説明

発光装置

【課題】
近紫外LEDからの光を効率よく発光させて輝度を向上した発光装置を提案する。
【解決手段】
発光装置100は、波長が350nm〜430nmの光を発光するSMD型LEDの半導体発光素子11と、半導体発光素子11の光によって励起されて可視光を発光する蛍光体を含む蛍光部20と、を有する。蛍光部20は、半導体発光素子11の光を受ける受光表面26を有し、受光表面26は、半導体発光素子11の発光表面12の15倍〜300倍の面積を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近紫外光を可視光に変換した発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)は、光を放射する半導体発光素子(LEDチップとも呼ばれる)であり、電気エネルギーを紫外光、可視光、赤外光などに変換するものである。例えば、可視光を利用するものとしては、GaP、GaAsP、GaAlAs、InGaN等の発光材料で形成した半導体発光素子があり、これらを透明樹脂等で封止したLEDランプが広く使用されている。また、発光材料をプリント基板や金属リードの上面に固定し、数字や文字をかたどった透明樹脂ケースで封止したディスプレイ型のLEDランプなども多用されている。
【0003】
また、発光ダイオードは半導体発光素子であるため、寿命が長く、信頼性も高く、光源として用いた場合には、その交換作業も軽減できることから、携帯通信機器、パーソナルコンピュータ周辺機器、OA機器、家庭用電気機器、オーディオ機器、各種スイッチ、バックライト用光源、掲示板等の各種表示装置などの構成部品として広く使用されている。また、最近のLEDの使用方法においては、LEDに小型化、軽量化が求められており、SMD型LEDの使用方法に創意工夫が必要になってきている。
【0004】
各種照明機器や液晶画面などのバックライトとして使用される蛍光灯は水銀が使用されているため、その代替として発光ダイオードが期待されている。例えば、青色光を放射するGaN系青色LEDチップを用いた発光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような発光装置は、青色LEDチップと、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体やBOS(ケイ酸バリウム系)蛍光体等の黄色蛍光体と、を組み合わせた擬似白色であるため、色再現範囲が狭かった。
【0005】
また、この色再現範囲を改善する方法として、近紫外光を発光する近紫外LEDと、近紫外光によってRGB(赤・緑・青)に対応する発光色を出すRGB蛍光体と、を組み合わせた白色LEDの発光装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、近紫外LEDを用いた発光装置は、青色LEDを用いた発光装置に比べて輝度が低いという問題を有していた。
【特許文献1】特開2007−88094号公報
【特許文献2】特開2007−134656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、近紫外LEDからの光を効率よく発光させて輝度を向上した発光装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる発光装置は、
波長が350nm〜430nmの光を発光するSMD型LEDの半導体発光素子と、
前記半導体発光素子の光によって励起されて可視光を発光する蛍光体を含む蛍光部と、を有し、
前記蛍光部は、前記半導体発光素子の光を受ける受光表面を有し、
前記受光表面は、前記半導体発光素子の発光表面の15倍〜300倍の面積を有することを特徴とする。
【0008】
本発明にかかる発光装置によれば、350nm〜430nmの近紫外光を広い受光表面を有する蛍光部によって効率よく発光することができ、輝度を向上することができる。
【0009】
本発明にかかる発光装置において、
前記受光表面は、前記発光表面の38倍〜300倍の面積を有することができる。
【0010】
本発明にかかる発光装置において、
前記受光表面は、前記発光表面の60倍〜300倍の面積を有することができる。
【0011】
本発明にかかる発光装置において、
前記受光表面は、前記発光表面の111倍〜250倍の面積を有することができる。
【0012】
本発明にかかる発光装置において、
前記受光表面は、前記発光表面から放射された光を直接受光可能に配置することができる。
【0013】
本発明にかかる発光装置において、
前記蛍光部は、成形体であることができる。
【0014】
本発明にかかる発光装置において、
前記蛍光部は、透明材料に前記蛍光体と拡散剤とを含むことができる。
【0015】
本発明にかかる発光装置において、
少なくとも350nm〜430nmの波長の光を吸収する波長吸収剤を含む波長吸収部をさらに有し、
前記波長吸収部は、前記蛍光部を挟んで前記半導体発光素子の発光表面に対向して配置することができる。
【0016】
本発明にかかる発光装置において、
前記蛍光部と前記発光表面との間に、前記半導体発光素子の光を拡散もしくは散乱するレンズをさらに有することができる。
【0017】
本発明にかかる発光装置において、
前記蛍光部と前記発光表面との間に、前記半導体発光素子の光を拡散する拡散剤を含む拡散部をさらに有することができる。
【0018】
本発明にかかる発光装置において、
前記蛍光部と前記SMD型LEDとの間に、前記半導体発光素子の光を反射するリフレクターをさらに有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる発光装置100を模式的に示す縦断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態にかかる発光装置100に用いたSMD型LED10を模式的に示す縦断面図である。図3は、本発明の第2の実施形態にかかる発光装置102を模式的に示す縦断面図である。図4は、本発明の第3の実施形態にかかる発光装置103を模式的に示す縦断面図である。図5は、本発明の第4の実施形態にかかる発光装置104を模式的に示す縦断面図である。
【0021】
本発明の実施形態にかかる発光装置は、波長が350nm〜430nmの光を発光する半導体発光素子と、前記半導体発光素子の光によって励起されて可視光を発光する蛍光体を含む蛍光部と、を有し、前記蛍光部は、前記半導体発光素子の光を受ける受光表面を有し、前記受光表面は、前記半導体発光素子の発光表面の15倍〜300倍の面積を有する。
【0022】
1.第1の実施形態
図1及び図2に示すように、第1の実施形態にかかる発光装置100は、半導体発光素子11を実装するパッケージが小型化、薄型化されたSMD型(Surface Mount Device:表面実装型)LED10と、ドーム状の蛍光部20と、を装置基板1上に有する。図2に示すように、SMD型LED10は、セラミック製の基板50上にタングステン(W)等によってパターン形成された配線導体(アノードリード)52及び配線導体(カソードリード)54と、基板50と一体的に成形された例えば無機材料の焼結体からなる本体56と、を有する。本体56は、略角柱状であり、横断面円形の内壁は半導体発光素子11の光が放射する方向に拡径された形状を有する側壁部58に形成されている。半導体発光素子11は、発光表面12を上方に向けた状態で本体56の底部に露出した配線導体52、54にボンディングワイヤ15によって電気的に接続され、本体56の側壁部58内に充填された透光性樹脂の樹脂成形体14によって封止されている。樹脂成形体14は、側壁部58上端の環状の開口部57に囲まれた外表面16を有している。半導体発光素子11は、波長が350nm〜430nmの光を発光する近紫外LEDチップであって、発光表面12が樹脂成形体14の外表面16と対向して配置されている。半導体発光素子11としては公知の近紫外LEDチップを使用することができ、例えば、GaN系LED、SiCLED、II−VI族LED等を用いることができる。半導体発光素子11として例えばGaN系LEDチップを用いる場合、所望の主発光ピーク(350nm〜430nm)の発光波長を得るために、In(インジウム)やAl(アルミニウム)で調整してAlInGaN系LEDチップとしてもよい。樹脂成形体14の材質としては、半導体発光素子11からの近紫外線を含む発光に対して安定な性質を有するシリコーン樹脂が好ましいが、透光性の樹脂例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。
【0023】
蛍光部20は、装置基板1に外周端部22が固定されたドーム状の外観を有する成形体24であって、SMD型LED10を覆うように配置される。蛍光部20は、半導体発光素子11の光によって励起されて可視光を発光する蛍光体を含む。蛍光部20は、内側の第1の面26と外側の第2の面28を有する薄い成形体24であって、環状の外周端部22から上方に立ち上がった円筒部分とその円筒部分の上部に半球状部分とを有する。成形体24の厚さは、好ましくは0.1mm〜2.0mmであり、より好ましくは0.1mm〜1.0mmである。蛍光部20は、半導体発光素子11の光により励起されて発光する蛍光体を全体に分散して含み、第1の面26を半導体発光素子11の発光表面12から放射された光を直接受光可能に配置することができる。したがって、第1の面26は、半導体発光素子11の発光表面12から発光された光を反射させることなく直接的に受けることが可能な受光表面であって、半導体発光素子11の発光表面12の15倍〜300倍の面積を有する。ここで、発光表面12は樹脂成形体14の外表面16と対向する半導体発光素子11の面であって基板50側の面を下面としたときの上面であり、第1の面26の面積と比較する発光表面12の面積はその上面の全面積である。第1の面26が発光表面12の15倍〜300倍の面積を有することで、半導体発光素子11の発光を効率よく受光することができ、高輝度の発光装置100を得ることができる。第1の面26が発光表面12の15倍未満では従来とほぼ同等の輝度しか得られず、第1の面26が発光表面12の300倍を超えると従来よりも高い輝度を得られるが全体のパッケージが大きくなるため実用性が低下する傾向がある。また、第1の面26は、発光表面12の38倍〜300倍の面積を有することが好ましく、発光表面12の60倍〜300倍の面積を有することがさらに好ましく、発光表面12の111倍〜250倍の面積を有することがさらに好ましい。蛍光部20のマトリックス材料としては、近紫外線に対して安定な性質を有するシリコーン系エラストマーまたはシリコーン系樹脂を用いることが好ましい。透光性の高分子物質としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコーン樹脂、環状オレフィン樹脂、シリコーンゴムなどのシリコーン系エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどがあり、蛍光部20のマトリックス材料として用いることもできる。蛍光体としては、無機蛍光体、顔料、有機蛍光染料、擬似顔料などが挙げられ、例えば、発光色が青色の(Ca,Sr,Ba)(POCl:Eu2+、ZnS:Ag、CaS:Biなど、発光色が緑色のBaMgAl1627:Eu2+,Mn2+、ZnS:Cu,Al,Au、SrAl:Eu2+、ZnSi(Ge)O:Eu2+など、発光色が赤色のYS:Eu3+、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn、LiEuW、BaO・Gd2O・Ta:Mn、KEu2.5(WO6.25などを好適に用いることができ、より所望する色に近い発色が得られるように調整することができる。ここで用いる蛍光体の粒径としては、20μm〜500μm、好ましくは30μm〜100μmがよい。
【0024】
2.第2の実施形態
図3に示すように、第2の実施形態にかかる発光装置102は、筐体156の底部に配置された基板150上に電気的に接続され固定された複数の半導体発光素子11と、これら複数の半導体発光素子11を封止する樹脂成形体114と、樹脂成形体114の外表面116を覆うシート状の成形体124からなる蛍光部120と、を含む。蛍光部120は、第1の実施形態と同様に、半導体発光素子11の光により励起されて発光する蛍光体を含む。このように複数の半導体発光素子11を配置することで、比較的広い面積を有する蛍光部120でも十分な輝度が得られる。半導体発光素子11は、発光表面12を筐体156の開口部157側に向けた状態で並べられ、発光表面12が蛍光部120の第1の面126と対向配置している。半導体発光素子11から出射された光は、樹脂成形体114を透過して、第1の面126から蛍光部120へ入射し、蛍光体により吸収され、蛍光体が励起される。蛍光体が励起されると、その性質に応じて所定の分光スペクトル分布を有する蛍光を発光し、可視光、例えば白色光が第2の面128側から出力される。蛍光部120の第1の面126は、半導体発光素子11の発光表面12から発光された光を受ける受光表面であって、複数の半導体発光素子11の発光表面12を合計した面積の15倍〜300倍の面積を有する。蛍光部120は、マトリックスとなる透明材料に蛍光体を単独もしくは蛍光体と拡散剤とを予め混合して含むことができる。拡散剤としては、例えば粒径1nm以上5μm未満の粒子が好ましく、半導体発光素子11からの光を乱反射させ、色むらを防止する効果がある。拡散剤としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、チタン酸バリウム等が使用できる。蛍光部120の第2の面128には、少なくとも350nm〜430nmの波長の光を吸収する波長吸収剤を含む波長吸収部をさらに有してもよい。第2の面128に波長吸収部を設けることで、波長吸収部が蛍光部120を挟んで半導体発光素子11の発光表面12に対向して配置することができるため、蛍光部120を透過した近紫外光を吸収し発光装置102外へ漏れることを防止することができる。このような波長吸収部は、透明材料に波長吸収剤を混合させて蛍光部120に被覆可能なドーム形状に成形した成形体でもよいし、蛍光部120の第2の面128に波長吸収剤を含む透明材料を塗布してもよいし、蛍光部120と波長吸収部とを2色成形によって2層構造に成形することもできる。
【0025】
なお、第1の面126は、表面積を大きくするために、例えば凹凸部を設けてもよく、この凹凸部に封止樹脂を充填してもよいし空気層を設けてもよい。なお、樹脂成形体114、蛍光部120のマトリックス材料、蛍光体、半導体発光素子11の材質は、第1の実施形態で例示したものを適宜用いることができる。また、半導体発光素子11の光を拡散する拡散剤を含む拡散部をさらに有してもよい。このような拡散部を設けることによって、半導体発光素子11からの光を乱反射させ、蛍光部120の発光における色むらを防止する効果がある。
【0026】
3.第3の実施形態
図4に示すように、第3の実施形態にかかる発光装置103は、図1の発光装置100と基本的には同じ構造であって、蛍光部20と図2に示したSMD型LED10とが装置基板1上に固定されている。発光装置103は、蛍光部20と発光表面12との間に、半導体発光素子11の光を拡散もしくは散乱するレンズ60を有している。レンズ60は、SMD型LED10の本体56上に載置固定され、外表面16側の第1の凹面62と第1の凹面62の反対側の第2の凹面64とを有する。このようなレンズ60を設けることによって、半導体発光素子11からの光を拡散させ、蛍光部20の発光における色むらを防止する効果がある。レンズ60は、近紫外光に対して、一定以上の透光性を有する材料を用いることができ、具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ノルボルネン系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー(COP)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、サファイア、石英、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、オキシナイトライドガラス、希土類ガラス等が挙げられる。屈折率としては、1.3〜2.0のものが好ましい。
【0027】
4.第4の実施形態
図5に示すように、第4の実施形態にかかる発光装置104は、図1の発光装置100と基本的には同じ構造であって、蛍光部20と図2に示したSMD型LED10とが装置基板1上に固定されている。発光装置104は、蛍光部20とSMD型LED10との間に、半導体発光素子11の光を反射するリフレクター70を有している。リフレクター70は、SMD型LED10の本体56の外壁部から蛍光部20の第1の面26へ延在し、開口部57から第1の面26へ延びる傾斜面72を有する。傾斜面72は、本体56の上端から図5における上方へ向かって拡径している。したがって、リフレクタ70は、半導体発光素子11の光の内、蛍光部20などで装置基板1側に反射した光を傾斜面72でさらに反射させることで、装置基板1に光を吸収させずに効率よく用いることができる。リフレクター70の少なくとも傾斜面72は、Ag,Al,Ni,Au,Cu等の金属、SiO/ZrO、SiO/TiO等の金属酸化膜層を用いることができ、金属の場合は反射率の高いAg若しくは耐久性の高いAlが好ましく、金属より反射率の高い金属酸化膜層がさらに好ましい。
【実施例1】
【0028】
(試料の製作)
各実施例で用いる蛍光部として、蛍光体を含む薄いドーム状の成形体を製作した。また、比較例で用いる蛍光部として、蛍光体を含む薄板状の成形体を製作した。各成形体は、シリコーンゴム1gに対し、赤色蛍光体:緑色蛍光体:青色蛍光体=30:1.8:2の配合比で300質量部(phr)混合し、それを金型に流し込み、エアープレス(HIROTAKA MFG社製)を用いて、11MPa、130℃、5分間加硫を行って製作した。赤色蛍光体はLiEuSm1−xを用い、緑色蛍光体はZnS:Cu,Alを用い、青色蛍光体は(Sr,Ca,Ba)(POCl:Euを用いた。
各実施例及び比較例で用いた光源のSMD型LEDは、EPITEX社製の品番:L395−30T52、λ=395nm、電流=20mA、半導体発光素子(LEDチップ)11の発光表面の面積=0.04cmを用いた。
【0029】
(比較例1の発光装置)
図6は、比較例1の発光装置105を模式的に示す縦断面図である。比較例1の発光装置105は、SMD型LED10の樹脂成形体14の外表面16に薄板状の成形体(蛍光部20a)を密着して載せた。蛍光部20aの第1の面26aの表面積(cm)、半導体発光素子11の発光表面12に対する第1の面26aの相対表面積(%)及び発光表面12に対する第1の面26aの面積倍率(倍)を、表1に示した。
【0030】
(実施例及び比較例2の発光装置)
実施例1〜16及び比較例2は、図1の発光装置100を用いた。実施例1〜16及び比較例2の蛍光部20は、円筒状部分の高さを変更して第1の面26の表面積を変化させた。蛍光部20の第1の面26の表面積(cm)、半導体発光素子11の発光表面12に対する第1の面26の相対表面積(%)及び発光表面12に対する第1の面26の面積倍率(倍)を、表1及び表2に示した。
【0031】
(相対輝度の測定)
実施例1〜16及び比較例1,2の発光装置を20mAで発光させ、大塚電子製の積分球MCPD−7000を用いて輝度を測定した。表1、2に、比較例1の発光装置105における輝度を100%としたときの実施例1〜16及び比較例2の相対輝度(%)を示した。また、表1、2の結果に基づいて、相対表面積(%)と相対輝度(%)との関係を表すグラフを図7に示した。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
(結果)
表1、2及び図7に示すように、比較例2は相対輝度があまり向上しなかったが、実施例1〜16は相対輝度が163%〜342%に向上していた。したがって、少なくとも蛍光部20の第1の面26の表面積が半導体発光素子11の発光表面12の15倍以上で発光装置100の輝度が向上することがわかった。特に、蛍光部20の第1の面26の表面積が半導体発光素子11の発光表面12の38倍で相対輝度が190%を超え、68倍辺りから急激に相対輝度が向上し、202倍を超えると相対輝度が低下し始めるものの298倍でも相対輝度が267%であった。さらに、蛍光部20の第1の面26の表面積が半導体発光素子11の発光表面12の111倍〜249倍の範囲で相対輝度が290%を超える高い輝度が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1の実施形態にかかる発光装置100を模式的に示す縦断面図である。
【図2】第1の実施形態にかかる発光装置100に用いたSMD型LED10を模式的に示す縦断面図である。
【図3】第2の実施形態にかかる発光装置102を模式的に示す縦断面図である。
【図4】第3の実施形態にかかる発光装置103を模式的に示す縦断面図である。
【図5】第4の実施形態にかかる発光装置104を模式的に示す縦断面図である。
【図6】比較例1の発光装置105を模式的に示す縦断面図である。
【図7】相対表面積(%)と相対輝度(%)との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
【0036】
1 装置基板
10 SMD型LED
11 半導体発光素子
12 発光表面
14 樹脂成形体
15 ボンディングワイヤ
20 蛍光部
22 外周端部
24 成形体
26 第1の面
28 第2の面
50 基板
52 配線導体(アノードリード)
54 配線導体(カソードリード)
56 本体
58 側壁部
100 発光装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長が350nm〜430nmの光を発光するSMD型LEDの半導体発光素子と、
前記半導体発光素子の光によって励起されて可視光を発光する蛍光体を含む蛍光部と、を有し、
前記蛍光部は、前記半導体発光素子の光を受ける受光表面を有し、
前記受光表面は、前記半導体発光素子の発光表面の15倍〜300倍の面積を有する、発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記受光表面は、前記発光表面の38倍〜300倍の面積を有する、発光装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記受光表面は、前記発光表面の60倍〜300倍の面積を有する、発光装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記受光表面は、前記発光表面の111倍〜250倍の面積を有する、発光装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記受光表面は、前記発光表面から放射された光を直接受光可能に配置された、発光装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記蛍光部は、成形体である、発光装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記蛍光部は、透明材料に前記蛍光体と拡散剤とを含む、発光装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかにおいて、
少なくとも350nm〜430nmの波長の光を吸収する波長吸収剤を含む波長吸収部をさらに有し、
前記波長吸収部は、前記蛍光部を挟んで前記半導体発光素子の発光表面に対向して配置された、発光装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかにおいて、
前記蛍光部と前記発光表面との間に、前記半導体発光素子の光を拡散もしくは散乱するレンズをさらに有する、発光装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかにおいて、
前記蛍光部と前記発光表面との間に、前記半導体発光素子の光を拡散する拡散剤を含む拡散部をさらに有する、発光装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかにおいて、
前記蛍光部と前記SMD型LEDとの間に、前記半導体発光素子の光を反射するリフレクターをさらに有する、発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−99759(P2009−99759A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269774(P2007−269774)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(595015890)株式会社ファインラバー研究所 (15)
【Fターム(参考)】