説明

発泡樹脂成形品の部品取付構造及び部品取付方法

【課題】取付状態における取付部品のがたつき、及び見栄えの悪化を防止するとともに、発泡樹脂成形品への取付部品の効率の良い取付けを可能にする。
【解決手段】非充填部21に対応する基材9に、反表皮13側に凹み内部に凹部17を有する取付部20を反表皮13側に突設する。非充填部21に対応し、押し込み動作により破断されるか又は予めカットされた表皮13を加飾パネル7の凸部29により取付部20の凹部17内に押し込み、凹部17の底面に凸部29を当接させた状態で、凸部29の爪部39を取付部20の係合孔18に係合させることにより加飾パネル7を取付部20に固定してインストルメントパネル本体3に取り付ける。非充填部21に対応する表皮13の押し込み寸法を凹部17の深さよりも小さく設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材、表皮、及び該基材と表皮との間に発泡樹脂が充填されてなる発泡樹脂層で構成された発泡樹脂成形品に表皮側から取付部品を取り付ける発泡樹脂成形品の部品取付構造及び部品取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基材、表皮、及び該基材と表皮との間に発泡樹脂が充填されてなる発泡樹脂層で構成された発泡樹脂成形品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−211625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1のような発泡樹脂成形品に表皮側から取付部品を取り付ける部品取付構造として、発泡樹脂成形品の部品取付箇所に発泡樹脂が充填されていない非充填部を設け、取付部品に設けた凸部を押し付けることにより上記非充填部に対応する表皮を破断して非充填部内に押し込んで基材に上記凸部を当接させて発泡樹脂成形品に取付部品を取り付けたものが考えられる。
【0005】
しかし、この部品取付構造では、非充填部に対応する基材と表皮との間隔が、非充填部内に押し込まれる表皮の長さ、すなわち非充填部に対応する表皮の押し込み寸法に対して小さい場合、非充填部内に押し込まれた表皮が取付部品の凸部と基材との間に挟まり、取付部品の取付位置が表皮の厚み分ずれ、見栄えの悪化及び取付部品のがたつきを招くおそれがある。
【0006】
このような問題を解消する部品取付構造として、例えば図8に示すようなものが考えられる。
【0007】
図8は、後述する実施形態の図4に相当し、図中、aは発泡樹脂成形品、bは基材、cは表皮、dは挿入孔、eは発泡樹脂層、fは取付部品、gは凸部、hは非充填部、iは係合孔、jは爪部である。図8では、あらかじめ非充填部hに対応する表皮c部分を切り取って表皮cに挿入孔dを形成しておき、取付部品fの凸部gを上記発泡樹脂成形品aの非充填部hに上記表皮cの挿入孔dから挿入し、取付部品fの爪部jを発泡樹脂成形品aの係合孔iに係合させて取付部品fを発泡樹脂成形品aに固定して取り付けている。このように図8では、非充填部hに対応する表皮cが切り取られて非充填部h内に押し込まれないので、取付部品fの凸部gと基材bとの間に表皮cが挟まることによって生じる見栄えの悪化及び取付部品fのがたつきが防止される。
【0008】
しかし、図8のようにすると、発泡樹脂成形品aの成形後に、上記挿入孔dを形成するために表皮cの挿入孔d対応箇所を切り取る必要があり、作業効率が悪い。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、取付状態における取付部品のがたつき、及び見栄えの悪化を防止するとともに、発泡樹脂成形品への取付部品の効率の良い取付けを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明は、取付部品により非充填部内に押し込まれた表皮が基材に届かないように基材を反表皮側に凹ませたことを特徴とする。
【0011】
具体的には、請求項1及び請求項2に記載の発明は、基材、表皮、及び該基材と表皮との間に発泡樹脂が充填されてなる発泡樹脂層で構成された発泡樹脂成形品に表皮側から取付部品を取り付ける発泡樹脂成形品の部品取付構造を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0012】
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記発泡樹脂成形品の部品取付箇所には、上記発泡樹脂が充填されていない非充填部が形成され、かつ該非充填部に対応する基材には、反表皮側に凹み内部に凹部を有する取付部が反表皮側に突設され、一方、上記取付部品には、凸部が上記取付部に対応して突設され、上記取付部品は、上記非充填部に対応し、押し込み動作により破断されるか又は予めカットされた表皮を上記凸部により上記取付部の凹部内に押し込み、該凹部の底面に上記凸部を当接させた状態で、固定手段により上記取付部に固定されて上記発泡樹脂成形品に取り付けられ、上記非充填部に対応する表皮の押し込み寸法が上記凹部の深さよりも小さく設定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発泡樹脂成形品の部品取付構造において、上記取付部の凹部底面には、係合孔が形成され、上記取付部品の凸部には、上記取付部の係合孔に係合する係合部が形成され、上記固定手段は、上記取付部の係合孔と、上記取付部品の係合部とで構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、基材、表皮、及び該基材と表皮との間に発泡樹脂が充填されてなる発泡樹脂層で構成された発泡樹脂成形品に表皮側から取付部品を取り付ける発泡樹脂成形品の部品取付方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0015】
すなわち、請求項3に記載の発明は、上記発泡樹脂成形品の部品取付箇所には、上記発泡樹脂が充填されていない非充填部が形成され、かつ該非充填部に対応する基材には、反表皮側に凹み内部に凹部を有する取付部が反表皮側に突設され、上記非充填部に対応する表皮には、線状の脆弱部が貫通しないように成形され、一方、上記取付部品には、凸部が上記取付部に対応して突設され、上記取付部品を、上記凸部を押し付けて上記非充填部に対応する表皮を破断して上記取付部の凹部内に押し込み、該凹部の底面に上記凸部を当接させた状態で、固定手段により上記取付部に固定して上記発泡樹脂成形品に取り付けるものであり、上記非充填部に対応する表皮の押し込み寸法が上記凹部の深さよりも小さく設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、表皮の押し込み寸法が凹部の深さよりも小さく設定されているので、表皮が凹部の底面に到達せず、取付部品の凸部と基材の凹部の底面との当接が表皮によって妨げられない。したがって、取付部品の凸部と基材との間に表皮が挟まることによって生じる見栄えの悪化及び取付部品のがたつきが防止される。
【0017】
また、非充填部に対応する表皮を凹部内に押し込むので、凸部を非充填部及び基材の取付部の凹部内に挿入するための挿入孔を表皮に形成する必要がない。したがって、発泡樹脂成形品の成形後に表皮の挿入孔対応箇所を切り取る必要がないので、作業効率を改善できる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、基材の係合孔に取付部品の係合部を係合させるだけで取付部品を発泡樹脂成形品の取付部に固定できるので、取付け作業が容易である。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、請求項1と同様に、取付部品の凸部と基材との間に表皮が挟まることによって生じる見栄えの悪化及び取付部品のがたつきが防止される。
【0020】
また、非充填部に対応する表皮を凹部内に押し込むので、請求項1と同様に、発泡樹脂成形品の成形後に表皮の挿入孔対応箇所を切り取る必要がない。また、凸部を押し付けることにより表皮を破断するので、予め表皮をカットする必要がない。したがって、作業効率を改善できる。
【0021】
また、脆弱部が貫通していないので、基材と表皮との間に発泡樹脂を充填する際、発泡樹脂が非充填部に侵入しても、侵入した発泡樹脂が脆弱部から外側に流れ出ず、表皮の外面が汚れない。
【0022】
また、脆弱部を表皮の成形によって形成できるので、成形後に熱刃を用いて脆弱部を形成する工程が必要なく、作業効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る発泡樹脂成形品の部品取付構造が適用されたインストルメントパネルの左側半分を示す斜視図である。
【図2】図1のA部を拡大して示す正面図である。
【図3】図2のB−B線における断面図である。
【図4】インストルメントパネル本体に加飾パネルを取り付けた状態の図3対応拡大図である。
【図5】加飾パネルの凸部の斜視図である。
【図6】加飾パネルの凸部の正面図である。
【図7】発泡樹脂充填時における図3対応図である。
【図8】従来例の図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、右ハンドルの自動車の本発明に係る発泡樹脂成形品の部品取付構造を適用したインストルメントパネル1の左側半分を示す。
【0026】
上記インストルメントパネル1は、発泡樹脂成形品としてのインストルメントパネル本体3を備え、このインストルメントパネル本体3の車室内側の面には、車幅方向に延びる矩形状のパネル挿着領域5が車体前方に凹むように形成され、当該パネル挿着領域5は、取付部品としての加飾パネル7によって車室内側から覆われている。このインストルメントパネル本体3のパネル挿着領域5には、加飾パネル7を取り付ける部品取付箇所としての取付箇所が車幅方向に間隔をあけて3箇所に設けられている。
【0027】
上記インストルメントパネル本体3は、図3及び図4に示すように、基材9、表皮13、及び該基材9と表皮13との間に発泡樹脂R(後述する)が充填されてなる発泡樹脂層11で構成され、上記パネル挿着領域5を除く領域では、上記基材9と表皮13とが断面略平行に配置されている。上記基材9は、例えば繊維入りポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ノリル(登録商標)等の樹脂材で射出成形されたものである。上記発泡樹脂層11はウレタン発泡体等であり、例えば独立発泡と連通発泡とが約半分ずつ分布する半硬質構造である。上記表皮13は、サーモプラスチックウレタン(TPU)等のエラストマー樹脂材やポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂材でスラッシュ成形や真空成形により成形されたものである。
【0028】
上記基材9には、図2にも示すように、上記各取付箇所に対応して、断面三角形状で楕円状に延びる突条部19が上記表皮13側に向かって突設されている。各突条部19の先端は上記表皮13に圧接している。上記突条部19に囲まれた上記基材9と表皮13の間には、発泡樹脂Rが充填されていない非充填部21が形成されている。また、各非充填部21に対応する基材9には、反表皮13側に凹み内部に凹部17を有する取付部20が、平面視で上記突条部19に囲まれる矩形状に反表皮側13に突設されている。各取付部20の凹部17の底面には、係合孔18が形成されている。
【0029】
上記表皮13には、上記パネル挿着領域5に対応する凹部15が形成されている。また、上記非充填部21に対応する表皮13には、断面三角形状で裏面側(基材9側)に凹む溝部23(図1には図示せず)が平面視で上記取付部20の対角線に沿うX字状に形成され、この溝部23に対応する表皮13の薄肉部分が、貫通しないように成形された線状の脆弱部25となっている。
【0030】
ここで、上記インストルメントパネル本体3の製造方法について説明する。まず、図7に示すように、第1型101の成形面に表皮13をセットするとともに第2型103の成形面に基材9をセットして型閉めし、上記基材9の突条部19を上記表皮13の裏面にくい込ませて、上記基材9の突条部19の外側で基材9と表皮13の間にキャビティCを形成する。そして、溶融状態の発泡樹脂RをキャビティC内に射出機から射出充填して発泡させる。これにより、基材9と表皮13との間に発泡樹脂層11を有し、かつ取付部20対応箇所に非充填部21を有するインストルメントパネル本体3が成形される。このとき、基材9の突条部19が上記表皮13の裏面にくい込んでいるので、基材9と表皮13とが確実にシールされ、発泡樹脂Rの漏出が防止される。また、仮に、基材9の突条部19と表皮13との間から発泡樹脂Rが漏出して非充填部21に侵入しても、脆弱部25に貫通孔が形成されていないので、侵入した発泡樹脂Rが脆弱部25から外側に流れ出ず、表皮13の外面が汚れない。なお、上記発泡樹脂Rは、例えば、化学反応によりガスを発生させる化学的発泡材や二酸化炭素ガス及び窒素ガス等の不活性ガス(物理的発泡材)等の発泡促進物質が混入されたものである。
【0031】
一方、上記加飾パネル7は、車幅方向に延びる矩形板状のパネル本体27を備え、当該パネル本体27の裏面には、3つの凸部29がそれぞれ上記インストルメントパネル本体3の各取付部20に対応して突設されている。各凸部29は、図5及び図6にも示すように、上記パネル本体27に一体に突設された横断面略コ字状の側壁部31、及び当該側壁部31の突出端から上記パネル本体27と略平行に一体に形成された座面部33からなる取付座32と、当該取付座32の座面部33の反パネル本体27側に一体に突設された係合片部34とから構成されている。上記係合片部34は、板面を上記側壁部31の開放側に向けて上記座面部33に突設された突出板部35と、当該突出板部35と垂直に交差して当該突出板部35の両側近傍を補強するように上記座面部33に突設された2枚の補強板部41とを有している。上記突出板部35の基端側両側には、座面部33と連続する板状第1リブ36が張り出し形成され、上記両補強板部41の基端側両側には、座面部33と連続する板状第2リブ42が張り出し形成されている。上記第1リブ36と第2リブ42の突出高さは、互いに等しくなっている。上記突出板部35の補強板部41に挟まれた領域には、当該突出板部35の突出方向に開放する略コ字状のスリット37が形成され、当該スリット37により囲まれる領域で係合部としての可撓性爪部39が上記突出板部35の板面に対して垂直な方向に出退可能に形成されている。当該爪部39と上記インストルメントパネル本体3の取付部20の係合孔18とで固定手段が構成されている。
【0032】
上記のように構成された加飾パネル7をインストルメントパネル本体3に取り付ける手順は以下のとおりである。
【0033】
まず、加飾パネル7をインストルメントパネル本体3のパネル挿着領域5に対応させて、加飾パネル7の凸部29(突出板部35)の先端を上記非充填部21に対応する表皮13に押し付けることにより上記脆弱部25を破断する。そして、当該表皮13の破断箇所から凸部29を基材9の凹部17内に挿入し、上記非充填部21に対応し、上記押し込み動作により破断された表皮13を凸部29により上記基材9の取付部20の凹部17内に押し込む。次いで、突出板部35を上記基材9の係合孔18に押し込むと、上記突出板部35の爪部39が上記係合孔18の周縁に当接して弾性変形し、爪部39が元に復帰することにより上記基材9の係合孔18の周縁に係合し、突出板部35全体が係合孔18から抜けなくなる。つまり、加飾パネル7が、爪部39の係合孔18への係合により取付部20に固定されてインストルメントパネル本体3に取り付けられた状態となる。この取付け状態では、上記凸部29の第1リブ36と第2リブ42とが上記凹部17の係合孔18周りの底面に当接し、加飾パネル7の表面とインストルメントパネル本体3の表面とが面一になっている。また、上記非充填部21に対応する表皮13が凹部17に押し込まれて、表皮13の先端(脆弱部25)が基材9の凹部17の深さ方向中程に位置し、凹部17の底面に到達していない。つまり、上記非充填部21に対応する表皮13の押し込み寸法d1が、上記凹部17の深さd2よりも小さく設定されている。したがって、加飾パネル7の凸部29の第1リブ36及び第2リブ42と基材9の凹部17の底面との当接が表皮13によって妨げられず、加飾パネル7の凸部29と基材9との間に表皮13が挟まることによって生じる見栄えの悪化及び加飾パネル7のがたつきが防止される。
【0034】
したがって、本実施形態によると、非充填部21に対応する表皮13を凹部17内に押し込むので、凸部29を非充填部21及び基材9の凹部17内に挿入するための挿入孔を表皮に形成する必要がなく、インストルメントパネル本体3の成形後に表皮13の挿入孔対応箇所を切り取る必要がない。また、凸部29を押し付けることにより表皮13を破断するので、予め表皮13をカットする必要がない。したがって、作業効率を改善できる。
【0035】
また、基材9の係合孔18に加飾パネル7の爪部39を係合させるだけで加飾パネル7をインストルメントパネル本体3の取付部20に固定できるので、取付け作業が容易である。
【0036】
また、表皮13の脆弱部25は表皮13の成形によって形成されるので、成形後に熱刃を用いて脆弱部25を形成する工程が必要がなく、作業効率が良い。
【0037】
なお、本実施形態では表皮13に凹部15を設けたが、表皮13に凹部15を設けず、表皮13を平坦にしてもよい。
【0038】
また、本実施形態では脆弱部25をX字状に形成したが、コ字状、十字状、日の字状等、他の形状にしてもよい。また、表皮13に溝部23を形成して溝部23に対応する表皮13を脆弱部25としたが、表皮13に細かい複数の貫通孔を線状に形成し、貫通孔周辺の表皮13を脆弱部25としてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、凸部29を表皮13に押し付けることにより表皮13の脆弱部25を破断し、この破断箇所から凸部29を挿入したが、予め表皮13をカット(切断)しておき、この切断箇所から凸部29を挿入し、カットされた表皮13を凸部29により凹部17内に押し込むようにしてもよい。
【0040】
また、本実施形態ではインストルメントパネル1に本発明の部品取付構造及び部品取付方法を適用したが、本発明は、ドアトリム等の他の自動車用樹脂成形品、さらには自動車用以外の樹脂成形品にも適用できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、基材、表皮、及び該基材と表皮との間に発泡樹脂が充填されてなる発泡樹脂層で構成された発泡樹脂成形品に表皮側から取付部品を取り付ける発泡樹脂成形品の部品取付構造及び部品取付方法として有用である。
【符号の説明】
【0042】
3 インストルメントパネル本体(発泡樹脂成形品)
7 加飾パネル(取付部品)
9 基材
11 発泡樹脂層
13 表皮
17 凹部
18 係合孔
20 取付部
21 非充填部
25 脆弱部
29 凸部
39 爪部(係合部)
R 発泡樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(9)、表皮(13)、及び該基材(9)と表皮(13)との間に発泡樹脂(R)が充填されてなる発泡樹脂層(11)で構成された発泡樹脂成形品(3)に表皮(13)側から取付部品(7)を取り付ける発泡樹脂成形品の部品取付構造であって、
上記発泡樹脂成形品(3)の部品取付箇所には、上記発泡樹脂(R)が充填されていない非充填部(21)が形成され、かつ該非充填部(21)に対応する基材(9)には、反表皮(13)側に凹み内部に凹部(17)を有する取付部(20)が反表皮(13)側に突設され、
一方、上記取付部品(7)には、凸部(29)が上記取付部(20)に対応して突設され、
上記取付部品(7)は、上記非充填部(21)に対応し、押し込み動作により破断されるか又は予めカットされた表皮(13)を上記凸部(29)により上記取付部(20)の凹部(17)内に押し込み、該凹部(17)の底面に上記凸部(29)を当接させた状態で、固定手段(18,39)により上記取付部(20)に固定されて上記発泡樹脂成形品(3)に取り付けられ、上記非充填部(21)に対応する表皮(13)の押し込み寸法が上記凹部(17)の深さよりも小さく設定されていることを特徴とする発泡樹脂成形品の部品取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の発泡樹脂成形品の部品取付構造において、
上記取付部(20)の凹部(17)底面には、係合孔(18)が形成され、
上記取付部品(7)の凸部(29)には、上記取付部(20)の係合孔(18)に係合する係合部(39)が形成され、
上記固定手段(18,39)は、上記取付部(20)の係合孔(18)と、上記取付部品(7)の係合部(39)とで構成されていることを特徴とする発泡樹脂成形品の部品取付構造。
【請求項3】
基材(9)、表皮(13)、及び該基材(9)と表皮(13)との間に発泡樹脂(R)が充填されてなる発泡樹脂層(11)で構成された発泡樹脂成形品(3)に表皮(13)側から取付部品(7)を取り付ける発泡樹脂成形品の部品取付方法において、
上記発泡樹脂成形品(3)の部品取付箇所には、上記発泡樹脂(R)が充填されていない非充填部(21)が形成され、かつ該非充填部(21)に対応する基材(9)には、反表皮(13)側に凹み内部に凹部(17)を有する取付部(20)が反表皮(13)側に突設され、上記非充填部(21)に対応する表皮(13)には、線状の脆弱部(25)が貫通しないように成形され、
一方、上記取付部品(7)には、凸部(29)が上記取付部(20)に対応して突設され、
上記取付部品(7)を、上記凸部(29)を押し付けて上記非充填部(21)に対応する表皮(13)を破断して上記取付部(20)の凹部(17)内に押し込み、該凹部(17)の底面に上記凸部(29)を当接させた状態で、固定手段(18,39)により上記取付部(20)に固定して上記発泡樹脂成形品(3)に取り付けるものであり、上記非充填部(21)に対応する表皮(13)の押し込み寸法が上記凹部(17)の深さよりも小さく設定されることを特徴とする発泡樹脂成形品の部品取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−154467(P2012−154467A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16544(P2011−16544)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(390026538)ダイキョーニシカワ株式会社 (492)
【Fターム(参考)】