説明

癲癇の処置のための共同−療法

本発明は、それを必要とする患者に、治療的に有効な量のベンゾ−縮合された複素環スルファミド誘導体および治療的に有効な量の1種もしくはそれ以上の抗−痙攣剤および/または抗−癲癇剤を用いる共同−療法を施すことを含んでなる癲癇および関連疾患の処置のための共同−療法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、処置を必要とする患者に治療的に有効な量のベンゾ−縮合された複素環スルファミド誘導体および治療的に有効な量の1種もしくはそれ以上の抗−痙攣剤および/または抗−癲癇剤を用いる共同−療法(co−therapy)を施すことを含んでなる癲癇および関連疾患の処置のための共同−療法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
癲癇は、人間が慢性の根元的な作用による再発性発作を有する症状を記述する。癲癇の多くの形態および原因があるため、癲癇は単一の疾病実体よりむしろ臨床的現象をさす。2回もしくはそれ以上の無刺激発作としての癲癇の定義を用いると、癲癇の発生率は世界中で様々な住民集団において約0.3〜0.5パーセントであると推定され、癲癇の罹患率は1000人当たり5〜10人であると推定される。
【0003】
発作のある患者の評価および管理における重要な段階は起きた発作のタイプを判定することである。異なる発作の種類を区別する主な特徴は発作の作用が部分的(病巣性と同義)または全身化されているかどうかである。
【0004】
部分的発作は、発作の作用が大脳皮質の個別領域に限定されるものである。発作中に意識が完全に保たれている場合には、臨床的発現は比較的簡単であると考えられそして発作は単純−部分発作と称する。意識が損なわれる場合には、発作は複合−部分発作と称する。重要な別の亜群は部分発作として始まりそして次に皮質全体に拡散的に広がる発作を含んでなり、それらは二次的全身化を有する部分発作として知られる。
【0005】
全身化された発作は同時の両側対称的方式での脳の拡散領域を含む。欠神または小発作は、体位調節の低下を伴わない突然の短時間の意識喪失により特徴づけられる。非定形型欠神発作は典型的には意識喪失におけるより長い期間、より少ない不意の開始および停止、並びに病巣性または横向け特徴を包含しうるさらに明らかな運動徴候を包含する。全身化された緊張性−間代性または大発作は、警告なしの不意の開始により特徴づけられる。発作の最初の段階は普通は、増加した心拍、血圧、および瞳孔寸法をもたらす交感神経緊張の顕著な増進である筋肉の緊張性収縮、悪化した呼吸である。10−20秒後に、発作の緊張性段階は典型的には、緊張性筋肉収縮に対する筋肉弛緩の期間の付加により生ずる間代性段階に進む。弛緩の期間は、普通は1分間以内続く発作段階の終わりまで徐々に増加する。発作後段階は、無応答、筋肉弛緩、並びに喘鳴呼吸および部分的気道閉塞をもたらしうる過度の唾液過多により特徴づけられる。無緊張性発作は1−2秒間にわたり続く体位筋肉緊張の不意の低下により特徴づけられる。意識は短時間失なわれるが、普通は発作後錯乱はない。間代性筋痙攣発作は、身体の一部または全身を包括しうる不意のそして短時間の筋肉収縮により特徴づけられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
癲癇および関連疾患のための有効な処置を与えるための要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の要旨
本発明は、処置を必要とする患者に、治療的に有効な量の1種もしくはそれ以上の抗−
癲癇剤または抗−痙攣剤および治療的に有効な量の式(I)
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、
およびRはそれぞれ独立して水素および低級アルキルよりなる群から選択され、
は水素および低級アルキルよりなる群から選択され、
aは1〜2の整数であり、
【0010】
【化2】

【0011】
よりなる群から選択され、
ここでbは0〜4の整数であり、そしてここでcは0〜2の整数であり、
各Rは独立してハロゲン、低級アルキルおよびニトロよりなる群から選択され、
但し、
【0012】
【化3】

【0013】
である時には、aは1である]
の化合物またはその製薬学的に許容可能な塩を用いる共同−療法を施すことを含んでなる、癲癇および関連疾患の処置方法に関する。
【0014】
本発明は、さらに、処置を必要とする患者に、治療的に有効な量の1種もしくはそれ以上の抗−癲癇剤または抗−痙攣剤および治療的に有効な量の式(II)
【0015】
【化4】

【0016】
の化合物またはその製薬学的に許容可能な塩を用いる共同−療法を施すことを含んでなる、癲癇および関連疾患の処置方法に関する。
【0017】
発明の詳細な記述
本発明は、処置を必要とする患者に、治療的に有効な量の1種もしくはそれ以上の抗−癲癇剤または抗−痙攣剤および治療的に有効な量の式(I)
【0018】
【化5】

【0019】
[式中、
【0020】
【化6】

【0021】
、a、R、RおよびRはここで定義されたとおりである]
の化合物またはその製薬学的に許容可能な塩を用いる共同−療法を施すことを含んでなる
、癲癇および関連疾患の処置方法に関する。
【0022】
好ましい態様では、本発明は、処置を必要とする患者に、治療的に有効な量の1種もしくはそれ以上の抗−癲癇剤または抗−痙攣剤および治療的に有効な量の式(I)[式中、
【0023】
【化7】

【0024】
、a、R、RおよびRはここで定義されたとおりである]
の化合物を用いる共同−療法を施すことを含んでなる、癲癇および関連疾患の処置方法に関する。
【0025】
本発明の1つの態様では、Rは水素およびメチルよりなる群から選択される。本発明の別の態様では、Rは水素およびメチルよりなる群から選択される。本発明のさらに別の態様では、RおよびRはそれぞれ水素であるかまたはRおよびRはそれぞれメチルである。
【0026】
本発明の1つの態様では、−(CH−は−CH−および−CH−CH−よりなる群から選択される。本発明の別の態様では、−(CH−は−CH−である。
【0027】
本発明の1つの態様では、Rは水素およびメチルよりなる群から選択され、好ましくは、Rは水素である。
【0028】
本発明の1つの態様では、aは1である。
【0029】
本発明の1つの態様では、bは0〜2の整数である。本発明の別の態様では、cは0〜2の整数である。本発明の別の態様では、bは0〜1の整数である。本発明の別の態様では、cは0〜1の整数である。本発明のさらに別の態様では、bおよびcの合計は0〜2の整数、好ましくは0〜1の整数である。本発明のさらに別の態様では、bは0〜2の整数でありそしてcは0である。
【0030】
本発明の1つの態様では、
【0031】
【化8】

【0032】
よりなる群から選択される。本発明の別の態様では、
【0033】
【化9】

【0034】
よりなる群から選択される。
【0035】
本発明の1つの態様では、
【0036】
【化10】

【0037】
は2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル)、3−(3,4−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(クロマニル)、2−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソリル)、2−(7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(8−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(2,3−ジヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]ジオキシニル)および2−(4−メチル−ベンゾ[1,3]ジオキソリル)よりなる群から選択される。
【0038】
本発明の別の態様では、
【0039】
【化11】

【0040】
は2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル)、2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)および2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)よりなる群から選択される。本発明のさらに別の態様では、
【0041】
【化12】

【0042】
は2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)および2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)よりなる群から選択される。
【0043】
本発明の1つの態様では、Rはハロゲンおよび低級アルキルよりなる群から選択される。本発明の別の態様では、Rはクロロ、フルオロ、ブロモおよびメチルよりなる群から選択される。
【0044】
本発明の1つの態様では、式(I)の化合物上の立体−中心はS−立体配置である。本発明の別の態様では、式(I)の化合物上の立体−中心はR−立体配置である。
【0045】
本発明の1つの態様では、式(I)の化合物はエナンチオマー富裕混合物として存在し、ここで%エナンチオマー富裕率(% enantiomeric enrichment)(%ee)は約75%より高く、好ましくは約90%より高く、より好ましくは約95%より高く、最も好ましくは約98%より高い。
【0046】
1つの態様では、本発明は、処置を必要とする患者に治療的に有効な量の1種もしくはそれ以上の抗−癲癇剤および/または抗−痙攣剤並びに治療的に有効な量の式(I)の化合物を用いる共同−療法を施すことを含んでなり、ここで式(I)の化合物が(2S)−
(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドまたはその製薬学的に許容可能な塩である、癲癇および関連疾患の処置方法に関する。
【0047】
本発明の別の態様は、ここで定義される変数(すなわちR、R、R、R、X−YおよびA)の1つもしくはそれ以上がここで定義されている完全なリストから選択されるいずれかの個別の置換基または置換基のいずれかのサブセットであるように独立して選択されるものを包含する。
【0048】
本発明の代表的な化合物は以下の表1に挙げられているとおりである。本発明の別の化合物は表3に挙げられているとおりである。以下の表1および2では、「立体」の見出しのある欄は星印の付いた結合のところで結合された複素環の炭素原子における立体−配置を定義する。表示が示されていない場合には、化合物は立体−配置の混合物として製造される。「R」または「S」表示が示されている場合には、立体−配置はエナンチオマー富裕出発物質に基づく。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
ここで使用される際には、断らない限り、「ハロゲン」は、塩素、臭素、弗素およびヨウ素を意味するであろう。
【0053】
ここで使用される際には、断らない限り、単独でまたは置換基の一部として使用される用語「アルキル」は、直鎖および分枝鎖を包含する。例えば、アルキル基はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどを包含する。断らない限り、アルキルと共に使用される「低級」は、1〜4個の炭素原子の炭素鎖組成を意味する。
【0054】
ここで使用される際には、断らない限り、「アルコキシ」は、上記の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基の酸素エーテル基を示すであろう。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなど。
【0055】
ここで使用される際には、註「」はステレオジェン中心の存在を示すであろう。
【0056】
特定の基(例えば、アルキル、アリールなど)が「置換されている」時には、その基は置換基のリストから独立して選択される1個もしくはそれ以上の置換基、好ましくは1〜5個の置換基、より好ましくは1〜3個の置換基、最も好ましくは1〜2個の置換基を有しうる。
【0057】
置換基に言及すると、用語「独立して」は、1個より多いそのような置換基が可能であ
る時にそのような置換基が互いに同一もしくは相異なりうることを意味する。
【0058】
この開示を通して使用される標準的な命名法では、示される側鎖の末端部分が最初に記載され、引き続き隣接官能基が結合点に向かい記載される。それ故、例えば、「フェニル−アルキル−アミノ−カルボニル−アルキル」置換基は式
【0059】
【化13】

【0060】
の基をさす。
【0061】
明細書、特にスキームおよび実施例で使用される略語は以下のとおりである:
DCC =ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCE =ジクロロエタン
DCM =ジクロロメタン
DIPEAまたはDIEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMF =N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO =ジメチルスルホキシド
EDC =エチルカルボジイミド
EtN or TEA =トリエチルアミン
EtO =ジエチルエーテル
EA or EtOAc =酢酸エチル
EtOH =エタノール
IPA =2−プロパノール
Hept =ヘプタン
HOBT =1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC =高圧液体クロマトグラフィー
LAH =水素化アルミニウムリチウム
M or MeOH =メタノール
NMR =核磁気共鳴
Pd−C =炭素上パラジウム触媒
RP HPLC =逆相高圧液体クロマトグラフィー
RTまたはrt =室温
TEA =トリエチルアミン
TFA =トリフルオロ酢酸
THF =テトラヒドロフラン
TLC =薄層クロマトグラフィー
【0062】
本発明に従う化合物が少なくとも1個のキラル中心を有する場合には、それらは従ってエナンチオマーとして存在しうる。化合物が2個もしくはそれ以上のキラル中心を有する場合には、それらはさらにジアステレオマーとしても存在しうる。全てのそのような異性体およびそれらの混合物が本発明の範囲内に包括されることを理解すべきである。さらに、化合物に関する結晶性形態のあるものは多形として存在することができそしてそれらは本発明に含まれることが意図される。さらに、化合物のあるものは水との溶媒和物(すなわち、水和物)または普通の有機溶媒との溶媒和物を形成することができ、そしてそのような溶媒和物は本発明の範囲内に包括されることが意図される。
【0063】
薬品中での使用のためには、本発明の化合物の塩は無毒の「製薬学的に許容可能な塩」をさす。しかしながら、他の塩類は本発明に従う化合物またはそれらの製薬学的に許容可能な塩の製造において有用である。化合物の適する製薬学的に許容可能な塩は、例えば、化合物の溶液を製薬学的に許容可能な酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、琥珀酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸または燐酸の溶液と混合することにより製造できる酸付加塩を包含する。さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合には、それらの適する製薬学的に許容可能な塩はアルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩;および適当な有機配位子を用いて製造される塩、例えば第四級アンモニウム塩を包含しうる。それ故、代表的な製薬学的に許容可能な塩は以下のものを包含する:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシレート、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレソルシネート、ヒドラバミン、臭水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、粘液酸塩、ナプシレート、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、燐酸塩/二燐酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、スバセテート、琥珀酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート、トシレート、トリエチオダイドおよび吉草酸塩。
【0064】
製薬学的に許容可能な塩の製造において使用できる代表的な酸および塩基は以下のものを包含する:2,2−ジクロロ酢酸、アシル化されたアミノ酸類、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、樟脳スルホン酸、(+)−(1S)−樟脳−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルコロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、燐酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、琥珀酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸およびウンデシル酸を包含する酸;並びにアンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デカノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミンおよび水酸化亜鉛を包含する塩基。
【0065】
ここで使用される際には、断らない限り、用語「癲癇および関連疾患」或いは「癲癇または関連疾患」は、患者(好ましくは人間の成人、子供または乳児)が1回もしくはそれ以上の発作および/または振せんを経験するいずれかの疾患を意味するであろう。適当な例は癲癇(限局化関連−癲癇、全身化癲癇、全身化および局部的発作の両方がある癲癇な
ど)、レノックス−ガスタウト症候群に関係する発作、疾病または症状の合併症(例えば、脳障害、フェニルケトン尿症、若年性ゴシェ病、ルンドボルグ進行性間代性筋痙攣癲癇、発作、頭部外傷、ストレス、ホルモン変化、薬品使用または中止、アルコール使用または中止、睡眠妨害、発熱、感染症など)としての発作、本態性振せん、不安四肢症候群などを包含するが、それらに限定されない。好ましくは、疾患は(タイプ、根元的な原因または起源に無関係な)癲癇、本態性振せんまたは不安四肢症候群から選択され、より好ましくは、疾患は(タイプ、根元的な原因または起源に無関係な)癲癇または本態性振せんである。
【0066】
用語「患者(“subject”)」は、ここで使用される際には、処置、観察または実験の対象であった動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくは人間の成人、子供または乳児をさす。
【0067】
用語「治療的に有効な量」は、ここで使用される際には、処置される疾病もしくは疾患の1種もしくはそれ以上の徴候の緩和、および/または処置される疾病もしくは疾患の1種もしくはそれ以上の徴候の重篤度の軽減を包含する、研究者、獣医師、医師または他の臨床士により求められる組織、動物または人間における生物学的または医学的応答を誘発する活性化合物または薬剤の量を意味する。
【0068】
本発明が1種もしくはそれ以上の式(I)の化合物および1種もしくはそれ以上の抗痙攣剤または抗−癲癇剤の投与を含んでなる共同−療法または組み合わせ療法に関する場合には、治療的に有効な量は組み合わせ効果が所望する生物学的または医学的応答を誘発するように一緒にされる剤の組み合わせの量を意味するであろう。例えば、式(I)の化合物および少なくとも1種の適当な抗−癲癇剤の投与を含んでなる共同−療法の治療的に有効な量は、一緒にされた時にまたはその後に治療的に有効である組み合わせ療法を有する式(I)の化合物の量および少なくとも1種の適当な抗−癲癇剤の量であろう。さらに、当業者は上記の例のように治療的に有効な量を用いる共同−療法の場合には式(I)の化合物の量および/または適当な抗−癲癇剤の量は個々に治療的に有効であってもまたはなくてもよいことを認識するであろう。
【0069】
ここで使用される際には、用語「共同−療法」および「組み合わせ療法」は、1種もしくはそれ以上の抗痙攣剤および/または抗−癲癇剤並びに1種もしくはそれ以上の式(I)の化合物を投与することによる処置を必要とする患者の処置を意味し、ここで1種もしくは複数の式(I)の化合物並びに1種もしくは複数の抗痙攣剤および/または抗−癲癇剤はいずれかの手段により、連続的に、順次に、別個にまたは単一の製薬学的調剤で投与される。1種もしくは複数の式(I)の化合物並びに1種もしくは複数の抗痙攣剤および/または抗−癲癇剤が別個の薬用量形態で投与される場合には、各化合物に関する1日当たりに投与される薬用量の数は同一もしくは相異なりうる。1種もしくは複数の式(I)の化合物並びに1種もしくは複数の抗痙攣剤および/または抗−癲癇剤は同一もしくは相異なる投与経路により投与することができる。適する投与方法の例は、経口、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、経皮、および直腸を包含するが、それらに限定されない。化合物は脳内、脳室内、大脳室内、鞘内、嚢胞内、脊椎内を包含するがそれらに限定されない神経系に直接的に或いは頭蓋内もしくは椎骨内針および/またはポンプ装置を用いるもしくは用いないカテーテルを介する分配による経脊椎投与方式で投与することもできる。1種もしくは複数の式(I)の化合物並びに1種もしくは複数の抗痙攣剤および/または抗−癲癇剤は同時または交互処方に従い、治療過程中の同一もしくは相異なる時機に、分割もしくは単一形態で共同して投与することができる。
【0070】
ここで使用される際には、断らない限り、用語「抗癲癇剤」および略語「AED」は、用語「抗−痙攣剤」と交換可能に使用され、そしてここで使用される際には、剤が患者ま
たは罹患体(patient)に投与される時に発作作用すなわちイクトゲネシス(ictogenesis)を処置、抑制または予防しうる剤をさす。
【0071】
抗−痙攣剤および/または抗−癲癇剤の適当な例は以下のものを包含するが、それらに限定されない:
(a)AMPA拮抗物質、例えばAMP−397、E−2007、NS−1209、タラムパネル(talampanel)など;
(b)ベンゾジアゼピン類、例えばジアゼパム(diazepam)、ロラゼパム(lorazepam)、クロナゼパム(clonazepam)、クロバザム(clobazam)など;
(c)バルビツレート類、例えばフェノバルビタル(phenobarbital)、アモバルビタル(amobarbital)、メチルフェノバルビタル(methylphenobarbital)、プリミドン(primidone)など;
(d)バルプロエート類、例えばバルプロン酸(valproic acid)、バルプロエート・セミソジウム(valproate semisodium)、バルプロミド(valpromide)など;
(e)GABA剤、例えばガバペンチン(gabapentin)、プレガバリン(pregabalin)、ビガバトリン(vigabatrin)、ロシガモン(losigamone)、レチガビン(retigabine)、ルフィナミド(rufinamide)、SPD−421(DP−VPA)、T−2000、XP−13512など;
(f)イミノスチルベン類、例えばカルバマゼピン(carbamazepine)、オクスカルバゼピン(oxcarbazepine)など;
(g)ヒダントイン類、例えばフェニトイン・ソジウム(phenytoin sodium)、メフェニトイン(mephenytoin)、フォスフェニトイン・ソジウム(fosphenytoin sodium)など;
(h)NMDA拮抗物質、例えばハルコセラミド(harkoseramide)など;(i)ナトリウム経路遮断剤、例えばBIA−2093、CO−102862、ラモトリギン(lamotrigine)など;
(j)スクシンイミド類、例えばメトスキシミド(methsuximide)、エトスキシミド(ethosuximide)など;並びに
(k)AEDS、例えばアセタゾールアミド(acetazolamide)、クロムチアゾール・エジシレート(clomthiazole edisilate)、ゾニサミド(zonisamide)、フェルバメート(felbamate)、トピラメート(topiramate)、チアガビン(tiagabine)、レベチラセタム(levetiracetam)、ブリベラセタム(briveracetam)、GSK−362115、GSK−406725、ICA−69673、CBD大麻誘導体、イソバレルアミド(isovaleramide)(NPS−1776)、RWJ−333369、サフィナミド(safinamide)、セレトラセタム(seletracetam)、ソレトリド(soretolide)、スチリペントール(stiripentol)、バルロセミド(valrocemide)など。
【0072】
1つの態様では、抗−痙攣剤および/または抗−癲癇剤はブリバラセタム(brivaracetam)、カルバマゼピン(carbamazepine)、クロバザム(clobazam)、クロナゼパム(clonazepam)、エトスキシミド(ethosuximide)、フェルバメート(felbamate)、ガバペンチン(gabapentin)、ラコサミド(lacosamide)、ラモトリギン(lamotrigine)、レベチラセタム(levetiracetam)、オクスカルバゼピン(oxcarbazepine)、フェノバルビタル(phenobarbital)、フェニトイン(phenytoin)、プレガバリン(pregabalin)、プリミドン(primidone)、レチガビン(retigabine)、ルフィナミド(rufinamide)、セフィナミド(sefinamide)、セレトラセタム(seletracetam)、タラムパネル(talampanel)、チアガビン(tiagabine)、トピラメート(topiramate)、バルプロエート(valproate)、ビガバトリン(vigabatrin)、ゾニスアミド(zonisamide)、ベンゾジアゼピン類(benzodiazepines)、バルビツレート類(barbiturates)および鎮静睡眠薬よりなる群から選択される。
【0073】
別の態様では、抗−痙攣剤および/または抗−癲癇剤はカルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスキシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェノバルビタル、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、タラムパネル、チアガビン、トピラメート、バルプロエート、ビガバトリンおよびゾニスアミドよりなる群から選択される。
【0074】
別の態様では、抗−痙攣剤および/または抗−癲癇剤はカルバマゼピン、ラモトリギン、フェノバルビタル、フェニトイン、トピラメート、バルプロエートおよびゾニスアミドよりなる群から選択される。好ましくは、抗−痙攣剤および/または抗−癲癇剤はカルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェニトイン、プレガバリン、バルプロエートおよびトピラメートよりなる群から選択される。より好ましくは、抗−痙攣剤および/または抗−癲癇剤はガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、バルプロエートおよびトピラメートよりなる群から選択される。
【0075】
ここで使用される際には、用語「組成物」は、特定量の特定成分を含んでなる生成物並びに特定量の特定成分の組み合わせから直接的にまたは間接的に生ずるいずれかの生成物を包括することを意図する。
【0076】
式(I)の化合物はスキーム1に概略記述された方法に従い製造できる。
【0077】
【化14】

【0078】
従って、既知の化合物または既知の方法により製造される化合物である式(X)の適当に置換された化合物を既知の化合物であるスルファミドと、例えばTHF、ジオキサンなどの如き有機溶媒中で、好ましくは約50℃〜約100℃の範囲内の高められた温度において、より好ましくはほぼ還流温度において反応させて、対応する式(Ia)の化合物を生じ、ここでスルファミドは約2〜約5当量の範囲内の量で存在する。
【0079】
或いは、既知の化合物または既知の方法により製造される化合物である式(X)の適当に置換された化合物を既知の化合物または既知の方法により製造される化合物である式(XI)の適当に置換された化合物と、例えばTEA、DIPEA、ピリジンなどの如き塩基の存在下で、例えばDMF、DMSOなどの如き有機溶媒中で反応させて、対応する式(I)の化合物を生ずる。
【0080】
【化15】

【0081】
である式(X)の化合物はスキーム2に概略記述された方法に従い製造することができる。
【0082】
【化16】

【0083】
従って、既知の化合物または(例えば以上のスキーム3に記載されているような)既知の方法により製造される化合物である式(XII)の適当に置換された化合物を既知の化合物であるNHOHと、場合によりアセトニトリルの如き有機溶媒中で反応させて、対応する式(XIII)の化合物を生ぜしめる。
【0084】
式(XIII)の化合物を例えばLAHなどの如き適当に選択された還元剤と、例えばTHF、ジエチルエーテルなどの如き有機溶媒中で反応させて、対応する式(Xa)の化合物を生ぜしめる。
【0085】
【化17】

【0086】
から選択される式(X)の化合物はスキーム3に概略記述された方法に従い製造することができる。
【0087】
【化18】

【0088】
従って、既知の化合物または既知の方法により製造される化合物である式(XIV)の適当に置換された化合物をNHOHと、例えばDCCの如き結合剤の存在下で、場合により例えばアセトニトリルの如き有機溶媒中で反応させて、対応する式(XV)の化合物を生ぜしめる。
【0089】
式(XV)の化合物を例えばLAHなどの如き適当に選択された還元剤と、例えばTHF、ジエチルエーテルなどの如き有機溶媒中で反応させて、対応する式(Xb)の化合物を生ぜしめる。
【0090】
【化19】

【0091】
から選択されそしてaが2である式(X)の化合物はスキーム4に概略記述された方法に従い製造することができる。
【0092】
【化20】

【0093】
従って、既知の化合物または既知の方法により(例えば、JがOHである対応する化合物を活性化することにより)製造される化合物であるJが例えばBr、Cl、I、トシル、メシル、トリフリルなどの如き式(XVI)の化合物を例えばシアン化カリウム、シアン化ナトリウムなどの如きシアン化物と、例えばDMSO、DMF、THFなどの如き有機溶媒中で反応させて、対応する式(XVII)の化合物を生ぜしめる。
【0094】
式(XVII)の化合物を既知の方法に従い、例えばLAH、ボランなどの如き適当な還元剤と反応させることにより還元して、対応する式(Xc)の化合物を生ぜしめる。
【0095】
【化21】

【0096】
から選択されそしてaが1である式(X)の化合物はスキーム5に概略記述された方法に従い製造することができる。
【0097】
【化22】

【0098】
従って、既知の化合物または既知の方法により製造される化合物である式(XVIII)の適当に置換された化合物を既知の方法に従い活性化して、Jが例えばトシレート、Cl、Br、I、メシレート、トリフラートなどの如き適当な脱離基である対応する式(XIX)の化合物を生ぜしめる。
【0099】
式(XIX)の化合物を例えばカリウムフタルイミド、ナトリウムフタルイミドの如きフタルイミド塩と、例えばDMF、DMSO、アセトニトリルなどの如き有機溶媒中で、約50℃〜約200℃の範囲内の高められた温度においてより好ましくは、ほぼ還流温度において反応させて、対応する式(XX)の化合物を生ぜしめる。
【0100】
式(XX)の化合物を既知の化合物であるNと、例えばエタノール、メタノールなどの如き有機溶媒中で、好ましくは、約50℃〜約100℃の範囲内の高められた温度において、より好ましくは、ほぼ還流温度において反応させて、対応する式(Xd)の化合物を生ぜしめる。
【0101】
当業者は、
【0102】
【化23】

【0103】
から選択される式(X)の化合物も同様にして既知の方法に従いまたは以上のスキーム2〜5に概略記述された方法に従い、対応するナフチル−縮合された化合物を選択しそしてベンゾ−縮合された出発物質を置換することにより製造することができることを認識するであろう。
【0104】
当業者は、さらに、式(X)の化合物の単一エナンチオマー(または1種のエナンチオマーが富裕であるエナンチオマーの混合物)が所望される場合には、適当な出発物質を対応する単一エナンチオマー(または1種のエナンチオマーが富裕であるエナンチオマーの混合物)で置換することにより以上のスキーム1〜5に概略記述された方法を適用することができることも認識するであろう。
【0105】
当業者は、本発明の反応段階を種々の溶媒または溶媒系の中で実施することができ、該反応段階を適当な溶媒または溶媒系の混合物の中でも実施することができることを認識するであろう。
【0106】
本発明に従う化合物の製造方法が立体異性体の混合物を生ずる場合には、これらの異性体は普遍的な方法、例えば分取クロマトグラフィーにより分離することができる。化合物はラセミ体形態で製造することができ、或いは個別のエナンチオマーをエナンチオ特異的合成によりまたは分解により製造することもできる。化合物は、例えば、標準的方法、例えば光学的に活性な酸、例えば(−)−ジ−p−トルイル−D−酒石酸および/または(+)−ジ−p−トルイル−L−酒石酸を用いる塩生成によるジアステレオマー対の生成とその後の遊離塩基の分別結晶化および再生によりそれらの成分であるエナンチオマーに分解することができる。化合物は、ジアステレオマーエステルまたはアミドの生成とその後のクロマトグラフィー分離およびキラル助剤の除去により分解することもできる。或いは、化合物をキラルHPLCカラムを用いて分解することもできる。
【0107】
本発明の化合物の製造方法のいずれかの間に、関与する分子のいずれかの上の敏感性または反応性の基を保護することが必要であるかおよび/または所望されることがある。これは普遍的な保護基、例えばProtective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973、およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記載されたものにより行うことができる。保護基は当該技術で既知の方法を用いて都合のよいその後の段階で除去することができる。
【0108】
本発明は、処置を必要とする患者に治療的に有効な量の1種もしくはそれ以上の抗痙攣剤または抗−癲癇剤および治療的に有効な量のここに記載された式(I)の化合物を用いる共同−療法を施すことを含んでなる、根元的な原因および進行段階に関係なく癲癇および関連疾患を処置する方法を提供する。本発明の方法は、従って、発作、痙攣または同様な発作関連疾患の徴候を抑制する効果を与える。この目的を達成するためには、本発明の化合物または組成物は、以下に記載される正確な治療的に有効な量または服用量で使用しなければならない。
【0109】
最適な投与薬用量およびスケジュールは当業者により容易に決めることができ、そして使用される特定化合物、投与の方式、調剤の強度、投与の方式、および疾病症状の進行度に応じて変動するであろう。さらに、罹患体の年令、体重、食事および投与時機を包含する処置される特定罹患体に関係する因子が薬用量を調節する必要性を生ずるであろう。
【0110】
本発明は、さらに、1種もしくはそれ以上の式(I)の化合物並びに1種もしくはそれ以上の抗−痙攣剤および/または抗−癲癇剤を製薬学的に許容可能な担体と共に含有する製薬学的組成物も含んでなる。1種もしくはそれ以上のここに記載された化合物を活性成分として含有する製薬学的組成物は1種もしくは複数の化合物を製薬学的担体と普遍的な製薬学的混和技術に従い密に混合することにより製造することができる。担体は所望する投与経路(例えば経口、非経口)により広範囲の形態をとりうる。それ故、液体の経口調剤、例えば懸濁剤、エリキシル剤および液剤のために適する担体および添加剤は、水、グリコール類、油類、アルコール類、香味剤、防腐剤、安定剤、着色剤などを包含し、固体の経口調剤、例えば散剤、カプセル剤および錠剤のために適する担体および添加剤は、澱粉、糖類、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを包含する。固体の経口調剤を例えば糖類の如き物質でコーティングすることもでき、または吸収の主要部位を調整するために腸皮−コーティングすることもできる。非経口投与のための担体は普通は殺菌水よりなりそして溶解性または防腐性を高めるために他の成分を加えることができる。水性担体を適当な添加剤と共に使用して注射可能な懸濁剤または液剤を製造することもできる。
【0111】
本発明の製薬学的組成物を製造するためには、活性成分としての1種もしくはそれ以上の式(I)の化合物および1種もしくはそれ以上の抗痙攣剤および/または抗−癲癇剤を製薬学的に許容可能な担体と普遍的な製薬学的混和技術に従い緊密に混合し、その担体は投与用の所望される調剤の形態、例えば、経口または非経口、例えば筋肉内により広範囲の形態をとりうる。組成物を経口薬用量形態で製造する際には、一般的な製薬学的媒体のいずれも使用することができる。それ故、液体の経口調剤、例えば、懸濁剤、エリキシル剤および液剤のために適する担体および添加剤は、水、グリコール類、油類、アルコール類、香味剤、防腐剤、着色剤などを包含し、固体の経口調剤、例えば、散剤、カプセル剤、カプレット剤、ゲルキャップ剤および錠剤のために適する担体および添加剤は、澱粉、糖類、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを包含する。投与におけるそれらの容易さのために、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口薬用量単位形態であり、この場合にはもちろん固体の製薬学的担体が使用される。所望するなら、錠剤を標準的技術により糖コーティングまたは腸皮コーティングすることができる。非経口用には、担体は普通は殺菌水を含んでなるが、例えば溶解を助ける目的のためのまたは防腐用の他の成分を含むことができる。注射懸濁剤を製造することもでき、その場合には適切な液体担体、懸濁化剤などを使用することができる。製薬学的組成物はここでは、1薬用量単位、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射剤、小匙1杯分当たり、上記の有効服用量を分配するために必要な量の上記成分を含有するであろう。製薬学的組成物は、ここでは、1薬用量単位、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射剤、小匙1杯分当たり、約0.1−1000mgを含有し、約0.01−200.0mg/kg/日、好ましくは約0.1〜100mg/kg/日、より好ましくは約0.5−50mg/kg/日、より好ましくは約1.0−25.0mg/kg/日またはその中のいずれかの範囲の薬用量で与えることができる。しかしながら、薬用量は罹患体の要望、処置される症状の重篤度および使用される化合物により変動しうる。毎日投与または期間後投与の使用を用いることができる。
【0112】
好ましくは、これらの組成物は例えば経口、非経口、鼻内、舌下もしくは直腸投与のためのまたは吸入もしくは通気による投与のための、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、粒剤、殺菌性非経口液剤もしくは懸濁剤、計量されたエーロゾルもしくは液体噴霧剤、滴下剤、アンプル剤、自動注射装置または坐剤からの単位薬用量形態である。或いは、組成物は週1回のまたは月1回の投与に適する形態をとることもでき、例えば、デカン酸塩の如き活性化合物の不溶性塩を適用して筋肉内注射用のデポ調剤を与えることができる。例えば錠剤の如き固体組成物を製造するためには、主要活性成分を製薬学的担体、例えば、普遍的な製剤成分、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、燐酸二カルシウムまたはゴム類、および他の製薬学的希釈剤、例えば水と混合して本発明の化合物またはその製薬学的に許容可能な塩の均質混合物を含有する固体の予備調合組成物を形成する。これらの予備調合組成物を均質であると称する時には、それは活性成分が組成物全体に均一に分散されて組成物を例えば錠剤、丸剤およびカプセル剤の如き同等に有効な薬用量形態に細分できることを意味する。この固体の予備調合組成物を次に0.01〜約1000mgの本発明の活性成分を含有する上記タイプの単位薬用量形態に細分する。新規組成物の錠剤または丸剤をコーティングするかまたはそうでなければ混和して長期作用の利点を与える薬用量形態を与えることができる。例えば、錠剤または丸剤は内部薬用量および外部薬用量成分を含んでなることができ、後者は前者上の包装の形態である。二成分は、胃の中での崩壊に耐えそして内部成分を無傷で十二指腸内に通過させるかまたは放出を遅らせるように機能する腸溶層により分離される。種々の物質をそのような層またはコーティング用に使用することができ、そのような物質は多くの重合体状の酸類とセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースの如き物質を包含する。
【0113】
本発明の新規組成物が経口または注射による投与のために混合されうる液体形態は、水溶液、適当な香味付けシロップ剤、水性もしくは油性懸濁剤、および例えば綿実油、ゴマ油、ココヤシ油またはピーナッツ油の如き食用油を有する含む香味付け乳剤、並びにエリキシル剤および同様な製薬学的賦形剤を包含する。水性懸濁剤に適する分散化剤または懸濁化剤は、合成および天然ゴム類、例えばトラガカント、アラビアゴム、アルギネート、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンまたはゼラチンを包含する。
【0114】
本発明の方法は、ここで定義された化合物のいずれかおよび製薬学的に許容可能な担体を含んでなる製薬学的組成物を用いて行うこともできる。製薬学的組成物は、約0.1mg〜1000mgの、好ましくは約50〜500mgの、1種もしくは複数の化合物を含
有することができ、そして選択される投与方式に適するいずれかの形態に構成されうる。担体は、結合剤、懸濁化剤、潤滑剤、香味剤、甘味剤、防腐剤、染料、およびコーティングを包含するがそれらに限定されない必要なそして不活性な製薬学的賦形剤を包含する。経口投与に適する組成物は固体形態、例えば丸剤、錠剤、カプレット剤、カプセル剤(各々が即時放出、時間放出および持続放出調剤を包含する)、粒剤、および散剤、並びに液体形態、例えば液剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤、および懸濁剤を包含する。非経口投与に有用な形態は殺菌性液剤、乳剤および懸濁剤を包含する。
【0115】
有利には、本発明の化合物は単一1日服用量で投与することができ、または合計1日薬用量を1日2回、3回もしくは4回の分割服用量で投与することもできる。さらに、本発明の化合物を適当な鼻内賦形剤の局部的使用による鼻内形態でまたは当業者に既知である経皮皮膚パッチ剤により投与することもできる。経皮分配システムの形態で投与するためには、もちろん、薬用量投与は薬用量処方全体にわたり間欠的よりむしろ連続的であろう。
【0116】
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与のためには、活性薬品成分を経口用の無毒の製薬学的に許容可能な不活性担体、例えばエタノール、グリセロール、水など、と組み合わせることができる。さらに、所望するかまたは必要である時には、適する結合剤、潤滑剤、崩壊剤および着色剤を混合物に混合することができる。適する結合剤は澱粉、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコースもしくはベータ−ラクトース、コーン甘味料、天然および合成ゴム類、例えばアラビアゴム、トラガカント、またはオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを包含するが、それらに限定されない。崩壊剤は澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどを包含するが、それらに限定されない。
【0117】
液体は、適当な香味付け懸濁化剤または分散化剤、例えば合成および天然ゴム類、例えば、トラガカント、アラビアゴム、メチル−セルロースなどの中で生ずる。非経口投与用には、殺菌性懸濁剤および液剤が望ましい。静脈内投与が望ましい時には、適当な防腐剤を一般的に含有する等張性調剤が使用される。
【0118】
癲癇または関連疾患の処置が要望される時には常に本発明の化合物を前記の組成物のいずれかでそして当該技術で確立している薬用量処方に従い投与することができる。
【0119】
生成物の1日薬用量は1日当たり成人1人当たり0.01〜200mg/kgの広い範囲にわたり変動しうる。経口投与用には、処置しようとする罹患体に対する薬用量の徴候調節のために、組成物は好ましくは0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250、500および1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供される。薬品の有効量は普通は1日当たり約0.01mg/kg〜150.0mg/kgの体重またはその中のいずれかの範囲の薬用量レベルで供給される。好ましくは、この範囲は1日当たり約0.1〜約100.0mg/kgの体重、より好ましくは、約0.5mg/kg〜約50mg/kg、より好ましくは1日当たり約1.0〜約25.0mg/kgの体重、である。化合物は1日当たり1〜4回の処方で投与することができる。
【0120】
ここに記載された抗−痙攣剤および抗−癲癇剤用の治療的に有効な薬用量レベルおよび薬用量処方は当業者により容易に決めることができる。例えば、販売に関して認可された薬剤に関する治療薬用量および処方は、例えば包装ラベル上、標準的な薬用量指針中、標準的薬用量文献、例えばPhysician’s Desk Reference(Medical Economics Company or online at htt
p://www.pdrel.com)および他の出所に挙げられているように公表されている。
【0121】
当業者は、本発明の化合物の治療的に有効な薬用量は臨床的に有意な結果を生ずる長期処置処方内の繰り返し服用量を包含しうることを認識するであろう。
【0122】
当業者は、適当な既知のそして一般的に認められている細胞および/または動物モデルを用いるインビボおよびインビトロの両者により試験化合物が特定疾患を処置または予防する能力を予期できることも認識するであろう。当業者は、さらに、健康な患者および/または特定疾患に罹っている患者におけるファースト−イン−ヒューマン(first−in−human)、服用量範囲および効力試験を包含する人間の臨床試験を臨床および医学技術において既知である方法に従い完了しうることも認識するであろう。
【0123】
有効薬用量の決定は典型的には人間臨床試験により継続管理される動物モデル試験に基づきそして患者における標的にされる露出徴候または症状の発生または重篤度を有意に減ずる有効薬用量および投与処方を決定することにより行われる。これに関する適当なモデルは、例えば、ネズミ、ラット、ブタ、ネコ、非−人間霊長類、および当該技術で既知の他の認可された動物モデルを包含する。或いは、有効薬用量をインビトロモデル(例えば、免疫学的および組織病理学的検定)を用いて決めることもできる。そのようなモデルでは、治療的に有効な量(例えば、所望する応答を誘発するために鼻内で有効である、経皮的に有効である、静脈内で有効である、または筋肉内で有効である量)の1種もしくは複数の生物学的活性剤を投与するために適する濃度および服用量を決めるためには通常の計算および調節だけが典型的に必要である。
【0124】
以下の実施例は本発明の理解を助けるために示されており、そして以下の特許請求の範囲に示された本発明をいずれかの方法で限定する意図はなくそしてそのようにみなすべきではない。
【実施例】
【0125】
実施例1
((3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3−イル)メチル)スルファミド(化合物番号3)
【化24】

【0126】
カテコール(5.09g、46.2ミリモル)および炭酸カリウムをアセトニトリル中で一緒にしそして1時間にわたり加熱還流した。2−クロロメチル−3−クロロ−1−プロペン(5.78g、46.2ミリモル)を加えそして反応を還流下で24時間にわたり続けた。溶液を室温に冷却しそして濾過した。濾液を蒸発させそして残渣を水で希釈しそしてジエチルエーテル(3回)で希釈した。一緒にした有機溶液をMgSO上で乾燥しそして濃縮した。クロマトグラフィー(ヘキサン中2%エチルエーテル)が3−メチレン−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピンを無色油として生じた。
【0127】
MS(ESI):163.2(M+H
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.94(m,4H),5.07(s,2H),4.76(s,4H).
【0128】
3−メチレン−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン(5.00g、30.8ミリモル)を乾燥THF(100mL)中に溶解させた。ボラン−THF(THF中1.0M、10.3mL)を0℃において加えた。反応物を室温において5時間にわたり撹拌した。アミノスルホン酸(6.97g、61.6ミリモル)を加えた。反応物を一晩にわたり加熱還流した。反応物を室温に冷却しそして水性水酸化ナトリウム(3.0M、100mL)を加えた。溶液を酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。一緒にした有機溶液をMgSO上で乾燥した。溶液を真空下で濃縮しそしてクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2%〜8%メタノール)により精製して((3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3−イル)メチル)アミンを無色油として生じた。
【0129】
MS(ESI):180.1(M+H
H NMR(300MHz,DMSO),δ:6.92(m,4H),4.21(m,2H),4.07(m,2H),3.33(広い,2H),3.16(d,J=4Hz,1H),2.72(d,J=4Hz,1H),2.30(m,1H).
【0130】
((3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3−イル)メチル)アミン(2.90g、16.2ミリモル)およびスルファミド(3.11g、32.4ミリモル)を乾燥ジオキサン(60mL)中で一緒にしそして一晩にわたり加熱還流した。クロロホルムを加えそして沈殿を濾過により除去した。濾液を真空下で濃縮しそしてクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2%〜8%アセトン)により精製して標記化合物を灰白色固体として生じた。
【0131】
258.8(M+H
H NMR(300MHz,DMSO),δ:6.92(m,4H),6.71(広い,1H),6.59(広い,2H),4.19(m,2H),4.04(m,2H),3.00(m,2H),2.39(m,1H).
【0132】
実施例2
N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)スルファミド(化合物番号1)
【化25】

【0133】
ラセミ体2,3−ジヒドロ−1,4−ベンズジオキシン−2−イルメチルアミン(4.4g、26ミリモル)およびスルファミド(5.1g、53ミリモル)を1,4ジオキサン(100mL)中で一緒にしそして2時間にわたり還流した。反応物を室温に冷却しそして少量の固体を濾過しそして廃棄した。濾液を真空中で蒸発させそして残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:メタノール−10:1)を用いて精製して白色固体を生じた。固体をDCMから再結晶化させて標記化合物を白色固体として生じた。
【0134】
融点:97.5−98.5℃
元素分析:
分析計算値:C,44.25;H,4.95;N,11.47;S,13.13
分析実測値:C,44.28;H,4.66;N,11.21;S,13.15
NMR(DMSO d6)δ 6.85(m,4H),6.68(bd s,3H,NH),4.28(m,2H),3.97(dd,J=6.9,11.4Hz,1H),3.20(m,1H),3.10(m,1H).
【0135】
実施例3
(ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−イルメチル)スルファミド(化合物番号2)
【化26】

【0136】
カテコール(10.26g、93.2ミリモル)、ナトリウムメトキシド(メタノール中25重量%、40.3g、186ミリモル)、およびジクロロ酢酸メチル(13.3g、93.2ミリモル)を乾燥メタノール(100mL)中で一緒にした。溶液を一晩にわたり加熱還流した。反応物を室温に冷却し、濃塩酸の添加により酸性化しそして次に真空中で量を約50mLに減じた。水を加えそして混合物をジエチルエーテル(3x100mL)で抽出した。一緒にした有機溶液をMgSOを用いて乾燥し、濃縮して褐色固体にし、そしてクロマトグラフィー(ヘキサン中2%酢酸エチル)にかけてベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸メチルエステルを無色油として生じた。
【0137】
MS(ESI):195.10(M+H).
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.89(広い,4H),6.29(s,1H),4.34(q,J=7Hz,2H),1.33(t,J=7Hz,3H).
【0138】
ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸メチルエステル(7.21g、40.0ミリモル)に水酸化ナトリウム(水中29%、10mL)および混合物を均質するのに充分なアセトニトリル(〜5mL)を加えた。溶液を2時間にわたり撹拌しそして次に蒸留水を加えた。白色固体として沈殿したベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸アミドを濾過により集めそしてさらなる精製なしに使用した。
【0139】
MS(ESI):160.00(M+H
H NMR(300MHz,DMSO),δ:7.99(s,広い,1H),7.72(s,広い,1H),6.94(m,2H)6.86(m,2H),6.30(s,1H).
【0140】
ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸アミド(5.44g、32.9ミリモル)をテトラヒドロフラン(THF、100mL)中に溶解させた。水素化アルミニウムリチウム(LAH、THF中1M、39.5mL、39.5ミリモル)を溶液に室温においてゆっくり加えた。反応物を室温において24時間にわたり撹拌した。蒸留水を加えて過剰のLAHを分解した。水性水酸化ナトリウム(3.0M、100mL)を加えそして溶液を酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。一緒にした有機溶液を水で洗浄しそしてMgSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させてC−ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−イル−メチルアミンを無色油として生じた。
【0141】
MS(ESI):152.1(M+H
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.87(m,4H),6.09(
t,J=4Hz,1H),3.13(d,J=4Hz,2H)
【0142】
C−ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−イル−メチルアミン(2.94g、19.4ミリモル)およびスルファミド(3.74g、38.9ミリモル)を乾燥ジオキサン(50mL)中で一緒にしそして溶液を一晩にわたり加熱還流した。反応物を濃縮しそして残渣をクロマトグラフィー(2%〜10%アセトンジクロロメタン中)にかけて標記化合物を白色固体として生じた。
【0143】
MS(ESI):230.0(M+H
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.87(m,4H),6.25(t,J=4Hz,1H),4.79(広い,1H),4.62(広い,1H),3.64(d,J=4Hz,2H).
【0144】
実施例4
(2S)−(−)−N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)スルファミド(化合物番号4)
【化27】

【0145】
カテコール(13.2g、0.12モル)および炭酸カリウム(16.6g、0.12モル)をDMF(250mL)中で撹拌しそして(2R)−グリシジルトシレート(22.8g、0.10モル)を加えそして反応物を60℃において24時間にわたり撹拌した。反応物を室温に冷却しそして水で希釈し(1L)そしてジエチルエーテル(4回)で抽出した。一緒にした有機溶液を10%炭酸カリウムで3回、水で1回、食塩水で1回洗浄し、そして真空中で蒸発させて白色固体を生じ、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:メタノール−50:1)により精製して((2S)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メタノールを固体として生じた。
【0146】
固体(13.3g、68ミリモル)を0℃に冷却されたピリジン(85mL)中に溶解させ、塩化p−トルエンスルホニル(13.0g、68ミリモル)を加えそして反応混合物を室温において20時間にわたり撹拌した。反応物をジエチルエーテル(1L)および1N HCl(1.2L)で希釈した。有機層を分離しそして1N HCl(500mL)で2回、水(150mL)で4回、食塩水で1回洗浄し、乾燥し(MgSO)そして真空中で蒸発させて白色固体を生じ、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(Hept:EA−2:1)により精製してトルエン−4−スルホン酸(2S)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチルエステルを白色固体として生じた。
【0147】
白色固体をDMF(250mL)中のカリウムフタイミド(14.4g、78ミリモル)と一緒にしそして1時間にわたり加熱還流し、室温に冷却しそして激しく撹拌されている水(1.5L)の中に注ぎそして30分間にわたり撹拌した。白色固体を濾過しそして固体を水、2% NaOH、および水で再び洗浄しそして空気乾燥して(2S)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオンを白色の粉末状固体として生じた。
【0148】
粉末状の白色固体をEtOH(225mL)中のヒドラジン(2.75g、86ミリモル)と一緒にしそして2時間にわたり加熱還流し、室温に冷却しそしてpH 1.0とな
るまで1N HClを加えそして15分間にわたり撹拌した。白色固体を濾過しそして新しいEtOHで洗浄し(固体は廃棄した)そして濾液を真空中で蒸発させて固体とし、それをジエチルエーテルおよび希水性NaOHの間に分配させた。ジエチルエーテル溶液を乾燥し(NaSO)そして真空中で蒸発させて淡黄色油を生じた。油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH−10:1)により精製して油を生じた。油の一部(4.82g、29ミリモル)を2−プロパノール(250mL)中で1N HCl(30mL)で処理しそして蒸気浴上で均質となるまで加熱しそして次に室温に放冷した。3時間後に、混合物を2時間にわたり氷冷した。白色の片状固体((2S)−C−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンの対応するHCl塩)を濾別しそして次に2−プロパオールから再結晶化させて白色固体を生じた。
【0149】
[α]=−69.6(c=1.06,EtOH)
【0150】
白色固体をDCMおよび希NaOHの間に分配させ、そしてDCMを乾燥し(NaSO)そして真空中で蒸発させて(2S)−C−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンを油として生じた。
【0151】
[α]=−57.8(c=1.40,CHCl
【0152】
油(2.1g、12.7ミリモル)およびスルファミド(2.44g、25.4ミリモル)をジオキサン(75mL)中で2時間にわたり還流しそして粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 10:1)により精製して白色固体を生じ、それをDCMから再結晶化させて標記化合物を白色の結晶性固体として生じた。
【0153】
融点102−103℃
[α]=−45.1°(c=1.05,M);
H NMR(DMSOd6)δ 6.86(m,4H),6.81(bd s,3H,NH),4.3(m,2H),3.97(dd,J=6.9,11.4Hz,1H),3.20(dd,J=5.5,13.7Hz,1H),3.10(dd,J=6.9,13.7Hz,1H)
元素分析:
分析計算値:C,44.25;H,4.95;N,11.47;S,13.13
分析実測値:C,44.20;H,4.69;N,11.40;S,13.22.
【0154】
実施例5
N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−N’,N’ジメチルスルファミド(化合物番号6)
【化28】

【0155】
ラセミ体2,3−ジヒドロ−1,4−ベンズジオキシン−2−イルメチルアミン(8.25g、5.0ミリモル)およびトリエチルアミン(1.52g、15ミリモル)をDMF(10mL)中で一緒にしそして塩化ジメチルスルファモイル(1.44g、10ミリモル)を加えながら氷浴中で冷却した。冷却し続けながら、反応混合物を次に3時間にわたり撹拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび水の間に分配させ、そして酢酸エチル溶液を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)そして真空中で蒸発させて油を生じた。油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘプタン−1:1)を用いて精製して白色固体を生じ、それを再結晶化(酢酸エチル/ヘキサン)して標記化合物を白色のふわふわした固体として生じた。
【0156】
融点76−78℃
MS 273(MH
元素分析:
分析計算値:C,48.52;H,5.92;N,10.29;S,11.78
分析実測値:C,48.63;H,5.62;N,10.20;S,11.90
H NMR(CDCl)δ 6.87(m,4H),4.59(bdm、1H,NH),4.35(m,1H),4.27(dd,J=2.3,11.4Hz,1H),4.04(dd,J=7.0,11.4,1H),3.36(m,2H),2.82(s,6H).
【0157】
実施例6
N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−N−メチルスルファミド(化合物番号7)
【化29】

【0158】
ラセミ体2,3−ジヒドロ−1,4−ベンズジオキシン−2−イルメチルアミン(825mg、5ミリモル)を蟻酸エチル(15mL)中に溶解させ、30分間にわたり還流しそして真空中で蒸発させてN−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−ホルムアミドを油として生じた。
【0159】
ジエチルエーテル(25mL)中の油をTHF中1M LAH(9.0mL、9.0ミリモル)で0℃において処理しそして5時間にわたり室温において撹拌した。反応物を氷浴中で冷却しそして水(0.50mL)で、引き続き3N NaOH(0.50mL)および水(0.50mL)でクエンチした。混合物を次に室温において1時間にわたり撹拌した。固体を濾過しそして濾液を真空中で蒸発させて残渣を生じ、それを1N HClおよびジエチルエーテルの間に分配させた。水相を1N NaOHで塩基性化しそしてジエチルエーテルで抽出した。有機相を乾燥し(MgSO)そして真空中で蒸発させて(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−メチル−アミンを油として生じた。
【0160】
MS 180(MH
H NMR(CDCl)δ 6.85(m,4H),4.30(m,2H),4.02(dd,J=7.9,11.6Hz,1H),2.85(m,2H),2.50(s,3H)
【0161】
油(380mg、2.1ミリモル)およびスルファミド(820mg、8.5ミリモル)をジオキサン(15mL)中で一緒にし、1.5時間にわたり還流しそして真空中で蒸発させて粗製残渣を生じた。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン1:1)により精製しそして生じた固体を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させて標記化合物を白色固体として生じた。
【0162】
融点97−98℃
MS 257(M−1
元素分析:
分析計算値:C,46.50;H,5.46;N,10.85;S,12.41
分析実測値:C,46.48;H,5.65;N,10.90;S,12.07
H NMR(CDCl)δ 6.86(m,4H),4.52(bs,2H),4.46(m,1H),4.29(dd,J=2.3,11.5Hz,1H),4.05(dd,J=6.5,11.5Hz,1H),3.51(dd,J=6.7,14.9Hz,1H),3.40(dd,J=5.9,14.9Hz,1H),2.99(s,3H).
【0163】
実施例7
(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)スルファミド(化合物番号8)
【化30】

【0164】
以上の実施例4に概略記述された工程に従い、4−クロロカテコールを反応させて(2S)−C−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンおよび(2S)−C−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンの混合物(RP HPLCによると6−クロロ:7−クロロ異性体の約3:1比)を生じた。
【0165】
混合物を2−プロパノール(100mL)中に溶解させそしてpH=1.0になるまでジエチルエーテル中1N HClを加えた。沈殿した塩酸塩を濾過し(2.65g)そしてメタノール/IPAから再結晶化させて白色結晶を生じた。白色結晶をDCMおよび希NaOHの間に分配させた。DCMを乾燥しそして真空中で蒸発させて精製した(2S)−C−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンを油として生じた。
【0166】
[α]=−67.8(c=1.51,CHCl
【0167】
油(7.75ミリモル)およびスルファミド(1.50g、15.5ミリモル)をジオキサン(50mL)中で一緒にしそして2.0時間にわたり還流し、室温に冷却しそして真空中で蒸発させて固体を生じた。生成物をDCM/メタノール20:1を用いるフラッシュカラムにより精製して標記化合物を白色固体として生じた。
【0168】
MS 277(M−1
[α]=−59.9°(c=1.11,M)
H NMR(CDCl)δ 6.90(d,J=2.2Hz,1H),6.81(m,2H),4.76(m,1H),4.55(s,2H),4.40(m,1H),4.29(dd,J=2.4,11.5Hz,1H),4.05(dd,J=7.1,11.5Hz,1H),3.45(m,2H)
元素分析:
分析計算値:C,38.78;H,3.98;N,10.05
分析実測値:C,38.80;H,3.67;N,9.99.
【0169】
以上で製造された(2S)−C−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンの結晶化した塩酸塩の濾液を回収し(約1:1の6−クロロ:7−クロロ異性体)そして真空中で蒸発させて固体を生じ、それをDCM(200mL)および希NaOH(0.5M、50mL)の間に分配させた。DCM溶液を食塩水で1回洗浄し、乾燥し(NaSO)そして真空中で蒸発させて油を生じ、それを逆相HPLC(0.20%のTFAを有する水中の0.16%のTFAを有する10−50%ACN)により精製して(2S)−C−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンを残渣として生じた。
【0170】
残渣をジオキサン(25mL)中のスルファミド(0.90g、9.4ミリモル)と一緒にしそして2.5時間にわたり還流し、室温に冷却しそして真空中で蒸発させて油を生じた。油をDCM/メタノール−10:1を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して(2S)−(−)−N−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)スルファミドを白色固体として生じた。
【0171】
MS 277(M−1
H NMR(CDCl/CDOD)δ 6.88(d,J=0.7Hz,1H),6.81(m,2H),4.37(m,1H),4.30(dd,J=2.3,11.6Hz,1H),4.04(dd,J=7.0,11.6Hz,1H),3.38(m,2H).
【0172】
実施例8
クロマン−2−イルメチルスルファミド(化合物番号10)
【化31】

【0173】
クロマン−2−カルボン酸(4.5g、25ミリモル)およびHOBT(3.86g、25ミリモル)をDCM(40mL)およびDMF(10mL)中で一緒にした。ジメチルアミノプロピルエチルカルボジイミド(EDC、4.84g、25ミリモル)を室温において加えそして反応混合物を30分間にわたり撹拌した。水酸化ナトリウム(2.26mL、33.4ミリモル)を加えそして反応混合物を16時間にわたり撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)および水(50mL)で希釈しそして1N HClを用いて混合物のpHを約pH=3.0に調節した。DCMを分離しそして水相をDCMで2回抽出した。一緒にしたDCM相を乾燥し(NaSO)そして真空中で蒸発させて油を生じ、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して油を生じた。
【0174】
THF中1M LAH(36mL、36ミリモル)を加えながら油(5.35g、30ミリモル)をTHF(90mL)中で撹拌しそして反応混合物を次に室温において20時間にわたり撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、2時間にわたり撹拌し、溶液を傾斜し、乾燥し(NaSO)そして真空中で蒸発させてC−クロマン−2−イル−メチルアミンを油状アミンとして生じた。
【0175】
油状アミン(1.63g、10ミリモル)およびスルファミド(1.92g、20ミリモル)をジオキサン(50mL)中で一緒にしそして2時間にわたり還流させた。溶液を冷却しそして真空中で蒸発させて油を生じ、それをカラムクロマトグラフィー(DCM:
メタノール10:1)により精製して白色固体を生じた。固体を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させてクロマン−2−イルメチルスルファミドを白色固体として生じた。
【0176】
融点100−101℃
MS 241(M−1
元素分析 :
分析計算値:C,49.57;H,5.82;N,11.56;S,13.23
分析実測値:C,49.57;H,5.80;N,11.75;S,13.33.
【0177】
実施例9
2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−エチルスルファミド(化合物番号16)
【化32】

【0178】
シアン化カリウム(2.05g、31.5ミリモル)をDMSO(90mL)中の2−ブロモメチル−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン)(6.87g、30ミリモル)に加えそして周囲温度において20時間にわたり撹拌した。反応混合物を次に水(250mL)で希釈しそしてジエチルエーテルで2回抽出した。ジエチルエーテルを水で洗浄し、次に食塩水で2回洗浄し、乾燥し(NaSO)そして真空中で蒸発させて2−シアノメチル−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン)を白色固体として生じた。
【0179】
H NMR(CDCl)δ 6.89(m,4H),4.50(m,1H),4.31(dd,J=2.3,11.5Hz,1H),4.08(dd,J=6.2,11.6Hz,1H),2.78(d,J=6.1,Hz,2H)
【0180】
2−シアノメチル−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン)をTHF(50mL)中に溶解させそしてTHF中1M BH(80mL、80ミリモル)を加えそして反応混合物を5時間にわたり還流し、次に周囲温度において16時間にわたり撹拌した。氷浴冷却しながら、pH=1.0が得られるまで2N HClを加えた。反応混合物を次に1時間にわたり室温において撹拌しそして真空中で蒸発させて油を生じた。油を3N NaOHおよびジエチルエーテルの間に分配させ、そしてジエチルエーテル溶液を食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)そして真空中で蒸発させて粗製2−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)エチルアミンを生じた。
【0181】
MS(M+H)180.
【0182】
ジオキサン(100mL)中の粗製2−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)エチルアミンをスルファミド(3.0g、31ミリモル)と一緒にしそして2時間にわたり加熱還流した。溶液を冷却しそして真空中で蒸発させて橙色固体を生じ、それをカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH−10:1)により精製して白色固体を生じた。固体をDCMから再結晶化させて標記化合物を固体として生じた。
【0183】
MS(M−1)257
融点101−103℃(補正)
H NMR(CDCl):δ 6.86(m,4H),4.70(m,1H),4.52(s,2H),4.30(m,2H),3.94(dd,J=7.4,11.3Hz,1H),3.43(dd,J=6.4,12.9Hz,2H),1.94(dd,J=6.5,12.9,2H).
元素分析:
実測値 :C,46.48;H,5.60;N,10.81;S,12.41
計算値 :C,46.50;H,5.46;N,10.85;S,12.41
【0184】
実施例10
(2S)−(−)−N−(6,7ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)スルファミド(化合物番号29)
【化33】

【0185】
4,5ジクロロカテコール(8.6g、48ミリモル)および炭酸カリウム(6.64g、48ミリモル)をDMF(200mL)中で撹拌した。(2R)−グリシジルトシレート(9.12g、40ミリモル)を加えそして反応混合物を60℃において24時間にわたり撹拌した。反応混合物を室温に冷却しそして次に水(600mL)で希釈しそしてジエチルエーテル(4回)で抽出した。一緒にした有機溶液を10%炭酸カリウムで3回、食塩水で2回洗浄し、乾燥し(MgSO)そして真空中で蒸発させて(2S)−2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン)メタノールの粘着性油を生じた。
【0186】
(2S)−2−(6,7ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン)メタノール油(6.4g、27ミリモル)を0℃に冷却されたピリジン(50mL)中に溶解させた。次に、塩化p−トルエンスルホニル(5.2g、27ミリモル)を加えそして反応混合物を室温において20時間にわたり撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルおよび1N HCl(750mL)で希釈しそして有機層を分離しそして1N HCl(250mL)で2回、水(150mL)で1回、食塩水で2回洗浄し、乾燥し(MgSO)そして真空中で蒸発させてトルエン−4−スルホン酸(2S)−6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチルエステルの淡黄色固体を生じた。
【0187】
H NMR(CDCl3):δ 7.79(d,J=8.3Hz,2H),7.36(d,J=8.0Hz,2H),6.94(s,1H),6.83(s,1H),4.37(m,1H),4.2(m,3H),4.03(dd,J=6.3,11.7Hz,1H),2.47(s,3H).
【0188】
トルエン−4−スルホン酸(2S)−6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチルエステル(8.0g、20.5ミリモル)をDMF(75mL)中のカリウムフタルイミド(6.1g、33ミリモル)と一緒にしそして1時間にわたり加熱還流し、室温に冷却しそして激しく撹拌されている水(0.5L)の中に注ぎそして次に30分間にわたり撹拌した。白色固体を濾過しそして固体を水、2%NaOH、そして再び水で数回洗浄し、そして次に空気乾燥して(2S)−2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン(6.0g、80%)を白色の粉末状固体として生じた。
【0189】
白色の粉末状固体をEtOH(80mL)中のヒドラジン(1.06g、33ミリモル)と一緒にしそして2時間にわたり加熱還流し、次に室温に冷却した。1N HClを加えて反応混合物のpHをpH1.0に調節しそして反応混合物を次に15分間にわたり撹拌した。白色固体を濾過しそして新しいEtOHで洗浄し(固体は廃棄された)そして濾液を真空中で蒸発させて固体とし、それをジエチルエーテルおよび希水性NaOHの間に分配させた。ジエチルエーテル溶液を乾燥し(NaSO)そして真空中で蒸発させて(2S)−2−アミノメチル−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン)の粘着性油を生じた。
【0190】
H NMR(CDCl3):δ 6.98(s,1H),6.96(s,1H),4.25(dd,J=2.0,11.2Hz,1H),4.15(m,1H),4.0(m,1H),2.97(d,J=5.5Hz,2H)
【0191】
油の一部(3.8g、16ミリモル)およびスルファミド(3.1g、32.4ミリモル)をジオキサン(100mL)中で2時間にわたり還流しそして粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 20:1)により精製して標記化合物を白色固体として生じ、それを酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させて標記化合物を白色の結晶性固体として生じた。
【0192】
MS [M−H]311.0
融点119−121℃
[α]=−53.4°(c=1.17,M)
H NMR(DMSOd6):δ 7.22(s,1H),7.20(s,1H),6.91(bd s,1H),6.68(bd s,2H),4.35(m,2H),4.05(dd,J=6.5,11.5Hz,1H),3.15(m,2H)
元素分析:
元素分析:
実測値 :C,34.52;H,3.22;N,8.95;Cl,22.64;S,10.24
計算値 :C,34.64;H,2.68;N,8.87;Cl,22.94;S,10.35.
【0193】
実施例11
(2S)−(−)−N−(7−アミノ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)スルファミド(化合物番号36)
【化34】

【0194】
(2S)−(−)−N−(2,3−ジヒドロ−7−ニトロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)スルファミド(1.2g、4.15ミリモル)を4−ニトロカテコールから実施例4に概略記述された方法に従い製造した。(2S)−(−)−N−(2,3−ジヒドロ−7−ニトロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)スルファミドを次にメタノール(120mL)中10%Pd/Cと一緒にしそして水素雰囲気(39psi)下で室温において3時間にわたり振った。固体を濾過しそしてDCM中10%Mで洗浄しそして濾液を真空中で蒸発させて粗製生成物を生じた。粗製生成物を0.2N HCl(25mL)中に溶解させ、凍結しそして凍結乾燥して標記化合物を白色の片状固体として、対応する塩酸塩として、生じた。
【0195】
MS(M+H)260
H NMR(DMSO d6):δ 10.2(bd s,3H),6.86(m,1H),6.85(s,1H),6.74(dd,J=2.5,8.4Hz,1H),4.22(m,2H),3.88(dd,J=6.7,11.4Hz,1H),3.04(m,2H)
【0196】
実施例12
(2S)−(−)−N−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)スルファミド(化合物番号19)
【化35】

【0197】
以上の実施例4に記載された工程に従い、4−メチルカテコールで出発して、標記化合物を製造して白色固体を生じ、それを酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させて標記化合物を白色固体として生じた。
【0198】
MS [M−H]257
H NMR(CDCl3):δ 6.76(m,1H),6.66(m,2H),4.80(m,1H),4.57(bd s,1H),4.40(m,1H),4.28(m,1H),4.03(dd,J=6.9,11.4Hz,1H),3.45(m,2H),2.25(s,3H).
元素分析:
計算値 :C,46.50;H,5.46;N,10.85;S,12.41
実測値 :C,46.65;H,5.60;N,10.84;S,12.61.
【0199】
実施例13−−予想実施例
無作為化されない患者内プラセボ管理試験:感光性癲癇のある罹患体における光−誘発発作性EEG応答
試験に関する理論的説明:
感光度は人間における抗癲癇薬に関する有用なモデルを提供する。抗癲癇作用に関する指数として感光度範囲を使用する技術は多くの既知の抗癲癇薬で有効であることが証明されてきた。さらに、それは新規な可能性のある抗癲癇薬の予備検討のための有用な手段であるようである(Binnie et al.,1985;Kasteleijn−Nolst Trenite et al.,1996)。抗癲癇薬の効力に関する情報とは別に、この技術は連続的な血液レベル監視と組み合わせる時には抗癲癇作用の開始時間および期間に関する情報も提供する。ある場合には、例えばバルプロ酸ナトリウムの場合のように、感光度範囲の最大の減少は薬品のピーク血液レベルの時間と一致せずにそれより遅れる。
【0200】
古典的な光発作性応答(全身化された棘波、棘波、または多棘波)をモデルとして使用すると、類癲癇作用の分布に対する実験抗癲癇薬の効果が新薬の臨床的な抗−痙攣範囲の
予測を助けうる。それは光発作性応答の完全な停止をもたらすことができ、或いはそれは後頭葉内の一次的類癲癇発生の二次的な拡散および全身化の抑制も生じうる(Binnie et al.,1986)。
【0201】
目的:
試験の目的は以下の通りである:
(a)抗癲癇作用のマーカーとして間欠性刺激(IPS)に対する光発作性EEG応答を用いて、感光性癲癇罹患体における試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の急性抗癲癇効果を評価すること、(b)感光度の完全な抑制を生ずるかまたは感光度範囲を感光度目盛りにおいて少なくとも1つの眼の状態で(開いている、閉じつつある、閉じた)少なくとも3段階軽減する試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の経口服用量を決めること、(c)試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の血漿レベルに対する抗癲癇効果の関係を評価すること、(d)これまでに存在する抗癲癇薬(AED)との起きうる相互作用を検討すること、(e)感光性癲癇のある罹患体における試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の安全性および耐性に関する情報を提供すること、並びに(f)感光性癲癇のある罹患体における気分に対する試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の急性効果を検討すること。
【0202】
試験の概観:
試験は、マルチ−センターの、無作為的でない、単一−盲検性の、患者内プラセボ管理試験である。全ての患者は1日目の朝にプラセボの単一服用量を、2日目の朝に試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の単一服用量を、そして3日目の朝に2回目のプラセボの単一服用量を摂取する。IPS期間中に記録されたEEG追跡を紙に印刷し、コード化しそして2人の非公開の検討者により独立して評価して感光度範囲に対する効果を判定する。
【0203】
第一の3人の罹患体における試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の服用量は動物試験に基づき選択される。これらの3人の罹患体のうちの少なくとも2人において感光度の完全な抑制または感光度目盛りにおける少なくとも3点の感光度範囲の軽減がある場合には、試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の服用量は次の3人の罹患体では減じられる。試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の服用量は段階的方式で(250mgの最少服用量に向かい減らして)感光度の軽減または抑制が見られなくなるかまたは試験した最後の服用量レベルにおいて3人の罹患体のうちの2人より少ない人で見られるまで減じられる。
【0204】
上記の段階が完了したら、感光度の完全な抑制が最初の3人の患者のうちの2人で初期服用量レベルで見られない場合には、試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の服用量を次の3人では増加させる。試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の服用量は段階的方式で感光度の完全な抑制が少なくとも2人の罹患体において見られるまで増加させる。これらの服用量増加は前の服用量レベルが良く耐えられそして新しい服用量レベルが健康な志願者試験からの安全性および耐性データにより裏付けられる場合にのみ行われる。さらに、これらの服用量増加は試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の血漿レベルが既知でありそして健康な志願者試験からのデータと比べられた場合にのみ行われる。
【0205】
試験集団:
知的欠陥または脳病変に関係のない、年令が16〜60才の間でありそして特発性の感光性癲癇(拡散性の光発作性EEG応答により特徴づけられる)の確定診断書を有する18人までの男性および女性患者(服用量レベル当たり3人)。抗癲癇投薬を用いていない患者が好ましいが、抗癲癇剤投薬(フェルバメートを除く)の使用は除外基準でない。
【0206】
試験への参加のためには、各患者は試験に入る前に以下の基準を満たさなければならない:
(a)16〜60才の年令、
(b)インフォームド・コンセント・フォームの読解および署名、
(c)40〜90kgの間の体重、
(d)拡散性光発作性EEG応答を有する特発性の感光性癲癇の文書化した確定診断書、(e)適当な範囲の閃光周波数にわたる間欠的な光刺激に対する一貫性のある感度、
(f)異常な臨床研究試験と関係ないこと、
(g)試験全体への参加可能性。
【0207】
以下の基準のいずれかを満たす患者は試験への参加から除外される:
(a)既知の慢性感染症もしくはアレルギーまたは重度アレルギーの病歴
(b)妊娠中もしくは授乳中の女性または妊娠に対して不充分に保護されている女性(出産可能性のある女性患者に関しては、陰性の妊娠試験を得なければならずそして試験薬品投与の少なくとも2週間から始まり試験完了後の少なくとも1週間まで続いて禁欲または2種類の信頼性のある避妊方法を使用しなければならない)
(c)癲癇以外の重篤な病気
(d)有意な神経学的、精神的または学習的廃疾
(e)(例えば、適宜脳MRIまたはCT上の)進行性脳病変の形跡
(f)10分間隔内の2回の繰り返し測定に従う>160もしくは<90mmHgの収縮期血圧および>95もしくは<60mmHgの拡張期血圧
(g)試験薬品投与の7日以内の最近の抗癲癇薬(フェルバメートを除く)または経口避妊薬の定期的使用(非−処方OTC処置は研究者の判断に応じて認可されうる)
(h)試験薬品投与の60日以内の実験薬の臨床試験への参加または使用
(i)試験薬品投与の60日以内の神経弛緩薬(定型もしくは非定型)、抗鬱剤またはフェルバメートの使用
(j)試験薬品投与の30日以内の2種より多い抗癲癇剤投薬または抗癲癇剤投薬における変更
(k)試験薬品投与の7日以内の抗癲癇剤投薬の急性使用
(l)試験薬品投与の90日以内のアルコール乱用または薬物嗜癖の病歴
(m)法的失格または制限された法的資格
(n)試験の制約に対して協力または尊重しない可能性。
【0208】
同時の抗癲癇剤投薬(フェルバメートを除く)を受けそして安定している患者は同じ服用量レベルに維持される定期的投薬を続けるであろう。全ての同時投薬(処方および非−処方)が記録される。
【0209】
薬用量および投与:
患者は毎日ほぼ09:00時に、水の標準的コップ(240mL)を用いて、調査者または指定された試験担当者の監督下で、経口的に投薬される。投与の正確な時間およびカプセル剤の正しい接取は指示されそしてCRFに記録される。
【0210】
いずれかの研究の特定段階が行われる前に、患者は文書化されたインフォームド・コンセント・フォームを読解しそして署名する。試験薬品投与の30日以内のスクリーニング期間中に、各患者に関して以下の評価を完了させる:
(a)医学的病歴(発作病歴を包含する)。
(b)身体的試験(神経学的試験、生存徴候:起立および仰臥血圧、心拍、体重、身長並びに口腔温度を包含する)。
(c)試験薬品投与の30日以内に使用された抗癲癇薬を包含する全ての投薬(処方および非−処方)。
(d)管理EEGおよび感光度範囲の標準化された測定を包含する完全な診断用の日常的なEEG処置。
(e)12−リード(lead)ECG。
(f)同時に抗癲癇薬(AED類)を摂取する患者に関しては、AEDレベルの分析用の血液試料が採取されるであろう。
【0211】
標準的な臨床検査評価は以下のものを包含する:
(a)血液学:ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球、平均血球容量(MCV)、平均血球ヘモグロビン質量(MCH)、平均血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、白血球(合計WBCおよび自動化された示差計数)、血小板数。
(b)臨床化学:ガンマ・グルタミル・トランスペプチダーゼ(γGT)、アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパルテート・アミノトランスフェラーゼラーゼ(AST)、アルカリ性ホスファターゼ、LDH、クレアチニン、尿酸、グルコース、合計ビリルビン、合計蛋白質、アルブミン、コレステロール、トリグリセリド類、ウレア、ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩化物。
(c)尿分析:グルコース、蛋白質、血液、炭酸水素塩、クエン酸塩、pH。異常な蛋白質または血液値が見出されたら、顕微鏡検査が行われるであろう。
【0212】
単一−盲検処置フェーズ:
スクリーニング評価を完了しそして包含/除外基準を満たす患者が処置フェーズのために入院を許可される。この処置フェーズの期間は3連続日であり、その期間中に患者は観察のために医院に拘束される。スケジュールされていないEEG監視はこの期間中に調査者の自由裁量で行うことができる。発作を包含する全ての悪性事象(AE)は1日目の最初の入院時と3日目の試験終了時の間で記録される。
【0213】
3日間の処置日の各日に患者は午前7:00時(薬品投与の2時間前)より遅くない時間に飲食が指示される。朝食は軽食(すなわち、乾燥穀類、ジュース、コーヒー/紅茶)より構成すべきであり、脂肪性食品(すなわち、チーズ、豚肉、大量のバター/マーガリン、全成分牛乳またはクリーム)は避けるべきである。昼食は正午であるほぼ12:00時に与えられ、そして食品群の均衡のとれた組み合わせを含有する。神経学的合併症を伴う過敏反応を促進する食品(すなわち、エルゴタミン含有チーズ)は避けられる。
【0214】
1日目:患者はほぼ08:00時に入院を許可される。EEG電極を適所に配置する。出産可能性のある女性患者に関しては、尿試料が得られそして妊娠試験が投薬前に行われる。標準的な臨床検査評価(スクリーニングフェーズに関して記載されている)を試験薬品投与の1時間以内に行う。プラセボの単一経口服用量がほぼ09:00時に投与される。感光度範囲を測定するために、IPSおよび21−経路EEG記録が標準的な工程に従い試験薬品投与直前にそして服用後8時間まで毎時間隔で行われる。生存徴候(起立および仰臥血圧、拍数)が試験薬品投与前の1時間以内にそして服用後1、3、6および8時間に(感光度評価および薬物動力学的試料採取が行われた後に)記録される。標準的な神経学的試験が服用後4時間に(感光度評価および薬物動力学的試料採取が行われた後に)行われる。POMS調査票が試験薬品投与前の1時間以内にそして服用後1、3および6時間に(感光度評価および薬物動力学的試料採取が行われた後に)与えられる。
【0215】
2日目:2日目の投薬直前に患者は彼らの膀胱を空にすることが指示される。この尿は廃棄されそして10−時間の尿収集期間が始まる。全ての尿が服用後10−時間まで収集される。試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の単一経口服用量がほぼ09:00時に投与される。感光度範囲を測定するために、 IPSおよび21−経路EEG記録が標準化された工程に従い試験薬品投与の直前にそして服用後8時間まで毎時間隔で行われる。試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)レベルの分析用の血液試料が試験薬薬品
投与の直前にそして服用後8時間まで毎時間隔で(各IPS評価の直後に)採取される。同時に抗癲癇薬(AED類)を摂取する患者に関しては、AEDレベルの分析用の血液試料が試験薬薬品投与の直前にそして服用後8時間まで毎時間隔で(各IPS評価の直後に)採取される。生存徴候(起立および仰臥血圧、拍数)が試験薬品投与前の1時間以内にそして服用後1、3、6および8時間に(感光度評価および薬物動力学的試料採取が行われた後に)記録される。標準的な神経学的試験が服用後4時間に(感光度評価および薬物動力学的試料採取が行われた後に)行われる。POMS調査票が試験薬品投与前の1時間以内にそして服用後1、3および6時間に(感光度評価および薬物動力学的試料採取が行われた後に)与えられる。服用後10時間に、患者は10−時間の尿収集を完了させるために彼らの膀胱を空にすることが指示される。収集された尿の合計容量が測定されそしてアリコートが診査代謝産物用に除去される。
【0216】
3日目:プラセボの単一経口服用量がほぼ09:00時に投与される。感光度範囲を測定するために、IPSおよび21−経路EEG記録が標準化された工程に従い試験薬品投与の直前にそして服用後8時間まで毎時間隔で行われる。2日目に与えられた試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の効果の期間を試験するために、試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)レベルの分析用の血液試料が試験薬薬品投与の直前にそして服用後8時間まで毎時間隔で(各IPS評価の直後に)採取される。同時に抗癲癇薬(AED類)を摂取する患者に関しては、AEDレベルの分析用の血液試料が試験薬薬品投与の直前にそして服用後8時間まで毎時間隔で(各IPS評価の直後に)採取される。生存徴候(起立および仰臥血圧、拍数)が試験薬品投与前の1時間以内にそして服用後1、3、6および8時間に(感光度評価および薬物動力学的試料採取が行われた後に)記録される。標準的な神経学的試験が服用後4時間に(感光度評価および薬物動力学的試料採取が行われた後に)行われる。POMS調査票が試験薬品投与前の1時間以内にそして服用後1、3および6時間に(感光度評価および薬物動力学的試料採取が行われた後に)与えられる。身体的試験(口腔温度を包含する)、12−リードECGおよび標準的な臨床検査評価(スクリーニングフェーズに関して記載されている)が服用後8時間に、廃棄前に、全ての前の評価が完了した後に、行われる。
【0217】
処置後フェーズ(継続管理):3日目の試験の終了時に持続するいずれかの悪性事象または臨床的に有意な検査異常は解決するまでまたは臨床的に安定な終点に達するまで追跡される。悪性事象または検査異常が試験薬品以外および試験実施以外の因子に起因しうる場合には、さらなる追跡は要求されないであろう。
【0218】
薬物動力学/薬力学評価:
試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)血漿レベルの評価用の血液試料が2日目の試験薬品投与の直前にそして毎時間隔で(各IPS 評価後に直ちに)服用後8時間まで採取される。2日目に与えられた試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の効果の期間を試験するために、試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)レベルの分析用の血液試料が3日目のプラセボ服用量投与の直前にそして毎時間隔で(各IPS 評価後に直ちに)3日目の服用後8時間まで採取される。同時に抗癲癇薬(AED類)を摂取する患者に関しては、AEDレベルの分析用の血液試料が3日目の試験薬品投与の直前にそして毎時間隔で(各IPS 評価後直ちに)1、2および3日目の服用後8時間まで採取される。抗癲癇効果と血漿レベルに対する悪性事象との関係、並びにこれまでに存在する抗癲癇薬との相互作用が評価される。
【0219】
試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)およびAED濃度の測定のために、それぞれ5−10mLの血液試料を末梢静脈からナトリウムへパリン処理された管の中に吸引しそして冷蔵された遠心機の中で15分間の収集中に少なくとも15分間にわたり約3000rpmで遠心する。血漿を2つのアリコート(それぞれ少なくとも1.2mL)に分離しそしてラベルが貼られたポリプロピレン管の中に入れる。血漿試料を分析まで−20℃において貯蔵する。24−時間採尿の合計容量を測定する。診査代謝産物分析用に250mL試料が除去され、ラベルが貼られそして凍結される。確認された特異的および感受性LC−MS/MS方法を用いて、血漿試料を分析して試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の濃度を測定する。同時のAED 濃度の測定用の試料の分析は標準的技術により中央研究所で完了する。
【0220】
試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の血漿濃度が2日目の試験薬品投与の直前にそして毎時間隔で(各IPS 評価後に直ちに)服用後8時間まで測定される。2日目に与えられた試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の効果の期間を試験するために、試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)レベルの分析用の血液試料が3日目のプラセボ服用量投与の直前にそして毎時間隔で(各IPS 評価後に直ちに)3日目の服用後8時間まで採取される。同時にAED類を摂取する患者に関しては、AEDレベルは試験薬品投与の直前にそして毎時間隔で(各IPS 評価後に直ちに)1、2および3日目の服用後8時間まで採取される試料から決められるであろう。
【0221】
間欠的な光刺激(IPS)を毎時間隔で服用前にそして1、2および3日目の服用後8時間まで行って感光度範囲を測定する。IPS評価は、約300mmのナジオンからの距離でそして100cd/m/閃光の強度でパターン化されていないランプガラスを有するグラス−タイプ(Grass−type)PS 22光刺激機を用いる標準的な工程に従う。患者を座らせそしてランプの中心を凝視するように指示する。一定周波数における閃光の列は4−6秒間にわたり伝達される。以下の周波数が試験される:2、4、8、10、13、15、18、20、23、25、30、40、50および60Hz。最初に、2−Hzで出発しそして類癲癇作用が誘発されるまで連続的に増加する標準周波数(以上で定義されている)を試験することにより下限を制定する。次に60Hzで始めそして拡散/全身化された類癲癇作用が再び誘発されるまで閃光周波数を段階的方法で減少させて、感度上限を規定する。3つの眼の状態:開いている、閉じつつある、閉じた、のそれぞれに関してIPS感度を試験する。感光度における変化を上記の周波数目盛りでの感度範囲における差から計算する(試験した各周波数は目盛り上の1点を表示する)。例えば、10および25Hz(下限および上限)から18および20Hzまでの変化は3+2=5点の差を与えるであろう。
【0222】
拡散/全身化されたEEG類癲癇作用が現れるや否や、当該周波数における刺激は終了する。この工程は病院設定で適格な医師の監督下で行われる。それは非常に稀に急性発作作用を生ずる。発作が起きた場合には、訓練されそして経験を積んだ医学スタッフが引き受けて必要に応じて介入する。患者がIPS行程中に発作を経験する場合には、その患者は試験から除外される。IPS期間は監視されそしてビデオで記録される。
【0223】
気分は気分状態の特徴(Profile of Mood States)(POMS)装置を用いて測定される。POMSは65の順序項目よりなる全般的精神病理学の自己−管理目盛りである(Educational and Industrial Testing Service,San Diego,California)。POMSでは、患者は各項目の5つの程度の中の1つをチェックする:
0=全くなし
1=少し
2=中程度
3=かなりたくさん
4=はなはだしい
【0224】
試験前訪問中に、調査票が患者に提示されるが、完成されていない。調査票を完成させ
るための方法に関する説明が行われる。調査票には何も書かれていないことを充分に確認させそして次に患者が完成させるようにPOMSを預けておくことで充分である。質問がある場合には試験者を利用できる。質問は回答されるが、試験者は1つのPOMS項目をいずれかの他のPOMS項目と関係させることによる限定を避ける。ほとんどの患者はPOMSを約3−5分間で完成させる。終了時に、試験者は全ての項目が回答されたことを確認する。
【0225】
因子分析は6因子に分類される:
−緊張−不安:項目2,10,16,20,22,26,27,34,41
−鬱−抑鬱:項目5,9,14,18,21,23,32,35,36,44,45,48,58,61,62
−不安−敵意:項目3,12,17,24,31,39,42,47,52,53,57−疲労:項目4,11,29,40,46,49,65
−活気:項目7,15,19,38,51,56,60,63
−錯乱:項目8,28,37,50,54,59,64
各因子に相当する項目の合計が計算される。
【0226】
安全性評価:
標準的な臨床検査評価(生化学、血液学および尿分析)はスクリーニング受診時に1日目の試験薬品投与前の1時間以内にそして3日目の試験薬品投与(廃棄前)後の8時間に行われる。生存徴候(血圧および心拍)はスクリーニング受診時に試験薬品投与前の1時間以内にそして1、2および3日目の服用後の1、3、6および8時間(感光度評価および薬物動力学血液採取が行われた後)に行われる。標準的な12−リードECG、および口腔温度を包含する身体的試験はスクリーニング受診時にそして3日目の廃棄直前に行われる。標準的な神経学的試験はスクリーン時にそして1、2および3日目の服用後4時間において行われる。悪性事象は1日目の最初の入院時と3日目の試験終了との間で報告される。
【0227】
試験に含まれる全ての患者に関して、人口統計データ(性別、年令、体重、身長およびボディー・マス・インデックス(body mass index))並びにP450遺伝子型および診断EEGの結果が記述統計学を用いてまとめられる。異常な病歴だけが患者により列挙されるであろう。物理的試験および標準的な神経学的試験に関しては全ての異常が列挙される。基準線試験に関してそして基準線試験結果からの全ての変動に関して、頻度表が計算される。
【0228】
予備試験(選択フェーズ)に関してそして基準線から各評価時点への変動に関して、臨床検査、ECGおよび生存徴候(口腔温度を包含する)がまとめられる。正常範囲外のECG、生存徴候および検査値はリスト中で旗印が付けられておりそして適用可能ならそれらの頻度がまとめられる。低/正常/高の範囲内の予備試験から試験の終了までの検査値の変化がまとめられる。生存徴候は個々の経時的特徴としてグラフ表示される。
【0229】
臨床的な安全性評価は、個々の値(ECG、生存徴候、血液および尿分析)、正常範囲外の値(ECG、生存徴候、血液および尿分析)並びに記述統計学(一覧表、グラフ表示)の再検討に基づく。
【0230】
悪性事象(AE類)は試験の期間にわたり患者(または適宜、患者の法的に認定された代理人)により報告される。全ての悪性事象はコード化されそして身体系統、身体系統内の個別事象により表にされそして下向きの頻度で表示される。悪性事象も重篤度および試験投薬との関係により表にされる。重いまたは重くなる可能性のある悪性事象は別個にまとめられる。
【0231】
以下の臨床検査試験が行われる:(a)ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球、平均血球容量(MCV)、平均血球ヘモグロビン質量(MCH)、平均血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、白血球(合計WBCおよび自動化された示差計数)、血小板数を包含する血液学パネル、(b)ガンマ・グルタミル・トランスペプチダーゼ(γGT)、アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパルテート・アミノトランスフェラーゼラーゼ(AST)、アルカリ性ホスファターゼ、LDH、クレアチニン、尿酸、グルコース、合計ビリルビン、合計蛋白質、アルブミン、コレステロール、トリグリセリド類、ウレア、ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩化物を包含する化学パネル、並びに(c)グルコース、蛋白質、血液、炭酸水素塩、クエン酸塩、pHを包含する尿分析。異常な蛋白質または血液値が見出されたら、顕微鏡検査が行われるであろう。試験の終了時に持続するいずれかの悪性事象または臨床的に有意な検査異常は解決するまでまたは臨床的に安定な終点に達するまで追跡される。
【0232】
患者が処置フェーズの全ての3試験日を完了した場合には、彼/彼女は試験を完了したと考えられる。このフェーズの完了前にいずれかの理由のために試験から除外された患者は完了したとは考えられない。
【0233】
以下の理由のいずれかのために処置フェーズの完了前に患者参加を終結させうる(a)悪性事象、(b)患者選択、(c)追跡失敗、(d)その他。患者が試験完了前に除外される時には、除外理由がCRF類の中および出所書類の中に文書化される。除外患者に指定された試験薬品は別の患者には指定されない。試験2日目に全ての計画された評価を完了する前に除外された患者は交代される。
【0234】
効力基準:
感光度範囲は、スクリーニング受診時、試験薬品投与の直前、並びに1、2および3日目における服用後8時間までの毎時に行われるIPS期間中になされた21−経路EEG記録から評価される。気分は、試験薬品投与前の1時間以内並びに1、2および3日目の服用後1、3および6時間に(感光度評価および薬物動力学的試料採取が行われた後に)行われる気分状態の特徴(POMS)装置を用いて測定される。
【0235】
3人の罹患体のうちの少なくとも2人においてIPS感度範囲における完全な抑制または3点の減少は、これが起きる1つもしくは複数の服用量レベルにおける試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の抗癲癇作用の有効な証拠であると考えられる。以上の基準のいずれかが少なくとも1つの眼の状態で(開いている、閉じつつある、閉じた)満たされる服用量レベルを見出せないことは薬品の不充分な効果と解釈される。
【0236】
効力評価[薬力学]:
試験の主目的は試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の急性抗癲癇効果を評価することである。第二の目的は気分に対する試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)の効果を検討することである。
【0237】
抗癲癇効果の統計学的分析は、IPS期間中に記録されたEEG追跡に基づき2人の非公開の検討者により提供される感光度範囲に基づく。感光度範囲は各評価時点に関するIPS−周波数下限および上限(Hz)として表示され、そして以下の通りにして統計学的に評価されるであろう。全ての3試験日にわたる感光度範囲の特徴を各人に関してプロットする。1日目の対応する領域と比べた2日目の投薬から服用後8時間までの感光度範囲領域の個別の百分率変化が記載される。2日目の服用前の感光度範囲からの2日目の服用後の平均感光度の個別の百分率変化がまとめられる。ある人間において周波数目盛り(9.3章参照)上での少なくとも3点の2日目の服用前から服用後までの感光度範囲における減少が観察される場合には、この患者の反応は陽性であると解釈される。これらの結果を服用量判定工程において服用量の判定に関して使用する。
【0238】
第二の目的である気分の分析のためには、6つの因子点数である効力評価、緊張−不安、鬱−抑鬱、不安−敵意、疲労、活気、錯乱が9.3に詳述されている通りにして計算される。結果は各因子の個別の経時的特徴として示される。
【0239】
薬物動力学/薬力学分析:
2つの目的である、血漿レベルに対する抗癲癇効果の関係およびこれまでに存在する抗癲癇薬との相互作用、に関心がもたれる。両方の目的は、全ての3試験日にわたり1人の患者当たり1つのグラフで、試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)および生じうる同時のAED類の血漿レベルの特徴を感光度範囲と一緒に示すグラフに基づき、試験される。
【0240】
感光度範囲における変化と試験化合物(すなわち、式(I)の化合物)血漿レベルとの間の関係は、推定ピーク血液レベルの時間に関係する抗癲癇反応の開始時間、量および期間として記載される。いずれかの抗癲癇反応の期間は、内挿された特徴範囲の変化がその最大変化の50%に達した場合である。期間は、特徴範囲が再びその最大変化の50%に達した終点と解釈される。反応の量は、2日目の服用前の感光度範囲からの2日目の服用後の平均感光度範囲の個々の百分率変動であるとみなされる。
【0241】
同時にAED類を摂取するいずれかの罹患体が試験に参加している場合には、彼らのグラフを非−AED罹患体のグラフと比較し、そして2つの群に関する感度特徴およびAE類を記述していずれかの薬物動力学的相互作用を検討する。
【0242】
実施例14
経口組成物の特定態様として、100mgの実施例7の通りにして製造された化合物番号8を充分微細に分割されたラクトースと共に調合して580〜590mgの合計量を与えてサイズO硬質ゲルカプセルに充填する。
【0243】
以上の明細書は説明目的のために示された実施例と共に本発明の原理を教示しているが、本発明の実施は以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内に入る一般的な変更、応用および/または改変の全てを包括することは理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置を必要とする患者に、治療的に有効な量の1種もしくはそれ以上の抗−癲癇または抗−痙攣剤および治療的に有効な量の式(I)
【化1】

[式中、
およびRはそれぞれ独立して水素および低級アルキルよりなる群から選択され、
は水素および低級アルキルよりなる群から選択され、
aは1〜2の整数であり、
【化2】

よりなる群から選択され、
ここでbは0〜4の整数であり、そしてここでcは0〜2の整数であり、
各Rは独立してハロゲン、低級アルキルおよびニトロよりなる群から選択され、
但し、
【化3】

である時には、aは1である]
の化合物またはその製薬学的に許容可能な塩を用いる共同−療法(co―therapy)を施すことを含んでなる、癲癇または関連疾患の処置方法。
【請求項2】
およびRがそれぞれ独立して水素および低級アルキルよりなる群から選択され、Rが水素および低級アルキルよりなる群から選択され、
aが1〜2の整数であり、
【化4】

よりなる群から選択され、
ここでbが0〜2の整数であり、そしてここでcが0〜1の整数であり、
各Rが独立してハロゲン、低級アルキルおよびニトロよりなる群から選択され、
但し、
【化5】

である時には、aが1であり、
またはその製薬学的に許容可能な塩である、請求項1におけるとおりの方法。
【請求項3】
およびRがそれぞれ独立してより水素および低級アルキルなる群から選択され、Rが水素および低級アルキルよりなる群から選択され、
aが1〜2の整数であり、
【化6】

よりなる群から選択され、
ここでbが0〜2の整数であり、そしてここでcが0であり、
各Rが独立してハロゲン、低級アルキルおよびニトロよりなる群から選択され、
但し、
【化7】

である時には、aが1であり、
またはその製薬学的に許容可能な塩である、請求項2におけるとおりの方法。
【請求項4】
およびRがそれぞれ独立して水素および低級アルキルよりなる群から選択され、Rが水素およびメチルよりなる群から選択され、
aが1〜2の整数であり、
【化8】

が2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル)、2−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]ジオキセピニル)、2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(クロマニル)、2−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソリル)、2−(7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(8−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(2,3−ジヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]ジオキシニル)および2−(4−メチル−ベンゾ[1,3]ジオキソリル)よりなる群から選択され、
但し、
【化9】

が2−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]ジオキセピニル)である時には、aが1であり、
またはその製薬学的に許容可能な塩である、請求項3におけるとおりの方法。
【請求項5】
およびRがそれぞれ独立して水素およびメチルよりなる群から選択され、
が水素およびメチルよりなる群から選択され、
aが1〜2の整数であり、
【化10】

が2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル)、2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)および2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)よりなる群から選択され、
またはその製薬学的に許容可能な塩である、請求項4におけるとおりの方法。
【請求項6】
式(I)の化合物が(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド、およびその製薬学的に許容可能な塩よりなる群から選択される、請求項1の方法。
【請求項7】
処置を必要とする患者に、治療的に有効な量の1種もしくはそれ以上の抗−癲癇または抗−痙攣剤および治療的に有効な量の(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドまたはその製薬学的に許容可能な塩を用いる共同−療法を施すことを含んでなる、癲癇または関連疾患の処置方法。
【請求項8】
疾患が癲癇である、請求項1の方法。
【請求項9】
関連疾患が本態性振せんまたは不安四肢症候群である、請求項1の方法。
【請求項10】
疾患が癲癇である、請求項7の方法。
【請求項11】
関連疾患が本態性振せんまたは不安四肢症候群である、請求項7の方法。
【請求項12】
抗−痙攣剤または抗−癲癇剤がカルバマゼピン(carbamazepine)、クロバザム(clobazam)、クロナゼパム(clonazepam)、エトスキシミド(ethosuximide)、フェルバメート(felbamate)、ガバペンチン(gabapentin)、ラモトリギン(lamotrigine)、レベチラセタム(levetiracetam)、オクスカルバゼピン(oxcarbazepine)、フェノバルビタル(phenobarbital)、フェニトイン(phenytoin)、プレガバリン(pregabalin)、プリミドン(primidone)、レチガビン(retigabine)、ルフィナミド(rufinamide)、タラムパネル(talampanel)、チアガビン(tiagabine)、トピラメート(topiramate)、バルプロエート(valproate)、ビガバトリン(vigabatrin)、ゾニスアミド(zonisamide)、ベンゾジアゼピン類(benzodiazepines)、バルビツレート類(barbiturates)および鎮静睡眠薬よりなる群から選択される、請求項1の方法。
【請求項13】
抗−痙攣剤または抗−癲癇剤がカルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスキシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェノバルビタル、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、タラムパネル、チアガビン、トピラメート、バルプロエート、ビガバトリンおよびゾニスアミドよりなる群から選択される、請求項12の方法。
【請求項14】
抗−痙攣剤または抗−癲癇剤がカルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェニトイン、プレガバリン、バルプロエートおよびトピラメートよりなる群から選択される、請求項13の方法。
【請求項15】
抗−痙攣剤または抗−癲癇剤がカルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスキシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェノバルビタル、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、タラムパネル、チアガビン、トピラメート、バルプロエート、ビガバトリン、ゾニスアミド、ベンゾジアゼピン類、バルビツレート類および鎮静睡眠薬よりなる群から選択される、請求項7の方法。
【請求項16】
抗−痙攣剤または抗−癲癇剤がカルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスキシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェノバルビタル、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、タラムパネル、チアガビン、トピラメート、バルプロエート、ビガバトリン
およびゾニスアミドよりなる群から選択される、請求項15の方法。
【請求項17】
抗−痙攣剤または抗−癲癇剤がカルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェニトイン、プレガバリン、バルプロエートおよびトピラメートよりなる群から選択される、請求項16の方法。
【請求項18】
処置を必要とする患者に、治療的に有効な量の1種もしくはそれ以上の抗−癲癇剤または抗−痙攣剤および治療的に有効な量の式(II)
【化11】

の化合物またはその製薬学的に許容可能な塩を用いる共同−療法を施すことを含んでなる、癲癇または関連疾患を処置する方法。
【請求項19】
疾患が癲癇である、請求項18の方法。
【請求項20】
関連疾患が本態性振せんまたは不安四肢症候群である、請求項18の方法。
【請求項21】
抗−痙攣剤または抗−癲癇剤がカルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスキシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェノバルビタル、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、タラムパネル、チアガビン、トピラメート、バルプロエート、ビガバトリン、ゾニスアミド、ベンゾジアゼピン類、バルビツレート類および鎮静睡眠薬よりなる群から選択される、請求項18の方法。
【請求項22】
抗−痙攣剤または抗−癲癇剤がカルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスキシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェノバルビタル、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナミド、タラムパネル、チアガビン、トピラメート、バルプロエート、ビガバトリンおよびゾニスアミドよりなる群から選択される、請求項21の方法。
【請求項23】
抗−痙攣剤または抗−癲癇剤がカルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェニトイン、プレガバリン、バルプロエートおよびトピラメートよりなる群から選択される、請求項22の方法。

【公表番号】特表2009−537635(P2009−537635A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512233(P2009−512233)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/069254
【国際公開番号】WO2007/137167
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】