説明

皮膚外用剤及びそれを用いた美白剤の浸透方法

【課題】 美白剤、特に水溶性アスコルビン酸誘導体のような親水性薬剤に対する経皮吸収促進効果に優れ、且つ、安全性に優れた皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】 美白剤と、アシル酸性アミノ酸塩と、炭素数18以上の高級アルコール、並びに、炭素数18以上の高級脂肪酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも一種と、総炭素数34以上のエステル油と、を含有し、前記総炭素数34以上のエステル油の含有量が1質量%以上であることを特徴とする皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤及びそれを用いた美白剤の浸透方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、パップ剤等の皮膚外用剤においては、経皮吸収により種々の薬効を発揮する成分が配合されている。ところが、皮膚は、本来体外からの異物の侵入を防ぐための機能を有するものであるため、通常の外用剤基剤中に薬効成分を配合しただけでは、十分な経皮吸収が得られず、十分な薬効が得られない場合が多い。
【0003】
そこで、薬効成分の経皮吸収を向上させる成分として、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルミルアミド等の非プロトン溶媒(特許文献1参照)、陰イオン性又は両性界面活性剤(特許文献2、特許文献3参照)、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン(特許文献4参照)、l−カルボン、メントン、ピペリトン等のテルペンケトン(特許文献5参照)、d−リモネン(特許文献6参照)、N−モノ又はジ置換−p−メンタン−3−カルボキシアミド(特許文献7参照)等の経皮吸収促進剤が提案されている。
【0004】
【特許文献1】米国特許第3,551,554号公報
【特許文献2】特開昭51−32724号公報
【特許文献3】特開昭52−83914号公報
【特許文献4】特開昭52−1035号公報
【特許文献5】特開平2−193932号公報
【特許文献6】特開平2−207024号公報
【特許文献7】特開2001−58961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1〜7に記載されているような経皮吸収促進剤を用いても、薬剤の充分な経皮吸収性が得られない場合があり、美白剤、特に水溶性アスコルビン酸誘導体のような親水性薬剤に対しては経皮吸収性を充分に向上させることが困難であった。
【0006】
また、上記特許文献1〜7に記載されているような経皮吸収促進剤の多くは皮膚刺激性が強く、これを配合した製剤を適用することによって皮膚に紅斑を生じるなど、安全性の面においても満足できる経皮吸収促進剤は得られていないのが現状である。
【0007】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、水溶性アスコルビン酸誘導体のような親水性薬剤をはじめとする美白剤の経皮吸収性に優れ、且つ、安全性に優れた皮膚外用剤、及び、それを用いた美白剤の浸透方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、美白剤と、アシル酸性アミノ酸塩と、炭素数18以上の高級アルコール、並びに、炭素数18以上の高級脂肪酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも一種と、総炭素数34以上のエステル油と、を含有し、上記総炭素数34以上のエステル油の含有量が1質量%以上であることを特徴とする皮膚外用剤を提供する。
【0009】
かかる皮膚外用剤によれば、美白剤とともに、アシル酸性アミノ酸塩と、炭素数18以上の高級アルコール、並びに、炭素数18以上の高級脂肪酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも一種と、総炭素数34以上のエステル油とを用い、且つ、総炭素数34以上のエステル油の含有量を皮膚外用剤の全質量を基準として1質量%以上とすることにより、水溶性アスコルビン酸誘導体のような親水性薬剤をはじめとする美白剤の経皮吸収性を飛躍的に高めることができる。その結果、本発明の皮膚外用剤によれば、少量の美白剤の配合で優れた美白効果を得ることができる。また、本発明の皮膚外用剤に含有される上記各成分は、皮膚刺激性が十分に低く、安全性に優れているため、これらの成分を用いることにより、安全性に優れた皮膚外用剤を提供することができる。
【0010】
また、本発明の皮膚外用剤において、上記美白剤は、水溶性アスコルビン酸誘導体、ハイドロキノン配糖体、クチナシ属植物の抽出物、並びに、γ−オリザノール及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。本発明の皮膚外用剤においてこれらの美白剤を用いた場合、特に優れた経皮吸収促進効果を示すことができ、より優れた美白効果を有する皮膚外用剤を得ることができる。
【0011】
また、本発明の皮膚外用剤において、上記アシル酸性アミノ酸塩は、炭素数14以上のアシル基を有する、グルタミン酸と、ナトリウム、カリウム、及び、トリエタノールアミンからなる群より選択される少なくとも一種との塩であることが好ましい。本発明の皮膚外用剤におけるアシル酸性アミノ酸塩が上記のものであることにより、美白剤に対する経皮吸収促進効果をより高めることができ、より優れた美白効果を得ることができる。
【0012】
また、本発明の皮膚外用剤において、上記炭素数18以上の高級アルコールは、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、及び、ホホバアルコールからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。本発明の皮膚外用剤における炭素数18以上の高級アルコールが上記のものであることにより、美白剤に対する経皮吸収促進効果をより高めることができ、より優れた美白効果を得ることができる。
【0013】
また、本発明の皮膚外用剤において、上記炭素数18以上の高級脂肪酸は、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、及び、ウンデシレン酸からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。本発明の皮膚外用剤における炭素数18以上の高級脂肪酸が上記のものであることにより、美白剤に対する経皮吸収促進効果をより高めることができ、より優れた美白効果を得ることができる。
【0014】
更に、本発明の皮膚外用剤において、上記総炭素数34以上のエステル油は、ホホバ油、ホホバエステル、メドウフォーム油、及び、シア脂からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。本発明の皮膚外用剤における総炭素数34以上のエステル油が上記のものであることにより、美白剤に対する経皮吸収促進効果をより高めることができ、より優れた美白効果を得ることができる。
【0015】
また、本発明の皮膚外用剤において、上記美白剤の含有量が0.1〜20質量%であり、上記アシル酸性アミノ酸塩の含有量が0.01〜2.0質量%であることが好ましい。ここで、上記各成分の含有量は、皮膚外用剤の全質量を基準としたものである。
【0016】
本発明の皮膚外用剤において、美白剤の含有量が上記範囲内であることにより、より有効な美白効果を得ることができる。また、アシル酸性アミノ酸塩の含有量が上記範囲内であることにより、美白剤の経皮吸収性をより十分に高めることができる。
【0017】
本発明はまた、上記本発明の皮膚外用剤を使用して、上記美白剤を皮膚の角質層に浸透させることを特徴とする美白剤の浸透方法を提供する。
【0018】
かかる美白剤の浸透方法によれば、上述した構成を有する本発明の皮膚外用剤を用いているため、当該皮膚外用剤中の美白剤を皮膚の角質層に有効に浸透させることができ、優れた美白効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、美白剤、特に水溶性アスコルビン酸誘導体のような親水性薬剤に対する経皮吸収性に優れ、且つ、安全性に優れた皮膚外用剤、及び、それを用いた美白剤の浸透方法を提供することができる。そして、本発明の皮膚外用剤及びそれを用いた美白剤の浸透方法によれば、優れた美白効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
【0021】
本発明の皮膚外用剤は、美白剤と、アシル酸性アミノ酸塩と、炭素数18以上の高級アルコール、並びに、炭素数18以上の高級脂肪酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも一種と、総炭素数34以上のエステル油と、を含有するものであって、上記総炭素数34以上のエステル油の含有量が、皮膚外用剤の全質量を基準として1質量%以上であることを特徴とするものである。以下、本発明の皮膚外用剤を構成する各成分について説明する。
【0022】
本発明の皮膚外用剤に含有される美白剤は、皮膚外用剤に配合できる美白薬剤であれば特に制限されないが、水溶性の美白薬剤が好ましい。美白剤としては例えば、L−アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン及びその誘導体、システイン及びその誘導体、グルコサミン及びその誘導体、アゼライン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体並びにそれらの塩、レゾルシン及びその誘導体、γ−オリザノール及びその誘導体、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン、グルタチオン、ヒノキチオール及びその配糖体並びにそれらの塩、エラグ酸及びその誘導体並びにそれらの塩、胎盤抽出物、マンサク属、ジンコウ属、ツバキ属、タデ属、セイヨウヤマハッカ属、イブキジャコウソウ属、ヨモギ属、ノコギリソウ属、ヒヨドリバナ属、シナノキ属、イワユキノシタ属、ジンチョウゲ属、ガンピ属、ミツマタ属、ボタン属、カンゾウ属、クワ属、エンジュ属、バラ属、アロエ属、ニワトコ属、ユキノシタ属、ドクダミ属、カンアオイ属、タツナミソウ属、ヒマワリ属、アマドコロ属、アマ属、カントウ属、ワレモコウ属、ハッカ属、ハウチワマメ属、クチナシ属に属する1種又は2種以上の植物の抽出物及び、カイメンソウ属、サンゴモ属、ヤハズグサ属、アミジグサ属、ヒジキ属、ソゾ属、フシツナギ属、イワヒゲ属、ダルス属、ホンダワラ属、モヅク属、ナガマツモ属、イシモヅク属、フトモヅク属、オキナワモヅク属に属する1種又は2種以上の藻類の抽出物等が挙げられる。
【0023】
ここで、上記L−アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体としては、例えば、L−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレエート等のアスコルビン酸モノ脂肪酸エステル類、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル等のアスコルビン酸モノエステル誘導体、L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレエート等のL−アスコルビン酸ジ脂肪酸エステル誘導体、L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレエート等のL−アスコルビン酸トリ脂肪酸エステル誘導体、L−アスコルビン酸トリリン酸エステル等のL−アスコルビン酸トリエステル誘導体等を挙げることができる。これらのL−アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体のうち、特に好ましいものは、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル及びこれらの塩である。
【0024】
また、上記ハイドロキノン及びその誘導体としては、特に限定されないが、ハイドロキノン配糖体が好ましく用いられ、例えば、ハイドロキノン−α−D−グルコース、ハイドロキノン−β−D−グルコース、ハイドロキノン−α−L−グルコース、ハイドロキノン−β−L−グルコース、ハイドロキノン−α−D−ガラクトース、ハイドロキノン−β−D−ガラクトース、ハイドロキノン−α−L−ガラクトース、ハイドロキノン−β−L−ガラクトース等の六炭糖配糖体、ハイドロキノン−α−D−リボース、ハイドロキノン−β−D−リボース、ハイドロキノン−α−L−リボース、ハイドロキノン−β−L−リボース、ハイドロキノン−α−D−アラビノース、ハイドロキノン−β−D−アラビノース、ハイドロキノン−α−L−アラビノース、ハイドロキノン−β−L−アラビノース等の五炭糖配糖体、ハイドロキノン−α−D−グルコサミン、ハイドロキノン−β−D−グルコサミン、ハイドロキノン−α−L−グルコサミン、ハイドロキノン−β−L−グルコサミン、ハイドロキノン−α−D−ガラクトサミン、ハイドロキノン−β−D−ガラクトサミン、ハイドロキノン−α−L−ガラクトサミン、ハイドロキノン−β−L−ガラクトサミン等のアミノ糖配糖体、ハイドロキノン−α−D−グルクロン酸、ハイドロキノン−β−D−グルクロン酸、ハイドロキノン−α−L−グルクロン酸、ハイドロキノン−β−L−グルクロン酸、ハイドロキノン−α−D−ガラクツロン酸、ハイドロキノン−β−D−ガラクツロン酸、ハイドロキノン−α−L−ガラクツロン酸、ハイドロキノン−β−L−ガラクツロン酸等のウロン酸配糖体等を挙げることができる。またその誘導体としては、アセチル化物等のエステル体、メチル化物などのエーテル体等を挙げることができ、これらの中でもハイドロキノン−β−D−グルコースが本発明の効果の面から最も好ましい。
【0025】
上記システイン及びその誘導体としては、特に限定されないが、例えば、システイン、システインのリン脂質エステル、スフィンゴシン及びその誘導体のエステル、糖脂質エステル、糖エステル、ステロールエステル及び炭素数8から20のアルキル若しくはアルケニルエステル等が挙げられる。
【0026】
上記グルコサミン及びその誘導体としては、特に限定されないが、例えば、グルコサミン、アセチルグルコサミン等のグルコサミンエステル類、グルコサミンメチルエーテル等のグルコサミンエーテル類等が挙げられる。
【0027】
上記アゼライン酸及びその誘導体としては、特に限定されないが、例えば、アゼライン酸、アゼライン酸モノアルキルエステル等のアゼライン酸モノエステル類、アゼライン酸ジアルキルエステル等のアゼライン酸ジエステル類等が挙げられる。
【0028】
上記リポ酸及びその誘導体並びにそれらの塩としては、特に限定されないが、例えば、リポ酸、リポ酸のナトリウム塩、カリウム塩、アルキルエステル、アルケニルエステル、アミド類、及び還元体のジヒドロリポ酸、ジヒドロリポアミド等が挙げられる。
【0029】
上記レゾルシン及びその誘導体は、従来より抗菌剤として認知されており、また、メラニン産生抑制作用や色素沈着症改善効果を有することも確認されている(特開平4−1116号公報、特開平10−194951号公報)。本発明では、特に限定されないが、例えば、レゾルシン若しくはその配糖体を用いることが好ましい。
【0030】
上記グラブリジン、グラブレンは、天然には、カンゾウの一種であるロシアカンゾウ(Glycyrrhiza glabra Lin.)に微量含まれている。グラブリジンについては、抗菌作用、抗酸化作用、抗う蝕作用、抗プラスミン作用等の薬理作用を有することが確認されており、さらに、メラニン生成抑制作用を有することも知られている(特開平1−311011号公報等)。本発明においては、カンゾウから精製したグラブリジン若しくはグラブレンを用いることが好ましい。
【0031】
上記リクイリチンやイソリクイリチンは、カンゾウ中に含まれる成分である。本発明においては、カンゾウから精製したリクイリチン若しくはイソリクイリチンを用いることが好ましい。
【0032】
上記グルタチオン及びその誘導体は、特にその基原を問わず、通常の化粧料、医薬部外品に配合されるものを使用することができる。
【0033】
上記ヒノキチオール及びその誘導体としては、特に限定されず、ヒノキチオール、ヒノキチオール亜鉛錯体、ヒノキチオール配糖体等が例示される。ヒノキチオールの配糖体は、下記一般式(1)若しくは一般式(2)で示される化合物であり、これらのうちの1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。
【0034】
【化1】



【化2】



[式(1)及び(2)中、Gは下記一般式(3)又は(4)で表わされる基を示す。]
【0035】
【化3】



【化4】



[式(3)及び(4)中、R、R、R及びRは各々独立に、H又はCOCHを示す。]
【0036】
ここで、上記ヒノキチオール配糖体は、グルコースを下記一般式(5):
CHCOX (5)
[式(5)中、Xは、F、Cl、Br、OCH又はイミダゾリル基を示す。]
で表わされるアセチル化試薬等を用いて修飾した後、脱水縮合など既知の方法により製造されるものである(例えば、特開平7−17993号公報、特開平7−82288号公報)。なお、配糖体には、α結合及びβ結合を有する異性体が存在するが、そのいずれを用いてもよく、また、それらの混合物を用いることもでき、通常は混合物を用いる。
【0037】
上記エラグ酸は、ポリフェノールの一種であり、植物体内に含まれるエラグタンニンを加水分解して得られるものである。本発明においては、エラグ酸、及びその誘導体並びにそれらの塩を使用することができる。
【0038】
上記胎盤抽出物としては、通常の皮膚外用剤に用いられるものであれば、特にその基原は問わない。
【0039】
また、本発明においては、マンサク属、ジンコウ属、ツバキ属、タデ属、セイヨウヤマハッカ属、イブキジャコウソウ属、ヨモギ属、ノコギリソウ属、ヒヨドリバナ属、シナノキ属、イワユキノシタ属、ジンチョウゲ属、ガンピ属、ミツマタ属、ボタン属、カンゾウ属、クワ属、エンジュ属、バラ属、アロエ属、ニワトコ属、ユキノシタ属、ドクダミ属、カンアオイ属、タツナミソウ属、ヒマワリ属、アマドコロ属、アマ属、カントウ属、ワレモコウ属、ハッカ属、ハウチワマメ属、クチナシ属に属する1種又は2種以上の植物の抽出物、及び、カイメンソウ属、サンゴモ属、ヤハズグサ属、アミジグサ属、ヒジキ属、ソゾ属、フシツナギ属、イワヒゲ属、ダルス属、ホンダワラ属、モヅク属、ナガマツモ属、イシモヅク属、フトモヅク属、オキナワモヅク属に属する1種又は2種以上の藻類の抽出物から選択される1種又は2種以上の抽出物を美白剤として用いてもよい。
【0040】
マンサク属(Hamamelis L.)は、マンサク科に属する落葉の木本であり、マンサク(Hamamelis japonica Sieb. et Zucc.)、シナマンサク(Hamamelis mollis Oliv.)、ハマメリス(Hamamelis virginiana L.)等が例示される。これらの植物の中でも、ハマメリス、特にハマメリスの樹皮を用いることが、美白効果の点から好ましい。
【0041】
ジンコウ属(Aquilaria Lam.)は、ジンチョウゲ科に属する常緑の高木であり、十数種が知られている。本発明においては、その美白効果からジンコウ(Aquilaria agallocha Roxb.)を用いることが好ましい。
【0042】
ツバキ属(Camellia L.)は、ツバキ科に属する常緑の草本で約200種が知られている。本発明においては、その美白効果からツバキ(Camellia japonica L.)及びその変種、チャ(Camellia sinensis (L.) O. Kuntze)及びその変種を用いることが好ましい。
【0043】
タデ属(Polygonum L.)植物は、タデ科に属する草本であり、約300種が知られている。本発明においては、その美白効果から、イタドリ(Polygonum cuspidatum Sieb. et Zucc.)、ハチジョウイタドリ(Polygonum cuspidatum Sieb. et Zucc. var. hachidyoense Ohwi)、オオイタドリ(Polygonum sachalinense Fr. Schm.)から選択される1種又は2種以上の植物を用いることが好ましい。
【0044】
セイヨウヤマハッカ属(Melissa L.)植物は、シソ科(Labiatae)に属する多年草であり、中でも、メリッサ(Melissa officinalis L.)の抽出物が、その美白効果から多く用いられる。
【0045】
イブキジャコウソウ属(Thymus L.)植物は、シソ科に属する低木であり、その美白効果の点からイブキジャコウソウ(Thymus serphyllum L. subsp. quinquecostatus (Aelak.) Kitamura)、タイム(Thymus vulgaris L.)から選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。
【0046】
ヨモギ属(Artemisia L.)植物は、キク科に属する双子葉植物であり、ニガヨモギ(Artemisia absinthium L.)、クソニンジン(Artemisia annua L.)、カワラニンジン(Artemisia apiacea Hance)、カワラヨモギ(Artemisia capillaris Thunb.)、シナヨモギ(Artemisia cina Berg.)、タラゴン(Artemisia dracunculus L.)、オトコヨモギ(Artemisia japonica Thunb.)、ミブヨモギ(Artemisia maritima L.)、ヨモギ(Artemisia princeps Pamp.)から選択される1種又は2種以上を用いることが、美白効果の点から好ましい。
【0047】
ノコギリソウ属(Achillea L.)植物は、キク科に属する双子葉植物であり、ノコギリソウ(Achillea alpina L.)、セイヨウノコギリソウ(Achillea milleifolium L.)、ジャコウノコギリソウ(Achillea moschata Jacq.)等のノコギリソウ属ノコギリソウ(Achillea alpina L.)、セイヨウノコギリソウ(Achillea milleifolium L.)、ジャコウノコギリソウ(Achillea moschata Jacq.)から選択される1種又は2種以上を用いることが、美白効果の点から好ましい。
【0048】
ヒヨドリバナ属(Eupatorium L.)植物は、キク科に属する双子葉植物であり、フジバカマ(Eupatorium japonicum Thunb.)、サワヒヨドリ(Eupatorium lindleyanum DC.)、ヒヨドリバナ(Eupatorium chinense L. var. oppositifolium (Koidz.) Murata et H. Koyama)から選択される1種又は2種以上を用いることが、美白効果の点から好ましい。
【0049】
シナノキ属(Tilia L.)植物は、シナノキ科(Tiliaceae)に属する植物であり、アメリカシナノキ(Tilia americana L.)、フユボダイジュ(Tilia cordata Mill.)、セイヨウシナノキ(Tilia europaea L.)、シナノキ(Tilia japonica Simonk.)、ヘラノキ(Tilia kiusiana Makino et Shiras.)、オオバオダイジュ(Tilia maximowicziana Shiras.)、ナツボダイジュ(Tilia platyphyllos Scop.)、ボダイジュ(Tilia miqueliana Maxim.)から選択される1種又は2種以上を用いることが、美白効果の点から好ましい。
【0050】
イワユキノシタ属(Tanakaea Fr. et Sav.)植物は、ユキノシタ科に属する常緑の多年草であり、その美白効果の点からイワユキノシタ(Tanakaea radicans Fr. et Sav.)を用いることが好ましい。
【0051】
ジンチョウゲ属(Daphne L.)植物は、ジンチョウゲ科に属する低木であり、サツマフジ(Daphne genkwa Sieb. et Zucc.)、コショウノキ(Daphne kiusiana Miq.)、コウシュジンチョウゲ(Daphne mezereum L.)、ジンチョウゲ(Daphne odora Thunb.)、オニシバリ(Daphne opseud−mezereum A. Gray)、ナニワズ(Daphne kamtchatica Maxim. var. yezoensis Ohwi)、カラスシキミ(Daphne miyabeana Makino)から選択される1種又は2種以上を用いることが、美白効果の点から好ましい。
【0052】
ガンピ属(Diplomorpha Meissn. ex C. A. Mey.)植物は、ジンチョウゲ科に属する低木であり、オオシマガンピ(Diplomorpha phymatoglossa (Koidz.) Nakai)、ガンピ(Diplomorpha sikokiana (Fr. et Sav.) Honda )、キガンピ(Diplomorpha trichotoma (Thunb.) Nakai)から選択される1種又は2種以上を用いることが、美白効果の点から好ましい。
【0053】
ミツマタ属(Edgeworthia Meissn.)植物は、ジンチョウゲ科に属する低木であり、その入手のしやすさの点から、ミツマタ(Edgeworthia chrysantha Lindl.)を用いることが好ましい。
【0054】
ボタン属(Paeonia L.)植物は、キンポウゲ科に属する低木であり、美白効果の点からボタン(Paeonia suffruticosa Andr.)及びシャクヤク(Paeonia lactiflora Pall.)から選択される1種又は2種が好ましい例として挙げられる。
【0055】
カンゾウ属(Glycyrrhiza L.)植物は、マメ科に属する草本であり、その入手のしやすさから、スペインカンゾウ(Glycyrrhiza glabra L.)、キカンゾウ(Glycyrrhiza kansuensis Chang et peng)、カンゾウ(Glycyrrhiza urarensis Fisch.)から選択される1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0056】
クワ属(Morus L.)植物は、クワ科に属する低木であり、その入手のしやすさからクワ(Morus alba L.)を用いることが好ましい。
【0057】
エンジュ属(Sophora L.)植物は、マメ科に属する高木であり、その美白効果の点からクララ(Sophora flavescens Ait.)、エンジュ(Sophora japonica L.)から選択される1種又は2種を用いることが好ましい。
【0058】
バラ属(Rosa L.)植物は、バラ科(Rosaceae)に属する植物である。中でも、ノイバラ(Rosa multiflora Thunb.)は、わが国に自生するバラ科(Rosaceae)の蔓性落葉低木であり、生薬「エイジツ」(Rosae Fructus)の基原植物であり、高い美白効果を発揮する。また、この近縁植物である、テリハノイバラ(Rosa wichuraiana Crepin var. ampullicarpa Honda)、フジイバラ(Rosa fujisanensis Makino)においても、高い美白効果が得られる。
【0059】
アロエ属(Aloe L.)植物は、ユリ科(Liliaceae)に属する木本性多肉植物であり、生薬「アロエ」(Aloe)の基原植物として用いられる。アロエ属に属する植物としては、生薬「アロエ」の基原植物であるアロエフェロックス(Aloe ferox Mill.)、アロエアフリカーナ(Aloe africana Mill.)、アロエスピカータ(Aloe spicata Baker)、アロエアルボレッセンス(Aloe arborescens Mill.)アロエスコトリナ(Aloe succotrina Lam.)アロエプリカティリス(Aloe plicatilis Mill.)、アロエバイネシー(Aloe bainesii Th. Dyer.)、アロエペリー(Aloe perryi Baker)、アロエベラ(Aloe vera L.)等の他に、キダチアロエ(Aloe arborescens Mill.var. natalensis Berg.)も用いることができる。これらより1種又は2種以上を選択して用いることが好ましい。
【0060】
ニワトコ属(Sambucus L.)植物は、スイカズラ科(Caprifoliaceae)に属する植物であり、その入手しやすさから、セイヨウニワトコ(Sambucus nigra L.)、アメリカニワトコ(Sambucus canadensis L.)、ソクズ(Sambucus javanica Reinw. ex Bl. subsp. chinensis)から選択される1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0061】
ユキノシタ属(Saxifraga L.)植物は、ユキノシタ科に属する多年草であり、ホシツヅリ(Saxifraga aizoon Jacq.)、シコタンソウ(Saxifraga cherlerioides D. Don var. rebunshirensis (Engl. et Irmsch) Hara)、ジンジソウ(Saxifraga cortusaefolia Sieb. et Zucc.)、ダイモンジソウ(Saxifraga fortunei Hook. f. var. incisolobata (Engl. et Irmsch.) Nakai)、ハルユキノシタ(Saxifraga nipponica Makino)、センダイソウ(Saxifraga sendaica Maxim.)、ユキノシタ(Saxifraga stolonifera Meerb.)、フキユキノシタ(Saxifraga japonica Boiss.)、クロクモソウ(Saxifraga fusca Maxim.)、クモマグサ(Saxifraga merkii Fish. var. laciniata Nakai)、クモマユキノシタ(Saxifraga laciniata Nakai et Takeda)、シコタンソウ(Saxifraga bronchialalis L.)、ムカゴユキノシタ(Saxifraga cernua L.)、ヤマハナソウ(Saxifraga sachalinensis Fr.Schm.)から選択される1種又は2種以上を用いることが、その美白効果の点から好ましい。
【0062】
ドクダミ属(Houttuynia Thunb.)植物は、ドクダミ科(Saururaceae)に属する、1属1種ドクダミ(Houttuynia cordata Thunb.)のみからなる属である。ドクダミ(Houttuynia cordata Thunb.)の全草は、「ジュウヤク」(Houttuyniae Herba)または重薬「ジュウヤク」ともよばれる生薬であり、かかる生薬を用いることが、美白作用の点から好ましい。
【0063】
カンアオイ属(Heterotropa Morr. et Decne)植物は、ウマノスズクサ科(Aristolochiaceae)に属する植物であり、最近の研究では、フタバアオイ属(Asarum L.)やアメリカカンアオイ属(Hexastylis L.)、ウスバサイシン属(Asiasarum L.)等も含めて扱われる。中でも、ウスバサイシン属(Asiasarum L.)は、生薬「サイシン」(Asiasari Radix)の基原植物であり、美白有効性の観点からは、ウスバサイシン(Asiasarum sieboldii F. Maekawa)またはケイリンサイシン(Asiasarum heterotropoides var. mandshuricum F. Maekawa)、その近縁植物であるクロフネサイシン(Asiasarum dimidiatum F. Maekawa)、オクエゾサイシン(Asiasarum heterotropoides F. Maekawa)、ウスゲサイシン(Asiasarum heterotropoides var. seoulense F. Maekawa)、石南七(Asarum himalaicum Hook. f. et Thoms. ex Klotzch)などが好ましく用いられる。
【0064】
タツナミソウ属(Scutellaria L.)植物は、シソ科(Labiatae)に属する草本、あるいは半低木である。タツナミソウ属植物としては、コガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi)、オカタツナミソウ(Scutellaria brachyspica Nakai et Hara)、タツナミソウ(Scutellaria indica L.)、シソバタツナミ(Scutellaria laeteviolacea Koidz.)、スクテラリア ラテリフォリア(Scutellaria laterifolia L.)、ホナガタツナミ(Scutellaria maekawae Hara)、ヤマタツナミウソウ(Scutellaria pekinensis Maxim. var. transitra (Makino) Hara)、ナミキソウ(Scutellaria strigillosa Hemsl.)等が例示される。このなかでも、生薬オウゴン(Scutellariae Radix)の基原植物である、コガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi)を用いることが好ましい。
【0065】
ヒマワリ属(Helianthus L.)植物は、キク科(Compositae)に属する双子葉植物の一種であり、中でも、ヒマワリ(Helianthus annuus L.)の抽出物が多く用いられる。本発明においてヒマワリ(Helianthus annuus L.)は、花、種子、茎、葉、根を用いることが出来るが、花又は種子を用いることが好ましい。また、種子からヒマワリ油を搾油した残渣であるヒマワリ油粕を用いてもよい。
【0066】
アマドコロ属(Polygonatum Adans.)植物は、ユリ科(Liliaceae)に属する一年草であり、生薬「オウセイ」(Polygonati Rhizoma)の基原植物であるナルコユリ(Polygonatum falcatum A. Gray)、オオナルコユリ(Polygonatum macranthum Koidzumi)、及び近縁植物であるカギクルマバナルコユリ(Polygonatum sibricum Red.)、クルマバナルコユリ(Polygonatum stenophyllum Maxim.)などがあり、これらより1種又は2種以上を選択して用いることが、美白効果の点から好ましい。
【0067】
アマ属(Linum L.)植物は、アマ科(Linaceae)の一年生、二年生、又は多年生草本であり、繊維や種子、種子油が利用されている。本発明においては、その美白効果の点からアマ(Linum usitatissimum L.)の種子である生薬「アマニン」(Lini Semen)からの抽出物を用いることが好ましい。
【0068】
カントウ属(Tussilago L.)植物は、キク科(Compositae)に属する植物である。その入手のしやすさから、フキタンポポ(Tussilago farfara L.)を用いることが好ましい。
【0069】
ワレモコウ属(Sanguisorba L.)植物は、バラ科(Rosaceae)に属する植物であり、ワレモコウ(Sanguisorba officinalis L.)、オランダワレモコウ(Sanguisorba minor Scop.)等が例示される。中でも、生薬「チユ」(Sanguisorba Radix)の基原植物であるワレモコウ(Sanguisorba officinalis L.)を用いることが、美白効果及び入手のしやすさの点から、好ましい。
【0070】
ハッカ属(Mentha L.)植物は、シソ科(Lamiaceae)の植物であり、スペアミントと呼ばれるミドリハッカ(Mentha spicata Linne)や、セイヨウハッカ(Mentha piperita L.)及びその変種、あるいは、ハッカ(Mentha arvensis L. var. piperascens Malin.)などが例示される。
【0071】
ハウチワマメ属(Lupinus L.)植物は、マメ科(Leguminosae)の双子葉植物であり、シロバナルーピン(Lupinus albus L. ; Lupinus sativus Gaertn.)、アオバナルーピン(Lupinus angustifolius L. ; Lupinus varius L. ; Lupinus linifolius Roth ; Lupinus reticulatus Desv.)、カサバルーピン(Lupinus hirsutus L.)、カバナハウチワマメ(Lupinus luteus L.)、シュッコンルーピン(Lupinus polyphyllus Lindl.) 、エジプトルーピン(Lupinus termis Forsk. ; Lupinus graecus Boiss.)等が例示される。これらの植物の中でも、その美白効果の点からシロバナルーピン(Lupinus albus L. ; Lupinus sativus Gaertn.)が好ましく用いられる。またハウチワマメ属(Lupinus L.)植物の全草、葉、茎、根、宿根、花、種子を用いることが出来るが、種子を用いることが好ましい。
【0072】
クチナシ属(Gardenia)植物は、アカネ科(Rubiaceae)の植物であり、クチナシ(Gardenia jasminoides)、コクチナシ(Gardenia radicans)等が知られている。また、クチナシ属(Gardenia)植物の果実は、サンシシ(Gardeniae Fructus)と呼ばれ、古くから生薬として知られている。
【0073】
また、藻類としては、カイメンソウ(Ceratodictyon spongiosum)に代表されるカイメンソウ属(Ceratodictyon)藻類、無節サンゴモ(Corallina sp.)、サンゴモ(Corallina officinalis)、ピリヒバ(Corallina pilurifera)等のサンゴモ属(Corallina)藻類、ヤハズグサ(Dictyopteris latiuscula)、シワヤハズ(Dictyopteris undulata)、ヘラヤハズ(Dictyopteris prolifera)、スジヤハズ(Dictyopteris plagiogramma)、ヒメヤハズ(Dictyopteris repens)、エゾヤハズ(Dictyopteris divaricata)、ウラボシヤハズ(Dictyopteris polypodioides)等のヤハズグサ属(Dictyopteris)藻類、ハリアミジ(Dictyota spinulosa)に代表されるアミジグサ属(Dictyota)藻類、ヒジキ(Hizikia fusiformis)に代表されるヒジキ属(Hizikia)藻類、ソゾsp.(Laurencia sp.)、クロソゾ(Laurencia intermedia)、ミツデソゾ(Laurencia okamurai)、ソゾノハナ(Laurencia grevilleana)、オオソゾ(Laurencia glandulifera)、ハネソゾ(Laurencia pinnata)、コブソゾ(Laurencia undulata)等のソゾ属(Laurencia)藻類、フシツナギ(Lomentaria catenata)、コスジフシツナギ(Lomentaria hakodatensis)等のフシツナギ属(Lomentaria)藻類、イワヒゲ(Myelophycus caespitosus)に代表されるイワヒゲ属(Myelophycus)藻類、ダルス(Palmaria palmata)に代表されるダルス属(Rhodymenia)藻類、ホンダワラ(Sargassum fulvellum)、エンドウモク(Sargassum yendoi)、マメタワラ(Sargassum piluriferum)、ヤツマタモク(Sargassum patens)、アカモク(Sargassum horneri)、ノコギリモク(Sargassum serratifolium)、オオバノコギリモク(Sargassum giganteifolium)、ヨレモク(Sargassum tortile)、ヤナギモク(オオバモク:Sargassum ringgoldianum)、ネジモク(Sargassum sagamianum)、ハハキモク(Sargassum kjellmanianum)、ウミトラノオ(Sargassum thunbergii)、フシスジモク(Sargassum confusum)、イソモク(Sargassum hemiphyllum)、ナラサモ(Sargassum nigrifolium)、トゲモク(Sargassum micracanthum)、タマナシモク(Sargassum nipponicum)、ジンメソウ(Sargassum vulgare)、フタエモク(ヒイラギモク:Sargassum duplicatum)、エゾノネジモク(Sargassum yezoense)等のホンダワラ属(Sargassum)藻類、モヅク(Nemacystus decipieus)に代表されるモヅク属(Nemacystus)藻類、ナガマツモ(Chordaria flagelliformis)、イシモヅクダマシ(Chordaria firma)等のナガマツモ属(Chordaria)藻類、イシモヅク(Sphaerotrichia divaricata)に代表されるイシモヅク属(Sphaerotrichia)藻類、フトモヅク(Tinocladia crassaSuringar) Kylin)に代表される、フトモヅク属(Tinocladia Kylin)属藻類、オキナワモヅク(Cladosiphon okamuranus)に代表されるオキナワモヅク属(Cladosiphon)藻類等が例示される。
【0074】
これらの植物及び藻類からの抽出物は、各種の全草又はその葉、樹皮、根、花、枝等の1又は2以上の箇所を生のまま若しくは乾燥させて用い、抽出溶媒で抽出することで得ることができる。抽出溶媒としては特に限定されず、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−オクチルアルコール等の1価アルコール類、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、へキシレングリコール等の多価アルコール又はその誘導体、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−プロピルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル等のエーテル類、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、パラフィン油などの炭化水素類、オリーブ油、小麦胚芽油、米油、ゴマ油、マカダミアンナッツ油、アルモンド油、ヤシ油等の植物油脂、牛脂、豚脂、鯨油等の動物油脂などが例示される。また、リン酸緩衝生理食塩水等の無機塩類を添加した極性溶媒、界面活性剤を添加した溶媒を用いることもでき、特に限定されない。
【0075】
更に、抽出方法としては、室温、冷却又は加熱した状態で含浸させて抽出する方法、水蒸気蒸留などの蒸留法を用いて抽出する方法、植物又は藻類を圧搾して抽出物を得る圧搾法などが例示され、これらの方法を単独で、又は2種以上を組み合わせて抽出を行う。
【0076】
抽出の際の植物又は藻類と抽出溶媒との比率は特に限定されないが、植物又は藻類1に対して抽出溶媒を0.1〜1000質量倍、特に抽出操作、効率の点で、抽出溶媒を0.5〜100質量倍とすることが好ましい。また、抽出圧力及び抽出温度は常圧下で0℃から抽出溶媒の沸点以下の範囲とすることが好ましく、抽出時間は抽出温度などにより異なるが2時間〜2週間の範囲とすることが好ましい。
【0077】
このようにして得られた植物又は藻類の抽出物は、抽出物をそのまま用いることもできるが、その効果を失わない範囲で、脱臭、脱色、濃縮などの精製操作を加えたり、さらにはカラムクロマトグラフィーなどを用いて分画物として用いてもよい。これらの抽出物や精製物、分画物は、これらから溶媒を除去することによって乾固物とすることもでき、さらに、アルコールなどの溶媒に可溶化した形態、或いは乳剤の形態で用いることができる。
【0078】
本発明の皮膚外用剤における、これらの美白剤の含有量は、より有効な美白効果を得るとともに、添加した際の臭いや色調等の観点から、皮膚外用剤の全質量を基準として0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましい。この含有量が0.1質量%未満であると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、有効な美白効果が得られなくなる傾向にあり、20質量%を超えても、美白効果のさらなる向上が期待できない傾向にある。
【0079】
本発明においては、上述した美白剤の中でも、水溶性のアスコルビン酸誘導体が特にその経皮吸収促進効果の点から好ましい。
【0080】
本発明の皮膚外用剤に含有されるアシル酸性アミノ酸塩は、アニオン界面活性剤であり、乳化剤として用いられるものである。かかるアシル酸性アミノ酸塩におけるアシル基は、炭素数14以上であることが好ましい。このようなアシル基としては、例えば、ステアロイル、パルミトイル、ミリストイル、ラウロイル、ココイル等が挙げられる。
【0081】
アシル酸性アミノ酸塩におけるアミノ酸としては、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられる。これらの中でも、アシル酸性アミノ酸塩におけるアミノ酸は、グルタミン酸であることが好ましい。
【0082】
アシル酸性アミノ酸塩における塩としては、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン(TEA)等の塩が挙げられる。
【0083】
アシル酸性アミノ酸塩として具体的には、例えば、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ココイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ココイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ココイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらの中でも、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム及びN−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウムが特に好ましい。これらのアシル酸性アミノ酸塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0084】
本発明の皮膚外用剤におけるアシル酸性アミノ酸塩の含有量は、美白剤の経皮吸収性をより向上させる観点から、皮膚外用剤の全質量を基準として0.01〜2.0質量%であることが好ましく、0.1〜1.0質量%であることがより好ましい。この含有量が0.01質量%未満であると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、美白剤の経皮吸収性を不十分となる傾向にあり、2.0質量%を超えると、美白剤の経皮吸収性のさらなる向上が認められず、逆に皮膚刺激性が生じる場合がある。
【0085】
本発明の皮膚外用剤には、炭素数18以上の高級アルコール、並びに、炭素数18以上の高級脂肪酸及びその塩のうちの少なくとも一種が含有され、好ましくは炭素数18以上の高級アルコールと、炭素数18以上の高級脂肪酸及び/又はその塩とが含有される。
【0086】
炭素数18以上の高級アルコールとしては、例えば、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、ホホバアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ステアリルアルコール、オクタデカノール−2、ナノデカノール−1、ナノデカノール−2、アラルキルアルコール、イコサノール−2、ヘンイコサノール、トリコサノール、カルナービルアルコール、ペンタコサノール、セリルアルコール、ヘプタコサノール、コリヤニルアルコール、ノナコサノール、ミリシルアルコール、メリシルアルコール、及び、ラクセリルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、及び、ホホバアルコールが好ましい。これらの高級アルコールは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0087】
炭素数18以上の高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸(ベヘニン酸)、オレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸等が挙げられる。これらの高級脂肪酸は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの高級脂肪酸は、皮膚外用剤中で遊離した状態で存在していてもよく、塩を形成して高級脂肪酸石けんとして存在していてもよい。
【0088】
上記炭素数18以上の高級脂肪酸が皮膚外用剤中で塩を形成して高級脂肪酸石けんとして存在する場合、かかる高級脂肪酸石けんとしては、例えば、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸アルギニン、及び、ステアリン酸トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0089】
本発明の皮膚外用剤における炭素数18以上の高級アルコール、炭素数18以上の高級脂肪酸及びその塩の合計の含有量は、美白剤の経皮吸収性をより向上させる観点から、皮膚外用剤の全質量を基準として1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。この含有量が1質量%未満であると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、美白剤の経皮吸収性を不十分となる傾向にあり、20質量%を超えると、得られる皮膚外用剤の硬度が高くなり、使用感上不利になる傾向にある。
【0090】
本発明の皮膚外用剤に含有される総炭素数34以上のエステル油は、植物由来のものであることが好ましく、例えば、ホホバ油、ホホバエステル、メドウフォーム油、シア脂、アボカド油、アルモンド油、オリブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、綿実油、及び、ヤシ油等が挙げられる。これらの中でも、ホホバ油、ホホバエステル、メドウフォーム油、及び、シア脂が好ましい。これらのエステル油は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0091】
本発明の皮膚外用剤におけるエステル油の含有量は、美白剤の経皮吸収性を十分に得る観点から、皮膚外用剤の全質量を基準として1質量%以上であることが必要であり、1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。この含有量が1質量%未満であると、美白剤の経皮吸収性を不十分となる。一方、含有量が20質量%を超えると、美白剤の経皮吸収性のさらなる向上が期待できないとともに、得られる皮膚外用剤の使用感がべたついたものとなる傾向にある。
【0092】
更に、本発明の皮膚外用剤には、上述した各成分の他に、医薬品、医薬部外品、化粧料に通常配合される、油性成分、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、薬剤、香料、樹脂、アルコールなどを、本発明の効果、特徴を損なわない範囲において適宜配合することができる。
【0093】
以上説明した本発明の皮膚外用剤は、美白用クリーム、美容液、皮膚用ローション、皮膚用乳剤、皮膚用ゲル剤、皮膚用クリーム、水中油型乳剤性軟膏、メイクアップベースクリーム、乳液状ファンデーション、ハンドクリーム、ゼリー状ピールオフパック、マッサージゲル、洗顔料、クレンジングクリーム、マスク剤等の様々な剤型の美白化粧料として使用することができる。
【0094】
そして、本発明の皮膚外用剤を皮膚に塗布するなどして使用することにより、当該皮膚外用剤に含有される美白剤(特に水溶性アスコルビン酸誘導体のような親水性薬剤)の経皮吸収性が優れていることから、美白剤を皮膚の角質層に有効に浸透させることができ、優れた美白効果を得ることができる。
【実施例】
【0095】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0096】
[実施例1〜6及び比較例1〜2]
表1に示す処方(数字は質量%を示す)の皮膚外用剤を、以下の手順で作製した。まず、成分(13)を成分(14)の一部に溶解して美白剤含有成分を、成分(1)〜(9)を75℃に加熱し混合溶解して油性成分を、成分(10)〜(12)及び成分(14)の残部を75℃に加熱し混合溶解して水性成分を、それぞれ作製した。次に、75℃で水性成分に油性成分を徐々に添加して乳化後、40℃まで冷却し、そこへ美白剤含有成分を添加した。これにより、実施例1〜5及び比較例1の皮膚外用剤を得た。
【0097】
また、表2に示す処方(数字は質量%を示す)の皮膚外用剤を、以下の手順で作製した。まず、成分(8)を成分(9)の一部に溶解して美白剤含有成分を、成分(1)〜(5)を75℃に加熱し混合溶解して油性成分を、成分(6)〜(7)及び成分(9)の残部を75℃に加熱し混合溶解して水性成分を、それぞれ作製した。次に、75℃で水性成分に油性成分を徐々に添加して乳化後、40℃まで冷却し、そこへ美白剤含有成分を添加した。これにより、実施例6及び比較例2の皮膚外用剤を得た。
【0098】
(薬剤皮膚透過性試験)
実施例1〜6及び比較例1〜2で得られた皮膚外用剤について、美白剤に対する経皮吸収促進効果を評価するため、ヘアレスマウス皮膚透過試験を行った。試験は、ヘアレスマウスの剥離した皮膚を、0.785cmの拡散有効面積を持つ拡散セルに、角質層側がドナー相、表皮側がレセプター相になるように装着し、試料を塗布することにより行った。レセプター相にはPH7.4のリン酸緩衝溶液5mlをレセプター液として入れた。24時間後にレセプター液をサンプリングし、高速液体クロマトグラフィーにより美白剤の透過量を求めた。結果は薬剤透過率(%)として表し、表1及び2に示す。
【0099】
【表1】



【0100】
【表2】



【0101】
表1及び2に示した結果から明らかなように、実施例1〜6の皮膚外用剤は、比較例1〜2の皮膚外用剤と比較して、美白剤(アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩及びアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩)の薬剤透過率が高く、美白剤の経皮吸収が顕著に促進されていることが確認された。
【0102】
[実施例7]
表3に示す処方(数字は質量%を示す)の皮膚外用剤を、以下の手順で作製した。まず、成分(18)を成分(5)の一部に溶解して第1の美白剤含有成分を、成分(19)〜(21)を混合溶解して第2の美白剤含有成分を、成分(8)〜(17)を75℃に加熱し混合溶解して油性成分を、成分(1)〜(4)、成分(6)〜(7)及び成分(5)の残部を75℃に加熱し混合溶解して水性成分を、それぞれ作製した。次に、75℃で水性成分に油性成分を徐々に添加して乳化後、40℃まで冷却し、そこへ第1及び第2の美白剤含有成分を添加した。これにより、実施例7の皮膚外用剤を得た。
【0103】
【表3】



【0104】
[比較例3]
表4に示す処方(数字は質量%を示す)の皮膚外用剤を、以下の手順で作製した。まず、成分(14)を成分(15)の一部に溶解して美白剤含有成分を、成分(12)及び(13)を混合溶解して添加成分を、成分(1)〜(9)を75℃に加熱し混合溶解して油性成分を、成分(10)〜(11)及び成分(15)の残部を75℃に加熱し混合溶解して水性成分を、それぞれ作製した。次に、75℃で水性成分に油性成分を徐々に添加して乳化後、40℃まで冷却し、そこへ美白剤含有成分及び添加成分を添加した。これにより、比較例3の皮膚外用剤を得た。
【0105】
【表4】



【0106】
(黒化抑制試験)
実施例7及び比較例3で得られた皮膚外用剤について、黒化抑制効果(美白効果)を評価するための試験を以下の手順で行った。なお、以下の説明では実施例7の皮膚外用剤を試験サンプルとした場合について説明するが、これと同様の手順で比較例3の皮膚外用剤を試験サンプルとした場合についても試験を行った。
【0107】
まず、男性パネラー5名に対し、試験部位を上腕内側部として、太陽光類似光照射装置によりUV−B(波長280〜315nmの紫外線)を照射し、予め各パネラーの最小紅斑量(MED)を確認する。次に、UV−B照射を行う3日前から1日1回、実施例7で得られた皮膚外用剤を、各パネラーのUV−B照射予定部位に塗布する。次に、各パネラーのUV−B照射予定部位に1.5MED相当のUV−Bを照射し、日焼け部を形成する。UV−B照射後すぐに、実施例7で得られた皮膚外用剤を日焼け部に塗布し、その後7日間、1日1回、日焼け部に皮膚外用剤を塗布する。
【0108】
各パネラーの日焼け部について、ミノルタ社製の分光側色機により、日焼け部を形成してから1週間後の日焼け部のLの値を5回測定し、その平均値を求めた。更にパネラー5名の平均値を求めて、最終的な測定データとしてのL値を求めた。また、比較対照として、1.5MED相当のUV−Bを照射して日焼け部を形成したが、照射前後に皮膚外用剤を塗布しなかった照射・未塗布部位のL値を、日焼け部を形成してから1週間後に測定し、パネラー5名の平均値を求めた。更に、上記日焼け部のL値を測定するとともに、UV−Bを照射せず皮膚外用剤の塗布も行わなかった未照射・未塗布部位のL値を測定し、パネラー5名の平均値を求めた。そして、未照射・未塗布部位のL値と、実施例7及び比較例3の皮膚外用剤を塗布した日焼け部のL値、並びに、照射・未塗布部位のL値との差をΔLとしてそれぞれ算出した。このΔLの値が小さいほど黒化抑制効果(美白効果)が高いことを意味する。それらの結果を表5に示す。
【0109】
【表5】



【0110】
表5に示した結果から明らかなように、実施例7の皮膚外用剤は、比較例3の皮膚外用剤と比較して、美白効果に優れていることが確認された。
【0111】
なお、実施例7の皮膚外用剤については、上記黒化抑制試験期間中に、含有成分の析出、分離、凝集、変臭、変色といった製剤の状態変化は全く見られなかった。また、実施例7の皮膚外用剤を用いた場合に、皮膚刺激性反応や皮膚感作性反応を示したパネラーは存在しなかった。このことから、実施例7の皮膚外用剤は、安全性に優れていることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
美白剤と、
アシル酸性アミノ酸塩と、
炭素数18以上の高級アルコール、並びに、炭素数18以上の高級脂肪酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも一種と、
総炭素数34以上のエステル油と、
を含有し、
前記総炭素数34以上のエステル油の含有量が1質量%以上であることを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
前記美白剤が、水溶性アスコルビン酸誘導体、ハイドロキノン配糖体、クチナシ属植物の抽出物、並びに、γ−オリザノール及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
前記アシル酸性アミノ酸塩が、炭素数14以上のアシル基を有する、グルタミン酸と、ナトリウム、カリウム、及び、トリエタノールアミンからなる群より選択される少なくとも一種との塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
前記炭素数18以上の高級アルコールが、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、及び、ホホバアルコールからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
前記炭素数18以上の高級脂肪酸が、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、及び、ウンデシレン酸からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
前記総炭素数34以上のエステル油が、ホホバ油、ホホバエステル、メドウフォーム油、及び、シア脂からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項7】
前記美白剤の含有量が0.1〜20質量%であり、前記アシル酸性アミノ酸塩の含有量が0.01〜2.0質量%であることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項8】
請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の皮膚外用剤を使用して、前記美白剤を皮膚の角質層に浸透させることを特徴とする美白剤の浸透方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
美白剤と、
アシル酸性アミノ酸塩と、
炭素数18以上の高級アルコール、並びに、炭素数18以上の高級脂肪酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも一種と、
総炭素数34以上のエステル油と、
を含有し、
前記総炭素数34以上のエステル油が、ホホバ油、ホホバエステル、メドウフォーム油、及び、シア脂からなる群より選択される少なくとも一種であり、
前記総炭素数34以上のエステル油の含有量が1質量%以上であることを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
前記美白剤が、水溶性アスコルビン酸誘導体、ハイドロキノン配糖体、クチナシ属植物の抽出物、並びに、γ−オリザノール及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
前記アシル酸性アミノ酸塩が、炭素数14以上のアシル基を有する、グルタミン酸と、ナトリウム、カリウム、及び、トリエタノールアミンからなる群より選択される少なくとも一種との塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
前記炭素数18以上の高級アルコールが、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、及び、ホホバアルコールからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
前記炭素数18以上の高級脂肪酸が、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、及び、ウンデシレン酸からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
前記美白剤の含有量が0.1〜20質量%であり、前記アシル酸性アミノ酸塩の含有量が0.01〜2.0質量%であることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項7】
請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の皮膚外用剤を使用して、前記美白剤を皮膚の角質層に浸透させることを特徴とする美白剤の浸透方法。

【公開番号】特開2006−16401(P2006−16401A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2005−203091(P2005−203091)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】