説明

発光装置およびその製造方法

【課題】基板上にLED素子を搭載した複数の発光素子部を形成し、ダイシングする発光装置の製造において、ダイシングの際の削りゴミの発生を抑制するとともに、製造工程における基板の破損を防止する。
【解決手段】金属基板20に、発光素子部形成領域22を横断するスリット24を形成する工程において、スリット24と交差するように樹脂溜まり用の凹部21を形成する。次いで、スリット24に絶縁材料を充填するとともに、前記凹部21に樹脂を充填し、硬化させる。その後、発光素子部形成領域22に発光素子部を形成し、1ないし複数の発光素子部を単位として、切断し、パターンが形成されたプリント基板に実装する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属基板上にLED素子を搭載した発光装置とその製造方法に係り、特に製造工程における発光装置の強度の向上を図る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
LED光源等の発光装置の典型的な製造方法では、1枚の基板に複数のLED素子をダイボンディング等により固定した後、基板を1ないし複数のLED素子毎にダイシングし、プリント基板に実装する(例えば、特許文献1)。このような製造工程において、LED素子からの発光効率を高めるためのリフレクタがLED素子の周りには設けられる。
【0003】
特許文献2には、LED素子をダイシングによって分離する前にリフレクタとなる光反射性樹脂の層を形成し、その後、ダイシングする技術が記載されている。またLED素子を搭載する基板として金属の薄板を用い、この金属板をリフレクタとして利用する技術も種々提案されている(特許文献3、4)。金属板をLED素子の基板として利用する場合には、LED素子の一方の電極が接続される部分(ダイボンディングパッド)と他方の電極が接続される部分(ワイヤボンディングパッド)とを絶縁するためのスリットが必須となる。この場合、スリットによって分断された金属板を、製造中、接合しておく必要がある。
【0004】
特許文献3に記載された技術では、まず金属製の薄板をプレス加工して、リフレクタを形成するとともに、ダイボンディングパッドとワイヤボンディングパッドとをスリットで分離し、金属製の薄板の裏面にシリカ等を分散したエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂を流し込む。これにより、金属基板に形成されたLED素子をダイシングにより分離する際に、連結が破壊されるのを防止している。
特許文献4に記載された技術では、金属薄板の両端をコの字状に折り曲げて強度を確保するとともに、スリットを絶縁性のマスキングテープで接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−108341号公報
【特許文献2】特開2006−245626号公報
【特許文献3】特許3447604号公報
【特許文献4】特開2002−314148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載された技術では、樹脂によりリフレクタを形成したLEDパッケージ基板をダイシングし分割するが、ダイシングによりリフレクタ(樹脂)の削りゴミが発生するという問題がある。すなわち、ダイシングを、リフレクタ内に封止樹脂を注入する前に行なった場合には、発生した削りゴミがリフレクタ内に混入し、封止樹脂の接着強度低下を招いたり、LED素子に付着し、光束低下や配光異常を招いたりするおそれがある。リフレクタ内に封止樹脂を注入した後にダイシングした場合にも、発生した削りゴミがLEDの発光面に付着し、光束低下や配光異常を招く可能性がある。
【0007】
一方、リフレクタを基板となる金属板自体で作製した場合には、樹脂の削りゴミの問題はなくなるが、金属板に設けるスリット部分での接合強度の低下が問題となる。特許文献3に記載された技術では、その問題を金属板の裏面に樹脂を流し込むことにより解決しているが、一般に樹脂は金属に比べ熱伝導率が著しく劣るため、樹脂として比較的放熱性のよい材料を用いたとしても、放熱性の低下は免れない。特に発光装置の高輝度化要求により消費電流が増大した場合、放熱性が不足することが懸念される。
【0008】
また特許文献4に記載された技術は、ダイシングを想定したものではないが、スリットによって分離された金属薄板をマスキングテープと薄板上に積層された樹脂によって接合しており、ダイシングした場合には、特許文献2と同様に削りゴミ発生の問題を生じる。また樹脂層を設ける前にダイシングした場合には、マスキングテープのみでは接合部の強度を保つことはできない。
【0009】
本発明は、ダイシングの際のゴミの発生が殆どなく、且つ基板の強度、特にスリット部の強度が補強され、ダイシングを含む製造工程において接合部の破損等の問題を生じない発光装置の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の発光装置の製造方法は、金属基板の発光素子部形成領域を横断するスリットを形成するとともに、当該スリットに絶縁材料充填する工程を含み、当該工程において、スリットと交差するように樹脂溜まり用の凹部を形成し、この凹部に樹脂を充填することを特徴とする。
【0011】
本発明の発光装置の製造方法の一つの態様は、以下のように構成される。
金属基板に、発光素子部形成領域を横断するスリットを形成する工程(1)と、前記スリットに絶縁材料を充填する工程(2)と、前記発光素子部形成領域に発光素子部を形成する工程(3)と、前記発光素子部が形成された金属基板を、1ないし複数の発光素子部を単位として、切断する工程(4)とを含み、前記工程(1)において、前記金属基板の、前記発光素子部形成領域の直下を除く領域に、前記スリットと交差するように樹脂溜まり用の凹部を形成し、前記工程(2)において、前記凹部に樹脂を充填することを特徴とする発光装置の製造方法。
【0012】
この発光装置の製造方法において、好ましくは、工程(1)は、前記金属基板の発光素子部形成領域にリフレクタ部を形成する工程を含む。
【0013】
また本発明の発光装置の製造方法の他の態様は、以下のように構成される。
金属基板に、発光素子部形成領域および当該発光素子部形成領域を横断するスリットを形成する工程(1)と、前記発光素子部形成領域に発光素子部を形成する工程(2)と、前記スリットに絶縁材料を充填する工程(3)と、前記発光素子部が形成された金属基板を、1ないし複数の発光素子部を単位として、切断する工程(4)とを含み、前記工程(1)において形成される前記発光素子部形成領域は、リフレクタ用凹部と当該リフレクタ用凹部の底面より突出した凸部とを有し、前記工程(1)において、前記金属基板の、前記発光素子部形成領域の厚み方向直下を除く領域に、前記スリットと交差するように樹脂溜まり用凹部を形成し、前記工程(3)において、前記凸部を除くリフレクタ用凹部の底部と前記樹脂溜まり用凹部に樹脂を充填することを特徴とする発光装置の製造方法。
【0014】
本発明の発光装置の製造方法において、好ましくは、前記樹脂溜まり用の凹部に充填される樹脂は、前記スリットに充填される絶縁材料と同材料である。
本発明の発光装置の製造方法において、前記発光素子部形成領域が存在する面を表面とするとき、前記樹脂溜まり用の凹部は、前記金属基板の表面側に形成してもよいし、裏面側に形成してもよい。或いは表面および裏面の両方に形成してもよい。表面および/または裏面に形成される樹脂溜まり用の凹部は、貫通孔により金属基板を貫通するものであってもよい。
【0015】
本発明の発光装置の製造方法のさらに別の態様では、前記工程(1)において複数のリフレクタ部を形成し、その一部のリフレクタ部が前記樹脂溜まり用の凹部を兼ねる。この場合、リフレクタ部の形状は同一でもよく異なっていてもよい。例えば、工程(1)において、形状の異なる複数種のリフレクタ部を形成し、そのうち、同種のリフレクタ部に発光素子部を形成し、それ以外のリフレクタ部を前記樹脂溜まり用の凹部とする。
【0016】
本発明の発光装置は、リフレクタ部および前記リフレクタ部を横断し絶縁材料が充填されたスリットを備えた金属基板と、前記金属基板のリフレクタ部に接続された発光素子とを備え、前記金属基板の、前記リフレクタ部が形成された領域の厚み方向直下を除く領域に、前記スリットと交差して、樹脂が充填された凹部を有することを特徴とする。
【0017】
また本発明の発光装置の他の態様は、リフレクタ部および前記リフレクタ部を横断し絶縁材料が充填されたスリットを備えた金属基板と、前記金属基板のリフレクタ部に接続された発光素子とを備え、前記リフレクタ部は、その底面から突出した発光素子搭載用凸部を備え、前記金属基板の、前記リフレクタ部が形成された領域の厚み方向直下を除く領域に、前記スリットと交差するように形成された凹部を有し、前記凹部及び前記リフレクタ部の発光素子搭載用凸部を除く底部に白色樹脂が充填されていることを特徴とする。
なお本発明において、凹部に充填される「樹脂」とは、樹脂組成物を含む広義の樹脂を意味する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、金属基板に複数の発光素子部を形成し、1ないし複数の発光素子部を分割して発光装置を製造する際に、金属基板の、発光素子部が設けられる部分にスリットを設けるとともに、スリットと交差するように凹部を設け、スリット及び凹部を樹脂等で充填することにより、スリットにより分断される金属基板の両側が樹脂により強固に接着されるので、金属基板のスリットにおける接合部の強度を高めることができる。これにより製造工程における接合部の破損を防止し、製品の歩留まりを向上することができる。
【0019】
また凹部は、発光素子部の直下以外の場所に形成されているので、金属基板による放熱性が阻害されることなく、優れた放熱性が保たれる。さらに発光素子部をダイシング等で分離する場合に、樹脂からの削りゴミの発生をなくすことができ、削りゴミにより発光装置の特性が阻害されるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の発光装置の製造工程の一例を示すフロー図
【図2】第一の実施形態による金属板加工を施した金属基板を示す上面図
【図3】第一の実施形態による製造方法の金属加工後の金属基板を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図
【図4】図3の金属基板の凹部等に樹脂を充填した状態を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図
【図5】(a)〜(c)は、図4の金属基板にLED素子を搭載する方法を説明する図
【図6】LED素子搭載後の金属基板の縁部を切断した状態を示す図
【図7】(a)〜(c)は、それぞれパッケージの分離例を示す図
【図8】プリント基板への実装工程を説明する図で、(a)はめっき加工後の状態を示す断面図、(b)および(c)はプリント基板実装後の状態を示す上面図および断面図
【図9】第二の実施形態の発光装置を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図
【図10】第三の実施形態の発光装置を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図
【図11】第四の実施形態の発光装置を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図
【図12】第五の実施形態の発光装置を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図
【図13】第六の実施形態の発光装置を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図
【図14】(a)〜(d)は、第七の実施形態の発光装置を示す上面図
【図15】(a)および(b)は、第八の実施形態の発光装置を示す上面図
【図16】第九の実施形態の発光装置を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図
【図17】本発明の発光装置の製造工程の他の実施形態を示すフロー図
【図18】第十の実施形態による金属板加工を施した金属基板を示す上面図
【図19】第十の実施形態による製造方法の金属加工後の金属基板の一部を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図、(e)は(d)の一部拡大図
【図20】図10の金属基板にLED素子を搭載した状態を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図
【図21】LED素子を搭載後の金属基板の凹部等に白色樹脂を充填した状態を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図
【図22】リフレクタ部に蛍光体含有樹脂を充填した状態を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図
【図23】第十一の実施形態による製造方法で用いる冶具を示す図で、(a)は上面図、(b)および(c)は、それぞれ(a)のA−A線拡大断面図およびB−B線拡大断面図
【図24】実施例の評価方法(b)および結果(a)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明による発光装置の製造方法の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第一の実施の形態>
図1は、第一の実施の形態による発光装置の製造方法の手順を示す図、図2〜図8は、製造方法の各工程における発光装置(製造途中の部品の状態を含む)を示す図である。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態の製造方法は、主として、金属基板に、複数のリフレクタ部及びスリットを形成する金属基板加工工程(S101)と、スリットに絶縁性樹脂を充填する樹脂充填工程(S102)と、リフレクタ部の各々に発光素子部を形成する発光素子部形成工程(S103)と、発光素子部が形成された金属基板を、1ないし複数の発光素子部を単位として、分離する分割工程(S104)、分割した発光素子部をプリント基板に実装する実装工程(S105)からなり、金属基板加工工程(S101)において、スリットと交差するように凹部を形成する工程と、樹脂充填工程(S102)において、凹部に樹脂を充填する工程が含まれることが特徴である。
【0023】
金属基板は、金属製の板状部材であり、熱伝導率および反射率が高く、加工しやすい材料からなるものが好ましい。例えば、Cuの板材にNiメッキ層を施し、その上にAgメッキ層やAuメッキ層を施したものや、Alの板材等が好適に用いられる。金属基板の厚みは、加工性や放熱性の観点から決定する。例えば0.5mm〜1.0mm程度に設定する。
【0024】
金属基板加工工程(S101)では、このような金属基板の一方の面に、複数のリフレクタ部を形成するとともに、これらリフレクタ部を横断するスリットを形成する。図2および図3に、工程(S101)によりリフレクタ部22およびスリット24を形成した後の金属基板20の一実施形態を示す。図3は、図2に示す金属基板の一部を示す図で、(a)は上面図、(b)は上面図のA−A線の断面図、(c)はB−B線の断面図、(d)はC−C線の断面図である。図3の(b)、(d)に示したように、リフレクタ部22は、円錐台を上下反転した形状の窪みで、底面に後述するLED素子がダイボンディングされ、LED素子の発光を反射するリフレクタとして機能する。リフレクタ部22は、金属基板の長方形表面に、直交する2方向に沿って所定の間隔で複数形成される。図示する例では、横4列縦4列のリフレクタ部が形成されているが、リフレクタ部の数(列数)はこれに限定されない。
リフレクタ部22の深さは、LED素子の厚みより大きく、リフレクタ部22に樹脂等を充填したときにも、LED素子の電気的接続に用いられるワイヤが上部から飛び出さない程度とする。具体的には、例えば、金属基板20の厚みが1mm程度として、0.4mm以上とする。
【0025】
また個々のリフレクタ部22の分割を容易にするために、リフレクタ部22の配列方向に沿って複数のV溝26が形成される。V溝26は、図示する実施形態では、金属基板20の上下両面に形成されているが、一方の面のみ形成されたものでもよい。V溝26の厚みは、強度の観点から、0.15mm以下であることが好ましい。なおV溝26に代えて、ミシン目であってもよい。
【0026】
スリット24は、リフレクタ部22にボンディングされるLED素子の2つの電極うち一方が接続される金属基板20の部分と、他方が接続される金属基板20の部分を電気的に絶縁するためのものである。このためスリット24は、リフレクタ部22の列を横断するように、金属基板20を貫通して設けられる。スリットの幅は特に限定されないが、通常、基板の厚みと同程度である。
スリット24によって分断される金属基板20を、最終の切断工程まで一体化しておくために、図2に示すように、スリット24は金属基板20の端部までは達しておらず、金属基板20の端部には、スリット24が形成されていない縁部20aが形成される。この縁部20aを最終的に切り離すために、スリット24の両端にはそれぞれミシン目スリット28が形成される。
【0027】
さらに金属基板20の、リフレクタ部22が形成された面と反対側の面(裏面)には、隣接する2つのリフレクタ部22の間に相当する領域に、スリット24を横切って樹脂溜まり用の凹部21が形成される。凹部21には、次工程(S102)においてスリット24とともに樹脂が充填され、スリット24に充填された樹脂と金属基板との接着力、すなわち金属基板結合部の接着力を補強する。スリット24によって分断された隣接する金属基板20の各部は、スリット24に樹脂を充填することにより接着された状態に保たれるが、その接着力は弱い。特にスリット24に直交する方向の応力に対して、接着力が弱く、製造途中の金属基板20がスリット24の部分で破損しやすい。樹脂溜まりとして機能する凹部21を、スリット24を横切るように設けることにより、金属基板との接着力を高め、製造途中の破損を防止する。
【0028】
凹部21を設ける位置は、LED素子からの発熱を金属基板20によって効率よく放熱させるために、金属基板のLED素子が固定される部分の直下、すなわちリフレクタ部22が設けられた部分に対応する裏面部分以外の領域とすることが重要である。図示する実施の形態では、各リフレクタ部22の両側裏面に、それぞれ2つの細長い凹部21が形成されている。スリット24と直交する方向のV溝(図中、縦方向のV溝)26を形成しない場合、すなわち複数のリフレクタ部を横の列を単位として切り離すように設計された発光装置では、V溝26を挟んで形成される2つの凹部21は、一つの凹部に置き換えることが可能である。
【0029】
また凹部21は、分割工程(S104)で切断される箇所(V溝)を避けることが好ましい。これにより切断の際に、凹部21に充填された樹脂から削屑が発生しないようにできる。
【0030】
凹部21の深さは、接着力を高めるために、0.1mm以上であることが好ましい。また、金属基板20が持つ放熱作用を阻害しないために、金属基板20の厚みの半分程度が好ましい。特にLED素子から横方向に伝播する熱の放熱を阻害しないために、リフレクタ部22の底部の位置に達しない程度の深さであることが好ましい。つまり、金属基板の厚みをdmmとし、リフレクタ部の深さをd1とするとき、凹部21の深さd2は、[d−d1]以下とすることが好ましい。
【0031】
金属基板加工工程(S101)では、以上説明したリフレクタ部22、スリット24、V溝26及び凹部21を、プレス加工やハーフエッチング等のエッチング加工により、同時に或いは個々に形成することができる。例えば、金属基板20の打ち抜き加工でスリット24およびミシン目スリット28を形成した後、片面にプレス加工或いはエッチング加工により、リフレクタ部22およびV溝26を形成し、その裏面にプレス加工或いはエッチング加工により、凹部21および裏面側のV溝26を形成する。
【0032】
次に樹脂充填工程(S102)では、工程(S101)で加工した金属基板のスリット24および凹部21に樹脂をディスペンサにより注入し、充填する。図4は、スリット24と凹部21に樹脂32が充填された状態を示す図で、(a)〜(d)は、それぞれ、上面図、そのA−A線の断面図、B−B線の断面図、C−C線の断面図である。
【0033】
スリット24および凹部21に充填する樹脂32としては、耐熱性のある絶縁性樹脂が用いられる。またLED素子からの光を効率よく外部に出力するために反射率の高い材料が好ましい。さらにLED素子からの熱を放熱しやすくするために、熱伝導性のよい材料が好ましい。このような材料として、例えば、シリコーン系樹脂やエポキシ系樹脂、その他公知の絶縁性エンジニアリングプラスチック類を使用することができる。またこれら樹脂には、反射性や放熱性を高めるために、接着性を阻害しない範囲で、二酸化チタン、アルミナ等の白色顔料を含有させることができる。なおスリット24および凹部21に充填する樹脂は、同種または異なる種類のものでもよい。同種の樹脂を用いた場合には、スリット24と凹部21とに同時に樹脂を注入することが可能となる。
【0034】
スリット24および凹部21への樹脂の注入は、スリット側或いは凹部側から1回で行なってもよいし、2回に分けて行なってもよい。凹部21の形状や注入する樹脂の粘度等により適宜選択することができる。注入後の樹脂を硬化させることにより本工程は完了する。
【0035】
発光素子部形成工程(S103)では、図5(a)に示すように、各リフレクタ部22にLED素子50を固定するとともに電気的に接続する。接続方法は、LED素子の種類によって異なる。例えば、図5(b)に示すように、一方の面に2つの電極が形成されているLED素子50の場合は、電極が形成されていない面を接着剤52でリフレクタ部にダイボンディングした後、上面にある2つの電極を、それぞれスリット24を挟んで絶縁されている金属基板20の一方201および他方202に、Auワイヤ54等によりワイヤーボンディングを行なう。また図5(c)に示すように、アノードとカソードが異なる面に形成されているLED素子50の場合には、例えばアノード電極が形成されたLED素子裏面を、はんだペーストやAg粒子が分散された接着剤等の導電性材料56でリフレクタ部に接着させて電気的にも接続をはかるとともに、別の面に形成されているカソードを、スリット24を挟んで絶縁されている金属基板20の部分202にAuワイヤ54等によりワイヤーボンディングする。
【0036】
金属基板とLED素子の接続後、図6に示すように、金属基板の両縁部20aを切り離し、通電チェックを行なう。この工程は、前工程で行なわれたダイボンディングおよびワイヤーボンディングやLED素子に不良がないかを確認するためのもので、金属基板20の一つの端部と、それと対角位置にある端部との間に通電することにより行なわれる。次いで、各リフレクタ部22にエポキシ樹脂等の封止材70を充填し、個々の発光素子部の形成工程(S103)が完了する。リフレクタ部22に充填する封止材70には、必要に応じて、LED素子が発する光の波長を変換する波長変換材料例えば蛍光体などを添加することができる。例えば、青色LED素子を実装したリフレクタ内に蛍光体入り樹脂70を注入することで白色の光源を実現することが可能である。
【0037】
次に分割工程(S104)において、用途に応じて、発光素子部の1つ又は複数を単位として、切り離す。これらの単位をパッケージと呼ぶ。発光素子部の切り離しは、ダイシング等を用いてもよいし、手で割ることも可能である。V溝26が金属基板20の両側から形成したものである場合には、破断することなく容易に切り離すことができる。V溝26と樹脂溜まりである凹部21とが交差していないので、ダイシングの際に、樹脂32から削屑が発生することはない。
【0038】
切り離し後の発光素子部を図7(a)〜(c)に示す。図中、矢印は通電方向を示す。図7(a)は、単一の発光素子部を切り離した場合を示し、単一素子パッケージの発光装置に用いられる。図7(b)は、金属基板20をスリット24と直交する方向のV溝26に沿って切断し、複数(図では2個)の発光素子部を切り離した場合を示す。この場合には、2個の発光素子部は直列接続されている。図7(c)は、金属基板20をスリット24と平行なV溝26に沿って切断し、複数(図では4個)の発光素子部を切り離した場合を示し、4個の発光素子部は並列接続されている。
【0039】
用途に応じた数および分割方式で分割された発光素子部は、図8(a)に示したように、金属基板の裏面全体にNi、Ni-Au、Su等の金属82でめっき加工した後、図8(b)、(c)に示したように、配線パターン81が形成されたプリント基板80にはんだ83で実装され、発光装置100が完成する(実装工程(S105))。
【0040】
本実施の形態によれば、LED素子を搭載する金属基板の、LED素子の裏側(金属基板の厚み方向の直下)を除く領域に、絶縁用のスリットと交差するように、樹脂溜まりのための凹部21を設けたことにより、金属基板の縁部を切り離した後の工程において、スリット部における金属基板の折れを防止し、作業性を向上することができる。特に凹部21の長手方向が、スリットと直交する方向に延びているので高い補強効果が得られる。
【0041】
また樹脂溜まりは、LED素子の直下を避けて設けられているので、LED素子からの熱に対する金属基板の放熱性を妨げることなく良好な放熱性が維持される。さらに本実施の形態では、樹脂溜まりが、LED素子が設けられた面の裏面に設けられているので、LED素子を表面に高密度実装することができ、また金属基板による高い反射率が維持される。
また樹脂溜まりは、各発光素子部を切り離す分割部分(V溝)を避けて形成されているので、分割工程においてLED素子やワイヤにかかる応力を低減させるとともに、ダイシングによるゴミの発生を抑えることができる。
【0042】
以上、本発明の第一の実施の形態を説明したが、凹部21の形状や位置およびリフレクタの形状について、種々の変更が可能である。
【0043】
<第二の実施形態>
本実施の形態は、第一の実施形態とは、凹部21の形状が異なる。それ以外の構成および製造の各工程(S101〜S105)は第一の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0044】
図9は、本実施形態の発光装置の製造方法の、発光素子部形成工程(S103)終了時の状態を示す図である。本図においても、(a)〜(d)は、それぞれ、上面図、そのA−A線の断面図、B−B線の断面図、C−C線の断面図である。図9に示すように、本実施の形態では、金属基板加工工程(S101)で、金属基板20のリフレクタ部が形成された面の裏面に、X型の凹部21’を形成し、樹脂充填工程(S102)で凹部21’に樹脂を充填し樹脂溜まりとする。本実施の形態でも、凹部21’の位置は、LED素子が固定されるリフレクタ部22の直下を避けていること、スリット24と交差していることは、第一実施の形態と同様である。
【0045】
本実施の形態によれば、第一実施の形態と同様に、金属基板の放熱性や反射性を損なうことなく、樹脂溜まりによりスリット24に充填した樹脂と金属基板との接着性を補強し、製造工程における破損を防止することができる。凹部21’の形状がX型であることにより、発光素子部を分離するためのV溝26と基板厚み方向の上下で重複する部分が生じるが、例えば、複数の発光素子部からなるパーケージについては、切り離されないV溝26の強度を強化することができる。
【0046】
<第三の実施形態>
本実施の形態は、第一および第二の実施の形態とは、凹部21を形成する位置が異なる。それ以外の構成および製造の各工程(S101〜S105)は第一の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0047】
図10は、本実施形態の発光装置の、発光素子部形成工程(S103)終了時の状態を示す図である。本図においても、(a)〜(d)は、それぞれ、上面図、そのA−A線の断面図、B−B線の断面図、C−C線の断面図である。
図10に示すように、本実施の形態では、金属基板加工工程(S101)で、金属基板20のリフレクタ部22が形成された面に、各リフレクタ部の両側にスリット24を横切るように凹部21を形成し、工程(S102)で凹部21に樹脂を充填し樹脂溜まりとする。凹部21の深さは、接着性を向上させるために0.1mm以上であることが好ましく、放熱性を高く保つためには、リフレクタ部の深さ以下であることが好ましい。また、本実施形態では、LED素子が搭載される面の反射性を高く保つために、凹部21に充填される樹脂として二酸化チタン等の白色顔料を含む反射率の高い材料を用いる。なお図では、凹部21の形状は第一実施形態と同様に略直方体の形状としているが、これに限定されず、例えば第二の実施形態と同様のX型としてもよいし、スリット24に直交するV溝26がない場合には、隣り合う2つの凹部21を一体化し一つの凹部としてもよい。
【0048】
本実施形態によれば、第一および第二の実施形態と同様に、金属基板の放熱性や反射性を損なうことなく、樹脂と金属基板との接着性を補強することができる。また本実施形態では、凹部21をリフレクタ部22と同じ面に設けるので、工程(S101)において片側からの1回のプレス加工で形成することができる。工程(S102)においてもディスペンサによる樹脂充填を同一面側から行なうことができ、工程を簡略化することができる。またリフレクタ部より下側にある金属基板20の部分が凹部21によって遮られないため、金属基板20による高い放熱効果が得られる。
【0049】
<第四〜第六の実施形態>
本実施の形態は、第一〜第三の実施の形態の強度の向上を図った変更例である。それ以外の構成は第一の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0050】
図11は第四の実施形態において発光素子部形成工程(S103)を終了した状態を示す図で、この実施形態では、金属基板20のリフレクタ部が形成された面(表面とする)の裏面に、リフレクタ部の直下を避けて凹部21が形成されることは第一の実施形態と同様であるが、本実施形態では、凹部21は表面に貫通する貫通孔21aが形成されている。図では凹部21毎に2つの貫通孔21aが示されているが、貫通孔21aは1つでも3以上であってもよい。
【0051】
本実施の形態は、第一の実施の形態と同じ効果を奏するが、凹部21が貫通孔21aを有していることにより、樹脂と金属基板との接着性をさらに向上させることができる。また工程(S102)においてディスペンサで樹脂を充填する際に、スリット24への充填とともに貫通孔21aを介して凹部21への充填を表面側から行なうことができる。凹部21への樹脂の充填を確実にするために、両側から樹脂を充填してもよいことは勿論である。
【0052】
図12は第五の実施形態において発光素子部形成工程(S103)を終了した状態を示す図で、この実施形態では、同一形状の凹部21を金属基板20の両面、すなわちリフレクタ部が形成された面とその裏面に設けることにより樹脂と金属基板との接着性を向上させたものである。凹部21に充填する樹脂としては、第三の実施形態と同様に、LED素子が搭載される面の反射性を高く保つために、高い反射性を持つ樹脂を用いる。
【0053】
第六の実施の形態は、第五の実施の形態における樹脂充填作業性を改良するもので、図13に示すように、上下に設けた凹部21との間に、スリット24とは別に貫通孔21bを形成している点が特徴である。貫通孔21bの数は、図示する2つに限らない。本実施の形態は、樹脂と金属基板との接着性をさらに向上させることができ、しかも上下の2つの凹部21が貫通孔21bによってつながっているので、工程(S102)において片側(表面側)からの樹脂充填が可能となり、工程を簡略化できる。
なお図11〜図13では、第一の実施形態と同じ形状の凹部21を示したが、凹部21の形状を適宜変更できることは第三の実施の形態と同様である。
【0054】
<第七および第八の実施形態>
第一〜第六の実施形態では、凹部21をリフレクタ部22とは別に設け、これを樹脂溜まりとして利用したものであるが、以下説明する実施の形態ではリフレクタ部自体を樹脂溜まりとして利用する。製造工程は、図1に示す第一の実施形態の製造工程と同じであるが、金属基板加工工程(S101)では、リフレクタ部22、スリット24、V溝26、およびミシン目スリット28が形成される。第一〜第六の実施形態の凹部21に相当する凹部は設けてなくてもよい。また樹脂充填工程(S102)では、工程(S101)で形成された複数のリフレクタ部22のうち、一部のみに樹脂を充填して樹脂溜まりとし、発光素子部形成工程(S103)では樹脂を充填しなかったリフレクタ部にLED素子をダイボンディングして発光素子部を形成する。
【0055】
図14(a)〜(d)は、それぞれ、第七の実施形態を示す図である。ここでは複数の発光素子部が横一列の場合を示しているが、図2に示す実施形態と同様に複数列であってもよい。本実施形態では、金属基板加工工程(S101)において、同一形状の複数のリフレクタ部22が所定の間隔(比較的密な間隔)で形成される。この工程で、スリット24、V溝26及びミシン目スリット28を形成することは第一の実施形態と同じであるが、裏面の凹部21に相当する凹部は形成されなくてもよい。樹脂充填工程(S102)では、これら複数のリフレクタ部22のうち、一部のリフレクタ部22aを除くリフレクタ部22bに、樹脂を充填する。発光素子部となるリフレクタ部22aは、その配列ピッチが目的とする発光装置の素子ピッチとなるように選択される。図14(a)では一つおきに樹脂が充填され、(b)では3つを単位として2番目と3番目のリフレクタ部22bに、(c)では4つを単位として2番目〜4番目のリフレクタ部22bに、それぞれ樹脂が充填された状態を示している。(d)は、1素子パッケージ用の発光素子部と、複数素子パッケージ用の発光素子部を作製する場合で、複数のリフレクタ部のうち、2番目、3番目及び5番目のリフレクタ部22bに樹脂が充填さている。
【0056】
発光素子部形成工程(S103)では、工程(S102)で樹脂が充填されていないリフレクタ部22aにLED素子をダイボンディング、ワイヤーボンディングし、発光素子部を形成する。その後、発光素子部をパッケージ毎に切り離し(分割工程S104)、プリント基板に実装し(実装工程S105)、発光装置とする。
【0057】
図15は、第八の実施形態を示す図である。本実施形態では、金属基板加工工程(S101)において、形状の異なる複数種のリフレクタ部を交互に形成する。図では一例として、上面から見た形状が円形のもの22cと正方形のもの22dの2種類が形成されている。この工程で、スリット24、V溝26及びミシン目スリット28を形成することは第一の実施形態と同じであるが、裏面の凹部21に相当する凹部は形成されなくてもよい。樹脂充填工程(S102)では、複数種のリフレクタ部のうち同一の形状のリフレクタ部、例えば正方形のリフレクタ部22dのみ(図15の(a))或いは円形のリフレクタ部22cのみ(図15の(b))に樹脂を充填し、樹脂を充填しなかったリフレクタ部にLED素子を搭載する。
【0058】
本実施の形態によれば、1つの金属基板を用いてリフレクタ部の形状の異なる複数種の発光装置を製造することができる。
このように第七及び第八の実施の形態は、発光素子のピッチが異なる発光装置やリフレクタ形状の異なる発光装置など多種・多様な発光装置を一つの金属基板から形成する場合に適している。
【0059】
<第九の実施形態>
以上説明した第一〜第八の実施形態では、リフレクタ部を金属基板に形成した場合を説明したが、本発明は、リフレクタ部(逆円錐台形の窪み)を金属基板に形成しない場合にも適用することができる。このような実施形態を図16に示す。本実施形態では、金属基板加工工程S101において、V溝26およびミシン目スリット(不図示)が形成されるとともに、V溝26で囲まれる発光素子形成領域(工程(S103)でLED素子が固定される位置)に対して、それを横断するスリット24と、樹脂溜まりとなる凹部21が形成される。凹部21は、スリット24と交差する位置であって、基板表面或いは裏面に形成される。
リフレクタは、必要に応じて、別途作製したものを分割工程(S104)の後で接着するようにしてもよいし、切り離し工程に先立って、V溝26を避けて形成してもよい。これによりリフレクタを構成する樹脂の削りゴミの発生を防止できる。
【0060】
<第十の実施形態>
本実施形態の発光装置の製造方法は、第一〜第九の実施形態の製造方法では、スリット及び樹脂溜まり用凹部に樹脂を充填した後、LED素子を搭載したのに対し、金属基板にLED素子搭載用凸部のあるリフレクタ部を作成し、この凸部にLED素子を搭載した後、スリット、樹脂溜まり用凹部およびリフレクタ部の底部に樹脂を充填する点が特徴である。本実施形態の製造方法において用いる材料、具体的には金属基板用金属、LED素子、充填用樹脂、蛍光体入り樹脂については、特記しない限り、上述した材料と同様である。
【0061】
図17は、第十の実施の形態による発光装置の製造方法の手順を示す図、図18〜図22は、製造方法の各工程における発光装置(製造途中の部品の状態を含む)を示す図である。
【0062】
図17に示すように、本実施の形態の製造方法は、主として、金属基板に、複数のリフレクタ部、スリット及び樹脂溜まり用凹部を形成する金属基板加工工程(S701)と、各リフレクタ部の凸部に発光素子を搭載する発光素子搭載工程(S702)と、スリット、樹脂溜まり用凹部及びリフレクタ部の底部に絶縁性樹脂を充填する樹脂充填工程(S703)と、金属基板の両端を切断除去し、発光素子の通電チェックを行う工程と(S704)と、リフレクタ部に蛍光体含有樹脂を充填する工程(S705)と、発光素子部が形成された金属基板を、1ないし複数の発光素子部を単位として、分離する分割工程(S706)、分割した発光素子部をプリント基板に実装する実装工程(S707)からなる。
【0063】
図17に示す各工程のうち、工程S706と工程S707は、図1に示す第一の実施形態の製造方法の工程S104、工程S105と同様である。以下、第一の実施形態と異なる工程を中心に説明する。
【0064】
まず、金属基板加工工程(S701)では、金属基板の一方の面に、複数のリフレクタ部を形成するとともに、これらリフレクタ部を横断するスリットを形成する。金属基板は、プレス加工やハンドリングの面から、第一実施形態のものより厚みの厚いもの、具体的には厚み1.4〜2.0mm程度の金属板を用いる。
【0065】
図18および図19に、工程(S701)によりリフレクタ部62およびスリット64を形成した後の金属基板60の一実施形態を示す。図18は金属基板60を上面から見た図であるが、スリットとそれ以外の部分をわかりやすくするため金属部分はハッチングで示している。図19は、図18に示す金属基板のうち一つの発光素子部に相当する部分を示す図で、(a)は上面図、(b)は上面図のA−A線の断面図、(c)はB−B線の断面図、(d)はC−C線の断面図、(e)は(d)の一部拡大図である。
【0066】
図19の(b)、(d)に示すように、リフレクタ部62は、円錐台を上下反転した形状の窪みで、その底面にLED素子をダイボンディングするための凸形状(発光素子搭載用凸部)62aが形成されている。凸部62aを除く底面と円錐状の側面は、後述する工程において白色樹脂に覆われ、LED素子の発光を反射するリフレクタとして機能する。白色樹脂は、凸部62aの上面と同じかそれより低い高さまで充填される。この白色樹脂の厚みを反射性が得られる十分な厚みとするため、凸部62aの高さhは、0.1mm以上であることが好ましく、特に底部に充填された白色樹脂の全面に0.1mm以上の厚みを持たせたときでも凸部62aの上面に這い上がるのを防止するためには0.4mm以上であることが好ましい。
【0067】
ただし、リフレクタ部62に蛍光体含有樹脂を充填したときに、LED素子の電気的接続に用いられるワイヤが上部から飛び出さないために、また色の均一度を得ることが可能な蛍光体含有樹脂の厚みを確保するために、LED素子の高さと凸部62aの高さhとの合計が、リフレクタ部62の深さより小さい必要がある。LED素子の厚みにもよるが、具体的には、蛍光体含有樹脂の厚み(凸部62a上面から蛍光体含有樹脂層の表面までの距離)は、0.4mm〜1mm程度あることが好ましい。従ってリフレクタ部62の深さは、上記の凸部62aの高さを加え0.5mm以上であることが好ましい。特に0.8mm以上であることが好ましい。さらには、搭載されるチップ厚み分を加えて対応することが好ましく、厚み0.1mmのチップでは、凸部62aの高さ0.1mm以上、チップの厚み0.1mm、蛍光体含有樹脂の厚み0.4mm以上を考慮し、0.6mm以上が好ましいと言える。
【0068】
また凸部62aの上面の面積は、LED素子の底面積より大きいことが望ましく、例えば、その外周が素子の外周より0.3mm以上であることが望ましい。
上記構成のリフレクタ部62は、図18に示すように、金属基板60の長方形表面に、直交する2方向に沿って所定の間隔で複数形成される。図示する例では、横4列縦4列のリフレクタ部が形成されているが、リフレクタ部の数(列数)はこれに限定されない。
なお図示する例ではリフレクタ部は円錐台を上下反転した形状としているが、リフレクタ部の形状は、この形状に限らず円筒状であってもよい。
【0069】
リフレクタ部62の列を横断するように、金属基板60を貫通するスリット64を設けること、またスリット64の両端に金属基板60を一体化しておくためのミシン目スリット68を形成することは第一の実施形態と同様である。スリットの幅は、プレス加工で形成する場合には、加工上の限界から金属基板の厚みと同等以上となる。厚み1.4mmの金属基板を用いた場合、1.4mmが最小スリット幅となる。プレス加工のほかに、エッチングや切削により形成することも可能であり、その場合には、金属基板の厚みより薄くすることも可能である。リフレクタ部62におけるスリット64の位置は、凸部62aの一端に沿って、その外側に位置するようにする。
【0070】
また金属基板60の、隣接する2つのリフレクタ部62の間に相当する領域に、スリット64を横切って樹脂溜まり用の凹部61が形成される。図示する実施形態では、樹脂溜まり用凹部61の形状および形成位置は、図10に示す第三の実施形態と同様であり、リフレクタ部62が形成された面に略直方体形状の凹部が2つ平行に形成されているが、形状や位置は、上述した第一、第三〜第六の実施形態と同様に変更することが可能である。例えば、形状を図9に示すようなクロス形状にしてもよいし、また形成位置を、リフレクタ部62が設けられた部分に対応する領域を除く裏面側(リフレクタ部が設けられた面と反対の面)にすることも可能である。さらに図11〜図13に示す実施形態のように、樹脂溜まり用の凹部を両面に設けたり、貫通孔を設けるなどの変更も可能である。
【0071】
個々のリフレクタ部62の分割を容易にするために、リフレクタ部62の配列方向に沿って複数のV溝66或いはミシン目等を形成することは第一の実施形態と同様である。
【0072】
金属基板加工工程(S701)では、以上説明した樹脂溜まり用凹部61、リフレクタ部62、スリット64、及びV溝66を、プレス加工やハーフエッチング等のエッチング加工により、同時に或いは個々に形成することができる。例えば、金属基板60の打ち抜き加工でスリット64およびミシン目スリット68を形成した後、片面にプレス加工或いはエッチング加工により、凹部61、リフレクタ部62およびV溝66を形成し、その裏面にプレス加工或いはエッチング加工により、裏面側のV溝66を形成する。
【0073】
次に発光素子搭載工程(S702)では、リフレクタ部62の凸部62a上面に、LED素子を実装する。図20(a)〜(d)にLED素子50を実装した状態を示す。図示する例では、LED素子50として、裏面がサファイア基板からなるフェイスアップのダブルワイヤー素子が用いられている。このようなLED素子50の場合、白色シリコーン接着剤等のダイアタッチ剤で凸部62a上面に接着した後、LED素子のカソード及びアノードを、スリット64で分離された金属基板の両側の一方と他方とに、それぞれAuワイヤ54等で接続し、LED素子同士を電気的に接続する。なお、アノードとカソードが異なる面に形成されているLED素子の場合には、一方の電極が形成された面を、銀等のフィラーが入った導電性のシリコーン接着剤で接着する方法、或いは実装面に部分Auメッキ加工を施し、はんだ共晶接合により接着する方法などを採用して金属基板に電気的にも接続をはかるとともに、表面の電極をAuワイヤ等で、スリットにより分断された金属部分に接続する。
【0074】
樹脂充填工程(S703)では、凹部61、スリット64、及びリフレクタ部62の底部に白色の絶縁性樹脂(以下、白色樹脂ともいう)をディスペンサにより注入し、充填する。図21は、凹部61、スリット64、及びリフレクタ部62に白色樹脂32が充填された状態を示す図で、(a)は、上面図、(b)〜(d)は、そのA−A線の断面図、B−B線の断面図、C−C線の断面図である。
【0075】
樹脂をリフレクタ部62の底部に注入すると、図21(b)に示すように、樹脂が表面張力により逆円錐形の内壁部を這い上がる結果、凸部62aを除く底部と内壁部とが白色樹脂で被覆される。一方、凸部62aに高さがあるため、凸部62aの上面への樹脂の這い上がりが抑制され、素子側面を白色樹脂が覆うことによる光束低下を防ぐことができる。このようにリフレクタ部62の底部と内壁部とが白色樹脂で覆われることにより、高い反射性が得られるとともに、リフレクタ部62におけるスリット64の高さより高い位置まで白色樹脂の層が存在することになるので、スリット64だけに樹脂を充填した場合に比べ、スリット64の両側の金属基板の接着力を高めることができる。注入後の樹脂を硬化させることにより本工程は完了する。
【0076】
次に、金属基板の両縁部を切り離し、通電チェックを行ない(工程S7045)、LED素子に不良がないかを確認した後、リフレクタ部62に蛍光体入り樹脂を充填する(工程S705)。充填方法としては、ポッティングや印刷等を採用することができ、いずれの場合の色温度のバラツキが少なくなるように、充填量や厚みを調整する。蛍光体入り樹脂70が充填された状態を図22に示す。
【0077】
その後、1ないし複数の発光素子部を単位として、分割し(工程S706)、分割した発光素子部をプリント基板に実装する(工程S707)ことは、第一の実施形態と同様であり、分割の仕方も図7(a)〜(c)に示したように、1素子パッケージ用分割、シリーズ接続用分割、パラレル接続用分割など任意である。
【0078】
本実施形態によれば、リフレクタ部の底部に発光素子搭載用凸部を形成し、スリットと樹脂溜まり用凹部に白色樹脂を充填する際に、リフレクタ部についても、発光素子搭載用凸部を除く底部と側面とを白色樹脂で覆うようにしたことにより、金属面を反射面とする場合よりも反射率を向上することができ、光の取り出し効率を高めることができる。具体的には、Alでは反射率が約80%程度であるのに対し、白色樹脂では90〜95%の反射率を達成できる。またリフレクタ部の底部に白色樹脂の層が形成されることにより、スリットで分割された金属基板を接着させる機能(スリットと樹脂溜まり用凹部に充填された白色樹脂の機能)をさらに強化することができ、製造時の作業性を向上することができる。これはリフレクタ部底部の白色樹脂がスリットをまたぐように分割されたそれぞれの金属基板に密着しているため、その密着力がスリットに充填された樹脂による密着力と合わさり、その分強固となるためである。また、スリットに充填する樹脂とリフレクタ部底部の白色樹脂を一度に充填することで、これら樹脂同士の界面は生じずより強固となる。その結果、第一或いは第三の実施形態に比べ樹脂泊り用凹部の幅を小さくすることができるので、隣接するリフレクタ部の間隔を狭めることができ発光装置全体の小型化を図ることができる。
【0079】
また本実施形態は、製造工程における金属基板の補強としての樹脂充填と、リフレクタの反射部の形成とを、同一工程で行うことができるという効果も得られる。
【0080】
<第十一の実施形態>
本実施形態は、上述した各実施形態における絶縁性樹脂充填工程、具体的にはスリットへの樹脂充填工程の改善に関するものであり、そのための冶具に関する。従って、本実施形態は、上述した第一〜第十のすべての実施形態に適用することができる。
【0081】
図23に、本実施形態の発光装置の製造方法に用いる冶具90示す。図23(a)は上面図、(b)、(c)は(a)のA−A線一部拡大断面図、B−B一部拡大断面図である。
【0082】
この冶具90は、金属基板を固定するための板材91と、板材91の溝91aに係合する凸状部材92とからなる。凸状部材92は、離型性のよいフッ素樹脂等の材料からなり、板材91に対し着脱自在に取り付けられる。板材91は金属等の板からなり、金属基板より大きなサイズを有し、金属基板60を密着固定するための機構、例えば吸着する構造やネジ止め構造を有している。吸着する構造として、例えば吸着用の穴が数か所設けられ、その穴を吸引ポンプ等に接続することにより、板材91上に載置された金属基板を板材91に密着固定させることができる。板材91の溝91aは、金属基板のスリットに対応する部分に形成されている。図示する例では、図18に示す金属基板に対応する4本の溝91aが形成されている。ただし、スリットが金属基板の端部には達していないのに対し、溝91aは板材91の一端から他端まで形成されている。
【0083】
溝91aと凸状部材92は、図23(b)、(c)に示すように、ほぼ同じ断面形状を有しているが、線状部材92を板材91に係合した状態において、スリット64が存在する部分における凸状部材92の形状は、板材91の表面から若干突出しており、スリットが存在しない金属基板の端部に対応する両端の部分では、凸状部材92と板材91とは段差がない構造となっている。この構造により、凸状部材92を取り付けた板材91の上に金属基板を密着させたときに、スリット64に凸状部材92の一部がスリット内に入り、金属基板の周囲の領域を含む、スリット以外の部分では、金属基板と板材91とが密着することができる。
【0084】
スリットへの樹脂充填工程(図1の工程S102、図17の工程S703)では、このように金属基板20、60を冶具90に密着させた状態で、スリット24、64内に白色樹脂を充填する。充填後は、冶具90から金属基板を外し、次の工程に進む。金属基板を取り外した後の冶具90は、必要に応じて、凸状部材92に付着した白色樹脂を拭き取り、繰り返し使用できるようにする。
【0085】
本実施形態によれば、従来スリットへの樹脂充填に必須であった裏打ちテープ等の使用を不要にすることができ、コスト削減を図れることができるのに加え、テープを剥がす際に、金属基板やその上に搭載された発光素子部に負荷が掛かかるのを防止することができる。特に図17に示すような、樹脂充填工程の前にLED素子搭載工程を行うフローでは、樹脂充填後にLED素子を接続するワイヤに負荷がかかるのを防止することができ、断線による歩留まり低下を防ぐことができる。
【実施例】
【0086】
本発明の効果を確認するため下記の実験を行なった。
金属基板として、厚み0.7mm、12.0mm×10.0mmのAl板を用意し、その中央に長手方向に沿って、幅0.7mmのスリットを形成し、シリコーン樹脂(信越化学工業社製:LPS-8433W-2)を注入、硬化した。これを比較例の試料とした。
比較例の試料と同じAl板を用意し、その中央に長手方向に沿って、幅0.7mmのスリットを形成するとともに、スリットの両端部に、スリットに直交して、幅1.5mm、長さ6.0mm、深さ0.3mmの凹部をそれぞれ形成し、スリットと凹部に比較例と同じシリコーン樹脂を注入、硬化した。これを実施例1の試料とした。
【0087】
別に、金属板として、厚み0.7mm、12.0mm×10.0mmのAl板を用意し、中心に高さ0.4mm、1.0mm×1.0mmの凸部を持つ、直径4.0mm、深さ0.8mmの円筒状の凹部を、Al板の中央に形成すると共に、凸部の一端に沿って幅1.4mmのスリットを形成した。またAl板の両側にスリットに直交して、幅1.5mm、長さ6.0mm、深さ0.8mmの凹部をそれぞれ形成した。これら円筒状凹部、スリットおよび両端の凹部に、比較例と同じシリコーン樹脂を注入、硬化した。これを実施例2の試料とした。
【0088】
上記比較例および実施例1、2の試料をそれぞれ5個作製し、それぞれについてAl板の接合部の強度をシェア強度測定機(DAGE-SERIES-4000、DAGE社)を用いて測定した(図24(b))。測定結果を図24(a)に示す。図中、「MIN」は5個の試料のうち強度が最小であったものの値、「AVE」は平均値、「MAX」は5個の試料のうち強度が最大であったものの値を示す。
【0089】
図示する結果からもわかるように、スリットの両端に樹脂溜まりを設けたことにより、スリット内の樹脂によって接合された金属基板の接合強度が、樹脂溜まりを設けない場合に比べ、3〜4倍向上した。
また中央に円筒状凹部を設けた場合には、さらに接合強度が向上した。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明によれば、金属板を基板として用いて製造した発光装置において、金属基板の接合部(スリット部)の強度が向上され、製造時および製品後においても強度の優れた発光装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0091】
20、60・・・金属基板、21、61・・・樹脂溜まり用凹部、21a、21b・・・貫通孔、22、62・・・リフレクタ部(発光素子部形成領域)、リフレクタ部(発光素子部形成領域)・・・22a、22b・・・樹脂溜まりを兼ねたリフレクタ部、 24、64・・・スリット、26、66・・・V溝、32・・・樹脂、50・・・LED素子、52・・・接着剤、54・・Auワイヤ、70・・・封止材(蛍光体入り樹脂)、80・・・プリント基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板に、発光素子部形成領域を横断するスリットを形成する工程(1)と、前記スリットに絶縁材料を充填する工程(2)と、前記発光素子部形成領域に発光素子部を形成する工程(3)と、前記発光素子部が形成された金属基板を、1ないし複数の発光素子部を単位として、切断する工程(4)とを含み、
前記工程(1)において、前記金属基板の、前記発光素子部形成領域の厚み方向直下を除く領域に、前記スリットと交差するように樹脂溜まり用の凹部を形成し、前記工程(2)において、前記凹部に樹脂を充填することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項2】
金属基板に、発光素子部形成領域および当該発光素子部形成領域を横断するスリットを形成する工程(1)と、前記発光素子部形成領域に発光素子部を形成する工程(2)と、前記スリットに絶縁材料を充填する工程(3)と、前記発光素子部が形成された金属基板を、1ないし複数の発光素子部を単位として、切断する工程(4)とを含み、
前記工程(1)において形成される前記発光素子部形成領域は、リフレクタ用凹部と当該リフレクタ用凹部の底面より突出した凸部とを有し、
前記工程(1)において、前記金属基板の、前記発光素子部形成領域の厚み方向直下を除く領域に、前記スリットと交差するように樹脂溜まり用凹部を形成し、
前記工程(3)において、前記凸部を除くリフレクタ用凹部の底部と前記樹脂溜まり用凹部に樹脂を充填することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の発光装置の製造方法であって、
前記工程(1)は、前記金属基板の発光素子部形成領域にリフレクタ部を形成する工程を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載の発光装置の製造方法であって、
前記工程(3)は、リフレクタ用凹部の底部と樹脂溜まり用凹部に樹脂を充填した後、前記リフレクタ用凹部に波長変換材料を含む樹脂を充填する工程を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか1項に記載の発光装置の製造方法であって、
前記凹部に充填される樹脂は、前記スリットに充填される絶縁材料と同材料であることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか1項に記載の発光装置の製造方法であって、
前記凹部は、前記金属基板の、前記発光素子部形成領域が存在する面を表面とするとき、表面側に形成されることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項7】
請求項2ないし6のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法であって、
前記リフレクタ部は複数形成され、前記複数のリフレクタ部のうち一部のリフレクタ部が前記樹脂溜まり用の凹部を兼ねることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の発光装置の製造方法であって、
前記工程(1)において、形状の異なる複数種のリフレクタ部を形成し、そのうち、同種のリフレクタ部に発光素子を接続し、それ以外のリフレクタ部を前記樹脂溜まり用の凹部とすること特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし5いずれか1項に記載の発光装置の製造方法であって、
前記凹部は、前記金属基板の、前記発光素子部形成領域が存在する面を表面とするとき、裏面側に形成されることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の発光装置の製造方法であって、
前記スリットに絶縁材料を充填する工程は、前記金属基板と同じかそれより大きいサイズの冶具であって、前記スリットに対応する位置に離型性の凸部が形成された冶具を、前記凸部が前記スリットの底部を封止するように前記金属基板に密着した後、前記スリットに絶縁材料を充填することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項11】
リフレクタ部および前記リフレクタ部を横断し絶縁材料が充填されたスリットを備えた金属基板と、前記金属基板のリフレクタ部に接続された発光素子とを備えた発光装置であって、
前記金属基板の、前記リフレクタ部が形成された領域の厚み方向直下を除く領域に、前記スリットと交差して、樹脂が充填された凹部を有することを特徴とする発光装置。
【請求項12】
リフレクタ部および前記リフレクタ部を横断し絶縁材料が充填されたスリットを備えた金属基板と、前記金属基板のリフレクタ部に接続された発光素子とを備えた発光装置であって、
前記リフレクタ部は、その底面から突出した発光素子搭載用凸部を備え、
前記金属基板の、前記リフレクタ部が形成された領域の厚み方向直下を除く領域に、前記スリットと交差するように形成された凹部を有し、
前記凹部及び前記リフレクタ部の発光素子搭載用凸部を除く底部に白色樹脂が充填されていることを特徴とする発光装置。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の発光装置であって、
前記凹部を充填する樹脂は、前記スリットに充填された絶縁材料と同材料であることを特徴とする発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−129876(P2011−129876A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212382(P2010−212382)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】