説明

監視システムおよび監視方法

【課題】複雑な内部構成であっても、死角が多数発生するという問題を解決する監視システムを提供する。
【解決手段】固定カメラ、移動カメラ、制御サーバおよび監視カメラを有する監視システムであって、前記制御サーバは、前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位情報を保持する手段を有し、前記監視カメラは、前記固定カメラおよび前記移動カメラの位置情報を取得する手段を有し、前記監視カメラは、前記固定カメラと前記移動カメラとの位置が一定の範囲になったと判断した場合、前記制御サーバに保持されている前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位情報を比較し、前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位の方位が同一と判断した場合、前記固定カメラの方位を逆方向になるように、前記固定カメラを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
大規模商業施設・スタジアムおよび美術館等において、監視を強化する監視システムおよび監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模商業施設・スタジアムおよび美術館での事件・事故においては、監視カメラの死角を狙ったものが多い。
【0003】
死角をなくすべくカメラを設置する場合、特に入り組んだ内部構造を持つ建造物では多額の導入費用が必要となり、現実的ではなかった。
【0004】
このため監視員が巡回することにより現状のセキュリティを提供してきたが、監視員個人の主観によるところも大きく、カメラと監視員がかぶることもあり、効率的な監視が出来ないという問題がある。
【0005】
上述した背景に関連する技術を次に開示する。
【0006】
特許文献1に開示の映像撮影装置は、カメラから高速無線通信回線を介して公開される動画像を表示する携帯端末から高速無線通信回線を介して撮影信号を収集する撮影信号収集部と、撮影信号に応答して映像をカメラから収集する映像収集部と、公衆回線網に接続されるユーザ端末に映像を公開する映像配信部とを備えている。
【0007】
上記によれば、ユーザは、携帯端末に表示される動画像を見ながら、携帯端末を操作して好きなシャッターチャンスでそのカメラから見た映像を撮影することができ、自分一人で撮影することができないようなさまざまな映像を容易に撮影することができる。
【0008】
特許文献2に開示の河川監視業務においては、広域な河川敷沿いを移動しながら監視をおこなう巡回車両と河川敷沿いの複数の監視箇所に固定設置された監視装置との間で監視情報を送受信する機能を有することが記載されている。
【0009】
上記によれば、巡回員は現場に到着するまでの間、巡回車両内で現場の状態把握ができる。また、巡回員が現場からの実況画像を中央監視室へ伝送し監視員の指示を仰いだり情報交換を行うことができる。
【0010】
特許文献3に開示の監視システムは、所定の空間における所定の場所に固定され、所定の範囲を撮影する固定カメラと、所定の空間内を移動し、固定カメラの死角を撮影する移動カメラとを備え、固定カメラには、外装に複数の標章が設けられ、移動カメラは、固定カメラに設けられた複数の標章をランドマークとして所定の空間内における自らの位置姿勢を同定することが記載されている。
【0011】
上記によれば、有限の空間リソースを損なわずに視覚的なランドマークに基づいた移動カメラの位置姿勢の同定を行うことができる。
【特許文献1】特許第3232897号公報
【特許文献2】特開2007−67456号公報
【特許文献3】特開2005−57592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ここで、従来の方法は、建造物内の特定の場所に固定カメラを設置し、これにより遠隔監視を実施していたが、上述したように、特に複雑な内部構成となる美術館等では、死角が多数発生するという問題点があった。
【0013】
また、これを補う目的で監視員が館内を徘徊することとなるが、あくまで監視員の主観的な範囲での監視となるという問題点があった。
【0014】
この問題点において、特許文献1から特許文献3に関して、未だ改善の余地がある。
【0015】
そこで本発明は、固定カメラ、移動カメラ、制御サーバおよび監視カメラを有するシステムにおいて、制御サーバが固定カメラおよび移動カメラの方位情報を保持し、監視カメラは、固定カメラおよび移動カメラの位置情報を取得し、位置および方位を制御する監視システムおよび監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる第1の監視システムは、固定カメラ、移動カメラ、制御サーバおよび監視カメラを有する監視システムであって、前記制御サーバは、前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位情報を保持する手段を有し、前記監視カメラは、前記固定カメラおよび前記移動カメラの位置情報を取得する手段を有し、前記監視カメラは、前記固定カメラと前記移動カメラとの位置が一定の範囲になったと判断した場合、前記制御サーバに保持されている前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位情報を比較し、前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位の方位が同一と判断した場合、前記固定カメラの方位を逆方向になるように、前記固定カメラを制御することを特徴とする。
【0017】
本発明にかかる第1の監視方法は、固定カメラ、移動カメラ、制御サーバおよび監視カメラが行う監視方法であって、前記制御サーバにより、前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位情報を保持する工程を有し、前記監視カメラにより、前記固定カメラおよび前記移動カメラの位置情報を取得する工程を有し、前記監視カメラにより、前記固定カメラと前記移動カメラとの位置が一定の範囲になったと判断した場合、前記制御サーバに保持されている前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位情報を比較し、前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位の方位が同一と判断した場合、前記固定カメラの方位を逆方向になるように、前記固定カメラを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、固定カメラ、移動カメラ、制御サーバおよび監視カメラを有し、制御サーバが固定カメラおよび移動カメラの方位情報を保持し、監視カメラは、固定カメラおよび移動カメラの位置情報を取得し、位置および方位を制御することで、複雑な内部構成であっても、死角が多数発生するという問題点を解決する監視システムおよび監視方法の提供を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明にかかる監視システムは、以下の態様を有する。
【0020】
美術館等複雑に入り組んだ建造物や、スタジアム・イベント会場等の広範囲に渡るエリアでの固定カメラの死角を消し去り、より強固なセキュリティを提供できる。
【0021】
また位置方位情報から固定カメラを自動制御することにより、シームレスに監視員のカメラとの撮影範囲分担を行い、効率的に監視を継続できる。
【0022】
イベント会場・スタジアムおよび博物館/美術館等建造物内での監視システムにおいて、従来の固定型カメラでの監視に加え、警備員の所持する携帯型カメラを併用することにより、監視を強化する。
【0023】
また、固定カメラと携帯型カメラの連携・相互通信を図ることにより、死角となり得る範囲をカバーすることが可能となり、より効率的な監視が実現できる。
【0024】
固定カメラでの監視ネットワークに追加する形で、各監視員が携帯型カメラを所持することで、固定カメラでの死角を減少させ、監視センタでの集中監視が可能になり、強固な監視ネットワークを構築することが可能となる。
【0025】
複雑な内部構造を持つ建造物内部において、従来の固定カメラによる定点監視では、死角が多数存在するようなシステムにおいて、監視員所持型の携帯式カメラを導入することにより、本来死角となるべき場所に対する監視を強化することが出来る。
【0026】
また携帯カメラと固定カメラの相互の状態および情報を逐次反映することにより、監視員が意識することなく、向いている方向(携帯カメラにて撮影されている方向)とは反対方向を固定カメラにて監視する等効率的な監視を実現する。
【0027】
上記態様を有する監視システムについて以下、実施の形態を用いて説明する。
以下の実施の形態は、本発明を好適もしくは最良に実施する形態であって、これに限定されることはなく、当業者が容易に想到できる範囲内において、修正、変形可能とする。
【0028】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる監視システムについて図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態にかかる監視システムの構成の一例を示す図である。
本実施形態では、固定カメラネットワークとして、有線にて接続、携帯型カメラにおいては、比較的大容量・広範囲をカバーするWiMaxをアクセスとして採用する。
また、館内の監視室にてモニタを使用し、監視すると同時に監視会社の本社での遠隔監視・データ保存を行い有事の際に画像データを確認できる構成をとる。
【0029】
図1に示すように、本実施形態にかかる監視システムは、WiMax装置1、スタジアム等イベント施設2、監視会社本社3、施設内監視室4、ルータ8、マイクロ無線IDU10およびマイクロ無線IDU11を有する。
【0030】
スタジアム等イベント施設2は、固定カメラ12、固定カメラ17、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)を有する。
【0031】
監視会社本社3は、監視サーバ14およびデータ保管装置15を有する。
【0032】
施設内監視室4は、監視会社本社3、施設内監視室4、ルータ9、制御サーバ13および監視モニタ16を有する。
【0033】
スタジアム等イベント施設2内の携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)は、施設に配備されている各監視員によって所持される。
【0034】
各監視員は、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)によって、不審者等を撮影し、画像データを保持する。
【0035】
スタジアム等イベント施設2内の、固定カメラ12および固定カメラ17、は、不審者等を撮影し、画像データを保持する。
【0036】
WiMax装置1は、ルータ8、マイクロ無線IDU10およびマイクロ無線IDU11によって、スタジアム等イベント施設2内の固定カメラ17、固定カメラ12、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)によって撮影された画像データを、施設内監視室4の制御サーバ13、監視会社本社3にある監視サーバ14へ転送する。
【0037】
転送された画像データは、監視モニタ16にて集中監視されるとともに、監視サーバ14のデータ保管装置15にて記憶・保持される。
【0038】
制御サーバ13側では、転送された画像情報から監視員と、固定カメラの位置・方位を逐次監視する。
【0039】
仮に、監視員と、固定カメラとの位置が近くなった場合、制御サーバ13内にて保持している方位情報(監視員カメラの向いている位置と固定カメラの向き)を比較し、同方位であれば、固定カメラのモータを制御し監視員とは逆向きとして、撮影する。
【0040】
一方、固定カメラ12、固定カメラ17、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)は、同時に、ルータ9により、位置・方位情報を施設内監視室4に設置される制御サーバ13へ送信する。
【0041】
(第2の実施形態)
第2の実施形態にかかる監視システムについて図2を用いて説明する。
図2は、第1の実施形態にかかる監視システムの構成において、監視の効率化を実現するためのシステムの一例を示す図である。
【0042】
上記の構成のみでは、監視員とカメラが相互に作用しないため、各監視員とカメラが同位置・同方位を撮影するケースが発生し、監視員後方に死角が発生する可能性がある。
【0043】
これを防ぐため、各監視員の所持する携帯型カメラは、GPS装置および電子コンパスを実装し、現在の監視員の位置、方位(向いている方向)をデータ化して同様に送信する。
【0044】
一方、固定カメラについても、電子コンパスにより、撮影方向のデータを送信する。
【0045】
このデータは、施設内監視室に設置されたサーバに逐次Updateされ、固定カメラと携帯型カメラの撮影位置がかぶる場合は、携帯型カメラとは逆方向を撮影するように、固定カメラの撮影位置を制御する。
【0046】
これにより監視員の後方に出来る死角にも監視が行き届くようになり、効率的な監視が可能となる。
【0047】
図2のシステムにおける実際の処理について説明する。
【0048】
各監視員所持の携帯型カメラおよび固定カメラにて撮影された画像データは、有線LANおよびWiMax送受信機を通して、施設内の監視センタおよび監視会社本社にあるデータサーバへ転送され、監視センタにて集中監視されるとともにデータサーバにて記憶・保持される。
【0049】
実際には、第1の実施形態で述べたように、WiMax装置1は、ルータ8、マイクロ無線IDU10およびマイクロ無線IDU11によって、スタジアム等イベント施設2内の固定カメラ17、固定カメラ12、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)によって撮影された画像データを、施設内監視室4の制御サーバ13、監視会社本社3にある監視サーバ14へ転送する。
【0050】
転送された画像データは、監視モニタ16にて集中監視されるとともに、監視サーバ14のデータ保管装置15にて記憶・保持される。
【0051】
制御サーバ13側では、転送された画像情報から監視員と、固定カメラの位置・方位を逐次監視する。
【0052】
仮に、監視員と、固定カメラとの位置が近くなった場合、制御サーバ13内にて保持している方位情報(監視員カメラの向いている位置と固定カメラの向き)を比較し、同方位であれば、固定カメラのモータを制御し監視員とは逆向きとして、撮影する。
【0053】
一方、固定カメラ12、固定カメラ17、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)は、同時に、ルータ9により、位置・方位情報を施設内監視室4に設置される制御サーバ13へ送信する。
【0054】
制御サーバ側ではこの情報から監視員と固定カメラの位置・方位を逐次監視し、仮に監視員と固定カメラの位置が5m以下となった場合に、制御サーバ内にて保持している方位情報(監視員カメラの向いている位置と固定カメラの向き)を比較、同方位であれば、固定カメラのモータを制御し監視員とは逆向きとして、撮影する。
【0055】
(第3の実施形態)
第3の実施形態にかかる監視システムのおける第1の処理について図1、図2および図3を用いて説明する。
図3は、第3の実施形態にかかる監視システムの第1の処理を説明するフローチャート図である。
【0056】
制御サーバ13は、WiMax装置1、ルータ8、マイクロ無線IDU10およびマイクロ無線IDU11によって、スタジアム等イベント施設2内の固定カメラ17、固定カメラ12、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)で撮影された画像データを受信し、各カメラの位置情報を取得する(ステップS101)。
【0057】
制御サーバ13は、ステップS101の処理で、取得された位置情報から、監視員と固定カメラの位置・方位を監視し、監視員と固定カメラの位置が5m以下となったか否かの判定をする(ステップS102)。
【0058】
ステップS102の処理で、制御サーバ13によって、監視員と固定カメラの位置が5m以下となっていないと判定された場合は(ステップS102/NO)、ステップS101の処理に戻る。
【0059】
ステップS102の処理で、制御サーバ13によって、監視員と固定カメラの位置が5m以下となったと判定された場合(ステップS102/YES)、該当したカメラの方位情報を取得する(ステップS103)。
【0060】
ステップS103の処理で、該当したカメラの方位情報を取得した後、方位角が30度以下であるか否かの判定を行う(ステップS104)。
【0061】
ステップS104の処理で、該当したカメラの方位角が30度以下ではないと判定した場合(ステップS104/NO)、ステップS101の処理に戻る。
【0062】
ステップS104の処理で、該当したカメラの方位角が30度以下であると判定した場合(ステップS104/YES)、固定カメラとの稼動範囲内で、携帯カメラとの方位角が最大となる、方位を算出する(ステップS105)。
【0063】
ステップS105の処理で、固定カメラとの稼動範囲内で、携帯カメラとの方位角が最大となる、方位を算出後、固定カメラ制御モータへ情報を送信し、方位補正を行う(ステップS106)。ステップS106の処理後は、ステップS101の処理に戻る。
【0064】
第3の実施形態にかかる監視システムのおける第2の処理について図1、図2および図4を用いて説明する。
図4は、第3の実施形態にかかる監視システムの第2の処理を説明するフローチャート図である。
【0065】
スタジアム等イベント施設2内の固定カメラ17および固定カメラ12は、赤外線等の照射機能を備える。
【0066】
スタジアム等イベント施設2内の携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)は、固定カメラ17および固定カメラ12から照射されたものを検出する機能を有する。
【0067】
スタジアム等イベント施設2内の携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)は、固定カメラ17および固定カメラ12からの照射を検出した場合に、警告を行う機能を有する。
【0068】
警告を行う機能は、小さな音を出す、もたは、音を出さずにバイブ機能等で、警備員に照射を検出したことを知らせる。
【0069】
スタジアム等イベント施設2内の固定カメラ17および固定カメラ12は、稼働範囲内において、一時的、または、常時、赤外線等の照射を行う(ステップS201)。
【0070】
スタジアム等イベント施設2内の携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)は、固定カメラ17および固定カメラ12からの照射を検出を行う(ステップS202)。
【0071】
スタジアム等イベント施設2内の携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)のいずれかが、固定カメラ17および固定カメラ12からの照射を検出した場合(ステップS202/YES)、該当するカメラを有する警備員にその旨を伝える(ステップS203)。
【0072】
スタジアム等イベント施設2内の携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)のいずれも、固定カメラ17および固定カメラ12からの照射を検出しない場合(ステップS202/NO)、次の処理に進まない。
【0073】
本処理によって、警備員は、照射を検出したことを知り、固定カメラとの撮影範囲を重ねることのないように、移動を行うことができる。
【0074】
また、携帯用カメラと、固定カメラとの両方が同じ領域をモニタすることがなくなることができる。
【0075】
これにより、監視会社本社3の管理の手間、施設内監視室4の管理の手間も省けるという効果を有する。
【0076】
第3の実施形態にかかる監視システムのおける第3の処理について図1、図2および図5を用いて説明する。
図5は、第3の実施形態にかかる監視システムの第3の処理を説明するフローチャート図である。
【0077】
スタジアム等イベント施設2内の固定カメラ17および固定カメラ12、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)のぞれぞれは、自機以外の機器のそれぞれの位置と、自機との位置の情報を取得する位置情報取得機能を有する。
【0078】
位置情報を取得する機能は、GPS機能および電子コンパス等に該当する。
【0079】
スタジアム等イベント施設2内の固定カメラ17および固定カメラ12、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)のぞれぞれは、前記固定カメラおよび前記移動カメラの各々は、取得した位置情報から自機と、他機との位置が一定の範囲になったか否かの判断を行う判断機能を有する。
【0080】
スタジアム等イベント施設2内の固定カメラ17および固定カメラ12、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)のぞれぞれは、それぞれと、自機との位置情報取得を行う(ステップS301)。
【0081】
位置情報の取得より、スタジアム等イベント施設2内の固定カメラ17および固定カメラ12が、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)のいずれかの機器の撮影範囲と、自機の撮影範囲とが重なるか否かの判断を行う(ステップS302)。
【0082】
ステップS302の処理で、スタジアム等イベント施設2内の固定カメラ17および固定カメラ12が、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)のいずれの機器の撮影範囲も、自機の撮影範囲とは重ならないと判断した場合(ステップS302/NO)、次に処理に進まない。
【0083】
ステップS302の処理で、スタジアム等イベント施設2内の固定カメラ17および固定カメラ12が、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)のいずれかの機器の撮影範囲と、自機の撮影範囲とが重なると判断した場合(ステップS302/YES)、撮影範囲が重なると判断した固定カメラは、該当する携帯用カメラにその旨の通知を行う(ステップS303)。
【0084】
位置情報の取得より、スタジアム等イベント施設2内の携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)が固定カメラ17および固定カメラ12の機器の撮影範囲と、自機の撮影範囲とが重なるか否かの判断を行う(ステップS304)。
【0085】
ステップS304の処理で、携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)が固定カメラ17および固定カメラ12の双方の撮影範囲と、自機の撮影範囲とは重ならないと判断した場合(ステップS304/NO)、次に処理に進まない。
【0086】
ステップS304の処理で、スタジアム等イベント施設2内の携帯用カメラ5(WiMax CPE)、携帯用カメラ6(WiMax CPE)および携帯用カメラ7(WiMax CPE)が固定カメラ17および固定カメラ12のいずれかの機器の撮影範囲と、自機の撮影範囲とが重なると判断した場合(ステップS302/YES)、撮影範囲が重なると判断した携帯用カメラは、施設内監視室4の制御サーバ13、監視会社本社3にある監視サーバ14にその旨の通知を行う(ステップS305)。
【0087】
施設内監視室4の制御サーバ13は、該当する固定カメラの稼働範囲を制御する(ステップS306)。
【0088】
制御方法は、上述した方位角を算出し、固定カメラ制御モータへ情報を送信し、方位補正を行う。
【0089】
第1の実施形態から第3の実施形態によれば、美術館等複雑に入り組んだ建造物や、スタジアム・イベント会場等の広範囲に渡るエリアでの固定カメラの死角を消し去り、より強固なセキュリティを提供できる。
【0090】
また、位置方位情報から固定カメラを自動制御することにより、シームレスに監視員のカメラとの撮影範囲分担を行い、効率的に監視を継続できる。
【0091】
また、イベント会場・スタジアムおよび博物館/美術館等建造物内での監視システムにおいて、従来の固定型カメラでの監視に加え、警備員の所持する携帯型カメラを併用することにより、監視を強化する。
【0092】
また、固定カメラと携帯型カメラの連携・相互通信を図ることにより、死角となり得る範囲をカバーすることが可能となり、より効率的な監視が実現できる。
【0093】
また、固定カメラでの監視ネットワークに追加する形で、各監視員が携帯型カメラを所持することで、固定カメラでの死角を減少させ、監視センタでの集中監視が可能になり、強固な監視ネットワークを構築することが可能となる。
【0094】
また、複雑な内部構造を持つ建造物内部において、従来の固定カメラによる定点監視では、死角が多数存在するようなシステムにおいて、監視員所持型の携帯式カメラを導入することにより、本来死角となるべき場所に対する監視を強化することが出来る。
【0095】
さらに、携帯カメラと固定カメラの相互の状態および情報を逐次反映することにより、監視員が意識することなく、向いている方向(携帯カメラにて撮影されている方向)とは反対方向を固定カメラにて監視する等効率的な監視を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】第1の実施形態にかかる監視システムの構成を示す図である。
【図2】第2の実施形態にかかる監視システムを示す図である。
【図3】第3の実施形態にかかる監視システムの第1の処理を説明するフローチャート図である。
【図4】第3の実施形態にかかる監視システムの第2の処理を説明するフローチャート図である。
【図5】第3の実施形態にかかる監視システムの第3の処理を説明するフローチャート図である。
【符号の説明】
【0097】
1 WiMax装置
2 スタジアム等イベント施設
3 監視会社本社
4 施設内監視室
5、6、7 携帯用カメラ
8、9 ルータ
10、11 マイクロ無線IDU
12、17 固定カメラ
13 制御サーバ
14 監視サーバ
15 データ保管装置
16 監視モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定カメラ、移動カメラ、制御サーバおよび監視カメラを有する監視システムであって、
前記制御サーバは、前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位情報を保持する手段を有し、
前記監視カメラは、前記固定カメラおよび前記移動カメラの位置情報を取得する手段を有し、
前記監視カメラは、前記固定カメラと前記移動カメラとの位置が一定の範囲になったと判断した場合、前記制御サーバに保持されている前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位情報を比較し、前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位の方位が同一と判断した場合、前記固定カメラの方位を逆方向になるように、前記固定カメラを制御することを特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記固定カメラは、照射手段を有し、
前記移動カメラは、前記照射手段の照射を検出する手段と
前記検出手段で前記照射を検出した場合に、警告を行う警告手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記固定カメラおよび前記移動カメラの各々は、位置情報を取得する手段と、
取得した前記位置情報から、自機と、他機との位置が一定の範囲になったか否かの判断を行う判断手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記固定カメラは、前記判断手段によって、一定の範囲であることが判断手段された場合、前記移動カメラに前記一定の範囲であることを通知し、
前記移動カメラは、前記判断手段によって、一定の範囲であることが判断手段された場合、前記制御サーバに対して、前記一定の範囲であることを通知し、前記制御サーバは、前記固定カメラの前記位置および前記方位を制御することを特徴とする請求項3に記載の監視システム。
【請求項5】
固定カメラ、移動カメラ、制御サーバおよび監視カメラが行う監視方法であって、
前記制御サーバにより、前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位情報を保持する工程を有し、
前記監視カメラにより、前記固定カメラおよび前記移動カメラの位置情報を取得する工程を有し、
前記監視カメラにより、前記固定カメラと前記移動カメラとの位置が一定の範囲になったと判断した場合、前記制御サーバに保持されている前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位情報を比較し、前記固定カメラおよび前記移動カメラの方位の方位が同一と判断した場合、前記固定カメラの方位を逆方向になるように、前記固定カメラを制御することを特徴とする監視方法。
【請求項6】
前記固定カメラにより、照射を行なう工程を有し、
前記移動カメラにより、前記照射を検出する工程と
前記検出工程で前記照射を検出した場合に、警告を行う警告工程とを有することを特徴とする請求項5に記載の監視方法。
【請求項7】
前記固定カメラおよび前記移動カメラの各々により、位置情報を工程する手段と、
取得した前記位置情報から、自機と、他機との位置が一定の範囲になったか否かの判断を行う判断工程とを有することを特徴とする請求項6に記載の監視方法。
【請求項8】
前記判断工程によって、一定の範囲であることが判断された場合、前記移動カメラに前記一定の範囲であることを通知し、
前記判断工程によって、一定の範囲であることが判断された場合、前記制御サーバに対して、前記一定の範囲であることを通知し、前記制御サーバは、前記固定カメラの前記位置および前記方位を制御することを特徴とする請求項7に記載の監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−188740(P2009−188740A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26639(P2008−26639)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】