説明

画像通信装置およびそれを備えた画像形成装置

【課題】アドレス帳を用いて宛先を指定して送信する場合に、履歴を適切に反映してアドレス帳をメンテナンスして容易に宛先を指定する。
【解決手段】CPUは、アドレス帳に登録された宛先であっても一定期間使用されない宛先は集約フォルダに移動させるステップと、集約フォルダのアドレスが宛先として指定されると(S1200にてYES)自動復帰条件を読出すステップ(S1210)と、宛先として指定されたアドレスが自動復帰条件を満足すると(S1220にてYES)自動復帰確認画面を表示するステップ(S1230)と、アドレス使用管理テーブルの属性を変更するステップ(S1240)とを含むプログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置に代表される画像通信装置であって、予め送信先のファクシミリ番号および/またはメールアドレスをアドレス帳に登録しておいて送信時にそのアドレス帳を用いて宛先を指定する画像通信装置に関し、特に、共有アドレス帳であってもマイアドレス帳(ログインユーザ毎の個人アドレス帳)であっても、好適にアドレス帳を管理することのできる画像通信装置に関する。また、本発明は、このような画像通信装置を備えた画像形成装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ機能またはコピー機能等を備えた画像形成装置をネットワークに接続し、これらを複数のユーザで利用するケースが多くなっている。また、このような画像形成装置の1つである複合機(MFP(Multifunction Peripheral))のように、コピーモード、画像通信モード(代表的にはファクシミリ通信モードがある。なお、以下において、ファクシミリをFAXまたはファクスと記載する場合がある。)、ネットワーク対応のプリンタモード、およびスキャナモードのように複数のモードを有するものも多くなってきている。なお、画像通信モードとして、画像データを、公衆回線を用いて送受信するファクシミリ通信モード、インターネット回線を用いて送受信するインターネットファクシミリ通信モードおよび電子メールに添付する形式で送受信する電子メール通信モード(スキャンtoメール)、MFP自体の記憶装置に画像データを転送する画像転送モード、ネットワーク回線を用いて画像データを特定のフォルダに転送する画像転送モード(スキャンtoフォルダ)等がある。
【0003】
このようなMFPにおいて、ユーザによる操作を簡略化したり宛先間違いを防止したりするために、予めワンタッチダイヤルまたは短縮ダイヤルとして宛先の名称(表示名称)、ファクシミリ番号および/またはメールアドレスをアドレス帳に登録しておき、送信時にそれらワンタッチダイヤルまたは短縮ダイヤルを用いて相手先を指定することが行なわれている。
【0004】
最近のMFPにおいては、記憶容量の増大に伴い、非常に多くの宛先をアドレス帳に登録することができる。また、このようなMFPは多くのユーザで共用される場合が多く、このように共用される場合には、アドレス帳も共有アドレス帳となることが多い(MFPを共用する場合にはログインユーザ別のマイアドレス帳を使用する場合もある)。多くのユーザが共用するMFPで共有アドレス帳を使用している場合であっても、共有されるMFPでマイアドレス帳を使用している場合であっても、アドレス帳に登録されているアドレスの数が多くなると多くのアドレスの中から所望のアドレスを捜し出す必要があるので、宛先を指定することが困難になる。このような場合、共有アドレス帳であれば管理者が、マイアドレス帳であればそのユーザが、アドレス帳をメンテナンスして、長期間使用されていない(宛先として指定されていない)アドレスを削除する必要がある。
【0005】
このようなアドレス帳のメンテナンスに直接的に関係するものではないが、特開平7−13732号公報(特許文献1)は、パーソナル・コンピュータなどの情報処理システムにおいて、プログラムまたはプログラムとデータとの組合せを示すアイコンが長期間未使用であることをユーザが知ることができる表示方法を開示する。この特許文献1に開示されたアイコン表示方法は、表示画面上にアイコンを表示し、表示されたアイコンを選択的に指定することにより、そのアイコンに対応する情報を指定する。この表示方法は、アイコンが最後に指定された時点以降の経過時間を計時し、この計時時間が特定時間を超えたときはアイコンの表示形態を変更することにより警告表示したり、この計時時間が特定時間より長い他の特定時間を超えたときは警告表示されたアイコンを表示画面から消去したりする。
【0006】
このアイコン表示方法によると、一定の経過時間使用されなかった情報(アイコン)をユーザが知ることができ、また、このアイコン表示を消去することにより表示画面を有効利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−13732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたアイコン表示方法では、消去されたアイコンは、表示画面に表示されることがなくなるため、再使用したい場合には、アイコンを再度作成しなければならない。すなわち、一定の経過時間使用されなかった情報(アイコン)を表示画面から削除するだけでは、再使用したいユーザの要望に好適に応えることができない。
【0009】
このようなアイコン表示方法を、アドレス帳のメンテナンスに適用したところで、長期間使用されていないアドレスを消去するだけで、消去後においては宛先として指定することができなくなり、再登録するか、または、ファクシミリ番号またはメールアドレスを直接入力しなければならなくなる。これでは、画像送信処理において、ユーザによる操作を簡略化したり宛先間違いを防止したりすることができない。
【0010】
したがって、本発明の目的は、ファクシミリ番号および/またはメールアドレス等を予めアドレス帳に登録しておいて、送信先をワンタッチダイヤルまたは短縮ダイヤルで指定する場合において、ユーザの使用履歴を適切に反映してメンテナンスを行なうことにより、アドレス帳を用いて送信先を指定しやすくすることができる画像通信装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像通信装置は、複数の宛先を予め登録しておいて、複数の宛先の中から送信先を指定して画像データを送信する。この画像通信装置は、画像通信装置が宛先を識別する宛先情報と、宛先が送信先として使用された頻度とを記憶するための記憶手段と、予め登録された複数の宛先を、頻度が高い宛先は低い宛先よりも優先して表示するための表示手段と、表示された複数の宛先の中からユーザが送信先を指定するための指定手段と、指定された送信先へ画像データを送信するための送信手段と、頻度が低い宛先であって優先されないで表示された宛先が送信先として指定された場合には、優先して表示するように表示態様を変更するための変更手段とを含む。
【0012】
この画像通信装置によると、送信先の候補として予め記憶された複数の宛先(アドレス帳)から少なくとも1つの宛先が送信先として指定される(同報送信の場合には複数の送信先は指定)。この場合において、複数の宛先を、頻度が高い宛先は低い宛先よりも優先して表示するために、頻度の高い宛先を指定しやすい。頻度が低い宛先であっても(優先されないで表示された宛先)、送信先として指定される場合がある。このような場合には、頻度が低いとして優先されないで表示されていた表示態様が、優先して表示する表示態様に変更される。このため、使用頻度が低いとして一旦は優先されないで表示されていた宛先も、送信先として指定されると、優先されて表示されるようになる。このため、送信先として指定される宛先が常に優先して表示されるので宛先を指定しやすい。これに加えて、頻度が低い宛先であっても、送信先として指定でき、送信先として指定されると優先して表示されるようにできる。その結果、ファクシミリ番号および/またはメールアドレス等を予め登録しておいて、送信先をワンタッチダイヤルまたは短縮ダイヤルで指定する場合において、ユーザの使用履歴を適切に反映して複数の宛先を記憶したアドレス帳をメンテナンスすることにより、ユーザが送信先を指定しやすくすることができる画像通信装置を提供することができる。
【0013】
記憶手段は、頻度が高い宛先についての情報を記憶する第1の領域と、頻度が低い宛先についての情報を記憶する第2の領域とを含むように構成することができ、表示手段は、複数の宛先を階層的に表示するための手段を含み、第1の領域に記憶された宛先を第2の領域に記憶された宛先よりも上位の階層に表示するための手段を含むように構成することができ、変更手段は、第2の領域に記憶された宛先であって下位の階層に表示された宛先が、送信先として指定された場合には、第1の領域に記憶されるように変更するための手段を含むように構成することができる。
【0014】
送信先として指定される頻度が高い宛先についての情報を第1の領域に記憶させ、送信先として指定される頻度が低い宛先についての情報を第2の領域に記憶させ、第1の領域に記憶された宛先を第2の領域に記憶された宛先よりも上位の階層に表示するので、第1の領域に記憶された、送信先として指定される頻度が高い宛先を優先的に高い階層に表示できる。
【0015】
ここで、第1の領域は通常フォルダであり、第2の領域は一時退避フォルダである場合には、変更手段は、一時退避フォルダから通常フォルダへ移動させるための手段を含むように構成することができる。
【0016】
通常フォルダに記憶されていた宛先の情報であっても送信先として使用されないと一時退避フォルダに移動され、一時退避フォルダに記憶されていた宛先の情報であって送信先として使用されると通常フォルダに移動され、送信先として使用された頻度に応じて表示を優先させることができる。
【0017】
なお、フォルダを移動させる宛先をユーザが指定するための手段と、ユーザにより指定された宛先を、一時退避フォルダから通常フォルダへ移動させるための手段とをさらに含むように構成することができる。
【0018】
ユーザにより強制的に一時退避フォルダから通常フォルダへ移動させた宛先を、優先的に表示させることができる。
【0019】
変更手段は、頻度が低い宛先が送信先として指定された場合には、復帰条件に基づいて表示態様を変更するための手段を含むように構成することができる。この場合、復帰条件を、宛先を送信先に指定した回数についての条件であるように構成することができる。また、復帰条件は、ログインユーザが宛先を送信先に指定した回数についての条件であるように構成することができる。さらに、復帰条件を、宛先を送信先に指定したユーザについての条件であるように構成することができる。
【0020】
頻度が低い宛先を送信先に指定した回数についての復帰条件、頻度が低い宛先を送信先に指定したユーザについての復帰条件を設定するので、所望の回数だけ送信先として指定されたり、特定のユーザにより送信先として指定されたりすると、優先的に表示されるように、自動的に変更される。このため、ユーザによるメンテナンスの必要がない。
【0021】
さらに、復帰条件を、第1のユーザが宛先を送信先に指定した回数と、第1のユーザとは異なる第2のユーザが宛先を送信先に指定した回数とについての条件であるように構成することができる。
【0022】
同一ユーザが同じ宛先を繰返し送信先として指定しただけでは、優先的に表示されるように変更されないで、複数のユーザが送信先として指定すると、優先的に表示されるように、自動的に変更される。このため、より好適にアドレス帳をメンテナンスすることができる。
【0023】
表示手段は、頻度が低い宛先であって表示が優先されない宛先を、グループに分類して表示するための手段を含むように構成することができる。この場合において、グループを、送信先として指定されていない期間の長さに応じて設定された複数のグループであるように構成することができる。また、このグループを、送信先として指定された回数に応じて設定された複数のグループであるように構成することができる。さらに、このグループを、送信先として指定された時期に応じて設定された複数のグループであるように構成することができる。
【0024】
送信先として指定されていない期間の長さ、送信先として指定された回数または送信先として指定された時期に応じて、頻度が低い宛先であって表示が優先されない宛先をグループに分類して表示させる。このため、送信先と指定する場合に、手順を容易にすることができる。
【0025】
頻度が低い宛先であって優先されないで表示された宛先であって、指定されない期間が予め定められた期間を経過すると、記憶手段から削除するための削除手段をさらに含むように構成することができる。ここで、削除手段は、ログインしたユーザが宛先を削除する権限を備えている場合に、宛先を記憶手段から削除するための手段をさらに含むように構成することができる。
【0026】
あまりにも長期間において送信先として指定されない宛先を、ログインユーザが宛先を削除する権限を備えている場合に、記憶手段から削除する。このため、記憶手段の容量を効率的に使用することができる。
【0027】
この発明の別の局面に係る画像形成装置は、上述したいずれかの画像通信装置を備えた画像形成装置である。
【0028】
この画像形成装置が備える画像通信装置は、画像を送信する場合の送信先を複数の宛先の中から指定するに際して、複数の宛先を、頻度が高い宛先は低い宛先よりも優先して表示するために、頻度の高い宛先を指定しやすい。頻度が低い宛先であっても(優先されないで表示された宛先)、送信先として指定された場合には、頻度が低いとして優先されないで表示されていた表示態様が、優先して表示する表示態様に変更される。このため、使用頻度が低いとして一旦は優先されないで表示されていた宛先も、送信先として指定されると、優先されて表示されるようになる。このため、送信先として指定される宛先が常に優先して表示されるので宛先を指定しやすい。これに加えて、頻度が低い宛先であっても、送信先として指定でき、送信先として指定されると優先して表示されるようにできる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る画像通信装置およびそれを備えた画像形成装置によると、ファクシミリ番号および/またはメールアドレス等を予め登録しておいて、送信先をワンタッチダイヤルまたは短縮ダイヤルで指定する場合において、ユーザの使用履歴を適切に反映して複数の宛先を記憶したアドレス帳をメンテナンスすることにより、ユーザが送信先を指定しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置150の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す画像形成装置150の内部構成を簡略化して示す図である。
【図3】図1に示す画像形成装置150のハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図1に示す画像形成装置150に記憶されるアドレス登録テーブルを示す図である。
【図5】図1に示す画像形成装置150に記憶されるアドレス使用管理テーブルを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置で実行される送信処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置で実行される自動集約処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置で実行される自動復帰処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置で実行される手動復帰処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置で実行される削除処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図11】図3に示す表示パネル172に表示されるシステム設定画面を示す図である。
【図12】図3に示す表示パネル172に表示されるアドレス登録画面を示す図である。
【図13】図3に示す表示パネル172に表示されるログイン画面を示す図である。
【図14】図3に示す表示パネル172に表示される宛先指定画面(通常アドレスリスト)を示す図である。
【図15】図3に示す表示パネル172に表示される宛先指定画面(集約アドレスリスト)を示す図である。
【図16】図3に示す表示パネル172に表示される自動復帰確認画面(その1)を示す図である。
【図17】図3に示す表示パネル172に表示される自動復帰確認画面(その2)を示す図である。
【図18】図3に示す表示パネル172に表示される自動復帰確認画面(その3)を示す図である。
【図19】図3に示す表示パネル172に表示される手動復帰画面を示す図である。
【図20】図3に示す表示パネル172に表示されるアドレスが復帰した状態の宛先指定画面(通常アドレスリスト)を示す図である。
【図21】図3に示す表示パネル172に表示される削除画面を示す図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置で実行される集約フォルダ表示処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図23】図22のプログラムが実行された場合に図3に示す表示パネル172に表示される集約アドレス画面を示す図である。
【図24】本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置で実行される集約フォルダ表示処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図25】図23のプログラムが実行された場合に図3に示す表示パネル172に表示される集約アドレス画面を示す図である。
【図26】本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置で実行される集約フォルダ表示処理プログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図27】図26のプログラムが実行された場合に図3に示す表示パネル172に表示される集約アドレス画面(その1)を示す図である。
【図28】図22のプログラムが実行された場合に図3に示す表示パネル172に表示される集約アドレス画面(その2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の説明において、同一の部品には同一の参照番号を付す。それらの機能および名称も同一である。したがって、それらに関する詳細な説明は繰返さない。また、以下においては、本発明に係る画像形成装置は、MFPであるとして説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ファクシミリ番号および/またはメールアドレスをアドレス帳に予め登録可能な、画像データを通信する画像通信モード(ファクシミリ通信モード、インターネットファクシミリ通信モード、電子メール通信モード(スキャンtoメール)等)を備えた装置であればよく、MFPに限定されるものではない。したがって、画像通信モードのみを備えたMFPであっても(画像を形成するのではなく送信するのみであっても)、本発明における画像形成装置となる。また、これ以降の説明においては、「ファクシミリ」、「ファクス」および「FAX」を特に区別しないで使用する。
【0032】
<第1の実施の形態>
以下に本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置(複合機または通信装置)について説明する。この画像形成装置は、上述した画像通信装置を含む構成を備えるものである。
【0033】
[画像形成装置(ハードウェア)]
図1は、画像形成装置150の外観構成を示す図である。図2は、画像形成装置150の内部構成を簡略化して示す図である。図3は、画像形成装置150のハードウェア構成を示す機能ブロック(制御ブロック)図である。
【0034】
図1および図2を参照して、画像形成装置150は、原稿読取部152、画像形成部154、給紙部156、および排紙処理装置158を備える。
【0035】
ここで、ファクシミリ通信モードでの動作説明を行なうことによって、画像形成装置150の内部構成の説明とする。ファクシミリ通信モード(ファクス/イメージ送信モードと記載する場合がある。)においては、主として、送信動作は原稿読取部(スキャナ部)152およびFAX通信部155が動作することにより、受信動作はFAX通信部155および画像形成部154が動作することにより、ファクシミリ通信動作が実現される。なお、他のインターネットファクシミリ通信モード、電子メール通信モード(スキャンtoメール)についても、宛先がFAX番号ではなくコンピュータアドレスまたはメールアドレスになったり、通信インターフェイスがFAX通信部155ではなくネットワークIF304になったりする等の差異があるものの、画像データを通信するという点において、同様に動作する。
【0036】
−送信動作−
画像形成装置150においては、ファクス/イメージ送信モードを指定して、宛先を指定した後にスタートボタンを押下すると、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部152により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU(Central Processing Unit)300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データがFAX通信部155へと出力される。なお、宛先を指定する場合に、後述するように、共有アドレス帳またはマイアドレス帳を用いて、予め登録されたアドレス(ファクシミリ番号またはメールアドレスであるがここではファクシミリ番号)を指定することができる。
【0037】
送信側の画像形成装置150のFAX通信部155は、指定された送信側の回線を指定された送信先に接続して、画像データをファクシミリ通信規格に合致した通信データへ変換して、送信側のファクシミリ装置(例えばファクシミリ機能を備えた画像形成装置150)へ送信する。
【0038】
−通信動作−
回線が接続されると、受信側の画像形成装置150のFAX通信部155は、送信側の画像形成装置150のFAX通信部155からの通信要求信号を検出して、応答信号を送信する。その後、例えば、FAX通信部155は、送信側および受信側で互いに実装されている能力情報の受渡しを行ない利用可能な最大能力での通信速度および画像データの符号化・符号訂正方式などを決定してモデムの通信方式を設定する。この通信方式にあわせた画像信号形式を用いて、送信側の画像形成装置150のFAX通信部155から受信側の画像形成装置150のFAX通信部155へデータを送信する。送信が終了すると回線が切断される。
【0039】
−受信動作−
受信側の画像形成装置150のFAX通信部155は、受信したデータを画像データに変換して、画像形成部154へ送る。なお、通信データを画像データへ変換するのは画像形成部154であっても構わない。
【0040】
画像形成部154は、受信した画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷するものであって、感光体ドラム222、帯電装置224、レーザスキャンユニット(以下、「LSU」と称する。)226、現像装置228、転写装置230、クリーニング装置232、定着装置234、および図示しない除電装置等を備えている。
【0041】
画像形成部154には、主搬送路236および反転搬送路238が設けられており、給紙部156から給紙されてきた記録用紙が主搬送路236に沿って搬送される。給紙部156は、用紙カセット240に収納された記録用紙、または手差トレイ242に載置された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部154の主搬送路236へと送り出す。
【0042】
画像形成部154の主搬送路236に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラム222と転写装置230との間を通過し、更に定着装置234を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
【0043】
感光体ドラム222は、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置232と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置224により均一に帯電される。
【0044】
LSU226は、印刷対象の画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光によって感光体ドラム222の表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0045】
現像装置228は、トナーを感光体ドラム222の表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0046】
転写装置230は、当転写装置230と感光体ドラム222との間を通過していく記録用紙に感光体ドラム222の表面のトナー像を転写する。
【0047】
定着装置234は、記録用紙を加熱するための加熱ローラ248と、記録用紙を加圧するための加圧ローラ250とを含む。記録用紙は、加熱ローラ248によって加熱され、かつ、加圧ローラ250によって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。
【0048】
主搬送路236と反転搬送路238との接続位置には、分岐爪244が配設されている。記録用紙の片面のみに印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が位置決めされ、この分岐爪244により定着装置234からの記録用紙が排紙トレイ246または排紙処理装置158の方へと導かれる。
【0049】
記録用紙の両面に印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が所定方向に回動されて記録用紙が反転搬送路238の方へと導かれる。記録用紙は、反転搬送路238を通過して、その表裏を反転されて主搬送路236へと再び搬送され、主搬送路236の再度の搬送途中で、その裏面への印刷が行なわれて排紙トレイ246または排紙処理装置158の方へと導かれる。
【0050】
上記のようにして、受信した画像データが印刷された記録用紙は、排紙トレイ246または排紙処理装置158の方へと導かれて排紙トレイ246に排出され、または排紙処理装置158の各排紙トレイ168の何れかに排出される。
【0051】
本実施の形態に係る画像形成装置は、(1)画像送信時(ファクス/イメージ送信モード時)において、ファクシミリ番号および/またはメールアドレスが予め登録されたアドレス帳(共有アドレス帳であってもマイアドレス帳であってもかまわない。)を用いて画像データを送信する宛先を指定し、(2)アドレス帳に登録されているアドレスであっても使用頻度の少ないアドレスは集約フォルダ(一時退避フォルダ)に自動的に移動させ、(3)その集約フォルダに移動されたアドレスが宛先として指定されたりユーザが復帰を要求したりすると元のアドレス帳に復帰させ、(4)削除についての条件を満足するとその集約フォルダに移動されたアドレスをアドレス帳から削除する。このように、本実施の形態に係る画像形成装置150においては、ユーザが好適に画像の送信先を指定することができるように、アドレス帳をメンテナンスするという特徴を備える。
【0052】
このような特徴は、画像形成装置150におけるハードウェア構成ならびに画像形成装置150を制御するハードウェアおよびソフトウェアにより実現されている。以下、この制御を実行するための、画像形成装置150に含まれるハードウェア構成(制御ブロック)について説明した後に、ソフトウェア構成(プログラム)について説明する。
【0053】
[画像形成装置(制御ブロック)]
図3を参照して、画像形成装置150は、コピー機能、ファクシミリ機能およびスキャナ機能に関する設定が可能な操作装置166と、プログラム等を記憶するためのROM306と、通電が遮断された場合であってもプログラムおよびデータ等を記憶可能な不揮発性記憶領域であるハードディスク302と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM(Random Access Memory)308とを含む。なお、電源が投入されるとハードディスク302に記憶されたデータがRAM308へ転送される場合があり、後述する各種テーブルは、ハードディスク302またはRAM308に記憶されていることになる。
【0054】
画像形成装置150はさらに、原稿読取部152、画像形成部154、FAX通信部155、操作装置166、ROM306、ハードディスク302、およびRAM308に接続されるバス310と、バス310に接続された、画像形成装置としての一般的機能を実現するためのCPU300とを含む。
【0055】
ROM306には、画像形成装置150の動作を制御するのに必要なプログラムおよびデータ等が記憶されている。CPU300は、ROM306に格納されているプログラムおよびデータに従って画像形成装置150の制御を行なうとともに画像形成装置150の各機能に関する制御を実行する。
【0056】
図3に示すように、この画像形成装置150のFAX通信部155には、画像データの送受信用に公衆回線が接続され、ネットワークI/F(インターフェイス)304にはネットワーク回線が接続されている。このネットワーク回線には、この画像形成装置150をネットワーク対応のプリンタとして使用するコンピュータ等が接続されたり、インターネットを介してメール送受信可能なコンピュータ等が接続されたりする。
【0057】
RAM308は、CPU300による演算および処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能と、画像データを記憶するフレームメモリとしての機能とを提供する。
【0058】
原稿読取部152、画像形成部154、操作装置166の板状の操作パネル170および表示パネル172、ならびにROM306、ハードディスク302、およびRAM308に対する制御は、CPU300が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。
【0059】
操作装置166は、操作装置166の表面の右側の領域に配置された、テンキー、およびその他の種々の操作ボタンであるハードウェアキーが備えられている板状の操作パネル170と、操作装置166の中央部から左側の領域に配置された、小型のタッチパネル一体型液晶表示装置から構成されている表示パネル172とを含む。操作パネル170と表示パネル172とは一つの筐体に保持され、操作装置166は全体として一体となるように構成されている。
【0060】
この操作装置166においては、表示パネル172に、この画像形成装置150の状態、ファクシミリの宛先指定状況、ジョブの処理状況等が表示される(後述する図14等における左側の空白部分)。また、表示パネル172には、アドレス帳に登録されたアドレスが表示される。表示パネル172の液晶表示装置の表示領域上には選択ボタンが表示され、この選択ボタンの表示されている領域を指で押すと、タッチパネルがその押された位置を検出する。プログラム上で選択ボタンの表示位置とタッチパネルが押された位置とを照合することにより、画像形成装置150の機能設定および動作指示等が行なわれる。
【0061】
本実施の形態に係る画像形成装置150は、ファクシミリ送信する送信先(画像データをメール送信する送信先でもよい。)についての情報(宛名、宛先ファクシミリ番号、宛先メールアドレス)等をアドレス帳に予め登録しておいて、送信先をワンタッチダイヤルまたは短縮ダイヤルで指定することができる。このため、ハードディスク302またはRAM308には、図4に示すフィールドを備えたアドレス登録テーブルが記憶される。
【0062】
図4を参照して、このアドレス登録テーブルは、アドレスごとに登録番号(登録No)をキーとして、少なくとも、アドレスの表示名称を記憶するフィールドと、アドレスの読みがなを記憶するフィールドと、このアドレスのファクシミリ番号を記憶するフィールドと、このアドレスのメールアドレスを記憶するフィールドと、公開するか否か(共有アドレス帳に掲載するか否か)のフラグを記憶するフィールドと、集約するか否か(集約条件が成立したときに集約フォルダに移動させるか否か)のフラグを記憶するフィールドと、このアドレスを登録した登録者のユーザIDとで構成されている。このユーザIDは、この画像形成装置を使用するユーザを一意に識別するため情報である(たとえば社員番号)。
【0063】
なお、公開フラグに「1」がセットさせるとこのアドレスは共有アドレス帳に公開(掲載)されることを意味し、公開フラグに「0」がセットさせるとこのアドレスは共有アドレス帳に公開(掲載)されないでマイアドレス帳にのみ掲載されることを意味する。また、集約可否フラグに「1」がセットされるとこのアドレスは集約条件を満足すると集約フォルダに移動されることを意味し、集約可否フラグに「0」がセットされるとこのアドレスは集約条件を満足しても集約フォルダに移動されないことを意味する。
【0064】
なお、この図4においては、登録番号(呼出番号)を3桁の数字で指定しているが、この3桁の数字をテンキーで押下して宛先を指定する場合には短縮ダイヤルとして、この3桁の数字と表示パネル172に表示された宛名とが関連付けされて、表示されたタッチパネル上の宛名を押下することにより宛先を指定する場合にはワンタッチダイヤルとして機能する。なお、短縮ダイヤルおよびワンタッチダイヤルは、このようなものに限定されるものではない。さらに、短縮ダイヤルとワンタッチダイヤルとの違いは、本発明の本質的部分とは直接関係するものではないので、短縮ダイヤルとワンタッチダイヤルとを明確に区別する場合を除き、短縮ダイヤルとワンタッチダイヤルとは特段の差異はないものとする。
【0065】
本実施の形態に係る画像形成装置150においては、図4に示したアドレス登録テーブルをメンテナンスしてユーザに好適なアドレス帳を表示するために、ハードディスク302またはRAM308には、図5に示すフィールドを備えたアドレス使用管理テーブルが記憶される。
【0066】
図5を参照して、このアドレス使用管理テーブルは、図4と同じようにアドレスごとの登録番号(登録No)をキーとする。このアドレス使用管理テーブルは、少なくとも、このアドレスの現状の状態を示す「通常」(集約フォルダに移動されていない状態を示す。)または「集約」(集約フォルダに移動されている状態を示す。)を記憶するフィールドと、このアドレスが集約されることが判定される(集約条件が成立する)前に高頻度で使用された月(季節)を記憶するフィールドと、このアドレスが宛先として指定された使用履歴(使用日時および使用ユーザID)を記憶する複数のフィールドとで構成されている。高頻度で使用(宛先として指定)された月(季節)は、月ごとに宛先として指定された回数を積算して、さらに3ヶ月毎に積算することにより、算出される。
【0067】
なお、現状の状態が「通常」とはアドレス帳の通常フォルダに表示されることを意味し、現状の状態が「集約」とはアドレス帳の集約フォルダに表示されることを意味する。また、季節は、12月−2月(冬)、3月−5月(春)、6月−8月(夏)、9月−11月(秋)と区分けするが、これに限定されず、3ヶ月間であれば1月−3月、4月−6月、7月−9月、10月−12月に区分けしてもかまわないし、区分けの期間は3ヶ月に限定されるものではない。
【0068】
使用履歴(使用日時および使用ユーザID)を記憶する複数のフィールドにおける、使用履歴(n)は使用日時(n)および使用ユーザID(n)で構成され(nは自然数)、この使用履歴(n)は使用履歴(n+1)よりも新しいまたは古い使用履歴である。すなわち、このアドレス使用管理テーブルにおいては、使用された(宛先として指定された)時系列順に、使用履歴が記憶されている。以下においては、使用履歴(n)は使用履歴(n+1)よりも新しいとする。よって、使用履歴(1)(使用日時(1)、使用ユーザID(1))が最も最近に宛先として指定された使用履歴となる。
【0069】
本実施の形態に係る画像形成装置150においては、画像データを自己以外の他の装置へ送信する送信処理部、アドレス帳において集約条件を満足したアドレスを集約フォルダに移動させる自動集約処理部、集約フォルダのアドレスであって復帰条件を満足したアドレスを元のアドレス帳へ移動(復帰)させる自動復帰処理部、集約フォルダのアドレスをユーザの操作により元のアドレス帳へ復帰させる手動復帰処理部、集約フォルダのアドレスであって削除条件を満足したアドレスを画像形成装置150の記憶装置(ハードディスク302)から削除させる削除処理部、集約フォルダにおけるアドレスの表示を制御する集約フォルダ表示処理部とを含む。このような送信処理部、自動集約処理部、自動復帰処理部、削除処理部、および集約フォルダ表示処理部は、ハードウェアとして構成されても構わないが、本実施の形態においては、以下に示すソフトウェアにより実現される。
【0070】
[ソフトウェア構成]
図6〜図10は、画像形成装置150で実行されるプログラム(送信処理プログラム、自動集約処理プログラム、自動復帰処理プログラム、手動復帰処理プログラム、削除処理プログラム)の制御構造を示すフローチャートである。これらのプログラムは、サブルーチンプログラムであって、サブルーチンのサブルーチンを含む。このため、これらのプログラムは終了すると、図示しないメインルーチンプログラムへ復帰する。これらのプログラムにおいて同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じであるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0071】
なお、画像形成装置150のCPU300は、このようなサブルーチンプログラムと並行して、コンピュータまたは画像形成装置としての一般的機能を実現するプログラムを実行する。しかしながら、そのプログラムは、本発明の本質的部分とは直接関係するものではないので、その詳細についてはここでは説明しない。
【0072】
−送信処理プログラム−
図6を参照して、ステップ(以下、ステップをSと記載する。)1000にて、画像形成装置150のCPU300(以下、単にCPU300と記載する。)は、この画像形成装置150を使用するユーザがログイン要求してログインしたか否かを判定する。このとき、CPU300は、ユーザIDおよびパスワード入力画面または指紋入力画面を表示パネル172に表示しておいて、ユーザIDおよびパスワードが入力されたり、ユーザの指紋(他の生体情報であっても構わない。)が入力されたりすると、この画像形成装置150を使用するユーザがログインしてきたと判定する。CPU300は、ユーザIDおよびパスワードまたはユーザの指紋に基づいて、ログインしてきたユーザが、認証先に予め登録されているユーザであるとログインを許可する。CPU300によりログインが許可されると、ログインしたと判定される。画像形成装置150を使用するユーザがログインしたと判定されると(S1000にてYES)、処理はS1010へ移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、この処理は終了する。なお、この処理は、ユーザがログインしたと判定されるまで待つようにしても構わない。
【0073】
S1010にて、CPU300は、入力されたユーザIDまたはユーザの指紋に対応して登録されたユーザIDを記憶する。
【0074】
S1020にて、CPU300は、ファクス/イメージ送信モードが指定されたか否かを判定する。この画像形成装置150においては、「コピーモード」、「ファクス/イメージ送信モード」および「ドキュメントファイリングモード」の3つのモードが備えられているものとする。さらに、プリンタモードを備えていても構わない。CPU300は、たとえば、表示パネル172の最上部に表示された3つのモードに対応するソフトウェアボタン(タグボタン)のいずれかが押下されると、ユーザによりモードが指定されたと判定する。ユーザによりファクス/イメージ送信モードが指定されたと判定されると(S1020にてYES)、処理はS1030へ移される。もしそうでないと(S1020にてNO)、この処理は終了する。
【0075】
S1030にて、CPU300は、ファクス/イメージ送信の宛先を指定する初期画面を表示する。S1040にて、CPU300は、アドレス登録テーブル(図4)およびアドレス使用管理テーブル(図5)を読出す。
【0076】
S1050にて、CPU300は、読み出したテーブルに基づいて、S1030で表示した初期画面に重ねて、ユーザにより指定されたアドレス帳(共有アドレス帳およびマイアドレス帳のいずれかのアドレス帳)であって、ユーザにより要求されたページを表示する。このとき、アドレス帳の通常フォルダのアドレスとともに「集約フォルダ」ボタンが表示され、この「集約フォルダ」ボタンを押下するとアドレス帳の集約フォルダのアドレスが表示される。アドレスが、通常フォルダに表示されるのかまたは集約フォルダに表示されるのかについては、アドレス使用管理テーブル(図5)に記憶されたアドレスの現状の状態に基づいて判定される。また、共有アドレス帳およびマイアドレス帳のいずれを表示するのかをタグで指定することができる。なお、S1030とS1050との処理を分けて行なう必要はなく、S1040の処理の後に同時に行なってもかまわない。
【0077】
S1060にて、CPU300は、ファクス/イメージ送信の宛先が指定されたか否かを判定する。このとき、CPU300は、表示パネル172に表示されたアドレスが押下されて「宛先OK」ボタンが押下されると、宛先が指定されたと判定する。ファクス/イメージ送信の宛先が指定されたと判定されると(S1060にてYES)、処理はS1070へ移される。もしそうでないと(S1060にてNO)、この処理はS1060へ戻されて、ファクス/イメージ送信の宛先が指定されたと判定されるまで待つ。なお、ファクス/イメージ送信の宛先が指定されるまでの無限ループになることを回避するために、タイムアウトエラー処理等を行なうことが好ましい。
【0078】
S1070にて、CPU300は、ファクス/イメージ送信の宛先として指定されたアドレスについて、使用日時および使用ユーザID(ログインユーザID)をアドレス使用管理テーブルに書込む。
【0079】
S1080にて、CPU300は、自動復帰処理(サブルーチン)を実行する。この自動復帰処理の詳細については後述する。S1090にて、CPU300は、送信処理を実行する。
【0080】
−自動集約処理プログラム−
図7を参照して、S1100にて、CPU300は、前回の集約処理から予め定められた期間が経過したか否かを判定する。この予め定められた期間は、たとえば24時間程度に設定される。前回の集約処理から予め定められた期間が経過したと判定されると(S1100にてYES)、処理はS1110へ移される。もしそうでないと(S1100にてNO)、この処理は終了する。
【0081】
S1110にて、CPU300は、アドレス使用管理テーブル(図5)を読出す。S1120にて、CPU300は、アドレスの現状の状態を示すフィールドに「通常」が記憶されたアドレスの中で、最新の使用日時から1ヶ月を経過したアドレスを抽出する。なお、図5の使用履歴(n)は使用履歴(n+1)よりも新しいので、最も新しい使用履歴(1)の使用日時(1)から1ヶ月が経過したアドレスが抽出される。
【0082】
S1130にて、CPU300は、抽出されたアドレスがあるか否かを判定する。抽出されたアドレスがあると判定されると(S1130にてYES)、処理はS1140へ移される。もしそうでないと(S1130にてNO)、この処理は終了する。
【0083】
S1140にて、CPU300は、抽出されたアドレスは、集約フォルダへの移動が可能か否か(集約可能か否か)を判定する。このとき、CPU300は、アドレス登録テーブル(図4)の集約可否フラグの状態(「1」または「0」)に基づいて集約フォルダへの移動が可能か否かを判定する。抽出されたアドレスは集約フォルダへの移動が可能であると判定されると(集約可否フラグに「1」がセットされているためS1140にてYES)、処理はS1150へ移される。もしそうでないと(集約可否フラグに「0」がセットされているためS1140にてNO)、この処理は終了する。
【0084】
S1150にて、CPU300は、アドレス使用管理テーブル(図5)において、該当するアドレスの現状の状態を示すフィールドの「通常」を「集約」に変更する。なお、S1140およびS1150の処理は、S1120の処理により抽出された全てのアドレスに対して実行される。
【0085】
−自動復帰処理プログラム−
図8を参照して、図6のS1080のサブルーチンプログラムについて説明する。S1200にて、CPU300は、ファクス/イメージ送信の宛先が集約フォルダに移動されているアドレスから指定されたか否かを判定する。ファクス/イメージ送信の宛先が集約フォルダに移動されているアドレスから指定されたと判定されると(S1200にてYES)、この処理はS1210へ移される。もしそうでないと(S1200にてNO)、この処理は終了する。
【0086】
S1210にて、CPU300は、自動復帰条件を読出す。この自動復帰条件とは、システム管理者により設定されて、ハードディスク302またはRAM308に記憶されている。ここでは、たとえば、自動復帰条件として、共有アドレス帳に対して、同一ユーザが集約フォルダに移動されたアドレスを10回指定および複数ユーザが集約フォルダに移動されたアドレスを5回指定することが設定されており、マイアドレス帳に対して、同一ユーザ(このマイアドレス帳の登録者でもあり使用者でもあるユーザ)が集約フォルダに移動されたアドレスを3回指定することが設定されている。これらの回数だけ所定のユーザが、集約フォルダに移動されたアドレスを、ファクス/イメージ送信の宛先として指定すると、そのアドレスを元のアドレス帳に自動的に復帰させる。なお、自動復帰条件として、特定のユーザについての指定回数のみを設定しても構わない。この場合、特定のユーザが1回でも指定すると復帰することになるので、ユーザを設定しているに過ぎないことになる。また、同一ユーザであっても複数ユーザであっても回数だけを設定すると、回数を設定しているに過ぎないことになる。
【0087】
S1220にて、CPU300は、ファクス/イメージ送信の宛先として指定したアドレスは、自動復帰条件を満足しているか否かを判定する。このとき、CPU300は、アドレス使用管理テーブル(図5)に記憶された、集約フォルダへの移動日時以降において使用された履歴に基づいて、自動復帰条件を満足しているか否かを判定する。より詳しくは、共有アドレス帳に対して、集約フォルダへの移動日時以降において同一ユーザによるファクス/イメージ送信の今回の指定が10回目の指定であると、自動復帰条件を満足したと判定される。共有アドレス帳に対して、集約フォルダへの移動日時以降において複数の異なるユーザによるファクス/イメージ送信の今回の指定が5回目の指定であると、自動復帰条件を満足したと判定される。マイアドレス帳に対して、集約フォルダへの移動日時以降においてこのマイアドレス帳の登録者(使用者)によるファクス/イメージ送信の今回の指定が3回目の指定であると、自動復帰条件を満足したと判定される。自動復帰条件を満足していると判定されると(S1220にてYES)、処理はS1230へ移される。もしそうでないと(S1220にてNO)、この処理は終了する。
【0088】
S1230にて、CPU300は、集約フォルダから通常フォルダへアドレスを自動復帰させることを確認するための自動復帰確認画面を表示パネル172に表示する。
【0089】
S1240にて、CPU300は、アドレス使用管理テーブル(図5)において、該当するアドレス(自動復帰対象のアドレス)の現状の状態を示すフィールドの「集約」を「通常」に変更する。
【0090】
−手動復帰処理プログラム−
図9を参照して、S1300にて、CPU300は、集約フォルダを表示する要求を検出したか否かを判定する。このとき、CPUは、共有アドレス帳であってもマイアドレス帳であっても、アドレス帳の通常フォルダのアドレスとともに表示パネル172に表示された「集約フォルダ」ボタンが押下されたことを検出すると、集約フォルダを表示する要求を検出したと判定する。集約フォルダを表示する要求を検出したと判定されると(S1300にてYES)、処理はS1310へ移される。もしそうでないと(S1300にてNO)、この処理は終了する。
【0091】
S1310にて、CPU300は、集約フォルダに移動されたアドレスを表示パネル172に表示する。このとき、マイアドレス帳の場合には、図5のアドレス使用管理テーブルにおいて公開フラグが「0」であって現状の状態が「集約」であるアドレスが抽出されて、抽出されたアドレスに対応する情報であってログインしているユーザが登録者IDと一致する状態が図4のアドレス登録テーブルから読み出されて表示パネル172に表示される。共有アドレス帳の場合には、図5のアドレス使用管理テーブルにおいて公開フラグが「1」であって現状の状態が「集約」であるアドレスが抽出されて、抽出されたアドレスに対応する情報が図4のアドレス登録テーブルから読み出されて表示パネル172に表示される。
【0092】
S1320にて、CPU300は、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレスが指定されたか否かを判定する。このとき、CPU300は、表示パネル172に表示されたアドレスが押下されて「戻す」ボタンが押下されると、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレスが指定されたと判定する。集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレスが指定されると(S1320にてYES)、処理はS1330へ移される。もしそうでないと(S1320にてNO)、この処理は終了する。S1320にてNOの場合とは、一定時間内に集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレスが指定されない場合である。
【0093】
S1330にて、CPU300は、集約フォルダから通常フォルダへアドレスを手動復帰させることを確認するための手動復帰確認画面を表示パネル172に表示する。このとき、表示パネル172には、たとえば、アドレス「005」を集約フォルダから元の通常フォルダへ戻すか否かの入力を促すメッセージが表示される。
【0094】
S1340にて、CPU300は、集約フォルダのアドレスを通常フォルダへ手動復帰させる要求を検出したか否かを判定する。このとき、アドレス「005」を集約フォルダから元の通常フォルダへ戻すか否かの入力を促すメッセージとともに表示された、「YES/NO」ボタンの「YES」ボタンが押下されると、集約フォルダのアドレスを通常フォルダへ手動復帰させる要求を検出したと判定する。集約フォルダのアドレスを通常フォルダへ手動復帰させる要求を検出したと判定されると(S1340にてYES)、処理はS1350へ移される。もしそうでないと(S1340にてNO)、この処理は終了する。
【0095】
S1350にて、CPU300は、アドレス使用管理テーブル(図5)において、該当するアドレス(手動復帰対象のアドレス)の現状の状態を示すフィールドの「集約」を「通常」に変更する。
【0096】
−削除処理プログラム−
図10を参照して、S1400にて、CPU300は、前回の削除処理から予め定められた期間が経過したか否かを判定する。この予め定められた期間は、たとえば1ヶ月程度に設定される。前回の削除処理から予め定められた期間が経過したと判定されると(S1400にてYES)、処理はS1410へ移される。もしそうでないと(S1400にてNO)、この処理は終了する。
【0097】
S1410にて、CPU300は、アドレス使用管理テーブル(図5)を読出す。S1420にて、CPU300は、アドレスの現状の状態を示すフィールドに「集約」が記憶されたアドレスの中で、最新の使用日時から1年経過したアドレスを抽出する。なお、図5の使用履歴(n)は使用履歴(n+1)よりも新しいので、最も新しい使用履歴(1)の使用日時(1)から1年が経過したアドレスが抽出される。
【0098】
S1430にて、CPU300は、抽出されたアドレスがあるか否かを判定する。抽出されたアドレスがあると判定されると(S1430にてYES)、処理はS1440へ移される。もしそうでないと(S1430にてNO)、この処理は終了する。
【0099】
S1440にて、CPU300は、抽出されたアドレスを削除する権限があるか否かを判定する。ログインユーザが管理者である場合には、ログインユーザは全てのアドレス帳の全ての登録アドレスについての削除権限を備え、管理者でないログインユーザは自分が登録したアドレスについての削除権限を備える。削除権限があると判定されると(S1440にてYES)、処理はS1450へ移される。もしそうでないと(S1440にてNO)、この処理は終了する。
【0100】
S1450にて、CPU300は、集約フォルダに移動されてからの1年間に使用されなかったアドレスを削除することを確認するための削除確認画面を表示パネル172に表示する。このとき、表示パネル172には、たとえば、アドレス「099」をこの画像形成装置から削除するか否かの入力を促すメッセージが表示される。
【0101】
S1460にて、CPU300は、集約フォルダのアドレスを削除する要求を検出したか否かを判定する。このとき、アドレス「099」をこの画像形成装置から削除するか否かの入力を促すメッセージとともに表示された、「YES/NO」ボタンの「YES」ボタンが押下されると、集約フォルダのアドレスを削除する要求を検出したと判定する。集約フォルダのアドレスを削除する要求を検出したと判定されると(S1460にてYES)、処理はS1470へ移される。もしそうでないと(S1460にてNO)、この処理は終了する。
【0102】
S1470にて、CPU300は、アドレス登録テーブル(図4)において、該当するアドレスを削除する。
【0103】
[動作]
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像形成装置150の動作について、図11〜図21を用いて説明する。
【0104】
−システム設定動作−
図11に、この画像形成装置150の表示パネル172に表示される、この画像形成装置150に記憶されたアドレス帳についてのシステム設定画面を示す。このシステム設定画面は、管理者としてログインしたユーザのみが操作できる。
【0105】
図11に、この画像形成装置150の表示パネル172に表示される、この画像形成装置150におけるアドレス帳をどのように管理するのかについての情報を管理者が入力するための設定画面を示す。
【0106】
図11を参照して、この設定画面において、システム設定項目として、最新の使用日時から所定期間が経過したアドレスを集約フォルダに移動させる集約条件(ここでは1ヶ月と設定されている。)、最新の使用日時から所定期間が経過したアドレスをこの画像形成装置150から削除する削除条件(ここでは1年と設定されている。)、集約フォルダにおいてファクス/イメージ送信の宛先として所定の回数が指定されたアドレスを集約フォルダから元のアドレス帳の通常フォルダに自動的に復帰させる復帰条件、がある。ここでは、復帰条件(1)として、共有アドレス帳に対して、同一ユーザが集約フォルダに移動されたアドレスを10回指定および複数ユーザが集約フォルダに移動されたアドレスを5回指定することが設定されており、復帰条件(2)として、マイアドレス帳に対して、同一ユーザ(このマイアドレス帳の登録者であって使用者でもあるユーザ)が集約フォルダに移動されたアドレスを3回指定することが設定されている。
【0107】
図11に示すシステム設定画面において管理者が設定した、集約条件、削除条件および復帰条件が、ハードディスク302またはRAM308に記憶されている。
【0108】
−アドレス登録動作−
図12に、この画像形成装置150の表示パネル172に表示される、この画像形成装置150に記憶されるアドレス帳のアドレス登録画面を示す。
【0109】
図12を参照して、このアドレス登録画面は、ログインしたユーザが操作できる。このアドレス登録画面では、図4のアドレス登録テーブルのフィールドに対応する項目が設定される。なお、登録番号(登録No)は自動的にシステムにより付与されるものであってもよい。
【0110】
1つの登録番号(登録No)に対して、1つのアドレスが登録される。登録項目として、表示名称、読みがな、FAX番号、メールアドレス、公開フラグ、集約可否フラグ等である。なお、FAX番号およびメールアドレスの少なくともいずれかは、設定されなければならない。
【0111】
さらに、このアドレスを登録しているユーザが、このアドレスを共有アドレス帳に公開(掲載)してもよいと考える場合には、「公開(共有アドレス帳)」ボタンを押下する。この場合には公開フラグに「1」がセットされる。このアドレスを登録しているユーザが、このアドレスを共有アドレス帳に公開(掲載)したくないと考える場合には、「非公開(マイアドレス帳)」ボタンを押下する。この場合には公開フラグに「0」がセットされる。公開フラグに「1」がセットされるとこのアドレスは共有アドレス帳に公開(掲載)され、公開フラグに「0」がセットされるとこのアドレスは共有アドレス帳に公開(掲載)されないでマイアドレス帳にのみ掲載される。なお、「公開(共有アドレス帳)」ボタンおよび「非公開(マイアドレス帳)」ボタンのいずれか1つが指定されなければならない。
【0112】
また、このアドレスを登録しているユーザが、このアドレスが集約条件を満足すると集約フォルダに移動されてもよいと考える場合には、「集約する」ボタンを押下する。この場合には集約可否フラグに「1」がセットされる。このアドレスを登録しているユーザが、このアドレスが集約条件を満足しても集約フォルダに移動されたくないと考える場合には、「集約しない」ボタンを押下する。この場合には集約可否フラグに「0」がセットされる。集約可否フラグに「1」がセットされるとこのアドレスは集約条件を満足すると集約フォルダに移動され、集約可否フラグに「0」がセットされるとこのアドレスは集約条件を満足しても集約フォルダに移動されない。なお、「集約する」ボタンおよび「集約しない」ボタンのいずれか1つが指定されなければならない。
【0113】
このようにして入力されたアドレスは、図4に示すアドレス登録テーブルに記憶される。
【0114】
−画像データ送信動作およびアドレス自動復帰動作−
画像データを送信したいユーザは、表示パネル172に図13に示すログイン画面が表示されている画像形成装置150に、ログインする。このとき、図13に示すログイン画面に表示された項目であるログイン名(ユーザID)、パスワードをユーザは入力する。これらの入力された項目が、認証先に登録されていると、この画像形成装置150を使用するユーザがログインしてきたと判定され(S1000にてYES)、ログインしてきたユーザIDが記憶される(S1010)。このユーザIDは、ログインしている状態において、この画像形成装置150の表示パネル172に表示される。
【0115】
このログインユーザが画像データの送信を行ないたいため、表示パネル172の最上部に表示された「ファクス/イメージ送信」タグボタンを押下する(S1020にてYES)。
【0116】
アドレス登録テーブル(図4)およびアドレス使用管理テーブル(図5)が読み出され(S1040)、読み出されたテーブルに基づいて、ユーザにより指定されたアドレス帳(共有アドレス帳およびマイアドレス帳のいずれかのアドレス帳)であって、ユーザにより要求されたページが表示される(S1050)。たとえば、このとき、図14に示すような画面が表示パネル172に表示される。
【0117】
図14に示す画面は、共有アドレス帳における通常フォルダの「あ」行のアドレスが登録番号の小さい順に表示されている。画面の右下方には「集約フォルダ」ボタンが表示されている。この「集約フォルダ」ボタンを押下すると、共有アドレス帳の集約フォルダのアドレスが図15に示すように表示される。図14および図15に示すように、共有アドレス帳のアドレス「005」は集約フォルダに移動されている(図5のアドレス使用履歴テーブルによると2009年7月31日に集約フォルダに移動)。
【0118】
また、「あ」行ボタンの左側方には、共有アドレス帳およびマイアドレス帳のいずれを表示するのか指定するタグボタンが表示されている。このタグボタンのマイアドレス帳を指定すると、マイアドレス帳における通常フォルダの「あ」行のアドレスが登録番号の小さい順に、「集約フォルダ」ボタン(マイアドレス帳の集約フォルダへ移動するためのボタン)とともに表示される。
【0119】
ここで、このログインユーザは、図15に示す共有アドレス帳の集約フォルダに記憶されている登録番号が「005」のアドレスをファクス/イメージ送信の宛先として指定したとする。このとき、表示パネル172に表示された「005」ボタンを押下すると図15に示すようにアドレス「005」が指定状態(二重枠線で指定状態を示す。)になり、さらに「宛先OK」ボタンを押下するとファクス/イメージ送信の宛先としてアドレス「005」が指定される(S1060にてYES)。なお、共有アドレス帳の集約フォルダに移動されているアドレス「005」は、この指定により、異なるユーザにより指定された回数が5回目に到達したとする。
【0120】
なお、このログインユーザは、図14に示す共有アドレス帳における通常フォルダに表示されたアドレス「002」をファクス/イメージ送信の宛先として指定する場合には、表示パネル172に表示された「002」ボタンを押下すると図14に示すようにアドレス「002」が指定状態になり、さらに「宛先OK」ボタンを押下するとファクス/イメージ送信の宛先としてアドレス「002」が指定される(S1060にてYES)。
【0121】
このログインユーザがファクス/イメージ送信の宛先として指定したアドレス(ここではアドレス「005」)について、使用日時および使用ユーザIDがアドレス使用管理テーブル(図5)に書き込まれる(S1070)。このとき、アドレス「005」の使用履歴は、集約フォルダに移動されてから(集約フォルダへの移動日以降)異なるユーザ5人により指定されたことが記憶される。たとえば、使用日時(1)として2009年8月21日9時45分30秒(現在の日時)および使用ユーザIDとしてユーザ0001(現在のログインユーザ)、使用日時(2)として2009年8月17日16時2分13秒および使用ユーザIDとしてユーザ0021、使用日時(3)として2009年8月16日13時37分27秒および使用ユーザIDとしてユーザ0031、使用日時(4)として2009年8月13日9時52分55秒、使用ユーザIDとしてユーザ0041および使用日時(5)として2009年8月4日11時25分22秒および使用ユーザIDとしてユーザ0051が記憶されている。なお、使用日時(6)は、集約フォルダへの移動日である2009年7月31日よりも1ヶ月前に(自動集約条件は1ヶ月であるので7月中は通常フォルダでは指定されていない)通常フォルダにおいてファクス/イメージ送信の宛先として指定された日時である(たとえば2009年6月30日)。
【0122】
このような場合には、集約フォルダのアドレスがファクス/イメージ送信の宛先として指定され(S1200にてYES)、自動復帰条件を満足するので(S1220にてYES)、図16に示す自動復帰確認画面が表示パネル172に表示される(S1230)。図16に示すように、「集約アドレスリストで宛先が指定された以下のアドレスは、復帰条件(複数ユーザで5回)を満足しましたので元の共有アドレス帳に復帰します。」というメッセージとともに、アドレス「005」が表示され、「次画面へ」ボタンが表示される。ログインユーザが「次画面へ」ボタンを押下すると、アドレス使用管理テーブル(図5)において、アドレス「005」の現状の状態を示すフィールドの「集約」が「通常」に変更される(S1240)。これにより、後述する図20に示すように、アドレス「005」が共有アドレス帳の通常フォルダに表示されるようになる。
【0123】
その後、画像データの送信処理が行なわれて、アドレス「005」に所望の画像データが送信される(S1090)。
【0124】
なお、集約フォルダのアドレスがファクス/イメージ送信の宛先として指定され(S1200にてYES)、異なる自動復帰条件を満足する場合には(S1220にてYES)、図17に示す自動復帰確認画面が表示パネル172に表示される(S1230)。図17に示すように、「集約アドレスリストで宛先が指定された以下のアドレスは、復帰条件(同一ユーザで10回)を満足しましたので元の共有アドレス帳に復帰します。」というメッセージとともに、アドレス「005」が表示され、「次画面へ」ボタンが表示される。ログインユーザが「次画面へ」ボタンを押下すると、アドレス使用管理テーブル(図5)において、アドレス「005」の現状の状態を示すフィールドの「集約」が「通常」に変更される(S1240)。これにより、後述する図20に示すように、アドレス「005」が共有アドレス帳の通常フォルダに表示されるようになる。
【0125】
さらに、マイアドレス帳の集約フォルダのアドレスがファクス/イメージ送信の宛先として指定され(S1200にてYES)、マイアドレス帳について設定された自動復帰条件を満足する場合には(S1220にてYES)、図18に示す自動復帰確認画面が表示パネル172に表示される(S1230)。図18に示すように、「集約アドレスリストで宛先が指定された以下のアドレスは、復帰条件(同一ユーザで3回)を満足しましたので元のマイアドレス帳に復帰します。」というメッセージとともに、アドレス「055」が表示され、「次画面へ」ボタンが表示される。ログインユーザが「次画面へ」ボタンを押下すると、アドレス使用管理テーブル(図5)において、アドレス「055」の現状の状態を示すフィールドの「集約」が「通常」に変更される(S1240)。これにより、アドレス「055」がマイアドレス帳の通常フォルダに表示されるようになる。
【0126】
−アドレス自動集約動作−
前回の集約動作から24時間が経過すると(S1100にてYES)、アドレス使用管理テーブルが読み出されて(S1110)、アドレスの現状の状態を示すフィールドに「通常」が記憶されたアドレスの中で、最新の使用日時(使用履歴(1)の使用日時(1))から1ヶ月が経過したアドレスが抽出される(S1120)。
【0127】
抽出されたアドレスがあって(S1130にてYES)、その抽出されたアドレスについての集約可否フラグに「1」がセットされていると集約フォルダへの移動が可能であると判定される(S1140にてYES)。
【0128】
アドレス使用管理テーブル(図5)において、該当するアドレスの現状の状態を示すフィールドの「通常」が「集約」に変更される(S1150)。
【0129】
これにより、これ以降は、最新の使用日時から1ヶ月以上の期間において使用されていない(ファクス/イメージ送信の宛先として指定されていない)アドレスは、集約フォルダに表示される(集約アドレスリスト)。
【0130】
−アドレス手動復帰動作−
図14に示すように、共有アドレス帳の通常フォルダの「あ」行のアドレスが登録番号の小さい順に表示されている状態において、画面の右下方に表示された「集約フォルダ」ボタンを押下すると(S1300にてYES)、共有アドレス帳の集約フォルダのアドレスが図15に示すように表示される(S1310)。図14および図15に示すように、共有アドレス帳のアドレス「005」は集約フォルダに移動されている(図5のアドレス使用履歴テーブルによると2009年7月31日に集約フォルダに移動)ので、集約アドレスリストして表示される。
【0131】
図15に示すように、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレス「005」ボタンを押下して、図19に示すように、「戻す」ボタンが押下されると、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレスとしてアドレス「005」が指定されたと判定される(S1320)。
【0132】
アドレス「005」を集約フォルダから元の通常フォルダへ戻すか否かの入力を促すメッセージが表示されるとともに(S1330)、このメッセージに応答してログインユーザが、「YES/NO」ボタンの「YES」ボタンを押下すると、集約フォルダのアドレスを通常フォルダへ手動復帰させる要求を検出したと判定される(S1340にてYES)。
【0133】
アドレス使用管理テーブル(図5)において、アドレス「005」の現状の状態を示すフィールドの「集約」を「通常」に変更する。これにより、図20に示すように、アドレス「005」が共有アドレス帳の通常フォルダに表示されるようになる。図14に示す共有アドレス帳の通常フォルダと図20に示す共有アドレス帳の通常フォルダとを比較すると、共有アドレス帳において、アドレス「005」が集約フォルダから通常フォルダに復帰していることがわかる。
【0134】
−アドレス削除動作−
前回の削除動作から1ヶ月が経過すると(S1400にてYES)、アドレス使用管理テーブルが読み出されて(S1410)、アドレスの現状の状態を示すフィールドに「通常」が記憶されたアドレスの中で、最も新しい使用日時(使用履歴(1)の使用日時(1))から1年が経過したアドレスが抽出される(S1420)。
【0135】
上述したように、ログインユーザが管理者である場合には全てのアドレス帳の全ての登録アドレスについての削除権限を備え、管理者でないログインユーザは自分が登録したアドレスについての削除権限を備える。ここでは、抽出されたアドレスについて削除権限を備えたユーザ(たとえば管理者)がログインしているとする。
【0136】
抽出されたアドレスがあって(S1430にてYES)、その抽出されたアドレスを削除する権限を備えたユーザがログインしているので、削除権限があると判定される(S1440にてYES)。
【0137】
集約フォルダに移動されてからの1年間に使用されなかったアドレスを削除することを確認するための、図21に示す削除確認画面が表示パネル172に表示される(S1450)。図21に示すように、「集約アドレスリスト内で1年間宛先が指定されない以下のアドレスは、削除条件を満足しました。現在のログインユーザは削除権限を有します。削除しますか?」というメッセージとともに、アドレス「099」が表示され、「YES;削除します」ボタンおよび「NO:削除しません」ボタンが表示される。ログインユーザが「YES;削除します」ボタンを押下すると(S1460にてYES)、アドレス登録テーブル(図4)において、アドレス「099」の情報が削除される(S1470)。これにより、アドレス「099」はこの画像形成装置150の記憶装置(ハードディスク302またはRAM308)から削除される(S1470)。
【0138】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像形成装置によると、(1)画像送信時において、予め登録されたアドレス帳を用いて画像データを送信する宛先を指定し、(2)アドレス帳に登録されているアドレスであっても使用頻度の少ないアドレスは集約フォルダに自動的に移動させ、(3)その集約フォルダに移動されたアドレスが宛先として指定されたりユーザが復帰を要求したりすると元のアドレス帳に復帰させ、(4)削除についての条件を満足するとその集約フォルダに移動されたアドレスをアドレス帳から削除する。このように、本実施の形態に係る画像形成装置においては、ユーザが好適に画像の送信先を指定することができるように、アドレス帳が管理される。その結果、アドレス帳を用いて、画像データの送信先をワンタッチダイヤルまたは短縮ダイヤルで、容易に指定することができる。
【0139】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。本実施の形態に係る画像形成装置は、集約フォルダに移動されたアドレスを表示する場合に、ログインユーザが集約フォルダから、宛先アドレスまたは手動復帰アドレスを指定しやすい態様で、表示パネル172に集約アドレスリストを表示するための集約フォルダ表示プログラムを実行する。本実施の形態に係る画像形成装置の構造は、CPU300で実行されるプログラム構造だけが第1の実施の形態と異なる。このため、このプログラム構造について以下に説明する。
【0140】
[ソフトウェア構成]
図22は、本実施の形態に係る画像形成装置のCPU300で実行される集約フォルダ表示処理プログラム(サブルーチンプログラム)の制御構造を示すフローチャートである。なお、図22のフローチャートにおいて、上述した図に記載した処理と同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの機能も同じであるので、それらについての詳細な説明は繰りかえさない。
【0141】
図22を参照して、S2000にて、CPU300は、アドレス登録テーブル(図4)およびアドレス使用管理テーブル(図5)を読出す。
【0142】
S2010にて、CPU300は、アドレス使用管理テーブルにおいてアドレスの現状の状態を示すフィールドに「集約」が記憶されたアドレスを抽出する。
【0143】
S2020にて、CPU300は、抽出されたアドレスを、最新使用日時順に並べ替える。このとき、CPU300は、各アドレスの使用履歴(1)の使用日時(1)として記憶された日時データに基づいて、アドレスを最新使用日時順に並べ替える。
【0144】
S2030にて、CPU300は、集約フォルダ表示において、Nヶ月(Nは12以下の自然数であるが、ここでは5以下の自然数とする。)使用されていないアドレスを表示する要求が検出されたか否かを判定する。Nヶ月使用されていないアドレスの表示要求が検出されたと判定されると(S2030にてYES)、処理はS2040へ移される。もしそうでないと(S2030にてNO)、この処理は終了する。S2040にてNOの場合とは、一定時間内に集約フォルダにおいてNヶ月使用されていないアドレスの表示要求が指定されない場合である。
【0145】
S2040にて、CPU300は、Nヶ月使用されていないアドレスを表示する。このとき、CPU300は、最新使用日時順に並べ替えられたアドレスに基づいて、指定されたNヶ月間使用されていないアドレスを抽出して、表示する。
【0146】
[動作]
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像形成装置150の集約アドレス表示動作について説明する。
【0147】
図14に示すように、共有アドレス帳の通常フォルダの「あ」行のアドレスが登録番号の小さい順に表示されている状態において、画面の右下方に表示された「集約フォルダ」ボタンを押下すると(S1300にてYES)、アドレス使用管理テーブルにおいてアドレスの現状の状態を示すフィールドに「集約」が記憶されたアドレスが抽出されて(S2020)、さらに、抽出されたアドレスが最新使用日時順に並べ替えられる(S2020)。
【0148】
ログインユーザが、集約フォルダにおいて、Nヶ月間、ファクス/イメージ送信の宛先として指定されていない集約アドレスリストを要求すると(S2030にてYES)、共有アドレス帳の集約フォルダのアドレスであって、Nヶ月使用されていないアドレスが図23に示すように表示される(S2040)。
【0149】
図23は(図19と比較するとより違いが明確になるが)、集約アドレスリストの下方に、ファクス/イメージ送信の宛先として指定されていない期間を示す「1ヶ月」、「2ヶ月」、「3ヶ月」、「4ヶ月」、「5ヶ月」のタグボタンが表示される。また、全期間の集約アドレスリストを表示することに対応する「全て」のタグボタンも表示される。図23においては「1ヶ月」のタグボタンが押下されて、集約アドレスリストの中で1ヶ月間ファクス/イメージ送信の宛先として指定されていないアドレスが表示される。
【0150】
このように、図23に示すように、共有アドレス帳の集約フォルダのアドレスであって、1ヶ月使用されていないアドレスが表示されている状態で、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレス「005」ボタンを押下して、図23に示すように、「戻す」ボタンが押下されると、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレスとしてアドレス「005」が指定されたと判定される(S1320)。
【0151】
このように本実施の形態に係る画像形成装置によると、集約フォルダに移動されたアドレスを、ファクス/イメージ送信の宛先として指定されていない期間を1ヶ月単位で区分けして表示させる。このため、集約フォルダにおいて、所望のアドレスをユーザが探し易くなる。
【0152】
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。本実施の形態に係る画像形成装置は、集約フォルダに移動されたアドレスを表示する場合に、ログインユーザが集約フォルダから、宛先アドレスまたは手動復帰アドレスを指定しやすい態様で、表示パネル172に集約アドレスリストを表示するための集約フォルダ表示プログラム(第2の実施の形態に係るプログラムとは異なる)を実行する。本実施の形態に係る画像形成装置の構造は、CPU300で実行されるプログラム構造だけが上述した実施の形態と異なる。このため、このプログラム構造について以下に説明する。
【0153】
[ソフトウェア構成]
図24は、本実施の形態に係る画像形成装置のCPU300で実行される集約フォルダ表示処理プログラム(サブルーチンプログラム)の制御構造を示すフローチャートである。なお、図24のフローチャートにおいて、上述した図に記載した処理と同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの機能も同じであるので、それらについての詳細な説明は繰りかえさない。
【0154】
図24を参照して、S3000にて、CPU300は、抽出されたアドレスを、集約フォルダに移動されてからの使用回数(ファクス/イメージ送信の宛先として指定された回数)が多い順または少ない順に並べ替える。このとき、CPU300は、各アドレスの使用履歴として記憶されたデータに基づいて、アドレスを使用回数順に並べ替える。
【0155】
S3010にて、CPU300は、集約フォルダ表示において、使用回数がM(1)〜M(2)(M(1)およびM(2)は自然数で、M(1)<M(2))アドレスについての表示要求が検出されたか否かを判定する。使用回数がM(1)〜M(2)のアドレスを表示する要求が検出されたと判定されると(S3010にてYES)、処理はS3020へ移される。もしそうでないと(S3010にてNO)、この処理は終了する。S3010にてNOの場合とは、一定時間内に集約フォルダにおいて使用回数がM(1)〜M(2)のアドレスの表示要求が指定されない場合である。
【0156】
S3020にて、CPU300は、集約フォルダでの使用回数がM(1)〜M(2)のアドレスを表示する。このとき、CPU300は、使用回数順に並べ替えられたアドレスに基づいて、指定された使用回数がM(1)〜M(2)のアドレスを抽出して、表示する。
【0157】
[動作]
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像形成装置150の集約アドレス表示動作について説明する。
【0158】
図14に示すように、共有アドレス帳の通常フォルダの「あ」行のアドレスが登録番号の小さい順に表示されている状態において、画面の右下方に表示された「集約フォルダ」ボタンを押下すると(S1300にてYES)、アドレス使用管理テーブルにおいてアドレスの現状の状態を示すフィールドに「集約」が記憶されたアドレスが抽出されて(S2020)、さらに、抽出されたアドレスが、集約フォルダへ移動されてからの使用回数順に並べ替えられる(S3000)。
【0159】
ログインユーザが、集約フォルダにおける使用回数がM(1)〜M(2)である集約アドレスリストを要求すると(S3010にてYES)、共有アドレス帳の集約フォルダのアドレスであって、使用回数がM(1)〜M(2)のアドレスが図25に示すように表示される(S3020)。
【0160】
図25は(図19と比較するとより違いが明確になるが)、集約アドレスリストの下方に、ファクス/イメージ送信の宛先として指定された回数を示す「1−5」、「6−10」、「11−15」、「16−20」、「21−25」、「26−29」のタグボタンが表示される。また、全期間の集約アドレスリストを表示することに対応する「全て」のタグボタンも表示される。図25においては「1−5」のタグボタンが押下されて、集約アドレスリストの中でファクス/イメージ送信の宛先として1回以上5回以下指定されたアドレスが表示される。なお、本実施の形態においては、復帰条件は一律に30回(同一ユーザであっても複数ユーザであっても同じで、共有アドレス帳であってもマイアドレス帳であっても同じ)であるとする。
【0161】
このように、図25に示すように、共有アドレス帳の集約フォルダのアドレスであって、ファクス/イメージ送信の宛先として使用された回数が1回以上5回以下であるアドレスが表示されている状態で、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレス「005」ボタンを押下して、図25に示すように、「戻す」ボタンが押下されると、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレスとしてアドレス「005」が指定されたと判定される(S1320)。
【0162】
このように本実施の形態に係る画像形成装置によると、集約フォルダに移動されたアドレスを、ファクス/イメージ送信の宛先として指定された回数で区分けして表示させる。このため、集約フォルダにおいて、所望のアドレスをユーザが探し易くなる。特に、通常フォルダへ自動復帰される前のアドレスであって、集約フォルダからファクス/イメージ送信の宛先として使用された回数が多いアドレスを容易に手動で復帰させることができる。
【0163】
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。本実施の形態に係る画像形成装置は、集約フォルダに移動されたアドレスを表示する場合に、ログインユーザが集約フォルダから、宛先アドレスまたは手動復帰アドレスを指定しやすい態様で、表示パネル172に集約アドレスリストを表示するための集約フォルダ表示プログラム(第2の実施の形態に係るプログラムおよび第3の実施の形態に係るプログラムとは異なる)を実行する。本実施の形態に係る画像形成装置の構造は、CPU300で実行されるプログラム構造だけが上述した実施の形態と異なる。このため、このプログラム構造について以下に説明する。
【0164】
[ソフトウェア構成]
図26は、本実施の形態に係る画像形成装置のCPU300で実行される集約フォルダ表示処理プログラム(サブルーチンプログラム)の制御構造を示すフローチャートである。なお、図26のフローチャートにおいて、上述した図に記載した処理と同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの機能も同じであるので、それらについての詳細な説明は繰りかえさない。
【0165】
図26を参照して、S4000にて、CPU300は、抽出されたアドレスについて、使用頻度が高かった季節で分類する。このとき、CPU300は、アドレス使用管理テーブルにおける各アドレスの集約判定前に高頻度で使用された月(季節)についてのデータに基づいて、アドレスを使用頻度が高かった季節で分類する。
【0166】
S4010にて、CPU300は、集約フォルダ表示において、季節表示要求が検出されたか否かを判定する。アドレスを季節表示する要求が検出されたと判定されると(S4010にてYES)、処理はS4020へ移される。もしそうでないと(S4010にてNO)、この処理は終了する。S4010にてNOの場合とは、一定時間内に集約フォルダにおいてアドレスの季節表示が指定されない場合である。
【0167】
S4020にて、CPU300は、集約フォルダにおいて、表示が要求された季節(冬(12月−2月)、春(3月−5月)、夏(6月−8月)、秋(9月−11月))に使用頻度が高いアドレスを表示する。
【0168】
[動作]
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像形成装置150の集約アドレス表示動作について説明する。
【0169】
図14に示すように、共有アドレス帳の通常フォルダの「あ」行のアドレスが登録番号の小さい順に表示されている状態において、画面の右下方に表示された「集約フォルダ」ボタンを押下すると(S1300にてYES)、アドレス使用管理テーブルにおいてアドレスの現状の状態を示すフィールドに「集約」が記憶されたアドレスが抽出されて(S2020)、さらに、抽出されたアドレスが、使用頻度が高かった季節により分類される(S4000)。
【0170】
ログインユーザが、集約フォルダにおいて、使用頻度が高かった季節(冬、春、夏、秋)の集約アドレスリストを要求すると(S4010にてYES)、共有アドレス帳のアドレスであって、要求された季節によく使用されたが現在は集約フォルダに移動されているアドレスが図27に示すように表示される(S4020)。
【0171】
図27は(図19と比較するとより違いが明確になるが)、集約アドレスリストの下方に、通常フォルダにおいてファクス/イメージ送信の宛先としてよく指定された季節を示す「12月−2月(冬)」、「3月−5月(春)」、「6月−8月(夏)」、「9月−11月(秋)」のタグボタンが表示される。また、全期間の集約アドレスリストを表示することに対応する「全て」のタグボタンも表示される。図27においては「12月−2月(冬)」のタグボタンが押下されて、集約アドレスリストの中でファクス/イメージ送信の宛先として12月−2月(冬)に、ファクス/イメージ送信の宛先としてよく指定されたアドレスが表示される(実際のアドレス表示例は後述する図28参照)。
【0172】
このように、共有アドレス帳の集約フォルダのアドレスであって、通常フォルダにおいてファクス/イメージ送信の宛先としてよく使用された季節が季節(冬、春、夏、秋)に区分けされてアドレスが表示されている状態で、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレスのボタンを押下して、「戻す」ボタンが押下されると、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレスとしてアドレスが指定されたと判定される(S1320)。
【0173】
このように本実施の形態に係る画像形成装置によると、集約フォルダに移動されたアドレスを、ファクス/イメージ送信の宛先としてよく指定された季節で区分けして表示させる。このため、集約フォルダにおいて、所望のアドレスをユーザが探し易くなる。特に、通常フォルダへ自動復帰される前のアドレスであって、集約フォルダにおいてよく使用された季節に対応付けしてアドレスを容易に手動で復帰させることができる。また、一定の季節に繰り返して画像データを送信する宛先を、集約フォルダの中から指定しやすくなる。
【0174】
<変形例>
なお、第4の実施の形態に第3の実施の形態を組合わせても構わない。この場合には、図27に示すように、「12月−2月(冬)」のタグボタンが押下すると、図28に示すような画面に切換る。図28に示すように、「12月−2月(冬)」によく使用されたアドレスを、集約フォルダでの使用回数別に表示することができる。なお、上述した実施の形態の組合わせは任意である。
【0175】
このように、図28に示すように、共有アドレス帳の集約フォルダのアドレスであって、ファクス/イメージ送信の宛先として使用された頻度の高い季節が「12月−2月(冬)」で、集約フォルダでファクス/イメージ送信の宛先として使用された回数が1回以上5回以下であるアドレスが表示されている状態で、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレス「005」ボタンを押下して、図28に示すように、「戻す」ボタンが押下されると、集約フォルダから通常フォルダに復帰させるアドレスとしてアドレス「005」が指定されたと判定される(S1320)。
【0176】
このように、複数の条件を組合わせて集約フォルダのアドレスリストを表示させるので、ログインユーザが集約フォルダ内のアドレスを探し易くなる。
【0177】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0178】
150 画像形成装置
166 操作装置
170 操作パネル
172 表示パネル
300 CPU
302 ハードディスク
306 ROM
308 RAM
310 バス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の宛先を予め登録しておいて、前記複数の宛先の中から送信先を指定して画像データを送信する画像通信装置であって、
前記画像通信装置が前記宛先を識別する宛先情報と、前記宛先が送信先として使用された頻度とを記憶するための記憶手段と、
予め登録された複数の宛先を、前記頻度が高い宛先は低い宛先よりも優先して表示するための表示手段と、
前記表示された複数の宛先の中からユーザが送信先を指定するための指定手段と、
前記指定された送信先へ画像データを送信するための送信手段と、
前記頻度が低い宛先であって優先されないで表示された宛先が送信先として指定された場合には、優先して表示するように表示態様を変更するための変更手段とを含む、画像通信装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記頻度が高い宛先についての情報を記憶する第1の領域と、前記頻度が低い宛先についての情報を記憶する第2の領域とを含み、
前記表示手段は、前記複数の宛先を階層的に表示するための手段を含み、前記第1の領域に記憶された宛先を前記第2の領域に記憶された宛先よりも上位の階層に表示するための手段を含み、
前記変更手段は、前記第2の領域に記憶された宛先であって下位の階層に表示された宛先が、送信先として指定された場合には、前記第1の領域に記憶されるように変更するための手段を含む、請求項1に記載の画像通信装置。
【請求項3】
前記第1の領域は通常フォルダであり、前記第2の領域は一時退避フォルダであり、
前記変更手段は、前記一時退避フォルダから前記通常フォルダへ移動させるための手段を含む、請求項2に記載の画像通信装置。
【請求項4】
フォルダを移動させる宛先をユーザが指定するための手段と、
前記ユーザにより指定された宛先を、前記一時退避フォルダから前記通常フォルダへ移動させるための手段とをさらに含む、請求項4に記載の画像通信装置。
【請求項5】
前記変更手段は、前記頻度が低い宛先が送信先として指定された場合には、復帰条件に基づいて表示態様を変更するための手段を含み、
前記復帰条件は、前記宛先を送信先に指定した回数についての条件である、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像通信装置。
【請求項6】
ユーザがログインするための認証手段をさらに含み、
前記記憶手段は、前記ログインしたユーザごとに、前記宛先情報と前記頻度とを記憶するための手段を含み、
前記変更手段は、前記頻度が低い宛先が送信先として指定された場合には、復帰条件に基づいて表示態様を変更するための手段を含み、
前記復帰条件は、前記ログインユーザが宛先を送信先に指定した回数についての条件である、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像通信装置。
【請求項7】
前記変更手段は、前記頻度が低い宛先が送信先として指定された場合には、復帰条件に基づいて表示態様を変更するための手段を含み、
前記復帰条件は、前記宛先を送信先に指定したユーザについての条件である、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像通信装置。
【請求項8】
前記変更手段は、前記頻度が低い宛先が送信先として指定された場合には、復帰条件に基づいて表示態様を変更するための手段を含み、
前記復帰条件は、第1のユーザが前記宛先を送信先に指定した回数と、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザが前記宛先を送信先に指定した回数とについての条件である、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像通信装置。
【請求項9】
前記表示手段は、前記頻度が低い宛先であって表示が優先されない宛先を、グループに分類して表示するための手段を含む、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像通信装置。
【請求項10】
前記グループは、送信先として指定されていない期間の長さに応じて設定された複数のグループである、請求項9に記載の画像通信装置。
【請求項11】
前記グループは、送信先として指定された回数に応じて設定された複数のグループである、請求項9に記載の画像通信装置。
【請求項12】
前記グループは、送信先として指定された時期に応じて設定された複数のグループである、請求項9に記載の画像通信装置。
【請求項13】
前記頻度が低い宛先であって優先されないで表示された宛先であって、指定されない期間が予め定められた期間を経過すると、前記記憶手段から削除するための削除手段をさらに含む、請求項1〜請求項12のいずれかに記載の画像通信装置。
【請求項14】
ログインしたユーザが宛先を削除する権限を備えているか否かを判定するための手段をさらに含み、
前記削除手段は、前記権限を備えている場合に、前記宛先を前記記憶手段から削除するための手段をさらに含む、請求項13に記載の画像通信装置。
項6のいずれかに記載の画像通信装置。
【請求項15】
請求項1〜請求項14のいずれかに記載の画像通信装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−35709(P2011−35709A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180623(P2009−180623)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】