説明

発毛阻害

本発明は、発毛阻害剤の製造のための組成物の使用、さらに発毛阻害剤の製造のための系の使用に関する。本発明はまた、少なくとも1個の酵素、溶媒および水分活性低下剤を含む組成物に関する。さらに、本発明は、第一の成分および第二の成分を含む発毛阻害剤のための系に関し、ここで第一の成分の第一の組成物は、少なくとも1個の酵素、溶媒および水分活性低下剤を含み、第二の成分の第二の組成物は、酵素活性化剤および/または抗炎症剤、浸透促進剤および/または保存剤を含む。本発明はさらに、発毛を阻害するための方法、および発毛阻害剤の製造のための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、発毛阻害剤の製造のための組成物および系の使用に関する。本発明はまた、少なくとも1個の酵素を含む発毛を阻害するための組成物、少なくとも1個の酵素を含む2成分発毛阻害系に関する。さらに、前記組成物および/または2成分系を用いる発毛を阻害するための方法、ならびに組成物および系を製造するための方法を記載する。
【0002】
本願書または本出願に引用されるすべての特許および非特許文献はまた、参照により全体として本明細書中に包含される。
【0003】
発明の背景
例えば脚、腕、および顔の部位などの様々な身体の部分の無駄毛を防止するための人々の要求を満たすために、例えばシェーバーの使用、ワックスを利用した除毛など、または化学除毛剤などの多くの脱毛方法が開発されている。
【0004】
身体および顔の無駄毛の除去のためのチオールベースの脱毛剤の使用が、当技術分野で既知である(例えば、米国特許第4,941,885号;第4,631,064号;第4,618,344号参照)。これらの薬剤は、毛のタンパク質ジスルフィド結合をスルフヒドリル陰イオンに還元することにより反応し、それにより洗浄または拭き取った時に弱った毛の容易な除去を可能にする。高いpHのチオール化合物の組合せは、イオン化チオールを生じ、反応物の浸透性を増加する。同様に、尿素または他の窒素含有物質も、毛の除去におけるチオール成分の作用を促進することが発見されている。
【0005】
無駄毛を防止するためのもう1つの方法は、毛嚢に作用する発毛阻害剤の開発である。
【0006】
毛は、毛嚢から成長する。成人の毛嚢の合計数は、頭部の100万個(その内100,000個だけが頭皮を覆う)を合わせて500万個であると見積もられている。ヒトにおいて、毛嚢がない外側の皮膚は、手のひらと足の裏のみである。基本的な毛嚢構造は、特殊化した機能のための修飾を伴い、哺乳動物種の全体にわたって本質的に同じままである。
【0007】
毛嚢は、真皮と表皮成分の間の相互作用に基づき形成および維持される皮膚内にて別個の存在として認められ得る。毛嚢は、成人期を通して成長周期を経る上皮構造である。色素軸を有する層構造を形成しながらの毛嚢の真皮内への成長は、発育期として知られ、一方、退行期は、毛嚢が短くなり、かつ毛嚢の一部がアポトーシスとして知られるプログラムされた細胞死を経験する中間期として知られる。また、毛嚢のその他の期間は、休止期として特徴付けられ、そのように称される(Seiberg et al. 1997. Dev. Dynamics 208, 553-564. Trypsin-induced follicular papilla apoptosis in delayed hair growth and pigmentation)。
【0008】
タンパク質分解酵素は、タンパク質を加水分解するかまたは分解する。タンパク質分解酵素は、幹細胞および毛嚢を退化させる能力のために毛の脱毛に用いられる。タンパク質分解酵素の例は、パパイン、キモトリプシン、およびブロメラインである。
【0009】
脱毛後のマウスの局所的なトリプシン処理は、発毛を遅らせる結果となる濾胞性乳頭(follicular papillae)におけるアポトーシスを誘導することが示されている(Seiberg et al. 1997)。WO98/02134は、ジラウリン酸グリセロール、コレステロール様化合物および脂肪酸エーテルからなる非イオン性リポソームを薬学的ビヒクルとして用いるトリプシン含有組成物の使用を記載する。マウスをワックス脱毛後にその組成物で処理すると、発毛を効果的に遅延し、濾胞性乳頭でのアポトーシスが観察される。
【0010】
EP0622069にて、パパインおよびキモトリプシンは、永久脱毛のための組成物に使用される。前記タンパク質分解酵素は、ラクトースの存在下で粉末形態で貯蔵される。溶液にて、その酵素活性は、ジチオトレイトール、エチレングリコール、およびエチレンジアミノテトラ酢酸(EDTA)の使用により安定化される。前記溶液は、溶液中に存在するタンパク質分解酵素により好適なpHに緩衝される。使用直前に、前記酵素を液体に溶解する。脱毛活性は、酵素含有溶液を2−6℃で貯蔵するとき7日しか保持されないが、−15から−20℃で貯蔵された場合4週間保持され得る。酵素含有液体は、イオン注入により供給される。
【0011】
発毛を抑制するための他の方法が米国特許第6,375,948号に示され、そこでは、ジュニペラス族からの植物抽出物または穀類からの麦芽が主な活性化合物である。パパイン、キモトリプシン、ブロメライン、フィシン、パンクレアチン、ペプシンまたはトリプシンなどのタンパク質分解酵素は、前記組成物に付加されても付加されなくてもよい。油、エタノール、増粘剤、乳化剤、湿潤剤、着色剤、および香料などの群から選択される化粧品に通常用いられる多くの成分が、その組成物にも含まれる。前記発毛阻害剤を、マウスの選択された領域のシェービング後にマウスの皮膚に適用する。1日につき一回の適用を、4週間繰り返した。
【0012】
WO97/44005は、拡散により皮膚に適用される脱毛製剤を記載する。前記製剤には、マイクロエマルジョン中に可溶化されたキモトリプシンまたはパパインなどのタンパク質分解酵素が含まれる。マイクロエマルジョンには、不活性な有機物質、およびタンパク質分解酵素が存在する水滴が含まれる。その水滴は、界面活性剤としてレシチンの使用により有機層に分散される。
有機層は、使用まで酵素含有水から分けておく。使用直前に、酵素溶液および前記有機層をゆっくりと振りながら混合し、活性な脱毛製剤を製造する。脱毛活性は、2−6℃で貯蔵した場合、1−3日間持続する。
【0013】
発明の概要
本発明は、発毛阻害剤の製造のための組成物および系の使用に関し、ここで酵素成分の分解は、低減されているかまたはなくなりさえする。故に、第一の局面にて、本発明は、発毛阻害剤の製造のための、
溶媒中に溶解されている少なくとも1個の酵素、および
組成物の少なくとも50重量%を構成する水分活性低下物質
を含む組成物の使用に関する。
組成物への水分活性低下物質の導入により、組成物の酵素成分の何らかの実質的な分解なしに長期貯蔵が可能な組成物の製造が可能である。
【0014】
他の局面にて、本発明は、発毛阻害剤の製造のための、
溶媒中に溶解されている少なくとも1個の酵素、および
水分活性低下物質
を含む第一の組成物を含む第一の成分、
少なくとも1個の酵素活性化剤、および/または
少なくとも1個の抗炎症剤、浸透促進剤および/または
保存剤
を含む第二の組成物を含む第二の成分
を含む系の使用に関する。
【0015】
さらに他の局面にて、本発明は、
接近可能な毛嚢を有する身体部分に対して本明細書中に記載の組成物または本明細書中に記載の系の第一の組成物を適用する工程、
該組成物を前記接近可能な毛嚢の少なくとも一部に接近させ、それにより発毛を阻害する工程
を包含する発毛を阻害するための方法に関する。
【0016】
さらなる局面にて、本発明は、
少なくとも1個の酵素、少なくとも1個の溶媒、および少なくとも1個の水分活性低下物質を供すること、そして
水分活性低下物質が、発毛阻害剤の少なくとも50重量%を構成するような方法で、前記少なくとも1個の酵素、少なくとも1個の溶媒、および少なくとも1個の水分活性低下物質を混合すること
を含む、発毛阻害剤を製造するための方法に関する。
【0017】
またさらなる局面にて、本発明は、
溶媒中に溶解されている少なくとも1個の酵素、および
組成物の少なくとも70重量%を構成する水分活性低下物質
を含む発毛を阻害するための組成物に関する。
【0018】
さらなる局面にて、本発明は、
溶媒中に溶解されている少なくとも1個の酵素、および
水分活性低下物質
を含む第一の組成物を含む第一の成分、
少なくとも1個の酵素活性化剤、および/または
少なくとも1個の抗炎症剤、浸透促進剤および/または
保存剤
を含む第二の組成物を含む第二の成分
を含む発毛を阻害するための系に関する。
【0019】
図面の説明
図1は、成熟した発育期の毛嚢に見られる主に分化した層の毛嚢を示す概略図を示す。
毛嚢は、血管、汗腺および感覚神経に点在する繊維芽細胞およびコラーゲン結合組織を含む皮膚の真皮層に入り込んでいる。球状の部分は、皮下(脂肪)組織層のすぐ上に位置する(www.keratin.comからの図)。
【0020】
図2は、タンパク質分解活性についての分析を示す。
発毛阻害製品を、カゼインを含むペトリ皿に塗布する。
適用1:パパインを含む市販の発毛阻害製品(Surgi-Hair Stop, Ardell International)。製品を室温で貯蔵した。
適用2:パパインを含む市販の発毛阻害製品。製品を室温で貯蔵した(GiGi No More Hair (American International Industries))。
適用3:トリプシンを含む本発明の組成物。適用前に、室温で5ヶ月と24日間貯蔵した。
【0021】
図3.下肢の写真。
上:最初の処理前の写真。
下:処理3回目の6週間後に相当する、処理4回目の前の写真。
処理1回目:2003年5月14日
処理2回目:2003年6月24日
処理3回目:2003年8月5日
処理4回目:2003年9月16日。
【0022】
図4.背中の写真。
上:最初の処理前の写真。
下:処理2回目の6週間後に相当する、処理3回目の前の写真。
処理1回目:2003年7月2日
処理2回目:2003年8月20日
処理3回目:2003年10月1日。
【0023】
図5.脇の下(腋窩)の写真。
上:最初の処理前の写真。
下:処理3回目の9週間後に相当する、処理4回目の前の写真。
処理1回目:2003年3月12日
処理2回目:2003年5月7日
処理3回目:2003年7月3日
処理4回目:2003年9月11日。
【0024】
図6.唇の上の写真。
上:最初の処理前の写真。
下:処理5回目の4週間後に相当する、処理6回目の前の写真。
処理1回目:2003年4月1日
処理2回目:2003年4月29日
処理3回目:2003年5月27日
処理4回目:2003年6月16日
処理5回目:2003年7月14日
処理6回目:2003年8月12日。
【0025】
発明の詳しい説明
定義
酵素活性:
酵素活性は、単位時間当たりに変換される基質または形成される産物の量により決定される。測定される反応速度は、温度、pH、イオン強度、および阻害剤または活性剤の存在または不存在などの多くの実験条件に依存して変わる。それは、酵素単位が定義される所定の分析方法に明記された条件下でのみである。
【0026】
生物学的生体高分子基質(タンパク質、多糖類、細菌、油エマルジョン)は、複雑な分子であることが多く、加水分解を受けやすい可能性のある結合の数が未知であり、かつ分析の時間経過中に高頻度に変化するという事実から、適性な標準化基準(Good Standardization Practice)が必要である。国際酵素委員会(International Commission on Enzymes)F.I.P.は、“国際F.I.P.単位”で示される単位量を用いてF.I.P.標準の観点で効力を測定する。
【0027】
ある酵素の活性は、上記のような化学的および物理的条件などの多くのパラメータにこのように影響を受ける。酵素活性はまた、酵素自体の作用、自己分解、自己破壊または自己消化などとして知られる過程に影響を受ける。故に、酵素活性の喪失は、列挙した何らかの理由に起因し得る。
【0028】
水分活性:
水分活性は、ある系における水のエネルギー状態の定性的測定として定義される。熱力学的および物理化学的特性の原則が、この定義の基礎を形成する。ある物質の水分活性は、物質が組成物中の他の成分と共に形成する相互作用のタイプ、例えばイオン結合、双極子力、ファンデルワールス力、糖のヒドロキシル基、タンパク質のカルボニル基およびアミノ基などに依存して変化する。対照的に、水分は、物質の存在量に依存して乾燥状態または湿潤状態で測定された試料中の水の量である。結果として、水分活性は、水分の測定によってもたらされない、例えば水分移動、化学的および生化学的安定性、物理的特性、および貯蔵寿命などの情報を提供する。
【0029】
水分活性低下物質:
水分活性低下物質は、既知の組成物中の水分活性を低下させる。減水剤は通常、食品に用いられ、ここでその薬剤は、食品の貯蔵寿命を改善し、食品中のボツリヌス菌などの病原菌の増殖を低下させるように働く。プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)、ソルビトール、マンニトールなどのポリオールは、糖結晶化修飾、水結合、または凍結保護を供するために食品に添加される。プロピレングリコールは、主として着色剤、抗酸化剤および風味剤のための溶媒として用いられるが、水分活性を減ずるようにも働く。食品中のグリセロールは、主に可塑剤または水分活性低下化合物として用いられる。
【0030】
使用
本発明は、発毛阻害剤の製造のための組成物または系の使用に関する。発毛阻害剤は、本明細書中に記載の少なくとも1個の酵素、少なくとも1個の溶媒、および少なくとも1個の水分活性低下物質を含む。本発明の好ましい態様にて、酵素、溶媒および水分活性低下物質を混合する。
【0031】
さらに好ましい態様にて、前記水分活性低下物質は、組成物の少なくとも50重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも75重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも98重量%、例えばその組成物の少なくとも99重量%を構成する。
【0032】
組成物
従来の組成物の問題は、とりわけ、溶媒中で貯蔵したとき、タンパク質分解酵素が冷凍庫での貯蔵でなければ分解されることである。従って、タンパク質分解酵素はしばしば、2−6℃以下の温度で、または冷凍庫内で粉末形状で貯蔵される。さらに、いくつかの従来の組成物は、有効にするために使用直前に混合する必要がある。故に、従来の組成物は使用に実用的ではなく、特に消費者の自宅での使用には実用的でない。
【0033】
本発明は、酵素が分解されることなく長期間、室温で貯蔵することができ、それ故に組成物の使用を容易にする組成物を提供する。従って、本発明の組成物は、利用が容易で特別な貯蔵条件も必要ないことから、専門家および通常の消費者の両方に使用され得る。
【0034】
本発明による利点は、前記組成物に組成物の水分活性を低下することができる物質を組み込むことにより得られ、それ故に酵素の自己分解が低減されるか、またはなくなりさえする。グリセロールが本発明の組成物の約67%を構成するとき、前記水分活性は、本明細書に記載の通り測定して約0.7に低下することが示される。さらに、好ましい態様において水分活性は、グリセロールが組成物の約83重量%を構成するとき、約0.4に低下する。さらに、好ましい態様において水分活性は、グリセロールが組成物の約92重量%を構成するとき、約0.27に低下する。さらにより好ましい態様にて水分活性は、グリセロールが組成物の約96重量%を構成するとき、約0.25である。さらにより好ましい態様にて水分活性は、グリセロールが組成物の96.5%を構成するとき、0.07以下である。
【0035】
水分活性低下物質により低下された分解は、主として溶媒中に溶解された酵素により起こることが知られる自己分解である。
【0036】
本発明の水分活性低下物質は、水分活性を低下することができる何らかの物質、特に本明細書に記載の分析により測定したとき、0.3以下の値に水分活性を低下することができる物質であり得る。
【0037】
好ましい態様にて、前記水分活性低下物質は、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、サッカロース、および食塩水、またはそれらの組合せから選択され得る。より好ましい態様にて、前記水分活性低下物質はグリセリンである。
【0038】
前記水分活性低下物質は、水分活性低下効果を供するために十分な量で存在する。従って、水分活性低下物質が、組成物の少なくとも60重量%、例えば組成物の少なくとも70重量%、組成物の少なくとも80重量%、組成物の少なくとも85重量%、組成物の少なくとも90重量%、組成物の少なくとも92重量%、組成物の少なくとも95重量%を構成することが好ましい。
【0039】
貯蔵時間
上記の水分活性低下物質は、水分活性の低下がタンパク質分解酵素の自己分解を妨げ得るために、タンパク質分解酵素の貯蔵期間を延ばすことができる。前記酵素が長期間の貯蔵によっても活性であることは、消費者にとって望ましい。本発明の好ましい態様にて、タンパク質分解酵素含有組成物の室温での貯蔵期間は、少なくとも12ヶ月、例えば少なくとも9ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも1ヶ月、少なくとも3週間である。
【0040】
タンパク質分解酵素
本発明の組成物は、少なくとも1個の酵素を含み、ここで前記酵素は、毛嚢中、特に毛が除去された毛嚢中のタンパク質を加水分解または分解するために存在する。
【0041】
前記組成物の酵素は、何らかの好適な酵素であり得るが、前記酵素はタンパク質分解酵素であることが好ましい。
【0042】
本発明の1つの態様にて、前記酵素は、セリンプロテアーゼ、例えばトリプシン、キモトリプシン、スブチリシンまたはエラスターゼの群から選択される。他の態様にて、前記酵素は、システインプロテアーゼ、例えばブロメラインの群から選択される。
【0043】
好ましい態様にて、前記酵素は、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、ブロメラインからなる酵素の群から選択される。より好ましい態様にて、前記少なくとも1個の酵素は、トリプシンおよびキモトリプシンからなる酵素の群から選択される酵素であり、さらにより好ましくは、前記少なくとも1個の酵素はトリプシンである。
【0044】
さらなる好ましい態様にて、前記酵素は、トリプシン、ブロメラインまたはパパインからなる酵素の群から選択される。ブロメラインまたはパパインから少なくとも1個の酵素を選択することも好ましい。
【0045】
前記酵素が、組成物の少なくとも1.0重量%、例えば組成物の少なくとも1.5重量%、例えば組成物の少なくとも2.0重量%、例えば組成物の少なくとも2.5重量%、例えば組成物の少なくとも3.0重量%を構成することが好ましい。
【0046】
さらに、前記酵素が、組成物の最大で10重量%を構成することが好ましい。より好ましくは、前記酵素は、組成物の最大で7.5重量%、例えば組成物の最大で6重量%、例えば組成物の最大で5重量%、例えば組成物の最大で4重量%を構成する。
【0047】
より好ましい態様にて、前記酵素は、特に前記酵素がトリプシンであるとき、組成物の2.0から3.0重量%、例えば好ましくは組成物の約2.5重量%を構成する。
【0048】
他の好ましい態様にて、上記の酵素は、組成物1グラム当たり少なくとも100F.I.P.単位、例えば組成物1グラム当たり少なくとも150F.I.P.単位、例えば組成物1グラム当たり少なくとも175F.I.P.単位、例えば組成物1グラム当たり少なくとも200F.I.P.単位、例えば組成物1グラム当たり少なくとも225F.I.P.単位、例えば組成物1グラム当たり少なくとも250F.I.P.単位の活性を有する。
【0049】
さらに、酵素は、例えば組成物1グラム当たり最大で350F.I.P.単位の活性を有することが好ましい。より好ましくは、前記酵素は、組成物1グラム当たり最大で300F.I.P.単位、例えば組成物1グラム当たり275F.I.P.単位、例えば組成物1グラム当たり250F.I.P.単位、例えば組成物1グラム当たり225F.I.P.単位の活性を有する。
【0050】
より好ましい態様にて、前記酵素は、特に前記酵素がトリプシンであるとき、組成物1グラム当たり150から250F.I.P.単位、例えば好ましくは組成物1グラム当たり約200F.I.P.単位の活性を有する。
【0051】
溶媒
本発明の組成物の酵素は、溶媒中に溶解される。前記溶媒は、何らかの好適な溶媒であり得る。好ましい態様にて、前記溶媒は水である。
【0052】
組成物の水分活性をできるだけ低下させるためには、溶媒をできるだけ少量しか含まないことが望ましい。従って、溶媒および酵素は、組成物の最大で20重量%を構成するのが好ましい。より好ましくは、溶媒および酵素は、組成物の最大で15重量%、例えば組成物の最大で10重量%、例えば組成物の最大で5重量%、例えば組成物の最大で3重量%を構成する。特に、溶媒および酵素は、組成物の約2.9重量%を構成する。
【0053】
ポリマー
本発明の組成物の溶媒は、ポリマーにより交差結合され得る。前記ポリマーは、何らかの好適なポリマーであり得る。好ましい態様にて、前記ポリマーは、アクリル酸モノマーを含む。またさらにより好ましい態様にて、前記ポリマーはアクリル酸ポリマーである。より好ましくは、前記ポリマーは、カルボキシメチレン樹脂などのカルボマー、ポリアクリル酸、プロペン酸C10−C30アルキル、プロペン酸、ブテン酸および/またはプロペン酸アルキルを有するポリマー、プロペニルスクロースエーテルまたはプロペニル−2,2−ジヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールを有する製品から選択される。他の好ましい態様にて、前記ポリマーは、記載のポリマーの組合せである。またより好ましい態様にて、前記ポリマーは、カルボポル(Carbopol(登録商標))940NFポリマー(Noveon, Ohio)である。
【0054】
望ましい程度に効果的に組成物の溶媒を交差結合するためには、ポリマーが、組成物の少なくとも0.05重量%、例えば組成物の少なくとも0.1重量%、組成物の少なくとも0.15重量%、組成物の少なくとも0.2重量%、組成物の少なくとも0.25重量%、組成物の少なくとも0.275重量%、組成物の少なくとも0.3重量%を構成することが好ましい。
【0055】
さらに、前記ポリマーが、組成物の最大で3重量%であることが好ましい。より好ましくは、前記ポリマーは、例えば組成物の最大で2重量%、例えば組成物の最大で1重量%、例えば組成物の最大で0.5重量%、例えば組成物の最大で0.4重量%を構成する。
【0056】
より好ましい態様にて、前記ポリマーは、特に前記ポリマーがカルボポル(Carbopol(登録商標))940NFポリマー(Noveon, Ohio)であるとき、組成物の0.15から0.25重量%、例えば好ましくは組成物の約0.2重量%を構成する。
【0057】
中和
本発明のポリマーは、必要な場合、中和剤により中和され得る。前記中和剤は、当該ポリマーを中和することができる何らかの好適な中和剤であり得る。好ましい態様にて、前記中和剤は、トリエタノールアミンまたはジイソプロパノールアミンから選択される。さらに好ましい態様にて、前記中和剤は、ジイソプロパノールアミンである。
【0058】
望ましい程度に効果的に組成物のポリマーを中和するためには、前記中和剤が、組成物の少なくとも0.1重量%、例えば組成物の少なくとも0.2重量%、組成物の少なくとも0.3重量%、組成物の少なくとも0.35重量%、組成物の少なくとも0.4重量%を構成することが好ましい。
【0059】
さらに、前記中和剤が、前記組成物の最大で2重量%を構成することが好ましい。より好ましくは、前記ポリマーは、例えば組成物の最大で1重量%、組成物の最大で0.5重量%、組成物の最大で0.45重量%を構成する。
【0060】
より好ましい態様にて、前記中和剤は、特に前記中和剤がジイソプロパノールアミンであるとき、組成物の0.35から0.45重量%、例えば好ましくは組成物の約0.4重量%を構成する。
【0061】
剤形
本発明の組成物の剤形は、局所適用のためのものである。従って、その剤形は、皮膚に適用することができる形態である。好ましい態様にて、前記剤形は、クリーム、ペースト、ジェル、ローション、液体または塗布剤から選択される。さらに好ましい態様にて、前記剤形は、クリーム、ジェルまたはペースト、好ましくはジェルの形態である。
【0062】
2成分系
本発明の好ましい局面にて、本発明のすぐに使用できる2成分系は、発毛阻害剤としての組合せで作用する2つの成分からなる。前記2つの成分は、タンパク質分解酵素の自己分解を避けるために、使用前に互いに接触させないことが好ましい。好ましい態様にて、前記系の2つの成分は、2つの別個の成分で貯蔵される。本発明のさらに好ましい態様にて、前記2つの成分を、ねじ蓋を有する2つの別個のチューブ容器、ねじ蓋を有する2つの容器、2つの密閉フラスコなどに入れることができる。
【0063】
好ましい態様にて、第一成分は、少なくとも1個のタンパク質分解酵素、溶媒、水分活性低下物質、および所望によりポリマー、ならびに中和剤を含む上記の組成物からなる。好ましくは、前記系の第一の成分の組成物は、クリーム、ジェルまたはペーストなどの形態である。
【0064】
さらに好ましい態様にて、本発明の系の第二の成分の第二の組成物は、少なくとも1個の酵素活性化剤および/または少なくとも1個の抗炎症剤、浸透促進剤および/または保存剤からなる。
【0065】
前記系の第二の成分の第二の組成物の酵素活性化剤は、その系の第一の成分の第一の組成物のタンパク質分解酵素を活性化する。好ましくは、前記酵素活性化剤は溶媒である。前記溶媒は、上記の溶媒のいずれかであり得る。またさらに好ましくは、前記酵素活性化剤は水である。
【0066】
前記酵素活性化剤が、その系の第二の組成物の少なくとも15重量%、例えば少なくとも30重量%、例えば少なくとも40重量%、例えば少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%を構成することが好ましい。
【0067】
さらに、前記酵素活性化剤が、その系の第二の成分の第二の組成物の最大で98%、例えば系の第二の成分の第二の組成物の最大で97%、例えば系の第二の成分の第二の組成物の最大で96%、例えば系の第二の成分の第二の組成物の最大で95%を構成することが好ましい。
【0068】
より好ましい態様にて、前記水活性化剤は、特に前記酵素活性化剤が水であるとき、その系の第二の成分の第二の組成物の97〜90%、例えば系の第二の組成物の約97%を構成する。
【0069】
毛嚢への組成物の浸透を促進し、組成物によってもたらされる炎症の可能性を減少するために、本発明の好ましい態様は、少なくとも1個の浸透促進性、抗炎症剤を含む。さらに好ましい態様にて、前記浸透促進性、抗炎症剤は、サリチル酸塩の群から選択され、さらにより好ましくは、浸透促進性、抗炎症剤は、サリチル酸ジエチルアミンである。
【0070】
前記浸透促進性、抗炎症剤は、系の第二の組成物の少なくとも0.5重量%、例えば系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1重量%、例えば少なくとも1.5重量%、例えば少なくとも2重量%を構成することが好ましい。
【0071】
さらに、前記浸透促進性、抗炎症剤は、系の第二の成分の第二の組成物の最大で5%、例えば系の第二の成分の第二の組成物の最大で4%、例えば系の第二の成分の第二の組成物の最大で3%を構成することが好ましい。
【0072】
より好ましい態様にて、前記浸透促進性、抗炎症剤は、特に浸透促進性、抗炎症剤がサリチル酸ジエチルアミンであるとき、系の第二の成分の第二の組成物の1.5〜3%、例えば系の第二の組成物の約2%を構成する。
【0073】
系の第二の成分の第二の組成物の細菌増殖などを避けるために、好ましい態様は、少なくとも1個の保存剤を含み、さらにより好ましくは安息香酸ナトリウムを含む。
【0074】
前記保存剤は、系の第二の組成物の少なくとも0.1重量%、例えば少なくとも系の第二の成分の第二の組成物の0.3重量%、例えば少なくとも0.5重量%、例えば少なくとも0.8重量%、例えば少なくとも0.9重量%を構成することが好ましい。
【0075】
さらに、保存剤は、系の第二の成分の第二の組成物の最大で3重量%、例えば系の第二の成分の第二の組成物の最大で2重量%、例えば最大で1.5重量%、例えば最大で1.25重量%、例えば最大で1.5重量%を構成することが好ましい。
【0076】
より好ましい態様にて、前記保存剤は、特に前記保存剤が安息香酸ナトリウムであるとき、系の第二の成分の第二の組成物の0.5から1.5%、例えば系の第二の組成物の約1%を構成する。
【0077】
発毛を阻害するための方法
本発明の他の局面にて、発毛阻害の必要な個体に、発毛を阻害するための方法を提供する。好ましくは、前記個体は、接近可能な毛嚢を有する身体部分を有する。前記毛嚢は、発毛阻害剤の適用前のワックス脱毛、シェービングなどによる毛包からの毛の機械的除去により接近可能であることがさらに好ましい。
【0078】
さらに、上記の酵素含有組成物は、接近可能な毛嚢を有する身体部分に適用されることが好ましい。さらに、前記酵素含有組成物は、身体部分の少なくともいくつかの接近可能な毛嚢に到達することが好ましい。
【0079】
本発明のなおさらにより好ましい態様にて、前記酵素含有組成物は、少なくとも30秒、例えば少なくとも1分、例えば少なくとも2分、例えば少なくとも5分、例えば少なくとも10分間、接近可能な毛嚢に接近することが可能である。
【0080】
さらに、酵素含有組成物は、最大で30分、例えば最大で25分、例えば最大で20分、例えば最大で15分間、接近可能な毛嚢に接近することが可能であることが好ましい。
【0081】
さらに、前記酵素含有組成物は、前記タンパク質分解酵素がトリプシンであるとき、約30秒から25分、特に約1分から20分間、接近可能な毛嚢に接近することが可能であることが好ましい。
【0082】
本発明の好ましい態様にて、上記の酵素活性化組成物は、接近可能な毛嚢に適用される。さらに、酵素活性化組成物を酵素含有組成物の適用後に用い、それにより発毛を阻害することが好ましい。
【0083】
本発明のさらにより好ましい態様にて、前記酵素活性化組成物は、少なくとも1時間、例えば少なくとも2時間、例えば少なくとも3時間、例えば少なくとも4時間、例えば少なくとも5時間、接近可能な毛嚢に到達することができる。
【0084】
さらに、酵素活性化組成物は、最大で7時間、例えば最大で6時間、接近可能な毛嚢に到達することができることが好ましい。
【0085】
さらに、酵素活性化組成物が、約4から7時間、特に約5から6時間、接近可能な毛嚢に到達できることが好ましい。
【0086】
前記酵素含有組成物および前記酵素活性化組成物は、薄く、均質な層で皮膚に適用されることが好ましい。
【0087】
さらに、前記酵素含有組成物および前記酵素活性化組成物は、例えば皮膚20cm当たり3ml、例えば皮膚20cm当たり3ml、特に皮膚20cm当たり1mlの量で皮膚に適用することが好ましい。
【0088】
さらに、前記酵素含有組成物および前記酵素活性化組成物は、皮膚に例えば皮膚20cm当たり少なくとも0.5ml、例えば皮膚20cm当たり少なくとも0.75ml、例えば皮膚20cm当たり少なくとも0.9mlの量で適用される。
【0089】
製造方法
本発明の他の局面は、上記の少なくとも1個の酵素、少なくとも1個の溶媒、および少なくとも1個の水分活性低下物質を含む発毛阻害剤の製造のための方法に関する。好ましい態様にて、酵素、溶媒および水分活性低下物質を混合する。
【0090】
さらに好ましい態様にて、前記水分活性低下物質は、発毛阻害剤の少なくとも50重量%を構成する。
【0091】
実施例
実施例1
ポリマーなしの剤形。
【表1】

【0092】
実施例2
キモトリプシンまたはブロメラインを用いる、別の剤形の例。
【表2】

【0093】
実施例3
2成分系および剤形の例。
【表3】

【0094】
【表4】

【0095】
実施例4
2成分系の別の剤形。
【表5】

【0096】
【表6】

【0097】
実施例5
系の成分の水分活性(wa)測定。
【表7】

水分%を、SCALTEC SMO 01装置(SCALTEC INSTRUMENTS)を用いて測定した。
Wa値は、TESTO−400(TESTO AG)を用いて測定した。
水分%は、組成物の重量%中の水である。
【0098】
実施例6
様々な身体部分への組成物の使用による、インビボでの発毛阻害の効果。
発毛阻害剤を、所定の時間間隔でヒトの下肢、背中、脇の下、そして唇の上に適用した。前記発毛阻害剤を、皮膚20cm当たり1ml用いて薄く、均一に適用した。処理の開始前および反復処理の間の様々な時間点で写真を撮り、その結果を図3、4、5および6に示す。
【0099】
実施例7
インビトロでの貯蔵の活性および効果の測定:
タンパク質分解のための基質としてカゼインを用いた。
Ca−カゼイン塩/寒天溶液20mlを、ペトリ皿に入れる(Ca−カゼイン塩溶液:Ca−カゼイン塩0.5g、寒天1g、0.9%NaCl溶液98.5g)。10μlの試料(水にて1:10希釈)を、適用孔に充填する。ペトリ皿を、37℃で4時間インキュベートした。
【0100】
図2は、上記の活性測定装置を用いた、約6ヶ月間の貯蔵による組成物の活性を示す。組成物の活性を、別の市販品の活性と比較する。
別の市販品はわずかな活性しか示さないが、一方、本発明の組成物は、室温で長期に貯蔵しても高い活性を示す。
適用1:パパインを含む、市販の発毛阻害製品(Surgi-Hair Stop, Ardell International)。製品を、室温で貯蔵する。
適用2:パパインを含む、市販の発毛阻害製品。製品を、室温で貯蔵する(GiGi No More Hair (American International Industries)。
適用3:トリプシンを含む本発明の組成物。適用前、5ヶ月間と24日間室温で保存する。
【0101】
実施例8
組成物の酵素を水に溶解する。酵素および水は、組成物の2.9重量%を構成する。水は、組成物の2.4重量%を構成し、酵素は、組成物の0.5重量%を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】図1は、成熟した発育期の毛嚢に見られる主に分化した層の毛嚢を示す概略図を示す。毛嚢は、血管、汗腺および感覚神経に点在する繊維芽細胞およびコラーゲン結合組織を含む皮膚の真皮層に入り込んでいる。球状の部分は、皮下(脂肪)組織層のすぐ上に位置する(www.keratin.comからの図)。
【図2】図2は、タンパク質分解活性についての分析を示す。発毛阻害製品を、カゼインを含むペトリ皿に塗布する。適用1:パパインを含む市販の発毛阻害製品(Surgi-Hair Stop, Ardell International)。製品を室温で貯蔵した。適用2:パパインを含む市販の発毛阻害製品。製品を室温で貯蔵した(GiGi No More Hair (American International Industries))。適用3:トリプシンを含む本発明の組成物。適用前に、室温で5ヶ月と24日間貯蔵した。
【図3】図3.下肢の写真。上:最初の処理前の写真。下:処理3回目の6週間後に相当する、処理4回目の前の写真。処理1回目:2003年5月14日;処理2回目:2003年6月24日;処理3回目:2003年8月5日;処理4回目:2003年9月16日。
【図4】図4.背中の写真。上:最初の処理前の写真。下:処理2回目の6週間後に相当する、処理3回目の前の写真。処理1回目:2003年7月2日;処理2回目:2003年8月20日;処理3回目:2003年10月1日。
【図5】図5.脇の下(腋窩)の写真。上:最初の処理前の写真。下:処理3回目の9週間後に相当する、処理4回目の前の写真。処理1回目:2003年3月12日;処理2回目:2003年5月7日;処理3回目:2003年7月3日;処理4回目:2003年9月11日。
【図6】図6.唇の上の写真。上:最初の処理前の写真。下:処理5回目の4週間後に相当する、処理6回目の前の写真。処理1回目:2003年4月1日;処理2回目:2003年4月29日;処理3回目:2003年5月27日;処理4回目:2003年6月16日;処理5回目:2003年7月14日;処理6回目:2003年8月12日。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発毛阻害剤の製造のための、溶媒中に溶解されている少なくとも1個の酵素、および
組成物の少なくとも50重量%を構成する水分活性低下物質を含む組成物の使用。
【請求項2】
前記少なくとも1個の酵素がタンパク質分解酵素である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1個の酵素が、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、ブロメラインからなる酵素群から選択される酵素である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1個の酵素が、トリプシンおよびキモトリプシンからなる酵素群から選択される酵素である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1個の酵素がトリプシンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記溶媒が水である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記水分活性低下物質が、グリセリン、ソルビトール、サッカロース、食塩水から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記水分活性低下物質がグリセリンである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記水分活性低下物質が、組成物の少なくとも70重量%、組成物の少なくとも80重量%、組成物の少なくとも85重量%、組成物の少なくとも90重量%、組成物の少なくとも92重量%、組成物の少なくとも95重量%、組成物の少なくとも98重量%のような組成物の少なくとも60重量%を構成する、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
該組成物がさらにポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリマーが組成物中の溶媒を交差結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリマーがアクリル酸モノマーを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記ポリマーがアクリル酸ポリマーである、請求項11または12に記載の組成物。
【請求項14】
前記ポリマーが、カルボキシメチレン樹脂、ポリアクリル酸、C10−C30プロペン酸アルキル、プロペン酸、ブテン酸および/またはプロペン酸アルキルを有するポリマー、プロペニルスクロースエーテルまたはプロペニル−2,2−ジヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールを有する製品から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記溶媒および酵素が、組成物の最大で20重量%を構成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記溶媒および酵素が、組成物の最大で5重量%のような組成物の最大で10重量%のような組成物の最大で15重量%を構成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記ポリマーが組成物の0.2重量%を構成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記ポリマーが、組成物の最大で1重量%、組成物の最大で0.5重量%、組成物の最大で0.3重量%、組成物の最大で0.275重量%、組成物の最大で0.25重量%、組成物の最大で0.2重量%のような組成物の最大で1.5重量%を構成する、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記酵素(200F.I.P−U/g)が組成物の2.5重量%を構成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記酵素が、組成物の少なくとも6重量%、組成物の少なくとも5重量%、組成物の少なくとも4重量%、組成物の少なくとも3重量%、組成物の少なくとも2.75重量%、組成物の少なくとも2.5重量%のような組成物の少なくとも7.5重量%を構成する、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
該組成物がさらに、前記ポリマーを中和することのできる物質を含む、請求項10から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記物質がジイソプロパノールアミンである、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が、クリーム、ペースト、ジェルまたは液体の形態である、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、クリーム、ジェルまたはペーストの形態である、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
発毛阻害剤の製造のための、
溶媒中に溶解されている少なくとも1個の酵素、および
水分活性低下物質
を含む第一の組成物を含む第一の成分、
少なくとも1個の酵素活性化剤、および/または
少なくとも1個の抗炎症剤、浸透促進剤および/または
保存剤
を含む第二の組成物を含む第二の成分
を含む系の使用。
【請求項26】
前記第一の組成物が請求項1から24のいずれか一項に記載されるものである、請求項25に記載の系。
【請求項27】
前記系の2つの成分の2つの組成物が別個のコンパートメント中にある、請求項25に記載の系。
【請求項28】
前記系の第二の成分の第二の組成物が、本質的に溶媒からなる少なくとも1個の酵素活性化剤を含む、請求項25に記載の系。
【請求項29】
前記系の第二の成分の第二の組成物が、本質的に水からなる少なくとも1個の酵素活性化剤を含む、請求項25に記載の系。
【請求項30】
前記系の第二の成分の第二の組成物がさらに、少なくとも1個の浸透促進剤、抗炎症剤を含む、請求項25に記載の系。
【請求項31】
前記系の第二の成分の第二の組成物がさらに、サリチル酸塩の群から選択される少なくとも1個の浸透促進剤、抗炎症剤を含む、請求項25に記載の系。
【請求項32】
前記系の第二の成分の第二の組成物がさらに、サリチル酸ジエチルアミンを含む、請求項25に記載の系。
【請求項33】
前記系の第二の成分の第二の組成物がさらに、少なくとも1個の保存剤を含む、請求項25に記載の系。
【請求項34】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の保存剤が安息香酸ナトリウムである、請求項25に記載の系。
【請求項35】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の酵素活性化剤が、第二の成分の95重量%を構成する、請求項25から34のいずれか一項に記載の系。
【請求項36】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の酵素活性化剤が、その系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも80重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも70重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも60重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも50重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも40重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも30重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも30重量%のような第二の成分の該第二の組成物の90重量%を構成する、請求項25から34のいずれか一項に記載の系。
【請求項37】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の浸透促進剤、抗炎症剤が、その系の第二の成分の該第二の組成物の2重量%を構成する、請求項25から34のいずれか一項に記載の系。
【請求項38】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の浸透促進剤、抗炎症剤が、その系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも5重量%のようなその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも4重量%のようなその系の第二の成分の該第二の組成物の3重量%を構成する、請求項25から34のいずれか一項に記載の系。
【請求項39】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の保存剤が、その系の第二の成分の該第二の組成物の1重量%を構成する、請求項25から38のいずれか一項に記載の系。
【請求項40】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の保存剤が、その系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも0.5重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも0.3重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも0.1重量%のようなその系の第二の成分の該第二の組成物の0.8重量%を構成する、請求項25から38のいずれか一項に記載の系。
【請求項41】
a. 接近可能な毛嚢を有する身体部分に請求項2から24のいずれか一項に記載の組成物または請求項25から40のいずれか一項に記載の系の第一の組成物を適用する工程、
b. 該組成物を前記接近可能な毛嚢の少なくとも一部に接近させ、それにより発毛を阻害する工程
を含む、発毛を阻害するための方法。
【請求項42】
a. 請求項25から40のいずれか一項に記載の系の第二の成分の第二の組成物を、請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物または請求項25から40のいずれか一項に記載の系の第一の成分の第一の組成物の適用後に適用する工程
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物または請求項25から40のいずれか一項に記載の系の第一の成分の組成物を、1−20分の範囲の間、接近可能な毛嚢に接近させるようにする、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
請求項25から40のいずれか一項に記載の系の第二の成分の第二の組成物をさらに、請求項25および26に記載の系の第一の成分の第一の組成物または請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物の適用後に、5−6時間の範囲の間、接近可能な毛嚢に接近させるようにする、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
a. 少なくとも1個の酵素、少なくとも1個の溶媒、および少なくとも1個の水分活性低下物質を提供すること、そして
b. 水分活性低下物質が発毛阻害剤の少なくとも50重量%を構成するような方法で、前記少なくとも1個の酵素、少なくとも1個の溶媒、および少なくとも1個の水分活性低下物質を混合すること
を含む、発毛阻害剤を製造するための方法。
【請求項46】
前記少なくとも1個の酵素、少なくとも1個の溶媒、および少なくとも1個の水分活性低下物質が、請求項1−24のいずれか一項に記載のとおりである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
溶媒中に溶解されている少なくとも1個の酵素、および
組成物の少なくとも70重量%を構成する水分活性低下物質
を含む、発毛を阻害するための組成物。
【請求項48】
前記少なくとも1個の酵素がタンパク質分解酵素である、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記少なくとも1個の酵素が、トリプシン、パパイン、ブロメラインからなる酵素群から選択される酵素である、請求項47に記載の組成物。
【請求項50】
前記少なくとも1個の酵素が、トリプシンおよびキモトリプシンからなる酵素群から選択される酵素である、請求項47に記載の組成物。
【請求項51】
少なくとも1個の酵素がトリプシンである、請求項47に記載の組成物。
【請求項52】
前記溶媒が水である、請求項47に記載の組成物。
【請求項53】
前記水分活性低下物質が、グリセリン、ソルビトール、サッカロース、食塩水から選択される、請求項1から52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
前記水分活性低下物質がグリセリンである、請求項7に記載の組成物。
【請求項55】
前記水分活性低下物質が、組成物の少なくとも80重量%、組成物の少なくとも85重量%、組成物の少なくとも90重量%、組成物の少なくとも92重量%、組成物の少なくとも95重量%、組成物の少なくとも98重量%を構成する、請求項1から54のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項56】
該組成物がさらにポリマーを含む、請求項47に記載の組成物。
【請求項57】
前記ポリマーが、組成物の溶媒を交差結合する、請求項47に記載の組成物。
【請求項58】
前記ポリマーがアクリル酸モノマーを含む、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
前記ポリマーがアクリル酸ポリマーである、請求項57または58に記載の組成物。
【請求項60】
前記ポリマーが、カルボキシメチレン樹脂、ポリアクリル酸、C10−C30プロペン酸アルキル、プロペン酸、ブテン酸および/またはプロペン酸アルキルを有するポリマー、プロペニルスクロースエーテルまたはプロペニル2,2−ジヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールを有する製品から選択される、請求項47に記載の組成物。
【請求項61】
前記溶媒および酵素が、組成物の最大で20重量%を構成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項62】
前記溶媒および酵素が、組成物の最大で5重量%のような組成物の最大で10重量%のような組成物の最大で15重量%を構成する、請求項47に記載の組成物。
【請求項63】
前記ポリマーが組成物の0.2重量%を構成する、請求項47に記載の組成物。
【請求項64】
前記ポリマーが、組成物の最大で1重量%、組成物の最大で0.5重量%、組成物の最大で0.3重量%、組成物の最大で0.275重量%、組成物の最大で0.25重量%、組成物の最大で0.2重量%のような組成物の最大で1.5重量%を構成する、請求項1から63のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項65】
前記酵素(200F.I.P−U/g)が組成物の2.5重量%を構成する、請求項47に記載の組成物。
【請求項66】
前記酵素が、組成物の少なくとも6重量%、組成物の少なくとも5重量%、組成物の少なくとも4重量%、組成物の少なくとも3重量%、組成物の少なくとも2.75重量%、組成物の少なくとも2.5重量%のような組成物の少なくとも7.5重量%を構成する、請求項1から65のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項67】
該組成物がさらに、ポリマーを中和することのできる物質を含む、請求項47から66のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項68】
前記物質がジイソプロパノールアミンである、請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
前記組成物が、クリーム、ペースト、ジェルまたは液体の形態である、請求項1から68のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項70】
前記組成物が、クリーム、ジェルまたはペーストの形態である、請求項1から69のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項71】
溶媒中に溶解されている少なくとも1個の酵素、および
水分活性低下物質
を含む第一の組成物を含む第一の成分、
少なくとも1個の酵素活性化剤、および/または
少なくとも1個の抗炎症剤、浸透促進剤および/または
保存剤
を含む第二の組成物を含む第二の成分
を含む、発毛を阻害するための系。
【請求項72】
前記第一の組成物が請求項48から70のいずれか一項に記載のものである、請求項71に記載の系。
【請求項73】
前記系の2つの成分の2つの組成物が別個のコンパートメント中にある、請求項71に記載の系。
【請求項74】
前記系の第二の成分の第二の組成物が、本質的に溶媒からなる少なくとも1個の酵素活性化剤を含む、請求項71に記載の系。
【請求項75】
前記系の第二の成分の第二の組成物が、本質的に水からなる少なくとも1個の酵素活性化剤を含む、請求項71に記載の系。
【請求項76】
前記系の第二の成分の第二の組成物がさらに、少なくとも1個の浸透促進剤、抗炎症剤を含む、請求項71に記載の系。
【請求項77】
前記系の第二の成分の第二の組成物がさらに、サリチル酸塩の群から選択される少なくとも1個の浸透促進剤、抗炎症剤を含む、請求項71に記載の系。
【請求項78】
前記系の第二の成分の第二の組成物がさらに、サリチル酸ジエチルアミンを含む、請求項71に記載の系。
【請求項79】
前記系の第二の成分の第二の組成物がさらに、少なくとも1個の保存剤を含む、請求項71に記載の系。
【請求項80】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の保存剤が安息香酸ナトリウムである、請求項71に記載の系。
【請求項81】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の酵素活性化剤が、第二の成分の95重量%を構成する、請求項71から80のいずれか一項に記載の系。
【請求項82】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の酵素活性化剤が、第二の成分の該第二の組成物の少なくとも80重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも70重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも60重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも50重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも40重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも30重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも30重量%のようなその系の第二の成分の該第二の組成物の90重量%を構成する、請求項71から80のいずれか一項に記載の系。
【請求項83】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の浸透促進剤、抗炎症剤が、前記系の第二の成分の該第二の組成物の2重量%を構成する、請求項71から80のいずれか一項に記載の系。
【請求項84】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の浸透促進剤、抗炎症剤が、その系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも5重量%のようなその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも4重量%のようなその系の第二の成分の該第二の組成物の3重量%を構成する、請求項71から80のいずれか一項に記載の系。
【請求項85】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の保存剤が、その系の第二の成分の該第二の組成物の1重量%を構成する、請求項71から84のいずれか一項に記載の系。
【請求項86】
前記系の第二の成分の第二の組成物の少なくとも1個の保存剤が、その系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも0.5重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも0.3重量%、例えばその系の第二の成分の該第二の組成物の少なくとも0.1重量%のようなその系の第二の成分の該第二の組成物の0.8重量%を構成する、請求項71から84のいずれか一項に記載の系。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−508251(P2007−508251A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529657(P2006−529657)
【出願日】平成16年10月11日(2004.10.11)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000695
【国際公開番号】WO2005/034892
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(506121755)コスメディカル・アンパルトセルスカブ (1)
【氏名又は名称原語表記】Cosmedical ApS
【Fターム(参考)】