説明

癌の治療のための(+)−1,4−ジヒドロ−7−[(3S,4S)−3−メトキシ−4−(メチルアミノ)−1−ピロリジニル]−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸を使用する方法

特定の白血病を含む癌を治療し、予防し、又は管理する方法が開示される。本方法は、エナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸の投与を包含する。また、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、生物学的療法又は免疫療法と共に本化合物を使用する治療方法が提供される。本方法に使用するために適した医薬組成物及び単一単位剤形も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許出願第11/218,387号及び第11/218,653号(その両方は、2005年9月2日に出願された)[かつ現在は、米国仮出願に切り換えられている]に対する、並びに米国仮出願第60/789,093号及び第60/788,927号(両方とも2006年4月3日に出願された)及び2006年6月1日に出願された第60/810,285号に対する優先権を主張する。これらの出願の全ては、引用としてこれらの全体が組み込まれる。
【0002】
(1. 分野)
SNS-595又はAG-7352としても知られるエナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸を投与することにより、特定の白血病を含む癌を治療し、予防し、又は管理するための方法が本明細書に提供される。また、SNS-595及びその投与のための用量、投薬計画及び投薬量が提供される。
【背景技術】
【0003】
(2. 背景)
SNS-595は、化学的に(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸と命名され、以下の構造を有する:
【化1】

【0004】
SNS-595は、その抗腫瘍活性について公知である。SNS-595での以下の癌の治療は、文献で提唱されている:膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、大腸癌、食道癌、頭頚部癌、肝臓癌、肺癌、黒色腫、骨髄腫、神経芽細胞腫(すなわちCNS癌)、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、腎癌、肉腫、皮膚癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌及び子宮癌。種々の投薬計画が報告されており、例えば米国特許出願公開第2005-0203120号;第2005-0215583号及び第2006-0025437号を参照され、これらの全ては、引用としてその全体が本明細書に組み込まれる。
白血病を含む種々の癌を治療し、予防し、及び管理する際に、SNS-595を投与するための安全かつ有効な投薬量及び投薬計画の需要が存続している。
【発明の開示】
【0005】
3.(要旨)
SNS-595は、種々の癌に対する有用性をもつ公知の細胞障害薬である。本明細書では、特定の白血病の治療を含む新規治療方法を議論している。加えて、独特の投薬範囲、処方計画及び医薬用量を記述してある。
【0006】
SNS-595、その医薬組成物及び独特の投薬を使用する癌の治療、予防又は管理が記述される。一般に、本明細書に提供した方法を使用して治療し、予防し、又は管理することができる癌のタイプには、以下を含むが、限定されない:膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、大腸癌(結直腸癌を含む)、食道癌、頭頚部癌、肝臓癌、肺癌(小細胞及び非小細胞の両方)、黒色腫、骨髄腫、神経芽細胞腫(すなわち、CNS癌)、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、腎癌、肉腫(骨肉腫を含む)、皮膚癌(扁平上皮癌を含む)、胃癌、精巣癌、甲状腺癌及び子宮癌。癌は、従来の療法に対して、再発し、不応性であり、又は耐性であり得る。
【0007】
特定の実施態様において、癌には、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫を有する)、ホジキン病(また、ホジキンリンパ腫と呼ばれる)及び骨髄腫を含むが、限定されない血液悪性腫瘍を含む。白血病の種々の形態には、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病及び急性骨髄芽球性白血病を含むが、限定されない。白血病は、再発し、不応性であり、又は耐性であり得る。特定の実施態様において、血液悪性腫瘍は、前骨髄球性白血病、T細胞白血病又はリンパ芽球性白血病である。
【0008】
特定の様式でSNS-595を投与することによって癌を治療し、予防し、又は管理する方法が更に提供される。特定の実施態様において、本方法は、哺乳動物に対して、体表面面積に基づいて約1mg/m2〜150mg/m2、約1mg/m2〜100mg/m2、1mg/m2〜75mg/m2、15mg/m2〜80mg/m2又は約3mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。特定の実施態様において、本方法は、哺乳動物に対して、体表面面積に基づいて約15g/m2、25g/m2又は50mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。さらなる投薬及び投薬計画を本明細書において以下に更に詳細に記述してある。
【0009】
また、固形癌のための投薬及び投薬計画も本明細書に提供してある。投与されるSNS-595の用量は、例えば10〜15分の期間のIVプッシュ(例えば、単回ボーラス注射)などの単回用量として、又は例えば24時間の期間などのある期間にわたって(例えば、ある期間にわたって連続的注入又はある期間にわたって分割してボーラス投与)送達することができ、必要に応じて、例えば患者が安定な疾患若しくは退行を経験するまで、又は患者が疾患進行又は容認できない毒性を経験するまで繰り返される。
【0010】
一部の実施態様において、SNS-595は、患者に周期的に投与することができる。サイクリング療法には、しばらくの間の活性薬剤の投与、続いてしばらくの間の休止を含み、この連続的投与を繰り返す。サイクリング療法により、1つ以上の療法に対する耐性の発症を減少させること、療法の1つの副作用を回避し、若しくは減少させること、及び/又は治療の有効性を改善することができる。
【0011】
別の実施態様において、SNS-595は、癌を治療し、予防し、又は管理するための従来法で使用される別の薬物(「第2の活性薬剤」)又は別の療法と組み合わせて投与されるか、又は本明細書に記述したSNS-595の投薬の方法を併用療法環境に適用することができる。第2の活性薬剤は、その例を本明細書に提供した公知の小分子、抗癌剤、抗腫瘍約又は細胞障害薬及び大分子(例えば、タンパク質及び抗体)、並びに幹細胞又は臍帯血を含む。このような従来の療法の例には、外科手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、生物学的療法、免疫療法、輸血及びそれらの組み合わせを含むが、限定されない。
【0012】
従って、特定の実施態様において、固形腫瘍の治療、予防及び管理のための組み合わせが、本明細書に提供される。その他の実施態様において、白血病及びリンパ腫の治療、予防及び管理のための組み合わせが本明細書に提供される。
また、SNS-595及び第2の(又はさらなる)活性薬剤を含む医薬組成物、単一の単位剤形及び投薬計画が提供される。第2の活性薬剤には、薬物若しくは療法又は両方の特定の組み合わせ又は「カクテル」を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(5. 定義)
他に定義されない限り、本明細書に使用される全ての専門用語及び科学用語は、当該技術分野の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。全ての引用した特許、出願、公表された出願及びその他の刊行物は、これらの全体が引用として組み込まれる。本明細書において、ある用語について複数の定義がある場合には、特に明記しない限り、この節のものが勝る。
【0014】
本明細書に使用されるエナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸は、(-)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸を実質的に含まない(すなわち、エナンチオマー過剰)。言い換えると、1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸の「(+)」形態は、本化合物の「(-)」形態を実質的に含まず、従って、「(-)」形態のエナンチオマー過剰である。「エナンチオマー的に純粋な」又は「純粋なエナンチオマー」という用語は、化合物が75重量%を超える、80重量%を超える、85重量%を超える、90重量%を超える、91重量%を超える、92重量%を超える、93重量%を超える、94重量%を超える、95重量%を超える、96重量%を超える、97重量%を超えるエナンチオマーを含むことを意味する。
【0015】
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「エナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸」という用語は、少なくとも約80重量%の1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸及び多くても約20重量%の(-)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸、少なくとも約90重量%の(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸及び多くても約10重量%(-)-エナンチオマー、少なくとも約95重量%の(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸及び多くても約5重量%の(-)-エナンチオマー、少なくとも約97重量%の(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸及び多くても約3重量%の(-)-エナンチオマーをいう。
【0016】
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「治療する」、「治療すること」及び「治療」という用語は、治療される疾患又は状態と関連する症候の重症度を軽減し、又は減少させることをいう。
「予防」という用語には、特定の疾患又は障害の症候の阻害を含む。一部の実施態様において、癌の家族歴がある患者は、予防計画のための候補である。一般に、「予防する」という用語は、特に癌のリスクのある患者に対して、症状発現前に薬物を投与することをいう。
【0017】
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「管理する」という用語は、特定の疾患又は障害の、それに罹患した患者における再発を予防すること、疾患又は障害に罹患した患者が寛解期のままである時間を長くすること、患者の死亡率を減少すること、及び/又は管理される疾患若しくは状態と関連する症候の重症度の維持又は回避を包含する。
【0018】
本明細書に使用される、患者などの「対象」は、動物、典型的にはヒトを含む哺乳動物である。
本明細書に使用される「癌」という用語には、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含むが、限定されない。「癌」という用語は、膀胱、骨又は血液、脳、乳房、頚部、胸部、結腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、肺、口、頚部、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、胃、精巣、咽喉及び子宮の癌を含むが、限定されない皮膚組織、器官、血液及び血管の疾患をいう。
【0019】
本明細書に使用される「血液悪性腫瘍」とは、体の血液形成系及び免疫系-骨髄及びリンパ組織の癌をいう。このような癌には、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、ホジキン病(また、ホジキンリンパ腫とも呼ばれる)及び骨髄腫を含む。
「白血病」という用語は、造血組織の悪性新生物をいう。白血病には、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病及び急性骨髄芽球性白血病を含むが、限定されない。白血病は、従来の療法に対して、再発し、不応性であり、又は耐性であり得る。
【0020】
本明細書に使用される「前骨髄球性白血病」又は「急性前骨髄球性白血病」とは、骨髄系統の細胞における成熟した血液細胞の欠損及び前骨髄球と呼ばれる未成熟細胞の過剰がある骨髄の悪性腫瘍をいう。これは、通常染色体15及び17の一部の交換によって特徴付けられる。
【0021】
本明細書に使用される「急性リンパ芽球性白血病」は、「急性リンパ性白血病(ALL)」としても知られ、初期の非顆粒状の白血球又はリンパ球の異常成長及び発症によって生じる悪性疾患をいう。
本明細書に使用される「T細胞白血病」は、Tリンパ球又はT細胞と呼ばれるリンパ系の特定細胞が悪性である疾患をいう。T細胞は、通常ウイルス感染細胞、外来細胞及び癌細胞を襲うことができる白血球であり、免疫応答を調節する物質を産生する。
【0022】
「再発した」という用語は、療法後に癌の緩解があった患者において、癌細胞の復帰がある状況をいう。
「不応性又は耐性」という用語は、患者が、集中的治療の後でさえ、彼らの体に残留する癌細胞がある環境をいう。
本明細書に使用されるIC50とは、このような反応を測定するアッセイ法における最大反応の50%の阻害を達成する特定の試験化合物の量、濃度又は投薬量をいう。
【0023】
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、化合物の「治療上有効量」及び「有効量」という用語は、疾患の治療、予防及び/又は管理において治療的利益を提供するために、治療される疾患又は障害と関連する1つ以上の症候を遅延させ、又は最小化するために十分な量をいう。「治療上有効量」及び「有効量」という用語には、療法全体を改善するか、疾患若しくは障害の症候若しくは病因を減少させ、又は回避するか、或いは別の治療薬の治療有効性を増強する量を包含することができる。
【0024】
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「医薬として許容し得る塩」という用語には、本明細書において提供した化合物に存在することができる酸性基又は塩基性基の塩を含むが、限定されない。特定の酸性条件下において、化合物は、種々の無機酸及び有機酸と多種多様な塩を形成することができる。このような塩基性化合物の医薬として許容し得る塩を製造するために使用することができる酸には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、酒石酸水素塩、臭化物、カルシウムエデト酸塩、カンシラート、炭酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、クエン酸塩、二塩化水素化物、エデト酸塩、エジシラート、エストラート、エシラート、フマル酸塩、グルセプタート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシナート、ヒドラバミン、ヒドロキシナフトエ酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオナート、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシラート、メチル硫酸塩マスカート、ナプシラート、硝酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクラート、トリエチオダイド及びパモ酸塩を含む薬理学的に許容し得る陰イオンを含む塩を形成するものを含むが、限定されない。特定の塩基性条件下において、化合物は、種々の薬理学的に許容し得る陽イオンとの塩基塩を形成することができる。このような塩の非限定的な例には、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、並びに特にカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、カリウム塩及び鉄塩を含む。
【0025】
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「水和物」という用語は、非共有結合性の分子間力によって結合した化学量論的又は非化学量論的な量の水を更に含む本明細書に提供される化合物又はその塩を意味する。
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「溶媒和物」という用語は、本明細書に提供された化合物に対する1つ以上の溶媒分子の会合により形成された溶媒和物を意味する。「溶媒和物」という用語には、水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水化物など)を含む。
【0026】
「同時投与」及び「と組み合わせて」という用語は、同時に、同時的に、又は特定期限をもたずに連続して、2つの治療薬(例えば、SNS-595及び別の抗癌剤又は第2の薬剤)を投与することを含む。一つの実施態様において、両薬剤は、細胞若しくは患者の体内に同時に存在するか、又はこれらの生物学的若しくは治療効果を同時に及ぼす。一つの実施態様において、2つの治療薬は、同じ組成物又は単位剤形中にある。別の実施態様において、2つの治療薬は、別々の組成物又は単位剤形中にある。
「補助的治療薬」という用語は、SNS-595治療による有害作用を治療し、予防し、又は管理する任意の物質をいう。
【0027】
(6. 詳細な説明)
(6.1 SNS-595)
本明細書に提供される方法及び組成物に使用するための化合物は、エナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸であり、SNS-595又はAG-7352としても知られる。SNS-595は、以下の化学構造を有する:
【化2】

【0028】
特定の実施態様において、SNS-595の医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物又はプロドラッグが、本明細書に提供した方法及び組成物にて使用される。
SNS-595は、当業者に公知の方法によって、例えば1998年10月6日に発行された「化合物、その製造のための方法及び抗腫瘍薬(Compounds, processes for the preparation thereof and anti-tumor agents)」の表題の米国特許第5,817,669号の実施例C-1についての、及びChikugiらに対する日本特許出願番号平10-17398における製造方法に従って製造することができ、その両方が、引用としてこれらの全体が本明細書に組み込まれる。SNS-595を含む特定の例示的医薬組成物及び前述のものを使用する方法は、米国特許出願公開第2005-0203120号;第2005-0215583号及び第2006-0025437号に記述されており、これらの全てが、引用としてこれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0029】
(6.2 使用方法)
増殖細胞は、4期の細胞周期:G1、S、G2及びMを受ける。これらの期は、DNA合成を介して進行した細胞として分裂細胞を観察することによって最初に同定され、これは、細胞周期の合成期又はS期及び有糸分裂として公知となり、細胞周期の有糸分裂期若しくはM期又はS期として公知である。DNA合成の完了と有糸分裂との間の、及びDNA合成の次のサイクルまでの有糸分裂の間の時間内に観察される合間を、それぞれG1及びG2期としている。適切な条件下で増殖する能力を保持する非増殖細胞は、静止又はG0状態にあり、典型的には細胞周期を出たものとして特徴づけられる。
【0030】
SNS-595は、細胞周期阻害剤であり、G2境界にて細胞を停止する。特定の理論によって限定されないが、SNS-595は、DNA-PK経路の活性化を媒介し、最終的にはアポトーシス細胞死に至る。これらのイベントは、S期特異的であり、すなわちこれらは、細胞周期のS期の間にのみ生じる。特定の理論によって限定されないが、SNS-595での処理により、S期の間に形成する二本鎖DNA破壊の数の増大を生じる。この損傷は、細胞がDNAを合成する能力を妨げ、細胞がS期で過ごす時間を長くする。一旦DNA損傷が細胞において検出されると、アポトーシスのためのマーカーが迅速に現れる。この迅速なアポトーシスの発生は、p73含有細胞と比較したp73ヌル細胞におけるSNS-595感受性の11倍を超える減少によって示されるように、p73依存的であると思われる。
【0031】
図7で例証するように、二本鎖切断の形成は、用量依存的様式で:i)DNA-PK発現;ii)H2AXリン酸化;iii)c-Ablリン酸化;iv)p53リン酸化;v)p73リン酸化;vi)p21発現;vii)カスパーゼ-9活性化;及びviii)カスパーゼ-3活性化を含むが、限定されないDNA-PKを媒介した修復及びアポトーシス細胞機構を活性化する。DNA損傷が、非相同的末端連結(NHEJ)を介して二本鎖切断を修復することができないほど十分に重篤なときは、細胞は迅速にアポトーシスに入る。いくつかの細胞は、G2期に到達することができるが、細胞がM期に入るにはあまりにダメージを受けているので、その後に停止して(cdc2/サイクリンBによって媒介される)、更に最終的にはアポトーシスとなる。特定の理論によって限定されないが、SNS-595は、S期選択的であるため、増殖細胞(従って、S期を含む細胞周期を介して進行する)に対する細胞毒であるSNS-595の用量は、非増殖細胞に対しては致命的ではない。
【0032】
(6.2.1 固形腫瘍)
従って、癌を治療し、管理する、又は予防する方法であって、約1mg/m2〜約100mg/m2の用量のSNS-595を、このような治療、管理又は予防を必要とする哺乳動物に対して投与することを含む方法が本明細書に提供される。癌のタイプには、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、大腸癌(結直腸癌を含む)、食道癌、頭頚部癌、肝臓癌、肺癌(小細胞及び非小細胞)、黒色腫、骨髄、神経芽細胞腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、腎癌、肉腫(骨肉腫を含む)、皮膚癌(扁平上皮癌を含む)、胃癌、精巣癌、甲状腺癌及び子宮癌を含むが、限定されない。一つの実施態様において、本方法は、結腸、膵臓、乳房、中皮腫、胆管癌、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、黒色腫、鼻咽頭、神経内分泌、卵巣、腎臓、唾液腺、小細胞肺癌又は紡錘体細胞癌を治療すること、予防すること、又は管理することを包含する。
【0033】
(6.2.2 白血病)
一つの実施態様において、本明細書に提供される方法は、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病及び急性骨髄芽球性白血病などの様々な形の白血病を治療すること、予防すること、又は管理することを包含する。
【0034】
一部の実施態様において、本方法は、未分化AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3又はM3変種[M3V])、骨髄単球性白血病(M4又は好酸球増加症を伴うM4変種[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、巨核芽球性白血病(M7)を含むが、限定されないAMLなどの急性白血病を治療し、予防し、又は管理することを包含する。一部の実施態様において、急性リンパ性白血病(ALL)には、骨髄(B細胞)、胸腺(T細胞)及びリンパ節の芽球に由来する白血病を含む。急性リンパ性白血病は、仏国-米国-英国(FAB)形態学的分類スキームに従って、L1-成熟した外見のリンパ芽球(T細胞又はプレB細胞)、L2-未成熟及び多形(多様な形状)リンパ芽球(T細胞又はプレB細胞)及びL3-リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)として分類される。
【0035】
一つの実施態様において、急性骨髄性白血病は、未分化AML(M0)である。
一つの実施態様において、急性骨髄性白血病は、骨髄芽球性白血病(M1)である。
一つの実施態様において、急性骨髄性白血病は、骨髄芽球性白血病(M2)である。
一つの実施態様において、急性骨髄性白血病は、前骨髄球性白血病(M3又はM3変種[M3V])である。
【0036】
一つの実施態様において、急性骨髄性白血病は、骨髄単球性白血病(M4又は好酸球増加症を伴うM4変種[M4E])である。
一つの実施態様において、急性骨髄性白血病は、単球性白血病(M5)である。
一つの実施態様において、急性骨髄性白血病は、赤白血病(M6)である。
【0037】
一つの実施態様において、急性骨髄性白血病は、巨核芽球性白血病(M7)である。
一つの実施態様において、急性リンパ性白血病は、骨髄(B細胞)の芽球に由来する。
一つの実施態様において、急性リンパ性白血病は、胸腺(T細胞)に由来する。
一つの実施態様において、急性リンパ性白血病は、リンパ節に由来する。
【0038】
一つの実施態様において、急性リンパ性白血病は、成熟した外見のリンパ芽球(T細胞又はプレB細胞)によって特徴づけられるL1型である。
一つの実施態様において、急性リンパ性白血病は、未成熟及び多形(多様な形状)リンパ芽球(T細胞又はプレB細胞)によって特徴づけられるL2型である。
一つの実施態様において、急性リンパ性白血病は、リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)によって特徴づけられるL3型である。
【0039】
特定の実施態様において、急性骨髄性白血病は、前骨髄球性白血病又はリンパ芽球性白血病である。特定の実施態様において、急性リンパ性白血病は、T細胞白血病である。一つの実施態様において、本明細書に提供される方法は、前骨髄球性白血病、T細胞白血病又はリンパ芽球性白血病を治療し、予防し、又は管理する方法を包含する。一つの実施態様において、T細胞白血病は、末梢T細胞白血病、T細胞リンパ芽球性白血病、皮膚T細胞白血病及び成人型T細胞白血病である。
【0040】
一部の実施態様において、SNS-595は、慢性骨髄性白血病(CML)などの薬剤耐性白血病を治療するために使用される。従って、SNS-595での治療は、その他の治療方法に反応しない患者に対する選択肢を提供することができる。一部の実施態様において、このようなその他の治療方法には、グリベック(Gleevec)(登録商標)での治療を包含する。一部の実施態様において、フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の治療方法が本明細書に提供される。一部の実施態様において、グリベック(Gleevec)(登録商標)耐性フィラデルフィア染色体ポジティブ慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の治療方法が本明細書に提供される。
【0041】
本明細書に提供される方法は、以前に癌が治療されたが、標準的療法に対して非反応性である患者、並びに以前に治療されていない者を治療することを包含する。また、患者の年齢に関係なく患者を治療する方法が包含されるが、いくつかの疾患又は障害は、特定の年齢層において、より一般的である。問題の疾患又は状態を治療することを試みて外科手術を受けた患者、並びに受けていない者を治療する方法が更に提供される。癌である患者は、不均一な臨床症状及び様々な臨床結果を有するので、患者に施される治療は、彼/彼女の予後に応じて変更してもよい。熟練した臨床家は、過度の実験を伴うことなく、具体的二次薬剤、外科手術のタイプ及び癌である個々の患者を治療するために効率的に使用することができる薬物に基づかない標準的治療のタイプを容易に決定することができる。
【0042】
投与されるSNS-595の用量は、例えば10〜15分の期間のIVプッシュ(例えば、単回大量瞬時投与)などの単回用量として、又は例えば24時間の期間などのある期間にわたって(例えば、ある期間にわたって連続的注入又はある期間にわたって分割して大量瞬時投与)送達することができ、必要に応じて、例えば患者が安定な疾患若しくは退行を経験するまで、又は患者が疾患進行又は容認できない毒性を経験するまで繰り返される。例えば、固形腫瘍についての安定な疾患は、一般に測定可能な病変の垂直直径が最後の測定から25%以上まで増加しなかったことを意味する。例えば、固形腫瘍における反応評価基準(RECIST)指針、国立癌研究所の学術誌(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors (RECIST) Guidelines, Journal of the National Cancer Institute)92(3):205-216 (2000)を参照されたい。安定な疾患又はその欠如は、患者の症候の評価、理学的検査、X線、CAT、PET又はMRIスキャンを使用して撮像された腫瘍の可視化及びその他の一般に認められる評価様式などの当該技術分野において公知の方法によって決定される。
【0043】
別の実施態様において、量は、約10mg/m2〜100mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約30mg/m2〜75mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約40mg/m2〜80mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約50mg/m2〜90mg/m2である。
別の実施態様において、用量は、約15mg/m2〜80mg/m2である。
【0044】
別の実施態様において、用量は、約20mg/m2〜30mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約25mg/m2〜35mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約40mg/m2〜50mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約45mg/m2〜55mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約50mg/m2〜60mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約55mg/m2〜65mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約60mg/m2〜70mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約65mg/m2〜75mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約70mg/m2〜80mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約75mg/m2〜85mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約80mg/m2〜90mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約85mg/m2〜95mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約90mg/m2〜100mg/m2である。
【0045】
その他の実施態様において、SNS-595は、癌を治療し、管理し、又は予防するのために別の薬物(「第2の活性薬剤」)又は別の療法と組み合わせて投与される。第2の活性薬剤には、その例を本明細書に提供した小分子及び大分子(例えば、タンパク質及び抗体)、並びに幹細胞又は臍帯血を含む。SNS-595の投与と組み合わせて使用することができる方法又は療法には、外科手術、免疫療法、生物学的療法、放射線療法及び現在癌を治療し、予防し、又は管理するために使用されているその他の非薬物に基づいた療法を含むが、限定されない。SNS-595単独の、及び/又は併用療法における投与のための種々の投薬計画を本明細書において論議してある。
また、本明細書に開示した方法に使用することができる医薬組成物(例えば、単回単位剤形)が提供される。特定の医薬組成物には、SNS-595及び第2の活性薬剤を含む。
【0046】
(6.3 用量及び投薬計画)
一つの実施態様において、本明細書に提供される癌を治療し、予防し、又は管理する方法は、患者に対して、体表面面積に基づいて、約1mg/m2〜150mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。別の実施態様において、本方法には、約1mg/m2〜100mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。別の実施態様において、本方法には、約1mg/m2〜75mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。別の実施態様において、本方法には、約1mg/m2〜60mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。別の実施態様において、本方法には、約1mg/m2〜50mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。別の実施態様において、本方法には、約1mg/m2〜48mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。別の実施態様において、本方法には、約1mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。別の実施態様において、本方法には、体表面面積に基づいて、約3mg/m2〜27mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。別の実施態様において、本方法には、体表面面積に基づいて約3mg/m2〜の24mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。別の実施態様において、本方法には、体表面面積に基づいて約10mg/m2〜90mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。別の実施態様において、本方法の体表面面積に基づいて約15mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。別の実施態様において、体表面面積算出は、例えばMosteller方程式で算出することができる:
BSA(m2)=[(高さ(cm)×重量(kg)/3600]の平方根。
【0047】
別の実施態様において、用量は、体表面面積に基づいて3mg/m2〜24mg/m2である。別の実施態様において、用量は、体表面面積に基づいて3mg/m2〜18mg/m2である。別の実施態様において、用量は、3mg/m2〜15mg/m2である。別の実施態様において、用量は、体表面面積に基づいて1mg/m2、2mg/m2、3mg/m2、4mg/m2、5mg/m2、6mg/m2、7mg/m2、8mg/m2、9mg/m2、10mg/m2、11mg/m2、12mg/m2、13mg/m2、14mg/m2、15mg/m2、16mg/m2、17mg/m2、18mg/m2、19mg/m2、20mg/m2、21mg/m2、22mg/m2、23mg/m2、24mg/m2、25mg/m2、26mg/m2、27mg/m2、30mg/m2、36mg/m2、42mg/m2、48mg/m2、50mg/m2、55mg/m2、60mg/m2又は65mg/m2である。別の実施態様において、用量は、3mg/m2、6mg/m2、9mg/m2、12mg/m2、15mg/m2、18mg/m2、21mg/m2 24mg/m2、25mg/m2、27mg/m2、36mg/m2、48mg/m2又は50mg/m2である。
【0048】
一つの実施態様において、用量は、体表面面積に基づいて15mg/m2である。別の実施態様において、用量は、体表面面積に基づいて25mg/m2である。別の実施態様において、用量は、体表面面積に基づいて30mg/m2である。一つの実施態様において、用量は、体表面面積に基づいて50mg/m2である。
【0049】
別の実施態様において、用量は、体表面面積に基づいて15mg/m2〜80mg/m2である。別の実施態様において、用量は、体表面面積に基づいて15mg/m2〜75mg/m2である。別の実施態様において、用量は、20mg/m2〜65mg/m2である。別の実施態様において、用量は、30mg/m2〜50mg/m2である。別の実施態様において、用量は、体表面面積に基づいて15mg/m2、20mg/m2、25mg/m2、30mg/m2、35mg/m2、40mg/m2、45mg/m2、50mg/m2、55mg/m2、60mg/m2、65mg/m2、70mg/m2、75mg/m2又は80mg/m2である。
【0050】
投与されるSNS-595の用量は、mg/m2として以外の単位で表すことができる。例えば、用量は、mg/kgとして表すことができる。当業者であれば、対象の身長若しくは体重のいずれか、又は両方に対し、用量をmg/m2からmg/kgに変換する方法を容易に知っているであろう(http://www.fda.gov/cder/cancer/animalfrarne.htrnを参照されたい)。例えば、65kgのヒトについての1mg/m2〜30mg/m2の用量は、0.026mg/kg〜0.79mg/kgにほぼ等しい。別の例において、65kgのヒトについての3mg/m2の用量は、0.078mg/kgにほぼ等しい。別の例において、65kgのヒトについての15mg/m2〜80mg/m2の用量は、0.39mg/kg〜2.11mg/kgにほぼ等しい。
【0051】
特定の実施態様において、投与されるSNS-595の用量は、例えば10〜15分の期間のIVプッシュ(例えば、単回大量ボーラスIV注射)などの単回用量として、又は例えば24時間の期間などのある期間にわたって(例えば、ある期間にわたって連続的注入又はある期間にわたって分割してボーラス投与)送達することができ、必要に応じて、例えば患者が安定な疾患若しくは退行を経験するまで、又は患者が疾患進行又は容認できない毒性を経験するまで繰り返される。安定な疾患又はその欠如は、患者の症候の評価、理学的検査及びその他の一般に認められる評価様式などの当該技術分野において公知の方法によって決定される。
【0052】
本明細書に提供される方法に従って投与される医薬組成物の量は、治療される哺乳動物、障害の重症度又は障害の症候、投与様式、投与頻度及び処方する医師の判断に依存するであろう。
一部の実施態様において、投与頻度は、約1日1回〜約毎月1回の範囲である。特定の実施態様において、投与は、1日に1回、1日おきに1回、週に2回、1週毎に1回、2週毎に1回、3週毎に1回又は4週毎に1回である。一つの実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、毎週投与される。
【0053】
特定の実施態様において、SNS-595は、患者に周期的に投与される。サイクリング療法には、しばらくの間の活性薬剤の投与、続いてしばらくの間の休止を含み、この連続的投与を繰り返す。サイクリング療法により、1つ以上の療法に対する耐性の発症を減少させること、療法の1つの副作用を回避し、若しくは減少させること、及び/又は治療の有効性を改善することができる。
【0054】
結果的に、一つの実施態様において、SNS-595は、約1〜約30日の休止期で、3〜6週サイクルの単回用量又は分割用量で毎週投与される。別の実施態様において、SNS-595は、1、3、5、7、9、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29又は30日の休止期で、1週、2週、3週、4週、5週又は6週の間、単回用量又は分割用量で毎週投与される。一部の実施態様において、待機期間は、14日である。一部の実施態様において、待機期間は、28日である。一つの実施態様において、待機期間は、十分な骨髄回復があるまでである。投薬サイクルの頻度、回数及び長さは、増減することができる。従って、別の実施態様には、それが単独で投与されるときに典型的であるよりも多くのサイクルの間のSNS-595の投与を包含する。
【0055】
一つの実施態様において、本明細書に提供される方法は:i)患者に対して約1mg/m2〜150mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、少なくとも1日の期間を待つこと;及びiii)患者に対してSNS-595の約1mg/m2〜150mg/m2のさらなる用量を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。別の実施態様において、本方法は、工程i)及びiii)において1mg/m2〜100mg/m2の用量を投与することを含む。
【0056】
一つの実施態様において、例えば特定の白血病の治療のための方法において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して10mg/m2〜150mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、少なくとも1日の期間を待つこと;iii)哺乳動物に対して約10mg/m2〜150mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与すること;及びiv)工程ii)〜iii)を複数回繰り返すことを含む。別の実施態様において、本方法は、工程i)及びiii)において10mg/m2〜100mg/m2の用量を投与することを含む。
【0057】
一つの実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)患者に対して約1mg/m2〜75mg/m2の用量のSNS-595を投与することii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、少なくとも1日の期間を待つこと;及びiii)患者に対して約1mg/m2〜75mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0058】
一つの実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)患者に対してSNS-595の約1mg/m2〜約48mg/m2の用量を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、少なくとも1日の期間を待つこと;及びiii)患者に対して約1mg/m2〜48mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0059】
一つの実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)患者に対して約1mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、少なくとも1日の期間を待つこと;及びiii)患者に対して約1mg/m2〜24mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0060】
別の実施態様において、本方法は、工程i)及びiii)において3mg/m2〜約24mg/m2の用量を投与することを含む。更に別の実施態様において、本方法は、工程i)及びiii)において約15mg/m2の用量を投与することを含む。更に別の実施態様において、本方法は、工程i)及びiii)において約1mg/m2〜40mg/m2、約1.5mg/m2〜30mg/m2、約2mg/m2〜25mg/m2又は約3mg/m2〜24mg/m2の用量を投与することを含む。
【0061】
別の実施態様において本方法は、工程i)及びiii)において約15mg/m2〜80mg/m2の用量を投与することを含む。更に別の実施態様において、本方法は、工程i)及びiii)において約15mg/m2〜75mg/m2の用量を投与することを含む。更に別の実施態様において、本方法は、工程i)及びiii)において約20mg/m2〜65mg/m2、約30mg/m2〜50mg/m2、約35mg/m2〜40mg/m2又は約45mg/m2の用量を投与することを含む。
【0062】
上記方法において、例えば待機期間が6日である場合、SNS-595の初回用量は、1日目に投与され(工程i);待機期間は、6日であり(工程ii);及び次のSNS-595の用量は、8日目に投与される(工程iii)。その他の例示的期間には、2日、3日、5日、7日、10日、12日、13日、14日、15日、17日、20日、27日及び28日を含む。別の実施態様において、待機期間は、少なくとも2日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、待機期間は、少なくとも3日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも5回繰り返される。別の実施態様において、待機期間は、少なくとも3日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、待機期間は、少なくとも3日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも5回繰り返される。別の実施態様において、待機期間は、少なくとも6日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、待機期間は、少なくとも6日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも5回繰り返される。別の実施態様において、待機期間は、少なくとも14日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、待機期間は、少なくとも20日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、待機期間は、少なくとも20日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも5回繰り返される。別の実施態様において、待機期間は少なくとも28日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、待機期間は、少なくとも27日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも5回繰り返される。別の実施態様において、待機期間は、少なくとも28日であり、工程ii)〜iii)は、少なくとも5回繰り返される。
【0063】
別の実施態様において、投薬方法には、哺乳動物に対して週に2回(1日、4日、8日及び11日目に投薬)SNS-595の用量を投与することを含む。別の実施態様において、投薬方法には、哺乳動物に対して毎週SNS-595の用量を投与することを含む。別の実施態様において、投薬方法には、哺乳動物に対して2週毎にSNS-595の用量を投与することを含む。別の実施態様において、投薬方法は、哺乳動物に対して3週毎にSNS-595の用量を投与することを含む。別の実施態様において、投薬方法は、哺乳動物に対して4週毎にSNS-595の用量を投与することを含む。
【0064】
別の実施態様において、投薬方法には、サイクルを含み、該サイクルには、哺乳動物に対して3週の間、週に1回SNS-595を投与し、続いて少なくとも14日のSNS-595が投与されない期間を含み、かつ該サイクルは、複数回を繰り返される。別の実施態様において、SNS-595が投与されない期間は、14日である。別の実施態様において、SNS-595が投与されない期間は、21日である。
【0065】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜100mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、14日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜100mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0066】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜75mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、14日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜75mg/m2にのさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0067】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜60mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、14日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜60mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0068】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜50mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、14日の期間を待つこと;iii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜50mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与すること;及びiv)工程ii)〜iii)を複数回繰り返すことを含む。
【0069】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜48mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、14日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜48mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0070】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、14日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約1mg/m2〜24mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0071】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約2mg/m2〜40mg/m2の用量のNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、14日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回2mg/m2〜40mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0072】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約3mg/m2〜24mg/m2の用量のNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、14日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約3mg/m2〜24mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0073】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回(例えば、1日、8日及び15日に投薬)約3mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、少なくとも28日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約3mg/m2〜24mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0074】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物にして2週の間、週に2回(1日、4日、8日及び11日に投薬)約3mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、少なくとも28日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物にして2週の間、週に2回(1日、4日、8日及び11日に投薬)約3mg/m2〜24mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0075】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回(例えば、1日、8日及び15日における投薬)約3mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、28日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回SNS-595の約3mg/m2〜24mg/m2のさらなる用量を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0076】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して2週の間、週に2回(1日、4日、8日及び11日に投薬)約3mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、28日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して2週の間、週に2回(1日、4日、8日及び11日における投薬)約3mg/m2〜24mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0077】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約15mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、14日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約15mg/m2〜80mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0078】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回(例えば1日、8日及び15日に投薬)約15mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、少なくとも28日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約15mg/m2〜80mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0079】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して、2週の間、週に2回(1日、4日、8日及び11日に投薬)約15mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595のを投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、少なくとも28日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して、2週の間、週に2回(1日、4日、8日及び11日に投薬)約15mg/m2〜80mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0080】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して3週の間、週に1回(例えば、1日、8日及び15日に投薬)約15mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、28日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して3週の間、週に1回約15mg/m2〜80mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0081】
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:i)哺乳動物に対して2週の間、週に2回(1日、4日、8日及び11日に投薬)約15mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;ii)哺乳動物には何らSNS-595が投与されない、28日の期間を待つこと;及びiii)哺乳動物に対して2週の間、週に2回(1日、4日、8日及び11日の投薬)約15mg/m2〜80mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与することを含む。一つの実施態様において、工程ii)〜iii)は、複数回繰り返される。
【0082】
別の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回1mg/m2〜100mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回1mg/m2〜75mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回1mg/m2〜60mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回1mg/m2〜48mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回1mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、用量は、週に1回約2mg/m2〜40mg/m2であり、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、用量は、週に1回約3mg/m2〜24mg/m2であり、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、用量は、週に1回約15mg/m2であり、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。
【0083】
別の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回15mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回15mg/m2〜75mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回20mg/m2〜65mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。別の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回30mg/m2〜50mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返される。
【0084】
一部の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回(例えば、1日、8日及び15日に投薬)約1mg/m2〜40mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて少なくとも28日の待機期間がある。一部の実施態様において、本方法は、患者に対して週に2回、(1日、4日、8日及び11日に投薬)約1mg/m2〜40mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて少なくとも28日の待機期間がある。一部の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回(例えば、1日、8日及び15日に投薬)約1mg/m2〜40mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて28日の待機期間がある。一部の実施態様において、本方法は、患者に対して週に2回、(1日、4日、8日及び11日に投薬)約1mg/m2〜40mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて28日の待機期間がある。
【0085】
一部の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回(例えば、1日、8日及び15日に投薬)約3mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて少なくとも28日の待機期間がある。一部の実施態様において、本方法は、患者に対して週に2回、(1日、4日、8日及び11日に投薬)約3mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて少なくとも28日の待機期間がある。一部の実施態様において、患者に対して週に1回(例えば、1日、8日及び15日に投薬)約3mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて28日の待機期間がある。一部の実施態様において、本方法は、患者に対して週に2回、(1日、4日、8日及び11日に投薬)約3mg/m2〜24mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて28日の待機期間がある。
【0086】
一部の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回(例えば、1日、8日及び15日に投薬)約15mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて少なくとも28日の待機期間がある。一部の実施態様において、本方法は、患者に対して週に2回、(1日、4日、8日及び11日に投薬)約15mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて少なくとも28日の待機期間がある。一部の実施態様において、本方法は、患者に対して週に1回(例えば、1日、8日及び15日に投薬)約15mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて28日の待機期間がある。一部の実施態様において、本方法は、患者に対して週に2回、(1日、4日、8日及び11日に投薬)約15mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも3回繰り返され、続いて28日の待機期間がある。
【0087】
別の実施態様において、本方法は、哺乳動物に対して週に1回約1mg/m2〜50mg/m2〜の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも2回繰り返される。別の実施態様において、用量は、約2mg/m2〜40mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約3mg/m2〜24mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約4mg/m2〜20mg/m2である。
【0088】
(6.4 例示的投薬計画)
具体的な癌に関連した例示的投薬計画を下記の提供してある。これらの投薬計画は、例証であるが、排他的ではないことが意図される。
一つの態様において、固形腫瘍を治療する方法が提供される。本方法には:
i)患者に対して約1mg/m2〜100mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;
ii)対象には何らSNS-595が投与されない、少なくとも6日の期間を待つこと;
iii)患者に対して約1mg/m2〜100mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与すること、及び、
iv)工程ii)〜iii)を複数回繰り返すこと、
を含む。
【0089】
別の実施態様において、固形腫瘍を治療する方法には、患者に対して週に1回約1mg/m2〜75mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週間の期間には、治療サイクルを含み、治療サイクルが少なくとも2回繰り返される。別の実施態様において、用量は、約15mg/m2〜80mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約3mg/m2〜24mg/m2である。
【0090】
別の実施態様において、固形腫瘍を治療する方法には、患者に対して3週の間に、週に1回約15mg/m2〜40mg/m2の用量のSNS-595を投与し、続いて前記対象に対してSNS-595が投与されない、少なくとも2週の期間を含み、かつ該サイクルは、複数回を繰り返される。別の実施態様において、用量は、約15mg/m2〜35mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約20mg/m2〜30mg/m2である。別の実施態様において、用量は、約20mg/m2〜25mg/m2である。
【0091】
別の態様において、固形腫瘍を治療する方法には、患者に対して3週の期間に1回約35mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、3週の期間には、治療サイクルを含み、かつ治療サイクルが少なくとも2回繰り返される。
別の態様において、血液悪性腫瘍の治療方法が本明細書に提供される。このような方法は、特定の実施態様において、患者に対して約20mg/m2〜60mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含む。
【0092】
何度も事前に治療されたと考えられる患者(「何度も事前に治療された患者」)では、本方法は、患者に対して3週の間に1回35mg/m2〜60mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、3週の期間には、治療サイクルを含み、かつ治療サイクルが少なくとも2回繰り返される。別の実施態様において、何度も事前に治療された患者を治療するための方法には、40mg/m2〜50mg/m2の用量を投与することを含む。別の実施態様において、何度も事前に治療された患者を治療するための方法には、45mg/m2〜50mg/m2の用量を投与することを含む。何度も事前に治療された患者は、Toicherらの論文、J. Gun. Oncol. 19: 2937-2947 (2001)によって記述されたとおりに定義され、6回を超えるアルキル化剤含有化学療法の過程、2回を超えるカルボプラチン又はマイトマイシンCの過程、任意の以前のニトロソ尿素含有療法、骨髄含有領域の25%に対する照射、造血幹細胞の注入を必要とする高投与量化学療法又は広範囲にわたる骨への転移で以前に治療された患者である。
【0093】
以前に彼らの固形腫瘍が治療されなかったか、又は治療されたが、何度も事前に治療されたとは考えられない患者は、最小限に事前に治療されている(「最小限に事前に治療された患者」)。最小限に事前に治療された患者を治療するためには、本方法は、患者に対して3週の期間に1回45mg/m2〜80mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、3週の期間には、治療サイクルを含み、かつ治療サイクルが少なくとも2回繰り返される。別の実施態様において、最小限に事前に治療された患者を治療するための方法には、50mg/m2〜75mg/m2の用量を投与することを含む。別の実施態様において、最小限に事前に治療された患者を治療するための方法には、55mg/m2〜70mg/m2の用量を投与することを含む。別の実施態様において、最小限に事前に治療された患者を治療するための方法には、55mg/m2〜65mg/m2の用量を投与することを含む。
【0094】
別の態様において、白血病及びリンパ腫などの血液癌を治療する方法が提供される。本方法には:
i)患者に対して10mg/m2〜50mg/m2の用量のSNS-595を投与すること;
ii)対象には何らSNS-595が投与されない、少なくとも2日の期間を待つこと;
iii)患者に対して10mg/m2〜50mg/m2のさらなる用量のSNS-595を投与すること;及び、
iv)工程ii)〜iii)を複数回繰り返すこと、
を含む。
【0095】
一つの実施態様において、待機期間は、6日である。別の実施態様において、待機期間は、2日である。別の実施態様において、待機期間は、3日である。
一つの実施態様において、血液悪性腫瘍を治療する方法には、患者に対して週に1回約20mg/m2、22mg/m2、25mg/m2、27mg/m2又は30mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週の期間には、治療サイクルを含み、かつ治療サイクルが少なくとも2回繰り返される。一つの実施態様において、血液悪性腫瘍を治療する方法には、患者に対して週に1回約25mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、1週の期間には、治療サイクルを含み、かつ治療サイクルが少なくとも2回繰り返される。
【0096】
血液悪性腫瘍患者の治療のために有用なその他の投薬スケジュールには、2週の間に、週に2回約25mg/m2 〜約50mg/m2が投与されることを含むことができる。別の実施態様において、血液悪性腫瘍の治療に使用する投薬スケジュールには、2週の間に、週に2回約約30mg/m2〜約45mg/m2が投与されることを含む。別の実施態様において、血液悪性腫瘍の治療のための投薬スケジュールには、2週の間に、週に2回30、35、40、又は45 mg/m2が投与されることを含む。
【0097】
一つの実施態様において、血液悪性腫瘍を治療する方法は、患者に対して2週に1回約40mg/m2、45mg/m2、50mg/m2、55mg/m2又は60mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、2週の期間には、治療サイクルを含む。一つの実施態様において、血液悪性腫瘍を治療する方法は、患者に対して2週に1回約50mg/m2の用量のSNS-595を投与することを含み、2週の期間には、治療サイクルを含む。
【0098】
(6.5 併用療法)
本明細書に提供した方法及び組成物において、SNS-595は、その他の薬理学的に活性な化合物(「第2の活性薬剤」)と共に使用すること、又は共に組み合わせることができる。特定の組み合わせは、癌の特定のタイプの治療において相乗的に働くと考えられる。また、SNS-595は、特定の第2の活性薬剤に付随する有害作用を軽減するように働くことができ、いくつかの第2の活性薬剤は、SNS-595に付随する有害作用を軽減するために使用することができる。
【0099】
(6.5.1 第2の活性薬剤)
1つ以上の第2の活性成分又は薬剤を、本明細書に提供される方法及び組成物においてSNS-595と共に使用することができる。第2の活性薬剤は、大分子(例えば、タンパク質)又は小分子(例えば、合成無機分子、有機金属分子又は有機分子)であることができる。
【0100】
大分子活性薬剤の例には、造血成長因子、サイトカイン並びにモノクローナル及びポリクローナル抗体、特に癌抗原に対する治療的抗体を含むが、限定されない。典型的な大分子活性薬剤は、天然に存在するか、又は人工的に作製されたタンパク質などの生体分子である。本明細書に提供される方法に特に有用であるタンパク質及び組成物には、インビトロ又はインビボでの造血前駆細胞及び免疫学的に活性な造血(poietic)細胞の生存及び/又は増殖を刺激するタンパク質を含む。その他では、インビトロ又はインビボで細胞におけるコミットされた赤血球系前駆体の分裂及び分化を刺激する。特定のタンパク質には:IL-2(組換えIL-II(「rIL2」)及びカナリアポックスIL-2を含む)、IL-10、IL-12及びIL-18などのインターロイキン;インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n1、インターフェロンα-n3、インターフェロンβ-I、及びインターフェロンγ-Ibなどのインターフェロン;GM-CF及びGM-CSF;並びにEPOを含むが、限定されない。
【0101】
本方法及び組成物に使用することができる特定のタンパク質には:商品名ノイポジェン(Neupogen)(登録商標)の下で米国において販売されるフィルグラスチム(Amgen、Thousand Oaks、CA)及びペグフィルグラスチム(pegfilgrastim)を含むが、限定されないその誘導体;商品名ロイカイン(Leukine)(登録商標)の下で米国において販売されるサルグラモスチム(Immunex、Seattle、WA);商品名エポジェン(Epogen)(登録商標)下で米国において販売される組換えEPO(Amgen、Thousand Oaks、CA);エポエチンアルファ;及びダーベポエチンアルファを含むが、限定されない。
【0102】
GM-CSFの組換え形態及び変異形態は、米国特許第5,391,485号;第5,393,870号及び第5,229,496号(これらの全てが引用として本明細書に組み込まれる)に記載されているように製造することができる。G-CSFの組換え形態及び変異形態は、米国特許第4,810,643号;第4,999,291号;第5,528,823号及び第5,580,755号(これらの全てが引用として本明細書に組み込まれる)に記載されているように製造することができる。
【0103】
また、SNS-595と組み合わせて使用するための天然の、天然に存在する、及び組換え型のタンパク質が提供される。天然に存在するタンパク質の、これらが基礎としているタンパク質の薬理活性の少なくとも一部をインビボにて示す突然変異体及び誘導体(例えば、修飾形態)も包含される。突然変異体の例には、タンパク質の天然に存在する形態の対応する残基と異なる1つ以上のアミノ酸残基を有するタンパク質を含むが、限定されない。また、通常これらの天然に存在する形態(例えば、非グリコシル化形態)に存在する炭化水素部分を欠如するタンパク質も「突然変異体」という用語によって包含される。誘導体の例には、ペグ化された誘導体及びタンパク質又は関心対象のタンパク質の活性な部分に対してIgG 1又はIgG3を融合することによって形成されるタンパク質などの、融合タンパク質を含むが、限定されない。例えば、Penichet, M.L. 及びMorrisonの論文、S.L., J. Immunol. Methods 248:91-101 (2001)を参照されたい。
【0104】
SNS-595と組み合わせて使用することができる抗体には、モノクローナル及びポリクローナル抗体を含む。抗体の例には、トラスツズマブ(ハーセプチン(Herceptin)(登録商標))、リツキシマブ(リタキサンRituxan)(登録商標))、ベバシズマブ(アバスチン(Avastin)(商標))、ペルツズマブ(オミニターグ(Omnitarg)(商標)))、トシツモマブ(ベキサール(Bexxar)(登録商標))、エドレコロマブ(パノレックス(Panorex)(登録商標))及びG250を含むが、限定されない。また、SNS-595は、抗-TNF-α抗体及び/又はエルビタックス(Erbitux)(登録商標)若しくはパニツムマブなどの抗EGFR抗体と組み合わせること、又は組み合わせて使用することができる。
【0105】
大分子活性薬剤は、抗癌ワクチンの形態で投与してもよい。例えば、IL-2、G-CSF及びGM-CSFなどのサイトカインを分泌するか、又は分泌を生じさせるワクチンは、提供される方法及び医薬組成物に使用することができる。例えば、Emens, L. A.らの論文、Curr. Opinion Mol. Ther. 3(1): 77-84 (2001)を参照されたい。
【0106】
異なる作用機序をもつ薬物は、相加作用又は相乗作用の可能性を最大にするように選択されるという一般的規則とは対照的に(例えば、Page, R. 及びTakimoto, C., 「化学療法の原理(Principles of Chemotherapy)」, Cancer Management:A Multidisciplinary Approach (2001), P. 23を参照されたい)、SNS-595及びまたDNA合成を妨げる第2の薬剤を含む組み合わせは、相加的又は相乗的であることが見いだされた。
【0107】
本明細書に使用される薬剤は、これが、DNAを合成するか、又はDNA損傷を修復する細胞の能力に直接又は間接的に影響を及ぼすときに、DNA合成を妨げる。薬剤は、DNAと直接相互作用する(例えば、結合するか、又はインターカレートする)ことができ、又はこれは、DNA合成又はDNA修復に関与するDNA結合タンパク質と結合することができる。一般に、DNA合成を妨げる薬剤は、S期の間に活性であるが、S期特異的である必要はない。
【0108】
SNS-595は、DNA-PK経路に影響を及ぼすので、第2の薬剤は、DNA-PK経路を介してその細胞障害性を媒介する薬剤であってもよい。一つの例は、DNA-PK阻害剤などの非相同的末端連結(endjoining)修復を阻害する薬剤である。本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「DNA-PK阻害剤」という用語は、DNA-PKによって媒介されるシグナリング経路を阻害し、又は妨害する薬剤を意味する。DNA-PKの活性の阻害は、直接であっても(例えば、DNA-PK自体の触媒阻害剤)又は間接的であってもよい(例えば、活性DNA-PK複合体(DNA-PK、Ku70及びKu80)の形成を妨げる薬剤)。その他の例には、リガーゼIV阻害剤、並びにカスパーゼ-9活性化因子、カスパーゼ-3活性化因子及びHsp90阻害剤などのアポトーシス増強薬を含むが、限定されない。
【0109】
また、小分子である第二の活性薬剤を使用してSNS-595の投与と関連する有害作用を軽減することができる。しかし、いくつかの大分子のように、多くは、SNS-595と共に(例えば、前に、後に、又は同時に)投与されたときに相乗効果をもたらすことができると考えられる。小分子第2の活性薬剤の例には、抗癌剤、抗生物質、免疫抑制因子及びステロイドを含むが、限定されない。
抗癌剤の例には、アルキル化剤、抗悪性腫瘍薬、抗代謝剤(例えば、葉酸類似体、プリン類似体、アデノシン類似体、ピリミジン類似体及び置換された尿素)、白金配位化合物、トポイソメラーゼII阻害剤及び放射線を含むが、限定されない。
【0110】
具体的抗癌薬には、以下を含むが、限定されない:アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン(ambomycin);アメタントロン・アセテート;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ (azetepa);アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシラート;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カペシタビン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン(carubicin);カルゼレシン;セデフィンゴール;セレコキシブ(COX-2阻害剤);クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシラート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシラート;ジアジコン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン (duazomycin);エダトレキセート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン(elsamitrucin);エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール(erbulozole);エルロチニブ;塩酸エソルビシン (esorubicin);エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン (etoprine);塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲフィチニブ;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;イプロプラチン;イリノテカン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン(mitocarcin);ミトクロミン (mitocromin);マイトジリン;ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスパー(mitosper);ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン(peliomycin);ペメトレキセド;ペンタムスチン (pentamustine);硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニマスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;タキソテール;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン(thiamiprine);チオグアニジン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン(trestolone);リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート(vinglycinate);硫酸ビンロイロシン(vinleurosine );酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン(vinrosidine);硫酸ビンゾリジン(vinzolidine);ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;及び塩酸ゾルビシン。
【0111】
その他の抗癌剤には、以下を含むが、限定されない:20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス(amidox);アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレライド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管形成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背方化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗新生物薬;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィジコリン;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス制御因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムチン;アキシナスタチン(axinastatin) 1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン 3;アザセトロン;アザトキシン(azatoxin);アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール (balanol);バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン(benzochlorin);ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β-アレチン(alethine);ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテン(bistratene)A;ビゼレシン;ブレフレート(breflate);ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトセシン誘導体;カペシタビン;カルボキサミド-アミノトリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シスポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシン (collismycin)A;コリスマイシン B;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン(crambescidin)816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;キュラシンA;シクロペンタンセラキノン (cyclopentanthraquinone);シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロダイデムニン (dehydrodidemnin)B;デスロレリン;デキサメサゾン;デキシホスファミド(dexifosfamide);デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ダイデムニンB;ダイドックス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール、9-;ジオキサマイシン (dioxamycin);ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロナビノー ル;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin);ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム(hepsulfam);ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イマチニブ(例えば、グリベック(登録商標));イミキモド;免疫賦活ペプチド;インスリン様増殖因子-1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4-;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリド(kahalalide)F;ラメラリン-Nトリアセタート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトールスタチン(leptolstatin);レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリンアミド(lissoclinamide )7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキゾール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロキソリビン;ルトテカン (lurtotecan);ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン(lysofylline);溶解ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン(merbarone);メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストーン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;メトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞成長因子-サポニン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;エルビタクス、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;マスタード抗癌薬;マイカペルオキシド(mycaperoxide)B;放線菌細胞壁抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N-アセチルジナリン;N-置換されたベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン(napavin);ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン(nemorubicin);ネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン(nisamycin);一酸化窒素モジュレーター;窒素酸化物抗酸化剤;ニトルリン(nitrullyn);オブリメルセン(ジェナセンス(Genasense)(登録商標));06-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン(okicenone);オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン(oracin);経口サイトカイン誘導因子;オルマプラチン;オサラロン;オキサリプラチン;オキザウノマイシン(oxaunomycin);パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン(palauamine);パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;多硫酸ペントサンナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール (pentrozole);ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチン(placetin)A;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金複合体;白金化合物;白金-トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス‐アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAに基づいた免疫変調成分;タンパク質キナーゼC阻害剤;タンパク質キナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル酸化されたヘモグロビンポリオキシエチレン抱合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe 186エチドロン酸;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメクス;ルビジノン (rubiginone)B1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1擬態;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート(borocaptate);酢酸フェニルナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;スチピアミド(stipiamide);ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン(sulfinosine);超活性血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;タリムスチン;タモキシフェン・メチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム (tellurapyrylium);テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキサイド;テトラゾミン (tetrazomine);タリブラスチン(thaliblastine);チオコラリン;トロンボポエチン;擬態トロンボポエチン;チマルファシン;サイモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン (topsentin);トレミフェン;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チロホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;泌尿生殖洞由来増殖阻害性因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベラレソール;ベラミン(veramine);ベルディンス(verdins);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタクシン;ボロゾール;ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン;ジラスコルブ;及びジノスタチンスチマラマー。
【0112】
特異的な第2の活性薬剤には、以下を含むが、限定されない:リツキシマブ、オブリメルセン(ジェナセンス(Genasense)(登録商標))、レミケード、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、デキサメタゾン(デカドロン(Decadron)(登録商標))、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチン、テモゾロマイド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、グリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキセート、アリサ(Arisa)(登録商標)、タキソール、タキソテール、フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、キセロダ(xeloda)、CPT-11、インターフェロンα、ペグ化されたインターフェロンα(例えば、PEGINTRON-A)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノルビシン、シタラビン、ドキセタキソール、パシリタキセル(pacilitaxel)、ビンブラスチン、IL-2、GM-CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロナート(palmitronate)、ビアキシン、ブスルファン、プレドニゾン、ビスホスホネート、三酸化ヒ素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(ドキシル(Doxil)(登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、リン酸エストラムスチンナトリウム(エムサイト(Emcyt)(登録商標))、スリンダク及びエトポシド。
【0113】
特定の実施態様において、第2の活性な薬剤は、エトポシド、ダウノマイシン、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、シスプラチン、カルボプラチン、ペメトレキセド、メトトレキセート、Ara-C、5-FU、ワートマニン、ゲムシタビン、ゲルダナマイシン又はそれらの組み合わせである。
【0114】
その他の実施態様において、第2の活性薬剤は、補助的治療薬である。補助的治療薬の例は、制吐剤である。具体的抗催吐薬には、フェノチアジン、ブチロフェノン、ベンゾジアゼピン、副腎皮質ステロイド、セロトニン拮抗薬、カンナビノイド及びNK1受容体アンタゴニストを含むが、限定されない。フェノチアジン制吐剤の例には、プロクロルペラジン及びトリメトベンズアミドを含むが、限定されない。ブチオフェノン制吐剤の例には、ハロペリドールを含むが、限定されない。ベンゾジアゼピン制吐剤の例には、ロラゼパムを含むが、限定されない。副腎皮質ステロイド制吐剤の例には、デキサメサゾンを含むが、限定されない。セロトニン拮抗薬制吐剤の例には、オンダンセトロン、グラニセトロン及びドラセトロン(dolasetron)を含むが、限定されない。カンナビノイド制吐剤の例には、ドロナビノールを含むが、限定されない。NK1受容体アンタゴニストの例には、アプレピタント(aprepitant)を含むが、限定されない。制吐剤の用量及び投薬計画は、治療される具体的指標、患者の年齢及び状態、並びに有害作用の重症度に依存するべきであり、従って当業者によって調整され得る。用量及び投薬計画の例は、例えば、医師向け卓上参考書(Physician's Desk Reference)に見つけることができる。
【0115】
(6.5.2 併用療法の例示的方法)
特定の実施態様において、本明細書に提供される方法は、1つ以上の第2の活性薬剤と組み合わせて、及び/又は放射線療法若しくは外科手術と組み合わせて、SNS-595を投与することを含む。患者に対するSNS-595及び第2の活性薬剤の投与は、同じか、又は異なる投与経路によって同時に、又は連続して行うことができる。特定の活性薬剤のために使用される特定の投与経路の適合性は、活性薬剤自体(例えば、それが血流に入る前に分解することなく経口投与することができるかどうか)及び治療される疾患に依存する。第2の活性薬剤のための投与の推奨される経路は、当業者に公知である。例えば、医師向け卓上参考書(第60版., 2006年)を参照されたい。
【0116】
一つの実施態様において、第2の活性薬剤は、静脈内又は皮下に、及び量において1日に1回又は2回、1〜約1,000mg、約5〜約500mg、約10〜約375mg又は約50〜約200mgの量で投与される。一つの実施態様において、第2の活性薬剤は、リツキシマブ、オブリメルセン(ジェナセンス(Genasense)(登録商標))、GM-CSF、G-CSF、EPO、タキソテール、イリノテカン、ダカルバジン、トランスレチノイン酸、トポテカン、ペントキシフィリン、シプロフロキサシン、デキサメサゾン、ビンクリスチン、ドキソルビシン、COX-2阻害剤、IL2、IL8、IL 18、IFN、Ara-C、ビノレルビン又はそれらの組み合わせである。特定の実施態様において、第2の活性薬剤は、エトポシド、ダウノマイシン、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、シスプラチン、カルボプラチン、ペメトレキセド、メトトレキセート、Ara-C、5-FU、ワートマニン、ゲルダナマイシン、ゲムシタビン又はそれらの組み合わせである。
【0117】
別の実施態様において、血液悪性腫瘍を治療し、防止し、及び/又は管理する方法であって、外科手術、免疫療法、生物学的療法、放射線療法又は癌を治療し、予防し、若しくは管理するために現在使用されるその他の非薬物に基づいた療法を含むが、限定されない従来の療法と組み合わせて(例えば、前に、間に、又は後に)SNS-595を投与することを含む方法が本明細書に提供される。理論によって限定されないが、SNS-595は、従来の療法と同時に与えられるときに、相加作用又は相乗効果を提供し得ると考えられる。
【0118】
特定の実施態様において、第2の活性薬剤は、SNS-595と同時投与されるか、又は1〜50時間遅れて投与される。特定の実施態様において、SNS-595は、最初に投与され、続いて1〜50時間遅れて第2の活性薬剤と共に投与される。その他の実施態様において、第2の活性薬剤は、最初に投与され、続いて1〜50時間遅れてSNS-595と共に投与される。いくつかの実施態様において、遅延は、24時間である。
【0119】
一つの実施態様において、SNS-595は、約1〜約75mg/m2、1〜約600mg/m2、1〜約48mg/m2、1〜約24mg/m2、1〜約50mg/m2、約1〜約40mg/m2、約1〜約mg/m2、約3〜約30mg/m2、約3〜約24mg/m2の量で、単独又は本明細書に開示した第2の活性薬剤と組み合わせて、従来の療法の使用の前に、間に、又は後に投与することができる。
別の実施態様において、本明細書に提供される方法には:a)その必要のある患者に対して約1mg/m2〜75mg/m2の用量のSNS-595を投与すること、及びb)補助的治療薬の治療上有効量を投与することを含む。
【0120】
一つの実施態様において、第2の薬剤は、アルキル化剤である。別の実施態様において、アルキル化剤は、アルキルスルホナートであり、治療される癌は、白血病又はリンパ腫である。別の実施態様において、アルキルスルホナートは、ブスルファンである。別の実施態様において、アルキルスルホナートは、ブスルファンであり、治療上有効量は、少なくとも1mgの1日量である。別の実施態様において、アルキルスルホナートは、ブスルファンであり、治療上有効量は、約2mg〜8mg間の1日の経口用量である。別の実施態様において、アルキルスルホナートは、ブスルファンであり、治療上有効量は、約1mg〜約3mg間の1日の経口用量である。
【0121】
別の実施態様において、アルキル化剤は、ナイトロジェンマスタードであり、治療される癌は、膀胱癌、乳癌、ホジキン病、白血病、肺癌、黒色腫、卵巣癌又は精巣癌である。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードは、クロランブシルである。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードは、クロランブシルであり、治療上有効な量は、少なくとも0.1mg/kgである。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードは、クロランブシルであり、治療上有効量は、3〜6週の間に約0.1mg/kg〜約0.2mg/kgの間の1日の経口用量である。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードはクロランブシルであり、治療上有効量は、3〜4週毎に0.4mg/kgの用量である。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードは、シクロホスファミドである。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードは、シクロホスファミドであり、治療上有効量は、少なくとも10mg/kgの静脈内投与である。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードは、シクロホスファミドであり、治療上有効量は、7〜10日毎に約10mg/kg〜約15mg/kg間の静脈内投与である。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードは、シクロホスファミドであり、治療上有効量は、約1mg/kg〜約5mg/kgの間の経口1日量である。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードは、メルファランである。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードは、メルファランであり、治療上有効量は、少なくとも2mgの1日の経口用量である。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードは、メルファランであり、治療上有効量は、2〜3週の間に6mgの毎日の経口用量、2〜4週の間メルファランなし、及び次いで約2mg〜約4mgの間の毎日の経口用量である。別の実施態様において、ナイトロジェンマスタードは、メルファランであり、治療上有効量は、4〜6週毎に4日間10mg/m2の毎日の経口用量である。
【0122】
別の実施態様において、アルキル化剤は、ニトロソ尿素であり、治療される癌は、脳腫瘍、結直腸癌、ホジキン病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫又は黒色腫である。別の実施態様において、ニトロソ尿素は、カルムスチンである。別の実施態様において、ニトロソ尿素は、カルムスチンであり、治療上有効量は、少なくとも150mg/m2である。別の実施態様において、ニトロソ尿素は、カルムスチンであり、治療上有効量は、6〜8週毎に約150mg/m2〜200mg/m2の間の静脈内投与である。
【0123】
別の実施態様において、アルキル化剤は、トリアゼンであり、治療される癌は、ホジキン病、黒色腫、神経芽細胞腫又は軟部組織肉腫である。別の実施態様において、トリアゼンは、ダカルバジンである。別の実施態様において、トリアゼンは、ダカルバジンであり、治療上有効量は、4週毎に10日間約2.0mg/kg〜約4.5mg/kgの間の毎日の静脈内投与である。別の実施態様において、トリアゼンは、ダカルバジンであり、治療上有効量は、3週毎に5日間250mg/m2の毎日の静脈内投与である。別の実施態様において、トリアゼンは、ダカルバジンであり、治療上有効量は、16日毎に375mg/m2の静脈内投与である。別の実施態様において、トリアゼンは、ダカルバジンであり、治療上有効量は、4週毎に5日間150mg/m2の静脈内投与である。
【0124】
別の実施態様において、第2の薬剤は、抗新生物抗生物質であり、治療される癌は、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、頭頚部癌、ホジキン病、白血病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、卵巣癌、肉腫、皮膚癌、精巣癌又は甲状腺癌である。別の実施態様において、抗生物質は、ブレオマイシンである。別の実施態様において、抗生物質は、ブレオマイシンであり、治療上有効量は、少なくとも10単位/m2である。別の実施態様において、抗生物質は、ブレオマイシンであり、治療上有効量は、毎週又は毎週2回、約10単位/m2〜約20単位/m2の間の経静脈、皮下又は筋肉内用量である。別の実施態様において、抗生物質は、ダクチノマイシンである。別の実施態様において、抗生物質は、ダクチノマイシンであり、治療上有効量は、少なくとも0.01mg/kgである。別の実施態様において、抗生物質は、ダクチノマイシンであり、治療上有効量は、3週毎に5日間約0.010mg/kg〜約0.015mg/kgの間の毎日の静脈内投与である。別の実施態様において、抗生物質は、ダクチノマイシンであり、治療上有効量は、3又は4週毎に2mg/m2の静脈内投与である。別の実施態様において、抗生物質は、、ダウノルビシンである。別の実施態様において、抗生物質は、ダウノルビシンであり、治療上有効量は、少なくとも30mg/m2である。別の実施態様において、抗生物質は、ダウノルビシンであり、治療上有効量は、3日間約30mg/m2〜約45mg/m2の間の毎日の静脈内投与である。別の実施態様において、抗生物質は、ダウノルビシンのリポソーム製剤であり、治療上有効量は、2週毎に40mg/m2の静脈内投与である。別の実施態様において、抗生物質は、ドキソルビシンである。別の実施態様において、抗生物質は、ドキソルビシンであり、治療上有効量は、少なくとも15mg/m2である。別の実施態様において、抗生物質は、ドキソルビシンであり、治療上有効量は、3週毎に約60mg/m2〜約90mg/m2の間の静脈内投与である。別の実施態様において、抗生物質は、ドキソルビシンであり、治療上有効量は、約15mg/m2〜約20mg/m2の間の毎週の静脈内投与である。別の実施態様において、抗生物質は、ドキソルビシンであり、治療上有効量は、2週の間の30mg/m2の毎週の静脈内投与、続いて2週の間のドキソルビシンなしを含むサイクルである。
【0125】
別の実施態様において、第2の薬剤は、抗代謝剤である。別の実施態様において、抗代謝剤は、葉酸類似体であり、治療される癌は、乳癌、頭頚部癌、白血病、肺癌、非ホジキンリンパ腫又は骨肉腫である。別の実施態様において、葉酸類似体は、メトトレキセートである。別の実施態様において、葉酸類似体は、メトトレキセートであり、治療上有効量は、少なくとも2.5mgである。別の実施態様において、葉酸類似体は、メトトレキセートであり、治療上有効量は、約2.5mg〜約5mgの間の毎日の経口用量である。別の実施態様において、葉酸類似体は、メトトレキセートであり、治療上有効量は、約5mg/m2〜約25mg/m2の間の毎週2回の用量である。別の実施態様において、葉酸類似体は、メトトレキセートであり、治療上有効量は、2〜3週毎に50mg/m2の毎週の静脈内投与である。別の実施態様において、葉酸類似体は、ペメトレキセドである。別の実施態様において、葉酸類似体は、ペメトレキセドであり、治療上有効量は、少なくとも300mg/m2である。別の実施態様において、葉酸類似体は、ペメトレキセドであり、治療上有効量は、2又は3週毎に約300mg/m2〜約600mg/m2の間の静脈内投与である。別の実施態様において、葉酸類似体は、ペメトレキセドであり、治療上有効量は、3週毎に500mg/m2の静脈内投与である。
【0126】
別の実施態様において、抗代謝剤は、プリン類似体であり、治療される癌は、結直腸癌、白血病又は骨髄腫である。別の実施態様において、プリン類似体は、メルカプトプリンである。別の実施態様において、プリン類似体は、メルカプトプリンであり、治療上有効量は、少なくとも1.5mg/kgである。別の実施態様において、プリン類似体は、メルカプトプリンであり、治療上有効量は、約1.5mg/kg〜約5mg/kgの間の1日の経口用量である。別の実施態様において、プリン類似体は、チオグアニジンである。別の実施態様において、プリン類似体はチオグアニジンであり、治療上有効量は、少なくとも2mg/kgである。別の実施態様において、プリン類似体は、チオグアニジンであり、治療上有効量は、約2mg/kg〜約3mg/kgの間の1日の経口用量である。
【0127】
別の実施態様において、抗代謝剤は、アデノシン類似体であり、治療される癌は、白血病又はリンパ腫である。別の実施態様において、アデノシン類似体は、クラドリビンである。別の実施態様において、アデノシン類似体は、クラドリビンであり、治療上有効量は、少なくとも0.09mg/kgである。別の実施態様において、アデノシン類似体は、クラドリビンであり、治療上有効量は、7日の間に0.09mg/kgの毎日の静脈内投与である。別の実施態様において、アデノシン類似体は、クラドリビンであり、治療上有効量は、7日の間に4mg/m2の毎日の静脈内投与である。別の実施態様において、アデノシン類似体は、ペントスタチンである。別の実施態様において、アデノシン類似体は、ペントスタチンであり、治療上有効量は、4mg/m2である。別の実施態様において、アデノシン類似体は、ペントスタチンであり、治療上有効量は、一週おきに4mg/m2の静脈内投与である。別の実施態様において、アデノシン類似体は、ペントスタチンであり、治療上有効量は、3週毎に4mg/m2の静脈内投与である。
【0128】
別の実施態様において、抗代謝剤は、ピリミジン類似体であり、治療される癌は、膀胱癌、乳癌、結直腸癌、食道癌、頭頚部癌、白血病、肝臓癌、リンパ腫、卵巣癌、膵癌、皮膚癌又は胃癌である。別の実施態様において、ピリミジン類似体は、シタラビンである。別の実施態様において、ピリミジン類似体は、シタラビンであり、治療上有効量は、少なくとも100mg/m2である。別の実施態様において、ピリミジン類似体は、シタラビンであり、治療上有効量は、7日の間に100mg/m2の毎日の静脈内投与である。別の実施態様において、ピリミジン類似体は、カペシタビンである。別の実施態様において、ピリミジン類似体は、カペシタビンであり、治療上有効量は、少なくとも2000mg/m2の1日量である。もう一つの実施態様において、ピリミジン類似体は、カペシタビンであり、治療上有効量は、14日の間に約1200mg/m2〜約1300mg/m2の間の1日2回の経口用量である。別の実施態様において、ピリミジン類似体は、カペシタビンであり、治療上有効量は、約1250mg/m2の1日2回の用量が14日の間投与され、続いて1週の休止という3週サイクルである。別の実施態様において、ピリミジン類似体は、フルオロウラシルである。別の実施態様において、ピリミジン類似体は、フルオロウラシルであり、治療上有効量は、少なくとも10mg/kgである。もう1つの例において、ピリミジン類似体は、フルオロウラシルであり、治療上有効量は、少なくとも3日の間に約300mg/m2〜約500mg/m2の間の毎日の静脈内投与である。もう1つの例において、ピリミジン類似体は、フルオロウラシルであり、治療上有効量は、3〜5日の間に12mg/kgの毎日の静脈内投与である。別の実施態様において、ピリミジン類似体は、フルオロウラシルであり、治療上有効量は、約10mg/kg〜約15mg/kgの間の毎週の静脈内投与である。
【0129】
別の実施態様において、抗代謝剤は、置換された尿素であり、治療される癌は、頭頚部癌、白血病、黒色腫又は卵巣癌である。別の実施態様において、置換された尿素は、ヒドロキシ尿素である。別の実施態様において、置換された尿素は、ヒドロキシ尿素であり、治療上有効量は、少なくとも20mg/kgである。別の実施態様において、置換された尿素は、ヒドロキシ尿素であり、治療上有効量は、3日毎に80mg/kgの経口用量である。別の実施態様において、置換された尿素は、ヒドロキシ尿素であり、治療上有効量は、約20mg/kg〜約30mg/kgの間の1日経口用量である。
【0130】
別の実施態様において、第2の薬剤は、白金配位化合物であり、治療される癌は、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、大腸癌、頭頚部癌、白血病、肺癌、リンパ腫、卵巣癌、肉腫、精巣癌又は子宮癌である。別の実施態様において、白金配位化合物は、カルボプラチンである。別の実施態様において、白金配位化合物は、カルボプラチンであり、治療上有効量は、少なくとも300mg/m2である。別の実施態様において、白金配位化合物は、カルボプラチンであり、治療上有効量は、4週毎に少なくとも300mg/m2である。別の実施態様において、白金配位化合物は、カルボプラチンであり、治療上有効量は、4週毎に300mg/m2である。別の実施態様において、白金配位化合物は、カルボプラチンであり、治療上有効量は、4週毎に少なくとも360mg/m2である。別の実施態様において、白金配位化合物は、シスプラチンである。別の実施態様において、白金配位化合物は、シスプラチンであり、治療上有効量は、少なくとも20mg/m2である。別の実施態様において、白金配位化合物は、シスプラチンであり、治療上有効量は、3〜4週毎に4〜5日の間に20mg/m2の毎日の静脈内投与である。別の実施態様において、白金配位化合物は、シスプラチンであり、治療上有効量は、3週毎に50mg/m2の静脈内投与である。別の実施態様において、白金配位化合物は、オキサリプラチンである。別の実施態様において、白金配位化合物は、オキサリプラチンであり、治療上有効量は、少なくとも75mg/m2である。別の実施態様において、白金配位化合物は、オキサリプラチンであり、治療上有効量は、約50mg/m2及び約100mg/m2の間である。別の実施態様において、白金配位化合物は、オキサリプラチンであり、治療上有効量は、2週毎に約50mg/m2〜約100mg/m2の間のIV注入である。別の実施態様において、白金配位化合物は、オキサリプラチンであり、治療上有効量は、2週毎に約80mg/m2〜約90mg/m2の間のIV注入である。別の実施態様において、白金配位化合物は、オキサリプラチンであり、治療上有効量は、2週毎に85mg/m2の2時間のIV注入である。
【0131】
別の実施態様において、第2の薬剤は、トポイソメラーゼII阻害剤であり、治療される癌はホジキン病、白血病、小細胞肺癌、肉腫又は精巣癌である。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤は、エトポシドである。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤は、エトポシドであり、治療上有効量は、少なくとも35mg/m2である。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤は、エトポシドであり、治療上有効量は、約50mg/m2〜約100mg/m2の間である。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤はエトポシドであり、治療上有効量は、3又は4週毎に5日の間に少なくとも3回、1日につき約35mg/m2〜約50mg/m2の間の静脈内投与である。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤は、エトポシドであり、治療上有効量は、3又は4週毎に5日の間に少なくとも3回、1日につき約50mg/m2〜約100mg/m2の間の静脈内投与である。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤は、エトポシドであり、治療上有効量は、3又は4週毎に5日の間に少なくとも3回、1日につき100mg/m2の経口用量である。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤は、テニポシドである。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤は、テニポシドであり、治療上有効量は、少なくとも20mg/m2である。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤は、テニポシドであり、治療上有効量は、毎週100mg/m2の用量である。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤は、テニポシドであり、治療上有効量は、毎週2回の100mg/m2の用量である。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤は、テニポシドであり、治療上有効量は、5日の間に毎日約20mg/m2〜約60mg/m2の間の用量である。別の実施態様において、トポイソメラーゼII阻害剤は、テニポシドであり、治療上有効量は、5日の間に毎日約80mg/m2〜約90mg/m2の間の用量である。
【0132】
(6.6 医薬組成物及び剤形)
本明細書に提供した方法では、SNS-595と希釈剤又はアジュバントなどの医薬として許容し得る担体とを、又は別の抗癌剤などのその他の活性成分と組み合わせて含む医薬組成物を使用する。臨床実務では、SNS-595は、経口的に、非経口的に、直腸に、又は吸入法によるもの(例えば、エアロゾルの形態で)を含むが、限定されない任意の従来の経路によって投与してもよい。一部の実施態様において、本明細書に提供される組成物は、酸性組成物(例えば、pH<4)である。特定の理論によって限定されないが、酸性組成物は、SNS-595の溶解度の増加及び望ましい薬学的特性(例えば、送達部位にて生じる刺激をより少なくすることによって、患者の快適さを増大させる)の適切なバランスをもたらす。
【0133】
一つの実施態様において、SNS-595は、IV注射によって投与される。非経口投与のための組成物は、乳剤又は無菌液であることができる。使用は、溶媒又は媒体として、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、特にオリーブ油又は注射可能有機エステル、例えばオレイン酸エチルと共に行ってもよい。また、これらの組成物は、アジュバント、特に等張化剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、湿潤剤を含むことができる。
滅菌は、いくつかの方法で、例えば細菌フィルターを使用して、放射線によって、又は加熱によって、実施することができる。また、これらは、無菌の固体組成物の形態で製造して、使用時に滅菌水又はその他の任意の注射用無菌培地に溶解することができる。
【0134】
また、組成物は、エアロゾルであることができる。液体エアロゾルの形態に使用するためには、組成物は、安定な無菌液又は使用時に非発熱性の滅菌水に、塩類溶液若しくはその他の任意の医薬として許容し得る媒体に溶解される固体の組成物であることができる。直接吸入させることが意図される乾燥エアロゾルの形態に使用するためには、活性成分を微細に分割して、水溶性固体希釈剤又は媒体、例えばデキストラン、マンニトール又は乳糖と合わせる。
【0135】
医薬組成物は、個々の単一の単位剤形の製造に使用することができる。医薬組成物及び剤形は、SNS-595及び1つ以上の賦形剤を含む。
また、医薬組成物及び剤形には、1つ以上のさらなる活性成分を含むことができる。随意の第2の(又はさらなる)活性成分の例を本明細書に開示してある。
【0136】
特定の実施態様において、本明細書に提供される組成物は、医薬組成物又は単一の単位剤形である。本明細書に提供される医薬組成物及び単一の単位剤形は、SNS-595と、典型的には1つ以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤の予防的又は治療的有効量とを含む。「担体」という用語は、治療薬と共に投与される希釈剤、アジュバント(例えば、フロイントアジュバント(完全及び不完全))、賦形剤又は媒体をいう。このような医薬品担体は、水、及びピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などの、石油起源、動物起源、植物起源又は合成起源のものを含む油などの滅菌液であることができる。特定の実施態様において、水は、医薬組成物を静脈内に投与するときの担体である。また、食塩水及び水性デキストロース及びグリセロール溶液は、特に注射用溶液のための液体キャリアとして使用することができる。適切な薬剤担体の例は、E.W. Martinによる「レミントンの医薬品化学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」に記述されている。
【0137】
典型的な医薬組成物及び剤形には、1つ以上の賦形剤を含む。適切な賦形剤は、薬学の当業者に周知であり、適切な賦形剤の非限定的な例には、デンプン、グルコース、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどを含む。特定の賦形剤が医薬組成物又は剤形に組み込むために適しているるかどうかは、剤形が対象に投与されるであろう方法及び剤形内の特定の活性成分を含むが、限定されない当該技術分野において周知の種々の要因に依存する。また、組成物又は単一の単位剤形には、望まれる場合は、微量の湿潤剤若しくは乳化剤又はpH緩衝剤を含むことができる。
【0138】
活性成分が分解される割合を減少させる1つ以上の化合物を含む医薬組成物及び剤形が、本明細書に更に提供される。本明細書において、「安定剤」と称されるこのような化合物には、アスコルビン酸、pH緩衝液又は塩緩衝液などの抗酸化剤を含むが、限定されない。
医薬組成物及び単一の単位剤形は、溶液、懸濁液、乳剤、粉末などの形態をとることができる。このような組成物及び剤形には、特定の実施態様において、精製された形態で、対象に対する適当な投与のための形態を提供するための適切な量の担体と共に、予防薬又は治療薬の予防的又は治療的有効量を含む。製剤は、投与様式に適するべきである。一つの実施態様において、医薬組成物又は単一の単位剤形は、無菌で、かつ動物対象又は対象及びヒト被験者などの哺乳動物対象などに対する投与のために適した形態のものである。
【0139】
本明細書に提供される医薬組成物は、その意図される投与経路に適合性であるように製剤化される。投与経路の例には、皮下、非経口的、例えば静脈内、皮内、皮下、筋肉内、吸入、鼻腔内、経皮、局所的、経粘膜、腫瘍内、滑液包内及び直腸投与を含むが、限定されない。具体的実施態様において、組成物は、ヒトに対する静脈内、皮下、筋肉内、鼻腔内又は局所的投与のために適応された医薬組成物として、ルーチン手順に従って製剤化される。一つの実施態様において、医薬組成物は、ヒトに対する皮下投与のために、ルーチン手順に従って製剤化される。典型的には、静脈内投与のための組成物は、無菌の等張性水性緩衝液中の溶液である。必要な場合、組成物には、溶解剤及び注射部位における疼痛を和らげるリグノカインなどの局所麻酔薬も含んでいてもよい。
【0140】
剤形の例には、対象に対する非経口投与のために適した液体剤形;及び再構成して対象に対する非経口投与のために適した液体剤形を提供することができる無菌固体(例えば、結晶性個体又は非晶質固体)を含むが、限定されない。
本明細書に提供される剤形の組成、形状及び型は、典型的にはこれらの使用に応じて変化する。例えば、疾患の初期治療に使用される剤形には、それが含む活性成分の1つ以上を、同じ感染の維持療法に使用される剤形よりも大量に含んでいてもよい。同様に、非経口的剤形は、それが含む活性成分の1つ以上を、経口剤形が同疾患又は障害を治療するために使用されるよりも小量で含んでいてもよい。本明細書に包含される特具体的剤型が互いに変更されるであろうこれらの方法及びその他の方法は、当業者に直ちに明らかであろう。例えば、レミントンの医薬品化学、第20版(Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th ed.) Mack Publishing, Easton PA (2000)を参照されたい。
【0141】
一般に、本明細書に提供される組成物の成分は、例えば活性薬剤の量を示すアンプル又は小袋などの密封して封着された容器内に乾燥凍結乾燥粉末又は水を含まない濃縮物として、別々に、又は単位剤形に共に混合して、いずれかで供給される。組成物が注入により投与される場合は、滅菌薬品級の水又は食塩水を含有する注入ボトルにより分配される。組成物が注射によって投与される場合、成分が投与の前に混合し得るように、注射用滅菌水又は塩類溶液のアンプルを提供することができる。
【0142】
本明細書に提供される典型的な剤形は、毎日又は毎週約1mg/m2〜約75mg/m2の範囲内でSNS-595を含み、朝に単一の1日一回の用量として、又は食物と共に摂取される1日の全体にわたって分割量として与えられる。本明細書に提供される特定の剤形は、約1、3、6、9、12、15、18、21、24、27又は30mg/m2のSNS-595を有する。
【0143】
(6.6.1 非経口的剤形)
非経口的剤形は、患者に対して皮下、経静脈(ボーラス注射を含む)、筋肉内及び動脈内を含むが、限定されない種々の経路によって投与することができる。これらの投与は、典型的には混入物に対する患者の天然の防御を迂回するので、非経口的剤形は、好ましくは無菌であるか、又は患者に対して投与の前に滅菌することができる。非経口的剤形の例には、注射準備済の溶液、注射のための医薬として許容し得る媒体に溶解若しくは懸濁する準備済の乾燥製品、注射準備済の懸濁液及び乳剤を含むが、限定されない。
【0144】
非経口的剤形を提供するために使用することができる適切な媒体は、当業者に周知である。例には、以下を含むが、限定されない:注射用蒸留水USP;塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、デキストロース注射、デキストロース及び塩化ナトリウム注射、並びに乳酸リンゲル注射などの、しかし限定されない水性媒体;エチルアルコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールなどの、しかし限定されない水混和性媒体;並びにトウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、イソプロピルミリステート及び安息香酸ベンジルなどの非水溶媒体。
【0145】
また、本明細書に開示される活性成分の1つ以上の溶解度を増加させる化合物を非経口的剤形に組み込むことができる。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体を活性成分の溶解度を増加させるために使用することができる。例えば、米国特許第5,134,127号をを参照され、これは、引用として本明細書に組み込まれる。
【0146】
(6.6.2 局所剤形及び粘膜剤形)
特定の実施態様において、経皮剤形、局所剤形及び粘膜剤形が本明細書に提供される。
本明細書に提供される経皮剤形、局所剤形及び粘膜剤形は、当業者に公知の眼科用液剤、スプレー、エアロゾル、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、乳剤、懸濁液又はその他の形態を含むが、限定されない。例えば、レミントンの医薬品化学、第20版(Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th ed.) Mack Publishing, Easton PA (2000)及び医薬品剤形についての緒言、第4版(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms, 4th ed.)、 Lea & Febiger, Philadelphia (1985)を参照されたい。口腔内の粘膜組織を治療するために適した剤形は、含嗽薬として、又は経口ゲルとして製剤化することができる。更に、経皮剤形には、「貯蔵所型」又は「マトリックス型」パッチを含み、これらは、皮膚に適用して、所望の量の活性成分の透過を可能にするための特定の期間の間身につけておくことができる。
【0147】
本明細書に包含される局所剤形及び粘膜の剤形を提供するために使用することができる適切な賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)及びその他の材料は、医薬品技術分野の当業者に周知であり、所与の医薬組成物又は剤形が適用されるであろう特定の組織に依存する。その事実を念頭において、典型的な賦形剤には、非中毒性かつ医薬として許容し得る溶液、乳剤又はゲルを形成するための、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、イソプロピルミリスタート、イソプロピルパルミタート、鉱油及びこれらの混合物を含むが、限定されない。また、モイスチャライザー又は湿潤剤を、必要に応じて医薬組成物及び剤形に添加することができる。このようなさらなる成分の例は、当該技術分野において周知である。例えば、レミントンの医薬品化学、第20版(Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th ed.) Mack Publishing, Easton PA (2000)を参照されたい。
【0148】
また、医薬組成物又は剤形のpHは、1つ以上の活性成分の送達を改善するように調整してもよい。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度又は張性も送達を改善するように調整することができる。また、送達を改善するために、1つ以上の活性成分の親水性又は親油性を都合よく変化させるように、ステアラートなどの化合物を医薬組成物又は剤形に添加することができる。この点に関しては、ステアラートは、製剤のための脂質媒体として、乳化剤又は界面活性物質として、及び送達増強剤又は透過促進剤として役立てることができる。活性成分の異なる塩、水和物又は溶媒和物を使用して、生じる組成物の特性を更に調整することができる。
【実施例】
【0149】
(7. 実施例)
本明細書に提供される特定の実施態様を以下の非限定の実施例によって例証してある。
(実施例1:注射又は静脈内輸液のために適した医薬組成物)
酸性組成物(<pH 4)は、SNS-595の溶解度の増加と望ましい薬学的特性(例えば、送達部位にて生じる刺激をより少なくすることによって、患者の快適さを増大させれる)との適切なバランスをもたらした。適切な組成物の例示的な例には:メタンスルホン酸でpH 2.5に調整してある4.5%のソルビトール水溶液1mLあたり10mgのSNS-595を含む。このような溶液を作製するための1つのプロトコルには、100mg/10mLの標品を作製するための、以下を含む:100mgのSNS-595及び450mgのD-ソルビトールを蒸留水に添加する;体積を10mLの体積にする;生じる溶液のpHをメタンスルホン酸で2.5に調整する。また、生じる組成物は、凍結乾燥のために適している。次いで、凍結乾燥された形態を使用前に適切な濃度に滅菌水で再構成する。
【0150】
(実施例2:進行型固形腫瘍癌患者におけるSNS-595の臨床的試験データ)
SNS-595の安全性及び有効性を2つの用量増大研究で調査した。下に示すように、SNS-595は、不応性固形腫瘍患者における優れた安全プロフィール及び抗腫瘍活性の証拠を提供する。
SNS-595は、進行型固形癌患者に対して、2つのスケジュールにおいて10分にわたってIV注入として投与した。第1のスケジュール(A)では、SNS-595の週間用量を3週間投与し、続いて少なくとも7日休んだ(qwk ×3)。第2のスケジュール(B)では、SNS-595用量は、3週毎に1回投与した(q3wk)。
【0151】
両スケジュールにおいて、SNS-595の開始用量は、3mg/m2であり、用量は、3つの系列コホートによって増大させた。用量は、グレード2以上の最初の関連した有害事象まで、又は最初の異常な研究室評価値(lab value)まで、2倍にした。次いで、用量は、改変したフィボナッチシェーマにより増大させた。
研究の42日間以内には、他のいかなる療法、例えばマイトマイシン-C、BCNU、ニトロソ尿素薬又はMab療法も施さなかった。
【0152】
研究Aでは、21人の患者(9人の男性、12人の女性)を6コホート(用量範囲3〜24mg/m2/週)にて治療した。研究Bでは、41人の患者(25人の男性、16人の女性)を9コホート(用量範囲3〜75mg/m2/週)にて治療した。年齢の中央値は、61歳(研究A)及び59歳(研究B)、性別12F/9M(研究A)(16F/25M(研究B)であり、全ての患者は、ベースライン欧州協同組合腫瘍学団体一般状態(European Cooperative Oncology Group Performance Status :ECOG PS)0-2を有した。患者の適格性には、不応性固形腫瘍及び適切な器官機能を含んだ。表1には、両研究における患者のデモグラフィックスを提供する。
【0153】
【表1】

【0154】
表2は、両研究で治療した腫瘍型の一覧を提供する。
【表2】

スケジュールAに従って投薬した患者について、PK試料を治療の1日及び15日目に収集し、非区画化解析を使用してアッセイした。血漿SNS-595濃度は、確認LC-MS/MSアッセイ法を使用して決定した。AUC(曲線下の領域)は、用量及び平均AUCinfに比例して増加し、3〜24mg/m2用量レベルについて、それぞれ1.7及び15μg* hr/mlの間で変動した。末端半減期は、およそ19時間である。薬物動態学的パラメーターの薬物依存的変化の証拠は、3回の毎週の服用後には観察されなかった。図1は、種々の患者コホート間の全時間にわたるSNS-595の血漿濃度を示す。表3は、スケジュールAに従って服用後の患者についての薬物動態学的パラメーターを提供する。
【0155】
【表3】

【0156】
スケジュールBに従って服用した患者について、薬物動態学的パラメーターを3〜75mg/m2の単回用量後に36人の患者(21人は、何度も事前に治療され、15人は、最小限に事前に治療された)において評価した。クリアランス(CL)、分布量及び末端半減期(T1/2)は、48mg/m2まで全ての患者全体で不変のままであった。最小限に事前に治療された患者では、PKパラメーターが75mg/m2まで不変のままであった。CLは、2.2L/hr/m2(1.0〜3.8L/hr/m2の範囲)であり、分布量は、53L/m2(31〜76L/m2の範囲)であり、T1/2は、およそ21時間(13〜49時間の範囲)であった。曝露は、何度も事前に治療された患者及び最小限に事前に治療された患者の両方で同様であり、48mg/m2の用量まで直線的に増加した。最小限に事前に治療された患者に対する曝露では、60mg/m2用量レベルでの直線的AUC(曲線下面積)よりも高い用量を示した。表4は、スケジュールBに従って服用した患者についての薬物動態学的パラメーターを示す。
【0157】
【表4】

研究Aでは、薬物動態を1日及び15日目(最初の服用及び3度目の服用後)に評価した。表5において分かるとおり、SNS-595は、再現性高い薬物動態及び低い患者間のばらつきを示す。薬物動態学的パラメーターの蓄積又は変化は、繰り返し投薬後に観察されなかった。曝露は、8倍の用量範囲(1.6〜15μg・hr/mL)にわたって直線的に増加して、クリアランス(CL)、分布量(Vss)及びT1/2は、それぞれ2L/hr/m2、48L/m2、19時間の平均であり、1日から15まで変化しなかった。
【0158】
研究Bでは、薬物動態を最初の用量の1日後に評価した;曝露により、24倍の用量範囲(1.1〜465μg・hr/mL)にわたって直線的に増加して、CL、Vss及びT1/2は、それぞれ2L/hr/m2、53L/m2、21時間の平均であった。
【0159】
平均薬物動態パラメーターを両研究について表5に提供してある。
【表5】

【0160】
図11は、研究A及びBにおける用量直線性を証明する。
表6は、研究において観察される血液学的効果についてのデータを提供する。
【表6】

【0161】
本明細書の記述において、「最大耐量」又は「MTD」という用語は、6人の患者のうちの≧2人が用量限定毒性(DLI)を経験したSNS-595の用量の以下の用量レベルをいう。「何度も事前に治療された」又は「HP」患者とは、>6回のアルキル化剤、化学療法の経過、又は>2回の白金、マイトマイシンC若しくは任意のニトロソ尿素の経過を以前に受けた患者か、又はXRTが骨の>25%の患者をいう。「最小限に事前に治療された」又は「MP」患者という用語は、HP定義を満たさない患者をいう。(Tolcherらの論文、JCO 2001;、19:2937-2947を参照されたい)。
【0162】
本明細書に使用される用量限定毒性(DLI)とは、≧7日の間の絶対好中球数(ANC)≦500又は熱性好中球減少若しくは血小板最下点<25000又は出血若しくは非血液学的有害事象(AE)グレード3(有害事象バージョン 3.0についての共通専門用語基準(Common Terminology Criteria for Adverse Events Version 3.0:CTCAE v3.0)に記載されているとおり)をいい、有害事象には、>14日、服用を遅らせることが必要であった。
【0163】
表7〜9は、両研究についての安全性データを提供する。
【表7】

【0164】
【表8】

【0165】
【表9】

【0166】
データから分かるとおり、好中球減少は、両研究についての用量限定毒性(DLT)であった。研究Aにおいて、好中球減少症の用量限定毒性(DLT)は、24mg/m2レベルにて最初の患者で見られた。次いで、5人の患者を18mg/m2にて治療し、2人が好中球減少のDLTを発病した。研究Bでは、何度も事前に治療された患者について、7日を超える間にグレード4好中球減少からなる用量限定毒性(DLT)が60mg/m2にて観察された。最小限に事前に治療された患者については、用量限定毒性は、75mg/m2の用量にてみられた。
【0167】
研究AについてのMTDは、15mg/m2であった;研究BについてのMTDは、何度も事前に治療された(HP)患者について48mg/m2で、最小限に事前に治療された(MP)患者について60mg/m2であった。
両研究ついて、2人の患者がグレード4血小板減少症を有した;非血液学的毒性は、用量限定胃腸毒性又は神経毒性を伴わずに、大部分がグレード1/2であった。
【0168】
表10は、両研究についてのSNS-595の臨床活性の証拠を提供する。研究Aについては、最高の反応には、部分的応答(PR)を達成した1人の患者及び安定な疾患SD(16〜24週範囲)を達成した6人を含んだ。研究Bについては、最高の反応には、1人のPR及び11人のSD(18〜58週範囲)を含んだ。表11は、両研究における部分的/少数の反応(PR/MR)の詳細を提供する。
【0169】
【表10】

【0170】
【表11】

【0171】
有意なことに、SNS-595は、2人の患者が部分的応答を達成し、17人の患者が16週以上の間に安定な疾患を達成したことを含む、進行型固形癌である患者における臨床活性の証拠を示す。
データから分かるとおり、SNS-595は、十分に許容され、週に1回及び3週に1回の投薬の両方で臨床活性を示した。用量限定毒性は、非累積的好中球減少であった。SNS-595は、低い患者間及び患者内のばらつきで予測可能な薬物動態を示した。薬物動態学的パラメーターのばらつきは、繰り返し投薬後に観察されなかった。
その必要のある患者における固形腫瘍の治療のために有用な用量は、本実施例に記載されているように、3週に1回48mg/m2及び毎週15mg/m2を含む。
【0172】
(実施例3:高含量スクリーニング及び顕微鏡観察)
細胞をサブコンフルエントな集団としてプレートにまき、36時間培養させた。次いで、細胞を所与の時間、所与の濃度にて化合物で処理した。4% ホルムアルデヒドを使用して細胞を固定し、0.1%のトリトンで透過化させた。細胞を25℃にて、1:100希釈で、10%FBS/PBS中にて、一次抗体に1時間曝露させた(抗-pATM-Chemicon、抗-gH2AX-Cell Signaling Teclmology)。細胞を25℃にて、1:100希釈にて、10%FBS/PBS中で、二次抗体に1時間曝露させた。ヘキスト染色は、500ng/mlの濃度にて10%のFBS/PBS中で行った。高含量スクリーニングは、Spot Detectorアルゴリズムを使用してCellomics Arrayscan装置で行った。
【0173】
図2は、6時間の期間の間に種々の化合物と共に投薬したHCT116細胞を示す。次いで、細胞を固定して、タンパク質リン酸化状態について解析した(蛍光顕微鏡を使用して得られたgH2AXイメージ、ArrayScan VTiで得られたpATMイメージ)。図に示すように、SNS-595処理により、核病巣形成を生じる。
【0174】
図3〜5は、用量及び時間に対する病巣形成の依存性を図示する。次いで、細胞を固定して、ホスホATMについて解析した。Cellornics Arrayscanソフトウェアを使用して病巣を同定した(図3、オレンジ点)。病巣定量化は、時間及びSNS-595濃度の関数として、病巣蛍光強度(図4)又は2つを超える病巣をもつ細胞(図5)のいずれかを測定することによって行った。
【0175】
(実施例4:MTTアッセイ法及び感作処理)
細胞を96ウェルプレートのウェルあたり4000細胞でプレートにまいて24時間インキュベートし、次いで72時間化合物で処理した。次いで、細胞を5% MTTと共に1〜2時間インキュベートして、溶解した。MTTを570nmにて比色定量計で読み込んで、EC50を、線形回帰分析を使用して決定した。
【0176】
感作は、種々の化学的処理で行った。細胞を薬物の添加前に化学増感剤で16時間前処理した(濃度は、以下の通りであった:カフェイン、2mM、DNAPK阻害剤II(作製)、10μM及びワートマニン、100nM)。データを表12に提供してある。感作は、MTTアッセイ法によって測定される細胞障害性についてのEC50の減少倍数として測定した。
【0177】
【表12】

【0178】
データは、SNS-595が独特のPIKK依存性を示すことを示す。ATM/ATR及びDNAPKは、療法ともSNS-595での処理に続いて活性化されるものの、DNA修復のためにはDNAPKのみが必要とされ、細胞は、DNAPKcs活性が減弱する場合にだけ、SNS-595に抗原に対して感作される。ATM/ATRは、G2-チェックポイント停止を媒介する。G2-チェックポイントの喪失は、SNS-595に対して細胞を感作させない。SNS-595とは対照的に、試験した全てのその他のDSB誘導剤は、ATM又はDNAPK活性のいずれかが阻害されるときに、修復のためにATM/ATRを利用して、感作を示す。
【0179】
(実施例5:DNA損傷検出キナーゼATM及びATRがない場合のDNA損傷の修復)
HCT-l16細胞を2mMカフェインの有無において、10mM SNS-595又は10mM エトポシドで6時間処理した。次いで、化合物を除去して、細胞を16時間回復させた。細胞を、薬物洗い流しの前後に、gH2AX病巣について解析した。図6に示すように、SNS-595によって誘導されるDNA損傷は、ATM及びATRがない場合に容易に修復される。対照的に、その他の薬物(例えば、エトポシド)は、DNA修復のためにATM及びATRを利用する。カフェイン処理は、ATM及びATRの活性を阻害して、相同的組換え、ヌクレオチド除去修復及びミスマッチ修復の欠損を引き起こす。
【0180】
(実施例6:キナーゼDNA-PKを検出するDNA-損傷の非存在下でDNA損傷の中で修復する)
MO59K(wt)及びMO59J(DNAPKcs(-/-))細胞を10mM SNS-595又は10mMエトポシドで6時間処理した。次いで、化合物を除去して、細胞を16時間回復させた。細胞を、薬物洗い流しの前後に、gH2AX病巣について解析した。図7に示すように、SNS-595損傷は、DNA-PKがない場合、効率的に修復されない。比較的に、その他の薬物他剤(例えば、エトポシド)によって誘導される損傷は、容易に修復される。
【0181】
(実施例7:SNS-595との併用研究)
株化細胞及び細胞培養:HCT116及びNCI-H460株化細胞は、ATCCから得た。SKOV3(p53-/-)及びSKOV3(p53+/+)は、ラーナークリーブランド臨床研究所(Lerner Cleveland Clinic Institute)のGeorge Stark博士の研究室から得た。全ての株化細胞は、10% FBS、1% 炭酸水素ナトリウム溶液及び1% 抗生物質(Cellgro)を補ったRPMI培地中で培養した。
【0182】
MTTアッセイ法:細胞を96ウェルプレートのウェルあたり4000細胞でプレートにまいて(SKOV3(p53-/-)を除いてウェルあたり8000細胞にてプレートにまいた)、24時間インキュベートし、次いで化合物で処理した。化合物処理は、72時間続けた。次いで、細胞を5%のMTTで1〜2時間インキュベートして、溶解した。MTTは、570nmにて比色定量計で読み込んだ。死細胞画分は、以下の式によって決定した:
死細胞の画分= 1-[試料ウェルの吸光度-平均(細胞なし対照の吸光度)]/[平均(DMSOのみの対照の吸光度)-平均(細胞なし対照の吸光度)]
【0183】
スケジューリング研究:化合物を、洗い流しを含んだスケジュールで投薬したきは、細胞を100μlの新鮮な暖かい培地で30分間洗浄し、続いて90分後に更に洗浄した。
統計分析:データ(死細胞の画分)は、Calculsyn.V2(Biosoft)を使用して解析し、影響率(Fraction affected)(Fa)= 0.5における組み合わせ指数(Combination Index)の値として本明細書に表してある。全てのデータは、平均値の95%の信頼区間を示すエラーバーと共に示してある。
【0184】
組み合わせは、それが0.85〜1.2の組み合わせ指数を生じる場合、相加的であること言われている。組み合わせは、それが0.85未満の組み合わせ指数を生じる場合、相乗的であることは言われており、組み合わせは、それが1.2を超える組み合わせ指数を生じる場合、拮抗的であること言われている。図8〜10を参照されたい。
【0185】
図8a〜8dに示したとおり、HCT116結腸癌腫株化細胞(8a、8b及び8c)及びH460肺癌株化細胞(8d)における種々の細胞障害能と同時に投薬したSNS-595は、有意に相乗的又は少なくとも相加的組み合わせ指数を示した。図9に示したように、DNA傷害物質及び抗代謝剤の選択と同時に投薬したSNS-595は、p53発現の有無にかかわらず、SKOV3卵巣癌株化細胞間の組み合わせ指数の有意な変化を示さなかった。
【0186】
図10a〜10dに示したとおり、SNS-595は、SNS-595をHCT116結腸癌腫細胞におけるドセタキセル(図10a及び10cを参照されたい)及びゲムシタビン(図10b及び10dを参照されたい)と同時投薬したか、又は24時間の遅れで投薬したときに、拮抗的であったかもしれない。アンタゴニズムは、最初のその他の薬剤の投薬に対して(図10a及び10bを参照されたい、同時投薬及び24時間)最初のSNS-595の投薬(図10c及び10dを参照されたい、同時投薬及び24時間)によって減少したかもしれない。細胞を最初に薬剤で処理して、洗浄し、次いで第2の薬剤で処理したときに(図10a〜dを参照されたい、2時間洗浄及び24時間洗浄)、相加作用又はおそらく相乗作用が達成された。
【0187】
(実施例8:MTT細胞生存率測定-白血病細胞)
以下の株化細胞を本アッセイ法に使用した:HL-60 前骨髄球性白血病);Jurkat(T細胞性白血病);CCRF-CEM(リンパ芽球性白血病);CEM/C2(CCRF-CEMのカンプトテシン耐性誘導体)。
【0188】
細胞を96ウェルプレートのウェルあたり3000細胞にて播種し、16時間インキュベートした。化合物希釈は、10mMから3倍希釈でDMSO中に行った。滴定は、培地中に1:100に希釈して最終的な化合物濃度を達成した。96ウェルプレートを吸引して、培地中の化合物希釈を添加した(100ml/ウェル)。37℃にて72時間のインキュベーション後に、MTT解析を行った。簡潔には、20mlのMTT溶液をそれぞれのウェルに添加した。細胞を37℃にて1〜2時間インキュベートした。100ml/ウェル細胞溶解緩衝液の添加により細胞を溶解し、MTTを37℃にて一晩可溶化した。プレートをスペクトロマックス装置で、570nMの吸光度測定により読み込んだ。IC50は、GraphPad Prismでの回帰分析を使用して算出した(データは、表13に提供した)。表13に提供したとおり、SNS-595は、試験した血液株化細胞に対して強力な増殖抑制作用を示す。
【0189】
【表13】

【0190】
(実施例9:異種移植モデル)
LM3-Jckヒト悪性のリンパ腫腫瘍裂片(2〜3mmの正方形)をヌードマウスに皮下に移植した。腫瘍を直径およそ7〜14mmに増大させた。マウスは、治療なし、イリノテカン(100mg/kg、IV、q4d x 3)、ドキソルビシン(12mg/kg、IV、単回ショット)、エトポシド(12mg/kg、IV、q1d4x5)及びSNS-595(25及び20mg/kg、IV、q7dx 5)処理群に対にして対応させた。許容し得る毒性は、30%以下の平均群体重減少6匹処理動物のうちの1匹の中毒性死未満として定義した。薬物の抗腫瘍活性は、投与開始の21日後に評価した。
【0191】
2〜3mmの正方形のCCRF-CEM急性リンパ芽球性白血病腫瘍裂片をヌードマウスの皮下に移植した。腫瘍を直径およそ8〜20mmに増大させた。マウスは、治療なし、イリノテカン(100mg/kg、IV、q4d x 3)、ドキソルビシン(12mg/kg、IV、q7d x 3)、エトポシド(12mg/kg、IV、q1dx5)及びSNS-595(25及び20mg/kg、IV、q7d x 5)処理群に対にして対応させた。許容し得る毒性は、30%以下の平均群体重減少6匹処理動物のうちの1匹の中毒性死未満として定義した。薬物の抗腫瘍活性は、投与開始の20又は21日後に評価した。表14は、CCRF-CEM及びLM3-Jck異種移植モデルにおける腫瘍阻止(TI)及び生存率についてのデータを提供する。
【0192】
【表14】

【0193】
表14のデータから分かるとおり、20及び25mg/kgにて投与したSNS-595は、LM-3 Jck悪性リンパ腫に対して完全な腫瘍退縮を伴って強力な抗腫瘍活性を示す。SNS-595腫瘍阻害割合(IR)は、イリノテカンのものと同様であり、CCRF-CEM及びLM3-Jck異種移植モデルの両者におけるエトポシド及びドキソルビシンを上回った。
【0194】
(実施例10:骨髄/細胞診断アッセイ法)
雌CD-1マウスには、0日及び4日目に5、10、15又は20 mg/kgのSNS-595を静脈内に投与した。血液学的解析のために、血液を最初の注射の6、8及び12日後に抜いた。大腿骨を6日目に抜き取り、骨髄細胞性解析の前に、ストリーク(Streck)中で固定してH&E染色した。SNS-595の2回目の投与の2日後に、大腿骨から単離した骨髄は、細胞性の用量依存的な減少を示した。20mg/kgにおいて細胞性が7.5%に減少したが、一方、循環好中球は、1244±55細胞/mLのプレ用量レベルから8日目の51±24細胞/mL血液の最下点まで減少した。絶対好中球カウントは、その後反跳してすぐに正常レベルに戻った。総WBCは、また8日目に最下点に到達したが、正常レベルに戻った。造血骨髄細胞性の用量依存的な減少を図14に示してある。図は、種々の用量でのSNS-595の最初の注射の6日後の骨髄における細胞性を示す。
【0195】
図15は、最初の注射の4、6、8、及び12日後の血液試料からの好中球数を示す。図16に示したように、全てのSNS-595用量群は、8日までに末梢好中球の有意な減少を示した。図17に示したように、20mg/kgのSNS-595注射を受けている動物は、8日目に50細胞/ml未満を有した。
図18は、SNS-595注射に対して8日目に軽微な血小板反応があることを示す。図19は、SNS-595投与後の種々の時点における体重の変化率を示す。図20は、20mg/kg SNS-595の注射の12日後に反跳した骨髄を示す。
【0196】
(実施例11:血液悪性腫瘍である患者におけるSNS-595の臨床試験データ)
SNS-595を進行型又は不応性の急性白血病患者に対して緩徐なIVプッシュとして投与した。診断には、AML(19人の患者)及びALL(2人の患者)を含んだ。全ての患者は、以前の療法に対して疾患不応性であったか、又は以前の療法から再発した(処方計画前の中央値3(範囲1〜6))。
【0197】
合計21人の患者(9人の女性及び12人の男性;年齢の中央値= 64歳、範囲21〜80)を2つのスケジュールを使用して5コホートで治療した。第1のスケジュール(A)では、毎週SNS-595の用量を3週の間投与し、続いて7日休止した(qwk x3)。第2のスケジュール(B)では、SNS-595の用量を2週の間、週に2回投与した(biwk x2)。休止の日を含むサイクル期間は、両スケジュールについて28日であった。スケジュールAは、1サイクルあたり合計3回投与を有し、スケジュールBは、1サイクルあたり合計4回投与を有した。患者が安定な疾患を達成するか、又はそれ以上の場合、さらなるサイクルも可能にした。開始用量は、スケジュールAで18mg/m2及びスケジュールBで9mg/m2であり、投薬量は、コホートによって増大させた。3〜6つの患者のコホートにより、修正したフィボナッチ数列を使用した用量で得た。
【0198】
SNS-595ための薬物動態学的解析をサイクル1の間に収集した血漿試料で行った。表15には、本研究に由来する特定の薬物動態学的パラメーターを提供する。
【表15】

【0199】
血漿SNS-595濃度は、確認LCM/MSアッセイ法を使用して決定した。それぞれのスケジュールについての最初の2つの用量レベルでの血漿曝露は、直線的に増加し、9〜27mg/m2用量について4.3〜17.8μghr/mLのAUCを生じた。CL、Vss及び末端半減期は、固形腫瘍患者におけるものと同様であり、それぞれ〜2L/hr/m2、58L/m2及び23時間の平均であった。表15示した全ての投薬群全体に分布した6人の患者は、サイクル1に後の末梢芽球の50%を超える減少を受けた。
【0200】
毒性限定用量(DLT)は、qwk x3スケジュールでは27mg/m2まで、又はbiwk x2スケジュールでは13.5mg/m2まで、観察されなかった。非毒性限定用量には、悪心/嘔吐、下痢及び粘膜炎を含んだ。グレード4好中球減少性発熱は、1人の患者のみで観察された。
その他の患者コホートには、スケジュールA(qwk x3)に従って、それぞれ38mg/m2及び50mg/m2の投薬量で投与した。更に他の患者のコホートには、スケジュールB(biwk x2)に従って、それぞれ19mg/m2及び25mg/m2の投薬量で投与した。安全性データを表16に示してある。
【0201】
【表16】

【0202】
血液悪性腫瘍の治療のための有用な投薬スケジュールには、3週の間に週に1回投与される約50mg/m2〜約80mg/m2を含むことができる。血液悪性腫瘍の治療における使用を見いだす別の用量には、週の間に週に1回投与される約55mg/m2〜約75mg/m2である。血液悪性腫瘍の治療における使用を見いだすその他の用量には、週の間に週に1回投与される60、65、70又は75 mg/m2を含む。
【0203】
血液悪性腫瘍である患者の治療のために有用なその他の投薬スケジュールには、2週の間に週に2回投与される約25mg/m2〜約50mg/m2を含むことができる。血液悪性腫瘍の治療における使用を見いだす別の用量には、2週の間に週に2回投与される約30mg/m2〜約45mg/m2である。血液悪性腫瘍の治療における使用を見いだすその他の用量には、2週の間に週に2回投与される30、35、40又は45 mg/m2を含む。
【0204】
上記の本発明の実施態様は、単に例証することのみが意図され、当業者であればルーチン試験のみを使用して、具体的な化合物、材料及び手順の多数の均等物を、認識するであろうし、又は確認することができるであろう。全てのこのような均等物は、本発明の範囲内にあるとみなされ、添付の特許請求の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0205】
(4. 図面の簡単な説明)
【図1】図1は、qwk x3スケジュールで投薬した種々の患者コホート間のある期間にわたるSNS-595の血漿濃度を示す。
【図2】図2は、SNS-595、エトポシド、ブレオマイシン及びシスプラチンで処理後のHCT116細胞の核病巣形成を図示する。
【図3】図3は、病巣蛍光強度を測定することによる病巣定量化を示す。
【図4】図4は、用量及び時間に対する病巣形成の依存性を図示する。
【図5】図5は、時間及びSNS-595濃度の関数として、2病巣以上の細胞を示す。
【図6】図6は、ATM及びATRの阻害剤であるカフェインの有無における、SNS-595及びエトポシドによって誘導されるDNA損傷を図示する。
【図7】図7は、DNA-PKの存在下(MO59K細胞)及び非存在下(MO59J細胞)における、SNS-595及びエトポシドによって誘導されるDNA損傷を示す。
【図8】図8a-cは、HCT 116結腸カルシノーマ細胞における種々の細胞障害薬との同時投薬SNS-595の相乗作用/相加作用を証明する。 図8dは、H460肺癌細胞における種々の細胞障害薬との同時投薬SNS-595の相乗作用/相加作用を証明する。
【図9】図9は、p53発現に対するSKOV3卵巣癌株化細胞(+/+)及び(-/-)におけるDNA損傷薬及び抗代謝剤の選択と同時にSNS-595が投薬されるときの組み合わせインデックスを示してあり、それぞれ黒及び灰色の菱形として示した。
【図10】図10a-dは、HCT 116結腸カルシノーマ細胞における種々の細胞障害薬とSNS-595を同時投薬する効果を証明する。
【図11】図11は、進行型固形腫瘍である患者におけるSNS-595の毎週3回用量(qwk x3;円=1週;三角=2週)及び3週毎に1回(q3wk;菱形)の用量直線性を提供する。
【図12】図12は、CCRF-CEM異種移植モデルにおけるSNS-595、エトポシド、ドキソルビシン及びイリノテカンの抗腫瘍活性の比較を提供する。
【図13】図13は、LM3-Jck異種移植モデルにおけるSNS-595(20mg/kg及び25mg/kgにて)、エトポシド、ドキソルビシン及びイリノテカンの抗腫瘍活性の比較を提供する。
【図14】図14は、雌CD-1マウスにおけるSNS-595の最初の注射の6日後の骨髄における細胞性を示す。SNS-595は、0日及び4日目に投与した。全てのイメージは、10×拡大にて示してある。
【図15】図15は、SNS-595用量に対する好中球反応を提供する。
【図16】図16は、8日までの種々のSNS-595用量での好中球カウントを提供する。
【図17】図17は、8日までの種々のSNS-595用量でのWBCカウントを提供する。
【図18】図18は、8日までの種々のSNS-595用量での血小板数に提供する。
【図19】図19は、SNS-595投与後の種々の時間的間隔での体重の増減率を提供する。
【図20】図20は、20mg/kgのSNS-595を投与した後の12日までの骨髄反跳を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白血病を治療する方法であって、哺乳動物に対してエナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸の治療上有効な量を投与することを含み、前記白血病は、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病又は急性骨髄性白血病である、前記方法。
【請求項2】
前記白血病が急性リンパ芽球性白血病である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記急性リンパ芽球性白血病が骨髄、胸腺又はリンパ節の芽球に由来する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記急性リンパ芽球性白血病がT細胞白血病である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記T細胞白血病が末梢T細胞白血病、T細胞リンパ芽球性白血病、皮膚T細胞白血病又は成人型T細胞白血病である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記白血病が急性骨髄性白血病である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記急性骨髄性白血病が骨髄芽球性白血病又は前骨髄球性白血病である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記白血病が従来の療法に対して再発するか、不応性であるか、又は耐性である、請求項1〜7のいずれか記載の方法。
【請求項9】
前記エナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸が約1〜約150mg/m2の用量で投与される、請求項1〜8の1項に記載の方法。
【請求項10】
前記用量が約1〜約75mg/m2の用量である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記用量が約15〜約80mg/m2の用量である、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記用量が週に1回投与される約50mg/m2〜約80mg/m2である、請求項9〜11の1項に記載の方法。
【請求項13】
前記用量が約55mg/m2〜約75mg/m2である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記用量が約60mg/m2である、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記用量が約65mg/m2である、請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記用量が約70mg/m2である、請求項12記載の方法。
【請求項17】
前記用量が約75mg/m2である、請求項12記載の方法。
【請求項18】
前記用量が週に1回3週の間投与される、請求項12〜17記載の方法。
【請求項19】
前記用量が週に2回投与される約25mg/m2〜約50mg/m2である、請求項9〜11の1項に記載の方法。
【請求項20】
前記用量が約30mg/m2〜約45mg/m2である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記用量が約30mg/m2である、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記用量が約35mg/m2である、請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記用量が約40mg/m2である、請求項19記載の方法。
【請求項24】
前記用量が約45mg/m2である、請求項19記載の方法。
【請求項25】
前記用量が2週の間投与される、請求項19〜24に記載の方法。
【請求項26】
前記エナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸がIV注射として投与される、請求項1〜12の1項に記載の方法。
【請求項27】
前記用量が10〜15分の期間のIVプッシュで投与される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
癌を治療するための方法であって、約1mg/m2〜75mg/m2の用量のエナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸を、その必要のある哺乳動物に対して投与することを含む、前記方法。
【請求項29】
前記癌が固形腫瘍を含み、かつ前記用量が約3mg/m2〜24mg/m2である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記用量が約15mg/m2である、請求項28又は29記載の方法。
【請求項31】
前記方法がエナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸の用量を、哺乳動物に対して週に1回投与することを含み、前記1週の期間には、治療サイクルを含み、かつ前記治療サイクルが少なくとも2回繰り返される、請求項29又は30記載の方法。
【請求項32】
前記用量が15mg/m2である、請求項31記載の方法。
【請求項33】
癌を治療するための方法であって、約15mg/m2〜80mg/m2の用量のエナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸を、その必要のある哺乳動物に対して投与することを含む、前記方法。
【請求項34】
前記癌が固形腫瘍を含み、かつ前記用量が約6mg/m2〜約75mg/m2である、請求項28記載の方法。
【請求項35】
前記単回用量が10〜15分にわたってIVプッシュとして投与され、かつ前記哺乳動物が何度も事前に治療されたヒト患者である、請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記用量が約45mg/m2〜約55mg/m2である、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記用量が48mg/m2である、請求項35記載の方法。
【請求項38】
前記方法が15mg/m2〜80mg/m2の用量のエナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸を、哺乳動物に対して週に1回投与することを含み、前記1週の期間には、治療サイクルを含み、かつ前記治療サイクルが少なくとも2回繰り返される、請求項33記載の方法。
【請求項39】
前記用量が60mg/m2である、請求項33記載の方法。
【請求項40】
前記用量が10〜15分のIVプッシュとして投与される単回用量であり、前記哺乳動物が最小限に事前に治療されたヒト患者である、請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記癌が膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、CNS癌、大腸癌、食道癌、頭頚部癌、肝臓癌、肺癌、鼻咽頭癌、神経内分泌癌、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、腎癌、唾液腺癌、小細胞肺癌、皮膚癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌又は血液悪性腫瘍である、請求項28〜38のいずれか記載の方法。
【請求項42】
前記癌が黒色腫、骨髄腫、神経芽細胞腫、肉腫、中皮腫、胆管癌、平滑筋肉腫、脂肪肉腫又は紡錘体細胞癌である、請求項28〜41のいずれか記載の方法。
【請求項43】
第2の薬剤の治療的に有効な用量を投与することを更に含む、請求項1〜42のいずれか記載の方法。
【請求項44】
第2の活性薬剤が癌抗原、造血成長因子、サイトカイン、抗癌剤、抗生物質、cox-2阻害剤、免疫調節薬、免疫抑制因子、副腎皮質ステロイド又はそれらの薬理学的に活性な突然変異体若しくは誘導体に対する治療抗体である、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記抗体が抗EGFR抗体である、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記抗体がエルビタックス(Erbitux)又はパニツムマブである、請求項45記載の方法。
【請求項47】
前記第2の活性薬剤がアルキル化剤、抗新生物抗生物質、抗代謝剤、白金配位化合物、トポイソメラーゼII阻害剤又は放射線である、請求項43記載の方法
【請求項48】
前記第2の活性薬剤がエトポシド、ダウノマイシン、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、シスプラチン、カルボプラチン、ペメトレキセド、メトトレキセート、Ara-C、5-Fu、ワートマニン、ゲルダナマイシン、ゲムシタビン又はそれらの組み合わせである、請求項43記載の方法。
【請求項49】
前記第2の活性薬剤がドセタキセル、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イリノテカン、ゲフィチニブ、エルロチニブ又はそれらの組み合わせである、請求項43記載の方法。
【請求項50】
慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病又は急性骨髄性白血病である白血病の治療に使用するための、エナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸。
【請求項51】
慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病又は急性骨髄性白血病である白血病を治療するための医薬の製造における、エナンチオマー的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2009−507042(P2009−507042A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529378(P2008−529378)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/034699
【国際公開番号】WO2007/028171
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(500586635)サネシス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】