説明

痔疾治療用軟膏及びその製造方法

本発明は痔疾治療用軟膏に関する、ヒトデとフグの卵を用意して粉末化させる基礎混合物形成過程、基礎混合物形成過程で形成されたフグの卵の粉末、ヒトデの粉末にバナナ、塩、水を混ぜて混合させる混合物形成過程、上記混合物形成過程によって形成された混合物を容器に収容させて、アルコールを混合させるアルコール混合過程と上記アルコール混合過程を経た混合物に対して、混合物が充填された容器に熱を加えて間接熱伝達によってアルコールを発火させて発火された状態で混合物を再び混合させる加熱混合過程、それから加熱混合過程を経た混合物を常温で自然冷却によって冷却させる冷却過程を含めて構成される痔疾治療用軟膏の製造方法及びこの方法によって製造される痔疾治療用軟膏を技術的特徴とする。これによって、製造が手軽で同時に軟膏タイプで製造されて使用に便利で、保管などが容易で痔疾治療などに効果が発揮されるという利点がある。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は痔疾治療用軟膏に関するもので、さらに詳しくはフグの粉末を主原料として軟膏を製造して切れ痔(裂肛)、いぼ痔(イボ痔・痔核)、痔瘻などに使用される痔疾治療用軟膏に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にフグ料理は昔から食べ物の中で淡白な味として親しまれてきたが、準備が徹底されなければ毒性による被害が発生することもあった。なぜならばフグにはテトロドトキシン(tetrodotoxin)として知られる茶色の液体の毒が存在するからである。従って専門的な技術を有する料理人でなければフグを調理することはできない。即ち、フグの毒は猛毒であるため常に注意が必要である。
【0003】
上記テトロドトキシンは300℃の高温でも分解されなくて、酸性が強く、いかなる調味料でも毒性を消失することはできず、塩酸中でのみゆっくりと毒性が消失することが知られている。この毒素は青酸カリ(シアン化カリウム、KCN)の13倍の毒性があり、約0.5mgなら体重50kgの成人一人を即死させるほどの猛毒であると知られている。
【0004】
ところが、上記フグの猛毒を治療用で利用する試みがなされていて、フグの毒性は現代医学の神経治療で重要な役割を担っている。即ち、フグの毒に含まれるテトロドトキシンを希釈して神経痛、関節炎(arthritis)、リウマチ性関節炎(rheumatic arthritis)の鎮痛剤として使用され、破傷風の痙攣、ぜん息、発作などに鎮静効果があると知られている。
【0005】
従来の技術によったフグの卵を利用した痔疾治療剤では本人が先に出願した大韓民国特許庁公開特許公報公開番号特2002-64807号に紹介されている。
【0006】
上記従来の技術はフグから採ったフグの卵を0℃〜30℃で50日〜150日の間熱処理させる熱処理乾燥過程、熱処理されたフグの卵を粉砕して粉末で形成させる粉末形成過程、粉末で形成されたフグの卵を塩化ナトリウムと混ぜて混合物を形成させる混合過程を含んで構成されて、アルコールを利用して上記混合物を焼いて燻蒸するように構成されて、上記従来の技術は過程が複雑なだけなく、痔疾治療のため燻蒸という手続きを経るので過程が複雑で、使用が煩わしいなどという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記した従来の技術の問題点を解決するためになされ、製造の手軽さと同時に軟膏タイプで製造されて使用に便利で、保管などが容易な痔疾治療用軟膏の製造方法及びこの方法によって製造された痔疾治療用軟膏を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、ヒトデとフグの卵を用意して粉末化させる基礎混合物形成過程、基礎混合物形成過程で形成されたフグの粉末、ヒトデの粉末にバナナ、塩、水を混ぜて混合させる混合物形成過程、上記混合物形成過程によって形成された混合物を容器に収容させて、アルコールを混合させるアルコール混合過程、上記アルコール混合過程を経た混合物に対して、混合物が充填された容器に熱を加えて間接熱伝達によってアルコールを発火させて発火された状態で混合物を再び混合させる加熱混合過程、それから加熱混合過程を経た混合物を常温で自然冷却によって冷却させる冷却過程を含めて構成される痔疾治療用軟膏の製造方法を技術的特徴とする。
【0009】
それから本発明はヒトデとフグの卵を乾燥して粉末化させた後、バナナ、塩、水を混ぜて容器に収容させて混合物を形成させて、アルコールを混合させて、容器を加熱する間接熱伝達によってアルコールを発火させて発火された状態で混合物を再び混合させた後、混合物を常温で冷却させることによって形成される痔疾治療用軟膏をまた技術的特徴とする。
【0010】
ここで、上記ヒトデとフグの卵は0℃〜30℃で50日〜150日間熱処理乾燥して粉末化されて、上記混合される混合物はフグ:ヒトデ:バナナ:塩:水の混合比が重量比で1:0.1〜0.5:10〜20:0.05〜0.1:2〜5程度となり、上記混合物にはラッパ巻き貝粉末がさらに添加されることが望ましい。
【0011】
これによって、製造の手軽さと同時に軟膏タイプで製造されて使用に便利で、保管などが容易で痔疾治療などに効果を発揮するという利点がある。
【0012】
以下添付された図面を参照しながら本発明を詳しく説明する。
【0013】
図1は本発明による製造過程を示した工程図である。
【0014】
図示されたように、本発明による痔疾治療用軟膏の製造方法は基礎混合物形成過程、混合物形成過程、アルコール混合過程、加熱混合過程、それから冷却過程で構成される。
【0015】
まず基礎混合物形成過程について説明する。
【0016】
上記基礎混合物形成過程はフグの粉末及びヒトデの粉末を用意する過程である。
フグの粉末はテトロドトキシンを含有したフグの卵を利用して製造される。
【0017】
まずフグからフグの卵を採取する。この時使用されるフグはヒロサバフグ、シマフグ、トラフグ、マフグなどが考えられ、トラフグが効能がもっとも良く、フグの卵は固まりのまま採取する。
【0018】
採れたフグの卵は熱処理乾燥過程を経ることになるが、上記熱処理乾燥過程は約0℃〜30℃の温度で約50日〜150日の間行われる。
また上記熱処理乾燥過程は常温において日陰で行っても差し支えない。
【0019】
固まりの状態のフグの卵に対して上記熱処理乾燥過程が行われる際、フグの卵に含まれた水分は全部除去される。
【0020】
ここで上記熱処理過程が低温または常温でなされることはフグの卵の固まりの解体を防止すると同時にフグの卵に含まれた毒素の消失を防止させためである。
【0021】
上記熱処理乾燥過程を経たフグの卵を粉末にする過程で、ゴムハンマーなどを利用して乾燥したフグの卵の固まりに一定の衝撃を加えて粉末形態を形成する。ここから上記フグの卵は粒単位別に分けて形成しても差し支えない。
【0022】
上記ヒトデの粉末もテトロドトキシンを含有したヒトデを利用して製造され、ヒトデを約0℃〜30℃の温度で約50日〜150日間乾燥させる。その後、ハンマーなどを利用して乾燥したヒトデに一定の衝撃を加える方式でヒトデを粉末化する。
【0023】
上記ではフグの卵とヒトデを乾燥して粉末化することについて説明したが、フグの卵及びヒトデを乾燥させなかった状態でミキサーなどを利用して製粉する方式で粉末化させても差し支えなく、これもまた発明の範疇に属する。
【0024】
上記の過程が終われば、フグの粉末及びヒトデの粉末の準備が終わる。
【0025】
続いて混合物形成過程が行われ、上記基礎混合物形成過程で準備されたフグの粉末及びヒトデの粉末を容器に収容して、容器にバナナ、塩、水を一定量収容した後、相互に混合する。
【0026】
必要に応じて、ラッパ巻き貝粉末を一定量混ぜても差し支えない。この時、混合物はフグ:ヒトデ:バナナ:塩:水:ラッパ巻き貝の混合比が重量比で1:0.1〜0.5:10〜20:0.05〜0.1:2〜5:0.1〜0.5程度になるように相互に混合する。
【0027】
混合物形成過程が終わるとアルコール混合過程が行われ、アルコール混合過程では上記混合物が収容された容器に一定量のアルコールを付け加えて混合させる方式で進む。
【0028】
その後、加熱混合過程が行われ、アルコールが混合されて、容器に収容された混合物を間接熱伝達方式で加熱する方法で進む。
【0029】
上記混合物が加熱されると、アルコールが発火し、アルコールが発火した状態で容器に混合された混合物をかき混ぜながら相互に再び混合して、発火した火はアルコールが全部消費されるまで点火された状態を保つ。アルコールが消費されれば火が消えるようになる。
【0030】
上記の過程によって加熱混合過程が終われば冷却過程が行われ、冷却過程は常温から自然冷却する方式で進む。
【0031】
冷却過程が終わると、本発明による痔疾治療用軟膏が得られ、痔疾治療用軟膏はゲル状態でどろりとした軟膏形態になる。
【0032】
上記の過程によって得られた痔疾治療用軟膏は痔疾、痔瘻などに塗る形態で使用される。
【発明の効果】
【0033】
上記の過程による本発明は製造の手軽さと同時に軟膏タイプで製造されて使用に便利で、保管などが容易だという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明による痔疾治療用軟膏の製造方法は、ヒトデとフグの卵を用意して粉末化させる基礎混合物形成過程、基礎混合物形成過程で形成されたフグの粉末、ヒトデの粉末にバナナ、塩、水を混ぜて混合させる混合物形成過程、上記混合物形成過程によって形成された混合物を容器に収容させて、アルコールを混合させるアルコール混合過程、上記アルコール混合過程を経た混合物に対して、混合物が充填された容器に熱を加えて間接熱伝達によってアルコールを発火させて、発火された状態で混合物を再び混合させる加熱混合過程、それから加熱混合過程を経た混合物を常温で自然冷却によって冷却させる冷却過程を含んで構成されるのが望ましい。
【0035】
上記基礎混合物形成過程はヒトデとフグの卵を0℃〜30℃で50日〜150日間熱処理乾燥によって行われることも可能で、混合物形成過程で混合される混合物はフグ:ヒトデ:バナナ:塩:水の混合比が重量比で1:0.1〜0.5:10〜20:0.05〜0.1:2〜5程度で実施することもでき、混合物形成過程ではラッパ巻き貝粉末をさらに添加して実施することも可能である。
【0036】
上記の方法で製造された痔疾治療用軟膏はヒトデとフグの卵を乾燥して粉末化した後、バナナ、塩、水を混ぜて容器に収容して混合物を形成し、アルコールを混合して、容器を加熱する間接熱伝達によってアルコールを発火させ、発火された状態で混合物を再び混合した後、混合物を常温で冷却することによって形成され、混合物にはラッパ巻き貝粉末を添加して構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による痔疾治療用軟膏の製造過程を示した工程図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトデとフグの卵を用意して粉末化させる基礎混合物形成過程、基礎混合物形成過程で形成されたフグの卵の粉末、ヒトデの粉末にバナナ、塩、水を混ぜて混合させる混合物形成過程、上記混合物形成過程によって形成された混合物を容器に収容させて、アルコールを混合させるアルコール混合過程、上記アルコール混合過程を経た混合物に対して、混合物が充填された容器に熱を加えて間接熱伝達によってアルコールを発火させて発火された状態で混合物を再び混合させる加熱混合過程、それから加熱混合過程を経た混合物を常温で自然冷却によって冷却させる冷却過程を含んで構成されることを特徴とする痔疾治療用軟膏の製造方法。
【請求項2】
上記基礎混合物形成過程はヒトデとフグの卵を0℃〜30℃で50日〜150日の間熱処理乾燥することにより実行されることを特徴とする、請求項1に記載の痔疾治療用軟膏の製造方法。
【請求項3】
第上記混合物形成過程で混合される混合物はフグ:ヒトデ:バナナ:塩:水の混合比が重量比で1:0.1〜0.5:10〜20:0.05〜0.1:2〜5程度となることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の痔疾治療用軟膏の製造方法。
【請求項4】
上記混合物形成過程にはラッパ巻き貝粉末がさらに付け加わることを特徴とする、請求項3に記載の痔疾治療用軟膏の製造方法。
【請求項5】
ヒトデとフグの卵を乾燥して粉末化させた後、バナナ、塩、水を混ぜて容器に収容して混合物を形成し、アルコールを混合させて、容器を加熱する間接熱伝達によってアルコールを発火させて発火された状態で混合物を再び混合させた後、混合物を常温で冷却させることにより形成されることを特徴とする痔疾治療用軟膏。
【請求項6】
上記混合物にはラッパ巻き貝粉末がさらに添加されることを特徴とする、請求項5に記載の痔疾治療用軟膏。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2007−509134(P2007−509134A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536449(P2006−536449)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002680
【国際公開番号】WO2005/039608
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(506088584)
【Fターム(参考)】