説明

発光装置

【課題】蛍光体間の再吸収を抑制し優れた発光効率を実現する発光装置を提供する。
【解決手段】基板と、基板上に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第1の発光素子と、第1の発光素子上に形成され緑色蛍光体を含有する第1の蛍光体層とを有する複数の第1の発光部と、基板上に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第2の発光素子と、第2の発光素子上に形成され赤色蛍光体を含有する第2の蛍光体層とを有する複数の第2の発光部と、基板上の第1の発光素子と第2の発光素子との間に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第3の発光素子と、第3の発光素子上に形成され緑色蛍光体または赤色蛍光体のいずれも含有しない樹脂層とを有する第3の発光部と、を備え、第1の蛍光体層および第2の蛍光体層がそれぞれの間に気体を挟んで非接触に分離されることを特徴とする発光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、青色の発光ダイオード(LED)にYAG:Ceなどの黄色蛍光体を組合せ、単一のチップで白色光を発する、いわゆる白色LEDに注目が集まっている。従来、LEDは赤色、緑色、青色と単色で発光するものであり、白色または中間色を発するためには、単色の波長を発する複数のLEDを用いてそれぞれ駆動しなければならなかった。しかし、現在では、発光ダイオードと、蛍光体とを組合せることにより、上述の煩わしさを排し、簡便な構造によって白色光を得ることができるようになっている。
【0003】
発光ダイオードを用いたLEDランプは、携帯機器、PC周辺機器、OA機器、各種スイッチ、バックライト用光源、および表示板などの各種表示装置に用いられている。これらLEDランプは高効率化が強く望まれており、加えて一般照明用途には高演色化、バックライト用途には高色域化の要請がある。高効率化には、蛍光体の高効率化が必要であり、高演色化あるいは高色域化には、青色の励起光と青色で励起され緑色の発光を示す蛍光体および青色で励起され赤色の発光を示す蛍光体を組み合わせた白色光源が望ましい。
【0004】
また、高負荷LEDは駆動により発熱し、蛍光体の温度が100〜200℃程度まで上昇することが一般的である。このような温度上昇が起こると蛍光体の発光強度は一般に低下し、いわゆる温度消光が生ずる。このため、特に、高温領域、すなわち高電流範囲で発光効率が低下するという問題がある。
【0005】
さらに、複数の蛍光体を用いる場合、蛍光体間の再吸収により発光効率が低下するという問題がある。特に、一つのLEDチップ上に、複数の蛍光体を組み合わせることで白色光を得ようとする場合、蛍光体間の距離が近接することでこの問題が顕在化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−212275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、蛍光体間の再吸収を抑制し優れた発光効率を実現する発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施の形態の発光装置は、基板と、基板上に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第1の発光素子と、第1の発光素子上に形成され緑色蛍光体を含有する第1の蛍光体層とを有する複数の第1の発光部と、基板上に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第2の発光素子と、第2の発光素子上に形成され赤色蛍光体を含有する第2の蛍光体層とを有する複数の第2の発光部と、基板上の第1の発光素子と第2の発光素子との間に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第3の発光素子と、第3の発光素子上に形成され緑色蛍光体または赤色蛍光体のいずれも含有しない樹脂層とを有する第3の発光部と、を備え、第1の蛍光体層および第2の蛍光体層がそれぞれの間に気体を挟んで非接触に分離される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態の発光装置の模式上面図である。
【図2】図1のA−A模式断面図である。
【図3】第2の実施の形態の発光装置の模式上面図である。
【図4】第3の実施の形態の発光装置の模式上面図である。
【図5】緑色蛍光体G1のXRDプロファイルである。
【図6】緑色蛍光体G2のXRDプロファイルである。
【図7】赤色蛍光体R1のXRDプロファイルである。
【図8】赤色蛍光体R2のXRDプロファイルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて実施の形態を説明する。
【0011】
なお、本明細書中、緑色蛍光体とは、波長250nm乃至500nmの光、すなわち、近紫外光もしくは青色光で励起した際、励起光よりも長波長であり、青緑色から黄緑色(以下、総称して緑色とも記載)にわたる領域の発光、すなわち波長490nm〜550nmの間にピークを有する発光を示す蛍光体を意味する。
【0012】
また、本明細書中、赤色蛍光体とは、波長250nm乃至500nmの光、すなわち、近紫外光もしくは青色光で励起した際、励起光よりも長波長であり、橙色から赤色にわたる領域の発光、すなわち波長580nm〜700nm(以下、総称して赤色とも記載)の間にピークを有する発光を示す蛍光体を意味する。
【0013】
また、本明細書中、黄色蛍光体とは、波長250nm乃至500nmの光、すなわち、近紫外光もしくは青色光で励起した際、励起光よりも長波長であり、黄色の発光、すなわち波長550nm〜580nmの間にピークを有する発光を示す蛍光体を意味する。
【0014】
(第1の実施の形態)
本実施の形態の発光装置は、基板と、基板上に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第1の発光素子と、第1の発光素子上に形成され緑色蛍光体を含有する第1の蛍光体層とを有する複数の第1の発光部と、基板上に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第2の発光素子と、第2の発光素子上に形成され赤色蛍光体を含有する第2の蛍光体層とを有する複数の第2の発光部と、基板上の第1の発光素子と第2の発光素子との間に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第3の発光素子と、第3の発光素子上に形成され緑色蛍光体または赤色蛍光体のいずれも含有しない樹脂層とを有する第3の発光部と、を備え、第1の蛍光体層および第2の蛍光体層がそれぞれの間に気体を挟んで非接触に分離される。
【0015】
本実施の形態の発光装置は、異なる波長を発する蛍光体を含有する蛍光体層を離間させることにより、蛍光体層での蛍光の再吸収を簡易な構造で抑制する。よって、高効率かつLEDが高密度で実装される白色発光装置(または白色LED)を実現することが可能である。
【0016】
図1は、本実施の形態の発光装置の模式上面図である。図2は、図1のA−A模式断面図である。
【0017】
本実施の形態の発光装置は、基板10上に複数の第1の発光部12、複数の第2の発光部14、複数の第3の発光部16が配置される白色発光装置である。
【0018】
第1の発光部12は、基板上に実装される第1の発光素子12aと、第1の発光素子12a上に形成され緑色蛍光体を含有する第1の蛍光体層12bとで構成される。また、第2の発光部14は、基板上に実装される第2の発光素子14aと、第2の発光素子14a上に形成され赤色蛍光体を含有する第2の蛍光体層14bとで構成される。そして、第3の発光部16は、第1の発光素子12aと第2の発光素子14aとの間に実装される第3の発光素子16aと、第3の発光素子16a上に形成される例えばシリコーンの透明樹脂層16bとで構成される。
【0019】
第1の発光素子12a、第2の発光素子14b、第3の発光素子16bは、近紫外から青色の光、すなわち、波長250nm乃至500nmの光を発する。ここでは、同一種類の青色LEDチップを例として説明する。設計、製造の容易性からはすべて同一種類であることが望ましいが、異種の発光素子であってもかまわない。
【0020】
各発光素子12a、14a、16aは、例えば金のワイヤ20を介して図示しない配線に接続されている。そして、この配線を介して外部から駆動電流が発光素子12a、14a、16aに供給されることにより、発光素子12a、14a、16aが励起用の青色光を発生する。
【0021】
緑色蛍光体および赤色蛍光体は、透明樹脂、例えば、シリコーン樹脂中に分散され蛍光体層を形成する。
【0022】
本実施の形態では、緑色蛍光体および赤色蛍光体として、いわゆるサイアロン系の蛍光体を適用する。サイアロン系の蛍光体は、高温での発光効率の低下、いわゆる温度消光が小さいため、高密度実装や高出力の発光装置の実現に適している。
【0023】
本実施の形態のサイアロン系の緑色蛍光体は下記一般式(1)で表わされる組成を有し、赤色蛍光体は下記一般式(2)で表わされる組成を有する。
【0024】
(M1−x1Eux13−y1Si13−z1Al3+z12+u21−w (1)
(上記一般式(1)中、MはIA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、Alを除くIIIB族元素、希土類元素、およびIVB族元素から選択される元素である。x1、y1、z1、u、wは、次の関係を満たす。
0<x1<1、
−0.1<y1<0.3、
−3<z1≦1、
−3<u−w≦1.5)
【0025】
なお、MはSr(ストロンチウム)であることが望ましいが、Ca(カルシウム)などの他元素をMに対して約10mol%以下の割合で混ぜてもよい。
【0026】
上記一般式(1)で表わされる組成を有するサイアロン系蛍光体は緑色蛍光体(G)であり、波長250nm乃至500nmの光、すなわち、近紫外光もしくは青色光で励起した際、励起光よりも長波長であり、青緑色から黄緑色にわたる領域の発光、すなわち波長490〜580nmの間にピークを有する発光を示す。
【0027】
(M’1−x2Eux2a1Sib1AlOc1d1 (2)
(上記一般式(2)中、M’はIA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、Alを除くIIIB族元素、希土類元素、およびIVB族元素から選択される元素である。x2、a1、b1、c1、d1は、次の関係を満たす。
0<x2<1、
0.55<a1<0.95
2.0<b1<3.9、
0<c1<0.6、
4<d1<5.7)
【0028】
上記一般式(2)で表わされる組成を有するサイアロン系蛍光体は赤色蛍光体(R)であり、波長250nm乃至500nmの光、すなわち、近紫外光もしくは青色光で励起した際、励起光よりも長波長であり、橙色から赤色にわたる領域の発光、すなわち波長580〜700nmの間にピークを有する発光を示す。
【0029】
なお、M’はSr(ストロンチウム)であることが望ましいが、Ca(カルシウム)などの他元素をM’に対して約10mol%以下の割合で混ぜてもよい。
【0030】
なお、上記一般式(1)で表されるサイアロン系緑色蛍光体の結晶構造は、斜方晶であり、CuKα特性X線(波長1.54056Å)を用いたX線回折において、図5、6に示すように、30.5−30.9°、25.6−30.0°、31.8−32.2°、37.2−37.6°、37.0−37.4°、29.3−29.7°、34.0−34.4°、21.7―22.1°、48.9―49.3°、45.7−46.1°、62.8−63.2°、15.2−15.6°、61.3−61.7°、40.5−40.9°、55.8°−56.2°の回折角度(2θ)、15箇所のうち、少なくとも6箇所に同時に回折ピークを示す一成分を含有するものである。図5、図6の評価に用いた組成は表1に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
さらに、上記一般式(2)で表されるサイアロン系赤色蛍光体の結晶構造は、斜方晶であり、CuKα特性X線(波長1.54056Å)を用いたX線回折において、図7、8に示すように、31.6−31.8°、30.9−31.1°、24.85−25.05°、35.25−35.45°、15.0−15.25°、56.4−56.65°、36.1−36.25°、33.0―33.20°、23.1―23.20°、29.3−29.6°、26.95−26.15°の回折角度(2θ)、11箇所のうち、少なくとも9箇所に同時に回折ピークを示す一成分を含有するものである。図7、図8の評価に用いた組成は表2に示す。
【0033】
【表2】

【0034】
第1の発光素子12aは、第1の蛍光体層12b中の緑色蛍光体を励起するための光源となり、第1の発光部12からは緑色が発光される。また、第2の発光素子14aは、第2の蛍光体層14b中の赤色蛍光体を励起するための光源となり、第2の発光部14からは赤色が発光される。そして、第3の発光素子16aは青色の光源となり、第3の発光部16からは青色が発光される。
【0035】
第1の発光部12、第2の発光部14、第3の発光部16から発せられる緑色光、赤色光、青色光が混合され白色光となる。
【0036】
例えば、一つの青色LEDチップ上にサイアロン系の赤色蛍光体層と、サイアロン系の緑色蛍光体との間を離間させずに積層させて発光させる場合、緑色蛍光体層から発せられた光が数%オーダーで赤色蛍光体層で吸収され発光装置の発光効率が低下する。
【0037】
本実施の形態においては、第1の蛍光体層12aおよび第2の蛍光体層14aは、それぞれの間に気体を挟んで非接触に分離されている。本実施の形態では、気体は空気である。したがって、第1の蛍光体層12aおよび第2の蛍光体層14aが間に、散乱、拡散の要因となる樹脂等の固体層を介さず離間されている。このため、それぞれの蛍光体層で発せられる緑色光と赤色光が、他方の蛍光体層に到達する割合が低減され、再吸収を抑制する。特に、緑色発光領域の吸収率の高い赤色蛍光体による緑色光の再吸収を効果的に抑制する。
【0038】
第3の発光部16は、第1の発光部12と第2の発光部14との間に配置される。この配置により、第1の蛍光体層12aと第2の蛍光体層14aの離間距離がさらに大きくなる。したがって、再吸収を一層抑制することが可能となる。また、離間部分には青色を発光する第3の発光部16が配置されるため、白色発光装置としての実装密度を低下させることもない。
【0039】
本実施の形態によれば、高実装密度で蛍光体間の再吸収を抑制し優れた発光効率を実現する白色発光装置を、簡便な構成で提供することが可能になる。
【0040】
(第2の実施の形態)
本実施の形態の発光装置は、第3の発光素子が、すべての第1の発光素子と第2の発光素子との間に実装されること、すなわち、第3の発光部が、すべての第1の発光部と第2の発光部との間に配置されること以外は第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と重複する内容については記載を省略する。
【0041】
図3は、本実施の形態の発光装置の模式上面図である。第3の発光素子が、すべての第1の発光素子と第2の発光素子との間に実装されることにより、第3の発光部16が、すべての第1の発光部12と第2の発光部14との間に配置される。
【0042】
本実施の形態によれば、すべての第1の蛍光体層12aと第2の蛍光体層14aの離間距離が大きくなる。したがって、再吸収を一層抑制することが可能となる。また、離間部分には青色を発光する第3の発光部16が配置されるため、白色発光装置としての実装密度を低下させることもない。
【0043】
(第3の実施の形態)
本実施の形態の発光装置は、第2の発光部が第3の発光部に取り囲まれ、第3の発光部が第1の発光部で取り囲まれる配置であること以外は、第2の実施の形態と同様である。したがって、第2の実施の形態と重複する内容については、記載を省略する。
【0044】
図4は、本実施の形態の発光装置の模式上面図である。第2の発光部14が基板12の中心近傍に配置される。そして、この第2の発光部14の周囲を第3の発光部16が取り囲んでいる。また、第3の発光部16の周囲を第1の発光部12が取り囲む配置になっている。
【0045】
この配置により、第3の発光部16が、すべての第1の発光部12と第2の発光部14との間に配置されることになる。
【0046】
本実施の形態によれば、第2の実施の形態同様すべての第1の蛍光体層12aと第2の蛍光体層14aの離間距離が大きくなる。したがって、再吸収を一層抑制することが可能となる。また、離間部分には青色を発光する第3の発光部16が配置されるため、白色発光装置としての実装密度を低下させることもない。
【0047】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。上記、実施の形態はあくまで、例として挙げられているだけであり、本発明を限定するものではない。また、各実施の形態の構成要素を適宜組み合わせてもかまわない。
【0048】
例えば、発光装置に使用する励起光を発生する発光素子は、青色LEDチップに限らず、紫外領域または青色の発光をする半導体発光素子であれば足りる。例えば、窒化ガリウム系化合物半導体を用いたLED等を用いることが可能である。但し、紫外領域の発光をする半導体素子を励起光源として用いる場合には、紫外光を遮断するフィルター機構などを発光装置内に設ける必要がある。
【0049】
また、青色LEDチップ上に直接、蛍光体層が形成される場合を例に説明したが、例えば、青色LEDチップと蛍光体層との間や、蛍光体層の外面に透明樹脂層が設けられる形態であってもかまわない。
【0050】
また、実施の形態においては、緑色蛍光体および赤色蛍光体にサイアロン系蛍光体を適用する場合を例に説明した。温度消光を抑制する観点からはサイアロン系蛍光体、特に上記一般式(1)、(2)で表される蛍光体を適用することが望ましいが、その他の蛍光体を適用するものであっても構わない。
【0051】
また、本実施の形態において、例えば、発光装置や白色LEDの発色を調整するために、第1または第2の蛍光体層に、複数の組成の蛍光体を用いてもかまわない。蛍光体層は複数の蛍光体が混合されて形成されていても、異なる蛍光体を含有する蛍光体層が積層されるものであってもかまわない。
【0052】
また、第1ないし第3の発光素子の配置パターンは、実施の形態に限られることなく、第3の発光素子が第1および第2の発光素子の間に実装されるのであれば、いかなるパターンを採用することも可能である。
【0053】
また、第3の発光素子上に形成される樹脂層について、シリコーン透明樹脂を例に説明したが、その他の透明樹脂を適用することも可能である。また、発光装置の発光色を調整するために、樹脂層を、黄色蛍光体を含有する蛍光体層としてもかまわない。
【0054】
そして、実施の形態の説明においては、発光装置等で、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされる発光装置に関わる要素を適宜選択して用いることができる。
【0055】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての発光装置は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物の範囲によって定義されるものである。
【符号の説明】
【0056】
10 基板
12 第1の発光部
12a 第1の発光素子
12b 第1の蛍光体層
14 第2の発光部
14a 第2の発光素子
14b 第2の蛍光体層
16 第3の発光部
16a 第3の発光素子
16b 樹脂層層
20 ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第1の発光素子と、前記第1の発光素子上に形成され緑色蛍光体を含有する第1の蛍光体層とを有する複数の第1の発光部と、
前記基板上に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第2の発光素子と、前記第2の発光素子上に形成され赤色蛍光体を含有する第2の蛍光体層とを有する複数の第2の発光部と、
前記基板上の前記第1の発光素子と前記第2の発光素子との間に実装され波長250nm乃至500nmの光を発する第3の発光素子と、前記第3の発光素子上に形成され前記緑色蛍光体または前記赤色蛍光体のいずれも含有しない樹脂層とを有する第3の発光部と、を備え、
前記第1の蛍光体層および第2の蛍光体層がそれぞれの間に気体を挟んで非接触に分離されることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記樹脂層が透明なシリコーン樹脂、または、黄色蛍光体を含有する樹脂であることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1、第2および第3の発光素子が同一種類の発光素子であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の発光装置。
【請求項4】
前記緑色蛍光体は下記一般式(1)で表わされる組成を有し、前記赤色蛍光体は下記一般式(2)で表わされる組成を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか一項記載の発光装置。
(M1−x1Eux13−y1Si13−z1Al3+z12+u21−w (1)
(上記一般式(1)中、MはIA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、Alを除くIIIB族元素、希土類元素、およびIVB族元素から選択される元素である。x1、y1、z1、u、wは、次の関係を満たす。
0<x1<1、
−0.1<y1<0.3、
−3<z1≦1、
−3<u−w≦1.5)
(M’1−x2Eux2a1Sib1AlOc1d1 (2)
(上記一般式(2)中、M’はIA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、Alを除くIIIB族元素、希土類元素、およびIVB族元素から選択される元素である。x2、a1、b1、c1、d1は、次の関係を満たす。
0<x2<1、
0.55<a1<0.95
2.0<b1<3.9、
0<c1<0.6、
4<d1<5.7)


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−80084(P2012−80084A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177807(P2011−177807)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】