画像読取装置
【課題】本発明はキャリッジ姿勢を矯正しコンパクトな画像読取装置を提供するものである。
【解決手段】手置き原稿を載置する第1プラテンと、流し原稿を通過させる第2プラテンとの間で移動し、読取手段を搭載し、第1プラテンの手置き原稿を読取る第1読取移動と、第2プラテンの流し原稿を読取る第2読取移動するキャリッジと、キャリッジを移動支持するキャリッジ支持手段と、キャリッジを走行するキャリッジ走行手段とを備えた画像読取装置で、キャリッジには第1読取移動時のキャリッジ姿勢状態で読取手段の読取基準と原稿の読取ラインが一致する方向に読取手段の装置フレームへの取り付け位置を調整する位置調整手段を備え、装置本体にはキャリッジ走行手段によって第2プラテンの読取位置への走行移動するキャリッジに当接し第1プラテンに沿って読取走査するキャリッジ姿勢に矯正するキャリッジ姿勢矯正手段を備えて成る。
【解決手段】手置き原稿を載置する第1プラテンと、流し原稿を通過させる第2プラテンとの間で移動し、読取手段を搭載し、第1プラテンの手置き原稿を読取る第1読取移動と、第2プラテンの流し原稿を読取る第2読取移動するキャリッジと、キャリッジを移動支持するキャリッジ支持手段と、キャリッジを走行するキャリッジ走行手段とを備えた画像読取装置で、キャリッジには第1読取移動時のキャリッジ姿勢状態で読取手段の読取基準と原稿の読取ラインが一致する方向に読取手段の装置フレームへの取り付け位置を調整する位置調整手段を備え、装置本体にはキャリッジ走行手段によって第2プラテンの読取位置への走行移動するキャリッジに当接し第1プラテンに沿って読取走査するキャリッジ姿勢に矯正するキャリッジ姿勢矯正手段を備えて成る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿シート上の画像を読み取るスキャナ装置、或いはファクシミリ、複写機などの複合装置における画像読取装置に係わり、原稿画像を読み取る為にプラテンに沿って移動走査可能なキャリッジの姿勢制御機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の画像読取装置として、読取原稿を手動で載置する第1のプラテンと、自動原稿送り装置を使って読取原稿を自動で送り込む第2のプラテンと、この第1、第2のプラテンに沿って移動走査可能なキャリッジとを備え、第1のプラテンに手動で載置した読取原稿を前記キャリッジの移動走査で読取る所謂フラットベット読取りモードと、第2のプラテン直下に前記キャリッジを移動停止した状態で自動原稿送り装置によって順次給送される読取原稿を読取る所謂シートスルー読取りモードとを選択的に切り替えて画像読取をするものが知られている。
【0003】
例えば、その画像読取装置の一例として特許文献1が知られている。その画像読取装置は、図17で示すように、スキャナ本体Yと、そのスキャナ本体Y上に上方開閉可能に支持され搭載された自動原稿送り装置Zから構成されている。そのスキャナ本体Yは、原稿を載置する第1のプラテンY1と、自動原稿送り装置Zから給送される読取原稿が通過する第2のプラテンY2と、牽引手段Y6によって移動ガイド手段Y4、Y5に沿って移動可能なキャリッジ体Y3で構成されている。また、自動原稿送り装置Zは、読取原稿を載置する原稿給紙台Z1と、原稿給紙台Z1から送り込まれた読取原稿を第2のプラテンY2上面を通過させる原稿搬送経路Z2と、第2のプラテンY2を通過して原稿搬送経路Z2から排出される読取原稿を積載収容する原稿排紙台Z3で構成されている。
【0004】
また、キャリッジ体Y3を移動ガイド手段Y4、Y5に沿って移動可能に支持するキャリッジ支持機構は、図18でその概要を示すような構成と成っている。まず、キャリッジ体Y3は、
一端側に許容可能な間隔を隔て一対の軸受部Y7、Y8と、牽引手段Y6を固定支持する牽引固定部9を備え、他端側に摺動し易い形状に樹脂成形された摺動部Y10(摺動突出部)を備えている。一方、移動ガイド手段Y4、Y5は、一対の軸受部Y7、Y8が貫通する円柱状のガイドシャフトY4と、キャリッジ体Y3の自重で押圧する摺動部Y10を摺動自在に支持する摺動平面を形成したL字状のガイドレールY5で構成されている。
【0005】
更に、牽引手段Y6としては、特許文献1で開示する走行ベルト(歯付きタイミングベルト)の他に特許文献2で示すようなワイヤーが用いられる。尚、特許文献2の様にキャリッジ体に移動モータを搭載するタイプは一般に自走式キャリッジとして知られ、この種の自走式キャリッジにはワイヤーとプーリに代えラックとピニオン歯車で構成するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−21641号公報
【特許文献2】特開2001−83623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のキャリッジ支持機構では、図19で示す様にキャリッジ体の移動方向によってキャリッジ体の姿勢の傾く方向が異なることが知られている。その要因としては、一対の軸受部Y7、Y8とガイドシャフトY4との摺動ギャップによるガタ付きによるものと考えられる。
【0008】
実際に、(a)図はフラットベット読取りモードが選択されキャリッジ体Y3を読取方向となる移動方向Aに移動する状態を示したもので、キャリッジ体Y3の一端側を牽引固定部9に固定された牽引手段Y6で矢印F1の方向に引っ張ることで、キャリッジ体Y3の他端側にある移動ガイド手段Y5に押圧する摺動部Y10が遅れることで反時計方向に傾いた状態で、キャリッジ体Y3が第1のプラテンY1(図17)に沿って移動方向Aに移動し、第1のプラテンY1上に置かれた読取原稿の画像を読取る。
【0009】
また、(b)図はシートスルー読取りモードが選択されキャリッジ体Y3を読取方向とは反対方向に配置された第2のプラテンY2(図17)の下方位置に至る移動方向Bに移動する状態を示したもので、キャリッジ体Y3の一端側を牽引固定部9に固定された牽引手段Y6でフラットベット読取りモードとは逆方向となる矢印F2の方向に引っ張ることで、キャリッジ体Y3の他端側にある移動ガイド手段Y5に押圧する摺動部Y10が遅れることで時計方向に傾いた状態で、キャリッジ体Y3が第2のプラテンY2(図17)下方位置に移動され、第2のプラテンY2上を通過する読取原稿の画像を読取ることとなる。
【0010】
しかしながら、フラットベット読取りモードで画像読み取りを行うキャリッジ姿勢と、シートスルー読取りモードで画像読み取りを行うキャリッジ姿勢とが全く正反対の傾き姿勢となることから、読取原稿の読取ライン基準に対しキャリッジの読取ライン基準が大きくずれることとなり、以下の問題が生じる。
【0011】
その問題の一つは、そのずれ相当分を予め考慮し読取領域を広めにすることで、結果、装置のコンパクト性を欠く。また二つ目として、シートスルー読取りモードで画像読み取りを行う場合、読取原稿を自動原稿送り装置を使って搬送するために、読取原稿がスキューし易く、その読取原稿のスキューに状態によって、読取ライン基準に対しキャリッジの読取ライン基準が更に大きくずれることが有り、結果、読取画像が傾き、正常な画像読み取りを行うことが出来ないことがある。
【0012】
そこで、従来は、上述の問題に対し、シートスルー読取りモードで画像読み取りを行う際には、第2のプラテンY2(図17)の下方位置となる読み取り位置を越えオーバーラン移動した後、スイッチバックさせることで、フラットベット読み取りと同方向に移動し停止させ、フラットベット読取りモードで画像読み取りを行うキャリッジ姿勢を作り出すことで、読取原稿の読取ライン基準とキャリッジの読取ライン基準とのずれを最小限に抑える方法を取っている。
【0013】
ところが、このスイッチバック移動方式でキャリッジ姿勢を合わせようとする場合に、キャリッジを読み取り位置を越えオーバーラン移動の距離は最低でも3mm程度のオーバーランが必要で、必要以上に装置本体の外形が大きくなって、装置のコンパクト性を解消することが出来なかった。
【0014】
更に、特許文献2で開示する様な自走式キャリッジを構成する画像読取装置にあっては、キャリッジ移動の際に、自走モータの駆動回転力がキャリッジ姿勢の傾きに直接作用することで、非自走式キャリッジを構成する画像読取装置に比べ特にキャリッジ姿勢問題が起こり易い。
【0015】
本発明は、以上の点に鑑みて、その目的は、キャリッジをオーバーラン移動させること無く、シートスルー読取りモードで画像読み取りを行う際のキャリッジ姿勢を簡単な方法でフラットベット読取りモードで画像読み取りを行うキャリッジ姿勢に合わせ込むことが可能で、以ってコンパクト性に優れた画像読取装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載する画像読取装置は、手置き原稿を載置する第1のプラテンと、流し原稿を通過させる第2のプラテンとを備える装置本体と、前記装置本体に移動可能に支持され、前記原稿の読取ラインに沿って画像を読取る読取手段と、その読取手段を取り付ける装置フレームとを備え、前記第1、第2のプラテンの間にホーム位置を有し、第1のプラテンに沿って移動し手置き原稿を読取る第1の読取移動と、第2のプラテン位置に移動し停止した状態で流し原稿を読取る第2の読取移動するキャリッジと、前記装置本体に配設され前記キャリッジを移動可能に支持するキャリッジ支持手段と、前記キャリッジ支持手段に移動自在に支持された前記キャリッジを走行するキャリッジ走行手段と、を備えた画像読取装置において、前記キャリッジには、前記第1の読取移動時のキャリッジ姿勢状態で前記読取手段の読取基準と前記原稿の読取ラインが一致する方向に前記読取手段の前記装置フレームへの取り付け位置を調整する位置調整手段を備え、前記装置本体には、前記キャリッジ走行手段によって前記第2のプラテンの読取位置への走行移動する前記キャリッジに当接し第1のプラテンに沿って読取走査するキャリッジ姿勢に矯正するキャリッジ姿勢矯正手段を備えて成ることを特徴としている。
【0017】
本発明の請求項2に記載する画像読取装置は、上記請求項1の画像読取装置における前記装置フレームが一端側に軸受け部を、他端側に摺動部を備え、前記キャリッジ支持手段が前記軸受け部を摺動自在に支持するガイドシャフトと、前記摺動部が摺動する摺動面を有するガイドレールから構成している。
【0018】
本発明の請求項3に記載する画像読取装置は、上記請求項1の画像読取装置を非自走式キャリッジに限定し、そのキャリッジ走行手段を、キャリッジを走行方向前後に引っ張るワイヤー、ベルト等の牽引手段で構成している。
【0019】
本発明の請求項4に記載する画像読取装置は、上記請求項1の画像読取装置を自走式キャリッジに限定し、そのキャリッジ走行手段を、キャリッジに搭載された駆動モータと、その駆動モータによって回転するピニオン歯車と、そのピニオン歯車と歯合する装置本体側に配設された歯付きラックとで構成している。
【0020】
本発明の請求項5に記載する画像読取装置は、上記請求項1乃至4の画像読取装置における前記キャリッジ姿勢矯正手段を、第2のプラテンの読取位置に到達したキャリッジにより弾性変形しキャリッジ姿勢を矯正する付勢力を付与するスポンジ、ゴム、圧縮ばね等の弾性体で構成している。
【0021】
本発明の請求項6に記載する画像読取装置は、上記請求項5の画像読取装置における前記弾性体が、第2のプラテンの読取位置に到達手前でキャリッジに当接し、その後キャリッジにより弾性変形可能に配置している。
【発明の効果】
【0022】
上記請求項1に記載の発明によれば、キャリッジに第1の読取移動時のキャリッジ姿勢状態で読取手段の読取基準と原稿の読取ラインが一致する方向に読取手段の装置フレームへの取り付け位置を調整する位置調整手段を備え、装置本体にキャリッジ走行手段によって第2のプラテンの読取位置への走行移動するキャリッジに当接し第1のプラテンに沿って読取走査するキャリッジ姿勢に矯正するキャリッジ姿勢矯正手段を備えることで、そのキャリッジ姿勢矯正手段で第2のプラテンの読取位置におけるキャリッジ姿勢を第1のプラテンに沿って読取走査するキャリッジ姿勢方向に矯正し、キャリッジをオーバーラン移動させること無く、シートスルー読取りモードで画像読み取とるキャリッジ姿勢をフラットベット読取りモードで画像読み取りを行うキャリッジ姿勢を作り出し、読取原稿の読取ライン基準とキャリッジの読取ライン基準とのずれを最小限に抑えることで、オーバーランに要するキャリッジ移動スペースが不要となり、以ってコンパクト性に優れた画像読取装置を提供することが出来る。
【0023】
上記請求項3に記載の発明によれば、上記請求項1の画像読取装置における前記キャリッジの装置フレームが一端側に軸受け部を、他端側に摺動部を備え、前記キャリッジ支持手段が前記軸受け部を摺動自在に支持するガイドシャフトと、前記摺動部が摺動する摺動面を有するガイドレールから構成することで、両側軸受け部の支持構造を取るキャリッジに比べ、キャリッジの傾斜は大きく、この様な一端側を軸受け部を移動支持する装置に最適で、可也の画像読取特性の改善効果が得られる。
【0024】
上記請求項3に記載の発明によれば、上記請求項1の画像読取装置におけるキャリッジ走行手段を、キャリッジを走行方向前後に引っ張るワイヤー、ベルト等の牽引手段で構成することで、非自走式キャリッジを搭載した画像読取装置に適用可能である。
【0025】
上記請求項4に記載の発明によれば、上記請求項1の画像読取装置におけるキャリッジ走行手段を、キャリッジに搭載された駆動モータと、その駆動モータによって回転するピニオン歯車と、そのピニオン歯車と歯合する装置本体側に配設された歯付きラックとで構成することで、自走式キャリッジを搭載した画像読取装置に適用可能である。
【0026】
上記請求項5に記載の発明によれば、上記請求項1乃至4の画像読取装置におけるキャリッジ姿勢矯正手段を、第2のプラテンの読取位置に到達したキャリッジにより弾性変形しキャリッジ姿勢を矯正する付勢力を付与するスポンジ、ゴム、圧縮ばね等の弾性体で構成することで、第2のプラテンの読取位置への走行移動するキャリッジに当接しキャリッジ姿勢を矯正することが出来得る位置に取り付けるだけで、簡単にしかも確実にキャリッジ姿勢を矯正することが出来、以ってコンパクト性に優れた画像読取装置を提供することが出来る。
【0027】
上記請求項6に記載の発明によれば、上記請求項5の画像読取装置における弾性体が、第2のプラテンの読取位置に到達手前でキャリッジに当接し、その後キャリッジにより弾性変形可能に配置していることで、弾性体にキャリッジ姿勢を矯正する付勢力を付与する手段を新設すること無く、しかもキャリッジ自身の移動過程で徐々に付勢力を増大させることで、キャリッジ姿勢を矯正する際に、キャリッジに無理な力を加えずに済み、破損に強く、また騒音、衝撃音の発生を防止できる画像読取装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係わる画像読取装置の全体構成の説明図。
【図2】図1の装置における原稿画像を読取る読取キャリッジの構成を示す説明図。
【図3】図1の装置におけるキャリッジの外観構造を示す斜視説明図。
【図4】図3のキャリッジの自走モータ搭載状態を透視した斜視説明図。
【図5】図4の自走モータを取り付けたスライダー部材のキャリッジ取り付け状態を示す斜視説明図。
【図6】図3のキャリッジの構成を示す平面図。
【図7】図3のキャリッジの部分分解斜視図。
【図8】図3のキャリッジに搭載される光源ユニットの構造を説明する説明図。
【図9】図8の光源ユニットの構成図。
【図10】図1の装置におけるフラットベット読取モード時の読取キャリッジの姿勢を説明する説明図。
【図11】図1の装置におけるシートスルー読取モード時の移動時における読取キャリッジの姿勢を説明する説明図。
【図12】図1の装置におけるシートスルー読取モード時の読取位置直前における読取る読取キャリッジの姿勢矯正機構を説明する説明図。
【図13】図1の装置におけるシートスルー読取モード時の姿勢修正後の読取キャリッジの姿勢矯正機構を説明する説明図。
【図14】本願の画像読取装置におけるキャリッジ姿勢と読取光学系取付基準との位置調整を説明する説明図。
【図15】本願の画像読取装置における位置調整手段の一例を説明する説明図。
【図16】本発明の他の実施例に係わる画像読取装置の全体構成の説明図。
【図17】従来の画像読取装置の全体構成の説明図。
【図18】従来の画像読取装置のキャリッジ支持機構の構造を説明する斜視図。
【図19】従来の画像読取装置のキャリッジ支持機構におけるキャリッジ姿勢に伴う課題を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に本発明に係わる光源ユニット9を内蔵した画像読取装置Aの構成を示す。図1に示す装置は画像読取装置Aと、これに搭載した原稿給送ユニットBから構成されている。以下画像読取装置Aと、これに内蔵されたキャリッジ6の構成及び移動機構について順に説明する。
【0030】
[画像読取装置の全体構成]
まず画像読取装置Aは、図1に示すように装置ハウジング1に第1プラテン2と、第2プラテン3を備えている。この第1、第2プラテン2、3は、ガラスなどの透明素材で形成され、装置ハウジング1の天部に固定されている。そして第1プラテン2は手置きセットする使用可能な原稿の最大寸法サイズに形成され、第2プラテン3は所定速度で移動する原稿を読み取るようにその使用可能な原稿の最大幅サイズに形成されている。上記第1、第2プラテン2、3は図1に示すように互いに並設されている。そして上記装置ハウジング1の内部には画像読取機構が内蔵されている。
【0031】
[画像読取機構の全体構成]
この画像読取機構の一例を図2(図1の要部拡大図)に従って説明する。装置ハウジング1内には、第1プラテン2と第2プラテン3との間で位置移動可能にキャリッジ6が配置されている。これと共にキャリッジ6は第1プラテン2に沿って往復動するように後述するガイドシャフト12に支持されている。
【0032】
[キャリッジ構成]
キャリッジ6は耐熱性樹脂などで構成されたユニットフレーム11に光源ユニット9(後述の第1光源ユニット9aと第2光源ユニット9b及び第3光源ユニット9c)と、原稿からの反射光を偏向する反射ミラー10(第1ミラー10a乃至第5ミラー10e)と、反射ミラー10からの光を集光する集光レンズ7と、集光レンズ7で結像される結像部に配置されたラインセンサ8とが搭載されている。そしてラインセンサ8から電気信号として出力された画像データを画像処理部に転送するようにデータ転送ケーブルによって画像処理部(データ処理ボード;不図示)に電気的に接続されている。
【0033】
[キャリッジの支持機構]
キャリッジ6は、図3で示す様に装置ハウジング1に配置されたガイドシャフト12にキャリッジ6の一端が軸受けされ、キャリッジ6の他端がレール部材GLにより保持され、装置ハウジング1に対し往復動自在に支持されている。尚、ガイドシャフト12とレール部材GLは、装置ハウジング1にそれぞれ並行で、しかも第1、第2プラテン2、3の平面に対し並行に取り付けることで、キャリッジ6を第1、第2プラテン2、3と並行に安定して往復動するように構成している。
【0034】
[キャリッジの移動機構]
キャリッジ6には図3乃至図5で示す様に自走式モータMOが搭載され、自走式モータMOに駆動連結する歯車列の最終歯車となるピニオン歯車PG(キャリッジ走行手段の走行歯車)が装置ハウジング1に固定支持したラックLKと駆動連結させ、自走式モータMOの正逆転で図2左右方向に往復動するキャリッジ走行手段を形成している。
【0035】
(自走モータの支持機構)
その自走式モータMOは、駆動連結する歯車列とピニオン歯車PGと共に取付ユニット部材FBに支持される。この取付ユニット部材FBにはガイドシャフト12に嵌合する軸受け部G1、G2が自走式モータMOの取付部と共に一体成形されている。
【0036】
(自走モータの取付手順)
そして、まず自走式モータMOと駆動連結する歯車列とピニオン歯車PGとがそれぞれ組み込まれユニット化された取付ユニット部材FBをキャリッジ6の所定箇所に止めビスやブッシュ等の固定部材KTで固定する。次に、取付ユニット部材FBの軸受け部G1、G2をガイドシャフト12に嵌合した状態で、事前に装置ハウジング1に取り付けて有るレール部材GLにキャリッジ6の他端を支持させながら、ガイドシャフト12を装置ハウジング1に取り付ける。その後、ピニオン歯車PGに歯合させたラックLKをガイドシャフト12を取付基準として装置ハウジング1に取り付け組込を完成させる。
【0037】
[光源ユニット]
次に、キャリッジ6に搭載され読取面Rに光を照射する光源ユニット9について説明する。光源ユニット9は、読取面Rの読取りライン(図2に示す読取面Rと直交する主走査方向読取り幅)に線状光を照射する。この光源ユニット9は図2に示す第1光源ユニット9aと第2光源ユニット9bと第3光源ユニット9cを搭載する構成で、その第1、第2、第3の光源ユニット9a、9b、9cは、それぞれ導光体30と発光体40で構成され、第1、第2光源ユニット9a、9bは図6で示すキャリッジ6のユニットフレーム11に搭載されている。そして、その組み立て分解図である図7に示す様に、第1、第2光源ユニット9a、9bは、キャリッジ6に固定される光源収容部(導光体支持枠)13に形成された第1収容部13aと第2収容部13bにそれぞれ収容される。また、第3光源ユニット9cは光沢読取時に使用される光源で、図7の分解図では図示していないが、導光体30と発光体40で構成され、図2で示す位置にユニットフレーム11とは別でキャリッジ6内に取り付けられている。
【0038】
また、キャリッジ6のユニットフレーム11には放熱部材(ヒートシンク)14が取り付けられている。この放熱部材14には耐熱シート(耐熱樹脂板)15を介して回路基板16がバックアッププレート17により密着した状態でネジ止めにより一体的に取付けられている。
【0039】
[導光体の構成]
導光体30は、図7及び図8に示すように読取面Rの読取幅(読取りライン幅)Wに応じた長さの棒状透光部材で構成されている。導光体30は例えば透明アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの透光性に富んだ材料で構成され、その断面形状は矩形状、或いは図示のように断面扇形状に構成され、一端面31Lには発光体40が配置され、他端面31Rには鏡面仕上げされ、その外表面に例えばウレタン系白色インキ等の反射塗料が塗られ反射面を構成している。そしてこの導光体30には光散乱面32と光出射面33が互いに対向するように配置されている。
【0040】
つまり、図8に示すように光散乱面32と光出射面33は距離Ldを隔てて略並行に読取りライン幅Wの長さで対向配置されている。光散乱面32は例えばウレタン系白色インキ等の反射塗料を塗装加工、エッチング加工、モールド成形加工などで凹凸面に形成され導入された光を乱反射するように表面加工されている。また、光出射面33は透光性に富んだレンズ表面のように表面仕上げされている。
【0041】
従って、導光体30内に導入された光は光散乱面32で所定方向に拡散され、光出射面33に導入された光は所定の臨界角度以上のときには内部に反射し、臨界角度以下のときには外部に出射される。図8に矢印haで示す光は導光体30内で反射し読取りライン幅W方向に分散し、矢印hbで示す光は光出射面33から読取面Rに出射することとなる。尚、図示しないが後述する発光体40からは球方向(360度方向;図示のものは60度広角方向)に光が入射され、光散乱面32と光出射面33に照射される。
【0042】
また、導光体30内で反射を繰り返し他端面31Rに到達した光は、他端面31Rの表面で反射され発光体40側に戻され、同様に光散乱面32で乱反射した矢印haで示す光は光出射面33から読取面Rに出射することとなる。この特性を利用し、発光体40の一端面31Lに対する配置を調整し、一端面31L側の光出射面33から読取面Rに出射する光を下げ、他端面31Rの表面で反射される光を増やすことで、一端面31L側の光量を下げ、他端面31R側の光量を上げることが出来、読取面Rに出射する光量を均一化、光学縮小系タイプの集光レンズ7を使う場合にはそのレンズ特性に依存するコサイン4乗則の光量分布に近い光量調整をすることが出来る。
【0043】
[発光体の構成]
発光体40(41、42、43)は、図8で示す様に回路基板16に面状発光素子(図示のものはLED発光素子)がマウントされている。この発光素子をマウントした回路基板16は発光面と導光体30の一端面31Lとの間にギャップdを隔てて配置する。このギャップdは2ミリが最適値して設定されている。尚、図9は発光体40(41、42、43)が回路基板16にマウントされた状態での配置構造を示す。また、発光体40(41、42、43)は面状発光素子で構成され、白色LEDで構成されている。更に、光量全体を上げる為に、他端面31Rの反射塗料に代えて同様の発光体40(41、42、43)を配置しても良い。
【0044】
また、図8に示すように他端面31Rの反射面は、光散乱面32の法線方向hxに対して角度θだけ角度調整することによって上述の光量特性を補正することが可能となる。つまり図8に示す様に、この反射面の角度を時計方向にプラスθ傾けると主走査方向両端部の光量が大きくなり、逆に反時計方向にマイナスθ傾けると主走査方向両端部の光量は小さくなり、この角度を予め導光体30を設計する際に設定することによって簡単に集光レンズ7の特性に合致させることが可能となる。尚、取付角度は3°±1°程度が最適値である。
【0045】
[拡散反射光源ユニットの制御構成]
図2に従って前述した光源ユニット9の制御について説明すると、まず拡散反射光源としての第1光源9aと第2光源9bについて説明する。この第1光源9aと第2光源9bは光沢度が比較的高い画像を含んだ原稿以外の通常原稿を読む際に使われる光源で、図9に示すように第1プラテン2と第2プラテン3の読取面Rに光を照射し、読取原稿で反射した拡散反射光を利用している。この光源ユニット9a(9b)は図示のように2つの光源で構成する必然性はなく、1本或いは3本以上の光源で構成しても良い。この場合、後述する原稿給送ユニットBでは、第2プラテン3を走行する原稿の速度を、第1プラテン2に沿ってキャリッジ6が移動する速度より高速にしている。
【0046】
つまり、第1プラテン2の読取り速度より第2プラテン3の読取り速度を高速にしている。このため原稿に照射する光量を第1プラテン2より第2プラテン3を高くすることが好ましい。
【0047】
このような光量調整は次のいずれかの方法を採用することによって可能である。(1)キャリッジ6に搭載された光源ユニット9に供給する電力を高低調節する。例えば光源ユニット9に電源を供給する電源供給回路に供給電圧又は供給電流の切り換え手段を設け、ランプに供給する電力を高低調整する光量調整手段を設ける。この光量調整手段はPWM制御として広く知られているのでその詳細説明を省く。
【0048】
次の方法は、(2)キャリッジ6に搭載された第1第2、少なくとも2つの光源ユニット9a、9bを選択的に点灯する光量調整手段を設ける。図2に示す装置はキャリッジ6に第1導光体30aと第2導光体30bが搭載され、第1プラテン2上の原稿に光を照射する際には第1導光体30aに電源供給して第1プラテン2上の原稿に光を照射し、第2プラテン3上の原稿に光を照射する際には第1導光体30aと第2導光体30bに電源供給して第2プラテン3上の原稿に光を照射するように構成されている。
【0049】
このような構成においてキャリッジ6が第1プラテン2に位置するときには第1導光体30aを、第2プラテン3に位置するときには第1導光体30aと第2導光体30bを点灯する。これによって原稿に照射する光量を調整することが可能となり、供給電源を「ON」「OFF」するスイッチング回路が光量調整手段を構成することとなる。
【0050】
[正反射光源ユニットの制御構成]
次に、正反射光源としての第3光源9cについて説明する。この第3光源9cは、例えば光沢度が比較的高い画像を含んだ原稿を読む際に使われる光源で、図2に示すように第1光源9aと第2光源9bの拡散光源とは異なり、読取基準直下に配置された第1ミラー10aの下方に配置されたリフレクター18を介し出来るだけ真下から読取面に光を照射することで、読取原稿から反射する反射光の大半が正反射光となる様に、第3光源9cとリフレクター18が配置されている。実際のところ、第1ミラー10aをハーフミラーで構成することが理想であるが、光量を200%に上げることは困難で、この場合には第1ミラー10aの両側面(図中、点線)からの照射となり、2°乃至3°程度光路中心を外しているが、正反射光を十分に得ることが出来、画像読取には支障が無いとしている。
【0051】
そして、その光沢画像読取について、光沢画像読取をする為には、予め本体モード選択により光沢画像読取モードを選択し、光沢画像読取用の処理ソフトに従って走査することとなる。ここでは上記通常原稿を読む場合との光源ユニット9の照明方法と画像処理について概略説明する。まず、第1プラテン2に光沢原稿をセットした上で読取開始ボタンを押すと、拡散反射光源の第1、第2光源9a、9bの少なくとも一方を点灯した状態でキャリッジ6を移動しながら光沢原稿の読取範囲全域を走査して画像を読取る。続き、逆送し初期位置に戻ったところで、点灯した拡散反射光源を消灯すると共に正反射光源の第3光源9cを点灯し、点灯した状態で同様にキャリッジ6を移動しながら光沢原稿の読取範囲全域を走査して画像を読取る。その読取と同時に、正反射出力データが予め設定した基準値以上であれば光沢画像データと判断し、先に読取った拡散反射光照明による拡散反射出力データの値と置き換えメモリーに書き込む処理を行う。この結果、写真の様な全体が光沢画像は光沢画像として、また文章中の一部に写真が貼られた原稿はその写真部分が光沢画像として読取ることが出来る。
【0052】
[原稿搬送ユニットの構成]
原稿給送ユニットBは図1に示すように上述の第1、第2プラテン2、3を覆うようにその上方に配置され、上記第2プラテン3に原稿シートを給送するリードローラ(原稿給送手段)21と搬出ローラ22とを備えている。更に上記リードローラ21の上流側には原稿シートを積載収納する給紙スタッカ23と、この給紙スタッカに積載されてシートを1枚ずつ分離給送する給紙ローラ24と、分離給送されたシートの先端をスキュ修正するレジストローラ対25が配置されている。図示26は給紙スタッカ23から第2プラテン3に原稿シートを案内する給紙経路であり、図示S1はプラテンに至る原稿の先端を検知するリードセンサである。
【0053】
図示の装置は第2プラテン3の上方に原稿シートを案内するバックアップローラ27が配置されている。このバックアップローラ27はリードローラ21と同一周速度で回転し第2プラテン3上に原稿シートをフィットさせる為であり、このバックアップローラ27を設けることなくプラテン上方にバックアップカイドを配置しても良い。
【0054】
上記搬出ローラ22の下流側には排紙ローラ28と排紙スタッカ29が配置されている。この排紙スタッカ29は図2に示すように給紙スタッカ23の下方に上下並列に配置され、その底部には前述の第1プラテン2上の原稿シートを押圧支持するプラテンカバー5が設けられている。
【0055】
このように構成された原稿給送ユニットBは画像読取ユニットAの装置ハウジング1に開閉自在に据え付けられている。そして第1プラテン2を開放した状態で原稿シートを載置セットし、この原稿給送ユニットBのプラテンカバー5でこの原稿を覆うように構成されている。
【0056】
[読取キャリッジ姿勢<フラットベット読取モード>]
まず、フラットベット読取モード選択時の読取キャリッジ姿勢について説明する。図10で示す様に、図中、ホームポジションHPに位置するキャリッジ6(細線表示)を矢印の副走査方向に自走モータMOで移動させることでフラットベット読取を開始する。この副走査移動に伴ってキャリッジ6は、ピニオン歯車PGの回転軸を中心に反時計方向に所定角度+θ傾斜姿勢を取りながら第1のプラテン2に沿ってフラットベット読取領域FBを移動し、読取原稿の画像を読取る。尚、所定角度+θの傾斜姿勢を取る要因は、先に説明したガイドシャフト12に摺動するために設けられた軸受け部G1、G2の摺動ガタと、ピニオン歯車PGとラックLKとの間に設けられたバックラッシュガタにより作られる最大傾斜角である。実際には移動ガイド手段GL上を押圧摺動する摺動部PJに作用する摩擦力によって最大傾斜角に至ることは無く、各装置毎に個体差を持って所定の傾斜姿勢角度に対し許容差を持つことと成る。一方、画像処理では、所定角度+θを基準に読取った画像データの傾斜を補正し、傾きの無い画像を得る様にしている。
【0057】
[読取キャリッジ姿勢<シートスルー読取モード>]
次に、図11乃至図13でシートスルー読取モード選択時の読取キャリッジ姿勢について説明する。まず図11で示す状態図では、図中、ホームポジションHPに位置するキャリッジ6(細線表示)を矢印の副走査方向とは逆の方向に自走モータMOで移動させることでキャリッジ6をシートスルー読取位置DFへ移動を開始する。このシートスルー読取位置DFへ移動に伴ってキャリッジ6は、ピニオン歯車PGの回転軸を中心に時計方向に所定角度−θ傾斜姿勢を取りながら第2のプラテン3に向かって移動する。尚、所定角度−θの傾斜姿勢を取る要因は、フラットベット読取モード選択時の読取キャリッジ姿勢要因によるもので、この場合はラックLKに歯合するピニオン歯車PGの回転方向が逆回転となることから傾斜が逆向きとなる。
【0058】
図12で示す状態図では、キャリッジ6がシートスルー読取位置DFの手前でスポンジ、ゴム、圧縮ばね等の弾性体から成るキャリッジ姿勢矯正手段SPに当接し、そのキャリッジ姿勢矯正手段SPを引き続くキャリッジ6のシートスルー読取位置DFへの移動で弾性変形させ、その弾性変形によってチャージされた付勢力でキャリッジ6を揺動付勢する。このときの付勢力はキャリッジ姿勢矯正手段SPとして用いる弾性体としてスポンジを選べば、そのスポンジの材質と弾性力特性によって予め計算で求め設定することが出来る。
【0059】
図13で示す状態図では、キャリッジ6がシートスルー読取位置DFに移動したとこで自走モータMOが停止され、ショート回路、ディテントトルク等の保持力でそのシートスルー読取位置DFに保持される。その際、キャリッジ姿勢矯正手段SPの付勢力でキャリッジ6が揺動付勢され、ピニオン歯車PGの回転軸を中心に反時計方向に所定角度+θ強制的に傾斜させられ、結果、シートスルー読取モードでの読取キャリッジ姿勢がフラットベット読取モードでの読取キャリッジ姿勢とほぼ同一姿勢となり、読取画像の傾き補正処理をフラットベット読取モードでの処理と同一にすることが出来、制御が簡素化される。
【0060】
[キャリッジ姿勢と読取光学系取付基準との位置調整]
次に、図14に基づき本願の画像読取装置におけるキャリッジ姿勢と読取光学系取付基準との位置調整工程について説明する。この位置調整工程は直接画像読取精度に左右するもので、その調整方法には大きく二つの方法が有り、図14(A)は、キャリッジ取付姿勢を基準として読取光学系取付基準を傾け位置調整する第1の調整方法の実施例を示している。また、図14(B)は、フラットベット読取モード時のキャリッジ移動姿勢を基準として読取光学系取付基準を位置調整する第2の調整方法の実施例を示している。
【0061】
[位置調整工程]
まず、その位置調整工程ついて説明する。上述で説明した様にガイドシャフト12に沿ってキャリッジ6を摺動可能に支持するためには、ガイドシャフト12とキャリッジ6の軸受G1、G2との間に摺動ガタを最低限持たせなければ成らない。この実施例の場合、その摺動ガタによりガイドシャフト12に対するキャリッジ6の姿勢が傾斜角θで表すと最大0.14°(±0.07°)、最小0.08°(±0.04°)傾斜する。その傾斜した状態で画像を読取った場合、キャリッジ6に搭載された
光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)とがキャリッジ6の傾斜相当分ズレた状態で読取処理が行われることと成り読取精度に大きく影響する。その影響として、例えば主走査方向(読取方向)に平行な直線が傾き、画像全体が傾斜角θ回転した状態となる。そこで、この様な事態を起こさない為に、キャリッジ6の必然的な傾斜を予め考慮し、そのキャリッジ6の傾斜状態で光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)とが一致する様に、キャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け姿勢を調整するための工程である。以下にその調整方法について詳述する。尚、光学ユニットOPは、光源ユニット9と、第1乃至第5ミラー10a乃至10eと、集光レンズ7と、画像読取センサ(ラインセンサ)8から構成された読取手段である。
【0062】
[第1の調整方法]
最初に図14(A)で示す第1の調整方法について説明する。この調整工程では、装置本体と同様な光学調整冶具が製作され、その光学調整冶具に各キャリッジを取付行われる。そしてその光学調整冶具に対しキャリッジ6が移動する方向(副走査方向)に平行に配設されたガイドシャフト12に対し、その直交する方向(主走査方向)をキャリッジ取付基準姿勢として、キャリッジ6がその直交する方向(主走査方向)に平行に成る様に、キャリッジ6の軸受G1、G2の中心軸をガイドシャフト12に平行に形成され、キャリッジ6がガイドシャフト12に移動可能に取り付けられる。そして、図10で示す様にキャリッジ6をフラットベット読取移動時の傾斜(そのときの傾斜角度は、各キャリッジの部品バラツキを吸収した角度傾斜)した姿勢状態にする為に、キャリッジの摺動荷重で加圧し、強制保持する。その状態で第1のプラテン2に相当する調整用プラテンにセットしたテストチャート(図示せぬ)を画像読取センサ8で読み取り、画像読取センサ8の出力画像をモニターで見ながら、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)とが一致する様にキャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け角度を調整し完了させる。
【0063】
[第2の調整方法]
次に図14(B)で示す第2の調整方法について説明する。この調整工程では、同様に光学調整冶具に対しキャリッジ6が移動する方向(副走査方向)に平行にガイドシャフト12を配設する。一方、キャリッジ6は、予めガイドシャフト12とキャリッジ6の軸受G1、G2の摺動ガタによるキャリッジ6のフラットベット読取移動時の傾斜(+θ≒目論み傾斜角(0.07+0.04)÷2=0.055°)を設計上で目論み、その目論み値からガイドシャフト12に対するキャリッジ6の軸受G1、G2の中心軸が紙面時計方向に傾斜(−θ≒目論み傾斜角0.055°)した状態で形成若しくは取り付けると共に、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)はキャリッジ6の紙面長手方向(主走査方向)に対し平行になるよう仮止めした状態とする。そして、キャリッジ6をガイドシャフト12に組み込むことで、キャリッジ6はガイドシャフト12に対する直交する方向(主走査方向)に対し紙面時計方向に傾斜(−θ≒目論み傾斜角0.055°)した状態で組み込まれ、この状態をキャリッジ取付基準姿勢としてガイドシャフト12に移動可能に取り付けられる。そして、キャリッジ6をフラットベット読取方向に移動すると、キャリッジ6が予め目論んだ傾斜角度(+θ≒目論み傾斜角0.055°)傾き、キャリッジ6がガイドシャフト12に対する直交する方向(主走査方向)に平行な姿勢状態となり、簡易的に光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)とが一致する。この状態で第1のプラテン2上にテストチャート(図示せぬ)を置き、そのテストチャートを画像読取センサ8で読み取り、画像読取センサ8の出力画像をモニターで見ながら、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)とが正確に一致若しくは許容値内に成る様にキャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け角度を微調整し完了させる。
【0064】
この様なキャリッジ姿勢と読取光学系取付基準との位置調整工程をすることで、従来の様な読取る画像領域を大きく設定し、傾いた読取画像を画像処理ソフトで修正する必要が無い。結果、読取る画像領域を必要最低限に設定することが出来、装置寸法を小さくすることが出来る。
【0065】
尚、図15は上述の第1の調整方法におけるキャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け角度を微調整する位置調整手段として調整ネジを使った一例を示したものです。まず、調整前の状態を示す(A)図の様に、光学調整冶具に配設したガイドシャフト12をキャリッジ6の図5で示す一対の軸受け部G1、G2に貫通させ、キャリッジ6を移動ガイド部材(レール部材)GLとの間に移動自在にセットする。そのキャリッジ6の光学ユニットOPを支持する枠体内面には、光学ユニットOPの取付ける基準面を規制する三つの突出部6a、6b、6cが形成され、また枠体に装着された光学ユニットOPをこの突出部6a、6b、6cに圧接支持する弾性変形可能な位置決め部材6d、6eを有し、更に位置決め部材6d、6eに押圧され突出部6a、6b、6cに圧接された光学ユニットOPを突出部6aを揺動支点として紙面時計方向に揺動する調整ネジSP(位置調整手段)が設けられている。
【0066】
次に、(B)図で示す様に、上記(A)図のセット状態にあるキャリッジ6に対し強制的に矢印の方向に加圧し、上述したフラットベット読取時の移動に伴って傾斜するキャリッジ姿勢になる様に強制保持する。このキャリッジ6が傾斜した状態のままでは、光学ユニットOPの読取基準が傾斜角度(+θ≒目論み傾斜角0.055°)傾き、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)がズレた状態となる。
【0067】
そこで、(C)図で示す様に、キャリッジ6がフラットベット読取時のキャリッジ姿勢に強制保持された状態において、調整ネジ6f(位置調整手段)を矢印方向にねじ込むことで、光学ユニットOPがキャリッジ6の突出部6aを揺動支点として時計方向に傾斜角度(−θ≒目論み傾斜角0.055°)だけキャリッジ6の傾きに対し逆方向に傾けられ、結果、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)が一致した状態に調整することが出来る。
【0068】
また、上述の第2の調整方法におけるキャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け角度を微調整する位置調整手段について特に図面として示していないが、簡単に説明すると、この調整方法では上述の様にキャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け角度を微調整することはせず、ガイドシャフト12に対しキャリッジ6の取り付け角度を微調整することと成る。この為に、図5で示す軸受け部G1、G2を形成した取付ユニット部材FBのキャリッジ6に止めビスやブッシュ等の固定部材KTで三点支持する箇所の一つを揺動支点孔で、他の二つを揺動可能なスリット状の長孔(位置調整手段に相当)で形成する。そして、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)が一致した状態になるようキャリッジ6を強制保持し、その状態で軸受け部G1、G2とガイドシャフト12の摺動ガタを取る方向に取付ユニット部材FBを揺動させた位置で、取付ユニット部材FBをキャリッジ6に取付けることで位置調整を行うことが出来る。
【0069】
[他の実施例]
以上の説明では、自走モータをキャリッジに搭載した所謂自走式キャリッジの実施例について説明したが、図16で示す様な非自走式キャリッジを搭載した画像読取装置にも適応できる。図16は、本発明の他の実施例に係わる画像読取装置の全体構成を示すもので、先に説明した図1で表示する同一符号の各部材は同一部材を示している。そして、この装置は図1で示す実施例とはキャリッジ走行手段で相違している。そのキャリッジ走行手段として、装置本体の両端間に張られたワイヤー、ベルト等の牽引手段WRと、その牽引手段WRを引っ張る駆動モータMOとを有し、キャリッジ6は図示の様にその牽引手段WRの一部と締付手段WR1で固定され、駆動モータMOの正逆転でガイドシャフト12に沿って移動される。また、図中、OPは光学ユニットSPでキャリッジ6の装置フレーム11に対し先に説明した位置調整手段により動揺に位置調整可能に支持される。更に、第2のプラテン3の読取位置への走行移動するキャリッジ6に当接し第1のプラテン2に沿って読取走査するキャリッジ姿勢に矯正するキャリッジ姿勢矯正手段SPを備えている。
【産業上の利用可能性】
【0070】
また、効果の程度は小さいが移動ガイド部材(レール部材)GLをガイドシャフト12とした両軸受け構造の装置であっても、牽引手段の牽引位置により摺動ガタによる移動体の傾きが移動方向に応じ一定方向にその傾きが現れる移動キャリッジであれば本願の適用が可能で、摺動ガタによる特性不良を改善することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 画像読取装置
2 第1のプラテン
3 第2のプラテン
6 キャリッジ
6f 位置調整手段(調整ネジ)
7 集光レンズ
8 画像読取センサ(ラインセンサ)
10 ミラー
12 ガイドシャフト
GL 移動ガイド部材(レール部材)
LK ラック(キャリッジ走行手段の固定歯)
MO 自走モータ
PJ 摺動部
PG ピニオン歯車(キャリッジ走行手段の走行歯車)
SP キャリッジ姿勢矯正手段
OP 光学ユニット(読取手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿シート上の画像を読み取るスキャナ装置、或いはファクシミリ、複写機などの複合装置における画像読取装置に係わり、原稿画像を読み取る為にプラテンに沿って移動走査可能なキャリッジの姿勢制御機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の画像読取装置として、読取原稿を手動で載置する第1のプラテンと、自動原稿送り装置を使って読取原稿を自動で送り込む第2のプラテンと、この第1、第2のプラテンに沿って移動走査可能なキャリッジとを備え、第1のプラテンに手動で載置した読取原稿を前記キャリッジの移動走査で読取る所謂フラットベット読取りモードと、第2のプラテン直下に前記キャリッジを移動停止した状態で自動原稿送り装置によって順次給送される読取原稿を読取る所謂シートスルー読取りモードとを選択的に切り替えて画像読取をするものが知られている。
【0003】
例えば、その画像読取装置の一例として特許文献1が知られている。その画像読取装置は、図17で示すように、スキャナ本体Yと、そのスキャナ本体Y上に上方開閉可能に支持され搭載された自動原稿送り装置Zから構成されている。そのスキャナ本体Yは、原稿を載置する第1のプラテンY1と、自動原稿送り装置Zから給送される読取原稿が通過する第2のプラテンY2と、牽引手段Y6によって移動ガイド手段Y4、Y5に沿って移動可能なキャリッジ体Y3で構成されている。また、自動原稿送り装置Zは、読取原稿を載置する原稿給紙台Z1と、原稿給紙台Z1から送り込まれた読取原稿を第2のプラテンY2上面を通過させる原稿搬送経路Z2と、第2のプラテンY2を通過して原稿搬送経路Z2から排出される読取原稿を積載収容する原稿排紙台Z3で構成されている。
【0004】
また、キャリッジ体Y3を移動ガイド手段Y4、Y5に沿って移動可能に支持するキャリッジ支持機構は、図18でその概要を示すような構成と成っている。まず、キャリッジ体Y3は、
一端側に許容可能な間隔を隔て一対の軸受部Y7、Y8と、牽引手段Y6を固定支持する牽引固定部9を備え、他端側に摺動し易い形状に樹脂成形された摺動部Y10(摺動突出部)を備えている。一方、移動ガイド手段Y4、Y5は、一対の軸受部Y7、Y8が貫通する円柱状のガイドシャフトY4と、キャリッジ体Y3の自重で押圧する摺動部Y10を摺動自在に支持する摺動平面を形成したL字状のガイドレールY5で構成されている。
【0005】
更に、牽引手段Y6としては、特許文献1で開示する走行ベルト(歯付きタイミングベルト)の他に特許文献2で示すようなワイヤーが用いられる。尚、特許文献2の様にキャリッジ体に移動モータを搭載するタイプは一般に自走式キャリッジとして知られ、この種の自走式キャリッジにはワイヤーとプーリに代えラックとピニオン歯車で構成するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−21641号公報
【特許文献2】特開2001−83623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のキャリッジ支持機構では、図19で示す様にキャリッジ体の移動方向によってキャリッジ体の姿勢の傾く方向が異なることが知られている。その要因としては、一対の軸受部Y7、Y8とガイドシャフトY4との摺動ギャップによるガタ付きによるものと考えられる。
【0008】
実際に、(a)図はフラットベット読取りモードが選択されキャリッジ体Y3を読取方向となる移動方向Aに移動する状態を示したもので、キャリッジ体Y3の一端側を牽引固定部9に固定された牽引手段Y6で矢印F1の方向に引っ張ることで、キャリッジ体Y3の他端側にある移動ガイド手段Y5に押圧する摺動部Y10が遅れることで反時計方向に傾いた状態で、キャリッジ体Y3が第1のプラテンY1(図17)に沿って移動方向Aに移動し、第1のプラテンY1上に置かれた読取原稿の画像を読取る。
【0009】
また、(b)図はシートスルー読取りモードが選択されキャリッジ体Y3を読取方向とは反対方向に配置された第2のプラテンY2(図17)の下方位置に至る移動方向Bに移動する状態を示したもので、キャリッジ体Y3の一端側を牽引固定部9に固定された牽引手段Y6でフラットベット読取りモードとは逆方向となる矢印F2の方向に引っ張ることで、キャリッジ体Y3の他端側にある移動ガイド手段Y5に押圧する摺動部Y10が遅れることで時計方向に傾いた状態で、キャリッジ体Y3が第2のプラテンY2(図17)下方位置に移動され、第2のプラテンY2上を通過する読取原稿の画像を読取ることとなる。
【0010】
しかしながら、フラットベット読取りモードで画像読み取りを行うキャリッジ姿勢と、シートスルー読取りモードで画像読み取りを行うキャリッジ姿勢とが全く正反対の傾き姿勢となることから、読取原稿の読取ライン基準に対しキャリッジの読取ライン基準が大きくずれることとなり、以下の問題が生じる。
【0011】
その問題の一つは、そのずれ相当分を予め考慮し読取領域を広めにすることで、結果、装置のコンパクト性を欠く。また二つ目として、シートスルー読取りモードで画像読み取りを行う場合、読取原稿を自動原稿送り装置を使って搬送するために、読取原稿がスキューし易く、その読取原稿のスキューに状態によって、読取ライン基準に対しキャリッジの読取ライン基準が更に大きくずれることが有り、結果、読取画像が傾き、正常な画像読み取りを行うことが出来ないことがある。
【0012】
そこで、従来は、上述の問題に対し、シートスルー読取りモードで画像読み取りを行う際には、第2のプラテンY2(図17)の下方位置となる読み取り位置を越えオーバーラン移動した後、スイッチバックさせることで、フラットベット読み取りと同方向に移動し停止させ、フラットベット読取りモードで画像読み取りを行うキャリッジ姿勢を作り出すことで、読取原稿の読取ライン基準とキャリッジの読取ライン基準とのずれを最小限に抑える方法を取っている。
【0013】
ところが、このスイッチバック移動方式でキャリッジ姿勢を合わせようとする場合に、キャリッジを読み取り位置を越えオーバーラン移動の距離は最低でも3mm程度のオーバーランが必要で、必要以上に装置本体の外形が大きくなって、装置のコンパクト性を解消することが出来なかった。
【0014】
更に、特許文献2で開示する様な自走式キャリッジを構成する画像読取装置にあっては、キャリッジ移動の際に、自走モータの駆動回転力がキャリッジ姿勢の傾きに直接作用することで、非自走式キャリッジを構成する画像読取装置に比べ特にキャリッジ姿勢問題が起こり易い。
【0015】
本発明は、以上の点に鑑みて、その目的は、キャリッジをオーバーラン移動させること無く、シートスルー読取りモードで画像読み取りを行う際のキャリッジ姿勢を簡単な方法でフラットベット読取りモードで画像読み取りを行うキャリッジ姿勢に合わせ込むことが可能で、以ってコンパクト性に優れた画像読取装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載する画像読取装置は、手置き原稿を載置する第1のプラテンと、流し原稿を通過させる第2のプラテンとを備える装置本体と、前記装置本体に移動可能に支持され、前記原稿の読取ラインに沿って画像を読取る読取手段と、その読取手段を取り付ける装置フレームとを備え、前記第1、第2のプラテンの間にホーム位置を有し、第1のプラテンに沿って移動し手置き原稿を読取る第1の読取移動と、第2のプラテン位置に移動し停止した状態で流し原稿を読取る第2の読取移動するキャリッジと、前記装置本体に配設され前記キャリッジを移動可能に支持するキャリッジ支持手段と、前記キャリッジ支持手段に移動自在に支持された前記キャリッジを走行するキャリッジ走行手段と、を備えた画像読取装置において、前記キャリッジには、前記第1の読取移動時のキャリッジ姿勢状態で前記読取手段の読取基準と前記原稿の読取ラインが一致する方向に前記読取手段の前記装置フレームへの取り付け位置を調整する位置調整手段を備え、前記装置本体には、前記キャリッジ走行手段によって前記第2のプラテンの読取位置への走行移動する前記キャリッジに当接し第1のプラテンに沿って読取走査するキャリッジ姿勢に矯正するキャリッジ姿勢矯正手段を備えて成ることを特徴としている。
【0017】
本発明の請求項2に記載する画像読取装置は、上記請求項1の画像読取装置における前記装置フレームが一端側に軸受け部を、他端側に摺動部を備え、前記キャリッジ支持手段が前記軸受け部を摺動自在に支持するガイドシャフトと、前記摺動部が摺動する摺動面を有するガイドレールから構成している。
【0018】
本発明の請求項3に記載する画像読取装置は、上記請求項1の画像読取装置を非自走式キャリッジに限定し、そのキャリッジ走行手段を、キャリッジを走行方向前後に引っ張るワイヤー、ベルト等の牽引手段で構成している。
【0019】
本発明の請求項4に記載する画像読取装置は、上記請求項1の画像読取装置を自走式キャリッジに限定し、そのキャリッジ走行手段を、キャリッジに搭載された駆動モータと、その駆動モータによって回転するピニオン歯車と、そのピニオン歯車と歯合する装置本体側に配設された歯付きラックとで構成している。
【0020】
本発明の請求項5に記載する画像読取装置は、上記請求項1乃至4の画像読取装置における前記キャリッジ姿勢矯正手段を、第2のプラテンの読取位置に到達したキャリッジにより弾性変形しキャリッジ姿勢を矯正する付勢力を付与するスポンジ、ゴム、圧縮ばね等の弾性体で構成している。
【0021】
本発明の請求項6に記載する画像読取装置は、上記請求項5の画像読取装置における前記弾性体が、第2のプラテンの読取位置に到達手前でキャリッジに当接し、その後キャリッジにより弾性変形可能に配置している。
【発明の効果】
【0022】
上記請求項1に記載の発明によれば、キャリッジに第1の読取移動時のキャリッジ姿勢状態で読取手段の読取基準と原稿の読取ラインが一致する方向に読取手段の装置フレームへの取り付け位置を調整する位置調整手段を備え、装置本体にキャリッジ走行手段によって第2のプラテンの読取位置への走行移動するキャリッジに当接し第1のプラテンに沿って読取走査するキャリッジ姿勢に矯正するキャリッジ姿勢矯正手段を備えることで、そのキャリッジ姿勢矯正手段で第2のプラテンの読取位置におけるキャリッジ姿勢を第1のプラテンに沿って読取走査するキャリッジ姿勢方向に矯正し、キャリッジをオーバーラン移動させること無く、シートスルー読取りモードで画像読み取とるキャリッジ姿勢をフラットベット読取りモードで画像読み取りを行うキャリッジ姿勢を作り出し、読取原稿の読取ライン基準とキャリッジの読取ライン基準とのずれを最小限に抑えることで、オーバーランに要するキャリッジ移動スペースが不要となり、以ってコンパクト性に優れた画像読取装置を提供することが出来る。
【0023】
上記請求項3に記載の発明によれば、上記請求項1の画像読取装置における前記キャリッジの装置フレームが一端側に軸受け部を、他端側に摺動部を備え、前記キャリッジ支持手段が前記軸受け部を摺動自在に支持するガイドシャフトと、前記摺動部が摺動する摺動面を有するガイドレールから構成することで、両側軸受け部の支持構造を取るキャリッジに比べ、キャリッジの傾斜は大きく、この様な一端側を軸受け部を移動支持する装置に最適で、可也の画像読取特性の改善効果が得られる。
【0024】
上記請求項3に記載の発明によれば、上記請求項1の画像読取装置におけるキャリッジ走行手段を、キャリッジを走行方向前後に引っ張るワイヤー、ベルト等の牽引手段で構成することで、非自走式キャリッジを搭載した画像読取装置に適用可能である。
【0025】
上記請求項4に記載の発明によれば、上記請求項1の画像読取装置におけるキャリッジ走行手段を、キャリッジに搭載された駆動モータと、その駆動モータによって回転するピニオン歯車と、そのピニオン歯車と歯合する装置本体側に配設された歯付きラックとで構成することで、自走式キャリッジを搭載した画像読取装置に適用可能である。
【0026】
上記請求項5に記載の発明によれば、上記請求項1乃至4の画像読取装置におけるキャリッジ姿勢矯正手段を、第2のプラテンの読取位置に到達したキャリッジにより弾性変形しキャリッジ姿勢を矯正する付勢力を付与するスポンジ、ゴム、圧縮ばね等の弾性体で構成することで、第2のプラテンの読取位置への走行移動するキャリッジに当接しキャリッジ姿勢を矯正することが出来得る位置に取り付けるだけで、簡単にしかも確実にキャリッジ姿勢を矯正することが出来、以ってコンパクト性に優れた画像読取装置を提供することが出来る。
【0027】
上記請求項6に記載の発明によれば、上記請求項5の画像読取装置における弾性体が、第2のプラテンの読取位置に到達手前でキャリッジに当接し、その後キャリッジにより弾性変形可能に配置していることで、弾性体にキャリッジ姿勢を矯正する付勢力を付与する手段を新設すること無く、しかもキャリッジ自身の移動過程で徐々に付勢力を増大させることで、キャリッジ姿勢を矯正する際に、キャリッジに無理な力を加えずに済み、破損に強く、また騒音、衝撃音の発生を防止できる画像読取装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係わる画像読取装置の全体構成の説明図。
【図2】図1の装置における原稿画像を読取る読取キャリッジの構成を示す説明図。
【図3】図1の装置におけるキャリッジの外観構造を示す斜視説明図。
【図4】図3のキャリッジの自走モータ搭載状態を透視した斜視説明図。
【図5】図4の自走モータを取り付けたスライダー部材のキャリッジ取り付け状態を示す斜視説明図。
【図6】図3のキャリッジの構成を示す平面図。
【図7】図3のキャリッジの部分分解斜視図。
【図8】図3のキャリッジに搭載される光源ユニットの構造を説明する説明図。
【図9】図8の光源ユニットの構成図。
【図10】図1の装置におけるフラットベット読取モード時の読取キャリッジの姿勢を説明する説明図。
【図11】図1の装置におけるシートスルー読取モード時の移動時における読取キャリッジの姿勢を説明する説明図。
【図12】図1の装置におけるシートスルー読取モード時の読取位置直前における読取る読取キャリッジの姿勢矯正機構を説明する説明図。
【図13】図1の装置におけるシートスルー読取モード時の姿勢修正後の読取キャリッジの姿勢矯正機構を説明する説明図。
【図14】本願の画像読取装置におけるキャリッジ姿勢と読取光学系取付基準との位置調整を説明する説明図。
【図15】本願の画像読取装置における位置調整手段の一例を説明する説明図。
【図16】本発明の他の実施例に係わる画像読取装置の全体構成の説明図。
【図17】従来の画像読取装置の全体構成の説明図。
【図18】従来の画像読取装置のキャリッジ支持機構の構造を説明する斜視図。
【図19】従来の画像読取装置のキャリッジ支持機構におけるキャリッジ姿勢に伴う課題を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に本発明に係わる光源ユニット9を内蔵した画像読取装置Aの構成を示す。図1に示す装置は画像読取装置Aと、これに搭載した原稿給送ユニットBから構成されている。以下画像読取装置Aと、これに内蔵されたキャリッジ6の構成及び移動機構について順に説明する。
【0030】
[画像読取装置の全体構成]
まず画像読取装置Aは、図1に示すように装置ハウジング1に第1プラテン2と、第2プラテン3を備えている。この第1、第2プラテン2、3は、ガラスなどの透明素材で形成され、装置ハウジング1の天部に固定されている。そして第1プラテン2は手置きセットする使用可能な原稿の最大寸法サイズに形成され、第2プラテン3は所定速度で移動する原稿を読み取るようにその使用可能な原稿の最大幅サイズに形成されている。上記第1、第2プラテン2、3は図1に示すように互いに並設されている。そして上記装置ハウジング1の内部には画像読取機構が内蔵されている。
【0031】
[画像読取機構の全体構成]
この画像読取機構の一例を図2(図1の要部拡大図)に従って説明する。装置ハウジング1内には、第1プラテン2と第2プラテン3との間で位置移動可能にキャリッジ6が配置されている。これと共にキャリッジ6は第1プラテン2に沿って往復動するように後述するガイドシャフト12に支持されている。
【0032】
[キャリッジ構成]
キャリッジ6は耐熱性樹脂などで構成されたユニットフレーム11に光源ユニット9(後述の第1光源ユニット9aと第2光源ユニット9b及び第3光源ユニット9c)と、原稿からの反射光を偏向する反射ミラー10(第1ミラー10a乃至第5ミラー10e)と、反射ミラー10からの光を集光する集光レンズ7と、集光レンズ7で結像される結像部に配置されたラインセンサ8とが搭載されている。そしてラインセンサ8から電気信号として出力された画像データを画像処理部に転送するようにデータ転送ケーブルによって画像処理部(データ処理ボード;不図示)に電気的に接続されている。
【0033】
[キャリッジの支持機構]
キャリッジ6は、図3で示す様に装置ハウジング1に配置されたガイドシャフト12にキャリッジ6の一端が軸受けされ、キャリッジ6の他端がレール部材GLにより保持され、装置ハウジング1に対し往復動自在に支持されている。尚、ガイドシャフト12とレール部材GLは、装置ハウジング1にそれぞれ並行で、しかも第1、第2プラテン2、3の平面に対し並行に取り付けることで、キャリッジ6を第1、第2プラテン2、3と並行に安定して往復動するように構成している。
【0034】
[キャリッジの移動機構]
キャリッジ6には図3乃至図5で示す様に自走式モータMOが搭載され、自走式モータMOに駆動連結する歯車列の最終歯車となるピニオン歯車PG(キャリッジ走行手段の走行歯車)が装置ハウジング1に固定支持したラックLKと駆動連結させ、自走式モータMOの正逆転で図2左右方向に往復動するキャリッジ走行手段を形成している。
【0035】
(自走モータの支持機構)
その自走式モータMOは、駆動連結する歯車列とピニオン歯車PGと共に取付ユニット部材FBに支持される。この取付ユニット部材FBにはガイドシャフト12に嵌合する軸受け部G1、G2が自走式モータMOの取付部と共に一体成形されている。
【0036】
(自走モータの取付手順)
そして、まず自走式モータMOと駆動連結する歯車列とピニオン歯車PGとがそれぞれ組み込まれユニット化された取付ユニット部材FBをキャリッジ6の所定箇所に止めビスやブッシュ等の固定部材KTで固定する。次に、取付ユニット部材FBの軸受け部G1、G2をガイドシャフト12に嵌合した状態で、事前に装置ハウジング1に取り付けて有るレール部材GLにキャリッジ6の他端を支持させながら、ガイドシャフト12を装置ハウジング1に取り付ける。その後、ピニオン歯車PGに歯合させたラックLKをガイドシャフト12を取付基準として装置ハウジング1に取り付け組込を完成させる。
【0037】
[光源ユニット]
次に、キャリッジ6に搭載され読取面Rに光を照射する光源ユニット9について説明する。光源ユニット9は、読取面Rの読取りライン(図2に示す読取面Rと直交する主走査方向読取り幅)に線状光を照射する。この光源ユニット9は図2に示す第1光源ユニット9aと第2光源ユニット9bと第3光源ユニット9cを搭載する構成で、その第1、第2、第3の光源ユニット9a、9b、9cは、それぞれ導光体30と発光体40で構成され、第1、第2光源ユニット9a、9bは図6で示すキャリッジ6のユニットフレーム11に搭載されている。そして、その組み立て分解図である図7に示す様に、第1、第2光源ユニット9a、9bは、キャリッジ6に固定される光源収容部(導光体支持枠)13に形成された第1収容部13aと第2収容部13bにそれぞれ収容される。また、第3光源ユニット9cは光沢読取時に使用される光源で、図7の分解図では図示していないが、導光体30と発光体40で構成され、図2で示す位置にユニットフレーム11とは別でキャリッジ6内に取り付けられている。
【0038】
また、キャリッジ6のユニットフレーム11には放熱部材(ヒートシンク)14が取り付けられている。この放熱部材14には耐熱シート(耐熱樹脂板)15を介して回路基板16がバックアッププレート17により密着した状態でネジ止めにより一体的に取付けられている。
【0039】
[導光体の構成]
導光体30は、図7及び図8に示すように読取面Rの読取幅(読取りライン幅)Wに応じた長さの棒状透光部材で構成されている。導光体30は例えば透明アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの透光性に富んだ材料で構成され、その断面形状は矩形状、或いは図示のように断面扇形状に構成され、一端面31Lには発光体40が配置され、他端面31Rには鏡面仕上げされ、その外表面に例えばウレタン系白色インキ等の反射塗料が塗られ反射面を構成している。そしてこの導光体30には光散乱面32と光出射面33が互いに対向するように配置されている。
【0040】
つまり、図8に示すように光散乱面32と光出射面33は距離Ldを隔てて略並行に読取りライン幅Wの長さで対向配置されている。光散乱面32は例えばウレタン系白色インキ等の反射塗料を塗装加工、エッチング加工、モールド成形加工などで凹凸面に形成され導入された光を乱反射するように表面加工されている。また、光出射面33は透光性に富んだレンズ表面のように表面仕上げされている。
【0041】
従って、導光体30内に導入された光は光散乱面32で所定方向に拡散され、光出射面33に導入された光は所定の臨界角度以上のときには内部に反射し、臨界角度以下のときには外部に出射される。図8に矢印haで示す光は導光体30内で反射し読取りライン幅W方向に分散し、矢印hbで示す光は光出射面33から読取面Rに出射することとなる。尚、図示しないが後述する発光体40からは球方向(360度方向;図示のものは60度広角方向)に光が入射され、光散乱面32と光出射面33に照射される。
【0042】
また、導光体30内で反射を繰り返し他端面31Rに到達した光は、他端面31Rの表面で反射され発光体40側に戻され、同様に光散乱面32で乱反射した矢印haで示す光は光出射面33から読取面Rに出射することとなる。この特性を利用し、発光体40の一端面31Lに対する配置を調整し、一端面31L側の光出射面33から読取面Rに出射する光を下げ、他端面31Rの表面で反射される光を増やすことで、一端面31L側の光量を下げ、他端面31R側の光量を上げることが出来、読取面Rに出射する光量を均一化、光学縮小系タイプの集光レンズ7を使う場合にはそのレンズ特性に依存するコサイン4乗則の光量分布に近い光量調整をすることが出来る。
【0043】
[発光体の構成]
発光体40(41、42、43)は、図8で示す様に回路基板16に面状発光素子(図示のものはLED発光素子)がマウントされている。この発光素子をマウントした回路基板16は発光面と導光体30の一端面31Lとの間にギャップdを隔てて配置する。このギャップdは2ミリが最適値して設定されている。尚、図9は発光体40(41、42、43)が回路基板16にマウントされた状態での配置構造を示す。また、発光体40(41、42、43)は面状発光素子で構成され、白色LEDで構成されている。更に、光量全体を上げる為に、他端面31Rの反射塗料に代えて同様の発光体40(41、42、43)を配置しても良い。
【0044】
また、図8に示すように他端面31Rの反射面は、光散乱面32の法線方向hxに対して角度θだけ角度調整することによって上述の光量特性を補正することが可能となる。つまり図8に示す様に、この反射面の角度を時計方向にプラスθ傾けると主走査方向両端部の光量が大きくなり、逆に反時計方向にマイナスθ傾けると主走査方向両端部の光量は小さくなり、この角度を予め導光体30を設計する際に設定することによって簡単に集光レンズ7の特性に合致させることが可能となる。尚、取付角度は3°±1°程度が最適値である。
【0045】
[拡散反射光源ユニットの制御構成]
図2に従って前述した光源ユニット9の制御について説明すると、まず拡散反射光源としての第1光源9aと第2光源9bについて説明する。この第1光源9aと第2光源9bは光沢度が比較的高い画像を含んだ原稿以外の通常原稿を読む際に使われる光源で、図9に示すように第1プラテン2と第2プラテン3の読取面Rに光を照射し、読取原稿で反射した拡散反射光を利用している。この光源ユニット9a(9b)は図示のように2つの光源で構成する必然性はなく、1本或いは3本以上の光源で構成しても良い。この場合、後述する原稿給送ユニットBでは、第2プラテン3を走行する原稿の速度を、第1プラテン2に沿ってキャリッジ6が移動する速度より高速にしている。
【0046】
つまり、第1プラテン2の読取り速度より第2プラテン3の読取り速度を高速にしている。このため原稿に照射する光量を第1プラテン2より第2プラテン3を高くすることが好ましい。
【0047】
このような光量調整は次のいずれかの方法を採用することによって可能である。(1)キャリッジ6に搭載された光源ユニット9に供給する電力を高低調節する。例えば光源ユニット9に電源を供給する電源供給回路に供給電圧又は供給電流の切り換え手段を設け、ランプに供給する電力を高低調整する光量調整手段を設ける。この光量調整手段はPWM制御として広く知られているのでその詳細説明を省く。
【0048】
次の方法は、(2)キャリッジ6に搭載された第1第2、少なくとも2つの光源ユニット9a、9bを選択的に点灯する光量調整手段を設ける。図2に示す装置はキャリッジ6に第1導光体30aと第2導光体30bが搭載され、第1プラテン2上の原稿に光を照射する際には第1導光体30aに電源供給して第1プラテン2上の原稿に光を照射し、第2プラテン3上の原稿に光を照射する際には第1導光体30aと第2導光体30bに電源供給して第2プラテン3上の原稿に光を照射するように構成されている。
【0049】
このような構成においてキャリッジ6が第1プラテン2に位置するときには第1導光体30aを、第2プラテン3に位置するときには第1導光体30aと第2導光体30bを点灯する。これによって原稿に照射する光量を調整することが可能となり、供給電源を「ON」「OFF」するスイッチング回路が光量調整手段を構成することとなる。
【0050】
[正反射光源ユニットの制御構成]
次に、正反射光源としての第3光源9cについて説明する。この第3光源9cは、例えば光沢度が比較的高い画像を含んだ原稿を読む際に使われる光源で、図2に示すように第1光源9aと第2光源9bの拡散光源とは異なり、読取基準直下に配置された第1ミラー10aの下方に配置されたリフレクター18を介し出来るだけ真下から読取面に光を照射することで、読取原稿から反射する反射光の大半が正反射光となる様に、第3光源9cとリフレクター18が配置されている。実際のところ、第1ミラー10aをハーフミラーで構成することが理想であるが、光量を200%に上げることは困難で、この場合には第1ミラー10aの両側面(図中、点線)からの照射となり、2°乃至3°程度光路中心を外しているが、正反射光を十分に得ることが出来、画像読取には支障が無いとしている。
【0051】
そして、その光沢画像読取について、光沢画像読取をする為には、予め本体モード選択により光沢画像読取モードを選択し、光沢画像読取用の処理ソフトに従って走査することとなる。ここでは上記通常原稿を読む場合との光源ユニット9の照明方法と画像処理について概略説明する。まず、第1プラテン2に光沢原稿をセットした上で読取開始ボタンを押すと、拡散反射光源の第1、第2光源9a、9bの少なくとも一方を点灯した状態でキャリッジ6を移動しながら光沢原稿の読取範囲全域を走査して画像を読取る。続き、逆送し初期位置に戻ったところで、点灯した拡散反射光源を消灯すると共に正反射光源の第3光源9cを点灯し、点灯した状態で同様にキャリッジ6を移動しながら光沢原稿の読取範囲全域を走査して画像を読取る。その読取と同時に、正反射出力データが予め設定した基準値以上であれば光沢画像データと判断し、先に読取った拡散反射光照明による拡散反射出力データの値と置き換えメモリーに書き込む処理を行う。この結果、写真の様な全体が光沢画像は光沢画像として、また文章中の一部に写真が貼られた原稿はその写真部分が光沢画像として読取ることが出来る。
【0052】
[原稿搬送ユニットの構成]
原稿給送ユニットBは図1に示すように上述の第1、第2プラテン2、3を覆うようにその上方に配置され、上記第2プラテン3に原稿シートを給送するリードローラ(原稿給送手段)21と搬出ローラ22とを備えている。更に上記リードローラ21の上流側には原稿シートを積載収納する給紙スタッカ23と、この給紙スタッカに積載されてシートを1枚ずつ分離給送する給紙ローラ24と、分離給送されたシートの先端をスキュ修正するレジストローラ対25が配置されている。図示26は給紙スタッカ23から第2プラテン3に原稿シートを案内する給紙経路であり、図示S1はプラテンに至る原稿の先端を検知するリードセンサである。
【0053】
図示の装置は第2プラテン3の上方に原稿シートを案内するバックアップローラ27が配置されている。このバックアップローラ27はリードローラ21と同一周速度で回転し第2プラテン3上に原稿シートをフィットさせる為であり、このバックアップローラ27を設けることなくプラテン上方にバックアップカイドを配置しても良い。
【0054】
上記搬出ローラ22の下流側には排紙ローラ28と排紙スタッカ29が配置されている。この排紙スタッカ29は図2に示すように給紙スタッカ23の下方に上下並列に配置され、その底部には前述の第1プラテン2上の原稿シートを押圧支持するプラテンカバー5が設けられている。
【0055】
このように構成された原稿給送ユニットBは画像読取ユニットAの装置ハウジング1に開閉自在に据え付けられている。そして第1プラテン2を開放した状態で原稿シートを載置セットし、この原稿給送ユニットBのプラテンカバー5でこの原稿を覆うように構成されている。
【0056】
[読取キャリッジ姿勢<フラットベット読取モード>]
まず、フラットベット読取モード選択時の読取キャリッジ姿勢について説明する。図10で示す様に、図中、ホームポジションHPに位置するキャリッジ6(細線表示)を矢印の副走査方向に自走モータMOで移動させることでフラットベット読取を開始する。この副走査移動に伴ってキャリッジ6は、ピニオン歯車PGの回転軸を中心に反時計方向に所定角度+θ傾斜姿勢を取りながら第1のプラテン2に沿ってフラットベット読取領域FBを移動し、読取原稿の画像を読取る。尚、所定角度+θの傾斜姿勢を取る要因は、先に説明したガイドシャフト12に摺動するために設けられた軸受け部G1、G2の摺動ガタと、ピニオン歯車PGとラックLKとの間に設けられたバックラッシュガタにより作られる最大傾斜角である。実際には移動ガイド手段GL上を押圧摺動する摺動部PJに作用する摩擦力によって最大傾斜角に至ることは無く、各装置毎に個体差を持って所定の傾斜姿勢角度に対し許容差を持つことと成る。一方、画像処理では、所定角度+θを基準に読取った画像データの傾斜を補正し、傾きの無い画像を得る様にしている。
【0057】
[読取キャリッジ姿勢<シートスルー読取モード>]
次に、図11乃至図13でシートスルー読取モード選択時の読取キャリッジ姿勢について説明する。まず図11で示す状態図では、図中、ホームポジションHPに位置するキャリッジ6(細線表示)を矢印の副走査方向とは逆の方向に自走モータMOで移動させることでキャリッジ6をシートスルー読取位置DFへ移動を開始する。このシートスルー読取位置DFへ移動に伴ってキャリッジ6は、ピニオン歯車PGの回転軸を中心に時計方向に所定角度−θ傾斜姿勢を取りながら第2のプラテン3に向かって移動する。尚、所定角度−θの傾斜姿勢を取る要因は、フラットベット読取モード選択時の読取キャリッジ姿勢要因によるもので、この場合はラックLKに歯合するピニオン歯車PGの回転方向が逆回転となることから傾斜が逆向きとなる。
【0058】
図12で示す状態図では、キャリッジ6がシートスルー読取位置DFの手前でスポンジ、ゴム、圧縮ばね等の弾性体から成るキャリッジ姿勢矯正手段SPに当接し、そのキャリッジ姿勢矯正手段SPを引き続くキャリッジ6のシートスルー読取位置DFへの移動で弾性変形させ、その弾性変形によってチャージされた付勢力でキャリッジ6を揺動付勢する。このときの付勢力はキャリッジ姿勢矯正手段SPとして用いる弾性体としてスポンジを選べば、そのスポンジの材質と弾性力特性によって予め計算で求め設定することが出来る。
【0059】
図13で示す状態図では、キャリッジ6がシートスルー読取位置DFに移動したとこで自走モータMOが停止され、ショート回路、ディテントトルク等の保持力でそのシートスルー読取位置DFに保持される。その際、キャリッジ姿勢矯正手段SPの付勢力でキャリッジ6が揺動付勢され、ピニオン歯車PGの回転軸を中心に反時計方向に所定角度+θ強制的に傾斜させられ、結果、シートスルー読取モードでの読取キャリッジ姿勢がフラットベット読取モードでの読取キャリッジ姿勢とほぼ同一姿勢となり、読取画像の傾き補正処理をフラットベット読取モードでの処理と同一にすることが出来、制御が簡素化される。
【0060】
[キャリッジ姿勢と読取光学系取付基準との位置調整]
次に、図14に基づき本願の画像読取装置におけるキャリッジ姿勢と読取光学系取付基準との位置調整工程について説明する。この位置調整工程は直接画像読取精度に左右するもので、その調整方法には大きく二つの方法が有り、図14(A)は、キャリッジ取付姿勢を基準として読取光学系取付基準を傾け位置調整する第1の調整方法の実施例を示している。また、図14(B)は、フラットベット読取モード時のキャリッジ移動姿勢を基準として読取光学系取付基準を位置調整する第2の調整方法の実施例を示している。
【0061】
[位置調整工程]
まず、その位置調整工程ついて説明する。上述で説明した様にガイドシャフト12に沿ってキャリッジ6を摺動可能に支持するためには、ガイドシャフト12とキャリッジ6の軸受G1、G2との間に摺動ガタを最低限持たせなければ成らない。この実施例の場合、その摺動ガタによりガイドシャフト12に対するキャリッジ6の姿勢が傾斜角θで表すと最大0.14°(±0.07°)、最小0.08°(±0.04°)傾斜する。その傾斜した状態で画像を読取った場合、キャリッジ6に搭載された
光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)とがキャリッジ6の傾斜相当分ズレた状態で読取処理が行われることと成り読取精度に大きく影響する。その影響として、例えば主走査方向(読取方向)に平行な直線が傾き、画像全体が傾斜角θ回転した状態となる。そこで、この様な事態を起こさない為に、キャリッジ6の必然的な傾斜を予め考慮し、そのキャリッジ6の傾斜状態で光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)とが一致する様に、キャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け姿勢を調整するための工程である。以下にその調整方法について詳述する。尚、光学ユニットOPは、光源ユニット9と、第1乃至第5ミラー10a乃至10eと、集光レンズ7と、画像読取センサ(ラインセンサ)8から構成された読取手段である。
【0062】
[第1の調整方法]
最初に図14(A)で示す第1の調整方法について説明する。この調整工程では、装置本体と同様な光学調整冶具が製作され、その光学調整冶具に各キャリッジを取付行われる。そしてその光学調整冶具に対しキャリッジ6が移動する方向(副走査方向)に平行に配設されたガイドシャフト12に対し、その直交する方向(主走査方向)をキャリッジ取付基準姿勢として、キャリッジ6がその直交する方向(主走査方向)に平行に成る様に、キャリッジ6の軸受G1、G2の中心軸をガイドシャフト12に平行に形成され、キャリッジ6がガイドシャフト12に移動可能に取り付けられる。そして、図10で示す様にキャリッジ6をフラットベット読取移動時の傾斜(そのときの傾斜角度は、各キャリッジの部品バラツキを吸収した角度傾斜)した姿勢状態にする為に、キャリッジの摺動荷重で加圧し、強制保持する。その状態で第1のプラテン2に相当する調整用プラテンにセットしたテストチャート(図示せぬ)を画像読取センサ8で読み取り、画像読取センサ8の出力画像をモニターで見ながら、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)とが一致する様にキャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け角度を調整し完了させる。
【0063】
[第2の調整方法]
次に図14(B)で示す第2の調整方法について説明する。この調整工程では、同様に光学調整冶具に対しキャリッジ6が移動する方向(副走査方向)に平行にガイドシャフト12を配設する。一方、キャリッジ6は、予めガイドシャフト12とキャリッジ6の軸受G1、G2の摺動ガタによるキャリッジ6のフラットベット読取移動時の傾斜(+θ≒目論み傾斜角(0.07+0.04)÷2=0.055°)を設計上で目論み、その目論み値からガイドシャフト12に対するキャリッジ6の軸受G1、G2の中心軸が紙面時計方向に傾斜(−θ≒目論み傾斜角0.055°)した状態で形成若しくは取り付けると共に、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)はキャリッジ6の紙面長手方向(主走査方向)に対し平行になるよう仮止めした状態とする。そして、キャリッジ6をガイドシャフト12に組み込むことで、キャリッジ6はガイドシャフト12に対する直交する方向(主走査方向)に対し紙面時計方向に傾斜(−θ≒目論み傾斜角0.055°)した状態で組み込まれ、この状態をキャリッジ取付基準姿勢としてガイドシャフト12に移動可能に取り付けられる。そして、キャリッジ6をフラットベット読取方向に移動すると、キャリッジ6が予め目論んだ傾斜角度(+θ≒目論み傾斜角0.055°)傾き、キャリッジ6がガイドシャフト12に対する直交する方向(主走査方向)に平行な姿勢状態となり、簡易的に光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)とが一致する。この状態で第1のプラテン2上にテストチャート(図示せぬ)を置き、そのテストチャートを画像読取センサ8で読み取り、画像読取センサ8の出力画像をモニターで見ながら、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)とが正確に一致若しくは許容値内に成る様にキャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け角度を微調整し完了させる。
【0064】
この様なキャリッジ姿勢と読取光学系取付基準との位置調整工程をすることで、従来の様な読取る画像領域を大きく設定し、傾いた読取画像を画像処理ソフトで修正する必要が無い。結果、読取る画像領域を必要最低限に設定することが出来、装置寸法を小さくすることが出来る。
【0065】
尚、図15は上述の第1の調整方法におけるキャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け角度を微調整する位置調整手段として調整ネジを使った一例を示したものです。まず、調整前の状態を示す(A)図の様に、光学調整冶具に配設したガイドシャフト12をキャリッジ6の図5で示す一対の軸受け部G1、G2に貫通させ、キャリッジ6を移動ガイド部材(レール部材)GLとの間に移動自在にセットする。そのキャリッジ6の光学ユニットOPを支持する枠体内面には、光学ユニットOPの取付ける基準面を規制する三つの突出部6a、6b、6cが形成され、また枠体に装着された光学ユニットOPをこの突出部6a、6b、6cに圧接支持する弾性変形可能な位置決め部材6d、6eを有し、更に位置決め部材6d、6eに押圧され突出部6a、6b、6cに圧接された光学ユニットOPを突出部6aを揺動支点として紙面時計方向に揺動する調整ネジSP(位置調整手段)が設けられている。
【0066】
次に、(B)図で示す様に、上記(A)図のセット状態にあるキャリッジ6に対し強制的に矢印の方向に加圧し、上述したフラットベット読取時の移動に伴って傾斜するキャリッジ姿勢になる様に強制保持する。このキャリッジ6が傾斜した状態のままでは、光学ユニットOPの読取基準が傾斜角度(+θ≒目論み傾斜角0.055°)傾き、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)がズレた状態となる。
【0067】
そこで、(C)図で示す様に、キャリッジ6がフラットベット読取時のキャリッジ姿勢に強制保持された状態において、調整ネジ6f(位置調整手段)を矢印方向にねじ込むことで、光学ユニットOPがキャリッジ6の突出部6aを揺動支点として時計方向に傾斜角度(−θ≒目論み傾斜角0.055°)だけキャリッジ6の傾きに対し逆方向に傾けられ、結果、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)が一致した状態に調整することが出来る。
【0068】
また、上述の第2の調整方法におけるキャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け角度を微調整する位置調整手段について特に図面として示していないが、簡単に説明すると、この調整方法では上述の様にキャリッジ6に対する光学ユニットOPの取り付け角度を微調整することはせず、ガイドシャフト12に対しキャリッジ6の取り付け角度を微調整することと成る。この為に、図5で示す軸受け部G1、G2を形成した取付ユニット部材FBのキャリッジ6に止めビスやブッシュ等の固定部材KTで三点支持する箇所の一つを揺動支点孔で、他の二つを揺動可能なスリット状の長孔(位置調整手段に相当)で形成する。そして、光学ユニットOPの読取基準(主走査方向基準)と読取原稿の読取基準(読取ライン基準)が一致した状態になるようキャリッジ6を強制保持し、その状態で軸受け部G1、G2とガイドシャフト12の摺動ガタを取る方向に取付ユニット部材FBを揺動させた位置で、取付ユニット部材FBをキャリッジ6に取付けることで位置調整を行うことが出来る。
【0069】
[他の実施例]
以上の説明では、自走モータをキャリッジに搭載した所謂自走式キャリッジの実施例について説明したが、図16で示す様な非自走式キャリッジを搭載した画像読取装置にも適応できる。図16は、本発明の他の実施例に係わる画像読取装置の全体構成を示すもので、先に説明した図1で表示する同一符号の各部材は同一部材を示している。そして、この装置は図1で示す実施例とはキャリッジ走行手段で相違している。そのキャリッジ走行手段として、装置本体の両端間に張られたワイヤー、ベルト等の牽引手段WRと、その牽引手段WRを引っ張る駆動モータMOとを有し、キャリッジ6は図示の様にその牽引手段WRの一部と締付手段WR1で固定され、駆動モータMOの正逆転でガイドシャフト12に沿って移動される。また、図中、OPは光学ユニットSPでキャリッジ6の装置フレーム11に対し先に説明した位置調整手段により動揺に位置調整可能に支持される。更に、第2のプラテン3の読取位置への走行移動するキャリッジ6に当接し第1のプラテン2に沿って読取走査するキャリッジ姿勢に矯正するキャリッジ姿勢矯正手段SPを備えている。
【産業上の利用可能性】
【0070】
また、効果の程度は小さいが移動ガイド部材(レール部材)GLをガイドシャフト12とした両軸受け構造の装置であっても、牽引手段の牽引位置により摺動ガタによる移動体の傾きが移動方向に応じ一定方向にその傾きが現れる移動キャリッジであれば本願の適用が可能で、摺動ガタによる特性不良を改善することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 画像読取装置
2 第1のプラテン
3 第2のプラテン
6 キャリッジ
6f 位置調整手段(調整ネジ)
7 集光レンズ
8 画像読取センサ(ラインセンサ)
10 ミラー
12 ガイドシャフト
GL 移動ガイド部材(レール部材)
LK ラック(キャリッジ走行手段の固定歯)
MO 自走モータ
PJ 摺動部
PG ピニオン歯車(キャリッジ走行手段の走行歯車)
SP キャリッジ姿勢矯正手段
OP 光学ユニット(読取手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手置き原稿を載置する第1のプラテンと、流し原稿を通過させる第2のプラテンとを備える装置本体と、
前記装置本体に移動可能に支持され、前記原稿の読取ラインに沿って画像を読取る読取手段と、その読取手段を取り付ける装置フレームとを備え、前記第1、第2のプラテンの間にホーム位置を有し、第1のプラテンに沿って移動し手置き原稿を読取る第1の読取移動と、第2のプラテン位置に移動し停止した状態で流し原稿を読取る第2の読取移動するキャリッジと、
前記装置本体に配設され前記キャリッジを移動可能に支持するキャリッジ支持手段と、
前記キャリッジ支持手段に移動自在に支持された前記キャリッジを走行するキャリッジ走行手段と、
を備えた画像読取装置において、
前記キャリッジには、前記第1の読取移動時のキャリッジ姿勢状態で前記読取手段の読取基準と前記原稿の読取ラインが一致する方向に前記読取手段の前記装置フレームへの取り付け位置を調整する位置調整手段を備え、
前記装置本体には、前記キャリッジ走行手段によって前記第2のプラテンの読取位置への走行移動する前記キャリッジに当接し第1のプラテンに沿って読取走査するキャリッジ姿勢に矯正するキャリッジ姿勢矯正手段を備えて成ることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記装置フレームは一端側に軸受け部を、他端側に摺動部を備え、前記キャリッジ支持手段は前記軸受け部を摺動自在に支持するガイドシャフトと、前記摺動部が摺動する摺動面を有するガイドレールから成る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記キャリッジ走行手段は、前記キャリッジを走行方向前後に引っ張るワイヤー、ベルト等の牽引手段から成る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記キャリッジ走行手段は、前記キャリッジに搭載された駆動モータと、その駆動モータによって回転するピニオン歯車と、そのピニオン歯車と歯合する装置本体側に配設された歯付きラックから成る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記キャリッジ姿勢矯正手段は、第2のプラテンの読取位置に到達したキャリッジにより弾性変形しキャリッジ姿勢を矯正する付勢力を付与するスポンジ、ゴム、圧縮ばね等の弾性体から成る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記弾性体は、第2のプラテンの読取位置に到達手前でキャリッジに当接し、その後キャリッジにより弾性変形して成る請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項1】
手置き原稿を載置する第1のプラテンと、流し原稿を通過させる第2のプラテンとを備える装置本体と、
前記装置本体に移動可能に支持され、前記原稿の読取ラインに沿って画像を読取る読取手段と、その読取手段を取り付ける装置フレームとを備え、前記第1、第2のプラテンの間にホーム位置を有し、第1のプラテンに沿って移動し手置き原稿を読取る第1の読取移動と、第2のプラテン位置に移動し停止した状態で流し原稿を読取る第2の読取移動するキャリッジと、
前記装置本体に配設され前記キャリッジを移動可能に支持するキャリッジ支持手段と、
前記キャリッジ支持手段に移動自在に支持された前記キャリッジを走行するキャリッジ走行手段と、
を備えた画像読取装置において、
前記キャリッジには、前記第1の読取移動時のキャリッジ姿勢状態で前記読取手段の読取基準と前記原稿の読取ラインが一致する方向に前記読取手段の前記装置フレームへの取り付け位置を調整する位置調整手段を備え、
前記装置本体には、前記キャリッジ走行手段によって前記第2のプラテンの読取位置への走行移動する前記キャリッジに当接し第1のプラテンに沿って読取走査するキャリッジ姿勢に矯正するキャリッジ姿勢矯正手段を備えて成ることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記装置フレームは一端側に軸受け部を、他端側に摺動部を備え、前記キャリッジ支持手段は前記軸受け部を摺動自在に支持するガイドシャフトと、前記摺動部が摺動する摺動面を有するガイドレールから成る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記キャリッジ走行手段は、前記キャリッジを走行方向前後に引っ張るワイヤー、ベルト等の牽引手段から成る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記キャリッジ走行手段は、前記キャリッジに搭載された駆動モータと、その駆動モータによって回転するピニオン歯車と、そのピニオン歯車と歯合する装置本体側に配設された歯付きラックから成る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記キャリッジ姿勢矯正手段は、第2のプラテンの読取位置に到達したキャリッジにより弾性変形しキャリッジ姿勢を矯正する付勢力を付与するスポンジ、ゴム、圧縮ばね等の弾性体から成る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記弾性体は、第2のプラテンの読取位置に到達手前でキャリッジに当接し、その後キャリッジにより弾性変形して成る請求項5に記載の画像読取装置。
【図4】
【図8】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図8】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−15730(P2012−15730A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149409(P2010−149409)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】
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