説明

発光表示装置

【課題】 画素間の電源電圧から発生する電圧降下量の差を補正して均一な輝度を表示することが可能な発光表示装置を提供する。
【解決手段】 本発明の発光表示装置は,複数の画素と,第1方向に形成され,複数の画素にデータ信号を供給する複数のデータ線(Dm)と,第1方向と交差する第2方向に形成され,複数の画素に選択信号を供給する複数の走査線(Sn)と,複数の画素に第1電源電圧を供給する第1電源電圧線(VDD)と,第1方向に形成され,複数の画素に第1電源電圧線(VDD)の電圧降下を補正するための第2電源電圧を供給する第2電源電圧線(Vsus)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,発光表示装置に係り,より詳しくは,各画素間の電圧降下量の差を補正するために新しいレイアウト方法を用いる発光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に,有機発光表示装置は,電気的に励起される蛍光性またはリン光性有機化合物からなる有機発光素子(organic light emitting diode:OLED)を用いる表示装置である。有機発光素子は,供給される電圧または電流に応じて所定の画像を表示する。また,有機発光素子は,アノード,有機薄膜,カソードからなる積層構造を持つ。有機薄膜は有機化合物からなる。また,有機薄膜は,電子と正孔の注入特性を向上させるために発光層の両側に正孔注入層(hole injecting layer)及び電子注入層(electron injecting layer)を含む多層構造からなる。また,有機薄膜は,有機発光セルの発光特性を向上させるために,電子輸送層(electron transporting layer),正孔輸送層(hole transporting layer),正孔阻止層(hole blocking layer)などを選択的に含むことができる。
【0003】
上述した有機発光表示装置を駆動する方式には,パッシブマトリックス(passive matrix)駆動方式とアクティブマトリックス(active matrix)駆動方式がある。パッシブマトリックス駆動方式とは,例えば特定行の走査線に連結された画素が選択された時間にのみ電流を受け,それに相応する輝度を出すように行われる駆動方式をいう。アクティブマトリックス駆動方式とは,例えばキャパシタに所定の階調を表示するための電圧を蓄え,蓄えられた電圧を全体フレーム時間に画素に印加する駆動方式をいう。このようなアクティブマトリックス駆動方式は,キャパシタに電圧を蓄えるために印加される信号の形態によって電圧書き込み方式と電流書き込み方式に分けられる。
【0004】
図1は従来の有機発光表示装置の画素回路を示す回路図である。図1に示した画素回路は,N×M個の画素回路の中でも,m番目のデータ線Dmとn番目の走査線Snに連結された画素回路を示す。
【0005】
図1を参照すると,画素回路は,有機発光素子OLEDを駆動するために,駆動トランジスタM1,スイッチングトランジスタM2及びキャパシタCstを含む。駆動トランジスタM1は,画素電源電圧VDDと有機発光素子OLEDとの間に連結される。スイッチングトランジスタM2は,走査線Snに印加される選択信号に応答してオン/オフ制御され,データ線Dmと駆動トランジスタM1のゲートとの間に連結される。キャパシタCstは画素電源電圧VDDと駆動トランジスタM1のゲートとの間に連結される。
【0006】
次に,上述した画素回路の動作について説明する。走査線Snに選択信号が印加されると,スイッチングトランジスタM2がオン状態になる。この状態で,データ線Dmに印加されるデータ電圧は,スイッチングトランジスタM2を介してキャパシタCstの一端に印加され,キャパシタCstには画素電源電圧VDDとデータ電圧間の電圧差に相応する電圧が蓄えられる。駆動トランジスタM1は,キャパシタCstに蓄えられた所定の電圧によって定電流源として動作し,有機発光素子OLEDに電流を供給する。
【0007】
この際,有機発光素子OLEDに流れる電流は次の数式1で表わされる。
【数1】

ここで,IOLEDは有機発光素子OLEDに流れる電流,Vgsは駆動トランジスタM1のゲートとソース間の電圧,Vthは駆動トランジスタM1のスレッショルド電圧,Vdataはデータ電圧,βは定数値をそれぞれ示す。
【0008】
一方,従来のアクティブマトリックス駆動方式の有機発光表示装置では,各画素を制御するためのスイッチング素子として,製造が容易で且つ特性が優秀なTFTを主に使用する。ところが,従来の有機発光表示装置では,製造工程の不均一性により生ずるTFTのスレッショルド電圧(Vth)のバラツキによって有機発光素子OLEDへの供給電流の量が異なり,これによりSR(Short Range Uniformity)が発生するという欠点があった。
【0009】
図2は上述した従来技術の問題点を解決するための別の従来の技術に関するもので,駆動トランジスタのスレッショルド電圧の変化による輝度の不均一性を防止することが可能な画素回路を示す。図3は図2の画素回路を駆動するための駆動タイミング図を示す。
【0010】
図2を参照すると,画素回路は,有機発光素子OLEDを駆動するために駆動トランジスタM1,第1スイッチングトランジスタM2,第2スイッチングトランジスタM3,第3スイッチングトランジスタM4,第1キャパシタC1,及び第2キャパシタC2を備えている。駆動トランジスタM1は,画素電源電圧VDDと第3スイッチングトランジスタM4との間に連結される。第1スイッチングトランジスタM2は,走査線Snに印加される選択信号に応答してオン/オフ制御され,データ線Dmと第1キャパシタC1との間に連結される。第2スイッチングトランジスタM3は駆動トランジスタM1のドレイン電極とゲート電極との間に連結される。第3スイッチングトランジスタM4は駆動トランジスタM1のドレイン電極と有機発光素子OLEDとの間に連結される。第1キャパシタC1は第1スイッチングトランジスタM2と駆動トランジスタM1のゲート電極との間に連結される。第2キャパシタC2は画素電源電圧VDDと駆動トランジスタM1のゲート電極との間に連結される。
【0011】
次に,図2および図3を参照しながら,上述した画素回路の動作について説明する。まず,走査線Snから供給される第1制御信号のイネーブルレベルに応答して第1スイッチングトランジスタM2がオンされる。第2制御信号AZnに応答して第2スイッチングトランジスタM3がオンされると,駆動トランジスタM1はダイオード接続され,第2キャパシタC2には電源電圧VDDとデータ電圧との電圧差に相応する第1電圧が蓄えられる。次いで,第2制御信号AZnのディスエーブルレベルに応答して第2スイッチングトランジスタM3がオフされ,第1スイッチングトランジスタM2がオンとなっている期間は,第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2の直列回路には電源電圧VDDとデータ電圧との電圧差に相当する第2電圧が蓄えられる。その後,第1制御信号(走査線Sn)のディスエーブルレベルに応答して第1スイッチングトランジスタM2がオフされ,第3制御信号AZBnのイネーブルレベルに応答して第3スイッチングトランジスタM4がオンされると,第2キャパシタC2に蓄えられた電圧の大きさに応じて駆動トランジスタM1が所定の定電流源として動作して有機発光素子OLEDに電流を供給する。
【0012】
この際,駆動トランジスタM1のゲートとソース間の電圧は次の数式2で表わされる。
【数2】

ここで,Vthは駆動トランジスタM1のスレッショルド電圧,Vdataはデータ電圧,VDDは電源電圧をそれぞれ示す。
【0013】
ところが,図2に示した画素回路は,数式2から分かるように,データ電圧が第1及び第2キャパシタC1,C2によって分配されるので,供給すべきデータ電圧が高いか,或いは第1キャパシタC1のキャパシタンス値が大きくなければならないという問題点があった。
【0014】
一方,画素回路に電源電圧VDDを供給するための電源電圧線は,垂直ラインばかりでなく水平ラインで形成される場合もある。図4は,画素回路に印加される電源電圧線が水平ラインで形成された例を示す図である。このような構成にあっては,駆動されるトランジスタが多くなると,駆動トランジスタに負荷値(インピーダンス)が大きくなって電流量が多く消費される。すると,入力端の一番目の駆動トランジスタの電圧供給地点と最終端の駆動トランジスタの電圧供給地点間に電圧降下が発生する。
【0015】
これにより,図4において電源電圧線の右側画素に印加される電源電圧VDDが,左側画素に印加される電源電圧VDDより低くなり,LR(Long Range Uniformity)の問題が発生する。このような電源電圧線の電圧降下は,実際の電源電圧線の入力がどこに連結されるかに対する設計条件によって異なる。
【特許文献1】大韓民国特許公開第2003−0037608号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0046719号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
このように,従来の技術では,データ電圧を書き込むとき,トランジスタに電流が流れていると,電源電圧VDDを伝達する電源電圧線の内部抵抗により電源電圧VDDが降下する現象が発生する。このとき,電圧降下量は電源電圧線に流れる電流量に比例する。したがって,各画素に同じデータ電圧を印加しても,駆動トランジスタに印加されるゲート電圧が異なってくるので,有機発光素子OLEDに流れる電流も異なって輝度の不均一現象が発生するという問題点があった。
【0017】
そこで,本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,各画素間の電源電圧から発生する電圧降下量の差を補正して均一な輝度を表示することが可能な発光表示装置を提供することにある。
【0018】
また,本発明の他の目的は,画素回路に含まれた駆動トランジスタのスレッショルド電圧のバラツキを補正して均一な輝度を表示することが可能な発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために,本発明に係る発光表示装置の代表的な構成は,複数の画素と;第1方向に形成され,上記複数の画素にデータ信号を供給する複数のデータ線と;上記第1方向と交差する第2方向に形成され,上記複数の画素に選択信号を供給する複数の走査線と;上記複数の画素に第1電源電圧を供給する第1電源電圧線と;上記第1方向に形成され,上記複数の画素に第2電源電圧を供給する第2電源電圧線とを備えたことを特徴とする。これにより,上記第2電源電圧は,上記第1電源電圧線の電圧降下を補正することができる。
【0020】
上記画素は:上記第1電源電圧線に連結される第1電極,及び発光素子に連結される第2電極を有する駆動トランジスタと;上記第1電源電圧線に連結される第1電極を備える第1キャパシタと;上記駆動トランジスタのゲートと上記第1キャパシタの第2電極との間に連結される第2キャパシタと;上記駆動トランジスタの上記第2電極と上記ゲートとの間に連結される第1スイッチング素子と;上記第2電源電圧線と上記第1キャパシタの上記第2電極との間に連結される第2スイッチング素子と;上記データ線と上記第1キャパシタの上記第2電極との間に連結される第3スイッチング素子と;を備えていてもよい。
【0021】
上記駆動トランジスタの上記第2電極と上記発光素子との間に連結される第4スイッチング素子をさらに備えていてもよい。
【0022】
上記第1スイッチング素子,上記第2スイッチング素子及び上記第4スイッチング素子の制御電極が第1走査線に連結され,上記第3スイッチング素子の制御電極が第2走査線に連結されることができる。
【0023】
上記第1スイッチング素子と上記第2スイッチング素子は同一型のチャネルを有するトランジスタで形成され,上記第4スイッチング素子は第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子とは異なる型のチャネルを有するトランジスタで形成してもよい。
【0024】
上記第1走査線は直前に駆動される画素の行に接続される第2走査線と同一の選択信号を伝達することができる。
【0025】
上記第1スイッチング素子及び上記第2スイッチング素子の制御電極が第1走査線に連結され,上記第3スイッチング素子の制御電極が第2走査線に連結され,上記第4スイッチング素子の制御電極が第3走査線に連結されることでよい。この場合,上記第3走査線に印加される第3選択信号は,上記第1走査線と上記第2走査線にそれぞれ印加される第1選択信号と第2選択信号が上記第1〜第3スイッチング素子に印加される期間において上記第4スイッチング素子に印加されることでよい。また,上記第1スイッチング素子,上記第2スイッチング素子,および上記第4スイッチング素子は,同一型のチャネルを有するトランジスタで形成することができる。
【0026】
上記第1電源電圧線は上記第1方向または上記第2方向に形成してもよい。上記第2電源電圧線は,上記選択信号により選択される行の上記複数の画素に上記第2電源電圧がそれぞれ独立して供給されるように形成してもよい。上記第2電源電圧は上記第1電源電圧と同一に設定してもよい。
【0027】
本発明に係る発光表示装置の他の代表的な構成は,第1方向に形成されるデータ線と;上記第1方向と交差する第2方向に形成され,第1選択信号を伝達する第1走査線と;上記第1方向と交差する上記第2方向に形成され,第2選択信号を伝達する第2走査線と;上記第1方向に形成される第1電源電圧線と;上記第1方向に形成される第2電源電圧線と;上記データ線,上記第1走査線,上記第2走査線,上記第1電源電圧線及び上記第2電源電圧線に連結される画素と;を備え,上記画素は:発光素子と;上記第1電源電圧線からゲートに印加される電圧に相応する電流を上記発光素子に供給する駆動トランジスタと;上記第1電源電圧線の第1電源電圧と上記データ線のデータ電圧間の電圧差に相応する第1電圧を蓄える第1キャパシタと;上記駆動トランジスタのスレッショルド電圧と上記第2電源電圧線の第2電源電圧間の電圧差に相応する第2電圧を蓄える第2キャパシタと;上記第1選択信号に応答して上記駆動トランジスタをダイオード接続させる第1スイッチング素子と;上記第1選択信号に応答して上記第1キャパシタの一電極に上記第2電源電圧を伝達する第2スイッチング素子と;上記第2選択信号に応答して上記第1キャパシタの上記一電極に上記データ電圧を伝達する第3スイッチング素子と;を有することを特徴とする。
【0028】
上記駆動トランジスタの出力を上記発光素子に伝達する第4スイッチング素子をさらに備えていてもよい。
【0029】
上記第4スイッチング素子の制御電極は上記第2走査線に連結することができる。
【0030】
また,上記第4スイッチング素子の制御電極は追加的に形成される第3走査線に連結することができる。上記第3走査線に印加される第3選択信号は,上記第1走査線と上記第2走査線に印加される上記第1選択信号と第2選択信号が上記第1〜第3スイッチング素子に印加される期間において上記第4スイッチング素子に印加することができる。このとき,上記第2電源電圧は上記第1電源電圧と同一に設定することでよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば,各画素間の電圧降下量の差を補正することにより,画素回路に含まれた駆動トランジスタのスレッショルド電圧の偏差を補正して発光表示装置の輝度均一性を改善することができる。
【0032】
また,本発明によれば,実質的に各画素間に電圧降下が発生せず,よって電圧降下によるクロストーク(cross talk),または画面中央が暗くなる現象を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお,ある部分が他の部分と連結されているとするとき,これは,ある部分が上記他の部分と直接連結されている場合だけでなく,その中間にさらに他の素子を挟んで電気的に連結されている場合も含む。
【0034】
図5は本実施形態に係る発光表示装置のレイアウト図である。図5に示した発光表示装置は,各画素回路が,5つのトランジスタと2つのキャパシタを含む回路で形成されている(図7参照)。図5に示した発光表示装置は,N×M個の画素回路の中でも,m−1番目のデータ線(Dm−1)とn−1番目の走査線(Sn−1)に連結された画素回路を中心として形成されている。
【0035】
図5を参照すると,発光表示装置は,基本的に,各画素間の電圧降下を補正するための第2電源電圧Vsusを有する画素回路を含む。具体的には,発光表示装置の画素回路は,駆動トランジスタMD,第1キャパシタCst,第2キャパシタCvth,それぞれスイッチング素子の例としての第1トランジスタM1,第2トランジスタM2,第3トランジスタM3及び第4トランジスタM4からなる。ここで,第1〜第4トランジスタは薄膜トランジスタで形成されている。特に,第4トランジスタM4はデュアルゲートタイプの薄膜トランジスタで形成される。このような構成により,画素回路は有機発光素子OLEDが発光できるように有機発光素子に所定の電流を供給する。
【0036】
また,画素回路は,データ線Dm−1,第1走査線Sn−1,第2走査線Sn−2,第1電源電圧線VDD,及び第2電源電圧線Vsusに連結される。ここで,データ線Dm−1はm−1番目のデータ線を示し,第1走査線Sn−1及び第2走査線Sn−2はn−1番目の走査線とn−2番目の走査線をそれぞれ示す。
【0037】
データ線Dm−1は第1方向に延長され,第3トランジスタM3の一方の電極に連結される。ここで,第1方向は図5から見て垂直方向になる。
【0038】
第1走査線Sn−1は,第1トランジスタM1,第2トランジスタM2及び第4トランジスタM4のチャネルの上を通るように第2方向に延長され,これらのトランジスタM1,M2,M4の制御電極として機能する。ここで,制御電極はトランジスタのゲート電極に該当し,第2方向は図5からみて水平方向になり,第1方向と交差する。
【0039】
第2走査線Sn−2は,第3トランジスタM3のチャネルの上を通るように延長され,第3トランジスタM3の制御電極として機能する。
【0040】
第1電源電圧線VDDは,N×M個の複数の画素を含む画素部内でデータ線が配置される第1方向と同一の方向に延長される。また,第1電源電圧線VDDは各画素回路に第1電源電圧を伝達する。図5において,第1電源電圧線VDDは,第1キャパシタCstの一方の電極に連結されるとともに,駆動トランジスタMDの一方の電極に連結される。ここで,参照符号VDDは第1電源電圧線を示すものと説明されるが,VDDは第1電源電圧線を介して伝達される第1電源電圧を示すこともある。
【0041】
このような第1電源電圧線VDDは,垂直方向で第1電圧電源線VDDに隣接した複数の画素回路が同時に接続されて電流パスを形成しているため,第1電源電圧線VDDの引き込み部の位置と各電流パスに対する漏れ電流により,引き込み部から遠い箇所に位置する画素回路は引き込み部からの距離分だけ大きい電圧降下量を有する。ここで,引き込み部は第1電源電圧線VDDが画素部内に入り込み始める所定の部分を示す。
【0042】
第2電源電圧線Vsusは,データ線が配置される第1方向と同一の方向に延長される。第2電源電圧線Vsusは,第2トランジスタM2の一方の電極に連結される。このような第2電源電圧線Vsusは,第1電源電圧線VDDとは異なり,いろいろの電流パスを形成していないので,引き込み部からの距離又は漏れ電流による電圧降下の問題が発生しない。ここで,参照符号Vsusは第2電源電圧線を示すものと説明されるが,Vsusは第2電源電圧線を介して伝達される第2電源電圧を示すこともある。
【0043】
このように,本実施形態では,発光表示装置の各画素内に実質的に同一の補正電圧が印加され,これにより駆動トランジスタのゲート電圧を維持するキャパシタに所望の電圧を蓄えることができる。したがって,本実施形態によれば,駆動トランジスタを介して所望の電流を有機発光素子に供給することができるので,輝度の均一性が大幅向上できる。
【0044】
図示してはいないが,データ線Dm−1,Dmにはデータ駆動部(図示せず)が連結され,走査線Sn−2,Sn−1には走査駆動部(図示せず)が連結される。この際,データ駆動部および走査駆動部は,マトリックス状に配列された複数の画素を含む画素部に電気的に連結されるか,あるいは画素部に接着されて電気的に連結されるテープキャリアパッケージ(tape carrier package,TCP)にチップなどの形態で装着できる。一方,データ駆動部および走査駆動部は,画素部に接着されて電気的に連結されるフレキシブルプリント回路(flexible printed circuit,FPC)またはフィルムなどにチップなどの形態で装着できる。この他にも,データ駆動部および走査駆動部は,画素部のガラス基板上に直接装着されるか,あるいはガラス基板上の薄膜トランジスタ,データ線,走査線と同一の層で形成される駆動回路で代替できる。
【0045】
上述した実施形態において,データ線,第1電源電圧線,第2電源電圧線及び走査線が第1方向または第2方向に延長されるというのは,直線状に延長されるだけでなく,所定の曲線部をもって延長されることも,曲がりくねった様に延長されることも含む。
【0046】
図6は図5の発光表示装置のレイアウトのVI−VI線に沿った断面図である。参考として,図6は発光表示装置の画素部内の一画素に対する断面構造で出来ている。
【0047】
図6を参照すると,断面構造は,まずガラスなどの絶縁基板41上に窒化膜,酸化膜などの材料からなるバッファ層42が形成される。バッファ層42は金属イオンなどの不純物が半導体層内のアクティブチャネルへ拡散することを防止するために形成される。このようなバッファ層42はCVD(chemical vapor deposition),スパッタリングなどの方法で形成できる。
【0048】
次に,バッファ層42の形成された絶縁基板41上にCVD,スパッタリングなどの工程によってアモルファスシリコン層を形成し,約430℃程度の温度で加熱してアモルファスシリコン層内の水素成分を除去する脱水素処理工程を行った後,脱水素処理されたアモルファスポリシリコン層を所定の方法で結晶化して半導体層と第1キャパシタCstの第1電極43eを形成する。
【0049】
アモルファスシリコンを蒸着した後結晶化する方法には,固相結晶化(solid phase crystallization:SPC)法,エキシマーレーザ結晶化(excimer laser crystallization:ELC/excimer laser anneal:ELA)法,連続側面固相化(sequential lateral solidification:SLS)法,金属誘導結晶化(metal induced crystallization:MIC)法,金属誘導側面結晶化(metal induced lateral crystallization:MILC)法などがある。
【0050】
次に,半導体層が形成された絶縁基板41の全面にゲート絶縁膜44を形成し,ゲート絶縁膜44上にアルミニウムなどの金属材料からなる第1金属層を全面蒸着した後,パターニングしてゲート電極45aと第1キャパシタCstの第2電極45bとを形成する。その後,ゲート電極45aをマスクとして用いて所定の不純物をイオン注入し,駆動トランジスタMDのソース43c及びドレイン43aと第1トランジスタのドレイン43dを形成する。ここで,ゲート絶縁膜44を介してゲート電極45aの下方に位置する半導体層の領域はチャネル43bになる。
【0051】
次いで,上記構造上に層間絶縁膜46を形成し,層間絶縁膜46内にソース43c,ドレイン43a,43d及び第1キャパシタCstの第1電極43eをそれぞれ露出させるコンタクトホールを形成する。その後,第2金属層47を全面蒸着しパターニングして駆動トランジスタMDのソース電極47b及びドレイン電極47aと第1トランジスタM1(図5参照)のドレイン電極47cを形成する。ソース電極とドレイン電極は,コンタクトホールを介してソース及びドレインにそれぞれ連結される。第1キャパシタCstの第1電極43eは,コンタクトホールを介して第2金属層47に連結される。
【0052】
次に,第2金属層47上に保護膜48が形成される。保護膜48はドレイン電極47cを露出させるコンタクトホールを含む。その後,保護膜48上の一部領域にアノード電極49が蒸着された後パターニングされる。アノード電極49はコンタクトホールを介してドレイン電極47cに電気的に連結される。
【0053】
次いで,上記構造の上に絶縁物からなる平坦化膜50が形成された後パターニングされる。平坦化膜50にはアノード電極49を露出させる開口部が形成される。その後,開口部に有機発光物質51が塗布される。そして,有機発光物質51を含んだ上記構造上にカソード電極52が形成される。
【0054】
上述した構造により,駆動トランジスタMD,第1キャパシタCst,及び有機発光素子OLEDが形成される。
【0055】
一方,上述した実施形態では,P型のチャネルを有する薄膜トランジスタを含んだ断面構造について述べた。ところが,本発明は,このような構成に限定されず,N型のチャネルを有しあるいはP型とN型のチャネルを共に有する薄膜トランジスタを含んだ別の構造に容易に適用することができる。
【0056】
上述した実施形態では,キャパシタCstの第1電極と第2電極を半導体層とゲート電極の形成時に共に形成したが,本発明は,このような構成に限定されない。例えば,第1キャパシタCstは,ゲート電極と同一の層に形成される第1電極と,ソースまたはドレイン電極と同一の層に形成される第2電極とを含むように形成してもよい。
【0057】
また,上述した半導体層は,アモルファスシリコンを蒸着した後多結晶ポリシリコンに結晶化する方法以外に,バッファ層上に直接多結晶ポリシリコンを蒸着しパターニングする方法によって形成してもよい。
【0058】
図7は図5の発光表示装置を示す回路図である。図7を参照する下記の説明では,説明の便宜上,m番目のデータ線Dmとn番目の走査線Snに連結された画素回路を中心として説明する。一方,走査線に関する用語を定義すると,現在選択信号を伝達しようとする走査線を「現在走査線」とし,現在選択信号が伝達される直前に選択信号を伝達した走査線を「直前走査線」とする。
【0059】
図7を参照すると,画素回路601は,駆動トランジスタMD,第1キャパシタCst,第2キャパシタCvth,第1〜第4トランジスタM1,M2,M3,M4及び有機発光素子OLEDを備えている。
【0060】
駆動トランジスタMDは,第1電源電圧線VDDに連結される第1電極と,第4トランジスタM4の第1電極に連結される第2電極とを備える。駆動トランジスタMDは,ゲートに印加される電圧に相応して,ある程度の期間は,実質的に有機発光素子OLEDに所定の定電流を供給する定電流源として動作する。
【0061】
第1キャパシタCstは,第1電源電圧線VDDに連結された第1電極を備える。第1キャパシタCstは,第1電源電圧VDDとデータ線Dmに印加されるデータ電圧間の電圧差に相応する第1電圧を蓄える。
【0062】
第2キャパシタCvthは,駆動トランジスタMDのゲートと第1キャパシタCstの第2電極との間に連結される。第2キャパシタCvthは,第2電源電圧Vsusと駆動トランジスタMDのスレッショルド電圧間の電圧差に相応する第2電圧を蓄える。なお,参照符号VDDは混同のおそれがない範囲内で第1電源電圧線または第1電源電圧として使用される。参照符号Vsusは混同のおそれがない範囲内で第2電源電圧線または第2電源電圧として使用される。
【0063】
第1トランジスタM1は駆動トランジスタMDの第2電極とゲートとの間に連結される。第1トランジスタM1は直前走査線または第1走査線Sn−1に印加される第1選択信号に応答して駆動トランジスタMDをダイオード接続させる。
【0064】
第2トランジスタM2は第2電源電圧線Vsusと第1キャパシタCstの第2電極との間に連結される。第2トランジスタM2は,直前走査線(この場合,Sn−2(不図示))または第1走査線Sn−1に印加される第1選択信号に応答して,第2電源電圧Vsusを,第1キャパシタCstの第2電極が連結されたノード(以下,「ノードA」という)に伝達する。
【0065】
第3トランジスタM3はデータ線Dmと第1キャパシタCstの第2電極との間に連結される。第3トランジスタM3は第2選択信号に応答してデータ電圧をノードAに伝達する。
【0066】
第4トランジスタM4は駆動トランジスタMDの第2電極と有機発光素子OLEDのアノードとの間に接続される。第4トランジスタM4は,直前走査線または第1走査線Sn−1の第1選択信号とは異なる選択信号に応答して駆動トランジスタMDからの電流を有機発光素子OLEDに伝達する。言い換えれば,第4トランジスタM4は第1選択信号に応答して駆動トランジスタMDの第2電極と有機発光素子OLEDを遮断させる。
【0067】
このために,第4トランジスタM4は,第1及び第2トランジスタM1,M2とは異なる型のチャネルを有するトランジスタで形成される。例えば,図7に示すように,第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2はPMOS型のトランジスタで形成され,第4トランジスタM4はNMOS型のトランジスタで形成される。
【0068】
有機発光素子OLEDは,入力される電流に相応して光を放出する。本実施形態によれば,有機発光素子OLEDのカソードに連結される電圧VSSは,第1電源電圧VDDより低いレベルの電圧であって,接地電圧などが使用できる。
【0069】
以下,図8を参照しながら,本実施形態に係る発光表示装置のn行m列に位置する画素回路の動作について説明する。図8は図7の発光表示装置の画素回路を駆動するための駆動波形図である。
【0070】
図8を参照すると,期間T1において,直前走査線または第1走査線Sn−1に低レベルの走査電圧が印加されると,第1トランジスタM1はターンオンされ,駆動トランジスタMDはダイオード接続状態になる。したがって,駆動トランジスタMDのゲートとソース間の電圧は,駆動トランジスタMDのスレッショルド電圧Vthになるまで変わる。この際,駆動トランジスタMDのソースに第1電源電圧VDDが印加されるので,駆動トランジスタMDのゲート,すなわち第2キャパシタCvthの第1電極に印加される電圧は第1電源電圧VDDと駆動トランジスタMDのスレッショルド電圧Vthとの和になる。
【0071】
これと共に,期間T1で,直前走査線または第1走査線Sn−1に低レベルの走査電圧が印加されると,第2トランジスタM2はターンオンされ,第2キャパシタCvthの第2電極には第2電源電圧Vsusが印加される。
【0072】
したがって,第2キャパシタCvthの両電極間に印加される電圧は次の数式3で表わされる。
【数3】

【0073】
次に,第2キャパシタCvthの第2電極にデータ信号が印加されると,第2キャパシタCvthの両電極間に印加される電圧は次の数式4のようになる。
【数4】

ここで,Vcvthは第2キャパシタCvthの両電極間に印加される電圧,VDDは第1電源電圧,Vsusは第2電源電圧,Vdataはデータ電圧,Vthは駆動トランジスタMDのスレッショルド電圧をそれぞれ示す。
【0074】
また,期間T1で,N型のチャネルを有する第4トランジスタM4は遮断され,駆動トランジスタMDに流れる電流が有機発光素子OLEDへ流れることを防止する。そして,現在走査線または第2走査線Snには高レベルの走査電圧が印加されるので,第3トランジスタM3は遮断される。
【0075】
次に,期間T2で,現在走査線または第2走査線Snに低レベルの走査電圧が印加されると,第3トランジスタM3がターンオンされ,データ線Dmに印加されるデータ電圧が第1キャパシタCstの第2電極に伝達される。したがって,第1キャパシタCstには第1電源電圧VDDとデータ電圧間の電圧差に相応する第1電圧が充電される。また,第2キャパシタCvthには,第1電源電圧VDDから駆動トランジスタMDのスレッショルド電圧Vthを差し引いた値に第2電源電圧Vsusを加えた値に相応する第2電圧が充電されている。したがって,駆動トランジスタMDのゲートには,データ電圧と第2電圧との和に相応する第3電圧が印加される。
【0076】
このように,駆動トランジスタMDのゲート・ソース間の電圧Vgsは次の数式5で表わされる。
【数5】

ここで,Vgsは駆動トランジスタMDのゲート・ソース間の電圧,VDDは第1電源電圧,Vcvthは第2キャパシタCvthの両端間の電圧,Vsusは第2電源電圧,Vdataはデータ電圧,Vthは駆動トランジスタMDのスレッショルド電圧をそれぞれ示す。
【0077】
数式5から分かるように,駆動トランジスタMDを動作させるためには,データ電圧と駆動トランジスタMDのスレッショルド電圧との和から第2電源電圧を差し引いた値の絶対値が駆動トランジスタMDのスレッショルド電圧の絶対値より大きくなるように設定しなければならない。
【0078】
数式5を用いると,有機発光素子に流れる電流は次の数式6のように得られる。
【数6】

【0079】
数式6から分かるように,有機発光素子OLEDに流れる電流は,第1電源電圧VDDに影響されず,第1電源電圧線VDDにおける電圧降下による輝度のバラツキを補正することができる。このようにして,第2電源電圧Vsusは補正電圧として機能する。
【0080】
第2電源電圧Vsusは,第1電源電圧VDDとは異なり,電流パスを形成していないので,電流漏れによる電圧降下の問題が発生しない。したがって,全ての画素回路に実質的に同一の補正電圧が印加され,データ電圧に相応する電流が有機発光素子OLEDに流れることになる。このような補正電圧としての第2電源電圧Vsusは第1電源電圧VDDと同レベルの電圧を使用することができる。
【0081】
図9は本実施形態に係る発光表示装置の一変形例を示す構成図である。図9を参照する下記の説明では,説明の便宜上,m番目のデータ線Dmとn番目の走査線Snに連結された画素回路を中心として説明する。
【0082】
図9に示した発光表示装置の画素回路は,第4トランジスタM4を別途の信号線Enで制御するという点において,本実施形態に係る画素回路とは異なる。このように,第4トランジスタM4を別途の信号線Enで制御する場合,第4トランジスタM4の特性をP型またはN型のいずれにも設定することができる。また,画素回路の発光期間を直前走査線Sn−1の選択期間と独立して制御することができるという利点がある。
【0083】
このように,上述した本実施形態によれば,各画素に供給される第1電源電圧VDDの電圧降下量の差を第2電源電圧Vsusを用いて補正することができる。特に,第2電源電圧線Vsusを,データ線の配置方向とは平行でありかつ走査線の配置方向とは交差するように配置することにより,走査線の選択信号によって選択される行に位置する各画素に独立的に補正電圧を供給することができる。すなわち,第1電源電圧線上の電圧降下を防止することができ,発光表示装置においてより確実に画素の位置による輝度の不均一問題を解決することができる。
【0084】
一方,上述した実施形態では,第1〜第4トランジスタをP型またはN型のトランジスタで実現した場合を示した。しかし,第1〜第4トランジスタは,印加される選択信号に応答して両端をスイッチングすることが可能なスイッチング素子であれば,本発明を実現することができる。また,このような第1〜第4トランジスタは,画素部のガラス基板上に形成されるゲート電極,ドレイン電極及びソース電極をそれぞれ制御電極,第1電極及び第2電極として有する薄膜トランジスタであることが好ましい。
【0085】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は,発光表示装置に適用可能であり,特に各画素間の電圧降下量の差を補正するために新しいレイアウト方法を用いる発光表示装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】従来の有機発光表示装置の画素回路を示す回路図である。
【図2】従来の有機発光表示装置の画素回路の他の例を示す回路図である。
【図3】図2の画素回路を駆動するための駆動タイミング図である。
【図4】画素回路に印加される電源電圧線が水平ラインで形成された例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る発光表示装置のレイアウト図である。
【図6】図5の発光表示装置のレイアウトのVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】図5の発光表示装置を示す回路図である。
【図8】図7の発光表示装置の画素回路を駆動するための駆動波形図である。
【図9】本実施形態に係る発光表示装置の一変形例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0088】
Cst …第1キャパシタ
Cvth …第2キャパシタ
Dm …データ線
En …信号線
M1〜M4 …第1〜第4トランジスタ(スイッチング素子)
MD …駆動トランジスタ
OLED …有機発光素子
Sn …走査線
VDD …第1電源電圧線
VSS …電圧
Vgs …ゲート・ソース間の電圧
Vsus …第2電源電圧線
Vth …スレッショルド電圧
41 …絶縁基板
42 …バッファ層
43a …ドレイン
43b …チャネル
43c …ソース
43d …ドレイン
43e …第1電極
44 …ゲート絶縁膜
45a …ゲート電極
45b …第2電極
46 …層間絶縁膜
47 …第2金属層
47a …ドレイン電極
47b …ソース電極
47c …ドレイン電極
48 …保護膜
49 …アノード電極
50 …平坦化膜
51 …有機発光物質
52 …カソード電極
601 …画素回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素と;
第1方向に形成され,前記複数の画素にデータ信号を供給する複数のデータ線と;
前記第1方向と交差する第2方向に形成され,前記複数の画素に選択信号を供給する複数の走査線と;
前記複数の画素に第1電源電圧を供給する第1電源電圧線と;
前記第1方向に形成され,前記複数の画素に第2電源電圧を供給する第2電源電圧線とを備えたことを特徴とする発光表示装置。
【請求項2】
前記画素は:
前記第1電源電圧線に連結される第1電極,及び発光素子に連結される第2電極を有する駆動トランジスタと;
前記第1電源電圧線に連結される第1電極を有する第1キャパシタと;
前記駆動トランジスタのゲートと前記第1キャパシタの第2電極との間に連結される第2キャパシタと;
前記駆動トランジスタの前記第2電極と前記ゲートとの間に連結される第1スイッチング素子と;
前記第2電源電圧線と前記第1キャパシタの前記第2電極との間に連結される第2スイッチング素子と;
前記データ線と前記第1キャパシタの前記第2電極との間に連結される第3スイッチング素子と;を備えていることを特徴とする,請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記駆動トランジスタの前記第2電極と前記発光素子との間に連結される第4スイッチング素子をさらに備えたことを特徴とする,請求項2に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記第1スイッチング素子,前記第2スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子の制御電極が第1走査線に連結され,前記第3スイッチング素子の制御電極が第2走査線に連結されることを特徴とする,請求項3に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子は同一型のチャネルを有するトランジスタで形成され,前記第4スイッチング素子は第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子とは異なる型のチャネルを有するトランジスタで形成されることを特徴とする,請求項4に記載の発光表示装置。
【請求項6】
前記第1走査線は直前に駆動される画素の行に接続される第2走査線と同一の選択信号を伝達することを特徴とする,請求項4に記載の発光表示装置。
【請求項7】
前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の制御電極が第1走査線に連結され,前記第3スイッチング素子の制御電極が第2走査線に連結され,前記第4スイッチング素子の制御電極が第3走査線に連結されることを特徴とする,請求項3に記載の発光表示装置。
【請求項8】
前記第3走査線に印加される第3選択信号は,前記第1走査線と前記第2走査線にそれぞれ印加される第1選択信号と第2選択信号が前記第1〜第3スイッチング素子に印加される期間において前記第4スイッチング素子に印加されることを特徴とする,請求項7に記載の発光表示装置。
【請求項9】
前記第1スイッチング素子,前記第2スイッチング素子,および前記第4スイッチング素子は,同一型のチャネルを有するトランジスタで形成されることを特徴とする,請求項7に記載の発光表示装置。
【請求項10】
前記第1電源電圧線は前記第1方向または前記第2方向に形成されることを特徴とする,請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項11】
前記第2電源電圧線は,前記選択信号により選択される行の前記複数の画素に前記第2電源電圧がそれぞれ独立して供給されるように形成されることを特徴とする,請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項12】
前記第2電源電圧は前記第1電源電圧と同一に設定されることを特徴とする,請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項13】
第1方向に形成されるデータ線と;
前記第1方向と交差する第2方向に形成され,第1選択信号を伝達する第1走査線と;
前記第1方向と交差する前記第2方向に形成され,第2選択信号を伝達する第2走査線と;
前記第1方向に形成される第1電源電圧線と;
前記第1方向に形成される第2電源電圧線と;
前記データ線,前記第1走査線,前記第2走査線,前記第1電源電圧線及び前記第2電源電圧線に連結される画素と;を備え,
前記画素は:
発光素子と;
前記第1電源電圧線からゲートに印加される電圧に相応する電流を前記発光素子に供給する駆動トランジスタと;
前記第1電源電圧線の第1電源電圧と前記データ線のデータ電圧間の電圧差に相応する第1電圧を蓄える第1キャパシタと;
前記駆動トランジスタのスレッショルド電圧と前記第2電源電圧線の第2電源電圧間の電圧差に相応する第2電圧を蓄える第2キャパシタと;
前記第1選択信号に応答して前記駆動トランジスタをダイオード接続させる第1スイッチング素子と;
前記第1選択信号に応答して前記第1キャパシタの一電極に前記第2電源電圧を伝達する第2スイッチング素子と;
前記第2選択信号に応答して前記第1キャパシタの前記一電極に前記データ電圧を伝達する第3スイッチング素子と;を有することを特徴とする発光表示装置。
【請求項14】
前記駆動トランジスタの出力を前記発光素子に伝達する第4スイッチング素子をさらに備えることを特徴とする,請求項13に記載の発光表示装置。
【請求項15】
前記第4スイッチング素子の制御電極は前記第2走査線に連結されることを特徴とする,請求項14に記載の発光表示装置。
【請求項16】
前記第4スイッチング素子の制御電極は追加的に形成される第3走査線に連結されることを特徴とする,請求項14に記載の発光表示装置。
【請求項17】
前記第3走査線に印加される第3選択信号は,前記第1走査線と前記第2走査線に印加される前記第1選択信号と第2選択信号が前記第1〜第3スイッチング素子に印加される期間において前記第4スイッチング素子に印加されることを特徴とする,請求項16に記載の発光表示装置。
【請求項18】
前記第2電源電圧は前記第1電源電圧と同一に設定されることを特徴とする,請求項13に記載の発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−18277(P2006−18277A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186378(P2005−186378)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】