は、読取開始指示(例えば、スタートボタンの押下)に応答して、原稿に描かれた画像を画像読取部123で読み取り、画像読取部123が生成した当該画像に係る画像データを、ステップS102で指定されたメモリボックスMBへ格納する(ステップS103)。
【0027】
一方、図3に示すように、フラッシュメモリ121に格納された画像データの、CFインターフェース130に装着されたCFカード60への転送にあたっては、操作者は、まず、操作部125及び表示部126を用いて転送対象の画像データが格納されたメモリボックスMBの指定操作を行う(ステップS201)。すると、デジタル複合機10は、ステップS201で転送元として指定されたメモリボックスMBに格納されている画像データをCFインターフェース130に装着されたCFカード60へ転送する(ステップS202)。この画像データ転送処理は、マイクロコンピュータ110がROM112に格納されたプログラムを実行し、デジタル複合機10を統括制御することにより行われる。ステップS202の後、操作者は、画像データの転送を終了することもできるし(ステップS203で"YES")、メモリボックスMBの指定操作を行って、デジタル複合機10に画像データ転送処理を行わせることもできる(ステップS203で"NO")。
【0028】
このような処理の流れによれば、原稿に描かれた画像に係る画像データをCFカード60に記録して容易に持ち運ぶことできるとともに、所望の画像データのみをCFカード60に記録して持ち運ぶことができる。
【0029】
なお、CFカード60へ格納する画像データの形式は、特に制限されず、ビットマップ、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、GIF(Graphic Interchange Format)及びTIFF(Tagged Image File Format)等とすることができる。ただし、CFカード60への画像データの格納を、デジタルスチルカメラ等で汎用的に行われているように、Exif(Exchangeable Image File Format)規格に準拠した画像データをDCF(Design rule for Camera File system)フォーマットで格納するようにすれば、CFカード60に格納された画像データをデジタルスチルカメラや携帯情報端末で容易に閲覧することができるようになる。
【0030】
<3 変形例>
上述の説明では、CFインターフェース130に装着されたCFカード60に画像データを転送する場合について説明したが、CFカード60以外の可搬性記録媒体、例えば、SDメモリカード、xDピクチャーカード、メモリースティック等のフラッシュメモリ類やUSB(Universal Serial Bus)ストレージ(特に、USBフラッシュメモリ)等を着脱可能なインターフェースをデジタル複合機10に設け、当該インターフェースに装着された可搬性記録媒体に画像データを転送するようにしてもよい。
【0031】
また、所望の画像データのみをCFカード60に記録して持ち運ぶためには、上述したように、CFカード60への画像データの格納にあたって、画像データの格納先のメモリボックスMBを指定可能とすることが望ましいが、このことは、画像データの格納先のメモリボックスMBがデジタル複合機10によって自動的に決定されることを妨げるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の望ましい実施形態に係るデジタル複合機10の構成を示すブロック図である。
【図2】スキャナモードにおいて原稿に描かれた画像を読み取る場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】フラッシュメモリ121に格納された画像データをCFインターフェース130に装着されたCFカード60へ転送する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
10 デジタル複合機
111 MPU
112 ROM
113 RAM
121 フラッシュメモリ
122 画像メモリ
123 画像読取部
124 画像記録部
125 操作部
126 表示部
127 ネットワークインターフェース
128 NCU
129 MODEM
130 コンパクトフラッシュ(登録商標)カード
60 コンパクトフラッシュ(登録商標)インターフェース
MB メモリボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿に描かれた画像を読み取り、当該画像に係る画像データを生成する読取手段と、
前記読取手段が生成した画像データを記憶区画に分けて格納する内蔵の格納手段と、
外付けの可搬性記録媒体を着脱可能なインターフェースと、
前記格納手段の、転送元として指定された格納区画から、前記インターフェースに装着された可搬性記録媒体へ画像データを転送する転送手段と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記格納手段への画像データの格納にあたって、画像データの格納先の記憶区画を指定可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記転送手段は、Exif規格に準拠した画像データをDCFフォーマットで前記インターフェースに装着された可搬性記録媒体に記録することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−324664(P2007−324664A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−149438(P2006−149438)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】