説明

皮膚を光保護するためのジチオラン化合物の使用、新規ジチオラン化合物、それを含有する組成物

【課題】UV光線への曝露後の内因性グルタチオンのレベルを再構成および/または保持するための解決策を提供すること。
【解決手段】本発明は、特にUV放射によって引き起こされる酸化ストレスに対する皮膚の天然の抗酸化保護を強化および/または保持することを目的とした、生理的に許容される媒質を含む組成物中における、以下の式(I)


に対応するものから選択される少なくとも1種のジチオラン化合物の化粧的使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化ストレスによって誘発される、特に太陽放射によって引き起こされる障害の治療または予防の分野において有用な、組成物中における式(I)の特定のジチオラン化合物の使用およびそれを含有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、我々の体の最も外側にある器官であり、したがって、日光の紫外線放射、UVBおよびUVAに最もよく代表される、環境ストレス要因の第1の標的である。特に、日光への急性または慢性曝露は、体に対して有害な生物学的および臨床的作用を誘発することが知られている。
【0003】
UV-AまたはUV-Bへの慢性曝露(繰り返し照射)または急性曝露(強い照射)によって引き起こされる皮膚損傷は広く研究されており、特に、
- 最も強力な波長を有するUV-B光線(290〜300nm、全UVの5%)は、DNAに作用することによって表皮細胞(ケラチノサイト)に特に最も影響を及ぼすこと、
- より深く浸透するUV-A光線(320〜400nm、全UVの95%)は、線維芽細胞等の真皮細胞に到達し、フリーラジカルの産生を介して間接的に作用すること、
- さらに、紫外線放射への長時間曝露は、コラゲナーゼ、特に1型マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP-1)の発現を刺激する作用を有すること
が知られている。
【0004】
細胞および分子レベルにおいて、UVBおよびUVA放射の影響は、DNA損傷の直接的および間接的誘発を含む種々の反応を誘発する。
【0005】
DNA損傷の直接的誘発の中で、いくつか、例えばピリミジンダイマーおよび6,4光生成物は、UV放射に特異的である。特殊な酵素系による修復(ヌクレオチド除去修復NERまたは包括的除去修復(global excision repair)GER)中のエラーの場合、それらは、それ自体が皮膚癌の発病をもたらす腫瘍過程の原因である突然変異に関与しうる。その上、これらの腫瘍に由来する細胞中では、太陽UVの影響の特徴である突然変異が極めて高い発生率で見られる。これらのDNA損傷は、表皮中における特徴的細胞「サンバーン細胞」の形成を誘発する、アポトーシス過程の原因でもある。UVは、細胞レベルにおいて反応性酸素種の産生に関与し、この酸素種は、それ自体、酸化的DNA損傷(8-オキソグアニン)の誘発または多数の遺伝子の誘発等、多くの生物学的作用の原因であることにも留意される。
【0006】
最後に、主に記述されている、皮膚の2つの主要な細胞型、すなわち、層化および分化した表皮を形成するケラチノサイト、ならびに真皮細胞外マトリックスの合成および再生に関与する線維芽細胞への作用に加えて、UV光線は、抗原提示免疫機能を有するランゲルハンス細胞に対しても影響を与える。
【0007】
皮膚に対するUV光線の有害作用(紅斑、光発癌、光老化、光免疫抑制等)は、DNA等、いくつかの細胞発色団に対するUV光線の直接作用だけでなく、間接作用によっても誘発される。特に、UV光線によって輸送されたエネルギーは、リボフラビン、ビリルビン、フェオメラニンおよびポルフィリン誘導体等の内因性光線感作物質が関わる光増感反応を用いて、活性酸素種(AOS)、例えば一重項酸素およびスーパーオキシドアニオンの形成の誘因となりうる。一重項酸素およびスーパーオキシドアニオンは、過酸化水素およびヒドロキシル基等の他のAOSの生成をもたらす一連の反応を受ける。そのようにして生成されたAOSは、DNA、細胞膜およびいくつかのタンパク質(酵素、転写因子等)を損傷する。
【0008】
細胞は、酵素的抗酸化防御(Cu-ZnおよびMnスーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ等)および非酵素的抗酸化防御(ビタミンEおよびC、グルタチオンを含むチオール、β-カロテン、微量元素等)を備えており、その役割は細胞内酸化還元電位を維持することであるが、この防御能は、激しい酸化ストレスの出現の間には過負荷となりうる。
【0009】
トリペプチドグルタチオン(γ-L-グルタミル-L-システイニルグリシンまたはGSH)は、最も広範に存在し、豊富な低分子量非タンパク質チオールである。細胞内GSHの大部分は、還元型(GSH)で見られる。グルタチオンジスルフィド(GSSG)は、全GSHの0.5%未満に相当する。ほとんどの動物細胞において、GSHの濃度は1〜10mMであり、一方、血漿中において、濃度は約0.5〜10μMである。システイン残基上に位置するチオール官能基は、酸化還元代謝現象において顕著である酸化還元電位(約-230mV)をそれに与える。その還元的および求核的特性は、脂肪、タンパク質および核酸の酸化的障害に対する保護において主要な役割を果たす。酸化ストレスの状況下では、その保護および解毒の役割は、そのグルタチオンペルオキシダーゼおよびグルタチオン-S-トランスフェラーゼの補酵素としての機能に主に起因する。チオール官能基は、ビタミンC、ビタミンEおよびスーパーオキシドジスムターゼ等、抗酸化保護系の他の成分との相乗的相互作用も受ける。
【0010】
グルタチオンのレベルを低減させると、このように細胞酸化還元平衡に影響を及ぼす。UV光線への曝露は細胞内GSHのレベルの減少をもたらし、したがって酸化ストレスに対する細胞の感受性を増大させることが特に知られている。
【0011】
サンスクリーンを使用することにより、皮膚をUV放射の有害な作用から保護することができる。これらの製品は、有害な波長が皮膚に到達して皮膚を損傷する前にそれらの波長を吸収し、それによってUV光線への曝露の急性および慢性の作用を防止する分子を含有する。
【0012】
しかしながら、サンスクリーンは包括的作用を有するわけではない。有害な波長(UVB、UVAおよび長波UVA)のすべての吸収を可能にするスクリーン剤は存在しないが、内因性抗酸化防御系の誘発に基づく光保護戦略は、有利な展望を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際特許出願WO2008/058999
【特許文献2】国際特許出願WO98/23606
【特許文献3】欧州特許出願第0869126A1号
【特許文献4】米国特許第5624663号
【特許文献5】欧州特許第669323号
【特許文献6】米国特許第2463264号
【特許文献7】米国特許出願第5237071号
【特許文献8】米国特許出願第5166355号
【特許文献9】英国特許出願第2303549号
【特許文献10】ドイツ特許出願第19726184号
【特許文献11】欧州特許出願第893119号
【特許文献12】欧州特許出願第0832642号
【特許文献13】欧州特許出願第1027883号
【特許文献14】欧州特許出願第1300137号
【特許文献15】ドイツ特許出願第10162844号
【特許文献16】国際特許出願WO93/04665
【特許文献17】ドイツ特許出願第19855649号
【特許文献18】欧州特許出願第0967200号
【特許文献19】ドイツ特許出願第19746654号
【特許文献20】ドイツ特許出願第19755649号
【特許文献21】欧州特許出願A-1008586
【特許文献22】欧州特許出願第1133980号
【特許文献23】欧州特許出願第133981号
【特許文献24】国際特許出願WO04/006878
【特許文献25】国際特許出願WO05/058269
【特許文献26】国際特許出願WO06/032741
【特許文献27】米国特許第6225467号
【特許文献28】国際特許出願WO2004/085412
【特許文献29】国際特許出願WO06/035000
【特許文献30】国際特許出願WO06/034982
【特許文献31】国際特許出願WO06/034991
【特許文献32】国際特許出願WO06/035007
【特許文献33】国際特許出願WO2006/034992
【特許文献34】国際特許出願WO2006/034985
【特許文献35】欧州特許出願A-0518773
【特許文献36】GB-A-2206339
【特許文献37】FR2863356
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Lene Teuber、Sulfur reports、9(4)、257〜349頁、1990、Naturally occurring 1,2-dithiolanes and 1,2,3-trithianes、Chemical and Biological Properties
【非特許文献2】Comprehensive Organic Transformations、R.Larock著、Wiley VCH編、章:Interconversion of the nitriles,carboxylic acids and derivatives
【非特許文献3】Phosphorus in organic synthesis-XI、Amino acids and peptides-XXI、Reaction of diethyl phosphorocyanidate with carboxylic acids、A new synthesis of carboxylic esters and amides、Tetrahedron、32、1976、2211〜2217頁
【非特許文献4】Oxidation of 1,2-Dithiolanes、Bernt Lindberg、Goran Bergson、Arkiv For Kemi、1965、23(31)、319〜333頁
【非特許文献5】Selective oxidation of sulfides to sulfoxides and sulfones at room temperature using H2O2 and an Mo(VI)salt as catalyst、Kandasamy Jeyakumar、Dillip Kumar Chand、Tetrahedron Letters、47(2006)、4573〜4576頁
【非特許文献6】Rhenium-Catalyzed Oxidation of Thiols and Disulfides with Sulfoxides、Jeffrey B.Arterburn、Marc C.Perry、Sherry L.Nelson、Benjamin R.Dible、Mylena S.Holguin、J.Am.Soc.、119、9309〜9310頁、1997
【非特許文献7】L'Oreal concept、Christiaens F.J.ら:Standard ultraviolet daylight for non-extreme exposure conditions、Photochem.Photobiol.、2005
【非特許文献8】Haze S.ら、J.Invest.Dermatol.、2001、116(4):520〜4
【非特許文献9】Amended Cosmetic Directive 76/768/EEC
【非特許文献10】Symmetrical Triazine Derivatives IP.COM Journal、IP.COM INC West Henrietta、NY、US(2004年9月20日)
【非特許文献11】Alapetite C.ら、1996、Int.J.Rad.Bio.
【非特許文献12】Klaude Mら、1996、Mut.Res.
【非特許文献13】Lehmann J.ら、1998、Mut.Res.
【非特許文献14】Singh NP.ら、1988、Exp.Cell Res.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、この分野において、UV光線への曝露後の内因性グルタチオンのレベルを再構成および/または保持するためのさらなる解決策を見出すことが真に必要である。これは、UV誘発性ストレスの出現後における、細胞防御および/または修復の天然の内因系の活性剤による刺激によって想定できる。
【0016】
リポ酸またはチオクト酸(1,2-ジチアシクロペンタン-3-吉草酸)は、植物および動物において広範に見られる内因性ジチオールである。これは、ピルビン酸デヒドロゲナーゼおよびα-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ等のミトコンドリア多酵素複合体中における、脂肪および炭水化物代謝の補酵素である。リポ酸は、酸化グルタチオン(GSSG)を再生し、γ-グルタミルシステインリガーゼ(GSHの合成を制御する酵素)の活性を増大させることにより、グルタチオンの細胞レベルも増大させる。
【0017】
WO2008/058999は、UVで誘発された減少後のグルタチオンのレベルを増大させるためのシロキサンまたはシランジチオラン化合物、特に、化合物5-(1,2-ジチオラン-3-イル)-N-[3-(トリメチルシリル)-プロピル]ペンタンアミドおよび化合物(トリメチルシリル)メチル5-(1,2-ジチオラン-3-イル)ペンタノエートを開示している。しかしながら、これらの活性剤によってもたらされる、GSHのUVA昼光誘発性減少に対する保護は、依然として十分に満足できるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本出願人は、先行技術のジチオラン化合物と比較した場合、UVで誘発された減少後のグルタチオンのレベルを大幅に増大させることを可能にし、したがって、特にUV放射によって引き起こされる酸化ストレスに対する皮膚の天然の抗酸化保護を強化および/または保持することを可能にする、以下で詳細に定義される式(I)のいくつかの特定のジチオラン化合物を現在発見した。
【0019】
したがって、本発明の1つの主題は、特にUV放射によって引き起こされる酸化ストレスに対する皮膚の天然の抗酸化保護、特に抗酸化防御の内因系を強化および/または保持することを目的とした、生理的に許容される媒質を含む組成物中における、少なくとも1種の式(I)のジチオラン化合物の化粧的使用である。
【0020】
本発明の主題は、特に、天然の抗酸化保護を皮膚に与える内因性細胞内グルタチオンのレベルを強化および/または保持することを目的とした、生理的に許容される媒質を含む組成物中における、少なくとも1種の式(I)のジチオラン化合物の化粧的使用である。
【0021】
「皮膚」という用語は、皮膚、粘膜および半粘膜を含む人体の任意の皮膚表面を意味し、したがって、口唇、頭皮、ならびにまた皮膚外皮、特に、爪、体毛および頭髪を含む。
【0022】
本発明によれば、「生理的に許容される媒質」は、皮膚、粘膜、爪および/もしくは毛髪により、化粧学的もしくは薬学的に許容される媒質、または経口投与できる媒質のいずれかである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】HaCaTに対するMCB試験における、1mMでのリポ酸の保護効果の評価を示す図である。細胞内GSHのレベルの測定は、1mMのリポ酸によって前処理し、または前処理せず、UV-DLに曝露されたケラチノサイトに対して、UV-DLへの曝露後、t=0、t=6時間およびt=24時間において実施した。
【図2】HaCaTに対するMCB試験における、リポ酸及び4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボン酸(化合物1)の保護効果の評価を示す図である。GSHの細胞内レベルの測定は、活性剤で前処理した、または前処理していない、UV-DLに曝露されたケラチノサイトに対して、UV-DLへの曝露後t=6時間において実施する。
【図3】100μMでのリポ酸、100μMでの化合物1ならびに30μMでの化合物9、10、2、13、14、12、24、26および27の保護効果の評価を示す図である。HaCaTに対するMCB試験で実施され、100μMでの国際特許出願WO2008/058999のシリルジチオラン化合物:化合物5-(1,2-ジチオラン-3-イル)-N-[3-(トリメチルシリル)プロピル]ペンタンアミドおよび化合物(トリメチルシリル)メチル5-(1,2-ジチオラン-3-イル)ペンタノエートの保護効果の評価も、HaCaTに対するMCB試験で実施される。GSHの細胞内レベルの測定は、活性剤で前処理した、または前処理していない、UV-DLに曝露されたケラチノサイトに対して、UV-DLへの曝露後t=6時間において実施する。
【0024】
本発明の他の主題は、本明細書の残りの後半部分で定義する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に従うジチオラン化合物は、以下の式(I)
【0026】
【化1】

【0027】
[式中、
Yは、O、NR1またはSを表し、
R1は、水素原子、飽和の直鎖C1〜C20もしくは分岐鎖C3〜C20または不飽和C2〜C20アルキル炭化水素系の基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のC1〜C8アルコキシ基で場合によって置換されているフェニル基を表し、
Rは、水素原子、飽和の直鎖C1〜C20もしくは分岐鎖C3〜C20または不飽和C2〜C20アルキル炭化水素系の基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のC1〜C8アルコキシ基で場合によって置換されているフェニル基、あるいは、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のC1〜C8アルコキシ基で場合によって置換されているフェニル置換基を含有する飽和C1〜C8アルキル基を表し、
Rは、OR2、SR2、NR2R3およびCOOR2から選択される1個または複数の置換基を場合によって有し、ここで、
R2は、水素原子あるいは飽和の直鎖C1〜C5もしくは分岐鎖C3〜C5または不飽和C2〜C5炭化水素系の基、あるいはフェニル基を表し、
R3は、水素原子、飽和の直鎖C1〜C5もしくは分岐鎖C3〜C5または不飽和C2〜C5炭化水素系の基、フェニル基、アセチル基を表す。YがNR1を表す場合、RおよびR1は、ピロリジン、ピロリン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンおよびアゼピンから選択される環を形成することができ、
m=0または1または2であり、
n=0または1または2である]
ならびにまた、その塩、そのキレート、その溶媒和物およびその光学異性体に対応する。
【0028】
本発明に記載されている化合物の塩は、有機酸または鉱酸から形成されたもの等、前記化合物の従来の非毒性塩を含む。言及されうる例としては、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸またはホウ酸等の鉱酸の塩がある。1個または複数のカルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸基を含みうる有機酸の塩についても言及がなされうる。これらは、直鎖、分岐鎖もしくは環状脂肪酸、または芳香族酸であってよい。これらの酸は、OおよびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を、例えばヒドロキシル基の形態で含んでもよい。特に、プロピオン酸、酢酸、テレフタル酸、クエン酸および酒石酸について言及がなされうる。トリエタノールアミン、アミノプロパンジオール、ナトリウムまたは亜鉛塩等、有機塩基または鉱塩基の塩も含まれる。
【0029】
本発明に記載されている化合物の非治療的使用のために許容される溶媒和物は、溶媒の存在により、前記化合物の調製の最終ステップ中に形成されるもの等、従来の溶媒和物を含む。言及されうる例としては、水の、またはエタノールもしくはイソプロパノール等の直鎖もしくは分岐鎖アルコールの存在による溶媒和物がある。
【0030】
光学異性体は、特に鏡像異性体およびジアステレオ異性体である。
【0031】
優先的には、アルコキシ基は、直鎖C1〜C4基、より優先的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシ、さらに一層優先的にはメトキシである。
【0032】
優先的には、炭化水素系の基は直鎖または分岐鎖アルキルであり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシルから選択されうる。
【0033】
より優先的には、炭化水素系の基は、飽和の直鎖または分岐鎖C1〜C8アルキル基:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルである。
【0034】
好ましくは、式(I)の化合物は、下記の意味を有する:
Yが、S、OまたはNR1を表し、
R1が、水素原子、飽和の直鎖C1〜C10または分岐鎖C3〜C10アルキル炭化水素系の基を表し、
Rが、水素原子、飽和の直鎖C1〜C20もしくは分岐鎖C3〜C20アルキル炭化水素系の基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のC1〜C3アルコキシ基で場合によって置換されているフェニル基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のC1〜C3アルコキシ基で場合によって置換されているフェニル置換基を有する飽和C1〜C5アルキル基、OR2、SR2、NR2R3およびCOOR2から選択される1個または複数の同一または異なる基で置換されている直鎖C1〜C5アルキル炭化水素系の基を表し、ここで、
R2が、水素原子または飽和の直鎖C1〜C5もしくは分岐鎖C3〜C5または不飽和C2〜C5炭化水素系の基を表し、
R3が、水素原子、飽和の直鎖C1〜C5もしくは分岐鎖C3〜C5炭化水素系の基、フェニル基、アセチル基を表し、
Y=NR1である場合、RおよびR1はピロリジン環を形成することができ、
n=0または1または2であり、
m=0または1または2である、
ならびにまた、その酸塩または塩基塩、そのキレート、その溶媒和物およびその光学異性体。
【0035】
より優先的には、式(I)の化合物は、下記の意味を有する:
YがOまたはNR1を表し、
R1が、水素原子、飽和の直鎖C1〜C10または分岐鎖C3〜C10アルキル炭化水素系の基を表し、
Rが、水素原子、飽和の直鎖C1〜C10もしくは分岐鎖C3〜C10アルキル炭化水素系の基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のメトキシ基で場合によって置換されているフェニル基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のメトキシ基で場合によって置換されているフェニル置換基を有する飽和C1〜C3アルキル炭化水素系の基、OR2、SR2、NR2R3およびCOOR2から選択される1個または複数の同一または異なる基で置換されている直鎖C1〜C4アルキル炭化水素系の基を表し、ここで、
R2が、水素原子または飽和の直鎖C1〜C5もしくは分岐鎖C3〜C5炭化水素系の基を表し、
R3が、水素原子、飽和の直鎖C1〜C5または分岐鎖C3〜C5炭化水素系の基を表し、
n=0または1または2であり、
m=0または1または2である、
ならびにまた、その酸塩または塩基塩、そのキレート、その溶媒和物およびその光学異性体。
【0036】
さらに一層優先的には、式(I)の化合物は、下記の意味を有する:
YがNR1を表し、
R1が、水素原子、飽和直鎖C1〜C4アルキル炭化水素系の基を表し、
Rが、水素原子、飽和の直鎖C1〜C10または分岐鎖C3〜C10アルキル炭化水素系の基、フェニル基、OHおよびOMeから選択される1個または複数の同一または異なる基で場合によって置換されているフェニルで置換されている飽和直鎖C1〜C4アルキル基、OH、NHAc、SR2およびCOOR2(R2は水素または直鎖C1〜C4アルキル基である)から選択される1個または複数の同一または異なる基で置換されている直鎖C1〜C4アルキル炭化水素系の基を表し、
n=0または1または2、m=0または1または2である、
ならびにまた、その酸塩または塩基塩、そのキレート、その溶媒和物およびその光学異性体。
【0037】
より特別には、式(I)の化合物は、下記の意味を有する:
YがNHを表し、
Rが、水素原子、飽和の直鎖C1〜C10または分岐鎖C3〜C10アルキル炭化水素系の基、フェニル基、OHおよびOMeから選択される1個または複数の同一または異なる基で場合によって置換されているフェニルで置換されている飽和直鎖C1〜C4アルキル基、OH、NHAc、SR2およびCOOR2(R2は水素または直鎖C1〜C4アルキル基である)から選択される1個または複数の同一または異なる基で置換されている直鎖C1〜C4アルキル炭化水素系の基を表し、
n=0または1または2であり、
m=0または1または2である、
ならびにまた、その酸塩または塩基塩、そのキレート、その溶媒和物およびその光学異性体。
【0038】
さらに一層特別には、式(I)の化合物は、下記の意味を有する:
YがNHを表し、
Rが、水素原子、飽和の直鎖C1〜C10または分岐鎖C3〜C10アルキル炭化水素系の基を表し、
n=0または1または2であり、
m=0または1または2である、
ならびにまた、その酸塩または塩基塩、そのキレート、その溶媒和物およびその光学異性体。
【0039】
優先的には、Y=OまたはNR1である。
【0040】
より優先的には、Y=NR1である。
【0041】
さらに一層優先的には、Y=NHである。
【0042】
最も優先的には、R=HまたはC1〜C8アルキル基である。
【0043】
式(I)の化合物の中で、好ましく使用されるのは、下記化合物である。
【0044】
【表1A】

【0045】
【表1B】

【0046】
【表1C】

【0047】
【表1D】

【0048】
【表1E】

【0049】
これらの化合物の中で、下記化合物がより特別に好ましい。
【0050】
【表2】

【0051】
本発明に従う化合物の一部は、それ自体が既知である。これらは以下の化合物1〜8である。
【0052】
【表3】

【0053】
これらの化合物は、国際特許出願WO98/23606に記載されており、薬理学では、血中脂肪またはグルコースを低減するための作用物質として使用されている。
【0054】
化合物1〜8を除く式(I)の化合物は新規であり、本発明の別の主題を構成する。
【0055】
本発明の別の主題は、生理的に許容される媒質中に、上記で定義された通りの化合物1〜8を除く少なくとも1種の式(I)の化合物を含む、化粧組成物または医薬組成物からなる。
【0056】
合成
式(I)の化合物は、以下に記載されており、
- Lene Teuberによる総説、Sulfur reports、9(4)、257〜349頁、1990、Naturally occurring 1,2-dithiolanes and 1,2,3-trithianes、Chemical and Biological Properties
- 欧州特許出願第0869126A1号
に記録されている経路によって得ることができる。
【0057】
2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(CAS:4767-03-7)から開始し、脱離基X(メシレートもしくはトシレート等のアルキルスルホン酸塩もしくはアリールスルホン酸塩、またはヨウ素、臭素もしくは塩素等のハロゲン)としてのヒドロキシルの官能基化、続いて下記反応スキームによる硫黄の導入を行った。
【0058】
【化2】

【0059】
この硫黄の導入は、
(i)極性プロトン性または非プロトン性溶媒(例えば、水、DMF、メタノールまたはアセトニトリル)中の金属二硫化物(Na2S2等)またはテトラチオモリブデン酸塩を使用してジチオランを得る1ステップで、
(ii)または、ジチオール中間体を形成することにより、酸化剤(酸素、DMSO、FeCl3、I2、Br2、ヨウ化ナトリウム、トリフルオロ酢酸タリウム、銀トリフレート、過酸化水素、ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、フェリシアン化カリウムまたは酸化クロム)の存在下、中性または塩基性媒質中、ジチオランの形成につながる2ステップで、実施しうる。この事例において、ジチオールは、チオ尿素またはNaSHを用いるジチオスルホン酸塩(ブンテ塩)の形成による、チオ酢酸誘導体CH3COSH(塩基の存在下)を介する、中間体種の極性または非極性溶媒中における転換(塩基性または酸性媒質中)によって実行してもよい。
【0060】
カルボン酸COOHの官能基COYRへの官能基化は、従来の酸活性化方法(Comprehensive Organic Transformations、R.Larock著、Wiley VCH編、章:Interconversion of the nitriles,carboxylic acids and derivativesに記載されている)によって実施しうる。使用される方法は、酸塩化物(塩化チオニルもしくはオキサリル、または1-クロロ-N,N,2-トリメチル-1-プロペンアミンを使用して)、または混合無水物の形成(クロロギ酸アルキルを使用して)、またはカルボジイミドもしくはジエチルシアノホスフェートの使用を介し、進行を支持するのが好ましい(Phosphorus in organic synthesis-XI、Amino acids and peptides-XXI、Reaction of diethyl phosphorocyanidate with carboxylic acids、A new synthesis of carboxylic esters and amides、Tetrahedron、32、1976、2211〜2217頁)*。
【0061】
使用する溶媒は、極性または非極性、およびプロトン性または非プロトン性(例えば、トルエン、ジクロロメタン、THF、DMF、アセトニトリル、水、メタノールまたはイソプロパノール)であってよい。
【0062】
これらの反応はすべて、-20〜100℃の温度で実施しうる。
【0063】
式(I)のジチオラン(mおよびnはゼロ以外である)の硫黄原子の酸化による生成物の生成は、下記反応スキーム
【0064】
【化3】

【0065】
により、触媒(例えば、Na2WO4、MoO2Cl2またはトリクロロオキソビス(トリフェニルホスフィン)レニウム)の存在下または不在下、酸素、過酸化水素、DMSO、過ヨウ素酸ナトリウム、有機過酸、無機過硫酸塩または無機過マンガン酸塩等の酸化剤を使用して実施しうる。種々の酸化ステップは、使用される酸化剤の化学量論によって決まる。使用しうる溶媒は、水、アセトン、ジクロロメタンまたはメタノールであってよい。
【0066】
これらの酸化は、下記文書に記載されている:
- Oxidation of 1,2-Dithiolanes、Bernt Lindberg、Goran Bergson、Arkiv For Kemi、1965、23(31)、319〜333頁;
- Selective oxidation of sulfides to sulfoxides and sulfones at room temperature using H2O2 and an Mo(VI)salt as catalyst、Kandasamy Jeyakumar、Dillip Kumar Chand、Tetrahedron Letters、47(2006)、4573〜4576頁;
- Rhenium-Catalyzed Oxidation of Thiols and Disulfides with Sulfoxides、Jeffrey B.Arterburn、Marc C.Perry、Sherry L.Nelson、Benjamin R.Dible、Mylena S.Holguin、J.Am.Soc.、119、9309〜9310頁、1997。
【0067】
有利なことに、化合物1は、ワンポット方法によるジクロロピバル酸から開始し沈殿で終了する、以下に記載されている経路によって得ることができる。
【0068】
【化4】

【0069】
有利なことに、化合物2は、優先的にはクロロギ酸イソブチルまたは塩化オキサリルを使用して、化合物1から得ることができる。
【0070】
【化5】

【0071】
本出願人は、UV昼光(平均UV昼光の刺激、L'Oreal concept、Christiaens F.J.ら:Standard ultraviolet daylight for non-extreme exposure conditions、Photochem.Photobiol.、2005)が、HaCaT細胞(インビトロで自然に不死化した成熟ヒト皮膚移植片から得られるケラチノサイト)における細胞内GSHのレベルの低下につながることを実証した。減少は、曝露後最大6時間(約40%低下)であり、UV昼光(UV-DL)への曝露後24時間で基礎レベルに戻る。
【0072】
本発明による化合物は、このGSHの減少を防止するおよび/または直すことができ、したがって、皮膚にUVストレスにより良く耐える準備をさせ、かつそれ自体の修復を援助するように、内因性抗酸化防御系を「ブーストする」ことができる。本発明による化合物の活性を、GSHのレベルを増大させることが知られている参照化合物リポ酸と比較した。
【0073】
このようにして、本出願人は、本発明による化合物のGSHのレベルを増大させる能力が、同じ条件下で測定したリポ酸の能力よりもはるかに大きいことを示した(実施例17を参照)。
【0074】
特に、本発明の主題は、特にUV放射によって引き起こされる酸化ストレスに対する天然の抗酸化保護を皮膚に与える内因性細胞内グルタチオンのレベルを強化および/または保持することを目的とした、生理的に許容される媒質を含む組成物中における、式(I)の化合物から選択される少なくとも1種のジチオラン化合物の化粧的使用である。
【0075】
したがって、本発明による使用は、細胞の抗酸化防御系、特に皮膚細胞の抗酸化防御系を強化および/または保持することができる。皮膚細胞は、特に、線維芽細胞、ケラチノサイトおよびランゲルハンス細胞である。
【0076】
本発明の1つの有利な使用によれば、一般式(I)の化合物は、皮膚光保護剤として有用である。
【0077】
この使用は、皮膚が最小紅斑線量よりも低い強度の昼光への曝露を受け、その作用が皮膚上に目に見える兆候を生成していないか、または、UV光線損傷が例えば皮膚上における発赤の外観によって目に見えるかにかかわらず、有用となりうる。
【0078】
結果として、障害は、独自に知覚できる皮膚の加熱の感知等の単純な不快さから、発赤、さらには炎症にまで及ぶ。
【0079】
したがって、一般式(I)の化合物は、太陽放射、特にUVAおよび/またはUVBによって引き起こされるUVストレスおよび/または加熱の感知を予防および/または治療するために有用である。
【0080】
一般式(I)の化合物は、太陽放射によって引き起こされる皮膚の発赤および炎症等の皮膚障害を予防および/または治療することを意図した、生理的に許容される媒質を含む組成物を調製するためにも有用である。
【0081】
一般式(I)の化合物は、太陽放射によって引き起こされるDNA損傷を予防および/または治療するため、したがって、癌、特に皮膚癌の発病を予防するための、生理的に許容される媒質を含む組成物の調製にも有用である。
【0082】
一般式(I)の化合物は、UVAおよび/またはUVB放射の照射によって引き起こされる皮膚および/または粘膜障害を治療することを意図した、生理的に許容される媒質を含有する組成物の調製にも有用である。
【0083】
太陽照射または曝露は、日光への曝露を特徴とし、特に、天頂からの日光、またはこの天頂位置の周囲30℃の角度で変動する太陽放射への曝露に対応し、かつ/または皮膚がUV放射にさらされると太陽紅斑(一般に「サンバーン」として知られる発赤)を誘発することができ、最小紅斑線量(MED)と定義される、激しい照射であってよい。この線量は、個体のフォトタイプ(phototype)およびUVA/UVB比の関数として変動する。
【0084】
本発明は、特に、紅斑線量の太陽放射への短時間曝露により、哺乳動物、特にヒトの皮膚、粘膜および/または外皮において誘発される損傷を予防または低減することを対象とする。
【0085】
これらの太陽曝露条件は、MED前後の線量、特に1MED以上の線量のUVAおよび/またはUVB光線を含む。
【0086】
上記で説明した通り、GSHのレベルを増大させるその能力により、本発明による式(I)の化合物は、皮膚の抗酸化保護系の確立を可能にする。
【0087】
したがって、生理的に許容される媒質を含有する組成物中における、式(I)の化合物から選択される少なくとも1種のジチオラン化合物の本発明による化粧的使用は、皮膚に日光への曝露に対する準備をさせるために特に適している。
【0088】
特に、日光への曝露に対する皮膚の準備は、前記化粧組成物の、日光への曝露前1週間、好ましくは2週間にわたる、日光への曝露の直前少なくとも1日(6〜18時間)までの、皮膚への毎日の施用によって実施しうる。
【0089】
フリーラジカルは、それらが内因性由来であるか外因性由来であるかにかかわらず、特に細胞膜(膜透過性の分解を引き起こす脂質過酸化)、細胞核(DNAの破壊)および組織、特に結合組織(エラスチンおよびコラーゲン繊維の分解、ならびにポリウロン酸繊維(polyuronic fibres)の解重合)においてかなりの酸化的損傷を引き起こす。この損傷は、特に、皮膚の乾燥ならびに堅さおよび弾力性の喪失につながる(Grinwaldら、1980、Agrenら、1997)。
【0090】
専門家らは現在、細胞老化の原因の1つは、フリーラジカルおよびそれらが開始する酸化現象(特にスーパーオキシドイオンの形成)に対する防御能の弱体化であると考えている。
【0091】
したがって、より一般的には、本発明による一般式(I)の化合物は、フリーラジカルの形成を防止および/もしくは制限するため、ならびに/または細胞中に存在するフリーラジカルを除去するための間接的な抗酸化化合物として有用であり、酸化ストレスによって引き起こされる任意の皮膚障害に使用しうる。
【0092】
一般式(I)の化合物のこの活性は、そのチオール官能基に関連するこれらの化合物の内因性の抗酸化特性によって強化される。
【0093】
このように、本発明による化合物の使用は、皮膚の老化のいくつかの臨床的兆候を予防および/または治療することを可能にする。
【0094】
老化は、その臨床的兆候が、概して、シワおよび小ジワの外観、皮膚および皮下組織のたるみ、皮膚の弾力性の喪失ならびに皮膚の質感の緊張減退によって皮膚上に反映されうる自然な生理現象である。皮膚の堅さおよび張りの喪失、例えばシワおよび小ジワは、皮膚萎縮、およびまた真皮-上皮接合部の平坦化によって少なくとも部分的に説明され、皮膚は、堅さがより少なくなり、かつより弛緩し、表皮の厚みが低下する。
【0095】
老化の別の臨床的兆候は、皮膚の乾燥および粗い外観であり、これは、本質的にはより大きい落屑によるものであり、光線を回折することによって、これらの鱗片は、顔貌の若干灰色を帯びた外観にも寄与する。
【0096】
これらの兆候のうちの一部は、より特別には、内因性または生理的老化、すなわち加齢に関係する老化に関連し、一方、その他は、外因性の老化、すなわち、概して環境によって引き起こされる老化により特異的であり、これは、より特別には、日光、光もしくはその他任意の放射、または汚染物質への曝露による光老化の事例である。
【0097】
したがって、本発明の主題は、皮膚の堅さおよび/または弾力性の喪失を予防および/または治療するための、生理的に許容される媒質を含有する組成物中における、本発明による一般少なくとも1種の式(I)の化合物の化粧的使用に特に適している。そのような使用は、特に、皮膚が均一で平滑な外観を回復することを可能にする。
【0098】
本発明は、皮膚脱水を予防および/または治療するための、生理的に許容される媒質を含有する組成物中における、本発明による一般少なくとも1種の式(I)の化合物の化粧的使用にも適している。
【0099】
本発明の主題は、より一般的には、表皮萎縮および/または皮膚の荒れおよび/または皮膚の乾燥を予防および/または治療するための、生理的に許容される媒質を含有する組成物中における、本発明による一般式(I)の化合物から選択される少なくとも1種の化合物の化粧的使用にも適している。
【0100】
本発明の別の主題は、皮膚に対する汚染の有害な作用を予防および/または治療するための、化粧学的に許容される媒質を含有する組成物中における、一般少なくとも1種の式(I)の化合物の化粧的使用に関する。
【0101】
大気汚染物質、特に、二酸化硫黄、オゾンおよび窒素酸化物等のガス状汚染物質の、皮膚の構成要素(繊維、細胞および酵素)および皮膚によって分泌される皮脂に対する毒性は、生物において細胞損傷を引き起こす酸化現象の源である、そのフリーラジカル開始剤の活性に特に関連することが知られている。
【0102】
外部環境と直接的および恒久的に接触している生細胞(特に、皮膚、頭皮およびいくつかの粘膜)は、シワまたは小ジワの早期形成を伴う皮膚の加速老化、ならびにまた毛髪の活力の低下およびくすんだ外観によって特に反映される、ガス状汚染物質のこれらの効果に特に敏感である。
【0103】
既に説明した通り、皮膚におけるフリーラジカルの存在の有害な作用は、それらが脂質の過酸化を引き起こすことである。年齢とともに(より特別には40歳から)、これらの過酸化脂質の蓄積は、酸敗臭等の不快な体臭に関与する(Haze S.ら、J.Invest.Dermatol.、2001、116(4):520〜4)。
【0104】
本発明の主題は、皮膚脂質の過酸化を防止および/または制限および/または排除するための、生理的に許容される媒質を含有する組成物中における、本発明による一般少なくとも1種の式(I)の化合物の化粧的使用に適している。
【0105】
したがって、本発明の主題は、不快な体臭を防止および/または制限および/または排除するためにも有用である。
【0106】
本発明による組成物は、化粧的および/または皮膚科的使用を意図していてよい。それらは、局所適用、特に、皮膚、粘膜および/または外皮への外部局所適用に適した組成物であってよい。
【0107】
別の実施形態によれば、本発明による組成物は、経口経路に適しており、特に経口化粧品適用を意図している。
【0108】
本発明によって使用しうる化合物の量は、明らかに所望の効果によって決まり、したがって、広い範囲内で変動しうる。
【0109】
指標を与えるために、予め定義した通りの式(I)の化合物(複数可)は、組成物の全重量の0.001%〜20%に相当する量、優先的には組成物の全重量の0.01%〜10%に相当する量で、局所経路、特に外部局所経路に使用しうる。
【0110】
経口経路には、予め定義した通りの式(I)の化合物(複数可)を使用することができ、前記化合物は、用量摂取当たり0.1〜100mgの量で存在する。
【0111】
組成物の配合
好ましくは、少なくとも1種の式(I)の化合物を含む本発明による組成物は、化粧学的に許容される媒質、すなわち、心地よい色、匂いおよび感触を有し、いかなる許容しがたい不快さも引き起こさない媒質を含む。
【0112】
組成物は、化粧組成物または製品であるのが好ましい。「化粧製品」という用語は、特に、人体の種々の表面部分(表皮、被毛(pilous)および毛髪系、爪、口唇ならびに外部生殖器)と、または歯および口腔粘膜と、排他的にまたは主に、それらを清浄にすること、それらに芳香を加えること、それらの外観を修正すること、および/または体臭を矯正すること、および/またはそれらを保護することもしくはそれらを良好な状態に保つことを目的として、接触させるように意図された任意の物質または製剤を意味する(Amended Cosmetic Directive 76/768/EEC)。
【0113】
本発明による組成物は、特に、アルコール性、水性アルコール性もしくは油性溶液、懸濁液、分散液、W/O、O/Wもしくは多重エマルション、水性もしくは無水ゲル、またはイオンもしくは非イオン型の気泡分散液の形態であってよい。その組成物は、液体、半液体、ペースト状または固体稠度を有し得る。
【0114】
局所適用の場合、本発明によって使用しうる組成物は、特に、水性アルコール性もしくは油性溶液またはローションもしくは血清型の分散液、水相(O/W)もしくは逆に(W/O)または多重エマルション中に脂肪相を分散させることによって得られる乳液型液体または半液体稠度のエマルション、非修飾形態で使用するためまたは生理的に許容される媒質に組み込むための遊離または圧縮粉末、あるいは水性もしくは無水クリームまたはゲル型の軟稠度の懸濁液またはエマルション、あるいはマイクロカプセルまたは微粒子、あるいはイオンおよび/または非イオン型の気泡分散液の形態であってよい。したがって、組成物は、軟膏、チンキ剤、クリーム、ポマード、粉末、パッチ、含浸パッド、溶液、エマルションもしくは気泡分散液、ローション、ゲル、スプレー、懸濁液、シャンプー、エアロゾルまたはムースの形態であってよい。組成物は、無水または水性であってよい。組成物は、石けんまたはクレンジングバーを構成する固形製剤からなってもよい。
【0115】
これらの組成物は、通常の方法によって調製される。
【0116】
本発明の別の実施形態によれば、組成物は、経口使用、特に「化粧経口」使用に適している。
【0117】
経口使用の場合、組成物は、特に、ウェハーカプセル、ゲルカプセル、被覆錠剤、顆粒、素錠、チュアブルペースト、ゲルまたは飲用シロップの形態、または当業者に既知のその他任意の形態であってよい。
【0118】
本発明によって使用しうる組成物の種々の構成要素の量は、当該分野で企図されている、慣習的に使用される量である。
【0119】
組合せ
本発明による組成物は、式(I)の化合物の活性を強化または補完するための作用物質と、特に、抗酸化剤、抗汚染剤、有機スクリーン剤および/または無機スクリーン剤、ならびにDNA修復を刺激するための作用物質から選択される少なくとも1種の化合物とを含有してもよい。
【0120】
本発明による式(I)の化合物は、ビトレオシラ・フィリフォルミス(Vitreoscilla filiformis)等の非子実体形成性、非光合成糸状菌の抽出物(全生物量、培養培地、リボソーム画分、細胞膜画分、LPS画分、脂質A等)、または{2-(アセチル(3-トリフルオロメチルフェニル)-アミノ]-3-メチルブチリルアミノ}酢酸と有利に組み合わせてもよい。
【0121】
したがって、例えば、
- 酢酸塩、リノール酸塩またはニコチン酸塩を、好ましくは約0.1%〜5%の濃度で含む、ビタミンE(トコフェロール)およびその誘導体
- γ-オリザノール(0.1%〜5%)
- リシンピドレートまたはアルギニンピドレート(0.5%〜10%)
- 香油の抽出物(0.01%〜2%)、シリマリンの抽出物(0.01%〜2%)、イチョウ(Ginkgo biloba)の抽出物(0.05%〜2%)、セージの抽出物(0.05%〜2%)、コーラナッツの抽出物(0.05%〜2%)、ルチンの抽出物(0.1%〜2%)またはタイムの抽出物(0.1%〜2%)等の植物抽出物、パーセンテージは乾物として示されている
- 精製形態または抽出物でのα-およびβ-カロテンまたはリコペン等のカロテノイド(例えば、10-12%〜10%、より優先的には10-7%〜0.1%の最終リコペン濃度に到達するリコペン力価を有するトマトピューレ)
- マツ、サンザシまたはブドウ由来のプロアントシアニドール (proanthocyanidin) オリゴマー(0.1%〜2%)
- ジ-tert-ブチルヒドロキシベンジリデンショウノウ(0.1%〜2%)
- 緑茶(0.1%〜2%)
- カフェイン(0.1%〜5%)
- グリセロール(2%〜30%)
- マンニトール(2%〜30%)
- カルノシン(0.1%〜2%)
- スーパーオキシドジスムターゼ(100〜10000IU/100g)
- グアノシン(0.01%〜1%)
- ヘマトコッカス(Haematococcus)等のエトキシキンを含有する微細藻類(0.005%〜1%)
- アミノトリメチレンホスホン酸五ナトリウム(0.001%〜0.5%)
- ラクトペルオキシダーゼ(0.01%〜0.1%)
- ビタミンCおよびその誘導体
- ラクトフェリン(0.01%〜0.1%)
- イソプロピル(ベンジル{2-[ベンジル(2-イソプロポキシ-2-オキソ-エチル)アミノ]エチル}アミノ)アセテート
- フロレチン
- ヘスペリジン
- ネオヘスペリジンジヒドロカルコン
- フェルラ酸
- ユーカリオン(Proteome Systemsによって開発されたEUK-8、EUK-134およびEUK-189を含む)
- L-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボン酸
- エルゴチオネイン
- コーヒー酸
- デスフェラール
- 4,4'-(2,3-ジメチルブタン-1,4-ジイル)ジベンゼン-1,2-ジオール
から選択される抗酸化剤を使用することが可能である。
【0122】
数種の抗酸化剤の混合物を使用してもよい。
【0123】
フリーラジカルスカベンジャー、特にバイオフラボノイド、補酵素Q10またはユビキノン、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼおよびキニーネレダクターゼ等のいくつかの酵素、グルタチオン、ベンジリデンショウノウ、ベンジルシクラノン、置換ナフタレノン、ピドレート、フィタントリオール、リグナン、メラトニン、水酸化カルコン、ならびにまたそれらの還元誘導体についても言及がなされうる。
【0124】
抗酸化剤は、ビタミンC、ビタミンE、イソプロピル(ベンジル{2-[ベンジル(2-イソプロポキシ-2-オキソエチル)アミノ]エチル}アミノ)アセテート、フェルラ酸、フロレチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびSODから選択されるのが好ましい。
【0125】
「抗汚染剤」という用語は、オゾン、ベンツピレン等の単環式もしくは多環式芳香族化合物、ならびに/またはコバルト、水銀、カドミウムおよび/もしくはニッケル等の重金属を捕捉することができる任意の化合物を意味する。「フリーラジカルスカベンジャー」という用語は、フリーラジカルを捕捉することができる任意の化合物を意味する。
【0126】
本発明による組成物中において使用しうるオゾン捕捉剤として、特に、ビタミンCおよびアスコルビルグルコシドを含むその誘導体;フェノールおよびポリフェノール、特に、タンニン、エラグ酸およびタンニン酸;エピガロカテキンおよびそれを含有する天然抽出物;オリーブ樹木の葉の抽出物;茶、特に緑茶の抽出物;アントシアン;ローズマリーの抽出物;フェノール酸、特にクロロゲン酸;スチルベン、特にレスベラトロル;含硫アミノ酸誘導体、特にS-カルボキシメチルシステイン;エルゴチオネイン;N-アセチルシステイン;キレート剤、例えばN,N'-ビス(3,4,5-トリ-メトキシベンジル)エチレンジアミン、またはその塩、金属錯体もしくはエステルのうちの1つ;クロセチン等のカロテノイド;ならびに種々の出発原料、例えば、商標名CPP LS 2633-12F(登録商標)でLaboratoires Serobiologiquesが販売している、アルギニン、リボヌクレイン酸ヒスチジン(histidine ribonucleate)、マンニトール、アデノシン三リン酸、ピリドキシン、フェニルアラニン、チロシンおよび加水分解RNAの混合物、商標名Phytovityl(登録商標)でSolabia社が販売しているトウモロコシの水溶性画分、名称Unicotrozon C-49(登録商標)でInduchem社が販売しているカラクサケマンの抽出物およびレモンの抽出物の混合物、ならびに商標名Pronalen Bioprotect(登録商標)でProvital社が販売している、チョウセンニンジン、リンゴ、モモ、コムギおよびオオムギの抽出物の混合物について言及がなされうる。
【0127】
本発明による組成物において使用しうる、単環式または多環式芳香族化合物を捕捉するための作用物質として、特に、エラグ酸等のタンニン;インドール誘導体、特に3-インドールカルビノール;茶、特に緑茶の抽出物、ウォーターヒアシンスまたはホテイアオイ(Eichornia crassipes)の抽出物;ならびに商標名Phytovityl(登録商標)でSolabia社が販売しているトウモロコシの水溶性画分について言及がなされうる。
【0128】
最後に、本発明による組成物中において使用しうる重金属捕捉剤として、特に、EDTA、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸の五ナトリウム塩、およびN,N'-ビス(3,4,5-トリメトキシベンジル)エチレンジアミンまたはその塩、金属錯体もしくはエステルのうちの1つ等のキレート剤;フィチン酸;キトサン誘導体;茶、特に緑茶の抽出物;エラグ酸等のタンニン;システイン等の含硫アミノ酸;ウォーターヒアシンス(ホテイアオイ)の抽出物;ならびに商標名Phytovityl(登録商標)でSolabia社が販売しているトウモロコシの水溶性画分について言及がなされうる。
【0129】
有利なことに、本発明による組成物は、UVAおよび/またはUVB領域で活性(吸収体)であり、水溶性、脂溶性、または一般に使用される化粧溶媒中に不溶性である、少なくとも1種の有機光保護剤および/または少なくとも1種の無機光保護剤を含有する。好ましくは、UVA放射およびUVB放射の両方を選別除去するためのシステムが好ましく使用される。
【0130】
サンスクリーンは、UV放射を吸収し、それによりその放射が皮膚細胞に到達するのを防止する分子である。サンスクリーンは、その性質に応じて、主にUVBまたは主にUVAのいずれかを吸収することができる。サンスクリーンには2つの主要なカテゴリがあり、有機または無機(酸化亜鉛または酸化チタン)のいずれかである。サンスクリーンを化粧組成物中に組み合わせて十分な量で使用することにより、UV放射の大部分を遮断することができる。
【0131】
しかしながら、有効であるためには、これらの配合物を良好な適用条件(十分な量、頻繁な更新および均一な拡散)下で使用しなくてはならないことが一般に認められている。これらの適用条件を使用者が常に厳守するわけではなく、このことが、かなりの量のUV放射が皮膚細胞に到達するリスク、それにより、上述の生物学的効果を生じさせるリスクを増大させる。さらに、UVB+UVA太陽UVスペクトルのすべての波長を吸収するために、相補的な波長範囲で吸収する数種の分子を組み合わせる必要がある。
【0132】
追加の有機スクリーン剤は、特に、アントラニル酸塩;ケイ皮誘導体;サリチル誘導体;ショウノウ誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロネート誘導体、特に米国特許第5624663号において言及されているもの;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;欧州特許第669323号および米国特許第2463264号に記載されている通りのビス-ベンザゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;米国特許出願第5237071号、米国特許出願第5166355号、英国特許出願第2303549号、ドイツ特許出願第19726184号および欧州特許出願第893119号に記載されている通りのメチレンビス-(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;欧州特許出願第0832642号、欧州特許出願第1027883号、欧州特許出願第1300137号およびドイツ特許出願第10162844号に記載されている通りのベンゾオキサゾール誘導体;特に国際特許出願WO93/04665に記載されているもの等のスクリーンポリマーおよびスクリーンシリコーン;ドイツ特許出願第19855649号に記載されているもの等のα-アルキルスチレンベースのダイマー;欧州特許出願第0967200号、ドイツ特許出願第19746654号、ドイツ特許出願第19755649号、欧州特許出願A-1008586、欧州特許出願第1133980号および欧州特許出願第133981号に記載されているもの等の4,4-ジアリールブタジエン;国際特許出願WO04/006878、国際特許出願WO05/058269および国際特許出願WO06/032741に記載されているもの等のメロシアニン誘導体;ならびにそれらの混合物から選択される。
【0133】
追加の有機光保護剤の例として、そのINCI名で以下に表されているものについて言及がなされうる。
ケイ皮誘導体:
特に、商標名Parsol MCXでDSM Nutritional Products,Inc.が販売しているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル
メトキシケイ皮酸イソプロピル
商標名Neo Heliopan E 1000でSymriseが販売しているメトキシケイ皮酸イソアミル
メトキシケイ皮酸DEA
メチルケイ皮酸ジイソプロピル
ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル
パラアミノ安息香酸誘導体
PABA
エチルPABA
エチルジヒドロキシプロピルPABA
特に、名称Escalol 507でISPが販売しているエチルヘキシルジメチルPABA
グリセリルPABA
名称Uvinul P25でBASFが販売しているPEG-25 PABA
サリチル誘導体:
名称Eusolex HMSでRona/EM Industriesが販売しているホモサレート
名称Neo Heliopan OSでSymriseが販売しているサリチル酸エチルヘキシル
名称DipsalでScherが販売しているサリチル酸ジプロピレングリコール
名称Neo Heliopan TSでSymriseが販売しているサリチル酸TEA
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体:
特に、商標名Uvinul N539でBASFが販売しているオクトクリレン
特に、商標名Uvinul N35でBASFが販売しているエトクリレン
ベンゾフェノン誘導体:
商標名Uvinul 400でBASFが販売しているベンゾフェノン-1
商標名Uvinul D50でBASFが販売しているベンゾフェノン-2
商標名Uvinul M40でBASFが販売しているベンゾフェノン-3またはオキシベンゾン
商標名Uvinul MS40でBASFが販売しているベンゾフェノン-4
ベンゾフェノン-5
商標名Helisorb 11でNorquayが販売しているベンゾフェノン-6
商標名Spectra-Sorb UV-24でAmerican Cyanamidが販売しているベンゾフェノン-8
商標名Uvinul DS-49でBASFが販売しているベンゾフェノン-9
ベンゾフェノン-12
商標名Uvinul A+でBASFが販売しているn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)-ベンゾエート
ベンジリデンショウノウ誘導体:
名称Mexoryl SDでChimexが製造している3-ベンジリデンショウノウ
名称Eusolex 6300でMerckが販売している4-メチルベンジリデンショウノウ
名称Mexoryl SLでChimexが製造しているベンジリデンショウノウスルホン酸
名称Mexoryl SOでChimexが製造しているメト硫酸ショウノウベンザルコニウム
名称Mexoryl SXでChimexが製造しているテレフタリリデンジショウノウスルホン酸
名称Mexoryl SWでChimexが製造しているポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ
フェニルベンズイミダゾール誘導体:
特に、商標名Eusolex 232でMerckが販売しているフェニルベンズイミダゾールスルホン酸
商標名Neo Heliopan APでSymriseが販売しているフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム
フェニルベンゾトリアゾール誘導体:
名称SilatrizoleでRhodia Chimieが販売しているドロメトリゾールトリシロキサン
固体形態の商標名MIXXIM BB/100でFairmount Chemicalが販売している、または微粉化形態の水性分散液として商標名Tinosorb MでCiba Specialty Chemicalsが販売しているメチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール
トリアジン誘導体:
商標名Tinosorb SでCiba Geigyが販売しているビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン、特に、商標名Uvinul T150でBASFが販売しているエチルヘキシルトリアゾン
商標名Uvasorb HEBでSigma 3Vが販売しているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン
2,4-ビス(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-6-(アミノプロピル-トリシロキサン)-s-トリアジン
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン
米国特許第6225467号、国際特許出願WO2004/085412(化合物6および9を参照)または文書Symmetrical Triazine Derivatives IP.COM Journal、IP.COM INC West Henrietta、NY、US(2004年9月20日)に記載されている対称性トリアジンスクリーン剤、特に、2,4,6-トリス(ビフェニル)-1,3,5-トリアジン(特に、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル-1,3,5-トリアジン))ならびにBeiersdorfの国際特許出願WO06/035000、国際特許出願WO06/034982、国際特許出願WO06/034991、国際特許出願WO06/035007、国際特許出願WO2006/034992および国際特許出願WO2006/034985においても言及されている2,4,6-トリス(テルフェニル)-1,3,5-トリアジン
アントラニル誘導体:
商標名Neo Heliopan MAでHaarmann and Reimerが販売しているアントラニル酸メンチル
イミダゾリン誘導体:
プロピオン酸エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリン
ベンザルマロネート誘導体:
ベンザルマロネート官能基を含有するポリオルガノシロキサン、例えば商標名Parsol SLXでDSM Nutritional Products,Inc.が販売しているポリシリコーン-15
4,4-ジアリールブタジエン誘導体:
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン
ベンゾオキサゾール誘導体:
名称Uvasorb K2AでSigma 3Vが販売している2,4-ビス[5-(1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル(4-フェニル)-イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン
メロシアニン誘導体
オクチル5-N,N-ジエチルアミノ-2-フェニルスルホニル-2,4-ペンタジエノエート
ならびにそれらの混合物。
【0134】
優先的な有機スクリーン剤は、
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
サリチル酸エチルヘキシル、
ホモサレート、
オクトクリレン、
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
ベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)-ベンゾエート、
4-メチルベンジリデンショウノウ、
テレフタリリデンジショウノウスルホン酸、
フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチル-フェノール、
ビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン、
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-6-(アミノプロピル-トリシロキサン)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン、
2,4,6-トリス(テルフェニル)-1,3,5-トリアジン、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン-15、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル(4-フェニル)-イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
オクチル5-N,N-ジエチルアミノ-2-フェニルスルホニル-2,4-ペンタジエノエート、
およびそれらの混合物から選択される。
【0135】
本発明に従う有機スクリーン剤は、概して、組成物の全重量の0.1%〜30%、好ましくは1%〜25%を占める。
【0136】
本発明に従って使用される追加の無機UVスクリーン剤は、金属酸化物顔料である。より優先的には、本発明の無機UVスクリーン剤は、500nm以下、より優先的には5nm〜500nm、さらに一層優先的には10nm〜100nm、優先的には15nm〜50nmの平均元素粒径を有する金属酸化物粒子である。
【0137】
金属酸化物は、特に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウムもしくは酸化セリウムまたはそれらの混合物から選択されてよく、より特別には酸化チタンであってよい。
【0138】
そのような被覆または非被覆金属酸化物顔料は、特に、欧州特許出願A-0518773に記載されている。言及されうる市販の顔料は、Kemira社、Tayca社、Merck社およびDegussa社が販売している製品を含む。
【0139】
金属酸化物顔料は、被覆されていてもよく、また被覆されていなくてもよい。
【0140】
被覆顔料は、アミノ酸、蜜ロウ、脂肪酸、脂肪アルコール、アニオン界面活性剤、レシチン、ナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄、または脂肪酸、(チタンまたはアルミニウムの)金属アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物もしくはヘキサメタリン酸ナトリウムのアルミニウム塩等の化合物による、化学的、電子的、機械化学的および/または機械的性質の1つまたは複数の表面処理を受けた顔料である。
【0141】
被覆顔料は、より特別には、
- 池田物産株式会社製の製品Sunveil等のシリカで被覆された酸化チタン
- 池田物産株式会社製の製品Sunveil F等のシリカおよび酸化鉄で被覆された酸化チタン
- テイカ株式会社製の製品Microtitanium Dioxide MT 500SAおよびMicrotitanium Dioxide MT 100SA、Tioxide社製のTioveil等のシリカおよびアルミナで被覆された酸化チタン
- 石原産業株式会社製の製品Tipaque TTO-55(B)およびTipaque TTO-55(A)ならびにKemira社製のUVT14/4等のアルミナで被覆された酸化チタン
- テイカ株式会社製の製品Microtitanium Dioxide MT 100TV、MT 100TX、MT 100ZおよびMT-01、ならびにUnigema社製の製品Solaveil CT-10WおよびSolaveil CT 100、ならびにMerck社製の製品Eusolex T-AVO等のアルミナおよびステアリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン
- テイカ株式会社製の製品MT-100AQ等のシリカ、アルミナおよびアルギン酸で被覆された酸化チタン
- テイカ株式会社製の製品Microtitanium Dioxide MT 100S等のアルミナおよびラウリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン
- テイカ株式会社製の製品Microtitanium Dioxide MT 100F等の酸化鉄およびステアリン酸鉄で被覆された酸化チタン
- テイカ株式会社製の製品BR351等の酸化亜鉛およびステアリン酸亜鉛で被覆された酸化チタン
- テイカ株式会社製の製品Microtitanium Dioxide MT 600SAS、Microtitanium Dioxide MT 500SASまたはMicrotitanium Dioxide MT 100SAS等の、シリカおよびアルミナで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン
- チタン工業株式会社製の製品STT-30-DS等の、シリカ、アルミナおよびステアリン酸アルミニウムで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン
- Kemira社製の製品UV-Titan X195等の、シリカで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン
- 石原産業株式会社製の製品Tipaque TTO-55(S)またはKemira社製のUV Titan M262等の、アルミナで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン
- チタン工業株式会社製の製品STT-65-S等のトリエタノールアミンで被覆された酸化チタン
- 石原産業株式会社製の製品Tipaque TTO-55(C)等のステアリン酸で被覆された酸化チタン
- テイカ株式会社製の製品Microtitanium Dioxide MT 150W等のヘキサメタリン酸ナトリウムで被覆された酸化チタン
- 商標名T805でDegussa Silices社が販売しているオクチルトリメチルシランで処理されたTiO2
- 商標名70250 Cardre UF TiO2SI3でCardre社が販売しているポリジメチルシロキサンで処理されたTiO2
- 商標名Microtitanium Dioxide USP Grade HydrophobicでColor Techniques社が販売しているポリジメチルヒドロゲノシロキサンで処理されたアナターゼ/ルチルTiO2
である。
【0142】
非被覆酸化チタン顔料は、例えば、テイカ株式会社が商標名Microtitanium Dioxide MT 500BまたはMicrotitanium Dioxide MT 600Bで、Degussa社が名称P25で、Wackher社が名称Transparent titanium oxide PWで、三好化成工業株式会社が名称UFTRで、Tomen社が名称ITSで、ならびにTioxide社が名称Tioveil AQで販売している。
【0143】
非被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、
- 名称Z-CoteでSunsmart社が販売しているもの
- 名称NanoxでElementis社が販売しているもの
- 名称Nanogard WCD2025でNanophase Technologies社が販売しているもの
である。
【0144】
被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、
- 名称Zinc Oxide CS-5でToshibi社が販売しているもの(ポリメチルヒドロゲノシロキサンで被覆されたZnO)
- 名称Nanogard Zinc Oxide FNでNanophase Technologies社が販売しているもの(Finsolv TN、C12〜C15安息香酸アルキル中の40%分散液として)
- 名称Daitopersion ZN-30およびDaitopersion ZN-50で大東化成工業株式会社が販売しているもの(シリカおよびポリメチルヒドロゲノシロキサンで被覆された30%または50%のナノ酸化亜鉛を含有するシクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化されたポリジメチルシロキサン中の分散液)
- 名称NFD Ultrafine ZnOでダイキン工業株式会社が販売しているもの(シクロペンタシロキサン中の分散液として、リン酸パーフルオロアルキルおよびパーフルオロアルキルエチルに基づくコポリマーで被覆されたZnO)
- 名称SPD-Z1で信越化学工業株式会社が販売しているもの(シクロジメチルシロキサン中に分散された、シリコーングラフトアクリルポリマーで被覆されたZnO)
- 名称Escalol Z100でISP社が販売しているもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセン/メチコンコポリマー混合物中に分散された、アルミナ処理したZnO)
- 名称Fuji ZnO-SMS-10で富士色素株式会社が販売しているもの(シリカおよびポリメチルシルセスキオキサンで被覆されたZnO)
- 名称Nanox Gel TNでElementis社が販売しているもの(55%の濃度でヒドロキシステアリン酸重縮合物とともにC12〜C15安息香酸アルキル中に分散されたZnO)
である。
【0145】
非被覆酸化セリウム顔料は、名称Colloidal Cerium OxideでRhone-Poulenc社が販売している。
【0146】
非被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社が名称Nanogard WCD2002(FE 45B)、Nanogard Iron FE 45BL AQ、Nanogard FE 45R AQおよびNanogard WCD2006(FE 45R)で、またはMitsubishi社が名称TY-220で販売している。
【0147】
被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社が名称Nanogard WCD2008(FE 45B FN)、Nanogard WCD2009(FE 45B556)、Nanogard FE 45BL345およびNanogard FE 45BLで、またはBASF社が名称Transparent Iron Oxideで販売している。
【0148】
金属酸化物の混合物、特に、池田物産株式会社が名称Sunveil Aで販売している二酸化チタンおよび二酸化セリウムのシリカ被覆の等重量混合物を含む、二酸化チタンおよび二酸化セリウムの混合物、ならびにまた、Kemira社が販売している製品M261等、二酸化チタンおよび二酸化亜鉛の、アルミナ、シリカおよびシリコーン被覆の混合物、またはKemira社が販売している製品M211等、二酸化チタンおよび二酸化亜鉛の、アルミナ、シリカおよびグリセロール被覆の混合物についても言及がなされうる。
【0149】
本発明によれば、被覆または非被覆酸化チタン顔料が特に好ましい。
【0150】
本発明に従う無機スクリーン剤は、概して、組成物の全重量の0.5%〜40%、好ましくは1%〜30%に相当する。
【0151】
無機スクリーン剤は、その天然形態または顔料ペーストの形態で、すなわち、例えば文書GB-A-2206339に記載されている通り、分散剤との混合物として、本発明による組成物中に導入されうる。
【0152】
特に使用しうるビタミンE誘導体は、酢酸トコフェロールである。
【0153】
DNA修復を刺激するための作用物質は、特に、ホトリアーゼおよび/またはエンドヌクレアーゼT4等、その修復を促進する酵素である。
【0154】
組成物は、保湿剤、NOシンターゼ阻害剤、フリーラジカルスカベンジャー、または表皮高分子の合成を刺激するための、および/もしくはその分解を防止するための作用物質を含有してもよい。
【0155】
これらの種々の成分の量は、当業者によって適合されるであろう。
【0156】
下記の実施例は、本発明を例証する役割を果たす。配合例において、組成物材料の量は、組成物の全重量に対する重量パーセントとして示されている。
【実施例】
【0157】
(実施例1)
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボン酸(化合物1)の合成
【0158】
【化6】

【0159】
8gのジクロロピバル酸を、コンデンサーおよび滴下漏斗が取り付けられた250ml三口フラスコに入れる。酸を80mlの水に溶解し、4.6gのNa2CO3をゆっくり添加する。10.7gのチオ酢酸カリウムの溶液を滴下添加し、反応媒質を還流させる。14.9gのNa2CO3を添加し、媒質を再度還流させる。出発原料の消失後、7.3mlのDMSOを添加し、続いて還流させる。酸性化後、固体を沈殿させ真空乾燥することにより、ジチオランが得られる。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 3.69(d,2H)、2.95(d,2H)、1.53(s,3H)、ESI-:
[(M,H)-]=163m/z
【0160】
(実施例2)
オクチル4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキシレート(化合物9)の合成
【0161】
【化7】

【0162】
シリンジを使用して、1gの酸(24)、その後0.8mlの1-クロロ-N,N,2-トリメチル-プロペニルアミン(27)を、100ml三口フラスコ中の20mlのジクロロメタンに入れる。混合物を1時間攪拌し、続いて、1.28mlのトリエチルアミン、0.96mlのオクタノールおよび20mlのジクロロメタンを含有する-5℃の反応媒質に添加漏斗を介して滴下添加する。混合物を攪拌する。その後、反応媒質を水(3×30ml)で洗浄する。水相を3×10mlのEtOAcで抽出する。合わせた有機相を30mlの飽和NaCl水溶液で洗浄し、その後、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、その後、ロータベーパー上で真空濃縮する(500mバール、T=40℃)。得られる粗生成物は黄色油(m=1.25g)である。シリカのカラム(mSiO2=40g、100/0、その後98/2ヘプタン/EtOAc勾配で溶離)上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製を実施する。
【0163】
ロータベーパー(P=100mバール、T=40℃)上で画分を濃縮後、1.08gの純粋な所望の生成物が得られる。
【0164】
黄色油;収率=66%;Rf(エステル)=0.16(溶離液:シクロヘキサン);
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 4.08(t,2H)、3.57(d,2H)、3.02(d,2H)、1.58(m,2H)、1.40(s,3H)、1.29(m,10H)、0.86(t,3H)
MS m/z(M+,277;M+23,299)。
【0165】
下記操作は、求核試薬のみ変更し、前述と同じ条件下で実施した。
【0166】
(実施例3)
S-[2-(アセチルアミノ)エチル]4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボチオエート(化合物13)の合成
【0167】
【化8】

【0168】
実施例2の方法と同一の方法:使用した求核試薬はN-アセチルシステアミン(0.64ml)である。
【0169】
シリカのカラム(mSiO2=40g;100/0、その後98/2 DCM/MeOHの直線勾配で溶離)上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製を実施する。
【0170】
ロータベーパー(P=200mバール、T=40℃)上で画分を濃縮後、所望の生成物とN,N,2-トリメチルプロピオンアミド(28)との0.32gの混合物が得られる。
【0171】
濃厚な黄色の液体、収率=10%;Rf(期待値)=0.3;溶離液:95/5 DCM/MeOH;1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 8.03(t,NH)、3.57(d,2H)、3.18(dt 2H)、3.10(d,2H)、2.96(m,2H)、1.79(s,3H)、1.43(s,3H);MS m/z(M+,266;M+23,288)。
【0172】
(実施例4)
N-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物14)の合成
【0173】
【化9】

【0174】
実施例2の方法と同一の方法:使用した求核試薬はエタノールアミン(0.36ml)である。反応媒質をろ過後、粗黄色油が得られる(m=1.850g)。
【0175】
シリカのカラム(100/0、その後98/2 DCM/MeOHの直線勾配で溶離)上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製を実施する。
【0176】
ロータベーパー(P=500mバール、T=40℃)上で画分を濃縮後、800mgの純粋な所望の黄色油が得られる;収率=65%。
【0177】
Rf(期待値)=0.43;溶離液:9/1 DCM/MeOH;
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 7.80(t,NH)、4.64(t,OH)、3.53(d,2H)、3.40(dt,2H)、3.14(m,2H)、2.99(d,2H)、1.34(s,3H);MS m/z(M+,208;M+23,230)。
【0178】
(実施例5)
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物2)の合成
【0179】
【化10】

【0180】
実施例2の方法と同一の方法(実施例5-a):使用した求核試薬はイソプロパノール(9.5ml)中のアンモニアである。反応媒質をろ過後、粗黄色油が得られる(m=1.853g)。
【0181】
シリカのカラム(溶離液:DCM)上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製を実施する。
【0182】
ロータベーパー(P=600mバール、T=40℃)上で画分を濃縮後、500mgの純粋な所望の黄色固体が得られる。収率=52%。
【0183】
代替として、方法(実施例5-b)、1.3当量のクロロギ酸イソブチルを、THF中の1gの化合物1の溶液に、0℃で、1.2当量のトリエチルアミンとともに添加する。室温で2時間後、反応媒質を、水中28%またはイソプロパノール中2Nのいずれかでアンモニアの冷溶液に添加する。媒質を室温で必要な時間だけ攪拌し、その後、真空濃縮する。その後、粗生成物をトルエン中に溶かし、沈殿後、化合物2を得る。収率=60%。
【0184】
Rf(期待値)=0.45;溶離液:95/5 DCM/MeOH;1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 7.38(s,NH)、7.13(s,NH)、3.53(d,2H)、2.97(d,2H)、1.34(s,3H);ESI-:[(M,H)-]=162m/z;ESI+:[(M,Na)+]=186m/z;ESI+:[(M,H)+]=164m/z;ESI+:[(M,Na,MeOH)+]=218m/z
【0185】
(実施例6)
N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物15)の合成
【0186】
【化11】

【0187】
実施例2の方法と同一の方法:使用した出発酸の量は0.25gであり、使用した求核試薬はジメチルジオキソランメタンアミン(0.2ml)である。
【0188】
110mgの純粋な所望の黄色油が得られる。収率=26%。
【0189】
Rf(期待値)=0.51;溶離液:95/5 DCM/MeOH;1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 7.77(t,1H:NH)、3.55(dd 4H,H3:ジアステレオ異性体)、3.5(m,4H,H7:ジアステレオ異性体)、3.20(m,2H,H8:ジアステレオ異性体)、3.05(dd,2H:H9およびH9')、2.99(dd,4H,H5)、1.35(s,12H,H10+H11:ジアステレオ異性体)、0.9(d,3H,H6);MS m/z(M+23,300)。
【0190】
アセトニド形態で保護された70mgの純粋な生成物および約5gのDowex樹脂を、3mlの水および2mlのTHFの溶液中で使用する。反応混合物を、室温で20時間、その後、40℃で40時間攪拌する。
【0191】
樹脂入りの反応媒質を真空ろ過し、3×10mlの水、その後、2×10mlのEtOHで洗浄する。その後、ろ液をロータベーパー(P=200mバール、T=40℃)上で濃縮する。2個のジアステレオ異性体を含有する30mgの黄色油が得られる。
【0192】
Rf(期待値)=0.24;溶離液:9/1 DCM/MeOH;1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 7.80(t,1H:NH)、4.73(d,OH)、4.50(t,OH)、3.55(d,4H)、3.4(m,2H)、3.2(m,1H)、3.1(m,2H)、2.99(d,4H)、1.35(s,3H);MS m/z(M+,208;M+23,230)。
【0193】
(実施例7)
N-ヘプチル-4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物10)の合成
【0194】
【化12】

【0195】
実施例2の方法と同一の方法:求核試薬は0.22mlのn-ヘプチルアミンである。
【0196】
得られる粗生成物は帯黄色の油(m=0.27g)である。
【0197】
シリカのカラム(mSiO2=12g;溶離液:99/1 DCM/MeOH)上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製を実施する。
【0198】
ロータベーパー(P=500mバール、T=40℃)上で画分を濃縮後、0.21gの純粋な所望の黄色油が得られる。収率=54%。
【0199】
Rf(期待値)=0.5;溶離液:99/1 DCM/MeOH;1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 7.78(t,NH)、3.53(d,2H)、3.1(dt,2H)、2.97(d,2H)、1.41(tt,2H)、1.34(s,3H)、1.23(m,8H)、0.85(t,3H);MS m/z(M+,262;M+23,284)
【0200】
(実施例8)
メチル2-{[(4-メチル-1,2-ジチオラン-4-イル)カルボニル]アミノ}-4-(メチルスルファニル)-ブタノエート(化合物12)の合成
【0201】
【化13】

【0202】
実施例2の方法と同一の方法:求核試薬はL-メチオニンメチルエステルである。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 8.13(d,NH)、4.4(m,1H)、3.63(s,3H)、3.58(m,2H)、3.02(m,2H)、2.5(m,2H)、2.04(s,3H)、1.96(m,2H)、1.38(s,3H);MS m/z(M+,310;M+23,332)
【0203】
(実施例9)
N-ブチル-4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物11)の合成
【0204】
【化14】

【0205】
1.1当量のトリエチルアミンおよび1当量のジエチルシアノホスフェートを、mlの無水THF中の1gの1,2-ジチオラン-4-メチル-4-カルボン酸に0℃で添加する。1.1当量のn-ブチルアミンを0℃で添加し、媒質を室温まで加温しながら1時間攪拌する。蒸発および抽出による水性ワークアップ後、濃縮された粗反応生成物をシリカのカラム(溶離液:ジクロロメタン)上で精製する。関心対象の画分を蒸発除去後、黄色油が得られる。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 7.79(t,NH)、3.53(d,2H)、3.1(dt,2H)、2.97(d,2H)、1.41(tt,2H)、1.34(s,3H)、1.23(m,8H)、0.85(t,3H);MS m/z(M+,262;M+23,284)
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 7.79(t,NH)、3.54(d,2H)、3.08(dt,2H)、2.98(d,2H)、1.40(q,2H)、1.34(s,3H)、1.27(m,4H)、0.87(t,3H);ESI+:[(M,Na)+]=242m/z
【0206】
(実施例10)
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボン酸1-オキシド(化合物23)の合成
【0207】
【化15】

【0208】
1当量の30%過酸化水素水溶液を、2mlのアセトン中の100mgの4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボン酸に添加する。反応媒質を20℃で終夜攪拌する。真空濃縮後、70/30の割合の2個のジアステレオ異性体の混合物としての白色固体の形態で、チオスルフィン酸塩が定性的に得られる。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm
主ジアステレオ異性体:4.38(d,1H)、3.78(q,2H)、3.11(d,1H)、1.57(s,3H)
副ジアステレオ異性体:4.36(d,1H)、3.96(d,1H)、3.42(d,1H)、3.31(d,1H)、1.51(s,3H)
13C NMR(DMSO-d6):δ ppm:174.95;174.63;71.96;70.85;58.98;56.73;46.53;45.03;23.77;21.96
ESI-:[(M,H)-]=179m/z
【0209】
(実施例11)
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボン酸1,1-ジオキシド(化合物24)の合成
【0210】
【化16】

【0211】
2当量の30%過酸化水素水溶液および0.15当量のタングステン酸ナトリウムNa2WO4を、2mlのアセトン中の100mgの4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボン酸に添加する。反応媒質を20℃で終夜攪拌する。ろ過および真空濃縮後、シリカのカラム上で粗生成物を精製し、チオ硫酸塩を白色固体の形態で得る。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 4.14(d,1H)、4.05(d,1H)、3.69(d,1H)、3.66(d,1H)、1.51(s,3H);
13C NMR(DMSO-d6):δ ppm 173.90;65.86;50.26;44.58;23.59
ESI-:[(M,H)-]=195m/z
【0212】
(実施例12)
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボン酸1,1,2,2-テトラオキシド(化合物28)の合成
【0213】
【化17】

【0214】
4当量の30%過酸化水素水溶液および4当量のタングステン酸ナトリウムNa2WO4を、2mlのアセトン中の100mgの4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボン酸に添加する。反応媒質を20℃で終夜攪拌する。ろ過および真空濃縮後、環状ジスルホンが白色固体の形態で得られる。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 3.16(d,2H)、2.97(d,2H)、1.4(s,3H);
13C NMR(DMSO-d6):δ ppm 176.31;58.06;43.76;20.62
ESI-:[(M,H)-]=227m/z
【0215】
(実施例13)
エチル4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキシレート(化合物4)の合成
【0216】
【化18】

【0217】
スルホン樹脂Dowex 50 WX8(Aldrichが販売)を、20mlのエタノール中の1gの4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボン酸に添加する。混合物を24時間還流させ、その後、ろ過し、蒸発させ、純粋なエチルエステルを得る。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 4.13(q,2H)、3.58(d,2H)、3.02(d,2H)、1.40(s,3H)、1.20(t,3H)
ESI+:[(2M,Na)+]=407m/z
【0218】
(実施例14)
エチル4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキシレート1-オキシド(化合物25)の合成
【0219】
【化19】

【0220】
酸に対するものと同じ様式で、エチルエステルの酸化を実施する。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm
主ジアステレオ異性体:4.4(d,1H)、4.11(q,2H)、3.8(d,1H)、3.75(d,1H)、3.17(d,1H)、1.59(s,3H)、1.53(t,3H)
副ジアステレオ異性体:4.2(d,1H)、4.11(q,2H)、3.98(d,1H)、3.8(d,1H)、3.42(d,1H)、3.32(d,1H)、1.51(s,3H)
13C NMR(DMSO-d6):δ ppm 174.95、174.63、71.96、70.85、58.98、56.73、46.53、45.03、23.77、21.96
ESI+:[(M,Na)+]=231m/z;ESI+:[(M,Na,MeOH)+]=263m/z;ESI+:[(2M,Na)+]=439m/z
ESI+:[(M,Na)+]=231m/z;ESI+:[(M,Na,MeOH)+]=263m/z;ESI+:[(2M,Na)+]=439m/z
【0221】
(実施例15)
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド1-オキシド(化合物26)の合成
【0222】
【化20】

【0223】
1当量の30%過酸化水素水溶液を、2mlのアセトン中の100mgの4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミドに添加する。反応媒質を20℃で終夜攪拌する。真空濃縮およびシリカのカラム上での精製後、2個のジアステレオ異性体の混合物としての白色固体の形態で、チオスルフィン酸塩が得られる。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm
主ジアステレオ異性体:7.40(bd,2H)、4.31(d,1H)、3.78(bs,2H)、3.04(d,1H)、1.49(s,3H)
副ジアステレオ異性体:7.32(bd,2H)、4.21(d,1H)、3.92(d,1H)、3.42(d,1H)、3.34(d,1H)、1.40(s,3H)
ESI-:[(M,H)-]=178m/z
【0224】
(実施例16)
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド1,1-ジオキシド(化合物27)の合成
【0225】
【化21】

【0226】
2当量の30%過酸化水素水溶液および0.15当量のタングステン酸ナトリウムNa2WO4を、2mlのアセトン中の100mgの4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミドに添加する。反応媒質を20℃で終夜攪拌する。ろ過および真空濃縮後、シリカのカラム上で粗生成物を精製し、チオ硫酸塩を白色固体の形態で得る。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 7.50(bd,2H)、4.21(d,1H)、4.08(d,1H)、3.66(d,1H)、3.59(d,1H)、1.49(s,3H);
ESI-:[(M,H)-]=194m/z
【0227】
(実施例17)
N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物16)の合成
【0228】
【化22】

【0229】
24.3mmolのN-ヒドロキシコハク酸イミドを、(氷浴上で)0℃まで冷却した60mlのジクロロメタン中に溶解された24.3mmolのジチオラン酸に添加する。反応媒質を0℃で30分間攪拌する。50mlのジクロロメタン中の24.3mmolのDCCの溶液を添加し、その後、混合物を20℃で4時間攪拌する。反応媒質をろ過し、洗浄し、その後、40℃、真空下、ロータベーパー上でろ液を蒸発乾固させ、1-{[(4-メチル-1,2-ジチオラン-4-イル)-カルボニル]オキシ}ピロリジン-2,5-ジオン(m=7g、定量的収率)を得る。10mgのMeTHF、3.16mmolの4-(アミノメチル)-2-メトキシフェノール塩酸塩および3.16mmolのトリエチルアミンを、1.58mmolの1-{[(4-メチル-1,2-ジチオラン-4-イル)カルボニル]オキシ}ピロリジン-2,5-ジオンに添加する。終夜攪拌後、混合物をろ過し、MeTHFですすぎ、その後、蒸発させる。98/2ジクロロメタン/メタノールで溶離するフラッシュクロマトグラフィーにより、化合物16を黄色油の形態で得る(84%収率)。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 1.39(s,3H);3.03(d,2H);3.56(d,2H)、3.63(s,3H,OCH3)、4.21(d,2H)、6.64(dd,1H,Ar)、6.69(d,1H,Ar)、6.80(d,1H,Ar)、8.31(t,1H,NH)、8.79(s,1H,OH)
ESI+:[(M,H)+]=300m/z
【0230】
(実施例18)
N-[2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エチル]-4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物17)の合成
【0231】
【化23】

【0232】
4-(2-アミノエチル)-2-メトキシフェノール塩酸塩を用い、化合物16に対するものと同じ方法。黄色油;収率=64%。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 1.31(s,3H);2.63(t,2H)、2.97(d,2H);3.24(m,2H,NCH2)3.53(d,2H)、3.75(s,3H,OCH3)、6.57(dd,1H,Ar)、6.67(d,1H,Ar)、6.74(d,1H,Ar)、8.86(t,1H,NH)、8.67(s,1H,OH)
ESI+:[(M,H)+]=314m/z
【0233】
(実施例19)
N,N-ジエチル-4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物18)の合成
【0234】
【化24】

【0235】
5mlの無水ジクロロメタンおよび0.1mlの無水DMFを、2.26mmolの化合物1に添加する。混合物を0℃まで冷却し、2.7mmolの塩化オキサリルを添加する。混合物を20℃で攪拌し、その後、0℃で、2.26mmolのジエチルアミン、5mlの無水ジクロロメタンおよび6.8mmolのジイソプロピルエチルアミンの混合物に添加する。反応媒質を20℃で3時間攪拌する。反応が完了したら、媒質を50mlのジクロロメタンで希釈し、その後、2×30mlの水および1×50mlの飽和NH4Cl溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ロータベーパー上で蒸発乾固させる。フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン/EtOAc)後、化合物18が黄色油の形態で単離される(48%収率)。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 1.36(s,3H);3.15(d,2H);3.50(d,2H)、3.3(m,2×2H)、1.07(m,2×3H)
ESI+:[(M,H)+]=220m/z
【0236】
(実施例20)
メチル2-(アセチルアミノ)-3-{[(4-メチル-1,2-ジチオラン-4-イル)カルボニル]スルファニル}-プロパノエート(化合物19)の合成
【0237】
【化25】

【0238】
N-アセチルシステインメチルエステルを用い、実施例19と同じ方法。
【0239】
黄色油;収率=12%。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 1.42(s,3H);1.84(s,3H,OCH3);3.15(d,2H);3.56(d,2H)、3.38〜3.12(dd,2H)、3.65(s,3H,COCH3)、8.42(d,1H,NH)
ESI+:[(M,H)+]=324m/z
【0240】
(実施例21)
S-(2-ヒドロキシエチル)4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボチオエート(化合物20)の合成
【0241】
【化26】

【0242】
スルホニルエタノールを用い、実施例19と同じ方法。
【0243】
黄色油;収率=26%。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 1.43(s,3H);3.1(d,2H);3.56(d,2H)、2.99(t,2H:CH2S)、3.48(q,2H:CH2OH)
ESI+:[(M,Na)+]=247m/z
【0244】
(実施例22)
エチル{[(4-メチル-1,2-ジチオラン-4-イル)カルボニル]スルファニル}アセテート(化合物21)の合成
【0245】
【化27】

【0246】
エチルチオグリコレートを用い、実施例17と同じ方法。
【0247】
無色油;収率=7%。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 1.53(s,3H);1.28(t,3H)、2.99(d,2H);3.65(d,2H)、3.71(s,2H,SCH2)、4.20(q,2H)
【0248】
(実施例23)
[(4-メチル-1,2-ジチオラン-4-イル)カルボニル]ピロリジン(化合物22)の合成
【0249】
【化28】

【0250】
ピロリジンを用い、実施例5-bと同じ方法。
【0251】
黄色固体;収率=38%。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 1.36(s,3H);1.81(m,2×2H);3.10(d,2H);3.30(m,2×2H);3.58(d,2H)、
ESI+:[(M,H)+]=218m/z
【0252】
(実施例24)
4-メチル-N-(1-メチルエチル)-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物29)の合成
【0253】
【化29】

【0254】
イソプロピルアミンを用い、実施例19と同じ方法。
【0255】
ベージュ色の固体;収率=54%。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 1.06(d,2×3H);1.33(s,3H,Hc);2.99(d,2H,Hb);3.56(d,2H,Ha);3.88(m,1H)、
ESI+:[(M,H)+]=206m/z
【0256】
(実施例25)
4-メチル-N-フェニル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物30)の合成
【0257】
【化30】

【0258】
アニリンを用い、実施例19と同じ方法。
【0259】
黄色油;収率=70%。
1H NMR(DMSO-d6):δ ppm 1.51(s,3H,Hc);2.99(d,2H,Hb);3.75(d,2H,Ha)、7.08(t,1H,Ar)、7.3(t,2H,Ar)、7.60(d,2H,Ar)、9.56(s,1H,NH)
ESI+:[(M,H)+]=240m/z
【0260】
(実施例26)
本発明による化合物の、GSHのレベルを増大させる活性の測定
本研究は、細胞内GSHのUV-DL誘発性減少に対する、参照分子であるリポ酸、およびまた本発明によるリポ酸誘導体の保護効果を細胞レベルで評価することにあった。
【0261】
これを行うために、HaCaT細胞をUV昼光(UV-DL)に曝露した。その後、細胞内GSHのレベルを測定し、それにより、本発明によるリポ酸誘導体の培養培地への添加によってもたらされる可能な保護の評価が可能になった。
【0262】
UV昼光は、天頂からの日光への曝露に相当するのみならず、1日のうちに個体の皮膚が浴びる放射を刺激する天頂からではない(non-zenithal)日光の放射および平均スペクトル照度に相当する。この放射を再生成するためのデバイスは、FR2863356に記載されている。評価技術では、蛍光プローブであるモノクロロビマン(MCB)を使用する。MCBは、モノブロモビマン等の他のビマン化合物とは異なり、グルタチオンに対してさらに高い選択的反応性を有するという特定の特色を有し、測定される青色蛍光化合物(GSH-モノクロロビマン)は、グルタチオン-S-トランスフェラーゼによって触媒される酵素反応により生じる。我々のケラチノサイトモデル(HaCaT系)におけるGSHに対するMCBの特異性は予め確認した。参照分子であるリポ酸による、1mMでの24時間の細胞の前処理により、GSHのUV-DL誘発性減少に対する約100%の保護がもたらされ(HaCaTに対するMCB試験における、1mMでのリポ酸の保護効果の評価を示す図1を参照、細胞内GSHのレベルの測定は、1mMのリポ酸によって前処理し、または前処理せず、UV-DLに曝露されたケラチノサイトに対して、UV-DLへの曝露後、t=0、t=6時間およびt=24時間において実施する)、この保護は、500μMにおいて約83%、100μMにおいて約10%である。
【0263】
下記の本発明のジチオラン化合物を試験した。
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボン酸(化合物1)
オクチル4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキシレート(化合物9)
N-ヘプチル-4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物10)
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物2)
S-[2-(アセチルアミノ)エチル]4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボチオエート(化合物13)
N-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド(化合物14)
メチル2-{[(4-メチル-1,2-ジチオラン-4-イル)カルボニル]-アミノ}-4-(メチルスルファニル)ブタノエート(化合物12)
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボン酸1,1-ジオキシド(化合物24)
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド1-オキシド(化合物26)
4-メチル-1,2-ジチオラン-4-カルボキサミド1,1-ジオキシド(化合物27)
【0264】
100μMでの化合物1ならびに30μMでの化合物9、10、2、13、14、12、24、26および27の保護効果の評価は、HaCaTに対するMCB試験で実施され、100μMでの国際特許出願WO2008/058999のシリルジチオラン化合物:化合物5-(1,2-ジチオラン-3-イル)-N-[3-(トリメチルシリル)プロピル]ペンタンアミドおよび化合物(トリメチルシリル)メチル5-(1,2-ジチオラン-3-イル)ペンタノエートの保護効果の評価も、HaCaTに対するMCB試験で実施される。GSHの細胞内レベルの測定は、活性剤で前処理した、または前処理していない、UV-DLに曝露されたケラチノサイトに対して、UV-DLへの曝露後t=6時間において実施する。結果を図2および3中のグラフに示す。
【0265】
【表4】

【0266】
これらの活性剤によりGSHのUV昼光誘発性減少に対してもたらされる保護は、100μMでの参照分子であるリポ酸に関する保護よりも高く、この優位性は、30μMの低さでも生じることが分かる(図2および3を参照)。
【0267】
(実施例27)
DNA損傷に対してもたらされる保護の測定
太陽UVは、皮膚細胞、特にDNAにおいて広範囲に及ぶ酸化的損傷を生じさせることができる。核酸は、UVB光子を吸収し、それにより、DNA損傷を直接的に誘発する。UVAはDNAによって直接的には吸収されないが、反応性酸素種によって媒介される遺伝毒性作用を有する。コメット試験は、UV誘発性DNA損傷(この事例ではUVA)を定量化することを可能にし、ストランドの破壊および酸化的DNA損傷(アルカリ性条件下で開裂されたアルカリ不安定部位)が検出される。この試験の原理は、電場の影響下、細胞核外に移動する、変性および開裂されたDNA断片の能力に基づいており、一方、損傷を受けていないDNAは核内にとどまっている。損傷したDNA断片は、細胞核の後方に尾部(trail)を形成する。その後、細胞は「コメット」の外観をとる。各コメットの「尾部」は、被ったDNA損傷が大きくなるのに比例して、より広く、より強くなる(Alapetite C.ら、1996、Int.J.Rad.Bio.;Klaude Mら、1996、Mut.Res.;Lehmann J.ら、1998、Mut.Res.;Singh NP.ら、1988、Exp.Cell Res.)。
【0268】
本研究は、UVA誘発性DNA損傷に対する2個の分子の光保護効果を評価することにあった。これを行うために、正常ヒト線維芽細胞(NHF)を活性剤と24時間接触させた。その後、細胞を剥離し、アガロースゲル中に含ませ、その後、顕微鏡用スライド上に堆積させた。UVA曝露(30分間)に続いて、細胞を、細胞溶解(遺伝物質のみをそのままにしておくように)、DNA変性ステップ、その後、電気泳動に付し、損傷したDNAを移動させた。特殊な画像解析ソフトウェアと組み合わせた蛍光顕微鏡を使用して、損傷したDNAのレベルを測定した。
【0269】
化合物1による細胞の前処理は、1μMにおいて20%、10μMにおいて30%の保護を線維芽細胞に与える。化合物2を同じ条件下で評価した。化合物2は、10μMにおいて63%の保護をもたらす。これらの2種の化合物は、UV誘発性DNA分解に対して保護する能力を有する。
【0270】
【表5】

【0271】
(実施例28)
抗陽光(antisun)組成物(水中油型エマルション)
- 実施例1、2、9、10、12、13または14の化合物 3g
- 商標名Dehsconet(登録商標)390でTensia社が販売しているセチルステアリルアルコールおよびオキシエチレン化されたセチルステアリルアルコールの80/20混合物(33EOユニット) 3g
- 商標名Cerasynth(登録商標)SDでISP社が販売しているモノ-およびジステアリン酸グリセリル混合物 2g
- セチルアルコール 1.5g
- 名称DC200 Fluid(登録商標)でDow Corning社が販売しているポリジメチルシロキサン 1.5g
- グリセロール 15g
- 日油株式会社製のParleam=水素化イソパラフィン(6〜8molのイソブチレン) 20g
- 保存剤 適量
- 脱塩水 適量 77g
【0272】
化合物を含有する脂肪相を、約70〜80℃で完全に溶融するまで加熱する。その後、80℃で、激しく攪拌しながら水を一度に添加する。攪拌を10〜15分間続け、その後、混合物を適度に攪拌しながら約40℃まで冷却させ、保存剤を添加する。
【0273】
(実施例29)
抗陽光組成物(水中油型エマルション)
- 実施例1、2、9、10、12、13または14の化合物 2g
- 商標名Dehsconet(登録商標)390でTensia社が販売しているセチルステアリルアルコールおよびオキシエチレン化されたセチルステアリルアルコールの80/20混合物(33EOユニット) 3g
- 商標名Cerasynth(登録商標)SDでISP社が販売しているモノ-およびジステアリン酸グリセリル混合物 2g
- セチルアルコール 2.5g
- 商標名Finsolv TNでWitcoが販売しているC12〜C15安息香酸アルキル 20g
- 名称DC200 Fluid(登録商標)でDow Corning社が販売しているポリジメチルシロキサン 1.5g
- グリセロール 15g
- 保存剤 適量
- 脱塩水 適量 97g
【0274】
このクリームは、乳化剤を含有する脂肪相中にスクリーン剤を溶解し、この脂肪相を70〜80℃まで加熱し、同じ温度まで加熱した水を激しく攪拌しながら添加することによる、エマルションを調製するための標準的技術により、調製される。攪拌を10〜15分間続け、その後、混合物を適度に攪拌しながら冷却させ、最後に香料および保存剤を約40℃で添加する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にUV放射によって引き起こされる酸化ストレスに対する皮膚の天然の抗酸化保護を強化および/または保持することを目的とした、生理的に許容される媒質を含む組成物中における、式(I)
【化1】

に対応するものから選択される少なくとも1種のジチオラン化合物、
[式中、
Yは、O、NR1またはSを表し、
R1は、水素原子、飽和の直鎖C1〜C20もしくは分岐鎖C3〜C20または不飽和C2〜C20アルキル炭化水素系の基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のC1〜C8アルコキシ基で場合によって置換されているフェニル基を表し、
Rは、水素原子、飽和の直鎖C1〜C20もしくは分岐鎖C3〜C20または不飽和C2〜C20アルキル炭化水素系の基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のC1〜C8アルコキシ基で場合によって置換されているフェニル基、あるいは、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のC1〜C8アルコキシ基で場合によって置換されているフェニル置換基を含有する飽和C1〜C8アルキル基を表し、
Rは、OR2、SR2、NR2R3およびCOOR2から選択される1個または複数の置換基を場合によって有し、ここで、
R2は、水素原子あるいは飽和の直鎖C1〜C5もしくは分岐鎖C3〜C5または不飽和C2〜C5炭化水素系の基、あるいはフェニル基を表し、
R3は、水素原子、飽和の直鎖C1〜C5もしくは分岐鎖C3〜C5または不飽和C2〜C5炭化水素系の基、フェニル基、アセチル基を表し、YがNR1を表す場合、RおよびR1は、ピロリジン、ピロリン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンおよびアゼピンから選択される環を形成することができ、
m=0または1または2であり、
n=0または1または2である]
ならびにまた、その塩、そのキレート、その溶媒和物およびその光学異性体の化粧的使用。
【請求項2】
Yが、S、OまたはNR1を表し、
R1が、水素原子、飽和の直鎖C1〜C10または分岐鎖C3〜C10アルキル炭化水素系の基を表し、
Rが、水素原子、飽和の直鎖C1〜C20もしくは分岐鎖C3〜C20アルキル炭化水素系の基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のC1〜C3アルコキシ基で場合によって置換されているフェニル基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のC1〜C3アルコキシ基で場合によって置換されているフェニル置換基を有する飽和C1〜C5アルキル基、OR2、SR2、NR2R3およびCOOR2から選択される1個または複数の同一または異なる基で置換されている直鎖C1〜C5アルキル炭化水素系の基を表し、ここで、
R2が、水素原子または飽和の直鎖C1〜C5もしくは分岐鎖C3〜C5または不飽和C2〜C5炭化水素系の基を表し、
R3が、水素原子、飽和の直鎖C1〜C5もしくは分岐鎖C3〜C5炭化水素系の基、フェニル基、アセチル基を表し、
Y=NR1である場合、RおよびR1はピロリジン環を形成することができ、
n=0または1または2であり、
m=0または1または2であるものから選択される式(I)の化合物、ならびにまた、その酸塩または塩基塩、そのキレート、その溶媒和物およびその光学異性体の、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
YがOまたはNR1を表し、
R1が、水素原子、飽和の直鎖C1〜C10または分岐鎖C3〜C10アルキル炭化水素系の基を表し、
Rが、水素原子、飽和の直鎖C1〜C10もしくは分岐鎖C3〜C10アルキル炭化水素系の基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のメトキシ基で場合によって置換されているフェニル基、1個もしくは複数のヒドロキシルでおよび/または1個もしくは複数のメトキシ基で場合によって置換されているフェニル置換基を有する飽和C1〜C3アルキル炭化水素系の基、OR2、SR2、NR2R3およびCOOR2から選択される1個または複数の同一または異なる基で置換されている直鎖C1〜C4アルキル炭化水素系の基を表し、ここで、
R2が、水素原子または飽和の直鎖C1〜C5もしくは分岐鎖C3〜C5炭化水素系の基を表し、
R3が、水素原子、飽和の直鎖C1〜C5または分岐鎖C3〜C5炭化水素系の基を表し、
n=0または1または2であり、
m=0または1または2であるものから選択される式(I)の化合物、ならびにまた、その酸塩または塩基塩、そのキレート、その溶媒和物およびその光学異性体の、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
YがNR1を表し、
R1が、水素原子、飽和直鎖C1〜C4アルキル炭化水素系の基を表し、
Rが、水素原子、飽和の直鎖C1〜C10または分岐鎖C3〜C10アルキル炭化水素系の基、フェニル基、OHおよびOMeから選択される1個または複数の同一または異なる基で場合によって置換されているフェニルで置換されている飽和直鎖C1〜C4アルキル基、OH、NHAc、SR2およびCOOR2(R2は水素または直鎖C1〜C4アルキル基である)から選択される1個または複数の同一または異なる基で置換されている直鎖C1〜C4アルキル炭化水素系の基を表し、
n=0または1または2、m=0または1または2であるものから選択される式(I)の化合物、ならびにまた、その酸塩または塩基塩、そのキレート、その溶媒和物およびその光学異性体の、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
YがNHを表し、
Rが、水素原子、飽和の直鎖C1〜C10または分岐鎖C3〜C10アルキル炭化水素系の基、フェニル基、OHおよびOMeから選択される1個または複数の同一または異なる基で場合によって置換されているフェニルで置換されている飽和直鎖C1〜C4アルキル基、OH、NHAc、SR2およびCOOR2(R2は水素または直鎖C1〜C4アルキル基である)から選択される1個または複数の同一または異なる基で置換されている直鎖C1〜C4アルキル炭化水素系の基を表し、
n=0または1または2であり、
m=0または1または2であるものから選択される式(I)の化合物、ならびにまた、その酸塩または塩基塩、そのキレート、その溶媒和物およびその光学異性体の、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
式(I)の化合物が、下記化合物
【表1A】

【表1B】

【表1C】

【表1D】

【表1E】

から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
式(I)の化合物が、下記化合物
【表2】

から選択される、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
特にUV放射によって引き起こされる酸化ストレスに対する天然の抗酸化保護を皮膚に与える内因性細胞内グルタチオンのレベルを強化および/または保持することを目的とした、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
細胞の抗酸化防御系、特に皮膚細胞の内因性抗酸化防御系を強化および/または保持することを目的とした、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
皮膚に日光への曝露に対する準備をさせることを目的とした、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
フリーラジカルの形成を防止および/もしくは制限すること、ならびに/あるいは細胞中に存在するフリーラジカルを除去することを目的とした、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
皮膚の老化の兆候、特に
(i)皮膚の堅さおよび/または弾力性および/または張りの喪失、
(ii)皮膚の乾燥および粗い外観、
(iii)皮膚脱水、
(iv)表皮萎縮および/または皮膚の荒れおよび/または皮膚の乾燥
を予防および/または治療することを目的とした、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
皮膚に対する汚染の有害な作用を予防および/または治療することを目的とした、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
前記組成物が外部局所使用または経口使用のためのものであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
以下の化合物1〜8
【表3】

を除く、請求項1から7のいずれか一項に規定される式(I)のジチオラン化合物。
【請求項16】
下記化合物
【表4A】

【表4B】

【表4C】

【表4D】

から選択される、請求項15に記載のジチオラン化合物。
【請求項17】
生理的に許容される媒質中に、請求項16および17のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を含む、組成物。
【請求項18】
請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を投与する少なくとも1つのステップを含む、皮膚に日光を浴びる準備をさせるための化粧方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−77121(P2010−77121A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196759(P2009−196759)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】