説明

監視システムおよび撮像装置

【課題】プライバシ保護範囲のマスク処理を実行するにあたって、撮像装置の処理負荷を低減するとともにコストの低減を図る。
【解決手段】撮像装置10は、信号生成部13において、映像信号a1に、パンチルト角度情報を示す信号a4およびf値情報を示す信号a5を重畳させて、重畳信号a2を記録装置20に出力する。記録装置20は、コントローラ30から、マスク設定位置の情報(a8)や操作信号(a12)を含む信号a6を受信するとともに、受信した重畳信号a2から映像信号a7、f値およびパンチルト角度を分離して、f値およびパンチルト角度を用いてマスク画像を生成し、映像信号a7に上書きすることにより、マスク処理済画像を示す信号a11を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プライバシ保護のため、カメラ画像の一部に映るプライバシ保護範囲をマスク処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、監視システムは、撮像装置(カメラ)を雲台に装着して、パン、チルト、ズームの機能を備え、撮影方向や画角を操作して取得した撮像情報を表示装置に表示する構成を有している。例えば、撮像装置をマンション、道路、商店街等の公共な場所に設置した場合、民間の家や撮影禁止被写体等、プライバシ保護のために撮影することが好ましくない範囲をマスク処理する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、撮像装置において、プライバシ保護範囲をマスクするためのマスク表示位置を算出して、マスク処理を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−15362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、撮像装置にマスク処理を実行する機能を備えているため、撮像装置の処理負荷が重くなるとともに、撮像装置のコストが高くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明では、プライバシ保護範囲のマスク処理を実行する際に、撮像装置の処理負荷を低減するとともにコストの低減を図る技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の監視システムは、撮影した映像信号のマスク処理に用いるf値およびパンチルト角度を重畳した重畳信号を出力する撮像装置と、重畳信号を受信して、映像信号、f値およびパンチルト角度を分離し、f値およびパンチルト角度を用いてマスク画像を生成して、映像信号にマスク画像を上書きしてマスク処理済画像を生成する記録装置とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プライバシ保護範囲のマスク処理を実行する際に、撮像装置の処理負荷を低減するとともにコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態における監視システムの構成例を示す図である。
【図2】記録装置の機能例を示す図である。
【図3】f値とズームレンズ位置との関係を示す図である。
【図4】マスク処理の具体例を示す図であり、(a)はマスク処理済映像信号を生成するマスク処理の過程を表し、(b)はパン、チルト、ズーム中におけるマスク処理の過程を表す。
【図5】変形例として複数の撮像装置を備える監視システムの構成例を示す図である。
【図6】別の変形例として撮像装置がネットワークカメラの場合の監視システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態(以降、「本実施形態」と称す。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
本実施形態の監視システム1の構成について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、監視システム1は、撮像装置10および記録装置20で構成されている。なお、図1に示す実線矢印は、配線を表しているのではなく、信号の伝達経路と方向を表している。
【0012】
(撮像装置)
撮像装置10は、ズーム機能を有しており、雲台40に装着されて、コントローラ30によってパン、チルト、ズームについての遠隔操作が行われる。また、撮像装置10は、撮像光を電気信号に変換して映像信号a1を生成するとともに、その映像信号a1にf値情報を示す信号a5やパンチルト角度情報を示す信号a4を重畳して重畳信号a2として出力する機能を有する。なお、f値は、焦点距離を絞り径で除算した値である。
【0013】
記録装置20は、撮像装置10から重畳信号a2を受信して、重畳信号a2を分解して映像信号a1、f値およびパンチルト角度を取得する機能、コントローラ30から受信部22を介してマスク設定位置の情報を示す信号a8を取得し、f値およびパンチルト角度に基づいて映像信号a7にマスク処理を施す機能、映像信号a7にマスク処理を施したマスク処理済映像信号a11を記録する機能を有する。また、記録装置20は、受信部22においてコントローラ30の操作信号a6の中から取得した、記録、停止、再生等の動作を指示する操作信号a12に基づいて、記憶部23を制御する。
【0014】
まず、撮像装置10の機能例について、図1を用いて以下に説明する。撮像装置10は、レンズ11、撮像素子12、信号生成部13、受信部14、レンズ駆動用モータ15および制御部16を備える。
レンズ11は、外部の光を取り込むレンズユニットであり、レンズ駆動用モータ15によってズーム制御が可能である。
撮像素子12は、レンズ11を通過した被写体の撮像光を受光し、光電変換を行って電気信号に変換し、その電気信号を信号生成部13に出力する。
【0015】
信号生成部13は、LSI(Large Scale Integration)等の専用回路で構成され、信号処理部13aおよび重畳信号合成部13bを機能として有する。
信号処理部13aは、撮像素子12から出力された電気信号をデジタル変換し、露光制御やホワイトバランス等の画像処理を行って映像信号a1を出力する。
重畳信号合成部13bは、f値情報を示す信号a5とパンチルト角度情報を示す信号a4とを取得し、映像信号a1に重畳して、重畳信号a2を生成する。
【0016】
重畳信号a2は、記録装置20の入力がアナログ信号受信用であれば、垂直ブランキング期間にf値情報およびパンチルト角度情報を重畳して生成する。また、重畳信号a2は、記録装置20の入力がデジタル信号受信用であれば、同期信号に重畳するか、または、映像信号a1をデータ圧縮してブランキング期間を設けて、そのブランキング期間にf値情報およびパンチルト角度情報を挿入して生成する。
【0017】
受信部14は、雲台40を介して、コントローラ30からパンチルト角度およびズームの指示を受信する機能を有する。また、受信部14は、受信したズームの指示を信号a3としてレンズ駆動用モータ制御部16aに出力し、受信したパンチルト角度の指示を信号a4として重畳信号合成部13bへ出力する。
レンズ駆動用モータ15は、レンズ11のズーム機能を制御部16からの指示に基づいて駆動する。
【0018】
制御部16は、レンズ駆動用モータ制御部16aおよびf値演算部16bを機能として有する。
レンズ駆動用モータ制御部16aは、受信部14から受信したズームの指示を示す信号a3に基づいて、レンズ11を駆動するための演算を行って、その演算結果に基づいてレンズ駆動用モータ15を制御する。また、レンズ駆動用モータ制御部16aは、演算結果に基づいて、ズームレンズ位置情報を更新し、更新したズームレンズ位置情報をf値演算部16bに出力する。
【0019】
f値演算部16bは、図3に示すような、ズームレンズ位置とf値との関係を表した情報を参照して、レンズ駆動用モータ制御部16aによって設定されたズームレンズ位置に対応するf値を算出する。そして、f値演算部16bは、算出したf値を信号a5として重畳信号合成部13bに出力する。
【0020】
なお、制御部16は、マイコンによって実現されており、レンズ駆動用制御部16aおよびf値演算部16bにおける処理を実行するとともに、信号生成部13の機能を動作させる設定を行う機能を備えている。
【0021】
(コントローラ)
コントローラ30は、雲台40を介して、撮像装置10をパン、チルト、ズームさせる信号を出力する機能を有する。また、コントローラ30は、監視システム1の操作者による操作に基づいて、マスク処理に用いるマスクの位置を設定する機能を有するとともに、記録装置20の記録の開始、停止、再生等の操作信号(不図示)を出力する機能を有し、そのマスク設定位置の情報や操作信号を含む信号a6を出力する。また、コントローラ30は、撮像装置10から出力される重畳信号a2を中継して、記録装置20に信号a2を出力する機能を有する。なお、マスク設定位置の情報は、監視システム1の操作者がコントローラ30を用いて設定するものであり、その設定値がコントローラ30によって取得される。
【0022】
なお、本実施形態では、コントローラ30が重畳信号a2を記録装置20に中継する構成としているが、この理由は、接続ケーブル(不図示)が雲台40を介して撮像装置10とコントローラ30との間に配線されているためである。したがって、撮像装置10と記録装置20との間に接続ケーブル(不図示)が配線されている場合には、撮像装置10から出力される重畳信号a2を直接記録装置20に出力するようにしても構わない。
【0023】
(雲台)
雲台40は、コントローラ30からパンチルト角度およびズームの指示を受信して、受信部14に出力する機能を有する。また、雲台40は、コントローラ30から受信したパンチルト角度の指示に基づいて、パン、チルトの動作を制御する機能を有する。
【0024】
(記録装置)
次に、記録装置20の機能例について、図1を用いて以下に説明する。記録装置20は、マスク生成部21、受信部22および記録部23を備える。
【0025】
また、マスク生成部21は、映像信号分離部21a、マスク処理部21bおよびマスク演算部21cを機能として有する。
映像信号分離部21aは、コントローラ30を介して撮像装置10から重畳信号a2を受信し、重畳信号a2から映像信号a7とf値情報およびパンチルト角度情報を含む信号a9とに分離する機能を有する。なお、映像信号分離部21aは、映像信号a7をマスク処理部21bに出力し、f値情報およびパンチルト角度情報を含む信号a9をマスク演算部21cに出力する。
【0026】
マスク処理部21bは、マスク演算部21cからマスク表示位置情報を示す信号a10を取得し、マスク表示位置情報に基づいてマスク画像を生成する機能を有する。なお、マスク表示位置情報は、例えば、表示装置50に表示される画像の座標系において、マスクの形状を表す頂点の位置を表したものである。そして、マスク処理部21bは、映像信号a7に、マスク画像を上書する処理を実行してマスク処理済映像信号a11を生成し、そのマスク処理済映像信号a11を記録部23に出力する。
【0027】
マスク演算部21cは、受信した信号a9からf値情報およびパンチルト角度情報を抽出し、受信部22からマスク設定位置の情報を示す信号a8を受信して、マスク表示位置の演算を行う機能を有する。また、マスク演算部21cは、マスク表示位置情報を示す信号a10をマスク処理部21bに出力する機能を有する。
【0028】
受信部22は、コントローラ30からマスク設定位置の情報や操作信号を含む信号a6を取得し、マスク設定位置の情報を示す信号a8をマスク演算部21cに出力し、操作信号a12を記録部23に出力する機能を有する。
記録部23は、マスク処理済映像信号a11の記録および再生を行う機能を有する。また、記録部23は、マスク処理済映像信号a11を表示装置50に出力する機能を有する。
【0029】
表示装置50は、ディスプレイ等であって、監視システム1の操作者が、マスク処理済映像信号a11を確認するために用いられる。
【0030】
図2は、記録装置20の機能例をより詳細に表したものである。なお、図1と同じ機能については、同じ符号を付し、説明を省略する。
マスク処理部21bは、マスク合成部21baおよびマスク信号作成部21bbを備える。
マスク信号作成部21bbは、マスク表示位置情報を示す信号a10からマスク表示位置を取得し、そのマスク表示位置に基づいてマスク画像を生成する。そして、マスク信号作成部21bbは、生成したマスク画像をマスク合成部21baに出力する。
マスク合成部21baは、映像信号a7とマスク画像とを取得し、映像信号a7にマスク画像を上書きすることでマスク処理を行う。マスク処理を行った映像信号はマスク処理済映像信号a11として記録部23に出力される。
【0031】
また、マスク演算部21cは、パンチルト角度情報記憶部21ca、f値情報記憶部21cb、マスク設定位置情報記憶部21ccおよびマスク表示位置算出部21cdを備える。
パンチルト角度情報記憶部21caは、信号a9のうち、パンチルト角度情報を記憶する。
f値情報記憶部21cbは、信号a9のうち、f値情報を記憶する。
マスク設定位置情報記憶部21ccは、信号a8のマスク設定位置の情報を記憶する。
【0032】
マスク表示位置算出部21cdは、パンチルト角度情報記憶部21caに記憶されているパンチルト角度情報、f値情報記憶部21cbに記憶されているf値情報、マスク設定位置情報記憶部21ccに記憶されているマスク設定位置の情報を取得し、マスク表示位置を算出する。そして、マスク表示位置算出部21cdは、算出結果を信号a10としてマスク処理部21bに出力する。
【0033】
例えば、レンズ駆動用モータ15が駆動した場合や、雲台40が動作した場合には、パンチルト角度情報記憶部21caに記憶されたパンチルト角度情報とf値情報記憶部21cbに記憶されたf値情報が更新されるので、マスク設定位置情報記憶部21ccに記憶されたマスク設定位置の情報を、更新されたパンチルト角度情報とf値情報とに基づいて新たなマスク表示位置を演算して、その結果をマスク処理部21bに出力する。
【0034】
(マスク処理)
ここで、図4を用いて、マスク処理部21bにおけるマスク処理の具体例について説明する(適宜、図1参照)。
図4(a)は、左側から順に、映像信号a7の一画像100、マスク画像101、マスク処理済画像102を表している。画像100には家とその周囲が写っている。プライバシ保護のために家の内部が写らないようにする場合、例えば、窓の範囲100a(破線で表示)がコントローラ30によって設定される。窓の範囲100aを指定する信号は、マスク設定位置の情報を示す信号a8として信号a6に含められて受信部22に出力される。そして、受信部22は、信号a6からマスク設定位置の情報を示す信号a8を抽出してマスク演算部21cに出力する。
【0035】
マスク演算部21cは、マスク表示位置を演算する。マスク処理部21bは、マスク演算部21cからマスク表示位置情報を示す信号a10を取得し、マスク表示位置に基づいてマスク画像101を生成し、画像100に、マスク画像101を上書する処理を実行してマスク処理済画像102を生成する。なお、監視システム1の操作者がコントローラ30を操作してマスク処理に用いるマスクの位置を設定する際には、不図示のモニタに画像を表示して、モニタ上の表示を見ながら位置設定を行うことになる。
【0036】
図4(b)は、パン、チルト、ズーム中におけるマスク処理の過程を表している。なお、左側から順に、図4(a)の画像100の続きの画像110、マスク画像111、マスク処理済画像112を表している。画像110は、図4(a)の画像100と比較して、家の位置が右側に移動し、拡大している。そのため、マスク画像111は、図4(a)の時のマスク画像101(点線表示)と比較して、右側に移動し、拡大している。なお、このマスク画像111は、マスク表示位置算出部21cdがf値情報およびパンチルト角度情報を参照して、生成される。そして、マスク処理部21bは、マスク演算部21cからマスク表示位置情報を示す信号a10を取得し、取得したマスク表示位置に基づいてマスク画像111を生成し、画像110に、マスク画像111を上書するマスク処理を実行してマスク処理済画像112を生成する。
【0037】
(変形例1)
次に、変形例として、複数台の撮像装置10のマスク処理を1台の記録装置20aで実行する場合の監視システム1aについて、図5を用いて説明する(適宜、図1参照)。ただし、図1と同じ機能には、同じ符号を付して、説明を省略する。なお、図5において、各ブロック間を接続する実線線分は、配線を表しているものとする。
【0038】
図5に示す監視システム1aは、3台の撮像装置10を備えているが、3台に限られなくとも良い。コントローラ30aは、雲台40を介して撮像装置10と接続するための入力ポート(不図示)を、撮像装置10の台数分以上備えている。そして、コントローラ30aは、撮像装置10の出力である重畳信号a2を中継して、入力ポートと1対1で接続している出力ポート(不図示)から記録装置20aに出力する(破線表示)。
【0039】
記録装置20aは、出力ポートごとに、重畳信号a2を受信する映像信号分離部21aおよびマスク処理部21bで構成される記録信号合成部60(60a,60b,60c)を備えている。この理由は、記録信号合成部60における処理が定型であるので、撮像装置10ごとに独立して設けた方が処理効率が良いためである。また、マスク演算部21cは、処理の種類にバリエーションが多い上に処理負荷が小さいので、各記録信号合成部60a,60b,60cに対して、共通に用いられ、並列処理または逐次処理で実行する。
【0040】
(変形例2)
次に、別の変形例として、複数台の撮像装置10aがネットワークカメラとして、それぞれ識別情報(IPアドレスまたはMAC(Media Access Control)アドレス)を有し、ネットワーク70に接続されている場合の監視システム1bの構成例について、図6を用いて説明する。ただし、図1と同じ機能には、同じ符号を付して、説明を省略する。なお、図6において、各ブロック間を接続する実線線分は、配線を表しているものとする。
【0041】
撮像装置10aは、例えば、IP(Internet Protocol)網のネットワーク70を介してコントローラ30bとの間で種々の情報をパケットによって送受信する。パケットには撮像装置10aの識別情報が含まれているので、コントローラ30bは、振分部31によって、識別情報を読み取って、同じ識別情報のパケットの情報を同じ出力ポート(不図示)に出力する。そして、記録装置20aでは、出力ポートごとに、その情報を処理するための記録信号合成部60が決められている。したがって、記録信号合成部60は、同じ識別情報の撮像装置10aの重畳信号a2を処理することができる。そして、記録装置20aは、マスク処理を実行する。
【0042】
なお、マスク演算部21cは、各記録信号合成部60a,60b,60cに対して、共通に用いられ、並列処理または逐次処理で実行する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態および変形例における監視システム1,1a,1bは、映像信号にf値情報およびパンチルト角度情報を重畳した重畳信号a2を生成し、記録装置20に出力する撮像装置と、受信した重畳信号a2からf値情報およびパンチルト角度情報を抽出し、そのf値およびパンチルト角度に基づいてマスク処理を実行する記録装置20とを備えている。そのため、撮像装置10の処理負荷を低減するとともにコストの低減を図ることができる。さらに、図5や図6に示すように、撮像装置10や撮像装置10aを複数台にした場合は、よりトータルコストの低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0044】
1,1a,1b 監視システム
10,10a 撮像装置
11 レンズ
12 撮像素子
13 信号生成部
13a 信号処理部
13b 重畳信号合成部
14 受信部
15 レンズ駆動用モータ
16 制御部
16a レンズ駆動用モータ制御部
16b f値演算部
20,20a 記録装置
21 マスク生成部
21a 映像信号分離部
21b マスク処理部
21ba マスク合成部
21bb マスク信号作成部
21c マスク演算部
21ca パンチルト角度情報記憶部
21cb f値情報記憶部
21cc マスク設定位置情報記憶部
21cd マスク表示位置算出部
22 受信部
23 記録部
30,30a,30b コントローラ
31 振分部
40 雲台
50 表示装置
60,60a,60b,60c 記録信号合成部
a1 映像信号
a2 重畳信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雲台に装着されてパンチルト操作およびズーム機能の操作が可能であり撮影した映像信号を出力する撮像装置と、前記映像信号にマスク処理を施す記録装置とで構成される監視システムであって、
前記撮像装置は、
前記ズーム機能の操作に基づいてf値を演算するf値演算部と、
前記パンチルト操作に基づいてパンチルト角度を取得する受信部と、
前記映像信号に、前記f値および前記パンチルト角度を重畳して生成した重畳信号を前記記録装置に出力する信号生成部と
を備え、
前記記録装置は、
前記重畳信号から前記映像信号、前記f値、前記パンチルト角度を分離する映像信号分離部と、
前記映像信号に設定されるマスク設定位置の情報と、前記f値および前記パンチルト角度とに基づいてマスク画像を生成し、前記映像信号に前記マスク画像を上書きして、マスク処理済映像信号を生成するマスク処理部と
を備える
ことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記信号生成部は、
前記重畳信号を生成するとき、前記映像信号がアナログ信号の場合、垂直ブランキング期間に前記f値情報および前記パンチルト角度情報を重畳する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記信号生成部は、
前記重畳信号を生成するとき、前記映像信号がデジタル信号の場合、前記重畳信号をデジタル送信する際に用いる同期信号に重畳する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項4】
前記信号生成部は、
前記重畳信号を生成するとき、前記映像信号がデジタル信号の場合、前記デジタル信号にデータ圧縮を実行してブランキング期間を設け、前記f値情報および前記パンチルト角度情報をそのブランキン期間に挿入する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項5】
雲台に装着されてパンチルト操作およびズーム機能の操作が可能であり撮影した映像信号を出力する複数の撮像装置と、前記映像信号にマスク処理を施す記録装置とで構成される監視システムであって、
前記撮像装置は、
前記ズーム機能の操作に基づいてf値を演算するf値演算部と、
前記パンチルト操作に基づいてパンチルト角度を取得する受信部と、
前記映像信号に、前記f値および前記パンチルト角度を重畳して生成した重畳信号を前記記録装置に出力する信号生成部と
を備え、
前記記録装置は、
前記撮像装置ごとに、その撮像装置から出力される前記重畳信号の処理に用いる、前記重畳信号から前記映像信号、前記f値、前記パンチルト角度を分離する映像信号分離部、および前記映像信号に設定されるマスク設定位置の情報と、前記f値および前記パンチルト角度とに基づいてマスク画像を生成し、前記映像信号に前記マスク画像を上書きして、マスク処理済映像信号を生成するマスク処理部の組
を備える
ことを特徴とする監視システム。
【請求項6】
雲台に装着されてパンチルト操作およびズーム機能の操作が可能な撮像装置によって撮影された映像信号にマスク処理を施す記録装置に対して前記映像信号を出力する前記撮像装置であって、
前記ズーム機能の操作に基づいてf値を演算するf値演算部と、
前記パンチルト操作に基づいてパンチルト角度を取得する受信部と、
前記映像信号に、前記f値および前記パンチルト角度を重畳して生成した重畳信号を前記記録装置に出力する信号生成部と
を備える
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
前記信号生成部は、
前記重畳信号を生成するとき、前記映像信号がアナログ信号の場合、垂直ブランキング期間に前記f値情報および前記パンチルト角度情報を重畳する
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記信号生成部は、
前記重畳信号を生成するとき、前記映像信号がデジタル信号の場合、前記重畳信号をデジタル送信する際に用いる同期信号に重畳する
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記信号生成部は、
前記重畳信号を生成するとき、前記映像信号がデジタル信号の場合、前記デジタル信号にデータ圧縮を実行してブランキング期間を設け、前記f値情報および前記パンチルト角度情報を挿入する
ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−115660(P2013−115660A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260859(P2011−260859)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】