説明

発振装置

【課題】発振信号の発振周波数の可変範囲が狭く、また、回路抵抗が小さかった。
【解決手段】第1のNPN型トランジスタと、コレクタと第1のNPN型トランジスタのエミッタとの接続により第1のNPN型トランジスタにカスコード接続された第2のNPN型トランジスタと、第2のNPN型トランジスタのベース及びエミッタ間に接続された第1のキャパシタと、第2のNPN型トランジスタのエミッタ及び接地電位間に接続された第1の抵抗器と、第2のNPN型トランジスタのエミッタ及びコレクタ間に接続された第2のキャパシタと、第1のNPN型トランジスタのベース及びエミッタ間に接続された第3のキャパシタと、第2のNPN型トランジスタのベース及び接地電位間に接続された水晶振動子とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互にカスコード接続された2つのNPN型トランジスタにより、発振信号を生成する発振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図12に示されるように、従来の発振装置OSC100は、下記の特許文献1及び特許文献2に記載されたように、発振装置の大型化を回避すべく、周波数可変範囲を拡大するための伸長コイル(大型部品)を極力使用しない構成としている。より具体的には、従来の発振装置OSC100は、バッファ部U100と、発振部U101とを含み、バッファ部U100は、カスケード接続された第1のトランジスタ(NPN型)TR1と第2のトランジスタ(NPN型)TR2のうち、一方の第1のトランジスタTR1を有する構成であり、他方で、発振部U101は、他方の第2のトランジスタTR2を有し、伸長コイルを有しない構成となっている。当該発振装置OSC100では、発振部U101は、水晶振動子Xにより規定される発振周波数fを有する発振信号OSを励起し、バッファ部U100は、当該励起された発振信号OSをバッファリング(緩衝増幅)する。
【0003】
発振装置OSC100は、詳細には、図13に図示した等価回路OSC100(eq)により表わされる。等価回路OSC100(eq)は、定電流源CCと、第1のインピーダンスZ1と、第2のインピーダンスZ2と、インピーダンスZBを含む。
【0004】
定電流源CCは、電流gm×z1×i1を供給する。ここで、gmは、第1、第2のトランジスタTR1、TR2の相互コンダクタンスであり、i1は、第1のインピーダンスZ1及びインピーダンスZBに流れる電流である。
【0005】
第1のインピーダンスZ1は、相互に並列接続された、キャパシタC1と、第1、第2のトランジスタTR1、TR2のベース及びエミッタ間の容量Cπ及び抵抗Rπとからなる。
【0006】
第2のインピーダンスZ2は、相互に並列接続された、抵抗器R2とキャパシタC3とからなる。
【0007】
インピーダンスZBは、水晶振動子X(インピーダンスzxtを備える。)と、抵抗RBとからなる。
【0008】
等価回路OSC100(eq)にキルヒホッフの法則を適用すると、電流の関係から(1)式が与えられ、また、電圧の関係から(2)式が与えられる。
【0009】
【数1】

【0010】
【数2】

(1)式を(2)式に代入することにより、(3)式を得られる。
【0011】
【数3】

但し、ZB、Z1、Z2、r1、c1、r2、c2は、(4)式及び(5)式により与えられる。
【0012】
【数4】

【0013】
【数5】

(4)式及び(5)式を(3)式に代入することにより、(6)式が得られる。
【0014】
【数6】

ここで、Rbnciは、等価回路OSC100(eq)の回路抵抗(等価回路OSC100(eq)を構成する素子のうち水晶振動子X以外の素子により規定される抵抗)であり、Cbnciは、回路リアクタンス(等価回路OSC100(eq)を構成する素子のうち水晶振動子X以外の素子により規定されるリアクタンス)である。
【0015】
(6)式中のRbnci、Cbnciは、(7)式により与えられる。
【0016】
【数7】

(7)式中のRnci、Cnciは、(8)式により与えられる。
【0017】
【数8】

図14は、従来の発振装置の等価回路のシミュレーションの結果を示したものである。なお、等価回路OSC100(eq)の(7)式についてのシミュレーションの条件としては、gm=30A/V、Cπ=1pF、Rπ=2.6Ω、C1=C2=43pF、R2=1kΩ、RB=10kΩとしている。
【0018】
【特許文献1】特開平10−13154号公報
【特許文献2】特開2000−216633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、図14に示されるように、従来の発振装置OSC100では周波数f=10MHzのとき、回路リアクタンスCbnciが、容量性(3pF)リアクタンスであることから、発振信号OSの発振周波数fの可変範囲が狭いという問題があった。このため、可変範囲を広げるためには、水晶振動子Xに伸長コイル(大型部品)を直列に挿入するといった様々な回路的工夫を施す必要があり、発振回路が複雑化及び大型化するといった問題を抱えていた。
【0020】
また、周波数f=10MHzのとき、回路抵抗Rbnciは、3.5kΩ(絶対値)であり、発振することはできるものの、この値以上に大きくすることができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記した課題を解決すべく、本発明に係る発振装置は、
第1のNPN型トランジスタと、
第2のNPN型トランジスタであって、当該第2のNPN型トランジスタのコレクタと前記第1のNPN型トランジスタのエミッタとの接続により当該第1のNPN型トランジスタにカスコード接続された前記第2のNPN型トランジスタと、
前記第2のNPN型トランジスタのベース及びエミッタ間に接続された第1のキャパシタと、
前記第2のNPN型トランジスタのエミッタ及び接地電位間に接続された第1の抵抗器と、
前記第2のNPN型トランジスタのエミッタ及びコレクタ間に接続された第2のキャパシタと、
前記第1のNPN型トランジスタのベース及びエミッタ間に接続された第3のキャパシタと、
前記第2のNPN型トランジスタのベース及び接地電位間に接続された水晶振動子とを含む。
【0022】
上記した本発明に係る発振装置によれば、前記第1、第2のNPN型トランジスタと、前記第1、第2、第3のキャパシタと、前記第1の抵抗器と、前記水晶振動子とが、上記した接続関係にあることにより、回路リアクタンスを誘導性にすることができることから、発振周波数の可変範囲を従来の発振装置に比して広げることが可能となる。
【0023】
また、上記した本発明に係る発振装置によれば、上記した接続関係により、回路抵抗の値(絶対値)を従来に比して大きくすることが可能となる。
【0024】
上記した本発明に係る発振装置は、
インダクタを更に含み、
前記インダクタは、前記第2のキャパシタに直列接続されている。
【0025】
上記した本発明に係る発振装置によれば、上記したインダクタが上記した位置に設けられることから、前記発振周波数の可変範囲を所望の範囲に限定することが可能となる。
【0026】
上記した本発明に係る発振装置は、
インダクタと、第4のキャパシタとを更に含み、
前記インダクタは、前記第2のキャパシタに並列接続されており、
前記第4のキャパシタは、前記インダクタ及び前記第2のキャパシタに直列接続されている。
【0027】
上記した本発明に係る発振装置によれば、上記したインダクタ及び第2のキャパシタが上記した位置に設けられることから、前記発振周波数の可変範囲を所望の範囲に一層限定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明に係る発振装置の実施例について図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、実施例の発振装置の構成を交流的に示すブロック図である。実施例の発振装置OSC1は、図1に示されるように、第1のトランジスタTR1(第1のNPN型トランジスタ)と、第2のトランジスタTR2(第2のNPN型トランジスタ)と、第1〜第5のインピーダンスZ1〜Z5と、負荷インピーダンスZoutとを含む。
【0030】
第1のトランジスタTR1は、バッファリングを行うべく、そのベースが接地電位GNDに接続されており、他方で、第2のトランジスタTR2は、発振信号OS(図4に図示。)を励起(増幅)すべく、そのエミッタEが接地電位GNDに接続されている。更に、第1のトランジスタTR1のエミッタEと第2のトランジスタTR2のコレクタCが接続されており、即ち、第1のトランジスタTR1と第2のトランジスタTR2とは、カスコード接続されている。
【0031】
第1のインピーダンスZ1は、第2のトランジスタTR2のベースB及びエミッタE間に接続されており、第2のインピーダンスZ2は、第2のトランジスタTR2のエミッタE及び接地電位GND間に接続されており、第3のインピーダンスZ3は、第2のトランジスタTR2のコレクタC及びエミッタE間に接続されており、第4のインピーダンスZ4は、第1のトランジスタTR1のベースB及びエミッタE間に接続されており、第5のインピーダンスZ5は、第2のトランジスタTR2のベースB及び接地電位GND間に接続されており、負荷インピーダンスZoutは、第1のトランジスタTR1のコレクタC及び電源電位Vcc間に接続されている。
【0032】
図2は、本発明に係る発振装置の実施例の等価回路を示したものである。図2に示すように、発振装置OSC1の等価回路OSC1(eq)は、電流gm×z4×i4を供給する定電流源CC1と、電流gm×z1×i1を供給する定電流源CC2と、第1〜第5のインピーダンスZ1〜Z5により表わされる。ここで、gmは、第1、第2のトランジスタTR1、TR2の相互コンダクタンスである。
【0033】
上記した等価回路OSC1(eq)にキルヒホッフの法則を適用すると、電流の関係より、(9)式、(10)式が与えられ、また、電圧の関係より、(11)式、(12)式が与えられる。
【0034】
【数9】

【0035】
【数10】

【0036】
【数11】

【0037】
【数12】

(9)式〜(12)式より、(13)式が得られる。
【0038】
【数13】

(13)式より、(14)式が得られる。
【0039】
【数14】

(14)式を整理し、水晶振動子X(図3参照)のインピーダンスを含む第5のインピーダンスZ5と、等価回路OSC1(eq)の回路側(水晶振動子X以外の抵抗器、キャパシタ等の回路素子)のインピーダンスとを分離すると、(15)式が与えられる。
【0040】
【数15】

図3は、本発明に係る発振装置の実施例の詳細な等価回路を示したものである。図3に示すように、発振装置OSC1の詳細な等価回路OSC1(eq_dt)において、第1のインピーダンスZ1は、相互に並列接続された、キャパシタC1(第1のキャパシタ)と、第2のトランジスタTR2のベースB及びエミッタE間の容量Cπ及び抵抗Rπとにより構成されており、第2のインピーダンスZ2は、抵抗器R2(第1の抵抗器)により構成されており、第3のインピーダンスZ3は、キャパシタC3(第2のキャパシタ)により構成されており、第4のインピーダンスZ4は、相互に並列接続された、キャパシタC4(第3のキャパシタ)と、第1のトランジスタTR1のベースB及びエミッタE間の容量Cπ及び抵抗Rπにより構成されており、第5のインピーダンスZ5は、相互に並列接続された、水晶振動子X(インピーダンスZxtを含む。)とバイアス抵抗器RBとにより構成されている。
【0041】
詳細な等価回路OSC1(eq_dt)の回路側のインピーダンスは、(16)式により与えられる。
【0042】
【数16】

(15)式の回路側の抵抗、即ち、回路抵抗Rci、及び回路側のリアクタンス、即ち、回路リアクタンスCciを用いると、発振条件を示す(17)式が与えられる。
【0043】
【数17】

ここで、(17)式中のra、xaは、(18)式により与えられる。
【0044】
【数18】

更に、インピーダンスZ5について、水晶振動子X(インピーダンスZxt)と、バイアス抵抗器RBとを分離すると、回路抵抗Rbci、回路リアクタンス(容量性リアクタンスCbci、誘導性リアクタンスLbci)は、(19)式により与えられる。
【0045】
【数19】

図4は、本発明に係る発振装置の実施例の具体的回路を示したものである。発振装置OSC1の具体的回路OSC1(emb)は、図4に示されるように、第1、第2のトランジスタ(NPN型)TR1、TR2と、第1のインピーダンスZ1を構成するキャパシタC1(第1のキャパシタ)と、第2のインピーダンスZ2を構成する抵抗器R2(第1の抵抗器)と、第3のインピーダンスZ3を構成するキャパシタC3(第2のキャパシタ)と、第4のインピーダンスZ4を構成するキャパシタC4(第3のキャパシタ)と、第5のインピーダンスZ5を構成する、相互に直列接続された水晶振動子X及び内部容量Cxと、負荷インピーダンスZoutを構成する抵抗器R1とを有する。
【0046】
具体的回路OSC1(emb)は、さらに、第1のトランジスタTR1及び接地電位GND間にキャパシタC2(ベース接地用)を有し、第1のトランジスタTR1のコレクタC及び出力端OUT間にカップリングコンデンサC5を有し、電源電位Vcc及び接地電位GND間にバイパスコンデンサC6を有し、電源電位Vcc、第1のトランジスタTR1のベースB、第2のトランジスタTR2のベースB、及び接地電位GND間に、ベース電圧を規定するための、直列接続されたバイアス抵抗RB1、RB2、RB3を有する。
【0047】
図5は、本発明に係る発振装置の実施例の詳細な等価回路のシミュレーションの結果を示したものである。なお、上記した(19)式に関する当該シミュレーションの条件としては、gm=38mA/V、Cπ=1pF、Rπ=2.6Ω、C1=43pF、C2=25pF、C3=43pF、R2=1kΩ、RB=10kΩとしている。
【0048】
図5に示されるように、発振周波数f=10MHzのとき、誘導性リアクタンスLbci=17μHであり、また、回路抵抗Rbci=9kΩ(絶対値)である。したがって、回路リアクタンスが容量性リアクタンスであった従来の発振装置OSC100と異なり、本発明は回路リアクタンスを誘導性リアクタンスにすることができることから、従来の発振装置OSC100に比して、伸長コイルを使わずに、発振信号OSの発振周波数fの可変範囲を広くすることができる。また、回路抵抗が3.5kΩであった従来の発振装置OSC100に比して、回路抵抗Rbciの値を大きくすることができる。
【0049】
《変形例1》
図6は、本発明に係る発振装置の変形例1の詳細な等価回路を示したものである。この変形例1の詳細な等価回路OSC1(eq1_dt)は、図3に図示された実施例の詳細な等価回路OSC1(eq_dt)と概ね同様な構成を有し、図3との相違点は、第3のインピーダンスZ3が、キャパシタC3に代えて、直列接続されたキャパシタC3及びインダクタL3から構成されているところである。
【0050】
変形例1の詳細な等価回路OSC1(eq1_dt)における第3のインピーダンスZ3の等価キャパシタC3sは、(20)式により与えられる。
【0051】
【数20】

図7は、本発明に係る発振装置の変形例1の具体的回路を示したものである。この変形例1の具体的回路OSC1(emb1)は、図4に示した実施例1の具体的回路OSC1(emb)と概ね同様な構成を有し、図4との相違点は、第3のインピーダンスZ3として、キャパシタC3に代えて、直列接続されたキャパシタC3及びインダクタL3から構成されているところである。
【0052】
図8は、変形例1の詳細な等価回路のシミュレーションの結果を示したものである。当該シミュレーションは、(20)式に示されるC3sを(16)式に示されるC3に代入して得られた(19)式をシミュレーションしたものであり、gm=38mA/V、Cπ=1pF、Rπ=2.6Ω、C1=43pF、C2=25pF、C3=22pF、R2=1kΩ、RB=10kΩ、L3=3.3μHを条件としている。
【0053】
図8に示されるように、回路抵抗Rbciが負である範囲は、周波数f=9MHz〜20MHzのときであり、また、誘導性リアクタンスが正、すなわち、回路リアクタンスが誘導性リアクタンスである範囲は、周波数f=1MHz〜20MHzのときである。よって、回路抵抗Rbciが負で、かつ誘導性リアクタンスが正となるのは周波数f=9MHz〜20MHzの周波数範囲であるから、変形例1の詳細な等価回路OSC1(eq1_dt)は周波数f=9MHz〜20MHzの範囲で発振することができる。
【0054】
これに対し、実施例の詳細な等価回路OSC1(eq_dt)については、図5に示されるように、回路抵抗Rbciが負である範囲は、周波数f=6.5MHz〜50MHzであり、また、誘導性リアクタンスLbciが正である範囲は、周波数f=8MHz〜50MHzである。よって、実施例の詳細な等価回路OSC1(eq1_dt)は、両範囲の重複範囲である周波数f=8MHz〜50MHzで発振することができる。
【0055】
従って、変形例1の詳細な等価回路OSC1(eq1_dt)は、実施例の詳細な等価回路OSC1(eq_dt)と比して発振周波数fの可変範囲を狭帯域化することができ、換言すれば、実施例の詳細な等価回路OSC1(eq_dt)と同様に、発振周波数fの可変範囲を従来よりも広げつつ、その可変範囲を所望の範囲内に制限することができる。
【0056】
また、周波数f=10MHzのとき、回路抵抗Rbci=11kΩ(絶対値)であることから、実施例の詳細な等価回路OSC1(eq_dt)に比して、回路抵抗Rbciをより大きくすることができる。
【0057】
《変形例2》
図9は、本発明に係る発振装置の変形例2の詳細な等価回路を示したものである。変形例2の詳細な等価回路OSC1(eq2_dt)は、図3に図示された実施例の詳細な等価回路OSC1(eq_dt)と概ね同様な構成を有し、図3との相違点は、第3のインピーダンスZ3が、キャパシタC3に代えて、並列接続されたキャパシタC3(第2のキャパシタ)及びリアクタンスL3(インダクタ)と、これらに直列接続されたキャパシタC8(第4のキャパシタ)とから構成されているところである。
【0058】
変形例2の詳細な等価回路OSC1(eq2_dt)における第3のインピーダンスZ3の等価キャパシタC3pは、(21)式により与えられる。
【0059】
【数21】

図10は、本発明に係る発振装置の変形例2の具体的回路を示したものである。この変形例2の具体的回路OSC1(emb2)は、図4に示した実施例の具体的回路OSC1(emb)と概ね同様な構成を有し、図4との相違点は、第3のインピーダンスZ3として、キャパシタC3に代えて、並列接続されたキャパシタC3及びインダクタL3と、これらに直列接続されたキャパシタC8とを有するところである。
【0060】
図11は、変形例2の詳細な等価回路のシミュレーションの結果を示す。当該シミュレーションは、(21)式に示されるC3pを(16)式に示されるC3に代入して得られた(19)式をシミュレーションしたものであり、gm=38mA/V、Cπ=1pF、Rπ=2.6kΩ、C1=43pF、C3=22pF、C8=18pF、R2=1kΩ、RB=10kΩ、L3=3.3μHを条件としている。
【0061】
図11に示されるように、回路抵抗Rbciが負である範囲は、周波数f=9MHz〜15MHzであり、また、誘導性リアクタンスが正である範囲は、実質的に、周波数f=1MHz〜15MHzであることから、変形例2の詳細な等価回路OSC1(eq2_dt)は、両範囲の重複範囲である周波数f=10MHz〜15MHzという、実施例2に比して一層狭い所望の範囲で発振することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施例の発振装置の構成を交流的に示すブロック図。
【図2】実施例の発振装置の等価回路を示す図。
【図3】実施例の発振装置の詳細な等価回路を示す図。
【図4】実施例の発振装置の具体的回路を示す図。
【図5】実施例の発振装置の詳細な等価回路のシミュレーションの結果を示す図。
【図6】変形例1の発振装置の詳細な等価回路を示す図。
【図7】変形例1の発振装置の具体的回路を示す図。
【図8】変形例1の詳細な等価回路のシミュレーションの結果を示す図。
【図9】変形例2の発振装置の詳細な等価回路を示す図。
【図10】変形例2の発振装置の具体的回路を示す図。
【図11】変形例2の詳細な等価回路のシミュレーションの結果を示す図。
【図12】従来の発振装置の構成を示す図。
【図13】従来の発振装置の等価回路を示す図。
【図14】従来の発振装置の等価回路のシミュレーションの結果を示す図。
【符号の説明】
【0063】
OSC1(emb)……発振装置の具体的回路、TR1、TR2…第1、第2のNPN型トランジスタ、C1…第1のキャパシタ、C3…第2のキャパシタ、C4…第3のキャパシタ、R2…第1の抵抗器、X…水晶振動子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2のNPN型トランジスタを有し、前記第1のNPN型トランジスタのエミッタと前記第2のNPN型トランジスタのコレクタとが接続されたカスコード接続トランジスタと、
前記第2のNPN型トランジスタのベース及びエミッタ間に接続された第1のキャパシタと、
前記第2のNPN型トランジスタのエミッタ及び接地電位間に接続された第1の抵抗器と、
前記第2のNPN型トランジスタのエミッタ及びコレクタ間に接続された第2のキャパシタと、
前記第1のNPN型トランジスタのベース及びエミッタ間に接続された第3のキャパシタと、
前記第2のNPN型トランジスタのベース及び接地電位間に接続された水晶振動子とを含むことを特徴とする発振装置。
【請求項2】
インダクタを更に含み、
前記インダクタは、前記第2のキャパシタに直列接続されていることを特徴とする請求項1記載の発振装置。
【請求項3】
インダクタと、第4のキャパシタとを更に含み、
前記インダクタは、前記第2のキャパシタに並列接続されており、
前記第4のキャパシタは、前記インダクタ及び前記第2のキャパシタに直列接続されていることを特徴とする請求項1記載の発振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−72453(P2008−72453A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249398(P2006−249398)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】