説明

発電システム、コージェネシステム及び発電方法

【課題】 小型貫流ボイラで生成される蒸気の利用効率を向上する。
【解決手段】 2つの小型貫流ボイラ12a,12bによって構成されたボイラ手段12で生成された蒸気を過熱する蒸気過熱器22と、蒸気過熱器22で過熱された過熱蒸気によって駆動される蒸気タービン24と、蒸気タービン24の駆動に伴って発電を行う発電機26とを備えている。発電に利用された蒸気タービン24の低圧の排出蒸気を蒸気利用設備14で利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型貫流ボイラで生成された蒸気を利用する発電システム、コージェネシステム及び発電方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小型貫流ボイラで蒸気を生成し、その蒸気を蒸気利用設備で利用することが知られている。例えば、食品工場等では小型貫流ボイラで生成された0.3MPa程度の低圧の蒸気を蒸気釜等で利用している。また、特許文献1及び2には、マイクロガスタービンと小型貫流ボイラとを備えた熱電併給システムが開示されている。この特許文献の小型貫流ボイラは、発電を行うマイクロガスタービンからの排ガスで燃料を燃焼するものであり、この小型貫流ボイラで生成された蒸気を蒸気供給路を通して蒸気利用設備へ供給するようにしている。
【特許文献1】特開2004−108150号公報
【特許文献2】特開2004−108274号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1及び2には、マイクロガスタービンの排ガスを利用して小型貫流ボイラで蒸気を生成し、その蒸気を蒸気利用設備で利用することが開示されている。しかしながら、従来の技術においては、小型貫流ボイラで生成された蒸気の利用効率をさらに向上できる余地が残されている。また、小型貫流ボイラでは、ゲージ圧で1.0MPa以下で使用可能なので、0.3MPa程度の低圧の蒸気を利用する場合において、蒸気の利用効率を向上できる余地が残されている。
【0004】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型貫流ボイラで生成される蒸気の利用効率を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するため、本発明は、蒸気利用設備で利用される蒸気を利用して発電する発電システムを前提として、前記蒸気は、小型貫流ボイラで生成されたものであり、前記小型貫流ボイラで生成された蒸気を過熱する蒸気過熱器と、前記蒸気過熱器で過熱された過熱蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンの駆動に伴って発電を行う発電機とを備えている。
【0006】
この構成では、小型貫流ボイラで生成された蒸気を蒸気利用設備で利用される前に利用して発電を行うようにしているので、小型貫流ボイラから供給される蒸気の利用効率を向上することができる。しかも、蒸気を過熱した上で、蒸気タービンを駆動するので、蒸気タービンを傷めることなく発電を行うことができる。なお、「発電用蒸気タービンに蒸気を供給するボイラの取扱い」についての平成15年の法改正により、小型貫流ボイラ及び蒸気過熱器に労働安全衛生法を適用できるようになったので、本発電システムのように小型貫流ボイラで生成された蒸気を利用した発電システムを構成することは可能である。
【0007】
ここで、前記蒸気タービンは、ラジアルタービンによって構成されているのが好ましい。この構成では、蒸気タービンの入口側と出口側の圧力差(圧力比)をあまり大きくとれない場合でも、蒸気タービンの効率が大きく低下しないように維持することができ、所望の発電量を確保することが可能となる。
【0008】
また、本発明は、小型貫流ボイラによって構成されるボイラ手段と、前記発電システムと、蒸気利用設備とを備え、前記蒸気過熱器は、前記ボイラ手段で生成された蒸気が導入され、前記蒸気利用設備は、前記蒸気タービンからの排出蒸気が導入されるように構成されていることを特徴とするコージェネシステムとすることができる。
【0009】
この構成では、ボイラ手段で生成された蒸気のエネルギーによって電力を得ることができるだけでなく、蒸気タービンからの排出蒸気を蒸気利用設備で利用することができる。この結果、蒸気の利用効率を向上することができる。特に、この構成では、蒸気利用設備で排出蒸気を利用するので、低圧の蒸気が使用される蒸気利用設備において有効となる。
【0010】
前記コージェネシステムにおいて、前記ボイラ手段の小型貫流ボイラが、1MPa以下のゲージ圧で、かつ10トン/時間以下の蒸発量の条件下で使用されるのが好ましい。こうすれば、労働安全衛生法に対応可能となる。
【0011】
前記ボイラ手段と前記蒸気利用設備とを連通する経路には、前記蒸気タービンを迂回するバイパス通路が設けられているのが好ましい。
【0012】
この構成では、ボイラ手段で生成された蒸気をバイパス通路を通して蒸気利用設備へ直接導入できるので、発電を行わないときや蒸気タービンが利用できないとき等に蒸気利用設備において高エネルギーを有する蒸気を利用することができる。また、労働安全衛生法にも対応可能となる。
【0013】
また、本発明は、小型貫流ボイラによって構成されるボイラ手段で生成されて蒸気利用設備へ導入される前の蒸気を利用して発電する方法を前提として、前記ボイラ手段で蒸気を生成する工程と、前記ボイラ手段で生成された蒸気を蒸気過熱器で過熱する工程と、前記蒸気過熱器で過熱された過熱蒸気によって蒸気タービンを駆動して発電機で発電を行う工程とが含まれている。
【0014】
この発電方法において、前記ボイラ手段の小型貫流ボイラが、1MPa以下のゲージ圧で、かつ10トン/時間以下の蒸発量の条件下で使用されるのが好ましい。
【0015】
また、前記蒸気利用設備において、前記蒸気タービンからの排出蒸気が導入されて、この排出蒸気が利用されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、小型貫流ボイラで生成された蒸気を蒸気利用設備で利用される前に利用して発電を行うようにしているので、小型貫流ボイラで生成された蒸気の利用効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る発電システム20が適用されたコージェネシステム10の配管系統を示している。同図に示すように、このコージェネシステム10は、ボイラ手段12と蒸気利用設備14とを連通する主通路16を備えている。この主通路16は、ボイラ手段12で生成された蒸気を蒸気利用設備14へ導くための経路であり、上流側から順に第1配管16aと、第2配管16bと、第3配管16cとを備えている。
【0019】
前記ボイラ12は、2つの小型貫流ボイラ(以下、第1ボイラ12a及び第2ボイラ12bという)によって構成されており、第1ボイラ12a及び第2ボイラ12bは、分岐された第1配管16aの上流端部にそれぞれ接続されている。言い換えると、第1ボイラ12a及び第2ボイラ12bは主通路16に並列に接続されている。第1ボイラ12a及び第2ボイラ12bは、それぞれ例えば2トン/時間程度の蒸発量のものが用いられている。すなわち、トータルとして蒸発量が10トン/時間以下の条件下で使用される。また、第1ボイラ12a及び第2ボイラ12bは、ゲージ圧で1MPa以下の条件下で使用される。
【0020】
第1ボイラ12a及び第2ボイラ12bの蒸気供給側に接続された第1配管16aの上流端部には、それぞれ開閉弁18が設けられている。
【0021】
前記主通路16に前記発電システム20が設けられている。この発電システム20は、蒸気過熱器22と、蒸気タービン24と、発電機26とを備えている。蒸気過熱器22と蒸気タービン24とは上流側からこの順に主通路16に配設されている。ボイラ手段12と蒸気過熱器22とは、前記第1配管16aによって接続されている。蒸気過熱器22と蒸気タービン24とは、前記第2配管16bによって接続されている。
【0022】
蒸気過熱器22には、ボイラ手段12すなわち小型貫流ボイラで生成された蒸気(飽和蒸気)が第1配管16aを通して導入される。蒸気過熱器22は、この飽和蒸気を過熱するように構成されている。流入する蒸気流量は、例えば3トン/時間程度であり、蒸気過熱器22として、例えば106kWのものが使用されている。この蒸気過熱器22は、最高使用圧力がゲージ圧で0.98MPaで、最高使用温度が230℃のものが用いられている。
【0023】
前記蒸気タービン24は、前記第1配管16aが入口側に接続されており、蒸気過熱器22で過熱された過熱蒸気が導入される。蒸気タービン24の出力軸には、減速機44を介して前記発電機26が設けられている。なお、発電機26が高速タイプのものであれば、減速機44を省略することができる。
【0024】
第2配管16bには、上流側から順に非常遮断弁30と調整弁32とが配設されている。非常遮断弁30は、第2配管16bを完全に遮断するためのものであり、コントローラ34によって制御可能に構成されている。調整弁32は、第2配管16bを流れる過熱蒸気の流量等を調整するためのものであり、前記コントローラ34によって開度制御可能に構成されている。
【0025】
前記第2配管16bには、圧力検出手段36と、温度検出手段38と、流量検出手段40とが設けられている。これら検出手段36,38,40は、第2配管16bにおける調整弁32の下流側に配置されている。圧力検出手段36は、第2配管16bを流れる過熱蒸気の圧力を検出するためのものである。温度検出手段38は、第2配管16b内の過熱蒸気の温度を検出するためのものである。流量検出手段40は、第2配管16bを流れる過熱蒸気の流量を検出するためのものである。これら検出手段36,38,40は、コントローラ34と通信可能に接続されている。
【0026】
前記コントローラ34は、蒸気タービン24へ流入される過熱蒸気の圧力、温度、流量をモニタし、調整弁32の開度制御を行う。本実施形態では、例えば過熱蒸気流量が目標流量3000±150kg/時間(3000±5%)になるように調整弁32が制御される。
【0027】
蒸気タービン24は、図2に示すように、ラジアルタービンによって構成されている。すなわち、蒸気タービン24は、翼車24aに蒸気が円周方向から入るように構成されるとともに、この蒸気が軸方向に出るように構成されている。蒸気タービン24としてラジアルタービンを採用することにより、軸流タービンよりも断熱効率を向上可能となっている。すなわち、例えば3トン/h程度の蒸気流量に設定した場合、発電効率(発電出力/蒸気断熱熱落差)が低下する傾向にあるが、蒸気タービン24としてラジアルタービンを採用した場合には、図3に示すように、高速回転領域でタービン24を使用すれば、断熱効率(タービン出力/蒸気断熱熱落差)を軸流タービンよりも上げることができるので、低蒸気流量の場合においても所望の発電効率を達成することができ、蒸気流量3t/hでも100kWの発電出力が可能となっている。例えば断熱効率が77%(図3に破線で示す)とすると、タービンでの熱落差(エンタルピー差)は164kJ/kgとなり、蒸気流量3t/hでは136kWのタービン出力が得られ、発電機効率等を加味して113kWの発電を行うことができる。そして、蒸気タービン24として定格流量が3t/hのものを選定することにより、蒸気タービン24を高効率な状態で使用できる。なお、図3の横軸として示す速度比は、周速を蒸気噴流速度で除した値を意味している。また、図3に○で示すのは、実測値である。
【0028】
蒸気タービン24の出口側には、図1に示すように、前記第3配管16cが接続されている。この第3配管16cは、前記蒸気利用設備14に接続されている。したがって、蒸気タービン24からの排出蒸気が蒸気利用設備14に導入されるように構成されている。
【0029】
前記第3配管16cには、制御弁46が設けられている。この制御弁46は、蒸気タービン24の出口圧力(背圧)を保持するためのものである。なお、制御弁46を設けるとことにより蒸気タービン24の背圧制御が可能となるので、労働安全衛生法にも対応できている。
【0030】
前記蒸気利用設備14は、第3配管16cから導入された蒸気によって水を加熱するように構成されている。この蒸気利用設備14は、導入された蒸気によって例えば常温の上水を約80℃程度に加熱可能に構成されている。このような蒸気利用設備14として、例えば給湯器が挙げられる。
【0031】
蒸気利用設備14には、排水管48が接続されている。蒸気利用設備14で利用された蒸気は、大気圧程度の飽和水となり、この蒸気は排水管48を通じてドレイン回収器49で回収される。
【0032】
前記第1配管16aには、分岐通路50が設けられている。この分岐通路50には、第1配管16aを通って蒸気過熱器22へ導入される蒸気量を調整するための流量調整弁52が設けられている。このように分岐通路50に流量調整弁52を設けることにより、ボイラ手段12から供給される蒸気のうち余分な蒸気を逃がすことができ、第1ボイラ12a及び第2ボイラ12bによる蒸気発生量が過大になる場合においても、ボイラ手段12による発生蒸気量を調整しなくても、蒸気過熱器22へ導入される蒸気量を所定範囲内に調整できるようになっている。
【0033】
前記主通路16には、バイパス通路54が設けられている。このバイパス通路54は、上流端が第2配管16bにおける非常遮断弁30の上流側に接続される一方、下流端が第3配管16cにおける制御弁46の下流側に接続されている。すなわち、バイパス通路54は、過熱蒸気が蒸気タービン24を迂回して蒸気利用設備14へ導入されるように構成されている。このようにバイパス通路54を設けることにより、蒸気タービン24が故障等の理由で利用できない場合にもボイラ手段12で生成された蒸気の全量を蒸気利用設備14で利用できるようになっている。また、バイパス通路54を設けているので、労働安全衛生法にも対応できている。
【0034】
バイパス通路54には、上流側から順に仕切弁56と減圧弁58とが配設されている。仕切弁56は、通常閉鎖状態に設定されるが、バイパス通路54に過熱蒸気を流通させるときに開放される。減圧弁58は、バイパス通路54を流れる過熱蒸気を蒸気タービン24の出口側圧力に相当する圧力に減圧するためのものである。これにより、蒸気タービン24が使用できないときでも、蒸気タービン24が使用されるときと同様の状態で蒸気利用設備14において蒸気を利用することができる。
【0035】
次に、本実施形態に係るコージェネシステム10の運転動作について説明する。
【0036】
通常は、バイパス通路54の仕切弁56が閉鎖されており、この状態で、ボイラ手段12を駆動し、蒸気を生成する(蒸気生成工程)。このときボイラ手段12では、第1ボイラ12a及び第2ボイラ12bを最大流量で運転し、絶対圧で例えば0.75MPaの蒸気が約4000kg/h生成される。
【0037】
そして、ボイラ手段12で生成された蒸気(飽和蒸気)は、第1配管16aを流れる。このとき余分な蒸気が分岐通路50を通して排出され、第1配管16aを流れる蒸気の流量は例えば3000kg/hとなる。この第1配管16aを流れる定量の蒸気は、蒸気過熱器22へ導入され、蒸気過熱器22において過熱される(蒸気過熱工程)。このとき、飽和蒸気は、図4に示すように、0.75MPaの絶対圧力下で例えば168℃程度(図中のB)から217℃程度(図中のC)まで過熱される。
【0038】
蒸気過熱器22で加熱された過熱蒸気は、第2配管16bを流れて蒸気タービン24へ導入される。この第2配管16bでは、圧力検出手段36、温度検出手段38及び流量検出手段40による検出結果に基づいて、蒸気タービン24へ導入される過熱蒸気の流量が制御されている。
【0039】
そして、蒸気タービン24に過熱蒸気が流入すると蒸気タービン24が駆動され、それに伴って発電機26が駆動して発電が行われる(発電工程)。このとき、蒸気タービン24に導入された過熱蒸気流量に応じた電力が得られることになる。過熱蒸気は、蒸気タービン24内で断熱膨張して絶対圧で例えば0.25MPaの飽和蒸気となる(図4中のA)。このとき、制御弁46によって蒸気タービン24の出口圧力が保持されている。このように本発電システム20においては、蒸気タービン24の入口側と出口側の圧力比が3と低めに設定されている。なお、出口側の圧力は、蒸気タービン24の仕様等に応じて、大気圧以上の所定の圧力に設定されていればよい。
【0040】
蒸気タービン24から排出された飽和蒸気は、第3配管16cを流れて蒸気利用設備14へ導入される。すなわち、蒸気タービン24からの排出蒸気の全量が蒸気利用設備14へ供給される。この蒸気利用設備14において、排出蒸気によって上水を加熱し(蒸気利用工程)、大気圧下での飽和水となって排水管48を流れてドレイン回収器49へ排出される。一方、蒸気利用設備14で飽和蒸気によって加熱されて温水となった上水は、必要に応じて利用に供される。
【0041】
このコージェネシステム10において、発電を行わずに蒸気利用設備14のみを稼動するときには、非常遮断弁30を閉鎖するとともに、バイパス通路54の仕切弁56を開放する。これにより、蒸気過熱器22で過熱された過熱蒸気は、全量バイパス通路54へ流入し、減圧弁58で減圧された後、蒸気利用設備14へ導入されので、過熱蒸気を利用に供することができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、ボイラ手段12で生成された蒸気を蒸気利用設備14で利用される前に利用して発電を行うようにしているので、蒸気タービン入出力側の比較的小さな圧力比で発電効率を高めるとともに、蒸気の利用効率を向上することができる。しかも、発電に利用されて蒸気タービン24から排気された蒸気を蒸気利用設備14で利用するので、低圧の蒸気が使用される蒸気利用設備14において有効利用することができる。さらに、蒸気を過熱した上で、蒸気タービン24を駆動するので、蒸気タービン24を傷めることなく発電を行うことができる。
【0043】
また、本実施形態では、ボイラ手段12が、1MPa以下のゲージ圧で、かつ10トン/時間以下の蒸発量の条件下で使用されるようにしたので、労働安全衛生法に対応可能となっている。
【0044】
また、本実施形態では、蒸気タービン24をラジアルタービンによって構成したので、蒸気タービン24の入口側と出口側の圧力差(圧力比)をあまり大きくとれない場合でも、蒸気タービン24の効率が大きく低下しないように維持することができ、蒸気流量を3000kg/hとしても100kWの発電出力が可能となっている。
【0045】
また、本実施形態では、蒸気タービン24を迂回するバイパス通路54を設けているので、ボイラ手段12で生成された蒸気を、発電を行わないときや蒸気タービン24が利用できないとき等にバイパス通路54を通して蒸気利用設備14へ導入でき、蒸気利用設備14において高エネルギーを有する蒸気を利用することができる。また、労働安全衛生法にも対応可能となる。
【0046】
なお、本実施形態では、蒸気利用設備14は、例えば給湯器として構成したが、これに限られるものではない。例えば、クリーニング業で使用される洗浄装置、プレス、乾燥機、アイロン、シーツローラ等の設備、ホテル等で使用される給湯器、風呂設備、暖房機、厨房機器、乾燥機等の設備、製菓業者が使用する蒸し器、練り器等の設備、製パン業者が使用する発酵器、パン焼き釜等の設備、製餡業者が使用する圧力釜、二重釜、餡練り器等の設備、豆腐製造業者が使用する大豆蒸し釜、蒸し器、殺菌器等の設備、かまぼこ業者が使用する蒸し器等の設備、醸造業者や飲料業者が使用する殺菌器、洗瓶器、給湯器等の設備、給食センターで使用される炊飯機器、洗浄器、給湯器、消毒器等の設備、鍍金業で使用される鍍金層加熱器等の設備、縫製業で使用されるアイロン、プレス等の設備、染色業で使用される捺染器、染色器等の設備、コンクリート業で使用される養生器等の設備、木工業で使用される加圧昇温接着器、乾燥機等の設備、病院で使用される給湯器、暖房機、厨房機器、消毒器、殺菌器、乾燥機等の設備、学校等で使用される実験用機器、教材用機器、暖房機、厨房機器等の設備が例示される。
【0047】
また、本実施形態では、小型貫流ボイラによって構成される第1ボイラ12aと、小型貫流ボイラによって構成される第2ボイラ12bとによりボイラ手段12を構成しているが、これに限られるものではなく、ボイラ手段12を例えば単体の小型貫流ボイラによって構成してもよく、あるいは、3つ以上の小型貫流ボイラによって構成してもよい。
【0048】
また、本実施形態では、蒸気利用設備14で利用された蒸気をドレイン回収器49で回収する開ループ構成としたが、これに代え、蒸気利用設備14で利用された蒸気を再度ボイラ手段12へ戻す閉ループ構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係るコージェネシステムの全体構成を示す配管系統図である。
【図2】ラジアルタービンを構成を概略的に示す図である。
【図3】ラジアルタービンと軸流タービンの速度比と断熱効率の関係を示す特性図である。
【図4】本コージェネシステムにおける小型貫流ボイラ〜蒸気タービンの蒸気の状態を示すモリエル線図である。
【符号の説明】
【0050】
12 ボイラ手段
14 蒸気利用設備
20 発電システム
22 蒸気過熱器
24 蒸気タービン
26 発電機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気利用設備で利用される蒸気を利用して発電する発電システムであって、
前記蒸気は、小型貫流ボイラで生成されたものであり、
前記小型貫流ボイラで生成された蒸気を過熱する蒸気過熱器と、
前記蒸気過熱器で過熱された過熱蒸気によって駆動される蒸気タービンと、
前記蒸気タービンの駆動に伴って発電を行う発電機とを備えていることを特徴とする発電システム。
【請求項2】
前記蒸気タービンは、ラジアルタービンによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
小型貫流ボイラによって構成されるボイラ手段と、
請求項1又は2に記載の発電システムと、
蒸気利用設備とを備え、
前記蒸気過熱器は、前記ボイラ手段で生成された蒸気が導入され、
前記蒸気利用設備は、前記蒸気タービンからの排出蒸気が導入されるように構成されていることを特徴とするコージェネシステム。
【請求項4】
前記ボイラ手段の小型貫流ボイラは、1MPa以下のゲージ圧で、かつ10トン/時間以下の蒸発量の条件下で使用されることを特徴とする請求項3に記載のコージェネシステム。
【請求項5】
前記ボイラ手段と前記蒸気利用設備とを連通する経路には、前記蒸気タービンを迂回するバイパス通路が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載のコージェネシステム。
【請求項6】
小型貫流ボイラによって構成されるボイラ手段で生成されて蒸気利用設備へ導入される前の蒸気を利用して発電する方法であって、
前記ボイラ手段で蒸気を生成する工程と、
前記ボイラ手段で生成された蒸気を蒸気過熱器で過熱する工程と、
前記蒸気過熱器で過熱された過熱蒸気によって蒸気タービンを駆動して発電機で発電を行う工程とが含まれていることを特徴とする発電方法。
【請求項7】
前記ボイラ手段の小型貫流ボイラが、1MPa以下のゲージ圧で、かつ10トン/時間以下の蒸発量の条件下で使用されることを特徴とする請求項6に記載の発電方法。
【請求項8】
前記蒸気利用設備において、前記蒸気タービンからの排出蒸気が導入されて、この排出蒸気が利用されることを特徴とする請求項6又は7に記載の発電方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−329119(P2006−329119A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−155808(P2005−155808)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成16年度、経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】