発光装置の製造方法
【課題】パッケージコストおよび実装コストを抑制できる発光装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】第1電極251と、第2電極252とを有する第1基板250を準備する基板準備工程を行った後、液体257と、その液体257内に位置する複数の発光素子260とを有する素子含有液体を、第1基板250上に位置させる素子供給工程を行う。その後、第1電極251と第2電極252とに電圧を印加して、二以上の発光素子260を、電圧の印加によって生成される電場に基づいて決定される予め定められた位置に、静電誘導により配列する素子配列工程を行う。
【解決手段】第1電極251と、第2電極252とを有する第1基板250を準備する基板準備工程を行った後、液体257と、その液体257内に位置する複数の発光素子260とを有する素子含有液体を、第1基板250上に位置させる素子供給工程を行う。その後、第1電極251と第2電極252とに電圧を印加して、二以上の発光素子260を、電圧の印加によって生成される電場に基づいて決定される予め定められた位置に、静電誘導により配列する素子配列工程を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光装置としては、パッケージングされたLEDチップを複数備え、上記各パッケージングされたLEDチップを、基板上の所定位置に実装したものがある。
【0003】
ここで、上記パッケージングされたLEDチップとしては、Semiconductor FPD World 2009年5月号114〜117ページ プレスジャーナル社(非特許文献1)に記載されているものがある。
【0004】
図42は、上記文献のパッケージングされたLEDチップを示す図である。
【0005】
図42において、2000は、反射板を示し、2001は、蛍光体を含む樹脂を示し、2002は、金線を示し、2003は、透明樹脂を示し、2004は、p型電極を示している。また、2005は、GaN層を示し、2006は、活性層を示し、2007は、サファイア基板を示し、2008は、n型電極を示し、2009は、金線を示している。また、2010は、リードフレームを示し、2011は、反射板を示し、2012は、パッケージ基板を示している。
【0006】
また、上記発光装置としては、松下電工技報vol.53,No.1,4〜9ページ(非特許文献2)に記載されているものがある。
【0007】
図43は、上記文献の発光装置を示す斜視図である。
【0008】
図43において、2015は、パッケージングされたLEDチップである。
【0009】
図43に示すように、この発光装置は、各パッケージングされたLEDチップ2015を、所定位置に配置して、所望の光を生成するようになっている。
【0010】
上記発光装置は、各パッケージングされたLEDチップ2015を、所定位置に複数個配置しているから、所望の光の出射光量を得ることができるという利点を有する。
【0011】
しかし、従来技術では、パッケージ工程および実装工程のいずれにおいても、LEDチップ2015およびLEDパッケージを1つ1つ個別に操作して基板上に配置しているから、パッケージコストおよび実装コストが高くつくという問題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Semiconductor FPD World 2009年5月号114〜117ページ プレスジャーナル社
【非特許文献2】松下電工技報vol.53,No.1,4〜9ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明の課題は、パッケージコストおよび実装コストを抑制できる発光装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、この発明の発光装置の製造方法は、
第1電極と、第2電極とを有する第1基板を準備する基板準備工程と、
第1液体と、その第1液体内に位置する複数の発光素子とを有する素子含有液体を、上記第1基板上に位置させる素子供給工程と、
上記第1電極と上記第2電極とに電圧を印加して、上記電圧の印加によって生成される電場に基づいて決定される予め定められた位置に、二以上の上記発光素子を配列する素子配列工程と
を備えることを特徴としている。
【0015】
本発明によれば、1つ1つの発光素子を個別に操作することなく、一度の処理で複数の発光素子を所定の場所に配列できるから、製造コストを削減することができる。
【0016】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程において、上記素子含有液体を上記第1基板に対して相対移動させる。
【0017】
上記実施形態によれば、発光素子が第1基板の表面近くで液体の流れに乗って移動するから、発光素子が第1電極と第2電極で規定される所定の場所により短時間で近づくことができる。したがって、発光素子の配列時間を短縮することができる。
【0018】
また、一実施形態では、
上記第1基板と略平行に第2基板を配置する第2基板配置工程を備え、
上記素子供給工程において、上記素子含有液体を、上記第1基板と上記第2基板との間に充填する。
【0019】
上記実施形態によれば、互いに略平行に配置された第1基板および第2基板によって、液体の蒸発を防ぐことができるから、精度良くかつ歩留まり良く、発光素子を、所定の場所に配列することができる。
【0020】
また、一実施形態では、
上記第2基板は、上記第1電極および上記第2電極と対向する第3電極を有し、
上記素子供給工程および上記素子配列工程のうちの少なくとも一方の工程において、上記第1電極と、上記第3電極との間に電圧を印加する。
【0021】
上記実施形態によれば、第1電極と、第3電極との間に非対称な電圧を印加することによって、発光素子を第1電極方向あるいは第3電極方向に移動させることができる。したがって、配列時間を短縮することができ、かつ、配列しなかった発光素子を迅速に回収等できる。
【0022】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程において、上記素子含有液体を、上記第1基板と上記第2基板との間に流動させる。
【0023】
上記実施形態によれば、第1基板と、第2基板により素子含有液体の流路を規定できて、液体の蒸発を防ぐことができ、気化に起因する冷却により対流が起こることを防ぐことができるから、精度良く、また、歩留まり良く、発光素子を所定の場所に配列することができる。
【0024】
また、上記実施形態によれば、発光素子が、第1基板の表面近くで、液体の流れに乗って移動するから、発光素子が、第1電極と、第2電極で規定される所定の場所に、近付き易く、配列する時間を短縮することができる。
【0025】
また、上記実施形態によれば、第1基板と、第2基板との隙間を第1基板上の場所によらず一定にすることで、液体の流速を第1基板上の場所にかかわらず一定にすることができるから、歩留まり良く、発光素子を所定の場所に配列することができる。
【0026】
また、上記実施形態によれば、第1および第2基板により規定される流路に注入する液体の量を調整することにより、容易に液体の流速を変えることができるから、歩留まり良く発光素子を所定の場所に配列させることができる。
【0027】
また、一実施形態では、
上記第1電極の表面および上記第2電極の表面を、絶縁膜で覆う。
【0028】
上記実施形態によれば、第1および第2電極に電流が流れなくなるから、電圧降下を非常に小さくすることができて、配列の歩留まりを向上させることができる。第1基板が、大規模になり、配列する発光素子が多数になると、第1および第2電極の配線長が長くなり、電圧降下が顕著になり、配線の未端で配列が行われなくなる恐れがあるのである。
【0029】
また、上記実施形態によれば、第1電極と第2電極との間に、電流が流れなくなるから、電気化学効果によって電極が溶解するのを防ぐことができ、断線や液体の汚染による配列歩留まりの悪化を防ぐことができる。金属電極が、電解液に接触した状態で、電圧が電極間に印加させると、金属が電解液中に溶け出すことがあるのである。
【0030】
また、一実施形態では、
上記第1基板の表面は、上記発光素子の表面の材料と同じ材料からなっている。
【0031】
上記実施形態によれば、第1基板の表面に固着する発光素子を減少させることができて、配列歩留まりを向上させることができる。というのは、発光素子と、第1基板の表面の材料とが同一である場合、ゼータポテンシャルが同じになり、互いに反発し、発光素子が第1基板の表面に固着することを防止することができるからである。
【0032】
また、一実施形態では、
上記素子含有液体は、界面活性剤を含んでいる。
【0033】
上記実施形態によれば、発光素子同士が凝縮、あるいは、発光素子が、絶縁膜、基板、電極に固着することを防止することができる。
【0034】
また、一実施形態では、
上記各発光素子中の異なる2点の最長距離は、50μm以下である。
【0035】
上記実施形態によれば、最大寸法が50μm以下の発光素子であっても、発光素子の個数によらず容易に所定の場所に配置することができる。更に述べると、むしろ微細な物体を配列するのに向いている。微小寸法の発光素子を多数配列することによって、面照明等での明るさむらを低減することができる点で、有効である。
【0036】
また、一実施形態では、
上記複数の発光素子の夫々は、棒状の形状を有している。
【0037】
上記実施形態によれば、発光素子が、棒状であるから、発光素子の一端を、第1電極上に固定でき、発光素子の他端を、第2電極に固定できる。したがって、アラインメント精度を優れたものにすることができる。
【0038】
また、一実施形態では、
上記発光素子は、
円柱状の第1導電型の第1半導体層と、
上記第1半導体層の外周面を覆うように配置された筒状の量子井戸層と、
上記量子井戸層の外周面を覆うように配置された筒状の第2導電型の第2半導体層と
を有している。
【0039】
言い換えれば、発光素子は、n型半導体−量子井戸−p型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしているか、または、p型半導体−量子井戸−n型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしている。
【0040】
上記実施形態によれば、棒状発光素子の側面の略全面に発光層を形成できるから、棒状発光素子一個あたりの発光面積を大きくすることができる。
【0041】
また、一実施形態では、
上記複数の発光素子の夫々は、棒状の形状を有し、
上記各発光素子の延在方向に垂直な断面の直径は、500nmよりも大きい。
【0042】
上記実施形態によれば、配列した棒状発光素子の強度を大きくすることができて、配列した棒状発光素子が曲がらないようにすることができる。したがって、発光素子内の応力を小さくすることができて、応力による発光効率の低下を抑制することができる。
【0043】
また、一実施形態では、
上記発光素子は、
円柱状の第1導電型の第1半導体層と、
上記第1半導体層の外周面を覆うように配置された筒状の量子井戸層と、
上記量子井戸層の外周面を覆うように配置された筒状の第2導電型の第2半導体層と
を有し、
上記各発光素子の延在方向に垂直な断面の直径は、500nmよりも大きい。
【0044】
言い換えれば、各発光素子は、棒状のコア-シェル-シェル構造をしており、かつ、各発光素子の直径は、500nmよりも大きい。
【0045】
上記実施形態によれば、各発光素子の光の発光量を十分なものにすることができるから、1つの電極対に一つの発光素子のみを配列しても、十分な発光密度を得ることができる。
【0046】
また、一実施形態では、
上記複数の発光素子のうちで上記予め定められた位置に配列しなかった発光素子を排出する素子排出工程を備える。
【0047】
上記実施形態によれば、所定の場所に配列しなかった発光素子を回収できると共に、別の第1基板に配列することができ、発光装置の製造コストを低減できる。
【0048】
また、上記実施形態によれば、所定の場所に配列しなかった発光素子が、乾燥後等に凝縮して、配線不良を起こすことを防止できる。
【0049】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程の後に、上記第1電極と上記第2電極との間に、上記素子配列工程で上記第1電極と上記第2電極との間に印加した電圧よりも高い電圧を印加して、上記予め定められた位置に配列している上記発光素子を、その予め定められた位置に固定する素子固定工程を備える。
【0050】
上記実施形態によれば、発光素子を、所定の位置に固定できるから、アラインメント精度を優れたものにすることができる。
【0051】
また、上記実施形態によれば、液体の流れが速くなった場合でも発光素子が移動することがなく、また、液体を除去する際にも、発光素子が移動することがないから、アラインメント精度を格段に優れたものにすることができる。
【0052】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程の後に、上記第1基板の表面を乾燥する基板乾燥工程を備える。
【0053】
上記実施形態によれば、基板乾燥工程によって、発光素子を電極間に固定できる。また、基板乾燥工程によって、第1基板の表面に保護膜を形成することができて、発光素子を保護することができる。
【0054】
また、一実施形態では、
上記素子含有液体の表面張力が、50mN/m以下である。
【0055】
上記実施形態によれば、
第1基板の表面が、表面張力の大きな液体で濡れている状態で乾燥すると、乾燥中に液体の表面が発光素子に触れることにより発光素子が動き、アラインメントずれが起きることがある。上記実施形態によれば、表面張力が小さな液体を使用しているから、アラインメントずれを防ぐことができる。
【0056】
また、一実施形態では、
上記素子含有液体の表面張力が、30mN/m以下である。
【0057】
上記実施形態によれば、表面張力が50mN/mよりも更に小さい液体を使用しているから、アラインメントずれを確実に防ぐことができる。
【0058】
また、一実施形態では、
上記素子供給工程の後かつ上記基板乾燥工程の前に、上記第1液体を、その第1液体よりも表面張力が小さい第2液体に入れ替える液体入替工程を備える。
【0059】
上記実施形態によれば、発光素子の配列時には、表面張力の大きな液体(任意の液体)を使用できる一方、乾燥時に、表面張力の小さい液体を使用できる。したがって、配列時に大きな静電誘導の効果を生成する液体を使用できて、発光素子の配列を効率的に行うことができると共に、乾燥時に表面張力の小さい液体を使用できて、発光素子のアラインメントずれを防ぐことができる。
【0060】
また、一実施形態では、
上記各発光素子は、その発光素子の表面に、第1領域と、第2領域とを有すると共に、上記第1領域と、上記第2領域とに電圧を印加されることにより発光するようになっており、
上記第1領域と、上記第1電極とを導電体で接続すると共に、上記第2領域と、上記第2電極とを導電体で接続する素子接続工程を備える。
【0061】
上記実施形態によれば、発光素子と第1電極とを導電体で接続していると共に、発光素子と第2電極とを導電体で接続しているから、第1および第2電極と、微小な発光素子との電気接続を良好なものにすることができる。したがって、上記第1電極と、第2電極との間に、電圧を印加して発光装置を発光させる時に、電圧が発光素子にかからない状態(オープン)になることを確実に防止することができる。
【0062】
また、一実施形態では、
上記発光素子は、その発光素子の表面に、第1領域と、第2領域とを有すると共に、上記第1領域と、上記第2領域とに電圧を印加されることにより発光するようになっており、
上記予め定められた位置に配列されている上記二以上の発光素子の二以上の上記第1領域に接続する第4電極と、上記予め定められた位置に配列されている上記二以上の発光素子の二以上の上記第2領域に接続する第5電極とを形成する追加電極形成工程を備える。
【0063】
上記実施形態によれば、第4電極と、第5電極に電圧を印加することで、発光素子に電圧を印加することができて、第1電極と第2電極を使用せずに、発光素子に電圧を印加する事ができる。したがって、上記発光素子の配列時の電極構造(第1電極および第2電極)と異なる構造の配線(第4電極および第5電極)を発光素子への電圧印加に使用することができて、電圧印加の自由度を大きくすることができ、電圧印加が容易になる。
【0064】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程の後に、上記第1基板を分断する基板分断工程を備える。
【0065】
上記実施形態によれば、一度の発光素子の配列で、複数の発光素子が所定の場所に配列した複数の基板を形成することができるから、製造コストを削減できる。
【0066】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程で、上記第1基板上に、1000個以上の上記発光素子を配列する。
【0067】
上記実施形態によれば、発光素子の検査のためのコストが必要なくて、製造コストを削減できる。
【発明の効果】
【0068】
本発明の発光装置の製造方法によれば、1つ1つの発光素子を個別に操作することなく、一度の処理で複数の発光素子を所定の場所に配列できるから、製造コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】第1実施形態の発光装置の製造方法で使用する第1基板の平面図である。
【図2】図1のXII−XII線から見た断面模式図である。
【図3】棒状構造発光素子が第1,第2電極上に配列する原理を示す図である。
【図4】電気力線が一様ではない場合を示す図である。
【図5】本発明で使用可能な幅0.5μm〜10μmの電極を示す図である。
【図6】棒状構造発光素子を配列した絶縁性基板の平面図である。
【図7】棒状構造発光素子を配列した絶縁性基板を用いた表示装置の平面図を示している。
【図8】第2実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図9】第3実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図10】第4実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図11】第4実施形態において、第3電極に印加する電圧の例を示す図である。
【図12】第4実施形態において、第3電極に印加する電圧の例を示す図である。
【図13】第5実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図14】第6実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図15】第7実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図16】第10実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図17】発光素子が、棒状発光素子でない場合の問題点を説明する模式図である。
【図18】発光素子が、棒状発光素子でない場合の問題点を説明する模式図である。
【図19】第11実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図20】第12実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図21】第13実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図22】第13実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図23】第14実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図24】第14実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図25】第15実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図26】第15実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図27】第16実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図28】第16実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図29】第17実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図30】第17実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図31】第18実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図32】第18実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図33】第19実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図34A】縦積み構造を有する棒状発光素子を示す模式図である。
【図34B】コア−シェル−シェル構造を有する棒状発光素子を示す模式図である。
【図35A】棒状発光素子の直径が500nmより小さい発光装置の一例を示す模式図である。
【図35B】棒状発光素子の直径が500nmより大きい発光装置を示す模式図である。
【図36】この発明で製造可能な発光装置の構造を示す図である。
【図37】棒状発光素子の交差が起きるメカニズムを説明するための図である。
【図38A】棒状発光素子が原因となる一不良構造を示す模式図である。
【図38B】図38Aに示す不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【図39A】棒状発光素子が原因となる一不良構造を示す模式図である。
【図39B】図39Aに示す不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【図40A】棒状発光素子が原因となる一不良構造を示す模式図である。
【図40B】図40Aに示す不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【図41】有効な棒状発光素子の直径と長さとの関係を示す図である。
【図42】パッケージングされた従来のLEDチップを示す図である。
【図43】従来の発光装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0071】
尚、以下の実施形態で、素子含有液体とは、液体と、その液体内に位置する複数の発光素子とを有する物質をさす。また、所定の位置(場所)とは、予め定められた位置(場所)のことである。
【0072】
(第1実施形態)
先ず、基板準備工程を行う。この基板準備工程では、平面図を以下の図1に示す第1基板としての絶縁性基板50を準備する。
【0073】
図1に示すように、絶縁性基板50は、その表面に、金属製の第1電極51と、金属製の第2電極52とを有している。上記絶縁性基板50はガラス、セラミック、酸化アルミニウム、樹脂のような絶縁体、またはシリコンのような半導体表面にシリコン酸化膜を形成し、表面が絶縁性を有するような基板である。ここで、ガラス基板を用いる場合は、表面にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜のような下地絶縁膜を形成するのが望ましい。
【0074】
上記第1および第2電極51,52は、印刷技術を利用して所望の電極形状に形成している。なお、上記第1および第2電極51,52は、例えば、金属膜および感光体膜を一様に積層し、所望の電極パターンを露光し、エッチングして形成してもよい。
【0075】
図1では省略されているが、第1および第2電極51,52には、外部から電位を設定できるように、パッドを形成している。この第1および第2電極51,52が対向する部分(配列領域)に棒状構造発光素子を配列する。図1では、棒状構造発光素子を配列する配列領域が2×2個配列されているが、任意の個数を配列してよい。
【0076】
図2は、図1のXII−XII線から見た断面模式図である。
【0077】
次に、素子供給工程を行う。素子供給工程では、図2に示すように、絶縁性基板50上に、液体の一例としてのイソプロピルアルコール(IPA)61と、そのIPA61中に位置する発光素子の一例としての棒状構造発光素子60とを有する素子含有液体を、薄く塗布する。液体としては、IPA61の他に、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタノール、エタノール、アセトン、またはそれらの混合物等を使用することができる。あるいは、液体としては、IPA61以外の他の有機物からなる液体、水などを使用することができる。
【0078】
ただし、液体を通じて第1および第2電極51,52間に大きな電流が流れてしまうと、第1および第2電極51,52間に所望の電圧差を印加できなくなってしまう。そのような場合には、第1および第2電極51,52を覆うように、絶縁性基板50の表面全体に、10nm〜300nm程度の絶縁膜をコーティングすればよい。
【0079】
棒状構造発光素子60を含むIPA61を塗布する厚さは、次に棒状構造発光素子60を配列する工程で、棒状構造発光素子60が配列できるよう、液体中で棒状構造発光素子60が移動できる厚さである。したがって、IPA61を塗布する厚さは、棒状構造発光素子60の太さ以上であり、例えば、数μm〜数mmである。塗布する厚さは薄すぎると、棒状構造発光素子60が移動し難くなり、厚すぎると、乾燥を行う場合に液体を乾燥する時間が長くなる。また、IPAの量に対して、棒状構造発光素子60の量は、1×104本/cm3〜1×107本/cm3が好ましい。
【0080】
棒状構造発光素子60を含むIPA61を塗布するために、棒状構造発光素子60を配列させる金属電極の外周囲に枠を形成し、その枠内に棒状構造発光素子60を含むIPA61を所望の厚さになるように充填してもよい。しかしながら、棒状構造発光素子60を含むIPA61が粘性を有する場合は、枠を必要とせずに、所望の厚さに塗布することが可能である。
【0081】
次に、素子配列工程を行う。この素子配列工程では、第1電極51と、第2電極52との間に交流電圧を印加する。この第1実施形態では、1V、5KHzの交流とするのが適当であった。第1,第2電極51,52の交流電圧は、0.1〜10Vを印加することができるが、0.1V以下では棒状構造発光素子60の配列が悪くなり、10V以上では、第1と第2電極間に素子が凝集する。したがって、0.5〜5Vが好ましく、更には1V程度とするのが好ましい。また、交流周波数は1Hz〜10MHzを使用することができるが、1Hz以下では配列ばらつきが大きくなり、10MHz以上では電極に所望の電圧を印加することが難しくなる。したがって、10Hz〜1MHzが好ましいく、更には100Hz〜1KHzが好ましい。さらに、第1,第2電極51,52間に印加するAC電圧は、正弦波に限らず、矩形波、三角波、ノコギリ波など、周期的に変動するものであればよい。
【0082】
図3は、上記棒状構造発光素子60が第1,第2電極51,52上に配列する原理を示している。図3に示すように、第1電極51に電位VLを印加し、第2電極52に電位VR(VL<VR)を印加すると、第1電極51には負電荷が誘起され、第2電極52には正電荷が誘起される。そこに棒状構造発光素子60が接近すると、棒状構造発光素子60において、第1電極51に近い側に正電荷が誘起され、第2電極52に近い側に負電荷が誘起される。この棒状構造発光素子60に電荷が誘起されるのは静電誘導による。すなわち、電界中に置かれた棒状構造発光素子60は、内部の電界が0となるまで表面に電荷が誘起されることによる。その結果、各電極と棒状構造発光素子60との間に静電力により引力が働き、棒状構造発光素子60は、第1,第2電極51,52間に生じる電気力線に沿う。
【0083】
また、図4のように電気力線が一様ではない場合、誘電泳動により、棒状発光素子60は電極方向に引き寄せられる。静電力と誘電泳動の両方あるいはどちらか一方の力により、棒状発光素子は電極に近づく。また、各棒状構造発光素子60に誘起された電荷がほぼ等しいので、電荷による反発力により、ほぼ等間隔に一定方向に規則正しく配列する。尚、図4において、70は、微小発光素子を示し、71は、液体を示し、72は、一様でない電界を示し、73は、第2電極を示し、74は、第1電極を示し、75は、第1基板を示す。
【0084】
また図5のように幅0.5μm〜10μmの電極を用いると各電極間に1本ずつ棒状発光素子を配列することができる。尚、図5においては、aが電極の幅に相当し、aが0.5μm〜10μmの範囲に収まることになる。
【0085】
以上のように、棒状構造発光素子60が第1,第2電極51,52間に発生した外部電場により、第1,第2電極51,52に棒状構造発光素子60を吸着させるので、棒状構造発光素子60の大きさは、液体中で移動可能な大きさであることが必要である。したがって、液体の塗布量(厚さ)は棒状発光素子の直径よりも大きくする必要がある。
【0086】
図6は、上記棒状構造発光素子60を配列した絶縁性基板50の平面図を示している。この棒状構造発光素子60を配列した絶縁性基板50を、液晶表示装置などのバックライトに用いることにより、薄型化と軽量化が可能でかつ発光効率が高く省電力なバックライトを実現することができる。また、この棒状構造発光素子60を配列した絶縁性基板50を発光装置として用いることにより、薄型化と軽量化が可能でかつ発光効率が高く省電力な発光装置を実現することができる。
【0087】
図7は、上記棒状構造発光素子60を配列した絶縁性基板50を用いた表示装置の平面図を示している。図7に示すように、表示装置100は、絶縁性基板110上に、表示部101、論理回路部102、論理回路部103、論理回路部104および論理回路部105を備える構成となっている。上記表示部101には、マトリックス状に配置された画素に棒状構造発光素子60を配列している。
【0088】
上記第1実施形態の発光装置の製造方法によれば、一つ一つの発光素子を個別に操作することなく、一度の処理で複数の発光素子を所定の場所に配列できるから、製造コストを削減することができる。
【0089】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。尚、図8において、矢印Aは、液体257の流れを示している。
【0090】
第2実施形態では、素子配列工程で、発光素子260を含む素子含有液体を、第1基板250に対して相対的に流動させる点のみが、第1実施形態と異なる。
【0091】
上記発光素子260を含む素子含有液体を、第1基板250に対して相対的に流動させる方法としては、例えば、素子含有液体に圧力をかけたり、第1基板250を傾斜させたり、素子含有液体に風を吹き付ける等の方法があり、素子含有液体に速度成分を与える方法であれば、いかなる方法でも良い。
【0092】
上記第2実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子260が第1基板250の表面近くで液体の流れに乗って移動するから、発光素子260が第1電極251と第2電極252で規定される所定の場所により短時間で近づくことができる。したがって、発光素子260の配列時間を短縮することができる。
【0093】
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0094】
第3実施形態では、基板準備工程の後に、第1基板350と略平行に第2基板380を配置する第2基板配置工程を行い、その後の素子供給工程において、第1基板350と、第2基板380との隙間に、発光素子含有液体を、充填する点が、第1実施形態と異なる。
【0095】
上記第3実施形態の発光装置の製造方法によれば、互いに略平行に配置された第1基板350および第2基板380によって、液体の蒸発を防ぐことができるから、精度良くかつ歩留まり良く、発光素子360を、所定の場所に配列することができる。
【0096】
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0097】
第4実施形態では、第2基板480が、第1基板450の第1および第2電極451,452と対向する第3電極453を有し、素子供給工程および素子配列工程のうちの少なくとも一方の工程において、第1電極451と第2電極452の少なくとも一方と、第3電極453との間に電圧を印加する点が、第3実施形態と異なる。
【0098】
発光素子460が所定の場所に配列するためには、第1基板450付近にある必要がある。ここで、通常は、発光素子460を重力で落下させて、所定位置に配列する。第4実施形態によれば、電圧を印加して、発光素子460を、第1基板450側に移動させることができるから、速やかに発光素子460を第1基板450付近に移動させることができて、発光素子460の配列を迅速に行うことができる。
【0099】
また、所定の場所に配列しなかった発光素子460は、再利用のため又は配線不良の防止のため回収する必要がある。ここで、このような液体中で浮遊している発光素子460は、第1基板450と第2基板480の中間付近に移動させることにより、速やかに第1基板450上から排出することができる。すなわち、図10の流速を示すグラフにより、第1基板450と、第2基板480の中間辺りの液体の流速が、高いから、配列しなかった発光素子460を、第1電極451と第3電極453との間に印加する交流電圧により、上記中間位置に移動させることで、その浮遊している発光素子460を、効率的に回収することができるのである。
【0100】
図11および図12は、第3電極453に印加する電圧の例を示す図である。詳しくは、図11は、液体中に浮遊している発光素子460を、第1電極451(下部電極)側に移動させる際に、第3電極453に印加する電圧である。また、図12は、液体中に浮遊している発光素子460を、第3電極453(上部電極)側に移動させる際に、第3電極453に印加する電圧である。
【0101】
上記第4実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1電極(下部電極)450と、第3電極(上部電極)480間に、図11,図12に示すような非対称な電圧を印加することによって、発光素子460を第1電極451方向あるいは第3電極453方向に移動することができる。したがって、配列時間を短縮することができ、かつ、配列しなかった発光素子460を迅速に回収等できる。
【0102】
(第5実施形態)
図13は、第5実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0103】
第5実施形態では、素子配列工程において、発光素子を含む液体である素子含有液体が、第1基板と、第2基板との間を、図13に矢印Bで示すように、第1電極551側から第2電極552側に流動することが第3実施形態と異なる。
【0104】
第5実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1基板550と、第2基板580により素子含有液体の流路を規定できて、液体の蒸発を防ぐことができ、気化に起因する冷却により対流が起こることを防ぐことができるから、精度良く、また、歩留まり良く、発光素子560を所定の場所に配列することができる。
【0105】
また、上記第5実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子560が、第1基板550の表面近くで、液体の流れに乗って移動するから、発光素子560が、第1電極551と、第2電極552で規定される所定の場所に、近付き易く、配列する時間を短縮することができる。
【0106】
また、上記第5実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1基板550と、第2基板580との隙間を第1基板550上の場所によらず一定にすることで、液体の流速を第1基板550上の場所にかかわらず一定にすることができるから、歩留まり良く、発光素子560を所定の場所に配列することができる。
【0107】
また、上記第5実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1および第2基板550,580により規定される流路に注入する液体の量を調整することにより、容易に液体の流速を変えることができるから、歩留まり良く発光素子を所定の場所に配列させることができる。
【0108】
(第6実施形態)
図14は、第6実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0109】
第6実施形態は、第1および第2電極651,652の表面が、絶縁膜677で覆われている点が、第1実施形態と異なる。
【0110】
第6実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1および第2電極651,652に電流が流れなくなるから、電圧降下を非常に小さくすることができて、配列の歩留まりを向上させることができる。第1基板650が、大規模になり、配列する発光素子が多数になると、第1および第2電極651,652の配線長が長くなり、電圧降下が顕著になり、配線の未端で配列が行われなくなる恐れがあるのである。
【0111】
また、上記第6実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1電極と第2電極との間に、電流が流れなくなるから、電気化学効果によって電極が溶解するのを防ぐことができ、断線や液体の汚染による配列歩留まりの悪化を防ぐことができる。金属電極651,652が、電解液に接触した状態で、電圧が電極651,652間に印加させると、金属が電解液中に溶け出すことがあるのである。
【0112】
(第7実施形態)
図15は、第7実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0113】
第7実施形態は、第1基板750の表面777が、発光素子760の表面の材料と同じ材料からなっている点が、第1基板150の表面の材料についての制限がない第1実施形態と異なる。
【0114】
上記第7実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1基板750の表面777に固着する発光素子760を減少させることができて、配列歩留まりを向上させることができる。というのは、発光素子760と、第1基板750の表面777の材料とが同一である場合、ゼータポテンシャルが同じになり、互いに反発し、発光素子760が第1基板750の表面777に固着することを防止することができるからである。
【0115】
(第8実施形態)
第8実施形態は、液体が、界面活性剤を含む点が、第1実施形態と異なる。
【0116】
界面活性剤の混入によって、発光装置の凝縮を防止することができる。というのは、発光素子の表面に汚染やその他の理由により、発光素子と異なる材料が付着している場合、それぞれのゼータポテンシャルが低下したり正負が変わるため、凝縮が起こり易い。また、発光素子表面と、基板や電極表面の材料が異なる場合、ゼータポテンシャルが異なり、凝縮が起こり易い場合がある。界面活性剤を、液体に混入することにより、凝縮を抑制することができる。
【0117】
したがって、上記第8実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子同士、あるいは、発光素子と、絶縁膜、基板、電極とが、凝縮することを防止することができる。
【0118】
(第9実施形態)
第9実施形態では、発光素子の最長部分の寸法が、50μm以下である点が、発光素子の最長部分の寸法に制限がない第1実施形態と異なる。
【0119】
一つ一つ発光素子を操作して、パッケージングする場合、発光素子の大きさが100μm以下になると急速に、コストが増大する。
【0120】
微小のものを配列する場合、必要とされるアラインメント精度が上がるためである。また、一定の光量を得るための発光素子の個数(配列する個数)が多くなるためである。また、微細な発光素子が、強度が弱く、扱いが難しいからである。
【0121】
本発明によれば、最大寸法が50μm以下の発光素子であっても、発光素子の個数によらず容易に所定の場所に配置することができる。更に述べると、むしろ微細な物体を配列するのに向いている。
【0122】
微小寸法の発光素子を多数配列することによって、面照明等での明るさむらを低減することができる点で、有効である。
【0123】
(第10実施形態)
図16,17,18は、第10実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0124】
第10実施形態では、発光素子1060が、棒状の形状を有する点が、発光素子の形状に制限がない第1実施形態と異なる。
【0125】
図16の鳥瞰図に示すように、発光素子1060が、棒状である場合、発光素子1060の一端を、第1電極1051上に固定でき、発光素子1060の他端を、第2電極1052に固定できる。したがって、アラインメント精度を優れたものにすることができる。棒状の発光素子1060の場合、棒状の発光素子1060の両端に正電荷と負電荷とが誘起されるため、分極により効率的に微細発光体の向きを揃えようとするモーメントが発生する。したがって、向きを含めた配列位置を精度良く決めることが出来、実際精度良く配列することができるのである。
【0126】
尚、正方形の発光素子が、薄型発光素子である場合、図17の鳥瞰図に示すように、発光素子1070が、第1電極1071と、第2電極1072との間に、斜めに配列される場合がある。また、図18の鳥瞰図に示すように、発光素子1080が、第1電極1081と、第2電極1082との間に、ずれて配列される場合がある。このように、発光素子が、棒状でない場合、アラインメント精度が悪くなることがあるのである。
【0127】
(第11実施形態)
図19は、第11実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。尚、図19において、矢印C,Dは、発光素子1170の排出方向を示している。
【0128】
第11実施形態では、素子含有液体中の複数の発光素子1160のうちで所定の場所に配列しなかった発光素子1170を、排出する素子排出工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0129】
第11実施形態では、素子配列工程で、発光素子1160を、第1基板1150において第1電極1151と第2電極1152とが相対する場所に配列した後、素子排出工程を行う。
【0130】
そして、素子排出工程では、棒状発光素子を含有しない液体を流して、所定の場所に配列しなかった発光素子を、第1基板1150上から排出する。
【0131】
上記第11実施形態の発光装置の製造方法によれば、所定の場所に配列しなかった発光素子1170を回収できると共に、別の第1基板に配列することができ、発光装置の製造コストを低減できる。
【0132】
また、上記第11実施形態の発光装置の製造方法によれば、所定の場所に配列しなかった発光素子1170が、乾燥後等に凝縮して、配線不良を起こすことを防止できる。
【0133】
(第12実施形態)
図20は、第12実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0134】
第12実施形態は、素子配列工程の後に、素子固定工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0135】
詳しくは、第12実施形態では、素子配列工程で、発光素子1260を、第1基板1250の第1電極1251と、第2電極1252とが相対する場所に配列する。
【0136】
その後、素子固定工程で、第1基板1250の第1電極1251と第2電極1252との間に、素子配列工程で、第1電極1251と第2電極1252との間に印加した電圧よりも高い電圧を印加して、予め定められた位置に配列している発光素子1260を、その予め定められた位置に固定する。
【0137】
上記第12実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子1260を、所定の位置に固定できるから、アラインメント精度を優れたものにすることができる。
【0138】
また、上記第12実施形態の発光装置の製造方法によれば、液体1257の流れが速くなった場合でも発光素子1260が移動することがなく、また、液体1257を除去する際にも、発光素子1260が移動することがないから、アラインメント精度を格段に優れたものにすることができる。
【0139】
(第13実施形態)
図21、図22は、第13実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0140】
第13実施形態では、素子配列工程の後に、第1基板の表面を乾燥する基板乾燥工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0141】
詳しくは、第13実施形態では、素子配列工程で、発光素子1360を、第1基板1350の第1電極1351と、第2電極1352とが相対する場所に配列する。
【0142】
その後、基板乾燥工程で、図21に示すように、液体を取り除いた後、図22に示すように、第1基板1350において濡れた表面を乾燥する。乾燥は、常温で行っても良く、また、50〜200度程度で行っても良い。
【0143】
上記第13実施形態の発光装置の製造方法によれば、基板乾燥工程によって、発光素子1360を電極間に固定できる。
【0144】
また、上記第13実施形態の発光装置の製造方法によれば、基板乾燥工程によって、第1基板1250の表面に保護膜を形成することができて、発光素子1260を保護することができる。
【0145】
(第14実施形態)
図23、図24は、第14実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0146】
第14実施形態では、素子含有液体の表面張力が50mN/m以下であることが、素子含有液体の表面張力に制限がない第13実施形態と異なる。
【0147】
詳しくは、第14実施形態では、素子配列工程で、発光素子1460を、第1基板1450の第1電極1451と、第2電極1452とが相対する場所に配列する。
【0148】
その後、基板乾燥工程で、図23に示すように、液体を取り除いた後、図24に示すように、第1基板1450において濡れた表面を乾燥する。乾燥は、常温で行っても良く、また、50〜200度程度で行っても良い。
【0149】
第1基板1450の表面が、表面張力の大きな液体で濡れている状態で乾燥すると、乾燥中に液体の表面が発光素子に触れることにより発光素子1460が動き、アラインメントずれが起きることがある。表面張力が小さな液体(50mN/m以下、より好ましくは30mN/m以下)を使用することにより、アラインメントずれを防ぐことができる。
【0150】
(第15実施形態)
図25、図26は、第15実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0151】
第15実施形態では、素子供給工程の後かつ基板乾燥工程の前に、第1液体を、その第1液体よりも表面張力が小さい第2液体に入れ替える液体入替工程を備える点が、第13実施形態と異なる。
【0152】
尚、ここで、第1液体とは、素子配列工程において、発光素子1560を配列している時に、発光素子1560を取り囲んでいた液体である。したがって、上記第1〜14実施形態で、液体と称していたものは、全て、第1液体のことになる。
【0153】
第15実施形態では、素子配列工程で、発光素子1560を、第1基板1550の第1電極1551と、第2電極1552とが相対する場所に配列した後、液体入替工程を行う。
【0154】
この液体入替工程では、第2液体を流し続けることにより、第1液体を、第1液体よりも表面張力が小さい第2液体1588に入れ替える。その後、図25に示すように、第2液体1588を取り除いた後、図26に示すように、基板乾燥工程で、第1基板1550の表面を乾燥して、第2液体1588を完全に除去するようになっている。
【0155】
上記第15実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子1560の配列時には、表面張力の大きな液体(任意の液体)を使用できる一方、乾燥時に、表面張力の小さい液体を使用できる。したがって、配列時に大きな静電誘導あるいは誘電泳動の効果を生成し、かつ、発光素子が凝縮しない液体を使用できて、発光素子1560の配列を効率的に行うことができると共に、乾燥時に表面張力の小さい液体を使用できて、発光素子1560のアラインメントずれを防ぐことができる。
【0156】
(第16実施形態)
図27、図28は、第16実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。尚、図27、図28において、1650は、第1基板を示している。
【0157】
第16実施形態は、素子接続工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0158】
第16実施形態において、発光素子1660は、その表面に、第1領域1670と、第2領域1671とを有すると共に、第1領域1670と、第2領域1671とに電圧を印加されることにより発光するようになっている。
【0159】
また、図27の断面図および図28の鳥瞰図に示すように、素子接続工程では、上記第1領域1670と、第1電極1651とを導電体1680で接続すると共に、第2領域1671と、第2電極1652とを導電体1681で接続するようになっている。
【0160】
上記第16実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子1660と第1電極1651とを導電体1680で接続していると共に、発光素子1660と第2電極1652とを導電体1681で接続しているから、第1および第2電極1651,1652と、微小な発光素子1660との電気接続を良好なものにすることができる。したがって、上記第1電極1651と、第2電極1652との間に、電圧を印加して発光装置を発光させる時に、電圧が発光素子1660にかからない状態(オープン)になることを確実に防止することができる。
【0161】
(第17実施形態)
図29、図30は、第17実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0162】
尚、図29、図30において、第3電極が、存在しないのは、変形例として、第1基板1750に略平行に配置される第2基板およびその第2基板上に位置する第3電極が存在する場合があるからである。また、図29において、参照番号1790,1791,1792は、層間膜を示す。また、理解を容易にするため、図30の鳥瞰図においては、上記層間膜の図示を省略している。
【0163】
第17実施形態は、追加電極形成工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0164】
第17実施形態において、発光素子1760は、その表面に、第1領域1770と、第2領域1771とを有すると共に、第1領域1770と、第2領域1771とに電圧を印加されることにより発光するようになっている。
【0165】
図30の鳥瞰図に示すように、この実施形態では、発光素子1760が、マトリックス状に配列されている。
【0166】
追加電極形成工程では、図29の断面図および図30の鳥瞰図に示すように、全ての棒状発光素子1760の全ての第1領域1770に電気接続する第4電極1780を形成すると共に、全ての棒状発光素子1760の全ての第2領域1771に電気接続する第5電極1781を形成する。
【0167】
上記第17実施形態の発光装置の製造方法によれば、第4電極1780と、第5電極1781に電圧を印加することで、発光素子1760に電圧を印加することができて、第1電極1751と第2電極1752を使用せずに、発光素子1760に電圧を印加する事ができる。したがって、上記発光素子1760の配列時の電極構造(第1電極1751および第2電極1752)と異なる構造の配線(第4電極1780および第5電極1781)を発光素子1760への電圧印加に使用することができて、電圧印加の自由度を大きくすることができ、電圧印加が容易になる。
【0168】
(第18実施形態)
図31、図32は、第18実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0169】
第18実施形態は、素子配列工程の後に、基板分断工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0170】
第18実施形態では、図31に示すように、素子配列工程で、多数の発光素子(例えば、棒状発光素子や、棒状の微小発光素子)1860を、大きな第1基板1850にマトリックス状に配列する。その後、基板分断工程で、図32に示すように、第1基板1850を分断して、複数の発光素子1860がマトリックス状に配列された複数の第1基板1870〜1875を形成する。尚、基板の分断の数は、6に限らず、2以上の自然数であれば如何なる数でも良い。
【0171】
上記第18実施形態の発光装置の製造方法によれば、一度の発光素子1860の配列で、複数の発光素子1860が所定の場所に配列した複数の第1基板1870〜1875を形成することができるから、製造コストを削減できる。
【0172】
(第19実施形態)
図33は、第19実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0173】
第19実施形態では、素子配列工程で、基板1950上に、1000以上の発光素子(例えば、棒状発光素子や、棒状の微小発光素子)1960を配列する点が、素子配列工程で、基板に配列する発光素子の数に制限がない第1実施形態と異なる。
【0174】
一つの発光素子1960が発光する光の光量は、発光装置の全体の光量と比較して小さい。上記第19実施形態の発光装置の製造方法によれば、配列される発光素子1960の数が1000以上であるから、壊れている発光素子1960があった場合でも、発光装置は、良品として判断される。したがって、不良発光素子があっても発光装置が良品になるから、発光素子1960の検査が不要になり、製造コストを削減できる。
【0175】
例えば、不良率が1%の従来の発光素子があり、それらをパッケージングし、10個のパッケージを用いて発光素子とした場合、およそ、10個の発光装置に1個の割合で不良発光素子が含まれ、光量が良品の90%になる。光量90%を不良とすると、発光装置の歩留まりは、90%になるから、発光素子の検査が必要になる。
【0176】
一方、不良率が1%の発光素子を1000個使用した場合、およそ10個の不良発光素子が発光装置に含まれるが、光量は、全ての発光素子が良品である場合の99%になり、良品と判定されるため、発光素子の検査の必要がなくなる。したがって、発光素子の検査のためのコストが必要なくて、製造コストを削減できるのである。
【0177】
尚、上記各実施形態では、他の実施形態と同一の作用効果は、記載を省略している。そして、各実施形態で特有の作用効果のみ記載している。
【0178】
また、上記説明した第1〜19実施形態の発明の構成のうちの2以上の構成を有する実施形態が、この発明の更なる他の実施形態を構成することは、勿論である。
【0179】
また、上述のように、発光素子としては、棒状構造発光素子を用いることができるが、棒状発光素子は、例えば、n型GaN基板上に成長穴を有する成長マスクや金属種などを用いて複数の棒状の発光素子を成長させた後、基板から切り離すことにより、形成できる。
【0180】
図34A、Bは、この発明の発光装置の製造方法で使用できる棒状発光素子を示す図であり、各棒状発光素子の中心軸を含む模式断面図である。
【0181】
図34Aは、縦積み構造を有する棒状発光素子を示している。この棒状発光素子は、棒状のp型半導体層2111と、量子井戸層2112と、棒状のn型半導体層2113とを縦積みにした構造を有している。この棒状発光素子の発光面積2114は、棒状発光素子の端面の半径をr(図34A参照)としたとき、πr2と表される。2×πr2とならないのは、量子井戸層2112の棒状発光素子の延在方向の厚さが非常に薄くて、量子井戸層2112を3次元でなくて、近似的に2次元の平面としてとらえた方が正確であるからである。
【0182】
一方、図34Bは、コア−シェル−シェル構造を有する棒状発光素子を示している。この棒状発光素子は、円柱状の形状(棒状の形状)を有する第1導電型としてのn型の第1半導体層2121と、第1半導体層2121の外周面を覆うように配置された筒状の量子井戸層2122と、量子井戸層2122の外周面を覆うように配置された筒状の第2導電型としてのp型の第2半導体層2123とを有している。
【0183】
言い換えれば、この棒状発光素子は、n型半導体−量子井戸−p型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしている。この棒状発光素子の発光面積2124は、量子井戸層2122の外周面の直径をdとし、棒状発光素子の長さをLとしたとき、πdLと表される。
【0184】
したがって、発光素子として、図34Bで示すコア−シェル−シェル構造を有する棒状発光素子を使用すると、各棒状発光素子の側面の略全面に発光層を形成できるから、棒状発光素子一個あたりの発光面積を大きくすることができる。
【0185】
尚、この例では、第1導電型がnである一方、第2導電型がpで、棒状発光素子が、n型半導体−量子井戸−p型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしていたが、この発明では、第1導電型がpである一方、第2導電型がnで、棒状発光素子が、p型半導体−量子井戸−n型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしていても良いことは言うまでもない。
【0186】
図35は、棒状発光素子の直径と、棒状発光素子の曲がりとの関係を表す模式図である。
【0187】
詳しくは、図35Aは、棒状発光素子の直径が500nmより小さい発光装置の一例を示す模式図である。
【0188】
この発光装置は、基板2221と、その基板2221上に形成された第1電極2222および第2電極2223と、棒状発光素子2224とを有し、棒状発光素子2224の一端部は、第1電極2222上に接続されている一方、棒状発光素子2224の他端部は、第2電極2223上に接続されている。棒状発光素子2224の直径が500nmより小さい場合には、図35Aに示すように、棒状発光素子2224が非常に曲がり易くなり、棒状発光素子2224の曲がりに付随する応力が発生する。そして、この応力によって、棒状発光素子2224の発光効率が低下する。
【0189】
一方、図35Bは、棒状発光素子の直径が500nmより大きい発光装置を示す模式図である。
【0190】
この発光装置は、基板2251と、その基板2251上に形成された第1電極2252および第2電極2253と、棒状発光素子2254とを有し、棒状発光素子2254の一端部は、第1電極2252上に接続されている一方、棒状発光素子2254の他端部は、第2電極2253上に接続されている。棒状発光素子2254の直径が500nmより大きい場合には、図35Bに示すように、棒状発光素子2254が曲がることがない。したがって、棒状発光素子2254の曲がりに付随する発光量の低下が起こることがなく、各棒状発光素子2254から期待通りの発光量を取り出すことができる。
【0191】
図36は、この発明で製造可能な発光装置の構造を示す模式図である。
【0192】
この発光装置は、第1電極2322と、第2電極2323と、棒状発光素子2324とを有している。上記棒状発光素子2324は、n型半導体-量子井戸-p型半導体あるいはp型半導体-量子井戸-n型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしていて、直径が500nm以上になっている。
【0193】
上記棒状発光素子2324の一端部は、棒状発光素子2324の延在方向の寸法がa(この実施形態では、a=1.5μm)のコンタクト2326によって、第1電極2322上に接続される一方、棒状発光素子2324の他端部は、棒状発光素子2324の延在方向の寸法が1.5μmのコンタクト2327によって、第2電極2323上に接続されている。尚、コンタクト領域の棒状発光素子の延在方向の寸法は、1.5μmに限定されるものでなく、これよりも長くても良く、短くても良いことは、言うまでもない。
【0194】
コア-シェル-シェル構造の棒状発光素子2324の1本の発光面積は棒状発光素子の長さをL[μm]、直径をD[μm]とし、図36に示すように、棒状発光素子の両端に1.5[μm]のコンタクトをとると、コンタクト部は発光しないため、量子井戸層の外周面を、棒状発光素子の外周面と近似的に同視できるものとして、d≒Dより、
発光面積=(L−3)×πD [μm2]
となる。
【0195】
また、棒状発光素子は1つの電極間に1本ずつ配列することが望ましい。図37に示すように、一対の電極2422,2423間に2本以上の棒状発光素子2424,2425を配列すると、図37に示すように、棒状発光素子2424,2425のクロスが頻繁に発生し、不良の原因となるためである。
【0196】
図38Aは、棒状発光素子が原因となる不良構造を示す模式図であり、図38Bは、その不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【0197】
詳しくは、図38Aは、棒状発光素子2524が、互いに対向する電極簡に配列せず、棒状発光素子2524の一端部が、一の電極に接続されると共に、その棒状発光素子2524の他端部が、その一の電極に対向する電極に、その対向する方向に垂直な方向に隣接する電極に接続された不良構造を示す模式図である。この不良構造が発生すると、所定の数の棒状発光素子を配列できなくなるから、所定の光量を得ることができなくなる。
【0198】
この不良構造は、図38Bに示すように、上記対向する方向に垂直な方向に隣接する電極間の間隔bを、0.5×棒状発光素子の長さ以上空けることで回避できる。このようにすれば、長さの制約によって、上記対向する方向にクロスする電極間の接合が困難になるからである。
【0199】
図39Aは、棒状発光素子が原因となる他の不良構造を示す模式図であり、図39Bは、その不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【0200】
詳しくは、図39Aは、棒状発光素子2624の一端部が、配列が予定される対の電極の対向方向に垂直な方向に隣接する電極の間に形成される凹部に接続されると共に、棒状発光素子2624の一端部が、その凹部に上記対向方向に対向する凹部に接続された不良構造を示す模式図である。また、図示しないが、これ以外のこの種類の不良構造としては、棒状発光素子の一端部が、凹部に接続すると共に、棒状発光素子の他端部が、電極の所定の位置に接続したものもある。これらの不良構造は、予定された発光位置での発光を阻害し、発光の輝度ムラを引き起こす。
【0201】
この不良構造は、図39Bに示すように、配列が予定される対の電極の対向方向に垂直な方向に隣接する電極の間に形成される凹部の底同士の距離cを、1.5×棒状発光素子の長さ以上にすることで回避できる。このようにすれば、長さの制約によって、棒状発光素子が、凹部に接続することが困難になるからである。
【0202】
図40Aは、棒状発光素子が原因となる他の不良構造を示す模式図であり、図40Bは、その不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【0203】
詳しくは、図40Aは、棒状発光素子2724,2725が、電極対の異なる列の間に配列した不良構造を示す模式図である。この不良構造が発生すると、所定の発光量および所定の光出射密度の均一性を実現不可能になる。
【0204】
この不良構造は、図40Bに示すように、隣接する電極対の異なる列の間の距離eを2.5×棒状発光素子の長さ以上にすることで回避できる。棒状発光素子が3個以上直列に配向することは殆どあり得ないからである。
【0205】
これらから、棒状発光素子1つが占領する基板面積Sは、棒状発光素子の長さをL[μm]とすると、
S≒0.5×L(1.5×L+2.5×L)=0.5L×4L[μm2]
となる。ここから基板面積あたりの発光面積は、
(L−3)×πD/(0.5L×4L)[μm2]
となる。
【0206】
ここで、1[lm(ルーメン)]の発光あたり2.0×105μm2以上の基板面積を使用するとコストが上がるため、2.0×105μm2より小さい基板面積で、1[lm]の発光をすることが望ましい。また、棒状発光素子は、通常、1[μm2]の発光面積あたり70×10−6[lm]の明るさがあるため、
70×10−6×(L−3)×π×D/(0.5L×4L)
≧1/(2.0×105)
=5.0×10−6・・・式(1)
が成り立つ。
【0207】
図41は、有効な棒状発光素子の直径と長さとの関係を示す図であり、70×10−6×(L−3)×π×D/(0.5L×4L)=5.0×10−6のDL2次元平面上の軌跡を表す図である。
【0208】
コストを生産ベースに載せるためには、上述のように、上記式(1)を満たす必要があり、図41において、棒状発光素子の直径は、線fよりも大きい必要がある。したがって、図41に示すように、線fは、0.5[μm](500[nm])よりも大きい直径Dの極小値を有しているから、棒状発光素子の直径を、500nm以上にする必要がある。また、直径Dを、1[μm]以上にすることにより、基板面積あたりの発光を大きくすることができ、さらにコストメリットをだすことができる。
【0209】
以上、本発明の発光装置の製造方法で用いることができる棒状発光素子についての詳しい説明を行った。しかしながら、この発明では、発光素子として、棒状発光素子以外の発光素子を使用しても良いことは、言うまでもない。具体的には、この発明では、円形状、楕円状、正方形状、矩形状、多角形状などの平坦な発光面を有し、その発光面が基板に対して平行になるように実装面上に配置される形態の発光素子を使用しても良い。
【符号の説明】
【0210】
50 絶縁性基板
51 第1電極
52 第2電極
60 棒状構造発光素子
61 イソプロピルアルコール
250,350,450,550,650,750,1150,1250,1350,1450,1550,1650,1750,1850,1870,1871,1872,1873,1874,1875,1950 第1基板
251,451,551,651,751,1051,1071,1081,1151,1251,1351,1451,1551,1651,1751 第1電極
252,452,552,652,752,1052,1072,1082,1152,1252,1352,1452,1552,1652,1752 第2電極
257,357,457,557,657,757,1157,1257 液体
260,360,460,560,660,760,1060,1070,1080,1160,1260,1360,1460,1560,1660,1760,1860,1960 発光素子
380,480,580 第2基板
453 第3電極
677 絶縁膜
777 第1基板の表面
1170 所定の場所に配列しなかった発光素子
1588 第2液体
1670,1770 発光素子の第1領域
1671,1771 発光素子の第2領域
1680,1681 導電体
1780 第4電極
1781 第5電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光装置としては、パッケージングされたLEDチップを複数備え、上記各パッケージングされたLEDチップを、基板上の所定位置に実装したものがある。
【0003】
ここで、上記パッケージングされたLEDチップとしては、Semiconductor FPD World 2009年5月号114〜117ページ プレスジャーナル社(非特許文献1)に記載されているものがある。
【0004】
図42は、上記文献のパッケージングされたLEDチップを示す図である。
【0005】
図42において、2000は、反射板を示し、2001は、蛍光体を含む樹脂を示し、2002は、金線を示し、2003は、透明樹脂を示し、2004は、p型電極を示している。また、2005は、GaN層を示し、2006は、活性層を示し、2007は、サファイア基板を示し、2008は、n型電極を示し、2009は、金線を示している。また、2010は、リードフレームを示し、2011は、反射板を示し、2012は、パッケージ基板を示している。
【0006】
また、上記発光装置としては、松下電工技報vol.53,No.1,4〜9ページ(非特許文献2)に記載されているものがある。
【0007】
図43は、上記文献の発光装置を示す斜視図である。
【0008】
図43において、2015は、パッケージングされたLEDチップである。
【0009】
図43に示すように、この発光装置は、各パッケージングされたLEDチップ2015を、所定位置に配置して、所望の光を生成するようになっている。
【0010】
上記発光装置は、各パッケージングされたLEDチップ2015を、所定位置に複数個配置しているから、所望の光の出射光量を得ることができるという利点を有する。
【0011】
しかし、従来技術では、パッケージ工程および実装工程のいずれにおいても、LEDチップ2015およびLEDパッケージを1つ1つ個別に操作して基板上に配置しているから、パッケージコストおよび実装コストが高くつくという問題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Semiconductor FPD World 2009年5月号114〜117ページ プレスジャーナル社
【非特許文献2】松下電工技報vol.53,No.1,4〜9ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明の課題は、パッケージコストおよび実装コストを抑制できる発光装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、この発明の発光装置の製造方法は、
第1電極と、第2電極とを有する第1基板を準備する基板準備工程と、
第1液体と、その第1液体内に位置する複数の発光素子とを有する素子含有液体を、上記第1基板上に位置させる素子供給工程と、
上記第1電極と上記第2電極とに電圧を印加して、上記電圧の印加によって生成される電場に基づいて決定される予め定められた位置に、二以上の上記発光素子を配列する素子配列工程と
を備えることを特徴としている。
【0015】
本発明によれば、1つ1つの発光素子を個別に操作することなく、一度の処理で複数の発光素子を所定の場所に配列できるから、製造コストを削減することができる。
【0016】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程において、上記素子含有液体を上記第1基板に対して相対移動させる。
【0017】
上記実施形態によれば、発光素子が第1基板の表面近くで液体の流れに乗って移動するから、発光素子が第1電極と第2電極で規定される所定の場所により短時間で近づくことができる。したがって、発光素子の配列時間を短縮することができる。
【0018】
また、一実施形態では、
上記第1基板と略平行に第2基板を配置する第2基板配置工程を備え、
上記素子供給工程において、上記素子含有液体を、上記第1基板と上記第2基板との間に充填する。
【0019】
上記実施形態によれば、互いに略平行に配置された第1基板および第2基板によって、液体の蒸発を防ぐことができるから、精度良くかつ歩留まり良く、発光素子を、所定の場所に配列することができる。
【0020】
また、一実施形態では、
上記第2基板は、上記第1電極および上記第2電極と対向する第3電極を有し、
上記素子供給工程および上記素子配列工程のうちの少なくとも一方の工程において、上記第1電極と、上記第3電極との間に電圧を印加する。
【0021】
上記実施形態によれば、第1電極と、第3電極との間に非対称な電圧を印加することによって、発光素子を第1電極方向あるいは第3電極方向に移動させることができる。したがって、配列時間を短縮することができ、かつ、配列しなかった発光素子を迅速に回収等できる。
【0022】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程において、上記素子含有液体を、上記第1基板と上記第2基板との間に流動させる。
【0023】
上記実施形態によれば、第1基板と、第2基板により素子含有液体の流路を規定できて、液体の蒸発を防ぐことができ、気化に起因する冷却により対流が起こることを防ぐことができるから、精度良く、また、歩留まり良く、発光素子を所定の場所に配列することができる。
【0024】
また、上記実施形態によれば、発光素子が、第1基板の表面近くで、液体の流れに乗って移動するから、発光素子が、第1電極と、第2電極で規定される所定の場所に、近付き易く、配列する時間を短縮することができる。
【0025】
また、上記実施形態によれば、第1基板と、第2基板との隙間を第1基板上の場所によらず一定にすることで、液体の流速を第1基板上の場所にかかわらず一定にすることができるから、歩留まり良く、発光素子を所定の場所に配列することができる。
【0026】
また、上記実施形態によれば、第1および第2基板により規定される流路に注入する液体の量を調整することにより、容易に液体の流速を変えることができるから、歩留まり良く発光素子を所定の場所に配列させることができる。
【0027】
また、一実施形態では、
上記第1電極の表面および上記第2電極の表面を、絶縁膜で覆う。
【0028】
上記実施形態によれば、第1および第2電極に電流が流れなくなるから、電圧降下を非常に小さくすることができて、配列の歩留まりを向上させることができる。第1基板が、大規模になり、配列する発光素子が多数になると、第1および第2電極の配線長が長くなり、電圧降下が顕著になり、配線の未端で配列が行われなくなる恐れがあるのである。
【0029】
また、上記実施形態によれば、第1電極と第2電極との間に、電流が流れなくなるから、電気化学効果によって電極が溶解するのを防ぐことができ、断線や液体の汚染による配列歩留まりの悪化を防ぐことができる。金属電極が、電解液に接触した状態で、電圧が電極間に印加させると、金属が電解液中に溶け出すことがあるのである。
【0030】
また、一実施形態では、
上記第1基板の表面は、上記発光素子の表面の材料と同じ材料からなっている。
【0031】
上記実施形態によれば、第1基板の表面に固着する発光素子を減少させることができて、配列歩留まりを向上させることができる。というのは、発光素子と、第1基板の表面の材料とが同一である場合、ゼータポテンシャルが同じになり、互いに反発し、発光素子が第1基板の表面に固着することを防止することができるからである。
【0032】
また、一実施形態では、
上記素子含有液体は、界面活性剤を含んでいる。
【0033】
上記実施形態によれば、発光素子同士が凝縮、あるいは、発光素子が、絶縁膜、基板、電極に固着することを防止することができる。
【0034】
また、一実施形態では、
上記各発光素子中の異なる2点の最長距離は、50μm以下である。
【0035】
上記実施形態によれば、最大寸法が50μm以下の発光素子であっても、発光素子の個数によらず容易に所定の場所に配置することができる。更に述べると、むしろ微細な物体を配列するのに向いている。微小寸法の発光素子を多数配列することによって、面照明等での明るさむらを低減することができる点で、有効である。
【0036】
また、一実施形態では、
上記複数の発光素子の夫々は、棒状の形状を有している。
【0037】
上記実施形態によれば、発光素子が、棒状であるから、発光素子の一端を、第1電極上に固定でき、発光素子の他端を、第2電極に固定できる。したがって、アラインメント精度を優れたものにすることができる。
【0038】
また、一実施形態では、
上記発光素子は、
円柱状の第1導電型の第1半導体層と、
上記第1半導体層の外周面を覆うように配置された筒状の量子井戸層と、
上記量子井戸層の外周面を覆うように配置された筒状の第2導電型の第2半導体層と
を有している。
【0039】
言い換えれば、発光素子は、n型半導体−量子井戸−p型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしているか、または、p型半導体−量子井戸−n型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしている。
【0040】
上記実施形態によれば、棒状発光素子の側面の略全面に発光層を形成できるから、棒状発光素子一個あたりの発光面積を大きくすることができる。
【0041】
また、一実施形態では、
上記複数の発光素子の夫々は、棒状の形状を有し、
上記各発光素子の延在方向に垂直な断面の直径は、500nmよりも大きい。
【0042】
上記実施形態によれば、配列した棒状発光素子の強度を大きくすることができて、配列した棒状発光素子が曲がらないようにすることができる。したがって、発光素子内の応力を小さくすることができて、応力による発光効率の低下を抑制することができる。
【0043】
また、一実施形態では、
上記発光素子は、
円柱状の第1導電型の第1半導体層と、
上記第1半導体層の外周面を覆うように配置された筒状の量子井戸層と、
上記量子井戸層の外周面を覆うように配置された筒状の第2導電型の第2半導体層と
を有し、
上記各発光素子の延在方向に垂直な断面の直径は、500nmよりも大きい。
【0044】
言い換えれば、各発光素子は、棒状のコア-シェル-シェル構造をしており、かつ、各発光素子の直径は、500nmよりも大きい。
【0045】
上記実施形態によれば、各発光素子の光の発光量を十分なものにすることができるから、1つの電極対に一つの発光素子のみを配列しても、十分な発光密度を得ることができる。
【0046】
また、一実施形態では、
上記複数の発光素子のうちで上記予め定められた位置に配列しなかった発光素子を排出する素子排出工程を備える。
【0047】
上記実施形態によれば、所定の場所に配列しなかった発光素子を回収できると共に、別の第1基板に配列することができ、発光装置の製造コストを低減できる。
【0048】
また、上記実施形態によれば、所定の場所に配列しなかった発光素子が、乾燥後等に凝縮して、配線不良を起こすことを防止できる。
【0049】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程の後に、上記第1電極と上記第2電極との間に、上記素子配列工程で上記第1電極と上記第2電極との間に印加した電圧よりも高い電圧を印加して、上記予め定められた位置に配列している上記発光素子を、その予め定められた位置に固定する素子固定工程を備える。
【0050】
上記実施形態によれば、発光素子を、所定の位置に固定できるから、アラインメント精度を優れたものにすることができる。
【0051】
また、上記実施形態によれば、液体の流れが速くなった場合でも発光素子が移動することがなく、また、液体を除去する際にも、発光素子が移動することがないから、アラインメント精度を格段に優れたものにすることができる。
【0052】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程の後に、上記第1基板の表面を乾燥する基板乾燥工程を備える。
【0053】
上記実施形態によれば、基板乾燥工程によって、発光素子を電極間に固定できる。また、基板乾燥工程によって、第1基板の表面に保護膜を形成することができて、発光素子を保護することができる。
【0054】
また、一実施形態では、
上記素子含有液体の表面張力が、50mN/m以下である。
【0055】
上記実施形態によれば、
第1基板の表面が、表面張力の大きな液体で濡れている状態で乾燥すると、乾燥中に液体の表面が発光素子に触れることにより発光素子が動き、アラインメントずれが起きることがある。上記実施形態によれば、表面張力が小さな液体を使用しているから、アラインメントずれを防ぐことができる。
【0056】
また、一実施形態では、
上記素子含有液体の表面張力が、30mN/m以下である。
【0057】
上記実施形態によれば、表面張力が50mN/mよりも更に小さい液体を使用しているから、アラインメントずれを確実に防ぐことができる。
【0058】
また、一実施形態では、
上記素子供給工程の後かつ上記基板乾燥工程の前に、上記第1液体を、その第1液体よりも表面張力が小さい第2液体に入れ替える液体入替工程を備える。
【0059】
上記実施形態によれば、発光素子の配列時には、表面張力の大きな液体(任意の液体)を使用できる一方、乾燥時に、表面張力の小さい液体を使用できる。したがって、配列時に大きな静電誘導の効果を生成する液体を使用できて、発光素子の配列を効率的に行うことができると共に、乾燥時に表面張力の小さい液体を使用できて、発光素子のアラインメントずれを防ぐことができる。
【0060】
また、一実施形態では、
上記各発光素子は、その発光素子の表面に、第1領域と、第2領域とを有すると共に、上記第1領域と、上記第2領域とに電圧を印加されることにより発光するようになっており、
上記第1領域と、上記第1電極とを導電体で接続すると共に、上記第2領域と、上記第2電極とを導電体で接続する素子接続工程を備える。
【0061】
上記実施形態によれば、発光素子と第1電極とを導電体で接続していると共に、発光素子と第2電極とを導電体で接続しているから、第1および第2電極と、微小な発光素子との電気接続を良好なものにすることができる。したがって、上記第1電極と、第2電極との間に、電圧を印加して発光装置を発光させる時に、電圧が発光素子にかからない状態(オープン)になることを確実に防止することができる。
【0062】
また、一実施形態では、
上記発光素子は、その発光素子の表面に、第1領域と、第2領域とを有すると共に、上記第1領域と、上記第2領域とに電圧を印加されることにより発光するようになっており、
上記予め定められた位置に配列されている上記二以上の発光素子の二以上の上記第1領域に接続する第4電極と、上記予め定められた位置に配列されている上記二以上の発光素子の二以上の上記第2領域に接続する第5電極とを形成する追加電極形成工程を備える。
【0063】
上記実施形態によれば、第4電極と、第5電極に電圧を印加することで、発光素子に電圧を印加することができて、第1電極と第2電極を使用せずに、発光素子に電圧を印加する事ができる。したがって、上記発光素子の配列時の電極構造(第1電極および第2電極)と異なる構造の配線(第4電極および第5電極)を発光素子への電圧印加に使用することができて、電圧印加の自由度を大きくすることができ、電圧印加が容易になる。
【0064】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程の後に、上記第1基板を分断する基板分断工程を備える。
【0065】
上記実施形態によれば、一度の発光素子の配列で、複数の発光素子が所定の場所に配列した複数の基板を形成することができるから、製造コストを削減できる。
【0066】
また、一実施形態では、
上記素子配列工程で、上記第1基板上に、1000個以上の上記発光素子を配列する。
【0067】
上記実施形態によれば、発光素子の検査のためのコストが必要なくて、製造コストを削減できる。
【発明の効果】
【0068】
本発明の発光装置の製造方法によれば、1つ1つの発光素子を個別に操作することなく、一度の処理で複数の発光素子を所定の場所に配列できるから、製造コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】第1実施形態の発光装置の製造方法で使用する第1基板の平面図である。
【図2】図1のXII−XII線から見た断面模式図である。
【図3】棒状構造発光素子が第1,第2電極上に配列する原理を示す図である。
【図4】電気力線が一様ではない場合を示す図である。
【図5】本発明で使用可能な幅0.5μm〜10μmの電極を示す図である。
【図6】棒状構造発光素子を配列した絶縁性基板の平面図である。
【図7】棒状構造発光素子を配列した絶縁性基板を用いた表示装置の平面図を示している。
【図8】第2実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図9】第3実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図10】第4実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図11】第4実施形態において、第3電極に印加する電圧の例を示す図である。
【図12】第4実施形態において、第3電極に印加する電圧の例を示す図である。
【図13】第5実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図14】第6実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図15】第7実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図16】第10実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図17】発光素子が、棒状発光素子でない場合の問題点を説明する模式図である。
【図18】発光素子が、棒状発光素子でない場合の問題点を説明する模式図である。
【図19】第11実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図20】第12実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図21】第13実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図22】第13実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図23】第14実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図24】第14実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図25】第15実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図26】第15実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図27】第16実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図28】第16実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図29】第17実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図30】第17実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図31】第18実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図32】第18実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図33】第19実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図34A】縦積み構造を有する棒状発光素子を示す模式図である。
【図34B】コア−シェル−シェル構造を有する棒状発光素子を示す模式図である。
【図35A】棒状発光素子の直径が500nmより小さい発光装置の一例を示す模式図である。
【図35B】棒状発光素子の直径が500nmより大きい発光装置を示す模式図である。
【図36】この発明で製造可能な発光装置の構造を示す図である。
【図37】棒状発光素子の交差が起きるメカニズムを説明するための図である。
【図38A】棒状発光素子が原因となる一不良構造を示す模式図である。
【図38B】図38Aに示す不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【図39A】棒状発光素子が原因となる一不良構造を示す模式図である。
【図39B】図39Aに示す不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【図40A】棒状発光素子が原因となる一不良構造を示す模式図である。
【図40B】図40Aに示す不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【図41】有効な棒状発光素子の直径と長さとの関係を示す図である。
【図42】パッケージングされた従来のLEDチップを示す図である。
【図43】従来の発光装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0071】
尚、以下の実施形態で、素子含有液体とは、液体と、その液体内に位置する複数の発光素子とを有する物質をさす。また、所定の位置(場所)とは、予め定められた位置(場所)のことである。
【0072】
(第1実施形態)
先ず、基板準備工程を行う。この基板準備工程では、平面図を以下の図1に示す第1基板としての絶縁性基板50を準備する。
【0073】
図1に示すように、絶縁性基板50は、その表面に、金属製の第1電極51と、金属製の第2電極52とを有している。上記絶縁性基板50はガラス、セラミック、酸化アルミニウム、樹脂のような絶縁体、またはシリコンのような半導体表面にシリコン酸化膜を形成し、表面が絶縁性を有するような基板である。ここで、ガラス基板を用いる場合は、表面にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜のような下地絶縁膜を形成するのが望ましい。
【0074】
上記第1および第2電極51,52は、印刷技術を利用して所望の電極形状に形成している。なお、上記第1および第2電極51,52は、例えば、金属膜および感光体膜を一様に積層し、所望の電極パターンを露光し、エッチングして形成してもよい。
【0075】
図1では省略されているが、第1および第2電極51,52には、外部から電位を設定できるように、パッドを形成している。この第1および第2電極51,52が対向する部分(配列領域)に棒状構造発光素子を配列する。図1では、棒状構造発光素子を配列する配列領域が2×2個配列されているが、任意の個数を配列してよい。
【0076】
図2は、図1のXII−XII線から見た断面模式図である。
【0077】
次に、素子供給工程を行う。素子供給工程では、図2に示すように、絶縁性基板50上に、液体の一例としてのイソプロピルアルコール(IPA)61と、そのIPA61中に位置する発光素子の一例としての棒状構造発光素子60とを有する素子含有液体を、薄く塗布する。液体としては、IPA61の他に、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタノール、エタノール、アセトン、またはそれらの混合物等を使用することができる。あるいは、液体としては、IPA61以外の他の有機物からなる液体、水などを使用することができる。
【0078】
ただし、液体を通じて第1および第2電極51,52間に大きな電流が流れてしまうと、第1および第2電極51,52間に所望の電圧差を印加できなくなってしまう。そのような場合には、第1および第2電極51,52を覆うように、絶縁性基板50の表面全体に、10nm〜300nm程度の絶縁膜をコーティングすればよい。
【0079】
棒状構造発光素子60を含むIPA61を塗布する厚さは、次に棒状構造発光素子60を配列する工程で、棒状構造発光素子60が配列できるよう、液体中で棒状構造発光素子60が移動できる厚さである。したがって、IPA61を塗布する厚さは、棒状構造発光素子60の太さ以上であり、例えば、数μm〜数mmである。塗布する厚さは薄すぎると、棒状構造発光素子60が移動し難くなり、厚すぎると、乾燥を行う場合に液体を乾燥する時間が長くなる。また、IPAの量に対して、棒状構造発光素子60の量は、1×104本/cm3〜1×107本/cm3が好ましい。
【0080】
棒状構造発光素子60を含むIPA61を塗布するために、棒状構造発光素子60を配列させる金属電極の外周囲に枠を形成し、その枠内に棒状構造発光素子60を含むIPA61を所望の厚さになるように充填してもよい。しかしながら、棒状構造発光素子60を含むIPA61が粘性を有する場合は、枠を必要とせずに、所望の厚さに塗布することが可能である。
【0081】
次に、素子配列工程を行う。この素子配列工程では、第1電極51と、第2電極52との間に交流電圧を印加する。この第1実施形態では、1V、5KHzの交流とするのが適当であった。第1,第2電極51,52の交流電圧は、0.1〜10Vを印加することができるが、0.1V以下では棒状構造発光素子60の配列が悪くなり、10V以上では、第1と第2電極間に素子が凝集する。したがって、0.5〜5Vが好ましく、更には1V程度とするのが好ましい。また、交流周波数は1Hz〜10MHzを使用することができるが、1Hz以下では配列ばらつきが大きくなり、10MHz以上では電極に所望の電圧を印加することが難しくなる。したがって、10Hz〜1MHzが好ましいく、更には100Hz〜1KHzが好ましい。さらに、第1,第2電極51,52間に印加するAC電圧は、正弦波に限らず、矩形波、三角波、ノコギリ波など、周期的に変動するものであればよい。
【0082】
図3は、上記棒状構造発光素子60が第1,第2電極51,52上に配列する原理を示している。図3に示すように、第1電極51に電位VLを印加し、第2電極52に電位VR(VL<VR)を印加すると、第1電極51には負電荷が誘起され、第2電極52には正電荷が誘起される。そこに棒状構造発光素子60が接近すると、棒状構造発光素子60において、第1電極51に近い側に正電荷が誘起され、第2電極52に近い側に負電荷が誘起される。この棒状構造発光素子60に電荷が誘起されるのは静電誘導による。すなわち、電界中に置かれた棒状構造発光素子60は、内部の電界が0となるまで表面に電荷が誘起されることによる。その結果、各電極と棒状構造発光素子60との間に静電力により引力が働き、棒状構造発光素子60は、第1,第2電極51,52間に生じる電気力線に沿う。
【0083】
また、図4のように電気力線が一様ではない場合、誘電泳動により、棒状発光素子60は電極方向に引き寄せられる。静電力と誘電泳動の両方あるいはどちらか一方の力により、棒状発光素子は電極に近づく。また、各棒状構造発光素子60に誘起された電荷がほぼ等しいので、電荷による反発力により、ほぼ等間隔に一定方向に規則正しく配列する。尚、図4において、70は、微小発光素子を示し、71は、液体を示し、72は、一様でない電界を示し、73は、第2電極を示し、74は、第1電極を示し、75は、第1基板を示す。
【0084】
また図5のように幅0.5μm〜10μmの電極を用いると各電極間に1本ずつ棒状発光素子を配列することができる。尚、図5においては、aが電極の幅に相当し、aが0.5μm〜10μmの範囲に収まることになる。
【0085】
以上のように、棒状構造発光素子60が第1,第2電極51,52間に発生した外部電場により、第1,第2電極51,52に棒状構造発光素子60を吸着させるので、棒状構造発光素子60の大きさは、液体中で移動可能な大きさであることが必要である。したがって、液体の塗布量(厚さ)は棒状発光素子の直径よりも大きくする必要がある。
【0086】
図6は、上記棒状構造発光素子60を配列した絶縁性基板50の平面図を示している。この棒状構造発光素子60を配列した絶縁性基板50を、液晶表示装置などのバックライトに用いることにより、薄型化と軽量化が可能でかつ発光効率が高く省電力なバックライトを実現することができる。また、この棒状構造発光素子60を配列した絶縁性基板50を発光装置として用いることにより、薄型化と軽量化が可能でかつ発光効率が高く省電力な発光装置を実現することができる。
【0087】
図7は、上記棒状構造発光素子60を配列した絶縁性基板50を用いた表示装置の平面図を示している。図7に示すように、表示装置100は、絶縁性基板110上に、表示部101、論理回路部102、論理回路部103、論理回路部104および論理回路部105を備える構成となっている。上記表示部101には、マトリックス状に配置された画素に棒状構造発光素子60を配列している。
【0088】
上記第1実施形態の発光装置の製造方法によれば、一つ一つの発光素子を個別に操作することなく、一度の処理で複数の発光素子を所定の場所に配列できるから、製造コストを削減することができる。
【0089】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。尚、図8において、矢印Aは、液体257の流れを示している。
【0090】
第2実施形態では、素子配列工程で、発光素子260を含む素子含有液体を、第1基板250に対して相対的に流動させる点のみが、第1実施形態と異なる。
【0091】
上記発光素子260を含む素子含有液体を、第1基板250に対して相対的に流動させる方法としては、例えば、素子含有液体に圧力をかけたり、第1基板250を傾斜させたり、素子含有液体に風を吹き付ける等の方法があり、素子含有液体に速度成分を与える方法であれば、いかなる方法でも良い。
【0092】
上記第2実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子260が第1基板250の表面近くで液体の流れに乗って移動するから、発光素子260が第1電極251と第2電極252で規定される所定の場所により短時間で近づくことができる。したがって、発光素子260の配列時間を短縮することができる。
【0093】
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0094】
第3実施形態では、基板準備工程の後に、第1基板350と略平行に第2基板380を配置する第2基板配置工程を行い、その後の素子供給工程において、第1基板350と、第2基板380との隙間に、発光素子含有液体を、充填する点が、第1実施形態と異なる。
【0095】
上記第3実施形態の発光装置の製造方法によれば、互いに略平行に配置された第1基板350および第2基板380によって、液体の蒸発を防ぐことができるから、精度良くかつ歩留まり良く、発光素子360を、所定の場所に配列することができる。
【0096】
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0097】
第4実施形態では、第2基板480が、第1基板450の第1および第2電極451,452と対向する第3電極453を有し、素子供給工程および素子配列工程のうちの少なくとも一方の工程において、第1電極451と第2電極452の少なくとも一方と、第3電極453との間に電圧を印加する点が、第3実施形態と異なる。
【0098】
発光素子460が所定の場所に配列するためには、第1基板450付近にある必要がある。ここで、通常は、発光素子460を重力で落下させて、所定位置に配列する。第4実施形態によれば、電圧を印加して、発光素子460を、第1基板450側に移動させることができるから、速やかに発光素子460を第1基板450付近に移動させることができて、発光素子460の配列を迅速に行うことができる。
【0099】
また、所定の場所に配列しなかった発光素子460は、再利用のため又は配線不良の防止のため回収する必要がある。ここで、このような液体中で浮遊している発光素子460は、第1基板450と第2基板480の中間付近に移動させることにより、速やかに第1基板450上から排出することができる。すなわち、図10の流速を示すグラフにより、第1基板450と、第2基板480の中間辺りの液体の流速が、高いから、配列しなかった発光素子460を、第1電極451と第3電極453との間に印加する交流電圧により、上記中間位置に移動させることで、その浮遊している発光素子460を、効率的に回収することができるのである。
【0100】
図11および図12は、第3電極453に印加する電圧の例を示す図である。詳しくは、図11は、液体中に浮遊している発光素子460を、第1電極451(下部電極)側に移動させる際に、第3電極453に印加する電圧である。また、図12は、液体中に浮遊している発光素子460を、第3電極453(上部電極)側に移動させる際に、第3電極453に印加する電圧である。
【0101】
上記第4実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1電極(下部電極)450と、第3電極(上部電極)480間に、図11,図12に示すような非対称な電圧を印加することによって、発光素子460を第1電極451方向あるいは第3電極453方向に移動することができる。したがって、配列時間を短縮することができ、かつ、配列しなかった発光素子460を迅速に回収等できる。
【0102】
(第5実施形態)
図13は、第5実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0103】
第5実施形態では、素子配列工程において、発光素子を含む液体である素子含有液体が、第1基板と、第2基板との間を、図13に矢印Bで示すように、第1電極551側から第2電極552側に流動することが第3実施形態と異なる。
【0104】
第5実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1基板550と、第2基板580により素子含有液体の流路を規定できて、液体の蒸発を防ぐことができ、気化に起因する冷却により対流が起こることを防ぐことができるから、精度良く、また、歩留まり良く、発光素子560を所定の場所に配列することができる。
【0105】
また、上記第5実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子560が、第1基板550の表面近くで、液体の流れに乗って移動するから、発光素子560が、第1電極551と、第2電極552で規定される所定の場所に、近付き易く、配列する時間を短縮することができる。
【0106】
また、上記第5実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1基板550と、第2基板580との隙間を第1基板550上の場所によらず一定にすることで、液体の流速を第1基板550上の場所にかかわらず一定にすることができるから、歩留まり良く、発光素子560を所定の場所に配列することができる。
【0107】
また、上記第5実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1および第2基板550,580により規定される流路に注入する液体の量を調整することにより、容易に液体の流速を変えることができるから、歩留まり良く発光素子を所定の場所に配列させることができる。
【0108】
(第6実施形態)
図14は、第6実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0109】
第6実施形態は、第1および第2電極651,652の表面が、絶縁膜677で覆われている点が、第1実施形態と異なる。
【0110】
第6実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1および第2電極651,652に電流が流れなくなるから、電圧降下を非常に小さくすることができて、配列の歩留まりを向上させることができる。第1基板650が、大規模になり、配列する発光素子が多数になると、第1および第2電極651,652の配線長が長くなり、電圧降下が顕著になり、配線の未端で配列が行われなくなる恐れがあるのである。
【0111】
また、上記第6実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1電極と第2電極との間に、電流が流れなくなるから、電気化学効果によって電極が溶解するのを防ぐことができ、断線や液体の汚染による配列歩留まりの悪化を防ぐことができる。金属電極651,652が、電解液に接触した状態で、電圧が電極651,652間に印加させると、金属が電解液中に溶け出すことがあるのである。
【0112】
(第7実施形態)
図15は、第7実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0113】
第7実施形態は、第1基板750の表面777が、発光素子760の表面の材料と同じ材料からなっている点が、第1基板150の表面の材料についての制限がない第1実施形態と異なる。
【0114】
上記第7実施形態の発光装置の製造方法によれば、第1基板750の表面777に固着する発光素子760を減少させることができて、配列歩留まりを向上させることができる。というのは、発光素子760と、第1基板750の表面777の材料とが同一である場合、ゼータポテンシャルが同じになり、互いに反発し、発光素子760が第1基板750の表面777に固着することを防止することができるからである。
【0115】
(第8実施形態)
第8実施形態は、液体が、界面活性剤を含む点が、第1実施形態と異なる。
【0116】
界面活性剤の混入によって、発光装置の凝縮を防止することができる。というのは、発光素子の表面に汚染やその他の理由により、発光素子と異なる材料が付着している場合、それぞれのゼータポテンシャルが低下したり正負が変わるため、凝縮が起こり易い。また、発光素子表面と、基板や電極表面の材料が異なる場合、ゼータポテンシャルが異なり、凝縮が起こり易い場合がある。界面活性剤を、液体に混入することにより、凝縮を抑制することができる。
【0117】
したがって、上記第8実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子同士、あるいは、発光素子と、絶縁膜、基板、電極とが、凝縮することを防止することができる。
【0118】
(第9実施形態)
第9実施形態では、発光素子の最長部分の寸法が、50μm以下である点が、発光素子の最長部分の寸法に制限がない第1実施形態と異なる。
【0119】
一つ一つ発光素子を操作して、パッケージングする場合、発光素子の大きさが100μm以下になると急速に、コストが増大する。
【0120】
微小のものを配列する場合、必要とされるアラインメント精度が上がるためである。また、一定の光量を得るための発光素子の個数(配列する個数)が多くなるためである。また、微細な発光素子が、強度が弱く、扱いが難しいからである。
【0121】
本発明によれば、最大寸法が50μm以下の発光素子であっても、発光素子の個数によらず容易に所定の場所に配置することができる。更に述べると、むしろ微細な物体を配列するのに向いている。
【0122】
微小寸法の発光素子を多数配列することによって、面照明等での明るさむらを低減することができる点で、有効である。
【0123】
(第10実施形態)
図16,17,18は、第10実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0124】
第10実施形態では、発光素子1060が、棒状の形状を有する点が、発光素子の形状に制限がない第1実施形態と異なる。
【0125】
図16の鳥瞰図に示すように、発光素子1060が、棒状である場合、発光素子1060の一端を、第1電極1051上に固定でき、発光素子1060の他端を、第2電極1052に固定できる。したがって、アラインメント精度を優れたものにすることができる。棒状の発光素子1060の場合、棒状の発光素子1060の両端に正電荷と負電荷とが誘起されるため、分極により効率的に微細発光体の向きを揃えようとするモーメントが発生する。したがって、向きを含めた配列位置を精度良く決めることが出来、実際精度良く配列することができるのである。
【0126】
尚、正方形の発光素子が、薄型発光素子である場合、図17の鳥瞰図に示すように、発光素子1070が、第1電極1071と、第2電極1072との間に、斜めに配列される場合がある。また、図18の鳥瞰図に示すように、発光素子1080が、第1電極1081と、第2電極1082との間に、ずれて配列される場合がある。このように、発光素子が、棒状でない場合、アラインメント精度が悪くなることがあるのである。
【0127】
(第11実施形態)
図19は、第11実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。尚、図19において、矢印C,Dは、発光素子1170の排出方向を示している。
【0128】
第11実施形態では、素子含有液体中の複数の発光素子1160のうちで所定の場所に配列しなかった発光素子1170を、排出する素子排出工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0129】
第11実施形態では、素子配列工程で、発光素子1160を、第1基板1150において第1電極1151と第2電極1152とが相対する場所に配列した後、素子排出工程を行う。
【0130】
そして、素子排出工程では、棒状発光素子を含有しない液体を流して、所定の場所に配列しなかった発光素子を、第1基板1150上から排出する。
【0131】
上記第11実施形態の発光装置の製造方法によれば、所定の場所に配列しなかった発光素子1170を回収できると共に、別の第1基板に配列することができ、発光装置の製造コストを低減できる。
【0132】
また、上記第11実施形態の発光装置の製造方法によれば、所定の場所に配列しなかった発光素子1170が、乾燥後等に凝縮して、配線不良を起こすことを防止できる。
【0133】
(第12実施形態)
図20は、第12実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0134】
第12実施形態は、素子配列工程の後に、素子固定工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0135】
詳しくは、第12実施形態では、素子配列工程で、発光素子1260を、第1基板1250の第1電極1251と、第2電極1252とが相対する場所に配列する。
【0136】
その後、素子固定工程で、第1基板1250の第1電極1251と第2電極1252との間に、素子配列工程で、第1電極1251と第2電極1252との間に印加した電圧よりも高い電圧を印加して、予め定められた位置に配列している発光素子1260を、その予め定められた位置に固定する。
【0137】
上記第12実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子1260を、所定の位置に固定できるから、アラインメント精度を優れたものにすることができる。
【0138】
また、上記第12実施形態の発光装置の製造方法によれば、液体1257の流れが速くなった場合でも発光素子1260が移動することがなく、また、液体1257を除去する際にも、発光素子1260が移動することがないから、アラインメント精度を格段に優れたものにすることができる。
【0139】
(第13実施形態)
図21、図22は、第13実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0140】
第13実施形態では、素子配列工程の後に、第1基板の表面を乾燥する基板乾燥工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0141】
詳しくは、第13実施形態では、素子配列工程で、発光素子1360を、第1基板1350の第1電極1351と、第2電極1352とが相対する場所に配列する。
【0142】
その後、基板乾燥工程で、図21に示すように、液体を取り除いた後、図22に示すように、第1基板1350において濡れた表面を乾燥する。乾燥は、常温で行っても良く、また、50〜200度程度で行っても良い。
【0143】
上記第13実施形態の発光装置の製造方法によれば、基板乾燥工程によって、発光素子1360を電極間に固定できる。
【0144】
また、上記第13実施形態の発光装置の製造方法によれば、基板乾燥工程によって、第1基板1250の表面に保護膜を形成することができて、発光素子1260を保護することができる。
【0145】
(第14実施形態)
図23、図24は、第14実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0146】
第14実施形態では、素子含有液体の表面張力が50mN/m以下であることが、素子含有液体の表面張力に制限がない第13実施形態と異なる。
【0147】
詳しくは、第14実施形態では、素子配列工程で、発光素子1460を、第1基板1450の第1電極1451と、第2電極1452とが相対する場所に配列する。
【0148】
その後、基板乾燥工程で、図23に示すように、液体を取り除いた後、図24に示すように、第1基板1450において濡れた表面を乾燥する。乾燥は、常温で行っても良く、また、50〜200度程度で行っても良い。
【0149】
第1基板1450の表面が、表面張力の大きな液体で濡れている状態で乾燥すると、乾燥中に液体の表面が発光素子に触れることにより発光素子1460が動き、アラインメントずれが起きることがある。表面張力が小さな液体(50mN/m以下、より好ましくは30mN/m以下)を使用することにより、アラインメントずれを防ぐことができる。
【0150】
(第15実施形態)
図25、図26は、第15実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0151】
第15実施形態では、素子供給工程の後かつ基板乾燥工程の前に、第1液体を、その第1液体よりも表面張力が小さい第2液体に入れ替える液体入替工程を備える点が、第13実施形態と異なる。
【0152】
尚、ここで、第1液体とは、素子配列工程において、発光素子1560を配列している時に、発光素子1560を取り囲んでいた液体である。したがって、上記第1〜14実施形態で、液体と称していたものは、全て、第1液体のことになる。
【0153】
第15実施形態では、素子配列工程で、発光素子1560を、第1基板1550の第1電極1551と、第2電極1552とが相対する場所に配列した後、液体入替工程を行う。
【0154】
この液体入替工程では、第2液体を流し続けることにより、第1液体を、第1液体よりも表面張力が小さい第2液体1588に入れ替える。その後、図25に示すように、第2液体1588を取り除いた後、図26に示すように、基板乾燥工程で、第1基板1550の表面を乾燥して、第2液体1588を完全に除去するようになっている。
【0155】
上記第15実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子1560の配列時には、表面張力の大きな液体(任意の液体)を使用できる一方、乾燥時に、表面張力の小さい液体を使用できる。したがって、配列時に大きな静電誘導あるいは誘電泳動の効果を生成し、かつ、発光素子が凝縮しない液体を使用できて、発光素子1560の配列を効率的に行うことができると共に、乾燥時に表面張力の小さい液体を使用できて、発光素子1560のアラインメントずれを防ぐことができる。
【0156】
(第16実施形態)
図27、図28は、第16実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。尚、図27、図28において、1650は、第1基板を示している。
【0157】
第16実施形態は、素子接続工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0158】
第16実施形態において、発光素子1660は、その表面に、第1領域1670と、第2領域1671とを有すると共に、第1領域1670と、第2領域1671とに電圧を印加されることにより発光するようになっている。
【0159】
また、図27の断面図および図28の鳥瞰図に示すように、素子接続工程では、上記第1領域1670と、第1電極1651とを導電体1680で接続すると共に、第2領域1671と、第2電極1652とを導電体1681で接続するようになっている。
【0160】
上記第16実施形態の発光装置の製造方法によれば、発光素子1660と第1電極1651とを導電体1680で接続していると共に、発光素子1660と第2電極1652とを導電体1681で接続しているから、第1および第2電極1651,1652と、微小な発光素子1660との電気接続を良好なものにすることができる。したがって、上記第1電極1651と、第2電極1652との間に、電圧を印加して発光装置を発光させる時に、電圧が発光素子1660にかからない状態(オープン)になることを確実に防止することができる。
【0161】
(第17実施形態)
図29、図30は、第17実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0162】
尚、図29、図30において、第3電極が、存在しないのは、変形例として、第1基板1750に略平行に配置される第2基板およびその第2基板上に位置する第3電極が存在する場合があるからである。また、図29において、参照番号1790,1791,1792は、層間膜を示す。また、理解を容易にするため、図30の鳥瞰図においては、上記層間膜の図示を省略している。
【0163】
第17実施形態は、追加電極形成工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0164】
第17実施形態において、発光素子1760は、その表面に、第1領域1770と、第2領域1771とを有すると共に、第1領域1770と、第2領域1771とに電圧を印加されることにより発光するようになっている。
【0165】
図30の鳥瞰図に示すように、この実施形態では、発光素子1760が、マトリックス状に配列されている。
【0166】
追加電極形成工程では、図29の断面図および図30の鳥瞰図に示すように、全ての棒状発光素子1760の全ての第1領域1770に電気接続する第4電極1780を形成すると共に、全ての棒状発光素子1760の全ての第2領域1771に電気接続する第5電極1781を形成する。
【0167】
上記第17実施形態の発光装置の製造方法によれば、第4電極1780と、第5電極1781に電圧を印加することで、発光素子1760に電圧を印加することができて、第1電極1751と第2電極1752を使用せずに、発光素子1760に電圧を印加する事ができる。したがって、上記発光素子1760の配列時の電極構造(第1電極1751および第2電極1752)と異なる構造の配線(第4電極1780および第5電極1781)を発光素子1760への電圧印加に使用することができて、電圧印加の自由度を大きくすることができ、電圧印加が容易になる。
【0168】
(第18実施形態)
図31、図32は、第18実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0169】
第18実施形態は、素子配列工程の後に、基板分断工程を備える点が、第1実施形態と異なる。
【0170】
第18実施形態では、図31に示すように、素子配列工程で、多数の発光素子(例えば、棒状発光素子や、棒状の微小発光素子)1860を、大きな第1基板1850にマトリックス状に配列する。その後、基板分断工程で、図32に示すように、第1基板1850を分断して、複数の発光素子1860がマトリックス状に配列された複数の第1基板1870〜1875を形成する。尚、基板の分断の数は、6に限らず、2以上の自然数であれば如何なる数でも良い。
【0171】
上記第18実施形態の発光装置の製造方法によれば、一度の発光素子1860の配列で、複数の発光素子1860が所定の場所に配列した複数の第1基板1870〜1875を形成することができるから、製造コストを削減できる。
【0172】
(第19実施形態)
図33は、第19実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【0173】
第19実施形態では、素子配列工程で、基板1950上に、1000以上の発光素子(例えば、棒状発光素子や、棒状の微小発光素子)1960を配列する点が、素子配列工程で、基板に配列する発光素子の数に制限がない第1実施形態と異なる。
【0174】
一つの発光素子1960が発光する光の光量は、発光装置の全体の光量と比較して小さい。上記第19実施形態の発光装置の製造方法によれば、配列される発光素子1960の数が1000以上であるから、壊れている発光素子1960があった場合でも、発光装置は、良品として判断される。したがって、不良発光素子があっても発光装置が良品になるから、発光素子1960の検査が不要になり、製造コストを削減できる。
【0175】
例えば、不良率が1%の従来の発光素子があり、それらをパッケージングし、10個のパッケージを用いて発光素子とした場合、およそ、10個の発光装置に1個の割合で不良発光素子が含まれ、光量が良品の90%になる。光量90%を不良とすると、発光装置の歩留まりは、90%になるから、発光素子の検査が必要になる。
【0176】
一方、不良率が1%の発光素子を1000個使用した場合、およそ10個の不良発光素子が発光装置に含まれるが、光量は、全ての発光素子が良品である場合の99%になり、良品と判定されるため、発光素子の検査の必要がなくなる。したがって、発光素子の検査のためのコストが必要なくて、製造コストを削減できるのである。
【0177】
尚、上記各実施形態では、他の実施形態と同一の作用効果は、記載を省略している。そして、各実施形態で特有の作用効果のみ記載している。
【0178】
また、上記説明した第1〜19実施形態の発明の構成のうちの2以上の構成を有する実施形態が、この発明の更なる他の実施形態を構成することは、勿論である。
【0179】
また、上述のように、発光素子としては、棒状構造発光素子を用いることができるが、棒状発光素子は、例えば、n型GaN基板上に成長穴を有する成長マスクや金属種などを用いて複数の棒状の発光素子を成長させた後、基板から切り離すことにより、形成できる。
【0180】
図34A、Bは、この発明の発光装置の製造方法で使用できる棒状発光素子を示す図であり、各棒状発光素子の中心軸を含む模式断面図である。
【0181】
図34Aは、縦積み構造を有する棒状発光素子を示している。この棒状発光素子は、棒状のp型半導体層2111と、量子井戸層2112と、棒状のn型半導体層2113とを縦積みにした構造を有している。この棒状発光素子の発光面積2114は、棒状発光素子の端面の半径をr(図34A参照)としたとき、πr2と表される。2×πr2とならないのは、量子井戸層2112の棒状発光素子の延在方向の厚さが非常に薄くて、量子井戸層2112を3次元でなくて、近似的に2次元の平面としてとらえた方が正確であるからである。
【0182】
一方、図34Bは、コア−シェル−シェル構造を有する棒状発光素子を示している。この棒状発光素子は、円柱状の形状(棒状の形状)を有する第1導電型としてのn型の第1半導体層2121と、第1半導体層2121の外周面を覆うように配置された筒状の量子井戸層2122と、量子井戸層2122の外周面を覆うように配置された筒状の第2導電型としてのp型の第2半導体層2123とを有している。
【0183】
言い換えれば、この棒状発光素子は、n型半導体−量子井戸−p型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしている。この棒状発光素子の発光面積2124は、量子井戸層2122の外周面の直径をdとし、棒状発光素子の長さをLとしたとき、πdLと表される。
【0184】
したがって、発光素子として、図34Bで示すコア−シェル−シェル構造を有する棒状発光素子を使用すると、各棒状発光素子の側面の略全面に発光層を形成できるから、棒状発光素子一個あたりの発光面積を大きくすることができる。
【0185】
尚、この例では、第1導電型がnである一方、第2導電型がpで、棒状発光素子が、n型半導体−量子井戸−p型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしていたが、この発明では、第1導電型がpである一方、第2導電型がnで、棒状発光素子が、p型半導体−量子井戸−n型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしていても良いことは言うまでもない。
【0186】
図35は、棒状発光素子の直径と、棒状発光素子の曲がりとの関係を表す模式図である。
【0187】
詳しくは、図35Aは、棒状発光素子の直径が500nmより小さい発光装置の一例を示す模式図である。
【0188】
この発光装置は、基板2221と、その基板2221上に形成された第1電極2222および第2電極2223と、棒状発光素子2224とを有し、棒状発光素子2224の一端部は、第1電極2222上に接続されている一方、棒状発光素子2224の他端部は、第2電極2223上に接続されている。棒状発光素子2224の直径が500nmより小さい場合には、図35Aに示すように、棒状発光素子2224が非常に曲がり易くなり、棒状発光素子2224の曲がりに付随する応力が発生する。そして、この応力によって、棒状発光素子2224の発光効率が低下する。
【0189】
一方、図35Bは、棒状発光素子の直径が500nmより大きい発光装置を示す模式図である。
【0190】
この発光装置は、基板2251と、その基板2251上に形成された第1電極2252および第2電極2253と、棒状発光素子2254とを有し、棒状発光素子2254の一端部は、第1電極2252上に接続されている一方、棒状発光素子2254の他端部は、第2電極2253上に接続されている。棒状発光素子2254の直径が500nmより大きい場合には、図35Bに示すように、棒状発光素子2254が曲がることがない。したがって、棒状発光素子2254の曲がりに付随する発光量の低下が起こることがなく、各棒状発光素子2254から期待通りの発光量を取り出すことができる。
【0191】
図36は、この発明で製造可能な発光装置の構造を示す模式図である。
【0192】
この発光装置は、第1電極2322と、第2電極2323と、棒状発光素子2324とを有している。上記棒状発光素子2324は、n型半導体-量子井戸-p型半導体あるいはp型半導体-量子井戸-n型半導体が同軸上に形成されたコア-シェル-シェル構造をしていて、直径が500nm以上になっている。
【0193】
上記棒状発光素子2324の一端部は、棒状発光素子2324の延在方向の寸法がa(この実施形態では、a=1.5μm)のコンタクト2326によって、第1電極2322上に接続される一方、棒状発光素子2324の他端部は、棒状発光素子2324の延在方向の寸法が1.5μmのコンタクト2327によって、第2電極2323上に接続されている。尚、コンタクト領域の棒状発光素子の延在方向の寸法は、1.5μmに限定されるものでなく、これよりも長くても良く、短くても良いことは、言うまでもない。
【0194】
コア-シェル-シェル構造の棒状発光素子2324の1本の発光面積は棒状発光素子の長さをL[μm]、直径をD[μm]とし、図36に示すように、棒状発光素子の両端に1.5[μm]のコンタクトをとると、コンタクト部は発光しないため、量子井戸層の外周面を、棒状発光素子の外周面と近似的に同視できるものとして、d≒Dより、
発光面積=(L−3)×πD [μm2]
となる。
【0195】
また、棒状発光素子は1つの電極間に1本ずつ配列することが望ましい。図37に示すように、一対の電極2422,2423間に2本以上の棒状発光素子2424,2425を配列すると、図37に示すように、棒状発光素子2424,2425のクロスが頻繁に発生し、不良の原因となるためである。
【0196】
図38Aは、棒状発光素子が原因となる不良構造を示す模式図であり、図38Bは、その不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【0197】
詳しくは、図38Aは、棒状発光素子2524が、互いに対向する電極簡に配列せず、棒状発光素子2524の一端部が、一の電極に接続されると共に、その棒状発光素子2524の他端部が、その一の電極に対向する電極に、その対向する方向に垂直な方向に隣接する電極に接続された不良構造を示す模式図である。この不良構造が発生すると、所定の数の棒状発光素子を配列できなくなるから、所定の光量を得ることができなくなる。
【0198】
この不良構造は、図38Bに示すように、上記対向する方向に垂直な方向に隣接する電極間の間隔bを、0.5×棒状発光素子の長さ以上空けることで回避できる。このようにすれば、長さの制約によって、上記対向する方向にクロスする電極間の接合が困難になるからである。
【0199】
図39Aは、棒状発光素子が原因となる他の不良構造を示す模式図であり、図39Bは、その不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【0200】
詳しくは、図39Aは、棒状発光素子2624の一端部が、配列が予定される対の電極の対向方向に垂直な方向に隣接する電極の間に形成される凹部に接続されると共に、棒状発光素子2624の一端部が、その凹部に上記対向方向に対向する凹部に接続された不良構造を示す模式図である。また、図示しないが、これ以外のこの種類の不良構造としては、棒状発光素子の一端部が、凹部に接続すると共に、棒状発光素子の他端部が、電極の所定の位置に接続したものもある。これらの不良構造は、予定された発光位置での発光を阻害し、発光の輝度ムラを引き起こす。
【0201】
この不良構造は、図39Bに示すように、配列が予定される対の電極の対向方向に垂直な方向に隣接する電極の間に形成される凹部の底同士の距離cを、1.5×棒状発光素子の長さ以上にすることで回避できる。このようにすれば、長さの制約によって、棒状発光素子が、凹部に接続することが困難になるからである。
【0202】
図40Aは、棒状発光素子が原因となる他の不良構造を示す模式図であり、図40Bは、その不良構造を防止できる構造を表す模式図である。
【0203】
詳しくは、図40Aは、棒状発光素子2724,2725が、電極対の異なる列の間に配列した不良構造を示す模式図である。この不良構造が発生すると、所定の発光量および所定の光出射密度の均一性を実現不可能になる。
【0204】
この不良構造は、図40Bに示すように、隣接する電極対の異なる列の間の距離eを2.5×棒状発光素子の長さ以上にすることで回避できる。棒状発光素子が3個以上直列に配向することは殆どあり得ないからである。
【0205】
これらから、棒状発光素子1つが占領する基板面積Sは、棒状発光素子の長さをL[μm]とすると、
S≒0.5×L(1.5×L+2.5×L)=0.5L×4L[μm2]
となる。ここから基板面積あたりの発光面積は、
(L−3)×πD/(0.5L×4L)[μm2]
となる。
【0206】
ここで、1[lm(ルーメン)]の発光あたり2.0×105μm2以上の基板面積を使用するとコストが上がるため、2.0×105μm2より小さい基板面積で、1[lm]の発光をすることが望ましい。また、棒状発光素子は、通常、1[μm2]の発光面積あたり70×10−6[lm]の明るさがあるため、
70×10−6×(L−3)×π×D/(0.5L×4L)
≧1/(2.0×105)
=5.0×10−6・・・式(1)
が成り立つ。
【0207】
図41は、有効な棒状発光素子の直径と長さとの関係を示す図であり、70×10−6×(L−3)×π×D/(0.5L×4L)=5.0×10−6のDL2次元平面上の軌跡を表す図である。
【0208】
コストを生産ベースに載せるためには、上述のように、上記式(1)を満たす必要があり、図41において、棒状発光素子の直径は、線fよりも大きい必要がある。したがって、図41に示すように、線fは、0.5[μm](500[nm])よりも大きい直径Dの極小値を有しているから、棒状発光素子の直径を、500nm以上にする必要がある。また、直径Dを、1[μm]以上にすることにより、基板面積あたりの発光を大きくすることができ、さらにコストメリットをだすことができる。
【0209】
以上、本発明の発光装置の製造方法で用いることができる棒状発光素子についての詳しい説明を行った。しかしながら、この発明では、発光素子として、棒状発光素子以外の発光素子を使用しても良いことは、言うまでもない。具体的には、この発明では、円形状、楕円状、正方形状、矩形状、多角形状などの平坦な発光面を有し、その発光面が基板に対して平行になるように実装面上に配置される形態の発光素子を使用しても良い。
【符号の説明】
【0210】
50 絶縁性基板
51 第1電極
52 第2電極
60 棒状構造発光素子
61 イソプロピルアルコール
250,350,450,550,650,750,1150,1250,1350,1450,1550,1650,1750,1850,1870,1871,1872,1873,1874,1875,1950 第1基板
251,451,551,651,751,1051,1071,1081,1151,1251,1351,1451,1551,1651,1751 第1電極
252,452,552,652,752,1052,1072,1082,1152,1252,1352,1452,1552,1652,1752 第2電極
257,357,457,557,657,757,1157,1257 液体
260,360,460,560,660,760,1060,1070,1080,1160,1260,1360,1460,1560,1660,1760,1860,1960 発光素子
380,480,580 第2基板
453 第3電極
677 絶縁膜
777 第1基板の表面
1170 所定の場所に配列しなかった発光素子
1588 第2液体
1670,1770 発光素子の第1領域
1671,1771 発光素子の第2領域
1680,1681 導電体
1780 第4電極
1781 第5電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、第2電極とを有する第1基板を準備する基板準備工程と、
第1液体と、その第1液体内に位置する複数の発光素子とを有する素子含有液体を、上記第1基板上に位置させる素子供給工程と、
上記第1電極と上記第2電極とに電圧を印加して、上記電圧の印加によって生成される電場に基づいて決定される予め定められた位置に、二以上の上記発光素子を配列する素子配列工程と
を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程において、上記素子含有液体を上記第1基板に対して相対移動させることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の発光装置の製造方法において、
上記第1基板と略平行に第2基板を配置する第2基板配置工程を備え、
上記素子供給工程において、上記素子含有液体を、上記第1基板と上記第2基板との間に充填することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の発光装置の製造方法において、
上記第2基板は、上記第1電極および上記第2電極と対向する第3電極を有し、
上記素子供給工程および上記素子配列工程のうちの少なくとも一方の工程において、上記第1電極と、上記第3電極との間に電圧を印加することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程において、上記素子含有液体を、上記第1基板と上記第2基板との間に流動させることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記第1電極の表面および上記第2電極の表面を、絶縁膜で覆うことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記第1基板の表面は、上記発光素子の表面の材料と同じ材料からなっていることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子含有液体は、界面活性剤を含んでいることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記各発光素子中の異なる2点の最長距離は、50μm以下であることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記複数の発光素子の夫々は、棒状の形状を有していることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項に記載の発光素子の製造方法において、
上記発光素子は、
円柱状の第1導電型の第1半導体層と、
上記第1半導体層の外周面を覆うように配置された筒状の量子井戸層と、
上記量子井戸層の外周面を覆うように配置された筒状の第2導電型の第2半導体層と
を有していることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記複数の発光素子の夫々は、棒状の形状を有し、
上記各発光素子の延在方向に垂直な断面の直径は、500nmよりも大きいことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記発光素子は、
円柱状の第1導電型の第1半導体層と、
上記第1半導体層の外周面を覆うように配置された筒状の量子井戸層と、
上記量子井戸層の外周面を覆うように配置された筒状の第2導電型の第2半導体層と
を有し、
上記各発光素子の延在方向に垂直な断面の直径は、500nmよりも大きいことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記複数の発光素子のうちで上記予め定められた位置に配列しなかった発光素子を排出する素子排出工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程の後に、上記第1電極と上記第2電極との間に、上記素子配列工程で上記第1電極と上記第2電極との間に印加した電圧よりも高い電圧を印加して、上記予め定められた位置に配列している上記発光素子を、その予め定められた位置に固定する素子固定工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程の後に、上記第1基板の表面を乾燥する基板乾燥工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子含有液体の表面張力が、50mN/m以下であることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子含有液体の表面張力が、30mN/m以下であることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項19】
請求項16に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子供給工程の後かつ上記基板乾燥工程の前に、上記第1液体を、その第1液体よりも表面張力が小さい第2液体に入れ替える液体入替工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項20】
請求項1から19までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記各発光素子は、その発光素子の表面に、第1領域と、第2領域とを有すると共に、上記第1領域と、上記第2領域とに電圧を印加されることにより発光するようになっており、
上記第1領域と、上記第1電極とを導電体で接続すると共に、上記第2領域と、上記第2電極とを導電体で接続する素子接続工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項21】
請求項1から20までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記発光素子は、その発光素子の表面に、第1領域と、第2領域とを有すると共に、上記第1領域と、上記第2領域とに電圧を印加されることにより発光するようになっており、
上記予め定められた位置に配列されている上記二以上の発光素子の二以上の上記第1領域に接続する第4電極と、上記予め定められた位置に配列されている上記二以上の発光素子の二以上の上記第2領域に接続する第5電極とを形成する追加電極形成工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項22】
請求項1から21までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程の後に、上記第1基板を分断する基板分断工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項23】
請求項1から22までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程で、上記第1基板上に、1000個以上の上記発光素子を配列することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項1】
第1電極と、第2電極とを有する第1基板を準備する基板準備工程と、
第1液体と、その第1液体内に位置する複数の発光素子とを有する素子含有液体を、上記第1基板上に位置させる素子供給工程と、
上記第1電極と上記第2電極とに電圧を印加して、上記電圧の印加によって生成される電場に基づいて決定される予め定められた位置に、二以上の上記発光素子を配列する素子配列工程と
を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程において、上記素子含有液体を上記第1基板に対して相対移動させることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の発光装置の製造方法において、
上記第1基板と略平行に第2基板を配置する第2基板配置工程を備え、
上記素子供給工程において、上記素子含有液体を、上記第1基板と上記第2基板との間に充填することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の発光装置の製造方法において、
上記第2基板は、上記第1電極および上記第2電極と対向する第3電極を有し、
上記素子供給工程および上記素子配列工程のうちの少なくとも一方の工程において、上記第1電極と、上記第3電極との間に電圧を印加することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程において、上記素子含有液体を、上記第1基板と上記第2基板との間に流動させることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記第1電極の表面および上記第2電極の表面を、絶縁膜で覆うことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記第1基板の表面は、上記発光素子の表面の材料と同じ材料からなっていることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子含有液体は、界面活性剤を含んでいることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記各発光素子中の異なる2点の最長距離は、50μm以下であることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記複数の発光素子の夫々は、棒状の形状を有していることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項に記載の発光素子の製造方法において、
上記発光素子は、
円柱状の第1導電型の第1半導体層と、
上記第1半導体層の外周面を覆うように配置された筒状の量子井戸層と、
上記量子井戸層の外周面を覆うように配置された筒状の第2導電型の第2半導体層と
を有していることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記複数の発光素子の夫々は、棒状の形状を有し、
上記各発光素子の延在方向に垂直な断面の直径は、500nmよりも大きいことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記発光素子は、
円柱状の第1導電型の第1半導体層と、
上記第1半導体層の外周面を覆うように配置された筒状の量子井戸層と、
上記量子井戸層の外周面を覆うように配置された筒状の第2導電型の第2半導体層と
を有し、
上記各発光素子の延在方向に垂直な断面の直径は、500nmよりも大きいことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記複数の発光素子のうちで上記予め定められた位置に配列しなかった発光素子を排出する素子排出工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程の後に、上記第1電極と上記第2電極との間に、上記素子配列工程で上記第1電極と上記第2電極との間に印加した電圧よりも高い電圧を印加して、上記予め定められた位置に配列している上記発光素子を、その予め定められた位置に固定する素子固定工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程の後に、上記第1基板の表面を乾燥する基板乾燥工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子含有液体の表面張力が、50mN/m以下であることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子含有液体の表面張力が、30mN/m以下であることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項19】
請求項16に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子供給工程の後かつ上記基板乾燥工程の前に、上記第1液体を、その第1液体よりも表面張力が小さい第2液体に入れ替える液体入替工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項20】
請求項1から19までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記各発光素子は、その発光素子の表面に、第1領域と、第2領域とを有すると共に、上記第1領域と、上記第2領域とに電圧を印加されることにより発光するようになっており、
上記第1領域と、上記第1電極とを導電体で接続すると共に、上記第2領域と、上記第2電極とを導電体で接続する素子接続工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項21】
請求項1から20までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記発光素子は、その発光素子の表面に、第1領域と、第2領域とを有すると共に、上記第1領域と、上記第2領域とに電圧を印加されることにより発光するようになっており、
上記予め定められた位置に配列されている上記二以上の発光素子の二以上の上記第1領域に接続する第4電極と、上記予め定められた位置に配列されている上記二以上の発光素子の二以上の上記第2領域に接続する第5電極とを形成する追加電極形成工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項22】
請求項1から21までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程の後に、上記第1基板を分断する基板分断工程を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項23】
請求項1から22までのいずれか一項に記載の発光装置の製造方法において、
上記素子配列工程で、上記第1基板上に、1000個以上の上記発光素子を配列することを特徴とする発光装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37】
【図38A】
【図38B】
【図39A】
【図39B】
【図40A】
【図40B】
【図41】
【図42】
【図43】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37】
【図38A】
【図38B】
【図39A】
【図39B】
【図40A】
【図40B】
【図41】
【図42】
【図43】
【公開番号】特開2012−4535(P2012−4535A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19919(P2011−19919)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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