説明

発光装置

【課題】複数の発光部を備えた発光装置において信号線の量を少なくすることが可能な発光装置を提供する。
【解決手段】導電材料製の複数のコンタクト、及び複数のコンタクトを保持する絶縁材料製のハウジングを有して構成される第1本体部10と、LED端子がコンタクトと電気接続して第1本体部10上に取り付けられたLED光源50とを備えた発光装置1において、ハウジングにコンタクトの接触部を露出させて形成される第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13が設けられ、導電材料製の端子を有する相手コネクタ80を第1及び第2コネクタ部12,13に嵌合可能に構成され、第1及び第2コネクタ部12,13の少なくともいずれかに相手コネクタ80を嵌合させたとき、コンタクトの接触部及び相手コネクタ80の端子が電気接続され、当該端子からコンタクトを介してLED端子に電力が供給されLED光源50が発光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下LEDと称する)を光源として用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような、LEDを光源とした発光装置は、近年あらゆる分野において使用されており、例えば、液晶表示装置用のバックライト装置、高い輝度が要求される自動車のヘッドライトやストップランプ、信号灯、または屋外用大型ディスプレイ等の用途への応用が進められている。このような発光装置では、配線基板の表面に複数のLEDが実装されており、LEDはその配線基板を介して電気的に接続されているものが周知となっている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
しかしながら、上記のように配線基板の表面にLED及びコネクタを実装する発光装置では、その部品点数が多く実装工数がかかるという問題があった。また、配線基板の大きさや形状が変更されたときには、実装したLED及びコネクタの取り外しが困難なためこれらの部品を再利用することが困難となっている問題もあった。そこで、これらの問題を解決するため、例えば図12に示すような発光装置100が開発されている。この発光装置100は、LEDが実装された発光部101がそれぞれのケーブル103の先端部分に設けられ、外部コネクタ105、ワイヤーハーネス102、及びケーブル103を介して発光部101に電力が供給され、発光部101のLEDが発光する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−181750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように構成される発光装置100は、発光部101がケーブル103の先端に直接実装されているため、それぞれの発光部101を支持する支持部材さえあればよく従来の回路基板が不要になる。また、支持部材等からの発光部101の取り外しが容易になるため、部品の再利用も容易に行うことが可能となり上述した問題を解決している。しかしながら、図12のような発光装置100を用いる場合、それぞれの発光部101に対してケーブル103を配線する必要があるため、ケーブル自体の絶対量が多くなり、ケーブル等の信号線が大量に必要になるという課題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、複数の発光部を備えた発光装置において信号線の量を少なくすることが可能な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る発光装置は、導電材料製の複数のコンタクト、及び複数のコンタクトを保持する絶縁材料製のハウジングを有して構成される本体部(例えば、実施形態における第1発光部10及び第2発光部30)と、接続端子部(例えば、実施形態におけるLED端子51)がコンタクトと電気接続して本体部上に取り付けられた発光部とを備えた発光装置において、ハウジングに、コンタクトの接触部を露出させて形成される第1コネクタ部及び第2コネクタ部が設けられ、導電材料製の端子を有する相手コネクタを第1及び第2コネクタ部に嵌合可能に構成され、第1及び第2コネクタ部の少なくともいずれかに相手コネクタを嵌合させたとき、コンタクト及び相手コネクタの端子が電気接続され、端子からコンタクトを介して接続端子部に発光部を発光させる電力供給が可能に構成され、第1及び第2コネクタ部の両方に相手コネクタを嵌合させたとき、第1コネクタ部に嵌合させた相手コネクタの端子、コンタクト、及び第2コネクタ部に嵌合させた相手コネクタの端子が電気接続されるように構成されたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る発光装置において、相手コネクタは電気ケーブルの端部に取り付けられ、相手コネクタの端子と電気ケーブルの導体部とが電気接続されて構成され、電気ケーブルの一端に取り付けられた相手コネクタが本体部の第1コネクタ部及び第2コネクタ部のいずれかに嵌合され、電気ケーブルの他端に取り付けられた相手コネクタが本体部とは別の本体部の第1コネクタ部及び第2コネクタ部のいずれかに嵌合されることにより、本体部及び別の本体部のコンタクト同士が電気ケーブルを介して電気接続されるように構成されたことが好ましい。
【0009】
そして、本体部は、発光部を外方に露出させた状態で、板状の支持部材に貫通して形成される支持孔に嵌合され、支持部材に固定支持可能に構成され、複数の本体部が支持部材に固定支持され、支持部材に対して発光部の反対側から、固定支持された各々の本体部の第1及び第2コネクタ部に相手コネクタを嵌合可能に構成されたことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明に係る発光装置においては、第1及び第2コネクタ部の両方に相手コネクタを嵌合させたとき、発光部が発光するとともに一方の端子から他方の端子へコンタクトを介して電力を供給させる構成となっており、ある本体部の第1及び第2コネクタ部と他の本体部の第1及び第2コネクタ部とを相手コネクタを介して電気接続させることにより、複数の発光装置をデイジーチェーン状に電気接続させることが可能となるため、それぞれの発光装置に対して1本ずつ電源から延びるケーブル等の信号線を配設する必要が無くなり、必要な信号線の量を少なくすることができる。
【0011】
また、各発光装置を電気接続させるための信号線として電気ケーブルを用いて上記相手コネクタを電気ケーブルの端部に取り付ける場合、各本体部の間を相手コネクタ及び電気ケーブルを介して接続させることにより、上記のように各本体部をデイジーチェーン状に接続させることが可能となるため、それぞれの発光装置に対して電源から延びる電気ケーブル1本ずつを設ける必要が無くなり、使用する電気ケーブルの量を少なくすることができる。
【0012】
そして、本体部が、板状の支持部材に貫通して形成される支持孔に嵌合され当該支持部材に固定支持可能に構成されることにより、発光部の背面側から相手コネクタを嵌合接続させることが可能となり、また相手コネクタの着脱により各発光装置を容易に電気接続させることができるため発光装置の実装工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る発光装置を複数支持部材に支持させて、下方から相手コネクタを備えたケーブルを差し込む状態を示す上方から見た斜視図である。
【図2】上記発光装置を複数支持部材に支持させて、下方から相手コネクタを備えたケーブルを差し込む状態を示す下方から見た斜視図である。
【図3】上記発光装置を支持部材に固定支持させた状態を示す斜視図であり、(a)は上方から見た斜視図、(b)は下方から見た斜視図である。
【図4】上記発光装置の三面図であり、(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は底面図である。
【図5】図4(b)に示す発光装置を矢印V−Vに沿って切断して示す断面図である。
【図6】上記発光装置の第1本体部を示す斜視図であり、(a)は上方から見た斜視図、(b)は下方から見た斜視図である。
【図7】上記第1本体部の六面図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図である。
【図8】図7(e)に示す第1本体部を矢印VIII−VIIIに沿って切断して示す断面図である。
【図9】上記発光装置の第2本体部を示す斜視図であり、(a)は上方から見た斜視図、(b)は下方から見た斜視図である。
【図10】上記第1本体部に嵌合させる相手コネクタを示す斜視図であり、(a)は上方から見た斜視図、(b)は下方から見た斜視図である。
【図11】上記各発光装置を相手コネクタ及び電気ケーブルにより電気接続させた状態を示す接続回路図である。(a)は第1本体部の第1コネクタ部及び第2コネクタ部に相手コネクタを嵌合させたときの接続回路図、(b)は図1及び図2に示すように発光装置を電気ケーブルにより複数接続させた状態における接続回路図である。
【図12】従来の発光装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る発光装置1について図面を参照しながら説明する。この発光装置1は、図1及び図2に示すように、互いに嵌合接続可能な第1本体部10及び第2本体部20から構成されるLEDコネクタアセンブリを備えるとともに、第1本体部10の上にLED光源50を実装して構成される。LED光源50は、電力供給を受けて発光する半導体素子である発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下、LEDと称する)を有し、遊技機、自動車、又は信号灯等、様々な用途で用いられている。LEDコネクタアセンブリを構成する第2本体部30は図1等に示すように板状の支持部材60に固定支持され、図3〜図5に示すように、LED光源50が実装されている第1本体部10を第2本体部30に嵌合させた状態で、このLEDコネクタアセンブリ及び後述する相手コネクタ80を介して、LED光源50の発光ダイオードが電気ケーブル70から電力を得て発光するようになっている。
【0015】
なお、以下の説明では便宜上、各図において矢印「上下、前後、左右」で示すように、図1の支持部材60の延びる面に対して直交する方向を上下方向とし、支持部材60の面内において前後および左右を図に矢印で示す方向で規定する。具体的には、支持部材60の表面に実装される発光装置1が存在する方向(図1及び図2の紙面の上方向)を上方向、その反対方向を下方向、この上下方向に直角な面内において、後に詳述する電気ケーブル70が延びる方向を前後方向、前後方向に直角な方向を左右方向と定義して説明するが、あくまで説明の都合上での定義であり、これが各部材の取付方向、使用方向を規定するものではない。
【0016】
発光装置1は、図1〜図5に示すように、後述する発光部52を有するLED光源50と、LED光源50が上面に実装される第1本体部10と、第1本体部10を下方から嵌合可能に構成されるとともに支持部材60に固定支持される第2本体部30とを備えて構成される。まずは、第1本体部10の後述するLED実装部20bに実装されるLED光源50について説明する。LED光源50は、図4及び図5に示すようにLEDハウジング53に、前後3本ずつで合計6つ設けられるLED端子51と、3個の発光部52とを備えて構成される。発光部52は、青色発光部52b、赤色発光部52r、及び緑色発光部52gからなる。LED端子51は、それぞれ左右対になって発光部52b,52r,52gに対応して設けられており、第1本体部10の6本のコンタクト20のLED実装部20b(後に詳述)に半田接合されて実装されている。
【0017】
次に、図6〜図8を参照して第1本体部10について説明する。第1本体部10は、例えばインサートモールドにより製造され、絶縁材料樹脂製のハウジング11内に6個のコンタクト20を整列保持して構成される。より具体的には、図6〜図8から分かるように、ハウジング11内に、3個ずつのコンタクト20を左右に整列させてそれらが前後に対となって対称となるように保持して構成される。
【0018】
ハウジング11は、上面が略円形状となり上部が略円柱状に形成され、底面が略正方形状となり下部が略直方体状に形成されて構成される。また、ハウジング11は、下方に開口して形成される第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13を前後一対に有し、第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13の内部には、コンタクト20の接触部20d(後に詳述)が下方に延びて形成される。また、第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13の開口部は後述する相手コネクタ80の嵌合突起部83よりも若干大きい程度となっており、第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13の空間の形状は略直方体となっており、相手コネクタ80の嵌合突起部83を嵌合接続可能に構成される(後に詳述)。
【0019】
ハウジング11は、図8に示すように第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13を前後左右から挟むようにしてコンタクト20を固定保持する。上述のように6個のコンタクト20はそれぞれ導電材料製の金属材を折り曲げ成形されて製造され、露出部20a、LED実装部20b、屈曲部20c、及び接触部20dが一体に繋がって作られている。それぞれ前後方向の最も外側に位置する露出部20aは、左右に3本ずつ並んで前方に3箇所、後方に3箇所、それぞれ前後端部が外方に露出して設けられている。
【0020】
露出部20aの内側部は上方にクランク状に折れ曲がってLED実装部20bに一体に繋がる。露出部20aを設け、コンタクト20の一部を外方に露出させることによりこの部分から熱を放出させることができるので、LED実装部20bの上面に実装されたLED光源50を、コンタクト20を介して冷却させることができ、LED光源50の温度が上昇して寿命が短くなる問題の発生を抑えることができる。LED実装部20bは上面が上方に露出した状態でハウジング11に保持されており、LED実装部20bの上面に、後述するLED光源50のそれぞれのLED端子51が表面実装(半田接合)される。そして、LED実装部20bの内端に一体に繋がってクランク状に折れ曲がる屈曲部20cが、ハウジング11に埋め込まれるようにして固定保持されており、屈曲部20cの下端から下方に棒状に延びて接触部20dが一体に繋がって設けられる。
【0021】
接触部20dは、後述する相手コネクタ80のコンタクト受容孔部82に挿入され電気ケーブル70の導体部71に電気接続させるために設けられる。また、前方3箇所に設けられる接触部20dと後方3箇所に設けられる接触部20dとは、第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13の内部において互いに電気接続されており、第1コネクタ部12に嵌合接続された相手コネクタ80と第2コネクタ部13に嵌合接続された相手コネクタ80とを、LED光源50を介することなく直接電気接続させることができるようになっている(図11(a)参照)。
【0022】
ハウジング11は、図6及び図7に示すように、その下部の直方体部分の左右側面に左被係合部14及び右被係合部15を備える。これらの左右の被係合部14,15は、それぞれ、直方体部分の上端から下方に向かって斜め外方に傾斜して形成される左右のテーパ面14a,15aと、左右のテーパ面14a、15aの下端から垂直下方に延びる左右の側面14b,15bと、左右の側面14b,15bの下端から内方に直角に折れ曲がって真横に延びる左右の被係合面14c,15cとを有して構成される。
【0023】
また、ハウジング11は、直方体部分の右斜め前方に上下に延びて形成される切り欠き部16と、円柱部分に左方に開口して形成される左溝部17と、直方体部分の前後側面に形成される小孔部18と、下方に開口して形成される下凹部19とを有する。上記、切り欠き部16と左溝部17が設けられることにより、ハウジング11の前後左右方向を容易に認識できるようになっている。また、下凹部19は、図6(b)及び図7(f)に示すように、ハウジング11の下面に4個設けられるが、これらの下凹部19が設けられることによりLED光源50及びコンタクト20からハウジング11を介して外部に放出される熱量を大きくし、発光装置1の放熱効果を上げることができるようになっている。
【0024】
次に第1本体部10を下方から嵌合可能に構成され、板状の支持部材60に固定支持可能な第2本体部30について図9を参照しながら説明する。第2本体部30は絶縁材料製からなり略直方体状に形成され、図9に示すように、嵌合孔31と、上嵌合突起部32と、下嵌合突起部33と、左側突起部34と、切り欠き部35とを備えて構成される。嵌合孔31は、直方体部分の中央部に上下に貫通して略円形に形成され、この円形部の面積は第1本体部10の上方の円柱部の上面の面積より若干大きい程度となっており、第1本体部10の円柱部を下方から挿入可能に構成される。上嵌合突起部32は、嵌合孔31の右斜め前、右斜め後、左斜め前、左斜め後の4箇所から上方に延びて形成され、外方に突出する突出部36をそれぞれ有する。また、左側突起部34は、直方体部分における嵌合孔31の左側から上方に突出して形成され第2本体部30の第1本体部10及び支持部材60に対する前後左右方向の位置合わせのために設けられる。下嵌合突起部33は、嵌合孔31の左右に前後一対に下方に突出して設けられ、それぞれ内方に突出する突出部37を有する。切り欠き部35は右斜め前方に上下に延びて形成され、これにより第2本体部30の前後左右方向の認識が可能となる。
【0025】
次に第1本体部10の第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13に下方から嵌合接続可能な相手コネクタ80について、以下で簡潔に説明する。相手コネクタ80は、図10に示すように、絶縁材料製の相手ハウジング81と、コンタクト受容孔部82とを備えて構成されており、電気ケーブル70の端部に取り付けられる。相手ハウジング81は、上方に突出して形成される嵌合突起部83、及び相手ハウジング81の前方側面から突出して形成される小突起部84を備える。小突起部84は上方から下方に向かって外方に傾斜するテーパ面84aをその上方に有する。なお、コンタクト受容孔部82は嵌合突起部83の上面に上方に開口して形成される。
【0026】
以上、本実施形態における発光装置1においては、図1及び図2に示すように第2本体部30を支持部材60に固定支持させ、第1本体部10を第2本体部30に嵌合接続させ、相手コネクタ80を第1本体部10に嵌合接続させることが可能となっている。以下で、これらの固定支持及び嵌合接続の方法及び作用について説明する。まずは、第2本体部30を支持部材60に固定支持させる方法及び作用について説明する。
【0027】
まず、支持部材60の支持孔61(図1及び図2参照)の下方に第2本体部30を位置させるとともに、左側突起部34の位置が支持孔61の左方に形成された左凹部62の真下に位置するようにして、第2本体部30の支持部材60に対する前後左右方向の位置合わせを行う。位置合わせをした後第2本体部30を上方に移動させると、左凹部62に左側突起部34が嵌合され始めるとともに、図9に示す4つの上嵌合突起部32の突出部36の上方に形成されたテーパ面36aが支持孔61の周縁部に当接接触する。
【0028】
そして更に、第2本体部30を上方に移動させると、4つの上嵌合突起部32が内側に撓み支持孔61に嵌入し、突出部36が支持孔61の周縁部を上動し、突出部36が支持孔61を乗り越えた時点で上嵌合突起部32の弾性変形が元に戻り、図3(a)及び図5に示すように、4つの突出部36が支持部材60の上面の支持孔61の周縁部分を覆うように位置する。この結果、支持部材60の上面と4つの突出部36の下面とが対向し突出部36の下面と第2本体部30の直方体部分の上面により支持部材60が上下から挟み込まれた状態となり、第2本体部30が支持孔61に嵌合した状態で支持部材60に固定支持されることができる。なお、4つの上嵌合突起部32を内側に撓ませ、4つの突出部36と支持部材60との係合を解除した状態で、第2本体部30を支持孔61から引き下げることにより、第2本体部30を支持部材60から外すことができる。
【0029】
次に、第1本体部10を上記第2本体部30に嵌合させる方法及び作用について説明する。まず、図1及び図2に示すように第1本体部10の左溝部17が第2本体部30の左側突起部34の真下に位置するようにして第1本体部10の第2本体部30に対する前後左右方向の位置合わせを行う。その位置合わせをした状態で、第1本体部10を第2本体部30に向かって上方に移動させると、左溝部17が左側突起部34に嵌合され始めるとともに、図9(b)に示す第2本体部30の4つの下嵌合突起部33の突出部37の下方に形成されたテーパ面37aに第1本体部10の左右側面に形成されたテーパ面14a及び15a(図6参照)が当接接触する。
【0030】
そして更に、第1本体部10を上方に移動させると、下嵌合突起部33が左右外側に撓み、第1本体部10の円柱部分が第2本体部30の嵌合孔31に嵌入し第1本体部10の左右の被係合部14,15が第2本体部30の突出部37に対して上動し、左右のテーパ面14a,15aの下部の左右の側面14b,15bが突出部37を乗り越えた時点で下嵌合突起部33の弾性変形が元に戻り、図3(b)に示すように、4つの突出部37が左右の被係合面14c,15cを下方から覆うように位置する(図3(b)は右被係合面15cのみを図示)。この結果、左右の被係合面14c,15cと4つの下嵌合突起部33の突出部37の上面とが対向し、第1本体部10が第2本体部30に嵌合した状態のまま係止保持され嵌合が外れない状態となる。なお、4つの下嵌合突起部33を左右外側に撓ませ4つの突出部37と左被係合面14c及び右被係合面15cとの係合を解除した状態で、第1本体部10を第2本体部30から引き下げることにより、第1本体部10を第2本体部30から外すことができる。
【0031】
以下では、相手コネクタ80を第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13に嵌合させる方法及び作用について説明する。まず、上記のように相手コネクタ80の嵌合突起部83が第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13に嵌合可能となっているが、具体的には、嵌合突起部83を下方から第1コネクタ部12又は第2コネクタ部13に挿入し押し上げると、図5等に示すように、相手ハウジング81の小突起部84の上部のテーパ面84aが第1コネクタ部12又は第2コネクタ部13の前後端部の内側面に当接し、更に上方に押し上げると相手ハウジング81が前後内側に弾性変形して撓み、小突起部84が第1コネクタ部12又は第2コネクタ部13の前後端面を上動し、その上部にある前後一対に設けられる小孔部18を小突起部84が乗り越えた時点で相手ハウジング81の弾性変形が元に戻り、小突起部84の下面が小孔部18の上面と対向するように位置する。
【0032】
このとき相手ハウジング81の嵌合突起部83の上面が第1コネクタ部12又は第2コネクタ部13の上端面に接触するとともに小突起部84が小孔部18に引っ掛かって下方に抜けない状態となり、図5に示すようにコンタクト20の接触部20dが相手コネクタ80のコンタクト受容孔部82を介して電気ケーブル70の導体部71と当接接触して電気接続状態となる。なお、小突起部84を前後内側に押して相手ハウジング81を弾性変形させて小突起部84と小孔部18との係合を解除した状態で相手コネクタ80を下方に引き下げることにより、相手コネクタ80を第1コネクタ部12又は第2コネクタ部13から外すことができる。
【0033】
以上、相手コネクタ80を第1コネクタ部12又は第2コネクタ部13に嵌合させる方法、第2本体部30を支持部材60に固定支持させる方法、そして、第2本体部30に第1本体部10を嵌合させる方法について説明したが、これらの嵌合又は固定支持の順序については特に制限はなく、例えば、第2本体部30に第1本体部10を嵌合させてから、第2本体部30を支持部材60に固定支持させた状態で相手コネクタ80を第1コネクタ部12又は第2コネクタ部13に嵌合させてもよいし、予め第2本体部30を支持部材60に固定支持させ、相手コネクタ80を第1コネクタ部12又は第2コネクタ部13に嵌合させた状態で、第1本体部10を第2本体部30に嵌合させるようにしてもよい。
【0034】
ところで、本実施形態における発光装置1は、上述したように、第1コネクタ部12に嵌合接続された相手コネクタ80と第2コネクタ部13に嵌合接続された相手コネクタ80とを、LED光源50を介することなく直接電気接続させることができるようになっている。具体的には、図11(a)に示すように、6本の接触部20dが全てLED端子51と電気接続されるとともに、第1コネクタ部12側の3本の接触部20dと第2コネクタ部13側の3本の接触部20dとがLED光源50を介することなく直接電気接続される構成となっている。
【0035】
以上のように構成されることにより、本実施形態における発光装置1では、図11(a)に示すように一端に電源90が接続され他端に相手コネクタ80が取り付けられた電気ケーブル70を用いて、相手コネクタ80を第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13の少なくともいずれかに嵌合させることにより、相手コネクタ80を介してコンタクト20と電気ケーブル70とを電気接続させ、電源90から電気ケーブル70及びコンタクト20を介してLED端子51に電力供給を行って上記発光部52b,52r,52gを発光させることができるようになっている。
【0036】
また、本実施形態における発光装置1は、図11(b)に示すように、電源90に接続されている電源ケーブル70の一端に相手コネクタ80を取り付け、当該相手コネクタ80を第1及び第2コネクタ部12,13のいずれか一方に嵌合させるとともに、両端に相手コネクタ80を取り付けた電気ケーブル70を用いて、一端の相手コネクタ80を上記第1及び第2コネクタ部12,13のいずれか他方に嵌合させるとともに、他端の相手コネクタ80を別の発光装置1の第1及び第2コネクタ部12,13のいずれかに嵌合させることにより発光装置1間を電気接続させることが可能となる。なお、図11(b)では第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13の図示を省略しているが実際は図11(a)と同じ構成である。
【0037】
以上のように、相手コネクタ80を端部に設けた電気ケーブル70を用いて各発光装置1を電気接続させることにより、ある発光装置1に供給される電力を他の発光装置1にも供給させることが可能となり、いわゆるデイジーチェーン状に発光装置1を電気接続させ各LED光源50の発光部52を発光させることが可能となる。また、複数の発光装置1を上記のように電気接続させた場合は、図11に示すように、LED光源50に電力供給させるための電気回路が相手コネクタ80間を電気接続させる電気回路に対して独立して設けられているため、たとえ複数の発光装置1のうちの1つの発光装置1のLED光源50が故障したような場合でも、他の発光装置1にその影響が及ぶことはない。
【0038】
以上、本実施形態における発光装置1では、端部に相手コネクタ80を取り付けた電気ケーブル70を用いて発光装置1間を電気接続させることが可能となっているため、1つ1つの発光装置1に対して電源から延びる電気ケーブルを接続させていた従来の構成と比較して、電気ケーブルの使用量を少なくすることが可能となる。よって、電気ケーブルのコストを抑えることができるとともに、配線量が減るため装置のメンテナンス等も容易に行うことができる。
【0039】
また、本実施形態における発光装置1は、図1及び図2に示すように、相手コネクタ80、第1本体部10、第2本体部30、及び支持部材60間を容易に嵌合接続できるようになっているため、発光装置1の実装工数を削減させることができる。また、部品一つ一つの着脱が容易であるため、これらの部品を容易に再利用させることもできる。
【0040】
以上、本発明に係る発光装置について上述した発光装置1を例に挙げて説明したが、本発明の応用範囲は上記実施形態に限定されない。例えば、上記では発光装置1間を電気ケーブル70により電気接続させる例について説明したが、電気ケーブル70を用いなくても本発明を応用させることは可能である。すなわち、上述した相手コネクタ80に導電材料製の端子を設け、当該相手コネクタ80を電気回路を備えた配線基板に装着させた状態で第1及び第2コネクタ部12,13に嵌合させる場合、配線基板及び相手コネクタ80を介して各発光装置を電気接続させることも可能となる。
【0041】
また、上記実施形態においては、発光装置1が支持孔61を有する板状の支持部材60に固定支持可能な例について説明したが、当該支持部材60に固定支持可能でない発光装置も本発明の範疇に含まれる。ただし、本実施形態のように複数の発光装置を当該支持部材60に固定支持可能とした場合は、その支持部材60の背面から発光装置への相手コネクタ80の着脱が可能となり、発光装置間における相手コネクタ80の着脱をより容易に行うことができるという利点が得られる。
【0042】
また、本実施形態では、図11(a)に示すように第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13の内部でLED光源50を介することなく直接電気接続させることにより、第1コネクタ部12に嵌合接続された相手コネクタ80と第2コネクタ部13に嵌合接続された相手コネクタ80とをLED光源50を介することなく直接電気接続させる例について説明したが、この構成に限定されることはない。
【0043】
すなわち、例えば、前方3箇所に設けられるコンタクト20の接触部20dと後方3箇所に設けられるコンタクト20の接触部20dとを物理的に接続させるようにコンタクト20の形状を変更してもよいし、また、LED接続用電気ケーブルを3本コネクタ接続用電気ケーブルを3本用いてこれら6本のケーブルの端部に相手コネクタ80を取り付け、当該相手コネクタ80を第1コネクタ部12及び第2コネクタ部13に嵌合させたとき、第1コネクタ部12に嵌合させた相手コネクタ80のコネクタ接続用電気ケーブルと第2コネクタ部13に嵌合させた相手コネクタ80のコネクタ接続用電気ケーブルとを直接電気接続させる構成にすれば上記同様の効果が得られる。
【0044】
そして、本実施形態では、LED光源50が、3本のLED端子51と、3個の発光部52b,52r,52gとを備える例について説明したが、LED光源の構成もこれに限定されることはない。すなわち、本発明に係る発光装置は、1個、2個、もしくは4個以上のLEDチップを備えたLED光源、または、LED以外の発光素子を用いた光源に対しても応用させることは可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 発光装置 10 第1本体部(本体部)
11 ハウジング 12 第1コネクタ部
13 第2コネクタ部 20 コンタクト
20d 接触部 30 第2本体部(本体部)
51 LED端子(接続端子部) 52 発光部
60 支持部材 61 支持孔
70 電気ケーブル 71 導体部(端子)
80 相手コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電材料製の複数のコンタクト、及び前記複数のコンタクトを保持する絶縁材料製のハウジングを有して構成される本体部と、接続端子部が前記コンタクトと電気接続して前記本体部上に取り付けられた発光部とを備えた発光装置において、
前記ハウジングに、前記コンタクトの接触部を露出させて形成される第1コネクタ部及び第2コネクタ部が設けられ、導電材料製の端子を有する相手コネクタを前記第1及び第2コネクタ部に嵌合可能に構成され、
前記第1及び第2コネクタ部の少なくともいずれかに前記相手コネクタを嵌合させたとき、前記コンタクト及び前記相手コネクタの端子が電気接続され、前記端子から前記コンタクトを介して前記接続端子部に前記発光部を発光させる電力供給が可能に構成され、
前記第1及び第2コネクタ部の両方に前記相手コネクタを嵌合させたとき、前記第1コネクタ部に嵌合させた相手コネクタの端子、前記コンタクト、及び前記第2コネクタ部に嵌合させた相手コネクタの端子が電気接続されるように構成されたことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記相手コネクタは電気ケーブルの端部に取り付けられ、前記相手コネクタの前記端子と前記電気ケーブルの導体部とが電気接続されて構成され、
前記電気ケーブルの一端に取り付けられた相手コネクタが前記本体部の第1コネクタ部及び第2コネクタ部のいずれかに嵌合され、前記電気ケーブルの他端に取り付けられた相手コネクタが前記本体部とは別の本体部の第1コネクタ部及び第2コネクタ部のいずれかに嵌合されることにより、前記本体部及び前記別の本体部のコンタクト同士が前記電気ケーブルを介して電気接続されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記本体部は、前記発光部を外方に露出させた状態で、板状の支持部材に貫通して形成される支持孔に嵌合され、前記支持部材に固定支持可能に構成され、
複数の前記本体部が前記支持部材に固定支持され、前記支持部材に対して前記発光部の反対側から、前記固定支持された各々の本体部の第1及び第2コネクタ部に前記相手コネクタを嵌合可能に構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−54402(P2012−54402A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195836(P2010−195836)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000105338)ケル株式会社 (51)
【Fターム(参考)】