説明

癌の治療のためのサリドマイドとアルテミシニンとを含む組成物

本発明は、癌の治療、特に多発骨髄腫などの血液学的悪性腫瘍の治療のための医薬組成物に関する。具体的に、本発明は、サリドマイドまたはその誘導体またはその塩もしくは溶媒和化合物と、1つ以上のアルテミシニン化合物またはその塩もしくは溶媒和化合物と、1つ以上の医薬的に許容可能な担体および/または賦形剤とを含む、癌の治療のための医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌の治療のため、特に多発骨髄腫などの血液学的悪性腫瘍の治療のための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
癌または悪性新生物は、細胞群が、無制御な成長(通常の限界を超えた分裂)、浸潤(隣接する組織への侵入およびその破壊)、および時には転移(リンパまたは血液を介した体内の他の場所への広がり)を見せる疾患の分類である。癌の悪性の性質は、自己限定性でありかつ浸潤したり転移したりしない良性腫瘍とは区別される。大部分の癌は腫瘍を形成するが、白血病のように腫瘍を形成しないものがある。
【0003】
癌は一般的に、腫瘍に似る細胞の種類、およびしたがって腫瘍の起源と推定される組織によって分類される。一般的なカテゴリの例は以下を含む。
【0004】
癌腫:上皮細胞に由来する悪性腫瘍。この群は、乳癌、前立腺癌、肺癌、および大腸癌という一般的な形態を含む最も一般的な癌を表わす。
【0005】
肉腫:結合組織または間葉細胞に由来する悪性腫瘍。
胚細胞:全能細胞に由来する腫瘍。成人においては睾丸および卵巣に最もしばしば見られ;胎児、乳児、および幼児においては体の中線、特に尾骨の先端に最もしばしば見られる。
【0006】
芽細胞腫:未成熟組織または胚組織に似る(通常は悪性の)腫瘍。これらの腫瘍の多くは子供に最も一般的である。
【0007】
血液学的:造血(血液形成)細胞に由来する血液学的悪性腫瘍。
血液学的悪性腫瘍は、血液、骨髄、およびリンパ節に影響を及ぼす癌の種類である。この3つは密接に関連しているため、3つのうち1つに影響を及ぼす疾患はしばしば他にも影響を及ぼす。一例として、リンパ腫は専門的にはリンパ節の疾患であるが、これはしばしば骨髄に広がって血液に影響を及ぼす。
【0008】
血液学的悪性腫瘍が由来する正常細胞系統は一般的に2つあり、すなわち骨髄性およびリンパ性である。前者は通常、顆粒球、赤血球、血小板、マクロファージ、および肥満細胞を産生し、後者はB、T、NK、および血漿細胞を産生する。リンパ腫、急性リンパ球性白血病、および骨髄腫はリンパ球系からのものである一方で、急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、および骨髄増殖性疾患は起源が骨髄性である。
【0009】
MM骨髄腫または血漿細胞骨髄腫とも示される多発骨髄腫は白血球またはB細胞の癌である。多発骨髄腫は不治であるが、ステロイド、化学療法、サリドマイド、および幹細胞移植によって寛解が誘導されることがある。
【0010】
化学的にはN−フタルイミド)グルタルイミドまたは2−(2,6−ジオキソ−3−ピペリジニル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンと示されるサリドマイドは、THALOMIDという商品名で販売されているラセミ化合物である。
【0011】
サリドマイドの2つの鏡像体、すなわち(S)−サリドマイドおよび(R)−サリドマイド、のうち、(R)−サリドマイド鏡像体は一般的に医薬的に有効である。(S)−サリドマイドは催奇性で、先天性異常の原因と考えられている。しかしながら、(R)−サリドマイド鏡像体はインビボで(S)−サリドマイド鏡像体に変換される。したがって、(R)−サリドマイド鏡像体のみを投与すると、(R)鏡像体と(S)鏡像体との両方の血中濃度が生じ、これにより催奇形効果などの(S)鏡像体の副作用を防止できなくなる。
【0012】
サリドマイドはまず、その抗脈管形成活性による多発骨髄腫の治療のための単剤として試験された。それ以来、多数の研究は、与えられるデキサメタゾンと組合せたサリドマイドが多発骨髄腫の患者の生存を増したことを示した。デキサメタゾンとの、またしばしばメルファランとのサリドマイドの組合せは、新しく多発骨髄腫と診断された患者のための現在最も一般的な療法の1つであり、奏効率は60−70%まで向上している。
【0013】
しかしながら、サリドマイドの投与は、多発神経疾患、疲労、皮膚の発疹、および卒中もしくは心筋梗塞を招く可能性がある静脈血栓塞栓症(VTE)または血餅などの副作用も生じることがある。多発骨髄腫の患者におけるサリドマイドと関連付けられるVTEの体系的検討の後、サリドマイドが予防策なしに投与された場合はVTEの率が26%にまで達すると報告された。
【0014】
とりわけ、これらの副作用のために、化学的に3−(4−アミノ−1−オキソ 1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)ピペリジン−2,6−ジオンと示されかつレブリミドとして販売されているレナリドマイド、および化学的に[(1R)−3−メチル−1−[[(2S)−3−フェニル−2−(ピラジン−2−カルボニルアミノ)プロパノイル]アミノ]ブチル]ボロン酸と示されかつベルケイドとして販売されているボルテゾミブなどのサリドマイドの誘導体が開発された。化学的に4−アミノ−2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)イソインドール−1,3−ジオンと示される別の類似物であるアクチミド(CC−4047)は臨床試験段階にある。
【0015】
ジヒドロアルテミシニン(セスキテルペンラクトン)は、アルテミシニン、アーテスネート、アーテメター、アルテリン酸、アルテニモール、またはアルテモチルなどのすべてのアルテミシニン誘導体および類似物の活性代謝産物である。マラリアの治療、特に熱帯マラリアの多剤耐性株の治療のために、ジヒドロアルテミシン、またはアルテミシニン、アーテスネート、アーテメター、アルテミシン酸、アルテニモール、もしくはアルテモチルなどのそのプロドラッグのいずれかを用いる。化合物は、植物クソニンジンから単離可能である、および/または化学的に合成可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
癌、特に多発骨髄腫などの血液学的悪性腫瘍の治療のための新規の医薬組成物に対する技術分野の連続的な必要性が存在する。したがって、本発明の目標は、他の目標のうち、癌、特に多発骨髄腫などの血液学的悪性腫瘍の治療のための新規の医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
他の目標のうち、この目標は、添付の請求項1に規定されるような医薬組成物によって本発明によって満たされる。
【0018】
特に、他の目標のうち、この目標は、癌の治療のための医薬組成物であって、
−サリドマイドまたはその誘導体またはその塩もしくは溶媒和化合物と、
−1つ以上のアルテミシニン化合物またはその塩もしくは溶媒和化合物と、
−1つ以上の医薬的に許容可能な担体および/または賦形剤と、を含む、医薬組成物によって満たされる。
【0019】
本発明者は、驚くべきことに、以上で規定されるような医薬組成物が、組成物の構成要素、すなわちサリドマイドおよびジヒドロアルテミシニン、の別個の活性に帰することができない相乗的抗癌活性を与えることを発見した。
【発明を実施するための形態】
【0020】
サリドマイドまたはその誘導体は、ラセミ体のサリドマイド、ステレオメリックに(stereomerically)富化された(enriched)もしくはステレオメリックに純粋なサリドマイド、またはその誘導体、および医薬的に許容可能な塩、溶媒和化合物、水和物、立体異性体、包接化合物、およびそのプロドラッグを含む。
【0021】
本医薬的に許容可能な塩を形成する好適な有機酸は、たとえば、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、酢酸、蟻酸、蓚酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、桂皮酸、オレイン酸、タンニン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルコン酸、グルカル酸(glucaronic)、糖酸、イソニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、またはパモ(すなわち、1,1′−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸)酸を含む。好適な無機酸は、たとえば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、または硝酸を含む。
【0022】
本医薬的に許容可能な塩を形成する好適な有機塩基は、たとえば、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(meglumaine)(N−メチルグルカミン)、リシン、およびプロカインを含む。
【0023】
本発明に従う医薬組成物は、個別の単一ユニット剤形の調製に用いることができる。
本発明に従う医薬組成物および剤形は、経口、粘膜、舌下、膣、口内、または直腸、非経口、皮下、静脈内、大量注射、筋肉内、または動脈内、経皮、または皮膚を通しての投与に好適である。
【0024】
剤形の例は、たとえば、錠剤、キャプレッツ、軟らかい弾力性ゼラチンカプセルなどのカプセル、カシェ剤、トローチ、ロゼンジ、分散液、坐剤、粉末、エアロゲル、ゲル、水性もしくは非水性液体懸濁液、水中油型乳剤もしくは油中水型液体乳剤、溶液、もしくはエリキシル剤などの経口または粘膜投与に好適な液体剤形を含む。
【0025】
本発明に従う好適な賦形剤は、たとえば、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、防腐剤、着色剤、デンプン、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、充填剤、バインダ、および/または崩壊剤を含む。
【0026】
バインダの例は、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン、もしくは他のデンプン、ゼラチン、アラビアゴムなどの天然および合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化トラガカントゴム、ガーゴム、セルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、およびその混合物を含む。
【0027】
充填剤の例は、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末化セルロース、デキストレイト、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、およびその混合物を含む。
【0028】
崩壊剤の例は、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、グリコール酸デンプンナトリウム、馬鈴薯もしくはタピオカデンプン、他のデンプン、α化デンプン、他のデンプン、クレイ、他のアルギン、他のセルロース、ゴム、およびその混合物を含む。
【0029】
潤滑剤の例は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、胡麻油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル(ethyl laureate)、寒天、およびその混合物を含む。
【0030】
好ましい実施形態に従うと、本発明は医薬組成物に関し、本サリドマイド誘導体は、レナリドマイド、ボルテゾミブ、アクチミド、CC−5013、およびCC−4047からなる群から選ばれるが、抗脈管形成または抗増殖活性などの抗癌活性を有する他の誘導体も本発明に包含される。
【0031】
別の好ましい実施形態に従うと、本発明は医薬組成物に関し、本1つ以上のアルテミシニン化合物は、ジヒドロアルテミシニン、アルテミシニン、アーテスネート、アーテメター、アルテリン酸、アルテニモール、およびアルテモチルからなる群から選ばれるが、セスキテルペンラクトン構造を有する他のアルテミシニン化合物が本発明に包含される。
【0032】
また別の好ましい実施形態に従うと、本発明は医薬組成物に関し、本1つ以上のアルテミシニン化合物は、一般式(I)に従うアルテミシニン誘導体であって
【0033】
【化1】

【0034】
位置1および/または位置2で、N−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)カルバミン酸メチル、メトキシ酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、5−フルオロ−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、酢酸塩、酪酸塩、n−酪酸塩、イソ酪酸塩、プロピオン酸塩、n−プロピオン酸塩、ペンタン酸プロピル、バルプロ酸塩、イソプロピルエステル、多価アルコール酸、グリセリン酸(2,3−ジヒドロキシプロピオン酸、2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸、3,4−ジヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロキシ酪酸、1,3−ジヒドロキシプロパン−1,2−ジカルボン酸、多価アルコール酸、糖酸、およびグルクロン酸からなる群から選択される部分で置換される。
【0035】
さらに別の好ましい実施形態に従うと、本発明は医薬組成物に関し、本アルテミシニン化合物は一般式(I)に従うアルテミシニン誘導体であって
【0036】
【化2】

【0037】
位置1および/または位置2で、C1からC8のアルキルまたはアリール部分で置換される、分岐されるもしくは非分岐である、置換されるもしくは非置換である。
【0038】
本部分は、好ましくは、スルフィド(−S−)、エーテル(−O−)、エステル(−OCO−)またはアミン(−N−)結合によってアルテミシニン化合物に共有結合される。
【0039】
本発明の特に好ましい実施形態に従うと、本部分は位置1で本アルテミシニン化合物に共有結合される。
【0040】
本発明の別の特に好ましい実施形態に従うと、本部分は位置2で本アルテミシニン化合物に共有結合される。
【0041】
本発明に従うと、式(I)に従う化合物は、好ましくは、ジヒドロアルテミシニン、アンヒドロジヒドロアルテミシニン、およびデオキソアルテミシニンからなる群から選択される化合物に由来する。
【0042】
式(I)に従う化合物は、抗マラリア薬であるアルテミシニン、すなわちジヒドロアルテミシニン(DHA)の生合成の公知の中間体に由来することができる。
【0043】
ジヒドロアルテミシニンの場合、初期アルテミシニン誘導体の位置1は、たとえばエステル化(estrification)反応またはエーテル化反応による位置1への本部分の共有結合を可能にする−OH基を含む。そのような反応は有機化学の分野では常識であり、たとえば、Organic Chemistry, John McMurry, Brooks/Cole, 6th editionなどの大抵の有機化学の教科書に見い出すことができる。
【0044】
式(I)に従う化合物を提供するための別の開始化合物はデオキソアルテミシニンである。この開始化合物において、−OHなどの可能な結合基は位置2に設けられる。
【0045】
式(I)に従う化合物のための別の開始化合物はアンヒドロジヒドロアルテミシニン(AHA)である。この化合物は、たとえば、位置1に対応の誘導体を与えるO、N、もしくはSの求核反応によって、または位置2での逆マルコフニコフ(anti-markofnikoff)付加によるヒドロキシル化反応によって、位置1または位置2への生物学的に活性の化合物の共有結合を中間反応を通して可能にする、位置1と2との間の二重結合を含む。
【0046】
そのような反応は有機化学の分野では常識であり、たとえばOrganic Chemistry, John McMurry, Brooks/Cole, 6th editionなどの大抵の有機化学の教科書に見い出すことができる。
【0047】
したがって、本発明の好ましい実施形態に従うと、本発明に従うアルテミシニン化合物は、ジヒドロアルテミシニン、アンヒドロジヒドロアルテミシニン、およびデオキソアルテミシニンからなる群から選ばれる化合物に由来する。
【0048】
本発明のより好ましい実施形態に従うと、医薬組成物は、式(II)
【0049】
【化3】

【0050】
に従うアルテミシニン化合物を含む。
本発明の別のより好ましい実施形態に従うと、医薬組成物は、式(III)
【0051】
【化4】

【0052】
に従うアルテミシニン化合物を含む。
本発明のまた別のより好ましい実施形態に従うと、医薬組成物は、式(IV)
【0053】
【化5】

【0054】
に従うアルテミシニン化合物を含む。
本発明のさらに別のより好ましい実施形態に従うと、医薬組成物は、式(V)
【0055】
【化6】

【0056】
に従うアルテミシニン化合物を含む。
本発明のさらなるより好ましい実施形態に従うと、医薬組成物は、式(VI)
【0057】
【化7】

【0058】
に従うアルテミシニン化合物を含む。
本発明のまたさらなるより好ましい実施形態に従うと、医薬組成物は、式(VII)
【0059】
【化8】

【0060】
に従うアルテミシニン化合物を含む。
本発明のさらにさらなるより好ましい実施形態に従うと、医薬組成物は、式(VIII)
【0061】
【化9】

【0062】
に従うアルテミシニン化合物を含む。
本発明のまた別のさらなるより好ましい実施形態に従うと、医薬組成物は、式(IX)
【0063】
【化10】

【0064】
に従うアルテミシニン化合物を含む。
本発明のさらに別のさらなるより好ましい実施形態に従うと、医薬組成物は、式(X)
【0065】
【化11】

【0066】
に従うアルテミシニン化合物を含む。
本発明のその後のさらなるより好ましい実施形態に従うと、医薬組成物は、式(XI)
【0067】
【化12】

【0068】
に従うアルテミシニン化合物、または式(XII)
【0069】
【化13】

【0070】
に従うアルテミシニン化合物、または式(XIII)
【0071】
【化14】

【0072】
に従うアルテミシニン化合物、または式(XIV)
【0073】
【化15】

【0074】
に従うアルテミシニン化合物、または式(XV)
【0075】
【化16】

【0076】
に従うアルテミシニン化合物、または式(XVI)
【0077】
【化17】

【0078】
に従うアルテミシニン化合物、を含む。
本医薬組成物は好ましくは、癌腫、肉腫、胚細胞、芽細胞腫、および血液学的からなる群から選ばれる癌、好ましくは血液学的悪性腫瘍、の治療のために用いられる。
【0079】
本医薬組成物はより好ましくは、リンパ腫、急性リンパ球性白血病、骨髄腫、急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、および骨髄増殖性疾患からなる群から選ばれる血液学的悪性腫瘍、最も好ましくは多発骨髄腫、の治療のために用いられる。
【0080】
別の局面に従う本発明は、本癌の治療のための本医薬組成物の使用に関する。
また別の局面に従う本発明は、本癌の治療のためのサリドマイドまたはその誘導体および本アルテミシニン化合物のうち1つ以上の使用に関する。
【0081】
本発明は、本発明の好ましい実施形態の以下の実施例にさらに詳述される。
実施例
【実施例1】
【0082】
本発明に従うアルテミシニン化合物の一般的合成
【0083】
【化18】

【0084】
式中、R1およびR2は、少なくともR1またはR2が本発明に従う生物学的に活性の分子であるという条件で、Hまたは本発明に従う生物学的に活性の分子である。
【0085】
75mlの液体NH3を含有する三つ口フラスコの中に、約0.1gの小片のNaを加え、次にメチルベンズイミダゾール誘導体2.37g(10mmol)をゆっくりと加え、攪拌のために混合物をセットした。反応混合物から少量を採取することにより、薄層クロマトグラフィによって反応をモニタした。
【0086】
2時間後、反応は完了し、その後塩化アンモニウムの添加によって反応をクエンチし、アンモニウムを蒸発させた。
【0087】
水の注意深い添加によって過剰なNaを中和し、結果的に得られた生成物をエーテルで繰返し抽出し、ジクロロメタン/ヘキサンから再結晶化して所望の生成物1.8g(8.07mmol、80.7%)を生じた。
【実施例2】
【0088】
チオベンズイミダゾール誘導体:5−(ジヒドロアルテミシニルチオ)−1H−ベンズ[ジ]イミダゾール−2−イルカルバミン酸メチル(1a)の合成
【0089】
【化19】

【0090】
乾燥ジエチルエーテル(50ml)中のジヒドロアルテミシニン(DHA、2.56g、9mmol)およびベンズイミダゾール誘導体(N−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)カルバミン酸メチル、1.80g、8.07mmol)の攪拌溶液に三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル(1ml)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、その後飽和水性NaHCO3でクエンチし、MgSO4の上で乾燥した。
【0091】
濾過および濾液の濃縮は残渣を与え、これは、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いたクロマトグラフィにより黄色い固体(エピマーの混合物)としての生成物を与えた。収率は2.37g(70%)であり、m.p.168−170℃であった。
【0092】
1H NMR:0.85−1.81(m、17H)、1.97−2.03(m、1H)、2.13−2.23(m、1H)、2.23−2.28(m、0.5H)、3.75(s、3H)、4.78(s)、4.81(s)、5.41(s、1H)、5.56−5.66(2つの一重項、1H)、7.18−7.38(m、2H)、7.55−7.62(m、1H)。
【実施例3】
【0093】
5−(ジヒドロアルテミシニルオキシ)−1H−ベンズ[ジ]イミダゾール−2−イルカルバミン酸メチル(1b)の合成
【0094】
【化20】

【0095】
クロマトグラフィ用の溶離剤が酢酸エチル/ヘキサン勾配モード(5:95−10:90)であったことを除き、実施例2に記載の方法を用いて3.42g(12mmol)のDHAをN−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)カルバミン酸メチル(1.94g、10mmol)と反応させた。
【0096】
得られた生成物を、ジクロロメタン(エピマーの混合物)から、黄色い固体(2.98g、63%)、m.p.172−175℃としてさらに再結晶化した。
【0097】
1H NMR:0.86−1.80(m、17H)、1.99−2.02(m、1H)、2.13−2.23(m、1H)、2.23−2.28(m、0.5H)、3.71(s、3H)、4.78(s)、5.50(m、1H)、(s)、5.41(s、1H)、5.56−5.58(2つの単一項、1H)、6.78−6.90(m、1H)、7.25−7.69(m、2H)。
【実施例4】
【0098】
2−((ジヒドロアルテミシニルカルボニル)メトキシ)酢酸(2a)の合成
【0099】
【化21】

【0100】
ジクロロメタン(50ml)中のDHA(2.84g、10mmol)の攪拌溶液に4−(ジメチルアミノ)ピリジン(1.95g、16mmol)およびジグリコール酸無水物(3.48g、30mmol)を加え、反応混合物を一晩連続して攪拌した。
【0101】
溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いたカラムクロマトグラフィによって精製して白色の固体(3.80g、95%)としての生成物を与えた。酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化は白色の針晶(m.p.168−171℃)を与えた。
【0102】
【表1】

【実施例5】
【0103】
ジヒドロアルテミシニル−2,2−ジクロロ酢酸の合成
【0104】
【化22】

【0105】
クロマトグラフィ用の溶離剤が酢酸エチル/ヘキサン(5:95)であったことを除き、上記方法を用いた合成のために、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(1.95g、16mmol)、ジグリコール酸無水物(3.48g、30mmol)、およびDHA(2.84g、10mmol)を用いた。生成物は黄色い固体(3.44g、87%)、m.p.160−163℃として得られた。
【0106】
【表2】

【実施例6】
【0107】
5−フルオロ−4−(ジヒドロアルテミシニルアミノ)ピリミジン−2(1H)−オンの合成
【0108】
【化23】

【0109】
乾燥ジエチルエーテル(50ml)中のDHA(2.56g、9mmol)およびF−ウラシル(1.04g、8.05mmol)の攪拌溶液に三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル(1ml)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、その後飽和水性NaHCO3でクエンチし、MgSO4の上で乾燥した。
【0110】
濾過および濾液の濃縮は残渣を与え、これは、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いたクロマトグラフィにより、黄色い固体(エピマーの混合物、2.36g、74%)、m.p.165−17℃としての生成物を与えた。
【0111】
【表3】

【実施例7】
【0112】
アンヒドロジヒドロアルテミシニン(AHA)の合成
【0113】
【化24】

【0114】
0℃のDHA(2.56g、9mmol)の攪拌溶液に三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル(3ml)を加え、混合物をゆっくりと室温にして2時間攪拌し、その後飽和水性NaHCO3でクエンチし、MgSO4の上で乾燥した。
【0115】
濾過および濾液の濃縮は残渣を与え、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いたクロマトグラフィで白色の固体(2.15g、90%)、m.p.95−98℃としての生成物を与えた。
【0116】
【表4】

【実施例8】
【0117】
デオキソアルテミシニンの合成
【0118】
【化25】

【0119】
アルゴン雰囲気下の50ml丸底フラスコ中の乾燥CH2Cl2(16ml)中のジヒドロアルテミシニン(ADH、456mg、1.6mmol)の溶液を−2℃に冷却した。この溶液に、トリエチルシラン(0.40ml、2.4mmol)および三フッ化ホウ素エーテラート(0.24ml、1.92mmol)を加えた。次に溶液を2時間かけて5℃まで温め、その後15mlの水を加えた。
【0120】
有機層を分離し、水で数回洗浄し、Na2SO4の上で乾燥した。溶液を濃縮し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/CH2Cl2/6:4)で精製して380mgの純粋な生成物(88%)、m.p.104−106℃を与えた。
【0121】
【化26】

【0122】
THF(20ml)中のアンヒドロジヒドロアルテミシニン(AHA)(2.08g、7.8mmol)の溶液に、氷での冷却とともに、THF溶液(1M;14ml)中のBH3/THF錯体の溶液を1滴ずつ加えた。室温で1時間攪拌した後、混合物を、THF−水(1:1;4ml)で、その後水性KOH(10%;10ml)と水性H22(50%;4ml)との混合物で処理した。
【0123】
その後、反応混合物を5分間攪拌し、濾過し、蒸発させた。残渣を水で洗浄し、Et2Oの中に採取し、エーテル溶液を乾燥し(MgSO4)、蒸発させて、異性体の混合物の白色の固体を与え、これをカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル)によって分離した。
【実施例9】
【0124】
ジヒドロアルテミシニル酢酸塩の合成
【0125】
【化27】

【0126】
ジクロロメタン(400ml)中のDHA(7.1g、25mmol)の攪拌溶液に4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.5g、4.1mmol)および無水酢酸無水物(3.06g、30mmol)を加え、反応混合物を一晩連続して攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いたカラムクロマトグラフィによって精製して白色の固体(6.80g、84%)としての生成物を与えた。酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化は白い針晶(m.p.129−131℃)を与えた。
【0127】
【表5】

【実施例10】
【0128】
ジヒドロアルテミシニルイソ酪酸塩の合成
【0129】
【化28】

【0130】
ジクロロメタン(200ml)中のDHA(5g、17.6mmol)の攪拌溶液に4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.6g、4.9mmol)およびイソ酪酸無水物(4.0g、25mmol)を加え、反応混合物を一晩連続して攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いたカラムクロマトグラフィによって精製して高密度液体(6.80g、84%)としての生成物を与えた。
【0131】
【表6】

【実施例11】
【0132】
ジヒドロアルテミシニル酪酸塩の合成
【0133】
【化29】

【0134】
ジクロロメタン(300ml)中のDHA(5g、17.6mmol)の攪拌溶液に4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.6g、4.9mmol)およびイソ酪酸無水物(4.0g、25mmol)を加え、反応混合物を一晩連続して攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いたカラムクロマトグラフィによって精製して、高密度液体(5.9g、95%)としての生成物を与えた。
【0135】
【表7】

【実施例12】
【0136】
ジヒドロアルテミシニル−2−ペンタン酸プロピルの合成
【0137】
【化30】

【0138】
ジクロロメタン(400ml)中のDHA(7.1g、25mmol)の攪拌溶液に4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.5g、4.1mmol)およびトリエチルアミン(3.03g、30mmol)を加えた。この溶液に、−30℃の2−プロピルペンタニルクロリド(4.87g、37mmol)を加え、反応混合物を2時間連続して攪拌し、ゆっくりと室温にして、一晩攪拌した。
【0139】
溶媒を減圧下で除去し、残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いたカラムクロマトグラフィによって精製して白色の固体(10.22g、80%)としての生成物を与えた。酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化は白色の針晶(m.p.141−145℃)を与えた。
【0140】
【表8】

【実施例13】
【0141】
ジヒドロアルテミシニル 2,2ジメチルプロピオン酸塩の合成
【0142】
【化31】

【0143】
ジクロロメタン(400ml)中のDHA(7.1g、25mmol)の攪拌溶液に4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.5g、4.1mmol)およびトリメチル酢酸無水物(5.59g、30mmol)を加え、反応混合物を一晩連続して攪拌した。粗混合物を水(2×100ml)で洗浄し、溶媒を減圧下で除去し、生成物を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して白色の固体を与えた。これは101−104℃で融解する(6.9g、75%)。
【0144】
【表9】

【実施例14】
【0145】
ジヒドロアルテミシニルチオエチルの合成
【0146】
【化32】

【0147】
300mlのジクロロメタン中にDHA(7.1g、25mmol)およびシスタミン(2.7g、35mmol)を溶解し、0ECの三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル(10ml)をゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で3時間、その後室温で1時間攪拌した。反応を5%NaHCO3でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いたカラムクロマトグラフィで精製して、茶色のワックスとしての生成物を与えた、収率6.5g。
【0148】
【表10】

【実施例15】
【0149】
3,5−ジ−t−ブチル−2−(ジヒドロアルテミシニルアミノメチル)フェノールの合成
【0150】
【化33】

【0151】
300mlのジクロロメタン中にDHA(7.1g、25mmol)および3,5−ジ−t−ブチル−2−(アミノメチル)フェノール(7.06g、30mmol)を溶解し、0℃の三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル(10ml)をゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で3時間、その後室温で1時間攪拌した。反応を5%NaHCO3でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(20:80)を用いたカラムクロマトグラフィで精製して、固体としての生成物を与えた、収率6.0g。
【0152】
【表11】

【実施例16】
【0153】
ジヒドロアルテミシニルN,N−ジメチルアセトアミドの合成
【0154】
【化34】

【0155】
ジクロロメタン(400ml)中のDHA(7.1g、25mmol)の攪拌溶液に4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.5g、4.1mmol)およびジメチル塩化カルバモイル(3.23g、30mmol)を加え、反応混合物を一晩連続して攪拌した。原料を水(2×100ml)で洗浄し、溶媒を減圧下で除去し、生成物を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して黄色い固体を与えた、収率8.0g(90%)。
【0156】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の治療のための医薬組成物であって、
−サリドマイドまたはその誘導体またはその塩もしくは溶媒和化合物と、
−1つ以上のアルテミシニン化合物またはその塩もしくは溶媒和化合物と、
−1つ以上の医薬的に許容可能な担体および/または賦形剤と、を含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記サリドマイドの誘導体は、レナリドマイド、ボルテゾミブ、アクチミド、CC−5013、およびCC−4047からなる群から選ばれる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記1つ以上のアルテミシニン化合物は、ジヒドロアルテミシニン、アルテミシニン、アーテスネート、アーテメター、アルテリン酸、アルテニモール、およびアルテモチルからなる群から選ばれる、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記1つ以上のアルテミシニン化合物は、一般式(I)に従うアルテミシニン誘導体であり
【化1】

位置1および/または位置2で、N−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)カルバミド酸メチル、メトキシ酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、5−フルオロ−1H−ピリミジン−2,4−ジオン、酢酸塩、酪酸塩、n−酪酸塩、イソ酪酸塩、プロピオン酸塩、n−プロピオン酸塩、ペンタン酸プロピル、バルプロ酸塩、イソプロピルエステル、多価アルコール酸、グリセリン酸(2,3−ジヒドロキシプロピオン酸、2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸、3,4−ジヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロキシ酪酸、1,3−ジヒドロキシプロパン−1,2−ジカルボン酸、多価アルコール酸、糖酸、およびグルクロン酸からなる群から選択される部分で置換される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記1つ以上のアルテミシニン化合物は一般式(I)に従うアルテミシニン誘導体であり
【化2】

位置1および/または位置2で、C1からC8のアルキルまたはアリール部分で置換される、分岐されるもしくは非分岐である、置換されるもしくは非置換である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
部分は、スルフィド(−S−)、エーテル(−O−)、エステル(−OCO−)、またはアミン(−N−)結合によってアルテミシニン化合物に共有結合される、請求項4または5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
部分は位置1でアルテミシニン化合物に共有結合される、請求項4から6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
部分は位置2でアルテミシニン化合物に共有結合される、請求項4から6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
アルテミシニン誘導体は、ジヒドロアルテミシニン、アンヒドロジヒドロアルテミシニン、およびデオキソアルテミシニンからなる群から選択される化合物に由来する、請求項4から8のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項10】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(II)
【化3】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項11】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(III)
【化4】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項12】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(IV)
【化5】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項13】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(V)
【化6】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項14】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(VI)
【化7】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項15】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(VII)
【化8】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項16】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(VIII)
【化9】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項17】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(IX)
【化10】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項18】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(X)
【化11】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項19】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(XI)
【化12】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項20】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(XII)
【化13】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項21】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(XIII)
【化14】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項22】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(XIV)
【化15】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項23】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(XV)
【化16】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項24】
1つ以上のアルテミシニン化合物は式(XVI)
【化17】

に従う化合物である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記癌は、癌腫、肉腫、胚細胞、芽細胞腫、および血液学的からなる群から選ばれる、請求項1から24のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記癌は血液学的悪性腫瘍である、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記血液学的悪性腫瘍は、リンパ腫、急性リンパ球性白血病、骨髄腫、急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ならびに骨髄増殖性疾患からなる群から選ばれる、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記癌は多発骨髄腫である、請求項1から27のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項29】
請求項1から28のいずれかに規定される癌の治療のための、請求項1から28のいずれかに規定される医薬組成物の使用。
【請求項30】
請求項1から28のいずれかに規定される癌の治療のための、請求項1から28のいずれかに規定されるサリドマイドまたはその誘導体、および請求項1から28のいずれかに規定される1つ以上のアルテミシニン化合物の使用。

【公表番号】特表2013−500946(P2013−500946A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522154(P2012−522154)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/060902
【国際公開番号】WO2011/012626
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(510066536)ダフラ・ファルマ・ナムローゼ・フェンノートシャップ (2)
【氏名又は名称原語表記】Dafra Pharma N.V.
【Fターム(参考)】