説明

疎水性修飾ビニルピロリドンコポリマーを含む耐水性化粧品製剤

本発明は、化粧品製剤の耐水性を改善するための薬剤としてN-ビニルピロリドンと疎水性修飾アクリル酸誘導体とを含むコポリマーを使用すること、および、これらのコポリマーをサンスクリーン組成物において日焼け防止指数を増大するために使用することに関し、さらに、本発明は、これらのコポリマーを含む化粧品製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品製剤の耐水性を改善する手段としてN-ビニルピロリドンと疎水性修飾アクリル酸誘導体とを含むコポリマーを使用すること、ならびに日焼け防止指数を増大させるためにサンスクリーン組成物中にこれらのコポリマーを使用することに関し、さらに、本発明はこれらのコポリマーを含む化粧品製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば皮膚に塗布される化粧品製剤は、多くの場合、良好な耐水性を有することが望ましい。消費者は、例えば、マスカラなどの目に使用するメイクアップ組成物が涙または流れてきた汗により洗い流されないことを期待する。同様に、消費者は、汗をかくスポーツ活動の間または屋外での水泳の間に、これらの活動中に有害な紫外線に対して使用者を保護するために、塗布したサンスクリーン組成物の大部分が皮膚の上に残っていることを期待する。既に多くの化粧品製剤が防水性または耐水性を有することを主張しているが、依然として、より長く持続する耐水性を有すると同時に、化粧品製剤を塗る際の皮膚の感触が改善された製品が必要とされている。耐水性を主張する市販の化粧品製剤の多くは、塗布した時に、蝋のような、ベタベタした、粘着性の、かつ油っぽい感じを使用者に与える。そのため、消費者は、改善された耐水性を有する化粧品のみでなく、塗布した際にしなやかで柔らかい印象を残し、蝋のような、ベタベタした、または油っぽい感じのしない製品を要求している。
【0003】
化粧品製剤の耐水性を達成するために、しばしば化粧品製剤にポリマーを加える。しかしながら、公知の組成物は、しばしば、取り扱いが困難であり、また、対応する化粧品製剤への組み込みが困難であるという欠点を有する。したがって、化粧品製剤の製造者は、製剤に容易に組み込むことが可能であり、所望により化粧品製剤の油相にも水相にも組み込むことができ、加熱、中和工程、または他の特定の加工工程の手間を省くことを可能にする、耐水性を増大するための新規の供給材料を期待している。
【0004】
N-ビニルピロリドンとα-オレフィンとのコポリマーおよびその化粧品製剤における使用は、例えば、US 5 219 559およびUS 3 423 381に記載されている。例えば、ポリ(N-ビニルピロリドン/ヘキサデセン)コポリマーまたはポリ(N-ビニルピロリドン/エイコセン)コポリマーは、Antaron V-216およびAntaron V-220という商品名を有し、しばしば化粧品製剤において耐水性を与えるために使用される。これらの2種のポリマーは油溶性であり、Antaron V-216は粘稠な液体であり、Antaron V 220は蝋状の固体である。それらの物理的特性のために、2種のポリマーは望まれる通りに化粧品製剤に組み込むことができない。さらに、ポリ(N-ビニルピロリドン/エイコセン)コポリマーを使用する場合、しばしば化粧品製剤の粘度が望まれない形で増大する。さらに、得られる化粧品製剤は、皮膚に塗布した際に、しばしば粘着性で油っぽい印象を残す。
【0005】
EP 0 815 829はC1〜C30-(メタ)アクリル酸エステルに基づくポリマーおよびコポリマーを提案しており、これらは、化粧品製剤の耐水性および濡れによる摩耗に対する抵抗性を改善することが可能である。
【0006】
US 2005/01412080は、化粧品製剤の耐水性を改善するための、少なくとも2種のアクリレートに基づくコポリマーを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US 5 219 559
【特許文献2】US 3 423 381
【特許文献3】EP 0 815 829
【特許文献4】US 2005/01412080
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、優れた耐水性を有し、塗布した際に、しなやかで柔らかい印象を残し、蝋のような、ベタベタした、または油っぽい感じのしない化粧品製剤に、簡単で対費用効果の高い方法で到達することであった。さらに、化粧品製剤の耐水性を改善する物質は、容易にかつ柔軟に化粧品製剤に組み込むことができなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、化粧品製剤の耐水性を改善するための薬剤(agent)として、
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含むコポリマーを使用することにより達成される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明により化粧品製剤の耐水性を改善するために使用されるN-ビニルピロリドンと疎水性修飾アクリル酸誘導体とを含むコポリマーは、原則として公知である。このようなコポリマーの調製方法も同様に公知である。
【0011】
EP 0 876 819は、例えば医薬活性成分であるジアゼパムなどの水不溶性物質の調製品における界面活性物質としてN-ビニルピロリドンと(メタ)アクリル酸の長鎖アルキルエステルとを含むコポリマーを使用することを提案している。
【0012】
EP 0 953 358は、固体の医薬品および化粧品投与形態、例えば錠剤などを製造するためのマトリックス材料としてN-ビニルピロリドンと(メタ)アクリル酸の長鎖アルキルエステルとを含むコポリマーを使用することを提案している。
【0013】
EP 1 669 374には、例えばモノマーN-ビニルピロリドンとステアリルメタクリレートとのコポリマーの水性分散液の調製法が記載されている。
【0014】
耐水性を改善するための本発明の使用において使用されるコポリマーは、
a) 40〜95重量%、好ましくは50〜85重量%、特に好ましくは60〜80重量%、特に65〜75重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%、好ましくは15〜50重量%、特に好ましくは20〜40重量%、特に25〜35重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含む。
【0015】
好ましくは、耐水性を改善するための本発明の使用において使用されるコポリマーは、80重量%を超える、特に好ましくは90重量%を超える、非常に好ましくは96重量%を超える、特に99重量%を超えるN-ビニルピロリドンおよび疎水性修飾アクリル酸誘導体を含む。
【0016】
疎水性修飾アクリル酸誘導体は、好ましくは、α位の水素基が炭化水素基(例えば、アルキル基またはアリール基、好ましくはC1〜C6-アルキル基、特にメチル)により置換されているか、かつ/または第2のα位のカルボニル基が4個以上の炭素原子を有するアルコキシ基により置換されているアクリル酸の化合物である。
【0017】
疎水性修飾アクリル酸誘導体は、特に好ましくは、式I
【化1】

【0018】
[式中、
R1は、水素またはメチル、特にメチルであり、
R2は、C8〜C32-アルキル、好ましくはC10〜C28-アルキル、特に好ましくはC12〜C24-アルキル、非常に好ましくはC14〜C22-アルキル、特にC18-n-アルキルである]
のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルである。
【0019】
アルキル基は非分枝鎖、すなわちn-アルキル基であっても、一または多分枝鎖であってもよい。好ましくは、アルキル基は非分枝鎖である。
【0020】
好ましい疎水性修飾アクリル酸誘導体の例は、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、オレイルアクリレート、ベヘニルアクリレート、ヘキサコシルアクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、オレイルメタクリレート、ベヘニルメタクリレートまたはヘキサコシルメタクリレートである。ステアリルアクリレートまたはステアリルメタクリレート、特にステアリルメタクリレートが特に好ましい。
【0021】
化粧品製剤の耐水性を改善するための本発明の使用において、65〜75重量%、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンおよび25〜35重量%、特に約30重量%のステアリルメタクリレートを含むコポリマーが非常に好ましく、また、95重量%を超えるN-ビニルピロリドンおよびステアリルメタクリレートを含むコポリマー、特にN-ビニルピロリドンおよびステアリルメタクリレートのみからなるコポリマーが非常に好ましい。
【0022】
耐水性を改善するための本発明の使用において使用されるコポリマーのK値(Fikentscher - Cellulosechemie 1932, Vol. 13, pp. 58-64およびpp. 71-74による)は、通常7〜130の範囲、好ましくは15〜100の範囲、特に20〜80の範囲である。コポリマーのK値は、コポリマーのエタノールまたはイソプロパノール中の溶液を用いて、25℃で、K値に依存して0.1〜5重量%の範囲の濃度で測定する。
【0023】
本発明により化粧品製剤の耐水性を改善するために使用されるコポリマーは、固体の形態で、例えば粉末もしくは薄片として、または水性分散液として使用することができる。コポリマーの水性分散液の濃度は、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは15〜30重量%であり得る。水性分散液の粘度はコポリマーの含有量に依存する。
【0024】
本発明により化粧品製剤の耐水性を改善するために使用されるコポリマーは、通常、所望の効果を所望の程度に達成するために必要な濃度で化粧品製剤中に使用される。好ましくは、上により詳細に記載されるコポリマーは、化粧品製剤の総重量に対して、0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜4重量%、特に1〜3重量%の量で使用される。
【0025】
本発明により化粧品製剤の耐水性を改善するために使用されるコポリマーは、実施に当たって、化粧品製剤の調製工程のいかなる好適な時点で加えてもよい。エマルションの場合、コポリマーは、乳化工程の前、乳化もしくは加熱工程中、冷却工程中または冷却工程後に水相に加えることができる。上により詳細に記載されるコポリマーは、冷水(室温、約20℃)に、それ以上の熱を導入することなく分散可能である。さらに、コポリマーは中和する必要がなく、また、水または他の水性媒体中の十分な分散を達成するために他の特別な処理を必要としない。
【0026】
本発明の文脈の中で、化粧品製剤の耐水性の程度は2つの方法により測定することができる。
【0027】
第1の方法(湿式)によれば、耐水性の程度は、研究すべき化粧品製剤により被覆された表面上での水滴の接触角の測定に基づくin vitro試験により測定される。この方法は実験の節においてより詳細に説明する。
【0028】
耐水性を測定する第2の方法は、サンスクリーン組成物に関するもので、COLIPAにより「日焼け止め製品の耐水性評価のためのガイドライン(Guidelines for Evaluating Sun Product Water Resistance)(December 2005)」において推奨されるin vivo法に従って実施され、ここでは、水による作用後の日焼け防止指数の、水による作用前の日焼け防止指数に対する比(作用後SPF/作用前SPF)が試験されるサンスクリーン製剤の耐水性の指標である。
【0029】
本発明によりその耐水性を改善することができる化粧品製剤は、好ましくは皮膚、毛髪、まつげまたは眉に適用することができる製剤、例えば、顔、手、足または体のためのスキンケア組成物、アンチエイジング製剤、サンスクリーン組成物、防虫剤、ヘアスプレー、コンディショニングムース、ヘアジェル、ブロードライ用ローション、消臭調製品、リップケア製剤または目、唇もしくは顔用のメイクアップ組成物である。
【0030】
化諸品製剤は、例えば、スプレー、エマルション、ローション、ゲル、液体、スティック、ワックス、ペースト、粉末またはクリームなどのさまざまな形態で存在し得る。
【0031】
スキンケア組成物の例は、保湿ローションおよびクリーム、化学薬品または農薬との接触に対する保護クリーム、ベビークリームならびに日焼け後ローションである。
【0032】
目、唇または顔用のメイクアップ組成物の例は、マスカラ、眉ペンシル、アイシャドウ、コール、アイライナー、リップペンシル、唇輪郭ペンシル、頬紅、メイクアップ(ルースパウダーまたは固形パウダー)、下塗り剤およびコンシーラースティックである。
【0033】
サンスクリーン組成物の例は、サンスクリーンエマルション、サンスクリーンローション、サンスクリーンクリーム、サンスクリーンエマルションスプレー、水性サンスクリーンゲルおよびサンスクリーン液体スプレーであり、これらにおいて、種々のサンスクリーン組成物は少なくとも1種の有機または無機UVフィルター、例えばUV-Bフィルター、UV-Aフィルターもしくは広帯域フィルターを含む。
【0034】
本発明によりその耐水性を改善することができる化粧品製剤は、耐水性を改善するコポリマーの他に、例えば、2005年に協会IKW、FCIOおよびSKWにより完全改訂版として刊行された冊子「Kosmetika - Inhaltstoffe - Funktionen(化粧品 - 成分 - 機能)」に記載されるような、認可され、化粧品工業において通常使用されるさらなる成分を含む。別の観点で、これらの化粧品製剤用成分は、例えば、さまざまな油、ワックス、溶媒、乳化剤、保存剤、抗酸化剤、ビタミン、香料、防虫剤、染料、顔料、保水剤、賦形剤、増粘剤、安定剤、緩衝剤、展着剤、酸、塩基または日焼け止めフィルター(UVフィルター)などの当業者に公知の成分である。
【0035】
好ましくは、本発明によりその耐水性を改善することができる化粧品製剤は、少なくとも1種の水溶性、水不溶性または水難溶性の(好ましくは水不溶性または水難溶性の)活性成分または作用物質を含む。このような活性成分または作用物質のクラスの例は、抗酸化剤、ビタミン、ふけ防止剤、漂白剤、日焼け剤、化粧品染料、顔料および効果顔料、ならびにUVフィルターであり、好ましくは、顔料および効果顔料、ならびにUVフィルターである。
【0036】
顔料および効果顔料の非限定的な例は、有機レーキ、酸化鉄、二酸化チタン、オキシ塩化ビスマス、アルミニウム粉末、二酸化チタンもしくは酸化鉄によりコーティングされたマイカ、二酸化チタンもしくは酸化鉄によりコーティングされたカルシウムナトリウムボロシリケート、二酸化チタンもしくは酸化鉄によりコーティングされたアルミニウムボロシリケート、二酸化チタンもしくは酸化鉄によりコーティングされた合成フルオロ金雲母、カルミン、プルシアンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー、マンガンバイオレット、パールエッセンスまたは真珠層である。
【0037】
UVフィルターの非限定的な例は、化粧品への適用が認可されている以下の市販のUVフィルター(INCI命名法による):PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛である。
【0038】
そこで、サンスクリーン組成物の形態の好ましい化粧品製剤は、本発明の耐水性を増大させるコポリマーの他に、少なくとも1種の前記UVフィルターを含む。
【0039】
UVフィルターは、通常、少なくとも0.05重量%〜30重量%、特に、それぞれの国の責任ある監督官庁により許可された個々のUVフィルターの最大の許容濃度までの量で化粧品製剤に使用される。好ましくは、UVフィルターは、いずれの場合も、0.5重量%〜15重量%、特に好ましくは1重量%〜12重量%、非常に好ましくは1.5重量%〜10重量%、特に2重量%〜8重量%の量で使用される。
【0040】
好ましくは、本発明によりその耐水性を改善することができる化粧品製剤は、サンスクリーン組成物または目、唇もしくは顔用のメイクアップ組成物である。特に好ましいメイクアップ組成物は、アイライナー、口紅またはマスカラである。化粧品製剤は、非常に好ましくはサンスクリーン組成物である。
【0041】
例えばマスカラ、メイクアップ、口紅、アイシャドウ、頬紅、コールなどの目、唇または顔用のメイクアップ組成物は、耐水性を増大させるコポリマーの他に、通常、既に上に例示した活性成分および効果物質を含む。
【0042】
サンスクリーン組成物は、少なくとも1種の好適なUVフィルター、好ましくは前記の市販され、認可されたUVフィルターのうちの1種を含む。これらは、UV-Bフィルター(290〜320 nmの範囲の吸収)、UV-Aフィルター(320〜380 nmの範囲の吸収)または広帯域フィルター(290〜380 nmの範囲の吸収)である。サンスクリーン組成物は、通常、少なくとも2種のUVフィルターを組み合わせて含み、特に好ましくは、UV-A領域およびUV-B領域の両方を吸収する組合せを含む。2種のUVフィルターの製剤は、しばしば、それぞれ2種のUVフィルターのうちの1種のみを含む2つの対応する製剤の日焼け防止指数の値の合計と比較して高い日焼け防止指数を有する(相乗作用)。
【0043】
好ましくは、本発明によりその耐水性を改善することができる化粧品製剤において、UVフィルターは、通常、いずれの場合にも、化粧品製剤の総重量に対して、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%の量で使用される。
【0044】
少なくとも1種のUVフィルターおよび本発明の耐水性を増大させるコポリマーの他に、サンスクリーン組成物はさらなる化粧品助剤を含む。
【0045】
添加剤として考えられる通常の化粧品助剤は、例えば、共乳化剤、脂肪およびワックス、安定剤、増粘剤、生物起源活性成分、被膜形成剤、香料、染料、真珠光沢剤、保存剤、顔料、電解質(例えば、硫酸マグネシウム)およびpH調節剤である。好適な共乳化剤は、好ましくは公知のW/OおよびO/W乳化剤、例えば、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステルまたは部分的にエステル化されたグリセリドである。脂肪の典型的な例はグリセリドであり;言及し得るワックスは、とりわけ、蜜蝋、パラフィンワックスまたはマイクロワックスであり、適切な場合には親水性ワックスと組み合わせる。使用することができる安定剤は、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムおよび/またはステアリン酸亜鉛である。好適な増粘剤は、例えば、架橋されたポリアクリル酸およびその誘導体、多糖、特にキサンタンガム、グアーガム、寒天、アルギン酸塩およびチロース、セルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、ならびに脂肪酸、脂肪アルコール、モノグリセリドおよび高分子量ポリエチレングリコール脂肪酸モノおよびジエステル、ポリアクリレート(例えば、Luvigel(登録商標)EMまたはCarbopol(登録商標))、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびポリウレタンをベースとする会合増粘剤(例えば、Luvigel(登録商標)STAR、BASF製)である。生物起源活性成分は、例えば、植物抽出物、タンパク質加水分解物およびビタミン複合体を意味するものと理解されるべきである。通常の被膜形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサンまたは第4級化キトサンなどの親水コロイド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系ポリマー、第4級セルロース誘導体および類似の化合物である。好適な保存剤は、例えば、ホルムアルデヒド溶液、p-ヒドロキシ安息香酸塩またはソルビン酸である。好適な真珠光沢剤は、例えば、エチレングリコールジステアレートなどのグリコールジステアリン酸エステル、ならびに脂肪酸および脂肪酸モノグリコールエステルである。使用することができる染料は、化粧品の目的に好適な認可された物質であり、例えば、Dyes Commission of the German Research Societyによる刊行物「Kosmetische Faerbemittel(化粧品色素)」(Verlag Chemie, Weinheim, 1984)に記載される物質である。これらの染料は、通常、混合物全体に対して0.001〜0.1重量%の濃度で使用される。
【0046】
一般に、さらに抗酸化剤を加えることが好ましい。使用し得る好ましい抗酸化剤は、化粧品および/または皮膚科への適用に通常使用されるまたは好適なすべての抗酸化剤である。
【0047】
抗酸化剤は、有利には、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール類(例えば、ウロカニン酸)およびその誘導体、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンなどのペプチドおよびその誘導体(例えば、アンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えば、β-カロテン、リコペン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール類(例えば、チオロドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)ならびにその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに非常に低い許容用量(例えば、pmol〜μmol/kg)のスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン類、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシイミン)ならびに(金属)キレート剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、Mg-アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンEアセテート、トコトリエノール)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)、およびベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイシン酸(nordihydroguaicic acid)、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレノメチオニン)、ならびにスチルベンおよびその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、trans-スチルベンオキシド)からなる群より選択される。
【0048】
また、例えば茶抽出物、ブドウ抽出物または藻類抽出物などの天然の植物性抗酸化剤複合体、ならびに例えばレスベラトロールなどの天然物質または天然物質と同一の個々の物質も有利である。
【0049】
化粧品および/または皮膚科用製品の酸化からの保護に加えて、抗酸化剤はヒトの皮膚における抗酸化およびアンチエイジング作用を達成することができる。
【0050】
その結果、本発明の文脈において、ヒトの皮膚の中に浸透して、そこでそれらの作用を効果的に発揮し、それにより、サンスクリーン製剤の場合、日焼け止めフィルターとある意味で相乗的に、UV光による損傷に対して、日焼けに対して、ならびに反応性酸素種およびフリーラジカルに対して皮膚を保護する抗酸化剤が非常に好ましい。特に好ましいのは、ビタミンCおよびビタミンEおよびそれらの誘導体である。
【0051】
調製品中の前記抗酸化剤(1種または複数種の化合物)の量は、調製品の総重量に対して、好ましくは0.001〜30重量%、特に好ましくは0.05〜20重量%、特に1〜10重量%である。
【0052】
抗酸化剤としてビタミンEおよび/またはその誘導体を使用する場合、それらのそれぞれの濃度を、製剤の総重量に対して0.001〜10重量%の範囲に選択すると有利である。
【0053】
ビタミンAおよび/またはその誘導体またはカロテノイドが抗酸化剤(1種または複数種)である場合、それらのそれぞれの濃度を、製剤の総重量に対して0.001〜10重量%の範囲に選択すると有利である。
【0054】
化粧品における通常の油成分は、例えば、パラフィン油、グリセリルステアレート、イソプロピルミリステート、ジイソプロピルアジペート、セチルステアリル2-エチルヘキサノエート、水素化ポリイソブテン、ワセリン、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、微結晶ワックス、ラノリンおよびステアリン酸である。しかしながら、このリストは一例であり、網羅的なものではない。
【0055】
化粧品における油および可溶化剤の非限定的な例は以下の通り(INCI命名法による):イソソルバイド・ジメチルエーテル、ベンゾトリアゾリル・ドデシルp-クレゾール、ジカプリリル・マレエート、イソデシル・オレエート、オクチルドデシル・ステアロイル・ステアレート、ヘキシル・ラウレート、ジブチル・アジペート、ジカプリリル・カーボネート、ココ・カプリレート/カプレート、ジカプリリル・エーテル、2-プロピルヘプチル・カプリレート、セテアリル・イソノナノエート、ブチレン・グリコール・ココエート、ジエチルヘキシル2,6-ナフタレート、トリC12〜13アルキル・シトレート、C12〜13アルキル・ラクテート、ジC12〜C13アルキル・マレート、C12〜13アルキル・オクタノエート、トリデシル・サリチレート、ジC12〜13アルキル・タルトレート、ブチル・ステアレート、ジエチルヘキシル・アジペート、ラウリル・ラクテート、エチルヘキシル・ココエート、エチルヘキシル・ヒドロステアレート、オクチル・ステアレート、ジエチルヘキシル・スクシネート、PPG-2ミリスチル・エーテル・プロピオネート、ペンタエリスリチル・テトラカプリレート/カプレート、ペンタエリスリチル・テトラシオステアレート、PPG-3ベンジル・エーテル・ミリステート、イソトリデシル・イソノナノエート、ジPPG-3ミリスチル・エーテル・アジペート、ジPPG-2ミレス-10アジペート、シクロメチコン、N,N-ジエチル-m-トルアミド、ブチレン・グリコール・ジカプリレート/ジカプレート、トリヘプタノイン、イソデシル・イソノナノエート、イソセチル・サリチレート、イソデシル・サリチレート、エチルヘキシル・エチルヘキサノエート、ジイソプロピル・アジペート、ジイソプロピル・セバケート、ネオペンチル・グリコール・ジヘプタノエート、イソステアリル・ネオペンタノエート、イソデシル・ネオペンタノエートおよびジイソプロピル・セバケートおよびラウリル・ラクテート、イソデシル・ネオペンタノエート、イソプロピル・ラウロイル・サルコシネート、ジプロピレン・グリコール/ジカプレート/ジカプリレート、トリオクタノイン、変性アルコール、オクチルドデカノール、エチルヘキシル・ベンゾエート、オクチルドデシル・ベンゾエート、ジプロピレン・グリコール・ジベンゾエート、イソステアリル・ベンゾエート、C12〜15アルキル・ベンゾエート、C12〜15アルキル・ベンゾエートおよびジプロピレン・グリコール・ジベンゾエートおよびPPG-15ステアリル・エーテル・ベンゾエート、ブチルオクチル・サリチレート、エチルブチルアセチル・アミノプロピオネート、イソプロピル・ミリステート、イソプロピル・パルミテート、ホホバ油、イソノニル・イソノナノエート、ネオペンチル・グリコール・ジヘプタノエート、プロピレン・グリコール・ジベンゾエート、ポリエステル-10およびプロピレン・グリコール・ジベンゾエート、ポリエステル-7およびネオペンチル・グリコール・ジヘプタノエート、プロピレン・グリコールジカプリレート/ジカプレート、トリデシル・トリメリテート、デシルテトラデシル・セテアレート、メチレン・ジメチルエーテル、ココグリセリド、ポリデセン、ブチル・エチルプロパンジイル・エチルヘキサノエート、オクチル・パルミテート、鉱油、水素化ポリイソブテンおよびトコフェロール、スクアレン、プロピレン・グリコール・イソステアレート、イソステアリル・イソステアレート、オクチルドデシル・ラクテート、ポリグリセリル-2トリイソステアレート、エリスリチル・トリエチルヘキサノエート、ジイソプロピル二量体ジリノレエート、PEG/PPG-5/3トリシロキサン、ジエチルヘキシル・マレート、ジメチル・カプラミド、カプリリル・ピロリドン、セチル・ヘキシルヘキサノエート、カプリル/カプリン・トリグリセリド、デシル・ココエート、ジエチルヘキシル・カーボネート、セテアリル・エチルヘキサノエート、エチルヘキシル・ステアレート、イソプロピル・ステアレート、トリス(PPG-3ベンジル・エーテル)シトレート、セチルPPG-2イソデセス-7カルボキシレート、イソプロピルPPG-2イソデセス-7カルボキシレート、イソプロピルC12〜15パレス-9カルボキシレート、PPG-3ミリスチル・エーテル、フェネチル・ベンゾエート、プロピレン・グリコール、ビタミンEアセテート、および室温で液体のUVフィルター、オクチル・ジメチルPABA、ホモサレート、オクトクリレン、イソアミルp-メトキシシンナメート、オクチル・サリチレート、エチルヘキシル・メトキシシンナメート、ポリシリコーン-15である。
【0056】
以下の油および可溶化剤(INCI命名法による):ジブチル・アジペート、ジカプリリル・カーボネート、2-プロピルヘプチル・カプリレート、ジエチルヘキシル2,6-ナフタレート、C12〜13アルキルラクテート、ジC12〜C13アルキルマレート、ジC12〜13アルキルタルトレート、PPG-2ミリスチル・エーテル・プロピオネート、ペンタエリスリチル・テトラシオステアレート、N,N-ジエチル-m-トルアミド、ブチレン・グリコール・ジカプリレート/ジカプレート、トリヘプタノイン、イソデシル・サリチレート、ジイソプロピル・アジペート、ジイソプロピル・セバケート、イソデシル・ネオペンタノエートおよびジイソプロピル・セバケートおよびラウリル・ラクテート、イソデシル・ネオペンタノエート、イソプロピル・ラウロイル・サルコシネート、プロピレン・グリコール/ジカプレート/ジカプリレート、エチルヘキシル・ベンゾエート、C12〜15アルキル・ベンゾエート、C12〜15アルキル・ベンゾエートおよびジプロピレン・グリコール・ジベンゾエートおよびPPG-15ステアリル・エーテル・ベンゾエート、エチルブチルアセチル・アミノプロピオネート、イソプロピル・ミリステート、イソプロピル・パルミテート、イソノニル・イソノナノエート、プロピレン・グリコール・ジベンゾエート、プロピレン・グリコール・ジカプリレート/ジカプレート、ココグリセリド、カプリル/カプリン・トリグリセリド、デシル・ココエート、ジエチルヘキシル・カーボネート、イソプロピルPPG-2イソデセス-7カルボキシレート、イソプロピルC12〜15パレス-9カルボキシレート、フェネチル・ベンゾエート、プロピレン・グリコールが好ましい。
【0057】
以下の油および可溶化剤(INCI命名法による):ジブチル・アジペート、ジカプリリル・カーボネート、ジC12〜13アルキルタルトレート、N,N-ジエチル-m-トルアミド、ブチレン・グリコール・ジカプリレート/ジカプレート、トリヘプタノイン、エチルヘキシル・ベンゾエート、C12〜15アルキル・ベンゾエート、エチルブチルアセチル・アミノプロピオネート、イソプロピル・ミリステート、イソプロピル・パルミテート、ジエチルヘキシル・カーボネート、フェネチル・ベンゾエート、プロピレン・グリコールが特に好ましい。
【0058】
さらに、本発明の文脈において、異なる活性機能を有する天然活性物質および/または天然活性物質と同一の活性物質および/または合成活性物質、例えば、皮膚の引き締めまたは循環の促進のためのカフェイン、セルフタンニングを目的とするジヒドロキシアセトンおよび/もしくはエリスルロース、皮膚の鎮静のためのビサボロールおよび/もしくはパンテノール、ならびに/または含水量の強化(保湿)のため、皮膚を滑らかにするための物質、特に、皮膚の加齢に対する保護のための活性物質、例えばビタミンAおよび/もしくはその誘導体、植物抽出物あるいは他のタンパク質様物質を調製品に加えてもよい。
【0059】
本発明の文脈における化粧品および/または皮膚科用調製品のさらなる成分は、例えば装飾用化粧品における皮膚の着色ならびに製品そのものの着色などの付加的機能を果たし得る。ここで一般に、顔料様、油溶性および/または水溶性の化粧品用着色原料を使用する。
【0060】
助剤および添加剤の合計含有量は、化粧品製剤に対して、1〜80重量%、好ましくは6〜40重量%であってよく、非水部分(「活性物質」)は、20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%であってよい。化粧品製剤は、それ自体公知の方法により、すなわち、例えば高温乳化、低温乳化、高温-高温/低温乳化またはPIT乳化により製造することができる。これは純粋に機械的工程であり、化学反応は起こらない。
【0061】
本発明の方法により得られる組成物は、特にサンスクリーン調製品であり、液体、ペーストまたは固体の形態で、例えば油中水型クリーム、水中油型クリームまたはローション、エアロゾルおよびポンプフォーム、泡状クリーム、ゲル、オイル、グリーススティック、粉末、スプレーまたはアルコール-水ローションとして存在し得る。
【0062】
最後に、原則として、耐水性の増大に寄与するさらなる公知の物質を化粧品製剤に加えてもよい。
【0063】
耐水性を改善するコポリマーを加えることにより、サンスクリーン組成物の日焼け防止指数が増大することが立証されている。
【0064】
UVフィルターでない物質を加えることにより少なくとも1種のUVフィルターを含む化粧品製剤の日焼け防止指数が増大することは、UV保護能力を低下させることなくサンスクリーン組成物中のUVフィルターの量を減少させる可能性を与える。
【0065】
したがって、本発明はさらに、少なくとも1種のUVフィルターを含むサンスクリーン組成物の耐水性を改善するためおよび/またはこの少なくとも1種のUVフィルターを含むサンスクリーン組成物の日焼け防止指数を増大させるための薬剤としての、
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含むコポリマーの使用を提供する。
【0066】
コポリマーおよびサンスクリーン製剤のさらなる成分に関する好ましい実施形態は、上に記載した説明中に見いだすことができる。
【0067】
同様に、本発明は、化粧品製剤の耐水性を改善する方法であって、
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含むコポリマーを化粧品製剤の調製に加える、前記方法を提供する。
【0068】
コポリマーに関する好ましい実施形態は、上に記載した説明中に見いだすことができる。実施に当たって、コポリマーは化粧品製剤の調製の任意の好適な時点で加えることができる。エマルションの場合、コポリマーは好ましくは水相に加える。
【0069】
好適なエマルションは、とりわけ、O/Wマクロエマルション、O/WミクロエマルションまたはO/W/Oエマルションであり、エマルションは、DE-A-197 26 121に記載される通りの相反転技術により得ることができる。
【0070】
本発明はさらに、少なくとも1種の水不溶性または水難溶性活性成分または効果物質、ならびに
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含む少なくとも1種のコポリマーを含む、サンスクリーン組成物および目、唇または顔用のメイクアップ組成物からなる群より選択される化粧品製剤を提供する。
【0071】
コポリマーに関する好ましい実施形態は、上に記載した説明中に見いだすことができる。
【0072】
同様に、本発明は、少なくとも1種のUVフィルター、ならびに
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含む少なくとも1種のコポリマーを含む、サンスクリーン組成物を提供する。
【0073】
コポリマーに関する好ましい実施形態は、上に記載した説明中に見いだすことができる。可能なさらなる成分および製剤タイプは、サンスクリーン組成物の議論の中で既に論じた。
【0074】
本発明はさらに、少なくとも1種の染料、1種の顔料または1種の効果顔料、ならびに
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含む少なくとも1種のコポリマーを含む、目、唇または顔用のメイクアップ組成物を提供する。
【0075】
コポリマーに関する好ましい実施形態は、上に記載した説明中に見いだすことができる。
【0076】
化粧品製剤は、透明または不透明であってよく、次のタイプまたは形態:ローション、乳液、クリーム、スプレー、シェイクウェル、泡、ゲル、クリームゲル、含水ゲル、水中油型エマルション、油中水型エマルション、油中水中油型エマルション、水中油中水型エマルション、水/シリコーンエマルション、シリコーン/水エマルション、水-アルコール溶液、アルコール溶液、シリコーンゲル、単相油製剤、固形またはルースパウダー、口紅、界面活性剤を含まないゲルとして存在し得る。
【0077】
好ましくは、少なくとも1種の水不溶性または水難溶性活性成分または効果物質を含むサンスクリーン組成物および目、唇または顔用のメイクアップ組成物からなる群より選択される化粧品製剤におけるコポリマー、ならびに少なくとも1種のUVフィルターを含むサンスクリーン組成物におけるコポリマー、ならびに少なくとも1種の染料、1種の顔料または1種の効果顔料を含む目、唇または顔用のメイクアップ組成物におけるコポリマーはいずれも、
a) 60〜80重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 20〜40重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含み、ここで、疎水性修飾アクリル酸誘導体は、式I
【化2】

【0078】
[式中、
R1は、水素またはメチル、特にメチルであり、
R2は、C8〜C32-アルキル、好ましくはC10〜C28-アルキル、特に好ましくはC12〜C24-アルキル、非常に好ましくはC14〜C22-アルキル、特にC18-n-アルキルである]
のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであり、かつ
ここで、コポリマーは90重量%を超える、特に95重量%を超える、N-ビニルピロリドンおよび疎水性修飾アクリル酸誘導体を含む。
【0079】
非常に好ましくは、耐水性を付与した化粧品製剤または耐水性を付与したサンスクリーン製剤または目、唇または顔用のメイクアップ組成物は、65〜75重量%、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンおよび25〜35重量%、特に約30重量%のステアリルメタクリレートを含み、かつ、95重量%を超えるN-ビニルピロリドンおよびステアリルメタクリレートを含む、特にN-ビニルピロリドンおよびステアリルメタクリレートのみからなるコポリマーを含む。
【0080】
好ましくは、耐水性を付与したサンスクリーン製剤は、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、2,4,6-トリス(ビフェニル)-1,3,5-トリアジン(TBT)、メタノン1,1’-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]](CAS番号919803-06-8)、1,1-ジ-(カルボキシ-(2’,2’-ジメチル-プロピル))-4,4-ジフェニルブタジエン、メロシアニン誘導体、ベンジリデンマロネートUVBフィルター、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種のUVフィルターを含む。
【0081】
耐水性を付与したサンスクリーン製剤は、特に好ましくは、ホモメンチル・サリチレート(HMS)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、オクトクリレン(OC)、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート(DHHB)、2,4,6-トリス(ビフェニル)-1,3,5-トリアジン(TBT)、メタノン1,1’-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]](CAS番号919803-06-8)、メロシアニン誘導体、ベンジリデンマロネートUVBフィルターおよび二酸化チタンからなる群より選択される少なくとも1種のUVフィルターを含む。
【0082】
メロシアニン誘導体はWO 2004006878に記載されており、式(A)または(B)(どちらもそのEまたはZ配置で存在し得る)が特に好ましい。
【化3】

【0083】
ベンジリデンマロネートUVBフィルターは、好ましくは式(C)または(D)に相当する。
【化4】

【0084】
耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびUVフィルターのエチルヘキシルトリアゾン(OT、ET)に加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0085】
同様に、耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびUVフィルターのホモサレート(HMS)に加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0086】
同様に、耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびUVフィルターのフェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)に加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0087】
同様に、耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびUVフィルターのブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)に加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0088】
同様に、耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびUVフィルターのオクトクリレン(OC)に加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0089】
同様に、耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびUVフィルターのエチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)に加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0090】
同様に、耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびUVフィルターのエチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)に加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0091】
同様に、耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびUVフィルターのメチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)に加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0092】
同様に、耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)に加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0093】
同様に、耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびUVフィルターのジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエートに加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0094】
同様に、耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびUVフィルターの2,4,6-トリス(ビフェニル)-1,3,5-トリアジン(TBT)に加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0095】
同様に、耐水性を増大するコポリマー、特に約70重量%のN-ビニルピロリドンと約30重量%のステアリルメタクリレートとを含むコポリマー、およびUVフィルターのメタノン1,1’-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]](CAS番号919803-06-8)に加えて、PABA、カンファー・ベンザルコニウム・メトスルフェート、ホモサレート(HMS)、ベンゾフェノン-3(BENZ-3)、フェニルベンズイミダゾール・スルホン酸(PBSA)、テレフタリデン・ジカンファー・スルホン酸、ブチル・メトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、ベンジリデン・カンファー・スルホン酸、オクトクリレン(OC)、ポリアクリルアミドメチル・ベンジリデン・カンファー、エチルヘキシル・メトキシシンナメート(EMC、OMC)、PEG-25 PABA(PEG-PABA)、イソアミルp-メトキシシンナメート(IMC)、エチルヘキシル・トリアゾン(OT、ET)、ドロメトリゾール・トリシロキサン、ジエチルヘキシル・ブタミド・トリアゾン(DBT)、4-メチルベンジリデン・カンファー(MBC)、3-ベンジリデン・カンファー(BC)、エチルヘキシル・サリチレート(OS、ES)、エチルヘキシル・ジメチルPABA(OD-PABA、ED-PABA)、ベンゾフェノン-4(BENZ-4)、メチレン・ビス-ベンゾトリアゾリル・テトラメチルブチルフェノール(ビスオクチルトリアゾール、BOT)、ビスイミダジレート(BI)、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール・メトキシフェニル・トリアジン(AT)、ポリシリコーン15、ジエチルアミノ・ヒドロキシベンゾイル・ヘキシル・ベンゾエート、二酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の第2のUVフィルターを含む、耐水性を付与したサンスクリーン製剤が特に好ましい。
【0096】
本発明によりN-ビニルピロリドンと疎水性修飾アクリル酸誘導体とを含む上記のコポリマーを化粧品製剤の耐水性を改善するための薬剤として使用すると、皮膚に塗布した時に蝋のような、ベタベタした、または油っぽい印象を残さない、優れた耐水性を有する化粧品製剤が得られる。本発明の使用において使用されるコポリマーは、化粧品製剤の調製中に、水相または油相に問題なく組み込むことができる。固体の混合物中に粉末の形態でコポリマーを組み込むことも可能である。
【0097】
さらに、本発明により上記のコポリマーを使用すると、少なくとも1種のUVフィルターを含むサンスクリーン組成物の場合、耐水性の増大に加えて、または耐水性の増大とは独立して、日焼け防止指数が増大する。
【0098】
上記のN-ビニルピロリドンと疎水性修飾アクリル酸誘導体とのコポリマーを含む本発明の化粧品製剤は、皮膚に塗布した時に蝋のような、ベタベタした、または油っぽい印象を残さない、優れた耐水性を特徴とする。
【0099】
本発明を以下の実施例により例証するが、これらは本発明を限定しない。
【実施例】
【0100】
実施例1:耐水性サンスクリーン製剤の調製
【表1】

【0101】
Antaron V 220は、米国ではGanex V 220として知られており、ISP製の長鎖アルファ-オレフィン/ビニルピロリドンコポリマーである。
【0102】
コポリマー1は、約70重量%のN-ビニルピロリドンおよび約30重量%のステアリルメタクリレートを含み、かつ、99重量%を超えるN-ビニルピロリドンおよびステアリルメタクリレートを含むコポリマーである。コポリマー1は、欧州特許1 669 374 A1の実施例5に記載される方法に従って調製され、まず水性分散液の形で得られ、次いで欧州特許1 669 374 A1の実施例に記載される通りの噴霧乾燥の結果、乾燥した流動性の粉末として得られる。コポリマー1は45.1のK値(エタノール中、濃度1%)を有し、これは約136 000 g/molの分子量に相当する。
【0103】
調製:
相Aおよび相Bを別々に約85℃に加熱した。
【0104】
相Bを攪拌しながら相Aに加え、混合物A+Bをホモジナイズした。
【0105】
混合物A+Bを攪拌しながら約30℃に冷却した。
【0106】
相Cを攪拌しながら混合物A+Bに加え、混合物をホモジナイズした後、攪拌しながら室温に冷却した。
【0107】
実施例2:COLIPAによるin vivo SPF値の測定
in vivo SPF値は、COLIPAにより推奨されるガイドライン「International Sun Protection Factor (SPF) Test Method」(May 2006)に従って外部研究所により測定された。
【表2】

【0108】
SPF in vivo(ProDerm):COLIPAのin vivo測定法に従ってproDERM Institute for Applied Dermatological Research GmbHにより測定されたin vivoのSPF値。
【0109】
独立した研究所により測定されたin vivo SPF値は、本発明による実施例B1が2つの比較例V1(耐水性を増大するための追加のポリマーを加えない)およびV2(耐水性を増大するための追加のポリマーとしてAntaron V 220を加える)と比較してかなり高いin vivo SPF値を有することを示している。これは、コポリマー1を加えることにより、日焼け防止指数の増加がもたらされることを意味する。
【0110】
実施例3:COLIPA in vivo「高耐水性(Very Water Resistant)」試験法による耐水性の測定
COLIPAにより「Guidelines for Evaluating Sun Product Water Resistance (December 2005)」において推奨されるin vivo法に従って、「高耐水性」値を測定した。
【表3】

【0111】
製剤V1の「高耐水性」値は50%よりも有意に低く、これは、COLIPA法によれば、その製剤が「高耐水性」でないことを意味する。
【0112】
製剤V2およびB1の「高耐水性」値は非常に類似しており、50%よりも有意に高く、これは、両方の製剤が同程度の耐水性を有し、COLIPA法によれば、両方の製剤が「高耐水性」であることを示す。
【0113】
ここで、in vivo「高耐水性」試験は、Antaron V220およびコポリマー1の両方のポリマーが、「高耐水性」と呼ぶことができるという意味でサンスクリーン製剤の耐水性を増大させることを示している。
【0114】
実施例4:MMAプレート上でのin vitro接触角測定による耐水性の測定
方法の説明:
使用する基板は、COLIPAにより2007年に刊行され、2009に改訂された「In Vitro UVA Method」において推奨される通りに表面を粗くしたポリメチルメタクリレート(PMMA)プレートである。これらのPMMAプレートは、Schoenberg GmbH & Co. KG(ドイツ)により製造および販売されている。決められた表面粗さは、水流動法(a water fluidizing method)におけるサンドブラストにより作られる。2μmの粗さを有するプレートを下に記載する方法に使用する。
【0115】
試験する製剤を、COLIPAにより2007年に刊行され、2009に改訂された「In Vitro UVA Method」に記載されるものと同じ原理に従ってPMMAプレートに塗布する。PMMAプレートあたりの塗布量は1.00 mg/cm2である。製剤あたり3回の測定を実施する。すなわち、同じ製剤を3枚のプレートに塗布する。最初に重さを量った後、あらかじめ製剤により飽和させた使い捨てのラテックス製指サックを付けた人差し指を使って、製剤をプレート上に均一に広げ、小さい円を描く動きを用いてこする。角も満たされていることが重要である。エマルションが「壊れた」(透明になった)後すぐに、プレートにわずかな圧力を加えながら水平の筋を付ける動きによる処理もおこなう。この工程の後、プレートを遮光したボール紙の箱の中に室温で30分間保管する。次に、プレートの測定をおこなう。
【0116】
Kruess GmbH Hamburg(ドイツ)製の接触角測定装置イージードロップ(easy drop)および付属するソフトウェアDSA1を用いて手動で接触角を測定する。2 mlのシリンジにGLT Gesellschaft fuer Loettechnik mbH Pforzheim(ドイツ)製の内径0.48 mmおよび外径0.86 mmのポリプロピレンチューブArt. 5125PPS-Bを有する精密投薬針を取り付ける。シリンジのシリンダーを取り除き、そのプランジャーを回転式ステンレススチールシリンダー上に置く。この装置をシリンジの上に置いて、一定量の水をより正確に適用できるようにする。
【0117】
滴下には、18.2 MOhm×cmの絶縁抵抗を有する二回蒸留した水を用いる。
【0118】
それぞれのプレートに30滴の水を滴下する。各液滴は滴下の直後に測定して、ベースラインを正確に5秒に調節する。ここで、0.5秒ごとに画像を記録する。ソフトウェアDSA1により液滴の輪郭を評価するために接線法1のみを使用する(ウェブサイトhttp://www.kruss.de/de/theorie/messungen/kontaktwinkel/messung-des-kontaktwinkels.htmlを参照されたい)。液滴ごとに、5秒の測定の間に約10の画像が記録されるので、約10の接触角が測定される。ソフトウェアによりこれらから平均を計算する。
【0119】
プレートあたり30滴を滴下することにより、30の接触角が得られ、そこから平均を計算する。製剤の接触角は3枚のプレートから計算された平均である。
【0120】
測定された接触角から、製剤の疎水性についての言明が可能である。接触角が大きいほど、製剤の疎水性が高い。また、製剤の疎水性が高いほど、製剤の撥水性および耐水性が高い。
【表4】

【0121】
ここで、接触角測定法の結果は、製剤V1が非常に小さい接触角を有することを示している。製剤V2およびB1はそれよりも有意に大きい接触角を有する。コポリマー1を含むB1は、Antaron V220を含むV2よりもさらに大きい接触角を有する。
【0122】
実施例5:SPF 7を有する耐水性サンスクリーン製剤の調製
【表5】

【0123】
調製:
相Aおよび相Bを別々に約85℃に加熱した。
【0124】
相Bを攪拌しながら相Aに加え、混合物A+Bをホモジナイズした。
【0125】
混合物A+Bを攪拌しながら約30℃に冷却した。
【0126】
相Cを攪拌しながら混合物A+Bに加え、混合物をホモジナイズした後、攪拌しながら室温に冷却した。
【0127】
実施例6:実施例4に記載される測定法を用いたPMMAプレート上でのin vitro接触角測定による耐水性の測定
【表6】

【0128】
ここで、接触角測定法の結果は、製剤V3が非常に小さい接触角を有することを示している。製剤V4の接触角は製剤V3の接触角よりも少し大きいが、接触角は中程度である。製剤B2は製剤V3およびV4よりも有意に大きい接触角を有する。コポリマー1を含む製剤B2は、Antaron V216を含むV4よりもはるかに大きい接触角を有する。
【0129】
実施例7:SPF 14を有する耐水性サンスクリーン製剤の調製
【表7】

【0130】

【0131】
Lexfilm Sunは、Inolex Chemical Companyの製品である。
【0132】
Soltex OPTは、Dow Advanced Materials製のアクリレートテトラポリマーの濃度48%の分散液である。
【0133】
コポリマー1の場合と同様に、コポリマー2は、70重量%のN-ビニルピロリドンおよび30重量%のステアリルメタクリレートを含み、かつ、99重量%を超えるN-ビニルピロリドンおよびステアリルメタクリレートを含むコポリマーである。コポリマー2は、より低いモル質量を設定する点を除いて、原則としてコポリマー1と同じ工程により調製される。
【0134】
コポリマー2は、24.8のK値(エタノール中、濃度1%)を有する。
【0135】
調製:
相Aおよび相Bを別々に約85℃に加熱した。
【0136】
相Bを攪拌しながら相Aに加え、混合物A+Bをホモジナイズした。
【0137】
混合物A+Bを攪拌しながら約30℃に冷却した。
【0138】
相Cを攪拌しながら混合物A+Bに加え、混合物をホモジナイズした後、攪拌しながら室温に冷却した。
【0139】
実施例8:実施例4に記載される測定法を用いたPMMAプレート上でのin vitro接触角測定による耐水性の測定
【表8】

【0140】
ここで、接触角測定法の結果は、製剤V5が非常に小さい接触角を有することを示している。製剤V7およびV8の接触角は非常に低く、測定限界未満である。製剤V6、B3、B4およびB5は、製剤V5、V7およびV8よりもかなり大きい接触角を有する。
【0141】
Lexfilm Sunを含む製剤V7およびSoltex OPTを含む製剤V8は、ポリマーを含まないプラセボV5よりも小さい接触角を示す。これらの実施例において、ポリマーLexfilm SunおよびSoltex OPTはどちらも、それぞれ製剤の耐水性を減少させるように見える。
【0142】
製剤B3およびB4は正確に同じ接触角を有し、これは、製剤の耐水性を増大させるために、コポリマー1を、まず油相に組み込むことも、あるいはまず水相に組み込むことも可能であり、それにより認識可能な違いを生じることはないことを示している。
【0143】
コポリマー1を含む製剤B3とコポリマー2を含む製剤B5の接触角は非常に類似しており、どちらの接触角もAntaron V220を含む製剤V6の接触角よりも大きい。45.1のK値(エタノール中、濃度1%)を有するコポリマー1および24.8のK値(エタノール中、濃度1%)を有するコポリマー2は、ここで、Antaron V220よりも優れた耐水性増大の性能を示す。
【0144】
実施例9:SPF 18を有する二酸化チタンを含む耐水性サンスクリーン製剤の調製
【表9】

【0145】
調製:
相Aを85℃に加熱し、相Aが完全に融解した後、相Bを加えた。混合物A+Bをホモジナイズした。相Cを約85℃に加熱し、短時間ホモジナイズした後、混合物A+Bに加えてホモジナイズした。混合物A+B+Cを冷却条件下で攪拌した。約30℃で、相Dを加えた。次に、混合物A+B+C+Dを後からホモジナイズし、攪拌しながら室温に冷却した。
【0146】
実施例10:実施例4に記載される測定法を用いたPMMAプレート上でのin vitro接触角測定による耐水性の測定
【表10】

【0147】
ここで、接触角測定法の結果は、製剤V9が非常に小さい接触角を有すること、および製剤V10およびB6がより大きい接触角を有することを示している。コポリマー1を含む製剤B6は、少なくとも、Antaron V220を含む製剤V10と同程度の耐水性を有する。
【0148】
実施例11:SPF 16を有する酸化亜鉛を含む耐水性サンスクリーン製剤の調製
【表11】

【0149】
調製:
相Aを85℃に加熱し、相Aが完全に融解した後、相Bを加えた。混合物A+Bをホモジナイズした。相Cを約85℃に加熱し、短時間ホモジナイズした後、混合物A+Bに加えてホモジナイズした。混合物A+B+Cを冷却条件下で攪拌した。約30℃で、相Dを加えた。次に、混合物A+B+C+Dを後からホモジナイズし、攪拌しながら室温に冷却した。
【0150】
実施例12:実施例4に記載される測定法を用いたPMMAプレート上でのin vitro接触角測定による耐水性の測定
【表12】

【0151】
ここで、接触角測定法の結果は、製剤V11が中程度の接触角を有すること、および製剤V12およびB7がそれよりもかなり大きい接触角を有することを示している。コポリマー1を含む製剤B7は、Antaron V220を含む製剤V12よりも一層大きい接触角を有し、したがって、一層大きい耐水性を有する。
【0152】
実施例13:SPF 30を有する耐水性サンスクリーン製剤の調製
【表13】

【0153】
調製:
相Aを85℃に加熱し、相Aが完全に融解した後、相Bを加えた。混合物A+Bをホモジナイズした。相Cを約85℃に加熱し、短時間ホモジナイズした後、混合物A+Bに加えてホモジナイズした。混合物A+B+Cを冷却条件下で攪拌した。約30℃で、相Dを加えた。次に、混合物A+B+C+Dを後からホモジナイズし、攪拌しながら室温に冷却した。
【0154】
実施例14:実施例4に記載される測定法を用いたPMMAプレート上でのin vitro接触角測定による耐水性の測定
【表14】

【0155】
ここで、接触角測定法の結果は、製剤V13およびV14が中程度の接触角を有することを示している。V14の接触角はV13の接触角よりも少し大きいが、製剤B8の接触角よりも小さい。コポリマー1を含む製剤B8は、プラセボ(製剤V13)およびAntaron V220を含む製剤V14よりも有意に高い耐水性を有する。
【0156】
実施例15:耐水性アイライナーの調製
【表15】

【0157】
相Dにおいて使用したReflecks(商標)顔料は、Reflecks(商標)Dimensions Luminous Redである。
【0158】
製剤V15およびV16の調製:
相AおよびBをそれぞれ別々に80℃に加熱した。ホモジナイザーを用いて攪拌しながら(8000〜9000 rpmで2分間)、相Aを相Bに加えた。次に、混合物A+Bを冷却条件下で攪拌した。40℃よりも低い温度で、ホモジナイザーを用いて攪拌しながら(9000 rpmで1分間)、相Cを加えた。最後に、顔料(相D)を加えて、攪拌機を用いて10分間攪拌した。
【0159】
製剤B9の調製:
相AおよびBをそれぞれ別々に80℃に加熱した。次に、ホモジナイザーを用いて攪拌しながら(8000〜9000 rpmで2分間)、相Aを相Bの中に混合した。次に、混合物A+Bを冷却条件下で攪拌した。40℃よりも低い温度で、ホモジナイザーを用いて攪拌しながら(9000 rpmで1分間)、相Fを混合物A+Bに混合した。次に、相D(顔料)を加えて、攪拌機を用いて10分間攪拌した。
【0160】
相Fの調製に関する注記:コポリマー1をエタノールに溶解し、Euxyl PE 9010を混合した。
【0161】
実施例16:迅速耐水試験
アイライナーアプリケーターを用いて、通常まぶたにおこなうように、ガラスプレート上に製剤V15、V16およびB9のそれぞれの線を描いた。3種のサンプルの3つの線を、同じガラスプレート上に互いに並べて描いた。ガラスプレートを冷たい飲料水で満たされたビーカーの中に置き、室温で60時間以上、その状態で水中に放置した。プレートを取り出すと、製剤V15およびV16の線はすぐに溶けてなくなった。製剤B9の線は依然としてプレートにしっかりと付着していた。指を用いてこすった時に初めて、製剤B9の線は溶解した。
【0162】
実施例17:実施例4に記載される測定法を用いたPMMAプレート上でのin vitro接触角測定による耐水性の測定
【表16】

【0163】
ここで、接触角測定法の結果は、製剤V15およびV16が同様の中程度の接触角を有することを示している。製剤B9の接触角は非常に大きく、製剤B15およびB16の接触角よりも有意に大きい。したがって、コポリマー1を含む製剤B9は、プラセボ(製剤V16)およびLuviset Shapeを含む製剤V15よりも有意に高い耐水性を有する。これは、迅速耐水試験において既に証明されている(実施例16)。
【0164】
さらなる製剤例:
以下の化粧品製剤を、当業者が公知の方法により調製した。
【0165】
以下の製剤において、次の意味が適用される。
【0166】
*:水性分散液の形態の微粒子状有機UVフィルター、ここで、微粒子は50〜200 nmの粒径を有し;表中の重量%データは活性成分(UVフィルター)のみに対するものである。
【0167】
**:微粒子状有機UVフィルター、ここで、活性成分はカプセル化された形で存在し、粒子は50〜200 nmの粒径を有し;表中の重量%データは活性成分(UVフィルター)のみに対するものである。
【0168】
***:微粒子状無機UVフィルター、ここで、微粒子は50〜200 nmの粒径を有し;表中の重量%データは活性成分のみに対するものである。
【0169】
式(A)または(B)のメロシアニン:
WO 2004006878に記載される通りのメロシアニン誘導体で、式(A)または(B)に相当し、そのEまたはZ配置の両方で存在し得る。
【化5】

【0170】
式(C)または(D)のマロネート:
式(C)または(D)に相当するベンジリデンマロネートUVBフィルター。
【化6】

【0171】
耐水性サンスクリーンエマルション
【表17】

【0172】

【0173】
耐水性サンスクリーンクリーム
【表18】

【0174】

【0175】
耐水性ゲルクリーム
【表19】

【0176】
乳化剤を含まない耐水性サンスクリーン製剤
【表20】

【0177】

【0178】
水溶性サンスクリーンスプレー
【表21】

【0179】

【0180】
耐水性および発泡性水中油型サンスクリーンローション
【表22】

【0181】

【0182】
耐水性口紅
【表23】

【0183】

【0184】
耐水性油中水型エマルション
【表24】

【0185】

【0186】
耐水性水/シリコーンサンスクリーンローション
【表25】

【0187】

【0188】
耐水性ゲル
【表26】

【0189】
耐水性透明ゲル
【表27】

【0190】
耐水性シリコーン/水サンスクリーンクリーム
【表28】

【0191】

【0192】
耐水性「クリームトゥパウダー(cream-to-powder)」製剤
【表29】

【0193】

【0194】
耐水性「含水ゲル」製剤
【表30】

【0195】
耐水性粉末メイクアップ製剤
【表31】

【0196】

【0197】
耐水性水中油型メイクアップ製剤
【表32】

【0198】

【0199】
水を含まない耐水性メイクアップ製剤
【表33】

【0200】

【0201】
耐水性PITサンスクリーンスプレー
【表34】

【0202】

【0203】
耐水性「ピッカリング」ローション
【表35】

【0204】

【0205】
耐水性マスカラ
【表36】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品製剤の耐水性を改善するための薬剤としての、
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含むコポリマーの使用。
【請求項2】
疎水性修飾アクリル酸誘導体が、式I
【化1】

[式中、
R1は水素またはメチルであり、
R2はC8〜C32-アルキルである]
のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルである、請求項1に記載のコポリマーの使用。
【請求項3】
化粧品製剤が、少なくとも1種の水溶性、水不溶性または水難溶性の活性成分または効果物質を含む、請求項1または2に記載のコポリマーの使用。
【請求項4】
化粧品製剤が、サンスクリーン組成物または目、唇もしくは顔用のメイクアップ組成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコポリマーの使用。
【請求項5】
少なくとも1種のUVフィルターを含むサンスクリーン組成物の耐水性を改善するため、および/またはこの少なくとも1種のUVフィルターを含むサンスクリーン組成物の日焼け防止指数を増大させるための薬剤としての、
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含むコポリマーの使用。
【請求項6】
化粧品製剤の耐水性を改善する方法であって、
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含むコポリマーを、化粧品製剤の調製に加える、前記方法。
【請求項7】
少なくとも1種の水不溶性または水難溶性の活性成分または効果物質、ならびに
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含む少なくとも1種のコポリマーを含む、サンスクリーン組成物および目、唇または顔用のメイクアップ組成物からなる群より選択される化粧品製剤。
【請求項8】
少なくとも1種のUVフィルター、ならびに
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含む少なくとも1種のコポリマーを含む、サンスクリーン製剤。
【請求項9】
少なくとも1種の染料、1種の顔料または1種の効果顔料、ならびに
a) 40〜95重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 5〜60重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含む少なくとも1種のコポリマーを含む、目、唇または顔用のメイクアップ組成物。
【請求項10】
コポリマーが、
a) 60〜80重量%のN-ビニルピロリドン、および
b) 20〜40重量%の疎水性修飾アクリル酸誘導体
を含み、ここで、疎水性修飾アクリル酸誘導体が、式I
【化2】

[式中、
R1は水素またはメチルであり、
R2はC8〜C32-アルキルである]
のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであり、かつ
ここで、コポリマーが90重量%を超えるN-ビニルピロリドンおよび疎水性修飾アクリル酸誘導体を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の製剤。

【公表番号】特表2013−517237(P2013−517237A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548405(P2012−548405)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050291
【国際公開番号】WO2011/086073
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】