説明

発光デバイス表示器をプログラミング、校正及び駆動する方法並びにシステム

【課題】一定の輝度を提供し、高い精度を達成し、且つ、ピクセル回路の経時変化の影響を低減することができるような方法及びシステムを提供する。
【解決手段】発光デバイス表示器をプログラミング、校正及び駆動する方法並びにシステムが提供される。該システムは、校正のためのピクセルの時間依存性パラメータの抽出を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示技術に係り、更に特定的には発光デバイス表示器をプログラミング、校正及び駆動する方法並びにシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アモルファスシリコン(a−Si)、ポリシリコン、有機又は他の駆動バックプレーンを備えるアクティブマトリクス型有機発光ダイオード(AMOLED)表示器が、アクティブマトリクス型液晶表示器を超える利点のため一層魅力的となってきている。例えば、その利点は、a−Siによれば、異なる基板の使用を広めると共に可撓性の表示器を可能にさせるような低温製造法以外に、低価格製造、高解像度及び広視野角を含む。
【0003】
AMOLED表示器は、行及び列のピクセルのアレイ(各ピクセルが有機発光ダイオード(OLED)を有する)と、該行及び列のアレイ内に配置されたバックプレーン電子回路とを含んでいる。OLEDは電流駆動デバイスであるので、AMOLEDのピクセル回路は正確且つ一定の駆動電流を供給することができなければならない。
【0004】
特許文献1は、受動型ピクセルを校正する方法及びシステムを開示している。特許文献1は、データライン電圧を測定し、該測定値を予備充電のために使用している。しかしながら、この技術はアクティブマトリクスに必要とされる精度を提供しない。何故なら、アクティブマトリクスの校正は、バックプレーンの経時変化(aging)及びOLEDの経時変化の両方に対して働くべきであるからである。更に、予備充電の後に、電流プログラミングを実行しなければならない。電流駆動型ピクセルの電流プログラミングは、寄生ライン容量により遅く、大きな表示器に対しては不均一さの不利益を被る。速度は、小さな電流でプログラミングする場合に問題となり得る。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,594,606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
他の補償技術も紹介されている。しかしながら、一定の輝度を提供し、高い精度を達成し、且つ、ピクセル回路の経時変化の影響を低減することができるような方法及びシステムを提供する必要性が依然として存在する。
【0007】
本発明の目的は、既存のシステムの上記欠点の少なくとも1つを除去又は軽減するような方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、行及び列に配列された複数のピクセル回路を有する表示アレイのためのリアルタイム校正を行う方法において、表示データ及び前の校正データに基づく校正のためのピクセルを優先付けるために使用されるピクセルの優先リストを発生するステップであって、該優先リストが校正のために閾電流より大きな電流でプログラムされる1以上(n個)のピクセルを選択するために使用されるようなステップと;連結リストから、前記表示アレイの選択された列におけるn個のピクセルを選択するステップと;前記選択された列におけるピクセルに対してプログラミングを実行するステップであって、前記n個のピクセルに関してピクセル電流をモニタリングすると共に、校正データを得るステップ、校正のために前記校正データに基づいて補償メモリを更新するステップ、及び次のプログラミングのために前記優先リストを並び替えるステップを含むようなステップとを有する方法が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、行及び列に配列された複数のピクセル回路を有する表示アレイのためのリアルタイム校正を行うシステムであって、各ピクセル回路が発光デバイス及び駆動トランジスタを有するようなシステムにおいて、該システムは、前記表示アレイのプログラミング及び校正を制御する校正スケジューラを含み、該スケジューラが、表示データに基づく校正のための1以上のピクセルを掲載する優先リストと、プログラミングサイクルの間において、選択された列における前記優先リストから選択された1以上のピクセルに対して校正モードを可能にすると共に、プログラミングサイクルの間において、前記選択された列におけるピクセルの残りに対して通常動作モードを可能にするようなモジュールと、前記選択された列を介して前記校正モードのピクセルに関するピクセル電流をモニタリングするモニタと、該モニタリング結果に基づいて校正データを発生する発生器と、校正データを記憶するメモリと、前記通常動作モードのピクセルがプログラムされる場合に、前記表示アレイに供給されるプログラミングデータを前記校正データに基づいて調整する調整器とを有するようなシステムが提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、ピクセル回路を有する表示アレイのためのシステムであって、前記ピクセル回路はデータラインを介してプログラムされ、該システムが、プログラミングデータを前記ピクセル回路に供給するデータ源と、該電圧源に関連され、前記ピクセル回路の時間依存性パラメータを抽出するために前記データライン上の電流を該電流に関連する電圧に変換する電流制御型電圧源とを有するようなシステムが提供される。
【0011】
本発明の他の態様によれば、複数のピクセル回路を含む表示アレイのためのシステムであって、各ピクセル回路が駆動トランジスタ、少なくとも1つのスイッチトランジスタ、記憶キャパシタ及び発光デバイスを含むようなシステムにおいて、前記ピクセル回路上の電流又は電圧をモニタリングするモニタと、前記表示アレイの動作を制御するデータ処理ユニットであって、前記モニタリングされた電流又は電圧に基づいて前記ピクセル回路の経時変化(aging)に関する情報を抽出すると共に、該ピクセル回路の状態を決定するようなデータ処理ユニットと、前記データ処理ユニットにより制御されて、前記ピクセル回路に該ピクセル回路の状態に基づいてプログラミング及び校正データを供給するドライバとを有するようなシステムが提供される。
【0012】
本発明の他の態様によれば、各々が駆動トランジスタ、少なくとも1つのスイッチトランジスタ、記憶キャパシタ及び発光デバイスを含むような複数のピクセル回路を含む表示アレイを駆動する方法において、前記ピクセル回路に電流又は電圧を供給するステップと、前記ピクセル回路を介して流れる電流又は電圧をモニタリングするステップと、前記ピクセル回路の経時変化に関する情報を前記モニタリングされた電流又は電圧に基づいて抽出すると共に、該ピクセル回路の状態を決定するステップと、前記ピクセル回路のためのプログラミング及び校正データを該ピクセル回路の状態に基づいて決定するステップを含み、該ピクセル回路に対して動作電圧を供給するステップとを有するような方法が提供される。
【0013】
本発明の他の態様によれば、各々が駆動トランジスタ、少なくとも1つのスイッチトランジスタ、記憶キャパシタ及び発光デバイスを含むような複数のピクセル回路を含む表示アレイを駆動する方法において、前記発光デバイスに電流又は電圧を供給するステップと、前記発光デバイスを介して流れる電流又は電圧をモニタリングするステップと、前記発光デバイスの電圧のずれを前記モニタリングされた電流又は電圧に基づいて予測すると共に、前記ピクセル回路の状態を決定するステップと、前記発光デバイスに、該発光デバイスの電圧の前記ずれに関連するバイアスを供給するステップとを有するような方法が提供される。
【0014】
本発明の他の態様によれば、各々が駆動トランジスタ、少なくとも1つのスイッチトランジスタ、記憶キャパシタ及び発光デバイスを含むような複数のピクセル回路を含む表示アレイを駆動するシステムにおいて、前記ピクセル回路上の電流又は電圧をモニタリングするモニタと、前記発光デバイスの電圧のずれを前記モニタリングされた電流又は電圧に基づいて予測すると共に、前記ピクセル回路の状態を決定するデータ処理ユニットと、前記発光デバイスに、該発光デバイスの電圧の前記ずれに関連するバイアスを供給する回路とを有するようなシステムが提供される。
【0015】
本発明の或る態様によれば、各々が駆動トランジスタ、少なくとも1つのスイッチトランジスタ、記憶キャパシタ及び発光デバイスを含むような複数のピクセル回路を含む表示アレイのためのシステムであって、前記発光デバイスが前記ピクセル回路をプログラムするためのプログラミング経路に配置されるようなシステムにおいて、前記表示アレイの動作を制御するコントローラと、該コントローラの制御に基づいて前記ピクセル回路に動作電圧を供給するドライバと有し、前記ドライバが、プログラミングサイクルの間において前記ピクセル回路に前記動作電圧を、前記発光デバイスが前記プログラミング経路から除去されるように供給するようなシステムが提供される。
【0016】
この発明の開示は、必ずしも本発明の全てのフィーチャを記載したものではない。
【0017】
本発明の他の態様及びフィーチャは、当業者であれば、好ましい実施例の添付図面と関連した下記の詳細な説明を精読することにより容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の一実施例による校正スケジューリングのための処理を示すフローチャートである。
【図2】図2は、図1の校正スケジューリングを実施するためのシステム構成の一例を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例による電圧抽出、プログラミング及び駆動のためのシステムアーキテクチャを示す説明図である。
【図4】図4は、図3の抽出、プログラミング及び駆動システム並びにピクセル回路の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、図3の抽出、プログラミング及び駆動システム並びにピクセル回路の他の例を示す説明図である。
【図6】図6は、図3の抽出、プログラミング及び駆動システム並びにピクセル回路の他の例を示す説明図である。
【図7】図7は、図3の抽出、プログラミング及び駆動システム並びにピクセル回路の他の例を示す説明図である。
【図8】図8は、本発明の一実施例によるステップ構成駆動法が適用されるピクセル回路を示す説明図である。
【図9】図9は、ドライバ及び抽出ブロック並びに図8の駆動トランジスタの一例を示す説明図である。
【図10】図10は、図9のDPUブロックにより実施される抽出アルゴリズムの一例を示す説明図である。
【図11】図11は、図9のDPUブロックにより実施される抽出アルゴリズムの他の例を示す説明図である。
【図12】図12は、ステップ校正駆動法のための波形の一例を示すタイミング図である。
【図13】図13は、ステップ校正駆動法のための波形の他の例を示すタイミング図である。
【図14】図14は、ステップ校正駆動法が適用可能なピクセル回路を示す説明図である。
【図15】図15は、ステップ校正駆動法に対するシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図16】図16は、表示アレイを備えるステップ校正駆動法のためのシステムアーキテクチャの一例を示す説明図である。
【図17】図17は、図16のシステムアーキテクチャに適用される波形の一例を示すタイミング図である。
【図18】図18は、電圧/電流抽出法のための波形の一例を示すタイミング図である。
【図19】図19は、電圧/電流抽出法のための波形の他の例を示すタイミング図である。
【図20】図20は、図19の電圧/電流抽出法が適用可能なピクセル回路を示す説明図である。
【図21】図21は、電圧/電流抽出法のための波形の他の例を示すタイミング図である。
【図22】図22は、図21の電圧/電流抽出法が適用可能なピクセル回路を示す説明図である。
【図23】図23は、本発明の一実施例によるOLED除去法が適用されるミラー型ピクセル回路を示す説明図である。
【図24】図24は、OLED除去法を適用した場合の図23のプログラミング経路を示す説明図である。
【図25】図25は、OLED除去法のためのシステムアーキテクチャの一例を示す説明図である。
【図26】図26は、異なる閾電圧に関するIDATAライン上の電圧に対するシミュレーション結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の、これら及び他のフィーチャは添付図面を参照する下記の説明から一層明らかとなるであろう。
【0020】
本発明の実施例を、発光デバイス及び複数のトランジスタを含むピクセルを用いて説明する。該発光デバイスは有機発光ダイオード(OLED)とすることができる。また、“ピクセル”及び“ピクセル回路”は入れ替え可能に使用することができることに注意されたい。
【0021】
複数のピクセルを持つ表示アレイに対するリアルタイム校正スケジューリングを詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例による校正スケジューリングのための処理を図示している。この技術によれば、ピクセルは当該表示アレイの通常の動作の間における、斯かるピクセルの経時変化(aging)及び/又は使用に基づいて校正される。
【0022】
ピクセルの連結リスト(linked list)がステップS2において発生される。該連結リストは、校正のための高輝度を持つピクセルの識別子を含む。該連結リストは、校正の優先度をスケジュールするために使用される。
【0023】
ステップS4において、“n”が表示器のサイズ及び時間に伴う予測される非安定性(例えば、トランジスタ及び発光デバイスの特性のずれ)に基づいて選択される。“n”は、各プログラミングサイクルにおいて校正されるピクセルの数を表す。“n”は1又は2以上とすることができる。
【0024】
次いで、ステップS6においてプログラミングサイクルが開始する。ステップS6は、ステップS8〜S16を含む。ステップS8〜S16は、当該表示アレイの選択された列に対して実施される。
【0025】
ステップS8において、選択された列における“n”個のピクセルが、前記連結リストの始めから選択される(以下、“選択ピクセル”と称す)。
【0026】
ステップS10において、上記選択ピクセルに対して“校正モード”が可能に(イネーブルされる一方、当該表示アレイの選択された列におけるピクセルの残りに対しては“通常動作モード”が可能にされる。
【0027】
ステップS12において、選択された列における全ピクセルが、当該ピクセルのデータラインに接続された電圧源ドライバ(例えば、図2の28)によりプログラムされる。
【0028】
前記選択ピクセルに関し、プログラミングサイクルの間においてデータラインを介して流れる電流がモニタリングされる。該選択された列における上記選択ピクセル以外のピクセルに関しては、対応するプログラミング電圧がメモり(例えば、図2の34、以下“ΔV補償メモリ”と称す)に記憶されたデータを用いて上昇(ブースト)される。
【0029】
ステップS14において、上記のモニタリングされた電流は、データラインを介して流れるべき期待された電流と比較される。次いで、前記選択ピクセルに関する校正データ曲線が発生される。該校正データ曲線に基づいてΔV補償メモリが更新される。
【0030】
ピクセルに関してΔV補償メモリに記憶された校正データ曲線は、該ピクセルが通常動作モードである場合の次のプログラミングサイクルにおいて該ピクセルに対するプログラミング電圧をブーストするために使用されるであろう。
【0031】
ステップS16において、上記の選択ピクセルの識別子が前記連結リストの終端部に送られる。これら選択ピクセルは、校正に関して該連結リストにおいて最低の優先度を有する。
【0032】
表示動作(S6〜S16)の間において、上記連結リストは、校正されるべきピクセルの並び替えられた優先リストを提供する。本説明において、“連結リスト”なる用語及び“優先リスト”なる用語は入れ替え可能に使用され得ることに注意されたい。
【0033】
当該動作はステップS8に戻る(S18)。そして、次のプログラミングサイクルが開始する。当該表示アレイにおける新たな列が活性化され(選択され)、該新たに活性化された列における新たな“n”個のピクセルが上記連結リストの先頭から選択される。該新たな選択ピクセルに関して得られた校正データを用いて、ΔV補償メモリが更新される。
【0034】
次に、上記選択ピクセルの数“n”を詳細に説明する。上述したように、数“n”は、表示器のサイズ及び時間に伴うデバイス特性の予測される非安定性に基づいて決定される。ピクセルの総数NはN=3xmxmであると仮定し、ここでm及びmは、各々、当該表示器における行及び列の数である。
【0035】
特性ずれの最高の率はK(=ΔI/Δt・I)である。各プログラミングサイクルはt=1/f・m掛かる。表示器全体が校正された後の最大の予測される特性のずれは、ΔI/I=K・t・N/n<eであり、ここで、eは許容される誤差である。この後、校正は始めから再実行することができ、誤差が除去される。これは、n>K・t・N/e又はn>3・K・m/f・eであることを示す。例えば、K=1%/hr、m=1024、f=60Hz、及びe=0.1%であるなら、n>0.14であり、これは5プログラミングサイクルに1回校正する必要があることを意味する。これは、5プログラミングサイクルに1回動作するような1つの校正ユニットにより達成可能である。各校正ユニットは、プログラミングサイクルにおいて1つのピクセルの校正を可能にする。e=0.01%なら、n>1.4である。これは、各プログラミングサイクルにおいて2つのピクセルを校正する2つの校正ユニットが必要となることを意味する。これは、この校正システムを非常に低コストで実施化することができることを示している。
【0036】
表示器は時を経るほど、校正の頻度は自動的に低下され得る。何故なら、特性のずれは時間が経過するにつれて一層遅くなるからである。加えて、校正のために選択されるピクセルは、表示データに依存する異なる電流でプログラムすることができる。唯一の条件は、それらのプログラミング電流が基準電流より大きいということである。したがって、一層高い精度を達成するために、校正は1つのピクセルに対して複数輝度レベルで実行することができる。
【0037】
次に、連結リストを詳細に説明する。連結リストには、校正のための高輝度を持つピクセルが掲載される。表示データは、斯かる校正のための高輝度を持つピクセルを決定するために使用される。低電流における校正は遅く、時には正確でない。加えて、最大の特定のずれは、高電流のピクセルに対して発生する。このように、精度及び校正速度を改善するために、閾電流ITHより大きな電流でプログラムされるべきピクセルが選択され、連結リストに記憶される。
【0038】
THは変数であり、“0”であり得る。ITH=0の場合は、全ピクセルが連結リストに掲載され、校正は、それらのプログラミング電流に関係なく全てのピクセルに対して実行される。
【0039】
前述した校正−スケジューリング技術は、限定されるものではないが、例えばカレントミラー型ピクセル等の如何なる電流プログラム型ピクセルにも適用可能である。
【0040】
図2は、図1の校正−スケジューリング法を実施するためのシステム構成の一例を図示している。校正−スケジューリングアルゴリズムを実施するための図2のシステム30は、複数のピクセル回路12を持つ表示アレイ10に対して設けられている。ピクセル回路12は、限定されるものではないがカレントミラー型ピクセル等の電流プログラム型ピクセル回路である。ピクセル回路12は、行及び列に配列されている。
【0041】
ピクセル回路12は、OLED及び複数のトランジスタ(例えば、TFT)を含むことができる。該トランジスタは、アモルファスシリコン、ナノ/マイクロ結晶シリコン、ポリシリコン、有機半導体技術(例えば、有機TFT)、NMOS/PMOS技術又はCMOS技術(例えば、MOSFET)を用いて作製することができる。表示アレイ10は、AMOLED表示アレイとすることができる。
【0042】
ピクセル回路12は、ゲートドライバ20に接続されたゲートライン14、電圧データドライバ28に接続されたデータライン16、及び電源24に接続された電源ライン18により動作される。図2においては、2つのデータライン、2つのゲートライン及び2つの電源ラインが一例として示されている。表示アレイ10に、3つ以上のデータライン、3つ以上のゲートライン及び3つ以上の電源ラインを設けることもできることは明らかである。
【0043】
システム30は、表示アレイ10のプログラミング及び校正を制御するための校正スケジューラ及びメモリブロック32、及びΔV補償電圧(値)を記憶するためのΔV補償メモリ34を含む。各プログラミングサイクルにおいて、表示アレイ10の或る列が選択される。該プログラミングサイクルの間において、校正スケジューラ及びメモリブロック32は、該選択された列(即ち、データライン)に対して通常動作モード又は校正モードをイネーブルする。
【0044】
システム30は、ピクセル電流をモニタリング及び測定するモニタシステムを更に含んでいる。該モニタシステムは、スイッチ36及び38並びに正確な抵抗42を備えるセンサ40を含んでいる。図2において、スイッチ36及び38は、一例として各データラインに設けられている。
【0045】
システム30は、上記のモニタリング結果に基づいてΔV補償電圧を発生する発生器を更に含んでいる。該発生器は、アナログ/デジタル変換器(A/D)44、比較器46及びトランスレータ48を含んでいる。A/D44は、電圧センサ40の出力をデジタル出力に変換する。比較器46は、該デジタル出力をトランスレータ48の出力と比較する。トランスレータ48は、デジタルデータ入力52に対して関数f(V)を実行する。トランスレータ48は、f(V)を介して電流データ入力52を電圧データ入力に変換する。比較器46による比較の結果は、ΔV補償メモリ34に記憶される。
【0046】
システム30は、デジタルデータ入力52と、ΔV補償メモリ34に記憶されたΔV補償電圧とを加算する加算器50を更に含んでいる。電圧データドライバ28は、データラインを加算器50の出力に基づいて駆動する。かくして、データライン用のプログラミングデータは、上記ΔV電圧を加算することにより調整される。
【0047】
前記校正スケジューラ及びメモリブロック32が、選択されたデータラインに対して通常動作モードをイネーブルする場合、スイッチ36が作動される。かくして、電圧データドライバ28の電圧出力は当該データライン上のピクセルに直接供給される。
【0048】
校正スケジューラ及びメモリブロック32が当該データラインに対して校正モードをイネーブルすると、スイッチ38が作動される。かくして、電圧は正確な抵抗42を介して当該データライン上のピクセルに供給される。プログラミングサイクルの最終段階における(即ち、初期過渡状態が完了した場合の)抵抗42の両端間の電圧降下が電圧センサ40により測定される。電圧センサ40によりモニタリングされた電圧降下は、A/D44によりデジタルデータに変換される。上記電圧降下の結果的値は、当該ピクセルが電流プログラム型ピクセル回路である場合、該ピクセルを介して流れる電流に比例する。この値は、比較器46により、トランスレータ48により得られる期待された値と比較される。
【0049】
期待された値と測定された値との間の差は、ΔV補償メモリ34に記憶され、後のプログラミングサイクルに対して使用される。上記差は、将来において当該ピクセルのプログラミングに対するデータ電圧を調整するために使用される。
【0050】
校正スケジューラ及びメモリブロック32は、前述した連結リストを含むことができる。開始時に、該連結リストは自動的に発生される。該リストは、ピクセルの単なるリストであり得る。しかしながら、動作中に該リストは修正される。
【0051】
高輝度を持つピクセル回路の校正は、大又は小面積表示器において必要とされる高速且つ正確な校正を保証する。
【0052】
表示アレイ10は電圧プログラミング技術を用いて駆動されるので、当該校正は高速であり、高解像度及び大面積表示器に使用することができる。
【0053】
実施化の速度、精度及び容易さにより、当該校正−スケジューリング技術の応用は、携帯電話、パーソナルオーガナイザ、モニタ、TVに使用されるエレクトロルミネッセント装置から大面積表示器ボードまでにわたる。
【0054】
システム30は、当該ピクセルの時間依存性パラメータに依存するような電圧降下をモニタリング及び測定し、望ましいプログラミングデータを発生する。しかしながら、ピクセルの時間依存性パラメータは、図2のもの以外の如何なるメカニズムにより抽出することもできる。
【0055】
プログラミングし、ピクセルの時間依存性パラメータを抽出し、且つ該ピクセルを駆動する他の技術を、図3〜7を参照して詳細に説明する。この技術は、校正のための電圧抽出を含む。プログラミング電圧は該抽出された情報により校正され、結果として、時間にわたり安定したピクセル電流が得られる。この技術を用いて、ピクセルの経時変化が抽出される。
【0056】
図3は、本発明の一実施例による電圧抽出、プログラミング及び駆動を実施するためのシステムアーキテクチャを図示している。図3のシステムは、電流モードピクセル回路60に対して電圧抽出及びプログラミングを実施する。ピクセル回路60は、発光デバイスと、駆動トランジスタを含む複数のトランジスタとを有している(図示略)。これらトランジスタはTFTとすることができる。
【0057】
ピクセル回路60は、選択ラインSELにより選択され、データライン61上のDATAにより駆動される。電圧源62は、プログラミング電圧Vをピクセル回路60に書き込むために設けられている。正ノード及び負ノードを持つ電流制御型電圧源(CCVS)63は、データライン61上の電流を電圧Vextに変換するために設けられている。表示コントローラ及びスケジューラ64は、ピクセル回路60を動作させる。該表示コントローラ及びスケジューラ64は、CCVS63から出力される抽出された電圧Vextをモニタリングし、次いで電圧源62を制御する。
【0058】
CCVS63の抵抗は無視可能である。かくして、データライン61上の電流は、
Line=Ipixel=β(V−V) (1)
と書かれ、ここで、ILineはデータライン61上の電流を表し、Ipixelはピクセル電流を表し、Vはピクセル回路60に含まれる駆動トランジスタの閾電圧を表し、βはTFT特性における利得パラメータを表す。
【0059】
時間に伴い駆動TFTの閾電圧が増加するにつれて、データライン61上の電流は減少する。抽出された電圧Vextをモニタリングすることにより、表示コントローラ及びスケジューラ64は該閾電圧のずれの量を決定する。
【0060】
駆動トランジスタの閾電圧Vは、
=V−(ILine/β)0.5 (2)
と計算することができる。
【0061】
プログラミング電圧Vは、抽出された情報を用いて修正される。抽出処理は、各フレーム時間の間に1個又は数個のピクセルに対して実行することができる。
【0062】
図4は、上部放射型電流セルピクセル回路70と共に採用される、図3の電圧抽出、プログラミング及び駆動のためのシステムの一例を図示している。ピクセル回路70は、OLED71、記憶キャパシタ72、駆動トランジスタ73並びにスイッチトランジスタ74及び75を含んでいる。
【0063】
トランジスタ73、74及び75は、n型TFTとすることができる。しかしながら、これらトランジスタ73、74及び75はp型トランジスタとすることもできる。該ピクセル回路70に適用される電圧抽出及びプログラミング技術は、p型トランジスタを有するピクセル回路にも適用することができる。
【0064】
駆動トランジスタ73は、スイッチトランジスタ75を介してデータライン76に接続されると共に、OLED71に接続され、且つ、スイッチトランジスタ74を介して記憶キャパシタ72に接続されている。駆動トランジスタ73のゲート端子は、記憶キャパシタ72に接続されている。スイッチトランジスタ74及び75のゲート端子は、選択ラインSELに接続されている。OLED71は電圧供給電極、即ちラインVDDに接続されている。該ピクセル回路70は、選択ラインSELにより選択されると共に、データライン76上のDATAにより駆動される。
【0065】
電流伝達器(CC)77は、X、Y及びZ端子を有し、データライン76上の電流を、これに負荷を掛けることなく抽出するために使用される。電圧源78は、CC77のY端子にプログラミング電圧を供給する。CC77において、X端子は、帰還によりY端子のものと同一の電圧を有するように強制される。また、X端子上の電流は、当該CC77のZ端子に複写される。電流制御型電圧源(CCVS)79は、正ノード及び負ノードを有している。該CCVS79は、CC77のZ端子上の電流を電圧Vextに変換する。
【0066】
extは図3の表示コントローラ及びスケジューラ64に供給され、そこにおいて、駆動トランジスタ73の閾電圧が抽出される。表示コントローラ及びスケジューラ64は、該抽出された閾電圧に基づいて電圧源78を制御する。
【0067】
図5は、底部放射型電流セルピクセル回路80と共に採用される、図3の電圧抽出、プログラミング及び駆動のためのシステムの他の例を図示している。ピクセル回路80は、OLED81、記憶キャパシタ82、駆動トランジスタ83並びにスイッチトランジスタ84及び85を含んでいる。トランジスタ83、84及び85は、n型TFTとすることができる。しかしながら、これらトランジスタ83、84及び85はp型トランジスタとすることもできる。
【0068】
駆動トランジスタ83は、スイッチトランジスタ85を介してデータライン86に接続されると共に、OLED81に接続され、且つ、記憶キャパシタ82に接続されている。駆動トランジスタ83のゲート端子は、スイッチトランジスタ84を介して電圧供給ラインVDDに接続されている。スイッチトランジスタ84及び85のゲート端子は、選択ラインSELに接続されている。該ピクセル回路80は、選択ラインSELにより選択されると共に、データライン86上のDATAにより駆動される。
【0069】
電流伝達器(CC)87は、X、Y及びZ端子を有し、データライン86上の電流を、これに負荷を掛けることなく抽出するために使用される。電圧源88は、CC87のY端子に負のプログラミング電圧を供給する。CC87において、X端子は、帰還によりY端子のものと同一の電圧を有するように強制される。また、X端子上の電流は、当該CC87のZ端子に複写される。電流制御型電圧源(CCVS)89は、正ノード及び負ノードを有している。該CCVS89は、CC87のZ端子の電流を電圧Vextに変換する。
【0070】
extは図3の表示コントローラ及びスケジューラ64に供給され、そこにおいて、駆動トランジスタ83の閾電圧が抽出される。表示コントローラ及びスケジューラ64は、該抽出された閾電圧に基づいて電圧源88を制御する。
【0071】
図6は、上部放射型カレントミラーピクセル回路90と共に採用される、図3の電圧抽出、プログラミング及び駆動のためのシステムの他の例を図示している。ピクセル回路90は、OLED91、記憶キャパシタ92、ミラートランジスタ93及び94、並びにスイッチトランジスタ95及び96を含んでいる。トランジスタ93、94、95及び96は、n型TFTとすることができる。しかしながら、これらトランジスタ93、94、95及び96はp型トランジスタとすることもできる。
【0072】
ミラートランジスタ93は、スイッチトランジスタ95を介してデータライン97に接続されると共に、スイッチトランジスタ96を介して記憶キャパシタ92に接続されている。ミラートランジスタ93及び94のゲート端子は、記憶キャパシタ92及び及びスイッチトランジスタ96に接続されている。ミラートランジスタ94は、OLED91を介して電圧供給電極、即ちラインVDDに接続されている。スイッチトランジスタ85及び86のゲート端子は、選択ラインSELに接続されている。当該ピクセル回路90は、選択ラインSELにより選択されると共に、データライン97上のDATAにより駆動される。
【0073】
電流伝達器(CC)98は、X、Y及びZ端子を有し、データライン97上の電流を、これに負荷を掛けることなく抽出するために使用される。電圧源99は、CC98のY端子に正のプログラミング電圧を供給する。CC98において、X端子は、帰還によりY端子の電圧と同一の電圧を有するように強制される。また、X端子上の電流は、当該CC98のZ端子に複写される。電流制御型電圧源(CCVS)100は、正ノード及び負ノードを有している。該CCVS100は、CC98のZ端子上の電流を電圧Vextに変換する。
【0074】
extは図3の表示コントローラ及びスケジューラ64に供給され、そこにおいて、駆動トランジスタ93の閾電圧が抽出される。表示コントローラ及びスケジューラ64は、該抽出された閾電圧に基づいて電圧源99を制御する。
【0075】
図7は、底部放射型カレントミラーピクセル回路110と共に採用される、図3の電圧抽出、プログラミング及び駆動のためのシステムの他の例を図示している。ピクセル回路110は、OLED111、記憶キャパシタ112、ミラートランジスタ113及び116、並びにスイッチトランジスタ114及び115を含んでいる。トランジスタ113、114、115及び116は、n型TFTとすることができる。しかしながら、これらトランジスタ113、114、115及び116はp型トランジスタとすることもできる。
【0076】
ミラートランジスタ113は、スイッチトランジスタ114を介してデータライン117に接続されると共に、スイッチトランジスタ115を介して記憶キャパシタ112に接続されている。ミラートランジスタ113及び116のゲート端子は、記憶キャパシタ112及び及びスイッチトランジスタ115に接続されている。ミラートランジスタ116は、電圧供給ラインVDDに接続されている。ミラートランジスタ113、116及び記憶キャパシタ112はOLED111に接続されている。スイッチトランジスタ114及び115のゲート端子は、選択ラインSELに接続されている。当該ピクセル回路110は、選択ラインSELにより選択されると共に、データライン117上のDATAにより駆動される。
【0077】
電流伝達器(CC)118は、X、Y及びZ端子を有し、データライン117の電流を、これに負荷を掛けることなく抽出するために使用される。電圧源119は、CC118のY端子に正のプログラミング電圧を供給する。CC118において、X端子は、帰還により該CC118のY端子の電圧と同一の電圧を有するように強制される。また、X端子上の電流は、当該CC118のZ端子に複写される。電流制御型電圧源(CCVS)120は、正ノード及び負ノードを有している。該CCVS120は、CC118のZ端子上の電流を電圧Vextに変換する。
【0078】
extは図3の表示コントローラ及びスケジューラ64に供給され、そこにおいて、駆動トランジスタ113の閾電圧が抽出される。表示コントローラ及びスケジューラ64は、該抽出された閾電圧に基づいて電圧源119を制御する。
【0079】
図3〜7を参照すると、上記電圧抽出技術を用いてピクセルの時間依存性パラメータ(例えば、閾ずれ)を抽出することができる。かくして、プログラミング電圧は上記の抽出された情報を用いて校正することができ、結果として時間にわたり安定したピクセル電流が得られる。OLED(即ち、図4の71、図5の81、図6の91、図7の111)の電圧は電流に直接的に影響を与えるので、上述した電圧抽出駆動技術は、OLEDの劣化及び閾ずれを抽出するために使用することもできる。
【0080】
上述した電圧抽出技術は、カレントミラー及び電流セルピクセル回路アーキテクチャを含む如何なる電流モードピクセル回路とでも使用することができ、図2の表示アレイ10に適用することができる。上記の抽出された情報を用いて、長期間の表示動作の下でもピクセルの経時変化に関わりのない安定した電流を供給することができる。このようにして、表示動作寿命が有効に改善される。
【0081】
図3〜7のピクセル回路のトランジスタは、アモルファスシリコン、ナノ/マイクロ結晶シリコン、ポリシリコン、有機半導体技術(例えば、有機TFT)、NMOS/PMOS技術又はCMOS技術(例えば、MOSFET)を用いて作製することができることに注意されたい。また、図3〜7のピクセル回路は、AMOLED表示アレイを形成することができる。
【0082】
プログラミングし、ピクセルの時間依存性パラメータを抽出し、該ピクセルを駆動する他の技術を、図8〜17を参照して詳細に説明する。該技術は、ステップ校正駆動技術を含んでいる。該ステップ校正駆動技術においては、ピクセルの経時変化に関する情報(例えば、閾ずれ)が抽出される。該抽出された情報は安定したピクセル電流/輝度(luminance)を発生するために使用される。1ビット抽出技術を用いるにも拘わらず、抽出される経時変化の分解能は表示ドライバにより規定される。また、動的効果が補償される。何故なら、ピクセルの経時変化は、駆動サイクルと類似した動作条件下で抽出されるからである。
【0083】
図8は、本発明の一実施例によるステップ校正駆動法が適用されるピクセル回路160を図示している。該ピクセル回路160は、OLED161、記憶キャパシタ162、駆動トランジスタ163、並びにスイッチトランジスタ164及び165を含んでいる。該ピクセル回路160は、電流プログラム型の3TFTピクセル回路である。複数の斯かるピクセル回路160がAMOLED表示器を形成することができる。
【0084】
トランジスタ163、164及び165はn型TFTである。しかしながら、トランジスタ163、164及び165はp型TFTとすることもできる。該ピクセル回路160に適用されたステップ校正駆動技術は、p型トランジスタを有するピクセル回路にも適用することができる。トランジスタ163、164及び165はアモルファスシリコン、ナノ/マイクロ結晶シリコン、ポリシリコン、有機半導体技術(例えば、有機TFT)、NMOS/PMOS技術又はCMOS技術(例えば、MOSFET)を用いて作製することができる。
【0085】
駆動トランジスタ163のゲート端子は、スイッチトランジスタ164を介して信号ラインVDATAに接続されると共に、記憶キャパシタ162にも接続されている。駆動トランジスタ163のソース端子は共通接地点に接続されている。駆動トランジスタ163のドレイン端子は、スイッチトランジスタ165を介してモニタラインMONITORに接続されると共に、OLED161のカソード電極にも接続されている。
【0086】
スイッチトランジスタ164のゲート端子は選択ラインSEL1に接続されている。該スイッチトランジスタ164のソース端子は、駆動トランジスタ163のゲート端子に接続されると共に、記憶キャパシタ162に接続されている。スイッチトランジスタ164のドレイン端子は、VDATAに接続されている。
【0087】
スイッチトランジスタ165のゲート端子は、選択ラインSEL2に接続されている。該スイッチトランジスタ165のソース端子は、MONITORに接続されている。該スイッチトランジスタ165のドレイン端子は、駆動トランジスタ163のドレイン端子に接続されると共に、OLED161のカソード電極に接続されている。該OLED161のアノード電極は、電圧供給電極、即ちラインVDDに接続されている。
【0088】
トランジスタ163及び164並びに記憶キャパシタ162は、ノードA3で接続されている。トランジスタ163及び165並びにOLED161は、ノードB3において接続されている。
【0089】
図9は、ドライバ及び抽出ブロック170の一例を、図8の駆動トランジスタ163と共に示す。図9において、R171a及びR171bの各々は、前記スイッチトランジスタ(例えば、図8の164、165)のオン抵抗を表している。Cは当該ピクセルの記憶キャパシタを表し、COLEDはOLEDの容量を表し、Cはラインの寄生容量を表している。図9において、OLEDは容量として提示されている。
【0090】
ブロック173は、抽出サイクルの間において駆動トランジスタの閾電圧を抽出するために使用される。ブロック173は、電流感知増幅器(SA)又は電流比較器とすることができる。本説明において、ブロック173は“SAブロック173”と称する。
【0091】
MONITORラインの電流が基準電流(IREF)より大きい場合、SAブロック173の出力(即ち、図10、11のトリガ(Trigger))は“1”となる。MONITORラインの電流が基準電流(IREF)より小さい場合、SAブロック173の出力は“0”となる。
【0092】
SAブロック173は数個の列の間で共有することができ、結果としてオーバーヘッドが小さくなることに注意されたい。また、当該ピクセル回路の校正は1度に1回実行することができ、従って、抽出回路は全ての列の間で共有することができる。
【0093】
データ処理ユニット(DPU)ブロック172は、プログラミングサイクル、コントラスト及び輝度を制御し、校正処理を実行し、並びに駆動サイクルを制御するために設けられている。DPUブロック172は、抽出アルゴリズムを実行して駆動トランジスタの閾電圧をSAブロック173からの出力に基づいて抽出(推定)すると共に、駆動トランジスタ163に接続されたドライバ174を制御する。
【0094】
図10は、図9のDPUブロック172により実行される抽出アルゴリズムの一例を示してる。図10のアルゴリズムは、DPUブロック172の一部に存する。図10において、V(i,j)は前の抽出サイクルにおけるピクセル(i,j)の抽出された閾電圧を表し、Vはドライバ174の分解能を表し、“i”はピクセルアレイの行を表し、“j”はピクセルアレイの列を表す。トリガ(Trigger)は、図9のSAブロック173の比較結果を伝える。Less_state180は当該ピクセルの実際のVが予測されたV(VTM)より小さい状態を決定し、Equal_state181は当該ピクセルの予測されたV(VTM)と実際のVとが等しい状態を決定し、Greater_state182は当該ピクセルの実際のVが予測されたV(VTM)より大きい状態を決定する。
【0095】
図9のDPU172は中間閾電圧VTMを下記のように決定する:
(A1)s(i,j)=Less_state180の場合、実際の閾電圧はV(i,j)より小さく、VTMは(V(i,j)−V)に設定される。
(A2)s(i,j)=Equal_state181の場合、実際の閾電圧はV(i,j)に等しく、VTMはV(i,j)に設定される。
(A3)s(i,j)=Greater_state182の場合、実際の閾電圧はV(i,j)より大きく、VTMは(V(i,j)+V)に設定される。
ここで、s(i,j)は校正メモリ(例えば、図16の208)に記憶されたピクセル(i,j)の前の状態を表す。
【0096】
図11は、図9のDPUブロック172により実行される抽出アルゴリズムの他の例を示している。図11のアルゴリズムは、図9のDPUブロック172の一部に存する。図11において、V(i,j)は前の抽出サイクルにおけるピクセル(i,j)の抽出された閾電圧を表し、Vはドライバ174の分解能を表し、“i”はピクセルアレイの行を表し、“j”はピクセルアレイの列を表す。トリガ(Trigger)は、SAブロック173の比較結果を伝える。
【0097】
更に、図11において、Vresは当該ピクセルの実際のVを得るために、予測されたV(VTM)に対して加算/減算されるステップを表し、Aは予測ステップの減少利得を表し、Kは予測ステップの増加利得を表す。
【0098】
図11の動作は、急激な変化の高速抽出のための利得の追加状態L2及びG2を有することを除いて、図10のものと同一である。各利得状態において、変化に一層迅速に追従するためにステップサイズが増加される。L1及びG1は、V変化が急激であるか又は普通であるかを規定する移行状態である。
【0099】
図12は、図8のピクセル回路160に適用される波形の一例を示している。図12において、VCal=V+VTM、及びVDR=V+V(i,j)+VREFであり、ここで、Vは抽出サイクルの間におけるバイアス電圧を表し、VTMは図10又は11に示されるアルゴリズムに基づいて定義され、Vはプログラミング電圧を表し、V(i,j)は前の抽出サイクルにおける抽出された閾電圧を表し、VREFはプログラミングサイクルの間における駆動トランジスタのソース電圧を表す。
【0100】
図8〜12を参照すると、ピクセル回路160の動作は、動作サイクルX51、X52、X53及びX54を含んでいる。図12において、抽出サイクルはプログラミングサイクルから分離されている。抽出サイクルはX51及びX52を含み、プログラミングサイクルはX53を含む。X54は駆動サイクルである。プログラミングサイクルの終わりにおいて、ノードA3は(V+V)に充電され、ここで、Vはプログラミング電圧であり、Vは駆動トランジスタ163の閾電圧である。
【0101】
第1動作サイクルX51において:SEL1及びSEL2はハイとなる。ノードA3はVCalに充電され、ノードB3はVREFに充電される。VCalはV+VTMであり、この場合、Vはバイアス電圧であり、VTMは予測されたVであり、VREFはVDD−VOLEDOより大きくなければならず、ここでVOLEDOはOLED161のオン電圧である。
【0102】
第2動作サイクルX52において:SEL1はゼロとなる。駆動トランジスタ163のゲート/ソース電圧は、
VGS=V+VTM+ΔV+ΔVTM−ΔVT2−ΔV
により与えられ、ここで、VGSは駆動トランジスタ163のゲート/ソース電圧を表し、ΔV、ΔVTM、ΔVT2及びΔVは、各々、V、VTM、VT2及びVに依存する動的影響である。VT2はスイッチトランジスタ164の閾電圧を表し、VはSEL1がゼロになる場合の第2動作サイクルX52の開始時におけるSEL1の電圧の変化を表す。
【0103】
前記SAブロック173はβ(V)より大きな電流を感知するように調整されているので、駆動トランジスタ163のゲート/ソース電圧は(V+V)より大きくなり、ここで、βは駆動トランジスタ163のI−V特性における利得パラメータである。
【0104】
結果として、数回の反復の後、ピクセル(i,j)に関するVTM及び抽出された閾電圧V(i,j)は、
TM=V−γ・(V+V+VT2−V)
γ={Cg2/(2・C)}/{1+Cg2/(2・C)}
に収束し、ここで、Cg2はスイッチトランジスタ164のゲート容量を表す。
【0105】
第3動作サイクルX53において、SEL1はハイとなる。VDATAはVDRとなる。ノードA3は[V+V(i,j)−γ(V−V)]に充電される。
【0106】
第4動作サイクルX54において:SEL1及びSEL2はゼロとなる。前記動的影響を考慮すると、駆動トランジスタ163のゲート/ソース電圧は、
VGS=V+V
と書くことができる。
【0107】
従って、当該ピクセル電流は、閾電圧ずれの静的及び動的影響から独立したものとなる。
【0108】
図12において、抽出サイクル及びプログラミングサイクルは別のサイクルとして示されている。しかしながら、抽出サイクル及びプログラミングサイクルは図13に示すように併合することもできる。図13は、図8のピクセル回路160に適用される波形の他の例を示している。
【0109】
図8〜11及び13を参照すると、ピクセル回路160の動作は動作サイクルX61、X62及びX63を含んでいる。プログラミング及び抽出サイクルは、動作サイクルX61及びX62に併合されている。動作サイクルX63は、駆動サイクルである。
【0110】
プログラミングサイクルの間において、ピクセル電流は所望の電流と比較され、駆動トランジスタの閾電圧が図10又は11のアルゴリズムを用いて抽出される。ピクセル回路160は、動作サイクルX61の間においてVDR=V+V(i,j)+VREFによりプログラムされる。次いで、ピクセル電流はMONITORラインを介してモニタリングされ、所望の電流と比較される。該比較結果に基づくと共に、図10又は11の抽出アルゴリズムを使用して、閾電圧V(i,j)が更新される。
【0111】
図8には、2つの選択ラインSEL1及びSEL2が示されている。しかしながら、スイッチトランジスタ164及び165を動作させるために、信号選択ライン(例えば、SEL1)を共通の選択ラインとして使用することもできる。共通の選択ラインを使用する場合、図12のSEL1は第2動作サイクルX52においてハイに留まり、VGSは(V+VTM)に留まる。従って、前記動的影響は検出されない。
【0112】
上述したステップ校正駆動技術は、図14のピクセル回路190にも適用可能である。該ピクセル回路190は、OLED191、記憶キャパシタ192、駆動トランジスタ193、並びにスイッチトランジスタ194及び195を含んでいる。該ピクセル回路190は、電流プログラム型の3TFTピクセル回路である。複数の斯かるピクセル回路190がAMOLED表示器を形成することができる。
【0113】
トランジスタ193、194及び195はn型TFTである。しかしながら、トランジスタ193、194及び195はp型TFTとすることもできる。該ピクセル回路190に適用されたステップ校正駆動技術は、p型トランジスタを有するピクセル回路にも適用することができる。トランジスタ193、194及び195はアモルファスシリコン、ナノ/マイクロ結晶シリコン、ポリシリコン、有機半導体技術(例えば、有機TFT)、NMOS/PMOS技術又はCMOS技術(例えば、MOSFET)を用いて作製することができる。
【0114】
駆動トランジスタ193のゲート端子は、スイッチトランジスタ194を介して信号ラインVDATAに接続されると共に、記憶キャパシタ192にも接続されている。駆動トランジスタ193のソース端子は、OLED191のアノード電極に接続されると共に、スイッチトランジスタ195を介してモニタラインMONITORに接続されている。駆動トランジスタ193のドレイン端子は、電圧供給ラインVDDに接続されている。トランジスタ194及び195のゲート端子は選択ラインSEL1及びSEL2に各々接続されている。
【0115】
トランジスタ193及び194並びに記憶キャパシタ192は、ノードA4で接続されている。トランジスタ195、OLED191及び記憶キャパシタ192は、ノードB4において接続されている。
【0116】
該ピクセル回路190の構成は、OLED191が駆動トランジスタ193のソース端子にあることを除き、図8のものと類似している。該ピクセル回路190の動作は、図12又は13のものと同様である。
【0117】
駆動TFT193のソース端子は抽出サイクル(X51及びX52又はX62)の間においてVREFに強制されるので、抽出されるデータは接地点跳ね返り(ground bouncing)とは無関係となる。また、プログラミングサイクル(X53又はX61)の間において、駆動TFTのソース端子はVREFに強制されるので、該駆動TFTのゲート/ソース電圧は接地点跳ね返りとは無関係となる。これらの状況の結果、当該ピクセル電流は接地点跳ね返りとは無関係となる。
【0118】
図15は、ステップ校正駆動技術に対するシミュレーションの結果を示している。図15において、“ケースI”は、第2動作サイクル(図12のX52)においてSEL1がゼロになる場合の図8の動作を表している。“ケースII”は、第2動作サイクルにおいてSEL1がハイに留まる場合の図8の動作を表している。
【0119】
図15において、ΔVTRは駆動トランジスタ(例えば、図8の163)の閾電圧の最小の検出可能なずれであり、ΔVT2Rはスイッチトランジスタ(例えば、図8の164)の閾電圧の最小の検出可能なずれであり、IPLは駆動サイクルの間における当該ピクセルのピクセル電流である。
【0120】
所与のプログラミング電圧に対してケースIIのピクセル電流は、閾電圧のずれの動的影響により、ケースIのものより小さい。また、ケースIIのピクセル電流は駆動トランジスタの閾電圧が増加するにつれて増加し(a)、スイッチトランジスタの閾電圧が減少するにつれて減少する(b)。しかしながら、ケースIのピクセル電流は安定している。ピクセル電流に誘起される最大のエラーは、駆動及びスイッチTFTの閾電圧の如何なるずれに対しても0.5%未満である。ピクセル電流に対するVのずれの影響が支配的であるので、ΔVT2RがΔVTRより大きいのは明である。これらの2つのパラメータは、ドライバ(例えば、図9の174)の分解能(V)及びSAブロック(例えば、図9の193)のSNRにより制御される。ΔVTRより小さなずれは検出することができず、且つ、閾ずれの時定数は大きいので、抽出サイクル(例えば、図12のX51、X52)は、数フレームからなる長い期間の後に実行することができ、結果として電力消費が低くなる。また、主要な動作サイクルは、他のプログラミングサイクル(例えば、図12のX53)及び駆動サイクル(例えば、図12のX54)になる。結果として、プログラミング時間は大幅に減少し、高速プログラミングが前提となるような高解像度、大面積のAMOLED表示器を提供するようになる。
【0121】
図16は、表示アレイ200でのステップ校正駆動のためのシステムアーキテクチャの一例を示す。表示アレイ200は複数のピクセル回路(例えば、図8の160又は図14の190)を含む。
【0122】
表示アレイ200には、ピクセル回路を選択するためのゲートドライバ202、ドライバ/SAブロック204、並びにデータ処理及び校正ユニットブロック206が設けられている。ドライバ/SAブロック204は、図9のドライバ174及びSAブロック173を含んでいる。データ処理及び校正ユニット206は、図9のDPU172を含んでいる。図16における“校正”は、校正メモリ208からの校正データを含むと共に、校正データ処理を設定するための幾つかのユーザ定義定数を含むことができる。“コントラスト”及び“輝度”入力は、ユーザにより当該パネルのコントラスト及び輝度を調整するために使用される。また、“ガンマ補正”データは、OLED特性及び人の目に基づいて定義される。該ガンマ補正入力は、人の目に対してピクセル輝度(luminance)を調整するために使用される。
【0123】
校正メモリ208は、各ピクセルの抽出された閾電圧V(i,j)及び状態s(i,j)を記憶する。メモリ210は、ガンマ補正、解像度及びコントラスト等を含む表示器の通常の動作のための他の必要なデータを記憶する。DPUブロックは、表示器におけるコントローラ及びスケジューラに割り当てられた通常のタスクを実行する。そのうえ、図10又は11のアルゴリズムが、校正を実行するために該ブロックに追加されている。
【0124】
図17は、図16のシステムアーキテクチャに適用される波形の一例を示している。図17において、ROW[1]、ROW[2]及びROW[3]の各々は表示アレイ200の行を表し、“E”は抽出動作を表し、“P”はプログラミング動作を表し、“D”は駆動動作を表している。抽出サイクル(E)は全てのフレームサイクルに対して実行する必要はないことに注意されたい。従って、長い期間(抽出間隔)の後、ピクセルに対して抽出が繰り返される。
【0125】
図17に示されるように、単一の抽出処理のみが、フレームサイクルの間に発生する。また、同一の行のピクセル回路に対するV抽出は同時に実行される。
【0126】
従って、フレームをリフレッシュするのに要する最大時間は、
τ=n・τ+τ
であり、ここで、τはフレーム時間を表し、τは記憶キャパシタ(例えば、図8の162)にピクセルデータを書き込むために要する時間を表し、τは抽出時間を表し、nは当該表示アレイ(例えば、図16の200)における行の数を表す。
【0127】
τ=m・τと仮定すると、フレーム時間τは、
τ=(n+m)・τ
と書くことができ、ここで、mはプログラミングサイクルタイミング(τ)のスケールにおける抽出サイクルに要するタイミングを表す。
【0128】
例えば、60Hzなるフレームレートのクォータ・ビデオ・グラフィックス・アレイ(QVCA)表示器(240x320)に対しては、m=10なら、各行のプログラミング時間は66μsとなり、抽出時間は0.66msとなる。
【0129】
上述したステップ校正駆動技術は、図8及び14のもの以外の如何なる電流プログラム型ピクセル回路にも適用可能であることに注意されたい。
【0130】
上記ステップ校正駆動技術を用いて、閾ずれ等の、ピクセルの時間依存性パラメータ(又は複数のパラメータ)が抽出される。次いで、プログラミング電圧が該抽出された情報を用いて校正され、結果として、時間にわたり安定したピクセル電流が得られる。更に、長い表示動作の下でのピクセルの経時変化とは無関係な安定した電流をピクセル回路に供給することができ、これは、表示器動作寿命を効果的に改善する。
【0131】
本発明の他の実施例によるプログラミングし、ピクセルの時間依存性パラメータを抽出し、該ピクセルを駆動する技術を詳細に説明する。該技術はOLED電圧又はOLED電流をモニタリングすることによりピクセルの経時変化に関する情報(例えば、OLED輝度)を抽出し、輝度(luminance)を発生する処理を含む。プログラミング電圧は該抽出された情報を使用して校正され、結果として時間にわたり安定した輝度が得られる。
【0132】
OLED電圧/電流はOLED(例えば、図8の161、図14の191)における輝度劣化と相関されることが知られているので、一定の輝度を提供するために、プログラミング電圧をOLED電圧/電流により修正することができる。
【0133】
例えば、駆動サイクルの間において、SEL2がハイの際にOLED(図8の161又は図14の191)の電圧/電流が抽出される。OLED電圧又は電流は該OLEDの輝度劣化に相関されると言われているので、一定の輝度を提供するために、プログラミング電圧を該OLED電圧により修正することができる。
【0134】
図18は、電圧/電流抽出のための波形の一例を示している。図18の波形は、OLED電圧/電流を抽出するために図8のピクセル回路160及び図14のピクセル回路190に適用することができる。図18の動作は、動作サイクルX71、X72及びX73を含んでいる。動作サイクルX71及びX72は、OLED抽出サイクルである。動作サイクルX73は、図12及び13に示した動作サイクルのうちの1つである。
【0135】
第1動作サイクルX71の間において、SEL1及びSEL2はハイであり、VDATAはゼロである。駆動トランジスタ(図8の163)のゲート/ソース電圧はゼロになる。電流又は電圧が、MONITORラインを介してOLED(図8の161)に供給される。
【0136】
第2動作サイクルX72の間において、SEL2はハイであり、SEL1はローとなる。OLED電圧又は電流が、図10又は11に提示されたアルゴリズムを用いMONITORライを介して抽出される。この波形は如何なる他の駆動波形と組み合わせることもできる。
【0137】
上記説明において、図10及び11のアルゴリズムは、経時変化のデータ(即ち、Vずれ)を比較結果(電流と電流との又は電圧と電圧との)に基づいて予測するために使用することができる。しかしながら、図10及び11のアルゴリズムは、VをVOLEDにより及びOLED電流/電圧の比較結果を基準電流/電圧により置換することによって、OLED電圧VOLEDのずれを予測するために適用することもできる。上記説明においては、図9に示されたシステムアーキテクチャが閾ずれを補償するために使用される。しかしながら、OLEDデータは、図9のアーキテクチャ、即ちDPU172、ブロック173、ドライバ174が使用される場合にも抽出されると理解される。このデータは、OLEDのずれを補償するために使用することができる。
【0138】
動作サイクルX73は、プログラミングサイクルを含む如何なる動作サイクルとすることもできる。これは、OLED抽出の後の当該パネルの状態に依存する。それが動作中であるならば、X73は図12及び13における波形のプログラミングサイクルとなる。OLED電圧は、図12/13の駆動サイクルX55/X63の間に抽出することができる。駆動サイクルX55/X63の間の間において、図8又は14のSEL2はハイ電圧となるので、特定のピクセル電流に関してOLEDの電圧をMONITORを介して読み取ることができる。
【0139】
図19は、電圧/電流抽出のための波形の他の例を示している。図20は、図19の電圧/電流抽出法が適用されるピクセル回路220を示している。
【0140】
図20を参照すると、該ピクセル回路220は、OLED221、記憶キャパシタ222、駆動トランジスタ223、並びにスイッチトランジスタ224及び225を含んでいる。複数の斯かるピクセル回路220が、AMOLED表示器を形成することができる。
【0141】
トランジスタ223、224及び225はn型TFTである。しかしながら、トランジスタ223、224及び225はp型TFTとすることもできる。該ピクセル回路220に適用される電圧/電流抽出技術は、p型トランジスタを有するピクセル回路にも適用することができる。トランジスタ223、224及び225は、アモルファスシリコン、ナノ/マイクロ結晶シリコン、ポリシリコン、有機半導体技術(例えば、有機TFT)、NMOS/PMOS技術又はCMOS技術(例えば、MOSFET)を用いて作製することができる。
【0142】
駆動トランジスタ223のゲート端子は、スイッチトランジスタ224のソース端子に接続されると共に、記憶キャパシタ222にも接続されている。駆動トランジスタ223の一方の端子は共通接地点に接続されている。駆動トランジスタ223の他方の端子は、スイッチトランジスタ235を介してモニタ及びデータラインMONITOR/DATAに接続されると共に、OLED221のカソード電極にも接続されている。
【0143】
スイッチトランジスタ224のゲート端子は選択ラインSEL1に接続されている。該スイッチトランジスタ224の一方の端子は、駆動トランジスタ223のゲート端子に接続されると共に、記憶キャパシタ222に接続されている。該スイッチトランジスタ224の他方の端子は、OLED221のカソード電極に接続されている。
【0144】
スイッチトランジスタ225のゲート端子は、選択ラインSEL2に接続されている。該スイッチトランジスタ225の一方の端子は、MONITOR/DATAに接続されている。該スイッチトランジスタ225の他方の端子は、駆動トランジスタ223及びOLED221のカソード電極に接続されている。該OLED221のアノード電極は、電圧供給電極、即ちラインVDDに接続されている。
【0145】
トランジスタ223及び224並びに記憶キャパシタ222は、ノードA5で接続されている。トランジスタ223及び225並びにOLED221は、ノードB5において接続されている。
【0146】
該ピクセル回路220は、図8のピクセル回路160に類似している。しかしながら、ピクセル回路220においては、MONITOR/DATAラインがモニタリング及びプログラミングの目的のために使用される。
【0147】
図19〜20を参照すると、ピクセル回路220の動作は動作サイクルX81、X82及びX83を含んでいる。
【0148】
第1動作サイクルX81の間において、SEL1及びSEL2はハイとなり、MONITOR/DATAはゼロとなる。駆動トランジスタ(図20の223)のゲート/ソース電圧はゼロとなる。
【0149】
第2動作サイクルX82の間において、電流又は電圧がMONITOR/DATAラインを介してOLEDに供給され、該OLEDの電圧又は電流が抽出される。前述したように、OLED電圧のずれは、該モニタリングされた電圧又は電流に基づき、図10又は11に提示されたアルゴリズムを用いて抽出される。この波形は、如何なる駆動波形とも組み合わせることができる。
【0150】
動作サイクルX83は、プログラミングサイクルを含み如何なる動作サイクルとすることもできる。これは、OLED抽出後の当該パネルの状態に依存する。
【0151】
OLED電圧/電流は、図20のピクセル回路220の駆動サイクルの間において、何れかの駆動技術を用いて一定の電流のためにプログラムされた後に抽出することができる。駆動サイクルの間において、SEL2はハイ電圧となるので、OLEDの電圧は特定のピクセル電流に対してMONITOR/DATAラインを介して読み取ることができる。
【0152】
図21は、電圧/電流抽出技術のための波形の他の例を示している。図22は、図21の電圧/電流抽出技術が適用されるピクセル回路230を示している。図21の波形は、OLED電圧/電流を抽出するために図8のピクセル回路160にも適用することができる。
【0153】
図22を参照すると、該ピクセル回路230は、OLED231、記憶キャパシタ232、駆動トランジスタ233、並びにスイッチトランジスタ234及び235を含んでいる。複数の斯かるピクセル回路230が、AMOLED表示器を形成することができる。
【0154】
トランジスタ233、234及び235はn型TFTである。しかしながら、トランジスタ233、234及び235はp型TFTとすることもできる。該ピクセル回路230に適用される電圧/電流抽出技術は、p型トランジスタを有するピクセル回路にも適用することができる。トランジスタ233、234及び235は、アモルファスシリコン、ナノ/マイクロ結晶シリコン、ポリシリコン、有機半導体技術(例えば、有機TFT)、NMOS/PMOS技術又はCMOS技術(例えば、MOSFET)を用いて作製することができる。
【0155】
駆動トランジスタ233のゲート端子は、スイッチトランジスタ234のソース端子に接続されると共に、記憶キャパシタ232にも接続されている。該駆動トランジスタ233の一方の端子は電圧供給ラインVDDに接続されている。該駆動トランジスタ233の他方の端子は、スイッチトランジスタ235を介してモニタ及びデータラインMONITOR/DATAに接続されると共に、OLED231のアノード電極にも接続されている。
【0156】
スイッチトランジスタ234のゲート端子は選択ラインSEL1に接続されている。該スイッチトランジスタ234の一方の端子は、駆動トランジスタ233のゲート端子に接続されると共に、記憶キャパシタ232に接続されている。該スイッチトランジスタ234の他方の端子は、VDDに接続されている。
【0157】
スイッチトランジスタ225のゲート端子は、選択ラインSEL2に接続されている。該スイッチトランジスタ235の一方の端子は、MONITOR/DATAに接続されている。該スイッチトランジスタ235の他方の端子は、駆動トランジスタ233及びOLED231のアノード電極に接続されている。該OLED231のアノード電極は、VDDに接続されている。
【0158】
トランジスタ233及び234並びに記憶キャパシタ232は、ノードA6で接続されている。トランジスタ233及び235並びにOLED231は、ノードB5において接続されている。
【0159】
該ピクセル回路230は、図14のピクセル回路190に類似している。しかしながら、ピクセル回路230においては、MONITOR/DATAラインがモニタリング及びプログラミングの目的のために使用される。
【0160】
図21〜22を参照すると、図22の動作は動作サイクルX91、X92及びX93を含んでいる。
【0161】
第1動作サイクルX91の間において、SEL1及びSEL2はハイとなり、VDDはゼロとなる。駆動トランジスタ(図21の233)のゲート/ソース電圧はゼロとなる。
【0162】
第2動作サイクルX92の間において、電流(電圧)がMONITOR/DATAラインを介してOLED(図21の231)に供給され、該OLEDの電圧(電流)が抽出される。前述したように、OLED電圧のずれは、該モニタリングされた電圧又は電流に基づき、図10又は11に提示されたアルゴリズムを用いて抽出される。この波形は、如何なる駆動波形とも組み合わせることができる。
【0163】
動作サイクルX93は、プログラミングサイクルを含み如何なる動作サイクルとすることもできる。これは、OLED抽出後の当該パネルの状態に依存する。
【0164】
OLED電圧は、図21のピクセル回路230の駆動サイクルの間において、何れかの駆動技術を用いて一定の電流のためにプログラムされた後に抽出することができる。駆動サイクルの間において、SEL2はハイ電圧となるので、OLEDの電圧は特定のピクセル電流に対してMONITOR/DATAラインを介して読み取ることができる。
【0165】
知られているように、OLED特性は負のバイアスストレス下で改善する。結果として、上記OLED電圧/電流から抽出される当該ピクセルのストレス履歴に関係する負のバイアスを、当該表示器が動作していない時間の間において当該OLEDに印加することができる。この方法は、本明細書で提示される如何なるピクセル回路に対しても使用することができる。
【0166】
前記OLED電圧/電流抽出技術を用いれば、ピクセル回路は、長期間の表示器動作の下でピクセルの経時変化に無関係な安定した輝度を提供することができ、表示器の動作寿命を効果的に改善することができる。
【0167】
本発明の実施例による発光デバイスを持つ表示アレイにおける不所望な発光(emission)を低減する技術を詳細に説明する。この技術は、プログラムサイクルの間においてプログラミング経路からOLEDを除去する処理を含む。この技術は、ピクセルの正確な経時変化についての情報、例えば駆動トランジスタの実際の閾電圧ずれ/不整合、を抽出するためにハイブリッド駆動技術に採用することができる。発光デバイスは、不所望な発光及びピクセル経時変化に対する発光デバイスの影響を防止するようにプログラミング/校正サイクルの間においてオフされる。この技術は、ポリシリコン、アモルファスシリコン、結晶シリコン及び有機材料を含む如何なる技術で作製される如何なるカレントミラー型ピクセル回路にも適用することができる。
【0168】
図23は、プログラミングサイクルの間においてプログラミング経路からOLEDを除去する技術が適用されるミラー型ピクセル回路250を示している。該ピクセル回路250は、OLED251、記憶キャパシタ252、プログラミングトランジスタ253、駆動トランジスタ254並びにスイッチトランジスタ255及び256を含んでいる。トランジスタ253及び254のゲート端子は、スイッチトランジスタ255及び256を介してIDATAに接続されている。
【0169】
トランジスタ253、254、255及び256は、n型TFTである。しかしながら、トランジスタ253、254、255及び256は、p型TFTとすることもできる。該ピクセル回路250に適用されるOLED除去技術は、p型トランジスタを有するピクセル回路にも適用することができる。トランジスタ253、254、255及び256は、アモルファスシリコン、ナノ/マイクロ結晶シリコン、ポリシリコン、有機半導体技術(例えば、有機TFT)、NMOS/PMOS技術又はCMOS技術(例えば、MOSFET)を用いて作製することができる。
【0170】
トランジスタ253、254及び256並びに記憶キャパシタ252は、ノードA10で接続されている。トランジスタ253及び254、OLED251並びに記憶キャパシタ252は、ノードB10で接続されている。
【0171】
従来の電流プログラミング法においては、SELがハイとなり、プログラミング電流(IP)がIDATAに供給される。ミラートランジスタ253の幅がミラートランジスタ254の幅より“m”倍大きい場合を考えると、プログラミングサイクルの間にOLED251を介して流れる電流は(M+1)IPとなる。大幅な速度の改善を得るために“m”が大きい場合、不所望な発光がかなりのものとなる。
【0172】
対照的に、当該OLED除去技術によれば、VDDは、より低い電圧にされる。このことは、図24に示すようにOLED251がプログラミング経路から除去されるのを保証する。
【0173】
プログラミングサイクルの間において、SELはハイであり、VDDはOLED251が逆バイアスされるような基準電圧(Vref)となる。従って、OLED251は、該プログラミングサイクルの間において電流経路から除去される。
【0174】
プログラミングサイクルの間において、ピクセル回路250は、不所望な発光をすることなく、IDATAを介してスケーリングされた電流によりプログラムすることができる。
【0175】
プログラミングサイクルの間において、ピクセル回路250は、電流により且つ前述した技術のうちの1つを用いてプログラムすることができる。駆動トランジスタ254の閾電圧と同一であるミラートランジスタ253の閾電圧を抽出するために、IDATAラインの電圧が読み取られる。
【0176】
また、プログラミングサイクルの間において、ピクセル回路250は、IDATAラインを介しての電圧により、前述した技術のうちの1つを用いてプログラムすることができる。駆動トランジスタ254の閾電圧と同一であるミラートランジスタ253の閾電圧を抽出するために、IDATAラインの電流が読み取られる。
【0177】
基準電圧Vrefは、ノードB10における電圧がOLED251のオン電圧より小さくなるように選定される。結果として、OLED251はオフし、不所望な発光はゼロとなる。IDATAラインの電圧は、
+V+ΔVT (3)
を含み、ここで、Vは駆動トランジスタ254のドレイン/ソース電圧及びトランジスタ253のゲート/ソース電圧を含み、Vはトランジスタ253(254)の閾電圧であり、ΔVTはVのずれ/不整合である。
【0178】
プログラミングサイクルの終わりにおいて、VDDは自身の元の値になるので、ノードB10における電圧はOLED電圧VOLEDとなる。駆動サイクルにおいて、SELはローとなる。トランジスタ254/253のゲート電圧は定まり、記憶キャパシタ252に記憶される。何故なら、スイッチトランジスタ255及び256はオフとなるからである。従って、駆動サイクルの間におけるピクセル電流は、閾電圧Vとは無関係となる。
【0179】
当該OLED除去技術は、Vずれ又はV不整合を抽出するためにハイブリッド駆動技術に採用することができる。(3)から、当該ピクセルが電流によりプログラムされるなら、IDATAラインの電圧における唯一の変化するパラメータはVずれ/不整合(ΔVT)である。従って、ΔVTを抽出することができ、プログラミングデータをΔVTにより校正することができる。
【0180】
図25は、上記OLED除去技術を実施化するためのシステムアーキテクチャの一例を示している。表示アレイ260は、複数のピクセル回路(例えば、図23のピクセル回路250)を含む。表示コントローラ及びスケジューラ262は、表示アレイ260の動作を制御及びスケジューリングする。ドライバ264は、当該ピクセル回路に動作電圧を供給する。該ドライバは、当該ピクセル回路に動作電圧を、上記表示コントローラ及びスケジューラ262からの命令/コマンドに基づいて、上述したようにOLEDがプログラミング経路から除去されるように供給する。
【0181】
コントローラ及びスケジューラ262は、図3の表示コントローラ及びスケジューラ64の機能を含むことができるか、又は図16のデータ処理及び校正ユニット206の機能を含むことができる。図25のシステムは、これらの機能、前述した校正スケジューリング、前述した電圧/電流抽出、又はこれらの組み合わせの何れかを有することができる。
【0182】
異なるVに対する、IDATAライン上の電圧に関するシミュレーション結果が図26に示されている。図23〜26を参照すると、IDATAラインの電圧は、トランジスタ253及び254の閾電圧のずれを含んでいる。プログラミング電流は1μAである。
【0183】
不所望な発光が大幅に低減される結果、解像度が高くなる。また、回路の経時変化及び発光デバイスの経時変化の個々の抽出が可能となり、一層正確な校正が達成される。
【0184】
図4〜8、14、20、21、23及び24に示されたトランジスタの各々は、相補的回路の概念を用いてp型トランジスタと置換することができることに注意されたい。
【0185】
また、全ての引用例は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0186】
以上、本発明を1以上の実施例に関して説明した。しかしながら、当業者にとり、請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなしに多数の変形及び変更をなすことができることは明らかであろう。
【符号の説明】
【0187】
10 表示アレイ
12、60、70 ピクセル回路
20 ゲートドライバ
24 電源
28 電圧データドライバ
32 校正スケジューラ及びメモリ
34 ΔV補償メモリ
40 電圧センサ
46 比較器
50 加算器
64 表示コントローラ及びスケジューラ
62、78、88、99、119 電圧源
63、79、89、100、120 電流制御型電圧源
77、87、98、118 電流伝達器
71、81、91、111、161 発光デバイス
72、82、92、112、162 記憶キャパシタ
73、83、163 駆動トランジスタ
74、75、84、85、95、96、114、115、164、165 スイッチトランジスタ
93、94、113、116 ミラートランジスタ
172 データ処理ユニット
173 電流感知増幅器又は電流比較器
174 ドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動トランジスタ、少なくとも1つのスイッチトランジスタ、記憶キャパシタ及び発光デバイスを有するピクセル回路を含む表示アレイのためのシステムであって、
前記ピクセル回路に関連する電流又は電圧をモニタリングするモニタと、
前記表示アレイの動作を制御するデータ処理ユニットであって、前記モニタリングされた電流又は電圧に基づいて前記ピクセル回路の経時変化を示す情報を抽出するデータ処理ユニットと、
前記データ処理ユニットにより制御されて、前記ピクセル回路に前記抽出された経時変化情報に基づいてプログラミング及び校正データを供給するドライバと、
を有するシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記モニタが、
前記ピクセル回路の時間依存性パラメータを抽出するために該ピクセル回路に結合されたデータライン上の電流を該電流に関連する電圧に変換する電流制御型電圧源と、
前記ピクセル回路に結合されたデータラインの前記電流を抽出する電流伝達器であって、該電流伝達器はX、Y及びZ端子を有し、前記ドライバがプログラミング電圧を前記Y端子に供給し、前記X端子は前記データラインに接続されると共に帰還により前記Y端子のものと同一の電圧を有するように強制され、前記X端子の電流は前記Z端子に複写され、該Z端子が電流制御型電圧源に接続される電流伝達器と、
を有するシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、前記ピクセル回路がカレントミラー型ピクセル回路であり、該カレントミラー型ピクセル回路が、
各々がゲート端子、第1端子及び第2端子を有する第1及び第2ミラートランジスタと、
各々がゲート端子、第1端子及び第2端子を有する第1及び第2スイッチトランジスタと、
記憶キャパシタと、
発光デバイスと、
を含み、
前記第1ミラートランジスタの第1端子は、前記第1スイッチトランジスタを介して前記データラインに接続されると共に、前記第2スイッチトランジスタを介して前記記憶キャパシタに接続され、前記第1ミラートランジスタの第2端子は、前記記憶キャパシタ及び前記発光デバイスに接続され、前記第1及び第2ミラートランジスタのゲート端子は、前記記憶キャパシタに接続されると共に、前記第1及び第2スイッチトランジスタを介して前記データラインに接続され、前記第2ミラートランジスタの第1端子は電圧供給ラインに接続され、該第2ミラートランジスタの第2端子が、前記記憶キャパシタ及び前記発光デバイスに接続されるシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、前記データ処理ユニットが前記モニタリングされた電流又は電圧と期待された値との間の比較に基づいて前記ピクセル回路の状態を決定し、前記データ処理ユニットが前記ピクセル回路の前記決定された状態に基づいて又は前記ピクセル回路の前記決定された状態及び前記ドライバの分解能に基づいて前記駆動トランジスタの閾電圧を推定するシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって、前記ピクセル回路に供給されるプログラミング電圧が、プログラミングデータ及び前記推定された閾電圧に基づいて決定されるシステム。
【請求項6】
請求項1、4又は5に記載のシステムであって、前記少なくとも1つのスイッチトランジスタが第1及び第2スイッチトランジスタを含み、
前記駆動トランジスタ、前記第1スイッチトランジスタ及び前記第2スイッチトランジスタの各々が、ゲート端子、第1端子及び第2端子を含み、
前記駆動トランジスタのゲート端子が、前記第1スイッチトランジスタを介して信号ラインに接続されると共に、前記記憶キャパシタに接続され、該駆動トランジスタの第1端子が前記発光デバイスに接続されると共に、前記第2スイッチトランジスタを介してモニタラインに接続され、前記モニタが前記モニタラインに結合されると共に、該モニタラインを介して前記電流又は電圧を感知し、
前記第1スイッチトランジスタのゲート端子が第1選択ラインに接続され、前記第2スイッチトランジスタのゲート端子が前記第1選択ライン又は第2選択ラインに接続される、
システム。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載のシステムであって、前記データ処理ユニットは前記発光デバイスの動作電圧のずれを前記モニタリングされた電流又は電圧に基づいて予測し、当該システムが、
前記発光デバイスに、該発光デバイスの動作電圧の前記予測されたずれに関連するバイアスを供給する回路、
を更に有するシステム。
【請求項8】
駆動トランジスタ、少なくとも1つのスイッチトランジスタ、記憶キャパシタ及び発光デバイスを有するピクセル回路を含む表示アレイを駆動する方法であって、
前記ピクセル回路に電流又は電圧を供給するステップと、
前記ピクセル回路に関連する電流又は電圧をモニタリングするステップと、
前記ピクセル回路の経時変化を示す情報を前記モニタリングされた電流又は電圧に基づいて抽出すると共に、該ピクセル回路の状態を決定するステップと、
プログラミングデータ及び前記抽出された経時変化情報に従って光を放出するように前記ピクセル回路をプログラミングするステップと、
を有する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記抽出された経時変化情報に基づいて前記ピクセル回路の状態を決定するステップを更に有し、前記プログラミングするステップが前記決定された状態に基づいて実行される方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記抽出するステップが、前記駆動トランジスタの閾電圧を前記ピクセル回路の前記決定された状態に基づいて、又は前記ピクセル回路の前記決定された状態及び前記ピクセル回路をプログラミングするドライバの分解能に基づいて推定するステップを含む方法。
【請求項11】
請求項8ないし10の何れか一項に記載の方法であって、
前記発光デバイスの動作電圧のずれを前記モニタリングされた電流又は電圧に基づいて予測するステップと、
前記発光デバイスに、該発光デバイスの電圧の前記ずれに関連するバイアスを供給するステップと、
を更に有する方法。
【請求項12】
表示アレイにおけるピクセルからの不所望な発光を低減するシステムであって、
発光デバイス及び駆動トランジスタを有し、前記駆動トランジスタのゲート端子上の駆動電圧に従って前記発光デバイスを経る電流を駆動するピクセル回路と、
前記ピクセル回路に接続されたデータラインに電流又は電圧を供給することにより、前記ピクセル回路をプログラミングするドライバと、
前記ピクセル回路に接続された電圧供給ラインであって、プログラミング動作サイクルの間に該電圧供給ラインを基準電圧に調整することにより前記発光デバイスを逆にバイアスし、これにより前記発光デバイスを前記供給される電流又は電圧のプログラミング経路から除去する電圧供給ラインと、
(i)前記電圧供給ラインの電圧及び(ii)前記ドライバにより供給される前記電流又は電圧を制御するデータ処理ユニットであって、前記ピクセル回路のプログラミングに続いて前記電圧供給ラインを元の電圧に調整するデータ処理ユニットと、
を有するシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記ピクセル回路はカレントミラーピクセル回路であり、該ピクセル回路が、
前記駆動トランジスタのゲート端子に接続されたゲート端子を持つミラートランジスタと、
前記データラインを介して供給され前記ミラートランジスタを介して流れるプログラミング電流に応答して、前記駆動電圧により充電される記憶キャパシタと、
前記データラインと前記ミラートランジスタとの間に接続され、プログラミング動作サイクルの間には前記ピクセル回路を前記データラインに接続し、発光動作サイクルの間には前記ピクセル回路を前記データラインから切断する第1スイッチトランジスタと、
前記第1スイッチトランジスタのゲート端子及び共通選択ラインに接続されたゲート端子を有し、プログラミング動作サイクルの間に前記ミラートランジスタ及び前記駆動トランジスタのゲート端子を前記データラインに接続する第2スイッチトランジスタと、
を有するシステム。
【請求項14】
請求項1ないし13の何れか一項に記載のシステム又は方法であって、前記発光デバイスが有機発光ダイオードであり、前記表示アレイがAMOLED表示アレイであるシステム又は方法。
【請求項15】
請求項1ないし14の何れか一項に記載のシステム又は方法であって、前記トランジスタの少なくとも1つがn型又はp型の薄膜トランジスタであるシステム又は方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−150490(P2012−150490A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−45806(P2012−45806)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【分割の表示】特願2007−545796(P2007−545796)の分割
【原出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(507257080)イグニス・イノベイション・インコーポレーテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】IGNIS INNOVATION INCORPORATED
【Fターム(参考)】