説明

画面制御装置、画像形成装置およびプログラム

【課題】定期的な処理の実行を行う場合に利用者が行う処理を減少させる。
【解決手段】画像形成装置100で実行された処理に関する情報と、処理を実行したユーザを識別するユーザIDとを関連付けた履歴情報を格納する履歴格納部211と、履歴情報に基づいて、ユーザが実行する処理が、定期的に実行される定期処理であるか否かを判断する定期処理判断部212と、ユーザが実行する処理が定期処理である場合に、定期処理が次に実行される予定の日時を算出する実行予定日時算出部213と、利用者と、定期処理と、算出された実行予定日時とを関連付けて管理する定期処理管理部214と、実行予定日時を含む予め定められた期間内に、ユーザによって画像形成装置10が使用される場合に定期処理の実行の受付を可能にする画面を操作・表示部10に表示させる表示制御部215と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面制御装置、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業等においては、毎週や毎月など定期的に行われる定型業務が存在する。定型業務の中には、画像形成装置を使用する業務も存在する。近年、画像形成装置の多機能化・高機能化に伴い、画像形成装置に対する指示をユーザ(利用者)から受け付ける操作画面には、様々な設定を受け付ける多くのボタン等が配置されている。これに伴い、画像形成装置を使用した定型業務を行う場合にユーザに必要とされる画像形成装置に対する操作も複雑化・煩雑化している。
【0003】
特許文献1には、入力手段により入力されたスケジュール情報のスケジュール時間と、情報蓄積手段に既に設定登録されたスケジュール情報のスケジュール時間との重なりを判定し、設定登録すべきスケジュール時間の重なりが存在するとき、設定登録すべきスケジュール情報の優先順位が既設定登録のスケジュール情報優先順位よりも高い場合にのみ、スケジュール情報を情報蓄積手段に設定登録するスケジュール管理装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、タイマにスケジュール時刻を設定し、設定時刻がきたら自動的に所望の問題用紙を問題記憶手段から読み出し印字出力する画像処理装置が開示されている。
【0005】
特許文献3には、時系列的に使用頻度を表す大量のデータから、データ条件入力部の指定する条件に適合するデータを取り出し、取り出されたデータを解析して使用頻度の時系列的傾向のパターンを抽出する使用頻度予測装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−187351号公報
【特許文献2】特開平8−16086号公報
【特許文献3】特開平8−272854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、定期的な処理の実行を行う場合に利用者が行う処理を減少させる画面制御装置、画像形成装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の画面制御装置は、画像形成装置で実行された処理の内容に関する情報と、前記処理を実行した利用者を識別する利用者情報とを関連付けた履歴情報を格納する履歴格納手段と、前記履歴情報に基づいて、前記利用者が実行した処理が、定期的に実行される定期処理であるか否かを判断する定期処理判断手段と、前記利用者が実行した処理が定期処理であると判断した場合に、前記定期処理が次に実行される予定の日時を算出する実行予定日時算出手段と、前記利用者と、前記定期処理と、前記算出された実行予定日時とを関連付けて管理する定期処理管理手段と、実行予定日時を含む予め定められた期間内に、前記利用者によって前記画像形成装置が使用される場合に前記定期処理の実行の受付を可能にする画面を表示装置に表示させる表示制御手段と、を備える。
【0009】
請求項2に記載の画面制御装置は、画像形成装置で実行された処理の内容に関する情報と、前記処理を実行した利用者を識別する利用者情報とを関連付けた履歴情報を格納する履歴格納手段と、前記履歴情報に基づいて、前記利用者が実行した処理が、定期的に実行される定期処理であるか否かを判断する定期処理判断手段と、前記利用者が実行する処理が定期処理であると判断した場合に、前記定期処理が次に実行される予定の日時を算出する実行予定日時算出手段と、前記利用者と、前記定期処理と、前記算出された実行予定日時とを関連付けて管理する定期処理管理手段と、実行予定日時を含む予め定められた期間後に、前記利用者によって前記画像形成装置が使用される場合に前記定期処理の実行の受付を可能にする画面を表示装置に表示させる表示制御手段と、を備える。
【0010】
請求項3に記載の画面制御装置は、請求項1又は2に記載の画面制御装置において、前記定期処理管理手段で管理される前記定期処理の内容は、前記履歴情報に格納された処理の内容に基づいて決定されることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の画像形成装置は、利用者からの操作入力を受け付ける操作画面を表示する表示装置と、画像形成装置で実行された処理に関する情報と、前記処理を実行した利用者を識別する利用者情報とを関連付けた履歴情報を格納する履歴格納手段と、前記履歴情報に基づいて、利用者が実行した処理が、定期的に実行される定期処理であるか否かを判断する定期処理判断手段と、前記利用者が実行した処理が定期処理であると判断した場合に、前記定期処理が次に実行される予定の日時を算出する実行予定日時算出手段と、前記利用者と、前記定期処理と、前記算出された実行予定日時とを関連付けて管理する定期処理管理手段と、実行予定日時を含む予め定められた期間内に、前記利用者によって前記画像形成装置が使用される場合に前記定期処理の実行の受付を可能にする画面を前記表示装置に表示させる表示制御手段とからなる画面制御装置と、を備える。
【0012】
請求項5に記載のプログラムは、記憶装置に格納された、画像形成装置で実行された処理に関する情報と、前記処理を実行した利用者を識別する利用者情報とを関連付けた履歴情報に基づいて、利用者が実行した処理が、定期的に実行される定期処理であるか否かを判断する定期処理判断ステップと、前記利用者が実行した処理が定期処理であると判断された場合に、前記定期処理が次に実行される予定の日時を算出する実行予定日時算出ステップと、前記利用者と、前記定期処理と、前記算出された実行予定日時とを関連付けて記憶装置に記憶するステップと、実行予定日時を含む予め定められた期間内に、前記利用者によって前記画像形成装置が使用される場合に前記定期処理の実行の受付を可能にする画面を表示装置に表示させる表示ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の画面制御装置によれば、定期的な処理の実行を行う場合に利用者が行う処理が減少する。
【0014】
請求項2に記載の画面制御装置によれば、定期的な処理の実行を行う場合に利用者が行う処理が減少する。
【0015】
請求項3に記載の画面制御装置によれば、定期処理の内容が履歴情報に基づいて決定される。
【0016】
請求項4に記載の画像形成装置によれば、定期的な処理の実行を行う場合に利用者が行う処理が減少する。
させる。
【0017】
請求項5に記載のプログラムによれば、定期的な処理の実行に係るユーザの利便性を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明が適用される画像形成装置の構成の一例を示す図である。
【図2】制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】制御装置が備える機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図4】履歴格納部に格納される履歴情報の一例を示す図である。
【図5】定期処理管理部に格納される情報の一例を示す図である。
【図6】制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】定期処理か否かを判断する処理について説明するための図である。
【図8】表示制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】操作・表示部に表示される通常の操作画面の一例を示す図である。
【図10】操作・表示部に表示される定期処理実行提案画面の一例を示す図である。
【図11】定期処理管理部に格納される情報の別例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1は、本発明が適用される画像形成装置の構成の一例を示す図である。画像形成装置100は、操作・表示部(表示装置)10、制御装置(画面制御装置)20、画像読取装置30、画像出力装置40、及び通信制御装置50を備える。画像形成装置100としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ、並びに、プリント、コピー及びファクス送信機能等のうち複数の機能を備えるいわゆる複合機等があげられる。
【0021】
操作・表示部10は、制御装置20の制御に基づいて、画像形成装置100に対する操作入力をユーザ(利用者)から受け付けるための操作画面を表示する。操作・表示部10は、操作画面を介して、画像形成装置100に対する指示をユーザから受け付ける。操作・表示部10は、操作画面を介してユーザから受け付けた指示情報を、制御装置20に出力する。
【0022】
制御装置20は、画像形成装置100の動作全体を制御する。具体的には、制御装置20は、操作・表示部10を制御して、操作・表示部10に操作画面を表示する。また、制御装置20は、操作・表示部10から画像形成装置に対する指示情報を受け付ける。
【0023】
また、制御装置20は、受け付けた指示情報に基づいて、画像形成装置100が備える画像読取装置30、画像出力装置40、及び通信制御装置50を制御する。例えば、操作・表示部10から画像の読取(スキャン)を指示する指示情報を受け付けた場合、制御装置20は、画像読取装置30を制御して、原稿台に置かれた原稿を読み取り、原稿画像を取得する。また、操作・表示部10から、コピーを指示する指示情報を受け付けた場合、制御装置20は、画像読取装置30を制御して、原稿台に置かれた原稿を読み取り原稿画像を取得する。そして、制御装置20は、画像出力装置40を制御して、取得した原稿画像を紙等の記録媒体に形成し出力する。
【0024】
また、操作・表示部10から、スキャン転送を指示する指示情報を受け付けた場合、制御装置20は、画像読取装置30を制御して、原稿台に置かれた原稿を読み取り原稿画像を取得する。そして、制御装置20は、通信制御装置50を制御して、取得した原稿画像を不図示の情報処理装置へと送信する。また、操作・表示部10から、FAXの送信を指示する指示情報を受け付けた場合、制御装置20は、まず、画像読取装置30を制御して、原稿台に置かれた送信対象の文書を読み取り文書画像を取得する。そして、制御装置20は、通信制御装置50を制御して、操作・表示部10で指定された宛先に取得した文書画像を送信する。
【0025】
また、制御装置20は、通信制御装置50から、画像データの印刷を指示する指示情報を受け付けた場合、画像出力装置40を制御して、通信制御装置50から受け付けた画像データに基づいた画像を記録媒体に形成し出力する。
【0026】
画像読取装置30は、例えば、スキャナであり、制御装置20の制御に基づいて、原稿台に置かれた原稿を読み取り、読み取った原稿画像を制御装置20に出力する。
【0027】
画像出力装置40は、制御装置20の制御に基づいて、紙等の記録媒体上に画像を形成し、出力する。
【0028】
通信制御装置50は、制御装置20の制御に基づいて、送信対象の文書画像等を、操作・表示部10で指定された宛先に送信する。また、通信制御装置50は、通信手段200を介して画像形成装置100と接続された情報処理装置(不図示)から、印刷指示を受け付ける。通信制御装置50は、受け付けた印刷指示を制御装置20に出力する。
【0029】
次に、制御装置20のハードウェア構成について説明する。図2は、制御装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0030】
制御装置20は、入出力部201、ROM(Read Only Memory)202、CPU203、RAM(Random Access Memory)204、及びHDD(ハードディスクドライブ)205を備える。
【0031】
入出力部201は、操作・表示部10、画像読取装置30、画像出力装置40、及び通信制御装置50とデータの送受信を行う。ROM202は、画像形成装置100において定期的に実行される処理を判断するプログラム等を格納する。CPU203は、ROM202に格納されたプログラムを読み込んで実行する。RAM204は、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存する。HDD205は、画像形成装置100が実行した処理の履歴情報、及びユーザ毎の定期処理情報等を格納する。
【0032】
次に、制御装置20が備える機能の一例について説明する。図3は、制御装置20が備える機能の一例を示す機能ブロック図である。制御装置20は、履歴格納部211、定期処理判断部212、実行予定日時算出部213、定期処理管理部214及び表示制御部215を備える。履歴格納部211及び定期処理管理部214は、例えば、HDD205である。また、定期処理判断部212、実行予定日時算出部213及び表示制御部215は、ROM202に格納されたプログラムのCPU203による演算によって実現される。
【0033】
履歴格納部211は、画像形成装置100が実行した処理の履歴情報を格納する。ここで、履歴格納部211が格納する履歴情報の一例について、図4を参照して説明する。
【0034】
図4は、履歴格納部211が格納する履歴情報の一例を示す図である。本実施形態では、履歴情報は、項目として、「ジョブID」、「開始日時」、「終了日時」、「ユーザID」、「種別」、「宛先/給紙トレイ」、「ページ数」及び「部数」を有する。
【0035】
「ジョブID」の項目は、画像形成装置100によって実行された処理に対して自動的に採番される番号を格納する。「開始日時」は、ジョブIDで識別される処理が開始された日時を表す。「終了日時」は、ジョブIDで識別される処理が終了した日時を表す。「ユーザID」は、ジョブIDで識別される処理を実行したユーザを一意に識別する情報(利用者情報)である。
【0036】
「種別」は、ジョブIDで識別される処理の種別を表す。「種別」において、「プリント」は印刷処理を表し、「ネット転送」は画像読取装置30で読み取った画像を、通信手段200を介して画像形成装置100に接続された情報処理装置に転送する処理を表す。また、「メール」は、画像読取装置30で読み取った画像の画像データを添付したメールを送信する処理を表し、「ファクス」は、画像読取装置30で読み取った画像を宛先にファクス送信する処理を表す。
【0037】
「宛先/給紙トレイ」の項目には、「種別」がプリント又はコピーの場合には、給紙を行ったトレイの情報が格納される。また、「種別」がネット転送、メール又はファクスの場合、画像読取装置30で読み取った画像を送信した宛先の情報が格納される。「ページ数」には、ジョブIDで識別される処理で処理されたデータのページ数が格納される。「部数」の項目には、プリント、コピー、ネット転送又はファクス送信を行った部数が格納される。
【0038】
図3に戻り、説明を続ける。定期処理判断部212は、履歴格納部211に格納された履歴情報に基づいて、ユーザ毎に、定期的に実行される定期処理を判断する。具体的には、操作・表示部10を介して画像形成装置100に対して指示された処理の実行後、定期処理判断部212は、履歴格納部211から履歴情報を取得する。そして、定期処理判断部212は、ユーザが指示した処理が、定期的に行われているか否か判定する。ユーザが指示した処理が定期的に行われている場合、定期処理判断部212は、ユーザが指示した処理を定期処理と判断する。定期処理判断部212は、決定した定期処理を実行するユーザのユーザID、定期処理が実行される間隔を含む定期処理に関する情報を実行予定日時算出部213に出力する。
【0039】
実行予定日時算出部213は、定期処理判断部212から、定期処理を実行するユーザのユーザID、定期処理が実行される間隔を含む定期処理に関する情報を受け付ける。実行予定日時算出部213は、定期処理判断部212から受け付けた情報に基づいて、受け付けた定期処理が次回実行される実行予定日時を算出する。そして、実行予定日時算出部213は、ユーザID、ユーザIDで識別されるユーザが実行する定期処理、及び定期処理が次回実行されると考えられる日時を関連付けて定期処理管理部214に記憶させる。
【0040】
定期処理管理部214は、ユーザごとに、ユーザが実行する定期処理と、該定期処理の次回実行予定日とを関連付けて管理する。具体的には、定期処理管理部214は、図5(A)に示すイベント管理テーブルと、図5(B)に示すユーザ管理テーブルとを格納する。
【0041】
イベント管理テーブルは、「イベントID」、「実行間隔」、「直近のジョブID」及び「実行予定日時」の項目を備える。「イベントID」は、定期処理を一意に識別するための識別番号である。「実行間隔」は、「イベントID」で識別される定期処理が実施される間隔を表す。「直近のジョブID」は、「イベントID」で識別される定期処理の最後に実行された処理に対して採番された番号を格納する。「実行予定日時」は、イベントIDで識別される定期処理が、次に実行される予定の日時を格納する。
【0042】
図5(B)に示すユーザ管理テーブルは、項目として、「ユーザID」と、「イベントID」とを有する。「ユーザID」は、画像形成装置100のユーザを一意に識別するための情報である。「イベントID」は、ユーザIDで識別されるユーザに関連付けられる定期処理を表すイベントIDを格納する。すなわち、ユーザ管理テーブルは、ユーザIDで識別されるユーザが、イベント管理テーブルに登録されている定期処理のうち、いずれの定期処理を実行するかを管理する。
【0043】
例えば、図5(B)に示すユーザ管理テーブルにおいて、ユーザID“USR003”に関連付けられたイベントIDは“2”である。これは、ユーザID“USR003”で識別されるユーザが実行する定期処理は、図5(A)に示すイベント管理テーブルのイベントID“2”で識別される処理であることを意味する。この場合、図5(A)より、ユーザID“USR003”で識別されるユーザは、1ヶ月間隔でイベントID“3”で識別される定期処理を実行し、その次回実行予定日時は2010年9月30日であると判定できる。このようにして、定期処理管理部214は、ユーザごとに、ユーザが定期的に実行する定期処理と、該定期処理が次回実行される予定の実行予定日時とを関連付けて管理する。
【0044】
表示制御部215は、操作・表示部10から、画像形成装置100を利用するユーザのユーザIDを取得する。表示制御部215は、定期処理管理部214のユーザ管理テーブルを参照して、取得したユーザIDと関連付けられた定期処理が存在するか否か判定する。取得したユーザIDと関連付けられた定期処理が存在する場合、表示制御部215は、イベント管理テーブルを参照する。表示制御部215は、現在日付が、実行予定日時を含む予め定めた期間内にある場合、操作・表示部10に、定期処理の実行を提案する定期処理実行提案画面(定期処理の実行の受付を可能にする画面)を表示する。
【0045】
次に、制御装置20が実行する処理の一例を説明する。図6は、制御装置20が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0046】
まず、操作・表示部10が、ユーザから、画像形成装置100を使用した処理を実行する際のパラメータ(設定)の指定を受け付ける(ステップS11)。次に、画像読取装置30、画像出力装置40又は通信制御装置50が、制御装置20の制御に基づいて、ステップS11で指定されたパラメータに基づき、指定された処理を実行する(ステップS13)。
【0047】
次に、定期処理判断部212は、ステップS13で実行された処理が、定期処理実行提案画面から実行されたか否か判定する(ステップS15)。ここで、定期処理実行提案画面とは、表示制御部215が、ユーザと関連付けられた定期処理の実行を提案する画面である。
【0048】
ステップS13で実行された処理が、定期処理実行提案画面から実行された場合(ステップS15/YES)、実行予定日時算出部213は、定期処理管理部214に記憶されているイベント管理テーブルを更新する(ステップS23)。具体的には、イベント管理テーブルの「直近のジョブID」を、今回、定期処理実行提案画面から実行した処理(ステップS13で実行された処理)に対して採番されたジョブIDに更新する。
【0049】
ステップS13で実行された処理が、定期処理実行提案画面から実行されていない場合(ステップS15/NO)、定期処理判断部212は、ステップS13で実行された処理が、定期的に実行されているか否か判定する(ステップS17)。具体的には、定期処理判断部212は、ステップS13で実行された処理と、例えば、「ユーザID」、「種別」、及び「宛先/給紙トレイ」の項目値が同一であるレコードを、図4に示した履歴情報から抽出する。例えば、ステップS13で実行された処理の「ユーザID」が“USR003”、「種別」が“メール”、「宛先/給紙トレイ」が“fwd001@xxx.co.jp”であったとする。この場合、定期処理判断部212は、図7(A)に示すように、図4の履歴情報から「ユーザID」、「種別」及び「宛先/給紙トレイ」の項目値が、今回実行した処理と同一であるジョブID“5423”及び“5472”のレコードを抽出する。
【0050】
次に、定期処理判断部212は、抽出した各処理の開始日時が周期性を有するか否か判定する。例えば、ステップS13の処理の実行を開始した日時が、2010年9月5日であったとする。ここで、ジョブID“5472”の処理は、図7(A)に示すように、1週間前の2010年8月29日に実行されており、また、ジョブID“5423”の処理は、2週間前の2010年8月22日に実行されている。つまり、ステップS13で実行された処理が、1週間間隔で実行されている。この場合、定期処理判断部212は、抽出した各処理の開始日時が周期性を有するので、ステップS13で実行した処理が定期処理であると判断する。なお、定期処理判断部212は、周期性の判定に終了日時を用いてもよい。
【0051】
定期処理判断部212は、各処理が、ほぼ同一の周期で実行されていると認められている場合に、周期性があると判定してもよい。すなわち、定期処理判断部212は、各処理が実行される間隔にある程度の範囲(±N日)を設けて、周期性があるか否かを判定してもよい。例えば、図7(B)に示すように、ジョブID“5472”の処理は、今回実行した処理の8日前に実行されており、また、ジョブID“5423”の処理は、ジョブID“5472”の5日前に実行されていたとする。この場合、各処理は、1週間±2日の間隔で実行されている。そこで、定期処理判断部212は、各処理が、ほぼ1週間毎に実行されていると認められるので、周期性があると判定する。なお、この場合、定期処理判断部212は、定期処理の実行間隔を、各処理間の実行間隔の平均値から求めてもよい。つまり、上述の例では、今回実行した処理と前回実行した処理との間隔が8日間であり、前回実行した処理と前々回に実行した処理との間隔が5日間である。この場合、定期処理の実行間隔として、8日間と5日間の平均値(6.5日間)を四捨五入した7日間(1週間)が算出される。
【0052】
なお、周期性の判定方法は、上述の方法に限られるものではない。
【0053】
ステップS13で実行された処理が、定期的に実行されていると判定された場合(ステップS17/YES)、定期処理判断部212は、ステップS13で実行された処理を定期処理であると判断する(ステップS19)。定期処理判断部212は、ユーザ管理テーブルを更新する(ステップS21)。具体的には、定期処理にイベントIDを付番し、ユーザ管理テーブルにおいて、ユーザIDとイベントIDとを関連付ける。
【0054】
次に、実行予定日時算出部213は、ステップS19で定期処理であると判断された処理が次回実行される予定の日時を算出する(ステップS22)。具体的には、ステップS13の処理を開始した日付と、ステップS17で定期処理判断部212が算出する実行間隔とに基づいて定期処理が次回実行される予定の日時を算出する。
【0055】
実行予定日時算出部213は、イベント管理テーブルを更新し(ステップS23)、本処理を終了する。具体的には、ステップS21で付番したイベントIDに対し、実行間隔、直近のジョブID、及び実行予定日時を更新する。実行予定日時算出部213は、「実行間隔」の項目に、実行予定日の算出に使用した実行間隔を格納する。実行予定日時算出部213は、「直近のジョブID」の項目に、ステップS13で実行された処理に対して付番されたジョブIDを格納する。実行予定日時算出部213は、「実行予定日時」の項目に、ステップS22で算出した実行予定日時を格納する。
【0056】
ステップS13で実行された処理が、定期的に実行されていないと判定された場合(ステップS17/NO)、定期処理判断部212は、本処理を終了する。
【0057】
次に、ユーザに定期処理実行提案画面を提示する処理の一例について説明する。図8は、表示制御部215が実行するユーザに定期処理実行提案画面を提示する処理の一例を示すフローチャートである。
【0058】
表示制御部215は、操作・表示部10から、画像形成装置100の利用を開始したユーザID(利用者情報)を取得する(ステップS51)。表示制御部215は、ユーザIDに関連付けられた定期処理が存在するか否か判定する(ステップS53)。ユーザIDに関連付けられた定期処理が存在しない場合(ステップS53/NO)、表示制御部215は、例えば、図9に示すような通常の操作画面を操作・表示部10に表示し(ステップS57)、処理を終了する。
【0059】
ユーザIDに関連付けられた定期処理が存在する場合(ステップS53/YES)、表示制御部215は、ユーザIDに関連付けられた定期処理の実行予定日時の前後M日(Mは予め定められた任意の整数)に、現在日時が含まれるか否か判定する(ステップS55)。
【0060】
ユーザIDに関連付けられた定期処理の実行予定日時の前後M日に現在日時が含まれない場合(ステップS55/NO)、表示制御部215は、例えば、図9に示すような通常の操作画面を操作・表示部10に表示し(ステップS57)、処理を終了する。
【0061】
ユーザIDに関連付けられた定期処理の実行予定日時の前後M日に現在日時が含まれる場合(ステップS55/YES)、表示制御部215は、操作・表示部10に定期処理の実行を提案する定期処理実行提案画面を表示し(ステップS59)、処理を終了する。例えば、表示制御部215は、図10(A)に示す画面を、図9に示した通常の操作画面上に重畳して表示する。図10(A)では、実行が予定されている定期処理(ジョブ)として、メール送信と、ファクス送信とが表示されている。ここで、図10(A)に示されたジョブのうち、「メール」を選択すると、図10(B)に示されるように、メール送信を実行するための画面が表示される。図10(B)において表示されている設定情報は、「直近のジョブID」で識別される処理において設定された設定情報に基づく。「直近のジョブID」で識別される処理において設定された設定情報は、履歴情報から取得される。すなわち、履歴情報に基づいて、定期処理の内容(設定情報)は決定される。なお、図10(A)において、「メニューに戻る」を選択すると、図9で示した通常の操作画面が表示される。
【0062】
以上の説明から明らかなように、上述の実施形態において、履歴格納部211は、実行開始日時等を含む画像形成装置100で実行された処理に関する情報と、該処理を実行したユーザを識別するユーザIDとを関連付けた履歴情報を格納し、定期処理判断部212は、履歴情報に基づいて、ユーザごとに、今回実行した処理が定期的に実行される定期処理であるか否かを判断する。実行予定日時算出部213は、定期処理が次に実行される予定の日時を算出し、定期処理管理部214が、ユーザ毎に、定期処理と、算出された実行予定日時とを関連付けて管理する。表示制御部215は、定期処理管理部214が管理する情報に基づいて、実行予定日時を含む予め定められた期間、ユーザに対し、ユーザ及び実行予定日時と関連付けられた定期処理を実行するための画面を操作・表示部10に表示させる。
【0063】
画像形成装置の中には、頻繁に使用する処理を登録しておくことができる画像形成装置が存在する。しかしながら、そのような画像形成装置であっても、頻繁に実行する処理の登録はユーザが行わなければならない。また、登録した処理を実行する際には、ユーザが、操作画面を操作することによって登録した処理を呼び出さなければならない。本実施形態によれば、ユーザが定期的に実行する処理が、定期処理管理部214に自動的に登録される。また、実行予定日時を含む予め定めた期間内に(例えば、実行予定日時±M日。なお、実行予定日時−N日及び実行予定日時+M日というように、実行予定日時の前後で期間が異なってもよい。)、ユーザによって画像形成装置が使用される場合に、定期処理の実行を可能にする画面(定期処理実行提案画面)が提供される。ユーザは、定期処理を実行する場合には、定期処理実行提案画面から定期処理を実行すればよいし、定期処理を実行しない場合には、通常の操作画面から処理を行えばよい。これにより、本実施形態の構成を有さない画像形成装置と比較して、定期的な処理の実行を行なう場合にユーザが行なう処理(操作)が減少する。また、本実施形態の構成を有さない画像形成装置と比較して、定期的な処理の実行に係るユーザの利便性が向上する。
【0064】
なお、定期処理実行画面は、実行予定日時を含む予め定められた期間後に、ユーザによって画像形成装置が使用される場合に表示されてもよい。
【0065】
また、本実施形態によれば、ユーザが画像形成装置100で処理を実行するたびに、実行された処理が定期処理であるか否か判定される。これにより、ユーザに対して、画像形成装置を用いる周期的な定型業務等が新たに割り当てられた場合にも、ユーザが特別な操作を行うことなく新たな定型業務に対応する定期処理が登録される。
【0066】
また、上記実施例において、定期処理提案画面において提案する定期処理の設定情報等を、履歴情報に基づいて決定していた。これにより、ユーザに対して、直近の処理で用いた設定情報が、定期処理の設定情報として提案される。
【0067】
上述した実施の形態は、本発明の実施形態の一部である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0068】
例えば、上述の実施形態では、定期処理管理部214は、ユーザ管理テーブルと、イベント管理テーブルとを用いて、ユーザごとに、定期的に実行される定期処理と、該定期処理が次回実行される予定の実行予定日時とを関連付けて管理していた。しかしながら、例えば、定期処理管理部214は、図11(A)に示すような、ユーザ管理テーブルとイベント管理テーブルとを統合したテーブルを用いて、ユーザ毎の定期処理を管理してもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では、「直近のジョブID」で識別される処理から、定期処理提案画面において提案する定期処理の設定情報等を取得していた。しかしながら、図11(B)に示すように、定期処理毎に、直近のジョブIDではなく、各設定情報の値を格納してもよい。この場合、各設定情報の項目には、直近の処理で指定された設定情報を格納してもよいし、あるいは、各処理の履歴情報に基づき、設定値の平均値や、最も多く使用された設定情報を格納してもよい。これにより、ユーザに対して、利用頻度の高い設定情報が、定期処理の設定情報として提案される。
【0070】
なお、上記の制御装置20が有する機能は、CPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータによって実現することができる。その場合、制御装置20が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0071】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0072】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【符号の説明】
【0073】
10…操作・表示部
20…制御装置
100…画像形成装置
211…履歴格納部
212…定期処理判断部
213…実行予定日時算出部
214…定期処理管理部
215…表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置で実行された処理の内容に関する情報と、前記処理を実行した利用者を識別する利用者情報とを関連付けた履歴情報を格納する履歴格納手段と、
前記履歴情報に基づいて、前記利用者が実行した処理が、定期的に実行される定期処理であるか否かを判断する定期処理判断手段と、
前記利用者が実行した処理が定期処理であると判断した場合に、前記定期処理が次に実行される予定の日時を算出する実行予定日時算出手段と、
前記利用者と、前記定期処理と、前記算出された実行予定日時とを関連付けて管理する定期処理管理手段と、
実行予定日時を含む予め定められた期間内に、前記利用者によって前記画像形成装置が使用される場合に前記定期処理の実行の受付を可能にする画面を表示装置に表示させる表示制御手段と、
を備える画面制御装置。
【請求項2】
画像形成装置で実行された処理の内容に関する情報と、前記処理を実行した利用者を識別する利用者情報とを関連付けた履歴情報を格納する履歴格納手段と、
前記履歴情報に基づいて、前記利用者が実行した処理が、定期的に実行される定期処理であるか否かを判断する定期処理判断手段と、
前記利用者が実行する処理が定期処理であると判断した場合に、前記定期処理が次に実行される予定の日時を算出する実行予定日時算出手段と、
前記利用者と、前記定期処理と、前記算出された実行予定日時とを関連付けて管理する定期処理管理手段と、
実行予定日時を含む予め定められた期間後に、前記利用者によって前記画像形成装置が使用される場合に前記定期処理の実行の受付を可能にする画面を表示装置に表示させる表示制御手段と、
を備える画面制御装置。
【請求項3】
前記定期処理管理手段で管理される前記定期処理の内容は、前記履歴情報に格納された処理の内容に基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画面制御装置。
【請求項4】
利用者からの操作入力を受け付ける操作画面を表示する表示装置と、
画像形成装置で実行された処理に関する情報と、前記処理を実行した利用者を識別する利用者情報とを関連付けた履歴情報を格納する履歴格納手段と、
前記履歴情報に基づいて、利用者が実行した処理が、定期的に実行される定期処理であるか否かを判断する定期処理判断手段と、
前記利用者が実行した処理が定期処理であると判断した場合に、前記定期処理が次に実行される予定の日時を算出する実行予定日時算出手段と、
前記利用者と、前記定期処理と、前記算出された実行予定日時とを関連付けて管理する定期処理管理手段と、
実行予定日時を含む予め定められた期間内に、前記利用者によって前記画像形成装置が使用される場合に前記定期処理の実行の受付を可能にする画面を前記表示装置に表示させる表示制御手段とからなる画面制御装置と、
を備える画像形成装置。
【請求項5】
記憶装置に格納された、画像形成装置で実行された処理に関する情報と、前記処理を実行した利用者を識別する利用者情報とを関連付けた履歴情報に基づいて、利用者が実行した処理が、定期的に実行される定期処理であるか否かを判断する定期処理判断ステップと、
前記利用者が実行した処理が定期処理であると判断された場合に、前記定期処理が次に実行される予定の日時を算出する実行予定日時算出ステップと、
前記利用者と、前記定期処理と、前記算出された実行予定日時とを関連付けて記憶装置に記憶するステップと、
実行予定日時を含む予め定められた期間内に、前記利用者によって前記画像形成装置が使用される場合に前記定期処理の実行の受付を可能にする画面を表示装置に表示させる表示ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−60578(P2012−60578A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204467(P2010−204467)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】