説明

疼痛の処置におけるスルホニル置換2−スルホニルアミノ安息香酸N−フェニルアミドの使用

本発明は、疼痛を処置するため、及び疼痛を処置する医薬を製造するための、式(I)のスルホニル−置換 2−スルホニルアミノ安息香酸 N−フェニルアミド[ここで、A及びR1〜R6は、請求項に示された意味を有する]の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疼痛を処置するための、及び疼痛を処置する医薬を製造するための、式I:
【化1】

[式中、
AおよびR1〜R6は、下記に示されている意味を有する]
のスルホニル置換2−スルホニルアミノ安息香酸N−フェニルアミドの使用に関する。
【0002】
国際疼痛研究会(the International Association for the Study of Pain (IASP))によって定義されている疼痛は、現実又は潜在的な組織損傷に伴う不快な感覚上及び感情的な体験であるか、又はそのような損傷の用語で述べられている。疼痛は、急性疼痛であることもあるし、又は慢性疼痛であることもある。特に急性疼痛の場合は、疼痛は、体の防御機能を有し、そしてそれは生物体を誘発して疼痛、例えば、熱的又は機械的衝撃を引き起こす刺激に対する更なる曝露又は再曝露を避け、又は機能不全の治癒を求め、こうして更なる障害及び組織損傷を避けるという点で生存に不可欠でさえある。しかしながら、この有益な側面とは別に、疼痛は一般に体に緊張をもたらし、更に耐え難くなり、そしてしばしば、疼痛の原因の処置が可能であるならば、この処置に加えて適切な疼痛の処置によって軽減する必要がある。疼痛の処置の必要性は、特に慢性疼痛の場合、例えば、神経系の障害又は機能不全によって引き起こされる神経障害性疼痛、炎症性疼痛又は癌に伴う疼痛の場合(こういった場合には、疼痛の原因は、しばしば知られていないか、又は満足の行くように処置することができない)に存在する。
【0003】
多くの様々な物質群に属する医薬が、急性又は慢性疼痛を処置するために使用されており、こうしたものは、様々な作用機序及び特性プロフィールを有し、そして中枢神経系に作用するか、又は侵害受容系の様々な部分を妨げる。例としては、オピオイド、非ステロイド系抗炎症剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤及び鎮痙薬、及び特定の化合物、モルヒネ、メタミゾール、カルバマゼピン、ロフェコキシブ、イブプロフェン及びアセチルサルチル酸が挙げられる。更にこれらの鎮痛活性は、こうしたものは、一部のものは、抗炎症作用又は解熱作用のような他の薬理学的活性を示し、こうしたことは、更なる利点を提供する。しかし、多くの鎮痛剤が利用できるにもかかわらず、疼痛を治療することは依然として満足のいくようには解決されておらず、従って、耐容性があり、そして好ましい特性プロフィールを示し、そして例えば、神経障害性疼痛又は炎症性疼痛などのような様々な種類の疼痛の処置に使用することができる更なる効力のある鎮痛剤のニーズが引き続きある。
【0004】
驚くべきことに、式Iの化合物が疼痛を軽減し、従って、疼痛を処置する鎮痛剤として使用できることが今や見出された。式Iの化合物は、特許文献1及び2に、例えば、特にアテローム性動脈硬化症、高血圧症、狭心症又は心不全のような心臓血管疾患の処置に使用することができる可溶性のグアニル酸シクラーゼの活性化剤として記載されている。式Iの化合物の鎮痛活性については述べられていない。VEGF(血管内皮成長因子)受容体チロシンキナーゼ活性及び血管新生を阻害する、ある種の(チオ)アントラニル酸 N−アリールアミド誘導体、及び新生物形成疾患、網膜症、加齢黄班変性及び炎症性疾患又は疼痛のような他の疾患の処置におけるそれらの使用が、特許文献3中に述べられている。鎮痛活性を裏付けるデータは、特許文献3中には述べられておらず、そしてこの発明の化合物の特定の構造的特徴及びその鎮痛活性は、特許文献3中には予測も、示唆もなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO 00/02851
【特許文献2】US 6335334
【特許文献3】US 2003/0064992
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、この発明の主題は、疼痛を処置する医薬を製造するための、任意の立体異性体形態の式I:
【化2】

{式中、
Aは、フェニレンであり、このフェニレンは、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及びトリフルオロメチルから選択される、一つ又はそれより多い、同一又は相異なる置換基によって置換されていてもよく;
1は、R78N及びHetから選択され;
2は、フェニル又はヘテロアリールであり、これらは、両方とも、一つ又はそれより多い、同一又は相異なるハロゲン、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、シアノ、(C1−C4)−アルキル−O−、(C1−C4)−アルキル−CO−NH−及び(C1−C4)−アルキル−S(O)2−から選択される置換基によって置換されていてもよく;
3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、そして同一又は相異なっていてもよく、水素、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメチル、シアノ及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択され;
7は、水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C5)−アルケニルから選択され;
8は、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルキル−O−(C1−C4)−アルキル−、ジ((C1−C4)−アルキル)N−(C1−C4)−アルキル−、(C3−C5)−アルケニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル−、フェニル−(C1−C4)−アルキル−、インダニル及びピリジニル−(C1−C4)−アルキル−[ここで、シクロアルキル及びピリジニルは、一つ又はそれより多い、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよい]から選択され;
ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄から選択される、ひとつ又は二つの同一又は相異なる環へテロ原子を含む、単環式の5員又は6員の芳香族ヘテロ環の残基であり;
Hetは、単環式の5員、6員又は7員の飽和又は一部不飽和のヘテロ環の残基[これは、環窒素原子を含み、この環窒素原子を介して基Hetは、基−A−S(O)2−と結合しており、そして、窒素、酸素及び硫黄から選択される更に一つの環へテロ原子を含んでいてもよく(ここでこの硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持っていてもよい)、そして、これは一つ又はそれより多い、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよい、そしてベンゼン環が縮合していてもよい(ここで、このベンゼン環は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及びトリフルオロメチルから選択される、一つ又はそれより多い、同一又は相異なる置換基によって置換されていてもよい)]である}
の化合物、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩の使用である。
【0007】
本発明の主題は、また、疼痛の処置における使用のための任意の立体異性体形態の上記で定義されている式Iの化合物、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩、疼痛の処置方法であって、任意の立体異性体形態の上記で定義されている式Iの化合物、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩を、それを必要としている対象に投与することを含む方法、並びに任意の立体異性体形態の上記で定義されている式Iの化合物、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩と薬学的に許容される担体を含んでなる疼痛の処置における使用のための医薬組成物である。
【0008】
基(groups)または置換基(substituents)が、式Iの化合物中で数回見出されうる場合は(例えば、アルキル置換基(alkyl substituents)など)、これらは、すべて、互いに独立して、指示されている意味を有し、従って、それぞれの場合に、同一であってもよいし、相異なっていてもよい。
【0009】
アルキル基は、直線、即ち直鎖状であってもよいし、又は分枝鎖状であってもよい。これは、また、これらが別の基の一部である場合(例えば、アルキル−O−基(アルコキシ基)又は置換アミノ基)、又はそれらが置換されている場合、例えば、(C1−C4)−アルキル−O−(C1−C4)−アルキル−、フェニル−(C1−C4)−アルキル−又は(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル−基の場合)にも適用される。置換アルキル基では、この置換基は、任意の適切な位置に存在することができる。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びtert−ブチルがある。アルキル−O−基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ及びtert−ブトキシがある。
【0010】
アルケニル基、即ち、二重結合を含む不飽和アルキル基は、同様に、直線であってもよいし、分枝鎖状であってもよい。二重結合は、任意の位置に存在することができる。本発明の一つの実施態様では、このアルケニル基を介してこの基が基R78N中の窒素原子と結合しているアルケニル基の炭素原子は、二重結合の一部ではない。アルケニル基の例には、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル(アリル)、ブタ−2−エニル、2−メチル−プロパ−2−エニル及び3−メチル−ブタ−2−エニルがある。
【0011】
シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルがある。シクロアルキル−アルキル−基中のシクロアルキル基を含む、シクロアルキル基は、非置換であってもよいし、又は任意の位置で存在することができる一つ又はそれより多い、例えば、一つ、二つ、三つまたは四つの同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基、例えば、メチル置換基によって置換されていてもよい。本発明の一つの実施態様では、シクロアルキル基は、非置換である。置換シクロアルキル基の例には、4−メチル−シクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、2,3−ジメチルシクロペンチル及び3,5−ジメチルシクロヘキシルがある。基シクロアルキル−アルキル−内で、及び通例サブグループ(subgroup)から構成されている基内で随意の結合(free bond)を表すアルキル基に隣接する末端の線(ハイフン)によって符号で表されているアルキル部分を介して分子の残りの部分と結合している、シクロアルキル−アルキル−基の例には、シクロプロピル−メチル−、シクロブチル−メチル−、シクロペンチル−メチル−、シクロヘキシル−メチル−、シクロヘプチル−メチル、1−シクロプロピル−エチル−、2−シクロプロピル−エチル−、2−シクロブチル−エチル−、2−シクロペンチル−エチル−、2−シクロヘキシル−エチル−及び2−シクロヘプチル−エチル−がある。
【0012】
フェニル、ヘテロアリール、ピリジニル及びフェニレン基は、非置換であってもよいし、又は同一でもよいし又は相異なっていてもよく、且つ任意の位置に存在してもよい、一つ又はそれより多い、例えば、一つ、二つ、三つ又は四つの指示された置換基を持っていてもよい。それに加えて、ピリジン環及び他の適切なヘテロ環では、環窒素原子は、酸素原子を持つことができ、そうするとピリジン部分は、ピリジン−N−オキシドの形で存在することができる。一置換フェニル基では、置換基は、2位、3位又は4位に存在することができる。二置換フェニル基では、置換基は、2,3位、2,4位、2,5位、2,6位、3,4−位又は3,5−位に存在することができる。三置換フェニル残基では、置換基は、2,3,4位、2,3,5位、2,3,6位、2,4,5位、2,4,6位又は3,4,5位に存在することができる。それを介して隣接する基と結合している、基Aを表す二価のフェニレン基の随意の結合は、任意の位置で存在することができ、即ち、フェニレンは、1,2−フェニレン(オルト−フェニレン)、1,3−フェニレン(メタ−フェニレン)及び1,4−フェニレン(パラ−フェニレン)[これらの基は、すべて、非置換であってもよいし、又は指示された通りに置換されていてもよい]であることができる。フェニル基又は任意の他の基がニトロによって置換されている場合は、式Iの化合物中のニトロ基の総数は、好ましくは2以下である。式Iの化合物中で生じることがありえ、そして、例えば、R2に該当することがありうるフェニル基の例には、例えば、非置換のフェニル、2−フルオロ−フェニル、3−フルオロ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、2−クロロ−フェニル、3−クロロ−フェニル、4−クロロ−フェニル、2−ブロモ−フェニル、3−ブロモ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、2−メチル−フェニル(o−トリル)、3−メチル−フェニル(m−トリル)、4−メチル−フェニル(p−トリル)、2−トリフルオロメチル−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、3−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3−トリフルオロメトキシ−フェニル、4−トリフルオロメトキシ−フェニル、2−アセチルアミノ−フェニル、3−アセチルアミノ−フェニル、4−アセチルアミノ−フェニル、2−シアノ−フェニル、3−シアノ−フェニル、4−シアノ−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、3,4−ジフルオロ−フェニル、3,5−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジクロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2,6−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、2−クロロ−3−フルオロ−フェニル、2−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2−クロロ−5−フルオロ−フェニル、2−クロロ−6−フルオロ−フェニル、3−クロロ−2−フルオロ−フェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、3−クロロ−5−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−3−フルオロ−フェニル、5−クロロ−2−フルオロ−フェニル、2,3−ジメチル−フェニル、2,4−ジメチル−フェニル、2,5−ジメチル−フェニル、2,6−ジメチル−フェニル、3,4−ジメチル−フェニル、3,5−ジメチル−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,5−ジメトキシ−フェニル、2,6−ジメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル及び3,5−ジメトキシ−フェニルがある。
【0013】
基R2に該当するヘテロアリール基は、5員の芳香族式へテロ環の残基[この5員の芳香族式へテロ環の残基は、窒素、酸素及び硫黄から選択される一つの環へテロ原子を含むか、又は二つの環ヘテロ原子(そのうちの一つは、窒素原子であり、他は窒素、酸素及び硫黄から選択される)を含む]であるか、又は6員の芳香族式へテロ環の残基[この6員の芳香族式へテロ環の残基は、一つ又は二つの環窒素原子を含む]であることが好ましい。この環へテロ原子は、任意の適切な位置に存在することができる。ヘテロアリール基の例には、ピロリル(1H−ピロリル)、フラニル、チオフェニル(チエニル)、イミダゾリル(1H−イミダゾリル)、ピラゾリル(1H−ピラゾリル)、オキサゾリル(1,3−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(1,2−オキサゾリル)、チアゾリル(1,3−チアゾリル)、イソチアゾリル(1,2−チアゾリル)、ピリジニル(ピリジル)、ピリダジニル、ピリミジニル及びピラジニルがあり、これらはすべて指示されている通り置換されていてもよい。基R2に該当するヘテロアリール基は、好ましくは、環炭素原子を介して基R2−S(O)2−中の硫黄原子と結合する(この環炭素原子は、任意の位置にあることができる)。例えば、フリル基は、フラン−2−イル(2−フリル)でも、又はフラン−3−イル(3−フリル)でもよく、チオフェニル(チエニル)基は、チオフェン−2−イル(2−チエニル)でも、又はチオフェン−3−イル(3−チエニル)でもよく、イミダゾリル基は、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イルでも、又はイミダゾール−5−イルでもよく、チアゾリル基は、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イルでも、又はチアゾール−5−イルでもよく、イソオキサゾリル基は、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イルでも、又はイソオキサゾール−5−イルでもよく、ピリジニル基は、ピリジン−2−イル(2−ピリジル)、ピリジン−3−イル(3−ピリジル)でも、またはピリジン−4−イル(4−ピリジル)でもよい。置換ヘテロアリール基の置換基は、任意の位置に存在することができる。例えば、フラン−2−イル基及びチオフェン−2−イル基では、置換基は、3位及び/又は4位及び/又は5位に存在することができ、フラン−3−イル基及びチオフェン−3−イル基では、2位及び/又は4位及び/又は5位に、イミダゾール−2−イル基では、1位及び/又は4位及び/又は5位に、イミダゾール−4−イル基では、1位及び/又は2位及び/又は5位に、イミダゾール−5−イル基では、1位及び/又は2位及び/又は4位に、チアゾール−2−イル基では、4位及び/又は5位に、チアゾール−4−イル基では、2位及び/又は5位に、チアゾール−5−イル基では、2位及び/又は4位に、イソオキサゾール−3−イル基では、4位及び/又は5位に、イソオキサゾール−4−イル基では、3位及び/又は5位に、イソオキサゾール−5−イル基では、3位及び/又は4位に、ピリジン−2−イル基では、3位及び/又は4位及び/又は5位及び/又は6位に、ピリジン−3−イル基では、2位及び/又は4位及び/又は5位及び/又は6位に、ピリジン−4−イル基では、2位及び/又は3位及び/又は5位及び/又は6位に存在することができる。本発明の一つの実施態様では、ピロリル、イミダゾリル又はピラゾリル基の場合のように、ヘテロアリール基が、水素原子又は置換基を持っている環窒素原子を含む場合、こうした環窒素原子上の置換基は、(C1−C4)−アルキル及びCF3から選択され、特に(C1−C4)−アルキルからであり、そして環炭素原子上の置換基は、指示されているのと同様である。式Iの化合物中に生じることができ、そしてR2に該当することができる、ヘテロアリール基の例には、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、3−クロロ−チオフェン−2−イル、4−クロロ−チオフェン−2−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、2−クロロ−チオフェン−3−イル、4−クロロ−チオフェン−3−イル、5−クロロ−チオフェン−3−イル、3,4−ジクロロ−チオフェン−2−イル、3,5−ジクロロ−チオフェン−2−イル、4,5−ジクロロ−チオフェン−2−イル、2,4−ジクロロ−チオフェン−3−イル、2,5−ジクロロ−チオフェン−3−イル、4,5−ジクロロ−チオフェン−3−イル、5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル、1−メチル−イミダゾール−4−イル、2,4−ジメチル−チアゾール−5−イル、2−アセチルアミノ−4−メチル−チアゾール−5−イル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル及びピリジン−4−イルがある。
【0014】
フェニル−(C1−C4)−アルキル−基の例には、ベンジル、1−フェニル−エチル−及び2−フェニル−エチル−がある。ピリジニル−(C1−C4)−アルキル−基の例には、ピリジニル−メチル−、1−ピリジニル−エチル−及び2−ピリジニル−エチル−があり、ここでこのピリジニル基は、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル及びピリジン−4−イルでありうる。インダニル基の例[これは、好ましくは、5員環内の炭素原子を介して結合する]には、インダン−1−イル及びインダン−2−イルがある。
【0015】
1に該当する基Het[この基は、環窒素原子を介して基−A−S(O)2−内の硫黄原子と結合している]が、一部不飽和のヘテロ環の残基である場合、それは非芳香族式環であり、そして一つ又は二つの二重結合、好ましくは一つの二重結合を含む[この二重結合は、環内で任意の位置に存在することができる]。ベンゼン環が、ヘテロ環と縮合している場合、二重結合は、ヘテロ環式環とベンゼン環の両方に共通である。環窒素原子[基Hetは、この環窒素原子を介して結合している]に加えて基Het内に存在するこができる、更なる環へテロ原子は、任意の位置に存在することができる。本発明の一つの実施態様では、更なる環へテロ原子は、環窒素原子[Hetは、この環窒素原子を介して結合している]に隣接していない位置で存在し、即ち、更なる環ヘテロ原子は、環窒素原子[Hetは、この環窒素原子を介して結合している]から少なくとも一つの環炭素原子によって、例えば、二つの環炭素原子によって隔てられている。基Hetでは、すべての環炭素原子上及び/又は更なる環窒素原子上で、互いに独立して、一つ又はそれよい多い、例えば、一つ、二つ、三つ、四つ又は五つの同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基、例えば、メチル置換基は、任意の位置に存在することができる。硫黄原子が、更なる環へテロ原子として存在する場合、それは一つ又は二つのオキソ基(=O)を持つことができ、即ち、これは、スルホキシド基−S(O)−又はスルホン基−S(O)2−の形で存在することができる。基Het中でヘテロ環式環と縮合することができるベンゼン環は、非置換であってもよいし、又は一つ又はそれより多い、例えば、一つ、二つ、三つ又は四つの同一又は相異なる指示されているのと同様な置換基[これは、任意の位置に存在することができる]によって置換されていてもよい。本発明の一つの実施態様では、ヘテロ環式環と縮合することができるベンゼン環は、非置換である。基Hetの例には、ピロリジン−1−イル(ピロリジノ)、2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル、ピラゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−1−イル、オキサゾリジン−3−イル(1,3−オキサゾリジン−3−イル)、チアゾリジン−3−イル(1,3−チアゾリジン−3−イル)、ピペリジン−1−イル(ピペリジノ)、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン−1−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル、ペルヒドロピリミジン−1−イル、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、ペルヒドロ−1,3−オキサジン−3−イル、モルホリン−4−イル(モルホリノ)、ペルヒドロ−1,3−チアジン−3−イル、チオモルホリン−4−イル(チオモルホリノ)、ペルヒドロアゼピン−1−イル、ペルヒドロ−1,4−ジアゼピン−1−イル(ホモピペラジン−1−イル)及びペルヒドロ−1,4−オキサゼピン−4−イルがあり、これらは、全部、非置換であってもよいし、又は一つ又はそれより多い、それを介してこの基が基−A−S(O)2 −に結合しない環炭素原子上及び/又は環窒素原子上でアルキル置換基によって置換されていてもよく、及び/又は環硫黄原子上で一つ又は二つのオキソ基を持っていてもよく、従って、これらは、また例えば、2−メチル−ピペリジン−1−イル、3−メチル−ピペリジン−1−イル、4−メチル−ピペリジン−1−イル、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル、シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル、3,5−ジメチル−ピペリジン−1−イル、シス−3,5−ジメチル−ピペリジン−1−イル、4−メチル−ピペラジン−1−イル、4−エチル−ピペラジン−1−イル、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル、シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル、3,5−ジメチル−モルホリン−4−イル、シス−3,5−ジメチル−モルホリン−4−イル、1−オキソ−チオモルホリン−4−イル、1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル又は4−メチル−ペルヒドロ−1,4−ジアゼピン−1−イルなどのような基の形で式Iの化合物に生じることがありうる。
【0016】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり、好ましくは、フッ素、塩素または臭素、より好ましくは、フッ素または塩素である。
【0017】
この発明は、式Iの化合物の立体異性体形態をすべて含む。式Iの化合物中に存在する不斉中心は、すべて、互いに独立して、S配置又はR配置を持つことができる。本発明は、すべての可能性のあるエナンチオマー及びジアステレオマー及び二つ又はそれより多い立体異性体の混合物、例えば、すべての割合のエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物を含む。従って、エナンチオマー的に純粋な形態(左旋性及び右旋性鏡像体としての両方)、ラセミ体の形態、及びすべての割合の二つのエナンチオマーの混合物の形態のエナンチオマーが本発明の主題である。シス/トランス異性の場合、本発明は、シス形態及びトランス形態の両方、そしてすべての割合のこうした形態の混合物を含む。所望により、個々の立体異性体の製造は、慣用方法、例えば、クロマトグラフィー又は結晶化によって、合成の場合の立体化学的に均一の出発物質の使用により異性体の混合物を分離することによって、又は立体選択的合成によって行うことができる。場合により、誘導体化を、立体異性体の分離の前に行うことができる。立体異性体の混合物の分離は、式Iの化合物の段階、又は合成の間の中間体の段階に行うことができる。本発明は、また式Iの化合物の互変異性体形態をすべて含む。
【0018】
式Iの化合物が、一つ又はそれより多い酸性又は塩基性基を含む場合、本発明は、また対応する生理学的に又は毒性学的に許容される塩、特に薬学的に利用可能な塩を含む。即ち、酸性基を含む式Iの化合物は、こうした群に存在することができ、そして本発明によって、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニア塩として使用することができる。こうした塩の例には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、又はアンモニウム若しくは、例えば、エチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン又はアミノ酸などの有機アミンとの塩がある。一つ又はそれより多い塩基性基、即ち、プロトン化することができる基を含む式Iの化合物が存在することができ、そして本発明により無機又は有機酸との酸付加塩の形で、例えば、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、サルチル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸またはアジピン酸との塩として使用することができる。式Iの化合物が分子中に酸性基と塩基性基を同時に含んでいる場合は、本発明は、また言及した塩形態に加えて、内部塩又はベタイン(両性イオン)を含む。塩は、式Iの化合物から、当技術分野の当業者に知られている慣用の方法例えば、溶媒中で有機又は無機酸又は塩基と結合させること、又は他の塩から陰イオン交換または陽イオン交換によって得ることができる。この発明は、更に式Iの化合物の生理学的に許容される溶媒和物、例えば、水和物またはアルコールとの付加物、並びに式Iの化合物の誘導体、プロドラッグ及び活性代謝物をすべて含む。
【0019】
基Aが置換される場合、即ち、基Aが、式Iに示されている基R1−S(O)2−及びカルボキサミド基に加えて、一つ又はそれより多い更なる置換基を持つ場合、指示されている置換基から選択される一つ又は二つの同一又は相異なる置換基、例えば、一つの置換基によって置換されることが好ましい。好ましくは、Aに該当するフェニレン基の置換基は、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキルから、より好ましくは、フッ素、塩素及び(C1−C4)−アルキルから、特に好ましくは、フッ素、塩素及びメチルから選択される。本発明の一つの実施態様では、Aに該当するフェニレン基の置換基は、(C1−C4)−アルキルから選択され、そして特にメチル置換基である。本発明の一つの実施態様では、Aに該当するフェニレン基は、非置換であり、即ち、式Iに示されている基R1−S(O)2−及びカルボキサミド基に加えて、四つの水素原子を持っている。好ましくは、Aに該当するフェニレン基は、1,3−フェニレン又は1,4−フェニレンであり、より好ましくは1,4−フェニレンであり、これは、すべて、非置換又は言及されているのと同様に置換されている。本発明の一つの実施態様では、Aは、非置換の1,4−フェニレンである。
【0020】
本発明の一つの実施態様では、R1は、R78Nである。本発明の別の実施態様では、R1は、Hetである。
【0021】
2は、好ましくは、フェニル又はヘテロアリールであり、これは、両方とも、一つ、二つ又は三つ、好ましくは一つ又は二つの同一又は相異なる置換基によって置換されていてもよい。R2の置換基は、好ましくは、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメチル、シアノ、(C1−C4)−アルキル−O−及び(C1−C4)−アルキル−CO−NH−から、より好ましくはハロゲン、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメチル及び(C1−C4)−アルキル−O−から、特に好ましくは、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及びトリフルオロメチルから、より特に好ましくはハロゲン及び(C1−C4)−アルキルから、特別に好ましくは、フッ素、塩素及び(C1−C4)−アルキルから、より特別に好ましくは塩素及び(C1−C4)−アルキル、例えば、塩素及びメチルから選択される。本発明の一つの実施態様では、R2は、フェニル又はヘテロアリールであり、これは、両方とも、一つ又は二つの同一又は相異なるハロゲン原子、好ましくはフッ素、及び/又は塩素原子によって置換されていてもよい。本発明の別の実施態様では、R2は、フェニル又はヘテロアリールであり、これは、両方とも、一つ又は二つの塩素原子によって置換されていてもよい。本発明の一つの実施態様では、R2は、フェニルであり、これは、任意に言及されているように置換されていてもよく、そして好ましくは、任意に言及されているように置換されている。本発明の別の実施態様では、R2は、ヘテロアリールであり、これは、任意に言及されているように置換されていてもよく、そして好ましくは好ましくは、任意に言及されているように置換されている。
【0022】
3、R4、R5及びR6は、好ましくは、水素、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び(C1−C4)−アルキル−O−から、より好ましくは水素、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキル−O−から、特に好ましくは、水素及びハロゲンから選択される[ここで、R3、R4、R5及びR6に該当するハロゲンは、好ましくは、フッ素、又は塩素であり、より好ましくは塩素である]。R3、R4、R5及びR6に該当する(C1−C4)−アルキルは、好ましくは、メチルであり、そしてR3、R4、R5及びR6に該当する(C1−C4)−アルキル−O−は、好ましくは、メトキシである。好ましくは、基R3、R4、R5及びR6の中で二つは、水素であり、そして基R3、R4、R5及びR6の中で他は、同一又は相異なってもよい、水素を含む任意の指示された意味を有することができる。本発明の一つの実施態様では、基R3、R4、R5及びR6の中で少なくとも一つは、水素ではなく、そして基R3、R4、R5及びR6の中で他は、同一又は相異なってもよい、水素を含む任意の指示された意味を有することができ、即ち、この実施態様では、式Iに示されているR3、R4、R5及びR6を持っているベンゼン環は、少なくとも一つの置換基によって置換されている。本発明の一つの実施態様では、基R3、R4、R5及びR6の中の、一つ又は二つは、例えば、R3、R4、R5及びR6の中の一つは、水素ではなく、従って、互いに独立して、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメチル、シアノ及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択されるか、又は、水素とは異なる、R3、R4、R5及びR6の任意の好ましい定義によって構成される基から選択され、そして基R3、R4、R5及びR6の他は、水素である。基R3、R4、R5及びR6の中の、一つ又は二つが、水素ではない場合は、これらの基は、基R3のみであるか、又は基R4のみであるか、又は基R5のみであるか、又は基R3及びR4であるか、又は基R3及びR4であるか、又は基R6のみであるか、又は基R3及びR5であるか、又は基R3及びR6であるか、又は基R4及びR5であるか、又は基R4及びR6であるか、又はR5及びR6であり、基R3、R4、R5及びR6の他のものは水素である。基R3、R4、R5及びR6の一つ又は二つは、水素ではなく、これらの基は、好ましくは、基R4のみであるか、又は又は基R5のみであるか、又は基R6のみであるか、又は基R4及びR5であるか、又は基R4及びR6であるか、または基R5及びR6であるか、より好ましくは、基R4のみであるか、又はR5のみであるか、又は基R6のみであるか、又は基R4及びR5であるか、又は基R5及びR6であるか、特に好ましくは、基R4のみであるか、又は基R5のみであるか、又は基R4及びR5であり、より好ましくは、基R5のみであるか、又は基R4及びR5であり、基R3、R4、R5及びR6の他のものは水素である。本発明の一つの実施態様では、R5は、水素ではなく、そしてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメチル、シアノ及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択され、好ましくは、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び(C1−C4)−アルキル−O−から、より好ましくは、ハロゲン、(C1−C4)−アルキルから、特に好ましくは、ハロゲンから選択され、R4は、水素、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメチル、シアノ及び(C1−C4)−アルキル−O−から、好ましくは、水素、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び(C1−C4)−アルキル−O−から、より好ましくは、水素、ハロゲン、及び(C1−C4)−アルキル−O−から、特に好ましくは、水素及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択され、そしてR3及びR6は、水素であり、ここでR4及び/又はR5を表すハロゲンは、好ましくは、フッ素又は塩素であり、より好ましくは、塩素であり、R4及び/又はR5を表す(C1−C4)−アルキルは、好ましくは、メチルであり、そしてR4及び/又はR5を表す(C1−C4)−アルキル−O−は、好ましくはメトキシである。本発明の別の実施態様では、R5は、塩素であり、そしてR4及びR5は、メトキシであり、R3及びR6は、水素である。
【0023】
7は、好ましくは、水素及び(C1−C4)−アルキルから、より好ましくは、水素及びメチルから選択される。本発明の一つの実施態様では、R7は水素である。本発明の別の実施態様では、R7は、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C5)−アルケニルから、好ましくは(C1−C4)−アルキルから選択され、そして例えば、メチルでありうる。
【0024】
8は、好ましくは、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルキル−O−(C1−C4)−アルキル−、ジ((C1−C4)−アルキル)N−(C1−C4)−アルキル−、(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル−(C1−C4)−アルキル−、インダニル及びピリジニル−(C1−C4)−アルキル−から、より好ましくは(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル−(C1−C4)−アルキル−及びピリジニル−(C1−C4)−アルキル−から、特に好ましくは、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及びピリジニル−(C1−C4)−アルキル−から選択される[ここで、シクロアルキル及びピリジニルは、指示されている通りに置換されていてもよい]。
【0025】
本発明の一つの実施態様では、基R2に該当する基ヘテロアリール基は、5員の芳香族式ヘテロ環の残基であり、これは、窒素、酸素及び硫黄から選択される一つの環ヘテロ原子を含むか、又は二つの環へテロ原子[そのうちの一つは窒素原子であり、そして他は、窒素、酸素及び硫黄から選択される]を含み、基R2に関して指示されている通りに置換されていてもよい。本発明の別の実施態様では、基ヘテロアリールは、基チオフェニル(チエニル)又は5員の芳香族式ヘテロ環の残基[これは、環窒素原子、そして窒素、酸素及び硫黄から選択される更に一つの環へテロ原子を含む]であり、これは、すべて、基R2に関して指示されている通りに置換されていてもよい。本発明の別の実施態様では、基ヘテロアリールは、チオフェニル(チエニル)、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル及びチアゾリルから、好ましくはチオフェニル(チエニル)、オキサゾリル、イソオキサゾリル及びチアゾリルより、好ましくはチオフェニル(チエニル)、イソオキサゾリル及びチアゾリルから、特に好ましくはチオフェニル(チエニル)及びイソオキサゾリルから選択され、これらは、すべて、基R2に関して指示されている通りに置換されていてもよい。本発明の一つの実施態様では、R2は、基R2に関して指示されている通りに置換[例えば、塩素及び/又はメチル、特に塩素によって]されていてもよいチオフェニル(チエニル)であり、そしてチオニルは、チオフェン−2−イル(2−チエニル)又はチオフェン−3−イル(3−チエニル)、特にチオフェン−2−イルであることができる。本発明の別の実施態様では、R2は、基R2に関して指示されている通りに置換[例えば、塩素及び/又はメチル、特にメチルによって]されていてもよいイソオキサゾリルであり、そしてイソオキサゾリルは、イソオキサゾール−3−イル又はイソオキサゾール−4−イル又はイソオキサゾール−5−イル、特にイソオキサゾール−4−イルであることができる。本発明の別の実施態様では、R2は、基R2に関して指示されている通りに置換[例えば、塩素及び/又はメチル、特にメチルによって]されていてもよいチアゾリルであり、そしてチアゾリルは、チアゾール−2−イル又はチアゾール−4−イル又はチアゾール−5−イル、特にチアゾール−5−イルであることができる。
【0026】
本発明の一つの実施態様では、Hetは、単環式の5員、6員又は7員のヘテロ環の残基であり、これは、飽和しているか、又は環内に一つの二重結合を含み、そして環窒素原子を含み、基Hetは、環窒素原子を介して基−A−S(O)2−と結合し、そして更に窒素、酸素及び硫黄から選択される一つの環へテロ原子を含んでいてもよく[ここで、硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持つことができる]、そして一つ又はそれより多い、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよく、そして、ベンゼン環は、これらに縮合することができる[ここで、ベンゼン環は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及びトリフルオロメチルから選択される、一つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていてもよい]。本発明の別の実施態様では、Hetは、単環式の5員、6員又は7員のヘテロ環の残基であり、これは、環内に一つの二重結合を含み、そして環窒素原子を含み、基Hetは、環窒素原子を介して基−A−S(O)2−と結合し、そして更に窒素、酸素及び硫黄から選択される一つの環へテロ原子を含んでいてもよく[ここで、硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持つことができる]、そして一つ又はそれより多い、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよく、そして、これらにベンゼン環は、縮合していてもよい[ここで、ベンゼン環は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及びトリフルオロメチルから選択される、一つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていてもよい]。本発明の別の実施態様では、Hetは、単環式の5員、6員又は7員のヘテロ環の残基であり、これは、環内に一つの二重結合を含み、そして環窒素原子を含み、基Hetは、環窒素原子を介して基−A−S(O)2−と結合し、そして更に窒素、酸素及び硫黄から選択される一つの環へテロ原子を含んでいてもよく[ここで、硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持つことができる]、そして一つ又はそれより多い、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよく、そして、これらにベンゼン環は、縮合している[ここで、ベンゼン環は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及びトリフルオロメチルから選択される、一つ又はそれより多い同一又は相異なる置換基によって置換されていてもよい]。本発明の別の実施態様では、Hetは、単環式の5員、6員又は7員のヘテロ環の残基であり、これは、飽和しており、そして環窒素原子を含み、基Hetは、環窒素原子を介して基−A−S(O)2−と結合し、そして更に窒素、酸素及び硫黄から選択される一つの環へテロ原子を含んでいてもよく[ここで、硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持つことができる]、そして一つ又はそれより多い、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよい。好ましくは、Hetは、特定されている5員又は6員のヘテロ環の残基であり、より好ましくは、特定されている6員のヘテロ環の残基である。Hetに存在することができる更なる環へテロ原子は、好ましくは、酸素及び硫黄から選択され[ここで、硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持つことができる]、そして、より好ましくは酸素である。本発明の一つの実施態様では、基Hetは、基Hetが窒素原子を介して基−A−S(O)2−と結合する窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄から選択され、そして好ましくは酸素及び硫黄から選択され、より好ましくは酸素である、更なる環へテロ原子を含む[ここで、硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持つことができる]。本発明の別の実施態様では、基Hetは、アルキル置換基によって置換されない。本発明の別の実施態様では、基Hetは、基Hetが窒素原子を介して基−A−S(O)2−と結合する窒素原子に加えて、更なる環へテロ原子を含まない。基Het中に存在することができるアルキル置換基の数は、好ましくは、一つ、二つ、三つ又は四つであり、より好ましくは、一つ、二つ又は三つであり、例えば、一つ又は二つである。Het中に存在するアルキル置換基は、好ましくは、メチル基である。本発明の一つの実施態様では、基Hetは、言及されいるいずれかのように、アルキル置換基によって置換されている。本発明の一つの実施態様では、Hetは、ピロリジン−1−イル、オキサゾリジン−3−イル、チアゾリジンi−3−イル、ピペリジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル及びペルヒドロアゼピン−1−イルから、好ましくは、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル及びチオモルホリン−4−イルから、より好ましくはピペリジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル、モルホリン−4−イル及びチオモルホリン−4−イルから、特に好ましくはモルホリン−4−イル及びチオモルホリン−4−イルから選択され、これらは、すべて、非置換であっても、又は言及されているいずれかのようにアルキル置換基によって置換されていてもよく、従って、これらは更に式Iの化合物中に、例えば、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル、シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル、3,5−ジメチル−ピペリジン−1−イル、シス−3,5−ジメチル−ピペリジン−1−イル、4−メチル−ピペラジン−1−イル、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル、シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル、3,5−ジメチル−モルホリン−4−イル、シス−3,5−ジメチル−モルホリン−4−イル、1−オキソ−チオモルホリン−4−イル又は1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イルのような基のような形態で存在してもよい。本発明の別の実施態様では、Hetは、言及されたいずれかのようにアルキルによって置換されてもよいモルホリン−4−イルである。この後者の実施態様では、Hetは、好ましくは、二つの(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよいモルホリン−4−イルであり、即ち、Hetは、モルホリン−4−イル及びジ−((C1−C4)−アルキル)−モルホリン−4−イルから選択され、そしてより好ましくは、二つのメチル置換基によって置換されていてもよいモルホリン−4−イルであり、即ち、Hetは、モルホリン−4−イル及びジメチル−モルホリン−4−イルから選択され、そして特に好ましくは、モルホリン−4−イル、2,6−ジメチルモルホリン−4−イル及び3,5−ジメチル−モルホリン−4−イルから選択され、そしてより特に好ましくは、モルホリン−4−イル及び2,6−ジメチル−モルホリン−4−イルから選択される[ここで、2,6−ジメチルモルホリン−4−イル及び3,5−ジメチル−モルホリン−4−イルは、立体異性体形態又は任意の割合の立体異性体形態の混合物のいずれかの形で存在していてもよく、そして、好ましくは、シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル及びシス−3,5−ジメチル−モルホリン−4−イルの形で存在する。本発明の別の実施態様では、Hetは、シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イルである。本発明の別の実施態様では、Hetは、非置換のモルホリン−4−イルである。本発明の一つの実施態様では、基Het中の縮合ベンゼン環は、非置換である。
【0027】
この発明による好ましい化合物、又はこの発明の好ましい実施態様では、式Iの化合物中の基及び置換基のような任意の一つ又はそれより多い構造構成要素(element)が、構成要素の中でいずれかの好ましい定義中に存在するものとして、又はいずれかの特定の実施態様中に存在するものとして定義されており、及び/または構成要素の例として言及されている一つ又はそれより多い特定の意味を有することができる[ここで、一つ又はそれより多い好ましい定義及び/又は実施態様及び/又は特定の意味のすべての組み合わせが本発明の主題である]。更に、式Iのすべての好ましい化合物については、すべてのこれらの立体異性体形態及びすべての割合の立体異性体形態の混合物、及びそれらの生理学的に許容される塩がこの発明の主題である。例えば、 本発明の一つの実施態様では、使用される化合物は、任意の立体異性体形態、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物の式I:
{式中、
Aは、1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンは、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキルから選択される、一つ又は二つの同一又は相異なる置換基によって置換されていてもよく;
1は、Hetであり;
Hetは、単環式の5員、6員又は7員のヘテロ環の残基[これは、飽和されており、そして環窒素原子を含み、この環窒素原子を介して基Hetは、基−A−S(O)2−と結合しており、そして、窒素、酸素及び硫黄から選択される更に一つの環へテロ原子を含んでいてもよく(ここでこの硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持っていてもよい)、そして、これは一つ又はそれより多い、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよい]である}、
の化合物、又はその生理学的に許容される塩である。
【0028】
本発明の別の実施態様では、使用される化合物は、任意の立体異性体形態、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物の式I:
[式中、
2が、フェニル又はヘテロアリールであり、これらは、両方とも、一つ、二つ又は三つの、同一又は相異なるハロゲン、(C1−C4)−アルキル、及びトリフルオロメチルから選択される置換基によって置換されていてもよく;
基R3、R4、R5及びR6の中で、二つは、水素であり、そして基R3、R4、R5及びR6の中で、他は、互いに独立して、そして同一又は相異なっていてもよい、水素、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択され;
ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄から選択される一つの環へテロ原子を含むか、又はその一つが窒素原子であり、そして他が窒素、酸素及び硫黄から選択される二つの環へテロ原子を含む、単環式の5員の芳香族式ヘテロ環の残基である}、
の化合物、又はその生理学的に許容される塩である。
【0029】
本発明の別の実施態様では、使用される化合物は、任意の立体異性体形態、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物の式I:
{式中、
Aは、1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンは、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキルから選択される、一つ又は二つの同一又は相異なる置換基によって置換されていてもよく;
1は、Hetであり;
2は、フェニル又はヘテロアリールであり、これらは、両方とも、一つ、二つ又は三つの、同一又は相異なるハロゲン、(C1−C4)−アルキル及びトリフルオロメチルから選択される置換基によって置換されていてもよく;
基R3、R4、R5及びR6の中で、二つは、水素であり、そして基R3、R4、R5及びR6の中で、他は、互いに独立して、そして同一又は相異なっていてもよいが、水素、ハロゲ
ン、(C1−C4)−アルキル及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択され;
ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄から選択される一つの環へテロ原子を含むか、又はその一つが窒素原子であり、他が窒素、酸素及び硫黄から選択される二つの環へテロ原子を含む、単環式の5員の芳香族式ヘテロ環の残基であり;
Hetは、単環式の5員、6員又は7員のヘテロ環の残基[これは、飽和されており、そして環窒素原子を含み、この環窒素原子を介して基Hetは、基−A−S(O)2−と結合しており、そして、窒素、酸素及び硫黄から選択される更に一つの環へテロ原子を含んでいてもよく(ここでこの硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持っていてもよい)、そして、これは一つ又はそれより多い、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよい]である}、
の化合物、又はその生理学的に許容される塩である。
【0030】
本発明の別の実施態様では、使用される化合物は、任意の立体異性体形態、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物の式I:
{式中、
Aは、非置換1,4−フェニレンであり;
1は、Hetであり;
2は、フェニル又はヘテロアリールであり、これらは、両方とも、一つ、二つ又は三つの、同一又は相異なるハロゲン及び(C1−C4)−アルキルから選択される置換基によって置換されていてもよく;
3及びR6は、水素であり、R4は、水素、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択され、そしてR5は、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択され;
ヘテロアリールは、チオフェニル及び5員の芳香族式へテロ環残基[これは、環窒素原子及び窒素、酸素及び硫黄から選択される更に一つの環へテロ原子を含む]から選択され、
Hetは、単環式の6員の飽和ヘテロ環の残基[これは、環窒素原子を含み、この環窒素原子を介して基Hetは、基−A−S(O)2−と結合しており、そして、酸素及び硫黄から選択される更に一つの環へテロ原子を含んでいてもよく(ここでこの硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持っていてもよい)、そして、これは一つ、二つ、三つ又は四つの、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよい]である}、
の化合物、又はその生理学的に許容される塩であり、ここで、この実施態様では、ヘテロアリールは、好ましくは、チオフェニル及びイソオキサゾリルから選択される。
【0031】
本発明の別の実施態様では、使用される化合物は、任意の立体異性体形態、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物の式I:
{式中、
Aは、非置換1,4−フェニレンであり;
1は、Hetであり;
2は、ヘテロアリールであり、これは、一つ、二つ又は三つの、同一又は相異なるハロゲン及び(C1−C4)−アルキルから選択される置換基によって置換されていてもよく;
3、R4及びR6は、水素であり、そしてR5は、塩素であり;
ヘテロアリールは、チオフェニル及びイソオキサゾリルから選択され、
Hetは、二つのメチル置換基によって置換されていてもよいモルホリン−4−イルである}
の化合物、又はその生理学的に許容される塩である。
【0032】
本発明の別の実施態様では、使用される式Iの化合物は、
2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド、
2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド、
5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド、及び
5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド、
又はその生理学的に許容される塩、
から選択され、
そして好ましくは、5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド及び5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド、又はその生理学的に許容される塩から選択される。本発明の別の実施態様では、使用される式Iの化合物は、5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド又はその生理学的に許容される塩である。
【0033】
本発明の別の実施態様では、式Iの化合物は、任意の立体異性体形態、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩が使用され、ここで、この生理学的に許容さる塩は、ナトリウム塩である。本発明の別の実施態様では、
2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドナトリウム塩、
5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド ナトリウム塩、及び
5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド ナトリウム塩から選択され、
そして好ましくは5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド ナトリウム塩及び
5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド ナトリウム塩から選択される化合物が使用される。本発明の別の実施態様では、使用される化合物は、5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド ナトリウム塩である。
【0034】
式Iの化合物は、WO 00/02851及びUS 6335334中に述べられているのと同様に製造することができ、この化合物の製造に関するその内容は、引用によって本明細書に組み込まれ、そして、次に例示的に略述される通りである。一つの方法では、最初に式IIのアントラニル酸を、例えば、水、ピリジン又はエーテルのような溶媒中の塩基の存在下で式R2−S(O)2−Clであるスルホニルクロリド又はスルホン酸無水物と反応させると、式IIIの化合物が生じる。適切な塩基は、炭酸ナトリウムのような無機塩基又は例えば、ピリジン又はトリエチルアミンのような有機塩基である。式II及びIIIである出発物質及び中間体、並びにこの合成における式IV、V及びVIの化合物及び他の出発物質及び中間体では、基A及びR1〜R6は、式Iの化合物の場合と同様に定義される。次いで、例えば、不活性溶媒中で五塩化リン、オキシ塩化リン又は塩化チオニルのような塩素化剤と反応させることによって、式IIIのスルホニルアミノ安息香酸を活性化し、式IVの酸クロリドを生じさせることができ、これは引き続いて場合により置換アニリンと反応させる。
【0035】
【化3】

【0036】
式IIIの化合物におけるカルボン酸基の活性化は、また種々の方法で、例えば、当業者によく知られているペプチド化学におけるアミド結合を形成する場合の多くの方法の一つによって、例えば、混合無水物又は活性化エステルに変換することによって、又はジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカルボジイミドを用いることによって行うこともできる。活性化されたスルホニルアミノ安息香酸を場合により置換されていることもあるアニリンと反応させるには、例えば、第三級アミン又はピリジンのような不活性の補助塩基の不存在下又は存在下で、例えば、ピリジン、テトラヒドロフラン又はトルエンなどのような不活性溶媒中で行うのが好ましい。この反応で、活性化された酸と共に使用される、場合により置換されていることもあるアニリンは、それまでに基R1−S(O)2−を含むことができ、そして式R1−S(O)2−A−NH2の化合物になることができ、次いでこの反応によって、直接式Iの最終化合物が提供される。この活性化された酸は、また、最初に式H−A−NH2の場合により置換されていることもあるアニリンと反応させることができる。次にこの結果生じる式VIの反応生成物を、標準的な条件のもとでクロロスルホン化し、引き続いて導入されたクロロスルホニル基を、場合により補助塩基の存在下、物質中又はN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン又はエーテルのような溶媒中で、例えば、式R78N−H又はHet−Hのアミンと反応させることによって標準的な条件のもとで基R1−S(O)2−に変換することができる。同様な方法で、活性化された酸は、場合により置換されていることもある式F−S(O)2−A−NH2のフルオロスルホニルアニリンと反応させ、そして得られた式Vのフルオロスルホニル中間体を、標準条件のもとで式R78N−H又はHet−Hのアミンと反応させることによって、式Iの化合物に変換することができる。
【0037】
式Iの化合物は、また、最初に式VIIのニトロ安息香酸を活性化[例えば、これを式VIIIのそれぞれの酸クロリドに変換することによるか、又は上記に言及されている別の手順によって]し、次いでこれを上記に述べられている手順と同様に式 R1−S(O)2−A−NH2のアニリンと反応させることによって、式Xの化合物を生じさせる。式VII、VIII及びXの出発化合物及び中間体、並びに式IX及びXI及びこの合成における他の出発化合物及び中間体では、基A及びR1〜R6は、式Iの化合物の場合と同様に定義される。この工程では、また、アニリンとして場合により置換されていることもある式F−S(O)2−A−NH2のフルオロスルホニルアニリンを使用することができ、そして得られた式IXのフルオロスルホニル中間体では、フルオロスルホニル基は、標準条件のもとで、式R78N−H又はHet−Hのアミンと反応させることによって、基R1−S(O)2−に変換することができる。
【0038】
【化4】

【0039】
式Xの得られたニトロ中間体中のニトロ基を還元し、アミノ基を生じさせるには、例えば、エタノール、氷酢酸または塩化水素のエタノール溶液のような溶媒中、貴金属触媒又はラニーニッケルの存在下で触媒的水素化によって行うことができるか、又は酸の存在下、亜鉛、錫又は鉄のような金属を加えて還元することによって行うことができる。この還元は、また、例えば、塩化錫(II)を加えて行うか、又は、好ましくは、メタノール、テトラヒドロフラン及び溶媒としての水の混合物中の亜ジチオン酸ナトリウムと反応させることによって行うことができる。式XIの還元生成物中のアミノ基を、活性化されたスルホン酸誘導体を加えてスルホン化することは、上記に述べられている反応と同様に[例えば、ピリジン中の式R2−S(O)2−Clのスルホン酸クロリドを加える]行うことができ、最終的に式Iの化合物が生じる。
【0040】
式Iの化合物の合成のためのすべての反応は、それ自体当業者によく知られており、標準的な条件のもとで文献、例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie (Methods of Organic Chemistry), Thieme-Verlag, Stuttgart, or Organic Reactions, John Wiley & Sons、 New York中に記載されている手順によるか、又は準じて行うことができる。個々の場合の状況に左右されるが、式Iの化合物を合成する間の副反応を避けるためには、保護基を導入し、そして合成の後の段階でそれらを脱保護させることによるか、又は官能基を前駆体基の形で導入し、それを後の反応工程で所望の官能基に変換すること
によって、一時的に官能基をブロックすることが必要か、又は有利でありうる。個々の場合における適切な、こうした合成ストラティジー及び保護基及び前駆体基は、当業者によってよく知られている。所望ならば、式Iの化合物は、慣用の精製手順、たとえば、再結晶又はクロマトグラフィーによって精製することができる。式Iの化合物の製造のための出発化合物は、商業上入手可能であるか、又は文献の手順によるか、又は準じて製造することができる。
【0041】
WO 00/02851及びUS 6335334中で述べられているように、当技術分野の当業者に知られている試験中で示すことができ、例えば、U. Schindler et al., Mol. Pharmacol. 69 (2006) 1260-1268中で述べられている試験、そしてWO 00/02851及びUS 6335334中で述べられている試験、化合物の薬理学的特徴に関するその内容は、引用によって本明細書中に組み込まれ、式Iの化合物は、ヘムタンパク質酵素可溶性グアニル酸シクラーゼ(heme-protein enzyme soluble guanylate cyclase)(可溶性グアニリルシクラーゼ,sGC)を活性化する。これらは、NO(一酸化窒素)の放出を介して作用せず、そしてNO非感受性(NO-insensitive)であり、そしてヘム鉄が鉄酸化還元反応(ferric redox)の形で存在するsGCを活性化する。本発明の主題は、また可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)のアクティベーター(activator)又はスティミュレーター(stimulator)の使用、特にNO非感受性sGCの活性剤の使用及びヘム鉄が鉄酸化還元反応の形で存在するsGCの活性剤の使用を含む、NOの放出を介して作用しないsGCのアクティベーターまたはスティミュレーターの使用、疼痛を処置する方法であって、その方法が、任意のこうしたアクティベーター又はスティミュレーターを、それを必要とする患者に投与することを含んでなる方法、及び任意のこうしたアクティベーター又はスティミュレーターと、薬学的に許容される担体を含んでなる疼痛の処置における使用のための医薬組成物である。式Iの化合物のほかに、sGCを活性化又はスティミュレートする化合物の例は、(5−(1−ベンジル−1H−インダゾール−3−イル)−フラン−2−イル)−メタノール、5−シクロプロピル−2−(1−(2−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル)−ピリミジン−4−イルアミン、2−(1−(2−フルオロ−ベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル)−5−(モルホリン−4−イル)−ピリミジン−4,6−ジアミン、3−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−N−(4−メトキシ−フェニル)−1−ベンジル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−(2−(4−クロロ−フェニルスルファニル)−フェニル)−N−(4−ジメチルアミノ−ブチル)−アクリルアミド及び4−(((4−カルボキシ−ブチル)−(2−(2−(4−(2−フェニル−エチル)−ベンジルオキシ)−フェニル)−エチル)−アミノ)−メチル)−安息香酸を挙げることができる(O. V. Evgenov et al., Nature Reviews Drug Discovery 5 (2006), 755-768参照)。疼痛の処置における式Iの化合物の使用に関する上記及び下記になされているすべての記載は、疼痛の処置においてsGCのアクティベーター又はスティミュレーターの使用に同様に適用される。
【0042】
疼痛を処置するための式Iの化合物の適合性は、当技術分野の当業者に知られている種々のモデル、例えば、下記に述べられているマウスでのモデルで示すことができる。驚くべきことに判明した、これらの顕著な鎮痛活性によって、式Iの化合物及びその生理学的に許容される塩は、動物、特にヒトを含む哺乳類で、疼痛の処置において、それ自体医薬として、互いに組み合わせて[例えば、二つの、式Iの化合物及び/又はその生理学的に許容される塩の組み合わせとして、又は他の薬理学的に活性な化合物と一緒に組み合わせる]医薬として、使用することができる。好ましくは、式Iの化合物およびその生理学的に許容される塩は、少なくとも一つの式Iの化合物又はその生理学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、即ち、一つ又はそれより多い薬学的に許容される担体物質、又はビヒクル、及び/又は添加剤、又は補助物質を含んでなる医薬組成物の形でこの目的のために使用される。
【0043】
式I及び/又はその生理学的に許容される塩による疼痛の処置には、急性疼痛の処置及び慢性疼痛の処置が含まれる。本明細書中で理解されているように、疼痛の処置は、軽減又は緩和又は無痛を目的とした、現存する疼痛の治療と、例えば、あらゆる現存する疾患又は痛みを伴う医学的手法のため、疼痛の出現を受けやすく、疼痛の出現の防止若しくは抑制又は疼痛の出現の場合における減少の目的で、こうした予防又は防止を必要としているヒト又は動物の疼痛の予防又は防止の両方とも含む。慢性疼痛の例は、背痛を含む慢性筋骨格障害に伴う疼痛、月経出血に伴う疼痛、骨関節炎に伴う疼痛を含む関節障害に伴う疼痛、及び関節リウマチに伴う疼痛、腸炎症に伴う疼痛、及び心筋炎症に伴う疼痛を含む炎症性疼痛、多発性硬化症に伴う疼痛、神経炎に伴う疼痛、癌に伴う疼痛、肉腫に伴う疼痛、AIDSに伴う疼痛、化学療法に伴う疼痛、切断疼痛、三叉神経痛、偏頭痛を含む頭痛、及び帯状疱疹後を含む神経障害性疼痛、糖尿病性多発神経障害に伴う神経障害性疼痛、及び化学療法による神経障害性疼痛である。急性疼痛の例は、損傷後疼痛、手術後疼痛、痛風発作に伴う疼痛、歯痛、顎骨外科的介入に伴う疼痛、及び急性帯状疱疹痛である。本発明の一つの実施態様では、式Iの化合物又はその生理学的に許容される塩は、その上記に述べた例のいずれかを含む急性疼痛の処置に使用される。本発明の実施態様では、式Iの化合物又はその生理学的に許容される塩は、例えば、関節障害に伴う疼痛、炎症性疼痛又は神経障害性疼痛の処置、または上記に挙げた例の炎症性疼痛又は神経障害性疼痛の処置である、上記に挙げた例のいずれかを含む慢性疼痛の処置に使用される。本発明の他の実施態様では、式Iの化合物又はその生理学的に許容される塩は、骨関節炎に伴う疼痛、又は関節リウマチに伴う疼痛のような上記に挙げた例のいずれかを含む関節障害に伴う疼痛の処置のために使用される。本発明の他の実施態様では、式Iの化合物又はその生理学的に許容される塩は、腸炎症に伴う疼痛、又は心筋炎症に伴う疼痛のような上記に挙げたいずれかを含む、炎症性疼痛の処置に使用される。本発明の他の実施態様では、式Iの化合物又はその生理学的に許容される塩は、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性多発性神経障害に伴う神経障害性疼痛、外科的治療処置後の神経障害性疼痛、化学療法により起こる神経障害性疼痛の処置のような上記に挙げた例のいずれかを含む神経障害性疼痛の処置に使用される。
【0044】
本発明によって使用することができ、そして式Iの化合物及び/又はその生理学的に許容される塩を含んでなる医薬及び医薬組成物は、例えば、経口的又は直腸的である経腸的に、例えば、ピル、錠剤、フィルム錠、糖衣錠、顆粒剤、ハードゼラチンカプセル、ソフトゼラチンカプセル、マイクロカプセル、坐剤、溶液[例えば、水溶性、アルコール性又は油性溶液]、ジュース、ドロップ、シロップ、懸濁液又はエマルションの形で、投与することができる。この医薬及び医薬組成物は、また非経口的に、例えば、皮下的、筋肉内、静脈内、腹腔内、髄腔内又は関節内に、例えば、注射溶液又は注入溶液の形で投与することができる。投与の適切な形態の他の例には、例えば、軟膏、クリーム、ペースト、ローション、ゲル、スプレー、パウダー、泡状物質、エアロゾル又は溶液の形での経皮(percutaneous)、経皮吸収的(transdermal)及び局所的投与、インプラント及び吸入投与の形での投与がある。この医薬組成物では、また活性化合物の遅延性放出を示すことができる。
【0045】
本発明により使用することができる医薬組成物は、当技術分野の当業者に知られている医薬組成物を製造する標準的な方法を用いて製造することができる。このために、一つ又はそれより多い式Iの化合物及び/又はその生理学的に許容される塩を、一つ又はそれより多い個体又は液体の製剤(galenical)担体物質及び/又は添加剤、そして合剤を製造する場合は、一つ又はそれより多い他の薬理学的な活性成分と混和し、そして次にヒトの医薬又は獣医学の医薬として使用することができる投与及び投与量の適切な形態にする。この医薬組成物は、有効な用量の式Iの化合物及び/又はその生理学的に許容される塩をを含んでなり、これは医薬組成物の通例約0.5〜約90パーセント(質量)になる。医薬組成物の投与単位における式I活性の化合物及び/又はその生理学的に許容される塩の量は、通例、約0.2mg〜約1000mg、好ましくは、約1mg〜約500mgであるが、これは、また医薬組成物の性質次第でより高くなることもある。本発明の更なる主題は、式Iの化合物又はその生理学的に許容される塩及び、一つ又はそれより多い薬学的に許容される担体物質及び添加剤、及び場合により一つ又はそれより多い他の薬理学的に活性な化合物を投与及び投与量のための形態にすることを含んでなる、疼痛の処置のための医薬又は医薬組成物を製造する方法である。
【0046】
医薬組成物を製造するための担体物質としては、例えば、経口又は非経口投与の場合に、意図した使用に適し、そして望ましくないように活性化合物と反応しない有機又は無機物質、例えば、水、食塩水、植物油、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコールのようなアルコール類、1,2−プロパンジオール、グリセロール、ポリエチレングリコール、トリアセチルグリセリン、ゼラチン、乳糖、マンニトール又はデンプンのような炭水化物及び誘導体、タルク、ラノリン、ワセリン又は炭酸マグネシウムを使用することができる。また、二つ又はそれより多い担体物質の混合物、例えば、水を加えた一つ又はそれより多い溶媒の混合物のような二つ又はそれより多い有機溶媒の混合物も使用することができる。医薬組成物に存在していてもよい添加剤、又は補助物質には、例えば、安定化剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、可溶化剤、増粘剤、塩(例えば、浸透圧に影響を及ぼす)、流動化剤、保存剤、着色剤、矯味矯臭剤、芳香性物質及び緩衝物質(例えば、ステアリン酸)、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、塩化ナトリウム、シリカ及びセルロース誘導体が含まれる。この医薬組成物は、また一つ又はそれより多い他の活性成分を含むことができる。式Iの化合物及びその生理学的に許容される塩は、また凍結乾燥することができ、そしてその結果生じる凍結乾燥体(lyophilisates)は、例えば、注射組成物及び注入組成物を製造するために使用することができる。式Iの化合物及びその生理学的に許容される塩から、更にリポソーム製剤を調製することができ、そして例えば、局所投与の場合に使用することができる。
【0047】
本発明による使用の際に、式の化合物及び/又はその生理学的に許容される塩の投与量は、具体的な場合に左右されるが、通常の通りに、最適の効果を発揮させるため医師によって個別に調整されなければならない。例えば、これについては、処置されるヒト又は動物の性、年齢、体重及び個々の応答、使用される化合物の作用の強さ及び期間、処置されているのが、急性又は慢性ケースか、治療がなされているのか、又は予防がなされているのか、処置が比較的長期間にわたってなされているのか否か、又は他の活性化合物が式Iの化合物に加えて投与されているのか否かによって左右される。一般的には、約0.1mg/kg〜約100mg/kg、好ましくは約1mg/kg〜約30mg/kg、より好ましくは約1mg/kg〜約10mg/kg(即ち、1日、体重1kgあたりのmg)のヒトにおける疼痛を処置するための投与量範囲が、体重約75kgの成人に投与する場合に、意図された効果を発揮するのに適切である。一日の投与量は、単回投与として投与することもできるし、又は細分割していくつかのそれぞれの投与量、例えば、1回、2回、3回又は4回分のそれぞれの投与量にすることもできる。式の化合物及び/又はその生理学的に許容される塩は、またボーラスとして又は連続して、例えば、注入又は連続的注入によって投与することもできる。具体的なケース次第では、言及した投与量からより多く又はより少なく逸脱することも必要でありうる。
【実施例】
【0048】
実施例化合物及び中間体
1)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−安息香酸
33.71g(0.32mol)の炭酸ナトリウムを、250mlの水に溶解し、そして60℃に暖めた。25.00g(0.13mol)の2−アミノ−4,5−ジメトキシ−安息香酸を、この溶液に入れ、そしてこの溶液に、29.55g(0.14mol)の4−クロロ−ベンゼンスルホニルクロリドを15分にわたって少しずつ加えた。冷却後、この混合物を吸引ろ過し、この残留物を1%炭酸水素ナトリウム溶液に加え、この溶液をろ過し、そして1N 塩酸を加えることによって、生成物が析出した。25.90g(55%)の2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−安息香酸(融点(M.p.)212−214℃)が得られた。
【0049】
同様に、次のものが得られた:
2)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−安息香酸;融点:210℃
3)5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−安息香酸
4)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−5−メチル−安息香酸;融点:201℃
5)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイルクロリド
25.90g(0.07mol)の2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−安息香酸を、75mlのトルエンと混和し、17.30g(0.08mol)の五塩化リンを加え、そしてこの混合物を40〜45℃で2.5時間撹拌した。次いでこの混合物を真空中で半分の量まで濃縮し、そして析出した生成物を、吸引ろ別し、少量のトルエンで洗浄した。25.30g(93%)の2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイルクロリド(融点175−177℃)が得られた。
【0050】
同様に次のものが得られた:
6)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイルクロリド;融点:127℃
7)5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイルクロリド;融点:117℃
8)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−5−メチル−ベンゾイルクロリド;融点:114℃
9)4−((2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイル)−アミノ)−ベンゼンスルホニルフルオリド
10.00g(25.6mmol)の2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイルクロリドを300mlのトルエンと混和し、4.49g(25.6mmol)の4−アミノベンゼンスルホニルフルオリドを加え、そしてこの混合物を還流下で、4時間加熱した。冷却後、析出した固形物を吸引ろ別し、そしてトルエンで洗浄した。融点216−219℃を有する11.71g(87%)の表題化合物が得られた。
【0051】
同様に次のものが得られた:
10)4−((5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイル)−アミノ)−ベンゼンスルホニルフルオリド;融点:242℃
11)4−((5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイル)−アミノ)−ベンゼンスルホニルフルオリド;融点:232℃
12)4−((2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−5−メチル−ベンゾイル)−アミノ)−ベンゼンスルホニルフルオリド;融点:224℃
13)3−((5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイル)−アミノ)−ベンゼンスルホニルフルオリド;融点:224℃
14)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
500mg(0.95mmol)の4−((2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイル)−アミノ)−ベンゼンスルホニルフルオリドを、1mlのチオモルホリン中に溶解し、30分間90℃に加熱した。後処理のために、この混合物を、50mlの氷/1N塩酸上に注ぎ、この析出物を吸引ろ別し、真空乾燥室内で五酸化リン乾燥し、そしてヘキサン/酢酸エチルから再結晶した。融点241℃を有する378mg(65%)の表題化合物が得られた。
【0052】
同様に次のものが得られた:
15)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:246℃
16)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:219℃
17)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:259℃
18)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:251℃
19)5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:253℃
20)5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:222℃
21)5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:246℃
22)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:172℃
23)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−ジエチルスルファモイル−フェニル)−ベンズアミド;融点:226℃
24)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:240℃
25)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(2−メトキシ−エチルスルファモイル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:209℃
26)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−5−メチル−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:203℃
27)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(3−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:238℃
28)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(3−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:202℃
29)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(3−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドヒドロクロリド;融点:245℃
30)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:228℃
【0053】
31)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−5−メチル−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:234℃
32)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:172℃
33)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;融点:208℃
34)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チアゾリジン−3−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:261℃
35)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;融点:262℃
36)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−1−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;融点:252℃
37)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(2−メチル−ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:227℃
38)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:243℃
39)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(4−メチル−ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:267℃
40)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(4−メチル−ペルヒドロ−[1,4]ジアゼピン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:274℃
41)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−エチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;融点:191℃
42)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−((2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−スルファモイル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;融点:分解 >119℃
43)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−1−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;融点:分解 >237℃
44)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(インダン−1−イルスルファモイル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;融点:161℃45)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−シクロプロピルスルファモイル−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;融点:222℃
46)N−(4−(アリル−シクロヘキシル−スルファモイル)−フェニル)−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;融点:182℃
47)5−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイルクロリド
100.00g(0.50mol)の5−クロロ−2−ニトロ安息香酸を、72.20g(0.61mol)のチオニルクロリドと混和し、この混合物を、還流下で2時間加熱した。過剰のチオニルクロリドを真空中で除去した。106.50g(ca.98%)の粗5−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイルクロリドが油状物として得られた。
【0054】
同様にして次のものが得られた:
48)5−メチル−2−ニトロ−ベンゾイルクロリド;油状物
49)4−(5−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ベンゼンスルホニルフルオリド
86.00g(0.39mol)の5−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイルクロリドを、300mlのトルエン中に溶解し、62.00g(0.35mol)の4−アミノベンゼンスルホニルフルオリドの溶液を滴下し、そしてこの混合物を、還流下で4時間加熱した。次にこれを冷却し、真空中で半分の容量まで濃縮し、冷却し、そしてこの析出した固形物を吸引ろ別した。融点182−184℃を有する121.60g(86%)の表題化合物が得られた。
【0055】
同様にして次のものが得られた:
50)4−(5−メチル−2−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ベンゼンスルホニルフルオリド;融点:179℃
51)5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−ニトロ−ベンズアミド
120.00g(0.33mol)の4−(5−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ベンゼンスルホニルフルオリド、29.10g(0.33mol)のモルホリン及び33.85g(0.33mol)のトリエチルアミンを1200mlのトルエン中で、60℃で2日間撹拌した。析出した固形物を吸引ろ別し、アセトン/n−ヘキサンから再結晶した。融点243−245℃を有する102.10g(71%)の表題化合物が得られた。
【0056】
同様にして次のものが得られた:
52)5−クロロ−2−ニトロ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:120℃
53)5−メチル−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−ニトロ−ベンズアミド;融点:249℃
54)2−アミノ−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
11.10g(26.1mmol)の5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−ニトロ−ベンズアミドを、440mlのテトラヒドロフラン/メタノール(1:1)中に溶解し、330mlの水中の27.23g(156.4mmol)の亜ジチオン酸ナトリウムの溶液を滴下した。室温で1時間撹拌後、有機溶媒をロータリーエバポレーター内で除去し、そして析出した生成物を吸引ろ別し、そしてメチレンクロリド/メタノール(9:1)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。融点229−231℃を有する、5.68g(55%)の表題化合物が得られた。
【0057】
同様にして次のものが得られた:
55)2−アミノ−5−クロロ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:177℃
56)5−クロロ−2−(5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−スルホニル−アミノ)−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
250mg(0.60mmol)の2−アミノ−5−クロロ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドを、10mlの乾燥ピリジン中に溶解し、そして5mlのピリジン中の195mg(0.85mmol)5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−スルホニルクロリドの溶液を0℃で滴下した。2時間後、この混合物を氷上に注ぎ、析出した固形物を吸引ろ別し、メチレンクロリド/メタノール(98:2)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。融点215−216℃を有する250mg(69%)の表題化合物が得られた。
【0058】
同様にして次のものが得られた。:
57)5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(4−メチル−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;融点:214℃
58)5−クロロ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:245℃
59)5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;融点:195℃60)2−((4−アセチルアミノ−フェニル)−スルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:198℃61)5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:112℃
62)5−クロロ−2−(5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−スルホニル−アミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:161℃
63)5−クロロ−2−((1−メチル−イミダゾール−4−スルホニル)−アミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:141℃
64)5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(ピリジン−3−スルホニルアミノ)−ベンズアミド;融点:222℃
65)2−((2−アセチルアミノ−4−メチル−チアゾール−5−スルホニル)−アミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:257℃
66)5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(チオフェン−2−スルホニルアミノ)−ベンズアミド;融点:216℃
67)5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;融点:264℃
68)2−(4−ブロモ−フェニルスルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:232℃
69)2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:209℃
70)5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(4−ニトロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;融点:239℃
71)5−クロロ−2−(4−シアノ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:238℃
72)5−クロロ−2−(4−メチルスルホニル−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:181℃
73)5−クロロ−2−(4−イソプロピル−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:105℃
74)5−クロロ−2−(4,5−ジブロモ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:232℃75)5−クロロ−2−(4−フルオロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:245℃
【0059】
76)5−クロロ−2−(3−クロロ−4−メトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:274℃77)5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(2,4,6−トリメチル−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;融点:240℃
78)5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(3−ニトロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;融点:220℃
79)5−クロロ−2−(4−メトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:269℃
80)5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(3−トリフルオロメチル−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;融点:212℃
81)2−(4−ブロモ−2,5−ジクロロ−チオフェン−3−スルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:267℃
82)5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(2−トリフルオロメチル−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;融点:234℃
83)5−クロロ−2−(3−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:206℃
84)2−(4−ブロモ−2−メトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:260℃85)5−クロロ−2−(2,6−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:244℃
86)5−クロロ−2−(2−シアノ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:200℃
87)2−(4−ブトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:225℃
88)5−クロロ−2−(3−フルオロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:204℃
89)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−5−(モルホリン−4−イル)−ベンズアミド;融点:264℃
90)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド及び
91)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(1−オキソ−チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
50mlのアセトン中の500mg(0.82mmol)の2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドを0℃に冷却した。20mlのアセトン中の371mg(1.23mmol)の57%m−クロロペル安息香酸の溶液を加え、そしてこの混合物を室温で終夜撹拌した。後処理のため、これを水/氷上に注ぎ、そして析出物を吸引ろ別した。混合物として得られた二つの生成物をメチレンクロリド/メタノール(97:3)を用いてシリカクロマトグラフィーによって分離した。
【0060】
同様にして次のものが得られた:
92)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:182℃
93)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(1−オキソ−チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:233℃
94)5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド ナトリウム塩
250mlのエタノール中の0.48gの細かく粉末化した水酸化ナトリウム及び7gの5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
の混合物を、少し加熱して溶液にした。次いでこの混合物を真空中で蒸発させ、50mlの水を加え、そして再び真空中で蒸発・乾固した。この手順を2回繰り返した。この結果生じた生成物を真空中、50℃で乾燥した。融点:343℃(分解)。
【0061】
上記化合物に準じて、次の実施例化合物が得られた:
95)2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(N−メチル−N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド・塩酸塩;融点:214℃
96)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−3−メチル−フェニル)−ベンズアミド;融点:192℃
97)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−3−メチル−フェニル)−ベンズアミド;融点:254℃
98)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(3,5−ジメチル−ピペリジン−1−スルホニル)−3−メチル−フェニル)−ベンズアミド;融点:242℃
99)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(ピペリジン−1−スルホニル)−3−メチル−フェニル)−ベンズアミド;融点:189℃
100)4,5−ジメトキシ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(N−メチル−N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:213℃
101)4,5−ジメトキシ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:216℃
102)5−クロロ−2−(2,4−ジメチル−チアゾール−5−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:190℃
103)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(3,5−ジメチル−ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:249℃(分解)
104)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(N−メチル−N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;樹脂(resin)
105)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−3,4−ジメトキシ−N−(4−(N−メチル−N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:241℃
106)5−ブロモ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−3−メチル−フェニル)−ベンズアミド;融点:249℃
107)5−ブロモ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:244℃
108)5−ブロモ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:197℃109)2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:213℃
110)2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:232℃
【0062】
111)2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:213℃
112)5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:260℃
113)5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(N−メチル−N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:65℃(焼結(sintering))
114)6−メチル−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(ペルヒドロアゼピン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:151℃
115)6−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(ピロリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:217℃
116)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(N−エチル−N−(ピリジン−4−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;樹脂(resin)
117)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:209℃
118)3−メチル−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(N−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)−エチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:193℃
119)5−クロロ−4−メトキシ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;油状物
120)5−クロロ−4−メトキシ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:89℃
121)5−クロロ−4−メトキシ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(N−ピリジン−3−イル)−N−メチル−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:135℃
122)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド ナトリウム塩;融点:330℃(分解)
123)5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:230℃
124)5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(3,5−ジメチルピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:61℃
125)5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:286℃
【0063】
126)4−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:103℃
127)5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(3−メチル−4−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
128)5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド ナトリウム塩;融点:249℃
129)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−6−メチル−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:189℃
130)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−6−メチル−N−(4−(ピリジン−3−イルメチルアミノ−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:219℃
131)6−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:186℃
132)6−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:192℃
133)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−ベンジルスルファモイル−フェニル)−ベンズアミド
134)2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−5−メトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;融点:239℃
【0064】
製薬実施例
A)経口投与用懸濁液
ビヒクル懸濁液(ビヒクルMC/T80として下記に指示)を、5gのメチルセルロースと5mlのツイーン80(Tween(登録商標)80)を1lの2回蒸留水に加え、そして終夜この混合物を撹拌することによって調製した。3mg/mlの5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド・ナトリウム塩を含む水性懸濁液を調製するために、15mgの実施例94の化合物を5mlのビヒクルMC/T80に加え、そしてこの混合物を15分間撹拌した。
【0065】
同様に、5mg、1.5mg及び0.5mgの実施例94の化合物を5mlのビヒクルMC/T80にそれぞれ加えることによって、1mg/ml、0.3mg/ml及び0.1mg/mlを、それぞれ含んでいる5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド・ナトリウム塩の経口投与用懸濁液を調製した。
【0066】
薬理試験
試験1)マウスにおける炎症性誘発熱痛覚過敏症のカラギーナンモデルにおける経口投与後の抗痛覚過敏効果
このインビボモデルでは、マウスにおいて抗痛覚過敏効果を、後ろ足蹠熱痛覚過敏症をカラギーナンを注入することによって誘発し、足蹠引っ込め潜時(PWL)、即ち、マウスが床の熱い部分からその後ろの足蹠を引っ込めるまでの時間を測定することによって決定した。こうした実験及び他の動物実験は、動物保護法及び実験動物の使用ガイドラインに従ってすべて行われた。
【0067】
それぞれ、三匹の雄性C57B6マウスから成る動物の三つの試験群と一つのコントロール群を用いた。カラギーナンを注入する1時間前に、試験化合物又はビヒクルのどちらかを胃管栄養法によって経口的に動物に投与した。試験群では、マウスは、0.1mg/ml、0.3mg/ml又は1mg/ml(製薬実施例A中で述べられているように調製された)を含んでいるビヒクルMC/T80中の試験化合物の懸濁液、100μl/10g(体重)が与えられ、その結果1mg/kg(体重)、3mg/kg(体重)及び10mg/kg(体重)の投与量をそれぞれ達成した。コントロール群では、マウスは同じように、100μl/10g(体重)のビヒクルMC/T80が与えられた。後ろの足蹠の炎症性疼痛を誘発するように、次いですべての群に10μlの生理食塩水中2%の濃度のカラギーナン(Sigma, Deisenhofen, Germany)を、軽いイソフルラン全身麻酔のもとで、マウスの両方の後ろの足蹠の足底面に注入をした。カラギーナンの注入の1時間前、即ち、試験化合物又はビヒクルの投与前速やかに、そしてカラギーナン注入の1時間、2時間、4時間及び6時間後に熱痛覚過敏を決定した。
【0068】
熱痛覚過敏は、最初にK. Hargreaves et al., Pain 32 (1988), 77-88中でラットの場合に説明され、そして、H. Guehring et al., J. Neurosci. 20 (2000), 6714-6720中で述べられているマウスに合うように少し変えたもので使用される、自動的な足底試験によって足蹠引っ込め潜時(PWL)を測定することによって決定された。動物の動きを制限するために、10.5×13.0×4.5cmの試験ケージを使用した。ガラスの床の代わりに金属グリッド底を使用した。PWL(秒単位)は、対象となっている後ろの足蹠下に赤外線加熱の適切な位置を確実にするために、ミニカメラが備え付けられている商業上入手可能な装置(Plantar Test, Ugo Basile Biological Research Apparatus, Comerio, Italy)を用いて、足蹠を所定の熱刺激に曝して決定した。後ろの足蹠による反射赤外線光の持続時間を測定するタイマーを研究者によってスタートさせ、そして一旦動物が熱を受けて足蹠を動かしたら中止した。カットオフは、16秒にセットし、組織損傷を防止した。それぞれの後ろの足蹠及びそれぞれの時点の場合に、3〜4回のPWL測定値の平均値によって決定した。
【0069】
表1は、実施例94の化合物を用いる試験1で得られたPWL値を含む。所与のPWL値(秒単位)は、カラギーナンの注入の1時間、2時間、4時間及び6時間後の時点で指示された投与量群のそれぞれの動物(N(足蹠の数)=6)のそれぞれの後ろの足蹠の場合に得られたPWL値の平均値±SEM(平均値の標準誤差)、及び試験化合物又はビヒクル投与及びカラギーナン注入の1時間前に決定されたベースラインPWL値(BL)である。
【0070】
【表1】

【0071】
図1は、実施例94の化合物を用いた試験1で得られたPWL平均値の経過時間を示す(Y軸:足蹠引っ込め潜時(PWL)(秒単位);X軸:カラギーナン注入後の時間;BL:カラギーナン注入前のベースライン値の判定;◆――◆:0mg/kg(体重);●――●:1mg/kg(体重);■――■:3mg/kg(体重)コントロール;▲――▲:10mg/kg(体重)。
【0072】
統計的解析のために、PWL値が二つの方法で、一番目はPWL値を基準にした双方向ANOVA検定そして二番目はカラギーナン注入後6時間の間の曲線下面積(AUC)の値を基準にした一方向ANOVA検定で使用された。反復測定双方向ANOVA検定(repeated measures 2-way ANOVA test)(要因処理及び反復測定要因時間(factor treatment and repeated measures factor time))がPWL測定値で行われた。相互効果(処理×時間)が統計的に有意である場合は、ウィナーの補完的解析(Winer complementary analysis)がなされ、それぞれの時点での処理の効果を検討した。ダネット検定(Dunnett's test)が使用され、コントロール群と試験群の間の可能性のある相違を検討した。統計的に有意である抗痛覚過敏効果がカラギーナン注入の1時間〜4時間後に、実施例94の化合物の3m/kg(体重)の投与量及び10mg/kg(体重)の投与量で観察された。
【0073】
延長時間にわたる試験化合物の有効性の量的測定として、カラギーナン注入後の1時間〜6時間後の時間の間のPWL値の曲線下面積(AUC)が(AUC1h−6h)試験群のそれぞれの足蹠(N=6)の場合に決定され、そしてコントロール群(N=6)のPWL値のAUC1h−6hと比較された。統計的解析の場合、一方向ANOVA検定を、個々のAUC1h−6h値に適用し、引き続いて試験群をコントロール群と比較するためにダネット検定を適用した。表2は、実施例94の化合物を用いて試験1で得られたPWL値の個々のAUC1h−6h値の平均値±SEMを含むものである。
【0074】
【表2】

【0075】
表1及び2並びに図1に示された結果によって、本発明の化合物が実質的に単回経口投与後の少なくとも4時間の間、熱痛覚過敏を減少させるか、又は完全になくすことさえし、そして顕著な抗痛覚過敏、すなわち鎮痛効果を有することが示されている。
【0076】
試験2)経口投与後のマウスの神経障害性疼痛の坐骨神経部分損傷(SNI)モデルにおける抗アロディニア効果
この慢性神経障害性疼痛のインビボマウスモデルでは、接触性アロディニア、坐骨神経の手術に起因する損傷により後ろ足蹠に誘発された、通常では痛みを引き起こさない機械刺激の後の痛覚に対する効果が、足蹠引っ込み閾値(PWT)、即ち、マウスがその後ろ足蹠を引っ込める加力(exerted force)(グラムで表現される)を測定することによって判定された。
【0077】
接触性アロディニアは、手術に引き続いて判定する場合、後ろ足蹠の足底の皮膚が短く太い針スティック(dump needle stick)を用いて最大5グラムまでの強度増加の圧力刺激に曝される自動フォンフレイテスト(automatic von Frey test)を用いて、両方の後ろ足蹠、即ち、損傷に対して同側と反対側で判定された。動物が後ろ足蹠を引っ込めることによりに応答するグラム単位の力(足蹠引っ込み閾値、PWT)は、接触性アロディニアの測定として用いられた。
【0078】
それぞれ、四匹の雄性C57B6マウスから成る動物の二つの試験群と一つのコントロール群を用いた。すべての群において、ベースラインPWT値(BL)が、手術前に決定された。次いで神経障害性疼痛の誘発のために、全身麻酔のもとで、腓腹神経を無処置にして、すべての群において坐骨神経の二つの主要な枝を結紮し、そして横切開した(総緋骨神経部分損傷(SNI))。神経障害性疼痛のこのモデルでは、接触性アロディニアが損傷に対して同側の後ろ足蹠において神経横切開後2日以内に完全に発症し、そしてコントロール群では、実験の全観察期間中、一定の維持していた。
【0079】
手術の7日後、試験化合物の投与前速やかに、即ち、0時間ですべての群において、損傷した同側の後ろ足蹠及び損傷のない反対側の後ろ足蹠の場合にPWT値が決定された。次いで試験化合物又はビヒクルのどちらかが胃管栄養法によって経口的に動物に投与された。試験群では、マウスは、0.3mg/ml又は3mg/mlを含んでいるビヒクルMC/T80中の試験化合物の懸濁液(製薬実施例A中で述べられているように調製された)、100μl/10g(体重)が与えられ、その結果3mg/kg(体重)及び30mg/kg(体重)の投与量をそれぞれ達成した。コントロール群では、マウスは同じ様に、100μl/10g(体重)のビヒクルMC/T80のが与えられた。投与の1時間、2時間、4時間及び6時間後にPWT値を決定した。
【0080】
表3は、実施例94の化合物を用いる試験2で得られたPWT値を含む。所与のPWT値(グラム単位)は、それぞれ、0時間(即ち、試験化合物又はビヒクルの投与前)及び試験化合物又はビヒクルの投与の1時間、2時間、4時間及び6時間の後の時点での指示された群のそれぞれの動物(N(動物の数)=4)の同側の後ろ足蹠と反対側の後ろ足蹠で行われたPWT測定値の平均値±SEM(平均値の標準誤差)であり、並びに手術前に決定されたベースラインPWT値(BL)である。
【0081】
【表3】

【0082】
図2では、実施例94の化合物を加えた試験2で得られた時間経過のPWT平均値を示す(Y軸:足蹠引っ込み閾値(PWT)(グラム単位):X軸:試験化合物又はビヒクルの投与後の時間(時間単位):BL:手術前のベースライン値の判定;il;損傷同側足蹠;cl;非損傷反対側足蹠;◆――◆:0mg/kg(体重)il(コントロール);●――●:3mg/kg(体重)cl;■――■:30mg/kg(体重)il;◇――◇:0mg/kg(体重)il(コントロール);○――○:3mg/kg(体重)cl;□――□:30mg/kg(体重)cl)。
【0083】
統計的解析のために、PWT値が二つの方法で、一番目はPWT値を基準にした双方向ANOVA検定そして二番目は試験化合物又はビヒクル適用後6時間の間の曲線下面積(AUC)の値を基準にした一方向ANOVA検定で使用された。反復測定双方向ANOVA検定(repeated measures 2-way ANOVA test)(要因処理及び反復測定要因時間(factor treatment and repeated measures factor time))がPWT測定値で行われた。相互効果(処理×時間)が統計的に有意である場合は、ウィナーの補完的解析(Winer complementary analysis)がなされ、それぞれの時点での処理の効果を検討した。ダネット検定(Dunnett's test)が使用され、コントロール群と試験群の間の可能性のある相違を検討した。統計的に有意である抗異痛効果が実施例94の化合物の投与の1時間〜4時間後に3m/kg(体重)の投与量で、そして1時間〜6時間後に30mg/kg(体重)の投与量で観察された。
【0084】
長時間にわたる試験化合物の有効性の量的測定として、試験化合物又はビヒクル投与後1時間〜6時間後の時間の間の個々のPWT値の曲線下面積(AUC)(AUC1h−6h)が、それぞれの群の同側足蹠の場合に決定され、そして得られた値は同じ群の反対側足蹠の場合に決定された値から差し引かれ、それぞれの群のデルタAUC1h−6h(DeltaAUC1h-6h)値が付与された。実施例94の化合物の場合に得られた結果(平均値±SEM)は、表4に示された。統計的解析は、デルタAUC1h−6h値に基づいて一方向ANOVA検定を用いて行われた。実施例94の化合物の投与量、3mg/kg(体重)及び30mg/kg(体重)の両方の投与量で、ビヒクルのみで処理したコントロール群を上回る顕著な改善が達成された。
【0085】
【表4】

【0086】
表3及び2並びに図2に示された結果によって、本発明の化合物が、実質的に単回経口投与後の少なくとも4時間の間、接触性アロディニアを減少するか、又は完全になくすことさえ示され、従って様々なタイプの疼痛を処置するために本発明の化合物が、有用性があることが示されている。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例94の化合物を加えた薬理試験1で得られた時間経過・足蹠引っ込め潜時(PWL)平均値の経過時間を示す。
【図2】実施例94の化合物を加えた薬理試験2で得られた時間経過・足蹠引っ込み閾値(PWT)平均値の経過時間を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疼痛を処置する医薬を製造するための、任意の立体異性体形態の式I:
【化1】

{式中、
Aは、フェニレンであり、このフェニレンは、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及びトリフルオロメチルから選択される、一つ又はそれより多い、同一又は相異なる置換基によって置換されていてもよく;
1は、R78N及びHetから選択され;
2は、フェニル又はヘテロアリールであり、これらは、両方とも、一つ又はそれより多い、同一又は相異なるハロゲン、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、シアノ、(C1−C4)−アルキル−O−、(C1−C4)−アルキル−CO−NH−及び(C1−C4)−アルキル−S(O)2−から選択される置換基によって置換されていてもよく;
3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、そして同一又は相異なっていてもよく、水素、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメチル、シアノ及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択され;
7は、水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C5)−アルケニルから選択され;
8は、(C1−C4)−アルキル、(C1−C4)−アルキル−O−(C1−C4)−アルキル−、ジ((C1−C4)−アルキル)N−(C1−C4)−アルキル−、(C3−C5)−アルケニル、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル−、フェニル−(C1−C4)−アルキル−、インダニル及びピリジニル−(C1−C4)−アルキル−[ここで、シクロアルキル及びピリジニルは、一つ又はそれより多い、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよい]から選択され;
ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄から選択される、一つ又は二つの同一又は相異なる環へテロ原子を含む、単環式の5員又は6員の芳香族式ヘテロ環の残基であり;
Hetは、単環式の5員、6員又は7員の飽和又は一部不飽和のヘテロ環の残基[これは、環窒素原子を含み、この環窒素原子を介して基Hetは、基−A−S(O)2−と結合しており、そして、窒素、酸素及び硫黄から選択される更に一つの環へテロ原子を含んでいてもよく(ここでこの硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持っていてもよい)、そして、これは一つ又はそれより多い、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよい、そしてベンゼン環が縮合していてもよい(ここで、このベンゼン環は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及びトリフルオロメチルから選択される、一つ又はそれより多い、同一又は相異なる置換基によって置換されていてもよい)]である}
の化合物、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩の使用。
【請求項2】
Aが、1,4−フェニレンであり、この1,4−フェニレンは、ハロゲン、及び(C1−C4)−アルキルから選択される、一つ又は二つの、同一又は相異なる置換基によって置換されていてもよく;
1が、Hetであり、
このHetは、単環式の5員、6員又は7員のヘテロ環の残基[これは、飽和されており、そして環窒素原子を含み、この環窒素原子を介して基Hetは、基−A−S(O)2−と結合しており、そして、窒素、酸素及び硫黄から選択される更に一つの環へテロ原子を含んでいてもよく(ここでこの硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持っていてもよい)、そして、これは一つ又はそれより多い、同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよい]である、
任意の立体異性体形態の式Iの化合物、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩の、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
2が、フェニル又はヘテロアリールであり、これらは、両方とも、一つ、二つ又は三つの、同一又は相異なるハロゲン、(C1−C4)−アルキル及びトリフルオロメチルから選択される置換基によって置換されていてもよく;
基R3、R4、R5及びR6の中で、二つは水素であり、そして基R3、R4、R5及びR6の中で、他は、互いに独立して、そして同一又は相異なっていてもよく、水素、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択され;
ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄から選択される一つの環へテロ原子を含むか、又はその一つが窒素原子であり、他が窒素、酸素及び硫黄から選択される二つの環へテロ原子を含む、単環式の5員の芳香族式ヘテロ環の残基である、
任意の立体異性体形態の式Iの化合物、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩の、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
Aは、非置換1,4−フェニレンであり;
1は、Hetであり;
2は、フェニル又はヘテロアリールであり、これらは、両方とも、一つ、二つ又は三つの、同一又は相異なるハロゲン、及び(C1−C4)−アルキルから選択される置換基によって置換されていてもよく;
3及びR6は、水素であり、R4は、水素、ハロゲン、及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択され、そしてR5は、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキル−O−から選択され;
ヘテロアリールは、チオフェニル及び5員の芳香族式へテロ環残基から選択され、この5員の芳香族式へテロ環残基は、環窒素原子及び更に一つの窒素、酸素及び硫黄から選択される環へテロ原子を含み、
Hetは、単環式6員の飽和へテロ環残基であり、この単環式6員の飽和へテロ環残基は、環窒素原子をを含み、この環窒素原子を介して基Hetは、基−A−S(O)2−と結合し、そして酸素および硫黄から選択される更に一つの環へテロ原子を含んでいてもよく(ここでこの硫黄原子は、一つ又は二つのオキソ基を持っていてもよい)、そして、これは一つ、二つ、三つ又は四つの同一又は相異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されていてもよい、
任意の立体異性体形態の式Iの化合物、又は任意の比率の立体異性体形態の混合物、又はその生理学的に許容される塩の、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド、
2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド、
5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド、及び
5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド、
又はその生理学的に許容される塩から選択される、式Iの化合物の請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
医薬が、慢性筋骨格疾患に伴う疼痛、月経出血に伴う疼痛、関節疾患に伴う疼痛、炎症性疼痛、多発性硬化症に伴う疼痛、神経炎に伴う疼痛、癌に伴う疼痛、肉腫に伴う疼痛、AIDSに伴う疼痛、化学療法に伴う疼痛、切断疼痛、三叉神経痛、頭痛、神経障害性疼痛、損傷後疼痛、手術後疼痛、痛風発作に伴う疼痛、歯痛、顎骨外科的介入に伴う疼痛又は急性帯状疱疹疼痛の処置のためである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
医薬が、関節疾患に伴う疼痛、炎症性疼痛又は神経障害性疼痛の処置のためである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
医薬が、骨関節炎に伴う疼痛又は関節リウマチに伴う疼痛の処置のためである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
医薬が、腸炎症に伴う疼痛又は心筋炎症に伴う疼痛を処置するためである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
医薬が、帯状疱疹後神経痛、代謝機能障害によって生じる神経障害性疼痛、糖尿病性多発性神経障害に伴う神経障害性疼痛、外科的介入後の神経障害性疼痛又は化学療法によって誘発される神経障害性疼痛を処置するためである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその生理学的に許容される塩と、一つ又はそれより多い薬学的に許容される担体物質及び添加剤を投与及び投薬のための形態にすることを含んでなる、疼痛を処置する医薬の製造方法。
【請求項12】
疼痛を処置する医薬を製造するための可溶性のグアニル酸シクラーゼの活性剤又は刺激剤の使用。
【請求項13】
医薬が、慢性筋骨格疾患に伴う疼痛、月経出血に伴う疼痛、関節疾患に伴う疼痛、炎症性疼痛、多発性硬化症に伴う疼痛、神経炎に伴う疼痛、癌に伴う疼痛、肉腫に伴う疼痛、AIDSに伴う疼痛、化学療法に伴う疼痛、切断術疼痛、三叉神経痛、頭痛、神経障害性疼痛、損傷後疼痛、手術後疼痛、痛風発作に伴う疼痛、歯痛、顎骨外科的介入に伴う疼痛又は急性帯状疱疹疼痛を処置するためである、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
医薬が、関節疾患に伴う疼痛、炎症性疼痛又は神経障害性疼痛の処置のためである、請求項12又は13に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−540581(P2010−540581A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527352(P2010−527352)
【出願日】平成20年9月20日(2008.9.20)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007953
【国際公開番号】WO2009/043495
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】