説明

発光装置およびその製造方法

【課題】小型で、光取り出し効率が高く、色ムラの少ない発光装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板10上に複数の発光素子11を有し、複数の発光素子は蛍光体含有樹脂層13によって覆われ、蛍光体含有樹脂層の上には板状光学層14が設置された発光装置を提供する。蛍光体含有樹脂層は発光素子側面と板状光学層底面を結ぶ傾斜面130を形成し、発光素子同士の間隙においては発光素子の側面を結ぶ湾曲面131を形成している。傾斜面、湾曲面は発光素子側面から照射される光を照射面に向かって反射することで、光取り出し効率の高い小型の発光装置としている。さらに蛍光体含有樹脂層は発光素子の直上領域が、傾斜面直上領域、湾曲面直上領域よりも蛍光体濃度が高くなるように設けられている。また、傾斜面直上領域と湾曲面直上領域においても蛍光体濃度が異なるように設けられている。これにより、色ムラを低減することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光素子と発行素子からの光の波長を変換する蛍光体含有樹脂層を有す発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子の発光方向に蛍光体のような波長変換部材を設置し、発光素子からの光の一部の波長を変換させることにより、発光素子からの光と蛍光体からの蛍光を混色させた発光装置が知られている。
【0003】
特開2004-40099ではキャビティ内に発光素子を設置し、側面方向は反射性の充填樹脂で反射面を設け、発光素子は透明な樹脂で覆うことが開示されている。
【0004】
特開2009-218274では発光素子直上に板状の波長変換層を設置し、発光素子側面は反射部材で覆うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-40099
【特許文献2】特開2009-218274
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のようにあらかじめ成型されたキャビティを用いると、発光面となる開口部の大きさは成型の精度によって決定される。そのため、発光面積を小さくし、発光効率を向上させることは出来ないという問題があった。
【0007】
特許文献2のように発光素子側面に直接反射面を設けると、光は発光素子に反射され、吸収されることで光取り出し効率が下がってしまうといった問題があった。
【0008】
本発明の課題は、小型で、光取り出し効率が高く、色ムラの少ない発光装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題に対し本発明では以下のような発光装置を提供する。すなわち、基板上に複数の発光素子を有し、複数の発光素子は蛍光体含有樹脂層によって覆われ、蛍光体含有樹脂層の上には板状光学層が設置された発光装置を提供する。蛍光体含有樹脂層は発光素子側面と板状光学層底面を結ぶ傾斜面を形成し、さらに、発光素子同士の間隙においては発光素子の側面を結ぶ湾曲面が形成している。さらに蛍光体含有樹脂層は発光素子の直上領域が、傾斜面直上領域、湾曲面直上領域よりも蛍光体濃度が高くなるように設けられている。また、傾斜面直上領域と湾曲面直上領域においても蛍光体濃度が異なるように設けられている。
【0010】
本発明ではまた以下のような発光装置製造方法を提供する。すなわち、基板上に発光素子を設置し、発光素子上面に蛍光体を含有させた第1樹脂を設け、発光素子上面と対向する面に第1樹脂よりも蛍光体濃度が低い第2樹脂を設けた板状光学部材を用意し、板状光学部材を第2樹脂が発光素子の端部よりも外周の位置で発光素子上に重ねていき、第1樹脂と第2樹脂が一体となった蛍光体含有樹脂層を形成し、蛍光体含有樹脂層は表面張力によって発光素子側面と板状光学部材の発光素子上面と対向する面とを結ぶ傾斜面を形成させる発光装置製造方法を提供する。
【0011】
また、発光素子が複数であって、板状光学部材の発光素子上面と対向する面には第1樹脂よりも蛍光体濃度が低い第3樹脂がさらに設けられ、第3樹脂は発光素子同士の間隙の上方となる位置で発光素子と板状光学層は重ねられ、蛍光体含有樹脂層は第1樹脂と第2樹脂と第3樹脂とが一体となって形成され、発光素子間隙には発光素子側面同士を結ぶ湾曲面を形成させる発光装置製造方法とすることも可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、傾斜面が発光素子側面から発光面となる板状光学層の底面に向かって形成されている。発光素子側面から照射される光は傾斜面が反射面として機能し発光面方向に反射されるため、発光素子に戻り、吸収される光は減少し、光取り出し効率は高くなる。また、蛍光体含有樹脂層は発光素子の直上領域の蛍光体濃度が、傾斜面直上の蛍光体濃度よりも高いため、発光面全体での色ムラを少ない発光装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図
【図2】図1の発光装置の蛍光体含有層の蛍光体濃度を示す模式図
【図3】発光素子からの方向が異なる外周領域を示す本発明の上面図
【図4】(a)~(e)本発明の製造工程を示す説明図
【図5】第2樹脂と第3樹脂ポッティング位置を表す板状光学層底面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1は本発明の発光装置の一実施形態である。発光素子11の側方から照射される光を上方に反射させるための傾斜面130および湾曲面131が設けられ、光取り出し効率を改善させている。また、蛍光体含有樹脂層13において発光素子11の直上領域が傾斜面130及び湾曲面131の直上領域よりも濃度を高くすることで、装置全体の色ムラを改善させている。
【0016】
発光素子11はサブマウント基板10にバンプ12を介して搭載されている。サブマウント基板10は、例えばあらかじめAuなどで設けられた配線パターンを有しているAlNセラミックス製基板を用いる。この配線パターン上によって導通されるように発光装置11はバンプ12を介して搭載される。
【0017】
図1において発光素子11は2つ搭載した。数はこれに限らず3以上でも良い。いずれにしても、発光素子11の端部の辺同士が向かい合うように所定の間隔をあけて搭載される。
【0018】
蛍光体含有樹脂層13は、基材となる樹脂には発光装置11からの光に対し透明なものが用いられ、含有される蛍光体には発光装置11からの光によって励起されるものが用いられる。これにより発光装置の発光は発光素子11からの光と蛍光体からの蛍光が混色されたものとなる。例えば、白色の発光装置の場合、発光素子11には青色発光素子、基材にはシリコーン樹脂、蛍光体にはYAG、オルトシリケートなどの黄色蛍光体が組み合わせて用いられる。
【0019】
蛍光体含有樹脂層13には蛍光体以外にも、さらに散乱材やビーズなどを混入させていてもかまわない。ビーズは同時に混入される蛍光体粒子、散乱材よりも粒径の大きいものを使用する。これにより、発光素子11の上面と板状光学層14底面との膜厚を決めるスペーサーとして機能する。
【0020】
板状光学層14は発光素子11上面よりも大きいもので、上面視においてその内側に発光素子11が位置されるように置かれる。板状光学層14の上面が発光装置の発光面となる。板状光学層14は発光素子11および蛍光体からの光に対し透明な材料が用いられる。板状光学層14自体にも蛍光を発する機能があってもよく、蛍光セラミックス、蛍光ガラス、蛍光体プレートなどでも良い。
【0021】
傾斜面130は板状光学層14の底面と発光素子11の側面を結んで形成されている。図1においては板状光学層14の外周の端部と発光素子11の底面に位置する端部を結んでいる。傾斜面130が結ぶ位置はこれに限らないものの、少なくとも板状光学層14側で結ぶ位置は発光素子11側よりも外周側にあり、発光素子11側で結ぶ位置は発光素子11の上面よりも下に存在する。これにより発光素子11側面から照射される光の一部は、傾斜面130によって板状光学層14側にむけて反射されることになる。
【0022】
図1において傾斜面130は平面であるが、これに限らず、発光素子11側に向かって凸形状や凹形状となる曲面になってもかまわない。
【0023】
湾曲面131は隣り合う発光素子11側面を結んで形成されている。傾斜面130と同様に発光素子11側面から出る光の一部を上面方向に反射させる為のものである。その為、湾曲面131は発光素子11の上面よりも下の位置で結ばれる。
【0024】
発光装置の外周は外枠16で囲まれている。外枠16には例えばセラミックスリングなどが用いられる。外枠16の内側には、反射性樹脂15が充填され、発光素子11、板状光学層14、蛍光体含有樹脂層13を覆っている。蛍光体含有樹脂層13とは傾斜面130、湾曲面131とで接しているため、傾斜面130、湾曲面131における光の反射は反射性樹脂15によって行われることになる。反射性樹脂15は発光素子11の底面、バンプの間隙にまで入り込んでいる。これにより発光素子11の発光のうち底面に向かうものも上方に反射させ、発光効率を上げることが出来る。また、反射性樹脂15は板状光学層14の側面も覆っている。これにより板状光学層14内で平面方向に反射を繰り返し、伝播している光も板状光学層14側面において反射性樹脂15によって反射され上方に取り出すことが出来る。
【0025】
反射性樹脂15は酸化チタン、酸化亜鉛などの反射性フィラーを含有させた樹脂が用いられる。
【0026】
図1の矢印は発光素子11から出る光を表している。発光素子11上面から出る光はそのまま板状光学層14を通り抜ける。発光素子11側面から出た光の一部は反射面130、湾曲面131で上面方向に反射され、その後、板状光学層14を通り抜ける。
【0027】
反射面130、湾曲面131で反射された光は上面方向に向かうため、発光素子11へ戻る光は減少する。その為、発光素子11で吸収されることなく発光装置の輝度に貢献するため、発光効率が改善されることになる。
【0028】
傾斜面130は発光素子11側面と板状光学層14底面を結び、湾曲面131は発光素子11側面同士を結んでいる。成型されたキャビティなどに比べ発光素子11に近接した位置に小型の反射面があるため、小型の発光装置が得られる。
【0029】
図1の矢印のように、発光素子11の直上領域Aでは発光素子11から直接出る光がそのまま照射光となる。発光素子11の外周領域Bおよび発光素子11の間隙領域Cおいては、照射光は発光素子11側面から出て一度反射された光となる。その為、発光面の位置によって、そこから出る照射光の蛍光体含有樹脂層13を通る光路長は異なる。
【0030】
仮に、蛍光体含有層13の蛍光体含有濃度が位置に寄らず均一とする。この場合、発光素子11の外周領域Bおよび発光素子11の間隙領域Cのほうが、蛍光体含有樹脂層13内部を通る光路長が長い分蛍光体が励起された光が多くなり、素子11の直上領域Aの光よりも蛍光の色が強くなってしまう。その為、発光装置全体としては色ムラが出来てしまう。
【0031】
そこで、蛍光体含有樹脂層13は図2のように、発光面の平面方向において異なる領域によって含有している蛍光体濃度を変えている。発光素子11の直上領域Aにおいては蛍光体濃度が高く、発光素子11の外周領域Bおよび発光素子11の間隙領域Cおいては直上領域Aよりも蛍光体濃度を低くしている。これにより、発光素子11の直上領域Aでは光路長は短いが蛍光体濃度の高い領域を通った光が照射され、発光素子11の外周領域Bおよび発光素子11の間隙領域Cおいては、光路長は長いものの蛍光体濃度を低い領域を通る光が照射される。このため、発光装置全体の色ムラは改善されることになる。
【0032】
発光素子11の外周領域Bと発光素子11の間隙領域Cで比べても照射光の色ムラは生じる場合がある。これに対して、例えば、発光素子11の間隙領域Cのほうが発光素子11の外周領域Bよりも蛍光体濃度を高くするなど、発光素子11の外周領域Bと発光素子11の間隙領域Cの2つの領域おいても蛍光体濃度を変えても良い。この例の場合だと蛍光体濃度は直上領域Aが最も高く、次に間隙領域C、最後に外周領域Bとなる。
【0033】
発光素子11の外周領域Bはさらに、その領域内においても色ムラが生じてしまう場合がある。図3は、そのような場合が生じる発光装置の上面図であり、外周領域Bは発光素子11から異なる方向に位置する狭幅領域B’と広幅領域B’’からなる。図3では発光素子11および板状光学層14以外は省略した。図3においては、発光素子11端部から板状光学層14の端部までの最短距離である幅は、発光素子11側面からy軸方向にある狭幅領域B’の方が発光素子11側面からx方向にある広幅領域B’’よりも狭くなっている。その為、広幅領域B’’からの照射光のほうが狭幅領域B’からの照射光よりも蛍光体含有樹脂層13内の光路長が長い。よって、狭幅領域B’の方が広幅領域B’’よりも蛍光体濃度を高くすることによって色ムラを防ぐことが出来る。
【0034】
それぞれの領域における蛍光体濃度の比率は、それぞれに生じる色ムラを改善し、均一に近づくように設定される。
【0035】
このように蛍光体含有樹脂層13の蛍光体含有濃度を発光面の平面方向での位置が異なる領域によって異なるものとすることで、各領域によって生じる色ムラを改善することが出来る。
【0036】
次に、本発明の発光装置の製造方法について図面を参照しつつ説明する。
【0037】
まず、図4(a)のようにサブマウント基板10の配線パターン上にバンプ12を介して発光素子11を搭載する。2つの発光素子11は端部の辺同士が向かい合うように所定の間隔をあけて搭載される。
【0038】
次に図4(b)のように蛍光体を含有させた第1樹脂13’をポッティング(滴下)する。第1樹脂13’は発光素子11上で表面張力を保たれたままドーム形状になるようにする。第1樹脂13’には蛍光体のほか拡散材やスペーサーとしてビーズなどを混入させていても良い。
【0039】
板状光学層14底面には第2樹脂13’’、 第3樹脂13’’’をやはり表面張力を保つようにポッティングする。ここでは、発光素子11上面と対向する面を板状光学層14の底面とする。図5は第2樹脂13’’と第3樹脂13’’’のポッティング位置を表す板状光学層14の底面図である。第2樹脂13’’は板状光学層14の外周にポッティングされ、第3樹脂13’’’は発光装置となった時に発光素子11の間隙に当たる位置にポッティングされる。第2樹脂13’’、 第3樹脂13’’’は第1樹脂13’よりも蛍光体含有濃度の低い物が用いられる。第1樹脂13’同様、第2樹脂13’’、 第3樹脂13’’’にも拡散材が混入されていてもかまわない。ただし、第1樹脂13’とは異なり第2樹脂13’’、 第3樹脂13’’’は後述の工程により発光素子11直上からは外れた領域で重ね合わされるためスペーサーを混入させることはない。
【0040】
図4(c)の工程において板状光学層14は発光素子11上に設置される。重ね合わせは、第2樹脂13’が発光素子11の端部よりも外周であって、2つの発光素子11を取り囲むような位置にあり、かつ第3樹脂13’’’が2つの発光素子11の間隙と重なる位置で垂直に板状光学層14を下げていく事で行われる。また、ドーム形状の第1樹脂13’の頂点の直上には、板状光学層14の底面の第2樹脂13’’、第3樹脂13’’’がいずれもポッティングされていない平坦な面がある位置からの重ね合わせになる。図4(c)においては板状光学層14を上にしたが、発光素子11を上にして重ねても良い。
【0041】
重ね合わせの最中に第1樹脂13’、第2樹脂13’’、第3樹脂13’’’は一体となり、蛍光体含有樹脂層13となる。一体となった蛍光体含有樹脂層13は、樹脂が表面張力を保ったまま板状光学層14底面及び発光素子11側面にぬれ広がる。この時に、蛍光体含有樹脂層13が、板状光学層14底面と発光素子11側面を結んだ面が傾斜面130となり、隣り合う発光素子11側面同士を結んだ面が湾曲面131となる。
【0042】
板状光学層14を設置する際には樹脂の表面張力が崩れないようにゆっくり乗せる必要がある。第1樹脂13と板状光学層14が接したら、コレットチャック135をはずし板状光学層14の自重で樹脂を押し広げていくか、コレットチャック135で板状光学層14が自重で樹脂を押し広げていくよりも遅く重ねていく。
【0043】
図4(d)は板状光学層14を発光素子11上に重ねた状態を表している。蛍光体含有樹脂13はその各領域において、ポッティングされていた樹脂によって主に形成される。つまり、発光素子11の直上領域は発光素子11に上面にあった第1樹脂13’、傾斜面130直上の領域は発光素子11よりも外周にあった第2樹脂13’’、湾曲面131直上の領域は発光素子11の間隙にあった第3樹脂13’’’であった樹脂が主に形成する。その為、夫々の領域においては、夫々を形成する樹脂の元の蛍光体濃度が反映された蛍光体濃度分布となる。よって、発光素子11の直上領域は傾斜面130の直上領域及び湾曲面131の直上領域よりも蛍光体濃度が高くなる。
【0044】
ただし、多少は夫々の樹脂が混ざり合うため第1樹脂13’、第2樹脂13’’、 第3樹脂13’’’の蛍光体濃度は蛍光体含有樹脂層13となった場合で所望の濃度分布となるように設定する。よって、第1樹脂13’含有の蛍光体の移動のみで傾斜面130直上の領域および湾曲面131直上の領域においても所望の蛍光体濃度が達成されるなら、第2樹脂13’’、 第3樹脂13’’’は蛍光体が含有されていなくてもよい。第2樹脂13’’、 第3樹脂13’’’は同一の蛍光体濃度のみならず、異なった蛍光体濃度にさせても良い。また、第2樹脂13’’は図3のように傾斜面130直上の領域内においても発光素子11からの方向が異なる領域において蛍光体濃度を異ならせたい場合、第2樹脂13’’の濃度は発光素子11からの方向が異なる領域で夫々異なった蛍光体濃度としても良い。
【0045】
傾斜面130、湾曲面131が形成され、図4(d)の形状となったら、そのままの形状を保ったまま硬化処理を行う。形状の変化がなければ半硬化でもかまわない。
【0046】
図4(e)では、まず発光装置全体を覆う外枠16を樹脂などで接着することで設ける。その後、外枠16の内部に未硬化の反射性樹脂をディスペンサなどで流し込む。この際に反射性樹脂はバンプ12の間隙の発光素子11の底面にまで入り込ませ、かつ板状光学層14の側面、蛍光体含有樹脂13の傾斜面130、湾曲面131を覆わせる。そのままの形状で硬化処理を施すことにより反射樹脂層15を形成する。
【0047】
図4においては複数の発光素子11を用いて説明したが、単一の発光素子11であってもかまわない。その場合は第3樹脂13’’’がなく、板状光学層14底面には第2樹脂13’’のみがポッティングされた状態で発光素子11との重ね合わせが行われる。
【0048】
上記の実施形態の製造方法のように、あらかじめ発光素子11上面と板状光学層14底面に異なる蛍光体濃度の樹脂をそれぞれ設けた状態で重ねあわせることによって、蛍光体含有樹脂層14が、発光素子11側面と板状光学層14底面を結ぶ傾斜面130を形成し、かつ発光面の平面方向において位置が異なる領域に異なる蛍光体濃度を有した発光装置を製造することが出来る。よって、小型で、光取り出し効率が高く、色ムラの少ない発光装置を製造することが可能となった。
【符号の説明】
【0049】
10・・・サブマウント基板、11・・・発光素子、12・・・バンプ、13・・・蛍光体含有樹脂層、14・・・板状光学層、15・・・反射樹脂層、16・・・外枠、133・・・蛍光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、基板上の複数の発光素子と、前記発光素子を覆う蛍光体含有樹脂層と、前記蛍光体含有樹脂層上に搭載された板状光学部材とを有し、
前記蛍光体含有樹脂層は前記発光素子側面と前記板状光学部材を結ぶ傾斜面と、前記発光素子間隙において湾曲面を形成し、
前記発光素子直上領域は前記傾斜面直上領域と前記湾曲面直上領域よりも蛍光体濃度が高く、前記傾斜面直上領域と前記湾曲面直上領域の蛍光体濃度は異なることを特徴とする発光装置
【請求項2】
基板上に発光素子を搭載する工程と、
前記発光素子の上面に蛍光体を含有させた未硬化の第1樹脂を設ける工程と、
前記発光素子の上面よりも大きい板状光学部材の前記発光素子上面と対向する面に前記第1樹脂より蛍光体濃度が低い未硬化の第2樹脂を設ける工程と、
前記発光素子の上面と前記板状光学部材の前記発光素子上面と対向する面を前記第2樹脂が前記発光素子の端部よりも外周に位置するように重ね、前記第1樹脂と前記第2樹脂を一体とした蛍光体含有樹脂層とし、前記蛍光体含有樹脂層の樹脂の表面張力によって前記発光素子側面と前記板状光学層底面を結ぶ傾斜面を形成する重ね合わせ工程と、
を有す発光装置製造工程
【請求項3】
前記発光素子は複数であって、
前記板状光学部材の前記発光素子上面と対向する面にはさらに前記第1樹脂より蛍光体濃度が低い未硬化の第3樹脂を設ける工程を有し、
前記重ね合わせ工程において、前記第3樹脂は前記発光素子同士の間隙に位置するように重ねられ、前記第1樹脂、前記第2樹脂と一体となり前記蛍光体含有樹脂層を形成することを特徴とする請求項2に記載の発光装置製造方法

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−186337(P2012−186337A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48834(P2011−48834)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】