説明

異形単分散粒子、その製造方法及びそれを含む光拡散フィルム

【課題】ミクロンオーダーの粒径を有しながら異形であり、その粒径分布が狭く、耐溶剤性に優れた異形単分散粒子を提供することを課題とする。
【解決手段】α−メチルスチレンダイマーを分子量調整剤として用いて製造された3万〜15万の重量平均分子量を有するアクリル系樹脂粒子からなる種粒子を、水性媒体中、エチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体20〜90質量%と単官能アクリル系単量体80〜10質量%とを含むモノマー混合物及び油溶性重合開始剤を含む膨潤用液により、前記種粒子との質量比で10〜90倍に膨潤させた後、モノマー混合物を重合させることにより0.8〜50μmの異形単分散粒子を得ることを特徴とする異形単分散粒子の製造方法により上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異形単分散粒子、その製造方法及びそれを含む光拡散フィルムに関する。更に詳しくは、本発明は、耐溶剤性に優れ、比表面積が大きく、粒径の揃った異形単分散粒子、その製造方法及びそれを含む光拡散フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
粒径が1〜100μmの範囲にあって、しかも粒子の大きさの揃った樹脂粒子は、スペーサー、滑り性付与剤、複写機用のトナー、塗料のつや消し剤、機能性担体等として使用されている。また、上記樹脂粒子は、近年、液晶分野において、光拡散フィルム、防眩フィルム等の原料としても使用されている。
例えば、光拡散フィルムでは、フィルムの表面に存在する粒子の異形性により光拡散性が発現すると考えられている。光拡散フィルムは、異形粒子をバインダー及び溶媒に混合して混合物を得、得られた混合物をフィルムに塗布することで製造されている。
【0003】
これまで、サブミクロンオーダーにおいては、種々の形状の粒子、例えば、ダルマ状、いいだこ状、金平糖状、中空状の異形粒子の製造方法として、乳化重合での相分離を利用する方法、種粒子に架橋性単量体と開始剤を吸収させ、単量体を重合させる方法、樹脂微粒子に架橋性単量体を含む混合物を加え、油溶性開始剤の存在下に、その開始剤の分解温度に速やかに加温して単量体を重合させる方法、等が知られている。
【0004】
しかし、これまで知られているミクロンオーダーの異形粒子の製造方法では、異形程度が低く、単分散性が低い粒子しか得られず、実用的ではなかった。即ち、顔料や薬剤用の担体、各種吸着材、分析用カラムの担体、光拡散フィルム、防眩フィルム等の原料等に用いるためには、異形程度が高く、単分散性が高い粒子が望まれている。
そこで、例えば、特開2006−241226号公報(特許文献1)や特開平8−231657号公報(特許文献2)において、ミクロンオーダーのさまざまな異形粒子の製造方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−241226号公報
【特許文献2】特開平8−231657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開2006−241226号公報には、異形粒子の架橋度が低いため耐溶剤性が不足している。このような異形粒子は、塗布するために溶媒に混合して得られた塗液の粘度を上昇させる。その結果、塗液の取り扱い性が下がることがあった。更に、一旦塗液にすると、塗液中の異形粒子を再分散することが困難であるという課題があった。
一方、特開平8−231657号公報では、架橋度が高いが、低膨潤倍率の異形粒子をシード重合法により得る方法が記載されている。低膨潤倍率の異形粒子は、非架橋の種粒子の占める割合が大きく、結果として、上記公報と同様、塗液の取り扱い性が下がり、かつ塗液中の異形粒子を再分散することが困難であるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かくして本発明によれば、α−メチルスチレンダイマーを分子量調整剤として用いて製造された3万〜15万の重量平均分子量を有するアクリル系樹脂粒子からなる種粒子を、水性媒体中、エチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体20〜90質量%と単官能アクリル系単量体80〜10質量%とを含むモノマー混合物及び油溶性重合開始剤を含む膨潤用液により、前記種粒子との質量比で10〜90倍に膨潤させた後、モノマー混合物を重合させることにより0.8〜50μmの異形単分散粒子を得ることを特徴とする異形単分散粒子の製造方法が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、エチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体に由来する重合体成分を、アクリル系単量体に由来する重合体成分とエチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体に由来する重合体成分との合計に対して、18〜89質量%の範囲で含み、2.0m2/g以上の比表面積、1〜5%のトルエンに対する溶出成分量、変動係数(CV値)15%以下の単分散性、0.8〜50μmの平均粒子径を有することを特徴とする異形単分散粒子が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の異形単分散粒子は、ミクロンオーダーの粒径を有しながら異形であり、その粒径分布が狭く、耐溶剤性に優れている。
従って、顔料や薬剤用の担体、あるいは各種吸着剤や分析用カラム等に好適に使用できる。
また、耐溶性に優れていることから、光拡散剤として塗料やフィルムに用いる場合には、(1)溶剤中での粒子からの溶出成分が少なく、塗布用の塗液を調液する際には粘度上昇が起こりにくく、(2)塗液中の粒子を再分散することが容易であり、(3)塗膜に塗布によるスジのような欠陥が発生しにくい、という効果を有する。
更に、異形単分散粒子を光拡散剤として用いた光拡散フィルムは、真球状の粒子を用いた場合と比較して、曇り度(ヘイズ)を上げることができるという効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例4で得られた粒子の電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例5で得られた粒子の電子顕微鏡写真である。
【図3】比較例1で得られた粒子の電子顕微鏡写真である。
【図4】比較例2で得られた粒子の電子顕微鏡写真である。
【図5】比較例5で得られた粒子の電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、本発明における「異形単分散粒子」とは、表面に微細な凹凸が存在する単分散性の高い粒子を意味する。
本発明の異形単分散粒子の製造方法は、種粒子を、水性媒体中、モノマー混合物及び油溶性重合開始剤を含む膨潤用液により、特定倍率で膨潤させた後、モノマー混合物を重合させる方法である。
【0012】
(種粒子)
種粒子は、α−メチルスチレンダイマーを分子量調整剤として用いて製造された3万〜15万の重量平均分子量を有するアクリル系樹脂粒子からなる。
アクリル系樹脂粒子は、ラジカル重合可能なアクリル系単量体に由来する樹脂からなる粒子であれば特に限定されない。そのようなアクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。上記単量体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系樹脂粒子には、アクリル系単量体と共重合可能なビニル単量体から由来する樹脂が含まれていてもよい。ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体が挙げられる。
【0013】
種粒子の重量平均分子量は3万〜15万である。重量平均分子量が3万未満である場合、単量体と樹脂との相分離が促進されず、異形形状になり難い。15万より大きい場合、膨潤用液による膨潤が十分進行せず、単分散性が低下することがある。より好ましい重量平均分子量は、6万〜12万である。
上記種粒子の重量平均分子量は、分子量調整剤としてのα−メチルスチレンダイマーの量により調整できる。なお、分子量調整剤として、ドデシルメルカプタンやオクチルメルカプタン等を使用すると、異形単分散粒子の溶出成分が増加し、異形単分散粒子から得られる塗液の塗布性能が低下することがある。α−メチルスチレンダイマーは、アクリル系樹脂粒子の製造に使用されるアクリル系単量体100重量部に対して、0.3〜1重量部使用することが好ましい。α−メチルスチレンダイマーの使用量が0.3重量部未満の場合、種粒子の分子量が大きくなることにより、単量体の吸収が悪くなるためCV値が大きくなることがあり、1重量部より多い場合、種粒子の分子量が小さくなることにより、相分離し難くなるため異形化しにくくなることがある。より好ましい使用量は、0.4〜0.8である。
【0014】
種粒子は、ソープフリー乳化重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の種々の方法で製造できる。特に、より単分散性に優れた種粒子を製造可能なソープフリー乳化重合法及び乳化重合法により製造することが好ましい。
ソープフリー乳化重合法を使用する場合、種粒子は、アクリル系単量体に重合開始剤を添加して得られる混合物中のアクリル系単量体を水性媒体中で重合させることで得ることができる。重合開始剤としては、種粒子の製造に使用できれば、特に限定されない。例えば、水性媒体に可溶な重合開始剤である過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が挙げられる。重合開始剤の使用量は、アクリル系単量体100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましい。
【0015】
乳化重合法を使用する場合、種粒子は、アクリル系単量体を水性媒体中に乳化剤と共に混合することで乳化液を得、乳化液に重合開始剤を添加して得られる混合物中のアクリル系単量体を重合させることで得ることができる。使用できる重合開始剤は、ソープフリー乳化重合法と同様である。使用される乳化剤は、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルのようなポリエチレングリコールアルキルエーテル等を挙げることができる。乳化剤の使用量は、アクリル系単量体100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましい。
種粒子は、0.8〜50μmの粒子を得るためには、0.05〜20μmの平均粒子径を有していることが好ましい。また、異形単分散粒子の単分散性をより向上するために、変動係数(CV値)は10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
【0016】
(水性媒体)
異形単分散粒子の製造に使用される水性媒体は、特に限定されず、水、又は水と水溶性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール)との混合媒体が挙げられる。
また、水性媒体には界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤をいずれも使用できる。
【0017】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、コハクスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
【0018】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
【0019】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイドや、リン酸エステル系又は亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
上記界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。界面活性剤の添加量は、以下で説明するモノマー混合物100重量部に対して0.1〜10重量部とできる。
【0020】
(膨潤用液)
膨潤用液は、モノマー混合物及び油溶性重合開始剤を含んでいる。
モノマー混合物は、エチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体20〜90質量%と単官能アクリル系単量体80〜10質量%とを含んでいる。エチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体の含有率が20質量%未満の場合、得られた異形単分散粒子の架橋度が小さくなることから、耐溶剤性が不十分となり、かつ種粒子と膨潤用液との相分離が起こりにくくなることから、異形となりにくい。90質量%より多い場合、異形単分散粒子が黄色に着色することがある。好ましいエチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体の含有率は、20〜70質量%であり、より好ましい含有率は30〜50質量%である。
【0021】
エチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンオキシドジアクリレート、エチレンオキシドジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラオキシドジアクリレート、テトラオキシドジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体等が挙げられる。上記単量体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、エチレングリコールジメタクリレートが好ましい。
【0022】
単官能アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。上記単量体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
油溶性重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられる。
油溶性重合開始剤の使用量は、モノマー混合物100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましい。油溶性重合開始剤の使用量が0.01重量部未満である場合、単量体が残り易くなることがあり、5重量部より多い場合、反応熱が高くなりすぎることがある。より好ましい使用量は、0.1〜1重量部である。
【0024】
(膨潤工程)
膨潤用液と種粒子とを水性媒体に添加し、種粒子を、種粒子との質量比で10〜90倍に膨潤させる。膨潤倍率が10倍未満の場合、異形単分散粒子に占めるアクリル系単量体からなる種粒子の割合が多くなり、耐溶剤性が不十分となる。90倍より大きい場合、種粒子と膨潤用液との相分離効果が低下することで粒子表面が平滑になり、異形となりにくい。好ましい膨潤倍率は15〜40倍、更に好ましくは15〜30倍である。
【0025】
膨潤用液と種粒子とを水性媒体に添加する順序は、特に限定されないが、通常、水性媒体に膨潤用液を分散させて液滴化した後、種粒子が添加される。
膨潤用液を、界面活性剤を含む水性媒体に、分散させて乳化液を製造する場合、膨潤用液を格別に微粒にしなくてもよい。よって、公知のホモジナイザーのような攪拌機により膨潤用液を、数μmオーダーの液滴にすれば足りる。数μmオーダーの液滴であれば、液滴を種粒子に付着させて、種粒子に吸収させることができる。
【0026】
次に、種粒子を、膨潤用液を含む水性媒体に添加する。添加後は、通常、室温(約25℃)下で攪拌することにより、種粒子に膨潤用液が吸収される。吸収の有無は、例えば、光学顕微鏡により種粒子を観察することで容易に確認できる。膨潤用液を吸収した成長粒子を安定に分散させるために、分散安定剤を水性媒体に添加してもよい。分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、部分鹸化されたポリビニルアルコールや、ポリアクリル酸又はポリメタクリル酸、その共重合体及びその中和物等が挙げられる。分散安定剤の添加量は、モノマー混合物100重量部に対して0.1〜10重量部とできる。
【0027】
また、目的とする異形単分散粒子以外の新たな微粒子の発生を抑制する目的で、水溶性の重合禁止剤を水性媒体に添加しておくことが好ましい。重合禁止剤としては、亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類等が挙げられる。重合禁止剤の添加量は、水性媒体100重量部に対して0.01〜0.1重量部とできる。
【0028】
(重合工程)
種粒子に吸収されたモノマー混合物を重合させることにより異形単分散粒子が得られる。重合温度は、30〜100℃であることが好ましく、更に好ましくは40〜80℃である。重合時間(重合温度を保持する時間)は、0.1〜20時間であることが好ましい。重合は、窒素雰囲気のような重合に対して不活性な不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
得られた異形単分散粒子は、水性媒体から、吸引ろ過、遠心分離、加圧脱水等の方法により含水ケーキ状とし、含水ケーキを水洗し、乾燥させることで単離できる。
【0029】
(異形単分散粒子)
上記方法により得られた異形単分散粒子は、エチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体に由来する重合体成分を、アクリル系単量体に由来する重合体成分とエチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体に由来する重合体成分との合計に対して、18〜89質量%の範囲で含み、2.0m2/g以上の比表面積、1〜5%のトルエンに対する溶出成分量、変動係数(CV値)15%以下の単分散性、0.8〜50μmの平均粒子径を有している。
【0030】
18〜89質量%の範囲でエチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体に由来する重合体成分を含むことで、異形単分散粒子中に占める架橋成分の割合を保つことができるので、耐溶剤性を確保できる。より好ましい、含有範囲は20〜50質量%である。
2.0m2/g以上の比表面積を有することで、良好な光拡散性を確保できる。比表面積は、2.5m2/g以上であることが好まし。
CV値が15%以下であることで、良好な単分散性の異形粒子を得ることができる。より好ましいCV値は11%以下である。
【0031】
(異形単分散粒子の用途)
異形単分散粒子は、スペーサー、滑り性付与剤、複写機用のトナー、塗料のつや消し剤、機能性担体や、光拡散フィルム、防眩フィルム等の原料として使用できる。
この内、光拡散フィルムとして使用する場合を説明する。
光拡散フィルムは、基体上に光拡散層を備えている。基体としては、光学的に透明で耐光性、耐熱性、耐溶剤性を備えていることが好ましい。基体は例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリアミド等の樹脂基体、透明なガラスシートのような無機基体から適宜選択して使用できる。この内、ポリエチレンテレフタレートからなる基体が好ましい。また、基体の厚さは特に限定されるものではないが、加工のしやすさ、ハンドリング性および用途を考慮して数μm〜500μm程度が好ましく、10〜200μm程度がより好ましい。
【0032】
なお、本発明書において、透明には、半透明も含まれる。また、透明とは、所望する波長の光(可視光領域、赤外領域、紫外領域の光)に対して透明であることを意味し、必ずしも全波長の光に対して透明であることを要さない。光は少なくとも可視光領域を含むことが好ましい。
【0033】
光拡散層は、異形単分散粒子とバインダーとを含む。
バインダーは異形単分散粒子を基体に結合させる役割を果たす。バインダーとしては、前記役割を果たす限りは特に限定されない。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル等の樹脂や、これら樹脂がウレタン系架橋剤のような架橋剤で架橋された樹脂が挙げられる。バインダーは透明であることが好ましい。バインダーに対する異形単分散粒子の割合は特に限定されるものではないが、光拡散性能を考慮すればバインダー100重量部に対して20〜500重量部が好ましく、30〜300重量部がより好ましい。
【0034】
光拡散層の形成方法は、特に限定されず、公知の方法をいずれも使用できる。例えば異形単分散粒子をバインダーに溶解又は分散させた溶液に加えて、光拡散層形成用塗料組成物とし、この塗料組成物を基体上に塗布する方法が挙げられる。ここで、バインダーを溶解又は分散させた溶液には、あらかじめバインダーを溶解又は分散させた市販の溶剤タイプの溶液を使用できる。塗料組成物には、ウレタン架橋剤のような架橋剤が含まれてもよい。
【0035】
上記塗料組成物には、レベリング剤、表面改質剤、脱泡剤、顔料等の着色剤等、公知の各種添加剤を加えてもよい。
塗料組成物は、公知の方法により、例えば、バインダーを有機溶剤に溶解した後、溶液に本発明の異形単分散粒子を加え、サンドミル、ポールミル、アトライター、高速回転攪拌装置、三本ロール等を使用して、混合分散する方法により製造できる。
有機溶剤は、バインダーを溶解するものであれば特に限定されず、例えばトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、アセトン、アニソール等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0036】
塗料組成物の塗工方法は、特に限定されず、例えばスプレー法、バーコード法、ドクターブレード法、ロールコート法、スピンコート法又はディッピング法等、公知の方法を用いることができる。これらの方法により、塗料組成物を塗工した後、乾燥して有機溶剤を除去することにより、光拡散層が得られる。
【実施例】
【0037】
以下実施例を挙げて更に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。粒子の平均粒子径、変動係数(CV値)、重量平均分子量、比表面積及び溶出成分量、光拡散フィルムのヘイズの測定方法及び外観評価方法を下記する。
(平均粒子径及び変動係数(CV値))
粒子の平均粒子径は、ベックマンコールター社製のLS230型で測定する。具体的には、粒子0.1gと0.1%ノニオン性界面活性剤溶液10mlを投入し、ヤマト科学社製タッチミキサーTOUCHMIXER MT−31で2秒間混合する。この後、試験管を市販の超音波洗浄器であるヴェルボクリーア社製ULTRASONIC CLEANER VS−150を用いて10分間分散させる。分散させたものをベックマンコールター社製のLS230型にて超音波を照射しながら測定する。そのときの光学モデルは作製した粒子の屈折率にあわせる。
変動係数(CV値)とは、標準偏差(σ)及び上記平均粒子径(X)から以下の式により算出された値である。この値は、上記ベックマンコールター社製のLS230型により自動的に算出される値である。
CV値(%)=(σ/x)×100
CV値が15%以下の場合を○(単分散性良)とし、15%より大きい場合を×(単分散性不良)とする。
【0038】
(重量平均分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、粒子の重量平均分子量を測定する。その測定方法は次の通りである。なお、重量平均分子量は、ポリスチレン(PS)換算重量平均分子量を意味する。
測定装置:東ソー社製 GPC HLC−8020
ガードカラム:TOSOH TSKguardcolumn HHR(S)×1(7.5mmID×7.5cm)
カラム:TOSOH TSK−GEL GMHHR−H(S)×3(7.8mmID×30cm)
測定条件:カラム温度(40℃)、移動相(一級THF/45℃)、
S.PUMP/R.PUMP流量(0.8/0.5mL/min)、RI温度(35℃)、
INLET温度(35℃)、測定時間(55min)、検出器(UV254nm、RI)
測定方法:試料50mgを10mL一級THF(移動相)で一晩放置して溶解し、0.45μm又は0.20μmのフィルターで濾過する。
検量線用標準ポリスチレン:昭和電工社製、商品名「shodex」重量平均分子量:1030000と、東ソー社製、重量平均分子量:5480000、3840000、355000、102000、37900、9100、2630、495
【0039】
(比表面積)
比表面積は、気体吸着による粒子(固体)の比表面積測定法であるJIS Z 8830:2001のBET多点定容量に基づき、自動比表面積/細孔分布測定装置(トライスター3000:島津製作所社製)により、窒素ガスを用いて測定する。2.0m2/g以上を○とし、2.0m2/g未満の場合を×とする。
【0040】
(溶出成分量)
計量した1gの粒子を、トルエン100ml中に入れ、得られた分散液を180℃で24時間還流させる。還流後の粒子を、フィルターを用いて吸引ろ過を行なうことで取り出し、粒子を130℃で3時間乾燥させる。乾燥後の粒子を計量しA(g)とする。以下の式にAを代入することでトルエンに対する溶出成分量を算出する。
溶出成分量(%)=(1−A)×100
溶出成分量が5%以下のものを○、5%を越えるものを×とする。
【0041】
(ヘイズ)
ヘイズは、JIS K 7136により測定される。具体的には、日本電色工業社製NHD−2000を使用して測定する。
ヘイズは、測定サンプル数n=10の平均値を算出した値を示している。
【0042】
(外観評価)
光拡散フィルムの外観は、以下の基準で評価する。
◎:目視で感知される欠陥(スジやムラ)は皆無である、極めて優れた外観
△:多少、所々に欠陥が見られる
×:全面に細かい欠陥がはっきりと確認される極めて悪い外観
【0043】
(1)種粒子の製造
製造例1
反応器中の純水800g中に単量体としてメタクリル酸メチル140gとn−オクチルメルカプタン1.4gとを投入した。次いで、反応器をN2パージした後、70℃まで昇温した。その後、過硫酸カリウム0.7gを純水35gに溶解した溶液を反応器に投入した後、再び反応器をN2パージした。その後、70℃で12時間単量体を重合させることで、平均粒子径0.45μm、重量平均分子量2万の種粒子を含むスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0044】
製造例2
反応器中の純水257g中に製造例1のスラリー25gと単量体としてメタクリル酸メチル36gとα−メチルスチレンダイマー0.36gとを投入した。次いで、反応器をN2パージした後、70℃まで昇温した。その後、過硫酸カリウム0.18gを純水6gに溶解した溶液を反応器に投入した後、再び反応器をN2パージした。その後、70℃で12時間単量体を重合させることで、平均粒子径1.1μm、重量平均分子量3万の種粒子を含むスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0045】
製造例3
α−メチルスチレンダイマーの投入量を0.29gに変更すること以外は製造例2と同様にして平均粒子径1.1μm、重量平均分子量9万の種粒子を含むスラリー(固形分14重量%)を得た。
製造例4
α−メチルスチレンダイマーの投入量を0.18gに変更すること以外は製造例2と同様にして平均粒子径1.1μm、重量平均分子量12万の種粒子を含むスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0046】
製造例5
α−メチルスチレンダイマーの投入量を0.72gに変更すること以外は製造例2と同様にして平均粒子径1.1μm、重量平均分子量2万の種粒子を含むスラリー(固形分14重量%)を得た。
製造例6
α−メチルスチレンダイマーの投入量を0.09gに変更すること以外は製造例2と同様にして平均粒子径1.1μm、重量平均分子量25万の種粒子を含むスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0047】
製造例7
α−メチルスチレンダイマーをオクチルメルカプタンに変更し、その投入量を0.18gに変更すること以外は製造例2と同様にして平均粒子径1.1μm、重量平均分子量12万の種粒子を含むスラリー(固形分14重量%)を得た。
上記製造例の種粒子の重量平均分子量、平均粒子径及び分子量調整剤種をまとめて表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
(2)異形単分散粒子の製造例
実施例1
単量体としてメタクリル酸メチル112gとエチレングリコールジメタクリレート48gからなるモノマー混合物に、2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.96gを溶解して、膨潤用液を得た。
上記工程とは別に、純水160gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8gを溶解して溶液を得た。得られた溶液に、上記膨潤用液を混合し、T・Kホモミキサーを用いて8000rpmで10分間攪拌してエマルジョンを得た。得られたエマルジョンを攪拌機及び温度計を備えた容量1リットルの反応容器に入れ、更に製造例2のスラリーを28.6g投入した。投入後、120rpmで4時間攪拌することで、スラリー中の種粒子を膨潤用液で膨潤させた。
【0050】
5%のポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学社製ゴーセノールGM−14)480gに亜硝酸ナトリウム0.13gを添加することで得られた溶液に、膨潤させた種粒子を含むスラリーを添加した。この後、70℃で12時間単量体を重合させることで、平均粒子径3.8μmの粒度分布の揃った異形単分散粒子を得た。
【0051】
実施例2
製造例2のスラリーを製造例3のスラリーに変更すること以外は実施例1と同様にして、平均粒子径3.8μmの粒度分布の揃った異形単分散粒子を得た。
実施例3
製造例2のスラリーを製造例4のスラリーに変更すること以外は実施例1と同様にして、平均粒子径3.8μmの粒度分布の揃った異形単分散粒子を得た。
【0052】
実施例4
製造例2のスラリーを製造例3のスラリーに変更し、その投入量を57gに変更すること以外は実施例1と同様にして、平均粒子径2.9μmの粒度分布の揃った異形単分散粒子を得た。得られた異形単分散粒子の電子顕微鏡写真(倍率16000倍)を図1に示す。
実施例5
製造例2のスラリーを製造例3のスラリーに変更し、その投入量を12.7gに変更すること以外は実施例1と同様にして、平均粒子径4.9μmの粒度分布の揃った異形単分散粒子を得た。得られた異形単分散粒子の電子顕微鏡写真(倍率16000倍)を図2に示す。
【0053】
実施例6
メタクリル酸メチルの使用量を112gから80gに、エチレングリコールジメタクリレートの使用量を48gから80gに変更すること以外は実施例2と同様にして、平均粒子径3.8μmの粒度分布の揃った異形単分散粒子を得た。
実施例7
製造例2のスラリーを製造例3のスラリーに変更し、その投入量を38.1gに変更すること以外は実施例1と同様にして、平均粒子径3.4μmの粒度分布の揃った異形単分散粒子を得た。
【0054】
比較例1
製造例2のスラリーを製造例5のスラリーに変更すること以外は実施例1と同様にして、平均粒子径3.8μmの粒度分布の揃った粒子を得た。得られた粒子の電子顕微鏡写真(倍率8500倍)を図3に示す。
比較例2
製造例2のスラリーを製造例6のスラリーに変更すること以外は実施例1と同様にして、平均粒子径3.8μmの粒子を得た。得られた粒子は、粒度分布が不揃いであった。得られた粒子の電子顕微鏡写真(倍率8500倍)を図4に示す。
【0055】
比較例3
製造例2のスラリーを製造例7のスラリーに変更すること以外は実施例1と同様にして、平均粒子径3.8μmの粒度分布の揃った粒子を得た。
比較例4
製造例2のスラリーを製造例3のスラリーに変更し、その投入量を229gに変更すること以外は実施例1と同様にして、平均粒子径1.9μmの粒度分布の揃った粒子を得た。
【0056】
比較例5
製造例2のスラリーの投入量を11.4gに変更すること以外は実施例1と同様にして、平均粒子径5.1μmの粒度分布の揃った粒子を得た。得られた粒子の電子顕微鏡写真(倍率5000倍)を図5に示す。
比較例6
メタクリル酸メチルの使用量を112gから152gに、エチレングリコールジメタクリレートの使用量を48gから8gに変更すること以外は実施例1と同様にして、平均粒子径3.8μmの粒度分布の揃った粒子を得た。
上記実施例及び比較例の使用種粒子種、膨潤倍率、エチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体の全単量体に占める割合(表2では架橋剤量と表現する)、平均粒子径、CV値、比表面積及び溶出成分量を表2に示す。
【0057】
【表2】

【0058】
表2から以下のことが分かる。
実施例と比較例1とから、種粒子の重量平均分子量を3万以上とすることで、比表面積の大きな異形の粒子が得られることが分かる。
実施例と比較例2とから、種粒子の重量平均分子量を15万以下とすることで、単分散性の高い粒子が得られることがわかる。
実施例と比較例3とから、α−メチルスチレンダイマーを用いることで、溶出成分量の少ない粒子が得られることが分かる。
【0059】
実施例と比較例4とから、膨潤倍率を10倍以上とすることで、溶出成分量の少ない粒子が得られることが分かる。
実施例と比較例5とから、膨潤倍率を90倍以下とすることで、比表面積の大きな異形の粒子が得られることが分かる。
実施例と比較例6とから、エチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体量を20〜90質量%の範囲とすることで、溶出成分量の少ない粒子が得られることが分かる。
【0060】
(3)光拡散フィルムの製造例
実施例8
実施例2の粒子100重量部とアクリル系バインダー(三菱レイヨン社製ダイナールLR−102)140重量部とを混合した。得られた混合物に、トルエンとメチルエチルケトンとを1:1の重量比で混合した溶剤を260重量部添加し、得られた分散液を遠心攪拌機により3分間攪拌し、その後3時間放置した。次いで、放置後の分散液に、硬化剤(旭化成ケミカルズ社製デュラネートTKA−100)を30重量部添加して、再び遠心攪拌機により3分間攪拌した。攪拌後の分散液を、75μmのコーターを用いて、PETフィルム上に塗布した。塗膜を備えたPETフィルムを70℃に保った乾燥機にて1時間乾燥することで、光拡散層を備えた光拡散フィルムを得た。
実施例9
実施例2の粒子を実施例5の粒子に代えること以外は実施例8と同様にして光拡散フィルムを得た。
【0061】
比較例7
実施例2の粒子を比較例1の粒子に代えること以外は実施例8と同様にして光拡散フィルムを得た。
比較例8
実施例2の粒子を比較例3の粒子に代えること以外は実施例8と同様にして光拡散フィルムを得た。
比較例9
実施例2の粒子を比較例5の粒子に代えること以外は実施例8と同様にして光拡散フィルムを得た。
上記実施例と比較例のヘイズ及び外観評価結果を表3に示す。
【0062】
【表3】

【0063】
表3から以下のことが分かる。
異形単分散粒子を使用した実施例では、光拡散フィルムのヘイズが高く(光拡散性が高く)、表面状態も良好であることが分かる。
比較例7及び9では、比表面積が小さな異形でない粒子を使用しているため、光拡散フィルムのヘイズが低くなることがわかる。
比較例8では、溶剤成分量が多い粒子を使用しているため、粒子の溶解や膨潤に由来する欠陥が多いことが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α−メチルスチレンダイマーを分子量調整剤として用いて製造された3万〜15万の重量平均分子量を有するアクリル系樹脂粒子からなる種粒子を、水性媒体中、エチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体20〜90質量%と単官能アクリル系単量体80〜10質量%とを含むモノマー混合物及び油溶性重合開始剤を含む膨潤用液により、前記種粒子との質量比で10〜90倍に膨潤させた後、モノマー混合物を重合させることにより0.8〜50μmの異形単分散粒子を得ることを特徴とする異形単分散粒子の製造方法。
【請求項2】
前記α−メチルスチレンダイマーが、前記アクリル系樹脂粒子の製造用のアクリル系単量体100重量部に対して、0.3〜1.0重量部の範囲で使用される請求項1に記載の異形単分散粒子の製造方法。
【請求項3】
前記アクリル系樹脂粒子が、非架橋アクリル系樹脂粒子である請求項1又は2に記載の異形単分散粒子の製造方法。
【請求項4】
エチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体に由来する重合体成分を、アクリル系単量体に由来する重合体成分とエチレン性不飽和基を2つ以上有する単量体に由来する重合体成分との合計に対して、18〜89質量%の範囲で含み、2.0m2/g以上の比表面積、1〜5%のトルエンに対する溶出成分量、変動係数(CV値)15%以下の単分散性、0.8〜50μmの平均粒子径を有することを特徴とする異形単分散粒子。
【請求項5】
請求項4に記載の異形単分散粒子と、バインダーとを含む光拡散フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−168464(P2010−168464A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11960(P2009−11960)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】