発電造水複合プラント及びその運転方法
【課題】発電造水複合プラントが電気需要や淡水需要に合わせた部分負荷運転を実施する際、コンバインドサイクルの発電効率を向上させ、年間トータルの燃料消費量を低減することにある。
【解決手段】ガスタービン1と、ダクト燃焼器31を具備し、且つガスタービンから導入される排ガスの熱により給水を加熱して蒸気を発生させる排ガスボイラ9と、この排ガスボイラで発生した蒸気を作動流体として稼動させる蒸気タービン11とを備えたコンバインドサイクル発電設備に、蒸気タービン11の排出蒸気を熱源として淡水を製造する造水設備14を接続し、ガスタービン1の運転負荷率と、ダクト燃焼器31の燃焼量を調節し、発電量と淡水量を共に予め定められた値となるようにする運転を実施する発電造水複合プラントの運転方法において、ガスタービン1を、蒸気タービン11の排出蒸気の内、造水設備14に使用しない余剰蒸気15の流量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率で運転する。
【解決手段】ガスタービン1と、ダクト燃焼器31を具備し、且つガスタービンから導入される排ガスの熱により給水を加熱して蒸気を発生させる排ガスボイラ9と、この排ガスボイラで発生した蒸気を作動流体として稼動させる蒸気タービン11とを備えたコンバインドサイクル発電設備に、蒸気タービン11の排出蒸気を熱源として淡水を製造する造水設備14を接続し、ガスタービン1の運転負荷率と、ダクト燃焼器31の燃焼量を調節し、発電量と淡水量を共に予め定められた値となるようにする運転を実施する発電造水複合プラントの運転方法において、ガスタービン1を、蒸気タービン11の排出蒸気の内、造水設備14に使用しない余剰蒸気15の流量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率で運転する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインドサイクル発電設備と、前記発電設備の排出蒸気を利用した造水設備の複合プラント及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、コンバインドサイクル発電設備と、この発電設備の排出蒸気を利用して、溶質が溶け込んでいる水から淡水を製造する造水設備を複合した発電造水複合プラントが急増している。
【0003】
図18は、造水設備として海水を淡水化する場合の発電造水複合プラントの一例を示す構成図である。
【0004】
図18において、コンバインドサイクル発電設備は、ガスタービン1で発電すると同時にガスタービン1の燃焼排ガス8を熱源にして排ガスボイラ9で発生させた蒸気10により稼動する蒸気タービン11で発電するプラントである。
【0005】
ガスタービン1は、圧縮機2、燃焼器3、膨張機4から構成される。圧縮機2は大気を導入して圧縮し、燃焼用空気6とするものである。燃焼器3は、圧縮された燃焼用空気6により、燃料流量調節弁50を介して流入するガスタービン燃料7を燃焼し、膨張機4を通して高温の燃焼排ガス8を製造する。前記ガスタービン燃料7としては、例えば天然ガスが使用される。ガスタービン1は、燃焼排ガス8により回転し、回転軸に接続された発電機12を運転して発電する。
【0006】
さて、膨張機4から排出される燃焼排ガス8は排ガスボイラ9に導かれ、燃焼排ガス8から回収した熱により、給水32を加熱して蒸気10を発生させる。この時、排ガスボイラ9に設けられたダクト燃焼器31により、必要に応じて助燃する。このダクト燃焼器31に供給される例えば天然ガスからなるダクト燃焼器燃料25は、流量調節弁51により流量調節され、助燃量を制御する。ダクト燃焼器31で発生した燃焼排ガス8は冷却されながら排ガスボイラ9を通過し、排気43となって大気に放出される。
【0007】
一方、排ガスボイラ9で給水32の加熱により発生した蒸気10を蒸気タービン11に導いて、この蒸気タービン11を回転させ、その回転軸に接続された発電機12を運転して発電する。
【0008】
蒸気タービン11から排出された排気蒸気13は、流量調節弁52を通して造水設備熱源用蒸気71として造水設備14に導かれ、余剰蒸気15はダンプコンデンサ16に導かれる。造水設備14としては、例えば多段フラッシュ式や多段効用式があるが、図18では多段効用式が採用されている。
【0009】
造水設備14は、タービン排気蒸気13から回収された熱により、海から図示しないポンプにより汲み上げた海水33を蒸発させ、淡水蒸気と濃縮塩水17に分離し、淡水蒸気を凝縮させて淡水26とし、これを例えば図示しないタンク内に集めて飲料水等に供され、また濃縮塩水は海に排出される。
【0010】
また、ダンプコンデンサ16は、余剰蒸気15を図示しないポンプにより海から汲み上げた冷却用海水35により冷却し復水する復水器で、この復水器で余剰蒸気の冷却に供された冷却海水35は放水48として海に流される。
【0011】
これら造水設備14の出口から流出する造水設備出口水21とダンプコンデンサ16の出口から流出するダンプコンデンサ出口水22は合流し、ポンプ53によって排ガスボイラ9へ給水弁54を介して給水32として搬送される。
【0012】
ところで、このような構成の発電造水複合プラントは、電気需要と淡水需要を満たすように運転するが、その際、ガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の合計消費量をエネルギの有効利用及び経済性の観点から極力少なくすることが好ましい。しかし、電気需要や淡水需要が季節によって変動するので、その年格差の大きな地域では、1年の多くが部分負荷運転期間である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このように前述した発電造水複合プラントにおいては、以下のような2つの課題がある。
【0014】
電気需要と淡水需要の最大値が出力できる構成の発電造水複合プラントにおいて、季節によって変動する電気需要や淡水需要に合わせて、その出力を満足する部分負荷運転を実施する場合、次のようにしている。
【0015】
ガスタービン1の運転負荷率とダクト燃焼器31の燃焼量を調節して、発電量と淡水量を共に所望値以上にする。また、ガスタービン1が複数台設置されている場合は、ガスタービン1の運転台数と運転負荷率、ダクト燃焼器31の燃焼量を調節する。
【0016】
この際、排ガスボイラ9とダクト燃焼器31に使用される材料の耐熱性の制約から、全てのダクト燃焼器31の出口温度を許容温度以下にする必要がある。また、適当な調節によってコンバインドサイクルの発電効率を向上させることにより、年間トータルの燃料消費量、即ちガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の合計消費量を低減したい。
【0017】
また、発電造水複合プラントの運転中、短時間の淡水需要増大に遭遇する場合がある。この場合、発電量を所望値のままで、造水量を増加させるには、ガスタービン1の運転負荷率を下げ、ダクト燃焼器31による助燃量を増やせば実現できる。
【0018】
この場合、淡水需要量が大きいほどダクト燃焼器31の出口温度は高くなるが、この出口温度が許容温度以上になる可能性があるので、運転負荷率を下げないで、造水量を増やしたい。
【0019】
また、ダクト燃焼器31による助燃量を増やすのみで、ガスタービン運転負荷率を下げることをしなければ、発電量は蒸気タービン11の発電量増加分、所望値より大きくなるので、発電量不足にはならないが、コンバインドサイクルの合計消費燃料はダクト燃焼器燃料25の増加分、増加するので、ガスタービン運転負荷率を下げたい。なお、ガスタービン1の運転台数は短時間で変更できない。
【0020】
本発明は、発電造水複合プラントが季節によって変動する電気需要や淡水需要に併せた部分負荷運転を実施する際、コンバインドサイクルの発電効率を向上させ、年間トータルの燃料消費量を低減することができる発電造水複合プラント及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は上記の目的を達成するため、以下のような方法及び手段により発電造水複合プラントを運転するものである。
【0022】
第1の発明は、ガスタービンの運転負荷率を蒸気タービンのタービン排気蒸気の内、造水設備に使用しない余剰蒸気の単位時間当たりの流量、即ち余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率にして運転する。
【0023】
第2の発明は、ガスタービンの設置台数が複数で、かつ運転台数が調節できる場合は、ガスタービンの運転台数を、全台を最高効率で運転することで目標発電量が実現できる最小台数とし、その上でガスタービンの運転負荷率を蒸気タービンの排気蒸気の内、造水設備に使用しない余剰蒸気の単位時間当たりの流量、即ち余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率にして運転する。
【0024】
第3の発明は、ガスタービンの運転台数を、目標発電量が実現でき、かつ、排ガスボイラに設置した全てのダクト燃焼器の出口温度が予め定められた値以下になる、最小台数として運転する。
【0025】
第4の発明は、排ガスボイラから蒸気を抽気し、蒸気タービンのタービン排気蒸気と混合し、造水設備の熱源として利用すると共に、ガスタービンの運転負荷率を目標発電量が実現できる値にする運転に切換可能にする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、上記のような方法及び手段により発電造水複合プラントを運転することにより、造水設備への熱源用蒸気の必要量と所望発電量とを同時に満足させながら部分負荷運転時の発電効率を最大にすることが可能となるので、季節によって変動する電気需要や淡水需要に併せた部分負荷運転を実施する際、コンバインドサイクルの発電効率を向上させ、年間トータルの燃料消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第1の実施形態を示す構成図。
【図2】同実施の形態における制御を説明するためのブロック図。
【図3】同実施形態におけるガスタービンの運転負荷率に対するコンバインドサイクルの発電効率、余剰蒸気量の関係を示す特性図。
【図4】同実施形態において、3台のガスタービンを設置した発電造水複合ブラントの構成図。
【図5】同実施形態の発電造水複合ブラントにおいて、熱交換器部分の途中にダクト燃焼器を設置した発電造水複合ブラントの構成図。
【図6】同実施形態の発電造水複合ブラントにおいて、燃焼排ガスの流れ方向に複数台のダクト燃焼器を設置した発電造水複合ブラントの構成図。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるガスタービンの運転負荷率に対するコンバインドサイクルの発電効率、余剰蒸気量の関係についてガスタービン運転台数が多い場合と少ない場合を示す特性図。
【図8】本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第3の実施形態を示す構成図。
【図9】同実施形態において、図3にガスタービン運転負荷率に対するダクト燃焼器の出口温度を加えた特性図。
【図10】本発明の第4の実施形態における制御を説明するためのブロック図。
【図11】本発明の第5の実施形態における制御を説明するためのブロック図。
【図12】本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第6の実施形態を示す構成図。
【図13】同実施形態において、2台のダクト燃焼器が設置された発電造水複合プラントの構成図。
【図14】本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第7の実施形態を示す構成図。
【図15】本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第8の実施形態を示す構成図。
【図16】同実施形態において、図9にコンバインドサイクルの発電効率と造水設備熱源用抽気蒸気を点線で追加して示す特性図。
【図17】本発明の第9の実施形態における制御を説明するためのブロック図。
【図18】従来の発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0029】
図1は本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第1の実施形態を示す構成図で、図18と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0030】
図1に示すように、ガスタービン1に接続した発電機12にガスタービン発電機用電力計58を設置し、また、蒸気タービン11からダンプコンデンサ16に流入するタービン排気蒸気13の余剰蒸気量15を計測する流量計70を設置する。
【0031】
さらに、蒸気タービン11に接続した発電機12及びガスタービン1に接続した発電機12で発電した電力から、ポンプ53等の発電造水複合プラント内の機器運転で消費する電力を差引いた送電端電力値を計測する送電端電力計73を設ける。
【0032】
これらガスタービン発電機用電力計58、流量計70及び送電端電力計73でそれぞれ計測されたガスタービン用発電機電力値74と送電端電力値60及び余剰蒸気量30を図2に示すように制御器59に入力する。
【0033】
この制御器59は、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63及びダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を予め図3から得られるガスタービン運転負荷率の特性に基づいて制御するものである。
【0034】
なお、図2においては、3台のガスタービンが設置されていることを想定して示してあるが、図1の例では1台のガスタービン1が設置されているので、ガスタービン用発電機電力値74、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63及びダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64としてはそれぞれ1つである。
【0035】
図3はコンバインドサイクルの発電量、即ちガスタービン1と蒸気タービン11の発電量の合計値が所望発電量と一致し、さらにガスタービン1の運転台数(図1の例では1台)を固定した場合のガスタービン1の運転負荷率に対するコンバインドサイクルの発電効率29、余剰蒸気量30の関係を示す特性図である。
【0036】
部分負荷運転時は、ガスタービン1の運転負荷率が100%より低くても所望発電量は発電できる。
【0037】
ガスタービン運転負荷率が高いほど、ガスタービン1の発電量とガスタービン1の排熱による蒸気タービン11の発電量の合計値が、その合計値にダクト燃焼器31の助燃による蒸気タービン11の発電量を加えたコンバインドサイクル発電量に占める比率が大きいので、発電効率29は高くなる。
【0038】
また、ガスタービン1の発電量が小さいほど、排ガスボイラ9の助燃量を増やして蒸気タービン11の発電量を増やすことになるので、発生蒸気量は多くなる。よって、ガスタービン運転負荷率が高いほど、タービン排気蒸気13の量は少なく、運転負荷率が充分に低いときは、造水設備14の必要蒸気量より大きくなるので、余剰蒸気量30が多くなる。
【0039】
したがって、運転負荷率に対する余剰蒸気量30のグラフは右下がりになる。
【0040】
上記とは逆にガスタービン運転負荷率を上げていくと、発電効率29が高くなっていくが、余剰蒸気量30が少なくなり、ある運転負荷率で造水設備14の必要蒸気量が確保できなくなる。造水設備14に対して蒸気不足の場合は、運転不成立となるので、余剰蒸気量30がゼロになるとき、発電効率29は最高になる。
【0041】
ガスタービン1の発電出力や燃焼排ガス8の状態値は、大気の温度、湿度、圧力によって変化するが、図3に示す特性は定性的には変化しない。短時間では小さな電気需要の変動もあり、電気需要が大きくなる場合を想定して、ゼロよりわずかに大きい値にしてもよい。この値は発電造水複合プラントの運転者が定めた所定の許容値である。
【0042】
したがって、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間になるガスタービン運転負荷率で発電造水複合プラントを運転すれば、部分負荷運転時にて最高の発電効率29の運転が実現できることになる。
【0043】
次に、このような運転を実現するための作用を説明する。
【0044】
まず、造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、製造される淡水量の調節により別途制御される。すなわち、製造淡水量を増やしたい場合は蒸気流量調整弁52の開度をより大きく、減らしたい場合は開度をより小さくする。
【0045】
このような制御を実施しながら、制御器59では、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となるガスタービン運転負荷率になるようにガスタービン燃料流量調整弁50の開度63を制御し、ガスタービン燃料7の流量を調節する。
【0046】
ガスタービン運転負荷率は、予め図3に示した特性から得られており、ガスタービン1に関してガスタービン用発電機12の電力値が、定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように、ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。その上で、送電端電力値が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器31の燃料流量調整弁51の開度64を制御して、ダクト燃焼器31の燃料25の流量を調節し、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。
【0047】
仮に短時間の微量の淡水需要増加があった場合は、熱源用蒸気流量調整弁52の開度を大きくすれば、所定許容値までの値であった余剰蒸気量30が減り、熱源用蒸気の流量を増やすことができる。また、発電造水複合プラント自体の内部の変動にも、同様に対応できる。
【0048】
上記では造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を製造淡水量から制御するようにしたが、造水設備熱源用蒸気71の流量値と温度値と圧力値を計測して熱源用蒸気71のエンタルピを算出し、淡水需要分を造水するのに必要なエンタルピ値と等しくなるように制御してもよい。
【0049】
また、造水設備熱源用蒸気71の圧力値は、大きく変化しないとして、流量値と温度値のみから造水設備熱源用蒸気71の熱量を算出して、淡水需要分を造水するのに必要な熱量値と等しくなればよく、造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を制御してもよい。
【0050】
上記第1の実施形態では、ガスタービン1側の発電機12の電力値74を電力計58により計測し監視しながらガスタービン燃料7の流量を調節するようにしたが、ガスタービン1の特性に基づき、運転負荷率の目標値に対応するガスタービン燃料7の流量を算出し、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63を制御してもよい。
【0051】
また、前記では送電端電力値を監視しながら所望発電量に合うようにダクト燃焼器燃料25の流量を調節しているが、発電造水複合プラントの特性に基づき、所望発電量に対応するダクト燃焼器燃料25の流量を算出し、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を制御してもよい。
【0052】
さらに、ガスタービン1とダクト燃焼器31の燃焼量はそれぞれガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の流量で制御しなくても、燃焼用空気6の流量調節などといった他の方法を用いてもよい。
【0053】
図1ではガスタービン1、蒸気タービン11、造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これら構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0054】
例えば、図4に示すように3台のガスタービン1を設置した発電造水複合ブラントであっても、前述同様の運転を行うことができる。
【0055】
また、図1及び図4では、ダクト燃焼器31の設置箇所として排ガスボイラ9の熱交換器より燃焼排ガス8の流れ方向の上流側としたが、図5に示すように熱交換器部分の途中にダクト燃焼器31を設置してもよい。さらに、図1、図4及び図5では、排ガスボイラ9の燃焼排ガス8の流れ方向に1個のダクト燃焼器31を設置したが、図6に示すように燃焼排ガス8の流れ方向に複数台のダクト燃焼器31、ここでは2台のダクト燃焼器を排ガスボイラ9の高圧過熱器の上流側と、蒸発器の上流側に設置するようにしてもよい。
【0056】
さらに、上記のように燃焼排ガス8の流れ方向に複数台のダクト燃焼器31を設置してあっても、これらを全て稼動する必要はなく、例えば図6において蒸気タービン11から排出されるタービン排気蒸気13の温度制御を実施しやすくするために、下流側のダクト燃焼器31の1台のみを稼動するようにしてもよい。
【0057】
このように第1の実施形態では、発電造水複合プラントのガスタービン1の運転負荷率を蒸気タービン11のタービン排気蒸気13の内、造水設備14に使用しない余剰蒸気15の単位時間当たりの流量、即ち余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となる運転負荷率にして運転することにより、部分負荷運転時の発電効率を向上させることができ、年間トータルの燃料消費量を低減することができる。また、ガスタービン1の設置台数が複数で、かつ運転台数が調節できる場合も前述同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
さて、第1の実施形態では図2に示す制御器59により制御しているが、制御器59を用いない場合でも運転負荷率が適切であればよい。即ち、例えば、季節や時間帯などの期間に応じて運転パラメータを決めておき、造水設備熱源用蒸気流量調節弁52の開度を決めておき、運転してもよい。また、自動制御でなく、運転操作員による制御であってもよい。
【0059】
本発明の第2の実施形態を図4乃至図7により説明する。
【0060】
図4乃至図6は第1の実施形態で述べたのと同様なので、その構成についての説明を省略し、ここでは図7に示す特性図を中心に述べる。
【0061】
コンバインドサイクルの発電量が所望発電量と一致した場合、コンバインドサイクル発電量に占めるガスタービン発電量の比率が高いほど、発電効率は高い。これはガスタービン発電量とガスタービン排熱による蒸気タービン発電量の合計値が大きく、排ガスボイラ9の助燃燃料25が少なくなるためである。
【0062】
ガスタービン燃料7は、ガスタービン1の発電と蒸気タービン11の発電及び造水設備14に利用されているが、ダクト燃焼器31の燃料25は蒸気タービン11の発電と造水設備14にしか利用できないので、ガスタービン1で燃料が消費されるほど発電効率は高くなる。
【0063】
同じガスタービン発電量の時、ガスタービン運転台数が少ないほどガスタービン運転負荷率は高くなるが、コンバインドサイクルの発電効率はより高くなる。これはガスタービン1の特性上、運転負荷率が高いほど、タービン内部効率が高く、ガスタービン1のシステム熱効率が高いので、ガスタービン燃料7が少なくなるからである。
【0064】
図7は、図3における発電効率28と余剰蒸気量30について、ガスタービン運転台数が多い場合と少ない場合を示した特性図である。
【0065】
図7において、運転台数のより多い時と少ない時の発電効率はそれぞれ発電効率38,39であり、余剰蒸気量はそれぞれ40,41である。余剰蒸気量40,41がゼロになる時にそれぞれ対応するガスタービン運転負荷率での発電効率38,39を比較すると、ガスタービン台数がより少ない時の発電効率39がより高い。
【0066】
しかし、ガスタービン運転台数を充分に減らすと、運転負荷率を100%にしても、コンバインドサイクル総発電量や造水量が所望量に不足する状態になる。不足しないぎりぎりの台数が所望発電量を実現できる最小台数であり、台数は状況により異なる。
【0067】
したがって、ガスタービン1の運転台数を所望発電量が実現できる最小台数とし、その上で、余剰蒸気量がゼロまたはゼロよりわずかに大きい値になるガスタービン運転負荷率で発電造水複合プラントを運転することにより、部分負荷運転時にて最高の発電効率の運転が実現できることになる。
【0068】
そこで、第2の実施形態では、図4乃至図6に示す3組のガスタービン1において、運転台数を所望発電量が実現できる最小台数とし、その上でガスタービン1の運転負荷率を蒸気タービン11の排気蒸気13の内、造水設備14に使用しない余剰蒸気15の単位時間当たりの流量、即ち余剰蒸気量がゼロから所定許容値までの値となる運転負荷率にして、発電造水複合プラントを運転する。この場合、運転していないガスタービン1の燃焼排ガス8が流れる排ガスボイラ9への給水弁54のみ閉じる。
【0069】
図4乃至図6ではガスタービン1が3台で蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0070】
このように第2の実施形態では、発電造水複合プラントのガスタービン1の運転台数を所望発電量が実現できる最小台数とし、その上で、余剰蒸気量がゼロまたはゼロよりわずかに大きい値になるガスタービン運転負荷率で運転することにより、部分負荷運転時の発電効率を向上させることができ、年間トータルの燃料消費量を低減することができる。
【0071】
本発明の第3の実施形態を図8により説明する。
【0072】
図8は発電造水複合プラントの構成図で、図4と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。
【0073】
第3の実施形態では、図8に示すようにダクト燃焼器31の出口に温度計69を設置し、この温度計69により測定されたダクト燃焼器31の出口温度をもとに、発電造水複合プラントを運転するものである。この場合、ガスタービン1の運転台数は、所望発電量が実現でき、かつ排ガスボイラ9に設置した全てのダクト燃焼器31の出口温度が許容温度以下になる最小台数とする。
【0074】
なお、ダクト燃焼器31の出口温度は、温度計69からではなく、予め得られている特性値を用いてもよい。
【0075】
図9は、ガスタービン運転負荷率に対するダクト燃焼器31の出口温度27を図3に加えた特性図である。
【0076】
図9において、ガスタービン運転負荷率が高いほど、蒸気タービン11の負荷分担が減少するので、排ガスボイラ9の助燃量が小さくなり、ダクト燃焼器出口温度27は低くなる。
【0077】
ところで、1台の排ガスボイラ9に設置するダクト燃焼器31の設置箇所は燃焼排ガス8の流れ方向に1箇所だけでなく、図6に示すように2箇所以上でもよい。図9のダクト燃焼器31の出口温度27はダクト燃焼器31が燃焼排ガス8の流れ方向の1箇所のみの場合であるが、図6に示すようにダクト燃焼器31が燃焼排ガス8の流れ方向の2箇所での運転時に、ダクト燃焼器31の1箇所の出口温度27を固定すると、もう1箇所のダクト燃焼器31の出口温度27は、ダクト燃焼器31の1箇所のみの運転時のダクト燃焼器31の出口温度27と同様に右下がりのグラフになる。
【0078】
さて、ダクト燃焼器31の出口温度27が許容温度以上になった場合、コンバインドサイクルは運転不成立である。また、余剰蒸気量30がゼロであるガスタービン運転負荷率にて、仮にダクト燃焼器31の出口温度27が許容温度以上ならば、造水設備14用の蒸気とダクト燃焼器31の出口温度27の両方を同時に満足するガスタービン運転負荷率はないので、その時のガスタービン運転台数やそれ以下の運転台数では運転不成立である。
【0079】
そこで、ガスタービン1の運転台数を排ガスボイラ9に設置した全てのダクト燃焼器31の出口温度27が許容温度以下になる最小台数として運転する。
【0080】
このようにして発電造水プラントを運転すれば、排ガスボイラ9とダクト燃焼器31の使用材料の制約を守りながら、部分負荷運転時の発電効率を向上させることにより、年間トータルの燃料消費量を低減することができる。
【0081】
本発明の第4の実施形態を図10により説明する。
【0082】
ここでは、図4乃至図6のいずれかの発電造水プラントを対象にして述べる。
【0083】
第4の実施形態では、図4乃至図6のいずれかに示す発電造水複合プラントにおいて、全てのガスタービン1に接続した発電機12にガスタービン発電機用電力計58を設置し、また、蒸気タービン11からダンプコンデンサ16に流入するタービン排気蒸気13の余剰蒸気量を計測する流量計70を設置する。
【0084】
さらに、図示していないが蒸気タービン11に接続した発電機12及び全てのガスタービン1に接続した発電機12で発電した電力から、ポンプ53等により発電造水複合プラント内で消費する電力を差引いた送電端電力値を計測する送電端電力計を設ける。
【0085】
これらガスタービン発電機用電力計58、流量計70及び送電端電力計でそれぞれ計測されたガスタービン用発電機電力値74と送電端電力値60及び余剰蒸気量30を図10に示すように制御器59に入力する。
【0086】
この制御器59は、ガスタービン1に対して発停信号66を与えるとともに、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63及びダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を予め図3から得られるガスタービン運転負荷率の特性に基づいて制御するものである。
【0087】
次にこの制御器59による発電造水複合プラントの運転について述べる。
【0088】
造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、製造される淡水量を調節するように別途制御する。製造される淡水量を増やしたい場合は開度をより大きく、減らしたい場合は開度をより小さくする。
【0089】
この制御を実施しながら、まずガスタービン1の運転台数が、所望発電量が実現できる最小台数になるように、制御器59からガスタービン1とポンプ53への発停信号66を出す。これにより、最小台数のガスタービン1のみ運転し、他のガスタービンは停止させ、運転していないガスタービン1の燃焼排ガス8が流れる排ガスボイラ9への給水弁54のみ閉じる。
【0090】
そして、制御器59にて、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となるガスタービン運転負荷率になるように全てのガスタービン燃料流量調整弁50の開度63を制御し、全てのガスタービン1の燃焼量を調節する。
【0091】
ガスタービン運転負荷率は予め、図3に示した特性から得られており、各ガスタービン1に関してガスタービン用発電機電力値が定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように、各ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。その上で送電端電力値60が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を制御して、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。
【0092】
仮に短時間の微量の淡水需要増加があった場合は、熱源用蒸気流量調整弁52の開度を大きくすれば、所定許容値まであった余剰蒸気量30が減り、熱源用蒸気71の流量を増やすことができる。また、発電造水複合プラント自体の内部の変動にも、同様に対応できる。
【0093】
造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、前記のように製造淡水量から制御しなくても、造水設備熱源用蒸気71の流量値と温度値と圧力値を計測し、熱源用蒸気71のエンタルピを算出し、淡水需要分を造水するのに必要なエンタルピ値と等しくなるように制御してもよい。
【0094】
また、造水設備熱源用蒸気71の圧力値は大きく変化しないとして、流量値と温度値のみから造水設備熱源用蒸気71の熱量を算出して、淡水需要分を造水するのに必要な熱量値と等しくなればよいとして、開度を制御してもよい。
【0095】
さらに、季節や時間帯などの期間に応じて造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を定めておき、運転してもよい。
【0096】
前記ではガスタービン用発電機12の電力値を監視しながらガスタービン燃料7の流量を調節しているが、ガスタービン1の特性に基づき、運転負荷率の目標値に対応するガスタービン燃料7の流量を算出し、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御してもよい。
【0097】
さらに、前記では送電端電力値を監視しながら所望発電量に合うようにダクト燃焼器燃料25の流量を調節しているが、発電造水複合プラントの特性に基づき、所望発電量に対応するダクト燃焼器燃料25の流量を算出し、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を制御してもよい。
【0098】
さらに、ガスタービン1とダクト燃焼器31の燃焼量はそれぞれガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の流量で制御しなくても、燃焼用空気6の流量調節などといった他の方法を用いてもよい。
【0099】
図4乃至図6では、ガスタービン1が3台で、蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0100】
さて、排ガスボイラ9とダクト燃焼器31に使用される材料の耐熱性の制約から、全てのダクト燃焼器31の出口温度を許容温度以下にする必要がある。このような場合は、以下のように制御する。
【0101】
まず、造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、製造される淡水量を調節するように別途制御する。製造淡水量を増やしたい場合は造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度をより大きく、減らしたい場合は開度をより小さくする。
【0102】
この制御を実施しながら、まずガスタービン1の運転台数が、所望発電量が実現でき、かつ、排ガスボイラ9に設置した全てのダクト燃焼器出口温度が許容温度以下になる最小台数になるように、制御器59からガスタービン1とポンプ53への発停信号を出す。この時、ダクト燃焼器出口温度は予め、図9に示した特性から得ている。
【0103】
これにより、最小台数のガスタービン1のみ運転し、他のガスタービンは停止させ、運転していないガスタービン1の燃焼排ガス8が流れる排ガスボイラ9への給水弁54のみ閉じる。
【0104】
そして、制御器59にて、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となるガスタービン運転負荷率になるように全てのガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御し、全てのガスタービン1の燃焼量を調節する。
【0105】
ガスタービン運転負荷率は予め、図3に示した特性から得られており、各ガスタービン1に関してガスタービン用発電機12の電力値が、定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように、各ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。その上で送電端電力値が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度を制御して、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。
【0106】
仮に短時間の微量の淡水需要増加があった場合は、熱源用蒸気流量調整弁52の開度を大きくすれば、所定許容値まであった余剰蒸気量30が減り、熱源用蒸気71の流量を増やすことができる。また、発電造水複合プラント自体の内部の変動にも、同様に対応できる。
【0107】
このようにして発電造水プラントを運転すれば、排ガスボイラ9とダクト燃焼器31の使用材料の制約を守りながら、部分負荷運転時の発電効率を向上させることにより年間トータルの燃料消費量を低減することができる。また、自動化により誤操作の可能性がなくなり、信頼性が高くなる。
【0108】
本発明の第5の実施形態を図11により説明する。
【0109】
ここでは、図4乃至図6のいずれかの発電造水プラントを対象にして述べる。
【0110】
第5の実施形態では、図4乃至図6のいずれかに示す発電造水複合プラントにおいて、全てのガスタービン1に接続した発電機12にガスタービン発電機用電力計58を設置し、また、蒸気タービン11からダンプコンデンサ16に流入するタービン排気蒸気13の余剰蒸気量を計測する流量計70を設置し、さらに全てのダクト燃焼器31の出口に温度計69を設置する。
【0111】
さらに、図示していないが蒸気タービン11に接続した発電機12及び全てのガスタービンに接続した発電機12で発電した電力から、ポンプ53等により発電造水複合プラント内で消費する電力を差引いた送電端電力値を計測する送電端電力計を設ける。計測したガスタービン用発電機12の電力値の全てと送電端電力値及び余剰蒸気量30と全てのダクト燃焼器31の出口温度値68は、図11の制御器59に入力される。
【0112】
この制御器59は、ガスタービン1に対して発停信号を与えるとともに、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63及びダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を予め図9から得られるガスタービン運転負荷率の特性に基づいて制御するものである。
【0113】
次にこの制御器59による発電造水複合プラントの運転について述べる。
【0114】
造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、製造される淡水量を調節するように別途制御する。製造される淡水量を増やしたい場合は開度をより大きく、減らしたい場合は開度をより小さくする。
【0115】
この制御を実施しながら、まずガスタービン1の運転台数が、所望発電量が実現でき、かつ、排ガスボイラ9に設置した全てのダクト燃焼器31の出口温度が許容温度以下になる最小台数になるように、制御器59からガスタービン1への発停信号を出す。この時、ダクト燃焼器31の出口温度は、予め図9に示した特性から得られた値を用いて制御するが、ガスタービン1の特性は経年劣化したり、大気の気温、湿度、圧力が変化したりすると、その値と実際に計測しているダクト燃焼器31の出口温度値の差が大きくなる。
【0116】
そこで、ダクト燃焼器31の出口温度値が許容温度以上になった場合は、ガスタービン1の運転台数として、所望発電量が実現でき、かつ、実測している全てのダクト燃焼器31の出口温度値が許容温度以下になる最小台数になるように、制御器59からガスタービン1への発停信号を出す。
【0117】
これにより、最小台数のガスタービン1のみ運転し、他のガスタービンは停止させ、運転していないガスタービン1の燃焼排ガス8が流れる排ガスボイラ9への給水弁54のみ閉じる。
【0118】
そして、制御器59にて、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となるガスタービン運転負荷率になるように全てのガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御し、全てのガスタービン1の燃焼量を調節する。
【0119】
ガスタービン運転負荷率は予め、図3に示した特性から得られており、各ガスタービン1に関して、ガスタービン用発電機12の電力値が、定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように各ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。
【0120】
その上で、送電端電力値が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度を制御して、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。この時、実測しているダクト燃焼器31の出口温度値が許容温度以上にならないことを監視し、許容温度以上になった場合は、ガスタービン1の最小台数の決定ルーチンから、やり直す。
【0121】
仮に短時間の微量の淡水需要増加があった場合は、熱源用蒸気流量調整弁52の開度を大きくすれば、所定許容値までの値であった余剰蒸気量30が減り、熱源用蒸気71の流量を増やすことができる。また、発電造水複合プラント自体の内部の変動にも、同様に対応できる。
【0122】
造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、前記のように製造淡水量から制御しなくても、造水設備熱源用蒸気71の流量値と温度値と圧力値を計測し、熱源用蒸気71のエンタルピを算出し、淡水需要分を造水するのに必要なエンタルピ値と等しくなるように制御してもよい。
【0123】
また、造水設備熱源用蒸気71の圧力値は大きく変化しないとして、流量値と温度値のみから造水設備熱源用蒸気71の熱量を算出して、淡水需要分を造水するのに必要な熱量値と等しくなればよいとして、開度を制御してもよい。
【0124】
さらに、季節や時間帯などの期間に応じて造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を定めておき、運転してもよい。
【0125】
前記ではガスタービン用発電機12の電力値を監視しながらガスタービン燃料7の流量を調節しているが、ガスタービン1の特性に基づき、運転負荷率の目標値に対応するガスタービン燃料7の流量を算出し、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御してもよい。
【0126】
さらに、前記では送電端電力値を監視しながら所望発電量に合うようにダクト燃焼器燃料25の流量を調節しているが、発電造水複合プラントの特性に基づき、所望発電量に対応するダクト燃焼器燃料25の流量を算出し、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度を制御してもよい。
【0127】
さらに、ガスタービン1とダクト燃焼器31の燃焼量はそれぞれガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の流量で制御しなくても、燃焼用空気6の流量調節などといった他の方法を用いてもよい。
【0128】
図4乃至図6では、ガスタービン1が3台で、蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0129】
このようにして発電造水プラントを運転すれば、排ガスボイラ9とダクト燃焼器31の使用材料の制約を守りながら、部分負荷時の発電効率を向上させることにより年間トータルの燃料消費量を低減することができる。また自動化により誤操作の可能性がなくなり、信頼性が高くなる。
【0130】
本発明の第6の実施形態を図12により説明する。
【0131】
図12において、図8と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。
【0132】
第6の実施形態では、図12に示すように造水設備14を例えば多段フラッシュ式または多段効用式とする。また排ガスボイラ9から抽気した抽気蒸気18の全部あるいは一部をエジェクタ用抽気蒸気(第1の抽気蒸気)56として、造水設備14内のエジェクタ19に導く。
【0133】
このエジェクタ19を用いて造水設備14の淡水化ライン内部を減圧し、低圧化により海水33の蒸発を促進する。通過したエジェクタ用抽気蒸気56は濃縮海水17と共に海に排出する。海に排出されたエジェクタ用抽気蒸気56に相当する水は、ダンプコンデンサ16にて補給水44として補給する。
【0134】
そして、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となる運転負荷率にして、発電造水複合プラントを運転する。この場合、排ガスボイラ9が製造した蒸気の全てが造水設備用熱源用蒸気71になるわけではないが、ガスタービン運転負荷率が変化してもエジェクタ用抽気蒸気56の流量は大きく変化しないので、図3、図7、図9と同じ特性曲線を描くため、前述した第1乃至第5の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0135】
また、図13に示すような排ガスボイラ9の燃焼排ガス8の流れ方向に2台のダクト燃焼器31が設置された構成にしてもよい。
【0136】
図12及び図13では、ガスタービン1が3台で、これら3台全ての抽気蒸気18をエジェクタ用抽気蒸気56として造水設備14に導く配管構成になっているが、1台又は2台のガスタービン1の抽気蒸気18の全部あるいは一部をエジェクタ用抽気蒸気56として造水設備14に導く配管構成にしてもよい。
【0137】
本発明の第7の実施形態を図14により説明する。
【0138】
図14において、図12と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。
【0139】
既設の造水設備14に新規のコンバインドサイクル発電設備を接続するときなど、タービン排気蒸気13が造水設備14への必要蒸気圧力より低い場合がある。
【0140】
そこで、本実施形態では、図14に示すように排ガスボイラ9から抽気した抽気蒸気18の全部あるいは一部をサーマルコンプレッサ用抽気蒸気(第2の抽気蒸気)57としてサーマルコンプレッサ23の主流流路に流し、タービン排出蒸気13の一部を喉部から流入させ、これらを合流させた造水設備熱源用蒸気71を造水設備14へ流入するようにしたものである。
【0141】
このようにすれば、サーマルコンプレッサ23により昇圧されたタービン排気蒸気13の一部と、サーマルコンプレッサ用抽気蒸気57が合流し、造水設備熱源用蒸気71になって造水設備14に流れることで、淡水化の熱源として使用できる。
【0142】
この場合、蒸気タービン11から排出されない抽気蒸気18が、造水設備用熱源用蒸気71の一部になるが、ガスタービン運転負荷率が変化してもサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57の流量は大きく変化しないので、図3,図7及び図9と同じ特性曲線を描くため、前述した第1の実施形態乃至第7の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0143】
図14ではガスタービン1が3台で、これら3台全ての抽気蒸気18をサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57として造水設備14に導く配管構成になっているが、1台又は2台のガスタービン1の抽気蒸気18の全部あるいは一部をサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57として造水設備14に導く配管構成にしてもよい。
【0144】
本発明の第8の実施形態を図15により説明する。
【0145】
図15において、図12と同一部品には同一不号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。
【0146】
第8の実施形態では、排ガスボイラ9から抽気した抽気蒸気18の全部あるいは一部を造水設備熱源追加用抽気蒸気(第3の抽出蒸気)34として流し、蒸気タービン11のタービン排気蒸気13と混合する配管を設けるとともに、この配管に造水設備熱源追加用抽気蒸気流量弁42を設け、造水設備熱源追加用抽気蒸気58をタービン排気蒸気13と合流させ、造水設備熱源用蒸気71として造水設備14に流入させる構成とするものである。すなわち、造水設備熱源追加用抽気蒸気58の分だけ、造水設備14の熱源が増える。
【0147】
通常は第1の実施形態及び第2の実施形態に示す制御を実施しながら運転している発電造水複合プラントにおいて、所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は、造水設備熱源追加用抽気蒸気流量弁42を開き、造水設備熱源用蒸気71を所望造水量が実現できるのに過不足ない流量にし、ガスタービン運転負荷率を所望発電量が実現できる値にして運転する。
【0148】
この場合、配管に設けた造水設備熱源追加用抽気蒸気流量調整弁42の開度を調節することにより、造水設備14への熱源用蒸気71が不足する場合も過不足なしにでき、この時、余剰蒸気量30はゼロである。
【0149】
ここで、コンバインドサイクルの発電効率29と造水設備熱源用抽気蒸気58を、図9に点線で追加した特性図を図16に示す。
【0150】
このような構成としたときの発電効率と造水設備熱源用抽気蒸気58の流量は、それぞれ発電効率45と抽気蒸気量46である。
【0151】
同時にガスタービン運転負荷率を、所望発電量が実現できる値とする。よって、所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は、造水設備熱源追加用抽気蒸気流量弁42を開き、造水設備熱源用蒸気71を所望造水量が実現できるのに過不足ない流量にし、かつガスタービン運転負荷率として所望発電量を実現できる値にして運転する。
【0152】
この造水設備熱源用抽気蒸気34によりガスタービン1の運転可能なガスタービン運転負荷率の範囲は拡大するが、蒸気タービン11への蒸気量が減少するので発電効率29は、抽気蒸気18がない時の最高効率より低くなる。拡大した運転負荷率は範囲47である。ダクト燃焼器31の出口温度27は運転負荷率が高いほど低いので、この運転切換により許容値以上になることはない。
【0153】
図15ではガスタービン1が3台で、これら3台全ての抽気蒸気18の全部あるいは一部を造水設備熱源追加用抽気蒸気34として造水設備14に導く配管構成になっているが、1台又は2台のガスタービン1の抽気蒸気18を造水設備14に導く配管構成にしてもよい。
【0154】
本発明の第9の実施形態を図16及び図17により説明する。
【0155】
ここでは、図15の発電造水プラントを対象にして述べる。
【0156】
第9の実施形態では、図15に示す発電造水複合プラントにおいて、全てのガスタービン1に接続した発電機12にガスタービン発電機用電力計58を設置し、また、蒸気タービン11からダンプコンデンサ16に流入するタービン排気蒸気13の余剰蒸気量を計測する流量計70を設置する。
【0157】
さらに、図示していないが蒸気タービン11に接続した発電機12及び全てのガスタービン1に接続した発電機12で発電した電力から、ポンプ53等により発電造水複合プラント内で消費する電力を差引いた送電端電力値を計測する送電端電力計を設ける。
【0158】
これらガスタービン発電機用電力計58、流量計70及び送電端電力計でそれぞれ計測されたガスタービン用発電機電力値74と送電端電力値60及び余剰蒸気量30、さらに造水設備14から製造淡水量値76を、図17の制御器59に入力する。
【0159】
この制御器59は、ガスタービン1に対して発停信号66を与えるとともに、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63及びダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を予め図3から得られるガスタービン運転負荷率の特性に基づいて制御し、また所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は造水設備熱源追加用蒸気流量調整弁42の開度67を調整するものである。
【0160】
次にこの制御器59による発電造水複合プラントの運転について述べる。
【0161】
発電造水複合プラントにおいて、通常は第1の実施形態乃至第3の実施形態で述べた制御を実施しながら運転しているとき、所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は、以下のように運転する。
【0162】
製造淡水量値76が所望造水量になるように、造水設備熱源追加用蒸気流量調整弁43の開度67を調整し、造水設備熱源用蒸気流量71を増加させながら、ガスタービン運転負荷率が所望発電量を実現できる値になるように全てのガスタービン燃料流量調整弁50の開度63を制御し、全てのガスタービン1の燃焼量を調節する。
【0163】
ガスタービン運転負荷率は、予め図3に示した特性から得られており、各ガスタービン1に関してガスタービン用発電機電力値74の値が、定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように、各ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。その上で送電端電力値60が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を制御して、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。
【0164】
造水設備熱源追加用蒸気流量調整弁42の開度67は、前記のように製造淡水量値76から制御しなくても、造水設備熱源用蒸気71の流量値と温度値と圧力値を計測し、造水設備熱源用蒸気71のエンタルピを算出し、淡水需要分を造水するのに必要なエンタルピ値と等しくなるように制御してもよい。
【0165】
また、造水設備熱源用蒸気71の圧力値は大きく変化しないとして、流量値と温度値のみから造水設備熱源用蒸気71の熱量を算出して、淡水需要分を造水するのに必要な熱量値と等しくなればよいとして、開度を制御してもよい。
【0166】
さらに、季節や時間帯などの期間に応じて造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を定めておき、運転してもよい。
【0167】
前記ではガスタービン用発電機の電力値74を監視しながらガスタービン燃料7の流量を調節しているが、ガスタービン1の特性に基づき、運転負荷率の目標値に対応するガスタービン燃料7の流量を算出し、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御してもよい。
【0168】
さらに、前記では送電端電力値60を監視しながら所望発電量に合うようにダクト燃焼器31の燃料の流量を調節しているが、発電造水複合プラントの特性に基づき、所望発電量に対応するダクト燃焼器燃料25の流量を算出し、ダクト燃焼器燃料流量調整弁31の開度64を制御してもよい。
【0169】
また、ガスタービン1とダクト燃焼器31の燃焼量はそれぞれガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の流量で制御しなくても、燃焼用空気6の流量調節などといった他の方法を用いてもよい。
【0170】
図15では、ガスタービン1が3台で、蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0171】
次に本発明による発電造水複合プラントの第10の実施形態を図14により説明する。
【0172】
図14の構成は前述しているので、その説明は省略し、ここでは所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合の運転方法について述べる。
【0173】
図14に示すような発電造水複合プラントにおいて、通常は第1の実施形態乃至第3の実施形態で述べた制御を実施しながら運転しているとき、所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は、サーマルコンプレッサ用抽気蒸気流量弁62を開き、サーマルコンプレッサ用抽気蒸気57の流量を増やす。
【0174】
すると、サーマルコンプレッサ23の喉部から吸込まれる蒸気タービン排出蒸気13の一部の流量も増加する。サーマルコンプレッサ23に吸込まれる蒸気タービン排出蒸気13の一部とサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57の合計である造水設備熱源用蒸気71は増える。
【0175】
これにより、造水設備熱源用蒸気71を所望造水量が実現できるのに過不足ない流量にし、ガスタービン運転負荷率を所望発電量が実現できる値にして運転する。ダクト燃焼器出口温度は運転負荷率が高いほど低いので、この運転切換により許容値以上になることはない。
【0176】
図14ではガスタービン1が3台で、これら3台全ての抽気蒸気18の全部あるいは一部をサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57として造水設備14に導く配管構成になっているが、1台又は2台のガスタービン1の抽気蒸気18を造水設備14に導く配管構成にしてもよい。
【0177】
図14では、ガスタービン1が3台で、蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0178】
次に本発明による発電造水複合プラントの第11の実施形態を図14、図16及び図17により説明する。
【0179】
図14に示す発電造水複合プラントにおいて、全てのガスタービン1に接続した発電機12にガスタービン発電機用電力計58を設置し、余剰蒸気量30を計測する流量計70を設置する。図示していないが、蒸気タービン11に接続した発電機12を含む全ての発電機12で発電した電力から、ポンプ53等により発電造水複合プラント24内で消費する電力を差引いた送電端電力値60を計測する送電端電力計を設ける。
【0180】
計測したガスタービン用発電機電力値76の全てと送電端電力値60と余剰蒸気量30は、図17の制御器59に入力される。さらに、造水設備14から製造淡水量値76が、制御器59に入力される。
【0181】
図14に示すような発電造水複合プラントにおいて、通常は第1の実施形態乃至第3の実施形態で述べた制御を実施しながら運転しているとき、所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は、以下のように運転する。なお、図17において、造水設備熱源追加用蒸気流量調整弁43の開度67をサーマルコンプレッサ用蒸気流量調整弁62の開度77として述べる。
【0182】
製造淡水量値76が所望造水量になるように、サーマルコンプレッサ用蒸気流量調整弁62の開度77を調整する。この開度77を大きくすると、サーマルコンプレッサ用抽気蒸気57が増え、サーマルコンプレッサ23の喉部から吸込まれる蒸気タービン排出蒸気13の一部の流量も増加するので、造水設備熱源用蒸気71は増える。
【0183】
造水設備熱源用蒸気流量71を増加させながら、ガスタービン運転負荷率が所望発電量を実現できる値になるように全てのガスタービン燃料流量調整弁50の開度63を制御し、全てのガスタービン1の燃焼量を調節する。ガスタービン運転負荷率は、予め図3に示した特性から得られており、各ガスタービン1に関してガスタービン用発電機電力値76の値が、定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように、各ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。その上で送電端電力値60が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を制御して、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。
【0184】
サーマルコンプレッサ用蒸気流量調整弁62の開度77は、前記のように製造淡水量値76から制御しなくても、造水設備熱源用蒸気71の流量値と温度値と圧力値を計測し、熱源用蒸気71のエンタルピを算出し、淡水需要分を造水するのに必要なエンタルピ値と等しくなるように制御してもよい。
【0185】
また、造水設備熱源用蒸気71の圧力値は大きく変化しないとして、流量値と温度値のみから造水設備熱源用蒸気71の熱量を算出して、淡水需要分を造水するのに必要な熱量値と等しくなればよいとして、造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を制御してもよい。
【0186】
さらに、季節や時間帯などの期間に応じて造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を定めておき、運転してもよい。
【0187】
前記ではガスタービン用発電機12の電力値を監視しながらガスタービン燃料7の流量を調節しているが、ガスタービン1の特性に基づき、運転負荷率の目標値に対応するガスタービン燃料7の流量を算出し、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御してもよい。
【0188】
さらに、前記では送電端電力値60を監視しながら所望発電量に合うようにダクト燃焼器31の燃料の流量を調節しているが、発電造水複合プラントの特性に基づき、所望発電量に対応するダクト燃焼器燃料25の流量を算出し、ダクト燃焼器燃料流量調整弁31の開度64を制御してもよい。
【0189】
また、ガスタービン1とダクト燃焼器31の燃焼量はそれぞれガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の流量で制御しなくても、燃焼用空気6の流量調節などといった他の方法を用いてもよい。
【0190】
図14ではガスタービン1が3台で、これら3台全ての抽気蒸気18の全部あるいは一部をサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57として造水設備14に導く配管構成になっているが、1台または2台のガスタービン1の抽気蒸気18を造水設備14に導く配管構成にしてもよい。
【0191】
図14では、ガスタービン1が3台で、蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0192】
前述した第1乃至第11の実施形態では、造水設備14において、海水から淡水を製造する場合について説明したが、海水に代えて排水(汚水)を造水設備14に導入することにより、同様の方法で排水(汚水)から濃縮水と浄水を製造することができる。
【0193】
この場合、造水設備14は排水浄化装置として使用され、また冷却用海水の代わりに河川水等を冷却水として使用してもよい。
【0194】
このようにすれば、排水(汚水)を浄水にすることができるため、排水処理が可能になるとともに、製造した浄水を有効活用することができる。
【符号の説明】
【0195】
1…ガスタービン、2…圧縮機、3…燃焼器、4…膨張機、6…燃焼用空気、7…ガスタービン燃料、8…燃焼排ガス、9…排ガスボイラ、10…蒸気、11…蒸気タービン、12…発電機、13…タービン排気蒸気、14…造水設備、15…余剰蒸気、16…ダンプコンデンサ、17…濃縮塩水、18…抽気蒸気、19…エジェクタ、21…造水設備出口水、22…ダンプコンデンサ出口水、23…サーマルコンプレッサ、25…ダクト燃焼器燃料、26…淡水、27…ダクト燃焼器出口温度、29…コンバインドサイクルの発電効率、30…余剰蒸気量、31…ダクト燃焼器、32…給水、33…海水、34…造水設備熱源追加用抽気蒸気、35…冷却用海水、38…ガスタービン多台数時の発電効率、39…ガスタービン少台数時の発電効率、40…ガスタービン多台数時の余剰蒸気量、41…ガスタービン少台数時の余剰蒸気量、42…造水設備熱源追加用抽気蒸気流量調整弁、43…排気、44…補給水、50…ガスタービン燃料流量調整弁、51…ダクト燃焼器燃料流量調整弁、52…造水設備熱源用蒸気流量調整弁、53…ポンプ、54…給水弁、55…温度計、56…エジェクタ用抽気蒸気、57…サーマルコンプレッサ用抽気蒸気、58…ガスタービン用発電機電力計、59…制御器、60…送電端電力値、61…エジェクタ用抽気蒸気流量調整弁、62…サーマルコンプレッサ用抽気蒸気流量調整弁、63…ガスタービン燃料流量調整弁開度、64…ダクト燃焼器燃料流量調整弁開度、65…造水設備熱源用蒸気流量調整弁開度、66…ガスタービンとポンプの発停信号、67…造水設備熱源追加用抽気蒸気流量調整弁開度、69…温度計、70…流量計、73…送電端電力計、74…ガスタービン用発電機電力値。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインドサイクル発電設備と、前記発電設備の排出蒸気を利用した造水設備の複合プラント及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、コンバインドサイクル発電設備と、この発電設備の排出蒸気を利用して、溶質が溶け込んでいる水から淡水を製造する造水設備を複合した発電造水複合プラントが急増している。
【0003】
図18は、造水設備として海水を淡水化する場合の発電造水複合プラントの一例を示す構成図である。
【0004】
図18において、コンバインドサイクル発電設備は、ガスタービン1で発電すると同時にガスタービン1の燃焼排ガス8を熱源にして排ガスボイラ9で発生させた蒸気10により稼動する蒸気タービン11で発電するプラントである。
【0005】
ガスタービン1は、圧縮機2、燃焼器3、膨張機4から構成される。圧縮機2は大気を導入して圧縮し、燃焼用空気6とするものである。燃焼器3は、圧縮された燃焼用空気6により、燃料流量調節弁50を介して流入するガスタービン燃料7を燃焼し、膨張機4を通して高温の燃焼排ガス8を製造する。前記ガスタービン燃料7としては、例えば天然ガスが使用される。ガスタービン1は、燃焼排ガス8により回転し、回転軸に接続された発電機12を運転して発電する。
【0006】
さて、膨張機4から排出される燃焼排ガス8は排ガスボイラ9に導かれ、燃焼排ガス8から回収した熱により、給水32を加熱して蒸気10を発生させる。この時、排ガスボイラ9に設けられたダクト燃焼器31により、必要に応じて助燃する。このダクト燃焼器31に供給される例えば天然ガスからなるダクト燃焼器燃料25は、流量調節弁51により流量調節され、助燃量を制御する。ダクト燃焼器31で発生した燃焼排ガス8は冷却されながら排ガスボイラ9を通過し、排気43となって大気に放出される。
【0007】
一方、排ガスボイラ9で給水32の加熱により発生した蒸気10を蒸気タービン11に導いて、この蒸気タービン11を回転させ、その回転軸に接続された発電機12を運転して発電する。
【0008】
蒸気タービン11から排出された排気蒸気13は、流量調節弁52を通して造水設備熱源用蒸気71として造水設備14に導かれ、余剰蒸気15はダンプコンデンサ16に導かれる。造水設備14としては、例えば多段フラッシュ式や多段効用式があるが、図18では多段効用式が採用されている。
【0009】
造水設備14は、タービン排気蒸気13から回収された熱により、海から図示しないポンプにより汲み上げた海水33を蒸発させ、淡水蒸気と濃縮塩水17に分離し、淡水蒸気を凝縮させて淡水26とし、これを例えば図示しないタンク内に集めて飲料水等に供され、また濃縮塩水は海に排出される。
【0010】
また、ダンプコンデンサ16は、余剰蒸気15を図示しないポンプにより海から汲み上げた冷却用海水35により冷却し復水する復水器で、この復水器で余剰蒸気の冷却に供された冷却海水35は放水48として海に流される。
【0011】
これら造水設備14の出口から流出する造水設備出口水21とダンプコンデンサ16の出口から流出するダンプコンデンサ出口水22は合流し、ポンプ53によって排ガスボイラ9へ給水弁54を介して給水32として搬送される。
【0012】
ところで、このような構成の発電造水複合プラントは、電気需要と淡水需要を満たすように運転するが、その際、ガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の合計消費量をエネルギの有効利用及び経済性の観点から極力少なくすることが好ましい。しかし、電気需要や淡水需要が季節によって変動するので、その年格差の大きな地域では、1年の多くが部分負荷運転期間である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このように前述した発電造水複合プラントにおいては、以下のような2つの課題がある。
【0014】
電気需要と淡水需要の最大値が出力できる構成の発電造水複合プラントにおいて、季節によって変動する電気需要や淡水需要に合わせて、その出力を満足する部分負荷運転を実施する場合、次のようにしている。
【0015】
ガスタービン1の運転負荷率とダクト燃焼器31の燃焼量を調節して、発電量と淡水量を共に所望値以上にする。また、ガスタービン1が複数台設置されている場合は、ガスタービン1の運転台数と運転負荷率、ダクト燃焼器31の燃焼量を調節する。
【0016】
この際、排ガスボイラ9とダクト燃焼器31に使用される材料の耐熱性の制約から、全てのダクト燃焼器31の出口温度を許容温度以下にする必要がある。また、適当な調節によってコンバインドサイクルの発電効率を向上させることにより、年間トータルの燃料消費量、即ちガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の合計消費量を低減したい。
【0017】
また、発電造水複合プラントの運転中、短時間の淡水需要増大に遭遇する場合がある。この場合、発電量を所望値のままで、造水量を増加させるには、ガスタービン1の運転負荷率を下げ、ダクト燃焼器31による助燃量を増やせば実現できる。
【0018】
この場合、淡水需要量が大きいほどダクト燃焼器31の出口温度は高くなるが、この出口温度が許容温度以上になる可能性があるので、運転負荷率を下げないで、造水量を増やしたい。
【0019】
また、ダクト燃焼器31による助燃量を増やすのみで、ガスタービン運転負荷率を下げることをしなければ、発電量は蒸気タービン11の発電量増加分、所望値より大きくなるので、発電量不足にはならないが、コンバインドサイクルの合計消費燃料はダクト燃焼器燃料25の増加分、増加するので、ガスタービン運転負荷率を下げたい。なお、ガスタービン1の運転台数は短時間で変更できない。
【0020】
本発明は、発電造水複合プラントが季節によって変動する電気需要や淡水需要に併せた部分負荷運転を実施する際、コンバインドサイクルの発電効率を向上させ、年間トータルの燃料消費量を低減することができる発電造水複合プラント及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は上記の目的を達成するため、以下のような方法及び手段により発電造水複合プラントを運転するものである。
【0022】
第1の発明は、ガスタービンの運転負荷率を蒸気タービンのタービン排気蒸気の内、造水設備に使用しない余剰蒸気の単位時間当たりの流量、即ち余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率にして運転する。
【0023】
第2の発明は、ガスタービンの設置台数が複数で、かつ運転台数が調節できる場合は、ガスタービンの運転台数を、全台を最高効率で運転することで目標発電量が実現できる最小台数とし、その上でガスタービンの運転負荷率を蒸気タービンの排気蒸気の内、造水設備に使用しない余剰蒸気の単位時間当たりの流量、即ち余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率にして運転する。
【0024】
第3の発明は、ガスタービンの運転台数を、目標発電量が実現でき、かつ、排ガスボイラに設置した全てのダクト燃焼器の出口温度が予め定められた値以下になる、最小台数として運転する。
【0025】
第4の発明は、排ガスボイラから蒸気を抽気し、蒸気タービンのタービン排気蒸気と混合し、造水設備の熱源として利用すると共に、ガスタービンの運転負荷率を目標発電量が実現できる値にする運転に切換可能にする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、上記のような方法及び手段により発電造水複合プラントを運転することにより、造水設備への熱源用蒸気の必要量と所望発電量とを同時に満足させながら部分負荷運転時の発電効率を最大にすることが可能となるので、季節によって変動する電気需要や淡水需要に併せた部分負荷運転を実施する際、コンバインドサイクルの発電効率を向上させ、年間トータルの燃料消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第1の実施形態を示す構成図。
【図2】同実施の形態における制御を説明するためのブロック図。
【図3】同実施形態におけるガスタービンの運転負荷率に対するコンバインドサイクルの発電効率、余剰蒸気量の関係を示す特性図。
【図4】同実施形態において、3台のガスタービンを設置した発電造水複合ブラントの構成図。
【図5】同実施形態の発電造水複合ブラントにおいて、熱交換器部分の途中にダクト燃焼器を設置した発電造水複合ブラントの構成図。
【図6】同実施形態の発電造水複合ブラントにおいて、燃焼排ガスの流れ方向に複数台のダクト燃焼器を設置した発電造水複合ブラントの構成図。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるガスタービンの運転負荷率に対するコンバインドサイクルの発電効率、余剰蒸気量の関係についてガスタービン運転台数が多い場合と少ない場合を示す特性図。
【図8】本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第3の実施形態を示す構成図。
【図9】同実施形態において、図3にガスタービン運転負荷率に対するダクト燃焼器の出口温度を加えた特性図。
【図10】本発明の第4の実施形態における制御を説明するためのブロック図。
【図11】本発明の第5の実施形態における制御を説明するためのブロック図。
【図12】本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第6の実施形態を示す構成図。
【図13】同実施形態において、2台のダクト燃焼器が設置された発電造水複合プラントの構成図。
【図14】本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第7の実施形態を示す構成図。
【図15】本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第8の実施形態を示す構成図。
【図16】同実施形態において、図9にコンバインドサイクルの発電効率と造水設備熱源用抽気蒸気を点線で追加して示す特性図。
【図17】本発明の第9の実施形態における制御を説明するためのブロック図。
【図18】従来の発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0029】
図1は本発明による発電造水複合プラント及びその運転方法を説明するための第1の実施形態を示す構成図で、図18と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0030】
図1に示すように、ガスタービン1に接続した発電機12にガスタービン発電機用電力計58を設置し、また、蒸気タービン11からダンプコンデンサ16に流入するタービン排気蒸気13の余剰蒸気量15を計測する流量計70を設置する。
【0031】
さらに、蒸気タービン11に接続した発電機12及びガスタービン1に接続した発電機12で発電した電力から、ポンプ53等の発電造水複合プラント内の機器運転で消費する電力を差引いた送電端電力値を計測する送電端電力計73を設ける。
【0032】
これらガスタービン発電機用電力計58、流量計70及び送電端電力計73でそれぞれ計測されたガスタービン用発電機電力値74と送電端電力値60及び余剰蒸気量30を図2に示すように制御器59に入力する。
【0033】
この制御器59は、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63及びダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を予め図3から得られるガスタービン運転負荷率の特性に基づいて制御するものである。
【0034】
なお、図2においては、3台のガスタービンが設置されていることを想定して示してあるが、図1の例では1台のガスタービン1が設置されているので、ガスタービン用発電機電力値74、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63及びダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64としてはそれぞれ1つである。
【0035】
図3はコンバインドサイクルの発電量、即ちガスタービン1と蒸気タービン11の発電量の合計値が所望発電量と一致し、さらにガスタービン1の運転台数(図1の例では1台)を固定した場合のガスタービン1の運転負荷率に対するコンバインドサイクルの発電効率29、余剰蒸気量30の関係を示す特性図である。
【0036】
部分負荷運転時は、ガスタービン1の運転負荷率が100%より低くても所望発電量は発電できる。
【0037】
ガスタービン運転負荷率が高いほど、ガスタービン1の発電量とガスタービン1の排熱による蒸気タービン11の発電量の合計値が、その合計値にダクト燃焼器31の助燃による蒸気タービン11の発電量を加えたコンバインドサイクル発電量に占める比率が大きいので、発電効率29は高くなる。
【0038】
また、ガスタービン1の発電量が小さいほど、排ガスボイラ9の助燃量を増やして蒸気タービン11の発電量を増やすことになるので、発生蒸気量は多くなる。よって、ガスタービン運転負荷率が高いほど、タービン排気蒸気13の量は少なく、運転負荷率が充分に低いときは、造水設備14の必要蒸気量より大きくなるので、余剰蒸気量30が多くなる。
【0039】
したがって、運転負荷率に対する余剰蒸気量30のグラフは右下がりになる。
【0040】
上記とは逆にガスタービン運転負荷率を上げていくと、発電効率29が高くなっていくが、余剰蒸気量30が少なくなり、ある運転負荷率で造水設備14の必要蒸気量が確保できなくなる。造水設備14に対して蒸気不足の場合は、運転不成立となるので、余剰蒸気量30がゼロになるとき、発電効率29は最高になる。
【0041】
ガスタービン1の発電出力や燃焼排ガス8の状態値は、大気の温度、湿度、圧力によって変化するが、図3に示す特性は定性的には変化しない。短時間では小さな電気需要の変動もあり、電気需要が大きくなる場合を想定して、ゼロよりわずかに大きい値にしてもよい。この値は発電造水複合プラントの運転者が定めた所定の許容値である。
【0042】
したがって、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間になるガスタービン運転負荷率で発電造水複合プラントを運転すれば、部分負荷運転時にて最高の発電効率29の運転が実現できることになる。
【0043】
次に、このような運転を実現するための作用を説明する。
【0044】
まず、造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、製造される淡水量の調節により別途制御される。すなわち、製造淡水量を増やしたい場合は蒸気流量調整弁52の開度をより大きく、減らしたい場合は開度をより小さくする。
【0045】
このような制御を実施しながら、制御器59では、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となるガスタービン運転負荷率になるようにガスタービン燃料流量調整弁50の開度63を制御し、ガスタービン燃料7の流量を調節する。
【0046】
ガスタービン運転負荷率は、予め図3に示した特性から得られており、ガスタービン1に関してガスタービン用発電機12の電力値が、定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように、ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。その上で、送電端電力値が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器31の燃料流量調整弁51の開度64を制御して、ダクト燃焼器31の燃料25の流量を調節し、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。
【0047】
仮に短時間の微量の淡水需要増加があった場合は、熱源用蒸気流量調整弁52の開度を大きくすれば、所定許容値までの値であった余剰蒸気量30が減り、熱源用蒸気の流量を増やすことができる。また、発電造水複合プラント自体の内部の変動にも、同様に対応できる。
【0048】
上記では造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を製造淡水量から制御するようにしたが、造水設備熱源用蒸気71の流量値と温度値と圧力値を計測して熱源用蒸気71のエンタルピを算出し、淡水需要分を造水するのに必要なエンタルピ値と等しくなるように制御してもよい。
【0049】
また、造水設備熱源用蒸気71の圧力値は、大きく変化しないとして、流量値と温度値のみから造水設備熱源用蒸気71の熱量を算出して、淡水需要分を造水するのに必要な熱量値と等しくなればよく、造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を制御してもよい。
【0050】
上記第1の実施形態では、ガスタービン1側の発電機12の電力値74を電力計58により計測し監視しながらガスタービン燃料7の流量を調節するようにしたが、ガスタービン1の特性に基づき、運転負荷率の目標値に対応するガスタービン燃料7の流量を算出し、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63を制御してもよい。
【0051】
また、前記では送電端電力値を監視しながら所望発電量に合うようにダクト燃焼器燃料25の流量を調節しているが、発電造水複合プラントの特性に基づき、所望発電量に対応するダクト燃焼器燃料25の流量を算出し、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を制御してもよい。
【0052】
さらに、ガスタービン1とダクト燃焼器31の燃焼量はそれぞれガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の流量で制御しなくても、燃焼用空気6の流量調節などといった他の方法を用いてもよい。
【0053】
図1ではガスタービン1、蒸気タービン11、造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これら構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0054】
例えば、図4に示すように3台のガスタービン1を設置した発電造水複合ブラントであっても、前述同様の運転を行うことができる。
【0055】
また、図1及び図4では、ダクト燃焼器31の設置箇所として排ガスボイラ9の熱交換器より燃焼排ガス8の流れ方向の上流側としたが、図5に示すように熱交換器部分の途中にダクト燃焼器31を設置してもよい。さらに、図1、図4及び図5では、排ガスボイラ9の燃焼排ガス8の流れ方向に1個のダクト燃焼器31を設置したが、図6に示すように燃焼排ガス8の流れ方向に複数台のダクト燃焼器31、ここでは2台のダクト燃焼器を排ガスボイラ9の高圧過熱器の上流側と、蒸発器の上流側に設置するようにしてもよい。
【0056】
さらに、上記のように燃焼排ガス8の流れ方向に複数台のダクト燃焼器31を設置してあっても、これらを全て稼動する必要はなく、例えば図6において蒸気タービン11から排出されるタービン排気蒸気13の温度制御を実施しやすくするために、下流側のダクト燃焼器31の1台のみを稼動するようにしてもよい。
【0057】
このように第1の実施形態では、発電造水複合プラントのガスタービン1の運転負荷率を蒸気タービン11のタービン排気蒸気13の内、造水設備14に使用しない余剰蒸気15の単位時間当たりの流量、即ち余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となる運転負荷率にして運転することにより、部分負荷運転時の発電効率を向上させることができ、年間トータルの燃料消費量を低減することができる。また、ガスタービン1の設置台数が複数で、かつ運転台数が調節できる場合も前述同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
さて、第1の実施形態では図2に示す制御器59により制御しているが、制御器59を用いない場合でも運転負荷率が適切であればよい。即ち、例えば、季節や時間帯などの期間に応じて運転パラメータを決めておき、造水設備熱源用蒸気流量調節弁52の開度を決めておき、運転してもよい。また、自動制御でなく、運転操作員による制御であってもよい。
【0059】
本発明の第2の実施形態を図4乃至図7により説明する。
【0060】
図4乃至図6は第1の実施形態で述べたのと同様なので、その構成についての説明を省略し、ここでは図7に示す特性図を中心に述べる。
【0061】
コンバインドサイクルの発電量が所望発電量と一致した場合、コンバインドサイクル発電量に占めるガスタービン発電量の比率が高いほど、発電効率は高い。これはガスタービン発電量とガスタービン排熱による蒸気タービン発電量の合計値が大きく、排ガスボイラ9の助燃燃料25が少なくなるためである。
【0062】
ガスタービン燃料7は、ガスタービン1の発電と蒸気タービン11の発電及び造水設備14に利用されているが、ダクト燃焼器31の燃料25は蒸気タービン11の発電と造水設備14にしか利用できないので、ガスタービン1で燃料が消費されるほど発電効率は高くなる。
【0063】
同じガスタービン発電量の時、ガスタービン運転台数が少ないほどガスタービン運転負荷率は高くなるが、コンバインドサイクルの発電効率はより高くなる。これはガスタービン1の特性上、運転負荷率が高いほど、タービン内部効率が高く、ガスタービン1のシステム熱効率が高いので、ガスタービン燃料7が少なくなるからである。
【0064】
図7は、図3における発電効率28と余剰蒸気量30について、ガスタービン運転台数が多い場合と少ない場合を示した特性図である。
【0065】
図7において、運転台数のより多い時と少ない時の発電効率はそれぞれ発電効率38,39であり、余剰蒸気量はそれぞれ40,41である。余剰蒸気量40,41がゼロになる時にそれぞれ対応するガスタービン運転負荷率での発電効率38,39を比較すると、ガスタービン台数がより少ない時の発電効率39がより高い。
【0066】
しかし、ガスタービン運転台数を充分に減らすと、運転負荷率を100%にしても、コンバインドサイクル総発電量や造水量が所望量に不足する状態になる。不足しないぎりぎりの台数が所望発電量を実現できる最小台数であり、台数は状況により異なる。
【0067】
したがって、ガスタービン1の運転台数を所望発電量が実現できる最小台数とし、その上で、余剰蒸気量がゼロまたはゼロよりわずかに大きい値になるガスタービン運転負荷率で発電造水複合プラントを運転することにより、部分負荷運転時にて最高の発電効率の運転が実現できることになる。
【0068】
そこで、第2の実施形態では、図4乃至図6に示す3組のガスタービン1において、運転台数を所望発電量が実現できる最小台数とし、その上でガスタービン1の運転負荷率を蒸気タービン11の排気蒸気13の内、造水設備14に使用しない余剰蒸気15の単位時間当たりの流量、即ち余剰蒸気量がゼロから所定許容値までの値となる運転負荷率にして、発電造水複合プラントを運転する。この場合、運転していないガスタービン1の燃焼排ガス8が流れる排ガスボイラ9への給水弁54のみ閉じる。
【0069】
図4乃至図6ではガスタービン1が3台で蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0070】
このように第2の実施形態では、発電造水複合プラントのガスタービン1の運転台数を所望発電量が実現できる最小台数とし、その上で、余剰蒸気量がゼロまたはゼロよりわずかに大きい値になるガスタービン運転負荷率で運転することにより、部分負荷運転時の発電効率を向上させることができ、年間トータルの燃料消費量を低減することができる。
【0071】
本発明の第3の実施形態を図8により説明する。
【0072】
図8は発電造水複合プラントの構成図で、図4と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。
【0073】
第3の実施形態では、図8に示すようにダクト燃焼器31の出口に温度計69を設置し、この温度計69により測定されたダクト燃焼器31の出口温度をもとに、発電造水複合プラントを運転するものである。この場合、ガスタービン1の運転台数は、所望発電量が実現でき、かつ排ガスボイラ9に設置した全てのダクト燃焼器31の出口温度が許容温度以下になる最小台数とする。
【0074】
なお、ダクト燃焼器31の出口温度は、温度計69からではなく、予め得られている特性値を用いてもよい。
【0075】
図9は、ガスタービン運転負荷率に対するダクト燃焼器31の出口温度27を図3に加えた特性図である。
【0076】
図9において、ガスタービン運転負荷率が高いほど、蒸気タービン11の負荷分担が減少するので、排ガスボイラ9の助燃量が小さくなり、ダクト燃焼器出口温度27は低くなる。
【0077】
ところで、1台の排ガスボイラ9に設置するダクト燃焼器31の設置箇所は燃焼排ガス8の流れ方向に1箇所だけでなく、図6に示すように2箇所以上でもよい。図9のダクト燃焼器31の出口温度27はダクト燃焼器31が燃焼排ガス8の流れ方向の1箇所のみの場合であるが、図6に示すようにダクト燃焼器31が燃焼排ガス8の流れ方向の2箇所での運転時に、ダクト燃焼器31の1箇所の出口温度27を固定すると、もう1箇所のダクト燃焼器31の出口温度27は、ダクト燃焼器31の1箇所のみの運転時のダクト燃焼器31の出口温度27と同様に右下がりのグラフになる。
【0078】
さて、ダクト燃焼器31の出口温度27が許容温度以上になった場合、コンバインドサイクルは運転不成立である。また、余剰蒸気量30がゼロであるガスタービン運転負荷率にて、仮にダクト燃焼器31の出口温度27が許容温度以上ならば、造水設備14用の蒸気とダクト燃焼器31の出口温度27の両方を同時に満足するガスタービン運転負荷率はないので、その時のガスタービン運転台数やそれ以下の運転台数では運転不成立である。
【0079】
そこで、ガスタービン1の運転台数を排ガスボイラ9に設置した全てのダクト燃焼器31の出口温度27が許容温度以下になる最小台数として運転する。
【0080】
このようにして発電造水プラントを運転すれば、排ガスボイラ9とダクト燃焼器31の使用材料の制約を守りながら、部分負荷運転時の発電効率を向上させることにより、年間トータルの燃料消費量を低減することができる。
【0081】
本発明の第4の実施形態を図10により説明する。
【0082】
ここでは、図4乃至図6のいずれかの発電造水プラントを対象にして述べる。
【0083】
第4の実施形態では、図4乃至図6のいずれかに示す発電造水複合プラントにおいて、全てのガスタービン1に接続した発電機12にガスタービン発電機用電力計58を設置し、また、蒸気タービン11からダンプコンデンサ16に流入するタービン排気蒸気13の余剰蒸気量を計測する流量計70を設置する。
【0084】
さらに、図示していないが蒸気タービン11に接続した発電機12及び全てのガスタービン1に接続した発電機12で発電した電力から、ポンプ53等により発電造水複合プラント内で消費する電力を差引いた送電端電力値を計測する送電端電力計を設ける。
【0085】
これらガスタービン発電機用電力計58、流量計70及び送電端電力計でそれぞれ計測されたガスタービン用発電機電力値74と送電端電力値60及び余剰蒸気量30を図10に示すように制御器59に入力する。
【0086】
この制御器59は、ガスタービン1に対して発停信号66を与えるとともに、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63及びダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を予め図3から得られるガスタービン運転負荷率の特性に基づいて制御するものである。
【0087】
次にこの制御器59による発電造水複合プラントの運転について述べる。
【0088】
造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、製造される淡水量を調節するように別途制御する。製造される淡水量を増やしたい場合は開度をより大きく、減らしたい場合は開度をより小さくする。
【0089】
この制御を実施しながら、まずガスタービン1の運転台数が、所望発電量が実現できる最小台数になるように、制御器59からガスタービン1とポンプ53への発停信号66を出す。これにより、最小台数のガスタービン1のみ運転し、他のガスタービンは停止させ、運転していないガスタービン1の燃焼排ガス8が流れる排ガスボイラ9への給水弁54のみ閉じる。
【0090】
そして、制御器59にて、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となるガスタービン運転負荷率になるように全てのガスタービン燃料流量調整弁50の開度63を制御し、全てのガスタービン1の燃焼量を調節する。
【0091】
ガスタービン運転負荷率は予め、図3に示した特性から得られており、各ガスタービン1に関してガスタービン用発電機電力値が定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように、各ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。その上で送電端電力値60が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を制御して、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。
【0092】
仮に短時間の微量の淡水需要増加があった場合は、熱源用蒸気流量調整弁52の開度を大きくすれば、所定許容値まであった余剰蒸気量30が減り、熱源用蒸気71の流量を増やすことができる。また、発電造水複合プラント自体の内部の変動にも、同様に対応できる。
【0093】
造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、前記のように製造淡水量から制御しなくても、造水設備熱源用蒸気71の流量値と温度値と圧力値を計測し、熱源用蒸気71のエンタルピを算出し、淡水需要分を造水するのに必要なエンタルピ値と等しくなるように制御してもよい。
【0094】
また、造水設備熱源用蒸気71の圧力値は大きく変化しないとして、流量値と温度値のみから造水設備熱源用蒸気71の熱量を算出して、淡水需要分を造水するのに必要な熱量値と等しくなればよいとして、開度を制御してもよい。
【0095】
さらに、季節や時間帯などの期間に応じて造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を定めておき、運転してもよい。
【0096】
前記ではガスタービン用発電機12の電力値を監視しながらガスタービン燃料7の流量を調節しているが、ガスタービン1の特性に基づき、運転負荷率の目標値に対応するガスタービン燃料7の流量を算出し、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御してもよい。
【0097】
さらに、前記では送電端電力値を監視しながら所望発電量に合うようにダクト燃焼器燃料25の流量を調節しているが、発電造水複合プラントの特性に基づき、所望発電量に対応するダクト燃焼器燃料25の流量を算出し、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を制御してもよい。
【0098】
さらに、ガスタービン1とダクト燃焼器31の燃焼量はそれぞれガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の流量で制御しなくても、燃焼用空気6の流量調節などといった他の方法を用いてもよい。
【0099】
図4乃至図6では、ガスタービン1が3台で、蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0100】
さて、排ガスボイラ9とダクト燃焼器31に使用される材料の耐熱性の制約から、全てのダクト燃焼器31の出口温度を許容温度以下にする必要がある。このような場合は、以下のように制御する。
【0101】
まず、造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、製造される淡水量を調節するように別途制御する。製造淡水量を増やしたい場合は造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度をより大きく、減らしたい場合は開度をより小さくする。
【0102】
この制御を実施しながら、まずガスタービン1の運転台数が、所望発電量が実現でき、かつ、排ガスボイラ9に設置した全てのダクト燃焼器出口温度が許容温度以下になる最小台数になるように、制御器59からガスタービン1とポンプ53への発停信号を出す。この時、ダクト燃焼器出口温度は予め、図9に示した特性から得ている。
【0103】
これにより、最小台数のガスタービン1のみ運転し、他のガスタービンは停止させ、運転していないガスタービン1の燃焼排ガス8が流れる排ガスボイラ9への給水弁54のみ閉じる。
【0104】
そして、制御器59にて、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となるガスタービン運転負荷率になるように全てのガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御し、全てのガスタービン1の燃焼量を調節する。
【0105】
ガスタービン運転負荷率は予め、図3に示した特性から得られており、各ガスタービン1に関してガスタービン用発電機12の電力値が、定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように、各ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。その上で送電端電力値が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度を制御して、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。
【0106】
仮に短時間の微量の淡水需要増加があった場合は、熱源用蒸気流量調整弁52の開度を大きくすれば、所定許容値まであった余剰蒸気量30が減り、熱源用蒸気71の流量を増やすことができる。また、発電造水複合プラント自体の内部の変動にも、同様に対応できる。
【0107】
このようにして発電造水プラントを運転すれば、排ガスボイラ9とダクト燃焼器31の使用材料の制約を守りながら、部分負荷運転時の発電効率を向上させることにより年間トータルの燃料消費量を低減することができる。また、自動化により誤操作の可能性がなくなり、信頼性が高くなる。
【0108】
本発明の第5の実施形態を図11により説明する。
【0109】
ここでは、図4乃至図6のいずれかの発電造水プラントを対象にして述べる。
【0110】
第5の実施形態では、図4乃至図6のいずれかに示す発電造水複合プラントにおいて、全てのガスタービン1に接続した発電機12にガスタービン発電機用電力計58を設置し、また、蒸気タービン11からダンプコンデンサ16に流入するタービン排気蒸気13の余剰蒸気量を計測する流量計70を設置し、さらに全てのダクト燃焼器31の出口に温度計69を設置する。
【0111】
さらに、図示していないが蒸気タービン11に接続した発電機12及び全てのガスタービンに接続した発電機12で発電した電力から、ポンプ53等により発電造水複合プラント内で消費する電力を差引いた送電端電力値を計測する送電端電力計を設ける。計測したガスタービン用発電機12の電力値の全てと送電端電力値及び余剰蒸気量30と全てのダクト燃焼器31の出口温度値68は、図11の制御器59に入力される。
【0112】
この制御器59は、ガスタービン1に対して発停信号を与えるとともに、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63及びダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を予め図9から得られるガスタービン運転負荷率の特性に基づいて制御するものである。
【0113】
次にこの制御器59による発電造水複合プラントの運転について述べる。
【0114】
造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、製造される淡水量を調節するように別途制御する。製造される淡水量を増やしたい場合は開度をより大きく、減らしたい場合は開度をより小さくする。
【0115】
この制御を実施しながら、まずガスタービン1の運転台数が、所望発電量が実現でき、かつ、排ガスボイラ9に設置した全てのダクト燃焼器31の出口温度が許容温度以下になる最小台数になるように、制御器59からガスタービン1への発停信号を出す。この時、ダクト燃焼器31の出口温度は、予め図9に示した特性から得られた値を用いて制御するが、ガスタービン1の特性は経年劣化したり、大気の気温、湿度、圧力が変化したりすると、その値と実際に計測しているダクト燃焼器31の出口温度値の差が大きくなる。
【0116】
そこで、ダクト燃焼器31の出口温度値が許容温度以上になった場合は、ガスタービン1の運転台数として、所望発電量が実現でき、かつ、実測している全てのダクト燃焼器31の出口温度値が許容温度以下になる最小台数になるように、制御器59からガスタービン1への発停信号を出す。
【0117】
これにより、最小台数のガスタービン1のみ運転し、他のガスタービンは停止させ、運転していないガスタービン1の燃焼排ガス8が流れる排ガスボイラ9への給水弁54のみ閉じる。
【0118】
そして、制御器59にて、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となるガスタービン運転負荷率になるように全てのガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御し、全てのガスタービン1の燃焼量を調節する。
【0119】
ガスタービン運転負荷率は予め、図3に示した特性から得られており、各ガスタービン1に関して、ガスタービン用発電機12の電力値が、定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように各ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。
【0120】
その上で、送電端電力値が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度を制御して、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。この時、実測しているダクト燃焼器31の出口温度値が許容温度以上にならないことを監視し、許容温度以上になった場合は、ガスタービン1の最小台数の決定ルーチンから、やり直す。
【0121】
仮に短時間の微量の淡水需要増加があった場合は、熱源用蒸気流量調整弁52の開度を大きくすれば、所定許容値までの値であった余剰蒸気量30が減り、熱源用蒸気71の流量を増やすことができる。また、発電造水複合プラント自体の内部の変動にも、同様に対応できる。
【0122】
造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度は、前記のように製造淡水量から制御しなくても、造水設備熱源用蒸気71の流量値と温度値と圧力値を計測し、熱源用蒸気71のエンタルピを算出し、淡水需要分を造水するのに必要なエンタルピ値と等しくなるように制御してもよい。
【0123】
また、造水設備熱源用蒸気71の圧力値は大きく変化しないとして、流量値と温度値のみから造水設備熱源用蒸気71の熱量を算出して、淡水需要分を造水するのに必要な熱量値と等しくなればよいとして、開度を制御してもよい。
【0124】
さらに、季節や時間帯などの期間に応じて造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を定めておき、運転してもよい。
【0125】
前記ではガスタービン用発電機12の電力値を監視しながらガスタービン燃料7の流量を調節しているが、ガスタービン1の特性に基づき、運転負荷率の目標値に対応するガスタービン燃料7の流量を算出し、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御してもよい。
【0126】
さらに、前記では送電端電力値を監視しながら所望発電量に合うようにダクト燃焼器燃料25の流量を調節しているが、発電造水複合プラントの特性に基づき、所望発電量に対応するダクト燃焼器燃料25の流量を算出し、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度を制御してもよい。
【0127】
さらに、ガスタービン1とダクト燃焼器31の燃焼量はそれぞれガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の流量で制御しなくても、燃焼用空気6の流量調節などといった他の方法を用いてもよい。
【0128】
図4乃至図6では、ガスタービン1が3台で、蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0129】
このようにして発電造水プラントを運転すれば、排ガスボイラ9とダクト燃焼器31の使用材料の制約を守りながら、部分負荷時の発電効率を向上させることにより年間トータルの燃料消費量を低減することができる。また自動化により誤操作の可能性がなくなり、信頼性が高くなる。
【0130】
本発明の第6の実施形態を図12により説明する。
【0131】
図12において、図8と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。
【0132】
第6の実施形態では、図12に示すように造水設備14を例えば多段フラッシュ式または多段効用式とする。また排ガスボイラ9から抽気した抽気蒸気18の全部あるいは一部をエジェクタ用抽気蒸気(第1の抽気蒸気)56として、造水設備14内のエジェクタ19に導く。
【0133】
このエジェクタ19を用いて造水設備14の淡水化ライン内部を減圧し、低圧化により海水33の蒸発を促進する。通過したエジェクタ用抽気蒸気56は濃縮海水17と共に海に排出する。海に排出されたエジェクタ用抽気蒸気56に相当する水は、ダンプコンデンサ16にて補給水44として補給する。
【0134】
そして、余剰蒸気量30がゼロから所定許容値の間となる運転負荷率にして、発電造水複合プラントを運転する。この場合、排ガスボイラ9が製造した蒸気の全てが造水設備用熱源用蒸気71になるわけではないが、ガスタービン運転負荷率が変化してもエジェクタ用抽気蒸気56の流量は大きく変化しないので、図3、図7、図9と同じ特性曲線を描くため、前述した第1乃至第5の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0135】
また、図13に示すような排ガスボイラ9の燃焼排ガス8の流れ方向に2台のダクト燃焼器31が設置された構成にしてもよい。
【0136】
図12及び図13では、ガスタービン1が3台で、これら3台全ての抽気蒸気18をエジェクタ用抽気蒸気56として造水設備14に導く配管構成になっているが、1台又は2台のガスタービン1の抽気蒸気18の全部あるいは一部をエジェクタ用抽気蒸気56として造水設備14に導く配管構成にしてもよい。
【0137】
本発明の第7の実施形態を図14により説明する。
【0138】
図14において、図12と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。
【0139】
既設の造水設備14に新規のコンバインドサイクル発電設備を接続するときなど、タービン排気蒸気13が造水設備14への必要蒸気圧力より低い場合がある。
【0140】
そこで、本実施形態では、図14に示すように排ガスボイラ9から抽気した抽気蒸気18の全部あるいは一部をサーマルコンプレッサ用抽気蒸気(第2の抽気蒸気)57としてサーマルコンプレッサ23の主流流路に流し、タービン排出蒸気13の一部を喉部から流入させ、これらを合流させた造水設備熱源用蒸気71を造水設備14へ流入するようにしたものである。
【0141】
このようにすれば、サーマルコンプレッサ23により昇圧されたタービン排気蒸気13の一部と、サーマルコンプレッサ用抽気蒸気57が合流し、造水設備熱源用蒸気71になって造水設備14に流れることで、淡水化の熱源として使用できる。
【0142】
この場合、蒸気タービン11から排出されない抽気蒸気18が、造水設備用熱源用蒸気71の一部になるが、ガスタービン運転負荷率が変化してもサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57の流量は大きく変化しないので、図3,図7及び図9と同じ特性曲線を描くため、前述した第1の実施形態乃至第7の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0143】
図14ではガスタービン1が3台で、これら3台全ての抽気蒸気18をサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57として造水設備14に導く配管構成になっているが、1台又は2台のガスタービン1の抽気蒸気18の全部あるいは一部をサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57として造水設備14に導く配管構成にしてもよい。
【0144】
本発明の第8の実施形態を図15により説明する。
【0145】
図15において、図12と同一部品には同一不号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について述べる。
【0146】
第8の実施形態では、排ガスボイラ9から抽気した抽気蒸気18の全部あるいは一部を造水設備熱源追加用抽気蒸気(第3の抽出蒸気)34として流し、蒸気タービン11のタービン排気蒸気13と混合する配管を設けるとともに、この配管に造水設備熱源追加用抽気蒸気流量弁42を設け、造水設備熱源追加用抽気蒸気58をタービン排気蒸気13と合流させ、造水設備熱源用蒸気71として造水設備14に流入させる構成とするものである。すなわち、造水設備熱源追加用抽気蒸気58の分だけ、造水設備14の熱源が増える。
【0147】
通常は第1の実施形態及び第2の実施形態に示す制御を実施しながら運転している発電造水複合プラントにおいて、所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は、造水設備熱源追加用抽気蒸気流量弁42を開き、造水設備熱源用蒸気71を所望造水量が実現できるのに過不足ない流量にし、ガスタービン運転負荷率を所望発電量が実現できる値にして運転する。
【0148】
この場合、配管に設けた造水設備熱源追加用抽気蒸気流量調整弁42の開度を調節することにより、造水設備14への熱源用蒸気71が不足する場合も過不足なしにでき、この時、余剰蒸気量30はゼロである。
【0149】
ここで、コンバインドサイクルの発電効率29と造水設備熱源用抽気蒸気58を、図9に点線で追加した特性図を図16に示す。
【0150】
このような構成としたときの発電効率と造水設備熱源用抽気蒸気58の流量は、それぞれ発電効率45と抽気蒸気量46である。
【0151】
同時にガスタービン運転負荷率を、所望発電量が実現できる値とする。よって、所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は、造水設備熱源追加用抽気蒸気流量弁42を開き、造水設備熱源用蒸気71を所望造水量が実現できるのに過不足ない流量にし、かつガスタービン運転負荷率として所望発電量を実現できる値にして運転する。
【0152】
この造水設備熱源用抽気蒸気34によりガスタービン1の運転可能なガスタービン運転負荷率の範囲は拡大するが、蒸気タービン11への蒸気量が減少するので発電効率29は、抽気蒸気18がない時の最高効率より低くなる。拡大した運転負荷率は範囲47である。ダクト燃焼器31の出口温度27は運転負荷率が高いほど低いので、この運転切換により許容値以上になることはない。
【0153】
図15ではガスタービン1が3台で、これら3台全ての抽気蒸気18の全部あるいは一部を造水設備熱源追加用抽気蒸気34として造水設備14に導く配管構成になっているが、1台又は2台のガスタービン1の抽気蒸気18を造水設備14に導く配管構成にしてもよい。
【0154】
本発明の第9の実施形態を図16及び図17により説明する。
【0155】
ここでは、図15の発電造水プラントを対象にして述べる。
【0156】
第9の実施形態では、図15に示す発電造水複合プラントにおいて、全てのガスタービン1に接続した発電機12にガスタービン発電機用電力計58を設置し、また、蒸気タービン11からダンプコンデンサ16に流入するタービン排気蒸気13の余剰蒸気量を計測する流量計70を設置する。
【0157】
さらに、図示していないが蒸気タービン11に接続した発電機12及び全てのガスタービン1に接続した発電機12で発電した電力から、ポンプ53等により発電造水複合プラント内で消費する電力を差引いた送電端電力値を計測する送電端電力計を設ける。
【0158】
これらガスタービン発電機用電力計58、流量計70及び送電端電力計でそれぞれ計測されたガスタービン用発電機電力値74と送電端電力値60及び余剰蒸気量30、さらに造水設備14から製造淡水量値76を、図17の制御器59に入力する。
【0159】
この制御器59は、ガスタービン1に対して発停信号66を与えるとともに、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度63及びダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を予め図3から得られるガスタービン運転負荷率の特性に基づいて制御し、また所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は造水設備熱源追加用蒸気流量調整弁42の開度67を調整するものである。
【0160】
次にこの制御器59による発電造水複合プラントの運転について述べる。
【0161】
発電造水複合プラントにおいて、通常は第1の実施形態乃至第3の実施形態で述べた制御を実施しながら運転しているとき、所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は、以下のように運転する。
【0162】
製造淡水量値76が所望造水量になるように、造水設備熱源追加用蒸気流量調整弁43の開度67を調整し、造水設備熱源用蒸気流量71を増加させながら、ガスタービン運転負荷率が所望発電量を実現できる値になるように全てのガスタービン燃料流量調整弁50の開度63を制御し、全てのガスタービン1の燃焼量を調節する。
【0163】
ガスタービン運転負荷率は、予め図3に示した特性から得られており、各ガスタービン1に関してガスタービン用発電機電力値74の値が、定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように、各ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。その上で送電端電力値60が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を制御して、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。
【0164】
造水設備熱源追加用蒸気流量調整弁42の開度67は、前記のように製造淡水量値76から制御しなくても、造水設備熱源用蒸気71の流量値と温度値と圧力値を計測し、造水設備熱源用蒸気71のエンタルピを算出し、淡水需要分を造水するのに必要なエンタルピ値と等しくなるように制御してもよい。
【0165】
また、造水設備熱源用蒸気71の圧力値は大きく変化しないとして、流量値と温度値のみから造水設備熱源用蒸気71の熱量を算出して、淡水需要分を造水するのに必要な熱量値と等しくなればよいとして、開度を制御してもよい。
【0166】
さらに、季節や時間帯などの期間に応じて造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を定めておき、運転してもよい。
【0167】
前記ではガスタービン用発電機の電力値74を監視しながらガスタービン燃料7の流量を調節しているが、ガスタービン1の特性に基づき、運転負荷率の目標値に対応するガスタービン燃料7の流量を算出し、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御してもよい。
【0168】
さらに、前記では送電端電力値60を監視しながら所望発電量に合うようにダクト燃焼器31の燃料の流量を調節しているが、発電造水複合プラントの特性に基づき、所望発電量に対応するダクト燃焼器燃料25の流量を算出し、ダクト燃焼器燃料流量調整弁31の開度64を制御してもよい。
【0169】
また、ガスタービン1とダクト燃焼器31の燃焼量はそれぞれガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の流量で制御しなくても、燃焼用空気6の流量調節などといった他の方法を用いてもよい。
【0170】
図15では、ガスタービン1が3台で、蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0171】
次に本発明による発電造水複合プラントの第10の実施形態を図14により説明する。
【0172】
図14の構成は前述しているので、その説明は省略し、ここでは所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合の運転方法について述べる。
【0173】
図14に示すような発電造水複合プラントにおいて、通常は第1の実施形態乃至第3の実施形態で述べた制御を実施しながら運転しているとき、所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は、サーマルコンプレッサ用抽気蒸気流量弁62を開き、サーマルコンプレッサ用抽気蒸気57の流量を増やす。
【0174】
すると、サーマルコンプレッサ23の喉部から吸込まれる蒸気タービン排出蒸気13の一部の流量も増加する。サーマルコンプレッサ23に吸込まれる蒸気タービン排出蒸気13の一部とサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57の合計である造水設備熱源用蒸気71は増える。
【0175】
これにより、造水設備熱源用蒸気71を所望造水量が実現できるのに過不足ない流量にし、ガスタービン運転負荷率を所望発電量が実現できる値にして運転する。ダクト燃焼器出口温度は運転負荷率が高いほど低いので、この運転切換により許容値以上になることはない。
【0176】
図14ではガスタービン1が3台で、これら3台全ての抽気蒸気18の全部あるいは一部をサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57として造水設備14に導く配管構成になっているが、1台又は2台のガスタービン1の抽気蒸気18を造水設備14に導く配管構成にしてもよい。
【0177】
図14では、ガスタービン1が3台で、蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0178】
次に本発明による発電造水複合プラントの第11の実施形態を図14、図16及び図17により説明する。
【0179】
図14に示す発電造水複合プラントにおいて、全てのガスタービン1に接続した発電機12にガスタービン発電機用電力計58を設置し、余剰蒸気量30を計測する流量計70を設置する。図示していないが、蒸気タービン11に接続した発電機12を含む全ての発電機12で発電した電力から、ポンプ53等により発電造水複合プラント24内で消費する電力を差引いた送電端電力値60を計測する送電端電力計を設ける。
【0180】
計測したガスタービン用発電機電力値76の全てと送電端電力値60と余剰蒸気量30は、図17の制御器59に入力される。さらに、造水設備14から製造淡水量値76が、制御器59に入力される。
【0181】
図14に示すような発電造水複合プラントにおいて、通常は第1の実施形態乃至第3の実施形態で述べた制御を実施しながら運転しているとき、所望発電量が変わらず、短時間だけ所望造水量が増加した場合は、以下のように運転する。なお、図17において、造水設備熱源追加用蒸気流量調整弁43の開度67をサーマルコンプレッサ用蒸気流量調整弁62の開度77として述べる。
【0182】
製造淡水量値76が所望造水量になるように、サーマルコンプレッサ用蒸気流量調整弁62の開度77を調整する。この開度77を大きくすると、サーマルコンプレッサ用抽気蒸気57が増え、サーマルコンプレッサ23の喉部から吸込まれる蒸気タービン排出蒸気13の一部の流量も増加するので、造水設備熱源用蒸気71は増える。
【0183】
造水設備熱源用蒸気流量71を増加させながら、ガスタービン運転負荷率が所望発電量を実現できる値になるように全てのガスタービン燃料流量調整弁50の開度63を制御し、全てのガスタービン1の燃焼量を調節する。ガスタービン運転負荷率は、予め図3に示した特性から得られており、各ガスタービン1に関してガスタービン用発電機電力値76の値が、定格発電電力値に運転負荷率を掛合わせた値になるように、各ガスタービン1のガスタービン燃焼量を調節する。その上で送電端電力値60が所望の発電量になるように、ダクト燃焼器燃料流量調整弁51の開度64を制御して、ダクト燃焼器31の助燃量を調節する。
【0184】
サーマルコンプレッサ用蒸気流量調整弁62の開度77は、前記のように製造淡水量値76から制御しなくても、造水設備熱源用蒸気71の流量値と温度値と圧力値を計測し、熱源用蒸気71のエンタルピを算出し、淡水需要分を造水するのに必要なエンタルピ値と等しくなるように制御してもよい。
【0185】
また、造水設備熱源用蒸気71の圧力値は大きく変化しないとして、流量値と温度値のみから造水設備熱源用蒸気71の熱量を算出して、淡水需要分を造水するのに必要な熱量値と等しくなればよいとして、造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を制御してもよい。
【0186】
さらに、季節や時間帯などの期間に応じて造水設備熱源用蒸気流量調整弁52の開度を定めておき、運転してもよい。
【0187】
前記ではガスタービン用発電機12の電力値を監視しながらガスタービン燃料7の流量を調節しているが、ガスタービン1の特性に基づき、運転負荷率の目標値に対応するガスタービン燃料7の流量を算出し、ガスタービン燃料流量調整弁50の開度を制御してもよい。
【0188】
さらに、前記では送電端電力値60を監視しながら所望発電量に合うようにダクト燃焼器31の燃料の流量を調節しているが、発電造水複合プラントの特性に基づき、所望発電量に対応するダクト燃焼器燃料25の流量を算出し、ダクト燃焼器燃料流量調整弁31の開度64を制御してもよい。
【0189】
また、ガスタービン1とダクト燃焼器31の燃焼量はそれぞれガスタービン燃料7とダクト燃焼器燃料25の流量で制御しなくても、燃焼用空気6の流量調節などといった他の方法を用いてもよい。
【0190】
図14ではガスタービン1が3台で、これら3台全ての抽気蒸気18の全部あるいは一部をサーマルコンプレッサ用抽気蒸気57として造水設備14に導く配管構成になっているが、1台または2台のガスタービン1の抽気蒸気18を造水設備14に導く配管構成にしてもよい。
【0191】
図14では、ガスタービン1が3台で、蒸気タービン11と造水設備14がそれぞれ1台の場合について示したが、これらの構成機器の台数としては何台であってもよい。
【0192】
前述した第1乃至第11の実施形態では、造水設備14において、海水から淡水を製造する場合について説明したが、海水に代えて排水(汚水)を造水設備14に導入することにより、同様の方法で排水(汚水)から濃縮水と浄水を製造することができる。
【0193】
この場合、造水設備14は排水浄化装置として使用され、また冷却用海水の代わりに河川水等を冷却水として使用してもよい。
【0194】
このようにすれば、排水(汚水)を浄水にすることができるため、排水処理が可能になるとともに、製造した浄水を有効活用することができる。
【符号の説明】
【0195】
1…ガスタービン、2…圧縮機、3…燃焼器、4…膨張機、6…燃焼用空気、7…ガスタービン燃料、8…燃焼排ガス、9…排ガスボイラ、10…蒸気、11…蒸気タービン、12…発電機、13…タービン排気蒸気、14…造水設備、15…余剰蒸気、16…ダンプコンデンサ、17…濃縮塩水、18…抽気蒸気、19…エジェクタ、21…造水設備出口水、22…ダンプコンデンサ出口水、23…サーマルコンプレッサ、25…ダクト燃焼器燃料、26…淡水、27…ダクト燃焼器出口温度、29…コンバインドサイクルの発電効率、30…余剰蒸気量、31…ダクト燃焼器、32…給水、33…海水、34…造水設備熱源追加用抽気蒸気、35…冷却用海水、38…ガスタービン多台数時の発電効率、39…ガスタービン少台数時の発電効率、40…ガスタービン多台数時の余剰蒸気量、41…ガスタービン少台数時の余剰蒸気量、42…造水設備熱源追加用抽気蒸気流量調整弁、43…排気、44…補給水、50…ガスタービン燃料流量調整弁、51…ダクト燃焼器燃料流量調整弁、52…造水設備熱源用蒸気流量調整弁、53…ポンプ、54…給水弁、55…温度計、56…エジェクタ用抽気蒸気、57…サーマルコンプレッサ用抽気蒸気、58…ガスタービン用発電機電力計、59…制御器、60…送電端電力値、61…エジェクタ用抽気蒸気流量調整弁、62…サーマルコンプレッサ用抽気蒸気流量調整弁、63…ガスタービン燃料流量調整弁開度、64…ダクト燃焼器燃料流量調整弁開度、65…造水設備熱源用蒸気流量調整弁開度、66…ガスタービンとポンプの発停信号、67…造水設備熱源追加用抽気蒸気流量調整弁開度、69…温度計、70…流量計、73…送電端電力計、74…ガスタービン用発電機電力値。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンと、ダクト燃焼器を具備し且つ前記ガスタービンから導入される排ガスの熱により給水を加熱して蒸気を発生させる排ガスボイラと、この排ガスボイラで発生した蒸気を作動流体として稼動させる蒸気タービンとを備えたコンバインドサイクル発電設備に、前記蒸気タービンの排出蒸気を熱源として利用して淡水を製造する造水設備を接続し、前記ガスタービンの運転負荷率と、前記ダクト燃焼器の燃焼量を調節し、発電量と淡水量を共に予め定められた値となるようにする運転を実施する発電造水複合プラントの運転方法において、前記ガスタービンを、前記蒸気タービンの排出蒸気の内、前記造水設備に使用しない余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率で運転することを特徴とした発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項2】
請求項1記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記造水設備で使用しない蒸気の流量を計測して余剰蒸気量を求め、この余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる前記ガスタービンの運転負荷率になるように前記ガスタービンの燃焼量、前記ダクト燃焼器の燃焼量及び前記造水設備に熱源として利用する前記蒸気の流量をそれぞれ制御することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項3】
複数台数の同じガスタービンと、ダクト燃焼器を具備し且つ前記ガスタービンから導入される排ガスの熱により給水を加熱して蒸気を発生させる排ガスボイラと、この排ガスボイラで発生した蒸気を作動流体とする蒸気タービンとを備えたコンバインドサイクル発電設備に、前記蒸気タービンの排出蒸気を熱源として利用して淡水を製造する造水設備を接続し、前記ガスタービンの運転台数及び運転負荷率と、前記ダクト燃焼器の燃焼量を調節し、発電量と淡水量を共に予め定められた値となるようにする運転を実施する発電造水複合プラントの運転方法において、前記ガスタービンの運転台数を、全台を最高効率で運転することで目標発電量が実現できる最小台数とし、且つ前記ガスタービンを、前記蒸気タービンの排出蒸気の内、前記造水設備に使用しない余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率で運転することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項4】
請求項3に記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記ガスタービンの運転台数は、目標発電量が実現でき且つ前記ダクト燃焼器の全ての出口温度が予め定められた値以下となる最小台数であることを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項5】
請求項3又は請求項4記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記造水設備で使用しない蒸気の流量を計測して余剰蒸気量を求め、この余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる前記ガスタービンの運転負荷率になるように前記ガスタービンの運転台数と燃焼量、前記ダクト燃焼器の燃焼量及び前記造水設備に熱源として利用する前記蒸気の流量をそれぞれ制御することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記造水設備で使用しない蒸気の流量及び前記ダクト燃焼器の出口温度をそれぞれ計測し、このダクト燃焼器の出口温度の計測値をもとに前記タービンの運転台数を前記ダクト燃焼器の全ての出口温度が予め定められた値以下となる最小台数に制御し、且つ造水設備で使用しない蒸気流量の測定値をもとに、余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる前記ガスタービンの運転負荷率になるように前記ガスタービンの燃焼量、前記ダクト燃焼器の燃焼量及び前記造水設備に熱源として利用する前記蒸気の流量を制御することを特徴とした発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記排ガスボイラの内部から抽気した第1の抽気蒸気をエジェクタの作動流体として流通させ、前記エジェクタにより前記造水設備の淡水ライン内部の減圧を行うことを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記排ガスボイラの内部から抽気した第2の抽気蒸気をサーマルコンプレッサの作動流体として流通させ、前記蒸気タービンの排出蒸気を前記サーマルコンプレッサにより昇圧してから、前記造水設備に供給することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記排ガスボイラの内部から抽気した第3の抽気蒸気を前記蒸気タービンの排気蒸気と混合する配管を設け、前記第3の抽気蒸気を造水設備に用いる熱源として供給し、且つ前記ガスタービンの運転負荷率を目標発電量が実現できる値にする運転に切換可能にしたことを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項10】
請求項9記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記造水設備に熱源として利用する前記蒸気の流量が予め定められた造水量の製造に対して不足しないように、前記第3の抽気蒸気の流量を制御しながら、前記ガスタービンの運転台数と燃焼量及び前記ダクト燃焼器の燃焼量をそれぞれ制御することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項11】
請求項8記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記サーマルコンプレッサへ流入する前記第2の抽気蒸気の流量を増やし、且つ前記ガスタービンの運転負荷率を目標発電量が実現できる値にする運転に切換可能にしたことを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項12】
請求項11記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記造水設備で熱源として利用する前記蒸気の流量が、予め定められた造水量の製造に対して不足しないように前記第2の抽気蒸気の流量を制御しながら、前記ガスタービンの運転台数及び燃焼量と、前記ダクト燃焼器の燃焼量を制御することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項13】
少なくとも1台のガスタービンと、ダクト燃焼器を具備し且つ前記ガスタービンから導入される排ガスの熱により給水を加熱して蒸気を発生させる排ガスボイラと、この排ガスボイラで発生した蒸気を作動流体として稼動させる蒸気タービンとを備えたコンバインドサイクル発電設備に、前記蒸気タービンの排出蒸気を熱源として利用して淡水を製造する造水設備を接続し、前記ガスタービンの運転負荷率と、前記ダクト燃焼器の燃焼量を調節し、発電量と淡水量を共に予め定められた値となるようにする運転を実施する運転装置を備えた発電造水複合プラントにおいて、前記運転装置は、前記ガスタービンにより駆動される発電機の電力を計測するガスタービン発電機用電力計と、前記蒸気タービンから造水設備に流入するタービン排気蒸気の余剰蒸気量を計測する流量計と、蒸気タービン用発電機及びガスタービン用発電機で発電した電力から、プラント内の機器運転で消費する電力を差引いた送電端電力値を計測する送電端電力計と、これら各計測機器により計測された電力値及び余剰蒸気量が入力され、前記ガスタービンの運転負荷率が前記蒸気タービンの排出蒸気の内、前記造水設備に使用しない蒸気の流量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率になるように前記ガスタービンに供給される燃料流量及び排ガスボイラに具備するダクト燃焼器に供給される燃料流量を制御する制御手段とからなることを特徴とする発電造水複合プラント。
【請求項1】
ガスタービンと、ダクト燃焼器を具備し且つ前記ガスタービンから導入される排ガスの熱により給水を加熱して蒸気を発生させる排ガスボイラと、この排ガスボイラで発生した蒸気を作動流体として稼動させる蒸気タービンとを備えたコンバインドサイクル発電設備に、前記蒸気タービンの排出蒸気を熱源として利用して淡水を製造する造水設備を接続し、前記ガスタービンの運転負荷率と、前記ダクト燃焼器の燃焼量を調節し、発電量と淡水量を共に予め定められた値となるようにする運転を実施する発電造水複合プラントの運転方法において、前記ガスタービンを、前記蒸気タービンの排出蒸気の内、前記造水設備に使用しない余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率で運転することを特徴とした発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項2】
請求項1記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記造水設備で使用しない蒸気の流量を計測して余剰蒸気量を求め、この余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる前記ガスタービンの運転負荷率になるように前記ガスタービンの燃焼量、前記ダクト燃焼器の燃焼量及び前記造水設備に熱源として利用する前記蒸気の流量をそれぞれ制御することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項3】
複数台数の同じガスタービンと、ダクト燃焼器を具備し且つ前記ガスタービンから導入される排ガスの熱により給水を加熱して蒸気を発生させる排ガスボイラと、この排ガスボイラで発生した蒸気を作動流体とする蒸気タービンとを備えたコンバインドサイクル発電設備に、前記蒸気タービンの排出蒸気を熱源として利用して淡水を製造する造水設備を接続し、前記ガスタービンの運転台数及び運転負荷率と、前記ダクト燃焼器の燃焼量を調節し、発電量と淡水量を共に予め定められた値となるようにする運転を実施する発電造水複合プラントの運転方法において、前記ガスタービンの運転台数を、全台を最高効率で運転することで目標発電量が実現できる最小台数とし、且つ前記ガスタービンを、前記蒸気タービンの排出蒸気の内、前記造水設備に使用しない余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率で運転することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項4】
請求項3に記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記ガスタービンの運転台数は、目標発電量が実現でき且つ前記ダクト燃焼器の全ての出口温度が予め定められた値以下となる最小台数であることを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項5】
請求項3又は請求項4記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記造水設備で使用しない蒸気の流量を計測して余剰蒸気量を求め、この余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる前記ガスタービンの運転負荷率になるように前記ガスタービンの運転台数と燃焼量、前記ダクト燃焼器の燃焼量及び前記造水設備に熱源として利用する前記蒸気の流量をそれぞれ制御することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記造水設備で使用しない蒸気の流量及び前記ダクト燃焼器の出口温度をそれぞれ計測し、このダクト燃焼器の出口温度の計測値をもとに前記タービンの運転台数を前記ダクト燃焼器の全ての出口温度が予め定められた値以下となる最小台数に制御し、且つ造水設備で使用しない蒸気流量の測定値をもとに、余剰蒸気量がゼロから予め定められた値までの間となる前記ガスタービンの運転負荷率になるように前記ガスタービンの燃焼量、前記ダクト燃焼器の燃焼量及び前記造水設備に熱源として利用する前記蒸気の流量を制御することを特徴とした発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記排ガスボイラの内部から抽気した第1の抽気蒸気をエジェクタの作動流体として流通させ、前記エジェクタにより前記造水設備の淡水ライン内部の減圧を行うことを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記排ガスボイラの内部から抽気した第2の抽気蒸気をサーマルコンプレッサの作動流体として流通させ、前記蒸気タービンの排出蒸気を前記サーマルコンプレッサにより昇圧してから、前記造水設備に供給することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記排ガスボイラの内部から抽気した第3の抽気蒸気を前記蒸気タービンの排気蒸気と混合する配管を設け、前記第3の抽気蒸気を造水設備に用いる熱源として供給し、且つ前記ガスタービンの運転負荷率を目標発電量が実現できる値にする運転に切換可能にしたことを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項10】
請求項9記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記造水設備に熱源として利用する前記蒸気の流量が予め定められた造水量の製造に対して不足しないように、前記第3の抽気蒸気の流量を制御しながら、前記ガスタービンの運転台数と燃焼量及び前記ダクト燃焼器の燃焼量をそれぞれ制御することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項11】
請求項8記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記サーマルコンプレッサへ流入する前記第2の抽気蒸気の流量を増やし、且つ前記ガスタービンの運転負荷率を目標発電量が実現できる値にする運転に切換可能にしたことを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項12】
請求項11記載の発電造水複合プラントの運転方法において、前記造水設備で熱源として利用する前記蒸気の流量が、予め定められた造水量の製造に対して不足しないように前記第2の抽気蒸気の流量を制御しながら、前記ガスタービンの運転台数及び燃焼量と、前記ダクト燃焼器の燃焼量を制御することを特徴とする発電造水複合プラントの運転方法。
【請求項13】
少なくとも1台のガスタービンと、ダクト燃焼器を具備し且つ前記ガスタービンから導入される排ガスの熱により給水を加熱して蒸気を発生させる排ガスボイラと、この排ガスボイラで発生した蒸気を作動流体として稼動させる蒸気タービンとを備えたコンバインドサイクル発電設備に、前記蒸気タービンの排出蒸気を熱源として利用して淡水を製造する造水設備を接続し、前記ガスタービンの運転負荷率と、前記ダクト燃焼器の燃焼量を調節し、発電量と淡水量を共に予め定められた値となるようにする運転を実施する運転装置を備えた発電造水複合プラントにおいて、前記運転装置は、前記ガスタービンにより駆動される発電機の電力を計測するガスタービン発電機用電力計と、前記蒸気タービンから造水設備に流入するタービン排気蒸気の余剰蒸気量を計測する流量計と、蒸気タービン用発電機及びガスタービン用発電機で発電した電力から、プラント内の機器運転で消費する電力を差引いた送電端電力値を計測する送電端電力計と、これら各計測機器により計測された電力値及び余剰蒸気量が入力され、前記ガスタービンの運転負荷率が前記蒸気タービンの排出蒸気の内、前記造水設備に使用しない蒸気の流量がゼロから予め定められた値までの間となる運転負荷率になるように前記ガスタービンに供給される燃料流量及び排ガスボイラに具備するダクト燃焼器に供給される燃料流量を制御する制御手段とからなることを特徴とする発電造水複合プラント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−226489(P2011−226489A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133048(P2011−133048)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【分割の表示】特願2006−33590(P2006−33590)の分割
【原出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【分割の表示】特願2006−33590(P2006−33590)の分割
【原出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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