説明

画像読取装置

【課題】 読み取り幅に亘ってむらの無い画像を得る画像読取装置を提供する。
【解決手段】 駆動回路を有するセンサICと、被照射体に光を照射する光源と、被照射体で反射した光を光軸を中心として収束させるレンズ体と、このレンズ体で収束された光を光軸の中心位置から等距離で対向する位置に振り分けて受光部で受光させると共に端部領域に位置する一部の受光部同士が重なるようにして等間隔でセンサICを読み取り幅方向に2列に配置したセンサ基板と、一方の駆動回路からの信号及び他方の駆動回路からの信号を補正する記憶素子を有する第1白補正部及び第2白補正部と、被照射体のエッジを測定する撮像手段と、撮像手段の信号が入力され、被照射体のエッジ形状パターンの中から選択的に出力する認識回路と、認識回路で選択された出力値から記憶素子に格納された受光部の信号データ毎に加減算するデータを付加させるCPUとを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機や金融端末装置などの画像読み取りや画像識別に用いる画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像情報を読み取る画像読取装置として、例えば、特開昭59−86362号公報図3(特許文献1参照)には、同一ライン上の画像情報を受光部で受光させるのに中心間距離を保って平行に設けられた千鳥状に2列配列されたCCDチップ21のそれぞれの列に集束性ロッドレンズアレイ12を配置した密着センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−86362号公報(第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、受光部に対して読み取り位置が傾斜するので原稿面の読取高さが変化するとそれぞれの集束性ロッドレンズアレイ12の原稿面に対する結像位置が異なり画像のぼけの原因になるという課題があった。また、原稿面が密着センサ(読取装置)と搬送方向に平行でなくなると、少ないずれでも2列に配置された受光部の原稿面からの反射光の強度が列ごとに異なることになり、読取画像のむらとなって現れる。
【0005】
この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、読み取り幅に亘ってむらの無い画像を得ることが可能な画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明の画像読取装置は、直線配置された多数の受光部とこれらの受光部からの光電変換信号を連続的にアナログ出力する駆動回路とを有するセンサICと、被照射体の読み取り位置に光を照射する光源と、被照射体で反射した光を光軸を中心として収束させるレンズ体と、このレンズ体で収束された光を前記光軸の中心位置から等距離で対向する位置に振り分けて前記受光部で受光させると共に端部領域に位置する一部の受光部同士が重なるようにして等間隔で前記センサICを読み取り幅方向に平行して2列に配置したセンサ基板と、このセンサ基板に搭載され、2列に配置された一方の前記駆動回路からのアナログ信号及び2列に配置された他方の前記駆動回路からのアナログ信号がそれぞれデジタル信号に変換され、デジタル変換されたそれぞれの信号データを補正する記憶素子を有する第1白補正部及び第2白補正部と、被照射体の読み取り位置の搬送方向上流側に配置され、搬送される被照射体の搬送方向エッジを測定する撮像手段と、この撮像手段の画像信号が入力され、被照射体のエッジ位置とエッジ形状から複数の認識パターンの中から選択的に出力するパターン認識回路部と、このパターン認識回路部で選択された出力値から前記記憶素子に格納された前記受光部の信号データ毎に加減算するデータを付加させて前記第1白補正部及び第2白補正部から補正された信号を出力する指示を与えるCPUとを備えたものである。
【0007】
請求項2に係る発明の画像読取装置は、前記加減算するデータは前記記憶素子に格納された前記受光部毎のデータを一律に増減させるデータと、前記一部の受光部同士が重なる位置にある受光部領域のデータを選択又は重み付けしたデータとを前記記憶素子に格納している請求項1に記載のものである。
【0008】
請求項3に係る発明の画像読取装置は、直線配置された多数の受光部とこれらの受光部からの光電変換信号を連続的にアナログ出力する駆動回路とを有するセンサICと、被照射体の読み取り位置に光を照射する光源と、被照射体で反射した光を光軸を中心として収束させるレンズ体と、このレンズ体で収束された光を前記光軸の中心位置から等距離で対向する位置に振り分けて前記受光部で受光させると共に端部領域に位置する一部の受光部同士が重なるようにして等間隔で前記センサICを読み取り幅方向に平行して2列に配置したセンサ基板と、このセンサ基板に搭載され、2列に配置された一方の前記駆動回路からのアナログ信号及び2列に配置された他方の前記駆動回路からのアナログ信号がそれぞれデジタル信号に変換され、デジタル変換されたそれぞれの信号データを補正する記憶素子を有する第1白補正部及び第2白補正部と、被照射体の読み取り位置の搬送方向上流側に配置され、搬送される被照射体の搬送方向エッジを測定する撮像手段と、この撮像手段の画像信号が入力され、被照射体のエッジ位置とエッジ形状から複数の認識パターンの中から選択的に出力するパターン認識回路部と、このパターン認識回路部で選択された出力値から前記記憶素子に格納された前記受光部の信号データ毎に加減算するデータを付加させて前記第1白補正部及び第2白補正部から補正された信号を出力する指示を与えるCPUと、前記第1白補正部及び第2白補正部のそれぞれに接続され、被照射体のエッジ位置の変化に伴い前記CPUの指示により前記第1白補正部及び第2白補正部からの出力信号を増減させる第1増幅回路部及び第2増幅回路部とを備えたものである。
【0009】
請求項4に係る発明の画像読取装置は、前記加減算するデータは前記記憶素子に格納された前記受光部毎のデータを一律に増減させるデータと、前記一部の受光部同士が重なる位置にある受光部領域のデータを選択又は重み付けしたデータとを前記記憶素子に格納している請求項3に記載のものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る画像読取装置によれば、搬送時に被照射体の厚さ方向の形状を測定し、この測定データを用いて画像信号を補正するので色むらの無い滑らかな画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1による画像読取装置の組み立て展開図である。
【図2】この発明の実施の形態1による画像読取装置に搭載するセンサ基板の平面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による画像読取装置のブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識回路部の画像認識を説明する図であり、図4(a)及び図4(b)は平行パターンを示す。
【図5】この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識回路部の画像認識を説明する図であり、図5(a)及び図5(b)は曲がりパターンを示す。
【図6】この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識回路部の画像認識を説明する図であり、図6(a)及び図6(b)は傾斜パターンを示す。
【図7】この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識回路部の画像認識を説明する図であり、図7(a)及び図7(b)は皺パターンを示す。
【図8】この発明の実施の形態1による画像読取装置のセンサICの重なりを説明する図である。
【図9】被照射体とレンズ体との結像位置を説明する図である。
【図10】この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識を説明する図であり、図10(a)〜図10(e)はそれぞれ異なるパターン図である。
【図11】この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識を説明する図であり、図11(a)〜図10(f)はそれぞれ異なるパターン図である。
【図12】この発明の実施の形態1による画像読取装置の撮像位置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、この発明の実施の形態1による画像読取装置の組み立て展開図である。図1において、1は光源であり、例えばLEDチップや汎用のモール型LEDなどの発光体である。2は光源1を搭載した基板、3は基板2に貼り付けられ、光源1に電源を供給するフレキシブル基板である。
【0013】
4は文書やメディアなどの被照射体(原稿とも呼ぶ)、5はガラス材やアクリル樹脂などの透明部材によって構成された導光体、5aは導光体5に接触して設けた光散乱層(光反射層)、6は内部に空洞部を有するホルダであり、この空洞内の一端側に光源1が配置され、他端側は導光体5の端部を嵌め合わせて固定する。7は光源1及び導光体5などを収納又は保持する筐体である。
【0014】
8はガラス材やアクリルなどの透明部材で構成され、画像読取装置の内部を保護する透過体、8aは透過体8上の主走査方向(読み取り幅方向)の読み取り位置を示し、物理的な構成要素ではない。9はロッドレンズアレイなどを用いたレンズ体であり、被照射体4からの散乱光を入射し、その散乱光を収束し結像させるものである。
【0015】
10はレンズ体9の光軸を中心に読み取り幅方向の両側に振り分けて配置され、レンズ体9で収束された光を受光するセンサICである。センサIC10は、半導体基板の表面に直線的に形成された多数の受光部(光電変換部)を含み受光部を駆動するシフトレジスタ、ラッチ回路及びスイッチなどの駆動回路(駆動回路部)からなる。
【0016】
11は読み取り幅方向に等間隔でセンサIC10を載置し、センサIC10の受光部で受光した光電変換出力を信号処理するセンサ基板であり、外部コネクタや電子部品、信号処理回路などを搭載している。12は信号処理回路を構成する信号処理IC(ASIC)、13は被照射体4を搬送するプーリ(搬送プーリ)、14は延在する読み取り位置8aの端部に設けられ、被照射体4のエッジの形状を認識するカメラモジュール(撮像素子)である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0017】
図2は、この発明の実施の形態1による画像読取装置に搭載するセンサ基板の平面図である。図2において、センサIC10はレンズ体9の光軸ラインを中心に千鳥状に配置される。千鳥状に配置されたセンサIC10の受光部は読み取り幅方向で一部重なりを持つように配置されている。10aは千鳥状に配置された一方の列(A列)のセンサIC、10bは千鳥状に配置された他方の列(B列)のセンサIC10である。A列に配置されたセンサIC10aの受光部とB列に配置されたセンサIC10bの受光部とは光軸ラインを中心に等距離にあり、受光部間の距離(D)は0.1mm〜0.4mmで互いに平行している。
【0018】
すなわち、A列とB列のセンサIC10a、10bの受光部同士は読み取り幅方向(主走査方向)の読取位置が一部重なるように2列に光軸ラインから離れて配置され、一部重なる領域は搬送方向(副走査方向)の読取位置が距離Dだけ異なる。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0019】
図3は、この発明の実施の形態1による画像読取装置のブロック図である。図3において、15はセンサIC10出力から入力される2系統(A列,B列)のアナログ信号をA/D変換(アナログ・デジタル変換)してデジタル信号に変換するA/D変換部15であり、センサIC10aのA列(Sout1)からのアナログ信号はA/D変換部15aに入力され、センサIC10bのB列(Sout2)からのアナログ信号はA/D変換部15bに入力される。
【0020】
16はA/D変換部15a及びA/D変換部15bのそれぞれの出力から入力されるデジタル信号の画素毎の黒レベルばらつきを低減する黒補正部であり、黒補正部16a及び黒補正部16bを系統別に有する。16cは黒レベル補正に使用する補正値データをあらかじめ格納した黒補正用記憶素子(黒補正ROM)である。
【0021】
17は黒補正部16a及び黒補正部16bのそれぞれの出力から入力されるデジタル信号の受光部(画素)毎の白レベルばらつきを低減する白補正部であり、白補正部17a及び白補正部17bを系統別に有する。17cは白レベル補正に使用する補正値データをあらかじめ格納された白補正用記憶素子(白補正ROM)であり、受光部毎のばらつき補正データを格納する領域と、各受光部データに対応してそれらデータを受光部毎に加減算するデータを格納する領域とからなる。
【0022】
18は白補正部17a及び白補正部17bのそれぞれの出力から入力されるデジタル信号の増幅率を可変する増幅回路部であり、増幅回路部18a及び増幅回路部18bを系統別に有する。
【0023】
19は被照射体4のエッジの形状を撮影するカメラモジュールなどの撮像素子14からの信号をパターン認識してから認識レベルを6段階(64digits)にレベル分けしてから出力するパターン認識回路部(認識回路部)、20は一方の系統(Sout1)のデータの流れ信号を他方の系統(Sout2)のデータの流れ信号に合わせるため、データ読み出し方向を逆方向にする並べ替え回路部(データ並べ替え回路部)である。
【0024】
21はデータの流れ信号が一致した一方の系統信号及び他方の系統信号を合体し、読み取り順序に合致した画像信号(SIG)を出力するとともに、センサIC10aとセンサIC10bとの受光部が一部重なるように配置された領域の対向する受光部毎のデータを平均化又はいずれか一方のデータを選択して出力する順次出力回路部(データ順次出力回路部)である。22は信号処理IC12の動作を指示制御するCPU(Application Specific Integrated Circuit)である。一連の動作はASIC12に搭載されたCPU22の指示による。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0025】
次に動作について説明する。図1において、ホルダ6内に配置された光源1から照射された光は導光体5の端部入射領域を照射する。導光体5には、光を散乱反射させる光散乱層5aが白色のシルク印刷などで主走査方向に形成され、均一な光を出射する。
【0026】
導光体5から出射した光は透過体8上の読み取り位置8aにある被照射体4を照射し、被照射体4で反射した反射光(散乱反射光)は透過体8を透過して、レンズ体9で収束され、半導体基板で構成されたセンサIC10の受光部で結像される。センサ基板11にはセンサIC10と隔離して反対側に設けられた信号処理IC12などの電子部品が搭載されている。
【0027】
センサIC10はセンサ基板11の表面に千鳥状に複数個並べて搭載され、スタート信号(SI)とクロック信号(CLK)とを受けて駆動する。センサIC10上の受光部で光電変換された各画素の信号出力は、シフトレジスタからのシフト信号でスイッチ群を順次開閉し、アナログ出力信号として送出する。すなわち、被照射体4に対するライン毎の出力をクロック信号(CLK)に同期した読み出し信号に基づいて順次、アナログ信号(Sout1、Sout2)として信号処理IC12に送出する。
【0028】
図3において、アナログ信号は、順次、A/D変換部15でデジタル変換される。デジタル変換されたデジタル信号は、黒補正部16と、白補正部17で全ビットのシェーディング補正などが施されてデジタル画像信号(SIG)として外部に出力される。黒補正部16には記憶素子(黒補正ROM)16cが付加され、白補正部17には記憶素子(白補正ROM)17cが付加され、それぞれに格納されたデータは演算処理用データとして使用される。
【0029】
黒補正部16は、センサIC10受光部毎の黒レベルのばらつきを低減するための補正回路であり、あらかじめ光源1を消灯し、消灯時の受光部毎の出力値を黒補正ROM16cに保存しておき、原稿読取時の出力から黒補正値を除算することで、黒レベルのばらつきを補正する。
【0030】
白補正部17は、光源1点灯時の受光部毎の白レベルばらつきを低減する補正回路であり、あらかじめ白基準テストチャートを読み取りしたときの受光部毎の出力値に対して白補正ROM17cにデータを保存してからリアルタイムで演算処理する。
【0031】
白補正部17で演算処理されたデジタル信号は2系統の増幅回路部18で増幅率を可変し、並べ替え回路部20で一方側に配置されたセンサIC10のデータ読み出し方向を揃え、データ順次出力回路部21で2系統の信号を統合して画素の読み取り位置に沿ったデータとしてシステム本体などに画像信号(SIG)を出力する。
【0032】
次にカメラモジュール14を使用した画像認識について図4〜図7を用いて説明する。カメラモジュール14は読み取り位置8aの上流側(給紙側)に設置され、被照射体4のエッジを撮影する。撮影されたカメラ画像信号はパターン認識回路部19で被照射体4の形状に合わせて一定の視野範囲内で画像認識する。例えば、被照射体4の厚みが0.1mm程度としたときには、被照射体4の搬送方向のぶれも考慮して視野範囲の1区画の画像認識領域は0.2mm×0.2mmとする。
【0033】
図4は、この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識回路部の画像認識を説明する図である。図4では搬送方向に平行に被照射体4が移動したことを示す。図4(a)に示すように1区画内で横方向に一列で認識される場合と、図4(b)に示すように区画をまたがって横方向に二列で認識される場合とがある。いずれの場合にも横方向には直線状に認識される。
【0034】
図5は、この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識回路部の画像認識を説明する図である。図5(a)では読み取り幅方向に透過体8側に向かって凸形状の曲がりがあって被照射体4が移動したことを示す。図5(b)に示すように縦方向に幅を持ち、縦方向認識位置中心付近が縦方向に下がり縦方向認識位置中心付近以外は縦方向に上がるパターンで認識される。なお、線対称で逆のパターンが発生する場合もあり、この場合は縦方向認識位置中心付近が縦方向に上がり縦方向認識位置中心付近以外は縦方向に下がるパターンで認識される。
【0035】
図6は、この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識回路部の画像認識を説明する図である。図6(a)では搬送方向の一方側に傾斜して被照射体が移動したことを示す。図6(b)に示すように横方向に対して一方側に傾斜したパターンで認識される。なお、線対称で逆のパターンが発生する場合もあり、この場合は横方向に対して他方側に傾斜したパターンで認識される。
【0036】
図7は、この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識回路部の画像認識を説明する図である。図7(a)では搬送方向の読み取り位置付近において皺状態で被照射体4が移動したことを示す。図7(b)に示すように縦方向に幅を持ち、縦方向認識位置中心付近が縦方向に上がり縦方向認識位置中心付近以外は縦方向に下がるパターンで認識される。なお、線対称で逆のパターンが発生する場合もあり、この場合は縦方向認識位置中心付近が縦方向に下がり縦方向認識位置中心付近以外は縦方向に上がるパターンで認識される。これらのパターンは皺が軽度の場合は図5に示す認識パターンと類似で扱われる。
【0037】
したがって、横方向に平行なパターン、傾斜したパターン、それ以外の曲がり(皺)パターンに区別してそのレベルを加味してパターン認識回路部19は被照射体4のエッジの形状をパターン認識し、64digitsの分解能の信号をCPU22に送出する。
【0038】
図8は、この発明の実施の形態1による画像読取装置のセンサICの重なりを説明する図である。本実施の形態1では、4個の受光部が互いに搬送方向に対向している。個々の受光部n−3〜nは読み取り幅方向に重複した読み取り情報を保持し、それら以外の受光部(1〜n−4)は重複しない読み取り情報を保持する。図中、図2と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0039】
図9は、被照射体4とレンズ体9との結像位置を説明する図である。レンズ体9の光軸上にある被照射体4の画像情報(P0)はセンサIC10aの受光部及びセンサIC10bの受光部の重複する画素情報として受光される。
【0040】
読み取り位置8aの搬送方向側にずれた位置にある画像情報のうち、一方の画素情報P1はセンサIC10aに配置された側の受光部が主体で結像される。他方の画素情報P2はセンサIC10bに配置された側の受光部が主体で結像される。すなわち、画像情報P1からの散乱反射光は一方のセンサIC10aの受光部で結像され、他方のセンサIC10bの受光部では一方のセンサIC10aの受光部より焦点がずれた結像光となる。同様に画像情報P2からの散乱反射光は他方のセンサIC10bの受光部で結像され、一方のセンサIC10aの受光部では他方のセンサIC10bの受光部より焦点がずれた結像光となる。図中、図8と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0041】
そして図9では、光軸上の画像情報の位置(所定の位置)に対して画素情報P1は角度θ分だけ読み取り高さの高い位置にあり、画素情報P2は角度θ分だけ読み取り高さの低い位置にある。
【0042】
次にパターン認識回路部について説明する。パターン認識回路部19は、横方向に平行なパターン、傾斜したパターン、それ以外の曲がり(皺)パターンに区別してそのレベル(読み取り高さレベル)を加味して被照射体4のエッジ形状パターンを認識する。
【0043】
図10は、この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識を説明する図であり、図10(a)は読み取り高さが異なる平行パターンを示す。図10(b)は一方から他方に向かって読み取り高さが異なり、傾斜角度(θ1)が搬送方向に対して大きい傾斜パターンを示す。図10(c)は他方から一方に向かって読み取り高さが異なり、傾斜角度が(θ1)搬送方向に対して大きい傾斜パターンを示す。図10(d)は一方から他方に向かって読み取り高さが異なり、傾斜角度(θ2)が搬送方向に対して小さい傾斜パターンを示す。図10(e)は他方から一方に向かって読み取り高さが異なり、傾斜角度(θ2)が搬送方向に対して小さい傾斜パターンを示す。
【0044】
図11は、この発明の実施の形態1による画像読取装置のパターン認識を説明する図であり、図11(a)は読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8側に向かって凸形状の曲がりがあるパターンである。図11(b)は読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8に対して反対側に向かって凸形状の曲がりがあるパターンである。図11(c)は読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8側に向かって一方側に急峻な凸形状の皺があるパターンである。図11(d)は読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8に対して反対側に向かって一方側に急峻な凸形状の皺があるパターンである。図11(e)は読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8側に向かって他方側に急峻な凸形状の皺があるパターンである。図11(f)は読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8に対して反対側に向かって他方側に急峻な凸形状の皺があるパターンである。これらのパターン(画像)信号が64digitsの分解能の信号でCPU22に選択的に送出される。
【0045】
次にCPU22の動作について説明する。パターン認識回路部14から送られてきたパターン信号により、CPU22は、白補正ROM17cと増幅回路部18a、18bに対して指示を行う。図10(a)に示すように読み取り高さが異なる平行パターンであるパターンに対しては、増幅回路部18a、18bにのみ被照射体4の読み取り高さの変化量に応じて所定の増幅率に対して増幅率の増減信号を与える。
【0046】
又は増幅回路部18の増幅率を固定し、白補正ROM17cに格納されている各受光部データ領域に付加された領域にある加減算データを用いて所定の出力レベルとなるようにして各受光部データを一律に増減させる。
【0047】
図10(b)に示すように一方から他方に向かって読み取り高さが異なり、傾斜角度が搬送方向に対して大きい傾斜パターンに対しては、増幅回路部18a、18bに被照射体4の読み取り高さの変化量に応じて所定の増幅率に対して増幅率の増減信号を与えるとともに重なり合っているセンサIC10a、10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10aの読み取り高さは光軸上の読み取り位置より高いので、センサIC10aの受光部(n−3〜n)の出力値を高く設定して補正選択値を変更する。
【0048】
又は増幅回路部18の増幅率を固定し、白補正ROM17cに格納されている各受光部データ領域に付加された領域にある加減算データを用いて所定の出力レベルとなるようにして各受光部データを一律に増減させるとともに、重なり合っているセンサIC10a、10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10aの読み取り高さは光軸上の読み取り位置より高いので、センサIC10aの受光部(n−3〜n)の出力値を高く設定して補正選択値を変更する。
【0049】
図10(c)に示すように他方から一方に向かって読み取り高さが異なり、傾斜角度が搬送方向に対して大きい傾斜パターンに対しては、増幅回路部18a、18bに被照射体4の読み取り高さの変化量に応じて所定の増幅率に対して増幅率の増減信号を与えるとともに重なり合っているセンサIC10a、10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10bの読み取り高さは光軸上の読み取り位置より高いので、センサIC10bの受光部(n−3〜n)の出力値を高く設定して補正選択値を変更する。
【0050】
又は増幅回路部18の増幅率を固定し、白補正ROM17cに格納されている各受光部データ領域に付加された領域にある加減算データを用いて所定の出力レベルとなるようにして各受光部データを一律に増減させるとともに、重なり合っているセンサIC10a、10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10bの読み取り高さは光軸上の読み取り位置より高いので、センサIC10bの受光部(n−3〜n)の出力値を高く設定して補正選択値を変更する。
【0051】
図10(d)に示すように一方から他方に向かって読み取り高さが異なり、傾斜角度が搬送方向に対して小さい傾斜パターンに対しては、増幅回路部18a、18bに被照射体4の読み取り高さの変化量に応じて所定の増幅率に対して増幅率の増減信号を与えるとともに重なり合っているセンサIC10a、10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10aの読み取り高さは光軸上の読み取り位置より少し高いので、センサIC10aの受光部(n−3〜n)の出力値を少し高く設定して補正選択値を変更する。
【0052】
又は増幅回路部18の増幅率を固定し、白補正ROM17cに格納されている各受光部データ領域に付加された領域にある加減算データを用いて所定の出力レベルとなるようにして各受光部データを一律に増減させるとともに、重なり合っているセンサIC10a、10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10bの読み取り高さは光軸上の読み取り位置より少し高いので、センサIC10bの受光部(n−3〜n)の出力値を少し高く設定して補正選択値を変更する。
【0053】
図10(e)に示すように他方から一方に向かって読み取り高さが異なり、傾斜角度が搬送方向に対して小さい傾斜パターンに対しては、増幅回路部18a、18bに被照射体4の読み取り高さの変化量に応じて所定の増幅率に対して増幅率の増減信号を与えるとともに重なり合っているセンサIC10a、10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10bの読み取り高さは光軸上の読み取り位置より少し高いので、センサIC10bの受光部(n−3〜n)の出力値を少し高く設定して補正選択値を変更する。
【0054】
又は増幅回路部18の増幅率を固定し、白補正ROM17cに格納されている各受光部データ領域に付加された領域にある加減算データを用いて所定の出力レベルとなるようにして各受光部データを増減させるとともに、重なり合っているセンサIC10a、10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10bの読み取り高さは光軸上の読み取り位置より少し高いので、センサIC10bの受光部(n−3〜n)の出力値を少し高く設定して補正選択値を変更する。
【0055】
図11(a)に示すように読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8側に向かって凸形状の曲がりがあるパターンに対しては、増幅回路部18a、18bにのみ被照射体4の読み取り高さの変化量に応じて所定の増幅率に対して増幅率の増減信号を与える。又は増幅回路部18の増幅率を固定し、白補正ROM17cに格納されている各受光部データ領域に付加された領域にある加減算データを用いて所定の出力レベルとなるようにして各受光部データを増減させる。
【0056】
別の方法として、上記に加えて重なり合っているセンサIC10a、10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10a及びセンサIC10bの読み取り高さは光軸上の読み取り位置より高いので、センサIC10a及びセンサIC10bの受光部(n−3〜n)の出力値を高く設定して補正選択値を変更する。この補正により、センサIC10aとセンサIC10bとのつなぎ目領域の画質をそれ以外の領域の画質と合わせる。
【0057】
図11(b)に示すように読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8に対して反対側に向かって凸形状の曲がりがあるパターンに対しては、増幅回路部18a、18bにのみ被照射体4の読み取り高さの変化量に応じて所定の増幅率に対して増幅率の増減信号を与える。又は増幅回路部18の増幅率を固定し、白補正ROM17cに格納されている各受光部データ領域に付加された領域にある加減算データを用いて所定の出力レベルとなるようにして各受光部データを増減させる。
【0058】
別の方法として、上記に加えて重なり合っているセンサIC10a、10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10a及びセンサIC10bの読み取り高さは光軸上の読み取り位置より低いので、センサIC10a及びセンサIC10bの受光部(n−3〜n)の出力値を低く設定して補正選択値を変更する。この補正により、センサIC10aとセンサIC10bとのつなぎ目領域の画質をそれ以外の領域の画質と合わせる。
【0059】
図11(c)に示すように読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8側に向かって一方側に急峻な凸形状の皺があるパターンに対しては、増幅回路部18a、18bにのみ被照射体4の読み取り高さの変化量に応じて所定の増幅率に対して増幅率の増減信号を与える。又は増幅回路部18の増幅率を固定し、白補正ROM17cに格納されている各受光部データ領域に付加された領域にある加減算データを用いて所定の出力レベルとなるようにして各受光部データを増減させる。
【0060】
また、上記補正に加えて重なり合っているセンサIC10a及びセンサIC10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10aは正常な画素情報P1の読み取りを行っていないのでセンサIC10aの受光部(n−3〜n)の受光部データは用いず、センサIC10bの受光部(n−3〜n)側のデータを用いて出力値を高く設定して補正選択値を変更する。この補正により、センサIC10aとセンサIC10bとのつなぎ目領域の画質をそれ以外の領域の画質と合わせる。
【0061】
図11(d)に示すように読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8に対して反対側に向かって一方側に急峻な凸形状の皺があるパターンに対しては、増幅回路部18a、18bにのみ被照射体4の読み取り高さの変化量に応じて所定の増幅率に対して増幅率の増減信号を与える。又は増幅回路部18の増幅率を固定し、白補正ROM17cに格納されている各受光部データ領域に付加された領域にある加減算データを用いて所定の出力レベルとなるようにして各受光部データを増減させる。
【0062】
また、上記補正に加えて重なり合っているセンサIC10a及びセンサIC10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10aは正常な画素情報P1の読み取りを行っていないのでセンサIC10aの受光部(n−3〜n)の受光部データは用いず、センサIC10bの受光部(n−3〜n)側のデータを用いて出力値を低く設定して補正選択値を変更する。この補正により、センサIC10aとセンサIC10bとのつなぎ目領域の画質をそれ以外の領域の画質と合わせる。
【0063】
図11(e)に示すように読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8側に向かって他方側に急峻な凸形状の皺があるパターンに対しては、増幅回路部18a、18bにのみ被照射体4の読み取り高さの変化量に応じて所定の増幅率に対して増幅率の増減信号を与える。又は増幅回路部18の増幅率を固定し、白補正ROM17cに格納されている各受光部データ領域に付加された領域にある加減算データを用いて所定の出力レベルとなるようにして各受光部データを増減させる。
【0064】
また、上記補正に加えて重なり合っているセンサIC10a及びセンサIC10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10bは正常な画素情報P2の読み取りを行っていないのでセンサIC10bの受光部(n−3〜n)の受光部データは用いず、センサIC10aの受光部(n−3〜n)側のデータを用いて出力値を高く設定して補正選択値を変更する。この補正により、センサIC10aとセンサIC10bとのつなぎ目領域の画質をそれ以外の領域の画質と合わせる。
【0065】
図11(f)に示すように読み取り高さが異なり、読み取り幅方向に透過体8に対して反対側に向かって他方側に急峻な凸形状の皺があるパターンに対しては、増幅回路部18a、18bにのみ被照射体4の読み取り高さの変化量に応じて所定の増幅率に対して増幅率の増減信号を与える。又は増幅回路部18の増幅率を固定し、白補正ROM17cに格納されている各受光部データ領域に付加された領域にある加減算データを用いて所定の出力レベルとなるようにして各受光部データを増減させる。
【0066】
また、上記補正に加えて重なり合っているセンサIC10a及びセンサIC10bの受光部(n−3〜n)の補正選択値を変更する。すなわち、センサIC10bは正常な画素情報P2の読み取りを行っていないのでセンサIC10bの受光部(n−3〜n)の受光部データは用いず、センサIC10aの受光部(n−3〜n)側のデータを用いて出力値を低く設定して補正選択値を変更する。この補正により、センサIC10aとセンサIC10bとのつなぎ目領域の画質をそれ以外の領域の画質と合わせる。
【0067】
なお、加減算データは微少出力の加減算であるので白補正ROM17cに格納する加減算データは1〜32digits程度の段階データとしてあらかじめ白補正ROM17cに格納しておき、白補正部17で乗算・除算処理と同時に演算処理される。
【0068】
本実施の形態1では、センサIC10aとセンサIC10bとの受光部が一部重なるように配置された領域の対向する受光部毎のデータを平均化又はいずれか一方のデータを選択して出力するようにしたが、平均化処理に換えて同一列に隣接する受光部データとの重み付けで行っても良く、重み付けは複数の近接する受光部データから抽出しても良い。
【0069】
図12は、この発明の実施の形態1による画像読取装置の撮像位置を説明する図である。カメラモジュール14は読み取り領域外側の端部のシステム本体に固定して設けられ、読み取り位置8aより距離Lだけ離間した給紙側(上流側)に設けられる。例えば、距離Lが8.4mmであり、画像読取装置の1ラインの読み取り速度が0.15ms/ラインの場合には、搬送方向に搬送される被照射体4の搬送速度が280mm/secのとき、撮像された被照射体4の形状パターンは30ms後の画像信号に反映される。すなわち、画像出力信号(SIG)は30ms前のカメラモジュール14のパターン形状に対して補正された信号を出力する。このように搬送速度が比較的速い被照射体4の場合は、距離Lを遠方に配置しても時間変化による被照射体4の形状変化は無視することができる。図中、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0070】
なお、本実施の形態1では撮像素子(撮像手段)14としてカメラモジュールを用いたが、撮像手段は赤外線カメラでも良く、2次元画像測定用の赤外線センサ、レーザーセンサなどを用いても良い。
【0071】
以上からこの発明の実施の形態1による画像読取装置によれば、原稿などの被照射体4のエッジ形状を認識する撮像素子14で被照射体4の厚さ方向の形状を測定し、その形状を認識するパターン認識回路部19からパターン信号を送出し、その信号に基づき画像信号を補正するようにしたので、被照射体4が搬送方向に対して傾斜又は変形することに加えて被照射体4の読み取り高さが異なっても画像むらの無い高画質の画像読取装置を得る効果がある。
【符号の説明】
【0072】
1・・光源 2・・基板 3・・フレキシブル基板 4・・被照射体(原稿)
5・・導光体 5a・・光散乱層 6・・ホルダ 7・・筐体
8・・透過体 8a・・読み取り位置 9・・レンズ体(ロッドレンズアレイ)
10・・センサIC 10a・・センサIC 10b・・センサIC
11・・センサ基板 12・・信号処理IC(ASIC)
13・・プーリ 14・・撮像手段(カメラモジュール)
15・・A/D変換部 15a・・A/D変換部 15b・・A/D変換部
16・・黒補正部 16a・・黒補正部 16b・・黒補正部
16c・・黒補正用記憶素子(黒補正ROM)
17・・白補正部 17a・・白補正部 17b・・白補正部
17c・・白補正用記憶素子(白補正ROM)
18・・増幅回路部 18a・・増幅回路部 18b・・増幅回路部
19・・パターン認識回路部(認識回路部)
20・・並べ替え回路部
21・・順次出力回路部
22・・CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線配置された多数の受光部とこれらの受光部からの光電変換信号を連続的にアナログ出力する駆動回路とを有するセンサICと、被照射体の読み取り位置に光を照射する光源と、被照射体で反射した光を光軸を中心として収束させるレンズ体と、このレンズ体で収束された光を前記光軸の中心位置から等距離で対向する位置に振り分けて前記受光部で受光させると共に端部領域に位置する一部の受光部同士が重なるようにして等間隔で前記センサICを読み取り幅方向に平行して2列に配置したセンサ基板と、このセンサ基板に搭載され、2列に配置された一方の前記駆動回路からのアナログ信号及び2列に配置された他方の前記駆動回路からのアナログ信号がそれぞれデジタル信号に変換され、デジタル変換されたそれぞれの信号データを補正する記憶素子を有する第1白補正部及び第2白補正部と、被照射体の読み取り位置の搬送方向上流側に配置され、搬送される被照射体の搬送方向エッジを測定する撮像手段と、この撮像手段の画像信号が入力され、被照射体のエッジ位置とエッジ形状から複数の認識パターンの中から選択的に出力するパターン認識回路部と、このパターン認識回路部で選択された出力値から前記記憶素子に格納された前記受光部の信号データ毎に加減算するデータを付加させて前記第1白補正部及び第2白補正部から補正された信号を出力する指示を与えるCPUとを備えた画像読取装置。
【請求項2】
前記加減算するデータは前記記憶素子に格納された前記受光部毎のデータを一律に増減させるデータと、前記一部の受光部同士が重なる位置にある受光部領域のデータを選択又は重み付けしたデータとを前記記憶素子に格納している請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
直線配置された多数の受光部とこれらの受光部からの光電変換信号を連続的にアナログ出力する駆動回路とを有するセンサICと、被照射体の読み取り位置に光を照射する光源と、被照射体で反射した光を光軸を中心として収束させるレンズ体と、このレンズ体で収束された光を前記光軸の中心位置から等距離で対向する位置に振り分けて前記受光部で受光させると共に端部領域に位置する一部の受光部同士が重なるようにして等間隔で前記センサICを読み取り幅方向に平行して2列に配置したセンサ基板と、このセンサ基板に搭載され、2列に配置された一方の前記駆動回路からのアナログ信号及び2列に配置された他方の前記駆動回路からのアナログ信号がそれぞれデジタル信号に変換され、デジタル変換されたそれぞれの信号データを補正する記憶素子を有する第1白補正部及び第2白補正部と、被照射体の読み取り位置の搬送方向上流側に配置され、搬送される被照射体の搬送方向エッジを測定する撮像手段と、この撮像手段の画像信号が入力され、被照射体のエッジ位置とエッジ形状から複数の認識パターンの中から選択的に出力するパターン認識回路部と、このパターン認識回路部で選択された出力値から前記記憶素子に格納された前記受光部の信号データ毎に加減算するデータを付加させて前記第1白補正部及び第2白補正部から補正された信号を出力する指示を与えるCPUと、前記第1白補正部及び第2白補正部のそれぞれに接続され、被照射体のエッジ位置の変化に伴い前記CPUの指示により前記第1白補正部及び第2白補正部からの出力信号を増減させる第1増幅回路部及び第2増幅回路部とを備えた画像読取装置。
【請求項4】
前記加減算するデータは前記記憶素子に格納された前記受光部毎のデータを一律に増減させるデータと、前記一部の受光部同士が重なる位置にある受光部領域のデータを選択又は重み付けしたデータとを前記記憶素子に格納している請求項3に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−199371(P2011−199371A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61010(P2010−61010)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】