説明

画像配信装置

【課題】一般ユーザであっても、画像データの自動配信をキャンセルすることができる画像配信装置を提供する。
【解決手段】画像配信装置2は、複数の通信装置と通信可能に接続し、画像データを含む配信ジョブに埋め込まれた条件判定対象情報が、所定の配信条件を満たしたときに、前記配信ジョブに埋め込まれたユーザ情報を抽出し、そのユーザ情報に対して予め設定された前記通信装置宛の配信先アドレスを用いて、前記配信ジョブを配信する画像配信装置2であって、キャンセル指示の情報とともに入力ユーザ情報が入力される入力部22と、前記入力ユーザ情報と対応するユーザ情報が埋め込まれた前記配信ジョブの配信をキャンセルするキャンセル部216とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像配信装置に関し、例えば、画像を取り込むスキャナなどの画像形成装置を備え、PC(Personal Computer)などの通信装置と通信可能に接続される複合機に備えられて、予め配信先として設定された配信先通信装置に画像データを自動配信する画像配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像配信装置を利用する利用者(ユーザ)は、その画像配信装置を管理する権限を持つ“管理ユーザ”と、管理ユーザから画像配信装置を利用する権限が与えられた“一般ユーザ”との2つのタイプに分けられる。ユーザが画像配信装置を利用する際に、画像配信装置は、ユーザに対してユーザ認証を行い、管理ユーザ/一般ユーザのどちらであるのかを判断する。
また、従来の画像配信装置は、予め配信先として配信先通信装置宛のメールアドレスを設定しておくことで、所定の条件(時間など)を満たしたときに、一般ユーザがスキャナで取り込んでおいた画像データを、電子メールで配信先通信装置に自動配信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−343143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像配信装置には、画像データの自動配信を中止する権限が管理ユーザにしか与えられていなかった。そのため、一般ユーザは、極秘書類などの画像データを配信したくない場合、管理ユーザにいちいち配信中止依頼をして、配信される前に画像データの自動配信をキャンセル(中止)してもらう必要があった。また、一般ユーザからの配信中止依頼に対応しなければならないという問題点がある。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、一般ユーザであっても、画像データの自動配信をキャンセルすることができる画像配信装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の画像配信装置は、複数の通信装置と通信可能に接続し、画像データを含む配信ジョブに埋め込まれた条件判定対象情報が、所定の配信条件を満たしたときに、前記配信ジョブに埋め込まれたユーザ情報を抽出し、そのユーザ情報に対して予め設定された前記通信装置宛の配信先アドレスを用いて、前記配信ジョブを配信する画像配信装置において、キャンセル指示の情報とともに入力ユーザ情報が入力される入力部と、前記入力ユーザ情報と対応するユーザ情報が埋め込まれた前記配信ジョブの配信をキャンセルするキャンセル部とを備える構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一般ユーザであっても、画像データなどの自動配信をキャンセルすることができる。そのため、一般ユーザはいちいち管理ユーザに削除依頼をする必要がないため、一般ユーザおよび管理ユーザの作業効率が向上する。
【0008】
また、自動配信をキャンセルすることができるため、情報漏えいなどの事故を未然に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る複合機を含む配信システムを示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る複合機の構成を示すブロック図である。
【図3】配信条件記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図4】アカウント記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図5】アドレス記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図6】ユーザ管理DBに管理される情報の一例を示す図である。
【図7】配信先DBに管理される情報の一例を示す図である。
【図8】ジョブ認識部にて生成される『投入ジョブ』の一例を示す図である。
【図9】ジョブ認識部にて生成される『キャンセルジョブ』の一例を示す図である。
【図10】第1の実施形態に係る画像配信機能部の画像配信処理動作のフローチャートである。
【図11】図10に続く第1の実施形態に係る画像配信機能部の画像配信処理動作のフローチャートである。
【図12】図11に続く第1の実施形態に係る画像配信機能部の画像配信処理動作のフローチャートである。
【図13】第1の実施形態に係る画像配信機能部のユーザ認証処理動作のフローチャートである。
【図14】第1の実施形態に係る画像配信機能部のジョブ削除処理動作のフローチャートである。
【図15】第2の実施形態に係る複合機の構成を示すブロック図である。
【図16】第2の実施形態に係る画像配信機能部の配信先削除処理動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明について概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、複合機を含む配信システムを示す図である。
この図1に示すように、画像配信システム1は、画像配信装置としての複合機2と、複数の情報処理装置3とを備える。そして、複合機2は、情報処理装置3(管理用情報処理装置31,一般用情報処理装置32)それぞれと、LAN(Local Area Network)や電話回線などの有線または無線によるネットワークN1を介して、通信可能に接続されている。
また、複合機2は、例えば、ファクシミリ装置4aやコンピュータ4bである受信装置4(4a,4b,・・・)それぞれとWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)、電話回線などの有線または無線によるネットワークN2を介して、通信可能に接続し、FAXや電子メールを受信装置4に送信する。
【0012】
(複合機2)
複合機2は、印刷機能部51、FAX機能部52、スキャナ機能部53、電子メール機能部54、画像配信機能部55などを備え、紙などの媒体表面から画像を読み取る機能や、読み取った画像データを画像処理する画像処理機能、画像処理した画像データを、ネットワークNを介して、所定の条件を満たしたときに情報処理装置3に配信する画像配信機能などを実行する装置である。
この複合機2は、例えば、電子写真記録方式のプリンタ、ファクシミリ装置、複写機、MFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などを備える。
【0013】
(情報処理装置3)
情報処理装置3は、複合機2からネットワークN1を介して、画像が送信される一般的なコンピュータ(PC;Personal Computer)であり、管理用情報処理装置31と、一般用情報処理装置32とを含む。
【0014】
管理用情報処理装置31は、複合機2を管理する権限を有する管理ユーザが利用するコンピュータである。管理用情報処理装置31を用いることで、管理ユーザは複合機2にアクセスして、一般ユーザの追加・削除設定や、処理動作に使われる設定値の変更などの管理をすることができる。この管理用情報処理装置31は、複数あっても構わない。
【0015】
一般用情報処理装置32は、管理ユーザから複合機2を利用する権限が与えられた一般ユーザが利用するコンピュータである。一般用情報処理装置32を用いることで、一般ユーザは複合機2にアクセスすることができる。この一般用情報処理装置32は、図1に示すように、一般用情報処理装置32a,32b,32c,・・・というように複数あっても構わない。
【0016】
《第1の実施形態》
図2は、第1の実施形態に係る複合機の構成を示すブロック図である。
複合機2は、印刷機能部51と、FAX機能部52と、スキャナ機能部53と、電子メール機能部54と、画像配信機能部55と、機能制御部50とを備える。
ここで、印刷機能部51と、FAX機能部52と、スキャナ機能部53と、電子メール機能部54とは、一般的な複合機が備える機能であるため、説明を省略する。例えば、印刷機能部51は、紙などの媒体に画像を形成する。FAX機能部52は、ネットワークN2を介して画像データを送信する。スキャナ機能部53は、紙などの媒体表面から画像を読み取る。電子メール機能部54は、ネットワークN1またはネットワークN2を介して電子メールで画像データなどを送信する。
【0017】
この第1の実施形態に係る複合機2は、画像を取り込んで画像データを生成したユーザであれば、自動配信される前の画像データを削除することができる構成となっている。これにより、一般ユーザであっても、画像データの自動配信をキャンセルすることができる。
【0018】
<機能制御部50>
機能制御部50は、印刷機能部51や、FAX機能部52、スキャナ機能部53(画像データ生成部)、電子メール機能部54、画像配信機能部55を制御して、複合機2として機能させる制御部である。
第1の実施形態における機能制御部50が行う処理についての詳細は後記する。
【0019】
<画像配信機能部55>
画像配信機能部55は、本実施形態の特徴的な構成であり、制御部21と、記憶部23と、ユーザからの入力を受け付ける操作入力部24(入力部22)と、ユーザが視認可能な画面表示部25と、ネットワークN1と接続する通信部26(入力部22)と、時刻を取得するタイマ部27とを備える。
【0020】
<操作入力部24>
操作入力部24(入力部22)は、ユーザにより操作されて、データが入力される入力部であり、例えば、キーボードやマウスなどである。本実施形態において、後記する「ユーザID」および「パスワード」のユーザ情報や、「投入ジョブ種別」や「送信先アドレス」といった付属情報などが入力される。
<画面表示部25>
画面表示部25は、ユーザが視認可能なように画面に操作指示を表示する表示部であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。
ここで、第1の実施形態の複合機2は、操作入力部24および画面表示部25の機能を有するタッチパネルを備えてもよい。
【0021】
<通信部26>
通信部26(入力部22)は、ネットワークN1と接続し、情報処理装置3とデータの送受信を行う。管理用情報処理装置31からは、複合機2にアクセスするユーザが“管理ユーザ”であることを示す「ユーザID(IDentification)」および「パスワード」を含む特定ユーザ情報や、配信先DB236に配信先メールアドレスを追加するための情報などが送信される。一方、一般用情報処理装置32からは、複合機2にアクセスするユーザが“一般ユーザ”であることを示すユーザIDおよびパスワードを含む一般ユーザ情報や、画像データの配信の中止を指示する「ジョブのキャンセル指示」などが送信される。
このユーザIDから、ユーザが“特定ユーザ/一般ユーザ”を判別することができるようになっている。
【0022】
<記憶部23>
記憶部23は、データを記憶する記憶部であり、例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)などである。この記憶部23は、配信条件記憶部231と、配信待ちジョブ記憶部232と、アカウント記憶部233と、アドレス記憶部234と、ユーザ管理DB235と、配信先DB236とを備える。
【0023】
(配信条件記憶部231)
配信条件記憶部231は、予め設定された配信条件を記憶する記憶部である。この配信条件に合致する『配信ジョブ』が配信される。第1の実施形態における配信条件記憶部231には、配信条件として、ユーザ所属情報ごとに配信が許可された自動配信時間帯が記憶されている。
この配信条件記憶部231には、例えば、図3に示す情報が記憶されており、“開発部”に所属する社員が複合機2を利用して画像を読み取った場合に、このときの画像データが配信される(自動配信される)時間帯(13:00〜15:00)が記憶されている。
【0024】
(配信待ちジョブ記憶部232)
配信待ちジョブ記憶部232は、配信対象の画像データを含む『配信ジョブ』を一時的に記憶する記憶部である。
【0025】
(アカウント記憶部233)
アカウント記憶部233は、ユーザを識別する「ユーザID」と、「パスワード」と、「ユーザ所属情報」との3つが関連付けられて記憶され、それぞれに識別情報(アカウント識別情報)が付与された記憶部である。
アカウント記憶部233には、例えば、図4に示す情報が記憶されており、ユーザがログイン時に入力部22に入力した「ユーザID」および「パスワード」と、アカウント記憶部233に記憶された「ユーザID(user_id-03)」および「パスワード(pw-03)」とを比較することで、ユーザ認証を行うことができる。また、そのユーザの「ユーザ所属情報(開発部)」を取得することができる。
このアカウント記憶部233に記憶された情報を削除したり、追加したりすることは、“管理ユーザ”の「ユーザID」で複合機2にログインしなければ行うことができない。
【0026】
(アドレス記憶部234)
アドレス記憶部234は、『配信ジョブ』の配信先となる情報処理装置3の情報を記憶し、それぞれに識別情報(アドレス識別情報)が付与された記憶部である。
アドレス記憶部234には、例えば、図5に示す情報が記憶されており、「アドレス識別情報(ad_index-01)」から、「メールアドレス(soumu01@***.com)」を取得することができる。
ここで、第1の実施形態において、複合機2は、画像データを電子メールで配信するため、アドレス記憶部234は電子メールアドレスを記憶しているが、画像データをファクシミリで配信しても構わない。この場合、アドレス記憶部234には、ファクシミリ番号が記憶される。
このアドレス記憶部234に記憶された情報を削除したり、追加したりすることは、“管理ユーザ”の「ユーザID」で複合機2にログインしなければ行うことができない。
【0027】
(ユーザ管理DB235)
ユーザ管理DB235は、アカウント記憶部233のアカウント識別情報と、アドレス記憶部234のアドレス識別情報とを関連付けて記憶し、それぞれに識別情報(配信先識別情報)が付与された記憶部である。
このユーザ管理DB235には、例えば、図6に示す情報が記憶されており、「配信先識別情報(ctl_index-01)」から、「アドレス識別情報(ad_index-01)」に基づき、(アドレス記憶部234(図5)を参照)「メールアドレス(soumu01@***.com)」を取得することができる。
このユーザ管理DB235に記憶された情報を削除したり、追加したりすることは、“管理ユーザ”の「ユーザID」で複合機2にログインしなければ行うことができない。
【0028】
(配信先DB236)
配信先DB236は、配信条件記憶部231に記憶された条件情報と、ユーザ管理DB235の配信先識別情報とを関連付けて記憶する記憶部である。
第1の実施形態において、条件情報は「ユーザ所属情報」であり、配信先DB236には、その「ユーザ所属情報」が「配信先グループ識別情報」として記憶されている。
この配信先DB236には、例えば、図7に示す情報が記憶されており、“開発部”に所属する社員(「ユーザ所属情報」(開発部))の場合、“開発部”の「配信先グループ識別情報」に属するグループに含まれる「配信先識別情報(ctl_index-01、ctl_index-02)」に該当する(アドレス記憶部234(図5)およびユーザ管理DB235(図6)を参照)総務部に所属する社員(ad_index-01、ad_index-02)の「メールアドレス(soumu01@***.com、soumu02@***.com)」が、電子メールの宛先として設定される。
【0029】
<制御部21>
制御部21は、画像配信機能部55を制御する制御部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。この制御部21は、ジョブ処理部210と、入力データ取得部220と、通信制御部230と、画面データ生成部240とを備える。
ここで、制御部21は、機能制御部50の機能を備える一つの制御部であってもよい。
【0030】
(入力データ取得部220)
入力データ取得部220は、操作入力部24に入力されたデータを取得し、取得したデータをジョブ処理部210(ジョブ認識部211)に出力する処理部である。
【0031】
(通信制御部230)
通信制御部230は、通信部26を制御し、その通信部26を介してデータの送受信を行い、受信したデータをジョブ処理部210(ジョブ認識部211)に出力する処理部である。
また、通信制御部230は、後記する電子メール機能部54から電子メールを取得して、そのメールアドレス先へ通信部26に送信させる。
【0032】
(ジョブ処理部210)
ジョブ処理部210は、入力データ取得部220および通信制御部230から、ジョブおよび付属情報を取得して、ジョブを処理し、機能制御部50に処理を指示したり、記憶部23からデータを取得したり、記憶部23にデータを記憶させたりする処理部である。
このジョブ処理部210は、ジョブ認識部211と、ジョブ管理部212と、ユーザ認証部213と、配信管理部214と、配信要求部215と、ジョブ削除部216(キャンセル部)とを備える。
【0033】
(ジョブ認識部211)
ジョブ認識部211は、入力部22からデータを取得したデータに基づき、ジョブを生成する処理部である。第1の実施形態において、ジョブ認識部211は、入力部22に入力された情報に基づき、『投入ジョブ』(図8を参照)や『配信先アドレス除去ジョブ』(図9を参照)を生成する。そして、生成したジョブと抽出した付属情報とをジョブ管理部212に出力する。
ジョブ認識部211は、操作入力部24に入力されたデータを入力データ取得部220を経由して取得する。また、通信部26が受信したデータを通信制御部230を経由して取得する。ジョブ認識部211は、その取得したデータを解析してジョブを生成し、さらに、そのジョブをジョブ処理部210が実行するために必要な付属情報を抽出する。抽出される付属情報は、例えば、FAX送信であれば「送信先電話番号」であり、電子メール送信であれば「送信先メールアドレス」であり、また、印刷であれば「解像度、色の濃さ、両面/片面印刷や印刷部数など」である。
その後、ジョブ認識部211は、生成したジョブと抽出した付属情報とをジョブ管理部212に出力する。
【0034】
例えば、入力部22に入力された、「ユーザID」および「パスワード」のユーザ情報と、FAX送信を指示する「投入ジョブ種別」や「送信先アドレス」などの付属情報とを、ジョブ認識部211は取得する。まず、「ユーザID」および「パスワード」のユーザ情報とを含む『ユーザ認証ジョブ』を生成して、ジョブ管理部212を介して、ユーザ認証部213にユーザ認証処理を実行させる。そして、ジョブ認識部211は、ユーザ認証部213からの認証結果“認証OK”を受けて、入力されたユーザ情報に基づき、アカウント記憶部233から「ユーザ所属情報」を取得し、さらに、タイマ部27から「ジョブ投入時刻」を取得し、『投入ジョブ』を生成する。
一方、入力部22に、「ユーザID」および「パスワード」のユーザ情報と、「ジョブのキャンセル指示」が入力された場合、同様に、ジョブ認識部211は、ユーザ認証部213にユーザ認証処理を実行させる。そして、ユーザ認証部213からの認証結果“認証OK”を受けて、入力されたユーザ情報に基づき、アカウント記憶部233から「ユーザ所属情報」を取得し、ユーザ情報と「ユーザ所属情報」とを含む『キャンセルジョブ』を生成する。
【0035】
(投入ジョブ)
『投入ジョブ』は、ユーザが画像を取り込む操作を行うことで生成されるジョブデータであり、図8に示すように、ユーザ情報と、条件判定対象情報と、付属情報(入力付属情報、登録付属情報)とで構成される。ここで、ユーザ情報および入力付属情報は、操作入力部24を操作して、ユーザが入力した情報である。まず、ユーザ情報は「ユーザID」および「パスワード」である。条件判定対象情報は、記憶部23に記憶された所定の配信条件と比較する対象の情報であり、「ユーザ所属情報」および「ジョブ投入時刻」である。この比較対象となる所定の配信条件とは、図3に示す配信条件記憶部231の情報である。その他の付属情報である、入力付属情報は「投入ジョブ種別」や「送信先アドレス」などのジョブの実行に関する情報や、画像を取り込みの条件を指定した「画質」といった画像に関する情報などである。登録付属情報は、ユーザ情報に基づき取得が可能な、記憶部23(アカウント記憶部233)に記憶されたユーザに係る「勤務年数」や「役職」である。
【0036】
(キャンセルジョブ)
『キャンセルジョブ』は、「ジョブのキャンセル指示」が入力されることで生成されるジョブデータであり、図9に示すように、「ユーザID」および「パスワード」で構成される。
【0037】
(ジョブ管理部212)
ジョブ管理部212は、ジョブ認識部211からジョブおよび付属情報を取得して、ジョブの内容を解析して、その解析結果に応じて、ユーザ認証部213、配信管理部214、配信要求部215、ジョブ削除部216、機能制御部50、画面データ生成部240へとジョブを振り分け、そのジョブの処理状況を監視(ジョブ監視)し、処理が終了したことを判断する処理部である。
【0038】
ジョブ管理部212が行うジョブ監視は、ジョブがまだ処理開始前の待機中なのか、処理が行われて実行中なのか、開始したがエラーが発生して一時停止中なのかなどを監視する。また、ジョブが正常に終了したか、または異常で終了したのかを監視する。そして、異常で終了した場合には、何が原因なのかを監視する。そして、処理中のジョブに対しての問い合わせを受け付けて、監視中のジョブが現在行われている処理の情報を応答する処理を行う。
また、ジョブ管理部212は、ジョブ監視以外にジョブの実行も制御する。例えば、実行開始指示、一時停止指示、キャンセル指示、再開指示などを行う。ジョブ管理部212は、いずれの指示についても、実行前にはジョブに含まれるユーザIDを確認し、指示したユーザがログイン時に入力したユーザIDと一致すればジョブを実行し、異なれば実行を拒否するなどの対応を行う。
【0039】
(ユーザ認証部213)
ユーザ認証部213は、入力部22(操作入力部24や通信部26)から取得したデータからユーザ情報を取得する。本実施形態におけるユーザ情報は「ユーザID」および「パスワード」からなる。
ユーザ認証部213は、そのユーザ情報と、アカウント記憶部233に予め記憶された「ユーザID」および「パスワード」とを比較し、ユーザ情報が、管理ユーザ権限があるものか、一般ユーザ権限があるものか、もしくは、無権限のものかを判定する。
【0040】
(配信管理部214)
配信管理部214は、投入ジョブ(図8参照)から「条件判定対象情報」を抽出する。本実施形態における「条件判定対象情報」とは、“ユーザ所属情報”および“ジョブ投入時刻”であるとする。
【0041】
配信管理部214は、その条件判定対象情報と、配信条件記憶部231に予め記憶された“配信条件情報”とを比較し、ジョブ投入時刻が、ユーザ所属情報ごとに設定された自動配信時間帯内であるか否かを判定する。自動配信時間内である場合は、自動配信許可通知をジョブ管理部212に出力する。これにより、ジョブ管理部212は、画像データを含む『配信ジョブ』を配信要求部215に処理を実行させる。
一方、自動配信時間帯に該当しない場合は、ジョブ管理部212から画像データを含む『配信ジョブ』を取得して、配信待ちジョブ記憶部232に記憶させる。その後、配信管理部214は、所定のタイミングでタイマ部27から現在時刻を取得し、時刻が自動配信時間帯となったときに、配信待ちジョブ記憶部232に記憶されたジョブを、自動配信許可通知と共にジョブ管理部212に出力する。これにより、ジョブ管理部212は配信要求部215に処理を実行させる。
【0042】
(配信要求部215)
配信要求部215は、『配信ジョブ』に含まれる情報に基づいて、電子メール形式のデータを生成し、機能制御部50に電子メールの送信を要求する処理部である。
例えば、配信要求部215は、配信管理部214から『配信ジョブ』を取得して、『配信ジョブ』から「配信先グループ識別情報」を抽出する。配信先DB236を参照して、「配信先グループ識別情報」と係る「配信先識別情報」をすべて抽出して、ユーザ管理DB235を参照して、抽出した「配信先識別情報」に係る「アドレス識別情報」に基づき、アドレス記憶部234から「メールアドレス」を抽出する。これにより、抽出したすべての「配信先識別情報」に係る「メールアドレス」を取得することができる。これらの「メールアドレス」を電子メールの宛先情報する。そして、『配信ジョブ』に含まれる画像データを抽出して添付情報とする。これらの情報に基づき、配信要求部215は、電子メール形式のデータを生成し、機能制御部50に出力することにより、電子メールの送信を要求する。
以上により、機能制御部50を介して、電子メールの送信要求を取得した電子メール機能部54は、「メールアドレス」宛てに、画像データが添付された電子メールを送信することが可能になる。
【0043】
(ジョブ削除部216)
ジョブ削除部216は、配信待ちジョブ記憶部232に記憶された『配信ジョブ』を削除する処理部である。
ジョブ削除部216は、ジョブ認識部211から『キャンセルジョブ』を取得し、『キャンセルジョブ』に含まれる「ユーザID」を抽出する。その「ユーザID」と一致する(対応する)、配信待ちジョブ記憶部232に記憶された『配信ジョブ』に含まれる「ユーザID」を検索する。検索の結果、『配信ジョブ』が検出された場合、その『配信ジョブ』を配信待ちジョブ記憶部232から削除する。
そのため、『配信ジョブ』の配信を中止することができる。
【0044】
<画面データ生成部240>
画面データ生成部240は、ユーザが視認可能な画面表示部25に、画面データを生成する処理部である。例えば、ユーザ認証に失敗した場合は、再度、入力部22に、ユーザ情報(「ユーザID」および「パスワード」)を入力するように促す認証NG画面データを生成し、画面表示部25に出力する。
【0045】
<機能制御部50>
機能制御部50は、ジョブ管理部212から取得したジョブの内容に応じて、各機能部にジョブを振り分けて、ジョブを実行させる。
また、機能制御部50は、スキャナ機能部53が形成した画像データを取得した場合、その画像データをジョブ管理部212に出力する。
これにより、配信する画像データを含めたジョブをジョブ管理部212は生成することができ、生成したジョブを配信待ちジョブ記憶部232に記憶させることができる。
【0046】
ジョブ管理部212は、複合機2を制御するジョブを取得した場合、ジョブを機能制御部50に出力し、処理を行わせる。
例えば、配信管理部214から自動配信許可通知を取得したジョブ管理部212は、配信要求部215を実行させ、配信先DB236から、該当する配信先アドレスを取得し、配信先アドレスと、配信する画像データとを含めた、電子メール機能部54に電子メールを生成させるジョブを、機能制御部50に出力する。
【0047】
[画像配信機能部の画像配信処理動作]
次に、図10〜図12を参照して、画像配信機能部55の画像配信処理動作について説明する(適宜、図1ないし図9を参照)。図10〜図12は、画像配信機能部55の画像配信処理動作のフローチャートである。
【0048】
まず、ユーザが、操作入力部24を操作して、「ユーザID」と「パスワード」とFAX送信(「投入ジョブ種別」)などの付属情報とを入力する(ステップS101)。これにより、操作入力部24に入力されたデータが入力データ取得部220を介して、ジョブ認識部211に出力される。
ジョブ認識部211は、「ユーザID」および「パスワード」のユーザ情報とを含む『ユーザ認証ジョブ』を生成して、ジョブ管理部212を介して、ユーザ認証部213にユーザ認証処理を実行させる。
【0049】
ユーザ認証部213は図13に示す“ユーザ認証処理”を実行して(ステップS102)、その認証結果を判定する(ステップS103)。ここで、認証が失敗した場合(ステップS103,認証NG)、ステップS101に戻る。
【0050】
一方、認証が成功した場合(ステップS103,認証OK)、ジョブ認識部211は、「ユーザID」および「パスワード」のユーザ情報を用いて、アカウント記憶部233から「ユーザ所属情報」を取得する。さらに、ジョブ認識部211は、タイマ部27から「ジョブ投入時刻」を取得する。そして、ジョブ認識部211は『投入ジョブ』(図8を参照)を生成する(ステップS104)。
その後、ジョブ管理部212は、『投入ジョブ』および付属情報から、FAX送信を行わせる『機能実行ジョブ』(FAX送信)を生成し、機能制御部50に出力する(ステップS105)。
【0051】
これにより、機能制御部50は、取得した『機能実行ジョブ』(FAX送信)に基づき、各機能部を制御する。まず、スキャナ機能部53に処理を実行させて、媒体から画像を読み取って、画像データを生成させる。次に、FAX機能部52に処理を実行させて、その画像データをFAX送信させる。
【0052】
ジョブ管理部212は、機能制御部50から、スキャナ機能部53が生成した画像データを取得し(ステップS106)、その取得した画像データと、『投入ジョブ』に含まれる情報とを含めた『配信ジョブ』を生成する(ステップS107)。
【0053】
配信管理部214は、ジョブ管理部212から『配信ジョブ』を取得し(ステップS108)、さらに、配信管理部214は、アカウント記憶部233から「ユーザ所属情報」を取得する(ステップS109)。
配信管理部214は、配信条件記憶部231を参照し(ステップS110,図11)、配信条件が記憶されているか否かを判定する(ステップS110)。本実施例では、ステップS109で取得した「ユーザ所属情報」が配信条件記憶部231内に記憶されているか否かで判定する。
配信条件が記憶されていない場合(ステップS110,No)、ジョブ管理部212は、画像配信機能部55が実行するすべての処理を終了する。
【0054】
一方、配信条件が記憶されている場合(ステップS110,Yes)、配信管理部214は、配信条件記憶部231から配信条件を抽出する(ステップS112)。このとき、「ユーザ所属情報」および「自動配信時間帯」が抽出される。
さらに、配信管理部214は、配信条件記憶部231を参照し、他に配信条件があるか否かを判定する(ステップS113)。ここで、配信条件が記憶されている場合(ステップS113,Yes)、ステップS112へ戻る。
【0055】
一方、配信条件記憶部231に配信条件が記憶されていない場合(ステップS113,No)、配信管理部214は、配信先DB236を介して「配信先グループ識別情報」を取得し(ステップS114)、『配信ジョブ』に「配信先グループ識別情報」を含める更新を行う(ステップS115)。
【0056】
次に、配信管理部214は、『配信ジョブ』の「ジョブ投入時刻」が、抽出した配信条件「自動配信時間帯」の時間内であるか否かを判定する(ステップS116)。
ここで、「ジョブ投入時刻」が「自動配信時間帯」の時間内であれば(ステップS116,Yes)、配信管理部214は、自動配信許可通知とともに『配信ジョブ』をジョブ管理部212に出力する。これにより、『配信ジョブ』は、ジョブ管理部212を介して、配信要求部215に出力される。そして、後記するステップS121(図12)の処理に移行する。
【0057】
一方、「ジョブ投入時刻」が「自動配信時間帯」の時間外であれば(ステップS116,No)、配信管理部214は、更新後の『配信ジョブ』を配信待ちジョブ記憶部232に記憶させる(ステップS117)。
【0058】
その後、配信管理部214は、タイマ部27から「現在時刻」を取得(ステップS118,図12)し、「現在時刻」が配信条件「自動配信時間帯」の時間内であるか否かを判定する(ステップS119)。
「現在時刻」が「自動配信時間帯」の時間外であれば(ステップS119,No)、所定のタイミングで再びステップS118の処理を行う。
【0059】
一方、「現在時刻」が「自動配信時間帯」の時間内であれば(ステップS119,Yes)、配信管理部214は、配信待ちジョブ記憶部232から『配信ジョブ』を抽出する(ステップS120)。そして、配信管理部214は、『配信ジョブ』および自動配信許可通知をジョブ管理部212に出力する。
【0060】
この自動配信許可通知を取得したジョブ管理部212は、配信要求部215に処理を実行させる。
まず、配信要求部215は、ジョブ管理部212を介して、配信管理部214から『配信ジョブ』を取得する(ステップS121)。
次に、配信要求部215は、『配信ジョブ』に含まれる「配信先グループ識別情報」を抽出し(ステップS122)、配信先DB236を参照して、「配信先グループ識別情報」に係る「メールアドレス」を抽出する(ステップS123)。
例えば、配信先DB136が図7の場合、「配信先グループ識別情報(開発部)」を参照して、「配信先識別情報(ctl_index-01、ctl_index-02)」を抽出し、ユーザ管理DB235を参照して、「メールアドレス(soumu01@***.com、soumu02@***.com)」を抽出する(図6およびアドレス記憶部234(図5)を参照)。
そして、配信要求部215は、『配信ジョブ』に含まれる情報に基づいて、抽出した「メールアドレス」を宛先とした電子メール形式のデータを生成し、機能制御部50に出力する(ステップS124)。そして、画像配信機能部55はすべての処理を終了する。
【0061】
ステップS122の処理後、機能制御部50は、電子メール機能部54に処理を実行させる。これにより、「メールアドレス」宛てに、画像データが添付された電子メールが送信される。
【0062】
[画像配信機能部のユーザ認証処理動作]
次に、図13を参照して、画像配信機能部55のユーザ認証処理動作について説明する(適宜、図1ないし図12を参照)。図13は、画像配信機能部55のユーザ認証処理動作のフローチャートである。
【0063】
まず、ユーザ認証部213は、アカウント記憶部233を参照し(ステップS201)、入力された「ユーザID」および「パスワード」と一致する「ユーザID」および「パスワード」が記憶されているか否かで、認証判定を行う(ステップS202)。
認証が成功した場合(ステップS202,認証OK)、ユーザ認証部213は、ユーザ認証処理を終了する。
【0064】
一方、認証が失敗した場合(ステップS202,認証NG)、ユーザ認証部213は画面データ生成部240に処理をさせる。画面データ生成部240は、認証NG画面データを生成し(ステップS203)、認証NG画面データを画面表示部25に出力する。これにより、画面表示部25は、認証NG画面を表示する(ステップS204)。そして、ユーザ認証部213は、ユーザ認証処理を終了する。
【0065】
[画像配信機能部のジョブ削除処理動作]
次に、図14を参照して、画像配信機能部55のジョブ削除処理動作について説明する(適宜、図1ないし図9を参照)。図14は、画像配信機能部55のジョブ削除処理動作のフローチャートである。
【0066】
まず、ユーザが、操作入力部24を操作して、操作入力部24に「ユーザID」と「パスワード」と「ジョブのキャンセル指示」とを入力する(ステップS301)。これにより、操作入力部24に入力されたデータが入力データ取得部220を介して、ジョブ認識部211に出力される。
ジョブ認識部211は、「ユーザID」および「パスワード」のユーザ情報とを含む『ユーザ認証ジョブ』を生成して、ジョブ管理部212を介して、ユーザ認証部213にユーザ認証処理を実行させる。
【0067】
ユーザ認証部213は図13に示す“ユーザ認証処理”を実行して(ステップS102)、その認証結果を判定する(ステップS302)。ここで、認証が失敗した場合(ステップS302,認証NG)、ステップS301に戻る。
【0068】
一方、認証が成功した場合(ステップS302,認証OK)、ジョブ認識部211は、「ユーザID」と「パスワード」と「ジョブのキャンセル指示」とから『キャンセルジョブ』(図9を参照)を生成し(ステップS303)、ジョブ管理部212に出力する。
【0069】
次に、『キャンセルジョブ』を取得したジョブ管理部212は、ジョブ削除部216に処理させる。ジョブ削除部216は、『キャンセルジョブ』に含まれる「ユーザID」を抽出する(ステップS304)。
ジョブ削除部216は、抽出した「ユーザID」と一致する、配信待ちジョブ記憶部232に記憶された『配信ジョブ』に含まれる「ユーザID」を検索する(ステップS305)。検索の結果、検出した『配信ジョブ』を配信待ちジョブ記憶部232から削除する(ステップS306)。
以上で、画像配信機能部55は、ジョブ削除処理を終了する。
【0070】
《第2の実施形態》
図15は、第2の実施形態に係る画像処理装置としての複合機の構成を示すブロック図である。ここで、第1の実施形態に係る複合機2と共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
第2の実施形態に係る複合機2Aは、第1の実施形態に係る複合機2のジョブ削除部216の代わりに、配信先削除部217を備えたものである。
【0071】
この第2の実施形態に係る複合機2Aは、例えば、図7に示すように、総務部に所属する社員を示す「配信先識別情報(ctl_index-02)」が、配信先DB236の「配信先グループ識別情報(開発部)」に記憶されている。そのため、その総務部の社員には、開発部の社員が複合機2Aを操作することで、開発部の社員から画像データが自動配信される設定となっている。ここで、第2の実施形態に係る複合機2Aは、総務部の社員が、開発部の社員から画像データが自動配信される設定を解除する処理を行うことができる構成となっている。これにより、一般ユーザであっても、画像データの自動配信をキャンセルすることができる。
【0072】
(ジョブ認識部211A)
ジョブ認識部211Aは、入力部22に入力された情報に基づき、『投入ジョブ』や『配信先アドレス除去ジョブ』(図16)を生成する。
例えば、入力部22に、「ユーザID」および「パスワード」のユーザ情報と、「配信拒否情報」が入力されることで、ジョブ認識部211Aは、まず、ユーザ認証部213にユーザ認証処理を実行させる。そして、ユーザ認証部213からの認証結果“認証OK”を受けて、入力されたユーザ情報に基づき、ジョブ認識部211Aは『配信先アドレス除去ジョブ』を生成する。
【0073】
(配信先アドレス除去ジョブ)
一方、『配信先アドレス除去ジョブ』は、配信先DB236にて、画像データが自動配信されるように予め設定された「配信先識別情報」から、指定する「配信先識別情報」を削除するジョブデータであり、ユーザ情報と、本実施形態における「配信先グループ識別情報」である「ユーザ所属情報」とで構成される。これらの情報は、第1実施形態の『キャンセルジョブ』(図10を参照)を構成する情報と同じであるため、説明を省略する。
この『配信先アドレス除去ジョブ』が実行されることにより、配信先DB236から「配信先識別情報」を削除することで、自動配信は行われなくなるものの、アカウント記憶部233に記憶された「ユーザID」や、アドレス記憶部234に記憶された「パスワード」を削除することはない。そのため、管理ユーザに依頼することで、配信先DB236に再び「配信先識別情報」を登録することで、再度、自動配信されるようになる。
【0074】
(ジョブ管理部212A)
ジョブ管理部212Aは、第1の実施形態に係るジョブ管理部212(図2)が行う処理の他に、ジョブ認識部211Aから『配信先アドレス除去ジョブ』を取得したときに、配信先削除部217に出力する処理部である。
【0075】
(配信先削除部217)
配信先削除部217は、配信先DB236から「ユーザID」と係る「配信先識別情報」を削除する処理部である。
まず、ユーザ管理DBを介して、アカウント記憶部233から「ユーザID」に係る「アカウント識別情報」を取得し、ユーザ管理部235から「アカウント識別情報」に係る「配信先識別情報」を取得する。これにより、配信先DB236から「配信先識別情報」を含む「配信先グループ識別情報」を検索することができる。検索の結果、「配信先識別情報」を含む「配信先グループ識別情報」が検出された場合、ユーザ管理DB235の「配信先グループ識別情報」に含まれる、「ユーザID」と係る「配信先識別情報」を削除する。
【0076】
ここで、配信先DB236に記憶された情報のうち、「配信先グループ識別情報」を削除したり、追加したりすることは、“管理ユーザ”の「ユーザID」で複合機2にログインしなければ行うことができない。しかし、「配信先グループ識別情報」に関連付けられた「配信先識別情報」が、複合機2にログインしたユーザを示す「配信先識別情報」であれば、ユーザは、自身を示す「配信先識別情報」を配信先DB236から削除することができる。つまり、総務部に所属する社員(「配信先識別情報(ctl_index-02)」)であれば、配信先DB236から「配信先グループ識別情報(開発部)」に係る「配信先識別情報(ctl_index-02)」を削除することができる。
【0077】
第2の実施形態に係る画像配信機能部55Aは、上記の構成を備えることにより、配信要求部121が、配信待ちジョブ232に記憶された『配信ジョブ』の配信処理を行う際に、『配信ジョブ』に含まれる「配信先グループ識別情報」を抽出して、配信先DB236から「配信先グループ識別情報」に係る「メールアドレス」を抽出するが、このとき、「配信先識別情報」が削除されているため、削除された「ユーザID」に係る「メールアドレス」は宛先とならない。
そのため、削除された「ユーザID」に係るユーザへの『配信ジョブ』の配信を中止することができる。
【0078】
また、このとき、アカウント記憶部233、アドレス記憶部234、ユーザ管理DB235に記憶された情報を削除することはないため、管理ユーザは、配信先DB236の「配信先グループ識別情報」に「配信先識別情報」を追加するだけで、配信先アドレスの追加を行うことができる。
【0079】
[画像配信機能部の配信先削除処理動作]
次に、図16を参照して、画像配信機能部55Aの配信先削除処理動作について説明する(適宜、図13および図15を参照)。図16は、画像配信機能部55Aの配信先削除処理動作のフローチャートである。
【0080】
まず、ユーザが、操作入力部24を操作して、操作入力部24に「ユーザID」と「パスワード」と「配信拒否指示」とを入力する(ステップS401)。これにより、操作入力部24に入力されたデータが入力データ取得部220を介して、ジョブ認識部211Aに出力される。
ジョブ認識部211Aは、「ユーザID」および「パスワード」のユーザ情報とを含む『ユーザ認証ジョブ』を生成して、ジョブ管理部212Aを介して、ユーザ認証部213にユーザ認証処理を実行させる。
【0081】
ユーザ認証部213は図13に示す“ユーザ認証処理”を実行して(ステップS102)、その認証結果を判定する(ステップS402)。ここで、認証が失敗した場合(ステップS402,認証NG)、ステップS401に戻る。
【0082】
一方、認証が成功した場合(ステップS402,認証OK)、ジョブ認識部211Aは、「ユーザID」と「パスワード」と「配信拒否指示」とから『配信先アドレス除去ジョブ』を生成し(ステップS403)、ジョブ管理部212Aに出力する。
次に、『配信先アドレス除去ジョブ』を取得したジョブ管理部212Aは、配信先削除部217に処理させる。
配信先削除部217は、ユーザ管理DBを介して「ユーザID」と係る「配信先識別情報」を取得する(ステップS404)。配信先削除部217は、配信先DB236を介して「配信先識別情報」を含む「配信先グループ識別情報」を検索する(ステップS405)。配信先削除部217は「配信先グループ識別情報」に含まれる「配信先識別情報」を削除する(ステップS406)。
以上で、画像配信機能部55Aは、配信先削除処理を終了する。
【0083】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0084】
例えば、条件判定対象情報は、一般ユーザが所属する組織を示す「ユーザ所属情報」としたが、これは、本実施形態に置いて、配信条件記憶部231には、配信条件として「ユーザ所属情報」が記憶されていたためである。この配信条件は任意であり、アカウント記憶部233に記憶された「ユーザID」や「役職」、「勤務年数」、入力付属情報である「投入ジョブ種別」であってもよい。「ユーザID」とした場合には、“13:00〜14:00”は、ユーザIDの番号が“100001〜100100”といった配信条件であってもよい。
【0085】
また、画像配信機能部55Aの配信先削除処理動作(図16)を、例えば、ユーザが、ネットワークN1を介して、一般用情報処理装置32から複合機2Aにアクセスして実行する場合は、ユーザが、一旦複合機2Aにログインしてから、画像配信機能部55Aの配信先削除処理動作を実行する構成であってもよい。当該構成を備えることで、配信先DB236から、自身の「配信先識別情報」を削除して配信先削除処理を終了した後、再度、他のユーザが一般用情報処理装置32を用いて画像配信機能部55Aに配信先削除処理動作を実行させることができる。そのため、いちいち複合機2Aとのアクセスを切断して、再度、ログインする必要がないため、利便性が高い。
【符号の説明】
【0086】
1 画像配信システム
2,2A 複合機(画像配信装置)
3 情報処理装置
4 受信装置
4a ファクシミリ装置
4b コンピュータ
21 制御部
22 入力部
23 記憶部
24 操作入力部
25 画面表示部
26 通信部
27 タイマ部
31 管理用情報処理装置
32(32a,32b,32c) 一般用情報処理装置
50 機能制御部
51 印刷機能部
52 FAX機能部
53 スキャナ機能部
54 電子メール機能部
55,55A 画像配信機能部
210 ジョブ処理部
211,211A ジョブ認識部
212,212A ジョブ管理部
213 ユーザ認証部
214 配信管理部
215 配信要求部
216 ジョブ削除部
217 配信先削除部
220 入力データ取得部
230 通信制御部
231 配信条件記憶部
232 ジョブ記憶部
233 アカウント記憶部
234 アドレス記憶部
235 ユーザ管理DB
236 配信先DB
240 画面データ生成部
N1,N2 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信装置と通信可能に接続し、画像データを含む配信ジョブに埋め込まれた条件判定対象情報が、所定の配信条件を満たしたときに、前記配信ジョブに埋め込まれたユーザ情報を抽出し、そのユーザ情報に対して予め設定された前記通信装置宛の配信先アドレスを用いて、前記配信ジョブを配信する画像配信装置であって、
キャンセル指示の情報とともに入力ユーザ情報が入力される入力部と、
前記入力ユーザ情報と対応するユーザ情報が埋め込まれた前記配信ジョブの配信をキャンセルするキャンセル部と
を備えることを特徴とする画像配信装置。
【請求項2】
前記所定の配信条件をまだ満たしていない前記配信ジョブを記憶する配信待ちジョブ記憶部を備え、
前記キャンセル部は、前記配信待ちジョブ記憶部に記憶された前記配信ジョブを削除することを特徴とする請求項1に記載された画像配信装置。
【請求項3】
前記ユーザそれぞれのユーザ情報が、それぞれに割り当てられたアカウント識別情報と関連付けられて記憶するアカウント記憶部と、
前記ユーザそれぞれの配信先アドレスが、それぞれに割り当てられたアドレス識別情報と関連付けられて記憶するアドレス記憶部と、
同一ユーザの情報となるように組み合わされた、前記アカウント識別情報および前記アドレス識別情報の組が、それぞれに割り当てられた配信先識別情報と関連付けられて記憶されたユーザ管理DBと、
前記配信先識別情報が複数関連付けられて形成されたグループが、それぞれに割り当てられた配信先グループ識別情報と関連付けられた記憶された配信先DBと、
をさらに備え、
前記配信ジョブに埋め込まれたユーザ情報は、前記配信先識別情報であって、
前記キャンセル部は、
前記配信先DBから、前記入力ユーザ情報と関連する前記配信先識別情報を、当該前記配信先識別情報が関連付けられた前記配信先グループ識別情報に属するグループから削除することを特徴とする請求項1に記載された画像配信装置。
【請求項4】
前記所定の配信条件を満たしたときに、前記配信ジョブに埋め込まれた前記配信先識別情報を抽出し、前記アカウント記憶部、前記アドレス記憶部、前記ユーザ管理DBおよび前記配信先DBを用いて、前記通信装置宛の配信先アドレスを抽出する配信要求部を備えることを特徴とする請求項3に記載された画像配信装置。
【請求項5】
前記入力ユーザ情報は、ユーザをそれぞれ識別するユーザIDと、パスワードとからなる情報であり、
前記ユーザ情報は、ユーザをそれぞれ識別するユーザIDと、パスワードとからなる情報であり、
前記入力部に前記入力ユーザ情報が入力された後で、前記入力ユーザ情報と、前記アカウント記憶部に記憶された前記ユーザ情報との認証判定を行い、一致しなければ処理を終了させるユーザ認証部をさらに備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載された画像配信装置。
【請求項6】
前記所定の配信条件は、配信可能な時間帯である請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載された画像配信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−231310(P2012−231310A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98496(P2011−98496)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】