説明

皮膚浸透率の非常に高い1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン及び関連化合物の正に荷電した水溶性プロドラッグ

【課題】一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物の新規な正に荷電したプロドラッグの設計と合成。
【解決手段】これらのプロドラッグの正に荷電したアミノ基は薬剤の水溶性を著しく増大するだけでなく、膜のホスフェート頭部基における負電荷に結合する。この結合は膜をほんの少し妨害し、プロドラッグの親油性部分のための空間を作り得る。膜分子が移動する場合、プロドラッグの結合のために膜にほんの少し‘亀裂が入る’。これによりプロドラッグが膜に挿入される。プロドラッグは、ヒト又は動物において1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物治療可能な状態を治療するのに薬剤として使用され得、いかなる種類の医学的治療にも経皮的に投与することができ且つ1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンのほとんどの副作用を避け得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物の正に荷電した水溶性プロドラッグの調製並びにヒト又は動物において1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物治療可能な状態を治療するための医薬用途に関する。より詳細には、本発明は、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物の速い皮膚浸透を可能にするためにある。
【背景技術】
【0002】
1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物は、米国特許第4,689,338号に開示されており、その中に抗ウイルス剤として、また、インターフェロン誘起物質として記載されている。1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物の単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる原発巣に対する抗ヘルペス作用は、Gerster, J.F.(米国特許第4,689,338号)がKernなど(Antimicrob. Agents Chemother. 14, 817-823, 1978)によって一般的に記載される方法を用いて証明されている。
この化合物の局所投与用の種々の製剤も記載されている。米国特許第4,751,087号、同第4,411,893号、同第4,722,941号、同第4,746,515号、同第5,736,553号には、薬剤の経皮流量を増大させる皮膚浸透増強剤としてエチルクリートとグリセリルモノラウレートの組み合わせ、N,N-ジメチルドデシルアミン-N-オキシド、グリセリルモノラウレート、及び脂肪酸の使用も開示されている。光線性角化症、表在性基底細胞癌、外性器や肛門周囲のいぼの治療用のアルダラ(1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン)クリームが3Mにより開発された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光線性角化症、表在性基底細胞癌、外性器や肛門周囲のいぼの治療用のアルダラ(Aldara)(1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン)クリームが3Mにより開発された。
残念なことに、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物は、水や有機溶媒に非常に難溶性であるので、これらの皮膚浸透率は非常に低い。クリーム組成物は、非常に長間非常に高濃度で皮膚上に薬剤を保持し、発赤、浸潤、ただれ、水疱、又は潰瘍、硬くなるか或いは厚くなった皮膚、皮膚剥離、痂皮化、痂皮形成、かゆみ、灼熱感、消えるとは限らない皮膚の色の変化を含む多くの副作用を引き起こす。他の問題は、これらが表在性基底細胞癌を除いて癌を治療するのに充分深く皮膚に浸透することができないことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物の新規な正に荷電したプロドラッグの調製並びにその医薬用途に関する。1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物のプロドラッグは、一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’を有する。
【0005】
【化1】

【0006】
式中、Rは、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)n-であり、ここで、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)n-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R1及びR2は、単独で用いられ、同じか又は異なり、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、或いは一緒に用いられ、-(CH2)m-であり、ここで、m=2、3、4、5、6、7、8、9、10…、及びいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R3は、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; Xは、O、NH、又はSであり; Yは、C、S=O、又はP-OR11であり; R4は、炭素原子1〜約10個のアルキル、炭素原子1〜約10個のヒドロキシルアルキル、アシルオキシアルキルであって、アシルオキシ部分が、炭素原子2〜約5個のアルカノイルオキシ又はベンゾイルオキシであり、アルキル部分が、炭素原子1〜約8個を含有するアシルオキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチル及びフェニルからなる群より選ばれ、前記ベンジル、(フェニル)エチル又はフェニル置換基は、任意に、ベンゼン環において、独立して、炭素原子1〜約5個のアルキル、炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれる1又は2つの部分で置換されていてもよいが、前記ベンゼン環が前記部分の2つで置換される場合には、前記部分は一緒に8個以下の炭素原子を含有する; R5は、水素、炭素原子1〜約10個のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチル及びフェニルからなる基より選ばれ、前記ベンジル、(フェニル)エチル又はフェニル置換基は、任意に、ベンゼン環において、独立して、炭素原子1〜約5個のアルキル、炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれる1又は2つの部分で置換されていてもよいが、前記ベンゼン環が前記部分の2つで置換される場合には、前記部分は一緒に8個以下の炭素原子を含有する; R6は、水素、炭素原子1〜約5個のアルキル、及び炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれ; R7は、水素、炭素原子1〜約5個のアルキル、及び炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれ; R8は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)a-であり、ここで、a=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)a-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R9は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)b-であり、ここで、b=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)b-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R10は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)c-であり、ここで、c=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)c-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R11は、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R12は、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある。すべてのR、R1、R2、R3、R4、-(CH2)n-、-(CH2)m-、-(CH2)a-、-(CH2)b-、又は-(CH2)c-基は、分枝鎖又は直鎖であり、C、H、O、S、P、又はN原子を含んでいてもよく、単一結合、二重結合、三重結合を有していてもよい。
【0007】
胃腸管からにしても他の部位からにしても、薬剤吸収には、分子形態の薬剤がバリヤ膜全体を通過することが必要である。薬剤は、最初に溶解しなければならず、薬剤が望ましい生物薬剤学的特性を有する場合には、高濃度の領域から低濃度の領域に血液循環或いは全身循環へ膜全体を通過する。すべての生体膜は、主な成分として脂質を含有する。膜形成において優位な役割を果たす分子は、すべてリン酸塩含有の高度に極性の頭部基(head group)、ほとんどの場合、二つの高度に疎水性の炭化水素尾部を有する。膜は、二層であり、親水性頭部基が両側の水性領域に外に向いている。非常に親水性の薬剤は、膜の疎水性層を通過することができず、非常に疎水性の薬剤は、類似するために膜の部分として疎水性層にとどまり、内側のサイトゾルに効率的に入ることができない。
【0008】
本発明の目的は、皮膚表面上の利用可能な水分における溶解度及び膜と皮膚バリヤを通る浸透率を増加させることによって1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物を経皮的に(局所適用)投与可能にすることである。1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物のこれらの新規なプロドラッグは、共通して二つの構造的特徴を有する: これらは、親油性部分と生理的pHにおいてプロトン化した形(親水性部分、pKaは9.5〜10.7である)で存在する第一、第二、又は第三アミン基を有する[1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンの芳香族アミンは非常に弱い塩基であり(pKaは6.5〜6.7である)、これらの小部分だけが生理的pHでプロトン化した形で存在する]。このような親水性-親油性バランスは、膜バリヤを効率的に通過するために必要である[Susan Milosovich, et al., J. Pharm. Sci., 82, 227(1993)]。正に荷電したアミノ基は、主に、水における薬剤の溶解性を増加させる。多くの場合、順序の最も遅い段階或いは律速段階が薬剤の溶解である。1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン又は関連化合物は、皮膚表面上に利用可能な水分において非常に難溶性を有し、効率的に分子形態で皮膚のバリヤ全体を通過しない。これらが皮膚の膜に入るとしても、サイトゾル、細胞の内側の半流動濃縮水溶液又は懸濁液に効率的に入ることができない(水溶解度が小さいために)。これらの新規なプロドラッグが溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルのような剤形で経皮的に投与される場合には、直ちに皮膚表面上の利用可能な水分に溶解する。これらのプロドラッグのアミノ基における正電荷は、膜のリン酸塩頭部基における負電荷に結合する[1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンにおける正電荷と膜のリン酸塩頭部基における負電荷との間の結合は弱い塩基性(pKaは約6.5〜6.7である)とヒンダード位置(アミノ基は直接芳香環と結合される)のために非常に弱い]ので、膜の外側の局所濃度は、非常に高く、高濃度の領域から低濃度の領域にこれらのプロドラッグの通過を容易にする。これらのプロドラッグが膜に入る場合、親水性部分がプロドラッグをサイトゾルに押し込む。プロドラッグが皮膚膜の外側にある場合には、それらはただのプロドラッグであり、生物活性がなくてもよい; そのために、また、膜の外側での状態が短いために、プロドラッグは、発赤、浸潤、ただれ、水疱、又は皮膚の潰瘍、硬くなった或いは厚くなった皮膚、皮膚剥離、痂皮化、痂皮形成、かゆみ、灼熱感又は皮膚色の変化を引き起こさない。
【0009】
ヒト皮膚を通るこれらのプロドラッグの浸透率を、試験管内で前後部大腿領域のヒト皮膚組織(360〜400μm厚)から分離した修正フランツ(Franz)細胞を用いることにより測定した。投与液は、2mlの2%ウシ血清アルブミン/生理食塩水からなり、600rpmで撹拌した。皮膚に浸透するこれらのプロドラッグや親薬剤の累積量と時間を特定の高性能液体クロマトグラフィー法によって求めた。エタノールとpH 7.4-リン酸緩衝液(0.2M)(v/v、70/30)のO.5mLの混合液中の1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンのプロドラッグの一部の3%溶液か又は[1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンの3%懸濁液からなる供与体を用いた結果を、図1に示す。ヒト皮膚を通って拡散するサルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩、サルコシン1-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩、サルコシン1-ベンジル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩、1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩、1-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン塩酸塩、及び1-ベンジル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン塩酸塩のそれぞれO.15mg、0.13mg、0.16mg、0.005mg、0.005mg、及び0.005mg/cm2/hの見掛けの流量値を算出した。プロドラッグは、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンより25倍を超えて速くヒト皮膚を通って拡散する。結果は、ジアルキルアミノエチル基における正電荷が、膜と皮膚バリヤ全体を薬剤が通過するのに非常に重要な役割を有することを示している。
【0010】
新規なプロドラッグのマウスの皮膚における刺激作用或いは不快症状について、一日二回ヌードマウスの背中に0.05mlの3%の各試験薬剤/pH 7.4リン酸緩衝液(0.2M)を局所適用した1週間後に評価した。サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩、サルコシン1-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩、サルコシン1-ベンジル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩には刺激作用或いは不快症状のいかなる徴候も全くなかった。
良好なプロドラッグは、容易に親薬剤に戻らなければならない。試験管内血漿加水分解研究を、以下のように行った。10mgのプロドラッグを、0.1mlの0.2MpH7.4リン酸緩衝液に溶解した。37℃に予熱した1mlのヒト血漿を、この混合物に添加した。この混合物を、37℃で水浴に保持した。2分毎に、0.2mlの試料を取り、0.4mlのメタノールに添加して、血漿タンパク質を沈降させた。試料を、5分間遠心分離し、HPLCによって分析した。加水分解の半減期は、サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩が18分+/-1分、サルコシン1-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩が19分+/-2分、サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩19分+/-1分である。
【0011】
1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンは、インターフェロン生合成を誘導することが知られている既知の抗ウイルス剤である(Gerster, J.F.、米国特許第4,689,338号)。化合物がインターフェロン誘起物質であるという事実は、非常に多くの疾病、例えば、関節リウマチ、生殖器又は他のいぼ、湿疹、肝炎、乾癬、多発性硬化症、本態性血小板血症、癌、後天性免疫不全症候群(AIDS)、他のウイルス疾患の治療に有効であり得ることを示している。光線性角化症、表在性基底細胞癌、外性器や肛門周囲のいぼの治療用のアルダラ(1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン)クリームが3Mにより開発されている。
これらのプロドラッグの抗腫瘍活性を評価するために、ヒト乳癌細胞(BCAP-37、4〜5mm3の腫瘍組織をそれぞれのマウスに用いた)をヌードマウス(BALB)に皮下異種移植した。3時間後、エタノール/0.2M pH 7.4リン酸緩衝液(v/v、70/3O)中の50μlの3%サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩、1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩を、ヒト乳癌細胞移植領域に(前脚の近くに)一日一回局所適用した。28日後、対照グループ(n=7、平均腫瘍サイズは15±2mm×l3±2mmであった)と1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩で治療したグループ(n=7、平均腫瘍サイズは12±2mm×l1±2mmであった)は、1O0%の発生率を示したが、サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩で治療したグループ(n=7)には腫瘍が全く見られなかった。サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩を治療したグループの平均体量は22±2グラムであり、1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩を治療したグループの平均体量は22±2グラムであり、対照グループは、24±2グラムであった。結果から、プロドラッグが非常に弱い副作用を有することがわかる。
【0012】
第二抗腫瘍実験において、ヒト結腸癌細胞(LS174J、4〜5mm3の腫瘍組織をそれぞれのマウスに用いた)をヌードマウス(BALB)に皮下異種移植した。3時間後、エタノール/0.2M pH 7.2リン酸緩衝液(v/v、70/3O)中の50μlの3%サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩と1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩を、ヒト結腸癌細胞移植領域に(前脚の近くに)(一日二回)局所適用した。28日後、対照グループ(n=7、平均腫瘍サイズは20±3mm×l8±3mmであった)と1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩で治療したグループ(n=7、平均腫瘍サイズは17±2mm×l5±2mmであった)は、1O0%の発生率を示したが、サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩で治療したグループ(n=7)には腫瘍が全く見られなかった。サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩を治療したグループのマウスの平均体量は、21±2グラムであり、1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩は21±2グラムであり、対照グループは、23±2グラムである。
【0013】
第三抗腫瘍実験において、ヒト乳癌細胞(BCAP-37、3-4mm3の腫瘍組織をそれぞれのマウスに用いた)をヌードマウス(BALB)に皮下異種移植した。21日後、腫瘍は13±2mm×l2±3mmに成長していた。次に、エタノール/0.2M pH 7.2リン酸緩衝液(v/v、70/3O)中の50μlの3%サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩と1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩を、ヒト乳癌細胞移植領域に(前脚の近くに)(一日二回)局所適用した。腫瘍は、45日目に対照グループ(n=7)のサイズが21±3mm×l9±3mmに成長し、すべてのマウスが60日目に死んだ。1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩で治療したグループ(n=7)の腫瘍は17±2mm×l5±2mmであり、すべてのマウスが70日目に死んだ。サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩で治療したグループ(n=7)の腫瘍は、45日目に11±2mm×l0±2mmに小さくなり、マウスは70日目に死ななかった。サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩治療グループのマウスの平均体量は21±2グラムであり、1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩治療グループは22±2グラムであり、対照グループは、45日目に23±2グラムであった。
【0014】
これらのプロドラッグの抗ヘルペス活性の評価は、Kernなど[Antimicrob. Agents Chemother. 14, 817, (1978)]により記載される方法を用いて行った。第一実験において、雌モルモット(n=5)を麻酔した。エタノール/0.2M pH 7.4リン酸緩衝液(v/v、70/3O)中の100μlの3%サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩をモルモットに3日間腟内に適用した。次に、モルモットに単純ヘルペスウイルス(I型又はII型、約105プラーク形成単位を用いた)を綿棒を用いて腟内に感染させた。膣の綿棒を感染の1、2、3、5、又は7日後に用いて回収したウイルスの量を求めることによりウイルス複製をモニタした。第二実験において、雌モルモット(n=5)を麻酔した。エタノール/0.2M pH 7.4リン酸緩衝液(v/v、70/3O)中の200μlの3%サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩を同一モルモットに綿棒を用いて腟内に適用した。第三実験において、雌モルモット(n=5)を麻酔した。次に、モルモットに単純ヘルペスウイルス(I型又はII型、約105プラーク形成単位を用いた)を綿棒を用いて腟内に感染させた。5日後、エタノール/0.2M pH 7.4リン酸緩衝液(v/v、70/3O)中の100μlの5%サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩約を一日一回腟内に適用した。感染前に、感染と同時に、又は感染後に始めてモルモットに投与した場合に化合物サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩が有効であることがわかった。
【0015】
1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンは、米国特許第4,689,388号に開示される方法を用いて調製することができる。上で示した一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される化合物は、カップリング試薬、例えば、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等を用いて一般式(3)'構造3'で表される化合物と反応させることにより調製することができる、
【0016】
【化2】

【0017】
式中、Rは、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)n-であり、ここで、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)n-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R1及びR2は、単独で用いられ、同じか又は異なり、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、或いは一緒に用いられ、-(CH2)m-であり、ここで、m=2、3、4、5、6、7、8、9、10…、及びいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R4は、H、炭素原子1〜12個のアルキル基、アルキルアキシル基、アルケニル基又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり; R8は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)a-であり、ここで、a=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)a-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R9は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)b-であり、ここで、b=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)b-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R10は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)c-であり、ここで、c=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)c-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R11は、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R12は、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある。すべてのR、R1、R2、R3、R4、-(CH2)n-、-(CH2)m-、-(CH2)a-、-(CH2)b-、又は-(CH2)c-基は、分枝鎖又は直鎖であり、C、H、O、S、P、又はN原子を含んでいてもよく、単一結合、二重結合、三重結合を有していてもよい。
【0018】
上で示した一般式(1)‘構造1’又は式(2)‘構造2’で表される化合物は、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物から一般式(4)‘構造4’で表される化合物と反応させることにより調製することができる、
【0019】
【化3】

【0020】
式中、Rは、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)n-であり、ここで、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)n-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R1及びR2は、単独で用いられ、同じか又は異なり、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、或いは一緒に用いられ、-(CH2)m-であり、ここで、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10…、及びいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R3は、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R8は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)a-であり、ここで、a=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)a-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R9は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)b-であり、ここで、b=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)b-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R10は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)c-であり、ここで、c=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)c-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R11は、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R12は、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある。すべてのR、R1、R2、R3、R4、-(CH2)n-、-(CH2)m-、-(CH2)a-、-(CH2)b-、又は-(CH2)c-基は、分枝鎖又は直鎖であり、C、H、O、S、P、又はN原子を含んでいてもよく、単一結合、二重結合、三重結合を有していてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明における1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物のこれらのプロドラッグは、親油性部分と親水性部分 (生理的pHにおいてプロトン化した形で存在するアミン基)を有する。これらのプロドラッグの正に荷電したアミノ基は、二つの主な利点を有する。第一に、これは、主に水における薬剤の溶解度を増加させる; これらの新規なプロドラッグが、溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルのような剤形で経皮的に投与される場合には、直ちに皮膚、眼、生殖器部、口、鼻、又は身体の他の部分上の水分と混合する。第二に、これらのプロドラッグのアミノ基における正電荷が、膜のリン酸塩頭部基における負電荷に結合する。従って、膜の外側の局所濃度が非常に高く、高濃度領域から低濃度領域にこれらのプロドラッグの通過を容易にする。これらのプロドラッグが膜に入る場合、親水性部分がプロドラッグをサイトゾル、半流動濃縮水溶液又は懸濁液に押し込む。皮膚、眼、生殖器部、口、鼻又は身体の他の部分にとどまることが短いために、プロドラッグは、かゆみ、灼熱感又は疼痛を引き起こさない。実験結果は、90%を超えるプロドラッグが数分で親薬剤に戻ったことを示す。プロドラッグは、非常に良好な吸収率を有し、経皮投与が初回通過代謝を避けるので、プロドラッグは同じ用量の1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物より強くなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1: フランツ細胞において単離されたヒト皮膚組織を通過する、サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩(3%溶液、A)、サルコシン1-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩(3%溶液、B)、サルコシン1-ベンジル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩(3%溶液、C)、1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩(3%懸濁液、D)、1-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩(3%懸濁液、E)、1-ベンジル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩(3%懸濁液、F)の累積量(n=5)。いずれの場合にも、賦形剤は、エタノール/pH 7.4リン酸緩衝液(0.2M)(v/v、7O/30)の混合物とした。
【図2】図2: 式中、Rは、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)n-であり、ここで、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)n-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R1及びR2は、単独で用いられ、同じか又は異なり、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、或いは一緒に用いられ、-(CH2)m-であり、ここで、n=2、3、4、5、6、7、8、9、10…、及びいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R3は、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; Xは、O、NH、又はSであり; Yは、C、S=O、又はP-OR11であり; R4は、炭素原子1〜約10個のアルキル、炭素原子1〜約10個のヒドロキシルアルキル、アシルオキシアルキルであって、アシルオキシ部分が、炭素原子2〜約5個のアルカノイルオキシ又はベンゾイルオキシであり、アルキル部分が、炭素原子1〜約8個を含有するアシルオキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチル及びフェニルからなる群より選ばれ、前記ベンジル、(フェニル)エチル又はフェニル置換基は、任意に、ベンゼン環において、独立して、炭素原子1〜約5個のアルキル、炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれる1又は2つの部分で置換されていてもよいが、前記ベンゼン環が前記部分の2つで置換される場合には、前記部分は一緒に8個以下の炭素原子を含有する; R5は、水素、炭素原子1〜約10個のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチル及びフェニルからなる基より選ばれ、前記ベンジル、(フェニル)エチル又はフェニル置換基は、任意に、ベンゼン環において、独立して、炭素原子1〜約5個のアルキル、炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれる1又は2つの部分で置換されていてもよいが、前記ベンゼン環が前記部分の2つで置換される場合には、前記部分は一緒に8個以下の炭素原子を含有する; R6は、水素、炭素原子1〜約5個のアルキル、及び炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれ; R7は、水素、炭素原子1〜約5個のアルキル、及び炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれ; R8は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)a-であり、ここで、a=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)a-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R9は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)b-であり、ここで、b=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)b-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R10は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)c-であり、ここで、c=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)c-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R11は、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R12は、H、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある。すべてのR、R1、R2、R3、R4、-(CH2)n-、-(CH2)m-、-(CH2)a-、-(CH2)b-、又は-(CH2)c-基は、分枝鎖又は直鎖であり、C、H、O、S、P、又はN原子を含んでいてもよく、単一結合、二重結合、三重結合を有していてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0023】
最良の形態
Boc-サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミドの調製
32.2g(0.1モル)のl-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンを500mlの酢酸エチルに溶解した。この反応混合液に36g(0.1モル)のN-t-ブチルオキシカルボニル-N-メチルグリシン無水物[(Boc-N-Me-Gly)2O]と2Omlのトリエチルアミンを添加した。この混合液を2時間還流した。この溶液を、水(1×100ml)、l0%クエン酸(1×100ml)、水(1×100ml)、5%重炭酸ナトリウム(1×100ml)、及び水(3×100ml)で洗浄した。酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥する。酢酸エチル溶液を蒸発乾固した。乾燥後、36gの所望の生成物(87.5%)を得た。元素分析: C22H29N5O3; MW: 411.50. 計算値 % C: 64.21; H: 7.10; N: 17.02; O: 11.66; 実測値 % C: 64.17; H: 7.15; N: 16.97; O: 11.71. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ: 1.12 (d, 6H), 1.52 (d, 9H), 2,37 (m, H), 3.05 (s, 3H), 4.30 (d, 2H), 4.78 (m, 2H), 7.60-7.70 (m, 2H), 7.85 (s, H), 8.02-8.20 (m, 2H), 9.01 (b, H)。
【0024】
サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩の調製
35gのBoc-サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミドをエタノール(200ml)に溶解した。この反応混合液にHClガスを20分間吹き込んだ。この混合液を室温で1時間撹拌した。この混合液にエーテル(500ml)を添加した。固形物をろ過によって集め、エーテル(3×)で洗浄した。乾燥後、27gの所望の生成物(9l.2%)を得た。元素分析: C17H22ClN5O; MW: 347.84. 計算値 % C: 58.70; H: 6.37; Cl: 10.19; N: 20.13; O: 4.60; 実測値 % C:58.67; H: 6.41; Cl: 10.17; N: 20.11; O: 4.64。
【0025】
発明の形態
Boc-グリシン1-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミドの調製
32.2g(0.1モル)のl-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンを300mlの酢酸エチルに溶解した。この反応混合液に33.3g(0.1モル)のN-t-ブチルオキシカルボニルグリシンメチル無水物[(Boc-Gly)2O]と2Omlのトリエチルアミンを添加した。この混合液を2時間還流した。この溶液を、水(1×100ml)、l0%クエン酸(1×100ml)、水(1×100ml)、5%重炭酸ナトリウム(1×100ml)、及び水(3×100ml)で洗浄した。酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥する。酢酸エチル溶液を蒸発乾固した。乾燥後、37gの所望の生成物(93.1%)を得た。元素分析: C21H27N5O3; MW: 397.47. 計算値 % C: 63.46; H: 6.85; N: 17.62; O: 12.08; 実測値 % C: 63.42; H: 6.87; N: 17.6O; O: 12.11. 1H-NMR (400 MHz, CDCI3): δ: 0.93 (t, 3H), 1.27 (m, 2H), 1.45 (d, 9H), 1.68 (m, 2H), 4.30 (m, 2H), 4.76 (m, 2H), 7.60-7.71 (m, 2H), 7.85 (s, H), 8.02-8.17 (m, 2H), 8.62 (b, H), 9.02 (b, H)。
【0026】
グリシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩の調製
36gのBoc-グリシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミドをエタノール(200ml)に溶解した。この反応混合液にHClガスを20分間バブルした。この混合液を室温で1時間撹拌した。この混合液にエーテル(500ml)を添加した。固形物をろ過によって集め、エーテル(3×)で洗浄した。乾燥後、28gの所望の生成物(92.6%)を得た。元素分析: C16H20ClN5O; MW: 333.82. 計算値 % C: 57.57; H: 6.04; Cl: 10.62; N: 20.98; O: 4.79; 実測値 % C: 57.52; H: 6.08; Cl: 10.67; N: 20.95; O: 4.78。
【0027】
N,N-ジメチルグリシン1-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩の調製
グリシンl-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩(27g)を2N NaOH(50ml)に溶解した。この反応混合液に50mlの4O%ホルムアルデヒドと50mlの酢酸を添加した。この反応混合液に30gのNaBH4を徐々に添加した。添加後、この混合液を30分間撹拌する。この反応混合液にまた別の25mlの40%ホルムアルデヒドと10mlの酢酸を添加した。この反応混合液に20gのNaBH4を徐々に添加した。この混合液を蒸発乾固する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。20gの所望生成物(68.8%)を得た。元素分析: C18H24ClN5O; MW: 361.87. 計算値 % C: 59.74; H: 6.68; Cl: 9.80; N: 19.35; O: 4.42; 実測値 % C: 59.72; H: 6.72; Cl: 9.75; N: 19.37; O: 4.44。
【0028】
Boc-サルコシン1-ベンジル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミドの調製
18.9g(0.1モル)のN-t-ブチルオキシカルボニル-N-メチルグリシンを300mlのジクロロメチレンに溶解した。この反応混合液に20.6gのN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加した。この混合液を0℃で1時間撹拌した。この反応混合液に32.2g(0.1モル)の1-ベンジル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンを添加した。この混合液を室温で3時間撹拌した。固形物をろ過によって除去した。このジクロロメタン溶液を水(1×100ml)、l0%クエン酸(1×100ml)、水(1×100ml)、5%NaHCO3(2×100ml)、及び水(3×100ml)で洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥する。硫酸ナトリウムをろ過によって除去した。有機溶液を蒸発乾固した。乾燥後、33gの所望の生成物(74.1%)を得た。元素分析: C25H27N5O3; MW: 445.51. 計算値 % C: 67.40; H: 6.11; N: 15.72; O: 10.77; 実測値 % C: 67.35; H: 6.14; N: 15.70; O: 10.81. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ:1.52(d, 9H), 3.02 (s, 3H), 4.68 (m, 2H), 4.98 (m, 2H), 7.lO-7.16 (m, 5H), 7.60-7.70 (m, 2H), 7.85 (s, H), 8.02-8.20 (m, 2H), 8.91 (b, H)。
【0029】
サルコシン1-ベンジル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド塩酸塩の調製
32gのBoc-サルコシン1-ベンジル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミドをエタノール(200ml)に溶解した。この反応混合液にHClガスを20分間バブルした。この混合液を室温で1時間撹拌した。この混合液にエーテル(500ml)を添加した。固形物をろ過によって集め、エーテル(3×)で洗浄した。乾燥後、25gの所望の生成物(85.7%)を得た。元素分析: C20H20ClN5O; MW: 381.86. 計算値 % C: 62.91; H: 5.28; Cl: 9.28; N: 18.34; O: 4.19; 実測値 % C: 62.87; H: 5.31; Cl: 9.30; N: 18.32; O: 4.20。
【産業上の利用可能性】
【0030】
一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表されるプロドラッグは、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物より優れている。これらは、ヒト又は動物において1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物治療可能な状態を治療するのに薬剤として用いることができる。これらは、化学線角化症、基底細胞癌、エイズ、鳥インフルエンザ、生殖器や肛門周囲のいぼ、他のウイルス疾患の治療に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’に対応する化合物。
【化1】

(式中、Rは、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)n-であり、ここで、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)n-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R1及びR2は、単独で用いられ、同じか又は異なり、H、炭素原子1〜15個を有するアルキル基、アルキルオキシル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、或いは一緒に用いられ、-(CH2)m-であり、ここで、m=2、3、4、5、6、7、8、9、10…、及びいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R3は、H、炭素原子1〜15個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; Xは、O、NH、又はSであり; Yは、C、S=O、又はP-OR11であり; R4は、炭素原子1〜約10個のアルキル、炭素原子1〜約10個のヒドロキシルアルキル、アシルオキシアルキルであって、アシルオキシ部分が、炭素原子2〜約5個のアルカノイルオキシ又はベンゾイルオキシであり、アルキル部分が、炭素原子1〜約8個を含有するアシルオキシアルキル、ベンジル、(フェニル)エチル及びフェニルからなる群より選ばれ、前記ベンジル、(フェニル)エチル又はフェニル置換基は、任意に、ベンゼン環において、独立して、炭素原子1〜約5個のアルキル、炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれる1又は2つの部分で置換されていてもよいが、前記ベンゼン環が前記部分の2つで置換される場合には、前記部分は一緒に8個以下の炭素原子を含有する; R5は、水素、炭素原子1〜約10個のアルキル、ベンジル、(フェニル)エチル及びフェニルからなる基より選ばれ、前記ベンジル、(フェニル)エチル又はフェニル置換基は、任意に、ベンゼン環において、独立して、炭素原子1〜約5個のアルキル、炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれる1又は2つの部分で置換されていてもよいが、前記ベンゼン環が前記部分の2つで置換される場合には、前記部分は一緒に8個以下の炭素原子を含有する; R6は、水素、炭素原子1〜約5個のアルキル、及び炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれ; R7は、水素、炭素原子1〜約5個のアルキル、及び炭素原子1〜約5個のアルコキシ及びハロゲンからなる群より選ばれ; R8は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)a-であり、ここで、a=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)a-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R9は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)b-であり、ここで、b=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)b-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R10は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)c-であり、ここで、c=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)c-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R11は、H、炭素原子1〜15個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R12は、H、炭素原子1〜15個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある; すべてのR、R1、R2、R3、R4、-(CH2)n-、-(CH2)m-、-(CH2)a-、-(CH2)b-、又は-(CH2)c-基は、分枝鎖又は直鎖であり、C、H、O、S、P、又はN原子を含んでいてもよく、単一結合、二重結合、三重結合を有していてもよい。)
【請求項2】
サルコシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
N,N-ジメチルグリシン1-イソブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
サルコシン1-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
サルコシン1-ベンジル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
サルコシン1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
サルコシン1,2,8-トリメチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
サルコシン1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
サルコシン1,8-ジメチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
サルコシン1,2-ジメチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
サルコシン1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
サルコシン1-シクロヘキシルメチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
サルコシン1-ベンジル-2-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
サルコシン1-n-ヘキシル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
サルコシン1-n-ヘキシル-2-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミド.HAであり、ここで、A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
プロドラッグのデザインであって、プロドラッグは、親油性部分と生理的pHにおいてプロトン化された形(親水性部分)で存在する第一、第二又は第三アミン基を有するべきであり、生理的pHにおいてプロトン化された形(親水性部分)で存在する一つだけか又は二つ(好ましくは一つ)の第一、第二又は第三アミン基を有するべきであり、薬剤中のいかなるカルボキシル基、アミノ基、グアニジン基又は他の親水性基も、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリールのエステル基又はアミド基で保護されてプロドラッグを親油性にし得る。
【請求項17】
請求項1〜15に記載の一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される化合物を調製する方法であって、前記化合物を、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン又は関連化合物から、カップリング試薬、例えば、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等を用いて一般式(3)‘構造3’で表される化合物と反応させることにより調製することを特徴とする方法。
【化2】

(式中、Rは、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)n-であり、ここで、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)n-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R1及びR2は、単独で用いられ、同じか又は異なり、H、炭素原子1〜15個を有するアルキル基、アルキルオキシル基、アルケニル基又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、或いは一緒に用いられ、-(CH2)m-であり、ここで、m=2、3、4、5、6、7、8、9、10…、及びいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; Xは、O、NH、又はSであり; Yは、C、S=O、又はP-OR11であり; R4は、H、炭素原子1〜15個のアルキル基、アルキルアキシル基、アルケニル基又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり; R8は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)a-であり、ここで、a=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)a-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R9は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)b-であり、ここで、b=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)b-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R10は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)c-であり、ここで、c=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)c-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R11は、H、炭素原子1〜15個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R12は、H、炭素原子1〜15個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある; すべてのR、R1、R2、R3、R4、-(CH2)n-、-(CH2)m-、-(CH2)a-、-(CH2)b-、又は-(CH2)c-基は、分枝鎖又は直鎖であり、C、H、O、S、P、又はN原子を含んでいてもよく、単一結合、二重結合、三重結合を有していてもよい。)
【請求項18】
請求項1〜15に記載の一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される化合物を調製する方法であって、前記化合物を、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物と、一般式(4)‘構造4’で表される化合物とを反応させることにより調製することを特徴とする前記方法。
【化3】

(式中、Rは、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)n-であり、ここで、n=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)n-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R1及びR2は、単独で用いられ、同じか又は異なり、H、炭素原子1〜15個を有するアルキル基、アルキルオキシル基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、或いは一緒に用いられ、-(CH2)m-であり、ここで、m=2、3、4、5、6、7、8、9、10…、及びいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R3は、H、炭素原子1〜15個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R8は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)a-であり、ここで、a=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)a-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R9は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)b-であり、ここで、b=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)b-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R10は、分枝鎖又は直鎖、-(CH2)c-であり、ここで、c=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10…、-(CH2)c-中のいかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR11R12、アリール基又はヘテロアリール基、又は他の環系で置換されていてもよい; R11は、H、炭素原子1〜15個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; R12は、H、炭素原子1〜15個を有するアルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、ペルフルオロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアルキニル基のいずれか一つ、アリール部分又はヘテロアリール部分であり、ここで、いかなるCH2も、O、S、CH=CH、C≡C、CR1R2、アリール部分又はヘテロアリール部分、又は他の環部分で置換されていてもよい; A-は、Cl-、Br-、F-、I-、AcO-、シトラート、又はいかなる負のイオンでもある; すべてのR、R1、R2、R3、R4、-(CH2)n-、-(CH2)m-、-(CH2)a-、-(CH2)b-、又は-(CH2)c-基は、分枝鎖又は直鎖であり、C、H、O、S、P、又はN原子を含んでいてもよく、単一結合、二重結合、三重結合を有していてもよい。)
【請求項19】
請求項1〜15に記載の、一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される化合物又は一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’の少なくとも一つを活性成分として含む組成物であって、ヒト又は動物において、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン又は関連化合物治療可能な状態を治療するために、経口投与又は経皮投与可能である化合物又は組成物であって、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン又は関連化合物治療可能な状態が、後天性免疫不全症候群(AIDS)、鳥インフルエンザ、恐水病(狂犬病感染)、いぼ、重症急性呼吸器症候群(SARS)、湿疹、肝炎、乾癬、多発性硬化症、本態性血小板血症、及び他のウイルス疾患、光線性角化症、基底細胞癌、皮膚癌、乳癌、結腸癌、肺癌、口腔癌及び他の種々の癌を含むが、これに限定されるものではない化合物又は組成物。
【請求項20】
ヒト又は動物において、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン又は関連化合物治療可能な状態を治療する方法であって、身体の一部に (溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で) 経皮的に投与して、活性成分として請求項1〜15に記載の一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される化合物の治療的に有効な血漿レベルを送達することを特徴とする方法。
【請求項21】
ヒト又は動物において、いぼ、重症急性呼吸器症候群(SARS)、後天性免疫不全症候群(AIDS)、鳥インフルエンザ、恐水病(狂犬病感染)、及び他のウイルス疾患、光線性角化症、基底細胞癌、皮膚癌、乳癌、結腸癌、肺癌、口腔癌及び他の種々の癌を局所的に治療する方法であって、活性成分として請求項1〜15に記載の一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される化合物の治療的に有効な量を疾患の特定部位に経皮的に投与することを特徴とする方法。
【請求項22】
後天性免疫不全症候群(AIDS)を治療又は予防する方法であって、活性成分として請求項1〜15に記載の一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される化合物の治療的に有効なレベルを男性又は女性ヒトの上気道及び/又は生殖器部に経皮的に(溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で)投与することを特徴とする方法。
【請求項23】
後天性免疫不全症候群(AIDS)を予防する方法であって、活性成分として請求項1〜15に記載の一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される化合物の治療的に有効なレベルとコンドーム材料とを混合するか、又は前期化合物の治療的に有効なレベルでコンドームを(溶液、スプレー、ローション、軟膏、エマルジョン又はゲルの形態で)コーティングすることを特徴とする方法。
【請求項24】
ヒト又は動物において、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物治療可能な状態を治療するための、請求項1〜15に記載の一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される化合物を活性成分として含む経皮治療適用システムであって、活性物質含有マトリックス層及び非透過性支持層からなる包帯又はパッチであり得、最も好ましくは、活性物質貯蔵庫であり、これが皮膚に面する透過性底面を有し、放出の割合を制御することによって、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物が絶えず最適治療血中レベルに達することを可能にし、効能を増大させ、1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン及び関連化合物の副作用を減少させることを可能にすることを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項1〜15に記載の、一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される化合物又は一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’の少なくとも一つの化合物を活性成分として含む組成物を経口投与又は経皮投与することにより癌を治療する方法であって、これらの新規なプロドラッグが、非ステロイド系抗炎症剤又はそのプロドラッグ、例えば、ジエチルアミノエチル2-(p-イソブチルフェニル)プロピオネート.AcOH、ジエチルアミノエチル1-(p-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチルインドール3-アセテート.AcOH、ジエチルアミノエチル(Z)-5-フルオロ-2-メチル-1-[(4-メチルスルフィニル)フェニルメチレン]-1H-インデン-3-アセテート.AcOH、ジエチルアミノエチル1-メチル-5-(4-メチルベンゾイル)-1H-ピロール-2-アセテート.AcOH、ジエチルアミノエチル5-(4-クロロベンゾイル)-1,4-ジメチル-1H-ピロール-2-アセテート.AcOH、ジエチルアミノエチル1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ-[3,4-b]インドール-1-アセテート.AcOH、又は他の薬剤と併用されることを特徴とする方法。
【請求項26】
癌を治療する方法であって、腫瘍を取り除く手術の前に及び/又は後に、請求項1〜15に記載の、一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’で表される化合物又は一般式(1)‘構造1’又は一般式(2)‘構造2’の少なくとも一つの化合物を活性成分として含む組成物を経口投与又は経皮投与することを特徴とする前記方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−516802(P2010−516802A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547772(P2009−547772)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050322
【国際公開番号】WO2008/093173
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(509023539)
【Fターム(参考)】