説明

異物除去装置、石炭中の異物除去方法

【課題】ミルの磨耗トラブルを解消し、石炭の供給量が低下するのを防止すると共に、燃焼効率が低下するのを防止、安定して石炭を供給することが可能な異物除去装置、石炭中の異物除去方法を提供する。
【解決手段】本実施例に係る異物除去装置10Aは、磁性異物11を含有する石炭12から磁性異物11を分離する異物除去装置であって、磁性異物11を含有する石炭12を搬送する磁性を有する磁力コンベア13と、磁性異物11を含有する石炭12を磁力コンベア13に供給するフィーダ14とを有し、磁力コンベア13が振動可能である。石炭12中の磁性異物11を磁力コンベア13に付着させることができると共に、石炭12よりも比重の重い磁性異物11は下側に移動させることで、石炭12中の磁性異物11をより精度良く磁力コンベア13に付着させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭中のパイライト等の磁性異物を除去する異物除去装置、石炭中の異物除去方法、及び石炭燃焼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
石炭バンカに貯められた石炭(原炭)は、ベルトコンベアによりミルなど粗粉砕機に送られて粗粉砕される。粗粉砕された粉炭は水洗して洗炭した後、パイライト(FeS2)などの磁性物質を除去し、ミルで微粉砕して微粉炭とし、ボイラの燃焼用燃料として用いられている(特許文献1〜特許文献4、参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−253524号公報
【特許文献2】特開平9−248486号公報
【特許文献3】特開平9−187673号公報
【特許文献4】特開平9−262497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、原炭をミルなどの粗粉砕機で粉砕する際、原炭には石炭の他にパイライト等の磁性異物が含まれており、石炭中にパイライト等の磁性異物を含むことで、ミルの磨耗トラブルが発生しミルが停止してしまう、という問題ある。
【0005】
また、パイライト等の異物が混入することで石炭の供給量が低下する、という問題ある。
【0006】
また、パイライト等の異物が混入してしまうと石炭燃料として用いる際の燃焼比率が低下し、燃焼効率が低下する、という問題ある。
【0007】
本発明は、前記問題に鑑み、ミルの磨耗トラブルを解消し、石炭の供給量が低下するのを防止すると共に、燃焼効率が低下するのを防止、安定して石炭を供給することが可能な異物除去装置、石炭中の異物除去方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する異物除去装置であって、前記磁性異物を含有する前記石炭を搬送する磁性を有する磁力コンベアと、前記磁性異物を含有する前記石炭を前記磁力コンベアに供給するフィーダとを有し、前記磁力コンベアが振動可能であることを特徴とする異物除去装置にある。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記磁性異物と前記石炭とを帯電させる静電気負荷装置を有し、前記磁性異物と前記石炭とを帯電させた後、前記磁力コンベアに搬送することを特徴とする異物除去装置にある。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、前記静電気負荷装置が、回転ドラムであることを特徴とする異物除去装置にある。
【0011】
第4の発明は、磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する異物除去装置であって、前記磁性異物を含有する前記石炭を搬送する第一のコンベアと、前記磁性異物を含有する前記石炭を前記第一のコンベアに供給するフィーダと、前記第一のコンベアの下側に設けられ、前記第一のコンベアから落下する前記石炭を搬送する第二のコンベアと、前記第一のコンベアから落下する前記磁性異物を回収する磁性異物回収容器と、前記第一のコンベアと前記第二のコンベアとの間に温風を吹出し、前記石炭を前記第二のコンベアに移動する温風吹出部とを有することを特徴とする異物除去装置にある。
【0012】
第5の発明は、磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する異物除去装置であって、前記磁性異物を含有する前記石炭を搬送する第一のコンベアと、前記磁性異物を含有する前記石炭を前記第一のコンベアに供給するフィーダと、前記第一のコンベアから搬送される前記石炭を回転搬送すると共に、前記磁性異物を落下させる円形ドラムと、該円形ドラムで搬送された前記石炭を搬送する第二のコンベアと、前記円形ドラムから落下する前記磁性異物を回収する磁性異物回収容器とを有することを特徴とする異物除去装置にある。
【0013】
第6の発明は、磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する異物除去装置であって、前記磁性異物を含有する前記石炭が投入された石炭混合スラリを石炭スラリタンク内に供給し、前記石炭混合スラリ中の前記磁性異物と前記石炭とを重液分離し、前記石炭を含有する前記石炭スラリを抜出す分離槽を有することを特徴とする異物除去装置にある。
【0014】
第7の発明は、第1乃至6の何れか一つの発明において、前記磁性異物が、パイライト、鉄、磁鉄鉱であることを特徴とする異物除去装置にある。
【0015】
第8の発明は、磁性異物と石炭とからなる原炭を搬送すると共に磁性異物と石炭とを分別回収する第1乃至7の何れか一つの発明の異物除去装置と、前記異物除去装置より搬送された石炭を粗粉砕する粗粉砕機と、前記粗粉砕機で粗粉砕された石炭を更に微粉砕する微粉砕機と、供給される空気と微粉砕機から排出される燃焼排ガスとを用いて燃焼させるバーナを有するボイラと、該ボイラから排出される排ガスを蒸気発生用の熱源として使用する共に、発生した蒸気を用いて発電機を駆動し、該発電機で凝縮した水を復水器で再び回収し、循環させる蒸気タービンと、前記ボイラから排出される前記排ガス中の煤塵を除去する集塵装置と、前記排ガス中のSOXを希硫酸へ脱硫反応させると共にSO3ミストを捕集する排煙脱硫装置と、前記煙脱硫装置で脱硫された排ガスを排出する煙突とからなることを特徴とする石炭燃焼システムにある。
【0016】
第9の発明は、磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する石炭中の異物除去方法であって、フィーダより前記磁性異物を含有する前記石炭を磁性を有する磁力コンベアに供給し、前記磁力コンベアを進行方向に進行させつつ振動させ、前記磁性異物を前記コンベアに付着させ、前記石炭を前記コンベアから落下させ石炭回収容器に回収し、前記磁力コンベアの下側に回った後、前記磁力コンベアの磁力を切り、前記磁力コンベアに付着している前記磁性異物を落下させ、磁性異物回収容器に回収することを特徴とする石炭中の異物除去方法にある。
【0017】
第10の発明は、第9の発明において、前記磁性異物と前記石炭とを帯電させた後、前記磁力コンベアに搬送することを特徴とする石炭中の異物除去方法にある。
【0018】
第11の発明は、第10の発明において、前記磁性異物を含有する前記石炭を回転ドラム内で回転させながら帯電させることを特徴とする石炭中の異物除去方法にある。
【0019】
第12の発明は、磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する石炭中の異物除去方法であって、フィーダより前記磁性異物を含有する前記石炭を第一のコンベアに供給し、前記第一のコンベアから前記磁性異物と前記石炭とを落下させ、前記石炭は前記第一のコンベアの下側から吹出す温風により前記第一のコンベアから落下する前記石炭の落下軌道を変更し、前記第一のコンベアの下側に設けている第二のコンベアに移動し、前記磁性異物は前記温風により落下軌道が変更することなく前記第一のコンベアから落下し、磁性異物回収容器に回収することを特徴とする石炭中の異物除去方法にある。
【0020】
第13の発明は、磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する石炭中の異物除去方法であって、フィーダより前記磁性異物を含有する前記石炭を第一のコンベアに供給し、前記第一のコンベアから前記磁性異物と前記石炭とを落下させ、前記石炭は円形ドラムの本体表面に設けた突起部にひっかけ、第二のコンベアに搬送すると共に、前記第一のコンベアから落下する前記磁性異物は前記円形ドラムの本体表面に設けた突起部にひっかからずそのまま落下し、磁性異物回収容器に回収することを特徴とする石炭中の異物除去方法にある。
【0021】
第14の発明は、磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する石炭中の異物除去方法であって、前記磁性異物を含有する前記石炭が投入された石炭混合スラリを石炭スラリタンク内に供給し、前記石炭スラリタンク内で前記石炭混合スラリ中の前記磁性異物と前記石炭とを重液分離し、前記石炭混合スラリ中の前記磁性異物を前記石炭スラリタンク内底部に沈澱させ、前記磁性異物が除去され、前記石炭を含有する前記石炭スラリを前記石炭スラリタンク内中部付近から抜出すことを特徴とする石炭中の異物除去方法にある。
【0022】
第15の発明は、第9乃至14の何れか一つの発明において、前記磁性異物が、パイライト、鉄、磁鉄鉱であることを特徴とする石炭中の異物除去方法にある。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する異物除去装置であって、前記磁性異物を含有する前記石炭を搬送する磁性を有する磁力コンベアが振動可能であるため、原炭をミルなどの粗粉砕機で粉砕する際、石炭中にパイライト等の異物に起因するミルの磨耗トラブルを解消し、パイライト等の異物混入により石炭の供給量が低下するのを防止すると共に、石炭燃料として用いる際の燃焼効率の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0025】
本発明による実施例1に係る異物除去装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明による実施例1に係る異物除去装置の構成を簡略に示す斜視図であり、 図2は、本発明による実施例1に係る異物除去装置を長手方向から見たときの構成を簡略に示す正面図である。
図1、2に示すように、本実施例に係る異物除去装置10Aは、磁性異物11を含有する石炭12から磁性異物11を分離する異物除去装置であって、磁性異物11を含有する石炭12を搬送する磁性を有する磁力コンベア13と、磁性異物11を含有する石炭12を磁力コンベア13に供給するフィーダ14とを有し、磁力コンベア13が振動可能であるものである。
図中、符号15は石炭回収容器(石炭回収ホッパー)であり、符号16は磁性異物回収容器(磁性異物回収ホッパー)であり、符号17は、磁力コンベア13を回転させる回転ローラである。
本発明において、磁性異物を含有する石炭として、石炭の他に磁性異物が含まれる原炭を用いて説明する。
本発明において、磁性異物としては、例えばパイライト(FeS2)、鉄、磁鉄鉱(Fe34)がある。パイライトのうち、特に磁化率の高いものをピロタイト(FeS)という。本発明では、パイライトにはこのような磁化率の高いものも含むものとする。
【0026】
磁力コンベア13は磁性を有しているため、磁力コンベア13に載せた例えば数十mmに破砕された石炭12中の磁性異物11を磁力コンベア13に付着させることができ、磁性異物11と石炭12とを分別して付着させることができる。
【0027】
また、磁力コンベア13は振動可能であるため、磁力コンベア13を振動させることで、石炭12よりも比重の重い磁性異物11は下側に移動させることができる。例えば、石炭12の比重が約1.4程度とした時、磁性異物11であるパイライトの比重が約5.0程度である。よって、磁力コンベア13を振動させることで、磁力コンベア13に載せてある磁性異物11は下側に移動するため、石炭12中の磁性異物11をより精度良く磁力コンベア13に付着させることができる。
【0028】
また、磁力コンベア13に載せた石炭12が例えば湿潤石炭用、大塊石炭用などのものである場合には、磁力コンベア13を振動させることで石炭12を磁力コンベア13上で分散させることができるため、石炭12を下側に移動し、効率良く磁力コンベア13に付着させることができる。
【0029】
また、磁力コンベア13には例えば数十mmに破砕された石炭12がフィーダ14により搬送されるが、搬送される石炭12の大きさは特にこれに限定されるものではなく、更に大きいもの、微粉砕されたものでもよい。
【0030】
また、磁力コンベア13が下側に反転する磁力コンベア13の下側に磁力コンベア13から落下する石炭12を回収するための石炭回収容器15を設けている。磁力コンベア13に載せた石炭12は、磁性異物11を磁力コンベア13に付着させた後、磁力コンベア13が下側に反転することで石炭12を落下させて磁力コンベア13の下側に設置してある石炭回収容器15で回収する。
【0031】
また、磁力コンベア13の下側の所定領域には磁力コンベア13の磁力を切断する磁力切断部18を有し、その磁力切断部18の下側には落下してくる磁性異物11を回収する磁性異物回収容器(磁性異物回収ホッパー)16が設けられている。磁力コンベア13は下側に回った後、磁力コンベア13の下側の設けている磁力切断部18で磁力コンベア13の磁力を切ることで、磁力コンベア13に付着させた磁性異物11は、磁力コンベア13から分離して落下し、磁力切断部18の下側に設置してある磁性異物回収容器16に回収される。
【0032】
これにより、磁力コンベア13に搬送された磁性異物11と石炭12とを分別回収することができる。
【0033】
また、本実施例に係る異物除去装置10Aにおいては、磁力コンベア13を振動させるようしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常の石炭、乾燥用石炭などのように特に磁力コンベア13を振動させなくても磁力コンベア13に磁力を与えるだけで磁力コンベア13に付着させることができる場合には磁力コンベア13を振動させなくてもよい。
【0034】
このように、本実施例に係る異物除去装置10Aによれば、磁性異物11を含有する石炭12を搬送する磁力コンベア13が振動可能であるため、石炭12中の磁性異物11を磁力コンベア13に付着させることができると共に、石炭12よりも比重の重い磁性異物11は下側に移動させることで、石炭12中の磁性異物11をより精度良く磁力コンベア13に付着させることができる。
【0035】
これにより、原炭をミルなどの粗粉砕機で粉砕する際、石炭12中にパイライト等の磁性異物11を含むことがないため、磁性異物11に起因するミルの磨耗トラブルを解消しミルが停止するのを防止し、異物混入により石炭12の供給量が低下するのを防止することができると共に、石炭燃料として用いる際に燃焼比率が低下するのを防止することができるため、燃焼効率の低下を防止することができる。
【0036】
また、本実施例では、原炭のように石炭12中に混ざっている例えばパイライト、鉄、磁鉄鉱などの磁性異物11と石炭12とを分別するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁性異物11と微粉炭との分別、他の磁性異物と石炭12との分別を行うために用いるようにしてもよい。
【実施例2】
【0037】
本発明による実施例2に係る異物除去装置について、図3を参照して説明する。
図3は、本発明による実施例2に係る異物除去装置の構成を簡略に示す概念図である。
図3に示すように、本実施例に係る異物除去装置10Bは、図1に示す実施例1に係る異物除去装置10Aの構成と同様であるため、同一部材には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0038】
図3に示すように、本実施例に係る異物除去装置10Bは、前記図1に示した実施例1に係る異物除去装置10Aに磁性異物11と石炭12とを帯電させる静電気負荷装置21を設け、磁性異物11と石炭12とを帯電させた後、磁力コンベア13に搬送するものである。
【0039】
本実施例に係る異物除去装置10Bにおいては、第一のコンベア22−1により搬送された磁性異物11と石炭12とを静電気負荷装置21内に供給する。磁性異物11と石炭12とを静電気負荷装置21内を通過させることで磁性異物11と石炭12とを帯電させることができる。
【0040】
帯電比は、石炭12が1.0とした時、パイライトは5.0であるため、静電気負荷装置21で電解強度を制御することでパイライトの磁力を強く保つことができる。このため、磁力コンベア13に磁性異物11をより強く付着させることができるため、磁力コンベア13上で磁性異物11と石炭12との分別をより精度良く行うことができる。
【0041】
また、静電気負荷装置21は第一のコンベア22−1により搬送された磁性異物11と石炭12とを回転させながら帯電させる回転ドラム式としている。静電気負荷装置21を回転ドラム式とすることで、磁性異物11に電荷を均一に付加させることができるため、磁性異物11としてパイライトの他、鉄塊や磁鉄鉱も効率良く帯電させることができる。これにより、鉄塊や磁鉄鉱の分別効果も上昇するため、磁性異物11と石炭12との分別をより精度良く行うことができる。この結果、ミルへの硬い磁性異物11の混入を更に防止することができる。
【0042】
また、磁力コンベア13に搬送された磁性異物11を含有する石炭12は、磁性異物11は磁力コンベア13に付着し、石炭12は第二のコンベア22−2に搬送され、磁力コンベア13に付着している磁性異物11は磁力コンベア13が下側に回り、磁力切断部18で磁力コンベア13から磁性異物11を分離して落下させ、磁力切断部18の下側に設置してある磁性異物回収容器16に回収される。これにより、磁力コンベア13に搬送された磁性異物11と石炭12とを分別回収することができる。
【0043】
よって、本実施例に係る異物除去装置10Bによれば、第一のコンベア22−1により搬送された磁性異物11と石炭12とを帯電させる静電気負荷装置21を有し、磁性異物11と石炭12とを静電気負荷装置21内を通過させ、磁性異物11と石炭12とを帯電させた後、磁力コンベア13に搬送するようにしているため、磁力コンベア13に磁性異物11をより強く付着させることができ、磁性異物11と石炭12との分別をより精度良く行うことができる。
【0044】
また、静電気負荷装置21を回転ドラム式とすることで、磁性異物11としてパイライトの他、鉄塊や磁鉄鉱なども効率良く帯電させることができ、磁性異物11の分別効果が上昇するため、磁性異物11と石炭12との分別をより精度良く行うことができる。
【0045】
また、本実施例では、静電気負荷装置21を回転ドラム式としているが、磁性異物11の回転ドラム式としなくても十分磁性異物11を磁化させることができる場合には、回転ドラム式としなくてもよい。
【実施例3】
【0046】
本発明による実施例3に係る異物除去装置について、図4を参照して説明する。
図4は、本発明による実施例3に係る異物除去装置の構成を簡略に示す概念図である。
図4に示すように、本実施例に係る異物除去装置10Cは、図1に示す実施例1に係る異物除去装置10Aの構成と同様であるため、同一部材には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0047】
本実施例に係る異物除去装置10Cは、磁性異物11と石炭12とを搬送させるコンベアに磁力を持たせることなく、磁性異物11と石炭12との比重差を利用して分別するものである。
【0048】
即ち、図4に示すように、本実施例に係る異物除去装置10Cは、磁性異物11を含有する石炭12から磁性異物11を分離する異物除去装置であって、磁性異物11を含有する石炭12を搬送する第一のコンベア22−1と、磁性異物11を含有する石炭12を第一のコンベア22−1に供給するフィーダ14と、第一のコンベア22−1の下側に設けられ、第一のコンベア22−1から落下する石炭12を搬送する第二のコンベア22−2と、第一のコンベア22−1から落下する磁性異物11を回収する磁性異物回収容器16と、第一のコンベア22−1と第二のコンベア22−2との間に温風31を吹出し、石炭12を第二のコンベア22−2に搬送する図示しない温風吹出部とを有するものである。
【0049】
磁性異物11と例えば数十mmに破砕された石炭12を第一のコンベア22−1に載せた後、第一のコンベア22−1から磁性異物11と石炭12とを落下させる。
【0050】
磁性異物11は石炭12よりも比重が重いため、図示しない温風吹き出し部から吹出される温風31により磁性異物11に比べて石炭12よりも流され難い。そのため、第一のコンベア22−1と第二のコンベア22−2との間に図示しない温風吹き出し部より温風を吹出すことで、第一のコンベア22−1から磁性異物11と石炭12とを落下させると、磁性異物11に比べ比重の軽い石炭12は温風31によって第一のコンベア22−1から落下する前記石炭の落下軌道を変更し、第一のコンベア22−1の下側に設けている第二のコンベア22−2に搬送させることができる。また、石炭12に比べ比重の重い磁性異物11は温風31により落下軌道が変更することなく第一のコンベア22−1から落下し、磁性異物用収容容器16に回収される。これにより、第一のコンベア22−1に搬送された磁性異物11と石炭12とを分別回収することができる。
【0051】
また、本実施例に係る異物除去装置10Cにおいては、図示しない温風吹き出し部から吹出される温風31は35〜60℃で、約5.0〜10.0m/secとするのが好ましい。これは、石炭12を第一のコンベア22−1に搬送させることができると共に、磁性異物11を磁性異物回収容器16に落下させることができるためである。
【0052】
よって、本実施例に係る異物除去装置10Cによれば、磁性異物11を含有する石炭12を搬送する第一のコンベア22−1と、第一のコンベア22−1の下側に設けられ、第一のコンベア22−1から落下する石炭12を搬送する第二のコンベア22−2とを有し、第一のコンベア22−1と第二のコンベア22−2との間から温風31を吹出し、磁性異物11と石炭12との比重の違いを利用することで、磁性異物11に比べ比重の軽い石炭12を温風31により第一のコンベア22−1に搬送させることができると共に、石炭12に比べ比重の重い磁性異物11はそのまま落下させて磁性異物回収容器16に回収することができる。
【実施例4】
【0053】
本発明による実施例4に係る異物除去装置について、図5を参照して説明する。
図5は、本発明による実施例4に係る異物除去装置の構成を簡略に示す概念図である。
本実施例に係る異物除去装置10Dは、磁性異物11と石炭12とを搬送させるコンベアに磁力を持たせることなく、磁性異物11と石炭12との比重差を利用して分別するものである。
【0054】
図5に示すように、本実施例に係る異物除去装置10Dは、磁性異物11を含有する石炭12から磁性異物11を分離する異物除去装置であって、磁性異物11を含有する石炭12を搬送する第一のコンベア22−1と、磁性異物11を含有する石炭12を第一のコンベア22−1に供給する図示しないフィーダと、第一のコンベア22−1から搬送される石炭12を回転搬送すると共に、磁性異物11を落下させる円形ドラム32と、該円形ドラム32で搬送された石炭12を搬送する第二のコンベア22−2と、円形ドラム32から落下する磁性異物11を回収する磁性異物回収容器16とを有するものである。
【0055】
第一のコンベア22−1に載せた磁性異物11と例えば数十mmに破砕された石炭12とを第一のコンベア22−1から円形ドラム32に落下させると、石炭12は磁性異物11よりも比重が軽いため、円形ドラム32の表面33にのっかり、円形ドラム32により石炭12を回転搬送することができる。そして、そのまま円形ドラム32は回転して石炭12を第二のコンベア22−2に搬送する。
【0056】
また、第一のコンベア22−1から落下する磁性異物11は石炭12よりも比重が重いため、円形ドラム32の表面33にはのっかることはできず、円形ドラム32の回転方向とは反対方向に磁性異物11は転がって落下し、磁性異物用収容容器16に回収される。これにより、第一のコンベア22−1に搬送された磁性異物11と石炭12とを分別回収することができる。
【0057】
また、円形ドラム32の表面33に突起部を設け、前記突起部に石炭12をひっかけ、回転搬送すると共に、石炭12よりも比重が重い磁性異物11は前記突起部にはひっかからず円形ドラム32の回転方向とは反知側に転がって落下し、磁性異物用収容容器16に回収するようにしてもよい。
【0058】
よって、本実施例に係る異物除去装置10Dによれば、磁性異物11を含有する石炭12を搬送する第一のコンベア22−1と、第一のコンベア22−1から搬送される石炭12を回転搬送すると共に、磁性異物11を落下させる円形ドラム32と、該円形ドラム32から搬送された石炭12を搬送する第二のコンベア22−2とを有し、磁性異物11と石炭12との比重の違いを利用することで、磁性異物11に比べ比重の軽い石炭12を円形ドラム32にのせ、第一のコンベア22−1に搬送させることができると共に、石炭12に比べ比重の重い磁性異物11はそのまま落下させて磁性異物回収容器16に回収することができる。
【実施例5】
【0059】
本発明による実施例5に係る異物除去装置について、図6を参照して説明する。
図6は、本発明による実施例5に係る異物除去装置の構成を簡略に示す概念図である。
本実施例に係る異物除去装置10Dは、磁性異物11と石炭12とを搬送させるコンベアに磁力を持たせることなく、磁性異物11と石炭12との比重差を利用して分別するものである。
【0060】
図6に示すように、本実施例に係る異物除去装置10Eは、磁性異物11を含有する石炭12から磁性異物11を分離する異物除去装置であって、磁性異物11を含有する石炭12が投入された石炭混合スラリ41Aを石炭スラリタンク42内に供給し、石炭混合スラリ41A中の磁性異物11と石炭12とを重液分離し、石炭12を含有する石炭スラリ41Bを抜出す分離槽43を有するものである。
【0061】
石炭スラリは石炭と水の混合物(CWM:Cold Water Mixture)であり、比重が例えば1.2程度のものを用いるのが好ましい。これは、磁性異物11の比重が5.0程度であり、石炭12の比重が1.4程度であるため、比重が1.2程度の石炭スラリを用いることで磁性異物11と石炭12との重液分離がし易いためである。また、前記石炭スラリの石炭と水の混合比はこれに限定されるものでなく、前記石炭スラリ中に投入される異物の比重に応じて適宜調整する。
【0062】
予め磁性異物11を含有する石炭12を前記石炭スラリに投入する。そして、この磁性異物11を含有する石炭12が投入された石炭混合スラリ41Aを導入口42aより分離槽43に送給すると、磁性異物11の比重は約5.0程度であるため、分離槽43の石炭スラリタンク42内の底部に沈澱する。
【0063】
一方、石炭12の比重は約1.4程度であり、前記石炭スラリとの比重差はほとんどないため、分離槽43の石炭スラリタンク42内の中部付近に滞留する。この石炭スラリタンク42内の中部以上に滞留している前記石炭スラリを排出口42bより排出することで磁性異物11が除去され、石炭12のみを含有する石炭スラリ41Bを搬出することができる。
【0064】
よって、本実施例に係る異物除去装置10Eによれば、磁性異物11を含有する石炭12が投入された石炭混合スラリ41A中の磁性異物11と石炭12とを重液分離し、石炭12を含有する石炭スラリ41Bを抜出す分離槽43を有し、磁性異物11と石炭12との比重の違いを利用することで、比重が重い磁性異物11を石炭スラリタンク42の底部に沈澱させ、石炭スラリタンク42内の中部以上に滞留している石炭スラリ41Bを排出することで磁性異物11が除去され、石炭12のみを含有する石炭スラリ41Bを搬出することができる。
【実施例6】
【0065】
次に、本発明の異物除去装置を払出磁気コンベアとし、該払出磁気コンベアを用いた石炭を処理する石炭燃焼システムの一実施例について、図7を参照して説明する。
図7は、本発明による実施例6に係る石炭燃焼システムの構成を簡略に示す概念図である。
異物除去装置の構成は、本発明の実施例1に係る異物除去装置10Aと同様であるため、ここでは説明は省略する。
図7に示すように、本実施例に係る石炭燃焼システム50は、屋内貯炭場51内から運び出された原炭52を搬送すると共に磁性異物11と石炭12とを分別回収する払出磁気コンベア53と、払出磁気コンベア53より搬送された石炭12を粗粉砕する粗粉砕機55と、粗粉砕された石炭12を貯蔵する石炭バンカ56と、貯蔵された石炭12を搬送する供給手段57と、搬送された石炭12を更に微粉砕する微粉砕機58と、油タンク59から供給される油60と空気予熱器61で予熱された空気62とを用いて燃焼させるバーナ63を有するボイラ64と、ボイラ64から排出される排ガス65を蒸気発生用の熱源として使用する共に、発生した蒸気を用いて発電機66を駆動し、該発電機66で凝縮した水67を復水器68で再び回収し、循環させる蒸気タービン69と、ボイラ64から排出される排ガス65の脱硝を行う排煙脱硝装置70と、ボイラ64で熱交換され、排出される排ガス65中の煤塵を除去する集塵装置71と、排ガス65中のSOXを希硫酸(H2SO4)へ脱硫反応させると共にSO3ミストを捕集する排煙脱硫装置72と、煙脱硫装置72で脱硫された浄化ガス73を外部へ排出する煙突74とからなるものである。
【0066】
屋内貯炭場51内に貯蔵された原炭52はコンベアにより払出磁気コンベア53に運び出される。原炭52は、石炭12の他に磁性異物11が含まれており、磁性異物11を含有する石炭12をいう。この運び出された原炭52は、払出磁気コンベア53において原炭52中の磁性異物11は払出磁気コンベア53に付着し、石炭12は石炭バンカ56に搬送され、磁性異物11は磁性異物回収容器16に回収される。払出磁気コンベア53としては本発明の実施例1乃至実施例5に係る異物除去装置10A〜10Eの何れか一つが用いられる。
【0067】
磁性異物11と分別回収された石炭12は例えばミルなどの粗粉砕機55に送給され、例えば3〜10mm程度に粗粉砕されている。粗粉砕機55で粗粉砕された石炭12は、石炭バンカ56に送給される。
【0068】
そして、石炭バンカ56に貯蔵された石炭12は供給手段57により微粉砕機58に搬送され、搬送された石炭12は例えば直径75μm程度の微粉炭に微粉砕される。また、供給手段57としては例えばスクリューフィーダを用い微粉砕機58に連続的に供給するようにしてもよい。また、外部から供給される空気62は押込みファン80により空気予熱器61に送給され予熱される。
【0069】
そして、破砕された微粉炭と油タンク59から供給される油60と空気予熱器61で予熱された空気62とはバーナ63に供給され、例えば火力発電設備の蒸気タービン69を駆動するための蒸気を発生させるため、石炭12や油60等の燃料がボイラ64で燃焼される。
【0070】
ボイラ64内で燃焼して発生する排ガス65は排出され、排煙脱硝装置70に送給される。このとき、排ガス65は復水器68から排出される水67と熱交換し、蒸気を発生する熱源として使用され、発生した蒸気は蒸気タービン69の発電機66を駆動している。そして、復水器68により凝縮した水67を給水ポンプ81により再びボイラ64に戻し、循環せしめるようにしている。また、ボイラ64には必要に応じて別途水67を供給するようにしてもよい。また、ボイラ64内に堆積する石炭灰(クリンカ)82はボイラ64の底部より抜出されるようにしている。
【0071】
そして、ボイラ64から排出され、排煙脱硝装置70に導かれた排ガス65は排煙脱硝装置70内で脱硝され、空気予熱器61で空気62と熱交換した後、集塵装置71に送給され、排ガス65中の煤塵を除去する。集塵装置71は、電気式のものを採用しているが、排ガス65中の煤塵を除去するものであれば、特にこれに限定されるものではない。また、集塵装置71内に発生する石炭灰(フライアッシュ)83は集塵装置71の底部より抜出されるようにしている。
【0072】
そして、集塵装置71で除塵された排ガス65は誘引ファン84により排煙脱硫装置72内に供給される。排ガス65には硫黄酸化物(SOX)が含有され、排煙脱硫装置72では、所定量の脱硫剤として石灰水85を本体86の上方から供給し、排ガス65中のSOXを希硫酸(H2SO4)へ脱硫反応させると共にSO3ミストを捕集し、排ガス65中の脱硫を効率良く行うことができる。
【0073】
また、排煙脱硫装置72に供給する前に排ガス65を冷却すると共に増湿を行う図示しない増湿冷却装置を設けるようにしてもよい。
【0074】
また、排煙脱硫装置72には、得られた希硫酸(H2SO4)を貯蔵すると共に石灰スラリを供給して石膏を析出させる図示しない石膏反応槽と、石膏を沈降させる図示しない沈降槽(シックナー)と、図示しない石膏スラリーから水分を排水(濾液)として除去して石膏87を得る図示しない脱水器とを備えるようにしている。本実施例では、排煙脱硫装置72で得られた希硫酸(H2SO4)に石灰スラリを供給して石膏スラリーを得た後、脱水して石膏87として利用する。また、脱硫して得られた希硫酸(H2SO4)をそのまま硫酸(H2SO4)として使用するようにしてもよい。その場合には、希硫酸(H2SO4)を濃縮する濃縮槽を設けるようにしてもよい。
【0075】
また、排煙脱硫装置72から排出される浄化された浄化ガス73を排出するラインには必要に応じてミストエリミネータを介装し、ガス中の水分を分離するようにしてもよい。
【0076】
そして、排煙脱硫装置72で脱硫された浄化ガス73は煙突74より外部へ排出されるようにしている。また、最終的に大気に排出する排出口である煙突74の出口部分にはダイオキシン類、前駆体濃度を検出するため図示しない検出手段を設けている。検出手段の検出端は必要箇所でのガスのサンプルを取得し、図示しない吸引手段で随時サンプリングが可能なように構成されている。このサンプルガスは検出手段に含まれる図示しない分析器によって、ガス中の物質が同定、定量され、制御するようにしている。なお、ダイオキシン類若しくは前駆体の分析器としては、例えばガスクロマトグラフ、真空紫外光(VUV)、レーザーなどが使用できる。
【0077】
このように、本実施例に係る石炭燃焼システム50によれば、払出磁気コンベア53に図1に示した異物除去装置10Aを採用することにより、磁性異物11と石炭12とを分別回収することができる。これにより、原炭である石炭12をミルなどの粗粉砕機55で粉砕する際、石炭12中にパイライト等の磁性異物11を含むことがないため、磁性異物11に起因する粗粉砕機55の磨耗トラブルを解消し粗粉砕機55が停止するのを防止し、異物混入によりボイラ64への石炭12の供給量が低下するのを防止することができると共に、石炭燃料として用いる際にボイラ64において燃焼比率が低下するのを防止することができるため、ボイラ64での燃焼効率の低下を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明に係る異物除去装置及び石炭中の異物除去方法は、磁性異物を含有する石炭を搬送するコンベアが磁性を有すると共に、振動することで石炭と磁性異物とを分別することができるため、磁性異物を含有する石炭の異物除去装置に用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明による実施例1に係る異物除去装置の構成を簡略に示す斜視図である。
【図2】本発明による実施例1に係る異物除去装置を長手方向から見たときの構成を簡略に示す正面図である。
【図3】本発明による実施例2に係る異物除去装置の構成を簡略に示す概念図である。
【図4】本発明による実施例3に係る異物除去装置の構成を簡略に示す概念図である。
【図5】本発明による実施例4に係る異物除去装置の構成を簡略に示す概念図である。
【図6】本発明による実施例5に係る異物除去装置の構成を簡略に示す概念図である。
【図7】本発明による実施例6に係る石炭燃焼システムの構成を簡略に示す概念図である。
【符号の説明】
【0080】
10A〜10E 異物除去装置
11 磁性異物
12 石炭
13 磁力コンベア
14 フィーダ
15 石炭回収容器(石炭回収ホッパー)
16 磁性異物回収容器(磁性異物回収ホッパー)
17 回転ローラ
18 磁力切断部
21 静電気負荷装置
22−1 第一のコンベア
22−2 第二のコンベア
31 温風
32 円形ドラム
33 表面
41A 石炭混合スラリ
41B 石炭スラリ
42 石炭スラリタンク
43 分離槽
50 石炭燃焼システム
51 屋内貯炭場
52 原炭
53 払出磁気コンベア
55 粗粉砕機
56 石炭バンカ
57 供給手段
58 微粉砕機
59 油タンク
60 油
61 空気予熱器
62 空気
63 バーナ
64 ボイラ
65 排ガス
66 発電機
67 水
68 復水器
69 蒸気タービン
70 排煙脱硝装置
71 集塵装置
72 排煙脱硫装置
73 浄化ガス
74 煙突
80 押込みファン
81 給水ポンプ
82 石炭灰(クリンカ)
83 石炭灰(フライアッシュ)
84 誘引ファン
85 石灰水
86 本体
87 石膏

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する異物除去装置であって、
前記磁性異物を含有する前記石炭を搬送する磁性を有する磁力コンベアと、
前記磁性異物を含有する前記石炭を前記磁力コンベアに供給するフィーダとを有し、
前記磁力コンベアが振動可能であることを特徴とする異物除去装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記磁性異物と前記石炭とを帯電させる静電気負荷装置を有し、
前記磁性異物と前記石炭とを帯電させた後、前記磁力コンベアに搬送することを特徴とする異物除去装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記静電気負荷装置が、回転ドラムであることを特徴とする異物除去装置。
【請求項4】
磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する異物除去装置であって、
前記磁性異物を含有する前記石炭を搬送する第一のコンベアと、
前記磁性異物を含有する前記石炭を前記第一のコンベアに供給するフィーダと、
前記第一のコンベアの下側に設けられ、前記第一のコンベアから落下する前記石炭を搬送する第二のコンベアと、
前記第一のコンベアから落下する前記磁性異物を回収する磁性異物回収容器と、
前記第一のコンベアと前記第二のコンベアとの間に温風を吹出し、前記石炭を前記第二のコンベアに移動する温風吹出部とを有することを特徴とする異物除去装置。
【請求項5】
磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する異物除去装置であって、
前記磁性異物を含有する前記石炭を搬送する第一のコンベアと、
前記磁性異物を含有する前記石炭を前記第一のコンベアに供給するフィーダと、
前記第一のコンベアから搬送される前記石炭を回転搬送すると共に、前記磁性異物を落下させる円形ドラムと、
該円形ドラムで搬送された前記石炭を搬送する第二のコンベアと、
前記円形ドラムから落下する前記磁性異物を回収する磁性異物回収容器とを有することを特徴とする異物除去装置。
【請求項6】
磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する異物除去装置であって、
前記磁性異物を含有する前記石炭が投入された石炭混合スラリを石炭スラリタンク内に供給し、
前記石炭混合スラリ中の前記磁性異物と前記石炭とを重液分離し、前記石炭を含有する前記石炭スラリを抜出す分離槽を有することを特徴とする異物除去装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一つにおいて、
前記磁性異物が、パイライト、鉄、磁鉄鉱であることを特徴とする異物除去装置。
【請求項8】
磁性異物と石炭とからなる原炭を搬送すると共に磁性異物と石炭とを分別回収する請求項1乃至7の何れか一つの異物除去装置と、
前記異物除去装置より搬送された石炭を粗粉砕する粗粉砕機と、
前記粗粉砕機で粗粉砕された石炭を更に微粉砕する微粉砕機と、
供給される空気と微粉砕機から排出される燃焼排ガスとを用いて燃焼させるバーナを有するボイラと、
該ボイラから排出される排ガスを蒸気発生用の熱源として使用する共に、発生した蒸気を用いて発電機を駆動し、該発電機で凝縮した水を復水器で再び回収し、循環させる蒸気タービンと、
前記ボイラから排出される前記排ガス中の煤塵を除去する集塵装置と、
前記排ガス中のSOXを希硫酸へ脱硫反応させると共にSO3ミストを捕集する排煙脱硫装置と、
前記煙脱硫装置で脱硫された排ガスを排出する煙突とからなることを特徴とする石炭燃焼システム。
【請求項9】
磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する石炭中の異物除去方法であって、
フィーダより前記磁性異物を含有する前記石炭を磁性を有する磁力コンベアに供給し、
前記磁力コンベアを進行方向に進行させつつ振動させ、前記磁性異物を前記コンベアに付着させ、前記石炭を前記コンベアから落下させ石炭回収容器に回収し、
前記磁力コンベアの下側に回った後、前記磁力コンベアの磁力を切り、前記磁力コンベアに付着している前記磁性異物を落下させ、磁性異物回収容器に回収することを特徴とする石炭中の異物除去方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記磁性異物と前記石炭とを帯電させた後、前記磁力コンベアに搬送することを特徴とする石炭中の異物除去方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記磁性異物を含有する前記石炭を回転ドラム内で回転させながら帯電させることを特徴とする石炭中の異物除去方法。
【請求項12】
磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する石炭中の異物除去方法であって、
フィーダより前記磁性異物を含有する前記石炭を第一のコンベアに供給し、
前記第一のコンベアから前記磁性異物と前記石炭とを落下させ、
前記石炭は前記第一のコンベアの下側から吹出す温風により前記第一のコンベアから落下する前記石炭の落下軌道を変更し、前記第一のコンベアの下側に設けている第二のコンベアに移動し、
前記磁性異物は前記温風により落下軌道が変更することなく前記第一のコンベアから落下し、磁性異物回収容器に回収することを特徴とする石炭中の異物除去方法。
【請求項13】
磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する石炭中の異物除去方法であって、
フィーダより前記磁性異物を含有する前記石炭を第一のコンベアに供給し、
前記第一のコンベアから前記磁性異物と前記石炭とを落下させ、
前記石炭は円形ドラムの本体表面に設けた突起部にひっかけ、第二のコンベアに搬送すると共に、
前記第一のコンベアから落下する前記磁性異物は前記円形ドラムの本体表面に設けた突起部にひっかからずそのまま落下し、磁性異物回収容器に回収することを特徴とする石炭中の異物除去方法。
【請求項14】
磁性異物を含有する石炭から前記磁性異物を分離する石炭中の異物除去方法であって、
前記磁性異物を含有する前記石炭が投入された石炭混合スラリを石炭スラリタンク内に供給し、
前記石炭スラリタンク内で前記石炭混合スラリ中の前記磁性異物と前記石炭とを重液分離し、前記石炭混合スラリ中の前記磁性異物を前記石炭スラリタンク内底部に沈澱させ、前記磁性異物が除去され、前記石炭を含有する前記石炭スラリを前記石炭スラリタンク内中部付近から抜出すことを特徴とする石炭中の異物除去方法。
【請求項15】
請求項9乃至14の何れか一つにおいて、
前記磁性異物が、パイライト、鉄、磁鉄鉱であることを特徴とする石炭中の異物除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−202110(P2009−202110A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47672(P2008−47672)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】