説明

監視システムおよび監視プログラム

【課題】被監視者の接近を正確に遠隔で認識して、効率のよい監視を行う。
【解決手段】被監視者により携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行う携帯端末装置をそなえ、監視装置は、被監視者が設置場所内若しくは周辺に居るかを検知すると共に携帯端末装置により被監視者を識別する被監視者検知手段と、被監視者検知手段によって被監視者が設置場所周辺で検知された場合には不正接近異状、被監視者が設置場所内で検知された場合には不正侵入異状として判断する異状判断手段と、各異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段とをそなえる。携帯端末装置は、監視装置からの通知を受けて表示画面に不正接近、不正侵入の表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接近禁止命令を受けた者などを被監視者として、その接近を監視する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の増加に伴って一人暮らしの高齢者も増加しており、このような一人暮らしの高齢者や身体障害者などの安否等を遠隔監視できるようにすることが望まれている。
そこで、例えば、下記特許文献1では、家庭内の電気製品に取り付けた無線式通信機によって、該電気製品の情報を、直接、家庭外のモニタ手段に送信し、電気製品の操作情報等によって一人暮らしの老人や身体障害者などの安否等を遠隔監視する生活モニタシステムが開示されている。より具体的には、住居内における電気製品(例えば、電気ポット,炊飯ジャー,空気清浄機,エアコン,電気掃除機等)の操作スイッチが操作されたか否かが、安否情報として検出され、その安否情報が診療所等のモニタ部に無線送信されている。
【0003】
また、各家庭や建物などに防犯センサを配置し、不正な侵入があったか否かを検出する防犯システムが用いられている。このような防犯システムとしては、たとえば、以下の特許文献2のようなものがある。
【特許文献1】特開平11−220779号公報
【特許文献2】特開2006−323652公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、高齢者などによって電気製品の操作スイッチが操作されたか否かを安否情報として用いているため、例えば、何ら異状がなく単に電気製品の操作をし忘れたり外出していたりして電気製品の操作が行なわれなかった場合であっても、監視者は、受信した安否情報から、高齢者などに異状が生じているものと誤認識してしまう。
【0005】
このため、上記特許文献1に開示された技術では、高齢者などに何ら異状が生じていなくても、監視者は、高齢者などに連絡を取って確認したり、高齢者などが外出していて連絡が取れない場合には係員等を住居に直接派遣したりして確認したりしなければならず、無駄な連絡や派遣を行なうことになる場合が多々生じてしまう。従って、高齢者などの安否(異状)をより正確に遠隔で認識できるようにすることが望まれている。
【0006】
また、上記特許文献2に開示された防犯センサでは、何者かが侵入したことを検知することができるが、特定の人物を識別することができない。
近年、ストーカーや離婚後の元の配偶者などによる付きまとい問題になっており、接近禁止命令などがだされることもあるが、そのようなストーカーや元配偶者が接近禁止命令を破って近づいたとしても、それを識別・判断することができない。
【0007】
この場合、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」に基づいて、保護命令(被害者への一定距離以内への接近禁止命令)が裁判所や警察から出されるが、その命令を破った状態を識別・判断する手段が存在しておらず、検知が難しいという問題があった。
【0008】
たとえば、上記特許文献2に記載の防犯センサでは、人通りの多いような場所で、スト
ーカーや接近禁止命令が出ている者など特定の人物の接近を判断することができないという問題がある。
【0009】
また、同様に、過去に性犯罪をくりかえした者が、女性や子供に接近しても、それを未然に防止することができなかった。
このような場合、不審者に付きまとわれたり、住居侵入されたりという不安が存在する。そのような場合にも、自宅周囲、職場周囲、学校周囲などに異状が生じていないかを検知できることが望まれている。
【0010】
また、ストーカーや接近禁止命令が出ている者などが意図的に接近する場合のほか、被害者が転居や転勤をした場合において、その転居や転勤に気づかずに、上記保護命令に違反して接近してしまう場合もある。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、被監視者の接近をより正確に遠隔で認識できるようにして、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本願発明は以下のように構成されたものである。
(1)請求項1記載の発明は、利用者によって監視システムが利用され、監視の対象となる被監視者による前記利用者への接近の監視を行う監視システムであって、利用者近傍で被監視者を監視する監視装置と、前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され、前記被監視者の身体の一部に装着された生体センサにより所定周期毎に前記被監視者の生体データ値を検出して予め保持された生体データ閾値と比較することで生体認証による本人確認を行う携帯端末装置とをそなえ、前記携帯端末装置は、各種表示を行う表示画面と、所定の連絡先に通知する通知手段と、前記通知手段により所定の連絡先に通知する制御を行う制御手段とをそなえて構成され、前記監視装置が、前記携帯端末装置により前記被監視者を識別し、該被監視者が前記監視装置の周辺に居るか否かを検知する被監視者検知手段と、前記被監視者検知手段によって被監視者が検知された場合には不正接近異状として判断する異状判断手段と、前記異状判断手段による前記不正接近異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段とをそなえて構成され、前記携帯端末装置は、前記監視装置からの通知を受けて前記表示画面に前記不正接近異状発生の表示を行う、ことを特徴とする監視システムである。
【0013】
(2)請求項2記載の発明は、所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置と、前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され、前記被監視者の身体の一部に装着された生体センサにより所定周期毎に前記被監視者の生体データ値を検出して予め保持された生体データ閾値と比較することで生体認証による本人確認を行う携帯端末装置とをそなえ、前記携帯端末装置は、各種表示を行う表示画面と、所定の連絡先に通知する通知手段と、前記通知手段により所定の連絡先に通知する制御を行う制御手段とをそなえて構成され、前記監視装置が、前記携帯端末装置により前記被監視者を識別し、該被監視者が前記設置場所に居るか否かを検知する被監視者検知手段と、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所で検知された場合には不正侵入異状として判断する異状判断手段と、前記異状判断手段による前記異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段とをそなえて構成され、前記携帯端末装置は、前記監視装置からの通知を受けて前記表示画面に前記不正侵入異状発生の表示を行う、ことを特徴とする監視システムである。
【0014】
(3)請求項3記載の発明は、所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置と、前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され、前記被監視者
の身体の一部に装着された生体センサにより所定周期毎に前記被監視者の生体データ値を検出して予め保持された生体データ閾値と比較することで生体認証による本人確認を行う携帯端末装置とをそなえ、前記携帯端末装置は、各種表示を行う表示画面と、所定の連絡先に通知する通知手段と、前記通知手段により所定の連絡先に通知する制御を行う制御手段とをそなえて構成され、前記監視装置が、前記携帯端末装置により前記被監視者を識別し、該被監視者が前記設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知する被監視者検知手段と、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所周辺で検知された場合には不正接近異状として判断し、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所内で検知された場合には不正侵入異状として判断する異状判断手段と、前記異状判断手段による前記各異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段とをそなえて構成され、前記携帯端末装置は、前記監視装置からの通知を受けて前記表示画面に前記不正接近異状発生もしくは前記不正侵入異状の表示を行う、ことを特徴とする監視システムである。
【0015】
(4)請求項4記載の発明は、前記異状判断手段は、前記被監視者検知手段の検知結果の検知パターンを集計し、一定時間以上の連続、あるいは、一定時間未満であっても回数が一定以上のいずれかに該当するかにより、異状の有無を判断する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の監視システムである。
【0016】
なお、監視装置が、設置場所における電気,ガス,水道,電話,情報処理端末のうちの少なくとも一つの利用状況を収集する利用状況収集手段を備え、被監視者検知手段によって被監視者が設置場所内で検知された場合に、利用状況収集手段によって収集された利用状況も、所定の連絡先に通知することも望ましい。
【0017】
なお、前記携帯端末装置は、前記被監視者の所在位置を検出する位置検出手段をそなえて構成され、前記被監視者検知手段は、前記携帯端末装置によって検出された前記被監視者の所在位置に基づいて前記被監視者の存在を検知する、ことも望ましい。
【0018】
(5)請求項5記載の発明は、前記携帯端末装置は、前記被監視者の生体データ値を検出する生体センサと、前記被監視者の所在雰囲気中の気象データを検出する気象センサと、前記被監視者の本人確認をするための生体データ閾値を気象条件毎に予め設定されて保持する閾値テーブルと、前記気象センサにより検出された気象データに対応する前記気象条件毎に定められた前記生体データ閾値を前記閾値テーブルから検索して読み出す閾値読出手段と、前記閾値読出手段によって読み出された生体データ閾値と前記生体センサによって検出された生体データ値とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果により本人確認を行う、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の監視システムである。
【0019】
なお、ここで、前記携帯端末装置が、前記被監視者の所在雰囲気中の気象データを検出する気象センサをさらに備え、前記閾値テーブルは、被監視者の本人確認をするための生体データ閾値を、気象条件毎に予め設定されて保持しており、前記閾値読出手段は、前記気象センサによって検出された気象データに対応する気象条件について設定された前記生体データ閾値を前記閾値テーブルから検索して読み出す、ことも望ましい。
【0020】
なお、前記被監視者検知手段は、赤外線センサあるいは動き検知センサをさらに備え、前記赤外線センサあるいは前記動き検知センサで何らかの検出がされた場合に、前記携帯端末装置の前記位置検出手段によって検出された前記被監視者の所在位置に基づいて前記被監視者の存在を検知する、ことも望ましい。
【0021】
また、前記監視装置の前記通知手段が、異状を通知する際に、前記携帯端末装置を有する前記被監視者の情報も通知する、ことも望ましい。
(6)請求項6記載の発明は、前記異状判断手段は、前記被監視者検知手段の検知結果の検知パターンを集計し、一定時間以上の連続、あるいは、一定時間未満であっても回数が一定以上のいずれかに該当するかにより、異状の有無を判断する際に、時刻に応じて時間あるいは回数の値を変更する、ことを特徴とする請求項4記載の監視システムである。
【0022】
(7)請求項7記載の発明は、利用者によって監視システムが利用され、監視の対象となる被監視者による前記利用者への接近の監視を行う監視システムにおいて、利用者近傍で被監視者を監視する監視装置と、前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され、前記被監視者の身体の一部に装着された生体センサにより所定周期毎に前記被監視者の生体データ値を検出して予め保持された生体データ閾値と比較することで生体認証による本人確認を行う携帯端末装置としてコンピュータを機能させる監視プログラムであって、所定の連絡先に通知する通知手段、前記監視装置からの通知を受けて不正接近異状発生の表示を行う表示手段、前記通知手段により所定の連絡先に通知する制御を行う制御手段、として前記携帯端末装置のコンピュータを機能させるとともに、前記携帯端末装置により前記被監視者を識別し、該被監視者が前記監視装置の周辺に居るか否かを検知する被監視者検知手段、前記被監視者検知手段によって被監視者が検知された場合には不正接近異状として判断する異状判断手段、前記異状判断手段による前記不正接近異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段、として前記監視装置のコンピュータを機能させる、ことを特徴とする監視プログラムである。
【0023】
(8)請求項8記載の発明は、所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置と、前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され、前記被監視者の身体の一部に装着された生体センサにより所定周期毎に前記被監視者の生体データ値を検出して予め保持された生体データ閾値と比較することで生体認証による本人確認を行う携帯端末装置としてコンピュータを機能させる監視プログラムであって、所定の連絡先に通知する通知手段、前記監視装置からの通知を受けて不正侵入異状発生の表示を行う表示手段、前記通知手段により所定の連絡先に通知する制御を行う制御手段、として前記携帯端末装置のコンピュータを機能させるとともに、前記携帯端末装置により前記被監視者を識別し、該被監視者が前記設置場所に居るか否かを検知する被監視者検知手段、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所で検知された場合には不正侵入異状として判断する異状判断手段、前記異状判断手段による前記異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段、として前記監視装置のコンピュータを機能させる、ことを特徴とする監視プログラムである。
【0024】
(9)なお、上記(1)〜(8)の監視システムにおいて、前記監視装置が、前記通知手段による通知動作を行なう前に、前記住居内に居る者に対し、前記利用状況,前記接近,前記侵入などの異状が生じている旨を通知して警告を発する警告手段をさらにそなえて構成されていることも好ましい。
【0025】
(10)また、上記(1)〜(8)の監視システムにおいて、前記監視装置の前記異状判断手段が、前記利用状況収集手段によって前記利用状況として収集された所定期間の利用量が第1閾値以下である場合もしくは前記所定期間の利用量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合、前記利用状況が前記異状状況であると判断することも好ましい。
【0026】
(11)また、上記(1)〜(8)の監視システムにおいて、前記監視装置が、前記利用状況収集手段によって収集された前記利用状況、および、当前記利用状況に応じた利用料金の少なくとも一方に関する情報を、所定の連絡先に通知する利用状況/利用料金通知手段をさらにそなえて構成されていることも好ましい。
【0027】
(12)なお、上記(1)〜(8)において、携帯端末装置の制御手段は、所定周期毎の生体認証によって該携帯端末装置が被監視者から離れたことが検知された場合に、前記通知手段により所定の連絡先に通知する制御を行う、ことが望ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)請求項1と請求項7とに記載の発明では、利用者近傍に被監視者を監視する監視装置が設定されており、さらに、監視装置と通信可能な携帯端末装置が被監視者によって携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行い、監視装置は、被監視者が設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知すると共に携帯端末装置により被監視者と他者とを識別する。
【0029】
そして、被監視者が監視装置周辺で検知された場合には、被監視者による接近あるいは付きまといが生じている不正接近異状として判断し、異状の判断を所定の連絡先(利用者、警備会社や警察や裁判所などの関係機関など)に通知する。したがって、この発明によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近を、他者と区別しつつ正確に遠隔で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。また、携帯端末装置が被監視者に携帯された状態であって所定周期毎に本人確認を行っているため、携帯端末装置を他人が身につけることはできず、被監視者の正確な監視や不所持の監視が可能になる。さらに、監視装置を利用者が所持していれば、利用者の移動(通勤、通学など)中や利用者の移動先(職場、出張先、旅行先、学校など)においても、被監視者の接近を確実に検知することが可能になる。この場合、接近が生じたことを被監視者が有する携帯端末装置にも通知することで、被監視者に自覚を促したり、万が一、意図しない接近であれば気づかせるなどの効果が得られる。
【0030】
(2)請求項2と請求項8とに記載の発明では、所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置が設定されており、さらに、監視装置と通信可能な携帯端末装置が被監視者によって携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行い、監視装置は、被監視者が設置場所内に居るか否かを検知すると共に携帯端末装置により被監視者と他者とを識別する。
【0031】
そして、被監視者が設置場所内で検知された場合には、設置場所内で侵入が生じている不正侵入異状として判断し、異状の判断を所定の連絡先(利用者、警備会社や警察や裁判所などの関係機関など)に通知する。したがって、この発明によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近を、他者と区別しつつ正確に遠隔で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。また、携帯端末装置が被監視者に携帯された状態であって所定周期毎に本人確認を行っているため、携帯端末装置を他人が身につけることはできず、被監視者の正確な監視や不所持の監視が可能になる。この場合、侵入が生じたことを被監視者が有する携帯端末装置にも通知することで、被監視者に自覚を促したり、万が一、意図しない場合であれば気づかせるなどの効果が得られる。
【0032】
(3)請求項3記載の発明では、所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置が設定されており、さらに、監視装置と通信可能な携帯端末装置が被監視者によって携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行い、監視装置は、被監視者が設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知すると共に携帯端末装置により被監視者と他者とを識別する。
【0033】
そして、被監視者が設置場所周辺で検知された場合には、設置場所周辺で被監視者による接近あるいは付きまといが生じている不正接近異状として判断し、被監視者が設置場所
内で検知された場合には、設置場所内で侵入が生じている不正侵入異状として判断し、各異状の判断を所定の連絡先(利用者、警備会社や警察や裁判所などの関係機関など)に通知する。したがって、この発明によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近を、他者と区別しつつ正確に遠隔で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。また、携帯端末装置が被監視者に携帯された状態であって所定周期毎に本人確認を行っているため、携帯端末装置を他人が身につけることはできず、被監視者の正確な監視や不所持の監視が可能になる。この場合、接近や侵入が生じたことを被監視者が有する携帯端末装置にも通知することで、被監視者に自覚を促したり、万が一、意図しない場合であれば気づかせるなどの効果が得られる。
【0034】
(4)請求項4記載の発明では、異状判断手段が、被監視者検知手段の検知結果の検知パターンを集計し、一定時間以上の連続、あるいは、一定時間未満であっても回数が一定以上のいずれかに該当するかにより、異状の有無を判断する。
【0035】
したがって、この発明によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近だけでなく侵入をも、他者と区別しつつ正確に遠隔で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、侵入に伴う各種行動に対して確実に対処することが可能になる。
【0036】
なお、携帯端末装置は、被監視者の所在位置を検出する位置検出手段をそなえて構成され、被監視者検知手段は、携帯端末装置によって検出された被監視者の所在位置に基づいて被監視者が設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知する。
【0037】
したがって、この発明によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近や侵入を、他者と区別しつつ正確に、位置まで把握した状態で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0038】
(5)請求項5記載の発明では、携帯端末装置は、被監視者の所在位置を検出する位置検出手段と、被監視者の生体データ値を検出する生体センサと、をそなえて構成され、被監視者検知手段は、携帯端末装置によって検出された被監視者の所在位置と生体データ値とに基づいて被監視者が設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知する。
【0039】
ここで、予め設定されて保持された閾値と生体データ値とが比較されるため、被監視者の本人確認を正確に行うことが可能になる。また、この本人確認は、被監視者が携帯した状態の携帯端末装置によって所定周期毎に実行されるため、携帯端末装置を他人が身につけることはできず、被監視者の正確な監視が可能になる。したがって、被監視者を他者と区別しつつ正確に認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0040】
また、ここで、携帯端末装置が、被監視者の所在雰囲気中の気象データを検出する気象センサをさらに備え、閾値テーブルが被監視者の本人確認をするための生体データ閾値を、気象条件毎に予め設定されて保持しており、前記閾値読出手段は、前記気象センサによって検出された気象データに対応する気象条件について設定された生体データ閾値を前記閾値テーブルから検索して読み出すことにより、更に正確な被監視者の本人確認が行える。このため、被監視者を他者と区別しつつ正確に認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0041】
したがって、この発明によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近や侵入を、他者と正確に区別しつつ、位置まで把握した状態で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0042】
なお、被監視者検知手段は、赤外線センサあるいは動き検知センサをさらに備え、赤外線センサあるいは動き検知センサで何らかの検出がされた場合に、携帯端末装置の位置検出手段によって検出された被監視者の所在位置に基づいて被監視者が設置場所若しくは設置場所周辺内に居るか否かを検知する。
【0043】
したがって、この発明によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近や侵入を、他者と正確に区別しつつ、位置まで把握した状態で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0044】
なお、監視装置の通知手段が、異状を通知する際に、携帯端末装置を有する被監視者の情報も通知する。したがって、この発明によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近や侵入を、その接近や侵入を行っている者の情報を示しつつ、他者と区別して正確に、位置まで把握した状態で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0045】
(6)請求項6記載の発明では、異状判断手段は、被監視者検知手段の検知結果の検知パターンを集計し、一定時間以上の連続、あるいは、一定時間未満であっても回数が一定以上のいずれかに該当するかにより、異状の有無を判断する際に、時刻に応じて時間あるいは回数の値を変更する。したがって、この発明によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近だけでなく侵入をも、正確に認識でき、効率のよい監視を正確に行なえる。
【0046】
なお、前記利用状況として収集された所定期間の利用量が第1閾値以下である場合もしくは前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合、前記利用状況が異状であると判断することにより、監視装置設置場所において、例えば、電気製品,ガス器具,水道,電話,情報処理端末を所定期間に亘ってほとんど利用していないような状況や、電気製品,ガス器具,水道,電話,情報処理端末が使用状態のままで放置されているような状況を、異状状況として確実に認識することができる。
【0047】
また、収集された前記利用状況、および、その利用状況に応じた利用料金の少なくとも一方に関する情報〔例えば、検針員が定期的に訪問して検針することによって得られる情報(検針結果);その検針結果は、通常、検針員によってハンディターミナル等から所定用紙に印字されて出力される〕を、所定の連絡先(監視者等;例えば親族,監視センタなど)に通知することにより、監視者等は遠隔で被監視者による利用状況や利用料金を把握することができるほか、検針結果を印字していた所定用紙が不要になり紙資源保護にも寄与することになる。
【0048】
さらに、本発明の監視システムによれば、被監視者を本人確認(他人と区別)するための生体データ閾値を、閾値テーブルにおいて気象条件毎に予め設定しておき、気象センサによって検出された気象データ(例えば気温,水温,湿度,気圧,水圧,日照状況,紫外線量のうちの少なくとも一つ)に対応する気象条件について設定された生体データ閾値を閾値テーブルから検索して読み出し、読み出された生体データ閾値と生体センサによって検出された生体データ値(例えば体温,血圧,心拍数,呼吸数,脈波,心電,血中酸素飽和濃度,血中酸素濃度,筋組織酸素濃度のうちの少なくとも一つ)とを比較する結果、被監視者を正確に識別することができる。
【0049】
また、携帯電話に生体センサおよび気象センサを接続して構成し、携帯電話を、本発明の携帯端末装置を実現するための各種手段として機能させることで、本発明の監視システムにおける携帯端末装置を極めて容易に且つ簡単に実現することができる。
【0050】
また、本発明の監視システムによれば、蛇口あるいはコンロの故障によって水道やガスが漏れている場合の異状、あるいは、被監視者が侵入してきて電器,ガス,電話,コンピュータ,各種設備などを勝手に使用している状況などが発生したとしても、利用状況収集手段によってその状況を検知することが可能になる。
【0051】
さらに、被監視者が侵入してきて、第三者自らが持ち込んだコンピュータなどを使用し、住居における通信回線(有線あるいは無線のインターネット回線、通常の電話回線など)を使用した場合であって、物理的な痕跡を残していないような場合であったも、以上のように利用状況収集手段によって、その通信回線の使用状況を検知することが可能になり、これによって侵入の状況を明らかにすることが可能になる。また、住居100内におけるコンピュータなどを、使用ログなどの痕跡を残さないようにして使用したとしても、同様に、利用状況収集手段によって、その通信の使用状況や侵入の状況を検知することが可能になる。
【0052】
また、被監視者の在宅状況や侵入異状などの判断とあわせ、侵入による異状であるか、利用者不在時のコンロや蛇口の故障による漏れの異状かといった区別も可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕本実施形態の監視システムの構成:
以下の実施形態において、「利用者」とは、本実施形態の監視システムを利用し、後述する被監視者の接近の監視を行う者、すなわち、監視サービスの利用者である。また、「被監視者」とは、前記利用者に対するストーカー、あるいは、前記利用者に対して接近禁止命令を受けた者など、本実施形態の監視システムにより監視の対象となる者を意味する。
【0054】
図1は本発明の一実施形態としての監視システムの構成を示すブロック図で、この図1に示すように、本実施形態の監視システム1は、利用者の住居などの設置場所(以下、住居とする)100における電気,ガス,水道,電話機104,情報処理端末105のうちの少なくとも一つの利用状況や、被監視者の接近や侵入を監視したり、利用者宅検知結果に基づいて利用者の安否等を遠隔監視するもので、監視装置10,携帯端末装置20,管理者端末30,連絡先端末40,主治医端末50,管理サーバ60およびネットワーク70をそなえて構成されている。
【0055】
住居100には、住居100での使用電力量を計測する電力量計101や、住居100での使用ガス量を計測するガスメータ102や、使用水道量を計測する水道メータ103や、電話機104や、ネットワーク70を介してインターネット等に接続可能であって利用者が住居100内で利用するPC(Personal Computer)等の情報処理端末105がそ
なえられている。
【0056】
なお、情報処理端末105が、監視装置10としての機能を兼ねていてもよい。
そして、監視装置10は、住居100内にそなえられ、上述した電力量計101,ガスメータ102および水道メータ103を用いてそれぞれ電気,ガス,水道の利用状況(即ち住居100での電気製品,ガス器具,水道の利用状況)を収集するとともに、電話機104や情報処理端末105の利用状況を収集し、これらの利用状況に基づいて後述する各種通知を行なうもので、住居100内に携帯端末装置20が存在する場合には、後述するインタフェース12(図2参照)を介してその携帯端末装置20からの通知(後述する通知手段255による通知)を受けることが可能に構成されている。この監視装置10の詳細構成については、図2を参照しながら後述する。
【0057】
なお、監視装置10では、電力量計101の計測結果を見ることにより、電気の利用状況、つまりは住居100における各種電気製品(例えば電気ポット,炊飯ジャー,空気清浄機,エアコン,電気掃除機,洗濯機,照明機器など)の利用状況が把握され、ガスメータ102の計測結果を見ることにより、ガスの利用状況、つまりは住居100における各種ガス器具(ガス湯沸し器,ガスストーブ,ガスコンロ,ガスレンジ等)の利用状況が把握されるようになっている。
【0058】
また、監視装置10は住居100や職場などに設置するだけでなく、持ち運び(携帯)可能に構成し、利用者が所持していることも可能である。また、移動中は利用者が所持し、帰宅した時点で住居100に設置するという使用法も可能である。
【0059】
また、監視装置10は、被監視者により所持された携帯端末装置20と直接的に通信可能に構成され、被監視者が監視装置10周辺に存在するかを検知する機能を有している。そして、監視装置10は、住居100にそなえられるだけでなく、利用者によって携帯されたり、利用者によって職場や学校などの出先に設置される場合もある。
【0060】
携帯端末装置20は、被監視者によって携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行うものであって、住居100周辺においては監視装置10と直接的に通信可能に構成されるとともに、ネットワーク70を介して管理者端末30,連絡先端末40,主治医端末50および管理サーバ60と通信可能に構成されている。この携帯端末装置20の詳細構成については、図3を参照しながら後述する。
【0061】
なお、利用者が、携帯端末装置20と同等な携帯端末装置20’を所持していてもよい。
管理者端末30は、後述するような各種通知を行なうべき連絡先の一つとして監視装置10や携帯端末装置20に予め登録されるもので、この監視システム1によって提供される監視サービスを管理する管理者(監視者)により監視センタにおいて用いられる端末である。
【0062】
連絡先端末40は、後述するような各種通知を行なうべき連絡先の一つとして監視装置10や携帯端末装置20に予め登録されるもので、例えば、利用者の、友人や、親族,配偶者などの近親者によって用いられる端末である。
【0063】
主治医端末50は、後述するような各種通知を行なうべき連絡先の一つとして監視装置10や携帯端末装置20に予め登録されるもので、利用者の主治医によって用いられる端末である。
【0064】
管理サーバ60は、契約者(管理サーバ60のサービスを受けるべく予め契約・登録を行なっている者)に対し、図10および図11を参照しながら後述するようなサービスを提供するためのもので、この管理サーバ60は、各携帯端末装置20から定期的に受信した生体データ,気象データおよび位置データを蓄積し、生体データ,気象データおよび位置データを検出時刻に対応付けながらグラフ加工や地図生成を行なって得られたグラフや地図を保存する機能を有するほか、契約者に対し、蓄積されたデータやグラフ/地図の閲覧サービス(公開サービス)を提供する機能も有しており、サービス提供を望む契約者の認証を行なって、本人認証がなされた契約者に対し上記閲覧サービスの提供を行なうように構成されている。
【0065】
また、管理サーバ60は、監視装置10における通知手段114(図2参照)の機能である利用状況/利用料金通知手段としての機能によって通知された利用状況に基づいて、
その利用状況に応じた利用料金に関する情報〔例えば、検針員が定期的に訪問して検針することによって得られる情報(検針結果);その検針結果は、通常、検針員によってハンディターミナル等から所定用紙に印字されて出力される〕を求め、その情報を上述と同様の契約者に対して通知するサービスや、その情報を時系列的なグラフ等に加工しその加工結果を上記契約者に対し電子メール等によって通知するサービスの提供を行なうように構成されている。このような通知サービスについては、図12を参照しながら後述する。
【0066】
なお、上述した契約者は、上記利用者と同一人物である場合もあるし、上記利用者と異なる人物、例えば、上述した管理者や、利用者の保護者,利用者の友人,近親者,主治医等である場合もある。
【0067】
これらの端末30,40,50は、いずれも、電話回線による通話・通信機能や電子メールの送受信機能を有しており、監視装置10や携帯端末装置20からの通知(後述する通知手段114や通知手段255による通知)を受けることが可能に構成されている。
【0068】
ネットワーク70は、上述した監視装置10,携帯端末装置20,端末30,40,50および管理サーバ60の相互を通信可能に接続するもので、ここではイントラネット,インターネット,公衆電話回線,無線LAN(Local Area Network)など各種通信方式のネットワークを含んでいるものとし、監視装置10,携帯端末装置20,端末30,40,50および管理サーバ60の相互間では、電話回線による通話・通信を行なうことも可能であり、電子メールの送受信を行なうことも可能になっている。
【0069】
〔1−1〕監視装置の構成:
〔1−1−1〕監視装置を住居などに設置する場合の構成:
ついで、上述した監視システム1で用いられる監視装置10の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は本発明の一実施形態としての監視装置10の構成を示すブロック図で、この図2に示すように、本実施形態の監視装置10は、CPU11,インタフェース12,停止操作部13および回答入力部14をそなえて構成されている。
【0070】
CPU(Central Processing Unit)11は、所定のアプリケーションプログラム(監
視プログラム)を実行することにより、後述する利用状況収集手段111,異状判断手段112,利用者宅検知手段113,通知手段114,警告手段115,問合せ手段116および制御手段117として機能するものである。
【0071】
インタフェース12は、CPU11と電力量計101,ガスメータ102,水道メータ103,電話機104,情報処理端末105,赤外線センサ106および携帯端末装置20との間にそなえられ、電力量計101,ガスメータ102および水道メータ103による計測結果を電気,ガス,水道の利用状況としてCPU11に取り込むとともに、電話機104や情報処理端末105の利用状況をCPU11に取り込むほか、住居100内の携帯端末装置20とCPU11との間で情報のやり取り(赤外線通信,Bluetooth(登録商標)通信等の無線通信)を行なうものである。なお、電力量計101,ガスメータ102,
水道メータ103,電話機104,情報処理端末105,赤外線センサ106は、監視装置10に、ケーブル等を介して有線接続、もしくは無線接続されている。
【0072】
ここで、赤外線センサ106は、住居100の各部屋だけでなく、住居100の周囲、玄関外側や、窓の外側、あるいは、庭など敷地内の各部に設けられていることが望ましい。
【0073】
停止操作部13は、後述する警告手段115によって実行される警告動作(鳴動動作や点滅動作等)を、利用者の意識的な操作によって停止させるためのもので、実際には、監
視装置10における操作スイッチ、表示画面(ディスプレイ)上のタッチパネルなどによって構成される。
【0074】
回答入力部14は、後述する問合せ手段116による問い合せに応じて、利用者が、後述する通知手段114による通知(利用者異状の通知)を実行するか否かを回答するためのもので、実際には、監視装置10における操作スイッチや、表示画面(ディスプレイ)上のタッチパネルなどによって構成される。
【0075】
そして、利用状況収集手段111は、インタフェース12を介して、住居100における電気,ガス,水道,電話機104および情報処理端末105の利用状況を定期的(所定周期毎;例えば30分毎や1時間毎)に収集するもので、この利用状況収集手段111によって収集された利用状況はハードディスク等の記憶部(図示略)に保存される。なお、電気,ガス,水道の利用状況としては、例えば、それぞれ電力量計101,ガスメータ102,水道メータ103によって計測される計測量もしくは前回の計測量からの変化量を収集し、電話機104の利用状況としては、例えば電話機104のオフフック状態(受話器外れているか否か)や通話状態(通話中か否か)の履歴を収集し、情報処理端末105の利用状況としては、例えば電源オン/オフ状態やインターネット接続状態の履歴を収集する。
【0076】
異状判断手段112は、利用状況収集手段111によって収集された利用状況が通常の利用状況とは異なる異状状況であるか否かを、最新の利用状況および上記記憶部に保存された利用状況に基づいて判断するものである。この異状判断手段112は、例えば、利用状況収集手段111によって利用状況として収集された所定期間の利用量が第1閾値以下である場合、もしくは、その利用量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合、その利用状況が異状状況であると判断する。
【0077】
より具体的に説明すると、5種類全ての利用状況について所定期間(例えば午前6時〜同日の午後9時)の利用量が著しく少なく第1閾値以下となった場合は、利用者が起床している可能性の高い時間帯において電気製品,ガス器具,水道,電話機104,情報処理端末105のいずれをも全く使用しない異状な状況が生じているものと、異状判断手段112によって判断される。
【0078】
一方、5種類のうちの少なくとも一つの利用状況について所定期間(例えば午後9時〜翌日の午前6時)の利用量が著しく多く第2閾値以上となった場合は、利用者が就寝している可能性の高い時間帯において電気製品やガス器具のつけっ放し,水道の出しっ放し,電話機104の受話器外れ,情報処理端末105のつけっ放し等の異状な状況が生じているものと、異状判断手段112によって判断される。
【0079】
また、5種類のうちの少なくとも一つの利用状況が、利用者が不在であるにもかかわらず第1閾値以上となった場合は、利用者以外の利用が生じているものとして、異状判断手段112によって判断される。
【0080】
なお、異状判断手段112による判断基準となる上記所定期間については、適宜、設定することができ、例えば、5種類のうちの少なくとも一つの利用状況について、直近の1時間に亘る利用量が著しく多く第2閾値以上となった場合は、電気製品やガス器具のつけっ放し,水道の出しっ放し,電話機104の受話器外れ,情報処理端末105のつけっ放し等の異状な状況が生じているものと、異状判断手段112によって判断するようにしてもよい。また、電気,ガス,水道,電話機104および情報処理端末105のそれぞれに上記所定期間として異なるものを設定してもよい。
【0081】
利用者宅検知手段113は、利用者が住居100やその敷地内に居るか否かを検知するもので、本実施形態では、携帯端末装置20のGPS位置検出部23(図3参照)によって検出された被監視者の所在位置(経度・緯度情報)に基づいて、被監視者が住居100内・住居100周囲に居るか否かを検知するものである。
【0082】
また、利用者宅検知手段113は、利用者だけでなく、被監視者を含めた第三者が住居100周辺に居るか否かを検知するもので、本実施形態では、住居100の各部屋や住居100の周囲に配置された赤外線センサ106による熱感知結果に基づいて検知するものである。なお、赤外線センサ106だけではなく、図示されない動き検知センサなどを用いてもよい。
【0083】
なお、利用者宅検知手段113は、赤外線センサ106の熱感知結果と、前記被監視者の所在位置とが一致する場合には、被監視者の接近や侵入があったと検知する。ここで、住居100の玄関付近や庭などに配置された赤外線センサ106で被監視者を検知した場合には接近、住居100の内部配置された赤外線センサ106で被監視者を検知した場合には侵入と検知する。
【0084】
ここで、異状判断手段112は、以下のような異状判断も行う。
(a)利用者宅検知手段113によって利用者が住居100内に居ることが検知された状
態で、上記利用状況が異状状況であると判断された場合には、利用者について異状が生じている利用者異状として判断する。
【0085】
(b)利用者宅検知手段113によって利用者が住居内100で検知されない状態で、上
記利用状況が異状状況であると判断された場合には、利用者が外出している状態で住居100内で異状が生じている住居内異状として判断する。
【0086】
(c)利用者宅検知手段113によって被監視者が住居100周辺で一定時間以上あるい
は一定回数以上検知された場合には、住居100周辺で被監視者による接近あるいは付きまといが生じている不正接近異状として判断する。
【0087】
(d)利用者宅検知手段113によって住居100内で被監視者が検知された場合には、
住居100内で侵入が生じている不正侵入異状として判断する。
通知手段114は、後述の制御手段117によって動作を制御され、以下の3種類の通知手段としての機能、即ち、利用者異状通知手段,住居内異状通知手段および利用状況/利用料金通知手段としての機能を果たすものである。なお、本実施形態における通知手段114は、外部(ネットワーク70)との間でデータの送受信を行なうものであって、後述するのような通知機能(送信機能)だけでなく外部からの通知等の情報(例えば携帯端末装置20からの情報)を受信する機能も有しているものとする。
【0088】
なお、利用者に対する、被監視者の接近や侵入の異状が発生した旨の警告を含む通知は、後述する警告手段が担当する。
(11)利用者異状通知手段としての機能:
利用者宅検知手段113によって上述した利用異状が発生していれば、利用者について異状が生じているものと判断し、その旨を利用者異状として判断し、所定の連絡先(例えば管理者端末30,連絡先端末40,主治医端末50のうちの少なくとも一つ)に通知する機能。
【0089】
(12)住居内異状通知手段としての機能:
利用者宅検知手段113によって利用者が住居100内に居ないことが検知された場合、利用者が外出している状態で住居100内で異状が生じているものと判断し、その旨を
住居内異状として判断し、所定の連絡先(例えば管理者端末30,連絡先端末40のうちの少なくとも一つ)に通知する機能。ただし、この場合、住居に対して損害を与える可能性のある住居内異状(例えば電気製品やガス器具のつけっ放し,水道の出しっ放し等)が発生している場合にのみ、その住居内異状の通知を行なうものとする。
【0090】
このとき、通知手段114は、予め登録されている電話番号に対して自動発呼し予め登録されている音声データ(住居内異状を通知する音声データ)を再生することにより住居内異状の通知を行なってもよいし、予め登録されているメールアドレスに対し予め登録された内容(住居内異状を通知するメッセージ)の電子メールを自動送信することにより住居内異状の通知を行なってもよい。また、住居内異状については、外出中の利用者が所持している携帯端末装置に通知してもよい。
【0091】
なお、住居内異状の一種として、上述した不正接近異状や不正侵入異状についても同様に扱い、所定の連絡先に通知を行う。そして、不正侵入以上が発生した場合に、利用状況収集手段111で収集された利用状況についても、異状の通知とあわせて、あるいは、異状の通知の後に、通知する。これにより、被監視者による不正侵入だけでなく、侵入後の被監視者の行動も明らかになる。
【0092】
なお、上述した不正接近異状や不正侵入異状が発生していれば、その旨を所定の連絡先として、利用者、警備会社や警察や裁判所などの関係機関などに通知する。
(13)利用状況/利用料金通知手段としての機能:
利用状況収集手段111によって収集された利用状況、および、その利用状況に応じた利用料金の少なくとも一方に関する情報〔例えば、検針員が定期的に訪問して検針することによって得られる情報(検針結果);その検針結果は、通常、検針員によってハンディターミナル等から所定用紙に印字されて出力される〕を、定期的(例えば1ヶ月毎)に、上記記憶部から読み出して、所定の連絡先(例えば管理者端末30,連絡先端末40,管理サーバ60のうちの少なくとも一つ)に通知する機能。このとき、通知手段114は、前述した管理サーバ60によって提供される利用状況/利用料金の通知サービスと同等のサービスを提供するように構成されていてもよいし、利用状況(例えば電力量計101,ガスメータ102,水道メータ103による計測結果)のみを管理サーバ60に通知し、管理サーバ60による上記通知サービスの機能を用いて利用料金等の通知を行なうように構成されていてもよい。このとき、通知手段114は、電子メール等によって利用状況/利用料金の通知を行なう。
【0093】
警告手段115は、後述の制御手段117によって動作を制御され、異状判断手段112によって利用状況が異状状況であると判断され且つ利用者宅検知手段113によって利用者が住居100内に居ることが検知された場合、住居100内に居る利用者に対し、利用状況異状が生じている旨を通知して警告を発するものであり、本実施形態では、例えば、監視装置10もしくは住居100内におけるブザー等を鳴動させたりLEDランプ等を点滅させたりする。このような警告動作(鳴動動作や点滅動作)は、上述した通り、利用者が停止操作部13を操作することにより、後述の制御手段117を介して停止される。
【0094】
また、警告手段115は、被監視者の接近や侵入に関する異状が生じている旨を通知して警告を発するものであり、利用者に対する通知手段の一種である。本実施形態では、例えば、監視装置10もしくは住居100内におけるブザー等を鳴動させたりLEDランプ等を点滅させたりする。このような警告動作(鳴動動作や点滅動作)は、上述した通り、利用者が停止操作部13を操作することにより、後述の制御手段117を介して停止される。
【0095】
問合せ手段(第1問合せ手段)116は、後述の制御手段117によって動作を制御さ
れ、警告手段115による警告動作を停止させる操作が利用者によって所定時間内に実行された場合、通知手段114による利用者異状の通知を実行するか否かについて利用者に問い合せるもので、実際には、監視装置10におけるディスプレイ上に表示を行ない、利用者がタッチパネルや操作スイッチ(回答入力部14)を操作して入力する回答を、制御手段117によって受信するように構成されている。
【0096】
制御手段(第1制御手段)117は、上述のごとく問合せ手段116を制御するほか、下記項目(21)〜(28)のごとく、通知手段114による通知動作や警告手段115による警告動作や各種動作を制御するものである。
【0097】
(21)異状判断手段112によって利用状況が異状状況であると判断された場合、利用者宅検知手段113において被監視者が住居100内に居るか否かを検知するために用いるべく、インタフェース12を介して携帯端末装置20に対し被監視者の所在位置(後述するGPS位置検出部23によって検出される経度・緯度情報)を要求して利用者宅検知手段113に入力させる。
【0098】
(22)異状判断手段112によって利用状況が異状状況であると判断され且つ利用者宅検知手段113によって利用者が住居100内に居ることが検知された場合、警告手段115を介して、住居100内に居る利用者に対する警告動作を実行させる。
【0099】
(22')異状判断手段112によって、不正接近異状であると判断され且つ利用者宅検知
手段113によって被監視者が住居100内に居ることが検知された場合、警告手段115を介して、住居100内に居る利用者および被監視者に対する警告動作を実行させる。
【0100】
(23)警告手段115の警告動作を停止させる操作(停止操作部13の操作)が警告動作を開始してから所定時間以上経過しても実行されない場合、通知手段114による利用者異状の通知動作を実行させる。この場合、管理者端末30,連絡先端末40,主治医端末50のうちの少なくとも一つに通知するほか、例えば消防等に通知を行なうことで、救急車等の緊急車両の手配を直ちに行なってもよい。
【0101】
(24)問合せ手段116による問合せに対し通知手段114による利用者異状の通知を実行する旨の回答を利用者が行なった場合、通知手段114による利用者異状の通知動作を実行させる。この場合、例えば、予め登録されている主治医の電話(例えば主治医端末50)に対する自動発呼を行なうことにより、利用者が、主治医に適切な処置の指示を仰ぐことができるようにしてもよい。
【0102】
(25)利用者が問合せ手段116による問合せに対し所定回数連続して通知手段114による利用者異状通知の実行を拒否した場合、通知手段114による利用者異状の通知動作を強制的に実行させる。この場合、例えば、管理者,友人,近親者(例えば管理者端末30,連絡先端末40)に対する自動発呼/電子メール送信を行なう。
【0103】
(26)上記項目(23)〜(25)で通知手段114による被監視者の不正接近異状や不正侵入異状の通知動作を実行させる際に、インタフェース12を介して携帯端末装置20に対し被監視者の生体データ値(後述する生体センサ21によって検出される生体データ)を要求し、得られた生体データ値から判断される被監視者の情報(氏名、特徴、犯罪履歴、裁判所や警察からの命令な等)を不正接近異状や不正侵入異状とともに通知手段114に通知させる。
【0104】
(27)利用者宅検知手段113によって利用者が住居100内に居ないことが検知された場合、通知手段114による住居内異状、不正接近異状、不正侵入異状の通知動作を実行
させる。この場合、例えば、管理者,友人,近親者(例えば管理者端末30,連絡先端末40),利用者本人(利用者が有する携帯端末装置)に対する自動発呼/電子メール送信を行なう。
【0105】
(28)通知手段114によって、利用状況収集手段111によって収集された利用状況、および、その利用状況に応じた利用料金の少なくとも一方に関する情報を、定期的(例えば1ヶ月毎)に、上記記憶部から読み出して、所定の連絡先(例えば管理者端末30,連絡先端末40,管理サーバ60のうちの少なくとも一つ)に通知させる。
【0106】
〔1−1−2〕監視装置を持ち運び可能にする場合の構成:
以上の説明では、監視装置10は住居100や職場などに設置するものとして説明してきたが、移動可能あるいは持ち運び(携帯)可能に構成し、利用者が所持していることも可能である。また、移動中は利用者が所持し、帰宅した時点で住居100に設置するという使用法も可能である。
【0107】
この場合には、移動可能な監視装置10の本体部分と、別途充電台とを用意し、充電台を介して、各種機器や各種センサと接続される仕組みであっても良い。そして、移動可能な監視装置10を、自宅や職場などに設置(充電台に載置)することで、インタフェース12を介して各種機器や各種センサに接続すればよい。そして、移動中には、監視装置10は被監視者の有する携帯端末装置20を検知する機能を働かせればよい。
【0108】
また、この場合、監視装置10を単独で構成してもよいし、利用者が所持する携帯端末装置20’と一体、あるいは、コネクタなどを介して接続可能に構成することも可能である。または、情報処理端末などに内蔵させることも可能である。
【0109】
そして、このように構成した場合、監視装置10を利用者が所持していれば、利用者の移動(通勤、通学など)中や利用者の移動先(職場、出張先、旅行先、学校など)においても、被監視者の接近を確実に検知することが可能になる。
【0110】
〔1−2〕携帯端末装置の構成:
ついで、上述した監視システム1で用いられる、被監視者が所持する携帯端末装置20の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は本実施形態の監視システム1における携帯端末装置20の構成を示すブロック図で、この図3に示すように、本実施形態の携帯端末装置20は、上述した通り、被監視者によって携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行うものであって、生体センサ21,気象センサ22,GPS位置検出部23,閾値テーブル24,CPU25,停止操作部26および回答入力部27をそなえて構成されている。
【0111】
なお、本実施形態の携帯端末装置20は、それ専用の装置としてブレスレット形やアンクレット形や指輪型として、被監視者が常時身につけていられるものが望ましい。また、体のいずれかの位置への貼付、歯や体内などへの埋込みといった手法を用いることもできる。
【0112】
また、常時所持する携帯電話などの既存の装置であって、生体センサなどを備えたものに、必要なデータやプログラムを入れることで、本実施形態の携帯端末装置20として構成することも可能である。また、携帯電話などの既存の装置に生体センサなどを増設し、必要なデータやプログラムを入れることで、本実施形態の携帯端末装置20として構成することも可能である。
【0113】
また、この携帯端末装置20は、生体センサ21で検出される生体データ値を一定周期
あるいは不定周期で参照しており、被監視者から離れた場合には、携帯端末装置20に内蔵された警報発生手段が警報を発したり、警備会社や警察や裁判所などの関係機関などの所定の連絡先に通知をするものが望ましい。
【0114】
そして、この実施形態では、被監視者が前記利用者に対して接近することを禁じられた場合、あるいは、それに類する命令を受けた場合に、命令と共に、または、命令の後に、この携帯端末装置20の所持、携帯を命じられるものとする。また、携帯端末装置20が小型である場合には、被監視者の体表面への貼付、体内への埋込みを命じられるものとする。
【0115】
生体センサ21は、被監視者の身体の一部(例えば腕)に装着されて、被監視者の生体データ値として、体温,血圧,心拍数,呼吸数,脈波,心電,血中酸素飽和濃度,血中酸素濃度,筋組織酸素濃度のうちの少なくとも一つを所定周期で検出するものであるが、本実施形態では体温,血圧,心拍数,呼吸数を検出するものとする。
【0116】
気象センサ22は、被監視者の所在雰囲気中(被監視者が所在している場所)の気象データとして、気温,水温,湿度,気圧,水圧,日照状況,紫外線量,のうちの少なくとも一つを所定周期で検出する超小型のものであるが、本実施形態では、気温(または水温),湿度,気圧(または水圧)を検出するものとする。
【0117】
GPS位置検出部(位置検出手段)23は、被監視者の現在の所在位置(経度・緯度情報)を、全地球方位計測システム〔GPS(Global Positioning Systems)〕によって所定周期で検出するものである。その際、被監視者の現在の所在位置として、高度や深度を検出してもよい。その場合、気圧に基づいて高度を計測する高度計(気象センサの気圧測定機能で代用可)や、水圧に基づいて深度を計測する深度計(気象センサの水圧測定機能で代用可)を位置検出手段としてそなえる。
【0118】
なお、生体センサ21,気象センサ22およびGPS位置検出部23は、本携帯端末装置20の本体に内蔵もしくは外付けされ、ケーブル等を介して有線接続、もしくは無線接続され、図5〜図8を参照しながら後述するごとく、所定周期で検出された結果を本携帯端末装置20の本体に送信するようになっている。
【0119】
閾値テーブル24は、被監視者を本人確認(他人と区別)するための生体データ閾値を、気象条件毎に予め設定されて保持するもので、後述するCPU25の閾値設定手段251としての機能によって作成・設定されるもので、本携帯端末装置20を構成する例えばRAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory),ハードディスク等の記憶部に保存・格納されている。
【0120】
なお、この記憶部には、被監視者の情報(氏名、特徴、犯罪履歴、裁判所や警察からの命令等)についても保存されていることが望ましい。
このとき、生体データ閾値は、被監視者毎に異なるほか、生活環境によっても異なるもので、被監視者毎に、環境に応じた気象条件に従って設定される。被監視者の平常時の体温T0,血圧P0,心拍数N0を基準にして、例えば、被監視者が高温多湿環境下に居る場合には、気象条件が気温25〜30℃かつ湿度80%以上である時(気象条件1)の生体データ閾値として体温T1,血圧P1,心拍数N1を設定し、気象条件が気温30〜35℃かつ湿度60%以上である時(気象条件2)の生体データ閾値として体温T2,血圧P2,心拍数N2を設定し、気象条件が気温35℃以上かつ湿度50%以上である時の生体データ閾値として体温T3,血圧P3,心拍数N3を設定しておく。
【0121】
なお、上述した気象条件に従った生体データ閾値は、被監視者を本人確認するための用
いられるが、それだけでなく、被監視者の健康状態を管理するために用いても良い。すなわち、、気象条件1である時(気象条件3)には被監視者の実際の体温T,血圧P,心拍数Nのいずれか一つもしくは全てが閾値T1,P1,N1を超えた場合、また、気象条件2である時には被監視者の実際の体温T,血圧P,心拍数Nのいずれか一つもしくは全てが閾値T2,P2,N2を超えた場合、さらに、気象条件3である時には被監視者の実際の体温T,血圧P,心拍数Nのいずれか一つもしくは全てが閾値T3,P3,N3を超えた場合、被監視者の体調が異状(熱中症等)であると判断する。
【0122】
また、被監視者が低温環境下に居る場合には、気象条件が気温0〜10℃である時(気象条件4)の生体データ閾値として体温T4を設定し、気象条件が気温−10〜0℃である時(気象条件5)の生体データ閾値として体温T5を設定し、気象条件が気温−10℃以下である時(気象条件6)の生体データ閾値として体温T6を設定しておく。そして、気象条件4である時には被監視者の実際の体温Tが閾値T4を下回った場合、また、気象条件5である時には被監視者の実際の体温Tが閾値T5を下回った場合、さらに、気象条件6である時には被監視者の実際の体温Tが閾値T6を下回った場合、被監視者の体調が異状(低体温症等)であると判断する。
【0123】
さらに、被監視者が高高度(低気圧)環境下に居る場合には、気象条件が気圧A2〜A1である時(気象条件7)の生体データ閾値として心拍数N7,呼吸数K7を設定し、気象条件が気圧A3〜A2である時(気象条件8)の生体データ閾値として心拍数N8,呼吸数K8を設定し、気象条件が気温35℃以上かつ湿度50%以上である時(気象条件9)の生体データ閾値として心拍数N9,呼吸数N9を設定しておく。そして、気象条件7である時には被監視者の実際の心拍数N,呼吸数Kのいずれか一方もしくは両方が閾値N7,K7を超えた場合、また、気象条件8である時には被監視者の実際の心拍数N,呼吸数Kのいずれか一方もしくは両方が閾値N8,K8を超えた場合、さらに、気象条件9である時には被監視者の実際の心拍数N,呼吸数Kのいずれか一方もしくは両方が閾値N9,K9を超えた場合、被監視者の体調が異状(高山病等)であると判断する。
【0124】
また、被監視者が海水浴,入浴等で水につかっている場合には、気象条件が水圧W1〜W2かつ水温がL2〜L1である時(気象条件10)の生体データ閾値として体温T10,心拍数N10を設定し、気象条件が水圧W2〜W3かつ水温がL3〜L2である時(気象条件11)の生体データ閾値として体温T11,心拍数N11を設定し、気象条件が水圧W3以上かつ水温がL3以下である時(気象条件12)の生体データ閾値として体温T12,心拍数N12を設定しておく。そして、気象条件10である時には被監視者の実際の体温T,心拍数Nのいずれか一方もしくは両方が閾値T10,N10を下回った場合、また、気象条件11である時には被監視者の実際の体温T,心拍数Nのいずれか一方もしくは両方が閾値T11,N11を下回った場合、さらに、気象条件12である時には被監視者の実際の体温T,心拍数Nのいずれか一方もしくは両方が閾値T12,N12を下回った場合、被監視者の体調が異状であると判断する。
【0125】
このように、気象条件毎の閾値を設けることで、各気象条件のもとで、被監視者を正確に他人と区別して識別できるだけでなく、被監視者の体調をも管理できる。
CPU(Central Processing Unit)25は、所定のアプリケーションプログラム(体
調管理プログラム)を実行することにより、後述する閾値設定手段251,閾値読出手段252,比較手段253,警告手段254,通知手段255,制御手段256および問合せ手段257として機能するものである。
【0126】
停止操作部26は、後述する警告手段254によって実行される警告動作(鳴動動作や点滅動作等)を、被監視者の意識的な操作によって停止させるためのもので、実際には、本携帯端末装置20における操作スイッチ、表示画面(ディスプレイ)上のタッチパネル
などによって構成される。
【0127】
回答入力部27は、後述する問合せ手段257による問い合せに応じて、被監視者が、後述する通知手段255による通知を実行するか否かを回答するためのもので、実際には、本携帯端末装置20における操作スイッチや、表示画面(ディスプレイ)上のタッチパネルなどによって構成される。
【0128】
そして、閾値設定手段251は、上述した閾値テーブル24を被監視者毎に且つ生活環境に応じた気象条件毎に作成・設定するもので、被監視者の平常時の体温T0,血圧P0,心拍数N0を基準として、上述のごとき気象条件と所定の生体データ閾値との対を入力設定するためのもので、被監視者,管理者,監視者等が手動操作で入力するように構成されていてもよいし、被監視者の平常時の体温T0,血圧P0,心拍数N0と競技環境/作業環境とを指定入力することにより、自動的に入力するように構成されていてもよい。
【0129】
閾値読出手段252は、気象センサ22によって検出された気象データ(気温/水温,湿度,気圧/水圧)に対応する気象条件について設定された生体データ閾値を閾値テーブル24から検索して読み出すものである。
【0130】
比較手段253は、閾値読出手段252によって読出された生体データ閾値と生体センサ21によって検出された生体データ値(体温,血圧,心拍数,呼吸数)とを比較し、上述したような基準に従って、被監視者を本人確認するための判断を行ったり、被監視者の体調異状を判断・検知するものである。すなわち、被監視者が所持すべき携帯端末装置20が他人により所持された場合には、生体データ値での比較により、他人により所持されていることが判明する。
【0131】
警告手段(体調異状警告手段)254は、後述の制御手段256によって動作を制御され、比較手段253による比較の結果、被監視者でない他人が携帯端末装置20を身につけた場合、被監視者が携帯端末装置20を所持しない場合、被監視者の体調異状を検知した場合、などに、被監視者に対して警告を発するものであり、本実施形態では、例えば、本携帯端末装置20におけるブザー等を鳴動させたりLEDランプ等を点滅させたりする。このような警告動作(鳴動動作や点滅動作)は、上述した通り、被監視者が停止操作部26を操作することにより、後述の制御手段256を介して停止される。なお、携帯端末装置20の本体として、後述するごとく携帯電話を用いる場合には、警告手段254により、鳴動動作として、携帯電話に呼び出し動作を実行させてもよい。
【0132】
通知手段(体調異状通知手段)255は、後述の制御手段256によって動作を制御され、比較手段253による比較の結果、被監視者以外の所持、被監視者の不所持、被監視者の体調異状を検知した場合、その旨を所定の連絡先に通知するもので、被監視者以外の所持、被監視者の不所持、被監視者の体調異状を通知する際には、生体センサ21によって検出されている生体データ値,気象センサ22によって検出されている気象データ,およびGPS位置検出部23によって検出された被監視者の所在位置も併せて通知する。
【0133】
また、被監視者の所在位置の通知とあわせて、記憶部に保存されている被監視者の情報(氏名、特徴、犯罪履歴、裁判所や警察からの命令等)についても通知することが望ましい。なお、この通知は、被監視者の個人情報保護の観点から、通知先での必要度に応じて必要な部分が開示されることも望ましい。
【0134】
その際、通知手段255は、予め登録されている電話番号に自動発呼することにより被監視者以外の所持、被監視者の不所持、被監視者の体調異状の通知を行なってもよいし、予め登録されているメールアドレスに対し電子メールを自動送信することにより被監視者
以外の所持、被監視者の不所持、被監視者の体調異状の通知を行なってもよい。
【0135】
なお、所定の連絡先については、制御手段256によって切り換えられるもので、詳細については後述する。また、通知手段255は、生体センサ21によって検出されている生体データ値,気象センサ22によって検出されている気象データ,およびGPS位置検出部23によって検出された被監視者の所在位置を、上述した管理サーバ60に対し、所定周期で送信する機能を果たすものとする。また、通知手段255は、監視装置10(CPU11の制御手段117)からの要求に応じて、生体センサ21によって検出されている生体データ値、もしくは、GPS位置検出部23によって検出された被監視者の所在位置を通知する機能も果たす。さらに、本実施形態における通知手段255は、外部(ネットワーク70や監視装置10)との間でデータの送受信を行なうものであって、後述するのような通知機能(送信機能)だけでなく外部からの通知等の情報(例えば監視装置10からの要求など)を受信する機能も有しているものとする。
【0136】
制御手段(第2制御手段)256は、下記項目(31)〜(36)のごとく、通知手段255の通知動作および警告手段254の警告動作を制御するものである。ここで、問合せ手段(第2問合せ手段)257は、やはり制御手段256によって動作を制御され、警告手段254の警告動作を停止させる操作が所定時間内に実行された場合、通知手段255による第三者所持・不所持・体調異状の通知動作を実行するか否かについて被監視者に問い合せるもので、実際には、本携帯端末装置20におけるディスプレイ上に表示を行ない、被監視者がタッチパネルや操作スイッチ(回答入力部27)を操作して入力する回答を、制御手段256によって受信するように構成されている。
【0137】
(31)比較手段253による比較の結果、被監視者以外の所持、被監視者の不所持、被監視者の体調異状を検知した場合、警告手段254を介して被監視者に対する警告動作を実行させる。
【0138】
(32)警告手段254の警告動作を停止させる操作(停止操作部26の操作)が警告動作を開始してから所定時間以上経過しても実行されない場合、通知手段255による第三者所持・不所持・体調異状の通知を実行させる。この場合、例えば関係機関(警察や警備会社や裁判所など)等に通知を行なう。
【0139】
(33)問合せ手段257による問合せに対し通知手段255による第三者所持・不所持・体調異状の通知動作を実行する旨の回答を被監視者が行なった場合、通知手段255による第三者所持・不所持・体調異状の通知動作を実行させる。
【0140】
(34)被監視者が問合せ手段257による問合せに対し所定回数連続して通知手段255による第三者所持・不所持・体調異状の通知動作の実行を拒否した場合、通知手段255による第三者所持・不所持・体調異状の通知動作を強制的に実行させる。この場合、例えば、関係機関(警察や警備会社や裁判所など)に対する通知を行なう。
【0141】
(35)上記項目(21)の監視装置10(CPU11の制御手段117)からの要求に応じて、生体センサ21によって検出されている生体データ値を、通知手段255によって監視装置10に通知させる。
【0142】
(36)上記項目(26)の監視装置10(CPU11の制御手段117)からの要求に応じて、GPS位置検出部23によって検出された被監視者の所在位置や被監視者の情報を、通知手段255によって監視装置10に通知させる。
【0143】
なお、本実施形態の携帯端末装置20は、それ専用の装置として構成することもできる
が、例えば、携帯電話に生体センサ21,気象センサ22およびGPS位置検出部23を接続して構成することもできる。GPS機能を内蔵した携帯電話の場合は生体センサ21および気象センサ22を接続して構成する。このように携帯電話を携帯端末装置20の本体として用いる場合、閾値テーブル24,閾値設定手段251,閾値読出手段252,比較手段253,警告手段254,通知手段255,制御手段256および問合せ手段257としての機能をそなえて構成されることになる。
【0144】
また、利用者本人も、利用者の所在位置や健康状態を管理するため、以上の説明と同様の構成の携帯端末装置20’を有することが望ましい。
〔2〕本実施形態の監視システムの動作:
次に、図4〜図11に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態の動作について説明する。
【0145】
〔2−1〕監視装置の動作:
〔2−1−1〕監視装置による利用状況異状・利用者異状の検知動作:
ここでは、利用者の住居100に、監視システムが設置されているとする。また、利用者に対する接近禁止命令などを受けた被監視者が、携帯端末装置20の所持を命じられているものとする。また、利用者本人も、所在位置を管理したり、住居100内で利用者と被監視者とを区別するために、携帯端末装置20’を所持しているものとする。
【0146】
図4は本実施形態の監視システム1における監視装置10の動作を説明するためのフローチャート(ステップS101〜S119)であり、この図4に示すように、住居100における電気,ガス,水道,電話機104および情報処理端末105の利用状況を収集すべきタイミングになると(例えば30分周期;ステップS101のYESルート)、利用状況収集手段111により、インタフェース12を介して、電力量計101,ガスメータ102,水道メータ103を用いて住居100における電気,ガス,水道の利用状況が収集されるとともに、電話機104および情報処理端末105の利用状況が収集され、その収集結果は監視装置10内の記憶部に保存される(ステップS102)。
【0147】
各種利用状況が収集されると、異状判断手段112により、その利用状況が通常の利用状況とは異なる異状状況であるか否かが、最新の利用状況および上記記憶部に保存された利用状況に基づいて判断される(ステップS103)。その際、上述したように、5種類全ての利用状況について所定期間(例えば午前6時〜同日の午後9時)の利用量が著しく少なく第1閾値以下となった場合や、5種類のうちの少なくとも一つの利用状況について所定期間(例えば午後9時〜翌日の午前6時とか直近の1時間)の利用量が著しく多く第2閾値以上となった場合、利用状況が異状状況であると判断される。
【0148】
利用状況が異状状況であると判断された場合(ステップS104のYESルート)、制御手段117により、インタフェース12を介して、利用者が有する携帯端末装置20’に対し利用者の所在位置(GPS位置検出部23によって検出される経度・緯度情報)が要求されて携帯端末装置20’から収集され利用者宅検知手段113に入力され(ステップS105)、利用者宅検知手段113により、携帯端末装置20のGPS位置検出部23(図3参照)によって検出された利用者の所在位置(経度・緯度情報)に基づいて、利用者が住居100内に居るか否かが検知される(ステップS106)。
【0149】
利用者が住居100内に居ない場合つまり利用者が外出中である場合(ステップS107のNOルート)、留守中の住居100内で異状が生じているものと判断され、通知手段114により、住居内異状が携帯端末装置20,管理者端末30,連絡先端末40などに通知される(ステップS108)。その際、上述したように、住居内異状を通知する音声データが電話回線を介して通知されたり、住居内異状を通知するメッセージが電子メール
等によって通知される。
【0150】
一方、利用者が住居100内に居る場合(ステップS107のYESルート)、警告手段115によって、住居100内に居る利用者に対し、利用状況異状が生じている旨の警告動作が実行される(ステップS109)。具体的には、上述したように、監視装置10もしくは住居100内におけるブザー等が鳴動されたりLEDランプ等が点滅されたり、携帯端末装置20が携帯電話である場合にはその携帯電話に対する呼び出し動作が警告動作として実行される。
【0151】
警告動作を開始した後、利用者によって停止操作部13が操作されたか否かを制御手段117によって検知し(ステップS110)、警告動作開始後、所定時間だけ経過しても警告手段115の警告動作を停止させる操作(停止操作部13の操作)が実行されない場合(ステップS110のNOルートからステップS111のYESルート)、制御手段117により、インタフェース12を介して携帯端末装置20’に対し利用者の生体データ値(生体センサ21によって検出される生体データ)が要求されて携帯端末装置20から収集され(ステップS112)、通知手段114により、利用者異状と収集された生体データ値との通知がネットワーク70を介して例えば管理者端末30,連絡先端末40,主治医端末50に対し実行される(ステップS113)。
【0152】
このとき、上述のごとく停止操作部13の操作が所定時間以上経過しても実行されない状況は、利用者が身動きの取れない状況であったり意識を無くしていたりする等の、かなり危険な状態であると考えられ、消防等のほか、管理者端末30,連絡先端末40,主治医端末50に、利用者異状が、異状発生時の生体データ値とともに通知される。また、上述のような状態では、利用者自身が電話や電子メールで対応できる状態ではないと考えられるので、予め登録されている、利用者異状通知のための音声情報や電子メール文面に、生体データ値を添付して、音声による自動発呼もしくは電子メールの自動送信を行なうことにより、利用者異状の通知が行なわれる。
【0153】
停止操作部13の操作が所定時間内に利用者によって実行され、警告手段115の警告動作が停止された場合(ステップS110のYESルート)、問合せ手段116によって、通知手段114による利用者異状の通知を実行するか否かを利用者に対し問い合せる(ステップS114)。この問合せに対し通知手段114による利用者異状の通知を実行する旨の回答を利用者が行なった場合(ステップS115のYESルート)、ステップS112およびS113が実行され、上述のごとき利用者異状の通知が実行される。
【0154】
問合せ手段116による問合せに対し通知手段114による利用者異状の通知を実行しない旨の回答を利用者が行なった場合(ステップS115のNOルート)、利用者が、所定回数、連続して通知拒否を行なったか否かを判定する(ステップS116)。そして、所定回数、連続して通知拒否を行なっていない場合(ステップS116のNOルート)には、ステップS101の処理に戻る一方、所定回数連続して通知手段114による利用者異状通知の実行を拒否した場合(ステップS116のYESルート)、通知手段114により、上述のごとき利用者異状の通知が強制的に実行される(ステップS117)。
【0155】
つまり、利用者が自己判断で警告を停止・解除しても異状が繰り返し検知される場合には、利用者が住居100内に居て身動きが取れ意識があるにもかかわらず利用状況の異状(住居内異状)を解消できない状況であるものと判断されて、利用者異状/住居内異状の通知が実行される。その際、上述のような状況を説明する音声情報や電子メール文面を、音声による自動発呼もしくは電子メールの自動送信によって、管理者端末30,連絡先端末40,主治医端末50に対して通知する。
【0156】
一方、利用状況等の通知を行なうべきタイミングになると(例えば1ヶ月毎;ステップS101のNOルートもしくはステップS104のNOルートからステップS118のYESルート)、利用状況収集手段111によって収集された利用状況が記憶部から読み出されるとともに、その利用状況に応じた利用料金に関する情報(例えば検針員による検針結果と同等の情報)が求められ、通知手段114により、これらの利用状況等が、電子メール等を用いて管理者端末30,連絡先端末40,管理サーバ60などに通知される(ステップS119)。この後、ステップS101の処理に戻る。
【0157】
なお、ここでは、通知手段114により、前述した管理サーバ60によって提供される利用状況/利用料金の通知サービスと同等のサービスが提供されているが、利用状況(電力量計101,ガスメータ102,水道メータ103による計測結果)のみを管理サーバ60に通知し、管理サーバ60による上記通知サービスの機能を用いて利用料金等の通知を行なってもよい。
【0158】
〔2−1−2〕監視装置による被監視者の不正接近異状・不正侵入異状の検知動作:
図5は本実施形態の監視システム1における監視装置10における不正接近異状・不正侵入異状の検知・判断動作を説明するためのフローチャート(ステップS121〜S130)である。
【0159】
この図5に示すように、赤外線センサ106の検知結果を、利用者宅検知手段113は定期的に監視し、収集している(ステップS121)。
なお、携帯端末装置20と携帯端末装置20’とのGPS位置検出部23(図3参照)によって検出された利用者と被監視者の所在位置(経度・緯度情報)に基づいて、赤外線センサ106で検知されているのが利用者本人であるか被監視者であるかが、利用者宅検知手段113により識別される(ステップS112)。
【0160】
赤外線センサ106で検知されているのが被監視者以外(利用者本人や他人など)であれば(ステップS123でNOルート)、被監視者による不正侵入異状や不正接近異状ではないため、利用者宅検知手段113はこの処理を終了する(エンド)。
【0161】
一方、携帯端末装置20からの位置情報を参照し、赤外線センサ106で検知されているのが被監視者であれば、被監視者による接近禁止命令を無視した不正侵入異状や不正接近異状の可能性があるため、処理を続行する(ステップS123でYESルート)。
【0162】
携帯端末装置20からの位置情報を参照し、この赤外線センサ106の検知結果が被監視者であって(ステップS123でYESルート)、住居100の室内以外(玄関外、窓外、庭など)であれば(ステップS124でNOルート)、異状判断手段112は、赤外線センサ106の検知結果の検知パターンを集計し、一定時間以上の連続、あるいは、一定時間未満であっても回数が一定以上のいずれかに該当するかを解析する(ステップS125)。
【0163】
ここで、一定時間とは、偶然の通過などに要する時間(1〜2分)を超える時間(たとえば、5分)を定めておく。また、一定回数とは、偶然の通過など、数日に1回などを超える回数(例えば、一日に1回)を定めておく。ただし、利用者の環境により、この値を調整することが望ましい。
【0164】
また、ここの一定時間と一定回数について、昼間、夜間、深夜で値を変更することも望ましい。すなわち、午前0時過ぎに偶然に通過するとは考えにくく、かつ、不正接近異状が発生しやすいため、値を小さく設定することが望ましい。
【0165】
赤外線センサ106の検知結果の検知パターンが、一定時間未満、かつ、一定回数未満であれば(ステップS125でNOルート)、偶然の通過と考えられ、不正侵入異状や不正接近異状ではないため、異状判断手段112と利用者宅検知手段113はこの処理を終了する(エンド)。
【0166】
赤外線センサ106の検知結果の検知パターンが、一定時間以上、あるいは、一定時間未満であっても一定回数以上のいずれかであれば(ステップS125でYESルート)、偶然の通過ではなく、意図的な、不正接近異状と考えられるため、異状判断手段112はストーカーなどによるつきまとい、すなわち不正接近異状であると判断する(ステップS126)。
【0167】
そして、通知手段114により、不正接近異状が発生している旨のメッセージが、携帯端末装置20,携帯端末装置20’,管理者端末30,連絡先端末40などに通知される(ステップS127)。その際、上述したように、不正接近異状を通知する音声データが電話回線を介して通知されたり、不正接近異状を通知するメッセージが電子メール等によって通知される。
【0168】
この場合、被監視者が有する携帯端末装置20にも通知することで、被監視者に自覚を促したり、万が一、意図しない接近であれば気づかせるなどの効果が得られる。
一方、携帯端末装置20からの位置情報を参照し、赤外線センサ106の検知結果が被監視者であって(ステップS123でYESルート)、住居100の室内であれば(ステップS124でYESルート)、不正侵入と考えられるため、異状判断手段112は被監視者などの侵入、すなわち不正侵入異状であると判断する(ステップS128)。
【0169】
そして、通知手段114により、不正侵入異状が発生している旨のメッセージが、携帯端末装置20,携帯端末装置20’,管理者端末30,連絡先端末40などに通知される(ステップS129)。その際、上述したように、不正侵入異状を通知する音声データが電話回線を介して通知されたり、不正侵入異状を通知するメッセージが電子メール等によって通知される。
【0170】
なお、このメッセージの通知の際に、必要に応じて、携帯端末装置20から送られてくる被監視者の情報(氏名、特徴、犯罪履歴、判決などによる命令の内容、行動パターン等)があわせて通知されてもよい。ただし、この通知は、被監視者の個人情報保護の観点から、通知先での必要度に応じて必要な部分が開示されることが望ましい。
【0171】
なお、不正接近異状が発生している場合には、その旨の警告動作が警告手段115によって実行される(ステップS130)。具体的には、上述したように、監視装置10もしくは住居100内におけるブザー等が鳴動されたりLEDランプ等が点滅されたりといった動作が警告動作として実行される。また、不正侵入異状が発生している場合にも、その旨の警告動作が警告手段115によって実行される(ステップS130)。具体的には、上述したように、監視装置10もしくは住居100内におけるブザー等が鳴動されたりLEDランプ等が点滅されたりといった動作が警告動作として実行される。
【0172】
また、以上の異状が生じた場合の判断結果や、異状の警告を行った場合の時刻や内容などの各種データの履歴を、制御手段117が記憶部やレジスタ(図示せず)などに記憶しておいて、証拠として保存しておくことが望ましい。
【0173】
上述した動作において、携帯端末装置20で、予め設定されて保持された閾値と生体データ値とが比較されるため、被監視者の本人確認を正確に行うことが可能になる。また、この本人確認は、被監視者が携帯した状態の携帯端末装置によって所定周期毎に実行され
るため、携帯端末装置を他人が身につけることはできず、被監視者の正確な監視が可能になる。したがって、被監視者を他者と区別しつつ正確に認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0174】
また、携帯や移動が可能な監視装置を利用者が移動中や移動先に持ち運んだ場合、通勤や通学などの利用者の移動中や、職場、出張先、旅行先、学校などの利用者の移動先においても、被監視者の接近(不正接近異状)を確実に検知することが可能になる。
【0175】
〔2−2〕携帯端末装置の動作:
以下、携帯端末装置20、携帯端末装置20’の動作説明を行う。
この携帯端末装置20・20’は、本人確認と健康管理のため、生体データ値に基づく処理を行っている。なお、被監視者が所持する携帯端末装置20は監視対象としての本人確認のために用いられている。また、利用者が所持する携帯端末装置20’は本人確認と健康管理のために用いる。
【0176】
以下、携帯端末装置20・20’を所持している者を、所持者として説明を行う。
図6,図7および図8は、それぞれ、本実施形態の生体センサ21,気象センサ22およびGPS位置検出部23の動作を説明するためのフローチャートであり、図6に示すように、生体センサ21は、所持者の生体データ値(体温,血圧,心拍数,呼吸数)を所定周期で検出し(ステップS11)、検出された生体データ値をCPU25に送信する(ステップS12)。
【0177】
同様に、図7に示すように、気象センサ22は、所持者が所在している雰囲気中の気象データ(気温/水温,湿度,気圧/水圧)を所定周期で検出し(ステップS21)、検出された気象データをCPU25に送信する(ステップS22)。
【0178】
さらに、図8に示すように、GPS位置検出部23は、所持者の現在の所在位置(経度・緯度情報)を全地球方位計測システムによって所定周期で検出し(ステップS31)、検出された所在位置をCPU25に送信する(ステップS32)。
【0179】
ここで、これら生体センサ21,気象センサ22およびGPS位置検出部23によるCPU25への送信動作は、上記所定周期で同期して同時に実行されるように制御されているものとする。
【0180】
図9は本実施形態の携帯端末装置20’におけるCPU25の動作を説明するためのフローチャート(ステップS201〜S224)である。ここでは、利用者が所持する携帯端末装置20’によって、利用者の体調管理を行う場合を例に説明を行う。
【0181】
この図9に示すように、生体センサ21,気象センサ22およびGPS位置検出部23から生体データ値,気象データおよび所在位置をそれぞれ受信すると(ステップS201のYESルート)、通知手段255により、受信した生体データ値,気象データおよび所在位置が、ネットワーク70を介して管理サーバ60に送信されるとともに(ステップS202)、気象センサ22によって検出された気象データ(気温/水温,湿度,気圧/水圧)に対応する気象条件について前述のごとく設定された生体データ閾値が、閾値読出手段252により、閾値テーブル24から検索されて読み出される(ステップS203)。
【0182】
そして、比較手段253において、閾値読出手段252によって読出された生体データ閾値と生体センサ21によって検出された生体データ値(体温,血圧,心拍数,呼吸数)とが比較され(ステップS204)、上述したような基準に従って所持者の体調異状が判断・検知される(ステップS205)。生体データ値が生体データ閾値を超えていない場
合もしくは下回っていない場合には、異状なしと判断され(ステップS205のNOルート)、ステップS201の処理に戻る。
【0183】
一方、生体データ値が生体データ閾値を超えている場合、もしくは、下回っている場合には、異状ありと判断され(ステップS205のYESルート)、警告手段254によって、所持者に対する警告動作が実行される(ステップS206)。具体的には、本携帯端末装置20’におけるブザー等が鳴動されたり、LEDランプ等が点滅されたり、携帯電話を用いる場合には呼び出し動作が実行されたりする。
【0184】
警告動作を開始した後、所持者によって停止操作部26が操作されたか否かを制御手段256によって検知し(ステップS207)、警告動作開始後、所定時間だけ経過しても警告手段254の警告動作を停止させる操作(停止操作部26の操作)が実行されない場合(ステップS207のNOルートからステップS208のYESルート)、通知手段255により、ネットワーク70を介して第1連絡先への通知が実行される(ステップS209)。
【0185】
このとき、上述のごとく停止操作部26の操作が所定時間以上経過しても実行されない状況は、所持者が意識を無くしている等のかなり危険な状態であると考えられ、第1連絡先としての消防等のほか、管理者端末30,連絡先端末40,主治医端末50に、所持者の体調異状が、異状発生時の生体データ値,気象データおよび所在位置とともに通知される。また、上述のような状態では、所持者自身が電話や電子メールで対応できる状態ではないと考えられるので、予め登録されている、体調異状通知のための音声情報や電子メール文面に、生体データ値,気象データおよび所在位置を添付して、音声による自動発呼もしくは電子メールの自動送信を行なうことにより、体調異状の通知が行なわれる。
【0186】
停止操作部26の操作が所定時間内に所持者によって実行され、警告手段254の警告動作が停止された場合(ステップS207のYESルート)、問合せ手段257によって、通知手段255による通知を実行するか否かを所持者に対し問い合せる(ステップS210)。この問合せに対し通知手段255による通知を実行する旨の回答を所持者が行なった場合(ステップS211のYESルート)、通知手段255により、ネットワーク70を介して第2連絡先への通知が実行される(ステップS212)。
【0187】
このとき、第2連絡先としての主治医の電話(例えば主治医端末50)に対する発呼が自動的に行なわれ、主治医の応答があれば(ステップS213のYESルート)、所持者(携帯端末装置20’)と主治医(主治医端末50)との間が通話状態となり(ステップS214)、所持者自身が、主治医に適切な処置の指示を仰ぐことができるようにする。その際、異状発生時の生体データ値,気象データおよび所在位置も、例えば電子メールによって同時に主治医端末50に通知される(ステップS212)。
【0188】
主治医の応答がなければ(ステップS213のNOルート)、主治医以外の連絡先が登録されているか否かを判断し(ステップS215)、主治医以外の連絡先がない場合(ステップS215のNOルート)、ステップS212に戻り、第2連絡先(主治医)への発呼を再度実行する。一方、主治医以外の連絡先(例えば管理者や主催者/運営者など)が登録されている場合(ステップS215のYESルート)、その連絡先に対し自動発呼もしくは電子メールの自動送信を行なう(ステップS216)。
【0189】
問合せ手段257による問合せに対し通知手段255による通知を実行しない旨の回答を所持者が行なった場合(ステップS211のNOルート)、所持者が、所定回数、連続して通知拒否を行なったか否かを判定する(ステップS217)。そして、所定回数連続して通知拒否を行なっていない場合(ステップS217のNOルート)には、ステップS
201の処理に戻る一方、所定回数連続して通知手段255による通知の実行を拒否した場合(ステップS217のYESルート)、通知手段255により、ネットワーク70を介して第3連絡先への通知が強制的に実行される(ステップS218)。つまり、所持者が自己判断で警告を停止・解除しても異状が繰り返し検知される場合には、所持者はかなり危険な状態にあるものと判断され、第3連絡先としての友人や近親者(連絡先端末40)に対して体調異状の通知が強制的に行なわれる。その際、管理者端末30や主治医端末50にも体調異状の通知を行なう。
【0190】
一方、監視装置10(CPU11の制御手段117)から所持者の所在位置情報の要求があった場合(ステップS201のNOルートからステップS219のYESルート)には、制御手段256によりGPS位置検出部23に対し所在位置情報が要求され(ステップS220)、その要求に応じてGPS位置検出部23から送信されてきた所在位置(緯度・経度情報)が、通知手段255により監視装置10に通知される(ステップS221)。この後、ステップS201の処理に戻る。
【0191】
また、監視装置10(CPU11の制御手段117)から所持者の生体データ値の要求があった場合(ステップS219のNOルートからステップS222のYESルート)には、制御手段256により生体センサ21に対し生体データ値が要求され(ステップS223)、その要求に応じて生体センサ21から送信されてきた生体データ値が、通知手段255により監視装置10に通知される(ステップS224)。この後、ステップS201の処理に戻る。
【0192】
なお、ステップS221やS224において、携帯端末装置20’が住居100外に存在する場合(所持者が外出中である場合)、所在位置情報や生体データ値は、ネットワーク70を介して監視装置10に通知される一方、携帯端末装置20’が住居100内に存在する場合(所持者が在宅中である場合)、所在位置情報や生体データ値は、携帯端末装置20’からインタフェース12を介して直接的に監視装置10に通知される。インタフェース12を介した監視装置10と携帯端末装置20’との間の通信としては、例えば赤外線通信やBluetooth(登録商標)通信などを用いてもよい。もちろん、携帯端末装置2
0’が住居100内に存在する場合(所持者が在宅中である場合)にも、監視装置10と携帯端末装置20’との間の通信をネットワーク70経由で行なってもよい。
【0193】
本実施形態の監視システム1においては、所持者が住居100内に居る場合であって所持者の体調がよくない場合には、監視装置10(通知手段114)による所持者異状通知と、携帯端末装置20’(通知手段255)による体調異状通知とが同時に行なわれることになる。また、所持者の体調はよいが所持者が物理的に身動きがとれない場合(例えば車椅子による移動ができないような状況等)には、監視装置10(通知手段114)による所持者異状通知のみが行なわれ、携帯端末装置20’(通知手段255)による体調異状通知は行なわれない。従って、所持者の体調が悪い状況と身動きがとれない状況とを、監視装置10および携帯端末装置20’からの通知の有無によって切り分けて判断することが可能である。
【0194】
〔2−3〕管理サーバの動作:
図10および図11はいずれも本実施形態の管理サーバ60の動作(閲覧サービス)を説明するためのフローチャート(ステップS41〜S43,S51〜S55)であり、まず、図10に示すように、管理サーバ60では、携帯端末装置20あるいは携帯端末装置20’からの生体データ値,気象データおよび所在位置を定期的に受信すると(ステップS41のYESルート)、これらの生体データ,気象データおよび位置データが蓄積されるとともに(ステップS42)、生体データ,気象データおよび位置データが、検出時刻に対応付けながらグラフに加工されたり地図上に反映され、オリジナルデータとともに保
存される(ステップS43)。
【0195】
そして、図11に示すように、管理サーバ60では、契約者(管理サーバ60のサービスを受けるべく予め契約・登録を行なっている者)の端末から、データの閲覧要求があった場合(ステップS51のYESルート)、その契約者の端末に対し、契約・登録時に設定・発行された認証情報(ID番号およびパスワード)を要求し、認証情報を受けると、その認証情報と、管理サーバ60側で予め保存されている契約・登録時の認証情報とを比較・照合することにより本人認証を行ない(ステップS52)、本人認証がなされた場合(ステップS53のYESルート)、サービス提供を望む契約者に対して、蓄積されたデータや加工されたグラフや地図の閲覧サービス(公開サービス)を提供する(ステップS54)。一方、本人認証がなされなかった場合(ステップS53のNOルート)、契約者の端末に対しエラー通知が行なわれる(ステップS55)。
【0196】
このような管理サーバ60をそなえ、この管理サーバ60によって提供されるサービスを利用することで、所持者の体調異状を通知する際に異状発生時の生体データ値,気象データおよび所在位置を同時に通知しなくても、体調異状の通知を受けた管理者,主治医,連絡先は、予め管理サーバ60と契約していれば、体調異状を生じた所持者についての生体データ値,気象データおよび所在位置を、管理サーバ60にアクセスして把握することが可能になる。
【0197】
また、図12は本実施形態の管理サーバ60の動作(通知サービス)を説明するためのフローチャート(ステップS61〜S64)であり、この図12に示すように、管理サーバ60では、監視装置10から電気,ガス,水道,電話機104,情報処理端末105の利用状況等を定期的に受信すると(ステップS61のYESルート)、その利用状況等が蓄積される(ステップS62)。
【0198】
そして、利用状況等に利用料金に係る情報も含まれている場合には、その情報を時系列的なグラフ等に加工してから(ステップS63)、その加工結果を上記契約者に対し電子メール等によって通知する(ステップS64)。なお、利用状況等に利用料金に係る情報が含まれていない場合、つまり利用量に関する情報のみが監視装置10から通知されている場合には、ステップS63において、その利用量に応じた利用料金等に係る情報を収集してから、上記加工を行なう。
【0199】
また、不正接近異状が発生した場合における発生日時,発生場所(住居100のどの場所か)などのデータを用いて、管理サーバ60において以上のデータ蓄積・地図生成・閲覧許可に適用することも可能である。このようなデータ蓄積・地図生成により、ストーカーがどのような日時にどの場所に現れるかのパターンを知ることができ、抑止、あるいは、警察への通報に用いることが可能になる。また、この場合、契約者本人だけでなく、契約者の同意のうえで、契約者の保護者、警察、裁判所などに対して閲覧を許可することも可能である。
【0200】
〔3〕本発明の実施形態の効果:
この実施形態の監視システムによれば、利用者近傍において被監視者を監視する監視装置が配置されており、さらに、監視装置と通信可能な携帯端末装置が被監視者によって常時所持あるいは携帯されていて所定周期毎に生体認証による本人確認を実行し、監視装置は、被監視者が設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知すると共に携帯端末装置により被監視者と他者とを識別する。そして、被監視者が監視装置周辺で検知された場合には、被監視者による接近あるいは付きまといが生じている不正接近異状として判断し、異状の判断を所定の連絡先に通知する。
【0201】
したがって、この実施形態によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近を、他者と区別しつつ正確に遠隔で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。また、被監視者が携帯した状態の携帯端末装置によって被監視者の本人確認が所定周期毎に実行されるため、携帯端末装置を他人が身につけることはできず、被監視者の正確な監視が可能になる。したがって、被監視者を他者と区別しつつ正確に認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。さらに、監視装置を利用者が所持していれば、利用者の移動(通勤、通学など)中や利用者の移動先(職場、出張先、学校など)においても、被監視者の接近を確実に検知することが可能になる。
【0202】
この実施形態の監視システムによれば、所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置が設定されており、さらに、監視装置と通信可能な携帯端末装置が被監視者によって常時所持あるいは携帯されていて所定周期毎に生体認証による本人確認を実行し、監視装置は、被監視者が設置場所内に居るか否かを検知すると共に携帯端末装置により被監視者と他者とを識別する。そして、被監視者が設置場所内で検知された場合には、設置場所内で侵入が生じている不正侵入異状として判断し、異状の判断を所定の連絡先に通知する。
【0203】
したがって、この実施形態によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近を、他者と区別しつつ正確に遠隔で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。また、被監視者が携帯した状態の携帯端末装置によって被監視者の本人確認が所定周期毎に実行されるため、携帯端末装置を他人が身につけることはできず、被監視者の正確な監視が可能になる。したがって、被監視者を他者と区別しつつ正確に認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0204】
この実施形態の監視システムによれば、所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置が設定されており、さらに、監視装置と通信可能な携帯端末装置が被監視者によって常時所持あるいは携帯されていて所定周期毎に生体認証による本人確認を実行し、監視装置は、被監視者が設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知すると共に携帯端末装置により被監視者と他者とを識別する。そして、被監視者が設置場所周辺で検知された場合には、設置場所周辺で被監視者による接近あるいは付きまといが生じている不正接近異状として判断し、被監視者が設置場所内で検知された場合には、設置場所内で侵入が生じている不正侵入異状として判断し、各異状の判断を所定の連絡先に通知する。
【0205】
したがって、この実施形態によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近を、他者と区別しつつ正確に遠隔で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。また、被監視者が携帯した状態の携帯端末装置によって被監視者の本人確認が所定周期毎に実行されるため、携帯端末装置を他人が身につけることはできず、被監視者の正確な監視が可能になる。したがって、被監視者を他者と区別しつつ正確に認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0206】
この実施形態の監視システムによれば、監視装置が、設置場所における電気,ガス,水道,電話,情報処理端末のうちの少なくとも一つの利用状況を収集する利用状況収集手段を備え、被監視者検知手段によって被監視者が設置場所内で検知された場合に、利用状況収集手段によって収集された利用状況が通常の利用状況とは異なる異状状況であるか否かを判断する。
【0207】
したがって、この実施形態によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者
など)の接近だけでなく侵入をも、他者と区別しつつ正確に遠隔で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0208】
この実施形態の監視システムによれば、携帯端末装置は、被監視者の所在位置を検出する位置検出手段をそなえて構成され、被監視者検知手段は、携帯端末装置によって検出された被監視者の所在位置に基づいて被監視者が設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知する。
【0209】
したがって、この実施形態によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近や侵入を、他者と区別しつつ正確に、位置まで把握した状態で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0210】
この実施形態の監視システムによれば、携帯端末装置は、被監視者の所在位置を検出する位置検出手段と、被監視者の生体データ値を検出する生体センサと、をそなえて構成され、被監視者検知手段は、携帯端末装置によって検出された被監視者の所在位置と生体データ値とに基づいて被監視者が設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知する。
【0211】
したがって、この実施形態によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近や侵入を、他者と正確に区別しつつ、位置まで把握した状態で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0212】
この実施形態の監視システムによれば、被監視者検知手段は、赤外線センサあるいは動き検知センサをさらに備え、赤外線センサあるいは動き検知センサで何らかの検出がされた場合に、携帯端末装置の位置検出手段によって検出された被監視者の所在位置に基づいて被監視者が設置場所若しくは設置場所周辺内に居るか否かを検知する。
【0213】
したがって、この実施形態によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近や侵入を、他者と正確に区別しつつ、位置まで把握した状態で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0214】
この実施形態の監視システムによれば、監視装置の通知手段が、異状を通知する際に、携帯端末装置を有する被監視者の情報も通知する。
したがって、この実施形態によれば、被監視者(ストーカー、接近禁止命令を受けた者など)の接近や侵入を、その接近や侵入を行っている者の情報を示しつつ、他者と区別して正確に、位置まで把握した状態で認識でき、効率のよい監視を正確に行ないながら、異状に確実に対処することが可能になる。
【0215】
また、利用者宅検知手段によって被監視者が住居周辺で一定時間以上あるいは一定回数以上検知された場合には、住居周辺で被監視者による接近あるいは付きまといが生じている不正接近異状として判断される。さらに、利用者宅検知手段によって被監視者が検知された場合には、住居内で侵入が生じている不正侵入異状として判断される。なお、赤外線センサあるいは動き検知センサの検出結果に基づいて、利用者宅検知手段により、被監視者が住居内若しくは住居周辺に居るか否かが確実に検知される。この結果、利用者宅内部や周辺の各種の異状が正確に判断される。
【0216】
また、このように、本発明の一実施形態としての監視システム1,監視装置10および携帯端末装置20,携帯端末装置20’によれば、利用者が生活する住居100における電気,ガス,水道,電話機104,情報処理端末105の利用状況が収集され、その利用状況が通常の利用状況とは異なる異状状況であって利用者が住居100内に居ることが検
知された場合、利用者が居るにもかかわらず利用状況が異状であり、利用者が身動きの取れない状況であったり意識を無くしていたりする可能性が高く、利用者異状が所定の連絡先(監視者等;例えば親族,監視センタの管理者,病院の主治医など)に通知される。これにより、監視者等は、利用者の異状をより正確に遠隔で認識でき、無駄な連絡や派遣を無くした効率のよい監視を正確に行ないながら、利用者の異状に確実に対処することができる。
【0217】
このとき、利用者異状の通知を行なう前に、住居100内に居る利用者に対し、前記利用状況に異状が生じている旨を通知して警告を発し、その警告動作を停止させる操作が利用者によって所定時間内に実行された場合、利用者異状の通知を実行するか否かについて利用者に問い合せ、利用者の回答に応じて通知を実行する。これにより、利用者に前記利用状況の異状についての注意を喚起した上で、利用者自身の判断を仰いでから利用者異状の通知が行なわれる。一方、所定時間経過しても前記警告動作を停止させる操作が実行されない場合には、利用者が身動きの取れない状況であったり意識を無くしていたりする、かなり危険な状態である可能性が極めて高く、直ちに利用者宅異状の通知が行なわれ、迅速な対応をとることができるようになっている。
【0218】
従って、むやみやたらに利用者異状の自動通知が行なわれず、監視者等は、無駄な連絡や派遣を確実に無くした、より効率のよい監視を正確に行ないながら、利用者の異状により確実に対処することができる。また、利用者は、前記利用状況の異状についての警告を受けることにより、自ら前記利用状況の異状(例えば電気製品やガス器具のつけっ放し,水道の出しっ放し,電話機104の受話器外れ,情報処理端末105のつけっ放し等)に直ちに対処してその異状を解消することが可能になる。そして、利用者が、身動きは取れるが極めて体調が悪く利用者異状の通知を望む場合には、その通知が行なわれ、監視者等は利用者の異状に確実に対処することができる。
【0219】
また、前記利用状況が異状である時に利用者が住居100内に居ないことが検知された場合には、利用者の外出中に住居100内で異状が生じているものと判断され、住居内異状が所定の連絡先(監視者等;例えば親族,監視センタの管理者など)に通知される。これにより、利用者の留守中に、住居100に対して損害を与える可能性のある住居内異状(例えば電気製品やガス器具のつけっ放し,水道の出しっ放し等)が発生している場合に、監視者等は、利用者に代わって住居内異状に対処することが可能になり、その異状によって住居100が損害を受けるのを未然に且つ確実に防ぐことができる。
【0220】
なお、前記利用状況として収集された所定期間の利用量が第1閾値以下である場合もしくは前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である場合、前記利用状況が異状であると判断することにより、利用者が、例えば、電気製品,ガス器具,水道,電話機104,情報処理端末105を所定期間に亘ってほとんど利用していないような状況や、電気製品,ガス器具,水道,電話機104,情報処理端末105が使用状態のままで放置されているような状況を、異状状況として確実に認識することができる。
【0221】
また、収集された前記利用状況、および、その利用状況に応じた利用料金の少なくとも一方に関する情報(例えば検針員による検針結果に含まれる情報)を、所定の連絡先(監視者等;例えば親族,監視センタの管理者など)に通知することにより、監視者等は遠隔で利用者による利用状況や利用料金を把握することができるほか、検針結果を印字していた所定用紙が不要になり紙資源保護にも寄与することになる。このような利用状況等の通知サービスは、携帯端末装置20の通知手段225の機能としてそなえることも可能であるし、管理サーバ60の機能としてそなえることも可能である。
【0222】
一方、本実施形態の監視システム1によれば、携帯端末装置20’におけるGPS位置
検出部23によって検出された利用者の所在位置を用いることで、利用者宅検知手段113によって利用者が住居100内に居るか否かを極めて容易に検知することができる。また、携帯端末装置20’における生体センサ21によって検出された生体データ値(例えば体温,血圧,心拍数,呼吸数,脈波,心電,血中酸素飽和濃度,血中酸素濃度,筋組織酸素濃度)を利用者異状とともに所定の連絡先(監視者等;例えば親族,監視センタの管理者,病院の主治医,消防など)に通知することで、医師を含む監視者等は、適切な判断や、適切な機器や薬剤の準備、適切な処置の指示を行なうことができる。
【0223】
さらに、携帯端末装置20’において、利用者を本人確認するための生体データ閾値を、閾値テーブル24において気象条件毎に予め設定しておき、気象センサ22によって検出された気象データ(例えば気温,水温,湿度,気圧,水圧)に対応する気象条件について設定された生体データ閾値を閾値テーブル24から検索して読み出し、読み出された生体データ閾値と生体センサ21によって検出された生体データ値(例えば体温,血圧,心拍数,呼吸数)とを比較した結果、利用者の体調異状を検知した場合に、利用者に対して体調異状の警告(例えば、ブザー等の鳴動動作,LEDランプ等の点滅動作,携帯電話の呼び出し動作による警告)が発せられたり、利用者の体調異状が所定の連絡先へ通知(例えば電話や電子メールによって自動通知)されたりする。
【0224】
これにより、利用者が住居100内に居る場合であっても外出中であっても、その利用者の所在雰囲気中の気象データに応じた生体データ閾値を基準にして利用者の体調を管理・判断することができるので、利用者の所在雰囲気中の気象データを考慮した適切な管理・判断が可能になり、さらに、その判断結果に応じて利用者本人に対する警告や、監視者等への体調異状の通知を適切に行なえ、利用者の自己判断に頼ることなく、利用者の体調に応じた適切な対処・対応を直ちに実行することができる。
【0225】
このとき、利用者に対する体調異状の警告を行なった場合に、その警告動作を停止させる操作が利用者によって所定時間以上実行されなければ、利用者が意識を無くしている等のかなり危険な状態であると判断され、利用者の体調異状の通知が直ちに実行されるので、迅速な対応をとることができる。その際、第1連絡先としての消防等に通知を行なうことで、救急車等の緊急車両の手配を直ちに行なうことができるほか、生体センサ21によって検出されている生体データ値を同時に通知することで、生体データ値に応じた適切な処置をより迅速に行なえるようになる。さらに、GPS位置検出部23によって利用者の所在位置を同時に通知することで、利用者の所在位置を直ちに確認することができ、利用者が所在する場所に、緊急車両等を直ちに向かわせることができ、迅速な初動対応を実現することができる。
【0226】
また、警告動作を停止させる操作が利用者によって所定時間内に実行された場合、体調異状の通知を実行するか否かについて利用者に問い合せ、利用者の回答に応じて体調異状の通知を実行することにより、利用者に注意を喚起した上で、利用者自身の判断を仰いでから体調異状の通知が行なわれるので、むやみやたらに自動通知が行なわれないようにすることができる。そして、利用者が望めば通知が行なわれ、その際、通知として主治医への電話発呼を行なうことにより、利用者は、主治医に適切な処置の指示を仰ぐことができるほか、生体センサ21によって検出されている生体データ値を同時に通知することで、主治医は、適切な判断や、適切な処置の指示を行なうことができる。
【0227】
上記問合せに対し利用者が所定回数連続して体調異状通知の実行を拒否した場合、つまり利用者が自己判断で警告を停止・解除しても異状が繰り返し検知される場合には、利用者はかなり危険な状態にあるものと判断し、体調異状の通知が強制的に行なわれ、迅速な対応をとることができるようになる。その際には、例えば、友人や、親族,配偶者などの近親者に対する通知を行なうほか、GPS位置検出部23によって利用者の所在位置を同
時に通知することで、利用者の所在位置を直ちに確認することができ、利用者が所在する場所に友人や近親者が直ちに向かうことができる。
【0228】
また、携帯電話に生体センサ21,気象センサ22およびGPS位置検出部23を接続して構成し、携帯電話を、各種手段251〜257として機能させることで、本実施形態の監視システム1における携帯端末装置20や携帯端末装置20’を極めて容易に且つ簡単に実現することができる。
【0229】
さらに、被監視者が侵入してきて、第三者自らが持ち込んだコンピュータなどを使用し、住居100における通信回線(有線あるいは無線のインターネット回線、通常の電話回線など)を使用した場合であって、物理的な痕跡を残していないような場合であったも、以上のように利用状況収集手段によって、その通信回線の使用状況を検知することが可能になり、これによって侵入の状況を明らかにすることが可能になる。また、住居100内におけるコンピュータなどを、使用ログなどの痕跡を残さないようにして使用したとしても、同様に、利用状況収集手段によって、その通信の使用状況や侵入の状況を検知することが可能になる。
【0230】
また、被監視者の在宅状況や侵入異状などの判断とあわせ、侵入による異状であるか、利用者不在時のコンロや蛇口の故障による漏れの異状かといった区別も可能になる。
〔4〕その他:
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0231】
例えば、上述した実施形態の監視装置10では、電気,ガス,水道,電話機104,情報処理端末105の全ての利用状況を収集して利用状況の異状判断を行なっているが、電気,ガス,水道,電話機104,情報処理端末105のうちの少なくとも一つの利用状況を収集して利用状況の異状判断を行なってもよい。
【0232】
また、監視システムの設置場所は、利用者の住居だけでなく、学校、職場、など適宜変更することが可能である。
ところで、上述した利用状況収集手段111,異状判断手段112,利用者宅検知手段113,通知手段114,警告手段115,問合せ手段116および制御手段117としての機能(各手段の全部もしくは一部の機能)は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が所定のアプリケーションプログラム(監視プログラム)を実行することによって実現される。また、上述した閾値設定手段251,閾値読出手段252,比較手段253,警告手段254,通知手段255,制御手段256および問合せ手段257としての機能(各手段の全部もしくは一部の機能)は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が所定のアプリケーションプログラム(体調管理プログラム)を実行することによって実現される。
【0233】
これらのプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RWなど),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RWなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体から監視プログラムや体調管理プログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0234】
ここで、コンピュータとは、ハードウエアとOS(オペレーティングシステム)とを含
む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウエアを意味している。また、OSが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウエアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえている。上記の監視プログラムや体調管理プログラムとしてのアプリケーションプログラムは、上述のようなコンピュータに、利用状況収集手段111,異状判断手段112,利用者宅検知手段113,通知手段114,警告手段115,問合せ手段116,制御手段117,閾値設定手段251,閾値読出手段252,比較手段253,警告手段254,通知手段255,制御手段256および問合せ手段257としての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラムではなくOSによって実現されてもよい。
【0235】
さらに、本実施形態における記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD,DVD,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等の、コンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することもできる。
【0236】
〔5〕付記:
(付記A1)
所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置と、
前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行う携帯端末装置とをそなえ、
前記監視装置が、
前記被監視者が前記設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知すると共に前記携帯端末装置により前記被監視者と前記他者とを識別する被監視者検知手段と、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所周辺で検知された場合には、前記設置場所周辺で被監視者による接近あるいは付きまといが生じている不正接近異状として判断し、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所内で検知された場合には、前記設置場所内で侵入が生じている不正侵入異状として判断する、異状判断手段と、前記異状判断手段による前記各異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段と、をそなえて構成される、
ことを特徴とする監視システム。
【0237】
(付記A1’)
利用者近傍において被監視者を監視する監視装置と、
前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行う携帯端末装置とをそなえ、
前記監視装置が、
前記被監視者が前記監視装置周辺に居るか否かを検知すると共に前記携帯端末装置により前記被監視者と前記他者とを識別する被監視者検知手段と、前記被監視者検知手段によって被監視者が検知された場合には、被監視者による接近あるいは付きまといが生じている不正接近異状として判断する異状判断手段と、前記異状判断手段による前記異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段と、をそなえて構成される、
ことを特徴とする監視システム。
【0238】
(付記A1”)
所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置と、
前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行う携帯端末装置とをそなえ、
前記監視装置が、
前記被監視者が前記設置場所内に居るか否かを検知すると共に前記携帯端末装置により前記被監視者と前記他者とを識別する被監視者検知手段と、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所内で検知された場合には、前記設置場所内で侵入が生じている不正侵入異状として判断する異状判断手段と、前記異状判断手段による前記各異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段と、をそなえて構成される、
ことを特徴とする監視システム。
【0239】
(付記A2)
前記監視装置が、
前記設置場所における電気,ガス,水道,電話,情報処理端末のうちの少なくとも一つの利用状況を収集する利用状況収集手段を備え、
前記異状判断手段は、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所内で検知された場合に、前記利用状況収集手段によって収集された前記利用状況が通常の利用状況とは異なる異状状況であるか否かを判断する、
ことを特徴とする付記A1記載の監視システム。
【0240】
(付記A3)
前記携帯端末装置は、前記被監視者の所在位置を検出する位置検出手段をそなえて構成され、
前記被監視者検知手段は、前記携帯端末装置によって検出された前記被監視者の所在位置に基づいて前記被監視者の存在を検知する、
ことを特徴とする付記A1または付記A2に記載の監視システム。
【0241】
(付記A3)
前記携帯端末装置は、前記被監視者の所在位置を検出する位置検出手段と、前記被監視者の生体データ値を検出する生体センサと、をそなえて構成され、
前記被監視者検知手段は、前記携帯端末装置によって検出された前記被監視者の所在位置と生体データ値とに基づいて前記被監視者の存在を検知する、
ことを特徴とする付記A1または付記A2に記載の監視システム。
【0242】
(付記A5)
前記被監視者検知手段は、
赤外線センサあるいは動き検知センサをさらに備え、
前記赤外線センサあるいは前記動き検知センサで何らかの検出がされた場合に、前記携帯端末装置の前記位置検出手段によって検出された前記被監視者の所在位置に基づいて前記被監視者の存在を検知する、
ことを特徴とする付記A1〜付記A4のいずれかに記載の監視システム。
【0243】
(付記A6)
前記監視装置の前記通知手段が、異状を通知する際に、前記携帯端末装置を有する前記被監視者の情報も通知する、
ことを特徴とする付記A1〜付記A5のいずれか一項に記載の監視システム。
【0244】
(付記B1)
所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置と、
前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行う携帯端末装置とをそなえ、
前記監視装置が、
前記被監視者が前記設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知すると共に前
記携帯端末装置により前記被監視者と前記他者とを識別する被監視者検知手段と、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所周辺で検知された場合には、前記設置場所周辺で被監視者による接近あるいは付きまといが生じている不正接近異状として判断し、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所内で検知された場合には、前記設置場所内で侵入が生じている不正侵入異状として判断する、異状判断手段と、前記異状判断手段による前記各異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段と、をそなえて構成される、
ように、コンピュータを機能させることを特徴とする、監視プログラム。
【0245】
(付記B1’)
利用者近傍において被監視者を監視する監視装置と、
前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行う携帯端末装置とをそなえ、
前記監視装置が、
前記被監視者が前記監視装置周辺に居るか否かを検知すると共に前記携帯端末装置により前記被監視者と前記他者とを識別する被監視者検知手段と、前記被監視者検知手段によって被監視者が検知された場合には、被監視者による接近あるいは付きまといが生じている不正接近異状として判断する異状判断手段と、前記異状判断手段による前記異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段と、をそなえて構成される、
ように、コンピュータを機能させることを特徴とする、監視プログラム。
【0246】
(付記B1”)
所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置と、
前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され所定周期毎に生体認証による本人確認を行う携帯端末装置とをそなえ、
前記監視装置が、
前記被監視者が前記設置場所内に居るか否かを検知すると共に前記携帯端末装置により前記被監視者と前記他者とを識別する被監視者検知手段と、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所内で検知された場合には、前記設置場所内で侵入が生じている不正侵入異状として判断する、異状判断手段と、前記異状判断手段による前記各異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段と、をそなえて構成される、
ように、コンピュータを機能させることを特徴とする、監視プログラム。
【0247】
(付記B2)
前記監視装置が、
前記設置場所における電気,ガス,水道,電話,情報処理端末のうちの少なくとも一つの利用状況を収集する利用状況収集手段を備え、
前記異状判断手段は、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所内で検知された場合に、前記利用状況収集手段によって収集された前記利用状況が通常の利用状況とは異なる異状状況であるか否かを判断する、
ように、コンピュータを機能させることを特徴とする付記B1記載の監視プログラム。
【0248】
(付記B3)
前記携帯端末装置は、前記被監視者の所在位置を検出する位置検出手段をそなえて構成され、
前記被監視者検知手段は、前記携帯端末装置によって検出された前記被監視者の所在位置に基づいて前記被監視者の存在を検知する、
ように、コンピュータを機能させることを特徴とする付記B1または付記B2に記載の監視プログラム。
【0249】
(付記B4)
前記携帯端末装置は、前記被監視者の所在位置を検出する位置検出手段と、前記被監視者の生体データ値を検出する生体センサと、をそなえて構成され、
前記被監視者検知手段は、前記携帯端末装置によって検出された前記被監視者の所在位置と生体データ値とに基づいて前記被監視者の存在を検知する、
ように、コンピュータを機能させることを特徴とする付記B1または付記B2に記載の監視プログラム。
【0250】
(付記B5)
前記被監視者検知手段は、
赤外線センサあるいは動き検知センサをさらに備え、
前記赤外線センサあるいは前記動き検知センサで何らかの検出がされた場合に、前記携帯端末装置の前記位置検出手段によって検出された前記被監視者の所在位置に基づいて前記被監視者の存在を検知する、
ように、コンピュータを機能させることを特徴とする付記B1〜付記B4のいずれかに記載の監視プログラム。
【0251】
(付記B6)
前記監視装置の前記通知手段が、異状を通知する際に、前記携帯端末装置を有する前記被監視者の情報も通知する、
ように、コンピュータを機能させることを特徴とする付記B1〜付記B5のいずれか一項に記載の監視プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0252】
【図1】本発明の一実施形態としての監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態としての監視装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の監視システムにおける携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態の動作(監視装置の動作)を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施形態の動作(監視装置の動作)を説明するためのフローチャートである。
【図6】本実施形態の動作(携帯端末装置における生体センサの動作)を説明するためのフローチャートである。
【図7】本実施形態の動作(携帯端末装置における気象センサの動作)を説明するためのフローチャートである。
【図8】本実施形態の動作(携帯端末装置におけるGPS位置検出部の動作)を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態の動作(携帯端末装置におけるCPUの動作)を説明するためのフローチャートである。
【図10】本実施形態の動作(管理サーバの動作/閲覧サービス)を説明するためのフローチャートである。
【図11】本実施形態の動作(管理サーバの動作/閲覧サービス)を説明するためのフローチャートである。
【図12】本実施形態の動作(管理サーバの動作/通知サービス)を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0253】
1 監視システム
10 監視装置
11 CPU
111 利用状況収集手段
112 異状判断手段
113 被監視者検知手段
114 通知手段(被監視者異状通知手段,住居内異状通知手段,利用状況/利用料金通知手段)
115 警告手段
116 問合せ手段(第1問合せ手段)
117 制御手段(第1制御手段)
12 インタフェース
13 停止操作部
14 回答入力部
20 携帯端末装置(被監視者用の携帯端末装置)
20’ 携帯端末装置(利用者用の携帯端末装置)
21 生体センサ
22 気象センサ
23 GPS位置検出部(位置検出手段)
24 閾値テーブル
25 CPU
251 閾値設定手段
252 閾値読出手段
253 比較手段
254 警告手段(体調異状警告手段)
255 通知手段(体調異状通知手段)
256 制御手段(第2制御手段)
257 問合せ手段(第2問合せ手段)
26 停止操作部
27 回答入力部
30 管理者端末
40 連絡先端末
50 主治医端末
60 管理サーバ(利用状況/利用料金通知手段)
70 ネットワーク
100 住居
101 電力量計
102 ガスメータ
103 水道メータ
104 電話機
105 情報処理端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によって監視システムが利用され、監視の対象となる被監視者による前記利用者への接近の監視を行う監視システムであって、
利用者近傍で被監視者を監視する監視装置と、
前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され、前記被監視者の身体の一部に装着された生体センサにより所定周期毎に前記被監視者の生体データ値を検出して予め保持された生体データ閾値と比較することで生体認証による本人確認を行う携帯端末装置とをそなえ、
前記携帯端末装置は、
各種表示を行う表示画面と、
所定の連絡先に通知する通知手段と、
前記通知手段により所定の連絡先に通知する制御を行う制御手段とをそなえて構成され、
前記監視装置が、
前記携帯端末装置により前記被監視者を識別し、該被監視者が前記監視装置の周辺に居るか否かを検知する被監視者検知手段と、
前記被監視者検知手段によって被監視者が検知された場合には不正接近異状として判断する異状判断手段と、
前記異状判断手段による前記不正接近異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段とをそなえて構成され、
前記携帯端末装置は、前記監視装置からの通知を受けて前記表示画面に前記不正接近異状発生の表示を行う、
ことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置と、
前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され、前記被監視者の身体の一部に装着された生体センサにより所定周期毎に前記被監視者の生体データ値を検出して予め保持された生体データ閾値と比較することで生体認証による本人確認を行う携帯端末装置とをそなえ、
前記携帯端末装置は、
各種表示を行う表示画面と、
所定の連絡先に通知する通知手段と、
前記通知手段により所定の連絡先に通知する制御を行う制御手段とをそなえて構成され、
前記監視装置が、
前記携帯端末装置により前記被監視者を識別し、該被監視者が前記設置場所に居るか否かを検知する被監視者検知手段と、
前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所で検知された場合には不正侵入異状として判断する異状判断手段と、
前記異状判断手段による前記異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段とをそなえて構成され、
前記携帯端末装置は、前記監視装置からの通知を受けて前記表示画面に前記不正侵入異状発生の表示を行う、
ことを特徴とする監視システム。
【請求項3】
所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置と、
前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され、前記被監視者の身体の一部に装着された生体センサにより所定周期毎に前記被監視者の生体データ値を検出して予め保持された生体データ閾値と比較することで生体認証による本人確認を行う
携帯端末装置とをそなえ、
前記携帯端末装置は、
各種表示を行う表示画面と、
所定の連絡先に通知する通知手段と、
前記通知手段により所定の連絡先に通知する制御を行う制御手段とをそなえて構成され、
前記監視装置が、
前記携帯端末装置により前記被監視者を識別し、該被監視者が前記設置場所内若しくは設置場所周辺に居るか否かを検知する被監視者検知手段と、
前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所周辺で検知された場合には不正接近異状として判断し、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所内で検知された場合には不正侵入異状として判断する異状判断手段と、
前記異状判断手段による前記各異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段とをそなえて構成され、
前記携帯端末装置は、前記監視装置からの通知を受けて前記表示画面に前記不正接近異状発生もしくは前記不正侵入異状の表示を行う、
ことを特徴とする監視システム。
【請求項4】
前記異状判断手段は、前記被監視者検知手段の検知結果の検知パターンを集計し、一定時間以上の連続、あるいは、一定時間未満であっても回数が一定以上のいずれかに該当するかにより、異状の有無を判断する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の監視システム。
【請求項5】
前記携帯端末装置は、
前記被監視者の生体データ値を検出する生体センサと、
前記被監視者の所在雰囲気中の気象データを検出する気象センサと、
前記被監視者の本人確認をするための生体データ閾値を気象条件毎に予め設定されて保持する閾値テーブルと、
前記気象センサにより検出された気象データに対応する前記気象条件毎に定められた前記生体データ閾値を前記閾値テーブルから検索して読み出す閾値読出手段と、
前記閾値読出手段によって読み出された生体データ閾値と前記生体センサによって検出された生体データ値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果により本人確認を行う、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の監視システム。
【請求項6】
前記異状判断手段は、前記被監視者検知手段の検知結果の検知パターンを集計し、一定時間以上の連続、あるいは、一定時間未満であっても回数が一定以上のいずれかに該当するかにより、異状の有無を判断する際に、時刻に応じて時間あるいは回数の値を変更する、
ことを特徴とする請求項4記載の監視システム。
【請求項7】
利用者によって監視システムが利用され、監視の対象となる被監視者による前記利用者への接近の監視を行う監視システムにおいて、利用者近傍で被監視者を監視する監視装置と、前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され、前記被監視者の身体の一部に装着された生体センサにより所定周期毎に前記被監視者の生体データ値を検出して予め保持された生体データ閾値と比較することで生体認証による本人確認を行う携帯端末装置としてコンピュータを機能させる監視プログラムであって、
所定の連絡先に通知する通知手段、前記監視装置からの通知を受けて不正接近異状発生の表示を行う表示手段、前記通知手段により所定の連絡先に通知する制御を行う制御手段、として前記携帯端末装置のコンピュータを機能させるとともに、
前記携帯端末装置により前記被監視者を識別し、該被監視者が前記監視装置の周辺に居るか否かを検知する被監視者検知手段、前記被監視者検知手段によって被監視者が検知された場合には不正接近異状として判断する異状判断手段、前記異状判断手段による前記不正接近異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段、として前記監視装置のコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする監視プログラム。
【請求項8】
所定の設置場所において被監視者を監視する監視装置と、前記監視装置と通信可能であるとともに前記被監視者によって携帯され、前記被監視者の身体の一部に装着された生体センサにより所定周期毎に前記被監視者の生体データ値を検出して予め保持された生体データ閾値と比較することで生体認証による本人確認を行う携帯端末装置としてコンピュータを機能させる監視プログラムであって、
所定の連絡先に通知する通知手段、前記監視装置からの通知を受けて不正侵入異状発生の表示を行う表示手段、前記通知手段により所定の連絡先に通知する制御を行う制御手段、として前記携帯端末装置のコンピュータを機能させるとともに、
前記携帯端末装置により前記被監視者を識別し、該被監視者が前記設置場所に居るか否かを検知する被監視者検知手段、前記被監視者検知手段によって被監視者が前記設置場所で検知された場合には不正侵入異状として判断する異状判断手段、前記異状判断手段による前記異状の判断を所定の連絡先に通知する通知手段、として前記監視装置のコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−146623(P2008−146623A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192396(P2007−192396)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【分割の表示】特願2006−334070(P2006−334070)の分割
【原出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【特許番号】特許第4058501号(P4058501)
【特許公報発行日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(592112938)クオリティ株式会社 (121)
【Fターム(参考)】