説明

皮膚用または毛髪用組成物

【課題】アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートやα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート(例えば、オクトクリレン)がジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を改善する効果を阻害せず、しかもUV−A域からUV−B域までの幅広い紫外線波長領域における紫外線吸収効果に優れる皮膚用または毛髪用組成物を提供する。
【解決手段】(a)ジベンゾイルメタン誘導体、(b)アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートおよび/またはα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート(例えば、オクトクリレン)、および(c)特定のベンザルマロネート誘導体〔例えば、ジ−(2−エチルヘキシル)−4−メトキシベンザルマロネート〕を含有する特徴とする皮膚用または毛髪用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚用または毛髪用の外用組成物に関する。本発明は特に、UV−A領域からUV−B領域までの幅広い紫外線波長領域に対して優れた紫外線吸収効果を有するとともに、安定性(光安定性)に極めて優れる皮膚用または毛髪用組成物に関する。本発明は日焼け止め化粧料に好適に適用される。
【背景技術】
【0002】
化粧料には、紫外線から人体の皮膚を保護するために、あるいは配合成分の分解等を防止するために、紫外線吸収剤が配合されている。
【0003】
紫外線の波長領域としては、UV−A領域(320〜400nm)、UV−B領域(290〜320nm)UV−C領域(〜290nm)に分けられるが、このうちUV−C領域の紫外線は、通常、地上に達することはない。
【0004】
これまで、UV−A領域(320〜400nm)の紫外線は皮膚を黒く侵すが、UV−B領域(290〜320nm)の紫外線のようにサンバーンを起こし、皮膚の老化を促進させるものではないと考えられていた。しかし近年、UV−B領域の紫外線が皮膚の比較的表面部分にとどまるのに対して、UV−A領域の紫外線が、皮膚の深部にまで達し、皮膚の老化はもとより皮膚癌を誘発する原因となることがわかってきた。
【0005】
従来の化粧料用紫外線吸収剤は、その分子構造から分類すると、(1)安息香酸誘導体、(2)ケイ皮酸エステル誘導体、(3)ベンゾフェノン誘導体、(4)ジベンゾイルメタン誘導体、(5)サリチル酸誘導体、(6)カンファー誘導体、(7)フェニルベンズイミダゾール誘導体、(8)フェニルベンゾトリアゾール誘導体、(9)トリアジン誘導体、(10)フェニルアクリレート誘導体、等に分けられる。
【0006】
このうち(4)ジベンゾイルメタン誘導体は、安全性や紫外線吸収能(特にUV−A)に優れることから、化粧料分野において近年最も汎用されている紫外線吸収剤の1つである。代表的なものとしては、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンがあり、これは極大吸収波長が360nm付近にあり、吸光度も大きく、UV−A領域の紫外線吸収剤として優れていることから、最もよく使用されているUV−A吸収剤である。
【0007】
しかしながら、ジベンゾイルメタン誘導体は光安定性が低く、これを配合して製剤化しても、紫外線あるいは太陽光の曝露によりその紫外線防御効果が経時的に低下するという問題があった。そのため、光線下で長時間にわたり一定の皮膚保護作用を発揮させるためには、ジベンゾイルメタン誘導体を配合した製剤を、定常的にあるいは短時間内に皮膚や毛髪に繰返し塗布・使用することが必要であった。
【0008】
上記の問題点に対し、紫外線吸収剤として使用されているある種のアルキルβ,β−ジフェニルアクリレート、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレートが、ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を向上させることが文献に示されている(例えば、特許文献1〜2参照)。すなわち特許文献1では、A−紫外線濾光剤(ジベンゾイルメタン誘導体など)と、アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートまたはα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレートとを特定の割合で配合することにより、A−紫外線濾光剤を安定化する濾光用化粧品組成物について開示している。また特許文献2では、ベンゾイルメタン型UV−A遮断剤と、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート安定剤を特定の配合割合で含有することで、ベンゾイルメタン型UV−A遮断剤を安定化し、ここにさらに任意に少なくとも1種の通常のUV−Bフィルターを配合した、光に対して安定な遮光性化粧品組成物が開示され、上記UV−Bフィルターとして微粒状顔料(例えば通常の金属酸化物のミクロ顔料)が記載されている。
【0009】
しかしながら、これら文献に示されるジベンゾイルメタン誘導体と、アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートやα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレートを併用した系に、特にUV−B吸収剤として化粧品に汎用されている紫外線吸収剤の1種であるケイ皮酸エステル誘導体(例えば、オクチルメトキシシンナメート等)を配合すると、アルキルβ,β−ジフェニルアクリレート、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート等によるジベンゾイルメタン誘導体の安定化効果が阻害されてしまうという問題があった。
【0010】
そのため、UV−A剤であるジベンゾイルメタン誘導体と、該ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を高めることのできる安定化剤としてのアルキルβ,β−ジフェニルアクリレート、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート等を含む系に、該アルキルβ,β−ジフェニルアクリレート等によるジベンゾイルメタン誘導体に対する光安定効果を損なうことなく、優れた紫外線吸収効果(特にUV−B波域に対する吸収効果)を有するUV−B吸収剤を配合することができれば、UV−A域からUV−B域の幅広い紫外線光の幅広い波長領域に対する紫外線吸収効果を、安定して提供することができるので、このような製品の開発が望まれていた。
【0011】
本発明者らが知る限りにおいて、これまで、アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートやα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート等によるジベンゾイルメタン誘導体の安定化効果がケイ皮酸エステル誘導体の存在により阻害されるという問題に対する解決法が具体的に開示された文献は知られていない。
【0012】
【特許文献1】特許第2975682号公報
【特許文献2】特開平9−175974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートやα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレートがジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を改善する効果が阻害されず、かつ種々の難溶性紫外線吸収剤の溶解性が高く安定的に配合でき、しかもUV−A域からUV−B域までの幅広い紫外線波長領域における紫外線吸収効果に優れる皮膚用または毛髪用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討を行った結果、ジベンゾイルメタン誘導体、アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートおよび/またはα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレートを含む系に、特定のベンザルマロネート誘導体を配合することにより、アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートやα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレートによるジベンゾイルメタン誘導体の光安定化効果阻害されることがなく、かつ紫外線防御効果を高め、さらには種々の難溶性紫外線吸収剤を溶解安定性よく配合可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち本発明は、(a)ジベンゾイルメタン誘導体、(b)アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートおよび/またはα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、および(c)下記式(I)で示されるベンザルマロネート誘導体を含有することを特徴とする皮膚用または毛髪用組成物を提供する。
【0016】

【0017】
[式(I)中、R1、R2はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。]
また本発明は、上記式(I)中、R1がメチル基である、上記皮膚用または毛髪用組成物を提供する。
【0018】
また本発明は、上記式(I)中、R2が2−エチルヘキシル基である、上記皮膚用または毛髪用組成物を提供する。
【0019】
また本発明は、(c)成分を0.1質量%以上含有する、上記皮膚用または毛髪用組成物を提供する。
【0020】
また本発明は、(a)成分が4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンである、上記皮膚用または毛髪用組成物を提供する。
【0021】
また本発明は、(b)成分がオクトクリレンである、上記皮膚用または毛髪用組成物を提供する。
【0022】
また本発明は、(a)成分を0.01〜10質量%含有する、上記皮膚用または毛髪用組成物を提供する。
【0023】
また本発明は、(b)成分を0.01〜10質量%含有する、上記皮膚用または毛髪用組成物を提供する。
【0024】
また本発明は、日焼け止め化粧料である、上記皮膚用または毛髪用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、特定のベンザルマロネート誘導体を、アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートおよび/またはα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレートと、ジベンゾイルメタン誘導体とともに用いることにより、アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートおよび/またはα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレートにより高められたジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を維持したまま、さらに紫外線防御効果を高め、かつジベンゾイルメタン誘導体およびベンザルマロネート誘導体自体のもつ紫外線吸収効果の持続性に優れる組成物が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明について詳述する。
【0027】
(a)成分は、紫外線吸収剤として公知のジベンゾイルメタン誘導体の1種または2種以上が用いられる。本発明では特に、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンが好ましい。4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンは、例えば「Parsol 1789」(DSM Nutritional Products, Inc.)等として市販されており、これらを用いることができる。
【0028】
(a)成分の配合量は、本発明組成物中、0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。0.01質量%未満では紫外線吸収効果を十分に発揮することが難しく、一方、化粧料や皮膚外用剤であれば10質量%も配合すれば十分な紫外線吸収効果が得られ、それより高配合しても配合量の増大に見合った効果の向上が得られず経済的でない。
【0029】
(b)成分は、紫外線吸収剤として公知のアルキルβ,β−ジフェニルアクリレートおよび/またはα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレートである。中でもα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレートが好ましい。本発明では特に、オクトクリレン(=2−エチルへキシル 2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート)が好ましい。オクトクリレンは、例えば、「Parsol 340」(DSM Nutritional Products, Inc.)、「Uvinul N 539 T」(BASF Corporation)、「Neo Heliopan, Type 303」(Symrise)、「Eusolex OCR」(EMD Chemicals Inc.)、「Escalol 597」(International Specialty Products)等として市販されており、これらを用いることができる。
【0030】
(b)成分の配合量は、本発明組成物中、0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。0.01質量%未満では紫外線吸収効果を十分に発揮することが難しく、一方、10質量%超では使用感がべたつく傾向がみられる。
【0031】
(c)成分は、下記式(I)で示されるベンザルマロネート誘導体である。
【0032】

【0033】
上記式(I)中、R1、R2はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。本発明では特に、R1はメチル基が好ましい。またR2は2−エチルヘキシル基が好ましい。すなわち本発明において(c)成分として特に好適なものは、下記式(II)に示すジ−(2−エチルヘキシル)−4−メトキシベンザルマロネートである。
【0034】

【0035】
(c)成分は、例えば下記スキーム(1)のように、p−アルコキシ置換ベンスアルデヒド〔式(III)〕と、マロン酸ジアルキルエステル〔式(IV)〕とを用いたクネーフェナーゲル縮合(Knoevenagel condensation)により合成することができる。スキーム(1)において、R1、R2は前記式(I)の定義の通りである。
【0036】
<スキーム(1)>:
【0037】

【0038】
本反応は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アルコールなどの溶媒中、ピペリジン、ピリジンなどの塩基、酢酸、安息香酸、塩化亜鉛、四塩化チタンなどの酸、あるいは酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウムなどのカルボン酸塩、無水酢酸等の酸無水物などの触媒存在下で、室温〜溶媒の還流温度で反応させることができる。
【0039】
<スキーム(2)>:
また、マロン酸ジアルキルエステル〔式(IV)〕は、例えば、マロン酸と対応するアルコールR1OHとを用いたエステル化反応により得ることができる。
【0040】
(c)成分の配合量は、特に限定されるものでなく、(b)成分による(a)成分に対する光安定性改善効果を有する組成物に対し、前記効果を損なわずに、しかも(c)成分のもつ紫外線吸収効果を発揮し得るのに有効な量であればよい。光安定化のための最小量は、一般的な光安定性測定試験によって決定することができるが、通常は組成物中0.1質量%以上配合され、より好ましくは0.5質量%以上である。配合量の上限は特に限定されるものでないが、10質量%が好ましい。0.1質量%未満では(c)成分のもつ紫外線吸収効果を十分に発揮することが難しく、一方、化粧料や皮膚外用剤であれば10質量%も配合すれば十分な紫外線吸収効果が得られ、それより高配合しても配合量の増大に見合った効果の向上が得られず経済的でない。
【0041】
本発明組成物は、上記必須成分に加えて、さらに水溶性または油溶性の紫外線吸収剤を、本願発明効果を損なわない範囲において任意に添加することができる。
【0042】
このような紫外線吸収剤としては、トリアジン系紫外線吸収剤(例えば、ビスレゾルシニルトリアジン、2,4―ビス{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)―2−ヒドロキシ〕フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、オクチルトリアゾン(2,4,6―トリス{4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ}1,3,5−トリアジン)等);安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);ケイ皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、ジエタノールアミンエトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、(2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン;フェニルアクリレート系紫外線吸収剤(例えば、2−エチルヘキシルー2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等);フェニルベンズイミダゾール誘導体(例えば、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ジソジウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルフォネート等);カンファー誘導体(例えば、4−メチルベンジリデンカンファー、テレフタリリデンジカンファースルフォニックアシッド等);フェニルベンゾトリアゾール誘導体(例えば、ヒドロキシ−(エチルヘキシル)フェノキシベンゾトリアゾール、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール等);ベンザルマロネート誘導体(例えば、ジメチコンベンザルマロネート等)が挙げられる。
【0043】
本発明の組成物は、上記紫外線吸収剤のうち、ケイ皮酸誘導体、アントラニレート誘導体、サリチル酸誘導体、カンファー誘導体、ベンザルマロネート誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、p−アミノ安息香酸誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体の1種以上をさらに含有することが好ましく、特に好ましくは、エチルヘキシルサリシレート、ホモサレート、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(パラメトキシケイ酸2−エチルヘキシル)、オクトクリレン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、4−メチルベンジリデンカンファー、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルベンゾトリアゾール、ジエチルアミノ−ヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、ヒドロキシ−(エチルヘキシル)フェノキシベンゾトリアゾール、ビス−エチルヘキシルフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジメチコンジエチルベンザルマロネート、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート2ナトリウム等が挙げられる。
【0044】
また、本発明組成物にはさらに、本発明効果を損なわない限りにおいて、通常外用剤組成物に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合することができ、目的とする剤形に応じて常法により製造することができる。
【0045】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、および青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号および青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0046】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0047】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0048】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0049】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0050】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0051】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0052】
合成エステル油としては、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0053】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0054】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0055】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0056】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0057】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0058】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラ POE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0059】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0060】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0061】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0062】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0063】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0064】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0065】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0066】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POP−ブチルエーテル;POP・POE−ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0067】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0068】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0069】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0070】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0071】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0072】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0073】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0074】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0075】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0076】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0077】
本発明外用組成物の剤型は任意であり、可溶化物、乳化物、懸濁物、液状、固形状、半固形状、ゲル状、軟膏状、その他何れの剤型でもかまわない。
【0078】
また、本発明外用組成物の製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル皮膚外用剤;ファンデーション、口紅、アイシャドー等のメーキャップ皮膚外用剤;ボディー皮膚外用剤;芳香組成物;メーク落とし、ボディーシャンプーなどの皮膚洗浄料;軟膏;シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、整髪料、育毛料などの毛髪外用剤等に用いることができる。
【実施例】
【0079】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
【0080】
合成例1: ジ−(2−エチルヘキシル)−4−メトキシベンザルマロネート〔上記式(II)に示す化合物〕
マロン酸ジ−2−エチルヘキシル(0.02モル)をピリジン(5mL)に溶解し、4−メトキシベンズアルデヒド(0.02モル)およびピペリジン(0.15mL)を添加した。この混合物を70〜75℃で4.5時間還流した後、冷却し、この溶液を10mLの水で2回、10mLの1N塩酸で2回、および10mLの飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、黄色油状の標題化合物を得た(収率64%)。該化合物の極大吸収波長310nm、吸光度(0.56[エタノール、10ppm])であった。吸光スペクトルを図1に示す。
【0081】
図1の吸光スペクトルから明らかなように、本発明の(c)成分はUV−B領域に吸収極大を有する。また、アルコール類やエステル油、シリコーン油など化粧料基剤に対する溶解性も良好であり、化粧料に好適に配合できる。特に、上記式(II)に示す化合物は油状物質であり、使用性に優れる。
【0082】
試験例1: 光安定化効果
(b)成分が(a)成分を光安定化する効果を、(c)成分を併用しても阻害しないということを、以下のようにして確認した。
【0083】
すなわち、下記表1の組成で油中水型(W/O)サンスクリーン組成物を常法により調製し、試料液(試料1〜5)とした。この試料1〜5をそれぞれ2mg/cm2で膜上に均一に塗布したサンプルに、太陽光シミュレートした光源サンテストTM(アトラス社)を用いて、波長280〜800nmの光を2.5時間(40℃)照射した。
【0084】
照射前および照射後のサンプルをそれぞれ100mLのテトラヒドロフランに浸して紫外線吸収剤を抽出し、(a)成分量をHPLCにて定量した。光照射前の(a)成分量を100%として、光照射後の(a)成分残存率を算出した。結果を表1に示す。
【0085】
試験例2: 人体の光保護効果
試験例1で調製した試料液(試料1〜5)を用いて、人体の光保護効果を評価した。すなわち、COLIPA法で定められた測定法により、試料液のイン・ビボSPF値〔in vivo SPF(=Sun Protection Factor)〕、イン・ビボPFA値〔in vivo PFA(=Protection factor of UVA)〕の測定を行った。結果を表1に示す。
【0086】
【表1】

【0087】
表1の結果から明らかなように、(a)〜(c)成分を含む試料3(本発明品)は、試料1、2、4、5(比較品)に比べ、光安定化効果、人体の光保護効果に優れることがわかる。
【0088】
試験例3: 難溶性UV吸収剤の溶解性
難溶性UV吸収剤の代表例として、トリアジン誘導体、およびジベンゾイルメタン誘導体〔=(a)成分〕を用いて、下記表2に示す油分に対する溶解性を調べた。
(実験方法)
トリアジン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体を、下記表2に示す各油分に加温して溶解してから、室温まで放冷した。結晶核を添加した後、0℃にて冷却した。上澄みから飽和溶解度を測定した。結果を表2に示す。
【0089】
なお、トリアジン誘導体として、2,4―ビス{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)―2−ヒドロキシ〕フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジンを用いた。
【0090】
ジベンゾイルメタン誘導体〔=(a)成分〕として、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを用いた。
【0091】
【表2】

【0092】
表2に示す結果から明らかなように、本願発明に用いる(c)成分は、難溶性UV吸収剤に対する溶解性が高い他の油分と同様若しくはそれ以上に、難溶性UV吸収剤に対する溶解性に優れることがわかる。
【0093】
以下に本発明組成物の処方例を示す。
【0094】
実施例1 サンスクリーン乳液(W/O)
(配 合 成 分) (質量%)
A.油相
揮発性環状シリコーン 27
ジメチコンコポリオール 0.9
ポリオキシブチレンポリオキシプロピレングリコール 0.8
(「ユニオールPB−700」日本油脂(株)製)
二酸化チタン(疎水化処理品) 10
酸化亜鉛(疎水化処理品) 10
タルク(疎水化処理品) 4
フェネチルベンゾエート 10
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3
4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン 1
2,4―ビス{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)―2−ヒドロキシ〕フェニル}
−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン 1
オクトクリレン 2
{2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]
安息香酸ヘキシルエステル 1
ジ−(2−エチルヘキシル)−4−メトキシベンザルマロネート 1
有機変性モンモリロナイト 0.5
防腐剤 適量
香料 適量
B.水相
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 2
ジプロピレングリコール 7
トリエタノールアミン 1.1
精製水 残余
(製法)
油相部と水相部をそれぞれ混合し溶解させた。油相部は二酸化チタンの分散を十分に行い、これに水相部を加え、ホモジナイザーを用いて乳化した。得られたサンスクリーン乳液は、非常に高い光安定性を有していた。
【0095】
実施例2 日焼け止め乳液(W/O)
(配 合 成 分) (質量%)
A.油相
ジメチルポリシロキサン 1
デカメチルシクロペンタシロキサン 25
トリメチルシロキシケイ酸 5
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1
イソノナン酸イソノニル 5
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
球状ポリアクリル酸アルキル粉体 5
ブチルエチルプロパンジオール 0.5
2,4,6−トリス[p−(2’−エチルヘキシル−1’−
オキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン 1
ヒドロキシ−エチルヘキシルフェノキシベンゾトリアゾール 1
4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン 1
2,4−ビス{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}
−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン 2
オクトクリレン 2
{2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]
安息香酸ヘキシルエステル 1
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 1
ジ−(2−エチルヘキシル)−4−メトキシベンザルマロネート 3
アルキル−アリール1,3−プロパンジオンシリコーン 5
フェネチルベンゾエート 5
疎水化処理酸化亜鉛 7
疎水処理二酸化チタン 8
B.水相
水酸化ナトリウム 0.15
ジプロピレングリコール 5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.02
グルタチオン 1
チオタウリン 0.05
クララエキス 1
パラベン 適量
フェノキシエタノール 適量
精製水 残余
(製法)
油相に水相を徐々に添加し添加終了後、攪拌機を用いて乳化粒子が均一になるように調製した。得られた日焼け止め乳液は、非常に高い光安定性を有していた。
【0096】
実施例3 サンスクリーンクリーム(O/W)
(配 合 成 分) (質量%)
A.油相
ステアリン酸 10
ステアリルアルコール 4
ステアリン酸ブチル 8
ステアリン酸モノグリセリンエステル 2
ポリオキシブチレンポリオキシプロピレングリコール 2
(「ユニオールPB−700」:日本油脂(株)製)
ビタミンEアセテート 0.5
ビタミンAパルミテート 0.1
フェネチルベンゾエート 5
4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン 2
2,4−ビス{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}
−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン 3
オクトクリレン 3
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3
ジ−(2−エチルヘキシル)−4−メトキシベンザルマロネート 3
マカデミアナッツ油 1
茶実油 3
香料 0.4
防腐剤 適量
B.水相
グリセリン 4
1,2ペンタンジオール 3
ヒアルロン酸ナトリウム 1
水酸化カリウム 2
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1
L−アルギニン塩酸塩 0.01
エデト酸三ナトリウム 0.05
精製水 残余
(製法)
Aの油相部とBの水相部をそれぞれ70℃に加熱し完全溶解した。A相をB相に加えて、乳化機で乳化した。乳化物を熱交換機を用いて冷却してクリームを得た。得られたサンスクリーンクリームは、非常に高い光安定性を有していた。
【0097】
実施例4 クリーム(O/W)
(配 合 成 分) (質量%)
A.油相
セタノール 4
ワセリン 7
イソプロピルミリステート 8
スクワラン 10
オクチルトリアゾン 2
ジ−(2−エチルヘキシル)−4−メトキシベンザルマロネート 1
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 1
オクトクリレン 0.5
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 2
ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.2
POE(20)ソルビタンモノステアレート 2.8
フェネチルベンゾエート 5
ビタミンEニコチネート 2
香料 0.3
酸化防止剤 適量
防腐剤 適量
B.水相
グリセリン 10
ヒアルロン酸ナトリウム 0.02
ジプロピレングリコール 4
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1
エデト酸二ナトリウム 0.01
精製水 残余
(製法)
油相部と水相部をそれぞれ混合溶解させた。油相部に水相部を加え、ホモジナイザーを用い乳化して、クリームを得た。得られたクリームは、非常に高い光安定性を有していた。また、なめらかさに優れ、べたつき感がなく、且つ保湿効果が持続した。
【0098】
実施例5 日焼け止め乳液(O/W)
(配 合 成 分) (質量%)
A.油相
ジメチコンコポリオール 0.5
デカメチルシクロペンタシロキサン 15
イソステアリン酸 0.5
フェニルトリメチコン 1
疎水化処理酸化チタン 5
2,4,6−トリス[p−(2’−エチルヘキシル−1’−
オキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン 3
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
アルキル−アリール1,3−プロパンジオンシリコーン誘導体 5
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 2
オクトクリレン 0.5
ジ−(2−エチルヘキシル)−4−メトキシベンザルマロネート 2
シリカ 1
フェノキシエタノール 適量
グリセリン 1
サクシノグルカン 0.2
セルロースガム 1
フェネチルベンゾエート 5
B.水相
ポリオキシエチレン硬化ひまし油 1
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
パラベン 適量
エタノール 5
イオン交換水 残余
(製法)
油相部と水相部をそれぞれ混合溶解させた。水相部に油相部を加え、ホモジナイザーを用い乳化して、日焼け止め乳液を得た。得られた日焼け止め乳液は、非常に高い光安定性を有していた。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】合成例1で得た化合物〔式(II)に示すジ−(2−エチルヘキシル)−4−メトキシベンザルマロネート〕の吸光度を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ジベンゾイルメタン誘導体、(b)アルキルβ,β−ジフェニルアクリレートおよび/またはα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、および(c)下記式(I)で示されるベンザルマロネート誘導体を含有することを特徴とする皮膚用または毛髪用組成物。

[式(I)中、R1、R2はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。]
【請求項2】
上記式(I)中、R1がメチル基である、請求項1記載の皮膚用または毛髪用組成物。
【請求項3】
上記式(I)中、R2が2−エチルヘキシル基である、請求項1または2記載の皮膚用または毛髪用組成物。
【請求項4】
(c)成分を0.1質量%以上含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚用または毛髪用組成物。
【請求項5】
(a)成分が4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚用または毛髪用組成物。
【請求項6】
(b)成分がオクトクリレンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮膚用または毛髪用組成物。
【請求項7】
(a)成分を0.01〜10質量%含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚用または毛髪用組成物。
【請求項8】
(b)成分を0.01〜10質量%含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の皮膚用または毛髪用組成物。
【請求項9】
日焼け止め化粧料である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の皮膚用または毛髪用組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2008−208052(P2008−208052A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−44764(P2007−44764)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】