説明

発光装置及び照明器具

【課題】青色LEDチップと蛍光体とを用いて白色光を得る発光装置において、直接光を見たときのLED特有の眩しさを低減し、不快グレアを抑制する発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置1100は、複数の青色LEDチップ114と、複数の青色LEDチップ114をボンディングするボンディング基板113と、蛍光体を含有すると共に青色LEDチップ114を封止する封止樹脂とを備える。封止樹脂層は、円錐台形状をなすと共に面積の小さいほうの面が青色LEDチップ114に対向する円錐台形状の封止樹脂層111と、封止樹脂層111の残余の部分となる封止樹脂層112とから構成される。この構成において、封止樹脂層111は、封止樹脂層112よりも、含有される蛍光体の濃度が高いことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオード(LED)を使用した発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、白色LEDは照明用途としても広く用いられるようになってきている。LED自体の大光量化も進んではいるが、大きな光量を必要とする器具では、多数のLEDパッケージを用いて1つのモジュールとする。多数のLEDチップをひとつの基板に実装し、パッケージ単位ではなくモジュール単位で光を得るものがCOB(Chip on Board)であるが、COBは、LEDパッケージに比べ放熱面積が広く取れるため、放熱性が良好であり、光の取り出し効率が高いという利点がある。
【0003】
一方、LEDの白色は、一般的に青色LEDの光が黄色蛍光体を励起、発光させ、青色の光と黄色の光との混色によって得られる。従来では黄色蛍光体を封止樹脂に均一分散させ、その混色光として白色を得る。しかし、従来のように黄色蛍光体を封止樹脂に均一分散させると光の強い部分と弱い部分が存在し、この光の強い部分と弱い部分との差が、照明として光を直接見たときにまぶしいと感じるグレアの原因や、LED特有の「つぶつぶ感」となっている。
【0004】
そこで、不快グレアを抑制しつつ照明できるとともに、発光する複数のLEDチップが「つぶつぶ」に視認され難くした技術がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−117538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、不快グレアを抑制し、複数の青色LEDチップが視認し辛くするために、チップ同士の間隔を5mmないし10mm間隔で縦横に配列したことを特徴とする。しかし、特許文献1では、白色を得るために、やはり青色LEDチップの上に均一に蛍光体を分散させた樹脂で封止する構造をとる。この構造の場合、チップ真上とチップ横では、光が樹脂から空気中にでるまでの距離が異なるため、チップ真上に青色の光が出やすく、見た目のまぶしさが生じる課題を依然として有している。
【0007】
この発明は、青色LEDチップの真上の部分と、横部分とで封止樹脂に含有する蛍光体を異なる含有量とすることで、LED特有の直接光を見たときの眩しさを低減し、不快グレアを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の発光装置は、
発光面を有する青色LEDチップと、
実装面を有し、前記実装面に前記青色LEDチップがボンディングされるボンディング基板と、
蛍光体を含有すると共に、前記青色LEDチップを前記ボンディング基板の前記実装面側で封止する封止樹脂と
を備えた発光装置において、
前記封止樹脂は、
前記実装面の2方向の法線方向のうち前記ボンディング基板にボンディングされた前記青色LEDチップが光を出射する側を上方向としたときに、前記青色LEDチップの前記発光面に対応する円形状の面を前記発光面の位置から前記封止樹脂と大気との境界面まで上方向に移動してできる仮想的な円柱形状の内部領域に含有される前記蛍光体の濃度が、前記仮想的な円柱形状の内部領域以外の残余領域に含有される前記蛍光体の濃度よりも、高いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明の発光装置によれば、不快グレアを抑制した発光装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1における発光装置1100の構造図(A−A断面図)。
【図2】実施の形態1における発光装置1100の斜視図。
【図3】実施の形態1における封止樹脂層111、112の構成例を示す図。
【図4】実施の形態1における封止樹脂層111、112の形成過程を示す図。
【図5】実施の形態1における青色LEDチップ114からの光の出方を示す図。
【図6】実施の形態2における発光装置1210あるいは発光装置1220の上面図。
【図7】実施の形態2における発光装置1210のC−C断面図。
【図8】実施の形態2における発光装置1220のC−C断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
【0012】
図1は、実施の形態1における発光装置1100の構造図(断面図)である。
図2は、発光装置1100の斜視図である。図2の封止樹脂層111の下に青色LEDチップ114が存在する。つまり、図2では、個々の封止樹脂層111と青色LEDチップ114とが一対一に対応している。図1は、図2のA−A断面である。なお図2の長手方向のB−B断面は示していないが、B−B断面はA−A断面と同様であり、B−B断面では青色LEDチップ114が5個現れることなる。また、封止樹脂層111は、下側の定面の方が小さい円錐台形状(回転体形状)である。
【0013】
図1、図2に示すように、発光装置1100は、発光面(後述の接合部124)を有し、発光源となる複数の青色LEDチップ114と、青色LEDチップ114を実装面113−1にボンディングし実装するボンディング基板113と、蛍光体を含有し、青色LEDチップ114をボンディング基板の実装面113−1側で封止する封止樹脂層111、112とを備える。ここで、封止樹脂層111は、封止樹脂層112よりも濃い濃度で蛍光体を含有している。
【0014】
図1のように、発光装置1100は、青色LEDチップ114と、それを覆うように透過性の高い蛍光体含有の封止樹脂層111、112とが設けられている。封止樹脂層111、112は、メチル系シリコーンの樹脂が好ましい。青色LEDチップ114はボンディング基板113に直接ダイボンドされており、一般的にはCOB(チップオンボード)と呼ばれるLEDの構成をとり、電極から供給される電力により発光する。
【0015】
蛍光体含有の封止樹脂層111、112に混入される蛍光体は、例えばYAG(イットリウム アルミニウム ガーネット)蛍光体であり、青色LEDが発する光によって励起され、480〜780nmの間にスペクトルを持ち、560nm付近を主波長とする光を発する。この二つの波長の合成光は補色関係にあるため、擬似的に白色を呈することとなる。
【0016】
青色LEDチップ114の封止樹脂は、青色LEDチップ114の真上の封止樹脂層111と、横の封止樹脂層112とでは、蛍光体の含有量(蛍光体の濃度)が異なることを特徴とする。例えば、真上(上部)の封止樹脂層111は、蛍光体含有量(蛍光体の濃度)がwt6%であり、横(周囲)の封止樹脂層112はwt3%である。
【0017】
図3は、封止樹脂層111、112の構成例を示す図である。青色LEDチップ114の真上、横とは、図3(a)のように青色LEDチップ114に対して90°に蛍光体含有の封止樹脂層112と、封止樹脂層112より蛍光体含有量を増やした、つまり蛍光体の濃度の高い封止樹脂層111とに分かれてもよいし、図3(b)のように青色LEDチップ114に対して45°に蛍光体含有の封止樹脂層112と、封止樹脂層112より蛍光体含有量を増やした、つまり蛍光体の濃度の高い封止樹脂層111とに分かれてもよい。
【0018】
さらに詳しく図3の封止樹脂層の構成を説明すれば以下の様である。図3では、ボンディング基板113の実装面113−1の法線におけるX方向(青色LEDチップ114の光の出射側)を上方向とする(後述の図7、図8も同様である)。図3の封止樹脂層において、青色LEDチップ114の発光面(図4の接合部124)に対応する円形状の面115を発光面の位置から封止樹脂と大気との境界面まで上方向に移動してできる仮想的な円柱形状116(二点鎖線)を想定する。発光装置1100では、仮想的な円柱形状116の内部領域に含有される蛍光体の濃度が、仮想的な円柱形状116の内部領域以外の残余領域に含有される蛍光体の濃度よりも、高いことが特徴である。仮想的な円柱形状116の内部領域が、青色LEDチップ114の「真上」を意味する。また、封止樹脂層のうち、仮想的な円柱形状116の内部領域以外の残余領域が、青色LEDチップ114の「横」(周囲)を意味する。ここで、「青色LEDチップ114の発光面(図4の接合部124)に対応する円形状の面115」とは、その面積が、青色LEDチップ114の発光面(接合部124)の程度、あるいは青色LEDチップ114のチップ上面114−1(図1)の程度の大きさである。図3(a)では、仮想的な円柱形状116は封止樹脂層111と略一致しており、封止樹脂層112が残余領域である。図3(b)では、封止樹脂層111の中心領域が仮想的な円柱形状116であり、封止樹脂層111における仮想的な円柱形状116の残りの部分と、封止樹脂層112とが残余領域である。
【0019】
また、図3における封止樹脂層は、以下のように理解することもできる。図3(b)を参照して説明する。発光面の位置にある下面(面115)から封止樹脂と大気との境界面となる上面まで上方向に向かうに従って円形状の横断面の面積が増加する仮想的な円錐台形状117(図3(b)の二点鎖線)を想定する。この場合、仮想的な円錐台形状117の上面の直径を増加させることにより、図3(b)のように側面でみたときの母線118の水平線に対する角度を90度(90度の場合は仮想的な円錐台形状117は、仮想的な円柱形状116)から次第に小さくしていくと、仮想的な円錐台形状117の内部領域に含有される蛍光体の濃度が次第に低くなることを特徴とする。図3(b)の場合は、母線が45度を超えて水平に近づくと、その仮想的な円錐台形状117の内部領域に含有される蛍光体の濃度は次第に低くなる。これは、仮想的な円錐台形状117の内部領域に対する封止樹脂層111の比率が減ってくるからである。同様に図3(b)の場合でも、母線が90度から水平に近づくにつれて、図3(b)と同じ理由で、その仮想的な円錐台形状117の内部領域に含有される蛍光体の濃度は次第に低くなる。
【0020】
図3では、図3(a)において、封止樹脂層111が、仮想的な円柱形状116に一致する場合を示し、図3(b)では、封止樹脂層111が、母線118が水平線に対して45度である仮想的な円錐台形状117に一致する場合を示したがこれらは例示である。封止樹脂層は、円錐台形状の母線が側面でみたときに水平線に対して45度以上、90度(90度の場合は前記円錐台形状は円柱形状)以下である円錐台形状をなす封止樹脂層111(第1の封止樹脂層)と、封止樹脂層111(第1の封止樹脂層)の残余の部分となる封止樹脂層112(第2の封止樹脂層)とからなる構成でもよい。この場合、当然、封止樹脂層111(第1の封止樹脂層)は、封止樹脂層112(第2の封止樹脂層)よりも、含有される蛍光体の濃度が高い。
【0021】
図4は、濃度の異なる蛍光体含有の封止樹脂層111,112の形成過程を示す。図4において、
(1)図4(a)のように、ボンディング基板113の実装面113−1に青色LEDチップ114をダイボンドし、
(2)図4(b)のように、封止樹脂層111に比べて蛍光体含有量の少ない封止樹脂層112が青色LEDチップ114の真上に乗らないように型などを用いて樹脂形成し、
(3)図4(c)のように、蛍光体含有量の多い封止樹脂層111を、青色LEDチップ114の真上の開いた空洞に流し込む形で形成する。
【0022】
図5は、青色LEDチップ114からの光の出方を示す。青色LEDチップ114は、素子基板120と、N型半導体121、P型半導体122、電極123により構成されるのが一般的である。青色LEDチップ114の発光は、P型半導体122とN型半導体121の接合部124で起こる。よって、光は上下に出力され、図5の矢印で描いた光線のように、真上にでる光(実線の矢印)と、ダイボンド部あるいは青色LEDチップ114に反射部がある場合は、発光部(接合部124)から出た光線がダイボンド部あるいは反射部に反射して上部に戻る光(破線の矢印)とに分かれる。このため、青色LEDチップ114の光は、青色LEDチップ114上部のほうが強く、横に出る光は、上部にでる光に比べ減衰した弱い光となっている。加えて、樹脂から空気中に出て行く距離も青色LEDチップ114の真上より横側の光のほうが長いため、真上のほうが青く強い光がでやすく、グレアの原因となりやすい。この対策のため、発光装置1100では、蛍光体を含有する封止樹脂は、青色LEDチップ114真上の封止樹脂層111のほうが、横部分の封止樹脂層112よりも蛍光体含有量(蛍光体の濃度)を高くする。このように、封止樹脂から空気中までの距離が短い(青い光が蛍光体に当たる確率が低い)真上部分の蛍光体濃度を、封止樹脂から空気中までの距離が長い(蛍光体に当たる確率が高い)横部分の蛍光体濃度よりも高くすることで、真上から青く強い光が直接でるのを抑制し、不快グレアを抑制することができる。
【0023】
このように青色LEDチップ114の真上と横とで、蛍光体含有量(蛍光体濃度)の異なる封止樹脂層を配置する構成とした。よって、樹脂から空気中に出て行く距離が短くて強い光が蛍光体に当たる確率を高め、青色の光が黄色の光に多く変換される構成を提供できる。よって、グレアを低減し、LEDの「つぶつぶ感」を見えづらくすることができる。
【0024】
実施の形態2.
図6〜図8を参照して実施の形態2の発光装置1210、1220を説明する。
図6は、発光装置1210、1220を真上から見た図である。発光装置1210、1220は、真上から見た状態は同じであるが、次のように断面形状が異なる。
図7は、発光装置1210の図6のC−C断面である。
図8は、発光装置1220の図6のC−C断面である。
【0025】
(発光装置1210)
まず図6、図7を参照して発光装置1210を説明する。発光装置1210の封止樹脂では、青色LEDチップ114の横側から真上にかけて蛍光体の濃度がグラデーション式にだんだんと濃くなっていき、青色LEDチップ114の真上の濃度が一番高くなっている。つまり、図7における蛍光体濃度は、封止樹脂層112<131<132<133<134であり、封止樹脂層112が最も低く、封止樹脂層134が最も高い。図では5層となっているが、5層に限らずもっと層を増やしてもよい、5層より少なくてもよい。なお、封止樹脂層131〜134は、回転体の形状である。例えば、封止樹脂層134は半球形状であり、封止樹脂層131〜133は、いずれも下半分の球殻の形状である。封止樹脂層112の上に封止樹脂層131、132、133が層状に形成され、封止樹脂層133の内部に半球形状の封止樹脂層134が形成された構成である。このように発光装置1210では、封止樹脂は、青色LEDチップ114の上部に複数の封止樹脂層を有する。そして、複数の封止樹脂層は、上方向の封止樹脂層ほど、含有される蛍光体の濃度が高い。
【0026】
図7の場合も図3の場合と同様に、仮想的な円柱形状116の内部領域に含有される蛍光体の濃度が、仮想的な円柱形状116の内部領域以外の残余領域に含有される蛍光体の濃度よりも、高いことが特徴である。また、仮想的な円錐台形状117の上面の直径を増加させることにより、側面でみたときの母線118の水平線に対する角度を90度から次第に小さくしていくと、仮想的な円錐台形状117の内部領域に含有される蛍光体の濃度が次第に低くなることも図3の場合と同じである。
【0027】
(発光装置1220)
図6、図8を参照して発光装置1220を説明する。発光装置1210では縦断面でみて円形のくぼみ型の封止樹脂層としたが、発光装置1220では、図8のように直線的なテーパーを持たせた。図8では、図7の場合と同様に、封止樹脂層112<131<132<133<134の順に、蛍光体の濃度が高い。封止樹脂層131とボンディング基板113との角度は45°程度となっており、封止樹脂層134とボンディング基板113との角度は90°程度である。
【0028】
図8の場合も図3の場合と同様に、仮想的な円柱形状116の内部領域に含有される蛍光体の濃度が、仮想的な円柱形状116の内部領域以外の残余領域に含有される蛍光体の濃度よりも、高いことが特徴である。また、仮想的な円錐台形状117の上面の直径を増加させることにより、側面でみたときの母線118の水平線に対する角度を90度から次第に小さくしていくと、仮想的な円錐台形状117の内部領域に含有される蛍光体の濃度が次第に低くなることも図3の場合と同じである。
【0029】
なお、図8では、各封止樹脂層111をテーパー形状としたが、封止樹脂層134の周囲を囲む封止樹脂層111は、中空円筒を層状に重ねた構成でも構わない。すなわち、封止樹脂は、面115を発光面の位置から封止樹脂と大気との境界面まで上方向に移動してできる柱形状の封止樹脂層である封止樹脂層134(柱形状樹脂層)と、封止樹脂層134の周囲を層状に取り囲む複数の封止樹脂層である複数の封止樹脂層1133,132,131とを備え、封止樹脂層134は、封止樹脂層133,132、131のどれよりも含有される蛍光体の濃度が高く、封止樹脂層133,132、131は、内側の封止樹脂層ほど、含有される前記蛍光体の濃度が高い構成でもよい。
【0030】
このように、LEDチップの真上から真横へと順に光の出力が弱くなっていくのに対し、蛍光体濃度は真横から真上へと順に濃くしていくことにより、光の強いところでは濃度を濃く、弱いところでは濃度を薄く、光の強さに合わせて細かく対処することができる。
すなわち、実施の1、2の発光装置1100、1210、1220では、封止樹脂は、青色LEDチップ114から出射される出射光のうち強い光出力の出射光が通過する領域に配置され、所定の濃度の蛍光体を含有する高出力封止樹脂(例えば封止樹脂層111)と、高出力封止樹脂を通過する出射光よりも弱い光出力の出射光が通過する領域に配置され、高出力封止樹脂よりも低濃度の蛍光体を含有する低出力封止樹脂(例えば封止樹脂層112)とを備えることを特徴とする。
【0031】
以上の実施の形態では、LEDのCOBに関するものとしたが、白色LEDとしての一般的な構成をとるものであれば、砲弾型でも、LEDパッケージにおいても同様の効果を得ることができる。
【0032】
本実施の形態の発光装置1100,1210,1220の適用例として、LEDを利用した照明器具(ダウンライト、グリッドライトなど)が考えられる。
【符号の説明】
【0033】
111,112 封止樹脂層、113 ボンディング基板、113−1 実装面、114 青色LEDチップ、114−1 チップ上面、115 面、116 仮想的な円柱形状、117 仮想的な円錐台形状、118 母線、120 素子基板、121 N型半導体、122 P型半導体、123 電極、124 接合部、131,132,133,134 封止樹脂層、1100,1210,1220 発光装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光面を有する青色LEDチップと、
実装面を有し、前記実装面に前記青色LEDチップがボンディングされるボンディング基板と、
蛍光体を含有すると共に、前記青色LEDチップを前記ボンディング基板の前記実装面側で封止する封止樹脂と
を備えた発光装置において、
前記封止樹脂は、
前記実装面の2方向の法線方向のうち前記ボンディング基板にボンディングされた前記青色LEDチップが光を出射する側を上方向としたときに、前記青色LEDチップの前記発光面に対応する円形状の面を前記発光面の位置から前記封止樹脂と大気との境界面まで上方向に移動してできる仮想的な円柱形状の内部領域に含有される前記蛍光体の濃度が、前記仮想的な円柱形状の内部領域以外の残余領域に含有される前記蛍光体の濃度よりも、高いことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記封止樹脂は、
前記青色LEDチップの前記発光面に対応する円形状の面を下面とし、前記発光面の位置にある前記下面から前記封止樹脂と大気との境界面となる上面まで上方向に向かうに従って円形状の横断面の面積が増加する仮想的な円錐台形状を想定した場合に、前記仮想的な円錐台形状の前記上面の直径を増加させることにより側面でみたときの母線の水平線に対する角度を90度から次第に小さくしていくと、前記仮想的な円錐台形状の内部領域に含有される前記蛍光体の濃度が次第に低くなることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記封止樹脂は、
前記青色LEDチップの前記発光面に対応する円形状の面を下面とし、前記発光面の位置にある前記下面から前記封止樹脂と大気との境界面となる上面まで上方向に向かうに従って円形状の横断面の面積が増加する円錐台形状であって、前記円錐台形状の母線が側面でみたときに水平線に対して45度以上、90度以下である前記円錐台形状をなす第1の封止樹脂層と、
前記第1の封止樹脂層の残余の部分となる第2の封止樹脂層とからなり、
前記第1の封止樹脂層は、
前記第2の封止樹脂層よりも、含有される前記蛍光体の濃度が高いことを特徴とする請求項2記載の発光装置。
【請求項4】
前記封止樹脂は、
前記青色LEDチップの上部に複数の封止樹脂層を有し、
前記複数の封止樹脂層は、
上方向の封止樹脂層ほど、含有される前記蛍光体の濃度が高いことを特徴とする請求項2記載の発光装置。
【請求項5】
前記封止樹脂は、
前記青色LEDチップの前記発光面に対応する円形状の面を前記発光面の位置から前記封止樹脂と大気との境界面まで上方向に移動してできる柱形状の封止樹脂層である柱形状樹脂層と、
前記柱形状樹脂層の周囲を層状に取り囲む複数の封止樹脂層である複数の周囲樹脂層とを備え、
前記柱形状樹脂層は、
前記複数の周囲樹脂層よりも含有される前記蛍光体の濃度が高く、
前記複数の周囲樹脂層は、
内側の前記周囲樹脂層ほど、含有される前記蛍光体の濃度が高いことを特徴とする請求項2記載の発光装置。
【請求項6】
青色LEDチップと、
前記青色LEDチップをボンディングするボンディング基板と、
蛍光体を含有すると共に、前記青色LEDチップを封止する封止樹脂と
を備えた発光装置において、
前記封止樹脂は、
前記青色LEDチップから出射される出射光のうち強い光出力の出射光が通過する領域に配置され、所定の濃度の前記蛍光体を含有する高出力封止樹脂と、
前記高出力封止樹脂を通過する出射光よりも弱い光出力の出射光が通過する領域に配置され、前記高出力封止樹脂よりも低濃度の前記蛍光体を含有する低出力封止樹脂とを備えることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の発光装置を備えたことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−77684(P2013−77684A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216390(P2011−216390)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】