説明

白金アクリジン抗癌化合物とその製造方法

癌に対して他のシスプラチン化合物より大きな有効性を示す、アクリジン含有シスプラチン化合物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年10月24日に出願された米国仮出願第61/108,317号、及び2009年5月15日に出願された米国仮出願第61/178,836号について、35USC§§119(e)、363と371に基づく優先権を主張し、両方の全内容は参照により全体が包含される。
【0002】
連邦政府の委託研究又は開発に関する声明
本出願に開示される本発明のいくつかの態様は、R01 CA 101880(NIH/NCI)が後援した。したがって、連邦政府は本出願に一定の権利を有する。
【0003】
本発明は、特定の癌の種類に対して、試験管内及び生体内で増加した効力と有効性を示す、新規白金含有化合物に関するものである。
【背景技術】
【0004】
シスプラチンは、抗腫瘍作用を有する無機白金剤(シス−ジアミンジクロロ白金又はシスDDP)であり、DNA内のGCリッチ部位のような求核グループと結合する、極めて反応性に富む、電荷を有する、白金複合体を形成して、DNA−タンパク質クロスリンクだけでなく、DNAストランド内とストランド間とのクロスリンクを誘発する。これらのクロスリンクは、アポトーシス及び細胞成長阻害をもたらす。
【0005】
DNAと何らかの白金配位化合物の形成は、細胞障害性(つまり、細胞致死)活性に十分ではない。シスプラチン(すなわち、トランスDDP)の対応するトランス異性体も、DNAと配位化合物を形成するが、シスプラチンとは異なり、トランスDDPは効果的な化学療法剤ではない。
【0006】
シスプラチンは、肺癌、精巣癌、卵巣癌、様々な頭頚部癌及びリンパ腫患者に対して効果的であることが示されている。しかし、より大きな効力及びより少ない毒性を有するより良い薬剤が、常に要求される。さらに、シスプラチンが効果的でない特定の癌の種類がある。
【0007】
以前、医療従事者は癌を治療するために、併用療法においてシスプラチンを使用していた。しかしながら、薬物が一緒に作用して、相乗作用、又は少なくとも付加的な効果を生むことを期待したが、癌を治療することは難しいことが分かった。さらに、シスプラチンによる併用療法は付加効果が見られないだけでなく、併用療法に起因する他の有害な副作用がしばしばあった。たとえ併用療法に存在する副作用が最小にされるとしても、コストと時間が掛かることが分かる。
【0008】
いくつかの併用療法は、特定の種類の癌に対していくぶん効果的であることが判明した。使用された具体例は、病状が末期的な大腸癌患者を治療するための、シスプラチンと5−フルオロウラシルとの組み合わせである。ある研究において、9人の患者中3人の腫瘍は、それぞれ異なる時間をかけて、大きさが50%以上減少した。しかし、シスプラチンだけは、第1相臨床試験において、大腸癌に対する効果がなかった。
【0009】
おそらく最も深刻な欠点である、白金薬剤に対する耐性は、性格上多因子性であり、それは内在する抵抗機序を回避することができる化合物の設計を難しくする。特定の腫瘍が白金治療後の耐性を獲得する傾向がある一方で、他の型の病気は本質的に化学療法抵抗性である。例えば、世界中で癌関連の死亡率の主な原因である非小細胞肺癌(NSCLC)は、第1世代の白金ベースの薬剤を含む、古典的な細胞障害性薬物での治療に、無反応であることで悪名高い。疾患の予後が不良であるにもかかわらず、非白金薬剤と組み合わせたシスプラチン(又はより有毒でないカルボプラチン)を含む二剤処方計画(dual−agent regimens)は、進行したNSCLC患者のための、現在唯一の治療の選択肢である。この粛然たる事実は、浸襲性の癌と戦うための新規なケモタイプ(chemotype)の差し迫った必要性を示す。
【0010】
細胞のシスプラチンの取り込み
シスプラチンは一般的に、滅菌塩化ナトリウム食塩水溶液として、癌患者に静脈内投与で投与される。一旦シスプラチンが血流にあるならば、比較的高い塩化物イオンの濃度(〜100mM)により、シスプラチンは無傷のままであると考えられている。中性の化合物は、受動的拡散又は能動的取り込みのいずれかによって細胞に入ると考えられる。細胞中で、中性のシスプラチン分子は加水分解し、そこで塩素リガンドは水分子と置換されて、正に荷電した種を産生する。加水分解は細胞で起こる。何故なら、塩化物イオンの濃度が、3〜20mMの範囲と、ずっと低いからである。
【0011】
以下の反応は、細胞内で起こるプロセスについての仮定される機序である:
[PtII(NHCl]+HO→[PtII(NHCl(HO)]+Cl
[PtII(NHCl(HO)]+HO→[PtII(NH(HO)2++Cl
【0012】
シスプラチンは、プリン塩基上で主にN7窒素を介してDNAと配位すると考えられる。通常、これらの窒素原子(特に、プリンのN7原子)はシスプラチンに自由に配位することができる。何故なら、これらは、他のどのDNA塩基とも水素結合を形成しないからである。
【0013】
多くの種類のシスプラチンDNA配位複合体又は付加物が、形成され得る。これらで最も重要なものは、シスプラチンの2つの塩素リガンドがプリン窒素原子によってDNAの同じ鎖の隣接した塩基に置換されたものである様に見え、これらの複合体は、1,2−ストランド内付加物と呼ばれる。最も一般的にこれらの付加に関与するプリン塩基はグアニンであるが、一つのグアニンと一つのアデニンとを含む付加も発生すると考えられる。通常、これらの付加物の形成は、プリンのデスタック、及びDNA螺旋がねじれる原因になる。
【0014】
結合が、DNA修理の機序だけでなく、DNAの複製と転写に影響を及ぼすと仮定される。シスプラチン及びトランス白金の両方のDNA複製に対する効果は、試験管内(宿主生物外の細胞抽出物を用いる)、及び生体内(宿主生物内)で研究された。機序は、すべてのポリメラーゼがDNAを(例えば、複製、及び転写)処理するのを停止する、シスプラチンとDNAの間の1,2ストランド内付加物を引き起こすと考えられる。
【0015】
既知の白金化合物に対する腫瘍抵抗性の問題を解決するために、DNAを損傷する、古典的なクロスリンカーとは根本的に異なる様式で、他の白金化合物を開発する必要がある。新しい型の細胞障害性病変は、細胞DNA修理機構を避けるか、及び/又はゲノムレベルの別の機序で癌細胞死を誘発し得る。
【0016】
臨床的クロスリンキング薬剤とは異なり、単官能基白金がグアニン又はアデニンと結合することと、及び化合物のある部分が白金結合の部位に隣接した塩基対ステップへと挿入することの二重機序でDNAを損傷する化合物を開発することが、望ましい。したがって、シスプラチンの作用を模倣しない化合物を開発することも、望ましい。
【0017】
あるいは、固形腫瘍の幅広い範囲で、試験管内で、現在利用できる治療薬と類似の、又はそれ以上の強い細胞障害性効果を示す化合物を開発することが、望ましい。異なる遺伝子的背景のNSCLC細胞株に対して効果的であることを示す化合物を開発することが、望ましい。修飾は、リンカー配置、金属中心上の反応に関与しない配位子(spectator ligand)、及び/又は分子の挿入部分について行うことができる。
【0018】
本発明は、これまで観測されていない生物活性を導く、独特の生命錯体化学を用いた、様々な型の癌の治療に劇的な効果を有する、従来のものに代わる白金系化合物の草分け的な発見を開示する。さらに、本発明の新規に設計された化合物は、生体内で先天的抵抗型の癌の進行を減速することができる、ハイブリッド型薬剤の最初の例である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の化合物は、臨床白金剤と異なり、DNAクロスリンクを誘発しない、白金結合/挿入の二本立てのDNA結合剤である。本発明の化合物は、H460非小細胞肺癌(NSCLC)細胞における有効性、白血病に対する有効性、及び異種移植モデルでの効果的な腫瘍増殖阻害を含む、いくつかの異なる癌の型における、大幅に強化された細胞傷害性につながる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、ヌードマウスに異種移植された、H460 NSCLCの腫瘍に対する14b(本発明の化合物)の効果を示す。無処置の対照動物(白い四角)、及び計画A(黒三角)と計画B(黒丸)に従って処置したマウスについて、成長曲線を示した。
【図2】図2は、選択した原子をラベルした、本発明の化合物の1つのX線構造から導かれる分子構造を示す。
【図3】図3は、HのNMR分光法によってモニターされた、37℃での、11(比較の化合物)(丸)、及び14a(本発明の化合物)(三角)と、モノヌクレオチド5’−GMPとの反応の進行を示す。差し込み図は、モニターされた反応のスキームを示す。プロットされたデータは、2つの実験の平均である。
【図4】図4は、制限酵素切断阻害アッセイによってモニターされた11(比較の化合物)、及び14a(本発明の化合物)のDNA結合効率を示す。図4(A)は、EcoRI制限部位をハイライトした、40塩基対プローブの配列を示す。星印は、放射性ラベルを意味する。図4(B,C)は、それぞれ、11(比較の化合物)又は14a(本発明の化合物)と共に、37℃、薬剤対ヌクレオチド比が0.1で、表示した時間間隔でインキュベートされたDNAの酵素消化についての、変性ポリアクリルアミドゲルを示す。「未切断」及び「切断」とラベルしたレーンは、夫々未消化の又は消化された、非白金化40merについての対照である。「f.−l.」とラベルされたバンドは全長型であり、及び「cl」とラベルされたバンドは切断された18ヌクレオチド断片である。電気泳動分離(図示せず)の前のNaCNの混合物への添加と同時に消える、中間の移動度のバンドを「cl」とラベルし、白金修飾された切断物に帰属された。図4(D)は、全長型ついて密度的にに測定された相対的な積分バンド強度(任意の単位)に基づく、白丸によって示される11(比較の化合物)、及び黒丸によって示される14a(本発明の化合物)によるDNA損傷の結果としての、EcoRI阻害の経時変化を示す。プロットされたデータは、各々の複合体についての3つの個々の実験の平均±S.D.を示す。
【図5】図5は、11(比較の化合物)、14a(本発明の化合物)、及びシスプラチンに起因するDNA損傷の検出のためのDNAポリメラーゼ阻害検査法を示す。図5(A)は、核酸塩基の白金化の結果として生じる、Taq DNAポリメラーゼによるプライマー伸張の阻害を示している、シークエンシングゲルのホスホロイメージ(phosphorimage)を示す。レーン配置(左から右に):未処置の損傷対照(ct);白金修飾された鋳型(底部)鎖上の配列を与える、T、A、G、及びCジデオキシ配列レーン、ここで、ゲルの上から下にかけて、5’から3’と読む;鋳型鎖上で11(比較の化合物)、14a(本発明の化合物)、及びシスプラチン(cp)によって形成された付加物によるTaq pol阻害下でのPCR産物を示すレーン。星印と矢印は、シスプラチン及び複合体14a(本発明の化合物)の特徴的な停止部位をそれぞれ示す。図5(B)は、下線で示したシスプラチンの特徴的な損傷部位を含む221塩基対の制限断片の配列と、太字及び斜体で示した、複合体14a(本発明の化合物)に標的とされる配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
白金薬剤に対する腫瘍耐性の問題を解決するために、古典的なクロスリンカーとは根本的に異なるDNAに損傷を与える薬剤を、設計した。本明細書中に開示される化合物のアプローチの背後にある論理的根拠は、新しい型の細胞障害性損傷が細胞DNA修理機構を回避するか、及び/又はゲノムレベルでの別の機序で癌細胞死を誘発し得ることである。プロトタイプ[PtCl(en)(ACRAMTU−S)](NO (1)(“PT−ACRAMTU”;en=エチレンジアミン、ACRAMTU=1−[2−(アクリジン−9−イルアミノ)エチル]−1,3−ジメチルチオ尿素)によって表わされる、白金アクリジニルチオ尿素接合体(conjugate)は、この目標に向けて設計された、陽イオン性DNA標的型複合型薬剤のクラスである。臨床的クロスリンキング薬剤とは異なり(そして、提案された機序に束縛されることなく)、本発明の化合物は、単官能基白金がグアニン又はアデニンと結合することと、及び化合物のある部分が白金結合の部位に隣接した塩基対ステップへと挿入することの二重機序で、DNAを損傷する。これらの付加物とこれらがDNA内で生じる構造上の混乱(perturbation)は、シスプラチンのそれを模倣しない。このように、本発明の化合物は、伝統的なシスプラチン化合物が効果的でない、特定の癌に対して効果的である。このように、本発明の態様において、本発明の化合物と、例えばより伝統的な第一世代のシスプラチン化合物及びこれらの誘導体などの異なる機序で作用する化合物と共に使用することを含む、併用療法を使用することができることが企図され、したがって、発明の範囲内である。他の併用療法が、当業者に既知の、及び/又は以下で開示及び説明される化合物を用いて企図される。
【0022】
その荷電特性及びDNAクロスリンクの非誘導可能性、シスプラチン型複合体における抗腫瘍活性の古典的な化学的必要条件に背いている2つの特徴にも拘らず、本発明の化合物は、固形腫瘍の幅広い範囲で、試験管内で、現在利用できる治療薬と類似の、又はそれ以上の強い細胞障害性効果を示す。チオ尿素誘導体化合物の細胞障害性は、生体内で腫瘍成長の阻害に転換されなかった。この矛盾は、臨床的に役に立つ抗腫瘍活性を与えられる類似体を生み出す最終目標を掲げる、いくつかの構造−活性関係(SAR)研究を促進した。修飾は、リンカー配置、金属中心上の反応に関与しない配位子、及び/又は分子の挿入部分に対して行われた。しかし、いずれの誘導体もチオ尿素アクリジン化合物に勝る大きな利点を示さず、そして、いくつかの修飾は化合物の水溶解度を低下させた。鋭意研究した結果、1つの化学修飾は、生体錯体化学、及びこの型の接合体の生物活性において劇的な効果を示す:すなわち、金属とインタカレーター部分を連結しているドナー原子としてのチオ尿素硫黄のアミジン窒素への置換である。新規に設計されたアミジン化合物は、生体内で先天的抵抗型の癌の進行を減速することができるこの型のハイブリッド薬剤の最初の例である。
【0023】
本発明は、癌を治療するのに用いられることができる複数の化合物を開示する。これらのアクリジン含有白金化合物は、他の白金含有化合物では治療することができない、特に病原性癌株に対して効果的であることが示された。
【0024】
1つの態様において、本発明の範囲内である化合物は、化学式Iによって定義される。
【化1】

ここで、Xはハロゲン、−OC(O)R、ニトレート、又はスルフェートであり、
及びRはアミノ基であり、もしくはそれらが結合している白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3であり、又は、R及びRは一緒に以下の官能基a〜hのいずれかであることができ、又はR及びRは独立してi〜mのいずれかであることができ、
【化2】

ここでAはH,−CH,−OCH、CF、又はNOであり、
13は独立してC〜Cアルキルであり、
は−N(R)−であり、ここでRは水素又はC〜Cアルキルであり、
は独立して、アミノ、ニトロ、−NHC(O)(R10)、−C(O)NHR10、又はハロゲンであり、
10は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
qは0、1、又は2であり、
は直接結合、−NH−、又はC〜Cアルキレンであり、
又は、R及びXは、それらが結合している原子と一緒に6又は7員環を形成し、ここで前記6又は7員環は、連結基−C(O)O−又は−OC(O)−を有し、
は、水素、メチル、又は−C(O)O−Rであり、ここで、
は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、もしくはアダマンチル、又は天然型もしくは非天然型アミノ酸もしくはペプチドであり、
は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチル、天然型又は非天然型アミノ酸又はペプチドであり、
Yは、C〜Cアルキレンであり、そして、
Zは、前記化合物の電荷の平衡を保つのに十分な1つ以上の対イオンである。
【0025】
別の態様において、本発明の化合物は、化学式IIの化合物を含む:
【化3】

ここで、Xはハロゲン、−OC(O)R、ニトレート、又はスルフェートであり、
及びRはアミノ基であり、もしくはそれらが結合している白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3であり、又は、R及びRは一緒に以下の官能基a〜hのいずれかであることができ、又はR及びRは独立してi〜mのいずれかであることができ、
【化4】

ここでAはH、−CH、−OCH、CF、又はNOであり、
13は、独立してC〜Cアルキルであり、
は−N(R)−であり、ここでRは水素又はC〜Cアルキルであり、
は独立して、アミノ、ニトロ、−NHC(O)(R10)、−C(O)NHR10、又はハロゲンであり、
10は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
qは0、1、又は2であり、
は直接結合、−NH−、又はC〜Cアルキレンであり、
又は、R及びXは、それらが結合している原子と一緒に6又は7員環を形成し、ここで前記6又は7員環は、連結基−C(O)O−又は−OC(O)−を有し、
は、水素、メチル、又は−C(O)O−Rであり、ここで、
は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、もしくはアダマンチル、又は天然型もしくは非天然型アミノ酸もしくはペプチドであり、
は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルである。
【0026】
更なる態様において、本発明は、化学式IIIの化合物を対象とする:
【化5】

ここで、
及びRはアミノ基であり、もしくはそれらが結合している白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3であり、又は、R及びRは一緒に以下の官能基a〜hのいずれかであることができ、又はR及びRは独立して以下の官能基i〜mのいずれかであることができ、
【化6】

ここでAはH,−CH、−OCH、CF、又はNOであり、
13は独立してC〜Cアルキルであり、
は−N(R)−であり、ここでRは水素又はC〜Cアルキルであり、
は独立して、アミノ、ニトロ、−NHC(O)(R10)、−C(O)NHR10、又はハロゲンであり、
10は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
qは0、1、又は2であり、
は直接結合、−NH−、又はC〜Cアルキレンであり、
又は、R及びXは、それらが結合している原子と一緒に6又は7員環を形成し、ここで前記6又は7員環は、連結基−C(O)O−又は−OC(O)−を有し、
は、水素、メチル、又は−C(O)O−Rであり、ここで、
は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、もしくはアダマンチル、又は天然型もしくは非天然型アミノ酸もしくはペプチドであり、
は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルである。
【0027】
〜Cアルキレンは、直鎖型及び分枝型アルキレン部分を意味する。例えばC〜Cアルキレン、及びC〜Cアルキルは、メチレン、メチル、エチレン、エチル、プロピレン、プロピル、イソプロピレン、イソプロピル、ブチレン、ブチル、イソブチレン、イソブチル、t−ブチレン、t−ブチル、及び他の類似の官能基をそれぞれ含むが、これらに限定されない。さらに、化学式の一部としてRを有するすべての化学式では、R基とそれに付加するR基は、1〜7の炭素原子、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、及び他の類似した部分を有する、任意の直鎖型又は分枝型アルキル基を形成することができる。
【0028】
天然型及び非天然型アミノ酸は、天然にコードされる21のアミノ酸ならびにこれらのアミノ酸の誘導体を含む。これらは、アラニン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アルギニン、プロリン、セリン、トレオニン、セレノシステイン、バリン、トリプトファン、チロシン、ジメチルグリシン、オルニチン、S−アデノシルメチオニン、カナバニン、ミモシン、5−ヒドロキシトリプトファン、L−ジヒドロキシフェニルアラニン、エフロルニチン、2−アミノイソ酪酸、ランチオニン、及びピロリジンを含む。一態様において、天然型及び非天然型アミノ酸は、ジメチルグリシン、アラニン、フェニルアラニン、及びプロリンを含む。
【0029】
ペプチドは、2〜10merの上記のアミノ酸の任意の組み合わせを意味し、任意の二つ組、三つ組、その他を含む。
【0030】
天然型及び非天然型アミノ酸は、アミノ基又はカルボキシレート部分のいずれかによって結合することができる。
【0031】
他の双性イオンの機能性物質が上記のアミノ酸の代わりに使われることができることが考えられ、したがって、発明の範囲内である。
【0032】
態様のバリエーションにおいて、本発明の化合物は、実施例1(これが化合物14bと同じ化合物である点に注意する)を含む。
【化7】

【0033】
態様のバリエーションにおいて、本発明の化合物は、実施例2(これが化合物14aと同じ化合物である点に注意する)を含む。
【化8】

【0034】
一般的な調製方法:
N−(アクリジン−9−イル)−N’−メチルエタン−1,2−ジアミン(「9−アクリジン-アミン」)は、本発明の化合物を製造するのに用いることができる共通の前駆体である。
【化9】

【0035】
白金前駆体の塩素配位子は、プロピオニトリル(EtCN)で置換することができる。その後、1当量の9−アクリジン−アミンは、金属活性化されたCN三重結合に対する付加反応を通して白金アミジン接合体を産生するために、中間体に添加される。PT−ACRAMTU類似体の合成については、他の硝酸等価物をモノカチオニック硝酸塩に添加して、PT− ACRAMTUの二硝酸塩を模倣することができる。
【0036】
本発明の化合物を製造するための一般的な合成方法論、及び一般的な手順を、スキーム1に示す。
【化10】

【化11】

【0037】
スキーム1の上部は、アクリジニル白金化合物のシス及びトランス異性体の混合物を生成するための、合成スキームのための方法開発を示す。下の合成スキームは、主たる製品としてアクリジニル白金化合物のシス異性体を生成するために白金部分にアクリジニル部分を組み合わせる合成方法を示す。
【0038】
スキーム1の上部の合成プロセスでは、テトラクロロ白金化合物Iaは、エチルニトリルで処理されて、ビスシスクロビスN−結合型プロピニル化合物3aを生成する。アクリジニル置換基による処理は、アクリジニル白金化合物のトランス及びシス(ビスクロロ)異性体の混合物を生成する(化合物4aと5a)。
【0039】
また、スキーム1の下側の合成スキームでは、出発原料は、シスプラチナのアクリジニル化合物6bcの合成を可能にする別の配位子を有するビスシスクロロ白金化合物である。この合成プロセスでは、ビスシスクロロ白金出発化合物1bcを、プロピオニトリル化合物2bcと反応させて、シスモノクロロモノN−結合プロピオニトリル化合物4bcを生成する。化合物4bcをその後、アクリジニル化合物と反応させて、アクリジニル白金5bcを生成し、それは亜硝酸の存在下で行われる場合には、化合物6bcで表されるシスアクリジニル白金塩が結果として得られる。
【0040】
スキーム2では、6−又は7−員環を有する化合物26を如何に製造するかが示されている。スキーム2では、ビスシスクロロ白金化合物から開始して、1つの等価物を用いてモノニトリルのエステル化合物23を生成する。モノニトリルのエステル化合物23に、ジアミノアクリジン基を付加して、化合物24を生成する。酸による処置は、化合物25で示すように対応する酸官能性を与える。最後に、化合物26で示すような、6員環のラクトン環を生成するために、環化が起こる。
【0041】
通常、本発明の化合物を生成するために、上記の合成スキームに従うことができる。1つの態様において、合成スキームは、化学式1の化合物を生成するのに用いることができる:
【化12】

ここで、Xはハロゲン、−OC(O)R、ニトレート、又はスルフェートであり、
及びRはアミノ基であり、もしくはそれらが結合している白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3であり、又は、R及びRは一緒に以下の官能基a〜hのいずれかであることができ、又はR及びRは独立して以下の官能基i〜mのいずれかであることができ、
【化13】

ここでAはH、−CH、−OCH、CF、又はNOであり、
13は独立してC〜Cアルキルであり、
は−N(R)−であり、ここでRは水素又はC〜Cアルキルであり、
は独立して、アミノ、ニトロ、−NHC(O)(R10)、−C(O)NHR10、又はハロゲンであり、
10は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
qは0、1、又は2であり、
は直接結合、−NH−、又はC〜Cアルキレンであり、
又は、R及びXは、それらが結合している原子と一緒に6又は7員環を形成し、ここで前記6又は7員環は、連結基−C(O)O−又は−OC(O)−を有し、
は、水素、メチル、又は−C(O)O−Rであり、ここで、
は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、もしくはアダマンチル、又は天然型もしくは非天然型アミノ酸もしくはペプチドであり、
は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
YはC〜Cアルキレンであり、そして、
Zは、前記化合物の電荷の平衡を保つのに十分な1つ以上の対イオンである。
【0042】
この態様のバリエーションに、以下の置換体を、以下の通りに独立して表し得る:
は−N(R)−であり得、
Yは−CH−であり得、
前記R及びRがアミノ基であり、又は前記R及びRが結合している前記白金原子と一緒に−NH−CH−NH−であり得、
対イオンZがNOを含み、
は、−NH−、又は−CH−であり得、
又は、R及びXは、それらが結合している原子と一緒に6又は7員環を形成し、ここで前記6又は7員環は、連結基−C(O)O−又は−OC(O)−を有し、
は、水素、メチル、又は−C(O)O−Rであり、ここで、
は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、もしくはアダマンチル、又は天然型もしくは非天然型アミノ酸もしくはペプチドであり、
は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、そして、
は水素又はメチルであり得る。
【0043】
バリエーションにおいて、一般的な合成スキームを、実施例1として示される化合物を生成するために用いることができる:
【化14】

【0044】
別のバリエーションにおいて、上記の一般的な合成スキームを、実施例2である化合物を生成するために用いることができる:
【化15】

【0045】
一態様において、本発明の化合物を、癌を治療するのに用いることができる。このように、一態様において、治療を必要とする患者に、有効量の化学式Iの化合物を投与することを含む癌を治療する方法は、本発明の範囲内である。バリエーションにおいて、癌を治療する方法は、白血病、肺癌、精巣癌、卵巣癌、様々な頭頸部癌、及びリンパ腫患者を含む。更なるバリエーションにおいて、癌を治療する方法は、白血病を含む。更なるバリエーションにおいて、癌を治療する方法は、非小細胞肺癌を含む。更なるバリエーションにおいて、癌を治療する方法は、シスプラチン耐性卵巣癌を含む。
【実施例】
【0046】
実施例の合成及び特性評価
実施例1及び2(化合物14b及び14a)を製造する合成手順は、下記のスキーム3で示され、下記において詳細に記載される。
【化16】

【0047】
合成及び生成物の特性評価。
標的化合物及び中間体のH NMRスペクトルは、それぞれ500及び300MHzで動作する機器であるBruker Advance 300及びDRX−500で記録した。13C NMRスペクトルは、75.5MHzで動作する機器であるBruker Advance300上で記録した。化学シフト(δ)は、DO中のサンプルについて、内部標準トリメチルシラン(TMS)、又は3−(トリメチルシリル)−L−プロパンスルホン酸ナトリウム塩(DSS)に対する100万分の1(ppm)で与えられる。195Pt NMRスペクトルは、107.5MHzで、Bruker DRX−500MHz分光計上で記録した。水性K[PtCl]を外部標準として使用し、そして195Pt化学シフトは[PtCl2−に対して報告された。標的化合物(実施例1及び実施例2)は、Bruker DRX−500MHzの分光計に記録されたCOSY勾配、H検出勾配HMQC及びHMBCスペクトルによって、完全に特徴づけられた。基本的な分析は、Quantitative Technologies Inc(Madison,NJ.)によって実行された。特記しない限り、すべての試薬は、さらに精製することなく、商業的供給源から得た状態で使用された。溶媒は、使用前に乾燥され、そして蒸留された。
【0048】
複合体13aの合成(スキーム3より)。
黄色の懸濁液が無色の溶液(〜2時間)に変わるまで、複合物[PtCl(en)](200mg、0.613mmol)は、プロピオニトリル(2.7mL、過剰)と希HCl(pH4)中で加熱還流された。溶媒を回転蒸発によって除去し、そして淡黄色の残渣を乾燥メタノール7mlに溶解した。溶液をシリンジフィルターに通過させ、無色のろ液を、激しく攪拌されている乾燥ジエチルエーテル140ml中に直接添加し、濾別し、そして真空中で乾燥させることにより、オフホワイト微結晶沈殿物として13aを得た。収量:210mg(90%)。H NMR(DO)δ2.88(2H,q,J=7.5Hz),2.64(4H,m),1.30(3H,t,J=7.5Hz)。13C−{H}NMR(DO)δ122.9,48.7,48.4,12.3,9.2.195Pt NMR(DO)δ−2711。Anal.(C13ClPt)C,H,N。
【0049】
複合体13bの合成(スキーム3より)。
この前駆体を、[PtCl(NH](300mg、1mmol)及びプロピオニトリル(4.2mL)から始まる13aと同様に合成された。収量:295mg(83%)。H NMR(DO)δ2.89(2H,q,J=7.5Hz),1.31(3H,t,J=7.5Hz。13{H}NMR(DO)δ121.9,12.3,9.2。195Pt NMR(DO)δ−2467。Anal.(C11ClPt)C,H,N。
【0050】
15N−enを含む複合体13a’と14a’(同位体濃縮13aと14a)を、[PtCl2(15N−EN)]から開始して合成した。13a’:H NMR(MeOH−d):δ6.11及び5.86(2H,dのt,Clに対してトランス位のNHJ(H−15N)=75Hz,J(H−H)=5.3Hz),6.01及び5.76(2H,dのt,Nに対してトランス位のNHJ(H−15N)=75Hz,J(H−H)=5.2Hz),2.93(2H,q,J=7.6Hz),2.57(4H,m),1.33(3H,t,J=7.5Hz)。14a’:H NMR(DMF−d)δ13.92(1H,s),9.90(1H,s),8.70(2H,d,J=8.6Hz),8.07(4H,m,オーバーラップ),7.63(2H,t,J=6.8Hz),6.26(NH,1H,s),5.82及び5.53(2H,dのt,Clに対してトランス位のNHJ(H−15N)=74.5Hz,J(H−H)=5.0Hz及び5.1Hz),5.47(2H,dのt,Nに対してトランス位のNHJ(H−15N)=75Hz,J(H−H)=5.1Hz),4.51(2H,t,J=6.3Hz),4.10(2H,t,J=6.7Hz),3.21(3H,s),3.12(2H,q,J=7.4Hz),2.68(4H,s),1.33(3H,t,J=7.5 Hz)。
【0051】
複合体14aの合成(スキーム3より)。
前駆体複合体13a(170mg、0.45mmol)を、無水DMF10ml中での硝酸銀(75mg、0.44mmol)との反応により、その硝酸塩に変換した。AgClをろ過して取り除き、そして、ろ液を−10℃まで冷やした。N−(アクリジン−9−イル)−N’−メチルエタン−1,2−ジアミン(117mg、0.47mmol)を溶液に添加し、それが橙赤色の溶液(〜7時間)になるまで懸濁液を攪拌した。反応混合物を冷ジクロロメタン200mlに滴下し、得られた黄色スラリーを30分間激しく攪拌した。沈殿物を膜ろ過により回収し、一晩真空乾燥し、そして1モル当量のHNOを含むメタノール40mlに溶解した。回転蒸発によって溶媒を除去した後、粗生成物を、熱エタノールから再結晶して、微結晶性固体として14aを得た。収量:169mg(52%)。H NMR(DMF−d)δ13.92(1H,s),9.90(1H,s),8.70(2H,d,J=8.6Hz),8.07(4H,overl m),7.63(2H,t,J=6.8Hz),5.78(2H,s),5.48(2H,s),4.51(2H,t,J=6.3Hz),4.10(2H,t,J=6.7Hz),3.21(3H,s),3.12(2H,q,J=7.4Hz),2.68(4H,s),1.33(3H,t,J=7.5Hz)。13C−{H}NMR(DMF−d)δ170.4,159.0,140.6,135.7,128.2,124.3,119.4,113.5,50.1,49.4,49.2,47.5,28.0,11.4。195Pt NMR(DMF−d)δ−2494。UV/Vis(HO):λmax413,ε=10571。Anal.(C2131ClNPt−HO)C,H,N。
【0052】
複合体14bの合成(スキーム3より)
この類似体は、293mg(0.83mmol)の13b、132mg(0.79mmol)の硝酸銀、及び197mg(0.79mmol)のN−(アクリジン−9−イル)−N’−メチルエタン−1,2−ジアミンから始まる14aについて記載されたようにして調製された。収量:315mg(57%)。H ΝMR(DMF−d)δ13.93(1H,s),9.92(1H,s),8.68(2H,d,J=8.6Hz),8.03(4H,overl m),7.62(t,J=7.2Hz),6.27(1H,s),4.53(3H,s),4.49(2H,t,J=6.8Hz),4.16(3H,s),4.10(2H,t,J=6.3Hz),3.20(3H,s),3.15(2H,q,J=7.6Hz),1.33(3H,t,J=7.5Hz)。13C−{H}NMR(DMF−d)δ170.3,159.3,140.8,135.9,126.5,124.5,119.6,113.6,50.8,47.8,28.3,11.5。195Pt ΝMR(DMF−d)δ−2264。UV/Vis(HO):λmax413,ε=9224。Anal.(C1929ClNPt−2.5HO)C,H,N。
【0053】
NMR分光法。
一連の実験のNMRスペクトルを、三重共鳴ブロードバンド逆プローブ及び温度可変装置を備えたBruker500 DRX分光器で、37℃で収集した。反応は、2mMの複合体、及び6mMの5’−GMP(10mMリン酸緩衝液、DO、pH6.8)を含む、5mmのNMR管中で行った。1−DH動力学の実験は、可変遅延リストを用いた、標準Bruker配置2−D実験として実施した。インクリメント1−Dスペクトルが全く同様に処理され、そして適切な信号が統合された。データは、XWINNMR 3.6(Bruker,Ettlingen,Germany)で処理した。各時点における白金錯体の濃度は、プロトンの緩和の違いを考慮して複数の信号を平均した、相対ピーク強度から推定し、そして、データはOrigin 7(OriginLab,Northampton,MA)を用いて方程式y=A x e−x/t(A=1及びt−1= kobs)に適合させた。2−D HMQC実験も、実行した。
【0054】
試験管内の制限酵素切断アッセイ。
40塩基対DNA断片の順鎖及び逆鎖は、IDT Inc.(Coralville、IA)によって合成され、そしてHPLC精製された。順鎖は、反応緩衝液(10mM Tris−HCl,pH 7.5,50mM NaCl)中で相補鎖アニーリングする前に、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(EPICENTRE Biotechnologies,Madison,WI)及び[γ−32P]ATP(Amersham Biosciences,Piscataway,NJ)を用いて放射性標識した。接合体11及び14aは、薬剤対ヌクレオチド比0.1で、標識したプローブと37℃でインキュベートし、そして混合物から種々の時点で回収したサンプルは、チオ尿素(薬物の5倍濃度)で、4℃で30分間処理した。未修飾及び薬物修飾されたDNAのサンプルは、60単位のEcoRI(New England Biolabs,Beverly,MA)と37℃で40分間、製造供給元が提供した酵素用緩衝液内で反応させた。消化又は消化されなかった断片は、ポリアクリルアミドゲル(12%アクリルアミド、8M尿素)上で分離され、BioRad Quantity One software(version 4.4.1)を用いて、BioRad FX−Pro Plus phosphorimager上で、定量した。
【0055】
DNAポリメラーゼ阻害アッセイ。
プラスミドpSP73からの221塩基対のNdel/Hpal制限断片を、PCR増幅によって生成し、そして刊行されたプロトコルに従って精製した。(Guddneppanavar et al、2007)。適切量のDNA(10μg/50μL)を、複合体11、14A、及びシスプラチンと共に、薬物対ヌクレオチド比0.0075で、10mMのTris−HCl(pH8.0)中で、37℃で24時間インキュベートした。他のすべての操作と、このアッセイの実験条件は、以前に最適化されたプロトコル(Guddneppanavaret al. 2007)から採用され、それはプライマーの5’末端標識、Taqポリメラーゼ(Promega,Madison,WI)を用いるダイデオキシシークエンシング及びフットプリンティング反応のPCRプロトコル、並びにゲル電気泳動及び情報管理を含む。
【0056】
細胞障害性アッセイ。
細胞毒性の研究を、Celltiter96水性非放射性細胞増殖アッセイキット(Promega,Madison,WI)を使用して、標準プロトコル(Guddneppanavar et al.2006)に従って実施した。11、14a、及び14bのストック溶液を、リン酸緩衝食塩水(PBS)中で調製し、癌細胞とのインキュベーションの前に、段階的に培地で希釈した。IC50値は、GraphPad Prism(GraphPad Software,La Jolla,CA)中のシグモイド用量反応式を用いた、非線形曲線適合から計算した。
【0057】
癌の治療/生体内での異種移植片の研究。
H460異種移植片を、両側的な皮下注射を通して、雌の無胸腺ヌードマウスで確立した。平均腫瘍体積が約100mmのときに、治療を開始した。担癌マウスは、腫瘍体積に応じて、それぞれ5匹の試験動物の3つのグループに無作為化された:1つのグループには、賦型剤のみを与え、1つのグループは、0.1mg/kg5d/w x 2で治療し(A)、そして1つのグループは0.5mg/kg q4d x 3で治療した(B)。初回投与が投与された後に、動物の重量及び腫瘍体積を測定し、17日間記録した。腫瘍体積を、次の式を用いて決定した:V(mm)=d x D/2、ここでd及びDはそれぞれ、腫瘍の最短と最長寸法であり、各試験動物の両方の腫瘍の合計として報告されている。研究の終了時に、すべての動物を、標準作業手順(SOP)に従って安楽死させ、そして処分した。成長曲線の統計的分析を、SAS Proc Mixed(SAS Institute Inc.,Cary,NC)中の非線形多項式ランダム係数モデルを用いて行なった。
【0058】
本発明の化合物の、ヒト白血病細胞株HL−60、及び非小細胞肺癌細胞株NCI−H460における細胞毒性効果を検討した。細胞増殖アッセイの結果を、以下の表Iに要約する。
【表1】

*細胞増殖アッセイで測定される、細胞生存度を50%減らす化合物の濃度。細胞は、72時間、薬物とインキュベートした。数値は、4つの実験の平均値±平均値の標準誤差である。
【0059】
表1から分かるように、HL−60において、本発明の化合物は、マイクロモルの範囲にあったIC50値に基づく活性を示した。全ての本発明の化合物は、H460細胞株に対して非常に良好な活性を示した。化合物11を、下に示す。
【化17】

【0060】
化合物14bの抗腫瘍活性を、無胸腺ヌードマウスに移植したH460両側性腫瘍に対して評価した。複合体14bを、この研究のために選択した。何故なら、複合体14bは14aよりも生物学的な培地に幾分可溶性であったからである。複合体14bは、次の投与計画に従って、腹腔内(IP)に投与した:(A)0.1mg/kg、週5日、2週間連続(5d/w x 2)、及び(B)0.5 mg/kg、3回分を、4日間の間隔で与える(q4d x 3)。治療群及び未処理の対照動物の両方で記録された腫瘍の体積は、図1において、治療の日数に対してプロットされている。研究の終了時に、対照動物、A及びBの計画に従って治療された動物について腫瘍は、それぞれ1834±160、1798±309及び1102±319mm(平均±SEM)と測定された。これらのデータに基づき、低用量治療(A)は、腫瘍の成長に効果がなかった。しかしながら、化合物14bの最大耐量(MTD)に近い高用量(B)での治療は、対照群と比較して、腫瘍の成長速度を顕著に遅くし(P<0.01)、40%の平均最終腫瘍体積の減少につながった。
【0061】
図1は、ヌードマウスに異種移植されたH460 NSCLC腫瘍に対する14bの効果を示す。成長曲線を、未治療対照動物(白四角)、スケジュールAに従って治療したマウス(黒三角)、スケジュールBに従って治療したマウス(黒丸)について示す。腫瘍体積の測定は0日目に開始し、そして治療は4日目に開始した。各データポイントは、5つの腫瘍体積の平均値±SEMを表す。
【0062】
複合体14a及び14bは、H460 NSCLC細胞においで非常に細胞毒性がある。これらは、ナノモル濃度範囲で、同様の効力でH460細胞増殖を阻害する、非常に限られた薬剤のうちの2つであることがわかった。シスプラチンは、H460細胞において一般的にマイクロモルの範囲のIC50値を有し、本発明の非古典的な化合物よりも少なくとも20倍効力が低い。H460細胞における本発明の化合物の高い細胞殺害能力は、顕著な抗腫瘍活性に転換する。これは、対応する腫瘍の異種移植片における化合物14bについて実証され、該薬剤はMTDに近い致死用量で腫瘍の成長を鈍化させた。化合物14bの高い細胞毒性能力は、腹腔内投与した場合、一般にシスプラチンに適用されるものよりも桁違いに低い用量で許容されているという事実によって説明される。本発明の新規化合物は、生体内でかなりの抗腫瘍効果を出すために高い薬物の用量を必要とする、「古典的」な一官能性錯体cis−[Pt(NH(ピリジン)Cl]に比べて、大幅に改善した細胞傷害能を示す。
【0063】
本発明の実施例において、化学式Iの化合物が企図される。
【化18】

ここで、Xはハロゲン、−OC(O)R、ニトレート、又はスルフェートであり、
及びRはアミノ基であり、又はそれらが結合している前記白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3であり、
は−N(R)−であり、ここでRは水素又はC〜Cアルキルであり、
は独立して、アミノ、ニトロ、−NHC(O)(R10)、−C(O)NHR10、又はハロゲンであり、
10は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
qは0、1、又は2であり、
は直接結合、−NH−、又はC〜Cアルキレンであり、
又は、R及びXは、それらが結合している原子と一緒に6又は7員環を形成し、ここで前記6又は7員環は、連結基−C(O)O−又は−OC(O)−を有し、
は、水素、メチル、又は−C(O)O−Rであり、ここで、
は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、もしくはアダマンチル、又は天然型もしくは非天然型アミノ酸もしくはペプチドであり、
は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
YはC〜Cアルキレンであり、そして、
Zは、前記化合物の電荷の平衡を保つのに十分な1つ以上の対イオンである。
【0064】
一態様において、本発明は、化学式Iの化合物の使用によって治療を必要とする個人の癌を治療する方法を開示する。
【0065】
バリエーションにおいて、本発明の化合物は、癌、中皮腫(mesothioloma)、膀胱癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部又は頸部の癌、皮膚又は眼内黒色腫、卵巣癌、乳癌、子宮癌、卵管の癌、子宮内膜の癌、子宮頸部の癌、膣の癌、外陰部の癌、骨癌、卵巣癌、子宮頸癌、大腸癌、直腸癌、肛門部の癌、胃癌、消化管(胃、大腸、十二指腸)、慢性リンパ性白血病、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺の癌、副甲状腺の癌、副腎のがん、軟部組織の肉腫、尿道癌、陰茎の癌、精巣癌、肝細胞癌(肝臓及び胆管(billiary duct))、原発性又は続発性の中枢神経系腫瘍、原発性又は続発性の脳腫瘍、ホジキン病、慢性又は急性の白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、リンパ芽球性白血病、濾胞性リンパ腫、T−細胞又はB細胞起源のリンパ系腫瘍、黒色腫、多発性骨髄腫、口腔癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、小細胞肺がん、腎臓や尿管の癌、腎細胞癌、腎盂の癌、中枢神経系の腫瘍、原発性中枢神経系リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、副腎皮質癌、胆嚢癌、脾臓の癌、胆管細胞癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽腫(retinoblasitoma)、又はこれらの組み合わせなどの、異常な細胞増殖及び/又は調節不全アポトーシスの疾患を治療するために使用することができる。
【0066】
さらなるバリエーションにおいて、本発明の化合物は、患者の中皮腫、膀胱癌、膵癌、皮膚癌、頭部又は頸部の癌、皮膚又は眼内の黒色腫、卵巣癌、乳癌、子宮癌、輸卵管の癌、子宮内膜の癌、子宮頸部の癌、膣の癌、外陰部の癌、骨癌、卵巣癌、子宮頸癌、大腸癌、直腸癌、肛門部の癌、胃癌、消化器系(大腸、胃、及び十二指腸)、慢性リンパ性白血病、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺の癌、副甲状腺の癌、副腎の癌、軟組織の肉腫、尿道癌、陰茎の癌、精巣癌、肝細胞癌(肝臓及び胆管)、原発性又は続発性の中枢神経系腫瘍、原発性又は続発性の脳腫瘍、ホジキン病、慢性又は急性の白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、リンパ芽球性白血病、濾胞性リンパ腫、T細胞又はB細胞起源のリンパ系腫瘍、黒色腫、多発性骨髄腫、口腔癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、小細胞肺癌、腎臓又は尿管の癌、腎細胞癌、腎盂の癌、中枢神経系の腫瘍、原発性中枢神経系リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、副腎皮質癌、胆嚢癌、脾臓の癌、胆管細胞癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽腫、又は上記の癌の1つ以上の組み合わせの治療に用いることができ、該方法は、治療に有効な量の化学式IIの化合物を該患者に投与することを含む。
【0067】
更なるバリエーションにおいて、本発明の化合物は、膀胱癌、脳癌、乳癌、骨髄癌、子宮頸癌、慢性リンパ性白血病、大腸癌、食道癌、肝細胞癌、リンパ芽球性白血病、濾胞性リンパ腫、T細胞又はB細胞起源のリンパ系腫瘍、黒色腫、骨髄性白血病、骨髄腫、口腔癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、小細胞肺癌、及び脾臓癌を治療するために使用することができる。
【0068】
方法のバリエーションにおいて、癌は、肺癌、尿生殖器癌、膀胱癌、精巣癌、卵巣癌、様々な頭部及び頸部の癌、大腸癌、様々な白血病、及び様々なリンパ腫からなる群より選択され得る。
【0069】
方法の別のバリエーションにおいて、化学式Iの置換基は以下のいずれかである:Rは−N(R)−であり得、ここでRは水素又はC1〜6アルキルであり得る。バリエーションにおいて、Yは−CH−であり得る。バリエーションにおいて、R及びRがアミノ基であり、又は前記R及びRが結合している前記白金原子と一緒に−NH−CH−NH−であり得る。バリエーションにおいて、対イオンZは、NOを含む。バリエーションにおいて、Rは−NH−又は−CH−であり得る。バリエーションにおいて、Rは水素又はメチルであり得る。
【0070】
別の態様において、本発明は、化学式1の化合物を含む医薬品組成物、及び薬理学的に許容される希釈剤、担体又は賦形剤を対象とする:
【化19】

ここで、Xはハロゲン、−OC(O)R、ニトレート、又はスルフェートであり、
及びRはアミノ基であり、又はそれらが結合している前記白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3であり、
は−N(R)−であり、ここでRは水素又はC〜Cアルキルであり、
は独立して、アミノ、ニトロ、−NHC(O)(R10)、−C(O)NHR10、又はハロゲンであり、
10は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
qは0、1、又は2であり、
は直接結合、−NH−、又はC〜Cアルキレンであり、
又は、R及びXは、それらが結合している原子と一緒に6又は7員環を形成し、ここで前記6又は7員環は、連結基−C(O)O−又は−OC(O)−を有し、
は、水素、メチル、又は−C(O)O−Rであり、ここで、
は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、もしくはアダマンチル、又は天然型もしくは非天然型アミノ酸もしくはペプチドであり、
は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
YはC〜Cアルキレンであり、そして、
Zは、前記化合物の電荷の平衡を保つのに十分な1つ以上の対イオンである。
【0071】
バリエーションにおいて、医薬品組成物は以下に定める置換基を有し得る:Yは−CH−であり得、R及びRがアミノ基であり、又は前記R及びRが結合している前記白金原子と一緒に−NH−CH−NH−であり得、そして対イオンZはNOを含む。
【0072】
バリエーションにおいて、医薬品組成物は以下に定める任意の置換基を有する:R5は−NH−又はCH−であり、そして、Rは水素又はメチルである。
【0073】
更なるバリエーションにおいて、本発明は、本発明の化合物が、他のシスプラチン化合物と共に使用することができる併用療法を考える。第一世代のシスプラチン化合物は、本発明の化合物と相対的に異なる機構と作用機序を示すため、この併用療法の有効性は、強化される可能性が高い。他の抗腫瘍剤/化合物は、本発明の化合物と組み合わせて使用することができることも考えられ、したがって本発明の範囲内である。本発明の化合物で使用できる抗腫瘍剤/化合物は、細胞毒性化合物だけでなく、非細胞傷害性化合物も含む。
【0074】
具体例は、ハーセプチン(商品名)(トラスツズマブ)、リツキサン(商品名)(リツキシマブ)、ゼバリン(商品名)(イブリツモマブ チウキセタン)、リンホシド(商品名)(エピラツズマブ)、グリベック(商品名)、及びベキサール(商品名)(ヨード131トシツモマブ)などの抗腫瘍剤を含む。
【0075】
本発明の化合物と組み合わせて使用することができる他の抗腫瘍剤/化合物は、エルビタックス(商品名)(IMC1−C225)などの抗血管新生化合物、KDR(キナーゼドメイン受容体)阻害剤(例えば、特異的キナーゼドメイン受容体に結合する抗体及び抗原結合領域)、ベバシズマブ又はVEGF−TRAPなどの抗VEGF剤(例えば、抗体又は特異的VEGFに結合する抗原結合領域、又は可溶性VEGF受容体又はそのリガンド結合領域)、及び抗VEGF受容体薬(例えば、これに特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)、ABX−EGF(パニツムマブ)、イレッサ(商品名)(ゲフィチニブ)、タルセバ(商品名)(エルロチニブ)などのEGFR阻害剤(例えば、これに特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)、抗Ang1及び抗Ang2剤(例えば、これ又はこれらの受容体に特異的に結合する抗体又は抗原結合領域、例えば、Tie2/Tek)、並びに抗TIE2キナーゼ阻害剤(例えば、これに特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)を含む。
【0076】
本発明の化合物とともに使用することができる他の抗血管新生化合物/薬剤は、キャンパス(Campath)、IL−8、B−FGF、Tek拮抗剤、抗TWAEK剤(例えば、特異的に結合する抗体又は抗原結合領域、又は可溶性TWEAK受容体拮抗薬)、そのリガンドへのインテグリンの結合に拮抗するADAMディスインテグリンドメイン、特異的に結合する抗eph受容体及び/又は抗エフリン抗体又は抗原結合領域、並びに抗PDGF−BB拮抗薬(例えば、特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)だけでなく、PDGF−BBのリガンドに特異的に結合する抗体又は抗原結合領域、並びにPDGFRキナーゼ阻害剤(例えば、特異的に結合する抗体又は抗原結合領域)を含む。
【0077】
本発明の化合物と共に使用することができる他の抗血管新生/抗腫瘍薬品は、以下を含む:SD−7784(Pfizer,USA);シレンジタイド(Merck KGaA,Germany,EPO770622);ペガプタニブ八ナトリウム(Gilead Sciences,USA);アルファスタチン(BioActa,UK);M−PGA(Celgene,USA);イロマスタット(Arriva,USA);エマキサニブ(Alcon,USA);α−D148Mab(Amgen,USA);CEP−7055(Cephalon,USA);抗Vn Mab(Crucell,Netherlands)DAC:抗血管新生剤(ConjuChem,Canada);アンジオシジン(InKine Pharmaceutical,USA);KM−2550(Kyowa Hakko,Japan);SU−0879(Pfizer,USA);CGP−79787(Novartis,Switzerland);(the ARGENT technology of Ariad,USA);YIGSR−ステルス(Johnson&Johnson,USA);フィブリノーゲン−E断片(BioActa,UK);(the angiogenesis inhibitors of Trigen,UK);TBC−1635(Encysive Pharmaceuticals,USA);SC−236(Pfizer,USA);ABT−567(Abbott,USA);メタスタチン(EntreMed,USA);血管新生抑制剤(Tripep,Sweden);マスピン(Sosei,Japan);2−メトキシエストラジオール(Oncology Sciences Corporation,USA);ER−68203−00(WVAX,USA);ベネフィン(Lane Labs,USA);Tz−93(Tsumura,Japan);TAN−1120(Takeda,Japan);FR−111142(Fujisawa,Japan);血小板第4因子(RepliGen,USA);血管内皮成長因子拮抗剤(Borean,Denmark);ベバシズマブ(pINN),(Genentech,USA);XL 784(Exelixis,USA);XL 647(Exelixis,USA);MAb,α5β3インテグリン,第二世代(Applied Molecular Evolution,USA and Medlmmune,USA);遺伝子治療,網膜症(Oxford BioMedica,UK);塩酸エンザスタウリン(USAN),(Lilly, USA);CEP 7055,(Cephalon,USA and Sanofi−Synthelabo,France);BC 1(Genoa Institute of Cancer Research,Italy);新生阻害剤(Alchemia,Australia);VEGF拮抗剤(Regeneron,USA);rBPI 21及びBPI由来の抗血管新生剤(XOMA,USA);PI 88(Progen,Australia);シレンギチド(pINN)(Merck KGaA,German;Munich Technical University,Germany,Scripps Clinic and Research Foundation,USA);セツキシマブ(INN)(Aventis,France);AVE 8062(Ajinomoto,Japan);AS 1404(Cancer Research Laboratory,New Zealand);SG 292(Telios,USA);エンドスタチン(Boston Childrens Hospital,USA);ATN 161(Attenuon,USA);アンジオスタチン(Boston Childrens Hospital,USA);2−メトキシエストラジオール(Boston Childrens Hospital,USA);ZD 6474(AstraZeneca,UK);ZD 6126(Angiogene Pharmaceuticals,UK);PPI 2458(Praecis,USA);AZD 9935(AstraZeneca,UK);AZD 2171(AstraZeneca,UK);バタラニブ(pINN)(Novartis,Switzerland and Schering AG,Germany);組織因子経路阻害剤(EntreMed,USA);ペガプタニブ(Pinn)(Gilead Sciences,USA);キサントリゾール(Yonsei University,South Korea);遺伝子ベースのワクチン、VEGF−2(Scripps Clinic and Research Foundation,USA);SPV5.2(Supratek,Canada);SDX 103(University of California at San Diego,USA);PX 478(ProIX,USA);METASTATIN(EntreMed,USA);トロポニンI(Harvard University,USA);SU 6668(SUGEN,USA);OXI 4503(OXiGENE,USA);o−グアニジン(Dimensional Pharmaceuticals,USA);モツポラミンC(British Columbia University,Canada);CDP 791(Celltech Group,UK);アチプリモド(pINN)(GlaxoSmithKline,UK);E7820(Eisai,Japan);CYC381(Harvard University,USA);AE941(Aeterna,Canada);ワクチン,血管新生(EntreMed,USA);ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子阻害剤(Dendreon,USA);オグルファニド(pINN)(Melmotte,USA);HIF−1α阻害剤(Xenova,UK);CEP 5214(Cephalon,USA);BAY RES 2622(Bayer,Germany);アンジオシジン(InKine, USA);A6(Angstrom,USA);KR 31372(Korea Research Institute of Chemical Technology,South Korea);GW 2286(GlaxoSmithKline,UK);EHT 0101(ExonHit,France);CP 868596(Pfizer,USA);CP 564959(OSI,USA);CP 547632(Pfizer,USA);786034(GlaxoSmithKline,UK);KRN 633(Kirin Brewery,Japan);薬物送達系、眼内、2−メトキシエストラジオール(EntreMed,USA);アンジネックス(Maastricht University,Netherlands,and Minnesota University,USA);ABT 510(Abbott,USA);AAL 993(Novartis,Switzerland);VEGI(ProteomTech,USA);腫瘍壊死因子α阻害剤(National Institute on Aging,USA);SU 11248(Pfizer,USA and SUGEN USA);ABT 518(Abbott,USA);YH 16(Yantai Rongchang,China);S−3APG(Boston Childrens Hospital,USA and EntreMed,USA);MAb,KDR(ImClone Systems,USA);MAb,α5β1(Protein Design,USA);KDR キナーゼ阻害剤(Celltech Group,UK,及び Johnson&Johnson,USA);GFB 116(South Florida University,USA 及び Yale University,USA);CS 706(Sankyo,Japan);コンブレタスタチンA4プロドラッグ(Arizona State University,USA);コンドロイチン分解酵素AC,(IBEX,Canada);BAY RES 2690(Bayer,Germany);AGM 1470(Harvard University,USA,Takeda,Japan,及びTAP,USA);AG 13925(Agouron,USA);テトラチオモリブデート(University of Michigan,USA);GCS 100(Wayne State University,USA);CV 247(Ivy Medical,UK);CKD 732(Chong Kun Dang,South Korea);MAb,血管内皮増殖因子(Xenova,UK);イルソグラジン(INN)(Nippon Shinyaku,Japan);RG 13577(Aventis,France);WX 360(Wilex,Germany);スクアラミン(pIN)(Genaera,USA);RPI 4610(Sima,USA);heparanase inhibitors,(InSight,Israel);KL 3106(Kolon,South Korea);ホオノキオール(Emory University,USA);ZK CDK(Schering AG,Germany);ZK Angio(Schering AG,Germany);ZK 229561(Novartis,Switzerland,及び Schering AG,Germany);XMP 300(XOMA,USA); VGA 1102(Taisho,Japan);VEGF受容体調節薬(Pharmacopeia,USA);VE−カドヘリン−2拮抗剤(ImClone Systems,USA);バソスタチン(National Institutes of Health,USA);ワクチン,FIk−I(ImClone Systems,USA);TZ 93(Tsumura,Japan);タムスタチン(Beth Israel Hospital,USA);切断型可溶性FLT 1(vascular endothelial growth factor receptor 1),(Merck&Co,USA);Tie−2リガンド(Regeneron,USA);及び、トロンボスポンジン1阻害剤(Allegheny Health,Education and Research Foundation,USA)。
【0078】
本発明の化合物を、特定の受容体やがん細胞を標的とするように、またそれらが様々な生体内環境における生き残ることができるように変更することができることが意図され、したがって、発明の範囲内である。例として、Xがカルボキシレート官能性のとき、Xは、デンドリマー又は他の環状糖と結合して、カルボキシレートデンドリマー又は他の糖を形成するように、変更することができる。エストロゲンなどのステロイドと組み合わせて、カルボキシレートエストロゲンのようなカルボキシレートステロイドを形成してよい。X又はこれらの化合物上の他のカルボキシレートの官能性を、葉酸を含むように、変更してよい。当業者は、本発明の化合物が、特定の受容体、細胞を標的とし、又は化合物に安定性を提供できるように、本発明の化合物にすることができる他の修飾があることを認識する。なお、本発明の化合物は、共有結合性修飾、イオン性修飾、他の化合物とキレートするための修飾、又は本発明の化合物の使用に適した他の型の相互作用(疎水性又はファンデルワールス型の相互作用など)を形成する修飾を有することができる。
【0079】
さらなるバリエーションにおいて、本発明の化合物は、上方制御されたヌクレオチド除去修復及び他の上方制御された抵抗の機序を示す、固形腫瘍、細胞株、及び細胞株の組織に対して使用することができる。
【0080】
以下の引用は、その全体が参照することによって包含される:




【0081】
上記の任意の特徴は、上記の他の特徴と組み合わせることができることが意図され、従って本発明の範囲内である。また、本発明は化合物、組成物及び本発明の方法に作ることができる若干の変更を意図することを理解すべきである。いずれにしても、本発明は、添付の特許請求の範囲で定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式Iの化合物であって、
【化1】

ここで、Xはハロゲン、−OC(O)R、ニトレート、又はスルフェートであり、
及びRはアミノ基であり、もしくはそれらが結合している白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3であり、又は、R及びRは一緒に以下の官能基a〜hのいずれかであることができ、又はR及びRは独立して以下の官能基i〜mのいずれかであることができ、
【化2】

ここでAはH、−CH、−OCH、CF、又はNOであり、
13は独立してC〜Cアルキルであり、
は−N(R)−であり、ここでRは水素又はC〜Cアルキルであり、
は独立して、アミノ、ニトロ、−NHC(O)(R10)、−C(O)NHR10、又はハロゲンであり、
10は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
qは0、1、又は2であり、
は直接結合、−NH−、又はC〜Cアルキレンであり、
又は、R及びXは、それらが結合している原子と一緒に6又は7員環を形成し、ここで前記6又は7員環は、連結基−C(O)O−又は−OC(O)−を有し、
は、水素、メチル、又は−C(O)O−Rであり、ここで、
は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、もしくはアダマンチル、又は天然型もしくは非天然型アミノ酸もしくはペプチドであり、
は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
YはC〜Cアルキレンであり、そして、
Zは、前記化合物の電荷の平衡を保つのに十分な1つ以上の対イオンである、化合物。
【請求項2】
前記Rが水素又はメチルであり、及び前記R及びRはアミノ基であり、又はそれらが結合している前記白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記Yは−CH−である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記R及びRがアミノ基であり、又は前記R及びRが結合している前記白金原子と一緒に−NH−CH−NH−である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
前記1つ以上の対イオンZがNOを含む、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
前記Rは、−NH−、又は−CH−である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記Rは水素である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物は実施例1のものである、請求項7に記載の化合物。
【化3】

【請求項9】
前記化合物は実施例2のものである、請求項7に記載の化合物。
【化4】

【請求項10】
有効量の化学式Iの化合物を、治療を必要とする患者に投与することを含む、癌を治療する方法であって、
【化5】

ここで、Xはハロゲン、−OC(O)R、ニトレート、又はスルフェートであり、
及びRはアミノ基であり、又はそれらが結合している白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3であり、又は、R及びRは一緒に以下の官能基a〜hのいずれかであることができ、又はR及びRは独立して以下の官能基i〜mのいずれかであることができ、
【化6】

ここでAはH,−CH,−OCH,CF又はNOであり、
13は独立してC〜Cアルキルであり、
は−N(R)−であり、ここでRは水素又はC〜Cアルキルであり、
は独立して、アミノ、ニトロ、−NHC(O)(R10)、−C(O)NHR10、又はハロゲンであり、
10は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
qは0、1、又は2であり、
は直接結合、−NH−、又はC〜Cアルキレンであり、
又は、R及びXは、それらが結合している原子と一緒に6又は7員環を形成し、ここで前記6又は7員環は連結基−C(O)O−又は−OC(O)−を有し、
は、水素、メチル、又は−C(O)O−Rであり、ここで、
は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、若しくはアダマンチル、又は天然型もしくは非天然型アミノ酸若しくはペプチドであり、
は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
YはC〜Cアルキレンであり、そして、
Zは、前記化合物の電荷の平衡を保つのに十分な1つ以上の対イオンである、方法。
【請求項11】
前記癌が、肺癌、精巣癌、卵巣癌、頭頸部癌、白血病、及びリンパ腫からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記Rが水素又はメチルであり、前記R及びRがアミノ基であり、又はそれらが結合している前記白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記Yは−CH−である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記R及びRはアミノ基であり、又は前記R及びRに結合している前記白金原子と一緒に−NH−CH−NH−である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の対イオンのZがNOを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記Rは−NH−又は−CH−である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記Rは水素である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
化学式1の化合物、及び薬学的に許容される希釈剤、担体、又は賦形剤を含む医薬組成物であって、
【化7】

ここで、Xはハロゲン、−OC(O)R、ニトレート、又はスルフェートであり、
及びRはアミノ基であり、又はそれらが結合している白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3であり、又は、R及びRは一緒に以下の官能基a〜hのいずれかであることができ、又はR及びRは独立して以下の官能基i〜mのいずれかであることができ、
【化8】

ここでAはH,−CH,−OCH,CF又はNOであり、
13は独立してC〜Cアルキルであり、
は−N(R)−であり、ここでRは水素又はC〜Cアルキルであり、
は独立して、アミノ、ニトロ、−NHC(O)(R10)、−C(O)NHR10、又はハロゲンであり、
10は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
qは0、1、又は2であり、
は直接結合、−NH−、又はC〜Cアルキレンであり、
又は、R及びXは、それらが結合している原子と一緒に6又は7員環を形成し、ここで前記6又は7員環は連結基−C(O)O−又は−OC(O)−を有し、
は、水素、メチル、又は−C(O)O−Rであり、ここで、
は、水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、もしくはアダマンチル、又は天然型もしくは非天然型アミノ酸若しくはペプチドであり、
は水素、C1〜6アルキル、フェニル、ナフチル、C3〜6シクロアルキル、ノルボルニル、又はアダマンチルであり、
YはC〜Cアルキレンであり、そして、
Zは、前記化合物の電荷の平衡を保つのに十分な1つ以上の対イオンである、医薬組成物。
【請求項19】
前記Yは−CH−であり、前記R及びRがアミノ基であり、又はR及びRに結合している白金原子と一緒に−NH−CH−NH−であり、及び前記1つ以上の対イオンZはNOを含む、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記Rは−NH−又は−CH−であり、前記Rは水素又はメチルであり、前記R及びRはアミノ基であり、又はそれらが結合している白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
ハーセプチン(商品名)(トラスツズマブ)、リツキサン(商品名)(リツキシマブ)、ゼバリン(商品名)(イブリツモマブ チウキセタン)、リンホシド(商品名)(エピラツズマブ)、グリベック(商品名)、ベキサール(商品名)(ヨード131トシツモマブ)、エルビタックス(商品名)(IMC1−C225)、KDR阻害剤、アバスチン(商品名)、VEGFトラップ(商品名)、ABX−EGF(パニツムマブ)、イレッサ(商品名)(ゲフィチニブ)、タルセバ(商品名)(エルロチニブ)、キャンパス(Campath)、IL−8、B−FGF、Tek拮抗剤、抗TWEAK剤、抗PDGF−BB拮抗剤、SD−7784、シレンジタイド;ペガプタニブ八ナトリウム;アルファスタチン、M−PGA;イロマスタット(ilomastat)、エマキサニブ(emaxanib)、バタラニブ(vatalanib)、2−メトキシエストラジオール、TLC ELL−12、アネコルタブアセテート、α−D148 Mab、CEP−7055、抗Vn Mab(anti−Vn Mab)、DAC:抗血管新生剤(antiangiogenic)、アンジオシジン(Angiocidin)、KM−2550、SU−0879、CGP−79787、YIGSR−ステルス(Stealth)、フィブリノーゲン−E断片(fibrinogen−E fragment)、TBC−1635;SC−236、ABT−567、メタスタチン(Metastatin)、マスピン、ER−68203−00、ベネフィン(Benefin)、Tz−93、TAN−1120、FR−111142、血小板第4因子、血管内皮成長因子拮抗剤、ベバシズマブ(pINN)、XL784、XL647、MAb、α5β3インテグリン、塩酸エンザスタウリン(USAN)、CEP7055、BC1、VEGF拮抗剤、rBPI 21及びBPI由来の抗血管新生剤、PI88、シレンギチド(pINN)、セツキシマブ(INN)、AVE8062、AS1404、SG292、エンドスタチン、ATN161、アンジオスタチン、ZD6474、ZD6126、PPI2458、AZD9935、AZD2171、バタラニブ(pINN)、ペガプタニブ(Pinn)、キサントリゾール(xanthorrhizol)、SPV5.2、SDX103、PX478、メタスタチン(METASTATIN)、トロポニンI、SU6668、OXI4503、o−グアニジン、モツポラミンC、CDP791、アチプリモド(pINN)、E7820、CYC381、AE941、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子阻害剤、オグルファニド(pINN)、HIF−1 α阻害剤、CEP 5214、BAY RES 2622;アンジオシジン(Angiocidin)、A6、KR 31372、GW 2286、EHT 0101、CP 868596、CP 564959、CP 547632、グラクソ・スミスクラインからの化合物786034、KRN 633、アンジネックス(anginex)、ABT 510、AAL 993、VEGI、腫瘍壊死因子α阻害剤、SU 11248、ABT 518、YH 16、S−3APG、KDR、GFB 116、CS 706、コンブレタスタチンA4プロドラッグ、コンドロイチン分解酵素AC、BAY RES 2690、AGM 1470、AG 13925、テトラチオモリブデート、GCS 100、CV 247、CKD 732、イルソグラジン(INN)、RG 13577、WX 360、スクアラミン(pIN)、RPI 4610、ヘパラナーゼ阻害剤、KL 3106、ホオノキオール、ZK CDK、ZK Angio、ZK 229561、XMP 300、VGA 1102、バソスタチン、Flk−1、TZ 93、タムスタチン、切断型可溶性FLT 1、Tie−2リガンド(truncated soluble FLT 1 Tie−2 ligand)、及び、トロンボスポンジン1阻害剤からなる群より選択される一つ以上の化合物をさらに含む、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項22】
化学式Xの化合物を製造するための方法であって、
【化9】

ここで、Xはハロゲン基であり、
及びRはアミノ基であり、又はそれらが結合している白金原子と一緒に、R及びRは環−NH−(CH−NH−を形成し、ここでvは1、2、もしくは3であり、又は、R及びRは一緒に以下の官能基a〜hのいずれかであることができ、又はR及びRは独立して以下の官能基i〜mのいずれかであることができ、
【化10】

ここで、AはH、−CH、−OCH、CF、又はNOであり、
13は、独立してC〜Cアルキルであり、
は、直接結合、−NH−、又はC〜Cアルキレンであり、
Zは、前記化合物の電荷の平衡を保つのに十分な1つ以上の対イオンであり、式Vの化合物と式IVの化合物とを反応させることを含み、
【化11】

【化12】

ここで、全ての置換基は、上記で定められたとおりである、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2012−506864(P2012−506864A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533365(P2011−533365)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/061832
【国際公開番号】WO2010/048499
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(509123596)ウェイク フォレスト ユニバーシティ (2)
【Fターム(参考)】